JP2004141766A - 油分解剤、その製造方法および使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】腐植に微生物の栄養源を加え発酵させたものに、さらに油脂および炭素源を加えて再発酵させる。得られる物質は、バチルス属細菌および従属栄養細菌に富み、油分解特性が向上する。本発明の油分解剤は、活性汚泥法による生物処理の前処理として、また、廃油などを吸着させた吸着剤の油分解処理に好適である。
【選択図】図5
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、油脂分解菌を含有する油分解剤に関し、特に含油排水や、廃油を吸着した油吸着剤廃棄物の油分解処理に適した油分解剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
油脂成分またはノルマルヘキサンを例えば100mg/l以上含んだ含油排水を、活性汚泥法を代表とする生物処理にかけようとすると、以下のような問題を生じる。
1)油脂成分が、活性汚泥法による生物処理や沈降分離の障害になる。生物処理が不充分になると、周辺の環境を汚染する。
2)水温や気温が高いと、油脂から著しい臭気が発生する。
3)油脂が配管や水路で固化して、流路を狭くしたり閉塞させたりする。その結果、排水の流れが滞り、腐敗臭の原因となる。
このような障害を回避するために、活性汚泥法の前処理装置として油分離槽または凝集浮上槽を設けて、ここで油脂を除去した後に生物処理するのが一般的である。
【0003】
しかし、油分離槽は、油分離の効率が悪く、完全に油分離しようとすると相当規模の設備が必要となる。さらに、除去された油脂の処理も必要となる。一方、凝集浮上槽は、無機凝集剤または高分子凝集剤の添加が油分離を促進するものの、ランニングコストの増大と多量の汚泥を生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
油脂成分を除去する別の試みとして、油分解槽を設けて、そこで油脂を分解除去する方法がある。油分解槽には、油分解剤として分解酵素のリパーゼを添加する。リパーゼが、下記式(1):
【0005】
【化1】
【0006】
(式中、R1R2およびR3は、それぞれ有機基である)
に従って、油脂をグリセリンと脂肪酸とに分解する。グリセリンと、脂肪酸のうち水溶性のものは、後続の生物処理に送って炭酸ガスと水まで分解できる。このように、油脂分解槽の設置は、油脂成分を除去できる上に、その油脂成分を減量できる点で、従来の油分離槽や凝集浮上槽よりも優れている。
しかし、欠点は、添加する分解酵素のリパーゼが高価であるために、大量の含油排水処理には向かないことである。
そこで、本発明の課題は、簡単かつ安価に製造でき、工業上の使用に適した油分解剤、その製造方法および使用方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本研究では、上記課題について鋭意研究を重ねた結果、腐植が油脂分解性、でんぷん分解性、タンパク質分解性および悪臭分解性を持つことを発見した。腐植に存在する細菌を細菌測定用培地で培養して菌株を単離した結果、これらの分解に主としてバチルス属細菌および従属栄養細菌が働いていることも発見した。さらに、腐植を一定条件下で発酵させることによって、腐植のもつ油脂分解性をさらに向上させることに成功した。
これらの発見に基づく本発明は、油脂分解菌を含有する腐植からなる油分解剤である。さらに、本発明は、腐植、および微生物の栄養源を含む組成物を発酵させる工程からなる、上記油分解剤の製造方法を提供する。さらに、本発明は、上記発酵で得られた物質に炭素源および油脂を加えて再発酵させる工程を含む、上記油分解剤の製造方法も提供する。そして、本発明は、上記油分解剤と含油排水あるいは油吸着剤廃棄物とを接触させることからなる、油分解処理方法についても提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる腐植は、土壌中の細菌の分解および生合成作用によって生物遺体、特に植物枯死体から生じる腐植質を通常、乾燥物当たり16%程度含んだ暗褐色を呈した土壌である。腐植として、例えば腐植土ペレット(EZ−901またはEZ−201、エンザイム社製)が挙げられる。
本発明の油分解剤に使用できる腐植の一般的組成を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
これらの腐植には、すでに多くの細菌が生息している。細菌の中には、油脂分解細菌として機能するものがあり、その主たるものはバチルス属細菌(Bacillus sp)である。
腐植に含まれるバチルス属細菌(Bacillus sp)などの油脂分解菌の総数は、通常、腐植1g当たり、102〜105個である。本発明の油分解剤に使用する腐植には、これらの細菌を通常の腐植が持っている以上に含んでいることが好ましい。具体的には、腐植に付着する細菌の総数が、好ましくは腐植1g当たり106個以上、特に好ましくは107個以上である。油脂分解菌の総菌数の増加は、腐植を発酵させることによって可能となる。これにより油分解性だけでなく、デンプン分解性、タンパク質分解性および悪臭分解性も高められる。したがって、本発明には、腐植、および微生物の栄養源を含む組成物を発酵させて得られる油分解剤も含まれる。
【0011】
発酵にかける腐植、および微生物の栄養源を含む組成物の組成を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
本発明では、油脂分解細菌として独立栄養細菌だけでなく、従属栄養細菌をも含んでいることが好ましい。油脂分解の際に有機物を必要とする従属栄養細菌が腐植に多く含まれていると、油分解性をさらに高めることができる。従属栄養細菌を増やすには、上記組成物を発酵して得られる物質に油脂および炭素源を加えて再発酵させることにより得られる。
【0014】
油脂分解菌を含有する腐植からなる本発明の油分解剤を含油排水に接触させると、油脂分は、油脂分解菌の働きで、前記式(1)に従って加水分解されて、グリセリンと脂肪酸になる。このグリセリンと脂肪酸は、生物処理に供することによって、CO2(炭酸ガス)とH2O(水)まで分解することができる。
【0015】
また、脂肪酸は、その分解過程で大量のエネルギーを発生する。脂肪酸の一例として、パルミチン酸は、式(2):
C16H32O2 + 23O2 → 16CO2 + 16 H2O + 2338kcal (2)
【0016】
(2)式の異化反応(発エネルギー反応)で発生したエネルギーは、ATP(アデノシン三リン酸)として取り出され、他の有機物の同化反応(吸エネルギー反応)に使われて、有機物の生合成に役立つことになる。例えば、生物処理過程におけるグリセリン→グリセリンリン酸の反応の進行に必要なエネルギーとして吸収利用される。このように、油脂分解菌による油分解と後続の生物処理を組み合わせるによって、エネルギーバランスがとれて、油脂除去を円滑に進ませることができる。
【0017】
本発明の油分解剤の形状は、特定の制約はないが、一般には、粉末状、顆粒状、ペレット状である。ペレットは、油分解槽での使用の際に取扱いが容易であるばかりでなく、再使用が可能となる点でも好都合である。ペレットは、例えば直径5〜20mm、長さ5〜30mmの円柱形や、直径1〜10mmの球形、縦横長さ各5〜10mm、厚さ2〜5mmの板状に成型する。
また、油分解剤が粉末状や顆粒状であると、粉末状の油吸着剤廃棄物と混合して油分解する際に都合がよい。さらに、分解後の混合物をそのまま土地に戻すことができる点でも有利である。
【0018】
次に、本発明の油分解剤の製造方法を説明する。前記したように、本発明の油分解剤は、微生物を保有する腐植をそのまま使用することができる。本発明の製造方法では、腐植、および微生物の栄養源を含む組成物を発酵させることが好ましい。微生物の栄養源の例は、米ヌカ、フスマ、麦ヌカ、大豆カス、ナタネカス、綿実カス、ごまカス、ドロマイト、黒曜石、無機化合物、ミネラル、ビタミンなどである。これらは、腐植に含まれるP2O5、K2O、CaOおよびMgO成分を増し、細菌の増殖を活発にする。米ヌカは、有機栄養分、ミネラル各成分を万遍なく含有し、特にP2O5の給源になる。一方、ドロマイトは、CaOおよびMgOの給源になって細菌の増殖を活発にする。その結果、腐植に主として含まれるバチルス属細菌などの油脂分解細菌の総数が増え、上記油分解剤の油分解性が向上する。さらに、でんぷん分解性、タンパク質分解性および悪臭分解性も向上する。
【0019】
前記発酵は、アルカリ液の添加によりpH6〜8、および、含水率好ましくは50〜60%に調整された状態で行われる。pHおよび含水率を上記範囲に調整することにより、バチルス属細菌を活発に繁殖させることができる。
【0020】
組成物を発酵させる条件は、培養温度が通常、30〜70℃、好ましくは40〜60℃、発酵期間は、通常、1〜3週間、好ましくは7〜14日である。発酵を促進させるために、一般に、通気したり、攪拌したりして好気条件下にすることが好ましい。
【0021】
この腐植粉末を、例えば直径9mm、長さ10〜30mmのサイズの円柱形ペレットに成型する。成型したペレットは、約1週間自然乾燥すると、強度が増して形状を維持できるまでに強固になる。
【0022】
本発明の製造方法では、上記発酵で得られた物質に炭素源および油脂を加えて再発酵させることが特に好ましい。第2回目の発酵により、油脂の分解に有機物を必要としないバチルス属細菌のような独立栄養細菌だけでなく、油脂分解に有機物を必要とする従属栄養細菌が多く増殖することができ、上記で得られた油分解剤ペレットの油分解性をさらに高めることにつながる。再発酵は、約1週間の自然発酵でよい。温度は、通常、20〜40℃でよい。なお、前記ペレット化は、再発酵後に行ってもよい。
【0023】
このようにして得られた油分解剤の使用方法については、特に制限がない。対象の油が液体の場合、例えば本発明の油分解剤と含油排水とを接触させることからなる油分解処理方法に用いる。図1に、本発明の油分解剤を含油排水処理に使用する場合の排水処理工程図の一例を示す。図2は、本発明の油分解剤を使用する油分解槽1の断面略図である。
図1の処理工程図において、含油排水を油分解槽1に導く。油分解槽1には、図2のように本発明の油分解剤を含む油分解用ペレットがメッシュ状のネット11に充填されて吊り下げてある。粉末を使用してもよいが、ペレットには、流出しないで長期間使用できることと、使用後に回収、再生して再使用できる利点がある。油脂を含む排水は、流れの中で油分解剤を含むペレットと接触して、油分解にさらされる。油分解槽の下部から空気を散気することにより、油分解の効率を上げることができる。油分解槽で油分解された排水は、油分解排水となって調整槽2、曝気槽3および沈殿槽4に導かれ、活性汚泥法による生物処理が行われた後、処理水として排出される。
【0024】
図3は、本発明の油分解剤を含油排水処理に使用する実施態様をさらに改善した例である。本発明の使用方法では、図3の排水処理工程図に示すように、含油排水をまず油分離槽5に通し、濃厚油排水と油分離排水とに分離する。この場合、含油排水は、図4の油分離槽5内の整流板51で整流して、水面の乱流を抑制する。そうすると、油脂成分が浮上し、堰52から浮上した油脂成分を濃厚油排水として分離することができる。一方、油分離槽の低部に溜まる水は、油分含有量の低くなった油分離排水として堰53から排出させる。
【0025】
油分離排水と濃原油排水の流量比については、例えば堰53を幅1000mmの四角堰とし、堰52を100mmの四角堰として同一レベルに設置した場合、濃厚油排水と油分離排水の流量は1対10の比となる。含油排水の流入量500m3/日でノルマルヘキサンの含有量が200mg/lのとき、油分離排水は、流量500×1000/(1000+100)=455m3/日となる。浮上分離除去率80%とすると、油分離排水のノルマルヘキサン含有量は40mg/lとなる。油分離排水は、活性汚泥法による生物処理にまわすことができる。
一方、濃厚油排水は、流量45m3/日、ノルマルヘキサン含有量1820mg/lとなる。この濃厚油排水を図3の油分解槽1に導く。油分解槽1の構成は、油分離槽5を設けない場合と同様であるが、その場合に比べて油分解槽の必要容積を小さくすることができる。
【0026】
流出油処理、漏油処理、廃油処理などは、ポリプロピレン樹脂、ピートモス、間伐材の炭化物などでできた油吸着剤で油を清拭することが多い。上記処理後に、廃油などを多く含んだ油吸着剤廃棄物を処理する方法としては、一般に焼却処理が多い。焼却処理にはダイオキシンや発ガン性物質の環境への拡散が懸念され、安全な油処理の開発が望まれていた。本発明の油分解剤は、このような固形の油吸着剤に吸着されている油脂成分の分解処理にも有効である。
すなわち、本発明は、本発明の油分解剤と油吸着剤廃棄物とを接触させることからなる、油分解処理方法をも提供する。廃油を充分に吸着したピートモス(廃油吸着剤)を例に、本発明の油分解剤による油分解を説明する。ピートモスは、pH2〜3の酸性であるので、本発明の粉末状の油分解剤100kgに対して、廃油を吸着したピートモス70kg、米ヌカ20kg、消石灰1kgの比率で混合すると、pHが6〜8で含水率が50〜60%に保たれる中で発酵分解が促進される。米ヌカの代わりにフスマ、麦ヌカ、大豆カス、ナタネカス、綿実カス、ごまカスを用いてもよい。油が分解されたピートモスと油分解剤との混合物は、油分解剤として再使用できる。また、この混合物を農地に還元すると、土壌に有効な腐植成分を充分に含んでいるので、肥料効果と土壌改良効果をもたらす。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕油分解剤の調製
腐植の準備
表3の成分組成を有する腐植を用意した。
【0028】
【表3】
【0029】
上記腐植は、すでに油脂、デンプン、タンパク質、悪臭のいずれの成分も分解することのできる細菌を約108個/g含有し、油脂分解性についても高い分解性を示した。
【0030】
▲2▼発酵
上記腐植粉末に、米ヌカ、ドロマイトおよびアルカリ液を加えて、表4に示す成分組成、pHおよび含水率の組成物を得た。この腐植を発酵槽に入れて、腐植に含まれる細菌の増殖を図った。温度40〜60℃で約2週間発酵させることにより、バチルス属細菌(Bacillus sp)を含む総細菌数を109個/g−腐植まで増やした。この発酵によって、油脂、デンプン、タンパク質、悪臭のいずれの成分についても分解性が改善された。
【0031】
【表4】
【0032】
▲3▼ペレットの作製
上記で得られた腐植粉末を、円柱形ペレット(直径9mm、長さ10〜30mm)に成型した。成型したペレットは、約1週間の自然乾燥により、形状を維持できるくらいの強度に仕上がった。
【0033】
▲4▼再発酵
強固になったペレットに、グルコースを約2%、および植物油を約2%添加した。この時、グルコースは、ペレットに対して約5%量の水に溶かしてからペレットに添加した。このペレットを約1週間自然発酵させた。
こうして得られた油分解剤の腐植ペレットには、油脂の分解に有機物を必要としない独立栄養細菌だけでなく、油脂分解に有機物を必要とする従属栄養細菌が多く増殖しており、油脂分解性をさらに高めることができた。
【0034】
〔実施例2〕油分解剤の使用(1)
図1に示す排水処理工程に従う油分解処理を行った。流入量500m3/日でノルマルヘキサンの含有量が200mg/lの含油排水を油分解槽1に直接流入させ、実施例1−▲4▼で得られた油分解剤を収納したネット11と接触させた。このとき、油分解剤の使用量は、油分解槽の容積に対して0.2〜0.5wt%であった。ノルマルヘキサン除去率と滞在時間との関係を図5に示す。図5から、含油排水を油分解槽に8時間滞留させると、油分解槽容積167m3を必要として、ノルマルヘキサン含有量は、80%除去率で40mg/l となることがわかる。
【0035】
〔実施例3〕油分解剤の使用(2)
図3の排水工程図に従う油分解処理を行った。まず、ノルマルヘキサンの含有量が200mg/lの含油排水(流入量500m3/日)を油分離槽5で油分離して、ノルマルヘキサン含有量1820mg/lの濃厚油排水(流量45m3/日)を得た。この濃厚油排水を油分解槽1に送り、油分解処理した。
油分解槽のペレット濃度が0.2wt%、滞留時間が24時間の場合、ノルマルヘキサン含有量は、1820mg/m3から40mg/m3(98%除去率)になった。24時間滞留に必要な油分解槽容積は45m3となるので、含油排水全量を油分解するのと比べて、油分解槽容積を少なくしながらほぼ同程度の油脂分解効果を得た。
このペレットを使用すると、さらに高濃度の油脂でも分解可能であり、排水中の油脂濃度が25000mg/lの高濃度でも油分解した。また、ペレット濃度を高めるほどに、油分解能力は増大した。
【0036】
〔実施例4〕油分解剤の使用(3)
本発明の油分解剤を1.5mm径のペレットに調整した。容器に水800ml、および植物系の食用油(大豆油となたね油の混合油)10mlを加えて含油水を得た。この含油水に前記ペレット4g(0.5wt%)およびグルコース10gを加え、液温26℃で曝気して馴致させた。曝気1日経過後、液のpHの経時変化を測定した。また、含油水中の食用油に代えて、石油系のトルエンおよびヘキサンについても同様の操作を行った。図6に、ヘキサン、トルエン、混合食用油のそれぞれについて、経過時間に対するpHの変化を示す。縦軸のpHの変化は、ノルマルヘキサン分解量の代わりとなる指標である。図6から、植物系の食用油、石油系のトルエン、ヘキサンともに、約1日間の曝気を経て馴致すると、油脂成分が3〜4時間で分解することがわかる。
【0037】
〔実施例5〕油分解剤の使用(4)
本発明の粉末状の油分解剤と油吸着剤廃棄物とを混合して、pHを6〜8、含水率を50〜60%に保持して山積みとした。表面をシートで覆うと、1〜2日で発熱してくるので、毎日1回以上切返しをしていると、1〜2週間で油が分解された。
【0038】
【発明の効果】
本発明の油分解剤は、石油系、植物系食用油を問わず分解することができる。特に、含油排水の生物処理前に、含油排水を油分解槽で油分解処理をするのに好適である。その際、油分離槽と併用すると、油分解槽の必要容積を油分解槽単独使用のときよりも小さくすることができる。また、本発明の油分解剤は、廃油などを吸着した油吸着剤廃棄物の油分解処理にも有用である。処理後の混合物は、農地などの土壌に肥料として還元することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油分解剤を含油排水処理に使用する場合の排水処理工程図の一例である。
【図2】本発明の油分解剤を使用する油分解槽の断面略図である。
【図3】本発明の油分解剤を含油排水処理に使用する場合の排水処理工程図の一例である。
【図4】油分離槽の断面略図である。
【図5】本発明の油分解剤を使用した場合のノルマルヘキサン除去率と滞在時間との関係を表したグラフである。
【図6】本発明の油分解剤を使用した場合の経過時間に対するpH変化のグラフである。
【符号の説明】
1:油分解槽
11:ネット
2:調整槽
3:曝気槽
4:沈殿槽
5:油分離槽
51:整流板
52、53:堰
Claims (7)
- 油脂分解菌を含有する腐植からなる油分解剤。
- 前記油脂分解菌がバチルス属細菌を含有する請求項1に記載の油分解剤。
- 前記油脂分解菌がさらに従属栄養細菌を含有する請求項2に記載の油分解剤。
- 腐植、および微生物の栄養源を含む組成物を発酵させる工程からなる、油分解剤の製造方法。
- さらに、前記発酵で得られた物質に炭素源および油脂を加えて再発酵させる工程を含む、請求項4に記載の油分解剤の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の油分解剤と含油排水とを接触させることからなる、油分解処理方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の油分解剤と油吸着剤廃棄物とを接触させることからなる、油分解処理方法。
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