JP2004140264A - 化学機械研磨方法及び素子微細化分離用研磨パッド - Google Patents

化学機械研磨方法及び素子微細化分離用研磨パッド Download PDF

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Abstract

【課題】ディッシングが抑制され、スクラッチの発生が抑制される素子微細化分離工程、特にSTI工程に好適な化学機械研磨方法及び素子微細化分離用研磨パッドを提供する。
【解決手段】半導体装置の製造における素子微細化分離工程(特にSTI工程)に用いられる化学機械研磨方法であって、未架橋1,2−PBDと、未架橋EVAと、β−シクロデキストリン粒子と有機過酸化物とを含有する混練物を金型内で架橋処理して得られ、10質量%以上の架橋1,2−PBD及び架橋EVAを含有する非水溶性マトリックスと、非水溶性マトリックス中に分散され、β−シクロデキストリンからなる水溶性粒子とを含有する研磨パッド用組成物からなる研磨部を備える研磨パッドを用いる。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は化学機械研磨方法及び素子微細化分離用研磨パッドに関する。更に詳しくは半導体装置の製造における素子微細化分離工程に用いる化学機械研磨方法及び素子微細化分離用研磨パッドに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の集積度の向上、多層配線化等に伴い、メモリデバイスの記憶容量は飛躍的に増大している。これは、加工技術の微細化の進歩に支えられたものである。しかし、要求される記憶容量は年々大きくなり、多層配線化等の技術を駆使しても、チップサイズの増大は避けられず、また、微細化に伴いメモリデバイス製造に要する工程数は増え、チップのコスト高を招いている。
このため、近年、従来の方法(例えば、LOCOS法等)に比べて更に微細な構造を効率よく形成できる種々の方法が検討されている。これらの方法の中でもSTI(Shallow Trench Isolation)工程と称される工程等の素子微細化分離工程を有する方法等では、化学機械研磨を使用することにより従来に比べて効率良くメモリデバイスの高容量化が可能であるとして注目されている。しかし、これらの工程では、ウェハの平坦性を阻害することなく、ウェハレベルのプラナリティを向上できる特に精度の高い化学機械研磨を行う必要がある。
また、下記特許文献1及び特許文献2に水溶性粒子を含有する研磨パッドが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
米国特許第5,976,000号明細書
【特許文献2】
米国特許第6,337,280号明細書
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記特許文献1及び特許文献2では、素子微細化分離工程における検討はなされていない。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、素子微細化分離工程において好適である化学機械研磨方法及び素子微細化分離用研磨パッドを提供することを目的とする。特に、過剰研磨(ディッシング)が抑制され、スクラッチ(研磨後の絶縁体材料表面の傷)の発生が抑制され、STI工程に好適な化学機械研磨方法及び素子微細化分離用研磨パッドを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(1)〜(6)の通りである。
(1) 半導体装置の製造における素子微細化分離工程に用いられる化学機械研磨方法であって、架橋重合体を含有する非水溶性マトリックスと該非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する研磨パッド用組成物からなる研磨部を備える研磨パッドを用いて被研磨面を研磨することを特徴とする。
(2) 上記研磨パッド用組成物は、上記架橋重合体として架橋1,2−ポリブタジエン及び/又は架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し、上記架橋重合体全体を100質量%とした場合に、該架橋1,2−ポリブタジエン及び架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体のうちの少なくとも一方が10質量%以上である上記(1)記載の化学機械研磨方法。
(3) 上記研磨パッド用組成物は、未架橋非水溶性マトリックスと該未架橋非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得られ、該未架橋非水溶性マトリックスは未架橋1,2−ポリブタジエンを含有し、該未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合、該未架橋1,2−ポリブタジエンは10質量%以上である上記(1)記載の化学機械研磨方法。
(4)上記研磨パッド用組成物は、未架橋非水溶性マトリックスと該未架橋非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得られ、該未架橋非水溶性マトリックスは未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し、非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合、該未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体は10質量%以上である上記(1)記載の化学機械研磨方法。
(5) 上記研磨パッド用組成物は、温度0〜80℃の間の縦弾性率の変化量が1000MPa以下である上記(1)乃至上記(4)のうちのいずれかに記載の化学機械研磨方法。
(6) 架橋重合体を含有する非水溶性マトリックスと該非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する研磨パッド用組成物からなる研磨部を備え、半導体装置の製造における素子微細化分離工程の化学機械研磨に用いられることを特徴とする素子微細化分離用研磨パッド。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
[1]研磨対象及び素子微細化分離工程
上記「半導体装置」は、半導体からなる基板上又は基部上に複数の素子を形成した集積回路である。この半導体装置の基板を構成する半導体材料は特に限定されず、単体半導体(シリコン、ゲルマニウム等)であっても、化合物半導体(ガリウムヒ素化合物、窒化ガリウム化合物、インジウムリン化合物等)であってもよい。この半導体装置としては、例えば、LSI、VLSI、ULSI、MSI及びSSI等を挙げることができ、更には、バイポーラ集積回路、MOS集積回路、CMOS集積回路、Bi−CMOS集積回路、CCD等のいずれであってもよい。
【0007】
上記「素子微細化分離工程」は、半導体装置となる基板の表面側に溝を形成し、次いで、溝に所望の材料を埋め込み、その後、基板表面に付着した余剰の埋め込み材料を化学機械研磨方法により除去し、基板の表面を平坦化する工程を備える。この工程において化学機械研磨を施す面が被研磨面である。この素子微細化分離工程の中でも、特に、溝をRIE(Reactive Ion Etching)法等により形成し、この溝の埋め込みをCVD(Chemical Vapor Deposition)法等で行うSTI工程に、本発明の研磨方法及び本発明の素子微細化分離用研磨パッド(以下、単に「研磨パッド」ともいう)は好適である。
【0008】
素子微細化分離工程で形成する溝の大きさは特に限定されないが、通常、溝幅が0.1〜1000μmである。また、溝の深さが0.01〜1000μmである。更に、埋め込む材料、即ち、主たる被研磨材料も特に限定されないが、P−TEOS、PE−TEOS、O−TEOS、HDP−SiO、FSG(フッ素添加SiO系絶縁性膜)等のSiO系絶縁材料を挙げることができる。また、この研磨の際に過剰な研磨を防止するためのストッパーを用いる場合、このストッパーとして利用される材料も特に限定されないが、Si等を挙げることができる。
【0009】
[2]架橋重合体を含有する研磨パッド組成物
上記「非水溶性マトリックス」は、研磨パッドの研磨部、更には研磨パッド全体(以下、併せて「研磨部及び研磨パッド」ともいう)を構成する母相である。この非水溶性マトリックスには後述する水溶性粒子が分散されて含有される。この非水溶性マトリックスは、架橋重合体を含有する。
上記「架橋重合体」は、非水溶性マトリックス中に含有されることで、弾性回復力を付与でき、研磨時に研磨部及び研磨パッドにかかるずり応力による変位を小さく抑えることができる。このため、研磨時及びドレッシング時に非水溶性マトリックスが過度に引き延ばされ塑性変形してポアが埋まることや毛羽立ちが短期間で潰れることを抑制できる。即ち、良好な研磨状態を長く維持でき、また、ドレッシング時にはポアを効率よく形成できる。また、ドレッシングによって研磨部及び研磨パッドの表面が過度に毛羽立つことも抑制でき、研磨平坦性が阻害されない。
【0010】
この架橋重合体の種類は特に限定されない。架橋重合体としては、熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム及び硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等、熱、光等により、硬化される樹脂)等の未架橋重合体のうちの1種が架橋されてなる架橋重合体や、これらの未架橋重合体のうちの2種以上が共架橋されてなる架橋重合体等を挙げることができる。
熱可塑性樹脂としては、1,2−ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン等、EVAを除く)、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体(ABS樹脂等)、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂{(メタ)アクリレート系樹脂等}、ビニルエステル系樹脂(EVAを除く)、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、フッ素樹脂(ポリフッ化ビニリデン等)、ポリカーボネート系樹脂、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。
【0011】
エラストマーとしては、ジエン系エラストマー(特に1,2−ポリブタジエン)、ポリオレフィン系エラストマー(EVAを除く)、スチレン系エラストマー{スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、その水素添加ブロック共重合体(SEBS)等}、熱可塑性ポリウレタン系エラストマー、熱可塑性ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、シリコーン樹脂系エラストマー、フッ素樹脂系エラストマー等が挙げられる。
【0012】
ゴムとしては、ブタジエン系ゴム(高シスブタジエンゴム、低シスブタジエンゴム等)、イソプレン系ゴム、スチレン−ブタジエン系ゴム、スチレン−イソプレン系ゴム等の共役ジエン系ゴム、アクロルニトリル−ブタジエン系ゴム等のニトリル系ゴム、アクリル系ゴム、エチレン−プロピレン系ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム等のエチレン−α−オレフィン系ゴム及びブチルゴムや、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のその他のゴムなどが挙げられる。
硬化性樹脂としては、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン−ウレア系樹脂、ウレア系樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール系樹脂等が挙げられる。
【0013】
架橋重合体は、どのような方法で架橋されたものであってもよい。即ち、例えば、有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物等を用いた化学架橋されたものであってもよく、加熱による熱架橋されたものであってもよく、電子線照射等による放射線架橋されたものであってもよく、更にはこれらのうちの2種以上の架橋方法により架橋されたものであってもよい。また、これらの架橋重合体は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性された重合体であってもよい。これらの変性により、後述する水溶性粒子や、スラリーとの親和性を調節することができる。
【0014】
これらの架橋重合体の中でも、1,2−ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリアセタール系樹脂のうちの少なくとも1種が架橋された架橋重合体が含有されることが好ましい。
これらは吸水による軟化が少なく、スラリー中に含有される酸やアルカリに対して安定である。また、1,2−ポリブタジエンを除く他の好ましい架橋重合体が含有されることで、優れた成形性が付与される。この成形性とは成形のし易さ及びハンドリング性等を含むものである。即ち、例えば、金型内に非水溶性マトリックスとなる未架橋物を充填し、架橋剤等を用いて金型内にて架橋させ、その後、得られた成形体を脱型する工程を行う場合がある。この脱型を行う時に成形体が割れたり、欠けたりすることを確実に防止できる。更に、1,2−ポリブタジエンを除く他の好ましい架橋重合体が含有されることで、優れた耐摩耗性が付与される。このため、長寿命な研磨部及び研磨パッドを得ることができる。
【0015】
架橋重合体の含有量は、非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に、15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが特に好ましい。また、非水溶性マトリックスが架橋重合体のみからなってもよい。架橋重合体の含有量が15質量%未満であると弾性回復力を十分に向上させることができない場合がある。更に、成形性及び耐摩耗性を十分に向上させることができない場合がある。
【0016】
更に、架橋重合体には、上記の好ましい架橋重合体の中でも1,2−ポリブタジエン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体のうちの少なくとも一方が含まれていることがより好ましい。
これらのうち架橋1,2−ポリブタジエン(以下、単に「架橋PBD」ともいう)は、前記の架橋重合体が含有されることによる非水溶性マトリックスに弾性回復力が付与される効果を特に良好に発揮させることができる。
また、架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、単に「架橋EVA」ともいう)は、上記の優れた成形性及び耐摩耗性を付与できることに加えて、非水溶性マトリックスの縦弾性率の温度依存性を低減させることができる。特に、縦弾性率が温度に対してより緩やかに変化するように改善され、特定の温度範囲で急激に縦弾性率が変化することが抑制できる。温度依存性が低減されることにより研磨時の温度上昇により非水溶性マトリックスが過度に軟化することを抑制でき、研磨速度の低下を抑制できる。更に、温度に対してより緩やかに変化することにより軟化具合を予測でき、研磨初期からの研磨性能を保持させ易く、研磨を安定して行うことができる。
【0017】
架橋PBD又は架橋EVAが含有される場合は、非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に、含有される架橋PBD又は架橋EVAは10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、30質量%以上であることが特に好ましく、40質量%以上であることがとりわけ好ましい。また、非水溶性マトリックス全体が架橋PBD又は架橋EVAのみからなってもよい。架橋PBD又は架橋EVAの含有量が10質量%未満であると上記これらを含有する効果が十分に発揮され難い場合がある。
更に、架橋PBDと架橋EVAとの両方を含有する場合、非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に、架橋PBD及び架橋EVAのいずれか一方を10質量%以上含有し且つ他方を5質量%以上含有することが好ましく、架橋PBD及び架橋EVAのいずれか一方を20質量%以上含有し且つ他方を10質量%以上含有することがより好ましく、架橋PBD及び架橋EVAのいずれか一方を30質量%以上含有し且つ他方を15質量%以上含有することが特に好ましく、架橋PBD及び架橋EVAのいずれか一方を40質量%以上含有し且つ他方を20質量%以上含有することがとりわけ好ましい。架橋PBD及び架橋EVAの両方の含有量が各々10質量%未満であると上記のこれらを含有する効果が十分に発揮され難い。
【0018】
また、架橋EVAの酢酸ビニル単位の含有量は特に限定されないが、通常、3質量%以上である。3質量%未満であると非水溶性マトリックスの縦弾性率の温度依存性を低減する効果が十分に得られ難くなる場合がある。この酢酸ビニル単位の含有量は5〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましく、10〜30質量%であることが特に好ましい。酢酸ビニル単位の含有量が50質量%を超えると過架橋となり易く、十分な靭性を保持し難くなる場合がある。
【0019】
この研磨パッド用組成物は、上記架橋重合体以外に未架橋熱可塑性重合体を含有することができる。この未架橋熱可塑性重合体は、架橋されていない状態で研磨部及び研磨パッド中に含有されている熱可塑性重合体である。未架橋熱可塑性重合体は、通常、後述する架橋処理時に架橋されることなく未架橋のまま残存したものである。この未架橋熱可塑性重合体は架橋重合体に比べて一般に破断伸びが大きいため、これが含有される研磨部及び研磨パッドではドレッシングによる毛羽立ちが生じ易くなる傾向にある。STI工程における化学機械研磨では、研磨部及び研磨パッドが過度な毛羽立ちを有していると、十分な研磨平坦性が得られない場合があるが、毛羽立ちが無いと十分な研磨速度を得ることが困難な場合がある。このため、適度に未架橋熱可塑性重合体を含有することで、適度な毛羽立ちを生じさせることができることが好ましい。未架橋熱可塑性重合体の含有量は、非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に、0〜80質量%であることが好ましく、0〜60質量%であることがより好ましく、5〜40質量%であることが特に好ましい。
【0020】
この研磨パッド用組成物によると、JIS K 6251に準じて非水溶性マトリックスからなる試験片を80℃において破断させた場合に、破断後に残留する伸び(以下、単に「破断残留伸び」という)を100%以下とすることができる。即ち、破断した後の標線間合計距離が破断前の標線間距離の2倍以下となる。この破断残留伸びは30%以下(更に好ましくは10%以下、とりわけ好ましくは5%以下、通常0%以上)であることがより好ましい。破断残留伸びが100%を超えると、研磨時及び面更新時に研磨部及び研磨パッドの表面から掻き取られた又は引き延ばされた微細片がポアを塞ぎ易くなる傾向にあり好ましくない。尚、この「破断残留伸び」とは、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準じて、試験片形状ダンベル状3号形、引張速度500mm/分、試験温度80℃で引張試験を行い試験片を破断させた場合に、破断して分割された試験片の各々の標線から破断部までの合計距離から、試験前の標線間距離を差し引いた距離の伸び率である。また、実際の研磨においては摺動により発熱するため温度80℃における試験である。
【0021】
更に、他の架橋重合体として、架橋EVAを含有する場合は、温度0〜80℃の間の縦弾性率の変化量を1000MPa以下(更には800MPa以下、特に600MPa以下)に抑えることができる。これにより、特に研磨時及びドレッシング時に摺動等による発熱によって研磨部及び研磨パッドが過度に軟化することが防止される。
また、温度20〜50℃の間では、温度差10℃の間における縦弾性率の変化量を500MPa以下(更には400MPa以下、特に200MPa以下)に抑えることができる。これにより、非水溶性マトリックスの温度依存性はより緩やかとなり、温度による軟化具合を予測し易く、研磨状態を制御し易くなる。
但し、この縦弾性率は、粘弾性測定装置にて、長さ2.5mm、幅1.0mmの短冊型の試料を用い、引張モードによって測定した値である。また、この場合の各種測定条件は、温度は−20〜100℃間とし、初期負荷を100gとし、最大ひずみを0.01%とし、周波数を0.2Hzとして測定するものとする。
【0022】
上記「水溶性粒子」は、水系分散体であるスラリーと接触することにより非水溶性マトリックスから脱離するものであり、非水溶性マトリックス中に分散されている。この水溶性粒子が脱離することにより非水溶性マトリックスにはポアが形成される。水溶性粒子の脱離は、スラリー中に含有される水等との接触により溶解することで生じてもよく、この水等を含有して膨潤し、ゲル状となることで生じるものであってもよい。更に、この溶解又は膨潤は水によるものばかりでなく、メタノール等のアルコール系溶剤を含有する水系混合媒体との接触によるものであってもよい。
【0023】
水溶性粒子は、ポアを形成する以外にも、研磨部及び研磨パッドの押し込み硬さを大きくし、押圧による被研磨体の押し込み量を小さくする効果を有する。即ち、例えば、水溶性粒子を含有することにより研磨部及び研磨パッドのショアD硬度は35以上(より好ましくは50〜90、更に好ましくは60〜85、通常100以下)にすることができる。ショアD硬度が35以上であると、被研磨体に負荷できる圧力を大きくでき、これに伴い研磨速度を向上させることができる。更に加えて、高い研磨平坦性が得られる。従って、この水溶性粒子は、研磨部及び研磨パッドの十分な押し込み硬さを確保できる中実体であることが特に好ましい。
【0024】
水溶性粒子を構成する水溶性化合物の種類は特に限定されないが、例えば、有機系水溶性化合物及び無機系水溶性化合物を挙げることができる。有機系水溶性化合物としては、糖類(シクロデキストリン、デキストリン及びでんぷん等の多糖類、乳糖、マンニット等)、セルロース類(ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース等)、蛋白質、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド、水溶性の感光性樹脂、スルホン化ポリイソプレン、スルホン化ポリイソプレン共重合体等を挙げることができる。更に、無機系水溶性化合物としては、酢酸カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、塩化カリウム、臭化カリウム、リン酸カリウム、硝酸マグネシウム等を挙げることができる。これらの水溶性化合物は単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。更に、水溶性粒子は、所定の水溶性化合物からなる1種の水溶性粒子であってもよく、異なる水溶性化合物からなる2種以上の水溶性粒子であってもよい。
【0025】
また、水溶性粒子の平均粒径は0.1〜500μm(より好ましくは0.5〜100μm、更に好ましくは1〜50μm)とすることが好ましい。即ち、ポアの大きさは0.1〜500μm(より好ましくは0.5〜100μm、更に好ましくは1〜50μm)であることが好ましい。水溶性粒子の平均粒径が0.1μm未満であると、形成されるポアの大きさが使用する砥粒より小さくなるためスラリーを十分に保持できる研磨部及び研磨パッドが得難くなる傾向にある。一方、500μmを超えると、形成されるポアの大きさが過大となり、得られる研磨部及び研磨パッドの機械的強度及び研磨速度が低下する傾向にある。
【0026】
この水溶性粒子の含有量は、非水溶性マトリックスと水溶性粒子との合計を100体積%とした場合に、水溶性粒子は10〜90体積%(より好ましくは12〜60体積%、更に好ましくは15〜45体積%)であることが好ましい。水溶性粒子の含有量が10体積%未満であると、得られる研磨部及び研磨パッドにおいてポアが十分に形成されない場合があり、研磨速度が低下する場合がある。一方、90体積%を超えて水溶性粒子を含有する場合は、得られる研磨部及び研磨パッドに内包される水溶性粒子が連鎖的に膨潤又は溶解することを十分に防止でき難くなる傾向にあり、研磨部及び研磨パッドの硬度及び機械的強度を適正な値に保持し難くなる。
【0027】
また、水溶性粒子は、研磨部及び研磨パッド内において表層に露出した場合にのみ水溶し、研磨部及び研磨パッドの内部では吸湿し、更には膨潤しないことが好ましい。このため水溶性粒子は最外部の少なくとも一部に吸湿を抑制する外殻を備えることができる。この外殻は水溶性粒子に物理的に吸着していても、水溶性粒子と化学結合していても、更にはこの両方により水溶性粒子に接していてもよい。このような外殻を形成する材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリシリケート等を挙げることができる。尚、この外殻は水溶性粒子の表面の一部のみに形成されていても十分に上記効果を得ることができる。
【0028】
上記非水溶性マトリックスは、水溶性粒子との親和性並びに非水溶性マトリックス中における水溶性粒子の分散性を制御するため、相溶化剤を含有することができる。相溶化剤としては、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、オキサゾリン基及びアミノ基等により変性された重合体、ブロック共重合体、並びにランダム共重合体、更に、種々のノニオン系界面活性剤、カップリング剤等を挙げることができる。
【0029】
更に、非水溶性マトリックス及び/又は水溶性粒子中に、従来からスラリーに含有されている砥粒、酸化剤、アルカリ金属の水酸化物、酸、使用時に酸を生成する塩、pH調節剤、界面活性剤及びスクラッチ防止剤等の1種又は2種以上を含有することができる。これにより研磨時に水のみを供給して研磨を行うことも可能となる。
上記砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、ジルコニア及びチタニア等からなる粒子を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記酸化剤としては、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸化合物、重クロム酸カリウム等の重クロム酸化合物、ヨウ素酸カリウム等のハロゲン酸化合物、硝酸及び硝酸鉄等の硝酸化合物、過塩素酸等の過ハロゲン酸化合物、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、並びにヘテロポリ酸等が挙げられる。これらの酸化剤のうちでは、分解生成物が無害である過酸化水素及び有機過酸化物の他、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩が特に好ましい。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0030】
上記アルカリ金属の水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、及び水酸化セシウム等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
上記酸としては有機酸及び無機酸が挙げられる。このうち有機酸としては、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、グルコン酸、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、グリコール酸、マロン酸、ギ酸、シユウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸及びフタル酸等が挙げられる。また、無機酸としては、硝酸、塩酸及び硫酸等が挙げられる。これら酸は1種又は2種以上を用いることができる。
上記塩としては、上記酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0031】
上記界面活性剤としては、カチオン系、アニオン系及びノニオン系を挙げることができる。このうちカチオン系界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族アンモニウム塩等が挙げられる。また、アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、アルキルエーテルカルボン酸塩等のカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等のリン酸エステル塩などが挙げられる。更に、ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル型、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル等のエーテルエステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリンエステル、ソルビタンエステル等のエステル型などが挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0032】
上記スクラッチ防止剤としては、ビフェノール、ビピリジル、2−ビニルピリジン及び4−ビニルピリジン、サリチルアルドキシム、o−フェニレンジアミン及びm−フェニレンジアミン、カテコール、o−アミノフェノール、チオ尿素、N−アルキル基含有(メタ)アクリルアミド、N−アミノアルキル基含有(メタ)アクリルアミド、7−ヒドロキシ−5−メチル−1,3,4−トリアザインドリジン、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、フタラジン、メラミン及び3−アミノ−5,6−ジメチル−1,2,4−トリアジン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。
【0033】
また、非水溶性マトリックスは、上記相溶化剤、上記従来からスラリーに含有されている各種材料以外に、充填剤、軟化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤等の各種の添加剤を含有することができる。このうち充填剤としては炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、クレー等の剛性を向上させる材料、及びシリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、二酸化マンガン、三酸化二マンガン、炭酸バリウム等の研磨効果を備える材料等を用いてもよい。
【0034】
[3]未架橋1,2−ポリブタジエンを含有する未架橋研磨パッド組成物から得られる研磨パッド用組成物
上記[2]の研磨パッド用組成物のうち架橋PBDを含有するものは、未架橋1,2−ポリブタジエンを含有する未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得ることができる。
上記「未架橋非水溶性マトリックス」は、架橋処理されて研磨部及び研磨パッドを構成する母相となるものである。
上記「未架橋1,2−ポリブタジエン」(以下、単に「未架橋PBD」ともいう)は、未架橋研磨パッド用組成物の架橋処理時に少なくとも一部が架橋される。未架橋PBDのうち架橋された部分は前記[2]における架橋PBDとなる。そして、架橋PBDは前記[2]のように非水溶性マトリックスに弾性回復力を付与できる。未架橋PBDの含有量は、未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に10質量%以上であり、20質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが特に好ましく、未架橋非水溶性マトリックス全体が未架橋PBDからなってもよい。未架橋PBDの含有量が10質量%未満であると架橋PBDが含有される効果が十分に得られ難くなる場合がある。
【0035】
未架橋非水溶性マトリックスは、未架橋PBD以外に他の未架橋重合体を含有することができる。他の未架橋重合体としては、1.2−ポリブタジエンを除く前記[2]で挙げた各種の熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム及び硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等、熱、光等により、硬化される樹脂)等の未架橋物である未架橋重合体を挙げることができる。更に、これらの他の未架橋重合体は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されていてもよい。変性により、架橋後の架橋PBDや、後述する水溶性粒子や、スラリーとの親和性を調節することができる。これらは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
これらの各種未架橋重合体の中でも、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリアセタール系樹脂の未架橋重合体であることが好ましい。これらは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。これらが好ましい理由は前記[2]と同様である。
【0036】
これらの他の未架橋重合体の中でも、未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、単に「未架橋EVA」ともいう)を含有する場合、架橋処理後に得られる研磨パッド用組成物内において前記[2]と同様に優れた成形性及び耐摩耗性が付与されることに加えて、特に非水溶性マトリックスの縦弾性率の温度依存性が低減される。この未架橋EVAの含有量は、未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に、5質量%以上とすることができ、更には10質量%以上とすることができ、特に15質量%以上とすることができる。5質量%未満であると、非水溶性マトリックスの縦弾性率の温度依存性が低減される効果が十分に発揮され難い場合がある。また、未架橋EVAの酢酸ビニル単位の含有量は前記[2]と同様とすることができる。
【0037】
[4]未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する未架橋研磨パッド組成物から得られる研磨パッド用組成物
上記[2]の研磨パッド用組成物のうち架橋EVAを含有するものは、未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有する未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得ることができる。
上記「未架橋非水溶性マトリックス」は、架橋処理されて研磨部及び研磨パッドを構成する母相となるものである。
上記「未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体」は、未架橋研磨パッド用組成物の架橋処理時に少なくとも一部が架橋される。未架橋EVAのうち架橋された部分は前記[2]における架橋EVAとなる。そして、架橋EVAが含有されることで前記[2]のように優れた成形性及び耐摩耗性が付与されることに加えて、非水溶性マトリックスの縦弾性率の温度依存性を低減される。未架橋EVAの含有量は、未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましく、20質量%以上であることが更に好ましく、30質量%以上であることが特に好ましく、未架橋非水溶性マトリックス全体が未架橋EVAからなってもよい。未架橋EVAの含有量が10質量%未満であると架橋EVAが含有される効果が十分に得られ難くなる場合がある。
【0038】
未架橋非水溶性マトリックスは、未架橋EVA以外に他の未架橋重合体を含有することができる。他の未架橋重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体を除く前記[2]で挙げた各種の熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム及び硬化性樹脂(熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等、熱、光等により、硬化される樹脂)等の未架橋物である未架橋重合体を挙げることができる。更に、これらの他の未架橋重合体は、酸無水物基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、エポキシ基、アミノ基等により変性されていてもよい。変性により、架橋後の架橋PBDや、後述する水溶性粒子や、スラリーとの親和性を調節することができる。これらは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
これらの各種未架橋重合体の中でも、1,2−ポリブタジエン、ポリエチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリアセタール系樹脂の未架橋重合体であることが好ましい。これらは1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。これらが好ましい理由は前記[2]と同様である。
【0039】
これらの他の未架橋重合体の中でも、未架橋1,2−ポリブタジエンを含有する場合、架橋処理後に得られる研磨パッド用組成物内において前記[2]と同様に優れた弾性回復性が付与される。未架橋PBDの含有量は、未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に、1質量%以上とすることができ、更には5質量%以上とすることができ、特に10質量%以上とすることができる。1質量%未満であると、弾性回復性が付与される効果が十分に発揮され難い場合がある。
【0040】
[5]架橋処理
上記「架橋処理」は、未架橋研磨パッド用組成物に対して行い、この未架橋研磨パッド用組成物を構成する未架橋非水溶性マトリックス中に含有される未架橋重合体の少なくとも一部を架橋する処理である。未架橋重合体として未架橋PFF22Dと、未架橋PBD以外の他の未架橋重合体が含有される場合、架橋処理においては未架橋PBDと他の未架橋重合体とは共架橋されても、共架橋されなくてもよい。また、未架橋PBDの架橋と他の未架橋重合体の架橋とを同時に行ってもよく、いずれか一方を先に行い他方を後から行ってもよい。同様に、未架橋重合体として未架橋EVAと、未架橋EVA以外の他の未架橋重合体が含有される場合、架橋処理においては未架橋EVAと他の未架橋重合体とは共架橋されても、共架橋されなくてもよい。また、未架橋EVAの架橋と他の未架橋重合体の架橋とを同時に行ってもよく、いずれか一方を先に行い他方を後から行ってもよい。
また、架橋を行う方法は特に限定されず、有機過酸化物、硫黄、硫黄化合物等を用いた化学架橋、加熱による熱架橋、及び電子線照射等による放射線架橋などにより行うことができる。これらの中でも架橋効率が良いため、有機過酸化物を用いて架橋を行うことが好ましい。
【0041】
[6]研磨パッド
上記「研磨パッド」は、本発明の化学機械研磨方法に用いられる研磨パッドであり、また、本発明の素子微細化分離用研磨パッドである。この研磨パッドは前記[2]〜[4]のうちのいずれかの研磨パッド用組成物からなる研磨部を備える。上記「研磨部」は、研磨パッドの全部又は一部であって、研磨パッドの研磨に供される側の面の全部又は一部を構成する。この研磨部はスラリーや水等の供給により被研磨体に対して研磨効果を発揮できる部分である。研磨パッドのうち研磨部により構成される大きさは特に限定されないが、研磨パッドの研磨に供される側の面の少なくとも50%以上(より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上)であることが好ましい。研磨部により構成される部分が上記面の50%未満であるとこの研磨部を備える効果が十分に発揮され難い場合がある。
【0042】
また、この研磨パッドは、前記研磨パッド用組成物からなる研磨部以外に他の機能を有する部分を備えることができる。他の機能を有する部分としては、例えば、光学式終点検出装置を用いて終点を検出するための窓部等を挙げることができる。窓部としては、例えば、厚さ2mmにおいて、波長100〜300nmの間のいずれかの波長の光の透過率が0.1%以上(好ましくは2%以上)であるか、又は、波長100〜3000nmの間のいずれかの波長域における積算透過率が0.1%以上(好ましくは2%以上)である材料を用いることができる。
更に、この研磨パッドは、前記研磨パッド用組成物からなる研磨部以外にも他の研磨パッド用組成物からなる研磨部を備えることができる。
【0043】
この研磨パッドの形状は特に限定されないが、例えば、円盤状、ベルト状、ローラー状等とすることができ、研磨装置に応じて適宜選択することが好ましい。また、使用前における研磨パッドの大きさも特に限定されないが、円盤状の研磨パッドでは、例えば、直径0.5〜500cm(更に1.0〜250cm、特に20〜200cm)、厚さ0.1〜100mm以下(特に1〜10mm)とすることができる。また、この研磨パッドの研磨面には、必要に応じて溝を設けることができる。溝を備えることによりスラリーを研磨面の隅々に行き渡らせ、また、一時的に滞留させる効果を発揮できる。更に、研磨時に生じる研磨屑等の廃棄物を効率よく排出する経路となる。溝の形状は特に限定されず、環状、螺旋状、格子状、ドットパターン状等とすることができる。
【0044】
また、この研磨パッドは、裏面側(研磨に供される面の反対面側)に支持層を備えるものであってもよい。支持層は、研磨パッドを裏面側で支える層である。この支持層の特性は特に限定されないが、研磨パッドに比べてより軟質であることが好ましい。より軟質な支持層を備えることにより、研磨パッドの厚さが薄い(例えば、5mm以下)場合であっても、研磨時に研磨パッドが浮き上がることや、研磨パッドの表面が湾曲すること等を防止でき、安定して研磨を行うことができる。この支持層の硬度は、研磨パッドの硬度の90%以下(更には80%以下、特に70%以下、通常10%以上)であることが好ましい。更には、ショアD硬度において70以下(より好ましくは60以下、更に好ましくは50以下、通常1以上)であることが好ましい。
【0045】
また、支持層は、多孔質体(発泡体)であっても、非多孔質体であってもよい。更に、その平面形状は特に限定されず、研磨パッドと同じであっても異なっていてもよい。この支持層の平面形状としては、例えば、円形、多角形(四角形等)などとすることができる。また、その厚さも特に限定されないが、例えば、0.1〜5mm(更に好ましくは0.5〜2mm)とすることができる。但し、例えば、研磨パッドが光学式終点検出装置を用いて終点を検出するための窓部を備える場合には、この窓部を透過する光を遮らないように、研磨パッドと同様な窓部又は同じ窓部を備えることや、窓部を備えず光が通過する切り欠かれた形状とすることもできる。
【0046】
支持層を構成する材料も特に限定されないが、所定の形状及び性状への成形が容易であり、適度な弾性等を付与できることなどから有機材料を用いることが好ましい。有機材料としては、前記研磨パッドにおける非水溶性マトリックスを構成する各種重合体を適用することができる。但し、支持層を構成する有機材料は架橋重合体であっても、未架橋重合体であってもよい。
また、支持層は1層のみを備えていてもよく、2層以上を備えていてもよい。また、この支持層と研磨パッドとは直接接して積層されていてもよく、他の層を介して積層されていてもよい。更に、支持層は、研磨パッド又は他の層に接着剤、接着材(接着テープ等)などにより接着されていてもよく、部分的に溶融されることにより一体的に接合されていてもよい。
【0047】
[7]研磨装置及び研磨条件
本発明の化学機械研磨方法においては、使用する装置は特に限定されないが、例えば、株式会社荏原製作所製、型式「EPO−112」、「EPO−222」等や、ラップマスターSFT社製、型式「LGP−510」、「LGP−552」等や、アプライドマテリアル社製、品名「Mirra」等や、ラム・リサーチ社製、品名「Teres」等や、Speed Fam−IPEC社製、型式「AVANTI 472」等を用いることができる。また、本発明の素子微細化分離用研磨パッドはこれらの装置で用いることができる。
【0048】
また、研磨を行う際の研磨条件は、研磨対象等により適宜選択すればよく特に限定されないが、例えば、以下のものとすることができる。
スラリー供給量;100〜300mL/分
研磨荷重;200〜600g/cm
定盤回転数;50〜100rpm
ヘッド回転数;50〜100rpm
【0049】
本発明の化学機械研磨方法及び本発明の素子微細化分離用研磨パッドを用いると、図1に示す、STI工程を経て得られ、幅250μm、深さ0.8μmの溝(ラインパターン)がピッチ500μmで形成されたシリコン基板上に、SiO系絶縁体材料が積層膜厚(図1における「t」)2μm且つ初期段差(図1における「T」)0.9μmで堆積された被研磨体を研磨速度400nm/分で15%オーバーポリッシュした場合のディッシング(図1における「T」)を90nm以下(更には80nm以下、特に70nm以下)に抑えることができる。
【0050】
特に、研磨部を構成する研磨パッド用組成物中の非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に架橋PBDが50〜100質量%(更には60〜100質量%、特に70〜100質量%)含有される研磨パッド、及び、非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に架橋PBDと架橋EVAとが合計で70〜100質量%(更には75〜100質量%、特に80〜100質量%)含有される研磨パッドでは、安定して上記の範囲にディッシングを抑えることができると共に、スクラッチの発生を確実に防止できる。
【0051】
同様に、未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に未架橋PBDが50〜100質量%(更には60〜100質量%、特に70〜100質量%)含有される未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得られた研磨部を備える研磨パッド、及び、未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合に未架橋PBDと未架橋EVAとが合計で70〜100質量%(更には75〜100質量%、特に80〜100質量%)含有される未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得られた研磨部を備える研磨パッドでも、安定して上記の範囲にディッシングを抑えることができると共に、スクラッチの発生を確実に防止できる。
【0052】
但し、15%オーバーポリッシュとは、SiO系絶縁体材料の積層膜厚である2μmを研磨速度である400nm/分で除して得られる理論研磨時間(この場合5分)よりも15%(この場合5.75分)長い間研磨を継続することをいう。通常、このオーバーポリッシュにより図2に示すデッシング(図2における「T」)を生じる。従来知られている研磨パッドを用いて同様の研磨を行った場合、ディッシングTは100〜200nm程度となるが、本発明の研磨方法及び本発明の素子微細化分離用研磨パッドではディッシングTを10〜65%低減できることとなる。
【0053】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
[1]研磨パッドの製造
製造例1(研磨パッドA)
架橋されて非水溶性マトリックスとなる未架橋1,2−ポリブタジエン(ジェイエスアール株式会社、品名「JSR RB830」)100質量部と、水溶性粒子としてβ−シクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」、平均粒径20μm)100質量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3重量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、直径60cm、厚さ2mmの成形体を得た。その後、この成形体の一面側に切削加工機(加藤機械株式会社製)を用いて、幅が0.5mm、深さが1mm、ピッチが1.5mm(隣り合う溝間距離は1mmとなる。)である同心円状の溝を形成し、研磨パッドAを得た。尚、水溶性粒子は、研磨パッド全体を100体積%とした場合に約40体積%であり、非水溶性マトリックスと水溶性粒子との合計を100体積%とした場合も約40体積%である。
【0054】
製造例2(研磨パッドB)
架橋されて非水溶性マトリックスとなる未架橋1,2−ポリブタジエン(ジェイエスアール株式会社製、「JSR RB840」)100質量部と、水溶性粒子としてポリペプチドをコーティングしたβ−シクロデキストリン(横浜国際バイオ研究所株式会社製、品名「デキシーパールβ−100」、平均粒径20μm)43質量部とを120℃に加熱されたニーダーにて混練した。その後、有機過酸化物(日本油脂株式会社製、品名「パーヘキシン25B」)0.3重量部を添加してさらに混練した後、金型内にて190℃で10分間架橋反応させ、直径60cm、厚さ2mmの成形体を得た。その後、この成形体の一面側に切削加工機(加藤機械株式会社製)を用いて、幅が0.5mm、深さが1mm、ピッチが1.5mm(隣り合う溝間距離は1mmとなる。)である同心円状の溝を形成し、研磨パッドBを得た。尚、水溶性粒子は、研磨パッド全体を100体積%とした場合に約22体積%であり、非水溶性マトリックスと水溶性粒子との合計を100体積%とした場合も約22体積%である。
【0055】
製造例3(研磨パッドC)
架橋されて非水溶性マトリックスとなる未架橋重合体として未架橋1,2−ポリブタジエン(ジェイエスアール株式会社製、品名「JSR RB830」)70質量部と、未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー株式会社製、品名「ウルトラセン630」、エチレン含量80%)30質量部とを用いた以外は上記製造例1と同様にして、直径60cm、厚さ2mmの成形体を得た。その後、この成形体の一面側に切削加工機(加藤機械株式会社製)を用いて、幅が1mm、深さが1.5mm、ピッチが2mm(隣り合う溝間距離は1mm)である同心円状の溝を形成し、研磨パッドCを得た。尚、水溶性粒子は、研磨パッド全体を100体積%とした場合に約40体積%であり、非水溶性マトリックスと水溶性粒子との合計を100体積%とした場合も約40体積%である。
【0056】
[2]ディッシングの評価
(1)研磨及び結果
実施例1
STI工程を経て得られ、溝幅250μm、溝深さ0.8μmの溝がピッチ500μmで形成されたシリコン基板上に、積層膜厚2μm且つ初期段差0.9μmでTEOS膜が形成されたウェハ(SKW社製、商品名「SKW−7」)を下記条件にて研磨した。その結果、微細形状測定装置(KLA−Tencor社製、形式「P−10」)を用いて測定したディッシングTは60nmであった。この結果を表1に示した。
研磨パッド;研磨パッドA
スラリー;品名「CMS1101」(ジェイエスアール株式会社製)
化学機械研磨装置;型式「EPO112」(株式会社荏原製作所製)
スラリー供給量;200mL/分
研磨荷重;400g/cm
定盤回転数;70rpm
ヘッド回転数;70rpm
研磨速度;400nm/分
研磨時間;5.75分、(15%オーバーポリッシュ)
【0057】
実施例2
研磨パッドとして研磨パッドBを用いた以外は、実施例1と同様にして、同じウェハを15%オーバーポリッシュとなるように研磨した。その結果、実施例1と同様にして測定されるディッシングTは55nmであった。この結果を表1に示した。
研磨速度;400nm/分
研磨時間;5.75分、(15%オーバーポリッシュ)
【0058】
実施例3
研磨パッドとして研磨パッドCを用いた以外は、実施例1と同様にして、同じウェハを15%オーバーポリッシュとなるように研磨した。その結果、実施例1と同様にして測定されたディッシングTは65nmであった。この結果を表1に示した。
研磨速度;400nm/分
研磨時間;5.75分(15%オーバーポリッシュ)
【0059】
比較例1
研磨パッドとしてIC1000/SUBA400(ロデール・ニッタ社製、溝幅0.25mm、深さ0.4mm、ピッチ1.5mmである同心円状の溝が形成されている。以下、「研磨パッドD」という)を用いた以外は、実施例1と同様にして、同じウェハを15%オーバーポリッシュとなるように研磨した。その結果、実施例1と同様にして測定されたディッシングTは130nmであった。この結果を表1に示した。
研磨速度;500nm/分
研磨時間;4.6分、(15%オーバーポリッシュ)
【0060】
【表1】
Figure 2004140264
【0061】
[3]スクラッチの評価
(1)研磨
STI工程を経て得られた8インチ熱酸化膜ウェハ(AMT社製、品名「HDP−7」)を、研磨時間を2分間とした以外は、上記[1]と同様にして研磨パッドA、研磨パッドB、研磨パッドC及び研磨パッドDの各々を用いて研磨を行った。
(2)結果
上記[2](1)で研磨した各ウェハの表面のスクラッチの数を、パターンなしウェハ表面異物検査装置(ケーエルエー・テンコール社製、型式「サーフスキャン6420」)を用いて測定した。その結果、研磨パッドA、研磨パッドB及び研磨パッドCを用いた2種類のウェハではスクラッチは生じていなかった。一方、研磨パッドDを用いた比較試験を行ったウェハでは5つのスクラッチが認められた。この結果を表1に示した。
【0062】
[4]評価
上記[3]の結果より、研磨パッドDを用いた場合(比較例1)は130nmと100nmを超える大きなディッシングを生じているのに対して、研磨パッドA、研磨パッドB及び研磨パッドCを用いた場合(実験例1〜3)は、いずれも70μmの極めて小さいディッシングに抑えることができた。更に、上記[4]の結果より、研磨パッドDを用いた場合にはスクラッチが5カ所形成されたのに対して、研磨パッドA、研磨パッドB及び研磨パッドCではスクラッチは形成されなかった。これらのことから、STI工程において前記のような研磨パッド用組成物からなる研磨パッド及び研磨層等を用いることにより、ディッシングが70nm以下であり、スクラッチを生じない極めて精度の高い研磨が可能であることが分かる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の化学機械研磨方法によると、素子微細化分離工程、特にSTI工程において、過剰研磨(ディッシング)が抑制され、スクラッチ(研磨後の絶縁体材料表面の傷)の発生を抑制できる。
また、架橋PBD及び/又は架橋EVAを所定量以上含有する研磨部を備える研磨パッドを用いた場合、未架橋PBDを所定量以上含有する未架橋研磨パッド用組成物から得られた研磨部を備える研磨パッドを用いた場合、未架橋EVAを所定量以上含有する未架橋研磨パッド用組成物から得られた研磨部を備える研磨パッドを用いた場合は、各々、特に過剰研磨及びスクラッチの発生を効果的に抑制できると共に、平坦性及び研磨速度に優れた素子微細化分離工程、特にSTI工程における研磨を行うことができる。
更に、所定温度範囲における縦弾性率の低下量が1000MPa以下である研磨パッドを用いる場合は、特に精度の高い研磨を行うことができる。
本発明の素子微細化分離用研磨パッドによると、素子微細化分離工程、特にSTI工程において、過剰研磨(ディッシング)が抑制され、スクラッチ(研磨後の絶縁体材料表面の傷)の発生を抑制できる。
【0064】
【図面の簡単な説明】
【図1】STI工程を経て得られ、化学機械研磨前の被研磨体の断面を説明する模式図である。
【図2】STI工程を経て得られ、化学機械研磨後の被研磨体の断面を説明する模式図である。
【符号の説明】
1;シリコン基板、2;SiO系絶縁体材料、T;初期段差、t;積層膜厚、T;ディッシング。

Claims (6)

  1. 半導体装置の製造における素子微細化分離工程に用いられる化学機械研磨方法であって、架橋重合体を含有する非水溶性マトリックスと該非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する研磨パッド用組成物からなる研磨部を備える研磨パッドを用いて被研磨面を研磨することを特徴とする化学機械研磨方法。
  2. 上記研磨パッド用組成物は、上記架橋重合体として架橋1,2−ポリブタジエン及び/又は架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し、上記架橋重合体全体を100質量%とした場合に、該架橋1,2−ポリブタジエン及び架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体のうちの少なくとも一方が10質量%以上である請求項1記載の化学機械研磨方法。
  3. 上記研磨パッド用組成物は、未架橋非水溶性マトリックスと該未架橋非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得られ、該未架橋非水溶性マトリックスは未架橋1,2−ポリブタジエンを含有し、該未架橋非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合、該未架橋1,2−ポリブタジエンは10質量%以上である請求項1記載の化学機械研磨方法。
  4. 上記研磨パッド用組成物は、未架橋非水溶性マトリックスと該未架橋非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する未架橋研磨パッド用組成物を架橋処理して得られ、該未架橋非水溶性マトリックスは未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体を含有し、非水溶性マトリックス全体を100質量%とした場合、該未架橋エチレン−酢酸ビニル共重合体は10質量%以上である請求項1記載の化学機械研磨方法。
  5. 上記研磨パッド用組成物は、温度0〜80℃の間の縦弾性率の変化量が1000MPa以下である請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の化学機械研磨方法。
  6. 架橋重合体を含有する非水溶性マトリックスと該非水溶性マトリックス中に分散された水溶性粒子とを含有する研磨パッド用組成物からなる研磨部を備え、半導体装置の製造における素子微細化分離工程の化学機械研磨に用いられることを特徴とする素子微細化分離用研磨パッド。
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