JP2004129082A - 符号化された直交伝送ダイバーシティ方法を用いた通信システムおよび方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】誤り訂正符号化と伝送ダイバーシティの両方を組み合わせた通信方法及び装置を提供する。
【解決手段】通信システムに含まれている送信装置は、シリアルメッセージビットを受信しパラレルに変換するシリアル/パラレル変換器301と、シリアル/パラレル変換器301から提供されるメッセージビットに対してマルチレベル符号化を適用する複数の符号化器3031−303Lと、符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを実施するマッパ−305と、マップされた信号に対し時空間ブロック符号化を適用するSTBC符号化器307と、時空間ブロック符号化された信号を送信する2つのアンテナ素子110a、110bとを備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】通信システムに含まれている送信装置は、シリアルメッセージビットを受信しパラレルに変換するシリアル/パラレル変換器301と、シリアル/パラレル変換器301から提供されるメッセージビットに対してマルチレベル符号化を適用する複数の符号化器3031−303Lと、符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを実施するマッパ−305と、マップされた信号に対し時空間ブロック符号化を適用するSTBC符号化器307と、時空間ブロック符号化された信号を送信する2つのアンテナ素子110a、110bとを備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号化された直交伝送ダイバーシティ(coded orthogonal transmit diversity)方式を用いた通信のための装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、時空間符号化が注目されている。時空間符号化(Space−time coding)方式には、時空間ブロック符号化(STBC)と時空間トレリス符号化(STTC)という2つの基本的なクラスがある。建物内等のマルチパス(フラット)レイリーフェーディング環境においては、送信側に複数のアンテナを設け、これらのアンテナから適切に符号化された信号を送信することで、STBCおよびSTTCのいずれによってもダィバーシティ(分散性)を達成することができる。
【0003】
複数のアンテナを送信側に設けることは、ベースステーション(アクセスポイント)から携帯端末への通信のような無線LANシステムのダウンリンクにとって非常に望ましいことである。これは、送信側のアンテナの数を増加させることで、同じ機能性レベル(ビット誤り率)を達成するために必要となる携帯端末でのアンテナ数を低減できるためである。すなわち、ダイバーシティは積nTnRに比例して向上するものであり、nTは送信側のアンテナ数、nRは受信側のアンテナ数である。RF及びベースバンド用アナログ部品の必要個数はアンテナの数に比例して線形的に増加する。したがって、アンテナの数を削減することにより、携帯端末でのコストを大きく削減することができる。さらに、変調され時空間符号化された信号の受信側での再生は容易であるため、STBCや直交伝送ダイバーシティ(OTD)によるダイバ−シティは特に有効性が高い。
【0004】
最近では、アラモッティにより提案されたOTDは、外的誤り訂正符号化、直交周波数分割多重(OFDM)あるいは両者の組み合わせを適用することで、一般化がなされてきた。さらに、アラモッティのOTD方式は3GPP(The Third Generation Partnership Project)物理レイヤー仕様に採用されている。一例として、図1に、ビットインターリーブされた符号化変調(BICM)を用いた符号化OTD(COTD)システムを示す(G. Caire, G. Taricco, and E. Biglieri, ”Bit−interleaved coded modulation”, IEEE Trans. Info. Theory, Vol. 44, No. 3, pp.927−946, May 1998)。
【0005】
図1に示すCOTDシステムはビットインターリーブされた符号化変調を行うもので、符号化器101、符号化されたビットの順列置換を行うインターリーバー103、シリアル/パラレル変換を行う変換器105、変調器107a、107b、及び時空間ブロック(STBC)符号化器109を備えている。
【0006】
これら従来の研究結果は符号化(時間ダイバーシティ)、周波数ダイバーシティ(OFDM)およびOTDの組み合わせを扱ったものであり、従来の通信システムと同じように、1対1のベースで各構成変調シンボルをそれぞれ独立して処理している。したがって、単一アンテナシステムに対する従来の符号化と変調方式とが適用されていた。このようなアプローチを大きく変えたのはイオネスク他およびシワモガササム他である(D.M. Ionescu, K.K. Mukkavilli, Z. Yan and J. Lillerberg, ”Improved 8− and 16−state Space−Time Codes for 4PSK with Two Transmit Antennas,” submitted to IEEE Comm. Letters, 2001; S. Siwamogsatham and M. P. Fitz, ”Improved High−Rate Space−Time Trellis Codes viaOrthogonality and Set Partitioning,” Proc. WPMC 2001, pp. 1439−1444, Aalborg, Denmark, Sep. 9−12, 2001)。両論文では、OTDのための内的STBCのカーディナリティ(Cardinarity)を増加させることに着目している。両論文は、ディバサラーとシモン(D. Divsalar and M. K. Simon, ”The Design of Trellis Coded MPSK for Fading Channels: Set Partitioning for Optimum Code Design,” IEEE Trans. Comm., vol. 36, no. 9, pp. 1013−1021, Sep. 1988; D. Divsalar and M. K. Simon, ”Multiple Trellis Coded Modulation (MTCM),”IEEE Trans. Comm., vol. 36, no. 4, pp. 410−419, April 1988)によって提案された方法を追求し、複数の変調信号集合の集合分割によって与えられるトレリス符号化を用いた結果を発表した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の技術を鑑みてなされたものである。誤り訂正符号化と伝送ダイバーシティ(transmit diversity)とを組み合わせた通信システム、方法あるいは送信装置を提供することが望ましい。さらに、拡張したアラモッティ集合に適用されるマルチレベル符号化方式に必要な冗長ビットを生成可能な通信システム、方法あるいは送信装置を提供することが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施形態の特徴の一つは、マルチレベル符号化と、内在する変調信号集合とそれ自身の直積(S×S)についての集合分割とを適用したことにある。A×Bで表される2つの集合Aと集合Bの直積は、すべての順序対の要素(a、b)からなる集合と等しい。ここでa∈A、b∈Bである。本実施形態では、マルチレベル符号化方式として、例えばワッツマン他によって提案されたものを採用しても良い(Wachsmann, R. F. H. Fischer and J. B. Huber, ”Multilevelcodes: theoretical concepts and practical design rules,” IEEE Info. Theory, vol. 45, no. 5, pp. 1361−1391, July 1999)。
【0009】
本発明の他の実施形態によれば、送信装置と受信装置とを含む通信システムが提供される。前記送信装置は、伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、処理部とを備える。本実施形態においては、時空間ブロック(Space−Time Block)符号化された信号が2つのアンテナ素子から出力される。前記処理部は、前記受け付けたメッセージのメッセージビットに対してマルチレベル符号化を行う第1の符号化器と、前記符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを行うマッパー(マッピング部)と、前記マッピングによる信号に対して時空間ブロック符号化を行う第2の符号化器とを備える。前記ビット−信号マッピングは、変調信号集合とそれ自身の直積(Cartesian product)の集合分割(set partitioning)を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップ(constellationbit−to−signal map)を用いる。
【0010】
本発明のさらに他の実施形態によれば、送信装置が提供される。本送信装置は、伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、前記受け付けたメッセージのメッセージビットを符号化する第1の複数の符号化器と、前記第1の複数の符号化器へ前記入力部で受け入れたメッセージのメッセージビットを前記第1の複数の符号化器へ分配するシリアル/パラレル変換部と、前記符号化されたメッセージビットを前記第1の複数の符号化器から受け付け、ビット−信号マッピングをおこなうマッピング部と、前記マッピングされた信号を受け付け、符号化する第2の符号化器と、前記第2の符号化器で符号化された信号を送信する2つのアンテナ部とを備える。前記第1の複数の符号化器は、誤り訂正符号を提供するために、前記メッセージビットにマルチレベル符号化を適用し、前記マッピング部は、拡張したアラモッティ集合を用いたコンスタレーション・ビット−信号マップを用い、前記第2の符号化器は、前記マッピングされた信号に時空間ブロック符号化を適用する。
【0011】
本発明のさらに他の実施形態によれば、送信装置が提供される。本送信装置は、伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、時空間ブロック符号化信号を出力する処理部とを備える。前記時空間ブロック符号化された信号は2つのアンテナ素子から出力される。前記処理部は、前記受け付けたメッセージのメッセージビットに対してマルチレベル符号化を行う第1の符号化器と、前記符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを行うマッパーと、前記マッピングによる信号に対して時空間ブロック符号化を行う第2の符号化器とを備える。前記ビット−信号マッピングは、変調信号集合とそれ自身の直積の集合分割を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップを用いる。
【0012】
上記実施形態においては、前記第1の符号化器は複数の符号化器から構成されていることが好ましい。また、前記変調信号集合は、M−PSKおよびM−QAMのいずれか一方であり、Mが当該変調信号集合におけるシンボルの数であることが好ましい。
【0013】
前記ビット−信号マッピングは、拡張したアラモッティ集合(Alamouti set)を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップを用いても良い。また、前記拡張したアラモッティ集合は、拡張していない元来のアラモッティ集合を対角ユニタリ行列を用いた線形変換による拡張処理によって生成されたものであっても良い。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態によれば、通信方法が提供される。本通信方法では、(1)送信するべきメッセージビットに誤り訂正符号化を行い、(2)前記符号化したメッセージビットに対して、拡張したアラモッティ集合を用いたコンスタレーション・ビット−信号マッピングを行い、(3)前記マッピングされた信号に時空間ブロック符号化を行い、(4)前記時空間ブロック符号化された信号を2つのアンテナ素子から送信する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明の実施の形態の説明に先立ち、アラモッティによる直交伝送ダイバーシティ方式(OTD)の概略を説明する。その後、本実施形態における符号化された直交伝送ダイバーシティ(COTD)システムの例を説明する。
(1)アラモッティによるOTD方式
アラモッティは、2つのアンテナによる最大比合成受信ダイバーシティと同等のダイバーシティを達成することができる簡便な2伝送アンテナ方式を提案してい(S.M. Alamouti, ”A Simple Transmit Diversity Technique for Wireless Communications,” IEEE JSAC, vol. 16, no. 8, pp. 145 1−1458, Oct. 1998)。
【0016】
図2は2アンテナ伝送ダイバーシティシステムのブロック図である。本例の2アンテナ伝送ダイバーシティシステムは送信装置と受信装置とを備えている。この送信装置は、時空間ブロック符号化器201と、アンテナ110a、110bとを備えている。また受信装置は、時空間ブロック復号器207と1本のアンテナ210とを備えている。
【0017】
X1とX2を、送信されるべき2つの情報をそれぞれ含む複素ベースバンドシンボルとする。本実施形態では、M−PSKやM−QAM等の線形変調を仮定している。アラモッティの方式では、対(X1、X2)は以下の2×2時空間行列へ変換される。
【0018】
【数1】
【0019】
ここで、X*は複素数共役である。
【0020】
Tをシンボルの長さとすると、伝送レートは1/T baud(あるいはシンボル/秒)となる。行列Ω(X1、X2)は信号が送信される場合の時間的・空間的な順序を定義する。一対のシンボル(X1、X2)が対応する時間間隔が2kT〜(2k+1)Tで、kが整数である場合、シンボルX1、−X2 *は第1のアンテナ110aから送信され、シンボルX2、X1 *は第2のアンテナ110bから送信される。
【0021】
また代わりに、シンボルX1、X2を第1のアンテナ110a、第2のアンテナ110bからそれぞれ送信し、シンボル−X2 *、X1 *を第1のアンテナ110a、第2のアンテナ110bからそれぞれ送信してもよい。
【0022】
送信は、2つのシンボルの時間間隔の間は変化しないフラットなレイリーフェ−ディング通信路220において行われるものとする。これはブロックフェ−ディング通信路として知られるもので、空間的なフェ−ディングを表す複素フェ−ディングゲインA1とA2の乗法的な通信路としてモデル化されている。これら2つの通信路は第1のアンテナ110a、第2のアンテナ110bから受信装置の単一のアンテナ210までのそれぞれの通信路に対応する。
【0023】
時間間隔2kT〜(2k+1)Tにおいて受信されたシンボルY1、Y2は以下の数式により与えられる。
【0024】
【数2】
【0025】
ここで、N1、N2は分散σ2=N0/2を備えるゼロ平均の複素ガウスランダム変数である。ここで、時間的なノイズはN1、N2としてモデル化される。
【0026】
受信側では、複素通信路ゲインA1、A2が推定され、以下の上2式のように推定された通信路ゲインと受信したシンボルとの線形合成が求められる。
【0027】
【数3】
【0028】
受信されたシンボルS1(またはS2)は、上記数式(3)の最後の式で定義される決定ルールに従った最尤検出器へ送られる。すなわち、上記最後の式が満足される場合に限り、∧X1=S(又は∧X2=S)を満足するシンボルを選択する。ここでSは、例えばM−PSKやM−QAMなどの変調信号の集合である。
(2)マルチレベルCOTD方式
本実施形態において、符号化されたOTD(COTD)に使用する拡張された信号集合の構成要素となるのはアラモッティ集合、A=S×Sである。アラモッティ集合は、上記数式(1)で定義された形式の2×2時空間行列の要素からなる。上述したイオネスク他およびシワモガササム他の文献に開示されているように、要素となるOTD信号集合Aのカーディナリティは、外的誤り訂正符号化(ECC)方式に必要となる冗長度を提供するために拡張されている。本実施形態によれば、アラモッティ方式のダイバーシティにおける全ての利点が維持できるだけでなく、この外的ECC方式により追加的な符号化ゲインが達成できる。
【0029】
図3は、本実施形態によるマルチレベルCOTD符号化器およびそれを含む送信装置の模式的なブロック図である。本実施形態では、L個の要素符号を用いたマルチレベル符号化変調処理が実施される。
【0030】
本実施形態によるマルチレベルCOTD符号化器/送信装置は、シリアルメッセージビットを受信しパラレルに変換するシリアル/パラレル変換器301と、シリアル/パラレル変換器301から提供されるメッセージビットに対してマルチレベル符号化を適用する複数の符号化器3031−303Lと、符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを実施するマッパ−305と、マップされた信号に対し時空間ブロック符号化を適用するSTBC符号化器307と、時空間ブロック符号化された信号を送信する2つのアンテナ素子110a、110bとを備えている。本実施形態においては、ビット−信号マッピングとして、同じ変調信号集合同士の直積についての集合分割を利用したコンスタレーションビット−信号マップを用いている。
【0031】
本実施形態によるマルチレベルCOTD符号化器/送信装置は、さらに、アンテナ素子110a、110bから送信するために、STBC符号化器307から出力された信号を予め定めた搬送波周波数の送信信号に変換するためのRF部を備えていても良い。
【0032】
なお、アラモッティ集合の任意の要素であるΩ(S1、S2)∈Aは自己直交(self orthogonal)である。言い換えれば、以下のような特徴を備えている。
【0033】
【数4】
【0034】
ここで、AHは行列Aの転置共役(あるいハミルトニアン)であり、Iは2×2単位行列である。
【0035】
以下の線形変換は容易に示すことができる(S. Siwamogsatham and M. P. Fitz, ”Improved High−Rate Space−Time Trellis Codes via Orthogonality and Set Partitioning,” Proc. WPMC 2001, pp. 1439−1444, Aalborg, Denmark, Sep. 9−12, 2001)。
【0036】
【数5】
【0037】
ここで、GおよびHは2×2対角ユニタリ行列であり、上記式により他のアラモッティ集合を生成する。例えば、行列Hとして単位行列を選択し、行列GとしてG∈Φを満足するものを選択することが出来る。Φは以下の式で定義される。
【0038】
【数6】
【0039】
本実施形態をさらに説明するために、Φの最初の4つの要素(上記数式(6)の一番上の行)の選択について考えると、以下のアラモッティ集合が得られる。
【0040】
【数7】
【0041】
【数8】
【0042】
【数9】
【0043】
【数10】
【0044】
ここでΩiは、Φのi番目の要素とΩ(S1、S2)との乗算の結果を示している。これにより、カーディナリティ|Ωs|=4×|Ω|2の上位集合(Superset)Ωs={Ω0、Ω1、Ω2、Ω3}が生成される。この結果、誤り訂正符号化方式によって使用される冗長度のための2ビットが利用可能となる。
【0045】
図4にマッパ−305の一例を示す。本例においてマッパ−305は、符号化器3031〜303L−1からの符号化出力に応じて、上位集合からコセット(Ωj)の一つを選択するためのセレクタ402と、符号化器303Lからの2Nm個の出力を受け付けるシリアル/パラレル変換器404と、STBC符号化器307へシンボルを提供するためのM−ary変調器406、408とを備える。ここでm=log2(M)である。セレクタ402で選択されたコセットに従い、STBC符号化器307で使用されるべきアラモッティ集合が決定される。
【0046】
図5はΩsに基づく信号分割の具体例を示す。例えば、QPSK変調が採用された場合には、S={+1、−1、ejπ/2、ej3π/2}となり、|Ωs|=4×16=64となる。ラベルビットb0、b1によりサブセットΩi⊂Ωsが選択される。ここでi=2b1+b0である。これらのラベルビットはC0およびC1で示されている2つの誤り訂正符号の符号語から取られたものである。この結果、これら2つのレベルにあるサブセット列の間のハミング距離およびユークリッド距離の2乗は両方とも増加する。
【0047】
選択されたサブセットΩi⊂Ωsの中での信号対の選択は、C2で示される第3の符号を使用する符号化ビットにより実行される。本実施形態によれば、拡張されていない元来のアラモッティ集合のダイバーシティ特性は維持され、追加的な符号化ゲインが達成される。
【0048】
図6は、レートk0/N、k1/N、k2/(2log2(M)N)のブロック符号を用いた3レベルCOTD方式による符号化器構成の一例を示す。図6の符号化器は、シリアル/パラレル変換器301aと、符号化器303a1〜303a3と、マッパ−305aと、STBC符号化器307aとを備えている。
【0049】
一般的に、線形M−ary変調では、図6に示したものと同様な3レベルCOTD方式における全体の符号化率Rcは以下のように決められる。
【0050】
【数11】
【0051】
ここでMは内在する信号集合に含まれているシンボルの個数であり、例えばQPSK変調ではM=4である。2N個のシンボル全体に対しては、マッピングと時空間ブロック符号化により、全体でN個のシンボル対が生成される。この結果、シンボル毎のビットの個数ηは以下の式で表される。
【0052】
【数12】
【0053】
また、マルチレベルCOTD方式において、元来のアラモッティによるOTDと少なくとも同じNBPS(ビット数/シンボル)を持つようにするには、以下の条件を満足することが必要である。
【0054】
【数13】
【0055】
一例としてQPSK変調の場合を検討する。本例では、N=3、C0及びC1を2つの(3、1、3)繰り返し符号とし、C2を情報位置のいずれか1つを常に0と等しくすることで単一パリティチェック符号から得られる(12、10、2)符号とする。したがって、符号化率Rc=12/18およびη=12/6=2ビット/シンボルである。本COTD方式は、4状態トレリス符号と同じダイバーシティ及び符号化ゲインの向上が得られるだけでなく、さらに符号化の複雑性が軽減される。
【0056】
より密度の高い信号集合(例えば8−PSK、16−QAM)に対するマルチレベルCOTDも、上述した方法と同様な方法により設計することが出来る。4以上の符号化レベルも必要であれば使用することが出来るが、これに対応して符号の設計も複雑になる。
【0057】
さらに、本実施形態によるマルチレベルCOTDは元々ブロック指向であるため、例えばターボ符号や低密度パリティチェック符号(LDPC)等、大容量処理が可能な符号化方式の要素部分として適用して、最大限の性能を達成することが出来る。
【0058】
上述した実施形態によれば、誤り訂正符号化および伝送ダイバーシティとを組み合わせた新規な構成が提供される。アラモッティ集合は対角ユニタリ行列を用いた線形変換によって拡張される。この拡張によって、該拡張されたアラモッティ集合に適用されるマルチレベル符号化方式に必要とされる冗長ビットが生成される。本発明によれば、従来の符号化方式に比べて、誤り訂正性能と復号処理の複雑さとの間の卓越したトレードオフが実現される。さらに、マルチレベル符号化は、付加的白色ガウスノイズ(AWGN)通信路にわたって通信路容量を達成することが知られている。
【0059】
本発明によるマルチレベルCOTD方式は様々な無線通信システムに適用することができる。図7には、本発明の一実施形態により無線通信システムの一例を示す。本例の無線通信システムは、本発明のマルチレベルCOTD方式を利用した屋内利用向けのものである。
【0060】
本通信システムは、電波を介して音声及び画像データを送信する2本のアンテナ703、704を備えたベースステーション700と、該電波を受信するためのアンテナ713を備えた携帯ユニット710とを備えている。ポータブルユニット710は、当該携帯ユニット710の視聴者へ向けて音声及び画像データを出力する。携帯ユニット710のアンテナ713は、携帯機器として利点を最大限に生かすために、ビルトインアンテナとすることが望ましい。
【0061】
ベースステーション700は、TV放送信号を受信し、TVチャンネルの1つにチューニングするTV受信/チューナ部701と、チューニングしたTVチャンネルから再生した音声および画像データを符号化し、該符号化したデータをアンテナ703、704から送信する符号化/送信部702とを備えている。符号化/送信部702は、本発明によるマルチレベルCOTD方式を用いて、無線通信のために音声および画像データを符号化する。
【0062】
携帯ユニット710は、アンテナ703、704から送信されてきた電波を受信するアンテナ713と、アンテナ713からの出力を受信し、該出力を復号して音声および画像データを再生する受信/復号部712と、再生された音声および画像データを表示・出力する表示/出力部711とを備えている。なお、本実施形態において、ベースステーション700から送信されてきたデータが携帯ユニット710で適切に復号されるよう、受信/復号部712に使用されている復号方式が符号化/送信部702で使用されたマルチレベルCOTD方式に対応しているものであれば、受信/復号部712の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0063】
拡張したアラモッティ集合にマルチレベル符号化を適用した本実施形態によれば、誤り訂正符号化および伝送ダイバーシティの両方を組み合わせ、これを無線通信システムに利用することができる。本実施形態によれば、符号化ゲインだけでなくダイバーシティゲインも提供することが出来る。さらに、マルチレベルCOTD方式は直交伝送ダイバーシティ方式と同じダイバーシティ・ファクターを生じさせるだけでなく、所定の性能(ビット誤り率)を達成するために必要とされるパワーを削減することを意味する符号化ゲインを提供することができる。さらにまた、本無線通信システムに適用されているマルチレベル符号によれば、受信側の装置構成における複雑さを、結果として低減することができる多段型の復号化が可能になるという利点がある。
【0064】
本発明の他の実施形態によれば、階層的なソースの符号化を図7に示すような無線通信システムにおいて実施できる。本実施形態の階層的ソース符号化では、要求されるデータ品質に応じて異なるレベルの誤り防止策が実施される。例えば、ある画像データが、視聴者にとって必要最低限で、ノイズ及び/又は誤りに対してもっとも強く防御されるべきベース解像度(basic definition)と定義された場合、誤りに対して最も強い符号を符号化に使用する。また、前記ベース解像度に比較してあまり本質的ではないが追加的な情報となる高解像度(high definition)の場合には、誤りに対して保護の度合いがより低い符号を使用することができる。
【0065】
本実施形態によるマルチレベルCOTD方式におけるマルチレベル符号化は、誤りに対して異なる強さの防御方式を用いる情報提供に利用することができる。したがって、現存する無線通信システムにおいて、例えば誤りに対して最も防御されている符号(シンボル過多によるダイバーシティ)をベース解像度の情報に割り当て、比較的誤りに対して弱い防御の符号(ECCの適用によるダイバーシティ)を高解像度情報へ割り当てることによって、本実施形態による階層的ソース符号化を容易に達成することができる。なお、本実施形態のように誤りに対する異なる度合いの防御を、トレリス符号マッピング方式を用いて実現するのは難しい。
【0066】
また、図7に示す本実施形態の無線通信システムにおけるベースステーション700は、さらに、誤りに対して異なる度合いの防御を実施する符号化のための複数の符号化器からなる構成と、携帯ユニット710の位置あるいは携帯ユニット710で受信される信号の品質を検出する検出器と、該検出結果に応じて符号化方式を切替える切替えスイッチとを備えても良い。例えば、携帯ユニット710の位置あるいは携帯ユニット710で受信状態に応じて、実施すべき符号化方式を切替えても良い。
【0067】
上記構成によれば、屋内環境のように、ベースステーション700と携帯ユニット710とがマルチパスフェ−ディング環境において離間配置されている場合でも、最も強く防御されている符号を用いて送信された情報を適切に再生することが可能になる。したがって、非常に悪い送信環境においても、送信されてきた情報の少なくとも一部を再生したり、表示/出力が全く無くなるような状況を避けることが可能となる。
【0068】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明によるマルチレベルCOTD方式の構成を二重にすることで、ダイバーシティを2倍にすることができる。例えば、上述したCOTD方式の構成を独立して2組設け、各組に2つの送信アンテナと単一の受信アンテナを含むようにしても良い。
【0069】
本発明のさらに他の実施形態によれば、ダイバーシティを増加するために受信側のアンテナ数を増やすことができる。本実施形態の携帯ユニット710は、複数の受信アンテナと、これら受信アンテナからの出力を合成する合成器とを備えている。合成器としては、例えば等価ゲイン合成器(equal gain combiner)、最大率合成器(maximum ratio combiner)、選択合成器(selector combiner)など、様々な合成器を用いることができる。
【0070】
以上、本発明をある程度の独自性を加味して好適な実施形態により説明したが、本発明においては他の修正、変形、組合せ、準組合せなどが可能である。したがって、本発明の範囲から逸脱せずに、上述した特定の説明とは異なった方法で変更が実施できることは云うまでもないことである。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、誤り訂正符号化と伝送ダイバーシティとを組み合わせた通信システム、方法あるいは送信装置を提供することができる。さらに本発明によれば、拡張したアラモッティ集合に適用可能なマルチレベル符号化方式に必要な冗長ビットを生成できる通信システム、方法あるいは送信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビット−インターリーバーによる符号化直交伝送ダイバーシティを用いた送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】2アンテナ伝送ダイバーシティによる通信システムの概略を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるL要素符号を使用するマルチレベル符号化変調を用いたCOTD方式のブロック図である。
【図4】拡張したS×Sコンスタレーション・ビット−信号マッパ−の一例を示す説明図である。
【図5】アラモッティ集合Aの線形変換におけるΩSの分割を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるQPSK変調を用いたマルチレベルCOTDのブロック図である。
【図7】本発明による通信システムの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
110…アンテナ、301…シリアル/パラレル変換器、303…符号化器、305…ビット−信号マッパー、307…STBC符号化器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号化された直交伝送ダイバーシティ(coded orthogonal transmit diversity)方式を用いた通信のための装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、時空間符号化が注目されている。時空間符号化(Space−time coding)方式には、時空間ブロック符号化(STBC)と時空間トレリス符号化(STTC)という2つの基本的なクラスがある。建物内等のマルチパス(フラット)レイリーフェーディング環境においては、送信側に複数のアンテナを設け、これらのアンテナから適切に符号化された信号を送信することで、STBCおよびSTTCのいずれによってもダィバーシティ(分散性)を達成することができる。
【0003】
複数のアンテナを送信側に設けることは、ベースステーション(アクセスポイント)から携帯端末への通信のような無線LANシステムのダウンリンクにとって非常に望ましいことである。これは、送信側のアンテナの数を増加させることで、同じ機能性レベル(ビット誤り率)を達成するために必要となる携帯端末でのアンテナ数を低減できるためである。すなわち、ダイバーシティは積nTnRに比例して向上するものであり、nTは送信側のアンテナ数、nRは受信側のアンテナ数である。RF及びベースバンド用アナログ部品の必要個数はアンテナの数に比例して線形的に増加する。したがって、アンテナの数を削減することにより、携帯端末でのコストを大きく削減することができる。さらに、変調され時空間符号化された信号の受信側での再生は容易であるため、STBCや直交伝送ダイバーシティ(OTD)によるダイバ−シティは特に有効性が高い。
【0004】
最近では、アラモッティにより提案されたOTDは、外的誤り訂正符号化、直交周波数分割多重(OFDM)あるいは両者の組み合わせを適用することで、一般化がなされてきた。さらに、アラモッティのOTD方式は3GPP(The Third Generation Partnership Project)物理レイヤー仕様に採用されている。一例として、図1に、ビットインターリーブされた符号化変調(BICM)を用いた符号化OTD(COTD)システムを示す(G. Caire, G. Taricco, and E. Biglieri, ”Bit−interleaved coded modulation”, IEEE Trans. Info. Theory, Vol. 44, No. 3, pp.927−946, May 1998)。
【0005】
図1に示すCOTDシステムはビットインターリーブされた符号化変調を行うもので、符号化器101、符号化されたビットの順列置換を行うインターリーバー103、シリアル/パラレル変換を行う変換器105、変調器107a、107b、及び時空間ブロック(STBC)符号化器109を備えている。
【0006】
これら従来の研究結果は符号化(時間ダイバーシティ)、周波数ダイバーシティ(OFDM)およびOTDの組み合わせを扱ったものであり、従来の通信システムと同じように、1対1のベースで各構成変調シンボルをそれぞれ独立して処理している。したがって、単一アンテナシステムに対する従来の符号化と変調方式とが適用されていた。このようなアプローチを大きく変えたのはイオネスク他およびシワモガササム他である(D.M. Ionescu, K.K. Mukkavilli, Z. Yan and J. Lillerberg, ”Improved 8− and 16−state Space−Time Codes for 4PSK with Two Transmit Antennas,” submitted to IEEE Comm. Letters, 2001; S. Siwamogsatham and M. P. Fitz, ”Improved High−Rate Space−Time Trellis Codes viaOrthogonality and Set Partitioning,” Proc. WPMC 2001, pp. 1439−1444, Aalborg, Denmark, Sep. 9−12, 2001)。両論文では、OTDのための内的STBCのカーディナリティ(Cardinarity)を増加させることに着目している。両論文は、ディバサラーとシモン(D. Divsalar and M. K. Simon, ”The Design of Trellis Coded MPSK for Fading Channels: Set Partitioning for Optimum Code Design,” IEEE Trans. Comm., vol. 36, no. 9, pp. 1013−1021, Sep. 1988; D. Divsalar and M. K. Simon, ”Multiple Trellis Coded Modulation (MTCM),”IEEE Trans. Comm., vol. 36, no. 4, pp. 410−419, April 1988)によって提案された方法を追求し、複数の変調信号集合の集合分割によって与えられるトレリス符号化を用いた結果を発表した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記従来の技術を鑑みてなされたものである。誤り訂正符号化と伝送ダイバーシティ(transmit diversity)とを組み合わせた通信システム、方法あるいは送信装置を提供することが望ましい。さらに、拡張したアラモッティ集合に適用されるマルチレベル符号化方式に必要な冗長ビットを生成可能な通信システム、方法あるいは送信装置を提供することが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の一実施形態の特徴の一つは、マルチレベル符号化と、内在する変調信号集合とそれ自身の直積(S×S)についての集合分割とを適用したことにある。A×Bで表される2つの集合Aと集合Bの直積は、すべての順序対の要素(a、b)からなる集合と等しい。ここでa∈A、b∈Bである。本実施形態では、マルチレベル符号化方式として、例えばワッツマン他によって提案されたものを採用しても良い(Wachsmann, R. F. H. Fischer and J. B. Huber, ”Multilevelcodes: theoretical concepts and practical design rules,” IEEE Info. Theory, vol. 45, no. 5, pp. 1361−1391, July 1999)。
【0009】
本発明の他の実施形態によれば、送信装置と受信装置とを含む通信システムが提供される。前記送信装置は、伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、処理部とを備える。本実施形態においては、時空間ブロック(Space−Time Block)符号化された信号が2つのアンテナ素子から出力される。前記処理部は、前記受け付けたメッセージのメッセージビットに対してマルチレベル符号化を行う第1の符号化器と、前記符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを行うマッパー(マッピング部)と、前記マッピングによる信号に対して時空間ブロック符号化を行う第2の符号化器とを備える。前記ビット−信号マッピングは、変調信号集合とそれ自身の直積(Cartesian product)の集合分割(set partitioning)を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップ(constellationbit−to−signal map)を用いる。
【0010】
本発明のさらに他の実施形態によれば、送信装置が提供される。本送信装置は、伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、前記受け付けたメッセージのメッセージビットを符号化する第1の複数の符号化器と、前記第1の複数の符号化器へ前記入力部で受け入れたメッセージのメッセージビットを前記第1の複数の符号化器へ分配するシリアル/パラレル変換部と、前記符号化されたメッセージビットを前記第1の複数の符号化器から受け付け、ビット−信号マッピングをおこなうマッピング部と、前記マッピングされた信号を受け付け、符号化する第2の符号化器と、前記第2の符号化器で符号化された信号を送信する2つのアンテナ部とを備える。前記第1の複数の符号化器は、誤り訂正符号を提供するために、前記メッセージビットにマルチレベル符号化を適用し、前記マッピング部は、拡張したアラモッティ集合を用いたコンスタレーション・ビット−信号マップを用い、前記第2の符号化器は、前記マッピングされた信号に時空間ブロック符号化を適用する。
【0011】
本発明のさらに他の実施形態によれば、送信装置が提供される。本送信装置は、伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、時空間ブロック符号化信号を出力する処理部とを備える。前記時空間ブロック符号化された信号は2つのアンテナ素子から出力される。前記処理部は、前記受け付けたメッセージのメッセージビットに対してマルチレベル符号化を行う第1の符号化器と、前記符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを行うマッパーと、前記マッピングによる信号に対して時空間ブロック符号化を行う第2の符号化器とを備える。前記ビット−信号マッピングは、変調信号集合とそれ自身の直積の集合分割を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップを用いる。
【0012】
上記実施形態においては、前記第1の符号化器は複数の符号化器から構成されていることが好ましい。また、前記変調信号集合は、M−PSKおよびM−QAMのいずれか一方であり、Mが当該変調信号集合におけるシンボルの数であることが好ましい。
【0013】
前記ビット−信号マッピングは、拡張したアラモッティ集合(Alamouti set)を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップを用いても良い。また、前記拡張したアラモッティ集合は、拡張していない元来のアラモッティ集合を対角ユニタリ行列を用いた線形変換による拡張処理によって生成されたものであっても良い。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態によれば、通信方法が提供される。本通信方法では、(1)送信するべきメッセージビットに誤り訂正符号化を行い、(2)前記符号化したメッセージビットに対して、拡張したアラモッティ集合を用いたコンスタレーション・ビット−信号マッピングを行い、(3)前記マッピングされた信号に時空間ブロック符号化を行い、(4)前記時空間ブロック符号化された信号を2つのアンテナ素子から送信する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。本発明の実施の形態の説明に先立ち、アラモッティによる直交伝送ダイバーシティ方式(OTD)の概略を説明する。その後、本実施形態における符号化された直交伝送ダイバーシティ(COTD)システムの例を説明する。
(1)アラモッティによるOTD方式
アラモッティは、2つのアンテナによる最大比合成受信ダイバーシティと同等のダイバーシティを達成することができる簡便な2伝送アンテナ方式を提案してい(S.M. Alamouti, ”A Simple Transmit Diversity Technique for Wireless Communications,” IEEE JSAC, vol. 16, no. 8, pp. 145 1−1458, Oct. 1998)。
【0016】
図2は2アンテナ伝送ダイバーシティシステムのブロック図である。本例の2アンテナ伝送ダイバーシティシステムは送信装置と受信装置とを備えている。この送信装置は、時空間ブロック符号化器201と、アンテナ110a、110bとを備えている。また受信装置は、時空間ブロック復号器207と1本のアンテナ210とを備えている。
【0017】
X1とX2を、送信されるべき2つの情報をそれぞれ含む複素ベースバンドシンボルとする。本実施形態では、M−PSKやM−QAM等の線形変調を仮定している。アラモッティの方式では、対(X1、X2)は以下の2×2時空間行列へ変換される。
【0018】
【数1】
【0019】
ここで、X*は複素数共役である。
【0020】
Tをシンボルの長さとすると、伝送レートは1/T baud(あるいはシンボル/秒)となる。行列Ω(X1、X2)は信号が送信される場合の時間的・空間的な順序を定義する。一対のシンボル(X1、X2)が対応する時間間隔が2kT〜(2k+1)Tで、kが整数である場合、シンボルX1、−X2 *は第1のアンテナ110aから送信され、シンボルX2、X1 *は第2のアンテナ110bから送信される。
【0021】
また代わりに、シンボルX1、X2を第1のアンテナ110a、第2のアンテナ110bからそれぞれ送信し、シンボル−X2 *、X1 *を第1のアンテナ110a、第2のアンテナ110bからそれぞれ送信してもよい。
【0022】
送信は、2つのシンボルの時間間隔の間は変化しないフラットなレイリーフェ−ディング通信路220において行われるものとする。これはブロックフェ−ディング通信路として知られるもので、空間的なフェ−ディングを表す複素フェ−ディングゲインA1とA2の乗法的な通信路としてモデル化されている。これら2つの通信路は第1のアンテナ110a、第2のアンテナ110bから受信装置の単一のアンテナ210までのそれぞれの通信路に対応する。
【0023】
時間間隔2kT〜(2k+1)Tにおいて受信されたシンボルY1、Y2は以下の数式により与えられる。
【0024】
【数2】
【0025】
ここで、N1、N2は分散σ2=N0/2を備えるゼロ平均の複素ガウスランダム変数である。ここで、時間的なノイズはN1、N2としてモデル化される。
【0026】
受信側では、複素通信路ゲインA1、A2が推定され、以下の上2式のように推定された通信路ゲインと受信したシンボルとの線形合成が求められる。
【0027】
【数3】
【0028】
受信されたシンボルS1(またはS2)は、上記数式(3)の最後の式で定義される決定ルールに従った最尤検出器へ送られる。すなわち、上記最後の式が満足される場合に限り、∧X1=S(又は∧X2=S)を満足するシンボルを選択する。ここでSは、例えばM−PSKやM−QAMなどの変調信号の集合である。
(2)マルチレベルCOTD方式
本実施形態において、符号化されたOTD(COTD)に使用する拡張された信号集合の構成要素となるのはアラモッティ集合、A=S×Sである。アラモッティ集合は、上記数式(1)で定義された形式の2×2時空間行列の要素からなる。上述したイオネスク他およびシワモガササム他の文献に開示されているように、要素となるOTD信号集合Aのカーディナリティは、外的誤り訂正符号化(ECC)方式に必要となる冗長度を提供するために拡張されている。本実施形態によれば、アラモッティ方式のダイバーシティにおける全ての利点が維持できるだけでなく、この外的ECC方式により追加的な符号化ゲインが達成できる。
【0029】
図3は、本実施形態によるマルチレベルCOTD符号化器およびそれを含む送信装置の模式的なブロック図である。本実施形態では、L個の要素符号を用いたマルチレベル符号化変調処理が実施される。
【0030】
本実施形態によるマルチレベルCOTD符号化器/送信装置は、シリアルメッセージビットを受信しパラレルに変換するシリアル/パラレル変換器301と、シリアル/パラレル変換器301から提供されるメッセージビットに対してマルチレベル符号化を適用する複数の符号化器3031−303Lと、符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを実施するマッパ−305と、マップされた信号に対し時空間ブロック符号化を適用するSTBC符号化器307と、時空間ブロック符号化された信号を送信する2つのアンテナ素子110a、110bとを備えている。本実施形態においては、ビット−信号マッピングとして、同じ変調信号集合同士の直積についての集合分割を利用したコンスタレーションビット−信号マップを用いている。
【0031】
本実施形態によるマルチレベルCOTD符号化器/送信装置は、さらに、アンテナ素子110a、110bから送信するために、STBC符号化器307から出力された信号を予め定めた搬送波周波数の送信信号に変換するためのRF部を備えていても良い。
【0032】
なお、アラモッティ集合の任意の要素であるΩ(S1、S2)∈Aは自己直交(self orthogonal)である。言い換えれば、以下のような特徴を備えている。
【0033】
【数4】
【0034】
ここで、AHは行列Aの転置共役(あるいハミルトニアン)であり、Iは2×2単位行列である。
【0035】
以下の線形変換は容易に示すことができる(S. Siwamogsatham and M. P. Fitz, ”Improved High−Rate Space−Time Trellis Codes via Orthogonality and Set Partitioning,” Proc. WPMC 2001, pp. 1439−1444, Aalborg, Denmark, Sep. 9−12, 2001)。
【0036】
【数5】
【0037】
ここで、GおよびHは2×2対角ユニタリ行列であり、上記式により他のアラモッティ集合を生成する。例えば、行列Hとして単位行列を選択し、行列GとしてG∈Φを満足するものを選択することが出来る。Φは以下の式で定義される。
【0038】
【数6】
【0039】
本実施形態をさらに説明するために、Φの最初の4つの要素(上記数式(6)の一番上の行)の選択について考えると、以下のアラモッティ集合が得られる。
【0040】
【数7】
【0041】
【数8】
【0042】
【数9】
【0043】
【数10】
【0044】
ここでΩiは、Φのi番目の要素とΩ(S1、S2)との乗算の結果を示している。これにより、カーディナリティ|Ωs|=4×|Ω|2の上位集合(Superset)Ωs={Ω0、Ω1、Ω2、Ω3}が生成される。この結果、誤り訂正符号化方式によって使用される冗長度のための2ビットが利用可能となる。
【0045】
図4にマッパ−305の一例を示す。本例においてマッパ−305は、符号化器3031〜303L−1からの符号化出力に応じて、上位集合からコセット(Ωj)の一つを選択するためのセレクタ402と、符号化器303Lからの2Nm個の出力を受け付けるシリアル/パラレル変換器404と、STBC符号化器307へシンボルを提供するためのM−ary変調器406、408とを備える。ここでm=log2(M)である。セレクタ402で選択されたコセットに従い、STBC符号化器307で使用されるべきアラモッティ集合が決定される。
【0046】
図5はΩsに基づく信号分割の具体例を示す。例えば、QPSK変調が採用された場合には、S={+1、−1、ejπ/2、ej3π/2}となり、|Ωs|=4×16=64となる。ラベルビットb0、b1によりサブセットΩi⊂Ωsが選択される。ここでi=2b1+b0である。これらのラベルビットはC0およびC1で示されている2つの誤り訂正符号の符号語から取られたものである。この結果、これら2つのレベルにあるサブセット列の間のハミング距離およびユークリッド距離の2乗は両方とも増加する。
【0047】
選択されたサブセットΩi⊂Ωsの中での信号対の選択は、C2で示される第3の符号を使用する符号化ビットにより実行される。本実施形態によれば、拡張されていない元来のアラモッティ集合のダイバーシティ特性は維持され、追加的な符号化ゲインが達成される。
【0048】
図6は、レートk0/N、k1/N、k2/(2log2(M)N)のブロック符号を用いた3レベルCOTD方式による符号化器構成の一例を示す。図6の符号化器は、シリアル/パラレル変換器301aと、符号化器303a1〜303a3と、マッパ−305aと、STBC符号化器307aとを備えている。
【0049】
一般的に、線形M−ary変調では、図6に示したものと同様な3レベルCOTD方式における全体の符号化率Rcは以下のように決められる。
【0050】
【数11】
【0051】
ここでMは内在する信号集合に含まれているシンボルの個数であり、例えばQPSK変調ではM=4である。2N個のシンボル全体に対しては、マッピングと時空間ブロック符号化により、全体でN個のシンボル対が生成される。この結果、シンボル毎のビットの個数ηは以下の式で表される。
【0052】
【数12】
【0053】
また、マルチレベルCOTD方式において、元来のアラモッティによるOTDと少なくとも同じNBPS(ビット数/シンボル)を持つようにするには、以下の条件を満足することが必要である。
【0054】
【数13】
【0055】
一例としてQPSK変調の場合を検討する。本例では、N=3、C0及びC1を2つの(3、1、3)繰り返し符号とし、C2を情報位置のいずれか1つを常に0と等しくすることで単一パリティチェック符号から得られる(12、10、2)符号とする。したがって、符号化率Rc=12/18およびη=12/6=2ビット/シンボルである。本COTD方式は、4状態トレリス符号と同じダイバーシティ及び符号化ゲインの向上が得られるだけでなく、さらに符号化の複雑性が軽減される。
【0056】
より密度の高い信号集合(例えば8−PSK、16−QAM)に対するマルチレベルCOTDも、上述した方法と同様な方法により設計することが出来る。4以上の符号化レベルも必要であれば使用することが出来るが、これに対応して符号の設計も複雑になる。
【0057】
さらに、本実施形態によるマルチレベルCOTDは元々ブロック指向であるため、例えばターボ符号や低密度パリティチェック符号(LDPC)等、大容量処理が可能な符号化方式の要素部分として適用して、最大限の性能を達成することが出来る。
【0058】
上述した実施形態によれば、誤り訂正符号化および伝送ダイバーシティとを組み合わせた新規な構成が提供される。アラモッティ集合は対角ユニタリ行列を用いた線形変換によって拡張される。この拡張によって、該拡張されたアラモッティ集合に適用されるマルチレベル符号化方式に必要とされる冗長ビットが生成される。本発明によれば、従来の符号化方式に比べて、誤り訂正性能と復号処理の複雑さとの間の卓越したトレードオフが実現される。さらに、マルチレベル符号化は、付加的白色ガウスノイズ(AWGN)通信路にわたって通信路容量を達成することが知られている。
【0059】
本発明によるマルチレベルCOTD方式は様々な無線通信システムに適用することができる。図7には、本発明の一実施形態により無線通信システムの一例を示す。本例の無線通信システムは、本発明のマルチレベルCOTD方式を利用した屋内利用向けのものである。
【0060】
本通信システムは、電波を介して音声及び画像データを送信する2本のアンテナ703、704を備えたベースステーション700と、該電波を受信するためのアンテナ713を備えた携帯ユニット710とを備えている。ポータブルユニット710は、当該携帯ユニット710の視聴者へ向けて音声及び画像データを出力する。携帯ユニット710のアンテナ713は、携帯機器として利点を最大限に生かすために、ビルトインアンテナとすることが望ましい。
【0061】
ベースステーション700は、TV放送信号を受信し、TVチャンネルの1つにチューニングするTV受信/チューナ部701と、チューニングしたTVチャンネルから再生した音声および画像データを符号化し、該符号化したデータをアンテナ703、704から送信する符号化/送信部702とを備えている。符号化/送信部702は、本発明によるマルチレベルCOTD方式を用いて、無線通信のために音声および画像データを符号化する。
【0062】
携帯ユニット710は、アンテナ703、704から送信されてきた電波を受信するアンテナ713と、アンテナ713からの出力を受信し、該出力を復号して音声および画像データを再生する受信/復号部712と、再生された音声および画像データを表示・出力する表示/出力部711とを備えている。なお、本実施形態において、ベースステーション700から送信されてきたデータが携帯ユニット710で適切に復号されるよう、受信/復号部712に使用されている復号方式が符号化/送信部702で使用されたマルチレベルCOTD方式に対応しているものであれば、受信/復号部712の具体的構成は特に限定されるものではない。
【0063】
拡張したアラモッティ集合にマルチレベル符号化を適用した本実施形態によれば、誤り訂正符号化および伝送ダイバーシティの両方を組み合わせ、これを無線通信システムに利用することができる。本実施形態によれば、符号化ゲインだけでなくダイバーシティゲインも提供することが出来る。さらに、マルチレベルCOTD方式は直交伝送ダイバーシティ方式と同じダイバーシティ・ファクターを生じさせるだけでなく、所定の性能(ビット誤り率)を達成するために必要とされるパワーを削減することを意味する符号化ゲインを提供することができる。さらにまた、本無線通信システムに適用されているマルチレベル符号によれば、受信側の装置構成における複雑さを、結果として低減することができる多段型の復号化が可能になるという利点がある。
【0064】
本発明の他の実施形態によれば、階層的なソースの符号化を図7に示すような無線通信システムにおいて実施できる。本実施形態の階層的ソース符号化では、要求されるデータ品質に応じて異なるレベルの誤り防止策が実施される。例えば、ある画像データが、視聴者にとって必要最低限で、ノイズ及び/又は誤りに対してもっとも強く防御されるべきベース解像度(basic definition)と定義された場合、誤りに対して最も強い符号を符号化に使用する。また、前記ベース解像度に比較してあまり本質的ではないが追加的な情報となる高解像度(high definition)の場合には、誤りに対して保護の度合いがより低い符号を使用することができる。
【0065】
本実施形態によるマルチレベルCOTD方式におけるマルチレベル符号化は、誤りに対して異なる強さの防御方式を用いる情報提供に利用することができる。したがって、現存する無線通信システムにおいて、例えば誤りに対して最も防御されている符号(シンボル過多によるダイバーシティ)をベース解像度の情報に割り当て、比較的誤りに対して弱い防御の符号(ECCの適用によるダイバーシティ)を高解像度情報へ割り当てることによって、本実施形態による階層的ソース符号化を容易に達成することができる。なお、本実施形態のように誤りに対する異なる度合いの防御を、トレリス符号マッピング方式を用いて実現するのは難しい。
【0066】
また、図7に示す本実施形態の無線通信システムにおけるベースステーション700は、さらに、誤りに対して異なる度合いの防御を実施する符号化のための複数の符号化器からなる構成と、携帯ユニット710の位置あるいは携帯ユニット710で受信される信号の品質を検出する検出器と、該検出結果に応じて符号化方式を切替える切替えスイッチとを備えても良い。例えば、携帯ユニット710の位置あるいは携帯ユニット710で受信状態に応じて、実施すべき符号化方式を切替えても良い。
【0067】
上記構成によれば、屋内環境のように、ベースステーション700と携帯ユニット710とがマルチパスフェ−ディング環境において離間配置されている場合でも、最も強く防御されている符号を用いて送信された情報を適切に再生することが可能になる。したがって、非常に悪い送信環境においても、送信されてきた情報の少なくとも一部を再生したり、表示/出力が全く無くなるような状況を避けることが可能となる。
【0068】
本発明のさらに他の実施形態によれば、本発明によるマルチレベルCOTD方式の構成を二重にすることで、ダイバーシティを2倍にすることができる。例えば、上述したCOTD方式の構成を独立して2組設け、各組に2つの送信アンテナと単一の受信アンテナを含むようにしても良い。
【0069】
本発明のさらに他の実施形態によれば、ダイバーシティを増加するために受信側のアンテナ数を増やすことができる。本実施形態の携帯ユニット710は、複数の受信アンテナと、これら受信アンテナからの出力を合成する合成器とを備えている。合成器としては、例えば等価ゲイン合成器(equal gain combiner)、最大率合成器(maximum ratio combiner)、選択合成器(selector combiner)など、様々な合成器を用いることができる。
【0070】
以上、本発明をある程度の独自性を加味して好適な実施形態により説明したが、本発明においては他の修正、変形、組合せ、準組合せなどが可能である。したがって、本発明の範囲から逸脱せずに、上述した特定の説明とは異なった方法で変更が実施できることは云うまでもないことである。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、誤り訂正符号化と伝送ダイバーシティとを組み合わせた通信システム、方法あるいは送信装置を提供することができる。さらに本発明によれば、拡張したアラモッティ集合に適用可能なマルチレベル符号化方式に必要な冗長ビットを生成できる通信システム、方法あるいは送信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビット−インターリーバーによる符号化直交伝送ダイバーシティを用いた送信装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】2アンテナ伝送ダイバーシティによる通信システムの概略を示すブロック図である。
【図3】本発明の一実施形態によるL要素符号を使用するマルチレベル符号化変調を用いたCOTD方式のブロック図である。
【図4】拡張したS×Sコンスタレーション・ビット−信号マッパ−の一例を示す説明図である。
【図5】アラモッティ集合Aの線形変換におけるΩSの分割を示す説明図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるQPSK変調を用いたマルチレベルCOTDのブロック図である。
【図7】本発明による通信システムの一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
110…アンテナ、301…シリアル/パラレル変換器、303…符号化器、305…ビット−信号マッパー、307…STBC符号化器。
Claims (9)
- 送信装置と受信装置とを含む通信システムにおいて、
前記送信装置は、伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、処理部とを備え、
前記処理部は、
前記受け付けたメッセージのメッセージビットに対してマルチレベル符号化を行う第1の符号化器と、
前記符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを行うマッパーと、
前記マッピングされた信号に対して時空間ブロック符号化を行う第2の符号化器とを備え、
前記時空間ブロック符号化された信号は2つのアンテナ素子から出力されるものであり、
前記ビット−信号マッピングは、変調信号の集合とそれ自身の直積についての集合分割を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップを用いることを特徴とする通信システム。 - 伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、
前記受け付けたメッセージのメッセージビットを符号化する第1の複数の符号化器と、
前記第1の複数の符号化器へ前記入力部で受け入れたメッセージのメッセージビットを分配するシリアル/パラレル変換部と、
前記符号化されたメッセージビットを前記第1の複数の符号化器から受け付け、ビット−信号マッピングをおこなうマッピング部と、
前記マッピングされた信号を受け付け、符号化する第2の符号化器と、
前記第2の符号化器で符号化された信号を送信する2つのアンテナ部とを備え、
前記第1の複数の符号化器は、誤り訂正符号を提供するために前記メッセージビットにマルチレベル符号化を適用し、
前記マッピング部は、拡張したアラモッティ集合を用いたコンスタレーション・ビット−信号マップを用い、
前記第2の符号化器は、前記マッピングされた信号に時空間ブロック符号化を適用することを特徴とする送信装置。 - 伝送されるべきメッセージを受け入れる入力部と、処理部とを備え、
前記処理部は、
前記受け付けたメッセージのメッセージビットに対してマルチレベル符号化を行う第1の符号化器と、
前記符号化されたビットに対してビット−信号マッピングを行うマッパーと、
前記マッピングによる信号に対して時空間ブロック符号化を行う第2の符号化器とを備え、
前記時空間ブロック符号化された信号は2つのアンテナ素子から出力されるものであり、
前記ビット−信号マッピングは、変調信号の集合とそれ自身の直積についての集合分割を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップを用いることを特徴とする送信装置。 - 前記ビット−信号マッピングは、拡張したアラモッティ集合を利用したコンスタレーション・ビット−信号マップを用いることを特徴とする請求項3記載の送信装置。
- 前記拡張したアラモッティ集合は、拡張していないアラモッティ集合を対角ユニタリ行列を用いた線形変換により拡張生成されることを特徴とする請求項4記載の送信装置。
- 前記変調信号集合は、M−PSKおよびM−QAMのいずれか一方であり、Mは当該変調信号集合におけるシンボルの数であることを特徴とする請求項3記載の送信装置。
- ベースステーションと、該ベースステーションと無線通信を行う携帯ユニットとを備えるシステムにおいて、
前記ベースステーションは請求項3記載の送信装置を備えていることを特徴とするシステム。 - 送信するべきメッセージビットに誤り訂正符号化を行い、
前記符号化したメッセージビットに対して、拡張したアラモッティ集合を用いたコンスタレーション・ビット−信号マッピングを行い、
前記マッピングされた信号に時空間ブロック符号化を行い、
前記時空間ブロック符号化された信号を2つのアンテナ素子から送信することを特徴とする通信方法。 - 前記拡張したアラモッティ集合は、当該拡張したアラモッテイ集合に適用されるマルチレベル符号化方式に必要となる冗長ビットを生成することを特徴とする請求項8記載の通信方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR100913873B1 (ko) | 2004-09-13 | 2009-08-26 | 삼성전자주식회사 | 고속 전송률을 가지는 차등 시공간 블록 부호 장치 및 방법 |
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- 2002-10-04 JP JP2002292952A patent/JP2004129082A/ja active Pending
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