JP2004141280A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】磁気共鳴イメージング装置に生じる外部振動や超伝導磁石の経時変化を簡易な方法で測定し,且つ,磁場の変化に対して的確に対策できるようにする。
【解決手段】超伝導磁石2に光ファイバ4を貼り付けおよびまたは埋め込まれ,超伝導磁石に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定する手段と,超伝導磁石を断熱支持する断熱荷重支持体の室温側固定部にアクチュエータ8を持ち,光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる制御装置14を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】超伝導磁石2に光ファイバ4を貼り付けおよびまたは埋め込まれ,超伝導磁石に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定する手段と,超伝導磁石を断熱支持する断熱荷重支持体の室温側固定部にアクチュエータ8を持ち,光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる制御装置14を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,超伝導磁石により検査空間を一定の磁場強度に維持する磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージング装置は,核磁気共鳴現象により人体の断層画像を撮像することができる。磁気共鳴イメージング装置は,検査空間に均一な磁場を与えるための磁石が必要である。この磁石は,永久磁石や常伝導磁石に加え,高磁場の発生が可能な超伝導磁石が使われる。磁石の形状は,細長い筒状のものや,リング状のものが用いられる。磁石を上下方向あるいは左右方向に分割して検査空間を確保した磁気共鳴イメージング装置をオープンタイプと呼ぶ。
【0003】
図9に従来のオープンタイプ磁気共鳴イメージング装置の断面図を示す。磁石2を上下方向に分割したオープンタイプの磁気共鳴イメージング装置は,検査空間を広く取るため,上部磁石を支持する支持柱30の本数を少なくすることが望ましい。このため,上部磁石は,地上に設置される下部磁石に比べて,構造的に柔となる。また,検査空間の磁場強度を増加させるために超伝導磁石を用いた場合,電磁力により上下の磁石に発生する機械的な変形の差異が,磁場特性を変化させる可能性がある。このような磁場特性の変化に対処するため,従来の磁気共鳴イメージング装置は,磁場変化を防止して均一で時間的に安定な磁場を有するために,静磁場発生磁石の磁場強度特性をNMRプローブ,高周波トランスミッタと受信機を用いて測定し,測定データを計算機で位相解析して,その位相変位量により磁場振動成分を求め,磁場振動成分が所望の値以下になるようにヘリウム冷凍機やその固定ねじで調整している(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−17706号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
磁気共鳴イメージング装置は,オープンタイプとして検査空間を開放するために,上部の構造物を細い柱で支持する構造となる。静磁場発生に超伝導磁石を用いた場合,永久磁石や常伝導磁石に比べ磁場強度が数倍以上とすることができるが,高い電磁力を支えなければならない。支持柱を太くすることで対応できるが,その場合,検査空間の開放度が損なわれる。このため,支持柱は最低限度の太さに制限される。このため,上部構造物の系は下部構造物に比べて柔となり,振動の影響を受け易い。振動による磁場変動は僅かであるが,高磁場下での高精細撮像に対する影響は大きい。また,荷重支持体のみで電磁力と自重を支えることとなるため,荷重支持体のクリープ変形が生じ易い。荷重支持体がクリープ変形した場合,超伝導磁石の位置が変化するため,静磁場が変化してしまう。さらに,検査空間における静磁場均一度の詳細な調整は,小型の磁性体を用いて出荷前に微調整が行われるため,その後に静磁場が経時変化すると,検査空間の磁場の均一度が低下してしまい,再度,小型の磁性体を用いた微調整を行う必要がある。また,使用期間が長くなり,初期からの磁場変化が大きくなると,微調整では対応できない可能性もあった。
上記特許文献1では,外部振動や経時変化による磁場変化の点については考慮されているものの,更なる改善が望まれている。
【0006】
本発明は,磁気共鳴イメージング装置に生じる外部振動や超伝導磁石の経時変化を簡易な方法で測定し,且つ,磁場の変化に対して的確に対策できることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,超伝導磁石に光ファイバを貼り付けることや埋め込むことで,超伝導磁石に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定し,測定されたひずみ分布に基いて磁場調整をする。
【0008】
また,超伝導磁石を断熱支持する構造物の室温側固定部にアクチュエータを持ち,前記光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる手段を備えた。
また,超伝導磁石を断熱支持する構造物に光ファイバを貼り付けや埋め込み,断熱支持する構造物に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定する手段と,超伝導磁石を断熱支持する構造物の室温側固定部にアクチュエータを持ち,光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる手段を備えた。
さらに,光ファイバにより測定されたひずみの時間変化に連動してアクチュエータを制御したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して本発明の実施例につき説明する。図1に示す第1実施例による磁気共鳴イメージング装置の静磁場発生磁石構造の斜視図を示す。
図1において静磁場を発生する超伝導磁石2は,検査空間10を上下に挟むように配置されている。上部容器19は支持柱30で下部容器20に取り付けられている。静磁場を発生する超伝導磁石2の内側には,傾斜磁場コイル22を備えている。超伝導磁石2は,その周囲に光ファイバ4が貼付されている。光ファイバ2は,その一部または全部が超伝導磁石2に埋め込まれていても良い。超伝導磁石2は,断熱荷重支持体6で支持されている。断熱荷重支持体6は一般的に複数個が超伝導磁石に取り付けられる。断熱荷重支持体6の本数,長さ,断面積等は,超伝導磁石への熱侵入量と負荷電磁力により決定される。断熱荷重支持体6は,片側端部を極低温の超伝導磁石2と接続される。もう一方の端部は上部および下部容器に接続されている。超伝導磁石2と上部および下部容器の間には,熱遮蔽のためのシールド板18が配置されることもある。光ファイバ4は,端部に光源と受光器を持つひずみ計測器12に接続されている。
【0010】
超伝導磁石2に取り付けられた光ファイバ4は,図4に示すように,光ファイバ4が設置されている位置に沿ってひずみを測定することができる。また,図5に示すように,荷重支持体の支持点間等の選択した位置におけるひずみの時間変化を測定することができる。
【0011】
磁場の均一度の精密な調整は,出荷前に個々の磁気共鳴イメージング装置で行われることが多い。これにより,検査空間10は撮像に必要な均一度の高い磁場が形成される。
【0012】
この磁場均一度の精密な調整が行われ,磁場均一度調整が完了した時点で,超伝導磁石2に設置した光ファイバ4により超伝導磁石2に生じたひずみを測定し,その値を初期ひずみまたは原点として記録する。初期ひずみは,出荷時のみならず,点検等で磁場均一度を再調整した場合でも良い。
【0013】
光ファイバ4によるひずみ測定は磁場の影響を受けないため,磁気イメージング装置を運転中も常に測定が可能である。また,従来の箔ゲージを用いて超伝導磁石2のひずみ分布を求めようとすると,多くの電気配線の引き回しが必要となり,貼付に手間がかかる。また,配線が室温側に引き出されるため,超伝導磁石2への熱侵入も増加してしまう。光ファイバ4は入射側と受光側の2本で光ファイバ経路のひずみ測定が可能となり,熱侵入を抑制することができるため,極低温で使用する機器への適用に向いている。
【0014】
断熱荷重支持体6は,片側端部を極低温の超伝導磁石2と接続される。もう一方の端部は図1に示すようにアクチュエータ8に接続されても良い。アクチュエータ8は上部および下部容器に接続されている。アクチュエータ8は制御装置14に接続されている。
【0015】
アクチュエータ8は,図2に示すように断熱荷重支持体6との取合い部分23と可動部分24で構成されている。可動部分の一部または全部が可動部分24は油圧等を利用してピストンを上下させる機構を備えている。また,図3に示すように,ねじ構造28を用いても良い。可動部分は,個々のアクチュエータは独立で高さ調整をすることが可能であり,磁気共鳴イメージング装置に取付けられているか,または外部に設置された制御装置によって制御される。
磁気共鳴イメージング装置の使用開始後の経時変化は,光ファイバ4によるひずみ測定で,定量的に捉えることができる。荷重支持体8に取り付けられたアクチュエータで超伝導磁石の位置を僅かに変化させて,超伝導磁石のひずみ分布を初期ひずみに近づけることで,検査空間10の磁場均一度を初期状態に近づけることが可能となる。より高精度に磁場均一度の調整を行う場合には,図6にしめすように断熱荷重支持体6の数を増やすことで可能となる。
【0016】
このように本実施例によれば,断熱荷重支持体6の経時変化により検査領域の磁場均一度が低下しても,光ファイバ4で測定されたひずみ分布に基き,アクチュエータ8を制御して超伝導磁石4に生じるひずみを初期状態に近づけることが可能となり,高品位の撮像を得ることができる。その調整もアクチュエータの動作のみで簡便である。磁場均一度を再調整する頻度も減るため,メンテナンス間隔を伸ばすことができる。また,超伝導磁石2のひずみによる常時モニタリングが可能であるため,停電,地震等の非常時の状態変化を詳細に記録することができ,メンテナンス情報とすることができる。
【0017】
図7は断熱荷重支持体6に光ファイバを設置し,ひずみ計測器12に接続した場合の斜視図である。図1同様に上下に超伝導磁石2を持つ構造で,超伝導磁石は容器内に収められているが,省略表示している。経時変化は,荷重支持体が最も大きくなる可能性が高いため,断熱荷重支持体6に生じるひずみを基準として,アクチュエータ8を変化させた場合も,超伝導磁石2に光ファイ4を設置した場合と同様の効果を得ることができる。この場合も,磁場均一度の微調整を行った時点を初期状態として,その後の経時変化によるひずみの変化を,アクチュエータ8により支持位置を変化させることで対応できる。
【0018】
図8は,図1と図7に示す磁気共鳴イメージング装置に,光ファイバ4で測定したひずみを計測器12に取り込み,その値を電気信号として制御装置14に送り,その値に基きアクチュエータを制御する機構を組込んだものである。アクチュエータの制御は,初期ひずみデータに基づき行われる。例えば,超伝導磁石2のひずみの経時変化が大きい箇所附近のアクチュエータ8を動作させ,動作したアクチュエータ8附近のひずみの値と初期ひずみとの差がある範囲となるようにする。その後,最初に動かしたアクチュエータ8の隣のアクチュエータ8を動作させ,徐々に初期状態に近づけていく。このアクチュエータ8による調整は,常時ひずみを測定して制御を行っても良いし,一定期間,例えば1ヶ月に1回の割合でも良い。
【0019】
また,光ファイバセンサは,低周期であれば,選択した位置でのひずみの時間変化が測定できるため,設置建物の振動など,低周期の振動に対して逆位相の動作をアクチュエータ8に与えることで,磁場の変動を抑制することができる。建物の振動は,設置場所により周波数が異なるため,光ファイバで実測した結果に基づきアクチュエータ8を制御できるため,制御の汎用性が高く,また,設置場所の制限が少なくなる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は,以上説明したように,超伝導磁石のひずみ分布測定および磁気共鳴イメージング装置の磁場均一度調整が容易にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の磁気共鳴イメージング装置のアクチュエータ部の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の磁気共鳴イメージング装置のアクチュエータ部の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】光ファイバによって測定される超伝導磁石の位置とひずみの関係を示す特性図である。
【図5】光ファイバによって測定される超伝導磁石の特定位置における時間とひずみの関係を示す特性図である。
【図6】本発明の磁気共鳴イメージング装置の超伝導磁石と過重支持体の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】従来の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
2…超伝導磁石,4…光ファイバ,6…断熱荷重支持体,8…アクチュエータ,10…検査空間,12…ひずみ計測器,14…制御装置,18…サーマルシールド,19…上部容器,20…下部容器,22…傾斜磁場コイル,23…取合い部分,24…可動部分,28…ねじ構造,30…支持柱。
【発明の属する技術分野】
本発明は,超伝導磁石により検査空間を一定の磁場強度に維持する磁気共鳴イメージング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴イメージング装置は,核磁気共鳴現象により人体の断層画像を撮像することができる。磁気共鳴イメージング装置は,検査空間に均一な磁場を与えるための磁石が必要である。この磁石は,永久磁石や常伝導磁石に加え,高磁場の発生が可能な超伝導磁石が使われる。磁石の形状は,細長い筒状のものや,リング状のものが用いられる。磁石を上下方向あるいは左右方向に分割して検査空間を確保した磁気共鳴イメージング装置をオープンタイプと呼ぶ。
【0003】
図9に従来のオープンタイプ磁気共鳴イメージング装置の断面図を示す。磁石2を上下方向に分割したオープンタイプの磁気共鳴イメージング装置は,検査空間を広く取るため,上部磁石を支持する支持柱30の本数を少なくすることが望ましい。このため,上部磁石は,地上に設置される下部磁石に比べて,構造的に柔となる。また,検査空間の磁場強度を増加させるために超伝導磁石を用いた場合,電磁力により上下の磁石に発生する機械的な変形の差異が,磁場特性を変化させる可能性がある。このような磁場特性の変化に対処するため,従来の磁気共鳴イメージング装置は,磁場変化を防止して均一で時間的に安定な磁場を有するために,静磁場発生磁石の磁場強度特性をNMRプローブ,高周波トランスミッタと受信機を用いて測定し,測定データを計算機で位相解析して,その位相変位量により磁場振動成分を求め,磁場振動成分が所望の値以下になるようにヘリウム冷凍機やその固定ねじで調整している(例えば,特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−17706号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
磁気共鳴イメージング装置は,オープンタイプとして検査空間を開放するために,上部の構造物を細い柱で支持する構造となる。静磁場発生に超伝導磁石を用いた場合,永久磁石や常伝導磁石に比べ磁場強度が数倍以上とすることができるが,高い電磁力を支えなければならない。支持柱を太くすることで対応できるが,その場合,検査空間の開放度が損なわれる。このため,支持柱は最低限度の太さに制限される。このため,上部構造物の系は下部構造物に比べて柔となり,振動の影響を受け易い。振動による磁場変動は僅かであるが,高磁場下での高精細撮像に対する影響は大きい。また,荷重支持体のみで電磁力と自重を支えることとなるため,荷重支持体のクリープ変形が生じ易い。荷重支持体がクリープ変形した場合,超伝導磁石の位置が変化するため,静磁場が変化してしまう。さらに,検査空間における静磁場均一度の詳細な調整は,小型の磁性体を用いて出荷前に微調整が行われるため,その後に静磁場が経時変化すると,検査空間の磁場の均一度が低下してしまい,再度,小型の磁性体を用いた微調整を行う必要がある。また,使用期間が長くなり,初期からの磁場変化が大きくなると,微調整では対応できない可能性もあった。
上記特許文献1では,外部振動や経時変化による磁場変化の点については考慮されているものの,更なる改善が望まれている。
【0006】
本発明は,磁気共鳴イメージング装置に生じる外部振動や超伝導磁石の経時変化を簡易な方法で測定し,且つ,磁場の変化に対して的確に対策できることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために,超伝導磁石に光ファイバを貼り付けることや埋め込むことで,超伝導磁石に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定し,測定されたひずみ分布に基いて磁場調整をする。
【0008】
また,超伝導磁石を断熱支持する構造物の室温側固定部にアクチュエータを持ち,前記光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる手段を備えた。
また,超伝導磁石を断熱支持する構造物に光ファイバを貼り付けや埋め込み,断熱支持する構造物に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定する手段と,超伝導磁石を断熱支持する構造物の室温側固定部にアクチュエータを持ち,光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる手段を備えた。
さらに,光ファイバにより測定されたひずみの時間変化に連動してアクチュエータを制御したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下,図面を参照して本発明の実施例につき説明する。図1に示す第1実施例による磁気共鳴イメージング装置の静磁場発生磁石構造の斜視図を示す。
図1において静磁場を発生する超伝導磁石2は,検査空間10を上下に挟むように配置されている。上部容器19は支持柱30で下部容器20に取り付けられている。静磁場を発生する超伝導磁石2の内側には,傾斜磁場コイル22を備えている。超伝導磁石2は,その周囲に光ファイバ4が貼付されている。光ファイバ2は,その一部または全部が超伝導磁石2に埋め込まれていても良い。超伝導磁石2は,断熱荷重支持体6で支持されている。断熱荷重支持体6は一般的に複数個が超伝導磁石に取り付けられる。断熱荷重支持体6の本数,長さ,断面積等は,超伝導磁石への熱侵入量と負荷電磁力により決定される。断熱荷重支持体6は,片側端部を極低温の超伝導磁石2と接続される。もう一方の端部は上部および下部容器に接続されている。超伝導磁石2と上部および下部容器の間には,熱遮蔽のためのシールド板18が配置されることもある。光ファイバ4は,端部に光源と受光器を持つひずみ計測器12に接続されている。
【0010】
超伝導磁石2に取り付けられた光ファイバ4は,図4に示すように,光ファイバ4が設置されている位置に沿ってひずみを測定することができる。また,図5に示すように,荷重支持体の支持点間等の選択した位置におけるひずみの時間変化を測定することができる。
【0011】
磁場の均一度の精密な調整は,出荷前に個々の磁気共鳴イメージング装置で行われることが多い。これにより,検査空間10は撮像に必要な均一度の高い磁場が形成される。
【0012】
この磁場均一度の精密な調整が行われ,磁場均一度調整が完了した時点で,超伝導磁石2に設置した光ファイバ4により超伝導磁石2に生じたひずみを測定し,その値を初期ひずみまたは原点として記録する。初期ひずみは,出荷時のみならず,点検等で磁場均一度を再調整した場合でも良い。
【0013】
光ファイバ4によるひずみ測定は磁場の影響を受けないため,磁気イメージング装置を運転中も常に測定が可能である。また,従来の箔ゲージを用いて超伝導磁石2のひずみ分布を求めようとすると,多くの電気配線の引き回しが必要となり,貼付に手間がかかる。また,配線が室温側に引き出されるため,超伝導磁石2への熱侵入も増加してしまう。光ファイバ4は入射側と受光側の2本で光ファイバ経路のひずみ測定が可能となり,熱侵入を抑制することができるため,極低温で使用する機器への適用に向いている。
【0014】
断熱荷重支持体6は,片側端部を極低温の超伝導磁石2と接続される。もう一方の端部は図1に示すようにアクチュエータ8に接続されても良い。アクチュエータ8は上部および下部容器に接続されている。アクチュエータ8は制御装置14に接続されている。
【0015】
アクチュエータ8は,図2に示すように断熱荷重支持体6との取合い部分23と可動部分24で構成されている。可動部分の一部または全部が可動部分24は油圧等を利用してピストンを上下させる機構を備えている。また,図3に示すように,ねじ構造28を用いても良い。可動部分は,個々のアクチュエータは独立で高さ調整をすることが可能であり,磁気共鳴イメージング装置に取付けられているか,または外部に設置された制御装置によって制御される。
磁気共鳴イメージング装置の使用開始後の経時変化は,光ファイバ4によるひずみ測定で,定量的に捉えることができる。荷重支持体8に取り付けられたアクチュエータで超伝導磁石の位置を僅かに変化させて,超伝導磁石のひずみ分布を初期ひずみに近づけることで,検査空間10の磁場均一度を初期状態に近づけることが可能となる。より高精度に磁場均一度の調整を行う場合には,図6にしめすように断熱荷重支持体6の数を増やすことで可能となる。
【0016】
このように本実施例によれば,断熱荷重支持体6の経時変化により検査領域の磁場均一度が低下しても,光ファイバ4で測定されたひずみ分布に基き,アクチュエータ8を制御して超伝導磁石4に生じるひずみを初期状態に近づけることが可能となり,高品位の撮像を得ることができる。その調整もアクチュエータの動作のみで簡便である。磁場均一度を再調整する頻度も減るため,メンテナンス間隔を伸ばすことができる。また,超伝導磁石2のひずみによる常時モニタリングが可能であるため,停電,地震等の非常時の状態変化を詳細に記録することができ,メンテナンス情報とすることができる。
【0017】
図7は断熱荷重支持体6に光ファイバを設置し,ひずみ計測器12に接続した場合の斜視図である。図1同様に上下に超伝導磁石2を持つ構造で,超伝導磁石は容器内に収められているが,省略表示している。経時変化は,荷重支持体が最も大きくなる可能性が高いため,断熱荷重支持体6に生じるひずみを基準として,アクチュエータ8を変化させた場合も,超伝導磁石2に光ファイ4を設置した場合と同様の効果を得ることができる。この場合も,磁場均一度の微調整を行った時点を初期状態として,その後の経時変化によるひずみの変化を,アクチュエータ8により支持位置を変化させることで対応できる。
【0018】
図8は,図1と図7に示す磁気共鳴イメージング装置に,光ファイバ4で測定したひずみを計測器12に取り込み,その値を電気信号として制御装置14に送り,その値に基きアクチュエータを制御する機構を組込んだものである。アクチュエータの制御は,初期ひずみデータに基づき行われる。例えば,超伝導磁石2のひずみの経時変化が大きい箇所附近のアクチュエータ8を動作させ,動作したアクチュエータ8附近のひずみの値と初期ひずみとの差がある範囲となるようにする。その後,最初に動かしたアクチュエータ8の隣のアクチュエータ8を動作させ,徐々に初期状態に近づけていく。このアクチュエータ8による調整は,常時ひずみを測定して制御を行っても良いし,一定期間,例えば1ヶ月に1回の割合でも良い。
【0019】
また,光ファイバセンサは,低周期であれば,選択した位置でのひずみの時間変化が測定できるため,設置建物の振動など,低周期の振動に対して逆位相の動作をアクチュエータ8に与えることで,磁場の変動を抑制することができる。建物の振動は,設置場所により周波数が異なるため,光ファイバで実測した結果に基づきアクチュエータ8を制御できるため,制御の汎用性が高く,また,設置場所の制限が少なくなる。
【0020】
【発明の効果】
本発明は,以上説明したように,超伝導磁石のひずみ分布測定および磁気共鳴イメージング装置の磁場均一度調整が容易にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の磁気共鳴イメージング装置のアクチュエータ部の一実施形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の磁気共鳴イメージング装置のアクチュエータ部の一実施形態を示す斜視図である。
【図4】光ファイバによって測定される超伝導磁石の位置とひずみの関係を示す特性図である。
【図5】光ファイバによって測定される超伝導磁石の特定位置における時間とひずみの関係を示す特性図である。
【図6】本発明の磁気共鳴イメージング装置の超伝導磁石と過重支持体の一実施形態を示す斜視図である。
【図7】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図8】本発明の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す斜視図である。
【図9】従来の磁気共鳴イメージング装置の一実施形態を示す断面図である。
【符号の説明】
2…超伝導磁石,4…光ファイバ,6…断熱荷重支持体,8…アクチュエータ,10…検査空間,12…ひずみ計測器,14…制御装置,18…サーマルシールド,19…上部容器,20…下部容器,22…傾斜磁場コイル,23…取合い部分,24…可動部分,28…ねじ構造,30…支持柱。
Claims (4)
- 超伝導磁石により検査空間を一定の磁場強度に維持する磁気共鳴イメージング装置において,前記超伝導磁石に光ファイバが貼り付けおよびまたは埋め込まれ,前記超伝導磁石に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定する手段を持つことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 超伝導磁石により検査空間を一定の磁場強度に維持する磁気共鳴イメージング装置において,前記超伝導磁石に光ファイバを貼り付けおよびまたは埋め込まれ,前記超伝導磁石に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定する手段と,超伝導磁石を断熱支持する断熱荷重支持体の室温側固定部にアクチュエータを持ち,前記光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる制御装置を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 超伝導磁石により検査空間を一定の磁場強度に維持する磁気共鳴イメージング装置において,前記超伝導磁石を断熱支持する断熱荷重支持体に光ファイバが貼り付けおよびまたは埋め込まれ,前記断熱支持する構造物に発生するひずみの分布を光ファイバにより測定する手段と,超伝導磁石を断熱支持する断熱荷重支持体の室温側固定部にアクチュエータを持ち,前記光ファイバにより測定されたひずみ分布に基いてアクチュエータを変動させる制御装置を備えたことを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
- 前記光ファイバにより測定されたひずみの変化に連動してアクチュエータを制御することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の磁気共鳴イメージング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002307748A JP2004141280A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002307748A JP2004141280A (ja) | 2002-10-23 | 2002-10-23 | 磁気共鳴イメージング装置 |
Publications (1)
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