JP2004139676A - 磁気記録ヘッド及び磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録ヘッド及び磁気記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気記録ヘッド及び磁気記録装置に関し、書き込み特性に影響を与えることなく、主磁極の磁区制御を簡単な構成で行う。
【解決手段】強磁性体からなる主磁極1の少なくとも一部に隣接して強磁性−非磁性の磁気相転移する補助層2を設ける。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録ヘッド及び磁気記録装置に関するものであり、特に、垂直記録方式のハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記録装置に用いる磁気記録ヘッドの主磁極の先端部の形状異方性による残留磁化の影響を低減するための構成に特徴のある磁気記録ヘッド及び磁気記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、情報記録装置である磁気記録装置(所謂ハードディスクドライブ)はコンピュータや各種携帯情報端末、例えば、モバイルパソコン、ゲーム機、デジタルカメラ、車載ナビゲーション等の外部記憶装置として一般に広く使用されている。
【0003】
近年、高記録密度化の要請に応えるために磁気記録媒体の記録密度を上げる必要があるが、それに伴って記録ヘッドのコア幅を記録ビットサイズに応じて狭くしていく必要がある。
【0004】
また、高記録密度化に対応する磁気記録媒体として、従来の長手記録媒体と比べても倍以上の高保磁力化が可能な垂直記録媒体が盛んに研究さているが、この高記録密度を達成するのに優位とされる垂直磁気記録方式に用いる単磁極ヘッドにおいても、狭コア幅化が進んでいるので、ここで、図8を参照して、従来の垂直記録方式の磁気ヘッドを説明する。
【0005】
図8(a)及び(b)参照
図8(a)は、従来の垂直記録方式の磁気ヘッドの概略的斜視図であり、また、図8(b)はライトヘッド側の概略的断面図である。
まず、Al2 3 −TiC基板71上にAl2 3 膜72を介してNiFe等からなる下部磁気シールド層73、Al2 3 からなる下部リードギャップ層74、磁気抵抗効果素子75、Al2 3 からなる上部リードギャップ層76、上部磁気シールド層を兼ねるNiFe等からなるリターンヨーク77を順次堆積させる。
なお、この場合の磁気抵抗効果素子75としては、PdPtMnピン層/CoFeピンド層/Cu中間層/CoFeフリー層/NiFeフリー層を順次成膜したスピンバルブ素子とする。
【0006】
次いで、Al2 3 膜78を設けたのち、Cuメッキによって水平スパイラル状のライトコイル79を形成し、レジストからなる層間絶縁膜80で被覆し、全体をAl2 3 膜81で被覆したのち平坦化し、ライトコイル79の中心部にビアホールを形成してNiFeで埋め込んで磁極接続部82を形成する。
【0007】
次いで、選択メッキ法によってNiFeからなる補助磁極83を設けたのち、再び、全体をAl2 3 膜84で被覆したのち平坦化し、再び選択メッキ法によって先端部が幅細のライトポール86となった主磁極85を形成したものである。
なお、図における矢印の方向に磁気記録媒体が移動して記録・再生が行われる。
【0008】
しかし、磁気ヘッドが狭コア幅になるにつれ、即ち、ライトポール86のコア幅が狭くなるにつれて、形状異方性に伴った残留磁化により、記録情報が消去され、情報が安定に保存できなくなるので、図9を参照してこの事情を説明する。
【0009】
図9(a)参照
図9(a)は、主磁極85の先端のライトポール86の幅が比較的広い場合の磁区87の説明図であり、ライトポール86は複数の磁区に分割されて、還流磁区が形成され、ライトポール86の先端部における磁化方向は、コア幅方向に向く。
【0010】
図9(b)参照
図9(b)は、主磁極85の先端のライトポール86の幅が狭い場合の磁区の説明図であり、ライトポール86は単磁区となり、磁化は長手方向を向くのでライトポール86の先端部における磁化方向は、コア幅方向と垂直方向となる。
この磁化の向きは、書き込み時の磁化の向きと同じであるので、非書き込み時にこの残留磁化が作用して、不所望な領域の情報が消去されることがある。
【0011】
この様な問題を解決するために、主磁極をリターンヨークと直接結合しないことにより、狭コア幅化に伴って、主磁極の高さを大幅に低減することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0012】
また、主磁極を非磁性層を挟んだ3層構造とし、信号磁界方向に電流を通電させることにより、電流による磁界によって、磁化の向きを安定に制御することも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0013】
【特許文献1】
特開2001−291212号公報
【特許文献1】
特開平8−167122号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、主磁極の高さを大幅に低減すると、書き込み特性に大きな影響を与える虞があり、一方、電流による磁界により磁化方向を制御する方法は、電流を流すことが必要になるので、構造・工程が複雑化するとともに、書き込み特性に影響を与える虞がある。
【0015】
したがって、本発明は、書き込み特性に影響を与えることなく、主磁極の磁区制御を簡単な構成で行うことを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
図1は本発明の原理的構成図であり、この図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
なお、図における符号3,4,5,6,7,8〜10は、夫々、補助磁極、リターンヨーク、磁極接続部、ライトコイル、層間絶縁膜、絶縁膜である。
図1参照
上記目的を達成するため、本発明は、磁気記録ヘッドにおいて、強磁性体からなる主磁極1の少なくとも一部に隣接して強磁性−非磁性の磁気相転移する補助層2を設けることを特徴とする。
【0017】
この様に、強磁性−非磁性の磁気相転移する補助層2を設け、書き込み時に非磁性層とし、非書き込み時に強磁性層とすることによって、書き込み特性に悪影響を与えることなく、主磁極1の残留磁化を悪影響を与えることがない方向に制御することができる。
【0018】
この場合、補助層2の表面に、トラック幅方向に沿って傷を付け、補助層2が強磁性に転移した際にトラック幅方向の異方性を付与することが望ましく、それによって、主磁極1に還流磁区を発生させることなく、主磁極1の残留磁化をトラック幅方向に制御することができる。
【0019】
或いは、補助層2に、磁区制御された強磁性層を隣接配置しても良く、この場合、補助層2と強磁性層の間に非磁性層を配置し、強磁性層との磁気カップリングにより補助層2を磁区制御するようにしても良く、それによって、主磁極1と強磁性層をより離すことができる。
【0020】
また、補助層2が強磁性に転移した際に、還流磁区を形成するようにしても良いものである。
即ち、磁気異方性を付与することなく、非記録時には強磁性化したばあいに、主磁極1の付近の体積を増大させる効果により還流磁区を形成することができるので、製造工程が簡素化される。
【0021】
また、面内磁化方式の磁気記録ヘッドの場合にも、強磁性体からなる上部磁極の少なくとも先端部に隣接して強磁性−非磁性の磁気相転移する補助層2を設けることにより、上部磁極の残留磁化方向を任意の方向に制御することができる。
【0022】
以上の構成の磁気記録ヘッドを搭載することによって、主磁極1或いは上部磁極のコア幅を狭くしても残留磁化が悪影響を与えることなく、記録情報を安定して保存できる高信頼性の高記録密度磁気記録装置を構成することができる。
【0023】
この場合、補助層2に、異なった波長の光、例えば、青色と赤色を照射する機構を備えることによって、照射する波長の光により補助層2の強磁性−非磁性の磁気相転移を簡単に制御することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図4を参照して、本発明の第1の実施の形態の垂直記録方式の磁気記録ヘッドを説明する。
図2(a)及び(b)参照
図2(a)は、従来の垂直記録方式の磁気ヘッドの概略的斜視図であり、また、図2(b)はライトヘッド側の概略的断面図である。
まず、従来の磁気ヘッドと同様に、Al2 3 −TiC基板11上にAl2 3 膜12を介してNiFeからなる下部磁気シールド層13、Al2 3 からなる下部リードギャップ層14、磁気抵抗効果素子15、Al2 3 からなる上部リードギャップ層16、上部磁気シールド層を兼ねるNiFeからなるリターンヨーク17を順次堆積させる。
なお、この場合の磁気抵抗効果素子15としては、PdPtMnピン層/CoFeピンド層/Cu中間層/CoFeフリー層/NiFeフリー層を順次成膜したスピンバルブ素子とする。
【0025】
次いで、Al2 3 膜18を設けたのち、Cuメッキによって水平スパイラル状のライトコイル19を形成し、レジストからなる層間絶縁膜20で被覆し、全体をAl2 3 膜21で被覆したのちCMP(化学機械研磨)法によって平坦化し、ライトコイル19の中心部にビアホールを形成してNiFeで埋め込んで磁極接続部22を形成する。
【0026】
次いで、選択メッキ法によってNiFeからなる補助磁極23を設けたのち、再び、全体をAl2 3 膜24で被覆したのちCMP法によって平坦化し、再び選択メッキ法によって先端部が幅細のライトポール26となった高Bs (飽和磁化)のCo50Fe50からなる主磁極25を形成する。
【0027】
次いで、再び、全体をAl2 3 膜27で被覆したのちCMP法によって平坦化して主磁極25の表面を露出させたのち、リフトオフ法によってK04Co16〔Fe(CN)6 〕6.9H Oからなる補助層28をライトポール近傍にコア幅より広い幅で設け、コア幅方向にテクスチャ傷を付ける。
【0028】
最後に、ライトポール26を切断し、研磨する等のスライダー加工を施すことによってAl2 3 −TiC基板11を主体とするスライダーを形成することにより磁気記録ヘッドの基本構成が完成する。
なお、この場合も、図における矢印の方向に磁気記録媒体が移動し、磁気抵抗効果素子15によって読み取りを行い、ライトポール26によって書き込みを行うことになる。
【0029】
この補助層28に用いるK04Co16〔Fe(CN)6 〕6.9H Oは、光の照射により強磁性−非磁性の磁気相転移することは知られており(必要ならば、特開平10−124942号公報参照)、青色半導体レーザからの青色光によって強磁性状態が非磁性状態となり、赤色半導体レーザからの赤色光によって非磁性状態が強磁性状態となる。
【0030】
図3(a)参照
図3(a)は、本発明の第1の実施の形態の磁気ヘッドを搭載した磁気ディスク装置の平面図であり、スピンドルモータ34の回転軸に取り付けられるとともに、ディスククランプリング33によって固定された垂直磁気記録媒体32、先端部にサスペンション36を介して本発明の実施の形態の磁気ヘッドを備えたスライダー37が取り付けられたヘッドアーム35から基本構成が構成される。
【0031】
図3(b)参照
図3(b)はサスペンション部近傍の拡大図であり、サスペンション36の先端には磁気ヘッド31と一体になったスライダー37が支持され、また、サスペンション36の上面側には光照射系が取り付けられた構成となる。
【0032】
この光照射系は、青色半導体レーザ40、赤色半導体レーザ41、これらを搭載するヒートシンクを兼ねるサブマウント39、レーザ光を反射させるミラー42、反射させた光を磁気ヘッド31に設けた補助層28に収束照射するレンズ43からなり、これらは、マウント基板38に取り付けられる。
【0033】
次に、図4を参照して、本発明の第1の実施の形態における駆動方法を説明する。
図4(a)参照
図4(a)は、駆動タイミングチャートであり、まず、書き込みパルス電流を印加する前に、青色レーザを補助層28に照射して補助層28を非磁性化し、補助層28が書き込み特性影響を与えない状態にしたのち書き込みパルス電流を印加して、“1”の書き込みを行い、書き込み終了後に赤色レーザを照射して補助層を強磁性化して、主磁極25の先端のライトポール26の磁区を制御する。
【0034】
図4(b)参照
図4(b)は、青色レーザを照射した場合のライトポール近傍の要部斜視図であり、補助層28は非磁性層になっているので、磁気的に何らの影響を与えることがない。
【0035】
図4(c)参照
図4(c)は、赤色レーザを照射した場合のライトポール近傍の要部斜視図であり、補助層28は強磁性層になるが、この時、ライトポール26と一体になって予めコア幅方向に付けたテクスチャ傷の方向(図における矢印方向)に磁化されるので、この残留磁化が既に書き込んだ情報を消去することがない。
【0036】
以上の駆動工程を、各書き込みパルス電流毎に行うことによって、ライトポールの残留磁化が、非書き込み時に悪影響を与えることなく、記録情報を安定して保存できる高信頼性の磁気記録ヘッドとなる。
【0037】
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態の磁気ヘッドを説明するが、補助層の上に強磁性膜を設けた以外は上記の第1の実施の形態と同様であるので、変更点のみを説明する。
図5参照
図5は、本発明の第2の実施の形態の磁気ヘッドのライトポール近傍の要部断面図であり、ライトポール26上に補助層28を設け、この補助層28にトラック幅方向、即ち、ライトポール26のコア幅方向にテクスチャ傷を付けたのち、再び、補助層28上に硬磁性体であるCoCrPtからなる強磁性膜29を堆積する。
この時、補助層28に設けたテクスチャ傷の影響が強磁性膜29に現れ、強磁性膜29に磁気異方性が付与される。
【0038】
この場合、補助層28の露出部に赤色レーザを照射すると、補助層28は強磁性体に相転移するが、この時、強磁性膜29に設けた磁気異方性の影響により、ライトポール26と共に磁化方向がコア幅方向に向くことになる。
【0039】
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態の磁気ヘッドを説明するが、補助層と強磁性膜との間に非磁性層を設けた以外は上記の第2の実施の形態と同様であるので、変更点のみを説明する。
図6参照
図6は、本発明の第3の実施の形態の磁気ヘッドのライトポール近傍の要部断面図であり、ライトポール26上に補助層28を設け、この補助層28にトラック幅方向、即ち、ライトポール26のコア幅方向にテクスチャ傷を付けたのち、再び、補助層28上にCuからなる非磁性層30、及び、硬磁性体であるCoCrPtからなる強磁性膜29を順次堆積する。
この時、補助層28に設けたテクスチャ傷の影響が強磁性膜29に現れ、強磁性膜29に磁気異方性が付与される。
なお、非磁性層30の膜厚を制御することにより、補助相28と強磁性膜29とを強磁性的に結合させる。
或いは、テクスチャ傷は、非磁性層30に設けても良く、それによって、強磁性膜29に磁気異方性が付与される。
【0040】
この場合も、補助層28の露出部に赤色レーザを照射すると、補助層28は強磁性体に相転移するが、この時、強磁性膜29に設けた磁気異方性の影響により、ライトポール26と共に磁化方向がコア幅方向に向くことになる。
【0041】
また、非磁性層30を介在させることにより、ライトポール26から強磁性膜29を離すことができ、強磁性膜29が書き込み特性に与える影響を低減することができる。
【0042】
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施の形態の面内記録方式の磁気ヘッドを説明するが、リードヘッドの構成は上記の第1の実施の形態と同様であり、また、ライトヘッドの構成も磁極構造が異なるだけで基本的構成は上記の第1の実施の形態と同様である。
【0043】
図7(a)乃至(c)参照
図7(a)は、本発明の第4の実施の形態の平面図であり、図7(b)はコア幅に直交する方向の要部断面図であり、また、図7(c)はライトポール先端の正面図である。
図に示すように、まず、垂直記録方式の磁気ヘッドと同様に、Al2 3 −TiC基板上にAl2 3 膜(いずれも図示を省略)を介してNiFeからなる下部磁気シールド層51、Al2 3 からなる下部リードギャップ層52、磁気抵抗効果素子53、Al2 3 からなる上部リードギャップ層54、上部磁気シールド層を兼ねるNiFeからなる下部磁極55を順次堆積させる。
なお、この場合の磁気抵抗効果素子53としては、PdPtMnピン層/CoFeピンド層/Cu中間層/CoFeフリー層/NiFeフリー層を順次成膜したスピンバルブ素子とする。
【0044】
次いで、Al2 3 膜からなるライトギャップ層56を設けたのち、レジストからなる下部層間絶縁膜57を介して、Cuメッキによって水平スパイラル状のライトコイル58を形成し、次いで、レジストからなる上部層間絶縁膜59で被覆する。
【0045】
次いで、ライトコイル58の中心部に上部層間絶縁膜59乃至ライトギャップ層56を貫通する凹部を形成したのち、選択メッキ法によってNiFeからなる磁極接続部60及び上部磁極61を形成する。
【0046】
次いで、ライトポール58の側部をAl2 3 からなる絶縁膜63で埋め込んで平坦にしたのち、リフトオフ法によってK04Co16〔Fe(CN)6 〕6.9H Oからなる補助層64をライトポール近傍にコア幅より広い幅で設け、その表面にテクスチャ傷を付ける。
【0047】
最後に、ライトポール58を切断し、研磨する等のスライダー加工を施すことによってAl2 3 −TiC基板を主体とするスライダーを形成することにより磁気ヘッドの基本構成が完成する。
【0048】
この様に、面内記録方式に磁気ヘッドにおいてもライトポールの上に強磁性−非磁性の磁気相転移が可能な補助膜を設けているので、補助膜に付けるテクスチャ傷に方向によって、残留磁化を任意の方向に制御することができる。
【0049】
以上、本発明の各実施の形態を説明したが、本発明は各実施の形態に記載した構成及び条件に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態においては、補助層の形状を、ライトポールのコア幅より広くしているが、ライトポールと同じ幅にしても良い。
【0050】
また、補助層をライトポールを含む主磁極の先端部にのみ設けているが、主磁極全体を覆うように設けても良いものである。
【0051】
また、上記の第2及び第3の実施の形態においては、強磁性膜として硬磁性膜を用いているが、硬磁性膜に限られるものではなく、NiFe等の軟磁性膜を用いても良いものである。
但し軟磁性膜を用いる場合には、書き込み特性に影響を与えない程度に薄くする必要がある。
【0052】
また、上記の第1の実施の形態においてはテクスチャ傷を付けて磁気異方性を付与しているが、テクスチャ傷は必ずしも必要ではなく、テクスチャ傷を付けない場合には、補助層の存在によりライトポールの実効的体積が大きくなるので ライトポールの先端部の還流磁区が形成され、還流磁区によってライトポールの延伸方向の残留磁化の形成が妨げられることになる。
【0053】
また、上記の第1乃至第3の実施の形態においては、主磁極をFe50Co50組成のFeCoで構成しているが、この様な組成に限られるものではなく、補助磁極を構成する材料より飽和磁束密度の高い材料であれ良く、例えば、NiFeに対しては、CoNiFe等を用いても良いものである。
【0054】
また、上記の実施の形態においては、磁気抵抗効果素子を用いたリードヘッドを伴った複合型の薄膜磁気ヘッドとして説明しているが、この様な複合型の磁気ヘッドに限られるものではなく、ライトヘッド単独として用いても良いものである。
【0055】
ここで、再び、図1を参照して、改めて本発明の詳細な特徴を説明する。
再び、図1参照
(付記1) 強磁性体からなる主磁極1の少なくとも一部に隣接して強磁性−非磁性の磁気相転移する補助層2を設けることを特徴とする磁気記録ヘッド。
(付記2) 上記補助層2の表面に、トラック幅方向に沿って傷を付け、前記補助層2が強磁性に転移した際にトラック幅方向の異方性を付与することを特徴とする付記1記載の磁気記録ヘッド。
(付記3) 上記補助層2に、磁区制御された強磁性層を隣接配置することを特徴とする付記1記載の磁気記録ヘッド。
(付記4) 上記補助層2と強磁性層の間に非磁性層を配置し、前記強磁性層との磁気カップリングにより前記補助層2を磁区制御することを特徴とする付記3記載の磁気記録ヘッド。
(付記5) 上記補助層2が、強磁性に転移した際に、還流磁区を形成することを特徴とする付記1記載の磁気記録ヘッド。
(付記6) 強磁性体からなる上部磁極の少なくとも先端部に隣接して強磁性−非磁性の磁気相転移する補助層2を設けることを特徴とする磁気記録ヘッド。
(付記7) 付記1乃至6のいずれか1に記載の磁気ヘッドを搭載したことを特徴とする磁気記録装置。
(付記8) 上記補助層2に、異なった波長の光を照射する機構を備えたことを特徴とする付記7記載の磁気記録装置。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、主磁極の先端のライトポールに隣接するように強磁性−非磁性の磁気相転移が可能な補助層を設けているので、非書き込み時に補助層を強磁性化することによって、残留磁化の方向を情報を書き込む方向とは異なった方向に制御しているので、情報が消去されることがなく、高記録密度と記録情報の安定性に優れた磁気記録装置の実現に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の垂直記録方式の磁気ヘッドの構造説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の磁気ヘッドを搭載した磁気記録装置の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における駆動方法の説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の磁気ヘッドの要部構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の磁気ヘッドの要部構成図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の面内記録方式の磁気ヘッドの構造説明図である。
【図8】従来の垂直記録方式の磁気ヘッドの構造説明図である。
【図9】狭コア幅化に伴う問題点の説明図である。
【符号の説明】
1 主磁極
2 補助層
3 補助磁極
4 リターンヨーク
5 磁極接続部
6 ライトコイル
7 層間絶縁膜
8 絶縁膜
9 絶縁膜
10 絶縁膜
11 Al2 3 −TiC基板
12 Al2 3 
13 下部磁気シールド層
14 下部リードギャップ層
15 磁気抵抗効果素子
16 上部リードギャップ層
17 リターンヨーク
18 Al2 3 
19 ライトコイル
20 層間絶縁膜
21 Al2 3 
22 磁極接続部
23 補助磁極
24 Al2 3 
25 主磁極
26 ライトポール
27 Al2 3 
28 補助層
29 強磁性膜
30 非磁性層
31 磁気ヘッド
32 垂直磁気記録媒体
33 ディスククランプリング
34 スピンドルモータ
35 ヘッドアーム
36 サスペンション
37 スライダー
38 マウント基板
39 サブマウント
40 青色半導体レーザ
41 赤色半導体レーザ
42 ミラー
43 レンズ
51 下部磁気シールド層
52 下部リードギャップ層
53 磁気抵抗効果素子
54 上部リードギャップ層
55 下部磁極
56 ライトギャップ層
57 下部層間絶縁膜
58 ライトコイル
59 上部層間絶縁膜
60 磁極接続部
61 上部磁極
62 ライトポール
63 絶縁膜
64 補助層
71 Al2 3 −TiC基板
72 Al2 3 
73 下部磁気シールド層
74 下部リードギャップ層
75 磁気抵抗効果素子
76 上部リードギャップ層
77 リターンヨーク
78 Al2 3 
79 ライトコイル
80 層間絶縁膜
81 Al2 3 
82 磁極接続部
83 補助磁極
84 Al2 3 
85 主磁極
86 ライトポール

Claims (5)

  1. 強磁性体からなる主磁極の少なくとも一部に隣接して強磁性−非磁性の磁気相転移する補助層を設けることを特徴とする磁気記録ヘッド。
  2. 上記補助層の表面に、トラック幅方向に沿って傷を付け、前記補助層が強磁性に転移した際にトラック幅方向の異方性を付与することを特徴とする請求項1記載の磁気記録ヘッド。
  3. 上記補助層に、磁区制御された強磁性層を隣接配置することを特徴とする請求項1記載の磁気記録ヘッド。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の磁気ヘッドを搭載したことを特徴とする磁気記録装置。
  5. 上記補助層に、異なった波長の光を照射する機構を備えたことを特徴とする請求項4記載の磁気記録装置。
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