JP2004138466A - 試料処理方法および試料処理ユニット - Google Patents

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    • G01N33/0059Specially adapted to detect a particular component avoiding interference of a gas with the gas to be measured

Abstract

【課題】低濃度測定における検出感度を低下させることなく、共存成分の影響を受けない測定装置の試料処理方法および試料処理ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】試料に対し特定波長の光を照射する試料処理ユニットを試料採取部と測定部との中間に設け、妨害成分を試料中の測定対象成分以外の他の成分と反応せしめ、当該妨害成分を除去することを特徴とする。また、上記光を受容する試料流路および上記光を照射する光源部を構成の一部とする試料処理ユニットにおいて、試料流路に対する光量を調整可能とすることを特徴とする。特に、UVF法による大気中のSO 自動計測器において、共存NOの影響を排除する手段として非常に有効である。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象成分を含む試料に対して所定の処理を行った後、測定部に試料を導入する測定装置に関するもので、特に、紫外線蛍光法(以下「UVF法」という。)による大気中の二酸化硫黄(以下「SO 」という。)測定装置の試料処理方法および試料処理ユニットとして有用である。
【0002】
【従来の技術】
一般に、各種試料中の特定成分の測定においては、試料中に多種の成分が共存する場合が多く、通常、何らかの処理を行ってから測定部に試料に導入する。例えば、試料が大気の場合においては、ダストフィルタを用いた粉塵の除去や除湿器を用いた水分の除去によって、クリーンな状態で試料を測定部に導入することで、ダストの付着や凝縮水の発生に伴う測定部での腐食や汚染を防止し、長期間安定した条件で測定できることができる。
【0003】
以下、こうした測定装置の一例として、大気中における硫黄酸化物(以下「SOx」という。)測定装置の従来技術について述べる。ここで、SOxとはSO と三酸化硫黄(以下「SO 」という。)との混成物をいうが、主として化石燃料や鉱物などの中の硫黄分が酸化されることで大気中に放出されるもので、自然界では火山の噴煙や地中からの湧き出しなどによるところが大きく、人工的には発電等の重油燃焼ボイラーからの排出ガスやディーゼル機関からの排出ガスなどによるところが大きいとされる。近年の環境規制の強化、具体的には、各種燃焼プラントおける燃料としての低硫黄重油の使用や排出ガスの脱硫効率向上などが促進され、徐々に改善傾向が見られるものの、近隣諸国からの汚染物質の流入などの影響もあり、依然として連続監視の必要性は高く、SOx成分の測定は、正確かつ保守性に優れた高信頼性が要求される。
【0004】
大気中のSOx測定技術は、わが国JIS規格により概略が示され、自動計測器として、溶液導電率法およびUVF法が挙げられているが、ここでは、UVF法による大気中のSO 測定装置について説明する(例えば非特許文献1等)。
【0005】
UVF法とは、下記の反応式1および2で示すように、試料ガス中のSO が紫外線を吸収して生じる励起状態のSO *から発生する蛍光を利用し、その 強度からSO 濃度を連続的に求めるものである。
【0006】
SO  + hν → SO *      …式1
SO *     → SO  + hν  …式2
【0007】
図6にJIS規格に記載された紫外線蛍光方式による大気中二酸化硫黄自動計測器の構成例を示す。導入口51から吸引採取された試料1は、1次フィルタ52でダストをほぼ取り除き、流量計53、スクラバー54を経由して測定部(蛍光室)55に導入される。スクラバー54は、試料中の芳香族炭化水素を除去するためのもので、必要に応じて用いられる。吸引採取は、一般には計測器内に設けられた吸引ポンプ56によって行われ、排出口57から排出される。蛍光室55内では、放電等によって光源部58から発せられた紫外線を受けた試料が励起状態になった後、基底状態に戻るときに発せられる紫外線領域の光を、測光部59で検出する。測光部59の出力は増幅器60を経由して指示記録計61によって明示される。図7は、蛍光室55の一例を詳細に示すもので、励起光源部58から集光レンズ62および励起波長選択用光学フィルタ63を経由した紫外線が、蛍光室55のほぼ中央部に集光して試料に照射され、該試料から発せられた紫外線を蛍光選択用フィルタ64を介して光電測光部59で受光する。一般には、蛍光検出用光路は、照射紫外線の影響を受けないように、その照射光路とほぼ直交関係になるように配される。
【0008】
この測定法は、試料流量の影響を受けずに、広い濃度範囲で濃度−出力の関係が直線になるという優れた特性を有することが1つの特長である。また、照射紫外線の励起波長についても光学フィルタの選択性に加え、ミラーの反射波長の特性を利用して選択性の向上を図る光学系の提案がされている(例えば特許文献1等)。
【0009】
なお、上記においては、UVF法を大気測定に適用する例を挙げたが、近年、半導体産業では、硫黄(S)分によるウエハ表面の汚染防止のために、クリーンルーム内の測定においても多く適用されている。
【0010】
【非特許文献1】
日本工業規格「JIS B1952−1996」
【特許文献1】
特開平8−240530号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記試料処理方法では、以下のような課題が生じることがある。
【0012】
UVF法において、試料中の共存成分による測定誤差要因としては、共存成分による干渉影響とクェンチングつまり励起分子が他の分子に衝突することによってエネルギーを失うことによる影響とがある。前者は、下表のような影響値の例が知られている。
【0013】
【表1】
Figure 2004138466
【0014】
通常、大気中に存在するSO 濃度は1〜10ppb程度といわれ、自動計測器の測定濃度範囲(以下「測定レンジ」という。)としては、0−50ppbが多く用いられている。キシレンについては、上記のようにスクラバーやシリコンチューブなどにより分別除去する方法が一般的に行われているが、通常の大気中に存在する一酸化窒素(以下「NO」という。)の濃度が10〜200ppb程度に対しては、2ppb程度の影響を受けることがあり、測定誤差として無視できない。
【0015】
従って、現状では、こうしたNOの干渉影響に対し、上記の検出波長をシフトしてSO の選択性を向上させることで対応している。つまり、通常210〜220nm付近の紫外線を試料に照射し、SO による300nm付近の波長の蛍光を検出するが、NOによる蛍光はそれと少しずれた波長域となっているため、蛍光選択用フィルタや測光器の波長特性を長波長側にずらせることでその影響を低減している。しかし、かかるシフトをすることはSO の検出感度を低下させることとなり、シフト対応にも限界があり、現状、NOの干渉を無視できない場合も少なからずある。特に、上記のように、環境に対する改善意識の向上や環境関連技術の飛躍的な進歩によって、多くの大気中の有害物質は低下傾向がみられ、大気中のSO 濃度測定装置においては、測定対象であるSO 濃度の低下は測定レンジの低下に結びつく。一方、窒素酸化物(以下「NOx」という。)の濃度に関しては、こうした状況下にあっても殆ど改善が見られずむしろ増加傾向にあるとさえいわれる。従って、測定誤差となるNO濃度の増加または横ばい状態は、大気中のSO 濃度測定装置にとっては、相対的に誤差の大幅な増加となり測定装置の改善が急務となってきている。
【0016】
また、後者のクェンチングは、下式3のように、励起状態から基底状態に移行するときに生じるエネルギーを他の分子が吸収することで蛍光が生じなくなる現象で、測定値に対しては空気中の水分などによるが影響が無視できない。励起波長を選択用フィルタによって変更することで影響を低減しているが、これも測光部の感度を下げる要因ともなっており、NOの干渉影響が相対的に増大することとなる。従って、かかる面においても、SO の検出感度の上昇を図りつつ、干渉影響を低減する方法が望まれている。
【0017】
SO *+ M  → SO  + M   …式3
【0018】
以上のような課題に対して、例えば、芳香族炭化水素と同様にNOを選択的に除去するスクラバーを用いることも考えられるが、SO は吸着性が非常に強くかつ反応性も高い物質であり、またNO同様いわゆる酸性物質であることから、SO の損失なく両者を選択的に分離することは非常に困難である。また、測定器としての応答速度の低下や指示誤差といった別の問題の発生の可能性も大きく、干渉は低減できたとしても総合性能としては、新たな課題を抱えることとなる。さらに、かかるスクラバーは有寿命品であることが多く、スクラバーの交換作業を必要とし測定器の使用者の負担増大ともなりうる。
【0019】
そこで本発明は、前記問題点を解決し、低濃度測定における検出感度を低下させることなく、共存成分の影響を受けない測定装置の試料処理方法および試料処理ユニットを提供することを目的とする。特に、低濃度SO 測定における共存成分の影響を排除する手段として有効性の高い試料処理方法および試料処理ユニットを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す試料処理方法および試料処理ユニットにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0021】
測定対象成分を含む試料に対して所定の処理を行った後、測定部に試料を導入する測定装置において、試料に対し特定波長の光を照射する試料処理ユニットを試料採取部と測定部との中間に設け、妨害成分を試料中の測定対象成分以外の他の成分と反応せしめ、当該妨害成分を除去することを特徴とする。本発明を用いることで、共存成分の影響を受けずに、測定器としての所定の精度を確保することができる。
【0022】
また、上記光を受容する試料流路および上記光を照射する光源部を構成の一部とする試料処理ユニットにおいて、試料流路に対する光量を調整可能とすることを特徴とする。試料中の共存成分の変動に対応した妨害成分の除去を可能とするとともに、妨害成分の除去に必要最小限の量の光の照射を行うことで、試料の組成変動や不要な物質の発生などを極力少なくすることができる。
【0023】
特に、本発明は、上記測定対象成分がSO であり、上記測定部がUVF法を用いた分析計であり、上記光が紫外線であって、上記妨害成分の1つがNOであり、上記他の成分が酸素(以下「O 」という。)を含む場合に好適である。つまり、UVF法による大気中のSO 自動計測器において、試料に対し紫外線を照射する試料ユニットを試料採取部とUVF法との中間に設け、試料中のO の一部をオゾン(以下「O 」という。)に変換し、O とNOを反応せしめ、NOを除去することで、低濃度SO 測定における共存NOの影響を排除する手段として非常に有効性の高い試料処理方法および試料処理ユニットが可能となる。
【0024】
【発明の実施の態様】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
本発明は、測定対象成分を含む試料に対して所定の処理を行った後、測定部に試料を導入する測定装置において、試料に対し特定波長の光を照射する試料処理ユニットを試料採取部と測定部との中間に設け、妨害成分を試料中の測定対象成分以外の他の成分と反応せしめ、当該妨害成分を除去することを特徴とする。特に、本発明は、上記測定対象成分がSO であり、上記測定部がUVF法を用いた分析計であり、上記光が紫外線であって、上記妨害成分の1つがNOであり、上記他の成分がO を含む場合に好適である。
【0026】
以下、具体的な実施態様として、UVF法による大気中のSOx測定装置において試料処理を行う場合を主に説明する。
【0027】
つまり、UVF法による大気中のSO 自動計測器において、試料処理ユニットを試料採取部と測定部との中間に設け、
(1)試料処理ユニットにおいて、試料に対し紫外線を照射する
(2)試料中のO の一部をO に変換する
3O  → 2O     …式4
(3)変換したO がNOと反応して、試料中のNOが二酸化窒素(以下「NO 」という。)に変換する
NO + O  → NO  + O  …式5
(4)この状態で、測定部の蛍光室において、試料に励起用紫外線を照射する
(5)励起されたSO から蛍光が発せられる
(6)蛍光を測光部で検出する
ことで、SO 測定における共存NOの影響に対する有効性の高い試料処理方法および試料処理ユニットが可能となる。ここで、(1)において照射する紫外線は、波長185nm近傍を含むものが好適である。試料中のO を有効にO に変換することができる。なお、上式4の反応前後でのモル数の変化については、反応に必要なO 量は微量であるため(多くても数ppmレベルで十分)、濃度測定誤差としては無視できる。
【0028】
以上のように、本発明は、試料中の共存成分同士の反応を生じせしめる点に特徴があり、外部から別の成分や物質を準備供給する必要がない自己完結的に試料処理を可能とする。また、紫外線を試料流路の外部から照射するという物理的手段を利用する点に特徴があり、スクラバーのように試料と直接接することから生じる汚染や劣化に伴う交換の必要がなく、さらにこうした保守時の欠測が殆どない。
【0029】
なお、試料中のO の一部をO に変換し、O とNOを反応せしめ、NOを除去する方法としては、紫外線ランプを用いる方法以外にも、例えば、高圧放電式O 発生法などによることも可能であるが、反応に必要なO 量は非常に微量であることおよび条件によっては反応に必要なO 量を調整する必要が生じることや入手・保守が容易であること等々の理由から紫外線ランプが好適といえる。さらに高圧放電式では、O の発生とともに空気中の窒素(N)の一部によってNOxの発生が見られる場合があるため、本発明には適切とはいえない。
【0030】
図1は、本発明の実施態様の1例を示すもので、既述の図6および7を基本として、試料処理ユニット2以降の試料1の流れを示している。試料入口9から導入された試料1は、ユニット2内の試料流路の一部に設けられた反応セル部3を経由して、試料出口10から絞り5を介して測定部(UVF)6に導入される。反応セル部3の周囲には、紫外線ランプ4が設けられ、試料1は測定部6の後段の設けられた吸引ポンプ7によって吸引されるが、一般には、0.5〜3l/min程度に制御すべく圧力調整器8と組み合わされて使用される。
【0031】
図2は、試料処理ユニット2をさらに詳細に示したもので、反応セル部3および紫外線ランプ4を所定のケースに封じた構造を例に挙げている。紫外線ランプ4を点灯すると微量ではあるが、ランプ4周辺にO の発生が見られるため、通常密封状態が好ましく、また、別途空気等によってパージすることも可能である。反応セル部3では特別な事情がない限り流路内での抵抗はなく、材質としては、該当波長の紫外線の透過率が高い素材が好ましく、例えば、UV用合成フューズドシリカや光学用合成フューズドシリカなどが挙げられるが、強度性にも優れた石英管が多く用いられる。紫外線ランプ4は、種々のものが使用可能であるが、O 発生に最適な波長の紫外線を発し、輝度の調整が可能であり保守も容易であることが好適である。例えば、重水素ランプやキセノンランプあるいは水銀ランプなどが挙げられる。
【0032】
図3は、実際に紫外線が照射されたときのSO およびNOの励起スペクトルを示している。理想的にはSO のみ励起され、NOが励起しない波長の光を照射することが望ましいが、実際にはより最適な条件として約215nmを中心とする光学フィルタを用いている。また、図4は約215nmを中心とする紫外線の照射によって励起されたときのSO およびNOの蛍光スペクトルを示している。SO の蛍光の一部にNOの蛍光が重なっており、300〜350nmをピークとする蛍光選択用フィルタを使用することでSO の蛍光を最大利用することができるが、NOの蛍光もその範囲に重複している。350nm以上では、その重なりも大きく減少するが、SO 感度も減少し、相対的な干渉影響の減少よりも感度減少の影響の方を考慮する必要がある。
【0033】
また、上記光を受容する試料流路および上記光を照射する光源部を構成の一部とする試料処理ユニットにおいて、試料流路に対する光量を調整可能とすることを特徴とする。試料中の妨害成分の濃度変動、特に測定対象が異なる場合の対応に好適である。例えば、同じ大気の計測局であっても、いわゆる自排局と呼ばれる自動車が頻繁に走行している場所と、小島の殆ど自動車の走行しない場所では、SO およびNOの濃度は大幅に異なることが知られている。この場合、NOと反応するO の発生量も変更し、妨害成分の除去に必要最小限の量の光の照 射を行うことで、試料の組成変動や不要な物質の発生などを極力少なくすることができる。
【0034】
具体的には、図2に示す試料処理ユニットにおいて
(1)紫外線ランプ4に注入する電力を加減する
(2)紫外線ランプ4または上記反応セル3にマスキングを行い、そのマスキング量を加減する
(3)反応セル3と紫外線ランプ4との設置距離aを可変する
といった方法が適用できる。
【0035】
また、この場合、紫外線ランプ4の照射紫外線量を監視するために、モニター用検出器11を設けることも好ましい。例えば、フォトダイオードや光電管などといった小型で簡易センサで十分ランプ4の寿命判断も可能であり、測定精度の保持・管理にとっても非常に有効である。
【0036】
以上は、大気中のSOx特にSO 測定装置について述べたが、同様の技術は、各種プラントやプロセスについても適用されるものであり、また、測定部もUVF法に限定されるものでもない。例えば、燃焼炉の排ガス中のSO やNO 測定装置として、測定部に非分散紫外線吸収法(NDUV)を用いた場合、図5に示すように、塩素(以下「Cl 」という。)、NO やSO と吸収スペクトルの重複が見られ、相互に、干渉影響を受ける。特に、ごみ焼却炉などでは、塩素(以下「Cl 」という。)が大量に共存する場合があり、SO やNO 測定装置として本発明の適用は非常に有効である。具体的には、Cl と水分または水素(以下「H 」という)が共存する試料に紫外線を照射すると、下式6のような反応が起こり、干渉影響の大きいCl が影響の少ない塩化水素(以下「HCl」という。)に変換され、干渉影響の少ない計測が可能となる。
【0037】
Cl  + H   → 2HCl   …式6
【0038】
また、本発明は、上記のような気体の測定だけでなく、液体等の成分測定や、また、各種測定原理にも適用の可能性があり、上記に限定されるものでないことはいうまでもない。
【0039】
【発明の効果】
本発明は、測定対象成分を含む試料中に、妨害成分およびこれと反応する他の成分(測定対象成分を除く)を含む場合にあっては、非常に有効な試料処理方法および試料処理ユニットということができ、共存成分の影響を受けずに、測定器としての所定の精度を確保することができる。つまり、本発明は、試料中の共存成分同士の反応を生じせしめる点に特徴があり、外部から別の成分や物質を準備供給する必要がない自己完結的に試料処理を可能とし、また、特定波長の光を試料流路の外部から照射するという物理的手段を利用する点に特徴があり、スクラバーのように試料と直接接することから生じる汚染や劣化に伴う交換の必要がなく、さらにこうした保守時の欠測が殆どない。こうした本発明の利点は、特に、大気中の成分測定や排出物の管理のように連続かつ信頼性が要求される計測においては、より一層の技術的効果を発揮することができる。
【0040】
また、試料流路に対する光量を調整可能とすることで、試料中の共存成分の変動に対応した妨害成分の除去を可能とするとともに、妨害成分の除去に必要最小限の量の光の照射を行うことで、試料の組成変動や不要な物質の発生などを極力少なくすることができる。
【0041】
特に、本発明は、UVF法による大気中のSO 自動計測器やNDUV法による固定排出源からのNO やSO において、干渉成分となっているNOやCl などを除去することで、低濃度測定における共存成分の影響を排除する手段として非常に有効性の高い試料処理方法および試料処理ユニットが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施態様の一例であるUVF方式計測器の構成例を示す説明図
【図2】本発明の実施態様の一例であるUVF方式計測器の構成例の詳細を示す説明図
【図3】本発明の実施態様の一例であるUVF法における励起スペクトル例を示す説明図
【図4】本発明の実施態様の一例であるUVF法における蛍光スペクトル例を示す説明図
【図5】本発明の実施態様の他の例であるNDUV法における紫外線吸収スペクトル例を示す説明図
【図6】従来技術の実施例であるUVF方式計測器の構成例を示す説明図
【図7】従来技術の実施例であるUVF方式の検出器の一例を示す説明図
【符号の説明】
1  試料
2  試料処理ユニット
3  反応セル
4  紫外線ランプ
6  測定部
7  吸引ポンプ
11 モニター用検出器

Claims (6)

  1. 測定対象成分を含む試料に対して所定の処理を行った後、測定部に試料を導入する測定装置において、試料に対し特定波長の光を照射する試料処理ユニットを試料採取部と測定部との中間に設け、測定に対して妨害となる成分(以下「妨害成分」という。)を試料中の測定対象成分以外の他の成分と反応せしめ、当該妨害成分を除去することを特徴とする試料処理方法。
  2. 前記光を受容する試料流路および前記光を照射する光源部を構成の一部とする前記試料処理ユニットにおいて、前記試料流路に対する光量を調整可能とすることを特徴とする請求項1に記載の試料処理方法。
  3. 前記測定対象成分が二酸化硫黄であり、前記測定部が紫外線蛍光法を用いた分析計であり、前記光が紫外線であって、前記妨害成分の1つが一酸化窒素であり、前記他の成分が酸素を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の試料処理方法。
  4. 測定対象成分を含む試料に対して所定の処理を行った後、測定部に試料を導入する測定装置において、試料採取部と測定部との中間に配し、試料に対して特定波長の光を照射して妨害成分を試料中の測定対象成分以外の他の成分と反応せしめ、当該妨害成分を除去することを特徴とする試料処理ユニット。
  5. 前記試料処理ユニットが、前記光を受容する試料流路および前記光を照射する光源部を含み、かつ、該試料流路に対する光量を調整可能とすることを特徴とする請求項4に記載の試料処理ユニット。
  6. 前記測定対象成分が二酸化硫黄であり、前記測定部が紫外線蛍光法を用いた分析計であり、前記光が紫外線であって、前記妨害成分の1つが一酸化窒素であり、前記他の成分が酸素をふくむことを特徴とする請求項4または5に記載の試料処理ユニット。
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