JP2004136205A - カドミウム含有土壌の浄化方法 - Google Patents

カドミウム含有土壌の浄化方法 Download PDF

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伊藤 弘樹
Takashi Kamiya
神谷 隆
Hiroyuki Takano
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Abstract

【課題】カドミウム含有土壌からカドミウムを効率良く除去して浄化する方法の提供。
【解決手段】カドミウム含有土壌を、0.02〜0.5Mの塩化カリウム水溶液で少なくとも1回洗浄し、可給態カドミウム濃度を0.3mg/kg以下とした後、水溶性カリウム濃度が3.2g/kg以下になるまで、水溶性塩素濃度が3.5g/kg以下になるまで、又は土壌EC値が2mS/cm以下になるまで、水で洗浄することを特徴とするカドミウム含有土壌の浄化方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カドミウム含有土壌の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カドミウム含有土壌の浄化には、覆土法や排土客土法が一般的に用いられている。しかし、覆土法はカドミウム含有土の表土の拡散を防止するだけ、排土客土法は該土壌を移動させるだけの方法であり、根本的な解決策ではなかった。
【0003】
また、カドミウム含有土壌中のカドミウムを、塩化カルシウム水溶液を用いて不溶化する方法(特許文献1)が提案されている。しかし、カドミウムを単に不溶化しただけでは根本的な浄化とは言い難く、その土壌の2次利用も困難である。
【0004】
さらに、種々の薬剤を用いて、カドミウム含有土壌からカドミウムを溶出させて除去することにより、汚染土壌を浄化する方法が検討されており、洗浄剤として、サポニン(特許文献2)、ペクチン酸の単量体又はオリゴ体(特許文献3)、EDTA(特許文献4)、L−アスパラギン酸−N,N−二酢酸、グルタミン酸二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸、ポリアスパラギン酸(特許文献5)等が用いられている。これらの化合物は、キレート効果によってカドミウムの浸出を促進するものであるが、これらの化合物を用いても、土壌中のカドミウムを効率良く除去することは困難であった。また、これらの化合物は、高価なものであり、実使用に適するものではなかった。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−39055号公報
【特許文献2】
特開平10−130623号公報
【特許文献3】
特開2002−45839号公報
【特許文献4】
特開平4−263874号公報
【特許文献5】
特開2002−52375号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、カドミウム含有土壌を効率良く浄化する方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、斯かる実情に鑑み、種々検討した結果、カドミウム含有土壌を、特定濃度の塩化カリウム溶液、次いで水で洗浄すれば、カドミウムを効率よく除去し、しかも残存するカリウムを少なくして、土壌を浄化できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、カドミウム含有土壌を、0.02〜0.5Mの塩化カリウム水溶液で少なくとも1回洗浄し、可給態カドミウム濃度を0.3mg/kg以下とした後、水溶性カリウム濃度が3.2g/kg以下になるまで、水で洗浄することを特徴とするカドミウム含有土壌の浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、カドミウム含有土壌を、0.02〜0.5Mの塩化カリウム水溶液で少なくとも1回洗浄し、可給態カドミウム濃度を0.3mg/kg以下とした後、水溶性塩素濃度が3.5g/kg以下になるまで、水で洗浄することを特徴とするカドミウム含有土壌の浄化方法を提供するものである。
また、本発明は、カドミウム含有土壌を、0.02〜0.5Mの塩化カリウム水溶液で少なくとも1回洗浄し、可給態カドミウム濃度を0.3mg/kg以下とした後、土壌EC値が2mS/cm以下になるまで、水で洗浄することを特徴とするカドミウム含有土壌の浄化方法を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の浄化対象となるカドミウム含有土壌としては、市街地、山林、工場跡地、農用地、沼地、更には排土等でカドミウムの元素単位、化合物又はイオンを含有する土壌が挙げられ、例えば平成3年環境庁告示第46号に定める方法によって測定されるカドミウムの溶出量が土壌環境基準を超える土壌や、土壌1kg当たりカドミウム重量で2mg以上のカドミウムを含有する土壌が好適に挙げられる。
【0010】
また、農用地においては、農林省令第47号に定める方法或いはこれと同等の測定法によって測定されるカドミウム含有量がコメ、小麦、ダイズ、落花生、葉菜類で1kg当たり0.2mg以上、その他の野菜類で0.05mg以上となる土壌にも好適に適用することができる。
【0011】
本発明で用いる水溶液は、塩化カリウムの濃度が0.02〜0.5M、好ましくは0.1〜0.5Mである。0.02M未満では、カドミウムの除去効果が小さく、洗浄液量及び洗浄回数が多くなり、効率が悪くなる。また、0.5Mを超えると、土壌に残留する塩化カリウムが多くなり、後に述べる2次洗浄の回数が多くなり、効率が悪くなる。
【0012】
このような水溶液を用いてカドミウム含有土壌を洗浄する方法としては、特に制限されず、現場にて洗浄する方法、土壌を掘削して洗浄した後、浄化土壌を埋め戻す方法等のいずれでも良い。
より具体的には、一例として以下の方法が挙げられる。
汚染土壌を掘削してミキサーに投入し、塩化カリウム水溶液を加えて混練した後、フィルタープレスにより土壌と洗浄液とを分離する。続いて、土壌をサイドミキサーに投入し、水による2次洗浄を行い、再びフィルタープレスにより土壌と液体とを分離する。所定回数の2次洗浄が終了後、土壌を現場に埋め戻す。
【0013】
また、本発明において、塩化カリウム水溶液で洗浄するとは、土壌と塩化カリウム水溶液を直接混合する以外に、土壌に塩化カリウムと水を別々に加えて混合して洗浄する方法、水を含む土壌に塩化カリウムを混合して洗浄する方法も含まれる。
水を含む土壌を洗浄する方法の一例としては、河川や湖沼の底土を水とともに浚渫し、ミキサーに投入して、塩化カリウム粉末を所定濃度になるよう添加して混合する方法が挙げられる。
【0014】
処理する際に用いる水溶液の量は、重量比で、土壌:水溶液=1:1〜10、特に1:2〜5であるのが好ましい。
また、このような塩化カリウムによる洗浄は、少なくとも1回、好ましくは1〜3回行われる。
【0015】
このように処理することにより、土壌中のカドミウムは水溶液中に溶出する。洗浄後の土壌中の可給態カドミウム濃度が、0.3mg/kg以下になるまで、洗浄を繰り返すのが好ましい。なお、可給態カドミウム濃度は、実施例に記載の方法により、測定される。
排出されたカドミウム含有水は、イオン交換、電気分解、不溶化凝集沈殿等により、カドミウムの除去処理を行えば良い。
【0016】
一方、処理された土壌には、用いた水溶液中のカリウムや塩素の一部が残存する場合があるため、更に土壌を水で洗浄することにより、カリウムや塩素を除去する。
水による洗浄は、水溶液による洗浄と同様に行えば良く、土壌中の水溶性カリウム濃度が3.2g/kg以下、若しくは水溶性塩素濃度が3.5g/kg以下、又は土壌EC値が2mS/cm以下になるまで、少なくとも1回、好ましくは1〜3回、水で洗浄する。
なお、土壌EC値とは、土壌の電気伝導度であり、風乾した土壌試料に5倍重量の蒸留水を加えて攪拌し、静置した後、電気伝導度計により、液層の電気伝導度を測定することにより、求めることができる。
土壌中の水溶性カリウム濃度、水溶性塩素濃度、及び土壌EC値のいずれかがこれら以下になることにより、浄化土壌を、例えば農用地として利用する際に、植物に対する薬害を低減することができる。
【0017】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
【0018】
実施例1
(1)カドミウム溶脱率:
風乾したカドミウム含有土壌1(可給態カドミウム濃度0.5mg/kg)を、500mLの蓋付きビンに50g計量し、各種濃度の塩化カリウム水溶液を250mL添加し、軽く攪拌した後、16時間静置した。
液層をシリンジにて取り出し、0.45μmメンブランフィルターにて濾過し、試料溶液とした。
得られた試料溶液は、ICPによりカドミウム濃度を測定し、次式に従ってカドミウムの溶脱率を算出した。結果を図1に示す。
【0019】
【数1】
Figure 2004136205
【0020】
洗浄後の土壌を濾紙により濾過し、風乾した後、可給態カドミウム濃度の測定を行った。結果を図2に示す。
なお、0.1Mの試料を濾過した後、2回目の塩化カリウム水溶液洗浄(前記と同様に洗浄)に供した。0.1M塩化カリウム水溶液2回洗浄の結果を図1及び図2に併せて示す。
【0021】
(可給態カドミウム濃度の測定)
風乾した土壌試料40gを500mLの蓋付きビンに計量し、0.1N塩酸を200mL添加し、30℃で1時間振盪攪拌した後、静置した。液層をシリンジにて取り出し、0.45μmメンブランフィルターにて濾過し、試料溶液とした。
得られた試料溶液は、ICPによりカドミウム濃度を測定し、測定値を5倍して土壌あたりの可給態カドミウム濃度に換算した。
【0022】
(2)2次洗浄:
(1)の方法に従い、風乾したカドミウム含有土壌1(可給態カドミウム濃度0.5mg/kg)50gを0.5Mの塩化カリウム水溶液250mLで1回洗浄、又は0.1Mの塩化カリウム水溶液250mLで2回洗浄した後、濾紙で濾過し、濾紙上の土壌試料を100mL又は250mLの蒸留水にて洗浄した。洗浄方法は、(1)と同様に蓋付きビン内で軽く攪拌した後、16時間静置し、濾紙で濾過して行った。2次洗浄は1〜3回行い、各試料を風乾後、土壌試料に残留した水溶性カリウム、水溶性塩素の濃度、及び土壌EC値を測定した。結果を表1に示す。
【0023】
(水溶性カリウム及び水溶性塩素濃度の測定)
環境庁告示第46号法に準じて、風乾した土壌試料に10倍重量の蒸留水を加え、6時間振盪した後静置し、液層を0.45μmのメンブランフィルターで濾過して検液とした。検液は、IPCにてカリウムイオン濃度を、イオンクロマトグラフィーにて塩素イオン濃度を測定した。
【0024】
また、2次洗浄後の土壌を風乾した土壌試料にアブラナの種子を20粒播種し、散水して、25℃暗黒下で1週間養生し、発芽率の測定を行った。発芽率は、播種した種子のうち、双葉が展開したものを発芽とし、園芸土壌で養生したコントロールの発芽率を100とし、下記式により求めた。結果を表1に併せて示す。
【0025】
【数2】
Figure 2004136205
【0026】
なお、比較例として、0.5M又は0.1Mの塩化カリウム水溶液による洗浄の後、2次洗浄を行うことなく、風乾した土壌試料についても、同様に、残留した水溶性カリウム、水溶性塩素の濃度、及び土壌ECの測定と、発芽試験を行った。結果を表1に併せて示す。
【0027】
【表1】
Figure 2004136205
【0028】
【発明の効果】
本発明によれば、土壌中のカドミウムを効率良く除去し、土壌を浄化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カドミウム含有土壌を各種濃度の塩化カリウム水溶液で洗浄したときのカドミウム溶脱率を示す図である。
【図2】カドミウム含有土壌を各種濃度の塩化カリウム水溶液で洗浄したときの土壌に残留した可給態カドミウム濃度を示す図である。

Claims (3)

  1. カドミウム含有土壌を、0.02〜0.5Mの塩化カリウム水溶液で少なくとも1回洗浄し、可給態カドミウム濃度を0.3mg/kg以下とした後、水溶性カリウム濃度が3.2g/kg以下になるまで、水で洗浄することを特徴とするカドミウム含有土壌の浄化方法。
  2. カドミウム含有土壌を、0.02〜0.5Mの塩化カリウム水溶液で少なくとも1回洗浄し、可給態カドミウム濃度を0.3mg/kg以下とした後、水溶性塩素濃度が3.5g/kg以下になるまで、水で洗浄することを特徴とするカドミウム含有土壌の浄化方法。
  3. カドミウム含有土壌を、0.02〜0.5Mの塩化カリウム水溶液で少なくとも1回洗浄し、可給態カドミウム濃度を0.3mg/kg以下とした後、土壌EC値が2mS/cm以下になるまで、水で洗浄することを特徴とするカドミウム含有土壌の浄化方法。
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