JP2004141375A - 光ファイバー改質用固形体およびその製造方法 - Google Patents

光ファイバー改質用固形体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバー先端により多くの熱エネルギを蓄えることのできるファイバー改質用固形体を提供する。
【解決手段】固形体1はガラス製のポット2内に収容される。この固形体1は主成分としてTiO50wt%を含む。さらに、ZnO45wt%、MnO、SiOおよびCaCO5wt%を含有する。光ファイバーを粗像化し、レーザ光吸収層に改質するとき、TiOを含む固形体に光ファイバーを接触して改質することで、光ファイバーの先端に高い熱エネルギを蓄えることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は生体組織を切開する光ファイバークラッドの表層部構造を粗像化し、改質する際に使用される光ファイバー改質用固形体およびその製造方法をに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザ治療法は歯科および外科医療分野において生体組織などの切開、蒸散、凝固等を迅速、かつ簡単に行うのに重要な選択肢の一つとして捉えられている。典型的な方法では治療に当たってレーザ装置で生じたレーザ光が光ファイバーを通して、たとえば、歯科医が手で扱う治療器具、すなわち、ハンドピースに導かれ、ハンドピース先端の光ファイバーから治療対象の組織などに照射される。この方法においては光ファイバーの先端から出射したレーザ光は真っ直ぐに組織表面に到達し、組織を切開し、蒸散し、凝固することができる。しかしながら、こうした方法は高いエネルギを有するレーザ光が組織の後方で散乱する割合も大きく、最悪の場合、治療対象組織以外の生体部分に損傷を生じさせるなどの弊害を伴うことがある。
【0003】
光ファイバーの先端からレーザ光を直接出射させるのを回避してレーザ光の有するエネルギを有効に利用する幾つかの試みが知られている。この典型的なものは光ファイバー先端のプローブ等の側面からレーザ光を出射させて治療対象の組織の広い範囲に照射する方法でエネルギを有効に利用するものである。この実現のためにはレーザ光吸収性粉体としてのカーボン、グラファイトなどの粉体を光ファイバー先端のプローブに付着する必要がある(たとえば、特許文献1参照)。また、同様に、光ファイバーの側面からレーザ光を出射させて治療対象の組織の広い範囲に照射するものが知られている。この方法を実現するにはレーザ光吸収性粉体を含有する、固体成形物を利用してレーザ光吸収性粉体を付着させることになる(たとえば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−159269号公報 3頁、図1、図2
【0005】
【特許文献2】
特開平8−71080号公報 3頁−4頁、図6
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光ファイバー先端のプローブまたは光ファイバーにレーザ光吸収性粉体を付着することはレーザ光の有するエネルギを有効に利用するのに効果がある。しかしながら、レーザ治療において、特に、歯科レーザ治療では硬質組織の治療などにレーザ光の有するエネルギをさらに有効に利用する方法を見出すことを求められている。
【0007】
たとえば、カーボン、グラファイトなどの粉体を付着するものでは光ファイバー先端の温度を軟らかな組織の切開に不満のない温度まで高めることが可能であるが、硬質組織を効率よく切開するのに不足のない、たとえば、300°Cを超える温度に上昇させることができない。墨、カーボン・ブラックなどの粉体を付着するものも、同様に、硬質組織を効率よく切開するのに適した温度に高めることができない。
【0008】
一方、臨床での経験によれば、既存の光ファイバーの多くは一時的に、たとえば、切開、蒸散のために望ましい温度になることはあるとしても、その温度を長く保ち続けることができず、時間の経過と共に温度が低下してしまい、治療の中断を強いられることが少なくない。
【0009】
また、既存の光ファイバーの処理に使用される処理手段はその多くが寿命の点で難点があり、長期にわたって使用することができない。
【0010】
本発明の目的は光ファイバー先端により多くの熱エネルギを蓄え、レーザ治療を効率よく行うことのできる光ファイバー改質用固形体およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光ファイバー改質用固形体は光ファイバークラッドをレーザ光吸収層に改質する固形体であって、固形体組成がTiO50wt%、ZnOwt45%、MnO、SiOおよびCaCO5wt%からなるものである。
【0012】
本発明において、TiOは光ファイバークラッド改質用主成分として50wt%を含有させる。
【0013】
ZnOは主として光吸収成分として45wt%を含有させる。MnOは主として光吸収成分として含ませる。また、SiO、CaCOは主として光散乱成分として含有させる。これらの成分は5wt%を含有させる。
【0014】
このような固形体においては光ファイバークラッドを粗像化し、レーザ光吸収層に改質するとき、TiOを含む固形体に光ファイバーを接触して改質することにより光ファイバーの先端に高い熱エネルギを蓄えることができる。したがって、レーザ治療時、組織の切開、蒸散では硬質組織を効率よく切開し、蒸散することが可能になる。
【0015】
また、本発明の製造方法は容器内にTiO、ZnO、MnO、SiO、CaCOの混合粉末を詰める工程、容器内の各粉末を突いて凝集する工程、TiO粉末を溶解させたスラリーを粉末塊全体に導いて浸透させる工程、得られたゲル状混合物を一定温度のもとで凝固する工程を含むものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示す本発明に係る固形体1はガラス製のポット2内に収容される。この固形体1はポット2内において予め調合した成分粉末を後に詳述される手順により作製される。この固形体1の主成分はTiOで、これは50wt%を含む。さらに、ZnOを45wt%含む。また、MnO、SiOおよびCaCOを5wt%含む。
【0017】
一方、ポット2は透明ガラスで作られる、取り扱いができる比較的小形の容器が望ましい。
【0018】
次に、この固形体1を使用して光ファイバーを処理する方法を説明する。レーザ治療にあたり、レーザ装置(図示せず)のレーザ発振器でレーザ光を発振する。このレーザ光はレーザ治療で用いられる、たとえば、Nd:YAGレーザである。発生したレーザ光を処理する光ファイバーに導いてクラッド先端に照射する。
【0019】
次に、レーザ光の照射を保ちながら、図2に示すように、光ファイバーFの先端をポット2内の固形体1内部に挿入する。光ファイバーFの処理部(有効長さ)は予め望ましい位置にマークを付けておく。望ましい値は先端から奥へ1.0mmから3.0mmの範囲である。透明ガラスの外から目視でこのマークを確認しながら、固形体1内に挿入する。
【0020】
続いて、レーザ光を照射しながら、5〜10秒間その状態を保持する。このとき、クラッドと接触している固形体1の一部が溶融し、燃焼成分の燃焼によりクラッド表層部構造を粗像化することができる。また、同一区域をレーザ光吸収層として改質することができる。この後、レーザ光の供給を休止し、固形体1内から光ファイバーFをゆっくり引き抜く。
【0021】
上記処理を施した光ファイバーFの先端にNd:YAGレーザを照射したときに得られる温度を測定した値を図3に示す。データは処理部の有効長さ1.0mm、パルス間隔10pps、出力500mjおよびパルス間隔10pps、出力900mjの照射条件で処理した場合のものである。光ファイバー温度はいずれの値も300°Cを超えており、いわゆる、ホットチップとして有効に使用できることが判る。この光ファイバーを高温で使用できる要因は表層部の粗像化および改質されたレーザ光吸収層で直進光がより多く吸収され、そこで散乱する割合が高くなることによるものである。
【0022】
このように、光ファイバーを粗像化し、レーザ光吸収層に改質するとき、TiOを含む固形体を用いて改質するならば、光ファイバーの先端に高い熱エネルギを蓄えることが可能になる。したがって、レーザ治療時、組織の切開、蒸散では硬質組織を効率よく切開し、蒸散することができる。
【0023】
さらに、TiOを含む固形体で処理した光ファイバーにおいては300°Cを超える温度を長い時間(30〜60秒)保ち続けることが可能で、治療の中断回数を減少させることができる。これにより、切開、蒸散を連続して手際よく行うことが可能になる。また、治療が長時間にわたらないことから、患者の負担を軽減することができる。
【0024】
このように、本実施の形態においては光ファイバークラッドを粗像化し、改質するとき、光ファイバー先端に高い熱エネルギを蓄えることが可能になる。したがって、レーザ治療時、組織の切開、蒸散では硬質組織を効率よく切開し、蒸散することができる。
【0025】
上記固形体1は次の工程によって作製する。容器として透明ガラスからなる空のポットを準備する。このポット内に上記組成に従う粉末を詰める。TiO粉末については、望ましくは、2種類の粉末を混ぜたものを使用する。たとえば、これは細かい粒径が0.05μ〜0.1μで、粗い粒径が5μ〜10μである。1種類だけ使用するときは粒径5μ〜10μの粉末を使用する。TiO粉末以外の粉末は粒径10μ〜50μに分級されたものを使用する。調合においては各粉末成分の偏りを少なくするためによく混和しておく。
【0026】
次に、ポット内部の粉末を適当な突き棒を用いて凝集させる。次に、TiO粉末を溶剤(たとえば、水またはアルコール)に溶かしたスラリーをポット内の粉末塊に導く。スラリーが粉末塊全体に行きわたるように十分な時間を掛けて浸透させる。次に、得られたゲル状混合物を常温のもとで凝固させる。以上の工程を経ることにより、図1に示す透明ガラスのポット2内に収容された固形体1を得ることができる。
【0027】
上記手順を経て得られる固形体1においては既存の処理方法を使用して作製したものと比べて、寿命を2ないし3倍に延ばすことができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、光ファイバークラッドを粗像化し、改質するとき、TiOを含む固形体に光ファイバーを接触して改質することにより光ファイバー先端に高い熱エネルギを蓄えることができる。したがって、レーザ治療時、組織の切開、蒸散では硬質組織を効率よく切開し、蒸散することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による光ファイバー改質用固形体の一実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明の光ファイバー改質用固形体の典型的な使用形態を示す図である。
【図3】本発明の光ファイバー改質用固形体を用いて処理した光ファイバー先端の温度測定値を示すグラフである。
【符号の説明】
1… 固形体
2… ポット

Claims (3)

  1. 光ファイバークラッドをレーザ光吸収層に改質する固形体であって、前記固形体組成がTiO50wt%、ZnOwt45%、MnO、SiOおよびCaCO5wt%からなる光ファイバー改質用固形体。
  2. 前記固形体が透明ガラスからなる容器内に収容されることを特徴とする請求項1記載の光ファイバー改質用固形体。
  3. 容器内にTiO、ZnO、MnO、SiO、CaCOの混合粉末を詰める工程、前記容器内の各粉末を突いて凝集する工程、TiO粉末を溶解させたスラリーを該粉末塊全体に導いて浸透させる工程、得られたゲル状混合物を凝固する工程を含む、光ファイバー改質用固形体の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006014776A (ja) * 2004-06-30 2006-01-19 Manii Kk 光ファイバーの加工方法及びレーザ光照射装置
CN107789054A (zh) * 2017-11-13 2018-03-13 中国医学科学院生物医学工程研究所 一种用于激光外科手术的光纤活化装置及其方法

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