JP2004138689A - 語学学習システムおよび語学学習サービス提供方法、プログラム、並びにデータ記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】語学学習システム10により学習者が各ステップで学習を行う際に、少なくとも一つのステップにおいて、出題処理手段41により、問題データベース50に記憶された問題データに基づき、現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句(例えば、空間の概念を示す語句、あるいは人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句)を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題を出題するようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていく語学学習システムおよび語学学習サービス提供方法、プログラム、並びにデータ記録媒体に係り、例えば、中国語、日本語、英語を学習する場合等に利用できる。
【0002】
【背景技術】
伝統的中国語の教科書は、「こんにちは」、「〜は〜です」、「〜ですか」のように、いわゆる基本的な文法から入るのが普通である。何故このような場面から始めなければならないのか、また、これらの文法項目が基本文法であると言える根拠はどこにあるのかについては、まだ十分な説明が与えられていない。考えられる理由としては、これらの表現は外国人に最初に接するときに最も役に立つものであるという理由が挙げられる。このような考えが背景にあるからこそ、特に中国語に限定していえば、大抵の教科書の第1課は、「我是〜(私は〜です)」等から始まり、その次に「今何時ですか」「今日は〜曜日です」というように、直ぐに時間表現が出てくる。そして、空間表現は、その後に出てくることが多い。
【0003】
しかし、実用面で考えれば、これらの表現を最初に学習することは大切なことであるが、応用言語学的な見地からすると、それは必ずしも最良の学習方法であるとは言えない。なぜなら、このような学習方法では、学習者が自身の応用力で新しい表現を生成することはできないか、若しくは困難であると思われるからである。
【0004】
一方、近年、中国語の語学学習システムをはじめ、コンピュータやネットワーク技術を用いた各種言語の語学学習システムが開発されている。そして、本願出願人によっても、複数の単語を正しい順序に並べ替えて正しい文章を作成する並べ替え選択問題において、各単語を並べ替える際のドラッグ操作に伴って中国語の音声(並べ替えている最中の単語の発音)を出力することにより、聴覚イメージによる語学の習得を可能としたシステムが提案されている(特願2001−333454号参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来より開発されてきた中国語の語学学習システムは、前述した伝統的中国語の教科書を基礎として、これにコンピュータやネットワーク技術を応用することにより、システムの操作性を向上させ、学習者にとっての使い勝手の良好性や利用価値の向上を追求してきた。また、中国語以外の言語の語学学習システムの場合も同様である。
【0006】
このため、従来の語学学習システムを用いて学習を行うと、単語自体の習得や文法自体の習得を効率的に達成できることはあっても、学習者が自身の応用力で新しい表現を生成することができるようにはならないか、若しくはそのような能力を養うことは困難であった。
【0007】
従って、応用言語学的な見地から見て、学習者にとって有用なシステム、すなわち学習者が自身の応用力で新しい表現を生成することができるようになる語学学習システムが望まれている。
【0008】
本発明の目的は、学習者が初めて接する語句を容易に習得でき、あるいは学習者が自身の応用力で新しい表現を生成する能力を養うことができる語学学習システムおよび語学学習サービス提供方法、プログラム、並びにデータ記録媒体を提供するところにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、学習者が各ステップで学習を行う際に、少なくとも一つのステップにおいて、現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題を含む問題を出題することにより前記目的を達成しようとするものである。
【0010】
具体的には、本発明は、互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていく語学学習システムであって、各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶し、かつ、少なくとも一つのステップでの問題には、このステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題が含まれている問題データベースと、この問題データベースに記憶された問題データに基づき、学習者が現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題を含む問題を出す出題処理手段と、学習者が特定問題を含む問題に対する解答を入力する際に操作する入力手段と、この入力手段による学習者の解答入力操作を受け付ける処理を行う解答入力操作受付処理手段と、問題データベースに記憶された正解データに基づき、解答入力操作受付処理手段により受け付けた学習者の解答入力操作に応じて問題に対する解答の正否を判定する判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0011】
ここで、本発明における「語句」および「複合語句」には、文字、単語、文節、句、文、文章、用語等が含まれ、広く一般的な意味で用いる際の言葉と同義である。また、名詞、動詞、形容詞、副詞、助詞、接続詞等の別は問わない。
【0012】
そして、「先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題」は、少なくとも一つのステップでの問題に含まれていればよく、必ずしも全てのステップの問題に「特定問題」が含まれている必要はない。また、「特定問題」を出題するステップでは、そのステップの中の全ての問題が「特定問題」である必要はなく、そのステップで出題する問題の中に、「特定問題」が含まれていればよい。なお、以下においては、「先行のステップでの学習項目とされている概念の語句」を「先行ステップ学習語句」と略称する。
【0013】
また、「先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句」の「少なくとも一部」とは、特定問題を出題することにより学習させる複合語句の一部のみに、先行ステップ学習語句が含まれている場合と、特定問題を出題することにより学習させる複合語句の全部が、先行ステップ学習語句で構成されている場合とがあり、いずれの場合でもよい趣旨である。後者の場合は、特定問題を出題することにより学習させる複合語句が、複数の先行ステップ学習語句を組み合わせて構成されている場合である。また、前者の場合には、複数の先行ステップ学習語句を組み合わせ、さらにその組合せに新出語句を加えた場合が含まれる。
【0014】
さらに、「先行のステップ」には、学習者が現在学習中のステップよりも前に学習した全てのステップが含まれる。従って、直前のステップのみならず、直前のステップの一つ前のステップ、さらには、直前のステップの二つ前、三つ前、四つ前、…等のステップが全て含まれる。そして、複数の先行ステップ学習語句を組み合わせる場合には、例えば、直前のステップで学習した語句と、直前のステップの三つ前のステップで学習した語句とを組み合わせる等、異なるステップで学習した語句を組み合わせるようにしてもよい。
【0015】
そして、「特定問題」を含む各問題の出題形式は、音声により出題する場合、画面に表示された文字により出題する場合、および音声と文字との組合せにより出題する場合のいずれの場合も含まれるが、聴覚イメージによる語学の習得を目的とする場合には、音声による出題を含ませることが好ましい。
【0016】
また、「判定手段」による判定結果を学習者に知らせる方法は、結果を表示手段に画面表示する方法、音声や各種効果音を出力する方法、印刷する方法、これらの組合せ等、いずれの方法でもよい。
【0017】
このような本発明においては、学習者が各ステップで学習を行う際に、少なくとも一つのステップにおいて、出題処理手段により、問題データベースに記憶された問題データに基づき、特定問題、すなわち先行ステップ学習語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための問題を出題する。
【0018】
このため、学習者は、現在学習中のステップにおいて、そのステップでの学習項目としての複合語句に関する問題(特定問題)が出題された場合に、先行ステップで既に学習して意味を習得している語句をイメージすることにより、その複合語句の意味を容易に理解することができるようになる。
【0019】
従って、学習者は、未だ学んでいない新しい複合語句に出くわしたときに、既に学習済みの語句を自然にイメージしながら、その新しい複合語句の意味の理解に努めるようになり、あるいはそのような理解方法をとる習慣が身につくので、学習者は、自身の応用力で新しい表現を生成する能力を養うことができるようになり、これらにより前記目的が達成される。
【0020】
また、前述した語学学習システムにおいて、先行のステップでの学習項目とされている概念の語句には、空間の概念を示す語句が含まれ、複合語句は、この空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む語句であることが望ましい。
【0021】
このように空間の概念を示す語句を先行ステップで学習しておき、その後のステップで、その空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習することができる構成とした場合には、学習者は、未だ学んでいない新しい複合語句であって空間表現を含むものに出くわしたときに、空間の概念を示す語句を既に学習していて頭の中にそのイメージが形成されているため、そのイメージを利用しながら、新しい複合語句の意味を理解することができるようになる。このため、学習スピードが向上し、効果的な学習が可能となる。
【0022】
そして、認知科学や認知言語学の進歩に伴い、我々の言語生活において溢れるように生成される言葉の多くは、自分の経験や自分が取り囲まれている空間に対する認知と深いかかわりを持っていることが明らかにされつつある。このため、他国語の学習を行うにあたっても、上記のように、空間認知に相当するステップを設け、その後に空間表現を含む複合語句を学習させるステップを置くことにより、学習者に対し、新しい言葉を生成する能力を与え、あるいはそのような能力を養うための練習をする機会を与え、認知科学や認知言語学の理論を実践することが可能となる。
【0023】
さらに、上記のように、空間認知に相当するステップを設け、その後に空間表現を含む複合語句を学習させるステップを置く構成とする場合において、空間の概念を示す語句として、前後左右の方向の概念を示す語句、上下の方向の概念を示す語句、領域を区画する境界の概念を示す語句、出入の概念を示す語句、開閉の概念を示す語句、去来の概念を示す語句、長短の概念を示す語句、真っ直ぐ・曲がるという概念を示す語句、広狭の概念を示す語句、平・凹凸の概念を示す語句、大小の概念を示す語句、太い・細いという概念を示す語句、厚い・薄いという概念を示す語句、高低の概念を示す語句、深い・浅いという概念を示す語句、内外または中外の概念を示す語句のうち、少なくとも一つの概念を示す語句が含まれる構成とすることが望ましい。
【0024】
このような空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習するステップでは、次のような学習を行うことができる。例えば、「上下の方向の概念を示す語句」を先行ステップで既に学習している状態で、「持ち上げる」、「投げ下ろす」、「打ち上げる」、「駆け上がる」、「起き上がる」、「腰を下ろす」等の複合語句を学習すると効果的である。
【0025】
また、空間表現は、他の概念へのメタファーの核にもなっているので、例えば、「真っ直ぐ・曲がるという概念を示す語句」を先行ステップで学習した後に「彼は真っ直ぐな人だ」、「へそ曲がり」等の複合語句を学習すると効果的である。同様に、例えば、「厚い・薄いという概念を示す語句」の後に「信頼が厚い」、「幸薄い」等を学習し、「広狭の概念を示す語句」の後に「顔が広い」、「世間が狭い」等を学習し、「大小の概念を示す語句」の後に「気持ちが大きい」、「心臓が小さい」等を学習し、「深い・浅いという概念を示す語句」の後に「思慮深い」、「浅学」等を学習すると効果的である。これらは全て、空間の概念を示す語句で抽象的な概念を表現しているものである。
【0026】
【表1】
【0027】
表1には、「空間の概念を示す語句」が分類整理されている。空間表現は、表1に示すように、方向の表現、一次元の表現、二次元の表現、三次元の表現、場所の表現に分けることができる。いずれの言語の語学学習システムについても、表1に示された各空間表現の全てまたは大半(例えば20表現以上)が学習項目として組み込まれていることが好ましい。
【0028】
また、上記のように、空間認知に相当するステップを設け、その後に空間表現を含む複合語句を学習させるステップを置く構成とする場合において、空間の概念を示す語句として、少なくとも前後左右の方向の概念を示す語句および領域を区画する境界の概念を示す語句が含まれ、前後左右の方向の概念を示す語句を学習するステップは、領域を区画する境界の概念を示す語句を学習するステップよりも先行のステップである構成とすることが望ましい。
【0029】
このように前後左右の方向の概念を示す語句を学習した後に、領域を区画する境界の概念を示す語句を学習する構成とした場合には、例えば、「前」、「後」、「左」、「右」を学習した後に、「前方」、「後方」、「左側」、「右側」等を学習することができるので、例えば中国語等のように「領域を区画する境界の概念を示す語句」が存在する言語の場合には、効果的な学習を行うことができるようになる。
【0030】
さらに、以上に述べた語学学習システムにおいて、情報を画面表示する表示手段を備え、空間の概念を示す語句として、少なくとも前後左右の方向の概念を示す語句が含まれ、入力手段には、キーボードが含まれ、前後左右の方向の概念を示す語句を学習するステップでの入力手段による学習者の解答入力操作は、キーボード上で縦方向および横方向にそれぞれ2つずつ配置された4つのキーのうちのいずれかを押すことにより学習者の意図する解答を選択する操作であり、解答入力操作受付処理手段は、4つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、学習者の意図する解答に応じて前後左右に移動させる構成とされていることが望ましい。
【0031】
ここで、「空間を表現する画面」は、2次元の画面でも、3次元の画面でもよいが、より現実感を高めて学習効果を向上させるという観点から、3次元のコンピュータ・グラフィクス(CG)画像とすることが好ましい。
【0032】
また、「4つのキー」は、「↑」、「↓」、「←」、「→」の4つのカーソルキーに限定されるものではなく、その他のキーを用いてもよいが、学習者が操作方法を理解し易い、矢印であるため人間の直感に近い等の観点から、「↑」、「↓」、「←」、「→」の4つのカーソルキーを用いることが好ましい。そして、「縦方向および横方向にそれぞれ2つずつ配置」とは、縦方向に並ぶキーが2つあり、横方向に並ぶキーも2つあればよい趣旨であり、縦方向に並ぶ2つのキーと、横方向に並ぶ2つのキーとの相対的な位置関係は任意であり、例えば、交差して十字状に配置されていてもよく、T字状や逆T字状に配置されていてもよく、トの字状や逆トの字状に配置されていてもよい。
【0033】
このようにキーボード上の4つのキーを操作して解答を入力し、その解答入力操作に伴って画面を変化させる構成とした場合(例えば、後述する図2〜図6の第3課のステップの場合等)には、「空間の概念を示す語句」の一種である「前後左右の方向の概念を示す語句」を学習する際に、解答者の操作に追従して表示手段に表示された空間の状況が変化するので、学習者が、あたかもその空間にいながら、自然言語習得に近い形で、語学の学習をすることが可能となる。つまり、表示手段の画面上に作り出された仮想空間において、現実の空間認知に相当することが行われ、認知科学と認知言語学の理論が実践されることになる。
【0034】
そして、以上に述べた語学学習システムにおいて、情報を画面表示する表示手段を備え、空間の概念を示す語句として、少なくとも上下の方向の概念を示す語句が含まれ、入力手段には、キーボードが含まれ、上下の方向の概念を示す語句を学習するステップでの入力手段による学習者の解答入力操作は、キーボード上で縦方向に配置された2つのキーのうちのいずれかを押すことにより学習者の意図する解答を選択する操作であり、解答入力操作受付処理手段は、2つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、学習者の意図する解答に応じて上下に移動させる構成とされていることが望ましい。
【0035】
ここで、「空間を表現する画面」は、前述した前後左右の学習ステップの場合と同様である。また、「2つのキー」は、「↑」、「↓」の2つのカーソルキーに限定されるものではなく、その他のキーを用いてもよいが、学習者が操作方法を理解し易い、矢印であるため人間の直感に近い等の観点から、「↑」、「↓」の2つのカーソルキーを用いることが好ましい。
【0036】
このようにキーボード上の2つのキーを操作して解答を入力し、その解答入力操作に伴って画面を変化させる構成とした場合(例えば、後述する図7、図8の第8課のステップの場合等)には、「空間の概念を示す語句」の一種である「上下の方向の概念を示す語句」を学習する際に、解答者の操作に追従して表示手段に表示された空間の状況が変化するので、前述した前後左右の学習ステップの場合と同様に、学習者が、あたかもその空間にいながら、自然言語習得に近い形で、語学の学習をすることが可能となる。つまり、この場合にも、表示手段の画面上に作り出された仮想空間において、現実の空間認知に相当することが行われ、認知科学と認知言語学の理論が実践されることになる。
【0037】
また、以上に述べた語学学習システムにおいて、情報を画面表示する表示手段を備え、空間の概念を示す語句として、少なくとも前後左右の方向の概念を示す語句が含まれ、複合語句は、この前後左右の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句であり、入力手段には、キーボードが含まれ、複合語句を学習するステップでの入力手段による学習者の解答入力操作は、キーボード上で縦方向および横方向にそれぞれ2つずつ配置された4つのキーのうちのいずれかを押すことにより学習者の意図する解答を選択する操作であり、解答入力操作受付処理手段は、4つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、学習者の意図する解答に応じて前後左右に移動させる構成とされていることが望ましい。
【0038】
ここで、「前後左右の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句」としては、例えば、「前進する」、「後退する」、「左折する」、「右折する」等が挙げられる。
【0039】
このようにキーボード上の4つのキーを操作して解答を入力し、その解答入力操作に伴って画面を変化させる構成とした場合には、「空間の概念を示す語句」の一種である「前後左右の方向の概念を示す語句」を既に学習している状態で「前後左右の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句」を学習する際に、解答者の操作に追従して表示手段に表示された空間の状況が変化するので、前述した前後左右の学習ステップの場合と同様に、学習者が、あたかもその空間にいながら、自然言語習得に近い形で、語学の学習をすることが可能となる。つまり、表示手段の画面上に作り出された仮想空間において、現実の空間認知に相当することが行われ、認知科学と認知言語学の理論が実践されることになる。
【0040】
さらに、以上に述べた語学学習システムにおいて、情報を画面表示する表示手段を備え、空間の概念を示す語句として、少なくとも上下の方向の概念を示す語句が含まれ、複合語句は、この上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句であり、入力手段には、キーボードが含まれ、複合語句を学習するステップでの入力手段による学習者の解答入力操作は、キーボード上で縦方向に配置された2つのキーのうちのいずれかを押すことにより学習者の意図する解答を選択する操作であり、解答入力操作受付処理手段は、2つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、学習者の意図する解答に応じて上下に移動させる構成とされていることが望ましい。
【0041】
ここで、「上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句」としては、例えば、「上がっていく」、「上がってくる」、「下がっていく」、「下がってくる」等が挙げられる。
【0042】
このようにキーボード上の2つのキーを操作して解答を入力し、その解答入力操作に伴って画面を変化させる構成とした場合(例えば、後述する図9〜図11の第19課のステップの場合等)には、「空間の概念を示す語句」の一種である「上下の方向の概念を示す語句」を既に学習している状態で「上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句」を学習する際に、解答者の操作に追従して表示手段に表示された空間の状況が変化するので、前述した上下の学習ステップの場合と同様に、学習者が、あたかもその空間にいながら、自然言語習得に近い形で、語学の学習をすることが可能となる。つまり、表示手段の画面上に作り出された仮想空間において、現実の空間認知に相当することが行われ、認知科学と認知言語学の理論が実践されることになる。
【0043】
また、以上に述べた語学学習システムにおいて、情報を画面表示する表示手段を備え、空間の概念を示す語句として、少なくとも前後左右または上下の方向の概念を示す語句が含まれ、複合語句は、この前後左右または上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句であり、入力手段には、マウス、トラックボール、トラックポイント、トラックパッド、ジョイスティックのうちのいずれかが含まれ、複合語句を学習するステップでの入力手段による学習者の解答入力操作は、表示手段に表示された空間を表現する画面上でこの画面内の表示物をドラッグすることにより学習者の意図する解答を選択する操作であり、解答入力操作受付処理手段は、ドラッグ操作に伴い、空間を表現する画面内の表示物を、学習者の意図する解答に応じて前後左右または上下に移動させる構成とされていることが望ましい。
【0044】
ここで、「前後左右または上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句」としては、例えば、「持ち上げる」、「掴み上げる」、「打ち上げる」、「投げ下ろす」等が挙げられる。
【0045】
このようにドラッグ操作をして解答を入力し、その解答入力操作に伴って画面を変化させる構成とした場合(例えば、後述する図12、図13の第23課のステップの場合等)には、「空間の概念を示す語句」の一種である「前後左右または上下の方向の概念を示す語句」を既に学習している状態で「前後左右または上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句」を学習する際に、解答者の操作に追従して表示手段に表示された空間の状況が変化するので、前述した前後左右または上下の学習ステップの場合と同様に、学習者が、あたかもその空間にいながら、自然言語習得に近い形で、語学の学習をすることが可能となる。つまり、この場合にも、表示手段の画面上に作り出された仮想空間において、現実の空間認知に相当することが行われ、認知科学と認知言語学の理論が実践されることになる。
【0046】
さらに、前述した語学学習システム(空間の概念を示す語句を先行ステップで学習しておき、その後のステップで、その空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習することができる構成とする場合)において、複合語句が、空間の概念を示す語句を含む時間の概念を示す語句である構成とすることが望ましい。
【0047】
ここで、「空間の概念を示す語句を含む時間の概念を示す語句」とは、例えば、「前日」、「明後日」、「三日前」、「四日後」、「二日前後」、「前回」、「前向きの人生」等が挙げられる。なお、これらの例の場合には、先行ステップ学習語句としての「空間の概念を示す語句」は、「前後左右の方向の概念を示す語句」である。
【0048】
このように空間の概念を示す語句を先行ステップで学習しておき、その後のステップで、その空間の概念を示す語句を含む時間の概念を示す複合語句を学習することができる構成とした場合(例えば、後述する図14、図15の第XX課のステップの場合等)には、既に学習済みの空間に関する表現を時間概念に転用することにより、出題された複合語句を容易に理解し、学習することが可能となる。
【0049】
また、前述した語学学習システム(先行ステップ学習語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習することができる構成とする場合)において、先行のステップでの学習項目とされている概念の語句には、人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句が含まれ、複合語句は、この人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句を少なくとも一部に含む語句である構成とすることが望ましい。
【0050】
このように人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句を先行ステップで学習しておき、その後のステップで、この人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習することができる構成とした場合には、学習者は、未だ学んでいない新しい複合語句であって感覚表現を含むものに出くわしたときに、感覚の概念を示す語句を既に学習していて頭の中にそのイメージが形成されているため、そのイメージを利用しながら、新しい複合語句の意味を理解することができるようになる。このため、学習スピードが向上し、効果的な学習が可能となる。
【0051】
そして、前述したように、認知科学や認知言語学の進歩に伴い、我々の言語生活において溢れるように生成される言葉の多くは、自分の経験や自分が取り囲まれている空間に対する認知と深いかかわりを持っていることが明らかにされつつある。このため、他国語の学習を行うにあたっても、上記のように、五感を通じての体験や経験に相当するステップを設け、その後に感覚表現を含む複合語句を学習させるステップを置くことにより、学習者に対し、新しい言葉を生成する能力を与え、あるいはそのような能力を養うための練習をする機会を与え、認知科学や認知言語学の理論を実践することが可能となる。
【0052】
さらに、上記のように、五感を通じての体験や経験に相当するステップを設け、その後に感覚表現を含む複合語句を学習させるステップを置く構成とする場合において、人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句として、視覚に関する、色彩の概念を示す語句、明暗の概念を示す語句、聴覚に関する、うるさい・静かという概念を示す語句、触覚に関する、堅い・柔らかいという概念を示す語句、軽重の概念を示す語句、熱い・ぬるい・冷たいという概念を示す語句、暑い・寒いという概念を示す語句、暖かい・涼しいという概念を示す語句、味覚に関する、甘い・辛いという概念を示す語句、苦い・渋い・酸っぱいという概念を示す語句、おいしい・まずいという概念を示す語句、嗅覚に関する、臭いという概念を示す語句のうち、少なくとも一つの概念を示す語句が含まれる構成とすることが望ましい。
【0053】
このような人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習するステップでは、次のような学習を行うことができる。例えば、「甘い・辛いという概念を示す語句」を先行ステップで既に学習している状態で、「甘い生活」、「採点が甘い」、「採点が辛い」、「考え方が甘い」、「甘いマスク」等の複合語句を学習すると効果的である。
【0054】
また、本発明は、互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていくサービスを提供する語学学習サービス提供方法であって、各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶し、かつ、少なくとも一つのステップでの問題には、このステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題が含まれている問題データベースを用意しておき、学習者が各ステップで学習する際に、出題処理手段により、問題データベースに記憶された問題データに基づき、学習者が現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題を含む問題を出した後、学習者に入力手段を操作させて特定問題を含む問題に対する解答を入力させ、解答入力操作受付処理手段により、入力手段による学習者の解答入力操作を受け付ける処理を行い、その後、判定手段により、問題データベースに記憶された正解データに基づき、解答入力操作受付処理手段により受け付けた学習者の解答入力操作に応じて問題に対する解答の正否を判定することを特徴とするものである。
【0055】
このような本発明の語学学習サービス提供方法においては、前述した本発明の語学学習システムで得られる作用・効果がそのまま得られ、これにより前記目的が達成される。
【0056】
さらに、本発明は、互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていく語学学習システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶する問題データベースに記憶された問題データに基づき、学習者が現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題を含む問題を出す出題処理手段と、学習者が入力手段により特定問題を含む問題に対する解答を入力する操作を受け付ける処理を行う解答入力操作受付処理手段と、問題データベースに記憶された正解データに基づき、解答入力操作受付処理手段により受け付けた学習者の解答入力操作に応じて問題に対する解答の正否を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする語学学習システムとして、コンピュータを機能させるためのものである。
【0057】
なお、以上に述べたプログラムまたはその一部は、例えば、光磁気ディスク(MO)、コンパクトディスク(CD)を利用した読出し専用メモリ(CD−ROM)、CDレコーダブル(CD−R)、CDリライタブル(CD−RW)、デジタル・バーサタイル・ディスク(DVD)を利用した読出し専用メモリ(DVD−ROM)、DVDを利用したランダム・アクセス・メモリ(DVD−RAM)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープ、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、電気的消去および書換可能な読出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュ・メモリ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)等の記録媒体に記録して保存や流通等させることが可能であるとともに、例えば、LAN、MAN、WAN、インターネット、イントラネット、エクストラネット等の有線ネットワーク、あるいは無線通信ネットワーク、さらにはこれらの組合せ等の伝送媒体を用いて伝送することが可能であり、また、搬送波に載せて搬送することも可能である。さらに、以上に述べたプログラムは、他のプログラムの一部分であってもよく、あるいは別個のプログラムと共に記録媒体に記録されていてもよい。
【0058】
そして、本発明は、互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていく語学学習システムを構成する問題データベースが記録されたコンピュータ読取り可能なデータ記録媒体であって、問題データベースは、各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶し、かつ、少なくとも一つのステップでの問題には、このステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題が含まれている構造を備えていることを特徴とするものである。
【0059】
また、前述したコンピュータ読取り可能なデータ記録媒体において、先行のステップでの学習項目とされている概念の語句には、空間の概念を示す語句が含まれ、複合語句は、この空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む語句であることが望ましい。
【0060】
なお、以上に述べた本発明のデータ記録媒体としては、例えば、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、ハードディスク、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1には、本実施形態の語学学習システム10の全体構成が示されている。図2〜図15には、語学学習システム10の処理に伴う画面例が示され、図16〜図18には、語学学習システム10の処理に用いられる問題データベース50の構造が示されている。
【0062】
図1において、語学学習システム10は、コンピュータにより構成された中国語の語学学習システムであり、各種情報を入力するための入力手段20と、各種情報を画面表示する表示手段30と、語学学習サービスを提供するための各種処理を行う処理手段40と、処理手段40に接続された問題データベース50とを備えて構成されている。
【0063】
入力手段20としては、本実施形態では、マウスやキーボード等が採用されているが、その他に、例えば、トラックボール、ライトペン、トラックパッド、トラックポイント、タブレットおよびスタイラス、ジョイスティック、音声認識装置、あるいはこれらの組合せ等、各種のものを採用することができる。
【0064】
表示手段30としては、例えば、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、ECL(エレクトロケミルミネッセンス)ディスプレイ、プロジェクタおよびスクリーン、あるいはこれらの組合せ等を採用することができる。
【0065】
また、語学学習システム10には、例えばプリンタやプロッタ等の出力手段を適宜設けておいてもよい。
【0066】
処理手段40は、出題処理手段41と、解答入力操作受付処理手段42と、判定手段43とを含んで構成されている。
【0067】
出題処理手段41は、問題データベース50に記憶された問題データに基づき、学習者に対して各種の問題を出題する処理を行うものであり、これらの問題の中には、学習者が現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を、現在学習中のステップにおいて学習者に学習させるための特定問題が含まれている。この出題処理手段41による問題の出題形式には様々なものがあり、例えば、音声出力による形式、表示手段30での文字や図や絵等の画面表示による形式、あるいはこれらの形式の組合せ等である。
【0068】
解答入力操作受付処理手段42は、入力手段20による学習者の解答入力操作を受け付ける処理を行うものであり、例えば、学習者がキーボード上のキーを押す操作を受け付け、このキー操作に伴って表示手段30の画面の表示状況を変化させる処理を行ったり、あるいは学習者のマウスによるドラッグ操作を受け付け、このドラッグ操作に伴って表示手段30の画面の表示状況を変化させる処理を行ったりするものである。
【0069】
判定手段43は、問題データベース50に記憶された正解データに基づき、解答入力操作受付処理手段42により受け付けた学習者の解答入力操作に応じて問題に対する解答の正否を判定する処理を行うものである。また、判定手段43は、表示手段30での判定結果や答えや得点の画面表示、音声出力による判定結果の告知、効果音出力による判定結果の告知等の処理も行う。
【0070】
そして、処理手段40を構成する各手段41〜43は、語学学習システム10を構成するコンピュータ本体(パーソナル・コンピュータのみならず、その上位機種のものも含む。)の内部に設けられた中央演算処理装置(CPU)、およびこのCPUの動作手順を規定する一つまたは複数のプログラムにより実現される。
【0071】
問題データベース50は、各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶するものである。この問題データベース50に記憶されている各ステップでの問題のうち、少なくとも一つのステップでの問題には、このステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題が含まれている。
【0072】
図16〜図18において、問題データベース50を構成する各レコード(図中の横列)は、問題番号51と、ステップ52と、場面53と、問題形式54と、日本語で表示する問題文55と、第1データ56と、第2データ57と、第3データ58と、第4データ59とをそれぞれ含んで構成されている。
【0073】
問題番号51は、ステップ番号(課の番号)とそのステップ内における問題番号(連続番号)とをハイフンで繋いで形成されたデータである。
【0074】
ステップ52は、何番目の学習ステップ(第何課)であるかを示す番号(連続番号)のデータであり、各ステップ(各課)で学習する内容の詳細は、後述する表2〜表10に示されている。
【0075】
場面53は、ステップ番号(課の番号)とそのステップ内における出題に用いられる場面番号(連続番号)とをハイフンで繋いで形成されたデータである。従って、一つのステップで用いられる場面(表示手段30に画面表示されるシーン)は、一つに限定されるものではなく、複数の場合もある。
【0076】
問題形式54は、出題形式および解答形式の種別を示すデータであり、例えば、音声出力により出題し、「↑」、「↓」、「←」、「→」の4つのカーソルキーで解答する形式(例えば、第3課の場合等)、音声出力により出題し、「↑」、「↓」の2つのカーソルキーで解答する形式(例えば、第8課、第19課の場合等)、音声出力により出題し、マウスのドラッグ操作で解答する形式(例えば、第23課の場合等)、音声出力により出題し、マウスのクリック操作で解答する形式(例えば、第XX課の場合等)、音声出力により出題し、キーボードで文字を入力して解答する形式、画面に表示された文字や図や絵等で出題し、キーボードで文字を入力して解答する形式、画面に表示された文字や図や絵等で出題し、マウスのクリック操作で解答する形式、あるいはこれらを組み合わせた形式等の区別、さらにはこれらの各形式について画面の表示内容が異なる場合の区別を示すデータ等である。
【0077】
日本語で表示する問題文55は、表示手段30の画面上で質問文を表示する際、または質問についての導入文、指示文、説明文、但書等を表示する際に用いる日本語のテキストデータである。
【0078】
第1データ56は、質問をする際に出力する音声を格納した音声ファイル名のデータである。例えば、「上がっておいで」という音声を格納したagatteoide.wavというファイル名を示すデータ等である。従って、この第1データ56および日本語で表示する問題文55が、本発明における問題データに相当するものである。
【0079】
第2データ57は、第1データ56および日本語で表示する問題文55を用いて出題される問題に対する正解データである。例えば、「↑」キーを押すことが正解であることを示すデータ、あるいは「リンゴ」を「上方」にドラッグすることが正解であることを示すデータ等である。
【0080】
第3データ58は、学習者による解答が正解であった場合のシステム処理を示すデータである。例えば、解答が正解であった場合に、「正解音」を出力するためのデータおよび「父親にっこり」の画面表示を行うためのデータ等である。
【0081】
第4データ59は、学習者による解答が不正解であった場合のシステム処理を示すデータである。例えば、解答が不正解であった場合に、「不正解音」を出力するためのデータ、不正解画面を表示するためのデータ、得点減算処理を行うためのデータ、および答え画面を表示するためのデータ等である。
【0082】
そして、問題データベース50は、例えばハードディスク等により好適に実現されるが、記憶容量やアクセス速度等に問題が生じない範囲であれば、ROM、EEPROM、フラッシュ・メモリ、RAM、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、FD、磁気テープ、あるいはこれらの組合せ等を採用してもよい。
【0083】
このような本実施形態においては、以下のようにして語学学習システム10を用いて語学学習が行われる。
【0084】
以下の表2〜表10には、各ステップ(各課)において行われる学習の内容等が示されている。すなわち、各表の一番左側の欄には、ステップ番号(課の番号)が示され、左から二番目の欄には、各ステップで学習する内容(どんな場面での学習か、どんな文法を学習するのか、どんな概念を学習するのか等)が示され、左から三番目の欄には、学習項目としての新出単語が示され、一番右側の欄には、学習項目としての複合語句が示されている。
【0085】
学習項目としての新出単語の欄および複合語句の欄に示された中国語の語句の右側には、カッコ書で同じ意味の日本語の語句が付されている。また、新出単語の欄に示された中国語の語句の左側には、★印で「空間の概念を示す語句」であることを示すマークが付されている。なお、各表には記載が省略されているが、各ステップでは、新出単語だけではなく、先行するステップで学習した既出単語についても繰り返して学習できるようにしてもよい。
【0086】
【表2】
【0087】
【表3】
【0088】
【表4】
【0089】
【表5】
【0090】
【表6】
【0091】
【表7】
【0092】
【表8】
【0093】
【表9】
【0094】
【表10】
【0095】
<第1課>
表2に示すように、第1課では、赤ん坊が生まれる場面での学習を行う。先ず、図16の問題データベース50のデータ(一番上のレコード参照)に基づき、出題処理手段41により、表示手段30の画面上に「どちらですか。 カーソルキーで選択して下さい。」という日本語の文章が表示された後、「おとうさん」に相当する中国語の音声が流れ、お父さんと、お母さんが描かれた空間画面(3DのCG画像)が表示されるので、赤ん坊(オブジェクト)の立場にいる学習者は、この空間画面を参照しながら入力手段20を操作して「←」キーまたは「→」キーを押すことにより、お父さんの絵(オブジェクト)の方か、お母さんの絵(オブジェクト)の方のいずれかを選択する。
【0096】
次に、解答入力操作受付処理手段42により、学習者によるキー入力操作を受け付けた後、判定手段43により解答の正否を判断する。ここで、解答が正解であった場合(ここでは、「←」キーを押した場合)には、判定手段43により、正解音が出力されるとともに、表示手段30に表示された空間画面内の父親の顔を、にっこりした顔に変化させる。一方、解答が不正解であった場合(ここでは、「→」キーを押した場合)には、判定手段43により、不正解音が出力される。以上の処理は、他の問題の場合(問題番号51が「1−2」、「1−3」、「1−4」、…の場合)も同様である。
【0097】
<第3課>
表2に示すように、第3課では、前後左右の方向の概念を示す語句を学習する。先ず、図16の問題データベース50のデータ(上から5番目のレコード参照)に基づき、出題処理手段41により、表示手段30の画面上には、図2に示すような指示画面100が表示される。
【0098】
図2において、指示画面100には、「下の♪ボタンを押すと、方向に関する音声が流れますので、4つのカーソルキーのいずれかを押して、その方向に移動して下さい。」という日本語の文章の表示部101と、キー操作説明表示部102と、♪マークの付いた音声スタートボタン103と、得点表示部104とが設けられている。
【0099】
学習者が、音声スタートボタン103を押すと、「前」に相当する中国語の音声が流れ、表示手段30の画面上には、図3に示すような解答時参照画面120が表示される。図3において、解答時参照画面120には、3DのCG画像により空間を表現した画面の表示部121と、得点表示部122とが設けられているので、学習者は、表示部121の空間画面を参照しながら入力手段20を操作して「↑」、「↓」、「←」、「→」のいずれかのキーを押すことにより、前後左右の方向を選択する。
【0100】
次に、解答入力操作受付処理手段42により、学習者によるキー入力操作を受け付ける。この際、解答入力操作受付処理手段42は、学習者によるキー入力操作に応じて表示部121の空間画面の表示状況を変化させる。すなわち、「↑」キーが押された場合には、空間画面がズームアップされ、「↓」キーが押された場合には、空間画面がズームダウンされ、「←」キーが押された場合には、空間画面が全体的に右方向に流れて空間の左側部分が順次中央に表示され、「→」キーが押された場合には、空間画面が全体的に左方向に流れて空間の右側部分が順次中央に表示される。
【0101】
その後、判定手段43により解答の正否を判断する。ここで、解答が不正解であった場合(ここでは、「↑」以外のキーを押した場合)には、判定手段43により、不正解音が出力されるとともに、表示手段30の画面上に、図4に示すような不正解画面140が表示される。図4において、不正解画面140には、「不正解です!!」の判定結果表示部141と、答えを見る際に押す「答えを見る」ボタン142と、次の質問へ移る際に押す「次の質問へ移る」ボタン143と、得点表示部144とが設けられている。得点表示部144に表示される得点は、不正解であるため、判定手段43により減算されている。
【0102】
学習者が、図4の不正解画面140で、「答えを見る」ボタン142を押すと、判定手段43により、表示手段30の画面上に、図5に示すような答え画面160が表示される。図5において、答え画面160には、出題された方向に関する音声を再度聞くための「もう1回音声を聞く」ボタン161と、正解表示部162と、図4の不正解画面140に戻るための「戻る」ボタン163とが設けられている。
【0103】
また、学習者が、図4の不正解画面140で、「次の質問へ移る」ボタン143を押すと、出題処理手段41により、表示手段30の画面上には、図2の指示画面100が再び表示されるので、学習者は、音声スタートボタン103を押して次の質問の音声を聞く。なお、「次の質問へ移る」ボタン143を押すと、図2の指示画面100が表示されるのではなく、次の質問の音声が直ぐに流れ、図3の解答時参照画面120が表示されるようにしてもよい。
【0104】
一方、解答が正解であった場合(ここでは、「↑」キーを押した場合)には、判定手段43により、正解音が出力されるとともに、表示手段30の画面上に、図6に示すような正解画面180が表示される。図6において、正解画面180には、「正解です。」の判定結果表示部181と、次の質問へ移る際に押す「次の質問へ移る」ボタン182と、得点表示部183とが設けられている。得点表示部183に表示される得点は、正解であるため、判定手段43により加算されている。
【0105】
学習者が、図6の正解画面180で、「次の質問へ移る」ボタン182を押すと、出題処理手段41により、表示手段30の画面上には、図2の指示画面100が再び表示されるので、学習者は、音声スタートボタン103を押して次の質問の音声を聞く。なお、「次の質問へ移る」ボタン182を押すと、図2の指示画面100が表示されるのではなく、次の質問の音声が直ぐに流れ、図3の解答時参照画面120が表示されるようにしてもよい。以上の処理は、他の問題の場合(問題番号51が「3−2」、「3−3」、…の場合)も同様である。
【0106】
<第8課>
表4に示すように、第8課では、上下の方向の概念を示す語句および基礎動詞を学習する。先ず、図17の問題データベース50のデータ(一番上のレコード参照)に基づき、出題処理手段41により、表示手段30の画面上には、図7に示すような指示画面200が表示される。
【0107】
図7において、指示画面200には、「下の♪ボタンを押すと、方向に関する音声が流れますので、2つのカーソルキーのいずれかを押して、その方向に移動して下さい。」という日本語の文章の表示部201と、キー操作説明表示部202と、♪マークの付いた音声スタートボタン203と、得点表示部204とが設けられている。
【0108】
学習者が、音声スタートボタン203を押すと、「上」に相当する中国語の音声が流れ、表示手段30の画面上には、図8に示すような解答時参照画面220が表示される。図8において、解答時参照画面220には、3DのCG画像により空間を表現した画面の表示部221と、得点表示部222とが設けられているので、学習者は、表示部221の空間画面を参照しながら入力手段20を操作して「↑」、「↓」のいずれかのキーを押すことにより、上下の方向を選択する。
【0109】
次に、解答入力操作受付処理手段42により、学習者によるキー入力操作を受け付ける。この際、解答入力操作受付処理手段42は、学習者によるキー入力操作に応じて表示部221の空間画面の表示状況を変化させる。すなわち、「↑」キーが押された場合には、空間画面の中の赤ん坊223(オブジェクト)が、図中二点鎖線の如く、階段224(オブジェクト)を上方に一段移動し、「↓」キーが押された場合には、赤ん坊223が姿勢を変えて階段224を下方に一段移動する。
【0110】
その後、判定手段43により解答の正否を判断する。ここで、解答が正解であった場合(ここでは、「↑」キーを押した場合)には、判定手段43により、正解音が出力されるとともに、得点表示部222に表示される得点が加算される。また、学習者のキー入力操作により上方に一段移動した赤ん坊223の位置は、そこで確定し、次の質問ではその新しい位置(上方に一段移動した位置)を基準として赤ん坊223が上下する。なお、解答が正解であった場合でも、赤ん坊223を元の位置に戻してから次の質問へ移るようにしてもよい。
【0111】
一方、解答が不正解であった場合(ここでは、「↓」キーを押した場合)には、判定手段43により、不正解音が出力されるとともに、得点表示部222に表示される得点が減算される。また、学習者のキー入力操作により下方に一段移動した赤ん坊223は、元の位置に戻される。以上の処理は、他の問題の場合(問題番号51が「8−2」、…の場合)も同様である。
【0112】
<第19課>
表7に示すように、第19課では、上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す複合語句等を学習する。先ず、図17の問題データベース50のデータ(上から三番目のレコード参照)に基づき、出題処理手段41により、表示手段30の画面上には、図9に示すような指示画面240が表示される。
【0113】
図9において、指示画面240には、「下の♪ボタンを押すと、音声が流れますので、2つのカーソルキーのいずれかを押して、言われた通りに移動して下さい。」という日本語の文章の表示部241と、キー操作説明表示部242と、♪マークの付いた音声スタートボタン243と、得点表示部244とが設けられている。
【0114】
学習者が、音声スタートボタン243を押すと、「上がっておいで(上がって来る)」に相当する中国語の音声が流れ、表示手段30の画面上には、図10に示すような解答時参照画面260が表示される。この問題(問題番号51が「19−1」の場合)は、本発明における特定問題に該当するものである。図10において、解答時参照画面260には、3DのCG画像により空間を表現した画面の表示部261と、得点表示部262とが設けられているので、赤ん坊263(オブジェクト)の立場の学習者は、表示部261の空間画面を参照しながら入力手段20を操作して「↑」、「↓」のいずれかのキーを押すことにより、中国語の音声指示に従って上下いずれかの方向への移動を選択する。
【0115】
次に、解答入力操作受付処理手段42により、学習者によるキー入力操作を受け付ける。この際、解答入力操作受付処理手段42は、学習者によるキー入力操作に応じて表示部261の空間画面の表示状況を変化させる。すなわち、「↑」キーが押された場合には、空間画面の中の赤ん坊263が、図中二点鎖線の如く、階段264(オブジェクト)を上方に一段移動して、お父さん265(オブジェクト)の方に近づき、「↓」キーが押された場合には、赤ん坊263が姿勢を変えて階段264を下方に一段移動して、お父さん265から遠ざかる。
【0116】
その後、判定手段43により解答の正否を判断する。ここで、解答が正解であった場合(ここでは、「↑」キーを押した場合)には、判定手段43により、正解音が出力されるとともに、得点表示部262に表示される得点が加算される。また、学習者のキー入力操作により上方に一段移動してお父さん265の方に近づいた赤ん坊263の位置は、そこで確定し、次の質問ではその新しい位置(上方に一段移動してお父さん265の方に近づいた位置)を基準として赤ん坊263が上下する。なお、解答が正解であった場合でも、赤ん坊263を元の位置に戻してから次の質問へ移るようにしてもよい。
【0117】
一方、解答が不正解であった場合(ここでは、「↓」キーを押した場合)には、判定手段43により、不正解音が出力されるとともに、得点表示部262に表示される得点が減算される。また、学習者のキー入力操作により下方に一段移動してお父さん265から遠ざかった赤ん坊223は、元の位置に戻される。以上の処理は、次の問題の場合(問題番号51が「19−2」の特定問題の場合:図10において、お父さん265が「下がっておいき(下がって行く)」と指示する場合)も同様である。
【0118】
また、図11のシーン(場面53が「19−2」の場合)も、第19課のシーンであるが、図10のシーン(場面53が「19−1」の場合)とは異なっている。図9の指示画面240において、学習者が、音声スタートボタン243を押すと、「下がっておいで(下がって来る)」に相当する中国語の音声が流れ、表示手段30の画面上には、図11に示すような解答時参照画面280が表示される。この問題(問題番号51が「19−3」の場合)は、本発明における特定問題に該当するものである。
【0119】
図11において、解答時参照画面280には、3DのCG画像により空間を表現した画面の表示部281と、得点表示部282とが設けられているので、赤ん坊283(オブジェクト)の立場の学習者は、表示部281の空間画面を参照しながら入力手段20を操作して「↑」、「↓」のいずれかのキーを押すことにより、中国語の音声指示に従って上下いずれかの方向への移動を選択する。
【0120】
次に、解答入力操作受付処理手段42により、学習者によるキー入力操作を受け付ける。この際、解答入力操作受付処理手段42は、学習者によるキー入力操作に応じて表示部281の空間画面の表示状況を変化させる。すなわち、「↑」キーが押された場合には、空間画面の中の赤ん坊283が、図中二点鎖線の如く、階段284(オブジェクト)を上方に一段移動して、お母さん285(オブジェクト)から遠ざかり、「↓」キーが押された場合には、赤ん坊283が姿勢を変えて階段284を下方に一段移動して、お母さん285の方に近づく。
【0121】
その後、判定手段43により解答の正否を判断する。ここで、解答が正解であった場合(ここでは、「↓」キーを押した場合)には、判定手段43により、正解音が出力されるとともに、得点表示部282に表示される得点が加算される。また、学習者のキー入力操作により姿勢を変えて下方に一段移動してお母さん285の方に近づいた赤ん坊283の位置は、そこで確定し、次の質問ではその新しい位置(姿勢を変えて下方に一段移動してお母さん285の方に近づいた位置)を基準として赤ん坊283が上下する。なお、解答が正解であった場合でも、赤ん坊283を元の位置に戻してから次の質問へ移るようにしてもよい。
【0122】
一方、解答が不正解であった場合(ここでは、「↑」キーを押した場合)には、判定手段43により、不正解音が出力されるとともに、得点表示部282に表示される得点が減算される。また、学習者のキー入力操作により上方に一段移動してお母さん285から遠ざかった赤ん坊223は、元の位置に戻される。以上の処理は、次の問題の場合(問題番号51が不図示の「19−4」の特定問題の場合:図11において、お母さん285が「上がっておいき(上がって行く)」と指示する場合)も同様である。
【0123】
<第23課>
表9に示すように、第23課では、上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す複合語句等を学習する。先ず、図18の問題データベース50のデータ(一番上のレコード参照)に基づき、出題処理手段41により、表示手段30の画面上には、図12に示すような指示画面300が表示される。
【0124】
図12において、指示画面300には、「下の♪ボタンを押すと、音声が流れますので、言われた通りに、ものをドラッグして下さい。」という日本語の文章の表示部301と、♪マークの付いた音声スタートボタン302と、得点表示部303とが設けられている。
【0125】
学習者が、音声スタートボタン302を押すと、「りんごを持ち上げる」に相当する中国語の音声が流れ、表示手段30の画面上には、図13に示すような解答時参照画面320が表示される。この問題(問題番号51が「23−1」の場合)は、本発明における特定問題に該当するものである。図13において、解答時参照画面320には、3DのCG画像により空間を表現した画面の表示部321と、得点表示部322とが設けられているので、学習者は、表示部321の空間画面を参照しながら入力手段20であるマウスを操作し、中国語の音声指示に従って、テーブル323(オブジェクト)上のいずれかの表示物(オブジェクト)を、いずれかの方向にドラッグする。
【0126】
次に、解答入力操作受付処理手段42により、学習者のドラッグによる解答入力操作を受け付ける。この際、解答入力操作受付処理手段42は、学習者のドラッグ操作に応じて表示部321の空間画面の表示状況を変化させる。すなわち、りんご324が上方にドラッグされた場合には、そのドラッグ操作に伴って画面上でりんご324を上方に移動させ、りんご324が下方にドラッグされた場合には、そのドラッグ操作に伴って画面上でりんご324を下方に移動させ、バナナ325が上方にドラッグされた場合には、そのドラッグ操作に伴って画面上でバナナ325を上方に移動させ、バナナ325が下方にドラッグされた場合には、そのドラッグ操作に伴って画面上でバナナ325を下方に移動させ、スイカ326が上方にドラッグされた場合には、そのドラッグ操作に伴って画面上でスイカ326を上方に移動させ、スイカ326が下方にドラッグされた場合には、そのドラッグ操作に伴って画面上でスイカ326を下方に移動させる。
【0127】
その後、判定手段43により解答の正否を判断する。ここで、解答が正解であった場合(ここでは、りんご324を上方ドラッグした場合)には、判定手段43により、正解音が出力されるとともに、得点表示部322に表示される得点が加算される。
【0128】
一方、解答が不正解であった場合(ここでは、りんご324を下方ドラッグした場合、およびりんご324以外の表示物をドラッグした場合)には、判定手段43により、不正解音が出力されるとともに、得点表示部322に表示される得点が減算される。以上の処理は、他の問題の場合(問題番号51が「23−2」、「23−3」、「23−4」、…の特定問題の場合)も同様である。
【0129】
<第XX課>
表2〜表10には示されていないが、第XX課では、空間の概念を示す語句を含む時間の概念を示す複合語句を学習する。先ず、図18の問題データベース50のデータ(上から五番目のレコード参照)に基づき、出題処理手段41により、表示手段30の画面上には、図14に示すような指示画面340が表示される。
【0130】
図14において、指示画面340には、「今日は、15日です。 下の♪ボタンを押すと、音声が流れますので、言われた日にちをクリックして下さい。」という日本語の文章の表示部341と、♪マークの付いた音声スタートボタン342と、得点表示部343とが設けられている。
【0131】
学習者が、音声スタートボタン342を押すと、「3日前」に相当する中国語の音声が流れ、表示手段30の画面上には、図15に示すような解答時参照画面360が表示される。この問題(問題番号51が「XX−1」の場合)は、本発明における特定問題に該当するものである。図15において、解答時参照画面360には、2DのCG画像によりカレンダーを表示したカレンダー表示部361と、得点表示部362とが設けられているので、学習者は、表示部361のカレンダーを参照しながら入力手段20であるマウスを操作し、中国語の音声指示に従って、カレンダー上のいずれかの表示物(オブジェクト)をクリックして選択する。なお、今日に相当する15日(オブジェクト)は、判断の基準日であるから、他の日(オブジェクト)と異なる色彩とする、あるいは点滅させる等により、目立つ表示とされている。
【0132】
次に、解答入力操作受付処理手段42により、学習者のマウスクリックによる解答入力操作を受け付けた後、判定手段43により解答の正否を判断する。ここで、解答が正解であった場合(ここでは、12日をクリックした場合)には、判定手段43により、正解音が出力されるとともに、得点表示部362に表示される得点が加算される。一方、解答が不正解であった場合(ここでは、12日以外の日をクリックした場合)には、判定手段43により、不正解音が出力されるとともに、得点表示部362に表示される得点が減算される。以上の処理は、他の問題の場合(問題番号51が「XX−2」、…の場合)も同様である。
【0133】
<第YY課>
表2〜表10には示されていないが、第YY課では、人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句を含む複合語句を学習する。先行ステップ学習語句としては、例えば、第7課で学習した視覚で体験認知される感覚の概念を示す語句(例えば、「赤い」、「黒い」、「白い」、「青い」等の意味の語句)があり、この場合には、第YY課で学習する複合語句は、例えば、「真っ赤な嘘」、「腹黒い」、「黒幕」、「白々しい人」、「ホワイトカラー」、「ブルーカラー」、「青年」等の意味の語句である。また、先行ステップ学習語句として、例えば、第27課で学習した味覚で体験認知される感覚の概念を示す語句(例えば、「甘い」、「辛い」、「苦い」等の意味の語句)もあり、この場合には、第YY課で学習する複合語句は、例えば、「甘い生活」、「甘いマスク」、「考え方が甘い」、「採点が辛い」、「苦い経験」等の意味の語句である。
【0134】
<第ZZ課>
表2〜表10には示されていないが、第ZZ課では、人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句として、軽重の概念を示す語句を学習する。軽重の概念を示す語句とは、「軽い」、「重い」という意味の語句であり、触覚に関する語句である。この第ZZ課では、例えば、表示手段30に表示された空間を表現する画面(2Dまたは3DのCG画像による空間画面)の中に、重いもの(例えば、金塊、分厚い本、太った人等)を示す表示物(オブジェクト)と、軽いもの(例えば、消しゴム、薄っぺらい本、やせた人等)を示す表示物(オブジェクト)とを用意しておく。そして、これらの表示物を入力手段20であるマウス(その他、トラックボール、トラックポイント、トラックパッド、ジョイスティック等でもよい。)を用いてドラッグ操作により移動させる際に、軽いものの場合には、速いスピードでドラッグできるようにし、一方、重いものの場合には、軽いものの場合に比べ、遅いスピードでしかドラッグできないようにしておく。さらに、ドラッグした後に各表示物をドロップする際に、軽いものの場合には、軽い感じの音(例えば、小さい音、弱い音、周波数の高い音、短い音等)を出力し、一方、重いものの場合には、重い感じの音(例えば、大きい音、強い音、周波数の低い音、長い音等)を出力するようにしておく。なお、以上に述べた学習者によるドラッグ操作に伴うドラッグスピードの変更調整と、ドロップ音の種別の変更調整とは、いずれか一方を行ってもよく、両方を行ってもよい。
【0135】
また、学習者が入力手段20であるキーボードのキー操作(例えば、カーソルキーを押す操作)を行い、この操作に伴って空間画面若しくはこの画面に対する視点の位置を移動させることにより、もの(軽いもの、または重いもの)の移動をイメージさせるようにしてもよい。この際には、軽いものの場合には、空間画面若しくはこの画面に対する視点の位置が、速いスピードで移動するようにし、一方、重いものの場合には、軽いものの場合に比べ、遅いスピードでしか移動しないようにしておく。例えば、学習者が、「↑」、「↓」、「←」、「→」の各キーを押したときに、軽いものの場合には、空間画面若しくはこの画面に対する視点の位置が、前後左右に速く移動し、一方、重いものの場合には、前後左右にゆっくりと移動するようにしておく。また、学習者が、「↑」、「↓」の各キーを押したときに、軽いものの場合には、空間画面若しくはこの画面に対する視点の位置が、上下に速く移動し、一方、重いものの場合には、上下にゆっくりと移動するようにしておく。
【0136】
なお、ドラッグ操作に伴うドラッグスピードの変更調整、あるいはキー操作に伴う空間画面若しくはこの画面に対する視点の位置の移動スピードの変更調整は、二段階ではなく、軽重の度合いに応じ、三段階以上としてもよい。
【0137】
<第ZZ+α課>
表2〜表10には示されていないが、第ZZ+α課では、軽重の概念を示す語句を含む複合語句(特に、軽重の概念を示す語句を含む移動の概念を示す複合語句)を学習する。先行ステップ学習語句は、前述した第ZZ課の「軽い」、「重い」という意味の語句であり、この第ZZ+α課では、「足取りが重い」、「軽快なフットワーク」、「軽率な人」、「重大な過ち」、「軽いのり」等の複合語句を学習する。この際、前述した第ZZ課の場合と同様に、学習者のドラッグ操作および/またはドロップ操作、あるいはキー操作に伴い、表示手段30に表示された空間を表現する画面(2Dまたは3DのCG画像による空間画面)の表示状況を、学習項目の内容に応じて(つまり、軽重の別や軽重の度合いに応じて)変化させる。例えば、「足取りが軽い」という意味を学習する場合には、空間画面の表示状況の変化スピードを速くし、一方、「足取りが重い」という意味を学習する場合には、変化スピードを遅くする。
【0138】
このような本実施形態によれば、次のような効果がある。すなわち、語学学習システム10は、学習者が各ステップで学習を行う際に、少なくとも一つのステップにおいて、出題処理手段41により、問題データベース50に記憶された問題データに基づき、特定問題、すなわち先行ステップ学習語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための問題を出題することができる。
【0139】
このため、学習者は、現在学習中のステップにおいて、そのステップでの学習項目としての複合語句に関する問題(特定問題)が出題された場合に、先行ステップで既に学習して意味を習得している語句をイメージすることにより、その複合語句の意味を容易に理解することができる。
【0140】
従って、学習者は、未だ学んでいない新しい複合語句に出くわしたときに、既に学習済みの語句を自然にイメージしながら、その新しい複合語句の意味の理解に努めるようになり、あるいはそのような理解方法をとる習慣が身につくので、学習者は、自身の応用力で新しい表現を生成する能力を養うことができる。
【0141】
具体的には、語学学習システム10では、空間の概念を示す語句を先行ステップで学習しておき、その後のステップで、その空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習することができるので、学習者は、未だ学んでいない新しい複合語句であって空間表現を含むものに出くわしたときに、空間の概念を示す語句を既に学習していて頭の中にそのイメージが形成されているため、そのイメージを利用しながら、新しい複合語句の意味を理解することができる。このため、学習スピードの向上を図ることができ、効果的な学習を行うことができる。
【0142】
そして、語学学習システム10では、上記のように、空間認知に相当するステップを設け、その後に空間表現を含む複合語句を学習させるステップを置いているので、学習者に対し、新しい言葉を生成する能力を与えることができ、あるいはそのような能力を養うための練習をする機会を与えることができるため、認知科学や認知言語学の理論を実践することができる。
【0143】
より具体的には、語学学習システム10は、例えば、「上下の方向の概念を示す語句」を先行ステップ(第8課)で既に学習している状態で、後続ステップ(第21課、第23課)において、例えば、「持ち上げる」、「投げ下ろす」、「打ち上げる」、「駆け上がる」、「起き上がる」、「腰を下ろす」等の意味の複合語句を学習できるようになっているので(表8、表9、図12、図13参照)、効果的な学習を行うことができる。
【0144】
また、語学学習システム10は、「前後左右の方向の概念を示す語句」を先行ステップ(第3課)で既に学習している状態で、後続ステップ(第5課)において、「領域を区画する境界の概念を示す語句」を学習し、同じステップ(第5課)において、「前後左右の方向の概念を示す語句」と「領域を区画する境界の概念を示す語句」との複合語句である「前方」、「後方」、「左側」、「右側」の意味の複合語句を学習できるようになっているので(表3参照)、効果的な学習を行うことができる。
【0145】
さらに、語学学習システム10は、「空間の概念を示す語句」の一種である「前後左右の方向の概念を示す語句」を先行ステップ(第3課)で学習しておき、後続ステップ(第XX課)において、「空間の概念を示す語句を含む時間の概念を示す語句」の一種である「前後左右の方向の概念を示す語句を含む時間の概念を示す語句」として、例えば、「三日前」、「三日後」等の意味の複合語句を学習できるようになっているので(図14、図15参照)、効果的な学習を行うことができる。つまり、既に学習済みの空間に関する表現を時間概念に転用することにより、出題された複合語句を容易に理解し、学習することができる。
【0146】
また、語学学習システム10では、「人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句」を先行ステップ(第7課、第27課)で学習しておき、後続ステップ(第YY課)において、この人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習することができるので、学習者は、未だ学んでいない新しい複合語句であって感覚表現を含むものに出くわしたときに、感覚の概念を示す語句を既に学習していて頭の中にそのイメージが形成されているため、そのイメージを利用しながら、新しい複合語句の意味を理解することができる。このため、学習スピードの向上を図ることができ、効果的な学習を行うことができる。
【0147】
そして、語学学習システム10は、上記のように、五感を通じての体験や経験に相当するステップを設け、その後に感覚表現を含む複合語句を学習させるステップを置いているので、学習者に対し、新しい言葉を生成する能力を与えることができ、あるいはそのような能力を養うための練習をする機会を与えることができるため、認知科学や認知言語学の理論を実践することができる。
【0148】
さらに、語学学習システム10は、少なくとも第3課(図3参照)、第8課(図8参照)、第19課(図10、図11参照)、第23課(図13参照)等において、3次元のコンピュータ・グラフィクス(CG)画像を用いて仮想空間を形成し、かつ、学習者のキー操作やドラッグ操作に追従・連動させてこの仮想的な空間画面の表示状況を変化させているので、学習者は、あたかもその空間にいながら、自然言語習得に近い形で、語学の学習をすることができる。つまり、表示手段30の画面上に作り出された仮想空間において、現実の空間認知に相当することを行うことができ、認知科学と認知言語学の理論を実践することができる。
【0149】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
【0150】
すなわち、前記実施形態では、図2〜図15に示すように、音声出力による質問に対し、学習者が、表示手段30に表示された空間を表現した画面を参照しながら、入力手段20を操作して解答する形式の問題が出題されていたが、各ステップで新出単語や複合単語を学習する際には、このような形式の問題だけではなく、例えば、本願出願人により既に提案されている語学学習システム(特願2001−333454号参照)で用意されているような単語練習問題等を先ず最初に出題するようにしてもよい。例えば、各ステップにおいて先ず最初に出題する単語練習問題としては、単語の発音を聞いた後にこの単語を示す文字(例えば、中国語の場合には漢字)を選択する文字選択問題(漢字選択問題)、単語の発音を聞いた後にこの単語の発音を示す発音記号(例えば、中国語の場合にはピンイン)を選択する発音記号選択問題(ピンイン選択問題)、単語の発音を聞いた後にこの単語の発音を示す発音記号(例えば、中国語の場合にはピンイン)を入力する発音記号入力問題(ピンイン入力問題)等が挙げられる。
【0151】
また、前記実施形態では、語学学習システム10は、中国語を学習するためのシステムとされていたが、本発明は、中国語のみならず、日本語や英語等のその他の言語の学習システムに適用してもよい。
【0152】
さらに、前記実施形態では、語学学習システム10は、一台のコンピュータにより実現できる構成とされていたが、本発明の語学学習システムは、例えば、学習者の操作する端末と、サーバとを、インターネットやLAN等のネットワークで接続して実現される構成としてもよい。
【0153】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、学習者が各ステップで学習を行う際に、少なくとも一つのステップにおいて、特定問題、すなわち現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための問題を出題するので、学習者は、先行ステップで既に学習して意味を習得している語句をイメージすることにより、出題された複合語句の意味を容易に理解することができるうえ、未だ学んでいない新しい複合語句に出くわしたときに、既に学習済みの語句を自然にイメージしながら、その新しい複合語句の意味の理解に努めるようになり、あるいはそのような理解方法をとる習慣が身につくので、学習者は、自身の応用力で新しい表現を生成する能力を養うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の語学学習システムの全体構成図。
【図2】前記実施形態の語学学習システムの処理(第3課)に伴う第一の画面例を示す図。
【図3】前記実施形態の語学学習システムの処理(第3課)に伴う第二の画面例を示す図。
【図4】前記実施形態の語学学習システムの処理(第3課)に伴う第三の画面例を示す図。
【図5】前記実施形態の語学学習システムの処理(第3課)に伴う第四の画面例を示す図。
【図6】前記実施形態の語学学習システムの処理(第3課)に伴う第五の画面例を示す図。
【図7】前記実施形態の語学学習システムの処理(第8課)に伴う第一の画面例を示す図。
【図8】前記実施形態の語学学習システムの処理(第8課)に伴う第二の画面例を示す図。
【図9】前記実施形態の語学学習システムの処理(第19課)に伴う第一の画面例を示す図。
【図10】前記実施形態の語学学習システムの処理(第19課)に伴う第二の画面例を示す図。
【図11】前記実施形態の語学学習システムの処理(第19課)に伴う第三の画面例を示す図。
【図12】前記実施形態の語学学習システムの処理(第23課)に伴う第一の画面例を示す図。
【図13】前記実施形態の語学学習システムの処理(第23課)に伴う第二の画面例を示す図。
【図14】前記実施形態の語学学習システムの処理(第XX課)に伴う第一の画面例を示す図。
【図15】前記実施形態の語学学習システムの処理(第XX課)に伴う第二の画面例を示す図。
【図16】前記実施形態の語学学習システムの処理に用いられる問題データベースの構造(その1)を示す図。
【図17】前記実施形態の語学学習システムの処理に用いられる問題データベースの構造(その2)を示す図。
【図18】前記実施形態の語学学習システムの処理に用いられる問題データベースの構造(その3)を示す図。
【符号の説明】
10 語学学習システム
20 入力手段
30 表示手段
41 出題処理手段
42 解答入力操作受付処理手段
43 判定手段
50 問題データベース
55 問題データを構成する日本語で表示する問題文
56 問題データを構成する第1データ
57 正解データである第2データ
Claims (16)
- 互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていく語学学習システムであって、
前記各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶し、かつ、少なくとも一つのステップでの前記問題には、このステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題が含まれている問題データベースと、
この問題データベースに記憶された前記問題データに基づき、前記学習者が現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む前記複合語句を学習させるための前記特定問題を含む問題を出す出題処理手段と、
前記学習者が前記特定問題を含む問題に対する解答を入力する際に操作する入力手段と、
この入力手段による前記学習者の解答入力操作を受け付ける処理を行う解答入力操作受付処理手段と、
前記問題データベースに記憶された前記正解データに基づき、前記解答入力操作受付処理手段により受け付けた前記学習者の解答入力操作に応じて前記問題に対する解答の正否を判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする語学学習システム。 - 請求項1に記載の語学学習システムにおいて、
前記先行のステップでの学習項目とされている概念の語句には、空間の概念を示す語句が含まれ、
前記複合語句は、この空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む語句であることを特徴とする語学学習システム。 - 請求項2に記載の語学学習システムにおいて、
前記空間の概念を示す語句として、前後左右の方向の概念を示す語句、上下の方向の概念を示す語句、領域を区画する境界の概念を示す語句、出入の概念を示す語句、開閉の概念を示す語句、去来の概念を示す語句、長短の概念を示す語句、真っ直ぐ・曲がるという概念を示す語句、広狭の概念を示す語句、平・凹凸の概念を示す語句、大小の概念を示す語句、太い・細いという概念を示す語句、厚い・薄いという概念を示す語句、高低の概念を示す語句、深い・浅いという概念を示す語句、内外または中外の概念を示す語句のうち、少なくとも一つの概念を示す語句が含まれることを特徴とする語学学習システム。 - 請求項3に記載の語学学習システムにおいて、
前記空間の概念を示す語句として、少なくとも前記前後左右の方向の概念を示す語句および前記領域を区画する境界の概念を示す語句が含まれ、
前記前後左右の方向の概念を示す語句を学習するステップは、前記領域を区画する境界の概念を示す語句を学習するステップよりも先行のステップである
ことを特徴とする語学学習システム。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の語学学習システムにおいて、
情報を画面表示する表示手段を備え、
前記空間の概念を示す語句として、少なくとも前後左右の方向の概念を示す語句が含まれ、
前記入力手段には、キーボードが含まれ、
前記前後左右の方向の概念を示す語句を学習するステップでの前記入力手段による前記学習者の解答入力操作は、前記キーボード上で縦方向および横方向にそれぞれ2つずつ配置された4つのキーのうちのいずれかを押すことにより前記学習者の意図する解答を選択する操作であり、
前記解答入力操作受付処理手段は、前記4つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、前記表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、前記学習者の意図する解答に応じて前後左右に移動させる構成とされている
ことを特徴とする語学学習システム。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の語学学習システムにおいて、
情報を画面表示する表示手段を備え、
前記空間の概念を示す語句として、少なくとも上下の方向の概念を示す語句が含まれ、
前記入力手段には、キーボードが含まれ、
前記上下の方向の概念を示す語句を学習するステップでの前記入力手段による前記学習者の解答入力操作は、前記キーボード上で縦方向に配置された2つのキーのうちのいずれかを押すことにより前記学習者の意図する解答を選択する操作であり、
前記解答入力操作受付処理手段は、前記2つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、前記表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、前記学習者の意図する解答に応じて上下に移動させる構成とされている
ことを特徴とする語学学習システム。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の語学学習システムにおいて、
情報を画面表示する表示手段を備え、
前記空間の概念を示す語句として、少なくとも前後左右の方向の概念を示す語句が含まれ、
前記複合語句は、この前後左右の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句であり、
前記入力手段には、キーボードが含まれ、
前記複合語句を学習するステップでの前記入力手段による前記学習者の解答入力操作は、前記キーボード上で縦方向および横方向にそれぞれ2つずつ配置された4つのキーのうちのいずれかを押すことにより前記学習者の意図する解答を選択する操作であり、
前記解答入力操作受付処理手段は、前記4つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、前記表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、前記学習者の意図する解答に応じて前後左右に移動させる構成とされている
ことを特徴とする語学学習システム。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の語学学習システムにおいて、
情報を画面表示する表示手段を備え、
前記空間の概念を示す語句として、少なくとも上下の方向の概念を示す語句が含まれ、
前記複合語句は、この上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句であり、
前記入力手段には、キーボードが含まれ、
前記複合語句を学習するステップでの前記入力手段による前記学習者の解答入力操作は、前記キーボード上で縦方向に配置された2つのキーのうちのいずれかを押すことにより前記学習者の意図する解答を選択する操作であり、
前記解答入力操作受付処理手段は、前記2つのキーのうちのいずれかを押す操作に伴い、前記表示手段に表示された空間を表現する画面若しくはこの画面に対する視点の位置またはこの画面内の表示物を、前記学習者の意図する解答に応じて上下に移動させる構成とされている
ことを特徴とする語学学習システム。 - 請求項2〜4のいずれかに記載の語学学習システムにおいて、
情報を画面表示する表示手段を備え、
前記空間の概念を示す語句として、少なくとも前後左右または上下の方向の概念を示す語句が含まれ、
前記複合語句は、この前後左右または上下の方向の概念を示す語句を含む移動の概念を示す語句であり、
前記入力手段には、マウス、トラックボール、トラックポイント、トラックパッド、ジョイスティックのうちのいずれかが含まれ、
前記複合語句を学習するステップでの前記入力手段による前記学習者の解答入力操作は、前記表示手段に表示された空間を表現する画面上でこの画面内の表示物をドラッグすることにより前記学習者の意図する解答を選択する操作であり、前記解答入力操作受付処理手段は、前記ドラッグ操作に伴い、前記空間を表現する画面内の表示物を、前記学習者の意図する解答に応じて前後左右または上下に移動させる構成とされている
ことを特徴とする語学学習システム。 - 請求項2に記載の語学学習システムにおいて、
前記複合語句は、前記空間の概念を示す語句を含む時間の概念を示す語句であることを特徴とする語学学習システム。 - 請求項1に記載の語学学習システムにおいて、
前記先行のステップでの学習項目とされている概念の語句には、人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句が含まれ、
前記複合語句は、この人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句を少なくとも一部に含む語句であることを特徴とする語学学習システム。 - 請求項11に記載の語学学習システムにおいて、
前記人間の五感で体験認知される感覚の概念を示す語句として、視覚に関する、色彩の概念を示す語句、明暗の概念を示す語句、聴覚に関する、うるさい・静かという概念を示す語句、触覚に関する、堅い・柔らかいという概念を示す語句、軽重の概念を示す語句、熱い・ぬるい・冷たいという概念を示す語句、暑い・寒いという概念を示す語句、暖かい・涼しいという概念を示す語句、味覚に関する、甘い・辛いという概念を示す語句、苦い・渋い・酸っぱいという概念を示す語句、おいしい・まずいという概念を示す語句、嗅覚に関する、臭いという概念を示す語句のうち、少なくとも一つの概念を示す語句が含まれることを特徴とする語学学習システム。 - 互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていくサービスを提供する語学学習サービス提供方法であって、
前記各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶し、かつ、少なくとも一つのステップでの前記問題には、このステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題が含まれている問題データベースを用意しておき、
前記学習者が前記各ステップで学習する際に、出題処理手段により、前記問題データベースに記憶された前記問題データに基づき、前記学習者が現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む前記複合語句を学習させるための前記特定問題を含む問題を出した後、
前記学習者に入力手段を操作させて前記特定問題を含む問題に対する解答を入力させ、
解答入力操作受付処理手段により、前記入力手段による前記学習者の解答入力操作を受け付ける処理を行い、
その後、判定手段により、前記問題データベースに記憶された前記正解データに基づき、前記解答入力操作受付処理手段により受け付けた前記学習者の解答入力操作に応じて前記問題に対する解答の正否を判定する
ことを特徴とする語学学習サービス提供方法。 - 互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていく語学学習システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶する問題データベースに記憶された前記問題データに基づき、前記学習者が現在学習中のステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題を含む問題を出す出題処理手段と、
前記学習者が入力手段により前記特定問題を含む問題に対する解答を入力する操作を受け付ける処理を行う解答入力操作受付処理手段と、
前記問題データベースに記憶された前記正解データに基づき、前記解答入力操作受付処理手段により受け付けた前記学習者の解答入力操作に応じて前記問題に対する解答の正否を判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする語学学習システムとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。 - 互いに学習内容の異なる複数のステップに分けて語学の学習を進めていく語学学習システムを構成する問題データベースが記録されたコンピュータ読取り可能なデータ記録媒体であって、
前記問題データベースは、前記各ステップで学習者に対して問題を出すために用いる問題データとこの問題に対する解答の正否を判定するための正解データとを対にして記憶し、かつ、少なくとも一つのステップでの前記問題には、このステップよりも先行のステップでの学習項目とされている概念の語句を少なくとも一部に含む複合語句を学習させるための特定問題が含まれている構造を備えている
ことを特徴とするコンピュータ読取り可能なデータ記録媒体。 - 請求項15に記載のコンピュータ読取り可能なデータ記録媒体において、
前記先行のステップでの学習項目とされている概念の語句には、空間の概念を示す語句が含まれ、
前記複合語句は、この空間の概念を示す語句を少なくとも一部に含む語句であることを特徴とするコンピュータ読取り可能なデータ記録媒体。
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