JP2004127015A - データ利用装置およびデータ利用方法、データ利用プログラム、ならびにこれを記録した記録媒体 - Google Patents

データ利用装置およびデータ利用方法、データ利用プログラム、ならびにこれを記録した記録媒体 Download PDF

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Masashi Hirozawa
広沢 昌司
Yoshihiro Kitamura
北村 義弘
Keisuke Iwasaki
岩崎 圭介
Katsuhiko Sato
佐藤 克彦
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Abstract

【課題】データの不正利用を防止することができるデータ利用装置およびデータ利用方法、データ利用プログラムならびにこれを記録した記録媒体を提供する。
【解決手段】プレイヤ70aは、現在接続されているIDカード73aから得られるID情報と記録するコンテンツデータ82aとを対応付けた状態で記録する。このコンテンツデータ82aを利用する場合には、CK75aが、現在接続されているIDカード73aから得られるID情報と利用したいコンテンツデータ82aとの対応関係がフォルダ74aに存在するか否かについて判定する。ここで、存在すると判定された場合には、コンテンツデータ82aの利用を許可し、存在しないと判定された場合には、コンテンツデータ82aの利用を禁止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データの参照、再生、コピー等を実行するデータ利用装置等に関するものであって、特に、データの不正利用を防止するデータ利用装置およびデータ利用方法、データ利用プログラムならびにこれを記録した記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、音楽や画像、映像、電子書籍等のコンテンツデータをサーバ等からダウンロードし、再生する等して利用可能な再生装置がある。このような再生機器としては、例えば、携帯電話や携帯型プレーヤ、あるいは再生プログラムや再生デバイスを有するコンピュータ等がある。
【0003】
また、これらの再生装置に外部記憶装置を接続できるスロットやコネクタ等があり、再生装置内のコンテンツデータを外部記憶装置に移動やコピーしたり、あるいは逆に外部記憶装置中のコンテンツデータを再生装置内に移動やコピーしたりすることができるものがある。
【0004】
ここで、コンテンツデータの不正利用を防止するために、再生装置から外部記憶装置に対するコンテンツデータの移動やコピーを行う場合には、その機器のID等を利用してコンテンツデータを暗号化し、外部記憶装置から再生装置に対するコンテンツデータの移動やコピーを行う場合には、その再生装置のID等を利用して暗号化されたコンテンツデータを復号化することが行われている。これにより、元々コンテンツデータを保持していた再生装置あるいは外部記憶装置でしか、外部記憶装置あるいは再生装置上のコンテンツデータを利用できないようになっている。
【0005】
なお、再生装置のIDは、再生装置内部に埋め込まれている場合が多いが、IDカード等の外部機器に記録しておき、IDカードを再生装置に接続することで、再生装置のIDとする場合もある。
【0006】
例えば、携帯電話に適用した場合には、このIDを電話番号と対応付けているため、他の携帯電話に自分のIDカードに対応する電話番号をコピーした後、自分のIDカードをその他の携帯電話に接続すれば、その携帯電話を自分の電話番号で使用することができる。
【0007】
また、記録メディア等の外部記憶装置にIDを持たせた場合には、この外部記憶装置にコンテンツデータを記録する際に、この外部記憶装置のIDを利用してコンテンツデータを暗号化し、外部記憶装置からコンテンツデータを利用する際に、この外部記憶装置のIDを利用して暗号化されたコンテンツデータを復号化して利用することができる。
【0008】
なお、このような暗号化および復号化は、外部記憶装置の外部で行われる。通常は、専用の読み込み/書き込み装置が用いられており、例えば、携帯型プレイヤ等にこの復号化機能が内蔵されている。
【0009】
このため、このような外部記憶装置を用いた場合には、復号化機能を内蔵する全ての再生装置によって、コンテンツデータを再生することができる。
【0010】
また、この外部記憶装置中の暗号化されたコンテンツデータを、他の外部記憶装置にコピーして再生しようとしても、IDが異なっているため、コピー先の外部記憶装置に保存された暗号化されたコンテンツデータを復号化して再生することはできない。これにより、コンテンツデータの不正利用を防止することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したIDカード等の外部記憶装置を用いた従来のデータ利用装置は、以下に示すような3つの問題点を有している。
【0012】
第1の問題点としては、コンテンツデータを不正にコピーして利用することができることが挙げられる。
【0013】
この問題が発生する手順について、図20〜図26を用いて以下で説明する。
【0014】
外部のコンテンツデータサーバ(Content Data Server)101から、プレイヤ(データ利用装置)100にデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータを利用する場合には、図20に示すように、この状態で、スピーカやディスプレイ等の出力装置(Output Device)103を使って、コンテンツデータ(プレーン)102を再生(利用)することができる。なお、ダウンロードしたコンテンツデータ102は、ここでは暗号化されないプレーンな状態で記録されているものとする。
【0015】
そして、上記ダウンロードしたコンテンツデータ102をデータカード(外部記憶装置:Data Card)105に移動あるいはコピーする場合には、図21に示すように、コンテンツデータ102が、IDカード(ID情報機器)104から得られるID情報を用いて、暗号化手段(Encrypt)106によって暗号化される。そして、暗号化されたコンテンツデータ(暗号化)107は、データカード105に移動あるいはコピーされる。なお、コンテンツデータ102をデータカード105に移動させた場合には、プレイヤ100内のコンテンツデータ102は削除される。
【0016】
続いて、データカード105から他のデータカード110に対してコンテンツデータ107をコピーする場合には、図22に示すように、プレイヤ100内にコンテンツデータ102は無く、暗号化されたコンテンツデータ107・111が、データカード105とデータカード110とに存在する。
【0017】
さらに、データカード105中のコンテンツデータ107をプレイヤ100内に移動あるいはコピーする場合には、図23に示すように、データカード105中のコンテンツデータ107は、図21に示すIDカード104を用いて暗号化されたものである。よって、IDカード104が接続されたプレイヤ100における復号化手段(Decrypt)112によって、暗号化されたコンテンツデータ107を復号することができる。なお、コンテンツデータ107をプレイヤ100に移動させた場合には、データカード105内のコンテンツデータ107は削除される。
【0018】
続いて、図24に示すように、プレイヤ100内のコンテンツデータ(プレーン)113は再生可能である。そして、データカード110中には、暗号化されたコンテンツデータ111が残されたままとなる。
【0019】
次に、プレイヤ120にIDカード104を接続して、データカード110中のコンテンツデータ111をプレイヤ120内に移動あるいはコピーする場合には、図25に示すように、IDカード104はプレイヤ100から外されて、プレイヤ120に接続される。
【0020】
ここで、データカード110中のコンテンツデータ111は、図21でIDカード104を用いて暗号化されたものをコピーしたものであるため、IDカード104が接続されたプレイヤ120における復号化手段(Decrypt)121によって復号することができる。なお、上記と同様に、コンテンツデータ111をプレイヤ120に移動させた場合には、データカード110内のコンテンツデータ111は削除される。
【0021】
よって、図26に示すように、プレイヤ100、プレイヤ120の両方において、同じ情報であるコンテンツデータ113・122が同時に再生できてしまうことになる。すなわち、この状態が、第1の問題点であって、コンテンツデータが不正にコピーされて利用されてしまうことが可能であることを意味している。
【0022】
第2の問題点としては、あるデータ利用装置にダウンロードしたデータを、ダウンロードしたユーザとは別のユーザが再生可能となることが挙げられる。
【0023】
すなわち、まず、図20に示すように、プレイヤ100にユーザAのIDカード104を接続して、コンテンツデータ102をダウンロードしたものとする。ここで、IDカード104を持つユーザAがプレイヤ100にダウンロードしたコンテンツデータ102は、図27に示すようにプレーンな状態であって、暗号化等の処理がされていない。よって、コンテンツデータ102を、IDカード123を持つ別のユーザBが再生することが可能となる。
【0024】
これは、上述した第1の問題点とは異なり、同時に複数のプレイヤで再生できる訳ではないが、コンテンツデータの提供元がユーザを限定した利用を強制したい場合等には、このような第三者の利用を防止できないことから問題となる。
【0025】
第3の問題点としては、ダウンロードしたコンテンツデータを別のユーザに譲渡できてしまうことが挙げられる。ここで、この問題が発生する手順について、図28〜図32を用いて説明する。
【0026】
図28に示すように、ユーザAがプレイヤ100にダウンロードしたコンテンツデータ102を、プレイヤ100にユーザBのIDカード123を接続して、データカード105に移動あるいはコピーする場合には、データカード105中のコンテンツデータ107は、ユーザBのIDカード123を用いて暗号化される。
【0027】
すると、プレイヤ100内にはコンテンツデータ102が無くなり、データカード105中に、ユーザBのIDカード123で暗号化されたコンテンツデータ107が記録されている。
【0028】
そして、図30に示すように、別のプレイヤ120に、ユーザBのIDカード123を接続して、データカード105中のコンテンツデータ107をプレイヤ120内に移動あるいはコピーする。
【0029】
データカード105中のコンテンツデータ107は、ユーザBのIDカード123で暗号化されたコンテンツデータであることから、ユーザBのIDカード123が接続されたプレイヤ120を用いて復号化し、利用することができる。
【0030】
なお、この場合、ユーザBのIDカード123は、プレイヤ100から取り外して、プレイヤ120に接続される。なお、コンテンツデータを移動させた場合には、データカード105内のコンテンツデータ107は削除される。
【0031】
すると、図31に示すように、プレイヤ120の中にだけコンテンツデータ122が存在する。
【0032】
このような状態においては、図32に示すように、プレイヤ120にユーザBのIDカード123を接続して、コンテンツデータ122を再生可能となる。
【0033】
これが、第3の問題点であって、ユーザAからユーザBにコンテンツデータを譲渡可能であることを意味する。
【0034】
これについても、上述した1つ目の問題点とは異なり、同時に複数のプレイヤを用いて再生できる訳ではないが、上述した2つ目の問題点と同様に、コンテンツデータの提供元がユーザ間のコンテンツデータの譲渡を制限したい場合等には、これを防止することができないため問題となる。
【0035】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、データの不正利用を確実に防止することができるデータ利用装置およびデータ利用方法、データ利用プログラムならびにこれを記録した記録媒体を提供することにある。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るデータ利用装置は、上記の課題を解決するために、着脱可能なID情報機器と接続されるデータ利用装置であって、データを記録する際において、上記ID情報機器から得られるID情報と記録するデータとを対応付けた状態で記録する対応情報記録手段と、上記記録データを利用する際において、利用したい記録データと現在接続されているID情報機器から得られるID情報との対応関係が、上記対応情報記録手段に対応付けされた状態で記録されたID情報および記録データの中に存在するか否かを判定し、存在する場合には該記録データの利用を許可し、存在しない場合には該記録データの利用を禁止するデータ利用許可手段と、を備えていることを特徴としている。
【0037】
上記の構成によれば、データ利用装置内部にデータを記録する場合において、対応情報記録手段が、ID情報機器から得られるID情報と記録するデータとを対応付けた状態でデータ利用装置内部に記録する。そして、この記録されたデータを利用する場合には、データ利用許可手段が、例えば、上記対応情報記録手段に記録された全てのID情報の中から現在接続されているID情報機器から得られるID情報と一致するID情報を入手し、該ID情報に対応付けされたデータの中に、利用したいデータが存在するか否かについて判定する。
【0038】
ここで、データ利用許可手段が、該ID情報に対応付けされたデータの中に利用するデータが存在すると判定した場合には、当該データの利用を許可し、存在しないと判定した場合には、当該データの利用を禁止する。
【0039】
これにより、データ利用装置内部に記録されているデータを利用するためには、そのデータを記録する時に接続されているID情報機器と同じID情報機器が接続されている必要がある。すなわち、ID情報機器が接続されていない場合や、別のID情報機器が接続されている場合には、データ利用装置に記録されたデータを利用することができない。
【0040】
よって、データを記録した際に用いた特定のID情報を有するID情報機器のユーザだけに利用者を制限することができるとともに、例えば、著作権で保護されているデータや課金されたデータ等の重要なデータを取り扱う場合において、データを暗号化して記録していなくても第三者が不正にデータを利用することを防止できる。
【0041】
なお、記録した際に接続されていたID情報機器を接続した状態でデータを複製した場合には、複数のデータ利用装置の内部に同じデータが存在することがあり得る。しかし、データの記録時に使用したID情報を有するID情報機器は一つしか存在しないため、当該ID情報機器が接続されているデータ利用装置のみで該データを利用することができ、同じデータが複数のデータ利用装置で同時に利用されることを防止できる。
【0042】
また、本発明のデータ利用装置は、所望のデータに対応するID情報を有するID情報機器が利用時に接続されていなければ、所望のデータへのアクセスを禁止することができる。
【0043】
例えば、データ利用装置として携帯電話を用いた場合には、他人の携帯電話を入手しても、ID情報機器を持っていなければ、携帯電話中の電話番号等の情報へのアクセスを禁止することができる。なお、ここでの「アクセス」には、データの存在の有無、データ一覧、コピー、移動、消去、改竄等が含まれる。
【0044】
これにより、他人に対して公開したくないようなデータについてアクセスを禁止することで、プライバシーを保護することができる。
【0045】
なお、データ利用許可手段による判定については、上述したID情報に基づいて対応付けされた記録データを検索して行う方法以外にも、記録データに基づいて対応付けされたID情報を検索して行う方法や、最初から記録データとID情報との対応関係を検索して行う方法であってもよい。
【0046】
上記対応情報記録手段は、上記記録データを対応付けされたID情報毎に分けて記録していることがより好ましい。
【0047】
これにより、データ利用装置内部に記録されたデータを利用する場合において、記録データをID情報毎に分けて記録しているため、データ利用許可手段は、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応するデータ記録領域をチェックするだけで、所望の記録データが存在するか否かを容易に判別できる。
【0048】
データとID情報との対応付け方法として、例えば、ID情報とデータとの対応情報を記録するデータベースを用いた場合には、データベースとして記録するための処理が必要になるが、データの記録領域がID情報毎に分けられているため、ID情報と記録データとの対応付けを容易に行うことができる。
【0049】
この以外にも、例えば、複数のメモリデバイスやHDD(Hard Disk Drive)等の記録メディア/デバイスの単位で分けたり、メモリのアドレスやHDD等のセクタ等の物理的単位で分けたり、あるいはディレクトリやURL(Uniform Resource Locator)等の論理的単位で分けたりしてもよい。
【0050】
上記対応情報記録手段は、複数の階層からなる階層構造のファイルシステムを有していることがより好ましい。
【0051】
これにより、データとID情報との対応付け方法として、複数の階層からなるファイルシステムを用いることで、例えば、ID情報毎に対応するディレクトリを作成し、その下の階層のファイルに該ID情報に対応付けされた記録データを記録することで、ID情報と記録データとを別々に記録することができるとともに、現在接続されているID情報に対応する記録データを容易に検索することができる。また、既存のファイルシステムをそのまま利用して、ID情報と記録データとの対応付けを行うことができる。
【0052】
さらに、各ID情報に対応する記録データの一覧を得る場合には、記録領域がID情報毎に分けられているため、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応するディレクトリ等を開くことで、そのID情報に対応する全ての記録データを得ることができる。よって、その後の記録データに対する処理を簡単にできる。
【0053】
上記データ利用許可手段は、現在接続されているID情報機器から得られたID情報に基づいて、上記対応付けされた記録データを検索することがより好ましい。
【0054】
これにより、現在接続されているID情報が対応情報記録手段に記録されているID情報の中に存在するか否かについて判定した後、存在する場合には、利用したい記録データが該ID情報に対応付けされた記録データの中に存在するか否かについて判定する。これにより、装置の外部からデータ利用装置に記録されたデータに直接アクセスすることはできず、必ず、ID情報を介して間接的にアクセスすることになる。そして、現在接続されているID情報に対応付けされた記録データにだけアクセス可能となる。
【0055】
よって、データを暗号化せずにデータ利用装置に記録している場合でも、特定のID情報を有するユーザのみが所望のデータにアクセス可能となるため、第三者による記録データの不正利用を防止できる。また、記録データを暗号化されていない状態で記録しているため、記録データを利用する度に復号化処理を行う必要がない。よって、記録データの利用処理を高速で行うことができるとともに、専用の復号回路が不要になる。
【0056】
上記記録されたデータを外部に出力する場合には、現在接続されているID情報機器から得られるID情報を用いて上記記録されたデータを暗号化する暗号化手段を有していることがより好ましい。
【0057】
これにより、データ利用装置に記録された所望のデータを外部に出力する場合には、まず、データ利用許可手段が、ID情報と出力する所望のデータとの対応関係に基づいてデータの利用を許可する。そして、暗号化手段が、現在、接続されているID情報機器から得られるID情報を用いて該所望のデータを暗号化した状態で、データ利用装置から外部へ出力する。
【0058】
このように、外部にデータを出力する場合には、現在接続されているID情報機器から得られるID情報を用いてデータを暗号化することで、暗号化に用いたID情報が得られるID情報機器が接続されていない他のデータ利用装置では、暗号化されたデータを復号化して利用することはできない。
【0059】
よって、所望のデータに対応したID情報を有するID情報機器が接続されたデータ利用装置において、他のデータ利用装置等に対してデータのコピー等を行うことは可能である。しかし、コピー等がされた他のデータ利用装置においては、暗号化に用いたID情報を有するID情報機器が接続されていない限り、この暗号化されたデータを復号化することができないため、実質的に、不正コピー/不正利用を防ぐことができる。
【0060】
上記ID情報を用いて暗号化されたデータを外部から受信した場合には、上記データを暗号化する際に用いたID情報を用いて暗号化されたデータを復号化する復号化手段を有していることがより好ましい。
【0061】
これにより、データ利用装置において、暗号化に用いたID情報を有するID情報機器が接続された状態でなければ、受信したデータを復号化して利用することができない。よって、データ利用装置間等における不正コピー/不正使用を防止することができる。
【0062】
本発明のデータ利用方法は、上記の課題を解決するために、着脱可能なID情報機器と接続されるデータ利用装置のデータ利用方法であって、データを記録する場合において、ID情報機器から得られるID情報とデータとを対応付けた状態で記録する第1のステップと、上記記録されたデータを利用する場合において、現在、接続されているID情報機器から得られるID情報と利用するデータとの対応関係が、上記対応情報記録手段に対応付けされた状態で記録されたID情報および記録データの中に存在するか否かを判定する第2のステップと、存在する場合には該データの利用を許可し、存在しない場合には該データの利用を禁止する第3のステップと、を有することを特徴としている。
【0063】
上記の利用方法によれば、データを記録する場合には、第1のステップにおいて、ID情報機器から得られるID情報と記録するデータとを対応付けた状態でデータ利用装置内部に記録する。そして、この記録されたデータを利用する場合には、例えば、第2のステップにおいて、記録している全てのID情報の中から、現在接続されているID情報機器から得られるID情報と一致するID情報を入手し、該ID情報に対応付けされたデータの中に、利用したいデータが存在するか否かについて判定する。そして、第3のステップにおいて、該ID情報に対応付けされたデータの中に利用するデータが存在すると判定した場合には、当該データの利用を許可し、存在しないと判定した場合には、当該データの利用を禁止する。
【0064】
これにより、装置内に記録されているデータを利用するためには、そのデータを記録する時に接続されているID情報機器と同じID情報機器が接続されている必要がある。すなわち、ID情報機器が接続されていない場合や、別のID情報機器が接続されている場合には、データ利用装置に記録されたデータを利用することができない。
【0065】
よって、データを記録した際に用いた特定のID情報を有するID情報機器のユーザだけに利用者を制限することができるとともに、例えば、著作権で保護されているデータや課金されたデータ等の重要なデータを取り扱う場合において、データを暗号化して記録していなくても第三者が不正にデータを利用することを防止できる。
【0066】
なお、記録した際に接続されていたID情報機器を接続した状態でデータを複製した場合には、複数のデータ利用装置の内部に同じデータが存在することがあり得る。しかし、データの記録時に使用したID情報を有するID情報機器は一つしか存在しないため、当該ID情報機器が接続されているデータ利用装置のみで該データを利用することができ、同じデータが複数のデータ利用装置で同時に利用されることを防止できる。
【0067】
また、本発明のデータ利用方法は、所望のデータに対応するID情報を有するID情報機器が利用時に接続されていなければ、所望のデータへのアクセスを禁止することができる。
【0068】
なお、データ利用の可否に関する判定については、上述したID情報に基づいて対応付けされた記録データを検索して行う方法以外にも、記録データに基づいて対応付けされたID情報を検索して行う方法や、最初から記録データとID情報との対応関係を検索して行う方法であってもよい。
【0069】
本発明のデータ利用プログラムは、上記の課題を解決するために、上記データ利用装置が備えている各手段として、コンピュータを機能させることを特徴としている。
【0070】
上記の構成によれば、データの不正利用を防止する機能を有するデータ利用プログラムを得ることができる。
【0071】
また、上記コンピュータに本発明のデータ利用プログラムを実行させることで、該コンピュータをデータ利用装置として利用することができる。
【0072】
本発明のデータ利用装置プログラムは、上記の課題を解決するために、上記データ利用方法が備える各ステップを、コンピュータに実行させることを特徴としている。
【0073】
上記の構成によれば、データの不正利用を防止する機能を有するデータ利用プログラムを得ることができる。
【0074】
また、上記コンピュータに本発明のデータ利用プログラムを実行させることで、該コンピュータをデータ利用装置として利用することができる。
【0075】
本発明のデータ利用プログラムを記録した記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記データ利用プログラムが記録されていることを特徴としている。
【0076】
上記の構成によれば、上記記録媒体またはネットワークを介して、一般的なコンピュータにデータ利用プログラムを実行させることにより、該コンピュータを用いて上記データ利用方法を実現する、つまり、該コンピュータをデータ利用装置として機能させることができる。
【0077】
ここで、上記で説明した各用語の定義について説明する。
【0078】
「データ」は、あらゆる種類のデータが対象となるが、例えば、不正利用されたくないデータ、すなわちユーザのプライベートなデータや、著作権等で保護されているデータ、課金されたデータ等がある。
【0079】
ユーザのプライベートなデータは、例えば、データ利用装置が携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)の場合、電話番号や住所、送受信履歴、メール、スケジュール、メモ等のデータである。
【0080】
「著作権等で保護されているデータ」や「課金されたデータ」としては、例えば、音楽や画像、動画等のいわゆるコンテンツデータや、データ利用装置内で実行可能なプログラム等がある。なお、ユーザのプライベートなデータは、データ利用装置の内部で生成されることが多く、著作権等で保護されるデータは、外部のサーバやデータカード等のデータ利用装置外部から取り込まれる場合が多い。
【0081】
「利用」には、データの読み書きを行う処理、例えば、データの参照、再生、実行や、データ利用装置外部(例えば、ネットワーク先やデータカード等)へのデータの移動、コピー等が含まれる。なお、データ利用装置外部への移動、コピー等を行う際に、ID情報等を用いて暗号化が行われることもある。
【0082】
「ID情報機器」は、何らかの方法でID情報を読み取ることができる機器であればよい。例えば、データ利用装置内部に挿し込む等して組み込んだ形で接続したり、あるいは何らかの通信手段で通信を行うことでデータ利用装置とは独立した形で接続したりするものがある。なお、ID情報を読み取ることができ、着脱可能である場合には接続方法は何でもよく、例えば、端子やケーブル等を使った接触型や無線や電磁波等を使った非接触型等の接続方法を用いることができる。
【0083】
また、ID情報を読み取る際において、データ利用装置とID情報機器との間で、認証処理等の何らかの通信手順が必要な場合もある。また、ID情報が暗号化されており、データ利用装置上で復号化する必要がある場合も考えられる。
【0084】
ID情報機器は着脱可能なものを用いることができ、この場合には、ユーザがデータ利用装置から外して持ち歩くことができ、別のデータ利用装置に接続して利用することもできる。ここで、ID情報機器から読み取られるID情報は、ユーザと一対一で対応しているため、いわゆるユーザIDやユーザアカウントのように機能する。
【0085】
また、ID情報機器からID情報を読み取ることができるデータ利用装置は、同時に複数は存在できないものとする。なお、原理的に複数存在できるとしても、着脱方法やデータ利用装置の形状、使用形態等の理由から、実際の使用上、同時に複数は存在し得ない場合には、同時に複数は存在できないとみなすこととする。
【0086】
ID情報機器は、基本的にそれぞれ異なるID情報を持っているものとする。
【0087】
なお、同じID情報が絶対に存在しないことは保障されないが、ここでは、ID情報が同じになる確率が非常に小さく、実際の使用上、ほとんど問題とならない程度である場合については、同じID情報を持つID情報機器は存在しないものとして扱うものとする。例えば、ID情報の集中管理を行わずに、各ID情報機器上においてID情報を個別で動的に生成する場合等である。
【0088】
また、ID情報機器内にID情報に対応付けされたデータを記録し、配布することで、ID情報機器を記録メディアとして用いることが可能である。その場合、同時に複数のID情報機器が接続されることもある。例えば、1つ目は、記録メディアとして接続され、2つ目は、前述のユーザIDとしてのID情報機器と接続されるような場合である。
【0089】
「ID情報」は、ID情報機器の同一性を示す情報であり、一般に固有の値や文字列等のデータを持つ。データの暗号/復号に使われる場合、「キー情報」等と呼ばれる場合もある。
【0090】
なお、ID情報を直接使用せずに、ID情報機器中のID情報に基づいて別のID情報を生成し、生成したID情報を使う場合にも、ID情報機器中のID情報を使うのと同等とみなすものとする。上記別のID情報を生成する方法としては、例えば、ID情報機器中のID情報にハッシュ関数等の演算処理を用いる方法等がある。また、別のID情報の生成はデータ利用装置内部でなく、外部の機器等を用いて行ってもよい。例えば、データ利用装置から外部サーバにID情報を送信し、外部サーバ上でID情報を生成して、外部サーバからデータ利用装置に生成したID情報を送信することで、生成したID情報が得られる。
【0091】
また、上記別のID情報の生成に、ID情報機器中のID情報以外の情報をさらに使う場合もある。上記ID情報機器中のID情報以外の情報としては、例えば、データ利用装置内部に記録されている機器IDのような情報がある。
【0092】
「着脱可能」とは、データ利用装置とID情報機器とが物理的に一体になったり、別々になったりすることができることを意味するが、基本的には、データ利用装置と一体になった場合において、ID情報が読み取れるかどうかが「着脱可能」の基準となる。
【0093】
「対応情報」とは、ID情報機器とデータとの対応関係に関する情報である。記録される形態としては、例えば、対応表やデータベース、あるいはデータの記録する場所をID情報毎に変える等の形態が考えられる。また、対応情報は、記録データと一緒に記録されていてもよいし、別々に記録されていてもよい。
【0094】
なお、同時に複数のID情報機器が接続されている場合には、すべてのID情報とそれらの利用条件を記録する。この利用条件とは、すべてのIDが必要であるというAND条件や、何れか1つのIDがあればよいというOR条件などである。
【0095】
同時に複数のID情報機器が接続されている場合には、接続されているID情報機器から得られる全てのID情報に対応して記録されている記録データを取得して、その利用条件に基づいてデータ利用許可であるか否かを判定する。もちろん、上述したような方法によって、利用条件を満たすときのみデータが取得できるようなデータ構造にしてもよい。
【0096】
データ利用許可手段における許可/不許可の判定は、様々な方法が考えられるが、許可/不許可を判定することができるのものであれば、どのような方法であってもよい。
【0097】
「データをID情報毎に分けて記録する」とは、記録領域中に、ID情報毎に異なる記録領域を設け、そこに該ID情報に対応付けされたデータのみを記録することである。
【0098】
「出力」先は、メモリカード等の各種記録メディアやHDD等のデータカードである場合もあるし、他のコンピュータや利用装置、再生装置等の他の装置である場合もある。なお、他の装置に通信手段等を介して出力することも可能である。
【0099】
なお、データを外部に出力する際においては、必ずしも暗号化されている必要はない。例えば、音楽コンテンツをアナログ信号に変換して外部のスピーカに出力する場合等である。これは、アナログ信号から元のデジタルデータを復元することが困難であるため、不正コピーが問題となりにくい等の理由による。
【0100】
「暗号化」は、暗号化チップ等のハードウェアを用いて行ってもよいし、ソフトウェアを用いて行ってもよい。
【0101】
なお、暗号化に用いられるID情報は、ID情報機器から得られるID情報をそのまま使用するだけでなく、ID情報機器から得られるID情報に基づいて別のID情報を生成し、該ID情報を暗号化用のID情報として用いてもよい。
【0102】
「装置の外部」とは、例えば、メモリカード等の記録メディアやHDD等のデータカード、通信手段を介して読み込む外部のサーバ等である。
【0103】
なお、読み取られる記録データは、ID情報機器から得られるID情報を用いて暗号化されているものとする。暗号化は、データ利用装置自身が行っていてもよいし、別の装置が行っていてもよい。例えば、データ利用装置からサーバにID情報を送信し、サーバ上でID情報を用いて暗号化し、データ利用装置がサーバにおいて暗号化されたデータを読み取る場合等である。
【0104】
また、暗号化に用いられる鍵情報は、ID情報機器から得られるID情報をそのまま用いるか、あるいはID情報に基づいて生成されるが、共通鍵、公開鍵のどちらを用いてもよい。公開鍵を用いた場合には、例えば、外部のサーバに公開鍵を送り、サーバ上で公開鍵を用いて暗号化し、サーバにおいて暗号化されたデータを、データ利用装置において秘密鍵を用いて復号して利用する。
【0105】
「復号化」は、復号化チップ等のハードウェアを用いて行われてもよいし、ソフトウェアを用いて行ってもよい。
【0106】
なお、復号化に使われるID情報は、暗号化の場合と同様に、ID情報機器から得られるID情報をそのまま用いてもよいし、ID情報機器中のID情報に基づいて別のID情報を生成し、生成したID情報を用いてもよい。
【0107】
【発明の実施の形態】
本発明のデータ利用装置およびデータ利用方法、データ利用プログラムならびにこれを記録した記録媒体に関する一実施形態について、図1〜図19を用いて説明すれば以下のとおりである。
【0108】
本実施形態のデータ利用装置15は、図2に示すように、ID情報取得手段1、対応情報記録手段2、データ記録手段3、データ利用許可手段4、記録データ利用手段5、データ取得手段6、暗号化手段7、復号化手段8、外部記録手段9、データ生成手段10およびネットワーク12に接続された通信手段11からなる主要な機能ブロックに展開して示すことができる。
【0109】
ここで、データ利用装置15が備えている、上記各手段間におけるデータの授受について説明する。
【0110】
なお、各手段間でのデータの授受について、特に注釈なく、「A手段から得る」、「B手段へ送信する」等と表現している場合には、主に、バス29を介してデータをやりとりしているものとする。その際、直接、各手段間でデータのやりとりをしてもよいし、主記憶24や外部記憶25、通信デバイス27と接続されたネットワーク等を介してデータをやりとりしてもよい。
【0111】
ID情報取得手段1は、対応情報記録手段2、データ利用許可手段4、暗号化手段7、復号化手段8等からのデータ読み取り要求に応じて、現在接続されているID情報機器からID情報を読み取り、対応情報記録手段2、データ利用許可手段4、暗号化手段7、復号化手段8等に送信する。
【0112】
なお、通信手段11を介したネットワーク内の接続機器等から、データの読み取りを行ってもよい。例えば、IDカードとIDカードリーダ等で構成され、ID情報はIDカードに記録されている。IDカードをIDカードリーダに抜き差しして交換することで、読み取られるID情報が変わることになる。IDカードは、接続端子等を使って接続してID情報を電気的に読み取る接触型や、磁気や電磁波等を使ってID情報を読み取る非接触型等がある。紙等に印刷されたバーコード等でID情報が記録されており、バーコードリーダ等を用いて光学的にID情報を読み取る場合等も非接触型に含まれる。
【0113】
また、ID情報取得手段1は、各手段から送信された要求の解釈や、ID情報の取得に対する内部制御等のためにCPU等を用いてもよい。この場合には、例えば、ID情報が簡単に読み取られないように、プロトコルを暗号化したり、認証処理を行ったりする場合に特に有効である。
【0114】
対応情報記録手段2は、外部記録手段9や通信デバイス27が接続されたネットワーク12を介した接続先等から読み取られるデータ利用プログラムに基づいて、データ記録手段3中に記録される記録データと、その記録データの記録時においてID情報取得手段1から得られるID情報との対応情報を、対応情報記録手段2あるいは通信手段11を介して接続されたネットワーク12内の接続先等に記録する。
【0115】
データ記録手段3に記録される記録データは、データ記録手段3から得られる場合もあるし、データ取得手段6から得られる場合もある。なお、新規に記録データを記録する場合だけでなく、すでに記録されている記録データを消去したりする場合に、対応情報を更新することもある。なお、通常、すでに記録されている記録データの内容を更新する場合には、対応情報を更新する必要性は無い。
【0116】
また、データ利用許可手段4からの要求に応じて、データ記録手段3に記録されている、対応付けされたID情報およびデータ(対応情報)を、データ利用許可手段4に送信する。
【0117】
対応付されたID情報およびデータの記録先は、データ記録手段3であってもよいし、対応情報記録手段2、通信手段11を介して接続されたネットワーク12の接続先等であってもよい。ただし、何れに記録した場合であっても、対応付されたID情報等が、記録先自身を除いて、対応情報記録手段2以外から直接アクセスできないようになっている必要がある。
【0118】
なお、「直接アクセス」とは、例えば、メモリにアクセスする端子等がデータ利用装置15の外部に露出しており、直接、メモリ等を参照できる場合や、通信を介してアクセスする場合をいう。
【0119】
対応付けの方法としては、例えば、記録データを一意に決める情報(例えば、ファイル名等)と、ID情報との対応をデータベース等の形で記録する方法がある。この場合、必ずしも本格的なデータベースを用いる必要はなく、例えば、ファイル名とID情報とをカンマや改行文字等で区切ったテキストファイル(CSV形式(Comma Separated Value Format))で管理するような簡単なものであってもよい。
【0120】
さらに、データ記録手段3に記録データの記録形式にID情報とを対応付けに関する情報を含ませる方法であってもよい。例えば、データ記録手段3において、ディレクトリを備えたファイルシステムが存在する場合、ID情報をディレクトリ名とし、各ID情報に対応する記録データを、そのディレクトリの下層のファイルに配置するという方法である。
【0121】
また、データ利用許可手段4が、利用したい所望のデータを一意に決める情報を対応情報記録手段2に送信すると、対応情報記録手段2は、利用したい所望のデータに対応するID情報をデータベース等から受信して、対応するID情報をデータ利用許可手段4に送信する。
【0122】
あるいは、対応情報記録手段2が、ID情報取得手段1から得られるID情報を受信し、得られるID情報に対応する記録データをデータ利用許可手段4等に送信してもよい。送信される記録データは、記録データそのものであってもよいし、記録データのファイル名だけであってもよい。これにより、現在接続されているID情報機器から得られるID情報を用いて利用可能な記録データの一覧等を容易に見ることができ、その後の処理を迅速に進めることができる。特に、対応情報記録手段2として、ディレクトリを備えたファイルシステムを用いる場合には、この方式を実現しやすい。
【0123】
データ記録手段3は、対応情報記録手段2、データ取得手段6等から送信されるデータ記録要求に応じて、各種データをデータ記録手段3等に記録する。そして、記録された各種データは、対応情報記録手段2、データ利用許可手段4等から送信される利用要求に応じて、データ記録手段3等から送信される。
【0124】
なお、各種データの記録先は、データ記録手段3に限定されるものではなく、通信手段11およびネットワーク12を介した接続先の機器等であってもよい。
【0125】
なお、データ記録手段3は、受信した各種要求の解釈や、管理データや管理方法の情報の取得に対する内部制御等のためにCPUを用いてもよい。例えば、データ読み書き等の処理にデータベースを利用している場合において、データベースを制御する処理等で使われる。
【0126】
データ利用許可手段4は、上記プログラムに従って、対応情報記録手段2から対応付けされたID情報およびデータ(対応情報)を受信する。そして、受信した対応情報から、利用要求があった所望のデータに対応するID情報を求め、求めたID情報とID情報取得手段1から現在得られるID情報とが一致する場合には、記録データの利用を許可し、一致しない場合には、記録データの利用を禁止する。
【0127】
データの利用要求は、記録データ利用手段5から送信される。なお、利用要求は、所望のデータの読み書きだけでなく、例えば、データの属性(例えば、データの生成日時等の情報)や、データが存在するかどうか、記録されているデータの一覧情報等を得ることであってもよい。
【0128】
許可/不許可の判定は、例えば、データ記録手段3に対するデータの入出力を、全てデータ利用許可手段4を介して行うようにし、入出力データを通すか通さないかで許可/不許可を判定してもよい。また、許可/不許可情報を出力して、データ記録手段3にデータの読み書きを禁止するように命令したり、記録データ利用手段5に利用を禁止するよう命令したり、データ取得手段6にデータ記録手段3への書き込みを禁止するよう命令したりしてもよい。
【0129】
記録データ利用手段5は、上記プログラムに従って、データ利用許可手段4を通じて得られるデータを利用する。また、利用要求があった所望のデータは、データ利用許可手段4の許可を得て、データ記録手段3から送信されてもよい。
【0130】
なお、記録データ利用手段5が、何らかのデータをデータ記録手段3に記録する必要がある場合には、データ取得手段6を通じて記録することになる。
【0131】
データの利用形態は様々である。例えば、記録データが音楽等のコンテンツデータの場合、音楽データが圧縮や暗号化等されていればそれを復元し、スピーカ等の出力デバイスに出力信号として送信して音楽を出力する。一方、画像/映像データの場合には、画像/映像データが圧縮や暗号化等されていればそれを復元し、ディスプレイ等の出力デバイスに出力信号として送信して画像や映像を出力する。
【0132】
なお、音楽や画像/映像データ以外にも、例えば、電子書籍等のコンテンツデータや、ゲーム等のプログラムデータ等であってもよい。
【0133】
また、例えば、データ利用装置が携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)等である場合には、電話番号や住所録、メール、電話の発信/着信履歴等の情報が、本発明で用いられるデータに相当する。これらの情報を用いて電話を掛けたり、メールを送ったり、情報の確認等が行われる。
【0134】
データ取得手段6は、上記プログラムに従って、復号化手段8、外部記録手段9、データ生成手段10、通信手段11等から記録したいデータを受信して、データ記録手段3に送信する。
【0135】
なお、データ取得手段6は、復号化手段8、外部記録手段9、データ生成手段10、通信手段11以外にも、様々なルートで記録すべきデータが送信されてくる。したがって、例えば、復号化手段8等からデータ記録手段3に直接データを渡すのであれば、データ取得手段6は特に必要ない。
【0136】
暗号化手段7は、上記プログラムに従って、データ利用許可手段4を経由して得られるデータを暗号化し、外部記録手段9等に送信する。
【0137】
暗号化は、ID情報取得手段1から得られるID情報を用いて行われる。また、暗号化されたデータは、外部記録手段9以外にも、例えば、通信手段11等に送信される場合もある。
【0138】
復号化手段8は、上記プログラムに従って、外部記録手段9等から得られる暗号データを復号化し、データ取得手段6等に送信する。
【0139】
復号化は、暗号化と同様に、ID情報取得手段1から得られるID情報を用いて行われる。
【0140】
外部記録手段9は、例えば、メモリカードやHDD、CD−ROM等の記録メディアを使った記録装置である。なお、上記の例に限らず、通信手段11およびネットワーク12を介した接続先の機器等であってもよい。
【0141】
外部記録手段9には、暗号化手段7等から送信された書き込み要求に応じて、各種データが書き込まれる。また、復号化手段8等から送信される出力要求に応じて、各種データを送信する。
【0142】
なお、外部記録手段9は、送信された要求の解釈や内部制御等のためにCPU等を用いていてもよい。例えば、データ読み書き等の処理にデータベースを利用している場合には、データベースを制御する処理等で使用される。
【0143】
データ生成手段10は、上記プログラムに従って、主にデータ利用装置15の内部でデータを生成し、データ記録手段3で記録すべきデータを、データ取得手段6に送信する。
【0144】
なお、データ生成手段10によって、データ利用装置15の内部で生成されるデータとは、例えば、携帯電話の発信/着信履歴等が考えられる。また、ユーザがキーやボタン等を利用して入力する電話番号や住所等のデータも、キーやボタンの押下を文字等として認識してデータを生成することから、データ利用装置15の内部で発生するデータに含まれるものとする。
【0145】
通信手段11は、ネットワーク12を介して得られたデータを、データ取得手段6に送信する。送信するデータが暗号化されたデータである場合には、復号化手段8を経由してもよい。
【0146】
また、逆に、暗号化手段7で暗号化したデータや記録データ利用手段5から送信される利用要求があったデータ等を、通信手段11およびネットワーク12を介した接続先に送信してもよい。
【0147】
以上のような各手段を備えた本発明のデータ利用装置15は、例えば、携帯電話に適用することができる。ただし、適用例は携帯電話に限定されるものではなく、データを利用できる装置であれば、コンピュータ、再生機、ゲーム機あるいはPDAであってもよい。
【0148】
また、図2に示す各手段を備えたデータ利用装置15は、具体的な構成として、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)20、ディスプレイ21、キーボード22、スピーカ23、主記憶24、外部記憶25、マウス26、通信デバイス27、ボタン28およびバス29を備えている。
【0149】
CPU20は、対応情報記録手段2、データ利用許可手段4、記録データ利用手段5、暗号化手段7、復号化手段8、データ生成手段10として機能する。また、これらの各手段によるデータ利用に関する処理手順が記述されたプログラムが、主記憶24、外部記憶25あるいは通信デバイス27およびネットワーク12を介した接続先等から得られる。
【0150】
なお、CPU20は、各種処理に対する内部制御等のために、ID情報取得手段1、データ記録手段3、外部記録手段9および通信手段11として用いてもよい。
【0151】
また、CPU20は、バス29を通じて相互に接続されたディスプレイ21、キーボード22、スピーカ23、主記憶24、外部記憶25、マウス26、通信デバイス27およびボタン28と、データのやりとりを行いながら各処理を行う。
【0152】
なお、図3に示すデータ利用装置15におけるデータのやりとりは、バス29を介して行う以外にも、通信ケーブルや無線通信装置等データを送受信できるものを介して行ってもよい。また、上記各手段の実現手段としては、CPU20に限らず、DSP(Digital Signal Processor)や処理手順が回路として組み込まれているロジック回路等を用いることもできる。
【0153】
ディスプレイ21は、通常、グラフィックチップやVRAM(Video Random Access Memory)等と組み合わされて構成されており、VRAM上のデータを変換された表示信号が、液晶等のディスプレイ(表示/出力媒体)に送信され、該表示信号に基づいて画像を表示する。
【0154】
ユーザの指示を入力する手段として、キーボード22、マウス26、ボタン28等があり、ユーザの指示はバス29を介して各手段に入力される。この他にも各種操作機器、マイクによる音声入力等、様々な入力手段が使用可能である。
【0155】
キーボード22は、押下されたキーを検出する機械的もしくは電子的なスイッチ等を有している。
【0156】
スピーカ23は、バス29等を介して送られて来る音声データを音声信号として認識し、音声として出力する。出力される音声は、単波長の単純な音の場合もあるし、音楽や人間の音声等のように複雑な場合もある。出力する音声が予め決まっている場合には、送信されてくるデータは音声信号ではなく、単なるオン/オフの動作制御信号だけであってもよい。
【0157】
主記憶24は、通常、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やフラッシュメモリ等のメモリデバイスで構成されている。なお、CPU内部に含まれるメモリやレジスタ等も一種の主記憶として解釈してもよい。
【0158】
外部記憶25は、HDD(Hard Disk Drive)やPC(Personal Computer)カード等の装脱着可能な記録手段である。なお、CPU20とネットワークを介して有線または無線で接続された他のネットワーク機器に取り付けられた主記憶や外部記憶等を外部記憶25として用いることもできる。
【0159】
マウス26は、マウスボタンの押下状態を検出するメカニカルもしくは電子的なスイッチ等と、マウスの縦と横の相対移動距離を検出するメカニカルもしくは電子的なセンサを有している。
【0160】
通信デバイス27は、ネットワークインターフェースカード等によって実現され、無線や有線等を介して接続された他のネットワーク機器とデータの送受信を行う。
【0161】
ボタン28は、機械的もしくは電子的なスイッチ等を有している。
【0162】
以上のように、図3に示すデータ利用装置15におけるCPU20等の各構成は、図2に示す各手段として機能している。
【0163】
ここで、本実施形態のデータ利用装置15の適用例を挙げれば、図4に示すような携帯電話が挙げられる。
【0164】
この携帯電話は、図4に示すように、本体30に、表示部31、スピーカ34、マイク35およびアンテナ36を備えている。また、各種操作を行うボタンが本体30の表面に多数存在する。側面には、メモリカード33が接続されるメモリカードスロットや、IDカード32が接続されるIDカードスロットが存在する。
【0165】
表示部31は、図2に示す記録データ利用手段5、図3に示すディスプレイ21に相当する。表示部31には、ユーザの操作に対応するユーザインタフェース画面や、利用する記録データの利用画面(例えば、映像や画像等)等が表示される。
【0166】
IDカード32は、図2に示すID情報取得手段1、図3に示す外部記憶25に相当し、一般に書き込み不可で、読み取り専用であることが多い。
【0167】
メモリカード33は、図2に示す外部記録手段9、図3に示す外部記憶25に相当する。
【0168】
なお、IDカード32は、メモリカード33を兼ねていてもよい。つまり、メモリカードが固有のIDを有し、コンテンツデータ等のデータも記録することができるような場合である。
【0169】
スピーカ34は、図2に示す記録データ利用手段5、図3に示すスピーカ23に相当する。記録データ利用手段5として機能する場合には、例えば、音楽データ等を利用する場合である。
【0170】
マイク35は、通常、携帯電話として電話を利用する場合に使われる。場合によっては、操作の指示入力手段として、記録データ利用手段の一部となる場合もある。例えば、音声認識手段が組み込まれている携帯電話であって、ゲームの指示に使用される場合等である。
【0171】
アンテナ36は、図2に示す通信手段11、図3に示す通信デバイス27に相当する。ここでは、無線通信を行う通信デバイスの一部としてアンテナを図示しているが、有線通信等の場合もある。
【0172】
本体30表面の各種ボタンは、図3に示すボタン28やキーボード22に相当する。表示部31に表示される内容に応じて、ボタン等を操作することにより、様々な指示を入力できる。例えば、メニュー画面を出して、図3に示すOKボタン周囲の4方向キーを使ってメニューを選択し、OKボタンを押すことでメニューを選択することができる。なお、ボタン以外にも、指示を入力する手段として、ジョイスティックやジョグダイヤル、タブレット等の様々な手段が利用可能である。
【0173】
なお、本発明のデータ利用装置15の適用例としては、携帯電話のような専用装置に限定されるものではなく、他の目的も兼ねた汎用的な装置であってもよい。例えば、一般的なパーソナルコンピュータやPDA等である。
【0174】
ここで、本実施形態のデータ利用装置15によるデータとID情報とを対応付けて記録する処理について、図2で示した各手段を用いて、図5に示すフローチャートに従って説明すれば以下のとおりである。
【0175】
まず、ステップ(以下、Sと示す)1において、データ取得手段6が、データ利用装置15内に記録すべきデータを受信する。
【0176】
データ取得手段6が受信したデータは、上述したように、復号化手段8、外部記録手段9、データ生成手段10、通信手段11等から送信されるデータである。ここでは、データの生成場所やデータの種類等は特に問わない。
【0177】
次に、S2において、ID情報取得手段1が、現在接続されているID情報機器からID情報を受信する。なお、S1とS2の処理順は逆であってもよい。
【0178】
次に、S3において、対応情報記録手段2が、データ取得手段6から受信したデータと、ID情報取得手段1から受信したID情報とを対応付けた状態で記録する。なお、記録するデータとID情報との対応付けについては、後段にて詳述する。
【0179】
ここで、データ利用装置15に複数のID情報機器が接続されている場合には、全てのID情報と記録するデータとを対応付けた状態で記録するとともに、併せて利用条件についても記録する。なお、利用条件とは、複数のID情報の中でどのID情報があれば後述のデータ利用許可手段4においてデータ利用が許可されるかについて定めたものである。例えば、全てのID情報と一致しなければならない(AND条件)、何れか1つのID情報と一致すればよい(OR条件)などである。この利用条件は、予めコンテンツデータにおいて決めておいてもよいし、ユーザの指示によって決定してもよい。
【0180】
次に、S4において、データ記録手段3がデータ取得手段6から受信したデータを記録し、S5において処理を終了する。
【0181】
以上のように、S1〜S5における処理において、データをID情報と対応づけた状態で記録することが可能になる。
【0182】
上記記録されるデータとID情報との対応付けは、様々な方法で行うことができ、例えば、図6に示すように、簡単なデータベースの中に、データファイル40a〜47a、ID情報40b〜47bを一対一に対応させた状態で記録してもよい。
【0183】
データファイル40a〜47aは、記録データが一意に同定できる情報、例えば、ファイル名等を用いることができる。また、記録データ自体をデータファイル40a〜47aとして記録してもよい。ここでは、記録データ「DataFile1」、「DataFile2」、、、「DataFile6」とファイル名が付けられているものとする。
【0184】
ID情報40b〜47bは、各データファイル40a〜47aの記録時において、ID情報取得手段1から送信されたID情報である。図6では、上から順に「ID1」から「ID4」の4種類のID情報が記録されている。
【0185】
対応付けされたデータとID情報(対応情報)とは、図6に示すデータ構造のデータベースにおいて、左右に隣り合う記録データとID情報との組を指す。例えば、データファイル40aの記録データ「DataFile1」に対応するのは、ID情報40b(「ID1」)である。また、ファイル名「DataFile1」およびID情報「ID1」を対応付けて記録する場合には、この2つの情報を一組として、図6に示すようなデータ構造のデータベースに記録すればよい。また、1つの記録データに対応して、複数のID情報が送信された場合には、記録データ「DataFile8」に対応付けされたID情報として、「ID3,ID4」と複数記録すればよい。さらに、図示しないが、and、or等の利用条件についても、記録欄を作成して併せて記録してもよい。
【0186】
なお、対応情報記録手段2に記録された対応情報は、同じものが複数記録されている必要はない。よって、通常は、データベースに新たな対応情報を追加する際において、既に同じ対応情報が記録されていないかチェックし、既に記録されている場合には記録しない。これにより、不要なデータの蓄積を防止できる。
【0187】
また、暗号化されたデータを復号化手段8で復号化せず、暗号化されたままのデータをデータ記録手段3に記録し、データを利用する際に、復号化してデータを利用してもよい。なお、データ記録手段3上に記録するデータは、暗号化や圧縮等をせずに、プレーンデータのまま記録してもよい。この場合には、復号化処理が不要になるため、データを利用する際の処理が高速になるという利点がある。
【0188】
ただし、プレーンデータのまま記録している場合には、データ記録手段3に記録されたデータは、外部から直接アクセスできないようにセキュリティ対策を物理的、論理的に行っておく必要がある。もし、セキュリティ対策の不備から、データ記録手段3に記録されたデータが外部から直接アクセスできてしまう場合には、コピー、改竄、消去等のような不正利用を許すことになるという欠点がある。
【0189】
例えば、携帯電話等の専用機器については、内部のデータに外部から直接アクセスすることは難しいため、プレーンデータとして記録した場合でも、不正利用を防止できる。一方、パーソナルコンピュータやPDA等の汎用機器については、内部のデータに外部から直接アクセスしやすいため、プレーンデータとして記録しておくことは不正利用される危険性が高く、好ましくない。
【0190】
続いて、本実施形態のデータ利用装置15による、データ記録手段3に記録されたデータを利用する際の処理について、図7に示すフローチャートに従って説明すれば以下のとおりである。
【0191】
まず、S11において、記録データ利用手段5が利用したい記録データを特定する。なお、S11における処理の主体は、記録データ利用手段5に限られず、外部に出力する場合には、暗号化手段7や外部記録手段9であってもよい。
【0192】
また、利用したい記録データを特定する処理は、利用の形態に応じて様々である。最も単純なケースでは、ユーザが利用したい記録データを指示する方法がある。
【0193】
次に、S12において、ID情報取得手段1が、現在接続されているID情報機器からID情報を受信する。なお、データ利用装置15に複数のID情報機器が接続されている場合には、全てのID情報を受信する。
【0194】
なお、S11とS12の処理順は逆であってもよい。
【0195】
次に、S13において、対応情報記録手段2が対応付けされたID情報および記録データ(対応情報)を受信する。なお、取得される対応情報は、図5のS3における対応情報の記録方法や、後段にて説明するS14における判定の仕方によって変わる。詳細については、S14に関する後段部分において説明する。
【0196】
次に、S14において、データ利用許可手段4が、記録データ利用手段5から送信された記録データと、現在接続されているID情報取得手段1から送信されたID情報との関係を示す対応関係について、対応情報記録手段2に記録されている対応付けされたID情報および記録データと一致するか否かを判定する。
【0197】
ここで、一致する場合にはS15へ進み、S15において記録データの利用を許可された後、S16において記録データを利用して、S17において処理を終了する。一方、一致しない場合にはS18へ進み、S18において記録データの利用を禁止され、S19において処理を終了する。
【0198】
また、1つのデータを記録する際に複数のID情報機器と接続されている場合には、該記録データに対応するID情報が複数存在する。この場合には、利用条件を満たすかどうかを判定した後、S14以降の工程を経て、処理を終了する。
【0199】
本実施形態のデータ利用装置によるデータ利用方法は、以上のように、データ利用装置にデータを記録する際において、該データをID情報と対応付けた状態で記録することで、該記録データを利用する際において、例えば、利用時に接続されているID情報機器からID情報を受信し、このID情報に対応付けされた記録データのみにアクセスすることができる。よって、記録時に接続されていたID情報機器以外のID情報機器が接続された状態では、所望の記録データの利用が不可能になる。よって、第三者に勝手に重要なデータを利用される等の不正利用を防止できる。
【0200】
ここで、対応付けされた記録データおよびID情報が記録された図6に示すデータベースを用いて、利用したい記録データを「DataFile1」、現在接続されているID情報機器から得られるID情報を「ID1」として、以下で説明する。
【0201】
まず、対応情報記録手段2に記録された対応情報との一致・不一致を判定する方法として、利用したい記録データと現在接続されているID情報機器から得られるID情報との対応関係を用いて、記録データ利用の可否を判定する場合について説明する。
【0202】
データ利用許可手段4は、利用したい記録データ「DataFile1」と現在接続されているID情報機器から得られるID情報「ID1」が対応付けされた対応情報を送信するように、対応情報記録手段2に要求する。
【0203】
対応情報記録手段2は、図6に示すように、データファイル40a(「DataFile1」)とID情報40b(「ID1」)とが対応づけられた対応情報をデータ利用許可手段4に送信する。なお、ここでは、一致する対応情報が存在することを、データ利用許可手段4に送信してもよい。
【0204】
データ利用許可手段4は、対応情報記録手段2から対応情報あるいは存在しているという判別結果が得られたため、記録データ「DataFile1」の利用を許可する。
【0205】
以上のように、対応付けされたID情報および記録データが、対応情報記録手段2に存在する場合、つまり、記録時に接続されていたID情報機器と同じID情報機器が接続された状態で記録したデータを利用する場合には、当該記録データの利用が許可され、ユーザは当該記録データを自由に再生、コピー等することができる。
【0206】
次に、現在接続されているID情報機器から得られるID情報のみを用いて、データ利用の可否を判定する方法について説明する。
【0207】
データ利用許可手段4は、現在接続されているID情報機器から得られるID情報「ID1」に対応付けされた全てのデータを送信するように、対応情報記録手段2に要求する。
【0208】
対応情報記録手段2は、図6に示すように、ID情報「ID1」に対応づけられた全ての記録データを、データ利用許可手段4に送信する。この場合には、「DataFile1」,「DataFile2」,「DataFile3」の3つの記録データが送信される。
【0209】
次に、データ利用許可手段4は、利用したい記録データが、対応情報記録手段2から得られたデータ中に存在するか否かを調べる。利用したい記録データ「DataFile1」は、対応情報記録手段2から得られた記録データ「DataFile1」,「DataFile2」,「DataFile3」中に存在するため、この記録データ「DataFile1」の利用を許可する。
【0210】
さらに、利用したい記録データのみを用いて、記録データ利用の可否を判定する方法について説明する。
【0211】
データ利用許可手段4は、利用したい記録データ「DataFile1」に対応付けされたID情報を送信するように、対応情報記録手段2に要求する。対応情報記録手段2は、図6に示すように、記録データ「DataFile1」に対応づけられた全てのID情報を、データ利用許可手段4に送信する。この場合には、ID情報「ID1」、「ID3」が送信される。
【0212】
次に、データ利用許可手段4は、現在接続されているID情報機器から得られるID情報が、対応情報記録手段2から得られたID情報中に存在するか否かについて調べる。この結果、図6に示すように、現在接続されているID情報機器から得られるID情報「ID1」は、対応情報記録手段2から得られたID情報「ID1」、「ID3」中に存在するため、この記録データ「DataFile1」の利用が許可され、ユーザは、自由に記録データ「DataFile1」を利用することができる。
【0213】
なお、以上のような処理においては、対応情報記録手段2が、全ての対応情報中から特定の対応情報や特定のID情報、特定の記録データを検索する処理を行う場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0214】
例えば、データ利用許可手段4を用いて処理を行ってもよい。その際には、対応情報記録手段2は、データ利用許可手段4に図6に示す対応情報のうち、全ての記録データをデータ利用許可手段4に送信し、データ利用許可手段4上で検索処理をすることになる。
【0215】
検索処理自体は本発明の主旨ではないため詳細な説明は省略するが、最も単純な検索方法としては、例えば、図6に示すデータベースにおける各対応情報を上から順に見ていき、特定のID情報や記録データと一致するかどうか判定し、一致した場合には別途用意する対応情報の配列に対応情報を蓄える。全ての対応情報について調べたら、別途用意する対応情報の配列が、検索処理結果となる。なお、対応情報の配列を蓄えるのではなく、目的に応じて、ID情報だけや記録データだけを蓄えてもよい。
【0216】
なお、S11における記録データの特定としては、例えば、記録データが音楽データであって、再生する曲の音楽データを指定する場合等がある。
【0217】
この場合、例えば、図4に示す携帯電話の表示部31に、図8に示すような表示がなされる。なお、図8では、曲名と歌手名とを表形式で表示しており、一番上の見出し行に示されている通り、「Music Name」の欄が曲名、「Singer Name」の欄が歌手名である。見出し行の下の各行がそれぞれの音楽データの曲名と歌手名とを示している。
【0218】
図8に示す例では、現在、黒く反転表示されている一番上の行の「Music A」および「Singer A」の曲の音楽データが選択されている。この選択は、例えば、図4に示す携帯電話の上下の方向キー等で変更できるものとする。また、画面上に表示しきれない部分については、右端のスクロールバーで示されるように、方向キー等を使ってスクロール表示することで表示できるものとする。
【0219】
なお、図8に示す状態を表示するためには、音楽データの一覧表示のための情報が必要になるが、その際の処理については後段にて説明する。ここでは、既に音楽データの一覧表示のために必要な情報が既に得られているものとする。
【0220】
利用したい記録データの特定処理としては、図8を用いて説明したユーザが直接指定する方法以外にも、様々な方法が考えられる。例えば、プログラム等により自動的に指定される場合である。例えば、音楽データ一覧の中からランダムに選んだ1データを再生する、いわゆるシャッフル再生モードやジュークボックス再生等と呼ばれるような方法である。
【0221】
また、ユーザあるいは外部からの入力に応じて、利用したい記録データが特定される場合もある。例えば、データ利用装置がメールを受信すると、既に登録されているメールの差出人に対応する顔写真が表示される場合や、ある状態において、表示画面中のいわゆるリンクを選択したり、ボタンを押したりすると、予め指定されている記録データが再生される場合等である。
【0222】
ここでさらに、S11で利用したい記録データを特定する場合において、現在接続されているID情報に対応付けされた記録データの一覧表示を得るための処理について説明する。
【0223】
まず、現在接続されているID情報機器から得られるID情報のみを用いて、対応情報記録手段2に一致するID情報を要求し、記録データの利用の可否について判定する場合には、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応づけされた全ての記録データ(あるいは記録データのファイル名等一意に定義付ける情報)が得られるため、この記録データを一覧表示すればよい。
【0224】
もし、対応情報記録手段2からは記録データのファイル名等しか得られず、例えば、図8に示す曲名等の詳細な情報については、記録データを受信しないと得られない場合には、得られたファイル名の記録データをそれぞれ受信して、曲名等の詳細な情報を得た上で、図8に示すような一覧表示を行えばよい。記録データをそれぞれ読み込む処理は、図7に示す処理と同様である。
【0225】
すなわち、図8のような一覧表示を行った上で、ユーザが所望の記録データを選択する場合には、
(1) 現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応付けされた記録データ一覧を得る
(2) (1)で記録データ一覧のファイル名等しか得られない場合は、ファイル名を「利用したい記録データ」として特定し、図7に示すフローチャートに従って、記録データをファイル名毎に受信する
(3) 各記録データを解釈して曲情報等を取得し、図8に示すような一覧表示を行う
(4) ユーザが図8の一覧表示から、利用したい曲を選択する
(5) 選択された曲の記録データが残っている場合には、それをそのまま利用する。記録データが残っていない場合には、選択された記録データを「利用したい記録データ」として特定し、図7に示すフローチャートに従って、記録データを受信して利用する
という処理の流れになる。
【0226】
なお、実際の処理においては、記録データはサイズが大きい場合があるため、上記(3)における処理では、記録データのヘッダ部分等から曲情報等必要な情報だけを読み込んで、記録データ全てをメモリ上等に保存せずに破棄してしまうことがある。その場合には、(5)における処理として、選択された曲の記録データを再度受信すればよい。
【0227】
なお、図7に示すフローチャートでは、主に記録データ自体を直接利用する場合について説明しているが、記録データ自体は直接利用せず、ファイル名一覧等だけを取得して利用してもよい。すなわち、図7のS12においてID情報を受信し、S13においてID情報に対応する記録データのファイル名等を送信するような処理である。この処理であれば、上記(1)における処理によって、ファイル名一覧を簡単に得ることができる。なお、ID情報が一致しない記録データのファイル名等を受信できないため、セキュリティ上も問題ない。
【0228】
また、ID情報と記録データとの対応付け方法は、図6に示すデータベース以外にも、図9に示すような対応付け方法がある。
【0229】
ここでは、図9に示すように、記録時に対応付けされたID情報および記録データが一体として記録されている。よって、ここでは、対応情報記録手段2とデータ記録手段3が一体となったものと解釈してもよい。
【0230】
また、データ記録手段3は、階層構造のファイルシステムを有しており、各階層のことを「ディレクトリ」と示す。また、ファイルは、何れかのディレクトリに属している。
【0231】
このような階層構造のファイルシステムは、最上位の階層として「root」ディレクトリ50が存在し、その下の階層として、「ID1」ディレクトリ51、「ID2」ディレクトリ55、「ID3」ディレクトリ58が存在する。「ID1」ディレクトリ51の下には、「DataFile1」ファイル52、「DataFile2」ファイル53、「DataFile3」ファイル54、「ID2」ディレクトリ55の下には、「DataFile4」ファイル56、「DataFile5」ファイル57、「ID3」ディレクトリ58の下には、「DataFile6」ファイル59、「DataFile1」ファイル60が存在する。さらに、「ID3」ディレクトリ58の下には、「ID4」ディレクトリ61があり、「ID4」ディレクトリ61の下に「DataFile8」ファイル62が存在する。
【0232】
「root」ディレクトリ50の下の階層は、ファイルが記録される際にID情報取得手段1から受信したID情報に基づいて作成されるディレクトリが存在する。ここでは簡単に、ID情報をディレクトリ名としている。各ID情報のディレクトリの下には、そのID情報に対応付けされた記録データが記録されたファイルが作成される。したがって、「root」ディレクトリ50の直下に記録データのファイルが作成されることはなく、何れかのID情報のディレクトリの下にしか記録データのファイルは存在しない。
【0233】
このように、記録データを対応付けされたID情報が記録されたディレクトリの下の階層のファイルに記録することで、ID情報に基づいて容易に利用したい記録データの検索を行うことができる。
【0234】
また、「DataFile8」のファイルは、ID情報が複数ある場合であり、この利用条件が、ID3およびID4の何れも必要であること(AND条件)を意味している。利用条件がOR条件である場合には、例えば、シンボリックリンクを使ってアクセスできるようにする等の方法により、実現可能である。
【0235】
ここで、図9に示す階層構造のファイルシステムを用いて、データの利用の可否を判定する処理について説明する。
【0236】
まず最初に、利用したい記録データおよびこれに対応付けされたID情報(対応情報)に基づいて、データの利用の可否を判定する方法について説明する。
【0237】
まず、データ利用許可手段4は、利用したい記録データ「DataFile1」と現在接続されているID情報機器から得られるID情報「ID1」とが対応付けされた対応情報を送信するように、対応情報記録手段2に要求する。対応情報記録手段2は、図9のファイルシステムを使って、指定されたID情報「ID1」に対応するディレクトリ51の下の階層のファイルをチェックする。
【0238】
対応情報記録手段2は、「ID1」ディレクトリ51が「root」ディレクトリ50の下の階層に存在しない場合には、「存在しない」とデータ利用許可手段4に送信する。
【0239】
ここでは、「ID1」ディレクトリ51が「root」ディレクトリ50の下の階層に存在するため、対応情報記録手段2は、さらに、「ID1」ディレクトリの下の階層に「DataFile1」ファイル52が存在するかどうかチェックする。存在する場合には、対応情報をデータ利用許可手段4に送信し、存在しない場合には、「存在しない」とデータ利用許可手段4に送信する。
【0240】
ここでは、「ID1」ディレクトリ51の下の階層に、ファイル52(記録データ「DataFile1」)が存在するため、対応情報が対応情報記録手段2から送信される。そして、データ利用許可手段4が、記録データ「DataFile1」の利用を許可する。よって、ユーザは、所望の記録データ「DataFile1」を利用することができる。
【0241】
続いて、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に基づいて、記録データの利用の可否について判定する方法について説明する。
【0242】
データ利用許可手段4は、現在接続されているID情報機器から得られるID情報「ID1」に対応付けされた全ての記録データを送信するように、対応情報記録手段2に要求する。対応情報記録手段2は、図9のファイルシステムを使って、指定されたID情報「ID1」に対応するディレクトリ51の下の階層のファイル52〜54を全てデータ利用許可手段4に送信する。もし存在しなければ、「存在しない」と送信する。
【0243】
図9に示すファイルシステムの場合には、ファイル52(「DataFile1」)、ファイル53(「DataFile2」)、ファイル54(「DataFile3」)の3つの記録データが送信される。
【0244】
次に、データ利用許可手段4は、利用したい記録データが、対応情報記録手段2から得られたデータファイル(記録データ)中に存在するか否かによって、所望の記録データの利用の可否を判定する。ここでは、利用したい記録データ「DataFile1」は、対応情報記録手段2から得られたファイル52〜54中に存在するため、記録データ「DataFile1」の利用が許可される。よって、ユーザは、所望の記録データ「DataFile1」を利用することができる。
【0245】
さらに、利用したい記録データに基づいて、記録データの利用の可否について判定する方法について説明する。
【0246】
データ利用許可手段4は、利用したい記録データ「DataFile1」に対応付けされたID情報を送信するように、対応情報記録手段2に要求する。対応情報記録手段2は、記録データ「DataFile1」に対応づけされた全てのID情報を、データ利用許可手段4に送信する。もし、存在しない場合には、「存在しない」と送信する。
【0247】
ここでは、各ID情報のディレクトリの下のファイルを全てチェックして、「DataFile1」が存在するディレクトリを別途記録しておいて、記録しておいたディレクトリ一覧に対応するID情報を送信すればよい。
【0248】
図9に示すファイルシステムについては、記録データ「DataFile1」は、ディレクトリ51(「ID1」)の下の階層に存在するため、ID情報「ID1」が送信される。
【0249】
次に、データ利用許可手段4は、現在接続されているID情報機器から得られるID情報が、対応情報記録手段2から得られたID情報中に存在するか否かを調べる。ここでは、現在接続されているID情報機器から得られるID情報「ID1」は、対応情報記録手段2から得られたID情報中に存在するため、所望の記録データ「DataFile1」の利用が許可される。よって、ユーザは、所望の記録データ「DataFile1」を利用することができる。
【0250】
以上のように、指定したID情報に基づいて対応するデータファイルを得る場合には、図9に示すようなファイルシステムにおいては、指定したID情報に対応するディレクトリの下をチェックするだけで済むため、効率よく検索を行うことができる。さらに、図6に示すようなデータベースと比較して、全対応情報を走査しなくて済むという利点がある。
【0251】
ただし、指定した記録データに基づいて対応するID情報を得る場合には、図9に示すファイルシステムにおいても、全ディレクトリ/ファイルを走査する必要がある。しかし、通常の使用では、記録データを指定してID情報を得る場合は少ないと考えられる。現在接続されているID情報機器から得られるID情報とは異なるID情報と対応付けされている記録データについては、結局、データ利用許可手段4で利用が許可されないため、取得する意味がないからである。
【0252】
逆に、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応する記録データを取得するケースは多い。得られる記録データは、最終的にデータ利用許可手段4で利用が許可されるはずだからである。利用可能なデータだけが得られるため、利用を許可するかどうかの判定を効率的に行うことができる。
【0253】
また、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応する記録データを取得する場合には、図8に示すような曲目一覧等を取得する際に使い易い。
【0254】
なお、図9に示すようなファイルシステムの場合には、現在接続されているID情報機器から得られるID情報のディレクトリの下にだけアクセスすること自体で、データ利用の許可/不許可を行っているともいえる。よって、常に、現在接続されているID情報機器から得られるID情報のディレクトリの下の階層のファイルにだけアクセスするような仕組みにしておくことで、外部から記録データに直接アクセスされることを防止して、よりセキュリティレベルの高い状態で記録データを保存できる。なお、この場合、対応情報記録手段2とデータ記録手段3とデータ利用許可手段4が一体となっているものと解釈してもよい。
【0255】
ここでさらに、図5に示した記録時のフローチャートおよび図7に示した利用時のフローチャートに従った処理によって、実際にどのようにセキュリティ上の効果をあげるかについて、例を挙げて以下で説明する。
【0256】
従来技術では3つの問題があるとした。1つ目の問題は、コンテンツデータを不正にコピーして利用することができてしまうという問題である。この問題は、次のような処理によって防ぐことができる。
【0257】
ここで説明する本実施形態のデータ利用装置は、図10に示すように、外部のコンテンツデータサーバ71からコンテンツデータをダウンロードし、ダウンロードしたコンテンツデータ(プレーン)72aを利用するプレイヤ(データ利用装置)70aである。記録データは、プレイヤ70aの装置内では、暗号化されていないプレーンデータとして記録されている。
【0258】
また、ここでは、対応情報記録手段2におけるID情報と記録データとを対応付けして記録する方法として、図9に示すような階層構造のファイルシステムを用いている。なお、図10においては、図9の「ディレクトリ」を「フォルダ」と表現している。
【0259】
まず、コンテンツデータサーバ71から、プレイヤ70aへ、コンテンツデータをダウンロードする。
【0260】
この時、ユーザAが所有するIDカード(ID情報機器)73aが接続されているため、コンテンツデータはIDカード73aに対応するフォルダ74aの下の階層にデータファイルとして記録される。フォルダ74aの下の階層に記録されることで、コンテンツデータ72aとIDカード73aとが対応付けされたことになる。
【0261】
次に、記録されたコンテンツデータ72aを利用(再生)する場合について説明するが、説明の便宜上、コンテンツデータの一覧取得等の説明は省略し、既にコンテンツデータのファイル名等を知っているものとして説明する。
【0262】
コンテンツデータ(記録データ)72aの再生がユーザによって指示されると、CK75a(チェック手段:データ利用許可手段)は、現在接続されているIDカード73aに対応するフォルダ74aの下の階層をチェックする。この時、指定されたコンテンツデータのファイルが存在すれば、コンテンツデータの利用を許可し、出力装置76aにコンテンツデータ72aが送信され、コンテンツデータ72aが音声や画像等として再生される。
【0263】
図10に示す一例の場合には、フォルダ74aの下に指定されたコンテンツデータ72aのファイルが存在するため、コンテンツデータ72aを再生することができる。
【0264】
この利用の仕方は、IDカード73aを接続してダウンロードしたコンテンツデータ72aを、IDカード73aを接続した状態で利用しており、正規の利用であることからセキュリティ上の問題は生じない。
【0265】
続いて、ダウンロードしたコンテンツデータ72aをデータカード(外部記録手段)77aに移動あるいはコピーする場合には、図11に示すように、暗号化手段(Encrypt)80aによって、暗号化される。暗号化に使われる鍵情報は、ここではIDカード73aから得られるID情報を使用する。
【0266】
コンテンツデータ72aの移動あるいはコピーについても、「利用」の一種であるため、図10の場合と同様に、CK75aにおいて利用許可を得る必要がある。図11では、IDカード73aが接続されているため利用は許可され、暗号化手段80aにコンテンツデータ72aが送信、暗号化され、データカード77aにコンテンツデータ(暗号化)78aとして移動あるいはコピーされる。
【0267】
そして、データカード77aが記録している暗号化されたコンテンツデータ78aを、データカード77bにコピーした場合には、図12に示すように、コンテンツデータは、プレイヤ70a内に存在せず、データカード77aとデータカード77b上に存在する。なお、データカード77a・77bのコンテンツデータ78a・78bは暗号化されたままである。
【0268】
次に、データカード77a中のコンテンツデータ78aをプレイヤ70a内に移動あるいはコピーする場合には、図13に示すように、IDカード73aを用いて暗号化されたデータカード77a中のコンテンツデータ78aが、IDカード73aが接続されたプレイヤ70aにおいて、復号化手段(Decrypt)81aによって復号される。
【0269】
データカード77aから復号化されて得られるコンテンツデータ82aは、図10でダウンロードしたコンテンツデータ72aと同様に、IDカード73aに対応するフォルダ74aに記録される。
【0270】
プレイヤ70a内のコンテンツデータ82aを再生する場合には、図14に示すように、コンテンツデータ82aの再生がユーザによって指示されると、CK75aが、現在接続されているIDカード73aに対応するフォルダ74aの下をチェックする。この場合には、指定されたコンテンツデータのファイルが存在するため、利用が許可され、コンテンツデータ82aの再生が行われる。
【0271】
なお、データカード77b中には、暗号化されたコンテンツデータ78bが残ったままである。
【0272】
次に、データカード77b中のコンテンツデータ78bをプレイヤ70b内に移動あるいはコピーする場合には、図15に示すように、プレイヤ70aからIDカード73aを抜き、別のプレイヤ70bにIDカード73aを接続する。そして、図13の場合と同様に、プレイヤ70bにおいても、IDカード73aで暗号化されたデータカード77b中のコンテンツデータ78bは、IDカード73aが接続されたプレイヤ70bにおいて、復号化手段81bを用いて復号することができる。
【0273】
データカード77bから復号化されて得られたコンテンツデータ82bは、図13の場合と同様に、IDカード73aに対応するフォルダ74aに記録される。
【0274】
ここで、プレイヤ70a・70bにおいて、コンテンツデータ82a・82bを再生する場合には、図16に示すように、プレイヤ70aには、IDカードが接続されていない。よって、CK75aで対応情報が一致しないと判定され、再生が許可されない。つまり、図16に示すような状態では、ID情報が得られないため、対応するフォルダを判別できない。よって、アクセスできるコンテンツデータが存在しないため、コンテンツデータの再生が許可されることはない。
【0275】
なお、この状態でプレイヤ70bでは、IDカード73aが接続されているため、対応するフォルダ74aにアクセスでき、コンテンツデータ82aの再生が許可される。
【0276】
次に、プレイヤ70bからIDカード73aを抜き、プレイヤ70aにIDカード73aを接続し、プレイヤ70bには別のIDカード73aを接続して、コンテンツデータを再生する場合には、図1に示すように、プレイヤ70aにはIDカード73aが接続されているため、対応するフォルダ74aにアクセスでき、コンテンツデータ82aの再生が許可される。
【0277】
一方、プレイヤ70bでは、IDカード73bが接続されているため、対応するフォルダ74bにアクセスできるが、そこには目的のコンテンツデータ82aが存在するフォルダ74aにアクセスできないため、コンテンツデータ82aの再生は許可されない。
【0278】
本実施形態のデータ利用装置によれば、以上のように、IDカード73aを接続したプレイヤ70aおよびプレイヤ70bのどちらか一方しか、同じコンテンツデータを再生できないことになる。
【0279】
上述した本実施形態におけるIDカードの抜き差しやコンテンツデータの移動やコピー操作は、従来のIDカードの抜き差しやコンテンツデータの移動やコピー操作と外面的には同じである。
【0280】
しかし、本実施形態のデータ利用装置においては、プレイヤ内部で、コンテンツデータをIDカードと対応付けて管理することで、プレイヤ70aとプレイヤ70bの両方で、同時に同じコンテンツデータを再生されることはない。よって、コンテンツデータの不正利用を防止できる。
【0281】
なお、着脱可能なIDカードを用いる場合には、上述したように、データカード77a・77b等を用いて、同じコンテンツデータをプレイヤ70a・70bに記録することは可能である。しかし、プレイヤ70a・70bにおいて同時に同じコンテンツデータを再生することはできないため、確実に不正利用を防止することができる。
【0282】
以上により、1つ目の問題、すなわちコンテンツデータを不正にコピーして利用することができてしまうという問題を解決することができる。
【0283】
次に、従来技術の2つ目の問題点である、ダウンロードしたユーザとは別のユーザがコンテンツデータを再生できてしまう問題である。なお、ここでは「ユーザ=IDカード」とし、以下に示すような処理によってこの問題の発生を防ぐことができる。
【0284】
すなわち、図10でコンテンツデータをダウンロードした後、プレイヤ70aからIDカード73aを抜き、別のIDカード73bを接続して、ダウンロードしたコンテンツデータを再生する場合には、図17に示すように、プレイヤ70aでは、IDカード73bが接続されているため、対応するフォルダ74bにアクセスできる。しかし、そこには目的のコンテンツデータ82aは存在せず、異なるコンテンツデータ82bが存在する。よって、目的のコンテンツデータ82aが存在するフォルダ74aにアクセスできないため、所望のコンテンツデータ82aの再生は許可されない。
【0285】
以上のように、プレイヤの内部において、コンテンツデータをIDカードと対応付けて管理することで、ダウンロードしたIDカード(=ユーザ)とは別のIDカード(=ユーザ)がコンテンツデータを利用(再生)することを防止できる。
【0286】
最後に、従来技術の3つ目の問題点である、ダウンロードしたコンテンツデータが別のユーザによって譲渡できてしまうという問題は、次のような処理によって防ぐことができる。
【0287】
すなわち、図10に示すように、コンテンツデータをダウンロードした後、プレイヤ70aからIDカード73aを抜き、別のIDカード73bを接続して、ダウンロードしたコンテンツデータをデータカード77aに移動あるいはコピーする場合には、図18に示すように、データカード77aへの移動あるいはコピーも「利用」の一種であるため、図17に示す状態と同様に、IDカードとコンテンツデータとの対応情報がチェックされ、データカード77aへの移動あるいはコピーが禁止される。
【0288】
すなわち、プレイヤ70aにおいては、IDカード73bが接続されているため、対応するフォルダ74bにアクセスできるが、そこには目的のコンテンツデータ82aは存在せず、コンテンツデータ82bが存在する。よって、目的のコンテンツデータ82aが存在するフォルダ74aにアクセスできないため、データカード77aへの移動あるいはコピーは許可されない。
【0289】
以上の処理により、従来技術の3つ目の問題である、ダウンロードしたコンテンツデータを別のユーザによって譲渡できてしまうという問題を防ぐことができる。
【0290】
また、図19に示すように、2重のフォルダ内に記録したコンテンツデータを再生、あるいはコピー等をする場合について説明する。
【0291】
データカード77yのコンテンツデータをプレイヤ70aに転送し、IDカード73xを抜き、別のIDカード73yを接続して、コンテンツデータをプレイヤ70aにおいて再生する、あるいはデータカード77yに移動あるいはコピーする場合には、コンテンツデータの再生や、データカード77yへの移動あるいはコピーも「利用」の一種であるため、データカード77yのIDとIDカード73aのID情報とコンテンツデータとの対応情報がチェックされ、コンテンツデータの再生や、データカード77yへの移動あるいはコピーが禁止される。
【0292】
すなわち、プレイヤ70aでは、IDカード73aが接続されており、対応するフォルダ74aにアクセスできるが、そのフォルダ74aには、さらにデータカードに対応するフォルダ74xがあり、コンテンツデータ82aは、このフォルダ74xに保存されている。ところが、現在はIDカード73yが挿入されているため、フォルダ74xにはアクセスすることができない。よって、コンテンツデータ82aの再生やデータカード77yへの移動あるいはコピーを禁止できる。
【0293】
このように、2重のフォルダ内にコンテンツデータを記録することで、特定のID情報を有するID情報機器と接続されたデータ利用装置に利用を限定することができ、より確実にデータの不正利用を防止できる。
【0294】
なお、記録データとID情報との対応情報を用いるのではなく、データ利用装置の内部に記録するデータをID情報を用いて暗号化し、利用する際に復号化する場合でも、これら3つの問題を防ぐことは可能である。しかし、これでは、利用する度に復号化処理が必要であり、処理速度や消費電力等の問題が出てくる。
【0295】
例えば、携帯電話やPDAや組み込み機器等では、データ処理能力は一般にパーソナルコンピュータ等と比べると低いため、復号化をしながらデータを再生する処理が追いつかない場合が出てくる。また、バッテリーで駆動する機器が多いため、復号化等の余計な処理はできるだけ少ない方が好ましい。
【0296】
また、本実施形態のデータ利用装置のように、記録データとID情報との対応情報を用いた場合には、データ利用装置の内部においては暗号化せず、プレーンデータとしておいておくことができ、処理速度や消費電力等の問題が回避できることから特に好ましい。
【0297】
なお、ID情報取得手段1から得られるID情報を直接用いることなく、ID情報を用いて生成されるキー情報等を使用してもよい。キー情報を外部のキーサーバ等から得る場合もある。しかし、その場合でも、結局はID情報を使って他のID情報と区別することについては変わりないため、本質的な違いは無い。
【0298】
また、ID情報機器がデータ利用装置に接続されておらず、ID情報取得手段1でID情報が取得できない場合には、データの記録自体を禁止する、あるいはデータの記録はできるが、データの利用を禁止すればよい。そうしないと、「ID情報無し」というID情報と記録データとを対応付けてしまうと、ID情報機器を接続しない状態では記録データが自由に利用できてしまい、不正利用を防ぐことができなくなってしまうためである。
【0299】
また、本発明の目的は、本実施形態のデータ利用装置15が有している各手段による処理を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(または、CPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0300】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が、本実施形態で説明した機能を実現することになるため、このプログラムコードを記録した記録媒体により本発明の目的を達成できる。
【0301】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フロッピディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等を用いることができる。
【0302】
また、上記プログラムコードは、通信ネットワークのような伝送媒体を介して、他のコンピュータシステムからデータ利用装置の主記憶24または外部記憶25へダウンロードされるものであってもよい。
【0303】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、本発明のデータ利用装置としての各機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても本発明の目的が達成される。
【0304】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づいて、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備えられているCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によっても本発明の目的が達成される。
【0305】
本発明を上記記録媒体に適用する場合、その記録媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードを格納すればよい。
【0306】
また、本発明は、上記対応情報記録手段において、装置内部の記録領域をID情報毎に別にすることで、ID情報機器から得られるID情報とデータとの関係を示す対応情報を記録し、データ利用許可手段において、現在、接続されているID情報機器から得られるID情報に対応する記録領域の中に、対象とする記録データが存在する場合は記録データの利用を許可し、存在しない場合は記録データの利用を許可しないこと、を特徴とするデータ利用装置と表現することも可能である。
【0307】
なお、本発明は、上述した実施形態で説明した各手段・各機能について、請求の範囲に示した範囲内で組み合わせたり、種々の変更が可能である。
【0308】
【発明の効果】
本発明のデータ利用装置は、以上のように、データを記録する際において、上記ID情報機器から得られるID情報と記録するデータとを対応付けた状態で記録する対応情報記録手段と、上記記録データを利用する際において、利用したい記録データと現在接続されているID情報機器から得られるID情報との対応関係が、上記対応情報記録手段に対応付けされた状態で記録されたID情報および記録データの中に存在するか否かを判定し、存在する場合には該記録データの利用を許可し、存在しない場合には該記録データの利用を禁止するデータ利用許可手段と、を備えている。
【0309】
それゆえ、データを記録した際に用いた特定のID情報を有するID情報機器のユーザだけに利用者を制限することができるとともに、例えば、著作権で保護されているデータや課金されたデータ等の重要なデータを取り扱う場合において、データを暗号化して記録していなくても第三者が不正にデータを利用することを防止できるという効果を奏する。
【0310】
また、本発明のデータ利用装置は、所望のデータに対応するID情報を有するID情報機器が利用時に接続されていなければ、所望のデータへのアクセスを禁止することができる。これにより、他人に対して公開したくないようなデータについてアクセスを禁止することで、プライバシーを保護することができる。
【0311】
上記対応情報記録手段は、上記記録データを対応付けされたID情報毎に分けて記録していることがより好ましい。
【0312】
それゆえ、データ利用装置内部に記録されたデータを利用する場合において、記録データをID情報毎に分けて記録しているため、データ利用許可手段は、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応するデータ記録領域をチェックするだけで、所望の記録データが存在するか否かを容易に判別できるという効果を奏する。
【0313】
上記対応情報記録手段は、複数の階層からなる階層構造のファイルシステムを有していることがより好ましい。
【0314】
それゆえ、データとID情報との対応付け方法として、複数の階層からなるファイルシステムを用いることで、例えば、ID情報毎に対応するディレクトリを作成し、その下の階層のファイルに該ID情報に対応付けされた記録データを記録することで、ID情報と記録データとを別々に記録することができるとともに、現在接続されているID情報に対応する記録データを容易に検索することができるという効果を奏する。また、既存のファイルシステムをそのまま利用して、ID情報と記録データとの対応付けを行うことができる。
【0315】
さらに、各ID情報に対応する記録データの一覧を得る場合には、記録領域がID情報毎に分けられているため、現在接続されているID情報機器から得られるID情報に対応するディレクトリ等を開くことで、そのID情報に対応する全ての記録データを得ることができる。よって、その後の記録データに対する処理を簡単にできる。
【0316】
上記データ利用許可手段は、現在接続されているID情報機器から得られたID情報に基づいて、上記対応付けされた記録データを検索することがより好ましい。
【0317】
それゆえ、装置の外部からデータ利用装置に記録されたデータに直接アクセスすることはできず、必ず、ID情報を介して間接的にアクセスすることになる。そして、現在接続されているID情報に対応付けされた記録データにだけアクセス可能となる。よって、データを暗号化せずにデータ利用装置に記録している場合でも、特定のID情報を有するユーザのみが所望のデータにアクセス可能となるため、第三者による記録データの不正利用を防止できるという効果を奏する。また、記録データを暗号化されていない状態で記録しているため、記録データを利用する度に復号化処理を行う必要がない。よって、記録データの利用処理を高速で行うことができるとともに、専用の復号回路が不要になる。
【0318】
上記記録されたデータを外部に出力する場合には、現在接続されているID情報機器から得られるID情報を用いて上記記録されたデータを暗号化する暗号化手段を有していることがより好ましい。
【0319】
それゆえ、所望のデータに対応したID情報を有するID情報機器が接続されたデータ利用装置において、他のデータ利用装置等に対してデータのコピー等を行うことは可能である。しかし、コピー等がされた他のデータ利用装置においては、暗号化に用いたID情報を有するID情報機器が接続されていない限り、この暗号化されたデータを復号化することができないため、実質的に、不正コピー/不正利用を防ぐことができるという効果を奏する。
【0320】
上記ID情報を用いて暗号化されたデータを外部から受信した場合には、上記データを暗号化する際に用いたID情報を用いて暗号化されたデータを復号化する復号化手段を有していることがより好ましい。
【0321】
それゆえ、データ利用装置において、暗号化に用いたID情報を有するID情報機器が接続された状態でなければ、受信したデータを復号化して利用することができない。よって、データ利用装置間等における不正コピー/不正使用を防止することができるという効果を奏する。
【0322】
本発明のデータ利用方法は、以上のように、データを記録する場合において、ID情報機器から得られるID情報とデータとを対応付けた状態で記録する第1のステップと、上記記録されたデータを利用する場合において、現在、接続されているID情報機器から得られるID情報と利用するデータとの対応関係が、上記対応情報記録手段に対応付けされた状態で記録されたID情報および記録データの中に存在するか否かを判定する第2のステップと、存在する場合には該データの利用を許可し、存在しない場合には該データの利用を禁止する第3のステップと、を有する方法である。
【0323】
それゆえ、データを記録した際に用いた特定のID情報を有するID情報機器のユーザだけに利用者を制限することができるとともに、例えば、著作権で保護されているデータや課金されたデータ等の重要なデータを取り扱う場合において、データを暗号化して記録していなくても第三者が不正にデータを利用することを防止できるという効果を奏する。
【0324】
また、本発明のデータ利用方法は、所望のデータに対応するID情報を有するID情報機器が利用時に接続されていなければ、所望のデータへのアクセスを禁止することができる。これにより、他人に対して公開したくないようなデータについてアクセスを禁止することで、プライバシーを保護することができる。
【0325】
本発明のデータ利用プログラムは、以上のように、上記データ利用装置が備えている各手段として、コンピュータを機能させる構成である。
【0326】
それゆえ、データの不正利用を防止する機能を有するデータ利用プログラムを得ることができるという効果を奏する。また、上記コンピュータに本発明のデータ利用プログラムを実行させることで、該コンピュータをデータ利用装置として利用することができる。
【0327】
本発明のデータ利用装置プログラムは、以上のように、上記データ利用方法が備える各ステップを、コンピュータに実行させる構成である。
【0328】
それゆえ、データの不正利用を防止する機能を有するデータ利用プログラムを得ることができるという効果を奏する。また、上記コンピュータに本発明のデータ利用プログラムを実行させることで、該コンピュータをデータ利用装置として利用することができる。
【0329】
本発明のデータ利用プログラムを記録した記録媒体は、以上のように、上記データ利用プログラムが記録されている構成である。
【0330】
それゆえ、上記記録媒体またはネットワークを介して、一般的なコンピュータにデータ利用プログラムを実行させることにより、該コンピュータを用いて上記データ利用方法を実現する、つまり、該コンピュータをデータ利用装置として機能させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるデータ利用装置において、図16の処理後、一方のプレイヤからIDカードを抜き、他方のプレイヤにIDカードを接続し、一方のプレイヤには別のIDカードを接続して、コンテンツデータを再生する場合の状態を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るデータ利用装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図3】各手段を具体的に実現するデータ利用装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】データ利用装置の適用例としての携帯電話を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るデータ利用装置の処理の一部、すなわちデータとID情報を対応付けて記録する際の処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】対応情報のデータ構造の一例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るデータ利用装置の処理の一部、すなわちデータ記録手段上に記録されたデータを利用する際の処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】音楽データを指定する状態を示す図である。
【図9】対応情報のデータ構造の別の一例を示す図である。
【図10】外部のコンテンツデータサーバからデータ利用装置にデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータを利用している状態を示すブロック図である。
【図11】図10でダウンロードしたコンテンツデータを外部記録手段に移動あるいはコピーしている状態を示すブロック図である。
【図12】図11で移動処理した後、外部記録手段上のコンテンツデータを、他のデータカードにコピーした後の状態を示すブロック図である。
【図13】図12のコピー処理の後、データカード中のコンテンツデータをプレイヤ内に移動あるいはコピーしている状態を示すブロック図である。
【図14】図13で移動処理した後、プレイヤ内のコンテンツデータを再生しようとしている状態を示すブロック図である。
【図15】図14の状態の後、プレイヤからIDカードを抜き、別のプレイヤにIDカードを接続して、データカード中のコンテンツデータをプレイヤ内に移動あるいはコピーしようとしている状態を示すブロック図である。
【図16】図15で移動処理した後、2台のプレイヤでコンテンツデータを再生しようとする時の状態を示すブロック図である。
【図17】図10でコンテンツデータをダウンロードした後、プレイヤからIDカードを抜き、別のIDカードを接続して、ダウンロードしたコンテンツデータを再生しようとしている状態を示すブロック図である。
【図18】図10でコンテンツデータをダウンロードした後、プレイヤからIDカードを抜き、別のIDカードを接続して、ダウンロードしたコンテンツデータをデータカードに移動あるいはコピーしようとしている状態を示すブロック図である。
【図19】外部メモリからコンテンツをデータ利用装置にデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータを別の外部メモリを接続して利用しようとしている状態を示すブロック図である。
【図20】外部のコンテンツデータサーバから従来のデータ利用装置にデータをダウンロードし、ダウンロードしたデータを利用している状態を示すブロック図である。
【図21】図20でダウンロードしたコンテンツデータをデータカードに移動あるいはコピーした状態を示すブロック図である。
【図22】図21で移動処理した後に、他のデータカード状態にコンテンツデータをコピーした状態を示すブロック図である。
【図23】図22の処理の後、データカード中のコンテンツデータをプレイヤ内に移動あるいはコピーした状態を示すブロック図である。
【図24】図23で移動処理した後の状態を示すブロック図である。
【図25】図24の状態後、プレイヤにIDカードを接続して、データカード中のコンテンツデータをプレイヤ内に移動あるいはコピーした状態を示すブロック図である。
【図26】図25で移動処理した後の状態を示すブロック図である。
【図27】IDカードを持つユーザAがプレイヤにダウンロードしたコンテンツデータを、IDカードを持つ別のユーザBが再生している状態を示すブロック図である。
【図28】ユーザAがプレイヤにダウンロードしたコンテンツデータを、プレイヤにユーザBのIDカードを接続して、データカードに移動あるいはコピーした状態を示すブロック図である。
【図29】図28で移動処理した後の状態を示すブロック図である。
【図30】図29の状態の後、別のプレイヤに、ユーザBのIDカードを接続して、データカード中のコンテンツデータをプレイヤ内に移動あるいはコピーした状態を示すブロック図である。
【図31】図30で移動処理した後の状態を示すブロック図である。
【図32】図31の状態において、プレイヤにユーザBのIDカードを接続して、コンテンツデータが再生可能な状態を示すブロック図である。
【符号の説明】
1   ID情報取得手段
2   対応情報記録手段
3   データ記録手段
4   データ利用許可手段
5   記録データ利用手段
6   データ取得手段
7   暗号化手段
8   復号化手段
9   外部記録手段
10   データ生成手段
11   通信手段
12   ネットワーク
20   CPU(データ利用許可手段)
24   主記憶
25   外部記録
32   IDカード(ID情報機器)
33   メモリカード(対応情報記録手段)
40a〜47a  データファイル
40b〜47b  ID情報
51・55・58・61   ディレクトリ
52〜54   ファイル
56・57   ファイル
59・60・62   ファイル
70a・70b  プレイヤ(データ利用装置)
71   コンテンツデータ(記録データ)
72a・82a・82b  コンテンツデータ(プレーン)
73a・73b・73y  IDカード(ID情報機器)
74a・74b・74x  フォルダ
75a・75b  CK(データ利用許可手段)
77a・77b・77y  データカード(外部記録手段)
78a・78b  コンテンツデータ(暗号化)
80a・80b  暗号化手段
81a・81b  復号化手段

Claims (10)

  1. 着脱可能なID情報機器と接続されるデータ利用装置であって、
    データを記録する際において、上記ID情報機器から得られるID情報と記録するデータとを対応付けた状態で記録する対応情報記録手段と、
    上記記録データを利用する際において、利用したい記録データと現在接続されているID情報機器から得られるID情報との対応関係が、上記対応情報記録手段に対応付けされた状態で記録されたID情報および記録データの中に存在するか否かを判定し、存在する場合には該記録データの利用を許可し、存在しない場合には該記録データの利用を禁止するデータ利用許可手段と、
    を備えていることを特徴とするデータ利用装置。
  2. 上記対応情報記録手段は、上記記録データを対応付けされたID情報毎に分けて記録していること、
    を特徴とする請求項1に記載のデータ利用装置。
  3. 上記対応情報記録手段は、複数の階層からなる階層構造のファイルシステムを有していること、
    を特徴とする請求項1または2に記載のデータ利用装置。
  4. 上記データ利用許可手段は、現在接続されているID情報機器から得られたID情報に基づいて、上記対応付けされた記録データを検索すること、
    を特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のデータ利用装置。
  5. 上記記録されたデータを外部に出力する場合には、現在接続されているID情報機器から得られるID情報を用いて上記記録されたデータを暗号化する暗号化手段を有していること、
    を特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のデータ利用装置。
  6. 上記ID情報を用いて暗号化されたデータを外部から受信した場合には、上記データを暗号化する際に用いたID情報を用いて暗号化されたデータを復号化する復号化手段を有していること、
    を特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のデータ利用装置。
  7. 着脱可能なID情報機器と接続されるデータ利用装置のデータ利用方法であって、
    データを記録する場合において、ID情報機器から得られるID情報とデータとを対応付けた状態で記録する第1のステップと、
    上記記録されたデータを利用する場合において、現在、接続されているID情報機器から得られるID情報と利用するデータとの対応関係が、上記対応情報記録手段に対応付けされた状態で記録されたID情報および記録データの中に存在するか否かを判定する第2のステップと、
    存在する場合には該データの利用を許可し、存在しない場合には該データの利用を禁止する第3のステップと、
    を有することを特徴とするデータ利用方法。
  8. 請求項1〜6の何れか1項に記載のデータ利用装置が備えている各手段として、コンピュータを機能させること、
    を特徴とするデータ利用プログラム。
  9. 請求項7に記載のデータ利用方法が備える各ステップを、コンピュータに実行させること、
    を特徴とするデータ利用プログラム。
  10. 請求項8または9に記載のデータ利用プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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