JP2004125586A - 色一致システム及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】DTP作業で使われるディスプレイの色の見えと、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどの反射物の色の見えとを一致させて、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどを見本として用いたDTP作業による画面上での色修正作業を行えるようにすること。
【解決手段】DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を備え、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システム。
【選択図】なし
【解決手段】DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を備え、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システム。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
DTP(Desk Top Publishing)に用いられるディスプレイによる再現色の見えと、反射原稿や色見本或いは校正刷りや最終印刷物などの反射物の色の見えとを一致させるシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷データの色修正等は近年DTP作業により行われている。DTP作業に用いられるディスプレイによる再現色と最終印刷物の色とはそのままでは一致しない。以前オペレータは画面の色をではなく画素を構成するC,M,Y,K(あるいはR,G,B)の数値データを見て色を確認していた。近年ではディスプレイの安定性の向上、CMS(Colour Management System)の高性能化によりある程度色を合わせられるようになり、画面上の再現色も信頼できるようになりつつある。しかしながら、自発光型のディスプレイの色と反射物である印刷物の色とではその見え方はかなり異なるものである。その為、ディスプレイの色を見ながら最終印刷物の色を創造するのは非常に難しく、やはり今でも画素の数値データを頼りにしている部分もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、DTP作業で使われるディスプレイの色の見えと、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどの反射物の色の見えとを一致させて、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどを見本として用いたDTP作業による画面上での色修正作業を行えるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記の課題を達成するために、まず請求項1の発明では、DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を備え、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システムとしたものである。
【0005】
また請求項2の発明では、DTP作業環境照明装置と、前記DTP作業環境照明装置とは別に反射物の色評価用の観察ブースとを備え、
前記反射物の色評価用の観察ブースは、観察ブース内の照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システムとしたものである。
【0006】
また請求項3の発明では、前記調光手段で照度を調整する前に、ディスプレイの白色点はその色味を反射物の色度に合わされ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定され、さらに、ディスプレイの再現色と、反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の色一致システムとしたものである。
【0007】
また請求項4の発明では、DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を設置し、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致方法としたものである。
【0008】
また請求項5の発明では、DTP作業環境照明装置と、前記DTP作業環境照明装置とは別に反射物の色評価用の観察ブースとを設置し、
前記反射物の色評価用の観察ブースは、観察ブース内の照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致方法としたものである。
【0009】
また請求項6の発明では、前記調光手段で照度を調整する前に、ディスプレイの白色点はその色味を反射物の色度に合わされ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定され、さらに、ディスプレイの再現色と、反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の色一致方法としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図を参照しながら説明する。
【0011】
図1に、本発明の色一致システムを採用したDTP作業環境の一例を示す。
【0012】
ここではDTP作業環境の環境照明装置として室内照明装置には40W色評価用蛍光ランプ4灯を有するものを、観察ブースとしては反射物の色評価用の観察ブースに調光手段を設けたものを、自発光型ディスプレイとしてはキャリブレーションモニターを用いた。また、ディスプレイには画面上に直接照明光が入射し、その見えを阻害することを防ぐためにフード(庇)を設けた。
【0013】
観察ブースは、その内部に置かれた反射物の色を目視で観察する装置であり、室内照明装置とは別に、特に安定している色評価用の照明装置を設けたものである。
【0014】
ここで、室内照明装置として反射物観察用の天井埋め込み型、あるいは天吊り型の照明器具を用い、そこに調光手段を設ければ別途観察ブースを設けなくても良い。室内照明は観察者の視覚系の順応状態を明るい環境に保つ作用をし、自発光型ディスプレイの再現色が輝いて見えるのを抑え、より反射物の見えに近づける効果がある。
【0015】
尚、色見用光源としては色温度5000°Kの蛍光灯が用いられる。充分に色相を見るためには1,000ルクスぐらいの照度が望ましい。
【0016】
反射物の色の見えと、ディスプレイの色の見えとを一致させるには、以下の3つのステップを経て行われることが望ましい。
第1のステップでは、ディスプレイの白色点は、その色味を、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色度に合わせ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定する。
第2のステップでは、ディスプレイの再現色と、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致させておく(従って、ディスプレイの状態は常に一定であることが望ましい。そうでなければその都度ディスプレイのプロファイルを見直す必要が生じてしまう)。
第3のステップでは、観察ブース(又は室内照明装置)が有する調光手段で照度を調整して、観察ブース内(又は室内照明下)での反射物の白色点の見えと、ディスプレイの白色点の見えとを一致させる。第3のステップを行なう理由を、以下に説明する。
【0017】
カラーマネージメントシステムでは、それぞれのデバイスの信号値(ディスプレイであればRGB、印刷装置であればCMYK)と、信号値が既知のカラーパッチを出力した際の測色値との対応を取り、それぞれの“デバイスプロファイル”を作成する。
【0018】
ディスプレイの場合は、多くの場合、測色器を画面に密着させ、外光の影響を無くして測色する。その時、例えば測色値としてCIELABという値を用いるが、その値を計算するには最も明るい白色で正規化する必要がある。
【0019】
一方反射物についても測定器を被測定物に密着させ、外光の影響を無くして測定する。ディスプレイの場合との違いは、ディスプレイは自分で発光しているため、その光を捉え、最も明るい色(ディスプレイの基準白色点)で正規化するのに対して、反射物の場合は測定するための“光源”の分光エネルギー分布が完全拡散板(測定波長域で反射率が一定のもの)に比べて被測定物からの分光反射率がどの様になったかで計算する。つまり、完全拡散板の測定値で正規化する。
【0020】
そのため、ディスプレイと反射物とでは、測定値としては同じ値が得られたとしても“光源”を測るのと“反射物”を測るのとでは全く違うので同じ色には見えない。しかし、基準値を合わせることによって、ある程度両者の“色空間”を合わせることが可能となる。従って、両者の白色点の見えを一致させれば、両者の色の見えが一致するようになる。
【0021】
次に室内照明が両者の白色点の見えに与える影響について説明する。
【0022】
自発光型ディスプレイの白色は、室内照明が全く無ければ暗闇の中で輝く“光源”として感じられる。室内照度が徐々に上がると、その見えは輝き感が徐々に減少し、物体的に、すなわち反射物の見えに近づいて感じられる。ただし、ディスプレイの画面周囲にはフード(庇)が設けられているため、その環境下に反射物を置いた場合よりは明るく感じられる。従ってこの場合のディスプレイの白色はその環境下に置かれた反射物からの反射輝度よりも低い状態で“白”と感じられる。更に室内照度が上がると、ディスプレイの白色輝度がその環境下で“白”と知覚されるために必要な輝度よりも低くなってしまうため、ディスプレイ上の画像が暗く見えてしまい、色評価には好ましくない状態となってしまう。
【0023】
一方観察ブース内に置かれた反射物に対しては、室内照明はディスプレイに対するような顕著な影響は与えない。これは、観察ブースがある程度の広さを持っているため、それ自体が一つの照明空間として成立するからである。すなわち、その中に置かれた反射物を観察する際、視覚系は観察ブース周囲の照明環境ではなく、観察ブース内の照明環境に順応するためである。しかしながら、室内照明が非常に強くなれば、視覚系の順応状態はその影響を受け、ディスプレイの場合と同様観察ブース内が暗く感じられるようになる。
【0024】
続いて、観察ブース内の照度をどの様に調整すれば良いかについて述べる。
【0025】
前述の様に室内照明が無い場合にはディスプレイ側の白は輝いて感じられる。反射物側をこれに合わせようとするとこちらも“輝いて見える”様にする必要があるため、ブース内の照度を高くしてやる必要がある。しかしながらこの“輝き感”を合わせようとすると白自体の“明るさ”感が異なってしまうため、両者の“見え”を一致させることは難しい。
【0026】
そのため、室内照度はディスプレイ側の白が輝いて見えない状態の照度に設定することが望ましい。その上で観察ブース内の照度は対象とする反射物の白の見えがディスプレイの白色の見えと一致する様に設定する。
【0027】
まず、ディスプレイの白色点は、その色味を、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色度に合わせ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定することが望ましい。次に、ディスプレイの再現色と、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致させておく。最後に、観察ブースの照度を反射物の白の明るさ感がディスプレイの白の明るさ感と一致するように調整する。前述の通り、観察ブース内を観察する際、観察者の順応状態はブースの環境となっているため、両者の白色からの輝度値を一致させる必要はなく、反射物側の白からの反射輝度をディスプレイ白色輝度よりもある程度高く設定しても見えは一致する。ただしあまりにも高くしてしまうと当然のことながら明るさ感に差が生じ、見えは一致しない。
【0028】
対象となる反射物を変えた場合にはディスプレイの調整もやり直す必要がある。この時、色味は同じで反射率の異なる反射物への変更の場合には、反射物の反射率が高くなるのであればブース内の照度は下げ、逆に反射率が低くなるのであればブース内の照度は上げる方向に調整することになる。
【0029】
観察ブースの照度の調整には以下の方法が考えられる。
【0030】
一つ目はランプへの供給電圧をコントロールする方法、すなわち一般的な調光器を用いる方法である。しかしながらこの場合、電圧を変えるとランプの発光特性が変化してしまい、ランプの演色性が変化するため、色評価を目的とした本用途には好ましくない。
【0031】
そのため本実施形態では、以下の方法で調整した。
【0032】
[発光面積を制御する方法]
ランプの近くに遮光板、遮光幕、あるいはメッシュフィルターを置き照射される光束量を制御するもの。
【0033】
例えばブラインドのようなものを用いたり、あるいは短冊状の遮光板又は遮光幕を多数用意し、その設置枚数を変えることにより光の照射量をコントロールするもの、あるいは穴の数や大きさがそれぞれ異なるメッシュフィルターを多種用意し、適当な明るさになるものを設置するというもの。このとき、遮光板又は遮光幕やフィルターと、ランプとの距離を短くしておけば、照明光は拡散光であるため遮光板又は遮光幕やメッシュフィルター自体の影は観察対象物上に落ちることはない。
【0034】
ランプの近くに遮光幕を置き照射される光束量を制御するには、例えば、図2に示すように、ランプの周囲にマジックテープ(登録商標)を設け、このマジックテープ(登録商標)に遮光幕を貼り付けてランプを覆うことで、照射される光束量を制御する。遮光幕が、フェルトで出来ていれば、そのままマジックテープ(登録商標)に貼り付く。遮光幕が、マジックテープ(登録商標)に貼り付き難いときは、図3に示すように、遮光幕にもマジックテープ(登録商標)を設ければ良い。
【0035】
[ニュートラルデンシティーフィルターを用いる方法]
濃度がそれぞれ異なる多数のニュートラルデンシティーフィルターを用意し、その設置枚数、組み合わせを変えることにより光量を制御する方法。
【0036】
この場合、演色性に影響しない様に分光吸収特性がランプの分光発光領域全般にわたって全くフラットのものを用いる必要がある。
【0037】
【発明の効果】
請求項1〜6の発明は、DTP作業で使われるディスプレイの色の見えと、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどの反射物の色の見えとを一致させるので、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどを見本として用いたDTP作業による画面上での色修正作業が、最終印刷物での見えを創造しながら行えるという効果がある。
【0038】
さらに、請求項2、請求項2を引用する場合の請求項3、請求項5、請求項5を引用する場合の請求項6の発明には、以下の諸効果もある。
【0039】
第1に、暗黒ではない環境に観察ブースとディスプレイを置くことにより、ディスプレイでの再現色の見えが物体色モードの見えに近づく。
【0040】
第2に、観察ブース内の照度を演色性を落とさずに調整することにより、その中に置かれた反射物の色の見えを色評価を行える状態のままディスプレイでの再現色の見えに近づけることが出来る。
【0041】
第3に、演色性を落とさずに照度調整できる観察ブースを用いることによって、色見本や色修正作業の途中で色確認のために出力した出力物と最終印刷物との比較が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色一致システムを採用したDTP作業環境の一例を説明する図。
【図2】ランプから照射される光束量の遮光幕による制御を説明する図。
【図3】マジックテープ(登録商標)を設けた遮光幕の図。
【発明の属する技術分野】
DTP(Desk Top Publishing)に用いられるディスプレイによる再現色の見えと、反射原稿や色見本或いは校正刷りや最終印刷物などの反射物の色の見えとを一致させるシステム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷データの色修正等は近年DTP作業により行われている。DTP作業に用いられるディスプレイによる再現色と最終印刷物の色とはそのままでは一致しない。以前オペレータは画面の色をではなく画素を構成するC,M,Y,K(あるいはR,G,B)の数値データを見て色を確認していた。近年ではディスプレイの安定性の向上、CMS(Colour Management System)の高性能化によりある程度色を合わせられるようになり、画面上の再現色も信頼できるようになりつつある。しかしながら、自発光型のディスプレイの色と反射物である印刷物の色とではその見え方はかなり異なるものである。その為、ディスプレイの色を見ながら最終印刷物の色を創造するのは非常に難しく、やはり今でも画素の数値データを頼りにしている部分もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、DTP作業で使われるディスプレイの色の見えと、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどの反射物の色の見えとを一致させて、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどを見本として用いたDTP作業による画面上での色修正作業を行えるようにすることを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明において上記の課題を達成するために、まず請求項1の発明では、DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を備え、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システムとしたものである。
【0005】
また請求項2の発明では、DTP作業環境照明装置と、前記DTP作業環境照明装置とは別に反射物の色評価用の観察ブースとを備え、
前記反射物の色評価用の観察ブースは、観察ブース内の照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システムとしたものである。
【0006】
また請求項3の発明では、前記調光手段で照度を調整する前に、ディスプレイの白色点はその色味を反射物の色度に合わされ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定され、さらに、ディスプレイの再現色と、反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の色一致システムとしたものである。
【0007】
また請求項4の発明では、DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を設置し、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致方法としたものである。
【0008】
また請求項5の発明では、DTP作業環境照明装置と、前記DTP作業環境照明装置とは別に反射物の色評価用の観察ブースとを設置し、
前記反射物の色評価用の観察ブースは、観察ブース内の照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致方法としたものである。
【0009】
また請求項6の発明では、前記調光手段で照度を調整する前に、ディスプレイの白色点はその色味を反射物の色度に合わされ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定され、さらに、ディスプレイの再現色と、反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の色一致方法としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態について図を参照しながら説明する。
【0011】
図1に、本発明の色一致システムを採用したDTP作業環境の一例を示す。
【0012】
ここではDTP作業環境の環境照明装置として室内照明装置には40W色評価用蛍光ランプ4灯を有するものを、観察ブースとしては反射物の色評価用の観察ブースに調光手段を設けたものを、自発光型ディスプレイとしてはキャリブレーションモニターを用いた。また、ディスプレイには画面上に直接照明光が入射し、その見えを阻害することを防ぐためにフード(庇)を設けた。
【0013】
観察ブースは、その内部に置かれた反射物の色を目視で観察する装置であり、室内照明装置とは別に、特に安定している色評価用の照明装置を設けたものである。
【0014】
ここで、室内照明装置として反射物観察用の天井埋め込み型、あるいは天吊り型の照明器具を用い、そこに調光手段を設ければ別途観察ブースを設けなくても良い。室内照明は観察者の視覚系の順応状態を明るい環境に保つ作用をし、自発光型ディスプレイの再現色が輝いて見えるのを抑え、より反射物の見えに近づける効果がある。
【0015】
尚、色見用光源としては色温度5000°Kの蛍光灯が用いられる。充分に色相を見るためには1,000ルクスぐらいの照度が望ましい。
【0016】
反射物の色の見えと、ディスプレイの色の見えとを一致させるには、以下の3つのステップを経て行われることが望ましい。
第1のステップでは、ディスプレイの白色点は、その色味を、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色度に合わせ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定する。
第2のステップでは、ディスプレイの再現色と、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致させておく(従って、ディスプレイの状態は常に一定であることが望ましい。そうでなければその都度ディスプレイのプロファイルを見直す必要が生じてしまう)。
第3のステップでは、観察ブース(又は室内照明装置)が有する調光手段で照度を調整して、観察ブース内(又は室内照明下)での反射物の白色点の見えと、ディスプレイの白色点の見えとを一致させる。第3のステップを行なう理由を、以下に説明する。
【0017】
カラーマネージメントシステムでは、それぞれのデバイスの信号値(ディスプレイであればRGB、印刷装置であればCMYK)と、信号値が既知のカラーパッチを出力した際の測色値との対応を取り、それぞれの“デバイスプロファイル”を作成する。
【0018】
ディスプレイの場合は、多くの場合、測色器を画面に密着させ、外光の影響を無くして測色する。その時、例えば測色値としてCIELABという値を用いるが、その値を計算するには最も明るい白色で正規化する必要がある。
【0019】
一方反射物についても測定器を被測定物に密着させ、外光の影響を無くして測定する。ディスプレイの場合との違いは、ディスプレイは自分で発光しているため、その光を捉え、最も明るい色(ディスプレイの基準白色点)で正規化するのに対して、反射物の場合は測定するための“光源”の分光エネルギー分布が完全拡散板(測定波長域で反射率が一定のもの)に比べて被測定物からの分光反射率がどの様になったかで計算する。つまり、完全拡散板の測定値で正規化する。
【0020】
そのため、ディスプレイと反射物とでは、測定値としては同じ値が得られたとしても“光源”を測るのと“反射物”を測るのとでは全く違うので同じ色には見えない。しかし、基準値を合わせることによって、ある程度両者の“色空間”を合わせることが可能となる。従って、両者の白色点の見えを一致させれば、両者の色の見えが一致するようになる。
【0021】
次に室内照明が両者の白色点の見えに与える影響について説明する。
【0022】
自発光型ディスプレイの白色は、室内照明が全く無ければ暗闇の中で輝く“光源”として感じられる。室内照度が徐々に上がると、その見えは輝き感が徐々に減少し、物体的に、すなわち反射物の見えに近づいて感じられる。ただし、ディスプレイの画面周囲にはフード(庇)が設けられているため、その環境下に反射物を置いた場合よりは明るく感じられる。従ってこの場合のディスプレイの白色はその環境下に置かれた反射物からの反射輝度よりも低い状態で“白”と感じられる。更に室内照度が上がると、ディスプレイの白色輝度がその環境下で“白”と知覚されるために必要な輝度よりも低くなってしまうため、ディスプレイ上の画像が暗く見えてしまい、色評価には好ましくない状態となってしまう。
【0023】
一方観察ブース内に置かれた反射物に対しては、室内照明はディスプレイに対するような顕著な影響は与えない。これは、観察ブースがある程度の広さを持っているため、それ自体が一つの照明空間として成立するからである。すなわち、その中に置かれた反射物を観察する際、視覚系は観察ブース周囲の照明環境ではなく、観察ブース内の照明環境に順応するためである。しかしながら、室内照明が非常に強くなれば、視覚系の順応状態はその影響を受け、ディスプレイの場合と同様観察ブース内が暗く感じられるようになる。
【0024】
続いて、観察ブース内の照度をどの様に調整すれば良いかについて述べる。
【0025】
前述の様に室内照明が無い場合にはディスプレイ側の白は輝いて感じられる。反射物側をこれに合わせようとするとこちらも“輝いて見える”様にする必要があるため、ブース内の照度を高くしてやる必要がある。しかしながらこの“輝き感”を合わせようとすると白自体の“明るさ”感が異なってしまうため、両者の“見え”を一致させることは難しい。
【0026】
そのため、室内照度はディスプレイ側の白が輝いて見えない状態の照度に設定することが望ましい。その上で観察ブース内の照度は対象とする反射物の白の見えがディスプレイの白色の見えと一致する様に設定する。
【0027】
まず、ディスプレイの白色点は、その色味を、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色度に合わせ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定することが望ましい。次に、ディスプレイの再現色と、色見本(原稿など)或いは校正刷りなどの反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致させておく。最後に、観察ブースの照度を反射物の白の明るさ感がディスプレイの白の明るさ感と一致するように調整する。前述の通り、観察ブース内を観察する際、観察者の順応状態はブースの環境となっているため、両者の白色からの輝度値を一致させる必要はなく、反射物側の白からの反射輝度をディスプレイ白色輝度よりもある程度高く設定しても見えは一致する。ただしあまりにも高くしてしまうと当然のことながら明るさ感に差が生じ、見えは一致しない。
【0028】
対象となる反射物を変えた場合にはディスプレイの調整もやり直す必要がある。この時、色味は同じで反射率の異なる反射物への変更の場合には、反射物の反射率が高くなるのであればブース内の照度は下げ、逆に反射率が低くなるのであればブース内の照度は上げる方向に調整することになる。
【0029】
観察ブースの照度の調整には以下の方法が考えられる。
【0030】
一つ目はランプへの供給電圧をコントロールする方法、すなわち一般的な調光器を用いる方法である。しかしながらこの場合、電圧を変えるとランプの発光特性が変化してしまい、ランプの演色性が変化するため、色評価を目的とした本用途には好ましくない。
【0031】
そのため本実施形態では、以下の方法で調整した。
【0032】
[発光面積を制御する方法]
ランプの近くに遮光板、遮光幕、あるいはメッシュフィルターを置き照射される光束量を制御するもの。
【0033】
例えばブラインドのようなものを用いたり、あるいは短冊状の遮光板又は遮光幕を多数用意し、その設置枚数を変えることにより光の照射量をコントロールするもの、あるいは穴の数や大きさがそれぞれ異なるメッシュフィルターを多種用意し、適当な明るさになるものを設置するというもの。このとき、遮光板又は遮光幕やフィルターと、ランプとの距離を短くしておけば、照明光は拡散光であるため遮光板又は遮光幕やメッシュフィルター自体の影は観察対象物上に落ちることはない。
【0034】
ランプの近くに遮光幕を置き照射される光束量を制御するには、例えば、図2に示すように、ランプの周囲にマジックテープ(登録商標)を設け、このマジックテープ(登録商標)に遮光幕を貼り付けてランプを覆うことで、照射される光束量を制御する。遮光幕が、フェルトで出来ていれば、そのままマジックテープ(登録商標)に貼り付く。遮光幕が、マジックテープ(登録商標)に貼り付き難いときは、図3に示すように、遮光幕にもマジックテープ(登録商標)を設ければ良い。
【0035】
[ニュートラルデンシティーフィルターを用いる方法]
濃度がそれぞれ異なる多数のニュートラルデンシティーフィルターを用意し、その設置枚数、組み合わせを変えることにより光量を制御する方法。
【0036】
この場合、演色性に影響しない様に分光吸収特性がランプの分光発光領域全般にわたって全くフラットのものを用いる必要がある。
【0037】
【発明の効果】
請求項1〜6の発明は、DTP作業で使われるディスプレイの色の見えと、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどの反射物の色の見えとを一致させるので、反射原稿或いは色見本や修正指示の入った校正刷りなどを見本として用いたDTP作業による画面上での色修正作業が、最終印刷物での見えを創造しながら行えるという効果がある。
【0038】
さらに、請求項2、請求項2を引用する場合の請求項3、請求項5、請求項5を引用する場合の請求項6の発明には、以下の諸効果もある。
【0039】
第1に、暗黒ではない環境に観察ブースとディスプレイを置くことにより、ディスプレイでの再現色の見えが物体色モードの見えに近づく。
【0040】
第2に、観察ブース内の照度を演色性を落とさずに調整することにより、その中に置かれた反射物の色の見えを色評価を行える状態のままディスプレイでの再現色の見えに近づけることが出来る。
【0041】
第3に、演色性を落とさずに照度調整できる観察ブースを用いることによって、色見本や色修正作業の途中で色確認のために出力した出力物と最終印刷物との比較が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の色一致システムを採用したDTP作業環境の一例を説明する図。
【図2】ランプから照射される光束量の遮光幕による制御を説明する図。
【図3】マジックテープ(登録商標)を設けた遮光幕の図。
Claims (6)
- DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を備え、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システム。 - DTP作業環境照明装置と、前記DTP作業環境照明装置とは別に反射物の色評価用の観察ブースとを備え、
前記反射物の色評価用の観察ブースは、観察ブース内の照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致システム。 - 前記調光手段で照度を調整する前に、ディスプレイの白色点はその色味を反射物の色度に合わされ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定され、さらに、ディスプレイの再現色と、反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の色一致システム。
- DTP作業環境照明装置として色評価用の照明装置を設置し、
前記色評価用の照明装置は、照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致方法。 - DTP作業環境照明装置と、前記DTP作業環境照明装置とは別に反射物の色評価用の観察ブースとを設置し、
前記反射物の色評価用の観察ブースは、観察ブース内の照度を照明光の演色性を落とすこと無く調整する調光手段を有し、
前記調光手段で照度を調整して、反射物の白色の見えと、ディスプレイの白色の見えとを一致させることにより、反射物の色の見えとディスプレイでの再現色の見えとを一致させることを特徴とする色一致方法。 - 前記調光手段で照度を調整する前に、ディスプレイの白色点はその色味を反射物の色度に合わされ、次にその色度のまま、そのディスプレイで安定して再現できる最も高い輝度に設定され、さらに、ディスプレイの再現色と、反射物の色とは、カラーマネージメントシステムによる変換を通して理論上一致されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の色一致方法。
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JP2002289595A JP2004125586A (ja) | 2002-10-02 | 2002-10-02 | 色一致システム及び方法 |
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- 2002-10-02 JP JP2002289595A patent/JP2004125586A/ja active Pending
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