JP2004126675A - 盗難防止装置およびそれを用いた盗難防止方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鞄やトランクなどの携行物品をひったくりや置き引きなどの盗難から守り、盗難された場合にも、犯人が該物品を持って逃走することを困難にし、周囲に盗難事件の発生を知らせることのできる装置およびそれを用いた盗難防止方法を提供する。
【解決手段】ガスが流入することにより膨張しその膨張状態の維持が可能な袋体を折り畳んだ状態で備えると共にその袋体内にガスを供給するためのガス供給部を備えた膨張手段と、特異状態を検知し、前記袋体の膨張を開始させる検知手段を有し、該袋体が膨出してその膨出状態を維持することにより、盗難された物品の搬送が、膨出した膨張用袋体により困難になることを特徴とする鞄などの任意の場所に後付けできる盗難防止装置およびそれを用いた盗難防止方法。
【選択図】 図3
【解決手段】ガスが流入することにより膨張しその膨張状態の維持が可能な袋体を折り畳んだ状態で備えると共にその袋体内にガスを供給するためのガス供給部を備えた膨張手段と、特異状態を検知し、前記袋体の膨張を開始させる検知手段を有し、該袋体が膨出してその膨出状態を維持することにより、盗難された物品の搬送が、膨出した膨張用袋体により困難になることを特徴とする鞄などの任意の場所に後付けできる盗難防止装置およびそれを用いた盗難防止方法。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鞄や手提げトランク等の携行物品のひったくりや置き引きなどの盗難に対して、該物品に取り付けられた袋体の膨張により、犯人が該物品を持って逃走しにくくし、また周囲の人間に対し、盗難事件の発生と犯人の存在を示すことのできる盗難防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近女性や老人をねらったひったくりや置き引きなどによる盗難の被害が増加してきている。例えばひったくりなどは、ハンドバッグ、ショルダーバッグ、ポーチや手提げトランクなどの携行物品が、後から来た自転車やオートバイ等に乗ったひったくり犯に強奪される手口で被害に遭っている。しかし、ひったくりは一瞬のことであり、ひったくりにあった被害者は大声を出すどころか、何が起こったかをすぐ理解することも出来ないまま犯人に逃げられてしまうことが多かった。また、ひったくられる物品は鞄など小さいものが多く、簡単に犯人の衣服内等に隠されてしまうことも多く、また、そのような状態で逃走されるので、周囲の人間はひったくり事件が起こったことすら認識できない状況である為、犯人に比較的容易に持ち去られることが多かった。
【0003】
最近は、防犯ブザーを身につける人も増えてきている。しかし、ひったくられたことをブザー音によって周囲に知らせるだけで、ひったくりそのものを防止するとか、ひったくり犯の逃走防止にはあまり有効とはいえず、また、鞄などの中に入れておくことは少なく、ブザー音がなっても犯人の存在や逃走を防止する効果は少ない。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、ひったくりや置き引きなどの盗難に対して、盗難された携行物品に取り付けられた袋体の膨張により、盗難事件の発生を周囲に知らせるとともに、ひったくり犯や置き引き犯の逃走を困難にすることのできる、後付式の盗難防止装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、ガスが流入することにより膨張しその膨張状態の維持が可能な袋体を折り畳んだ状態で備えると共にその袋体内にガスを供給するためのガス供給部を備えた膨張手段と、特異状態を検知し、前記袋体の膨張を開始させる検知手段を有し、該袋体が膨出してその膨出状態を維持することにより、盗難された携行物品の搬送が、膨出した膨張用袋体により困難になることを特徴とする携行物品の任意の場所に後付けできる盗難防止装置である。
【0006】
また、第二に、取り付け用部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の盗難防止装置である。
【0007】
また、第三に、膨張用袋体を特異状態においてガスが流入することにより膨張させて携行物品の外部に膨張させると共にその膨張を維持することにより、ひったくり犯や置き引き犯が該物品を持っての逃走することを困難にし、周囲に盗難事件の発生を知らせることのできる盗難防止方法である。
【0008】
本発明の盗難防止装置は、鞄などの携行物品に対し取り付けられるもので、該物品がひったくりにあったり、置き引きされ、持ち主の身体から離れたときに、袋体が膨張してその膨張状態を維持することにより、ひったくり犯や置き引き犯が該物品を持ったまま逃走することを困難にし、盗難事件の発生を周囲に知らせることを目的とするもので、ガスによる膨張及びその膨張維持が可能な袋体と該袋体内にガスを供給するためのガス供給部を備えた膨張手段とひったくりなどの特異な状態を検知し該袋体の膨張を開始させる検知手段からなる盗難防止装置を袋体を折り畳んだ状態で携行物品の任意の場所に取り付けることができるものである。
【0009】
袋体は、鞄などがひったくられた直後に膨張しその膨張状態を維持することが必要である。そのため、通気性のきわめて小さい素材を用いることが好ましい。使用できる繊維素材としてはポリエステル繊維やナイロン繊維などを用いることもできるが、犯人によって簡単に切断や破損されるのを防ぐため、防弾性、防刃性を有すると共に難燃性を有する材料を用いることが好ましい。そのような材料の具体例としては、アラミド系繊維、ポリアリレート繊維,PBO繊維やガラス繊維等からなる織物等を挙げることができる。
【0010】
本発明に用いられる袋体は、収縮し折り畳まれた状態で膨張手段に接続されており、膨張手段であるガス供給部からガスが袋体内部に供給されることにより膨張する。
【0011】
膨張手段は、検知手段からの電気的或いは機械的な信号により、ガス供給部から袋体内に膨張用のガスを供給するもので、これによって袋体が膨張する。袋体の膨張の速度は、袋体に流入するガスの流量を調節することにより適宜調節することができる。ひったくりや置き引きなどの盗難にあったときに瞬時に膨張したり、数秒乃至十数秒、或はそれ以上の時間が経過した後に膨張させるように設定することができる。これら膨張開始時間は適宜設定することができる。
【0012】
膨張用袋体内にガスを供給するガス供給部の例としては、電気的又は機械的に発火し火薬或いはアジ化ナトリウム等のガス発生物質に点火して窒素ガス等のガスを発生させるいわゆる点火式のガス発生装置や、ヘリウムや窒素ガスや炭酸ガスなどが充填され、開閉弁を開放することにより高圧ガスを噴出する高圧ガスボンベ式を挙げることができる。本発明においては、図4,図5に示すような袋体部と膨張手段とが一体になった構造であるが、これらに限定されるものではない。また、鞄などの携行物品に取り付けて使用するため、この様な盗難防止装置は小型で、軽量であることが好ましい。
【0013】
膨張開始手段は、盗難により物品が所有者から離れるなど特異な状態となった場合にそれを検知する検知手段の検知信号に応じて袋体の膨張を開始させるものである。或いは、被害者が一定の操作を行うことによっても袋体の膨張を開始させることができる。
【0014】
膨張した袋体の膨張状態の維持は、袋体内からのガスの逆流を逆止弁により防止することによってなされたり、また袋体の密閉性を高めることでガスの漏出により袋体が萎むことを防止する。
【0015】
また本発明の盗難防止装置は、膨張する袋体と膨張開始手段と検知手段が一体となったものであるので、どのような形状の鞄であっても取り付けることができ、更には鞄本体のみならず、肩ひもなどに取り付けられるように取り付け部材を有していることが好ましい。取り付け部材としては、ベルトや、取り付け金具、或いは強固な粘着部材などを用いることができる。
【0016】
また、本発明の盗難防止方法は、ガスによる膨張及びその膨出維持が可能な膨張用袋体を、鞄などの携行物品に折り畳んだ状態で取り付けし、膨張用袋体をひったくりなどの特異な状態になった時にガスにより膨張させて携行物品の外部に膨張させると共にその膨張状態を維持することにより、犯人による該物品の運搬を困難にすると共にひったくり事件などの発生を周囲に知らしめるものである。
【0017】
そのため、袋体の大きさは、例えば、膨張状態において直径が50cm以上、好ましくは1m以上となるものが好ましい。直径が50cm未満であると、犯人による盗難品を持って逃走することを妨げることが難しく本発明の効果が低下する。更に、膨出した袋体も目立ちにくく犯人の特定や事件発生を周囲に知らせる効果も低下する。勿論、自動車等を利用した場合、自動車の窓から車内に入れることが困難になるような大きさとなるものであることが好ましいことは言うまでもない。
【0018】
膨張状態の袋体の形状は、例えば球状、楕円球状、立方体形状、直方体形状、円柱形状、円盤状等の適宜形状をとることができる。
【0019】
検知手段は、鞄などのひったくられた携行物品の移動を光学センサによって感知する方法、被害者が身につけている装置から発信する電磁波を膨張開始装置が受信してその電磁波についての変化を感知する方法、鞄などの盗難にあった物品に取り付けられている検知手段と人体の一部、例えば、衣服の襟、袖、ベルト部などとをワイヤ、チェーン、紐、棒状体等で連結若しくは嵌合し、連結若しくは嵌合等がひったくりなどによる鞄などの物品の移動によって解除されることにより、例えば機械的スイッチ、電気的スイッチ、封止弁や封止栓の開放動作又は点火器の作動等により膨張開始装置のスイッチが入ることで、ガスが袋体に入ることで袋体の膨張が開始される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1及び図2は、本発明の実施の形態の一例としての鞄に本発明の盗難防止装置が取り付けられている状態を示すものであって、図1および図2はその斜視図である。
【0022】
図1に示すように、鞄の側部上面に、防弾性、防刃性及び難燃性を有するアラミド系繊維織物製の袋体(ガス供給により膨張可能なように折り畳まれた状態)を内蔵すると共に、その袋体内に炭酸ガスを噴出させ得るよう接続された小型の高圧炭酸ガス充填のガスボンベと、膨出した膨張用袋体からガスボンベへの炭酸ガスの逆流を防ぐための逆止弁(図示を略す)、及び検知装置からなる一体化された盗難防止装置が取り付けられている。
【0023】
また、引き抜きによりガスボンベからの高圧ガスの噴出を開始させる引抜き紐の端部が鞄の上面部に露出している。
【0024】
図1には、鞄の端部に、引抜き紐が連結された状態が示されている。引抜き紐の他端には、被害者の腕や衣類等に保持させる為の留め具が設けられている。
【0025】
この状態で、例えば鞄をひったくられた際に、検知装置から引抜き紐が引かれることにより、ガスボンベから高圧ガスが噴出される。すると、袋体が側部上方に膨張し、一瞬の間に図3に示すように最大寸法に袋体が膨張して半径1メートルの円盤状態となり、その膨張状態が維持される。これにより、ひったくり犯が鞄を持って逃走しにくくなると共に周囲に対してひったくり事件の発生と、ひったくり犯の存在が周知されるので、ひったくった物品を持ったままの逃走が効果的に防止される。なお、高圧ガスの噴出による袋体の膨張と同時に催涙ガス等のひったくり犯の行動を阻害し得る物質が放出されても良いし、また、袋体の膨出と同時に警報音が鳴るようにすることにより犯人を驚かせることができると共に、周囲の注意を引きつけることができる。更には、袋体が膨張を続け、最終的には破裂することによりペンキなどが犯人にかかるようにしても良い。また、アジ化ナトリウムなどに点火することによりガスを発生させて膨張させる場合は、点火膨張時に大きな音がするので、犯人を驚かせることができると共に、周囲の注意を引きつけることができるので、ひったくりなどの防止や、犯人の逃走を困難にすることができる。
【0026】
【発明の効果】ひったくりなどの盗難にあった場合、袋体がガスにより携行物品の任意の場所に取りつけられた盗難防止装置から膨張膨出してその膨張状態を維持することにより、ひったくり犯によりひったくられた鞄などの携行物品の運搬を困難にすることができ、更には、膨張した袋体により周囲にひったくり事件の発生と、ひったくり犯の存在を知らしめることになる。そのため、ひったくり事件の発生を効果的に防止することができる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】盗難防止装置が取り付けられた鞄の例を示す概略斜視図である。
【図2】盗難防止装置が肩ひもに取り付けられた鞄の例を示す概略斜視図である。
【図3】鞄に取り付けられた盗難防止装置の袋体が膨出した状態の全体図である。
【図4】火薬点火式の盗難防止装置の概略断面図である。
【図5】ガスボンベ式の盗難防止装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 手提げ鞄
2 盗難防止装置
3 エアバッグ
4 ガスボンベ
5 引抜き紐
6 ショルダーバッグ
7、8 検知装置
9 取付ねじ
10 リテーナ
11 インフレータ
12 ガスボンベ取り付け金具
13 ガスボンベしきり板
14 ガスボンベホース
【発明の属する技術分野】本発明は、鞄や手提げトランク等の携行物品のひったくりや置き引きなどの盗難に対して、該物品に取り付けられた袋体の膨張により、犯人が該物品を持って逃走しにくくし、また周囲の人間に対し、盗難事件の発生と犯人の存在を示すことのできる盗難防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近女性や老人をねらったひったくりや置き引きなどによる盗難の被害が増加してきている。例えばひったくりなどは、ハンドバッグ、ショルダーバッグ、ポーチや手提げトランクなどの携行物品が、後から来た自転車やオートバイ等に乗ったひったくり犯に強奪される手口で被害に遭っている。しかし、ひったくりは一瞬のことであり、ひったくりにあった被害者は大声を出すどころか、何が起こったかをすぐ理解することも出来ないまま犯人に逃げられてしまうことが多かった。また、ひったくられる物品は鞄など小さいものが多く、簡単に犯人の衣服内等に隠されてしまうことも多く、また、そのような状態で逃走されるので、周囲の人間はひったくり事件が起こったことすら認識できない状況である為、犯人に比較的容易に持ち去られることが多かった。
【0003】
最近は、防犯ブザーを身につける人も増えてきている。しかし、ひったくられたことをブザー音によって周囲に知らせるだけで、ひったくりそのものを防止するとか、ひったくり犯の逃走防止にはあまり有効とはいえず、また、鞄などの中に入れておくことは少なく、ブザー音がなっても犯人の存在や逃走を防止する効果は少ない。
【0004】
本発明は、上記のような問題点に鑑み行われたものであって、その目的とするところは、ひったくりや置き引きなどの盗難に対して、盗難された携行物品に取り付けられた袋体の膨張により、盗難事件の発生を周囲に知らせるとともに、ひったくり犯や置き引き犯の逃走を困難にすることのできる、後付式の盗難防止装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、第一に、ガスが流入することにより膨張しその膨張状態の維持が可能な袋体を折り畳んだ状態で備えると共にその袋体内にガスを供給するためのガス供給部を備えた膨張手段と、特異状態を検知し、前記袋体の膨張を開始させる検知手段を有し、該袋体が膨出してその膨出状態を維持することにより、盗難された携行物品の搬送が、膨出した膨張用袋体により困難になることを特徴とする携行物品の任意の場所に後付けできる盗難防止装置である。
【0006】
また、第二に、取り付け用部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の盗難防止装置である。
【0007】
また、第三に、膨張用袋体を特異状態においてガスが流入することにより膨張させて携行物品の外部に膨張させると共にその膨張を維持することにより、ひったくり犯や置き引き犯が該物品を持っての逃走することを困難にし、周囲に盗難事件の発生を知らせることのできる盗難防止方法である。
【0008】
本発明の盗難防止装置は、鞄などの携行物品に対し取り付けられるもので、該物品がひったくりにあったり、置き引きされ、持ち主の身体から離れたときに、袋体が膨張してその膨張状態を維持することにより、ひったくり犯や置き引き犯が該物品を持ったまま逃走することを困難にし、盗難事件の発生を周囲に知らせることを目的とするもので、ガスによる膨張及びその膨張維持が可能な袋体と該袋体内にガスを供給するためのガス供給部を備えた膨張手段とひったくりなどの特異な状態を検知し該袋体の膨張を開始させる検知手段からなる盗難防止装置を袋体を折り畳んだ状態で携行物品の任意の場所に取り付けることができるものである。
【0009】
袋体は、鞄などがひったくられた直後に膨張しその膨張状態を維持することが必要である。そのため、通気性のきわめて小さい素材を用いることが好ましい。使用できる繊維素材としてはポリエステル繊維やナイロン繊維などを用いることもできるが、犯人によって簡単に切断や破損されるのを防ぐため、防弾性、防刃性を有すると共に難燃性を有する材料を用いることが好ましい。そのような材料の具体例としては、アラミド系繊維、ポリアリレート繊維,PBO繊維やガラス繊維等からなる織物等を挙げることができる。
【0010】
本発明に用いられる袋体は、収縮し折り畳まれた状態で膨張手段に接続されており、膨張手段であるガス供給部からガスが袋体内部に供給されることにより膨張する。
【0011】
膨張手段は、検知手段からの電気的或いは機械的な信号により、ガス供給部から袋体内に膨張用のガスを供給するもので、これによって袋体が膨張する。袋体の膨張の速度は、袋体に流入するガスの流量を調節することにより適宜調節することができる。ひったくりや置き引きなどの盗難にあったときに瞬時に膨張したり、数秒乃至十数秒、或はそれ以上の時間が経過した後に膨張させるように設定することができる。これら膨張開始時間は適宜設定することができる。
【0012】
膨張用袋体内にガスを供給するガス供給部の例としては、電気的又は機械的に発火し火薬或いはアジ化ナトリウム等のガス発生物質に点火して窒素ガス等のガスを発生させるいわゆる点火式のガス発生装置や、ヘリウムや窒素ガスや炭酸ガスなどが充填され、開閉弁を開放することにより高圧ガスを噴出する高圧ガスボンベ式を挙げることができる。本発明においては、図4,図5に示すような袋体部と膨張手段とが一体になった構造であるが、これらに限定されるものではない。また、鞄などの携行物品に取り付けて使用するため、この様な盗難防止装置は小型で、軽量であることが好ましい。
【0013】
膨張開始手段は、盗難により物品が所有者から離れるなど特異な状態となった場合にそれを検知する検知手段の検知信号に応じて袋体の膨張を開始させるものである。或いは、被害者が一定の操作を行うことによっても袋体の膨張を開始させることができる。
【0014】
膨張した袋体の膨張状態の維持は、袋体内からのガスの逆流を逆止弁により防止することによってなされたり、また袋体の密閉性を高めることでガスの漏出により袋体が萎むことを防止する。
【0015】
また本発明の盗難防止装置は、膨張する袋体と膨張開始手段と検知手段が一体となったものであるので、どのような形状の鞄であっても取り付けることができ、更には鞄本体のみならず、肩ひもなどに取り付けられるように取り付け部材を有していることが好ましい。取り付け部材としては、ベルトや、取り付け金具、或いは強固な粘着部材などを用いることができる。
【0016】
また、本発明の盗難防止方法は、ガスによる膨張及びその膨出維持が可能な膨張用袋体を、鞄などの携行物品に折り畳んだ状態で取り付けし、膨張用袋体をひったくりなどの特異な状態になった時にガスにより膨張させて携行物品の外部に膨張させると共にその膨張状態を維持することにより、犯人による該物品の運搬を困難にすると共にひったくり事件などの発生を周囲に知らしめるものである。
【0017】
そのため、袋体の大きさは、例えば、膨張状態において直径が50cm以上、好ましくは1m以上となるものが好ましい。直径が50cm未満であると、犯人による盗難品を持って逃走することを妨げることが難しく本発明の効果が低下する。更に、膨出した袋体も目立ちにくく犯人の特定や事件発生を周囲に知らせる効果も低下する。勿論、自動車等を利用した場合、自動車の窓から車内に入れることが困難になるような大きさとなるものであることが好ましいことは言うまでもない。
【0018】
膨張状態の袋体の形状は、例えば球状、楕円球状、立方体形状、直方体形状、円柱形状、円盤状等の適宜形状をとることができる。
【0019】
検知手段は、鞄などのひったくられた携行物品の移動を光学センサによって感知する方法、被害者が身につけている装置から発信する電磁波を膨張開始装置が受信してその電磁波についての変化を感知する方法、鞄などの盗難にあった物品に取り付けられている検知手段と人体の一部、例えば、衣服の襟、袖、ベルト部などとをワイヤ、チェーン、紐、棒状体等で連結若しくは嵌合し、連結若しくは嵌合等がひったくりなどによる鞄などの物品の移動によって解除されることにより、例えば機械的スイッチ、電気的スイッチ、封止弁や封止栓の開放動作又は点火器の作動等により膨張開始装置のスイッチが入ることで、ガスが袋体に入ることで袋体の膨張が開始される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1及び図2は、本発明の実施の形態の一例としての鞄に本発明の盗難防止装置が取り付けられている状態を示すものであって、図1および図2はその斜視図である。
【0022】
図1に示すように、鞄の側部上面に、防弾性、防刃性及び難燃性を有するアラミド系繊維織物製の袋体(ガス供給により膨張可能なように折り畳まれた状態)を内蔵すると共に、その袋体内に炭酸ガスを噴出させ得るよう接続された小型の高圧炭酸ガス充填のガスボンベと、膨出した膨張用袋体からガスボンベへの炭酸ガスの逆流を防ぐための逆止弁(図示を略す)、及び検知装置からなる一体化された盗難防止装置が取り付けられている。
【0023】
また、引き抜きによりガスボンベからの高圧ガスの噴出を開始させる引抜き紐の端部が鞄の上面部に露出している。
【0024】
図1には、鞄の端部に、引抜き紐が連結された状態が示されている。引抜き紐の他端には、被害者の腕や衣類等に保持させる為の留め具が設けられている。
【0025】
この状態で、例えば鞄をひったくられた際に、検知装置から引抜き紐が引かれることにより、ガスボンベから高圧ガスが噴出される。すると、袋体が側部上方に膨張し、一瞬の間に図3に示すように最大寸法に袋体が膨張して半径1メートルの円盤状態となり、その膨張状態が維持される。これにより、ひったくり犯が鞄を持って逃走しにくくなると共に周囲に対してひったくり事件の発生と、ひったくり犯の存在が周知されるので、ひったくった物品を持ったままの逃走が効果的に防止される。なお、高圧ガスの噴出による袋体の膨張と同時に催涙ガス等のひったくり犯の行動を阻害し得る物質が放出されても良いし、また、袋体の膨出と同時に警報音が鳴るようにすることにより犯人を驚かせることができると共に、周囲の注意を引きつけることができる。更には、袋体が膨張を続け、最終的には破裂することによりペンキなどが犯人にかかるようにしても良い。また、アジ化ナトリウムなどに点火することによりガスを発生させて膨張させる場合は、点火膨張時に大きな音がするので、犯人を驚かせることができると共に、周囲の注意を引きつけることができるので、ひったくりなどの防止や、犯人の逃走を困難にすることができる。
【0026】
【発明の効果】ひったくりなどの盗難にあった場合、袋体がガスにより携行物品の任意の場所に取りつけられた盗難防止装置から膨張膨出してその膨張状態を維持することにより、ひったくり犯によりひったくられた鞄などの携行物品の運搬を困難にすることができ、更には、膨張した袋体により周囲にひったくり事件の発生と、ひったくり犯の存在を知らしめることになる。そのため、ひったくり事件の発生を効果的に防止することができる。
【0027】
【図面の簡単な説明】
【図1】盗難防止装置が取り付けられた鞄の例を示す概略斜視図である。
【図2】盗難防止装置が肩ひもに取り付けられた鞄の例を示す概略斜視図である。
【図3】鞄に取り付けられた盗難防止装置の袋体が膨出した状態の全体図である。
【図4】火薬点火式の盗難防止装置の概略断面図である。
【図5】ガスボンベ式の盗難防止装置の概略断面図である。
【符号の説明】
1 手提げ鞄
2 盗難防止装置
3 エアバッグ
4 ガスボンベ
5 引抜き紐
6 ショルダーバッグ
7、8 検知装置
9 取付ねじ
10 リテーナ
11 インフレータ
12 ガスボンベ取り付け金具
13 ガスボンベしきり板
14 ガスボンベホース
Claims (3)
- ガスが流入することにより膨張しその膨張状態の維持が可能な袋体を折り畳んだ状態で備えると共にその袋体内にガスを供給するためのガス供給部を備えた膨張手段と、特異状態を検知し、前記袋体の膨張を開始させる検知手段を有し、該袋体が膨張してその膨張状態を維持することにより、盗難された携行物品の搬送が、膨出した膨張用袋体により困難になることを特徴とする携行物品の任意の場所に後付けできる盗難防止装置。
- 取り付け用部材を備えたことを特徴とする請求項1記載の盗難防止装置。
- 膨張用袋体を特異状態においてガスが流入することにより膨張させて携行物品の外部に膨張させると共にその膨張を維持することにより、ひったくり犯や置き引き犯が該物品を持っての逃走することを困難にし、周囲に盗難事件の発生を知らせることのできる盗難防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002286032A JP2004126675A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 盗難防止装置およびそれを用いた盗難防止方法 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004126675A true JP2004126675A (ja) | 2004-04-22 |
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ID=32279191
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JP2002286032A Pending JP2004126675A (ja) | 2002-09-30 | 2002-09-30 | 盗難防止装置およびそれを用いた盗難防止方法 |
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JP (1) | JP2004126675A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111275908A (zh) * | 2020-02-14 | 2020-06-12 | 何惠婷 | 一种外出逛街的避免手机被盗设备 |
-
2002
- 2002-09-30 JP JP2002286032A patent/JP2004126675A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111275908A (zh) * | 2020-02-14 | 2020-06-12 | 何惠婷 | 一种外出逛街的避免手机被盗设备 |
CN111275908B (zh) * | 2020-02-14 | 2021-11-16 | 温岭市山市金德利电器配件厂 | 一种外出逛街的避免手机被盗设备 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050907 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070621 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20071023 |