JP2004144575A - 室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法、その予測提案プログラム及びそのシステム - Google Patents
室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法、その予測提案プログラム及びそのシステム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】放散製品と吸収製品とが装備されている室内の揮発性有機化合物濃度をより正確に予測することができるようにする。
【解決手段】放散製品から放散される揮発性有機化合物の量を各放散製品毎の放散量として算出する第1工程S10と、各吸収製品が吸収する揮発性有機化合物の量を各吸収製品毎の吸収量として算出する第2工程S20と、各放散量及び各吸収量を各々放散製品及び吸収製品と関連付けてデータベースDBに蓄積する第3工程S30と、室内に装備する少なくとも一つの放散製品と少なくとも一つの吸収製品との選択により、選択された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量をデータベースDBから取得する第4工程S40と、取得した少なくとも一つの放散量と、取得した少なくとも一つの吸収量と、室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって室内の揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する第5工程S50とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】放散製品から放散される揮発性有機化合物の量を各放散製品毎の放散量として算出する第1工程S10と、各吸収製品が吸収する揮発性有機化合物の量を各吸収製品毎の吸収量として算出する第2工程S20と、各放散量及び各吸収量を各々放散製品及び吸収製品と関連付けてデータベースDBに蓄積する第3工程S30と、室内に装備する少なくとも一つの放散製品と少なくとも一つの吸収製品との選択により、選択された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量をデータベースDBから取得する第4工程S40と、取得した少なくとも一つの放散量と、取得した少なくとも一つの吸収量と、室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって室内の揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する第5工程S50とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法、その予測提案プログラム及びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エアコン等の冷暖房器具が普及して、生活環境が変化することに伴い、住宅等の高断熱化や高気密化等が進みつつある。こうした住宅等において、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOC)を放散する放散製品が建材、家具等として装備されれば、室内に揮発性有機化合物が蓄積され、シックハウス症候群等の室内空気汚染が問題となる。このような問題に対処すべく、国土交通省や厚生労働省等では、室内空気汚染の原因となる放散製品の製造、販売及び使用の禁止等の協議等が行われている。このため、建材・住宅メーカや大学・研究機関等では、様々な放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量や濃度の測定装置や測定方法等が研究・開発されつつあるとともに、揮発性有機化合物を吸収する吸収製品の開発も行なわれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、揮発性有機化合物の放散量を測定する測定装置が開示されている。その測定装置は内部に吸着材を収納した容器を備えている。この測定装置では、放散製品から放散される揮発性有機化合物が容器内に捕集され、揮発性有機化合物が容器内の吸着材に吸着される。そして、吸着材に吸着された揮発性有機化合物の量が放散量として測定される。また、非特許文献1では、チャンバー法に基づき、放散製品から放散される揮発性有機化合物の濃度と、吸収製品によって低減される揮発性有機化合物の濃度との差を求めることによって、揮発性有機化合物の低減量を算出することも提案されている。
【0004】
また、非特許文献2には、室内に装備される放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量を予測する予測提案方法が開示されている。この予測提案方法は、放散製品から放散される揮発性有機化合物を抑制した住宅の設計に利用され得る。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−122521
【非特許文献1】
「改修技術の現場及び実験室における測定・評価方法の開発報告書概要」、[online]、2001年9月28日、室内空気対策研究会、[2002年6月17日検索]、インターネット<URL:http://iaq−research.com/kai/kaihyoka.pdf>
【非特許文献2】
「ニュースレリース」、[online]、2000年12月13日、清水建設株式会社、[2002年6月17日検索]、インターネット<URL:http://www.shimz.co.jp/news_release2000/390.html>
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の測定装置や測定方法は、個々の放散製品がどの低度揮発性有機化合物を放散するかを単に測定しているに過ぎず、それらの放散製品を室内に装備した場合のその室内の揮発性有機化合物濃度を予測することができない。
【0007】
この点、上記従来の予測提案方法は、室内に装備される放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量を予測することはできるものの、近年開発されている吸収製品がどの低度揮発性有機化合物を吸収できるかを加味していないため、放散製品と吸収製品とがその室内に装備されている場合、その室内の揮発性有機化合物濃度を正確に予測することができない。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、放散製品と吸収製品とが装備されている室内の揮発性有機化合物濃度をより正確に予測することができるようにすることを解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法は、チャンバー法に基づき、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の量を各該放散製品毎の放散量として算出する第1工程と、
【0010】
該チャンバー法に基づき、各吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を各該吸収製品毎の吸収量として算出する第2工程と、
【0011】
各該放散量及び各該吸収量を各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けてデータベースに蓄積する第3工程と、
【0012】
室内に装備する少なくとも一つの該放散製品と少なくとも一つの該吸収製品との選択により、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を該データベースから取得する第4工程と、
【0013】
取得した少なくとも一つの該放散量と、取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する第5工程とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の予測提案方法では、第1工程において、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量をチャンバー法に基づいて算出する。また、第2工程において、各吸収製品が吸収する揮発性有機化合物の吸収量をやはりチャンバー法に基づいて算出する。こうして同一のチャンバー法により、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量と各吸収製品が吸収する揮発性有機化合物の吸収量とを算出するため、放散量と吸収量とが相関関係を有することとなる。そして、第3工程において、各放散量及び各吸収量を各々放散製品及び吸収製品と関連付けてデータベースに蓄積する。次に、第4工程において、室内に装備する少なくとも一つの放散製品と少なくとも一つの吸収製品との選択により、選択された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量をデータベースから取得する。そして、第5工程において、取得した少なくとも一つの放散量と、取得した少なくとも一つの吸収量と、室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって室内の揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する。
【0015】
したがって、この予測提案方法では、放散製品と吸収製品とが装備されている室内の揮発性有機化合物濃度を正確に予測することができる。
【0016】
本発明の予測提案方法は、第6工程において、予測量を表示することが好ましい。これにより予測量を容易に確認することができる。
【0017】
本発明の予測提案方法は、第3工程及び第5工程はサーバコンピュータにより行われ、第4工程及び第6工程はサーバコンピュータとネットワークにより接続されたクライアントコンピュータにより行われることが好ましい。第3工程でデータベースに蓄積された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量の膨大なデータはサーバコンピュータに保存され、そのデータが第4工程でクライアントコンピュータに送信される。また、第5工程は処理速度の速いコンピュータで予測量を算出する必要があるため、サーバコンピュータが第5工程を行なえば、クライアントコンピュータに膨大なデータを蓄積させたり、予測量を算出させたりする必要がない。こうして算出された予測量は第6工程でクライアントコンピュータに表示される。このため、クライアントコンピュータが簡易に第4工程及び第6工程を行なうことができる。また、これにより、クライアントコンピュータをサーバコンピュータから遠隔することも可能であり、予測提案が便宜になる。
【0018】
また、本発明の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案プログラムは、室内に装備する少なくとも一つの放散製品とゼロ若しくは少なくとも一つの吸収製品との選択により、各該放散製品から放散される揮発性有機化合物の量をチャンバー法に基づいて算出した各該放散製品毎の放散量と、各該吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を該チャンバー法に基づいて算出した各該吸収製品毎の吸収量とが各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けられて蓄積されたデータベースから、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を取得する取得手段と、
【0019】
取得した少なくとも一つの該放散量と、ゼロ若しくは取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する予測量算出手段と、
【0020】
該予測量を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
この予測提案プログラムを実行することにより、本発明の予測提案方法を実現することができる。
【0022】
さらに、本発明の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案システムは、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の量をチャンバー法に基づいて算出した各該放散製品毎の放散量と、各吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を該チャンバー法に基づいて算出した各該吸収製品毎の吸収量とが各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けられて蓄積されたデータベースと、
【0023】
室内に装備する少なくとも一つの該放散製品とゼロ若しくは少なくとも一つの該吸収製品との選択により、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を該データベースから取得する取得手段と、
【0024】
取得した少なくとも一つの該放散量と、ゼロ若しくは取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する予測量算出手段と、
【0025】
該予測量を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
この予測提案システムを作動させることにより、本発明の予測提案方法を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜9を参照しつつ説明する。
【0028】
実施形態における室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案システムは、図1に示すように、サーバコンピュータ1と、このサーバコンピュータ1とネットワークにより接続された複数のクライアントコンピュータ2とにより構成されている。各クライアントコンピュータ2には実施形態の予測提案プログラムがインストールされている。各クライアントコンピュータ2は、ショールーム、工務店、設計事務所等に設けられており、放散製品や吸収製品のメーカにとっての顧客によって使用される。
【0029】
図2に示すように、サーバコンピュータ1はデータベースDBとメモリ及びCPUからなる予測量算出手段11とを有しており、各クライアントコンピュータ2は、入力インターフェース、メモリ及びCPUからなる取得手段21と、CPU、CRT及びプリンタからなる表示手段23とを有している。実施形態の予測提案方法及び予測提案プログラムを実行するに当たり、以下のように、実施形態の予測提案システムのデーターベースDBが構築される。
【0030】
まず、小型チャンバとしてADPAC(Advanced Pollution quality Chambre)を準備する。また、予測される揮発性有機化合物(以下、VOCとする。)をホルムアルデヒド(以下、HCHOとする。)に選定する。なお、HCHOの他、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカン、ノナナール、アセトアルデヒド、フタル酸ジ−n−ブチル、クロルピリホス等をVOCとして選定することもできる。
【0031】
そして、IST安価画材、UV塗装堀、F2C合板等の各放散製品を準備し、図3に示す第1工程S10として、チャンバー法に基づき、各放散製品から放散されるHCHOの量を各放散製品毎の放散量として算出する。この際、まず内部に何も配置していないADPACに清浄空気を流入する。そして、その空気がADPAC内で定常状態となった後、ADPACの出口から流出する空気中のHCHOの濃度を測定する。また、ADPAC内に各放散製品を配置し、上述と同様に、ADPACの出口から流出する空気中のHCHOの濃度を測定する。こうして、各放散製品をADPAC内に配置した場合における空気中のHCHOの濃度と、ADPAC内に何も配置していない場合における空気中のHCHOの濃度との差を算出する。こうして算出された濃度の差によって、各放散製品毎の放散量が算出される。
【0032】
また、吸収製品として(株)イナックス製建材のエコカラット(登録商標)を準備し、第2工程S20として、第1工程S10と同様、チャンバー法に基づき、HCHOを含む清浄空気を流入させた場合の吸収製品が吸収するHCHOの量をその吸収製品の吸収量として算出する。
【0033】
次いで、第3工程S30として、図2に示すサーバコンピュータ1のデータベースDBに各放散量及び吸収量を各々放散製品及び吸収製品と関連付けて蓄積する。データベースDBには、図4に示すように、放散製品としての試料名30a、放散製品が用いられている部材種類30b、VOCとしての放散物質30c、ADPACの出口から流出する空気中のVOC濃度30d、放散製品から放散されるVOC濃度30e、放散量30f、測定方法(換気率)30g等が蓄積されている。こうして、データベースDBに蓄積された各放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量の膨大なデータはサーバコンピュータ1に保存される。
【0034】
クライアントコンピュータ2の表示手段23には、図3に示す第4工程S40として、図5に示すように、放散量測定データ検索画面40が表示される。この放散量測定データ検索画面40において、室内に装備する部材種類40aが選択される。また、VOCとしての放散物質40b、測定方法(換気率)40c、放散製品としての試料名40d等を選択することもできる。クライアントコンピュータ2によって選択された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量は、ネットワークを介してサーバコンピュータ1のデータベースDBからクライアントコンピュータ2に取得される。
【0035】
そして、クライアントコンピュータ2の表示手段23には、図5に示す放散量測定データ検索画面40の下方に設けられた放散量シュミレーション画面50が表示される。この放散量シュミレーション画面50において、設計され得る室内の条件が入力される。室内の条件としては、図6に示すように、室内の容積を表す空間タイプ50a、その室内で使用され得る部材種類を表す部材セレクト50b、検索結果41より得られた全ての放散量50c、室内の換気割合を示す換気率50d、室内で発生し得るVOCとしての放散物質50eの入力が可能である。そして、これらの条件は図2に示すサーバコンピュータ1に送られる。その際、サーバーコンピュータ1の予測量算出手段11では、図3に示す第5工程S50として、以下のソース・シンクモデル法による室内のVOC濃度の予測量が算出される。
【0036】
すなわち、放散製品から放散されるHCHOの放散量をM(g/m2)、放散製品の面積をS(m2)、放散製品から放散されるHCHOの濃度をC0(g/m3)、室内の換気量をQ(m3/s)、吸着製品の面積をS’(m2)、吸着製品の吸着速度定数をka(m/s)、吸着後のHCHOの濃度をC(g/m3)、吸着製品の脱着速度定数をkd(1/s)、室内の容積をR(m3)、経過時間をt(s)とすると、これらの関係は数1に表わされる。
【0037】
【数1】
【0038】
数1に従って計算された結果は、図1に示すクライアントコンピュータ2に送られる。そして、図2に示すクライアントコンピュータ2の表示手段23において、図3に示す第6工程S60として、図7に示す放散量シミュレーション計算結果画面60で表示される。放散量シミュレーション計算結果画面60では、放散製品から放散されることによって、室内に蓄積され得るVOCの予測量60aも表示されている。この放散量シミュレーション計算結果画面60をプリンタによって印刷することも可能である。なお、放散量シミュレーション計算結果画面60の右側において、第4工程S40として吸収製品60bを選択することにより、第5工程S50として数1による計算が再度行われる。
【0039】
クライアントコンピュータ2では、第6工程S60として、以下のHCHOの予測濃度を表示することもできる。まず、室内の容積を畳12畳分相当とし、放散量の合計を200μg/m2hourとし、放散製品をフローリング床材(試料1)とし、吸収製品をエコカラットとして想定した場合において、数1の計算が行なわれる。その際、室内の換気率を0.3(回/h)、0.5(回/h)、1.0(回/h)とした場合のエコカラットの面積(m2)と吸着後のHCHOの濃度(ppm)との関係が図8に示すように表示される。
【0040】
また、室内の容積を畳6畳分相当とし、室内の換気率を0.5(回/h)とした場合において、数1の計算が行なわれる。その際、室内で使用される製品がフローリング床材(試料1)のみである場合、フローリング床材(試料1)とエコカラットとの両方である場合、フローリング床材(試料2)のみである場合、フローリング床材(試料2)とエコカラットとの両方である場合の経過時間(h)とHCHOの濃度変化(ppm)との関係が図9に示すように表示される。
【0041】
したがって、この予測提案方法及び予測提案プログラムでは、放散製品と吸収製品とが装備されている室内のVOC濃度を正確に予測することができる。そして、予測量S60a、60cは予測される室内のVOC濃度として顧客に提案される。これにより顧客は予測量を容易に確認することができる。
【0042】
また、この予測提案方法及び予測提案プログラムでは、第3工程S30及び第5工程をサーバコンピュータ1により行い、第4工程S40及び第6工程S60をクライアントコンピュータ2により行なうため、第3工程S30でデータベースDBに蓄積された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量の膨大なデータがサーバコンピュータ1に保存され、そのデータが第4工程S40でクライアントコンピュータ2で選択され、クライアントコンピュータ2に送信される。また、第5工程S50は処理速度の速いコンピュータで予測量を算出する必要があるため、サーバコンピュータ1が第5工程S50を行なえば、クライアントコンピュータ2に膨大なデータを蓄積させたり、予測量を算出させたりする必要がない。こうして算出された予測量は第6工程S60でクライアントコンピュータ2に表示される。このため、クライアントコンピュータ2が簡易に第4工程S40及び第6工程S60を行なうことができる。また、これにより、クライアントコンピュータ2をサーバコンピュータ1から遠隔することも可能であり、予測提案が便宜になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る予測提案システムの全体構成図である。
【図2】実施形態に係る予測提案システムのブロック図である。
【図3】実施形態に係る予測提案方法及び予測提案プログラムの工程図である。
【図4】実施形態に係るデータベースの画面図である。
【図5】実施形態に係る放散量測定データ検索画面の画面図である。
【図6】実施形態に係る放散量シュミレーション画面の画面図である。
【図7】実施形態に係る放散量シミュレーション計算結果画面の画面図である。
【図8】実施形態に係る他の放散量シミュレーション計算結果画面の画面図である。
【図9】実施形態に係る他の放散量シミュレーション計算結果画面の画面図である。
【符号の説明】
S10…第1工程
S20…第2工程
DB…データベース
S30…第3工程
S40…第4工程
60c…予測量
S50…第5工程
S60…第6工程
1…サーバコンピュータ
2…クライアントコンピュータ
21…取得手段
11…予測量算出手段
23…表示手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法、その予測提案プログラム及びそのシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エアコン等の冷暖房器具が普及して、生活環境が変化することに伴い、住宅等の高断熱化や高気密化等が進みつつある。こうした住宅等において、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン等の揮発性有機化合物(VOC)を放散する放散製品が建材、家具等として装備されれば、室内に揮発性有機化合物が蓄積され、シックハウス症候群等の室内空気汚染が問題となる。このような問題に対処すべく、国土交通省や厚生労働省等では、室内空気汚染の原因となる放散製品の製造、販売及び使用の禁止等の協議等が行われている。このため、建材・住宅メーカや大学・研究機関等では、様々な放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量や濃度の測定装置や測定方法等が研究・開発されつつあるとともに、揮発性有機化合物を吸収する吸収製品の開発も行なわれている。
【0003】
例えば、特許文献1には、揮発性有機化合物の放散量を測定する測定装置が開示されている。その測定装置は内部に吸着材を収納した容器を備えている。この測定装置では、放散製品から放散される揮発性有機化合物が容器内に捕集され、揮発性有機化合物が容器内の吸着材に吸着される。そして、吸着材に吸着された揮発性有機化合物の量が放散量として測定される。また、非特許文献1では、チャンバー法に基づき、放散製品から放散される揮発性有機化合物の濃度と、吸収製品によって低減される揮発性有機化合物の濃度との差を求めることによって、揮発性有機化合物の低減量を算出することも提案されている。
【0004】
また、非特許文献2には、室内に装備される放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量を予測する予測提案方法が開示されている。この予測提案方法は、放散製品から放散される揮発性有機化合物を抑制した住宅の設計に利用され得る。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−122521
【非特許文献1】
「改修技術の現場及び実験室における測定・評価方法の開発報告書概要」、[online]、2001年9月28日、室内空気対策研究会、[2002年6月17日検索]、インターネット<URL:http://iaq−research.com/kai/kaihyoka.pdf>
【非特許文献2】
「ニュースレリース」、[online]、2000年12月13日、清水建設株式会社、[2002年6月17日検索]、インターネット<URL:http://www.shimz.co.jp/news_release2000/390.html>
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の測定装置や測定方法は、個々の放散製品がどの低度揮発性有機化合物を放散するかを単に測定しているに過ぎず、それらの放散製品を室内に装備した場合のその室内の揮発性有機化合物濃度を予測することができない。
【0007】
この点、上記従来の予測提案方法は、室内に装備される放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量を予測することはできるものの、近年開発されている吸収製品がどの低度揮発性有機化合物を吸収できるかを加味していないため、放散製品と吸収製品とがその室内に装備されている場合、その室内の揮発性有機化合物濃度を正確に予測することができない。
【0008】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、放散製品と吸収製品とが装備されている室内の揮発性有機化合物濃度をより正確に予測することができるようにすることを解決すべき課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法は、チャンバー法に基づき、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の量を各該放散製品毎の放散量として算出する第1工程と、
【0010】
該チャンバー法に基づき、各吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を各該吸収製品毎の吸収量として算出する第2工程と、
【0011】
各該放散量及び各該吸収量を各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けてデータベースに蓄積する第3工程と、
【0012】
室内に装備する少なくとも一つの該放散製品と少なくとも一つの該吸収製品との選択により、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を該データベースから取得する第4工程と、
【0013】
取得した少なくとも一つの該放散量と、取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する第5工程とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明の予測提案方法では、第1工程において、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量をチャンバー法に基づいて算出する。また、第2工程において、各吸収製品が吸収する揮発性有機化合物の吸収量をやはりチャンバー法に基づいて算出する。こうして同一のチャンバー法により、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の放散量と各吸収製品が吸収する揮発性有機化合物の吸収量とを算出するため、放散量と吸収量とが相関関係を有することとなる。そして、第3工程において、各放散量及び各吸収量を各々放散製品及び吸収製品と関連付けてデータベースに蓄積する。次に、第4工程において、室内に装備する少なくとも一つの放散製品と少なくとも一つの吸収製品との選択により、選択された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量をデータベースから取得する。そして、第5工程において、取得した少なくとも一つの放散量と、取得した少なくとも一つの吸収量と、室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって室内の揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する。
【0015】
したがって、この予測提案方法では、放散製品と吸収製品とが装備されている室内の揮発性有機化合物濃度を正確に予測することができる。
【0016】
本発明の予測提案方法は、第6工程において、予測量を表示することが好ましい。これにより予測量を容易に確認することができる。
【0017】
本発明の予測提案方法は、第3工程及び第5工程はサーバコンピュータにより行われ、第4工程及び第6工程はサーバコンピュータとネットワークにより接続されたクライアントコンピュータにより行われることが好ましい。第3工程でデータベースに蓄積された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量の膨大なデータはサーバコンピュータに保存され、そのデータが第4工程でクライアントコンピュータに送信される。また、第5工程は処理速度の速いコンピュータで予測量を算出する必要があるため、サーバコンピュータが第5工程を行なえば、クライアントコンピュータに膨大なデータを蓄積させたり、予測量を算出させたりする必要がない。こうして算出された予測量は第6工程でクライアントコンピュータに表示される。このため、クライアントコンピュータが簡易に第4工程及び第6工程を行なうことができる。また、これにより、クライアントコンピュータをサーバコンピュータから遠隔することも可能であり、予測提案が便宜になる。
【0018】
また、本発明の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案プログラムは、室内に装備する少なくとも一つの放散製品とゼロ若しくは少なくとも一つの吸収製品との選択により、各該放散製品から放散される揮発性有機化合物の量をチャンバー法に基づいて算出した各該放散製品毎の放散量と、各該吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を該チャンバー法に基づいて算出した各該吸収製品毎の吸収量とが各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けられて蓄積されたデータベースから、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を取得する取得手段と、
【0019】
取得した少なくとも一つの該放散量と、ゼロ若しくは取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する予測量算出手段と、
【0020】
該予測量を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
この予測提案プログラムを実行することにより、本発明の予測提案方法を実現することができる。
【0022】
さらに、本発明の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案システムは、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の量をチャンバー法に基づいて算出した各該放散製品毎の放散量と、各吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を該チャンバー法に基づいて算出した各該吸収製品毎の吸収量とが各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けられて蓄積されたデータベースと、
【0023】
室内に装備する少なくとも一つの該放散製品とゼロ若しくは少なくとも一つの該吸収製品との選択により、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を該データベースから取得する取得手段と、
【0024】
取得した少なくとも一つの該放散量と、ゼロ若しくは取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する予測量算出手段と、
【0025】
該予測量を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0026】
この予測提案システムを作動させることにより、本発明の予測提案方法を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1〜9を参照しつつ説明する。
【0028】
実施形態における室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案システムは、図1に示すように、サーバコンピュータ1と、このサーバコンピュータ1とネットワークにより接続された複数のクライアントコンピュータ2とにより構成されている。各クライアントコンピュータ2には実施形態の予測提案プログラムがインストールされている。各クライアントコンピュータ2は、ショールーム、工務店、設計事務所等に設けられており、放散製品や吸収製品のメーカにとっての顧客によって使用される。
【0029】
図2に示すように、サーバコンピュータ1はデータベースDBとメモリ及びCPUからなる予測量算出手段11とを有しており、各クライアントコンピュータ2は、入力インターフェース、メモリ及びCPUからなる取得手段21と、CPU、CRT及びプリンタからなる表示手段23とを有している。実施形態の予測提案方法及び予測提案プログラムを実行するに当たり、以下のように、実施形態の予測提案システムのデーターベースDBが構築される。
【0030】
まず、小型チャンバとしてADPAC(Advanced Pollution quality Chambre)を準備する。また、予測される揮発性有機化合物(以下、VOCとする。)をホルムアルデヒド(以下、HCHOとする。)に選定する。なお、HCHOの他、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、テトラデカン、ノナナール、アセトアルデヒド、フタル酸ジ−n−ブチル、クロルピリホス等をVOCとして選定することもできる。
【0031】
そして、IST安価画材、UV塗装堀、F2C合板等の各放散製品を準備し、図3に示す第1工程S10として、チャンバー法に基づき、各放散製品から放散されるHCHOの量を各放散製品毎の放散量として算出する。この際、まず内部に何も配置していないADPACに清浄空気を流入する。そして、その空気がADPAC内で定常状態となった後、ADPACの出口から流出する空気中のHCHOの濃度を測定する。また、ADPAC内に各放散製品を配置し、上述と同様に、ADPACの出口から流出する空気中のHCHOの濃度を測定する。こうして、各放散製品をADPAC内に配置した場合における空気中のHCHOの濃度と、ADPAC内に何も配置していない場合における空気中のHCHOの濃度との差を算出する。こうして算出された濃度の差によって、各放散製品毎の放散量が算出される。
【0032】
また、吸収製品として(株)イナックス製建材のエコカラット(登録商標)を準備し、第2工程S20として、第1工程S10と同様、チャンバー法に基づき、HCHOを含む清浄空気を流入させた場合の吸収製品が吸収するHCHOの量をその吸収製品の吸収量として算出する。
【0033】
次いで、第3工程S30として、図2に示すサーバコンピュータ1のデータベースDBに各放散量及び吸収量を各々放散製品及び吸収製品と関連付けて蓄積する。データベースDBには、図4に示すように、放散製品としての試料名30a、放散製品が用いられている部材種類30b、VOCとしての放散物質30c、ADPACの出口から流出する空気中のVOC濃度30d、放散製品から放散されるVOC濃度30e、放散量30f、測定方法(換気率)30g等が蓄積されている。こうして、データベースDBに蓄積された各放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量の膨大なデータはサーバコンピュータ1に保存される。
【0034】
クライアントコンピュータ2の表示手段23には、図3に示す第4工程S40として、図5に示すように、放散量測定データ検索画面40が表示される。この放散量測定データ検索画面40において、室内に装備する部材種類40aが選択される。また、VOCとしての放散物質40b、測定方法(換気率)40c、放散製品としての試料名40d等を選択することもできる。クライアントコンピュータ2によって選択された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量は、ネットワークを介してサーバコンピュータ1のデータベースDBからクライアントコンピュータ2に取得される。
【0035】
そして、クライアントコンピュータ2の表示手段23には、図5に示す放散量測定データ検索画面40の下方に設けられた放散量シュミレーション画面50が表示される。この放散量シュミレーション画面50において、設計され得る室内の条件が入力される。室内の条件としては、図6に示すように、室内の容積を表す空間タイプ50a、その室内で使用され得る部材種類を表す部材セレクト50b、検索結果41より得られた全ての放散量50c、室内の換気割合を示す換気率50d、室内で発生し得るVOCとしての放散物質50eの入力が可能である。そして、これらの条件は図2に示すサーバコンピュータ1に送られる。その際、サーバーコンピュータ1の予測量算出手段11では、図3に示す第5工程S50として、以下のソース・シンクモデル法による室内のVOC濃度の予測量が算出される。
【0036】
すなわち、放散製品から放散されるHCHOの放散量をM(g/m2)、放散製品の面積をS(m2)、放散製品から放散されるHCHOの濃度をC0(g/m3)、室内の換気量をQ(m3/s)、吸着製品の面積をS’(m2)、吸着製品の吸着速度定数をka(m/s)、吸着後のHCHOの濃度をC(g/m3)、吸着製品の脱着速度定数をkd(1/s)、室内の容積をR(m3)、経過時間をt(s)とすると、これらの関係は数1に表わされる。
【0037】
【数1】
【0038】
数1に従って計算された結果は、図1に示すクライアントコンピュータ2に送られる。そして、図2に示すクライアントコンピュータ2の表示手段23において、図3に示す第6工程S60として、図7に示す放散量シミュレーション計算結果画面60で表示される。放散量シミュレーション計算結果画面60では、放散製品から放散されることによって、室内に蓄積され得るVOCの予測量60aも表示されている。この放散量シミュレーション計算結果画面60をプリンタによって印刷することも可能である。なお、放散量シミュレーション計算結果画面60の右側において、第4工程S40として吸収製品60bを選択することにより、第5工程S50として数1による計算が再度行われる。
【0039】
クライアントコンピュータ2では、第6工程S60として、以下のHCHOの予測濃度を表示することもできる。まず、室内の容積を畳12畳分相当とし、放散量の合計を200μg/m2hourとし、放散製品をフローリング床材(試料1)とし、吸収製品をエコカラットとして想定した場合において、数1の計算が行なわれる。その際、室内の換気率を0.3(回/h)、0.5(回/h)、1.0(回/h)とした場合のエコカラットの面積(m2)と吸着後のHCHOの濃度(ppm)との関係が図8に示すように表示される。
【0040】
また、室内の容積を畳6畳分相当とし、室内の換気率を0.5(回/h)とした場合において、数1の計算が行なわれる。その際、室内で使用される製品がフローリング床材(試料1)のみである場合、フローリング床材(試料1)とエコカラットとの両方である場合、フローリング床材(試料2)のみである場合、フローリング床材(試料2)とエコカラットとの両方である場合の経過時間(h)とHCHOの濃度変化(ppm)との関係が図9に示すように表示される。
【0041】
したがって、この予測提案方法及び予測提案プログラムでは、放散製品と吸収製品とが装備されている室内のVOC濃度を正確に予測することができる。そして、予測量S60a、60cは予測される室内のVOC濃度として顧客に提案される。これにより顧客は予測量を容易に確認することができる。
【0042】
また、この予測提案方法及び予測提案プログラムでは、第3工程S30及び第5工程をサーバコンピュータ1により行い、第4工程S40及び第6工程S60をクライアントコンピュータ2により行なうため、第3工程S30でデータベースDBに蓄積された放散製品の放散量及び吸収製品の吸収量の膨大なデータがサーバコンピュータ1に保存され、そのデータが第4工程S40でクライアントコンピュータ2で選択され、クライアントコンピュータ2に送信される。また、第5工程S50は処理速度の速いコンピュータで予測量を算出する必要があるため、サーバコンピュータ1が第5工程S50を行なえば、クライアントコンピュータ2に膨大なデータを蓄積させたり、予測量を算出させたりする必要がない。こうして算出された予測量は第6工程S60でクライアントコンピュータ2に表示される。このため、クライアントコンピュータ2が簡易に第4工程S40及び第6工程S60を行なうことができる。また、これにより、クライアントコンピュータ2をサーバコンピュータ1から遠隔することも可能であり、予測提案が便宜になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る予測提案システムの全体構成図である。
【図2】実施形態に係る予測提案システムのブロック図である。
【図3】実施形態に係る予測提案方法及び予測提案プログラムの工程図である。
【図4】実施形態に係るデータベースの画面図である。
【図5】実施形態に係る放散量測定データ検索画面の画面図である。
【図6】実施形態に係る放散量シュミレーション画面の画面図である。
【図7】実施形態に係る放散量シミュレーション計算結果画面の画面図である。
【図8】実施形態に係る他の放散量シミュレーション計算結果画面の画面図である。
【図9】実施形態に係る他の放散量シミュレーション計算結果画面の画面図である。
【符号の説明】
S10…第1工程
S20…第2工程
DB…データベース
S30…第3工程
S40…第4工程
60c…予測量
S50…第5工程
S60…第6工程
1…サーバコンピュータ
2…クライアントコンピュータ
21…取得手段
11…予測量算出手段
23…表示手段
Claims (5)
- チャンバー法に基づき、各放散製品から放散される揮発性有機化合物の量を各該放散製品毎の放散量として算出する第1工程と、
該チャンバー法に基づき、各吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を各該吸収製品毎の吸収量として算出する第2工程と、
各該放散量及び各該吸収量を各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けてデータベースに蓄積する第3工程と、
室内に装備する少なくとも一つの該放散製品と少なくとも一つの該吸収製品との選択により、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を該データベースから取得する第4工程と、
取得した少なくとも一つの該放散量と、取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する第5工程とを備えたことを特徴とする室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法。 - 前記予測量を表示する第6工程を備えたことを特徴とする請求項1記載の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法。
- 前記第3工程及び前記第5工程はサーバコンピュータにより行われ、前記第4工程及び前記第6工程は該サーバコンピュータとネットワークにより接続されたクライアントコンピュータにより行われることを特徴とする請求項1又は2記載の室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案方法。
- 室内に装備する少なくとも一つの放散製品とゼロ若しくは少なくとも一つの吸収製品との選択により、各該放散製品から放散される揮発性有機化合物の量をチャンバー法に基づいて算出した各該放散製品毎の放散量と、各該吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を該チャンバー法に基づいて算出した各該吸収製品毎の吸収量とが各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けられて蓄積されたデータベースから、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を取得する取得手段と、
取得した少なくとも一つの該放散量と、ゼロ若しくは取得した少なくとも一つの該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する予測量算出手段と、
該予測量を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とする室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案プログラム。 - 各放散製品から放散される揮発性有機化合物の量をチャンバー法に基づいて算出した各該放散製品毎の放散量と、各吸収製品が吸収する該揮発性有機化合物の量を該チャンバー法に基づいて算出した各該吸収製品毎の吸収量とが各々該放散製品及び該吸収製品と関連付けられて蓄積されたデータベースと、
室内に装備する少なくとも一つの該放散製品とゼロ若しくは少なくとも一つ以上の該吸収製品との選択により、選択された該放散製品の該放散量及び該吸収製品の該吸収量を該データベースから取得する取得手段と、
取得した少なくとも一つ以上の該放散量と、ゼロ若しくは取得した少なくとも一つ以上の該吸収量と、該室内の容積とを含む条件により、ソース・シンクモデル法によって該室内の該揮発性有機化合物濃度の予測量を算出する予測量算出手段と、
該予測量を表示可能な表示手段とを備えたことを特徴とする室内の揮発性有機化合物濃度の予測提案システム。
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CN111896682A (zh) * | 2020-07-15 | 2020-11-06 | 上海怡骋工贸有限公司 | 一种多舱法voc释放量测定气候舱 |
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-
2002
- 2002-10-23 JP JP2002308843A patent/JP2004144575A/ja active Pending
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