JP2004145390A - 工程修正システム - Google Patents
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Abstract
【課題】外的要因や工程能力不足によってばらつく不可制御工程のパラメータ値による品質の影響を相殺することができる工程修正システムを得る。
【解決手段】良品の基準となる基準空間を生成する基準空間生成手段4と、製品の品質評価結果に対する有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段5と、有意パラメータに対応する可制御工程のパラメータ値を算出する工程制御手段6とを備え、工程制御手段6は、有意パラメータに対応する可制御工程に対して、製品のマハラノビス距離が最小となるパラメータ値によりフィードフォワード制御を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】良品の基準となる基準空間を生成する基準空間生成手段4と、製品の品質評価結果に対する有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段5と、有意パラメータに対応する可制御工程のパラメータ値を算出する工程制御手段6とを備え、工程制御手段6は、有意パラメータに対応する可制御工程に対して、製品のマハラノビス距離が最小となるパラメータ値によりフィードフォワード制御を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の工程からなる半導体等の製造プロセスにおいて、製品の品質の安定化を支援する工程修正システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の製造プロセス、特に半導体製造プロセスにおいては、品質の向上、コスト削減、工期短縮などを達成するために、製造装置とコンピュータおよびネットワークを融合したCIM(Computer Integrated Manufacturing)化が推進されている。
このような半導体製造工場におけるCIM化に関し、特に製品の品質安定化を目的とした工程修正システムが提案されている。
【0003】
従来の工程修正システムは、製造工程における稼働情報、製造状況、処理実績など種々の情報を送信する機能を有する製造装置と、製造装置からの実績データと検査結果とを結合する第1の計算手段と、第1の計算手段によって収集・結合されたデータから、製造装置の実績データと検査結果との因果関係を求める第2の計算手段と、第2の計算手段で計算された因果関係から、製造装置の推定される結果を検査結果の実績データに比して、パラメータ(プロセスパラメータ)を調整する第3の計算手段と、設定範囲または許容範囲値を調整する第4の計算手段とを備えている。
【0004】
このシステムは、製品の品質の安定化を左右するパラメータの要因を見極めて、その要因の目標値に対する寄与度を評価した後、その最適な要因の条件を製造装置にフィードバックすることにより、製品の品質の向上や製造プロセスの安定化を図る(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−252179号公報(第29頁、第15図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の工程修正システムは以上のように、工程運用時に、製造プロセスを監視しながら、品質の劣化を示すサインが発生した後に、工程へフィードバック制御しているので、不良品や品質の不安定な製品を事前に作りこんでしまうという問題点があった。
【0007】
また、制御不可能もしくは制御困難な不可制御工程のパラメータ値に対しては元々フィードバック制御対象とすることができないので、そのパラメータ値に品質問題を引き起こす原因がある場合には、制御可能な可制御工程のパラメータ値を正常値に設定しても品質を向上させることができないという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、外的要因や工程能力不足によってばらつく不可制御工程のパラメータ値による品質の影響を相殺することができる工程修正システムを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る工程修正システムは、製造プロセスにより生産された製品の品質評価結果が良品である場合の各工程のパラメータ値に基づいて、良品の基準となる基準空間を生成する基準空間生成手段と、品質評価結果が良品及び不良品である場合の各工程のパラメータ値と基準空間とに基づいて、品質評価結果に対する有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段と、有意パラメータの値及び基準空間に基づいて、有意パラメータに対応する可制御工程のパラメータ値を算出する工程制御手段とを備え、工程制御手段は、有意パラメータの値が決定した時に、有意パラメータに対応する可制御工程に対して、製品のマハラノビス距離が最小となるパラメータ値によりフィードフォワード制御を行うものである。
【0010】
また、この発明に係る工程修正システムは、対象とする製品が半導体からなるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1による工程修正システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、1は可制御工程であり、工程a〜eを含む。2は不可制御工程であり、工程x〜z,u,vを含む。3は、各工程1,2に続く検査工程、D1は、検査結果が品質良好を示す良品データ、D2は、検査結果が品質不良を示す不良品データである。
【0013】
4は、良品データD1に基づいて基準空間(データ)を作成する基準空間作成手段、DRは基準空間データ、5は基準空間データ、良品データ及び不良品データに基づいて有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段、PSは有意パラメータである。
【0014】
6は有意パラメータPS、基準空間データDRに基づいてパラメータ値を算出する工程制御手段であり、工程yからデータ入力し、工程b,eにフィードフォワードする。
【0015】
半導体などの製造プロセスは、例えば、工程x,a,y,b,z,c,u,d,v,eの順に遂行される。工程eの終了後においては、最終工程として、検査工程3では製品の品質チェックが行われ、これにより、半導体が製造される。
【0016】
各工程において、可制御工程1と呼ばれる工程a,b,c,d,eは、制御可能なパラメータ値によって制御される工程を示す。また、不可制御工程2と呼ばれる工程x,y,z,u,vは、制御不可能もしくは制御困難なパラメータ値によって制御される工程を示す。
【0017】
不可制御工程2は、(1)購入部材の品質のばらつきや、前工程の出来映えのばらつきに起因してパラメータ値がばらつきを示す工程と、(2)工程の工程能力が低く、所望の制御範囲に出力を得ることが出来ない工程とを指している。
【0018】
これらの場合、パラメータ値のばらつきを制御することは、購入部材の高精度化、全数試験化などが必要であり、一般的にコストがかかる。また、工程能力を向上させるためにはハード的な変更が必要であり、コスト的、時間的にも制約を受けることが多い。したがって、これらの工程を制御するのが不可能、または困難という意味で不可制御工程2と称している。
【0019】
基準空間作成手段4は、検査工程3による製品の品質チェックの結果、品質が良好である場合、各工程のパラメータ値を収集し、パラメータ値に基づいて基準空間を作成する。
【0020】
有意パラメータ決定手段5は、品質が良品である場合、および品質が不良である場合の各製造工程のパラメータ値を収集し、各パラメータ値の中から品質に大きく影響を与える工程のパラメータ値を有意パラメータとして特定する。
【0021】
工程制御手段6は、基準空間に近づくようなパラメータ値を求めて、有意パラメータに対応する工程のパラメータ値として入力させる(フィードフォワードする)。
【0022】
次に、基準空間作成手段4、有意パラメータ決定手段5、工程制御手段6の動作についてそれぞれ説明する。
【0023】
まず、図2を参照しながら、基準空間生成手段4の動作について説明する。図2は基準空間の分布を示す説明図であり、(a)〜(c)はそれぞれ望目特性、望大特性、望小特性のデータを示している。
図2において、横軸はパラメータ値、縦軸はデータ度数、SOは規格値中央値、SLは下限規格値、SUは上限規格値である。
【0024】
基準空間生成手段4は、まず、開発・試作フェーズ、工程の立上げフェーズや本生産フェーズの検査工程3で、品質が良好であると判定された製造工程でのパラメータ値を基準データとして収集する。
【0025】
ここでいう「品質が良好」とは、図2(a)に示すように、工程の出力値が望目特性の場合には、規格中央値付近の範囲内のデータ(例えばSO±0.5σ)であることに相等する。また、図2(b)に示すように、望大特性の場合には、下限規格値より若干大きいデータ(例えばSL+σからSL+2σ)であることに相等する。さらに、図2(c)に示すように、望小特性の場合には、上限規格値より若干小さいデータ(例えばSU−2σからSU−σ)であることに相等する(σは全データの標準偏差)。
【0026】
例えば、半導体のウエハ工程のようなバッチ処理による製品においては、1ウエハまたは1ロットにおけるチップの良品率や、個々の性能を示した物理量などを基準データとしてもよい。
【0027】
表1に、基準データの例を示す(パラメータ数:k=10)。
【0028】
【表1】
【0029】
表1においては、1ウエハ単位のチップの良品率(検査工程3の出力)が88%〜93%のものを基準データとして収集された各工程のパラメータ値を示す。表1では、No1〜14までの14種の基準データを示している。
【0030】
基準空間作成手段4は、各基準データに基づいて基準空間を作成する。良品率をpとすると、pのオメガ変換値qは以下の式(1)で与えられる。
q = −10log[(1/p)−1] ・・・ (1)
【0031】
良品率のデータにオメガ変換を施すことによって、オメガ変換された良品率は、−∞から∞までの値をとることになり、データに線形性が得られる。なお、表1において、良品率範囲は、オメガ変換値では8.65〜11.23となる。
【0032】
基準空間生成手段4は、以下の手順で基準空間を作成する。基準空間は、本生産時においても、基準データが追加されるたびに作成、更新される。
【0033】
(a) 基準データ値Maj,Mbj,Mcj,・・・Muj,Mvj,Mwj,・・(j=1,2,3,・・・,n : nは基準データの組数)ごと(工程ごと)の平均値μiおよび標準偏差σi(i=a,b,c,・・・,u,v,w,・・・)を求める。
【0034】
例えば、表1において、工程xにおける基準データ値Mxjの平均値μxと標準偏差σxとを求め、他の工程についてもそれぞれ求める。
【0035】
(b) 次に、それぞれの工程の平均値μiおよび標準偏差σiを用いて、式(2)により、基準データ値Mijを標準化した基準化データ値Nijを求める。
Nij=(μi−Mij)/σi ・・・ (2)
なお、表1の基準データを用いて基準化データを求めた結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
(c) 次に、以下の式(3)により、基準データ値Mijを標準化した基準化データ値Nijを用いて相関関数行列Rを演算する。なお、式(3)において、rlmは、NljおよびNmjの相関係数である。
また、演算された相関関数行列Rの逆行列R−1を基準空間とする。
【0038】
【0039】
なお、表2の基準化データを用いて相関関数行列、相関関数行列の逆行列を求めた結果を表3、4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
(d) 1つの製品サンプルに対する基準データの入力値(各工程のパラメータ値)の行ベクトルを式(4)とする。
Vj={Naj,Nbj,Ncj,・・・Nuj,Nvj,Nwj,・・・}・・・ (4)
【0043】
(e) 式(5)によりマハラノビス距離Djを求める。
Dj=√[(Vj t・R−1・Vj)/k] ・・・ (5)
なお、式(5)において、Vj tはVjの転置行列を示す。
【0044】
基準データで求められたマハラノビス距離Djは、その平均が「1」になることが知られている。したがって、基準データで求められたマハラノビス距離Djを指標として品質を判断することができる。
【0045】
例えば、任意の製品サンプルの入力パラメータ値V={Na,Nb,Nc,・・・Nu,Nv,Nw,・・・}に対してマハラノビス距離Dを求め、マハラノビス距離Dが「1」より大きくなった場合、すなわち、品質の良好な基準空間から離れることになり、「1」から離れるにしたがって、その製品サンプルの品質は基準空間の品質よりも悪いと判断することができる。
【0046】
また、マハラノビス距離Dが「1」近傍であった場合、製品サンプルの品質は基準空間の品質と同等である、すなわち品質は良好であると判断することができる。
なお、表1の基準データを用いてマハラノビス距離Dを求めた結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
次に、図3〜図5を参照しながら、有意パラメータ決定手段5の動作について説明する。図3は、全工程のパラメータ値によって求められたマハラノビス距離Dと出力特性値との関係を示す説明図であり、図4は、各工程のパラメータ値がマハラノビス距離に与える影響を解析した結果を示す説明図であり、図5は、MT(マハラノビス・タグチ)法によって、パラメータ数を減らして求められたマハラノビス距離と出力特性値との関係を示す説明図である。
【0049】
なお、図3および図5において、縦軸は検査工程3から出力された良品率のオメガ変換値(出力特性値)、横軸はマハラノビス距離Dである。また、図4において、縦軸はS/N比、横軸は因子、水準を示す。
なお、ここでいうS/N比とは、図3で示したマハラノビス距離と特性値(ここでは良品率のオメガ変換値)の関係性の大きさを示す指標である。すなわち、設定した基準空間とそこから導かれるマハラノビス距離が、予測したい特性値の指標として適切かどうかを示す尺度である。以下、その求め方を示す。
特性値の水準をq1,q2,・・・qn、それぞれの特性値に対応するマハラノビス距離を、D1,D2,・・・Dnとする(nは特性値の水準数)。
まず、線形式Lおよび、特性値の水準の2乗和r、マハラノビス距離の2乗和STを次式で求める。
【0050】
L = q1D1 + q2D2 + ・・・ qnDn ・・・ (6)
r = q1 2 + q2 2 + ・・・ qn 2 ・・・ (7)
ST = D1 2 + D2 2 + ・・・ + Dn 2 ・・・ (8)
【0051】
これより、S/N比ηは、以下の式で求められる。
η = 10log{(Sβ−Ve)/rVe}[単位:db(デシベル)]・・・ (9)
ただしここに、
Sβ = L2/r ・・・ (10)
Ve = (ST−Sβ)/(n−1) ・・・ (11)
である。
S/N比ηが大きいほど、マハラノビス距離と特性値との関係性が大きく、設定した基準空間が適切であることを示す。
【0052】
なお、ここでは、パラメータkの値が「10」の場合を述べたが、実際の製造工程では数十、数百のパラメータを扱うことも多い。したがって、予め基準空間を形成するために選択すべき最小限のパラメータを抽出しておくことは、管理の効率やコストの観点から重要である。
【0053】
開発・試作フェーズ、工程の立上げフェーズには、各工程のパラメータの適切な設定値が正確に分からないことが多い。しかし、本生産に入るまでに、品質が良好なものや、悪いもののデータを得ることはできる。以下、表6を参照しながら、これらのデータを用いて有意パラメータを特定する手順を説明する。
【0054】
【表6】
【0055】
表6において、品質不良である製品の各工程のパラメータ値と、各パラメータ値から求められたマハラノビス距離Dとを示す。
【0056】
図3において、表6の品質不良データのオメガ変換値およびマハラノビス距離を図3にプロットし、基準空間作成手段4で作成された基準空間のデータと比較すると、基準空間データよりもマハラノビス距離Dが大きく、マハラノビス距離Dが大きくなるに従って、良品率が低い、すなわち品質が悪くなっていることが分かる。
【0057】
有意パラメータ決定手段5では、公知のMT(マハラノビス・タグチ)法(例えば「品質工学応用講座・MTシステムにおける技術開発」:田口玄一著・日本規格協会出版)を用いて、製品の製造プロセスにおける各工程のパラメータの中から、製品の品質の良し悪しがマハラノビス距離Dに対して有意に影響を与えるパラメータ(有意パラメータ)を抽出する。
【0058】
有意パラメータ決定手段5は、基準空間に属する、すなわち品質が良好なデータ、および基準空間に属さない、すなわち品質が良好でないデータを入力して、各パラメータの有無により、最終的な出力(製品の品質の尺度)がマハラノビス距離の変化に影響するか否かを調べ、大きく影響するパラメータを有意パラメータとして抽出する。
【0059】
すなわち、それぞれの工程のパラメータが有りの場合と、無しの場合とのそれぞれの場合において、品質が良好および良好ではない様々な品質をもつデータのマハラノビス距離を求め、前述の方法で2つのS/N比を求める。
以下、各工程パラメータの有り/無しにおけるそれぞれのS/N比の求め方を説明する。
各工程パラメータの有り/無しの組み合わせは、パラメータ数をkとすると、2k通りと膨大になる。そこで、MT法では、2元系直交表を用いて組み合わせの効率化を図っている。例えば、k=8〜15の場合は、L16と称する2元系直交表を用いることで、16通りの組み合わせのみで、k個のパラメータの特徴、すなわち各パラメータが有り/無しの場合のS/N比を的確に捉えることができる。表7にL162元直交表を示す。
【0060】
【表7】
【0061】
なお、表7において、行番号(1〜16)は、各項目(a〜o)の水準(1か2)の組み合わせのパターン番号を示す。例えば、第5行(行番号5)の場合、項目aは水準1、項目bは水準2、・・・、項目nは水準2、項目oは水準2をとることを示す。
【0062】
それぞれの工程のパラメータが有りの場合のS/N比と無しの場合のS/N比を求める方法について述べる。
本実施例では、項目数(パラメータ数)は10であるので、項目aからjの列のみを使用する(項目fghijは工程xyzuvに読み替える)。
まず、直交表に従って16個のS/N比を計算する。水準1になっている項目のみを採用して基準空間を作り、前述のS/N比を求めるのである。
次に、各項目aないしjの第1水準(その工程のパラメータ使用)、第2水準(同未使用)でのS/N比を計算し、2k=20個のS/N比を得る。例えば、項目aの第1水準すなわち、工程aのパラメータを使用する場合のS/N比は、直交表の行番号1から8のすべてのS/N比を平均すればよく、また例えば、項目bの第2水準のS/N比であれば、行番号5から8および13から16の8つのS/N比を平均すればよい。
【0063】
それぞれの工程のパラメータが有りの場合(第1水準)のS/N比と無しの場合(第2水準)のS/N比を比較して、その差が所定値以上になった場合、その工程のパラメータは、適切な基準空間(マハラノビス距離と特性値(良品率)との関係性が大きい)を形成する上で有意なパラメータであると特定できる。
【0064】
図4は、k=10個のパラメータkに対して、MT法を用い、有意パラメータを特定したものである。
【0065】
図4において、横軸の因子・水準は、それぞれのパラメータにおいて、「そのパラメータを採用した場合(水準1)」、「そのパラメータを採用しなかった場合(水準2)」を示す。また、例えば図中の「x1」は、工程xの水準1、「x2」は、工程xの水準2を示す。
【0066】
有意パラメータ決定手段5は、(1)水準1と水準2の差がほとんどないパラメータ(すなわち、パラメータの有無で品質に大きく影響しない)や、水準1より水準2のほうがS/N比が大きいパラメータは、有意パラメータとして用いることができないので除外する。
【0067】
また、(2)水準1の方が水準2より大きいS/N比をもつパラメータを有意パラメータとして採用する。
(1)、(2)の基準に従い、各工程の各パラメータの中から有意パラメータを特定する。
【0068】
図4の場合、工程b,e,yのパラメータが有意パラメータとして特定され、マハラノビス距離に大きく影響することが分かる。
【0069】
後述する工程制御手段6では、特定された有意パラメータおよび基準空間に基づいて可制御工程のパラメータ値が求められ、可制御工程へフィードフォワードされる。
【0070】
図5において、有意パラメータとして特定された工程b,e,yのみの基準データ値を用いて、再度基準空間を作成する。また、品質が良好でないデータを用いてマハラノビス距離を求め、再作成された基準空間とともに表した結果を示す。
【0071】
全てのパラメータを適用した図3と、パラメータを特定し、有意パラメータを適用した図5とを比較して分かるように、パラメータの数を「10」から「3」に減らしても、マハラノビス距離Dは、品質の度合いを良く表す尺度として用いることができることが分かる。
【0072】
続いて、工程制御手段6について説明する。
図1のように、例えば、有意パラメータに対応する工程b,e,yのうち、工程yのパラメータは制御が不可能(または困難)であるとする(すなわち、工程yは、不可制御工程)。前述の通り、「制御が不可能」とは、例えば、購入部材の物理量など生産工程内で制御できないものである。
【0073】
有意パラメータの工程として特定された工程yは不可制御工程であるため、前述の通り制御が不可能である。したがって、工程制御手段6は、不可制御工程である工程yのパラメータ値を入力し、可制御工程である工程bおよび工程eのパラメータ値を求める。
パラメータ値を求める際には、最終的な製品の品質を損なわないように、マハラノビス距離Dが最小となるような(基準空間データに近づくような)パラメータ値を求める。
【0074】
工程b、eのパラメータ値が求められた場合、工程b、工程eにそれぞれのパラメータ値を入力させる(工程bおよび工程eにフィードフォワードする)。
【0075】
この場合では、マハラノビス距離Dは、工程b,e,yのパラメータMb,Me,Myの関数D(Mb,Me,My)であるが、ここでは既に、Myは制御不可能のパラメータにより値は決まっているので、マハラノビス距離Dは、パラメータMb,Meの関数D(Mb,Me)で表される。
【0076】
D(Mb,Me)の最小値は、以下の式(12)、(13)の2元の連立方程式を解くことによって一意的に決定される。
【0077】
∂D/∂Mb=0 ・・・ (12)
∂D/∂Me=0 ・・・ (13)
【0078】
なお一般に、制御すべきパラメータがM1,M2,・・・,Mpのp個ある場合でも同様に、p元の連立方程式を解くことによってマハラノビス距離Dを最小とする値を求めることができる。
【0079】
例えば、表6中の品質不良データの1つとして、各有意パラメータのパラメータ値が、My=6、Mb=4、Me=−12で、出力(良品率)が0.21(オメガ変換値−5.75)、マハラノビス距離Dが24.5である製品(No.110)があるが、この場合、有意パラメータに対応する工程であり、不可制御工程のパラメータMyが6に決まった時点で、可制御工程のパラメータMb、Meをフィードフォワード制御するものとする。
【0080】
上記式(12)、(13)の2元連立方程式を解くと、Mb=−2.3、Me=0.6と求めることができる。さらに、この値をD(Mb,Me)に代入すると、マハラノビス距離Dは、8.1と求められる。図5の回帰直線より、出力値のオメガ変換予測値は、−1.55と求められる。
【0081】
さらに、オメガ変換予測値を良品率(出力値)に換算すると、良品率は0.41となり、フィードフォワード制御を行わない場合の約2倍以上の良品率を得ることができる。
【0082】
また、工程b、工程eに入力される各パラメータ値(フィードフォワード値)が制御範囲外の場合、制御可能なぎりぎりの値に設定することによっても良品率を向上させることができる。
【0083】
また仮に、出力である品質水準に規格が設けられている場合(例えば良品率80%以上など)、工程制御を行っても所望の品質水準を得ることができないことがマハラノビス距離から予め予測できるので、その半製品を未然に工程から取り除くことによって、不良品作りこみによるロスコストを抑えることも可能である。
【0084】
このように、外的要因や工程能力不足によってばらつく制御不可能もしくは制御困難なパラメータを含む工程に対して、他の制御可能な工程のパラメータ値を適切に定めて対象となる工程にフィードフォワードすることにより、制御不可能もしくは制御困難なパラメータによる製品の品質に対する影響を相殺させることができるため、製品の品質を安定させることができる。
【0085】
なお、上記実施の形態1では、不可制御工程が存在する製造プロセスを例にして説明したが、不可制御工程が存在しない、すなわち、可制御工程で構成された製造プロセスの場合でも、有意パラメータおよび基準空間に基づいて、製品の品質を損なわないパラメータ値を求めることができる。
また、上記実施の形態1では、半導体を生産する場合を例にとって説明したが、他の製品に適用しても同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、製造プロセスにより生産された製品の品質評価結果が良品である場合の各工程のパラメータ値に基づいて、良品の基準となる基準空間を生成する基準空間生成手段と、品質評価結果が良品及び不良品である場合の各工程のパラメータ値と基準空間とに基づいて、品質評価結果に対する有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段と、有意パラメータの値及び基準空間に基づいて、有意パラメータに対応する可制御工程のパラメータ値を算出する工程制御手段とを備え、工程制御手段は、有意パラメータの値が決定した時に、有意パラメータに対応する可制御工程に対して、製品のマハラノビス距離が最小となるパラメータ値によりフィードフォワード制御を行うので、制御不可能もしくは制御困難なパラメータによる製品の品質に対する影響を相殺させることができ、製品の品質を安定させることのできる工程修正システムが得られる効果がある。
【0087】
また、この発明によれば、製品は半導体であるので、半導体製造プロセスについても制御不可能もしくは制御困難なパラメータによる製品の品質に対する影響を相殺させることができ、製品の品質を安定させることのできる工程修正システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による工程修正システムの構成を示すブロック図である。
【図2】望目特性、望大特性および望小特性のデータの基準空間を示す説明図である。
【図3】全工程のパラメータ値によって求められたマハラノビス距離と出力特性値との関係を示す説明図である。
【図4】各工程のパラメータ値がマハラノビス距離に与える影響を解析した結果を示す説明図である。
【図5】MT(マハラノビス・タグチ)法によって、パラメータ数を減らして求められたマハラノビス距離と出力特性値との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 可制御工程、2 不可制御工程、3 検査工程、4 基準空間作成手段、5 有意パラメータ決定手段、6 工程制御手段。
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の工程からなる半導体等の製造プロセスにおいて、製品の品質の安定化を支援する工程修正システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の製造プロセス、特に半導体製造プロセスにおいては、品質の向上、コスト削減、工期短縮などを達成するために、製造装置とコンピュータおよびネットワークを融合したCIM(Computer Integrated Manufacturing)化が推進されている。
このような半導体製造工場におけるCIM化に関し、特に製品の品質安定化を目的とした工程修正システムが提案されている。
【0003】
従来の工程修正システムは、製造工程における稼働情報、製造状況、処理実績など種々の情報を送信する機能を有する製造装置と、製造装置からの実績データと検査結果とを結合する第1の計算手段と、第1の計算手段によって収集・結合されたデータから、製造装置の実績データと検査結果との因果関係を求める第2の計算手段と、第2の計算手段で計算された因果関係から、製造装置の推定される結果を検査結果の実績データに比して、パラメータ(プロセスパラメータ)を調整する第3の計算手段と、設定範囲または許容範囲値を調整する第4の計算手段とを備えている。
【0004】
このシステムは、製品の品質の安定化を左右するパラメータの要因を見極めて、その要因の目標値に対する寄与度を評価した後、その最適な要因の条件を製造装置にフィードバックすることにより、製品の品質の向上や製造プロセスの安定化を図る(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−252179号公報(第29頁、第15図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の工程修正システムは以上のように、工程運用時に、製造プロセスを監視しながら、品質の劣化を示すサインが発生した後に、工程へフィードバック制御しているので、不良品や品質の不安定な製品を事前に作りこんでしまうという問題点があった。
【0007】
また、制御不可能もしくは制御困難な不可制御工程のパラメータ値に対しては元々フィードバック制御対象とすることができないので、そのパラメータ値に品質問題を引き起こす原因がある場合には、制御可能な可制御工程のパラメータ値を正常値に設定しても品質を向上させることができないという問題点があった。
【0008】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、外的要因や工程能力不足によってばらつく不可制御工程のパラメータ値による品質の影響を相殺することができる工程修正システムを得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る工程修正システムは、製造プロセスにより生産された製品の品質評価結果が良品である場合の各工程のパラメータ値に基づいて、良品の基準となる基準空間を生成する基準空間生成手段と、品質評価結果が良品及び不良品である場合の各工程のパラメータ値と基準空間とに基づいて、品質評価結果に対する有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段と、有意パラメータの値及び基準空間に基づいて、有意パラメータに対応する可制御工程のパラメータ値を算出する工程制御手段とを備え、工程制御手段は、有意パラメータの値が決定した時に、有意パラメータに対応する可制御工程に対して、製品のマハラノビス距離が最小となるパラメータ値によりフィードフォワード制御を行うものである。
【0010】
また、この発明に係る工程修正システムは、対象とする製品が半導体からなるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1による工程修正システムの構成を示すブロック図である。
【0012】
図1において、1は可制御工程であり、工程a〜eを含む。2は不可制御工程であり、工程x〜z,u,vを含む。3は、各工程1,2に続く検査工程、D1は、検査結果が品質良好を示す良品データ、D2は、検査結果が品質不良を示す不良品データである。
【0013】
4は、良品データD1に基づいて基準空間(データ)を作成する基準空間作成手段、DRは基準空間データ、5は基準空間データ、良品データ及び不良品データに基づいて有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段、PSは有意パラメータである。
【0014】
6は有意パラメータPS、基準空間データDRに基づいてパラメータ値を算出する工程制御手段であり、工程yからデータ入力し、工程b,eにフィードフォワードする。
【0015】
半導体などの製造プロセスは、例えば、工程x,a,y,b,z,c,u,d,v,eの順に遂行される。工程eの終了後においては、最終工程として、検査工程3では製品の品質チェックが行われ、これにより、半導体が製造される。
【0016】
各工程において、可制御工程1と呼ばれる工程a,b,c,d,eは、制御可能なパラメータ値によって制御される工程を示す。また、不可制御工程2と呼ばれる工程x,y,z,u,vは、制御不可能もしくは制御困難なパラメータ値によって制御される工程を示す。
【0017】
不可制御工程2は、(1)購入部材の品質のばらつきや、前工程の出来映えのばらつきに起因してパラメータ値がばらつきを示す工程と、(2)工程の工程能力が低く、所望の制御範囲に出力を得ることが出来ない工程とを指している。
【0018】
これらの場合、パラメータ値のばらつきを制御することは、購入部材の高精度化、全数試験化などが必要であり、一般的にコストがかかる。また、工程能力を向上させるためにはハード的な変更が必要であり、コスト的、時間的にも制約を受けることが多い。したがって、これらの工程を制御するのが不可能、または困難という意味で不可制御工程2と称している。
【0019】
基準空間作成手段4は、検査工程3による製品の品質チェックの結果、品質が良好である場合、各工程のパラメータ値を収集し、パラメータ値に基づいて基準空間を作成する。
【0020】
有意パラメータ決定手段5は、品質が良品である場合、および品質が不良である場合の各製造工程のパラメータ値を収集し、各パラメータ値の中から品質に大きく影響を与える工程のパラメータ値を有意パラメータとして特定する。
【0021】
工程制御手段6は、基準空間に近づくようなパラメータ値を求めて、有意パラメータに対応する工程のパラメータ値として入力させる(フィードフォワードする)。
【0022】
次に、基準空間作成手段4、有意パラメータ決定手段5、工程制御手段6の動作についてそれぞれ説明する。
【0023】
まず、図2を参照しながら、基準空間生成手段4の動作について説明する。図2は基準空間の分布を示す説明図であり、(a)〜(c)はそれぞれ望目特性、望大特性、望小特性のデータを示している。
図2において、横軸はパラメータ値、縦軸はデータ度数、SOは規格値中央値、SLは下限規格値、SUは上限規格値である。
【0024】
基準空間生成手段4は、まず、開発・試作フェーズ、工程の立上げフェーズや本生産フェーズの検査工程3で、品質が良好であると判定された製造工程でのパラメータ値を基準データとして収集する。
【0025】
ここでいう「品質が良好」とは、図2(a)に示すように、工程の出力値が望目特性の場合には、規格中央値付近の範囲内のデータ(例えばSO±0.5σ)であることに相等する。また、図2(b)に示すように、望大特性の場合には、下限規格値より若干大きいデータ(例えばSL+σからSL+2σ)であることに相等する。さらに、図2(c)に示すように、望小特性の場合には、上限規格値より若干小さいデータ(例えばSU−2σからSU−σ)であることに相等する(σは全データの標準偏差)。
【0026】
例えば、半導体のウエハ工程のようなバッチ処理による製品においては、1ウエハまたは1ロットにおけるチップの良品率や、個々の性能を示した物理量などを基準データとしてもよい。
【0027】
表1に、基準データの例を示す(パラメータ数:k=10)。
【0028】
【表1】
【0029】
表1においては、1ウエハ単位のチップの良品率(検査工程3の出力)が88%〜93%のものを基準データとして収集された各工程のパラメータ値を示す。表1では、No1〜14までの14種の基準データを示している。
【0030】
基準空間作成手段4は、各基準データに基づいて基準空間を作成する。良品率をpとすると、pのオメガ変換値qは以下の式(1)で与えられる。
q = −10log[(1/p)−1] ・・・ (1)
【0031】
良品率のデータにオメガ変換を施すことによって、オメガ変換された良品率は、−∞から∞までの値をとることになり、データに線形性が得られる。なお、表1において、良品率範囲は、オメガ変換値では8.65〜11.23となる。
【0032】
基準空間生成手段4は、以下の手順で基準空間を作成する。基準空間は、本生産時においても、基準データが追加されるたびに作成、更新される。
【0033】
(a) 基準データ値Maj,Mbj,Mcj,・・・Muj,Mvj,Mwj,・・(j=1,2,3,・・・,n : nは基準データの組数)ごと(工程ごと)の平均値μiおよび標準偏差σi(i=a,b,c,・・・,u,v,w,・・・)を求める。
【0034】
例えば、表1において、工程xにおける基準データ値Mxjの平均値μxと標準偏差σxとを求め、他の工程についてもそれぞれ求める。
【0035】
(b) 次に、それぞれの工程の平均値μiおよび標準偏差σiを用いて、式(2)により、基準データ値Mijを標準化した基準化データ値Nijを求める。
Nij=(μi−Mij)/σi ・・・ (2)
なお、表1の基準データを用いて基準化データを求めた結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
(c) 次に、以下の式(3)により、基準データ値Mijを標準化した基準化データ値Nijを用いて相関関数行列Rを演算する。なお、式(3)において、rlmは、NljおよびNmjの相関係数である。
また、演算された相関関数行列Rの逆行列R−1を基準空間とする。
【0038】
【0039】
なお、表2の基準化データを用いて相関関数行列、相関関数行列の逆行列を求めた結果を表3、4に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】
(d) 1つの製品サンプルに対する基準データの入力値(各工程のパラメータ値)の行ベクトルを式(4)とする。
Vj={Naj,Nbj,Ncj,・・・Nuj,Nvj,Nwj,・・・}・・・ (4)
【0043】
(e) 式(5)によりマハラノビス距離Djを求める。
Dj=√[(Vj t・R−1・Vj)/k] ・・・ (5)
なお、式(5)において、Vj tはVjの転置行列を示す。
【0044】
基準データで求められたマハラノビス距離Djは、その平均が「1」になることが知られている。したがって、基準データで求められたマハラノビス距離Djを指標として品質を判断することができる。
【0045】
例えば、任意の製品サンプルの入力パラメータ値V={Na,Nb,Nc,・・・Nu,Nv,Nw,・・・}に対してマハラノビス距離Dを求め、マハラノビス距離Dが「1」より大きくなった場合、すなわち、品質の良好な基準空間から離れることになり、「1」から離れるにしたがって、その製品サンプルの品質は基準空間の品質よりも悪いと判断することができる。
【0046】
また、マハラノビス距離Dが「1」近傍であった場合、製品サンプルの品質は基準空間の品質と同等である、すなわち品質は良好であると判断することができる。
なお、表1の基準データを用いてマハラノビス距離Dを求めた結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
次に、図3〜図5を参照しながら、有意パラメータ決定手段5の動作について説明する。図3は、全工程のパラメータ値によって求められたマハラノビス距離Dと出力特性値との関係を示す説明図であり、図4は、各工程のパラメータ値がマハラノビス距離に与える影響を解析した結果を示す説明図であり、図5は、MT(マハラノビス・タグチ)法によって、パラメータ数を減らして求められたマハラノビス距離と出力特性値との関係を示す説明図である。
【0049】
なお、図3および図5において、縦軸は検査工程3から出力された良品率のオメガ変換値(出力特性値)、横軸はマハラノビス距離Dである。また、図4において、縦軸はS/N比、横軸は因子、水準を示す。
なお、ここでいうS/N比とは、図3で示したマハラノビス距離と特性値(ここでは良品率のオメガ変換値)の関係性の大きさを示す指標である。すなわち、設定した基準空間とそこから導かれるマハラノビス距離が、予測したい特性値の指標として適切かどうかを示す尺度である。以下、その求め方を示す。
特性値の水準をq1,q2,・・・qn、それぞれの特性値に対応するマハラノビス距離を、D1,D2,・・・Dnとする(nは特性値の水準数)。
まず、線形式Lおよび、特性値の水準の2乗和r、マハラノビス距離の2乗和STを次式で求める。
【0050】
L = q1D1 + q2D2 + ・・・ qnDn ・・・ (6)
r = q1 2 + q2 2 + ・・・ qn 2 ・・・ (7)
ST = D1 2 + D2 2 + ・・・ + Dn 2 ・・・ (8)
【0051】
これより、S/N比ηは、以下の式で求められる。
η = 10log{(Sβ−Ve)/rVe}[単位:db(デシベル)]・・・ (9)
ただしここに、
Sβ = L2/r ・・・ (10)
Ve = (ST−Sβ)/(n−1) ・・・ (11)
である。
S/N比ηが大きいほど、マハラノビス距離と特性値との関係性が大きく、設定した基準空間が適切であることを示す。
【0052】
なお、ここでは、パラメータkの値が「10」の場合を述べたが、実際の製造工程では数十、数百のパラメータを扱うことも多い。したがって、予め基準空間を形成するために選択すべき最小限のパラメータを抽出しておくことは、管理の効率やコストの観点から重要である。
【0053】
開発・試作フェーズ、工程の立上げフェーズには、各工程のパラメータの適切な設定値が正確に分からないことが多い。しかし、本生産に入るまでに、品質が良好なものや、悪いもののデータを得ることはできる。以下、表6を参照しながら、これらのデータを用いて有意パラメータを特定する手順を説明する。
【0054】
【表6】
【0055】
表6において、品質不良である製品の各工程のパラメータ値と、各パラメータ値から求められたマハラノビス距離Dとを示す。
【0056】
図3において、表6の品質不良データのオメガ変換値およびマハラノビス距離を図3にプロットし、基準空間作成手段4で作成された基準空間のデータと比較すると、基準空間データよりもマハラノビス距離Dが大きく、マハラノビス距離Dが大きくなるに従って、良品率が低い、すなわち品質が悪くなっていることが分かる。
【0057】
有意パラメータ決定手段5では、公知のMT(マハラノビス・タグチ)法(例えば「品質工学応用講座・MTシステムにおける技術開発」:田口玄一著・日本規格協会出版)を用いて、製品の製造プロセスにおける各工程のパラメータの中から、製品の品質の良し悪しがマハラノビス距離Dに対して有意に影響を与えるパラメータ(有意パラメータ)を抽出する。
【0058】
有意パラメータ決定手段5は、基準空間に属する、すなわち品質が良好なデータ、および基準空間に属さない、すなわち品質が良好でないデータを入力して、各パラメータの有無により、最終的な出力(製品の品質の尺度)がマハラノビス距離の変化に影響するか否かを調べ、大きく影響するパラメータを有意パラメータとして抽出する。
【0059】
すなわち、それぞれの工程のパラメータが有りの場合と、無しの場合とのそれぞれの場合において、品質が良好および良好ではない様々な品質をもつデータのマハラノビス距離を求め、前述の方法で2つのS/N比を求める。
以下、各工程パラメータの有り/無しにおけるそれぞれのS/N比の求め方を説明する。
各工程パラメータの有り/無しの組み合わせは、パラメータ数をkとすると、2k通りと膨大になる。そこで、MT法では、2元系直交表を用いて組み合わせの効率化を図っている。例えば、k=8〜15の場合は、L16と称する2元系直交表を用いることで、16通りの組み合わせのみで、k個のパラメータの特徴、すなわち各パラメータが有り/無しの場合のS/N比を的確に捉えることができる。表7にL162元直交表を示す。
【0060】
【表7】
【0061】
なお、表7において、行番号(1〜16)は、各項目(a〜o)の水準(1か2)の組み合わせのパターン番号を示す。例えば、第5行(行番号5)の場合、項目aは水準1、項目bは水準2、・・・、項目nは水準2、項目oは水準2をとることを示す。
【0062】
それぞれの工程のパラメータが有りの場合のS/N比と無しの場合のS/N比を求める方法について述べる。
本実施例では、項目数(パラメータ数)は10であるので、項目aからjの列のみを使用する(項目fghijは工程xyzuvに読み替える)。
まず、直交表に従って16個のS/N比を計算する。水準1になっている項目のみを採用して基準空間を作り、前述のS/N比を求めるのである。
次に、各項目aないしjの第1水準(その工程のパラメータ使用)、第2水準(同未使用)でのS/N比を計算し、2k=20個のS/N比を得る。例えば、項目aの第1水準すなわち、工程aのパラメータを使用する場合のS/N比は、直交表の行番号1から8のすべてのS/N比を平均すればよく、また例えば、項目bの第2水準のS/N比であれば、行番号5から8および13から16の8つのS/N比を平均すればよい。
【0063】
それぞれの工程のパラメータが有りの場合(第1水準)のS/N比と無しの場合(第2水準)のS/N比を比較して、その差が所定値以上になった場合、その工程のパラメータは、適切な基準空間(マハラノビス距離と特性値(良品率)との関係性が大きい)を形成する上で有意なパラメータであると特定できる。
【0064】
図4は、k=10個のパラメータkに対して、MT法を用い、有意パラメータを特定したものである。
【0065】
図4において、横軸の因子・水準は、それぞれのパラメータにおいて、「そのパラメータを採用した場合(水準1)」、「そのパラメータを採用しなかった場合(水準2)」を示す。また、例えば図中の「x1」は、工程xの水準1、「x2」は、工程xの水準2を示す。
【0066】
有意パラメータ決定手段5は、(1)水準1と水準2の差がほとんどないパラメータ(すなわち、パラメータの有無で品質に大きく影響しない)や、水準1より水準2のほうがS/N比が大きいパラメータは、有意パラメータとして用いることができないので除外する。
【0067】
また、(2)水準1の方が水準2より大きいS/N比をもつパラメータを有意パラメータとして採用する。
(1)、(2)の基準に従い、各工程の各パラメータの中から有意パラメータを特定する。
【0068】
図4の場合、工程b,e,yのパラメータが有意パラメータとして特定され、マハラノビス距離に大きく影響することが分かる。
【0069】
後述する工程制御手段6では、特定された有意パラメータおよび基準空間に基づいて可制御工程のパラメータ値が求められ、可制御工程へフィードフォワードされる。
【0070】
図5において、有意パラメータとして特定された工程b,e,yのみの基準データ値を用いて、再度基準空間を作成する。また、品質が良好でないデータを用いてマハラノビス距離を求め、再作成された基準空間とともに表した結果を示す。
【0071】
全てのパラメータを適用した図3と、パラメータを特定し、有意パラメータを適用した図5とを比較して分かるように、パラメータの数を「10」から「3」に減らしても、マハラノビス距離Dは、品質の度合いを良く表す尺度として用いることができることが分かる。
【0072】
続いて、工程制御手段6について説明する。
図1のように、例えば、有意パラメータに対応する工程b,e,yのうち、工程yのパラメータは制御が不可能(または困難)であるとする(すなわち、工程yは、不可制御工程)。前述の通り、「制御が不可能」とは、例えば、購入部材の物理量など生産工程内で制御できないものである。
【0073】
有意パラメータの工程として特定された工程yは不可制御工程であるため、前述の通り制御が不可能である。したがって、工程制御手段6は、不可制御工程である工程yのパラメータ値を入力し、可制御工程である工程bおよび工程eのパラメータ値を求める。
パラメータ値を求める際には、最終的な製品の品質を損なわないように、マハラノビス距離Dが最小となるような(基準空間データに近づくような)パラメータ値を求める。
【0074】
工程b、eのパラメータ値が求められた場合、工程b、工程eにそれぞれのパラメータ値を入力させる(工程bおよび工程eにフィードフォワードする)。
【0075】
この場合では、マハラノビス距離Dは、工程b,e,yのパラメータMb,Me,Myの関数D(Mb,Me,My)であるが、ここでは既に、Myは制御不可能のパラメータにより値は決まっているので、マハラノビス距離Dは、パラメータMb,Meの関数D(Mb,Me)で表される。
【0076】
D(Mb,Me)の最小値は、以下の式(12)、(13)の2元の連立方程式を解くことによって一意的に決定される。
【0077】
∂D/∂Mb=0 ・・・ (12)
∂D/∂Me=0 ・・・ (13)
【0078】
なお一般に、制御すべきパラメータがM1,M2,・・・,Mpのp個ある場合でも同様に、p元の連立方程式を解くことによってマハラノビス距離Dを最小とする値を求めることができる。
【0079】
例えば、表6中の品質不良データの1つとして、各有意パラメータのパラメータ値が、My=6、Mb=4、Me=−12で、出力(良品率)が0.21(オメガ変換値−5.75)、マハラノビス距離Dが24.5である製品(No.110)があるが、この場合、有意パラメータに対応する工程であり、不可制御工程のパラメータMyが6に決まった時点で、可制御工程のパラメータMb、Meをフィードフォワード制御するものとする。
【0080】
上記式(12)、(13)の2元連立方程式を解くと、Mb=−2.3、Me=0.6と求めることができる。さらに、この値をD(Mb,Me)に代入すると、マハラノビス距離Dは、8.1と求められる。図5の回帰直線より、出力値のオメガ変換予測値は、−1.55と求められる。
【0081】
さらに、オメガ変換予測値を良品率(出力値)に換算すると、良品率は0.41となり、フィードフォワード制御を行わない場合の約2倍以上の良品率を得ることができる。
【0082】
また、工程b、工程eに入力される各パラメータ値(フィードフォワード値)が制御範囲外の場合、制御可能なぎりぎりの値に設定することによっても良品率を向上させることができる。
【0083】
また仮に、出力である品質水準に規格が設けられている場合(例えば良品率80%以上など)、工程制御を行っても所望の品質水準を得ることができないことがマハラノビス距離から予め予測できるので、その半製品を未然に工程から取り除くことによって、不良品作りこみによるロスコストを抑えることも可能である。
【0084】
このように、外的要因や工程能力不足によってばらつく制御不可能もしくは制御困難なパラメータを含む工程に対して、他の制御可能な工程のパラメータ値を適切に定めて対象となる工程にフィードフォワードすることにより、制御不可能もしくは制御困難なパラメータによる製品の品質に対する影響を相殺させることができるため、製品の品質を安定させることができる。
【0085】
なお、上記実施の形態1では、不可制御工程が存在する製造プロセスを例にして説明したが、不可制御工程が存在しない、すなわち、可制御工程で構成された製造プロセスの場合でも、有意パラメータおよび基準空間に基づいて、製品の品質を損なわないパラメータ値を求めることができる。
また、上記実施の形態1では、半導体を生産する場合を例にとって説明したが、他の製品に適用しても同等の作用効果を奏することは言うまでもない。
【0086】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、製造プロセスにより生産された製品の品質評価結果が良品である場合の各工程のパラメータ値に基づいて、良品の基準となる基準空間を生成する基準空間生成手段と、品質評価結果が良品及び不良品である場合の各工程のパラメータ値と基準空間とに基づいて、品質評価結果に対する有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段と、有意パラメータの値及び基準空間に基づいて、有意パラメータに対応する可制御工程のパラメータ値を算出する工程制御手段とを備え、工程制御手段は、有意パラメータの値が決定した時に、有意パラメータに対応する可制御工程に対して、製品のマハラノビス距離が最小となるパラメータ値によりフィードフォワード制御を行うので、制御不可能もしくは制御困難なパラメータによる製品の品質に対する影響を相殺させることができ、製品の品質を安定させることのできる工程修正システムが得られる効果がある。
【0087】
また、この発明によれば、製品は半導体であるので、半導体製造プロセスについても制御不可能もしくは制御困難なパラメータによる製品の品質に対する影響を相殺させることができ、製品の品質を安定させることのできる工程修正システムが得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による工程修正システムの構成を示すブロック図である。
【図2】望目特性、望大特性および望小特性のデータの基準空間を示す説明図である。
【図3】全工程のパラメータ値によって求められたマハラノビス距離と出力特性値との関係を示す説明図である。
【図4】各工程のパラメータ値がマハラノビス距離に与える影響を解析した結果を示す説明図である。
【図5】MT(マハラノビス・タグチ)法によって、パラメータ数を減らして求められたマハラノビス距離と出力特性値との関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 可制御工程、2 不可制御工程、3 検査工程、4 基準空間作成手段、5 有意パラメータ決定手段、6 工程制御手段。
Claims (2)
- 可制御工程の各パラメータ値を含む複数の工程からなる製造プロセスのフィードフォワード制御により生産された製品の品質評価結果に応じて、前記可制御工程のパラメータ値を修正する工程修正システムであって、
前記品質評価結果が良品である場合の各工程のパラメータ値に基づいて、前記良品の基準となる基準空間を生成する基準空間生成手段と、
前記品質評価結果が良品及び不良品である場合の各工程のパラメータ値と前記基準空間とに基づいて、前記品質評価結果に対する有意パラメータを特定する有意パラメータ決定手段と、
前記有意パラメータの値及び前記基準空間に基づいて、前記有意パラメータに対応する可制御工程のパラメータ値を算出する工程制御手段とを備え、
前記工程制御手段は、
前記有意パラメータの値が決定した時に、前記有意パラメータに対応する可制御工程に対して、前記製品のマハラノビス距離が最小となるパラメータ値によりフィードフォワード制御を行うことを特徴とする工程修正システム。 - 前記製品は半導体であることを特徴とする請求項1に記載の工程修正システム。
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