JP2004123490A - 発光性酸化物単結晶の製造方法および発光性複合材料の製造方法 - Google Patents

発光性酸化物単結晶の製造方法および発光性複合材料の製造方法 Download PDF

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Naomi Nagasawa
長沢 直美
Masayuki Suzuki
鈴木 真之
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Abstract

【課題】目的組成を有し、結晶サイズも十分に大きい発光性酸化物単結晶を容易にしかも低コストで得る。
【解決手段】一般式Ax y z [ただし、0.8≦x≦1.1,1.8≦y≦2.2,{(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2,A=Srk Bal Cam Mgn (0≦k,l,m,n≦1,k+l+m+n=1),B=Al1−p p (0≦p<1),D=Yq Gar Int (0≦q,r,t≦1,q+r+t=1)]で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶をフラックス法により育成する場合に、Aを含有する第1の原料から発生するAのモル数をa、Bを含有する第2の原料から発生するBのモル数をbとしたとき、a/b>x/yを満たす投入組成条件で原料を投入して育成する。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、発光性酸化物単結晶の製造方法および発光性複合材料の製造方法に関し、例えば、発光を効果的に利用するエンターテインメント分野などにおける発光材料の製造に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、蛍光性物質として、希土類元素をドープしたアルミネート系物質が注目され、活発に研究が行われている。このようなアルミネート系物質としては、EuをドープしたSrAl2 4 (以下「SrAl2 4 :Eu」と書く)が、後述のように応力発光現象の報告を契機として、最も注目されている。そこで、まず、このSrAl2 4 :Euの研究開発経緯について、先行技術文献を挙げながら説明する。
【0003】
蛍光体であるSrAl 2  4  :Euの特許と研究経緯
SrAl2 4 :Euは、古くから蛍光体として研究された経緯があり、以下の特許が1960年代にすでに登録されており、今や公知の材料系と言える(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】
米国特許第3294699号明細書
【0004】
根本特殊化学(株)による蓄光材料/長残光蛍光体SrAl 2  4  :Eu+Dy(N夜光:商品名「ルミノーバ」)の発明と研究経緯
この蛍光体の詳細については多くの報告または解説がある(例えば、非特許文献1−9、特許文献2−4)
【非特許文献1】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.nemoto.co.jp/index j.html〉
【非特許文献2】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.nemoto.co.jp/products/luminova/index.html〉
【非特許文献3】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.nemoto.co.jp/product/01 luminova/index.html〉
【非特許文献4】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.nemoto.co.jp/column/10 glow.html 〉
【特許文献2】
特許第2543825号明細書
【特許文献3】
米国特許第5424006号明細書
【特許文献4】
欧州特許第622440号明細書
【非特許文献5】
松沢隆嗣、竹内信義、青木康充、村上義彦、第248回 蛍光体同学
会講演予稿集(1993.11.26)7−13
【非特許文献6】
村上義彦、日経サイエンス、5(1996)20−29
【非特許文献7】
T.Matsuzawa,Y.Aoki,T.Takeuchi and Y.Murayama,J.Electrochem.Soc.,143(1996)2670−2673
【非特許文献8】
村上義彦、セラミックス、32(1997)40−43
【非特許文献9】
村上義彦、はかる、42(1997)2−7
【0005】
独立行政法人産業技術総合研究所センター・基礎素材研究部門・多機能材料技術研究グループの徐超男氏(元・通産省工業技術院・九州工業技術研究所・無機複 合材料部・機能性セラミックス研究室)らによるSrAl 2  4  :Eu系材料における応力発光現象の発見と特許および研究経緯
この応力発光SrAl2 4 :Eu系材料や関連物質に関しては多くの解説や報告がある(例えば、非特許文献10−17、特許文献5−19参照)。特許文献5には、外部からの機械的エネルギーをウルツァイト(wurzite)型圧電材料で受けることにより発光し、内部に0.01〜20重量%の希土類あるいは遷移金属を含む材料が記載され、特許文献6にはこの材料を薄膜にしたものが記載されている。特許文献7には、機械的な外力を加えて生じる変形により発光する材料であり、MgAl2 4 、CaAl2 4 、Al2 3 、SrMgAl1017の母体材料に3d,4d,5d,4fの電子殻を有する遷移元素あるいは希土類元素を含む物質とその製造方法が記載されている。特許文献8には、金属酸化物/複合酸化物の母体結晶に3d,4d,5d,4fの電子殻を有する遷移元素あるいは希土類元素を発光中心イオンとして含む物質からなる、機械的変形により発光する材料が記載されている。特許文献9には、Sr3 Al2 6 ,Ga3 Al2 6 の母体材料に遷移元素や希土類を含む材料、 及び添加物質の量が0.01〜20重量%で800〜1700℃の還元雰囲気下で焼成させる製造方法が記載されている。特許文献10には、外部からの機械的エネルギーを光に変える材料において、Y−Ba−Mg−Si酸化物を母体材料とし、 希土類ないし遷移金属元素を発光中心とする材料が記載されている。特許文献11には、非化学量論組成のアルミン酸塩を規定した、機械的エネルギーによって発光する材料が記載されている。特許文献12には、可視光で励起させた蛍光体メモリーでmMO・nAl2 3 の材料系が記載されている。特許文献13には、応力発光材料を用いた応力分布の測定システムが記載されている。特許文献14には、メリライト型結晶構造の酸化物(例えば、CaYAl3 7 ,Ca2 Al2 SiO7 など)を母体とする、機械的エネルギーによって発光する材料が記載されている。特許文献15には、MN2 4 でM=Mg,Sr,Ba,Zn、N=Ga,Alで、それに発光中心として希土類あるいは遷移金属がドープされた材料系とその製造方法が記載されている。特許文献16には、アルミン酸塩の母体に希土類あるいは遷移元素をドープした電場発光材料が記載されている。特許文献17には、(Sr,Ba,Mg,Ca,Zn,Cd)−(Al,Ga,Si)酸化物系の電歪材料で最大歪みが1%であることが記載されており、これは相当大きい値である。特許文献18には、トライボルミネッセント(Triboluminescent)材料としてピエゾ関連材料が記載されている。特許文献19には、応力発光材料として主にSr3 Al3 6 が記載され、特許文献9に対応するものである。
【非特許文献10】
徐超男、AIST Today,vol.2,No8(2002)
【非特許文献11】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.aist.go.jp/aist j/aistinfo/aist today/vol02 08/vol02 80 main.html〉
【非特許文献12】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.aist.go.jp/aist j/aistinfo/aist today/vol02 08/vol02 08 p13.pdf〉
【非特許文献13】
C−N.Xu,T.Watanabe,M.Akiyama and X−G.Zheng,Appl.Phys.Lett.,74(1999)1236−1238
【非特許文献14】
C−N.Xu,T.Watanabe,M.Akiyama and X−G.Zheng,Appl.Phys.Lett.,74(1999)2414−2416
【非特許文献15】
C−N.Xu,X−G.Zheng,M.Akiyama,K.Nonaka and T.Watanabe,Appl.Phys.Lett.,76(2000)179−181
【非特許文献16】
徐超男、化学工業(2000年10月号)pp.790−794&808
【非特許文献17】
徐超男、月刊ディスプレー、9月号(2001年)98−103
【特許文献5】
特開平11−116946号公報
【特許文献6】
特許第3265356号明細書
【特許文献7】
特許第3136340号明細書
【特許文献8】
特許第3136338号明細書
【特許文献9】
特許第2992631号明細書
【特許文献10】
特開2000−313878号公報
【特許文献11】
特開2001−49251号公報
【特許文献12】
特開2001−123162号公報
【特許文献13】
特開2001−215157号公報
【特許文献14】
特許第3273317号明細書
【特許文献15】
特開2002−194349号公報
【特許文献16】
特開2002−194350号公報
【特許文献17】
特開2002−201068号公報
【特許文献18】
米国特許第6117574号明細書
【特許文献19】
米国特許第6159394号明細書
【0006】
以上に挙げたいずれの文献にも、単結晶作製に関する記述は見当たらない。
蓄光材料/応力発光材料であるSrAl2 4 系単結晶の作製方法については以下の報告がある。まず、W.Jia とH.Yuanらによるレーザー加熱ペデスタル法(Laser Heated Pedestal Growth:LHPG)による単結晶作製の報告がある(例えば、非特許文献18−22参照)。これらの非特許文献18−22は、いずれもSrAl2 4 :Eu+Dy、CaAl2 4 :Eu+Nd単結晶系の育成研究に関するものであるが、育成方法にレーザーを使用するなど費用の面では相当高価な結晶となり、産業性からは遠い手段である。
【非特許文献18】
W.Jia,H.Yuan,L.Lu,H.Liu and W.M.Yen,J.Lumine.,76&77(1998)424−428
【非特許文献19】
W.Jia,H.Yuan,L.Lu,H.Liu and W.M.Yen,J.Crystal Growth,200(1999)179−184
【非特許文献20】
W.Jia,H.Yuan,S.Holmstrom,H.Liu and W.M.Yen,J.Lumine.,83−84(1999)465−469
【非特許文献21】
Huabiao.Yuan,”The Investigation of Long Persistent Afterglow
in SrAl2O4:Eu,Dy Single Crystal” Dissertation submitted to TheUniversity of Georgia,(Sept.1998)
【非特許文献22】
H.B.Yuan,W.Jia,S.A.Basun,L.Lu,R.S.Meltzer and W.M.Yen,J.Electrochem.Soc.,147(2000)3154−3156
【0007】
また、東洋大学によるフローティングゾーン法(Floating Zone Technique)による単結晶作製の報告がある(例えば、非特許文献23−25)。しかし、これも高額な装置を必要とする点で好ましくない。
【非特許文献23】
T.Katsumata,T.Nabae,K.Sasajima and T.Maysuzawa,J.Crystal Growth,183(1998)361−365
【非特許文献24】
T.Katsumata,K.Sasajima,T.Nabae,S.Komuro and T.Morikawa,J.Am.Ceram.Soc.,81(1998)413−416
【非特許文献25】
T.Katsumata,R.Sakai,S.Komuro,T.Morikawa and H.Kimura,J.CrystalGrowth,198/199(1999)869−871
【0008】
さらに、アルカリ土類アルミン酸塩単結晶の作製方法が提案されている(例えば、特許文献20参照)。特許文献20には、ブリッジマン−ストックバーガー(Bridgman−Stockbarger)法あるいはチョクラルスキー(Czochralski)法による単結晶育成手段が記載されているが、これもやはり高額な装置を有する点で産業化には適さないし、対象材料がSrAl1219であり、本願の酸化物単結晶の目的組成とは大きく異なるものである。
【特許文献20】
特開2001−139942号公報
【0009】
一方、SrAl2 4 系材料とは全く異なるが、層状結晶構造酸化物を二重るつぼとフラックスとを用いて融解し、徐冷することで単結晶を作製する方法が本出願人により提案されている(特許文献21)。この特許文献21では、原料の投入組成を目的組成と同一組成に設定して単結晶の育成を行っている。なお、上記のフローティングゾーン法やLHPG法により単結晶を育成する場合も、原料の投入組成は目的組成と同一か、Alに対してSrを目的組成より若干少なく設定している。
【特許文献21】
特開平10−338599号公報
【0010】
次に、応力発光する物質系SrAl2 4 系微粒子と樹脂との複合化技術について、その従来技術を以下に述べる。
根本特殊化学(株)から、複合材料としての商品名「ルミノーバ」(SrAl2 4 :Eu+Dy)の樹脂含浸製品が、「練込樹脂ペレット」として以下のとおり販売されている(非特許文献26、27)。
【非特許文献26】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.nemoto.co.jp/products/luminova/index.html〉
【非特許文献27】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www.nemoto.co.jp/products/gss/index.html 〉
【0011】
樹脂材料としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(PA)、ウレタン樹脂が、上記ウェブ資料や非特許文献9に記載されている。さらに、上記ウェブ資料によれば、シリコーンゴムへの練り込みも試みられているようであるが、その詳細は明らかにされていない。一方、粉体と樹脂との混合比については、重量比で10%程度との記述があるのみである。
【0012】
一方、応力発光を発見した徐らの論文では、すべてセラミックス合成手法で合成した粉体をエポキシ樹脂と複合化させており、単結晶を作製している記述は見当たらない。
さらに、市販商品として、以下の東京インテリジェントネットワーク株式会社のもの(非特許文献28、29)とサン・ユニット・カンパニーのもの(非特許文献30)とが知られているが、いずれも単結晶を使用している記載はない。
【非特許文献28】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www2.raidway.ne.jp/〜tin/〉
【非特許文献29】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://www2.raidway.ne.jp/〜tin/nl/nl.html〉
【非特許文献30】
[平成14年8月30日検索]、インターネット〈URL:http://web.kyoto−inet.or.jp/people/sansanuc/s4.htm〉
このように、粉体との複合化の記載はあるが、大きさが数十μm〜数mmに及ぶ単結晶薄片との複合化の記載は一切ない。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、SrAl2 4 単結晶の育成については、フローティングゾーン法(非特許文献23−25)やLHPG法(非特許文献18−22)やブリッジマン−ストックバーガー法またはチョクラスキー法(特許文献20)による方法の報告があるが、これらの方法の実施にはいずれも高価な特別な装置が必要であり、従って育成コストが高くなる。一方、通常良く使われている箱型の電気炉を使用し、フラックス法でSrAl2 4 単結晶を育成することができれば育成コストが大幅に低減されるが、この育成方法の報告は皆無である。
また、用途によっては、SrAl2 4 単結晶として大きさが例えば数十μm〜数mmに及ぶ単結晶薄片などの結晶サイズが大きいものが必要となることもある。
【0014】
そこで、本発明者らは、上記特許文献21と同様に、箱型の電気炉を使用し、フラックス法によりSrAl2 4 単結晶の育成を試みた。
しかしながら、この方法では目的組成の単結晶を得ることが困難であった。具体的には、例えば、SrAl2 4 単結晶を育成しようとしても、得られるものはSrAl1219とSrAl4 7 とが混合したものでり、SrAl2 4 とは組成が大きく異なるものであった。
【0015】
したがって、この発明が解決しようとする課題は、目的組成を有し、結晶サイズも十分に大きい発光性酸化物単結晶を容易にしかも低コストで得ることができる発光性酸化物単結晶の製造方法を提供することにある。
この発明が解決しようとする他の課題は、上記の発光性酸化物単結晶を弾性体と複合化した発光性複合材料の製造方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来技術が有する上記の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その概要について説明すると、以下のとおりである。
すなわち、本発明者らによる上記の試みでは、フラックス法によりSrAl2 4 単結晶を育成する際に、原料の投入組成を目的組成と一致させていた。例えば、Srの原料としてSrCO3 、Alの原料としてAl2 3 を用いる場合には、目的組成のSrAl2 4 に対応してSrCO3 :Al2 3 =1:1モルとなるように投入組成比を設定して原料を投入し、結晶の育成を行っていた。ところが、すでに述べたように、この方法では、目的組成のSrAl2 4 単結晶を得ることはできなかった。より具体的には、フラックス法によりSrAl2 4 単結晶を育成する場合、上記特許文献21と同じように、目的組成に一致した投入組成で原料を投入しても、投入組成よりSrプアー(poor)な組成の結晶しか得られなかった。これは、投入したSrの一部は成長結晶に取り込まれないで、フラックスと反応してしまうためである。これらのことは、本発明者らが知る限り、本発明者らが初めて見い出したことである。
【0017】
このように、同じフラックス法により酸化物単結晶を育成する場合でも、SrAl2 4 単結晶を育成する場合には、上記特許文献21の場合のように投入組成を目的組成と一致させて育成を行う方法を使用することはできず、独自に原料投入組成を決める必要があることが分かった。そこで、本発明者らは、種々検討した結果、フラックス法によりSrAl2 4 単結晶を育成する場合には、原料の投入組成を目的組成よりSrをかなり多めにすることが有効であることを見い出した。
【0018】
以上はSrAl2 4 単結晶をフラックス法により育成する場合についてであるが、同様なことは、SrAl2 4 以外のアルカリ土類アルミン酸塩の単結晶をフラックス法により育成する場合にも成立すると考えられる。
この発明は、本発明者らが得た上記知見および検討に基づいて案出されたものである。
【0019】
すなわち、上記課題を解決するために、この発明の第1の発明は、
一般式Ax y z 
ただし、0.8≦x≦1.1
1.8≦y≦2.2
{(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
A=Srk Bal Cam Mgn 
(0≦k,l,m,n≦1,k+l+m+n=1)
B=Al1−p p (0≦p<1)
D=Yq Gar Int (0≦q,r,t≦1,q+r+t=1)
で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶の製造方法であって、
Aを含有する第1の原料から発生するAのモル数をa、Bを含有する第2の原料から発生するBのモル数をbとしたとき、
a/b>x/y
を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成するようにした
ことを特徴とするものである。
【0020】
ここで、一般式Ax y z で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶は物質としてはアルカリ土類アルミン酸塩である。一般式Ax y z におけるAはSrk Bal Cam Mgn と表記されるが、これはアルカリ土類であるSr,Ba,Ca,Mgを任意の組成で含む固溶体であることを意味する。また、DはYq Gar Int と表記され、これはY,Ga,Inを任意の組成で含む固溶体であることを意味するが、典型的にはAlを主成分とし、Y,Ga,Inを含む固溶体である。
【0021】
発光性酸化物単結晶には、典型的には、希土類元素(Yを除くものとする)がドーピングされる。この希土類元素は、例えば、Ax y z の1モルに対して総和で0.2モル以下ドーピングする。発光性酸化物単結晶の種類などにもよるが、典型的には、希土類元素としては少なくともEuをドーピングする。この希土類元素は、典型的には、発光性酸化物単結晶のAサイトに置換固溶させる。
【0022】
投入組成比a/bを目的組成比x/yに対して大きくし過ぎると却って弊害が生じ得るため、好適には、x/y<a/b≦1.75を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成する。フラックスは育成する発光性酸化物単結晶の種類などに応じて適宜選ぶことができるが、例えば、酸化ホウ素(B2 3 )やホウ酸(H3 BO3 )が用いられる。
【0023】
発光性酸化物単結晶の育成は、具体的には、例えば、るつぼに原料を投入し、このるつぼを加熱して原料を融解し、その状態で所定時間保持した後、好適には2〜30℃/時、より好適には5〜15℃/時の冷却速度で冷却することにより行う。るつぼとしては、好適には、二重るつぼを使用する。
【0024】
発光効率の向上を図るとともに、結晶の安定化を図る観点より、好適には、フラックス法により発光性酸化物単結晶を育成した後、非酸化性雰囲気中において例えば700℃以上の温度で発光性酸化物単結晶を熱処理する。
【0025】
この発明の第2の発明は、
一般式Ax y z 
ただし、0.8≦x≦1.1
1.8≦y≦2.2
{(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
A=Srk Bal Cam Mgn 
(0≦k,l,m,n≦1,k+l+m+n=1)
B=Al1−p p (0≦p<1)
D=Yq Gar Int (0≦q,r,t≦1,q+r+t=1)
で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶と弾性体とを複合化した発光性複合材料の製造方法であって、
Aを含有する第1の原料から発生するAのモル数をa、Bを含有する第2の原料から発生するBのモル数をbとしたとき、
a/b>x/y
を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成するようにした
ことを特徴とするものである。
【0026】
この第2の発明においては、第1の発明に関連して述べたことが成立する。
発光性酸化物単結晶と複合化する弾性体は複合材料に柔軟性を持たせるためのものである。この場合、発光性酸化物単結晶の重量比率は好適には30%以上100%未満、より好適には30%以上80%以下とする。弾性体としては、有機材料または無機材料を用いることができ、さらには両者を一緒に用いてもよく、場合によっては有機・無機複合材料を用いてもよい。弾性体のヤング率は、複合材料に軽く触るだけで発光が起こる限り特に問わないが、比較的堅いものでは例えば10MPa以上であり、より柔軟なものでは例えば10MPa未満である。有機材料としては、具体的には、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアセタール(PA)、ウレタン樹脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコーンゴム、シロキサン結合を有する有機シリコン化合物および有機圧電材料からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の材料を用いることができる。ここで、有機圧電材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリトリフルオロエチレン共重合体などが挙げられる。弾性体としては、イオンを取り込んで変形する有機導電性物質を用いることもできる。このような有機導電性物質としては、例えば、複素芳香環系導電性高分子、具体的にはポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンなどが挙げられる。さらに、弾性体として高分子ゲル材料を用いることもできる。この高分子ゲル材料は、例えば、熱変位機能を有する水溶性非電解質高分子ゲル、pHによって変位が生じる電解質高分子ゲル、電気で変位が起きる高分子化合物と界面活性剤との組み合わせ、ポリビニルアルコール系材料およびポリピロール系材料からなる群より選ばれた少なくとも1種以上の材料である。ここで、熱変位機能を有する水溶性非電解質高分子ゲルは、例えばポリビニルメチルエーテルまたはポリNイソプロピルアクリルアミドであり、pHによって変位が生じる電解質高分子ゲルは例えばポリアクリロニトリルであり、電気で変位が起きる高分子化合物は例えばポリアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸である。一方、無機材料としては、例えば無機ガラスを用いることができる。
【0027】
この発明の第3の発明は、
一般式Srx Aly z 
ただし、0.8≦x≦1.1
1.8≦y≦2.2
{(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶の製造方法であって、
Srを含有する第1の原料から発生するSrのモル数をa、Alを含有する第2の原料から発生するAlのモル数をbとしたとき、
a/b>x/y
を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成するようにした
ことを特徴とするものである。
【0028】
この第3の発明においては、第1の発明に関連して述べたことが成立する。
x=1,y=2,z=4であるとき、すなわちSrAl2 4 で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶を育成する場合には、好適には0.65≦a/b≦1.75、より好適には0.75≦a/b≦1.25を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成する。この場合、発光性酸化物単結晶の育成は、具体的には、例えば、るつぼに原料を投入し、このるつぼを1500〜1700℃の温度に加熱して原料を融解し、その状態で1〜20時間保持した後、700〜1400℃の温度まで2〜30℃/時の冷却速度で冷却する。ここで、第1の原料としては例えばSrCO3 を用い、第2の原料としては例えばAl2 3 を用いる。るつぼとして二重るつぼを使用する場合には、典型的には、例えば、内側るつぼとして白金からなるもの、外側るつぼととしてアルミナからなるものを使用する。
【0029】
この発明の第4の発明は、
一般式Srx Aly z 
ただし、0.8≦x≦1.1
1.8≦y≦2.2
{(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶と弾性体とを複合化した発光性複合材料の製造方法であって、
Srを含有する第1の原料から発生するSrのモル数をa、Alを含有する第2の原料から発生するAlのモル数をbとしたとき、
a/b>x/y
を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成するようにした
ことを特徴とするものである。
【0030】
この第4の発明においては、第1、第2および第3の発明に関連して述べたことが成立する。
この発明において、発光性酸化物単結晶には、外部から機械的エネルギーを加えることによって生じる応力により発光する応力発光性のあるものや、外部からの紫外線照射により発光する蛍光体材料などが含まれる。
【0031】
この発明により製造される発光性複合材料は、例えば、各種ロボット(仕事ロボット、娯楽ロボット、癒しロボットなど)の人工発光毛髪、人工発光皮膚、人工発光ボディーなどや、各種オーディオ機器(スピーカーを含む)、テレビ、ビデオ、パソコンなどの家庭電器製品の人工発光ボディーなどに用いて好適なものである。
【0032】
上述のように構成されたこの発明によれば、a/b>x/yを満たす投入組成条件、言い換えれば目的組成に比べてアルカリ土類リッチの投入組成で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成するようにしていることにより、育成される発光性酸化物単結晶がアルカリ土類プアーになるのを防止することができ、目的組成の発光性酸化物単結晶を製造することができる。また、この発光性酸化物単結晶のサイズは十分に大きなものが得られる。さらに、発光性酸化物単結晶の育成に、高価な特別な装置が不要である。
【0033】
特に、一般式Srx Aly z (例えば、SrAl2 4 )で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶の製造方法においては、目的組成に比べてSrリッチの投入組成で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成するようにしていることにより、育成される発光性酸化物単結晶がSrプアーになるのを防止することができ、目的組成の発光性酸化物単結晶を製造することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
この一実施形態においては、発光性SrAl2 4 :Eu単結晶を製造する場合について説明する。
発光性SrAl2 4 :Eu単結晶は、二重るつぼを用いたフラックス法により以下のようにして育成する。
【0035】
図1は育成に用いる二重るつぼの構造を示す。図1に示すように、この二重るつぼは、内側るつぼとしての白金るつぼ11を、外側るつぼとしてのアルミナるつぼ12に入れたものである。白金るつぼ11に、Sr原料、Al原料、Euを含む賦活剤およびフラックスからなる混合粉13を入れる。白金るつぼ11には蓋をせず、アルミナるつぼ12にアルミナからなる蓋14をすることにより、るつぼ内を大気から遮蔽する。
【0036】
ここで、混合粉13を白金るつぼ11に入れるのは、加熱時に混合粉13とるつぼとの反応が生じるのを防止するためであり、白金るつぼ11に蓋をしないのは、育成時には後述のように1700℃の温度に加熱するため、白金の蓋では白金るつぼ11とくっついてしまうためである。そして、白金るつぼ11をアルミナるつぼ12に入れ、アルミナるつぼ12に蓋14をするのは、原料の蒸発防止および保温性向上のためである。
【0037】
混合粉13には、Sr原料としてのSrCO3 とAl原料としてのAl2 3 とが、SrCO3 :Al2 3 =(1.3〜3.5):1モル、好適にはSrCO3 :Al2 3 =(1.5〜2.5):1モルの組成で含まれるようにする。
これは、目的組成SrAl2 4 に対して原料の投入組成をSr1.3−3.5 Al2 4 、好適にはSr1.5−2.5 Al2 4 とすることに対応する。すでに述べたように、このように目的組成に対して原料投入組成をかなりSrリッチに設定するのは、フラックス法による育成では投入組成よりSrプアーな組成となるため、これを十分に補償するためである。
【0038】
賦活剤としては例えば酸化ユーロピウムEu2 3 を用い、その場合その添加量は例えば0.001<Eu2 3 <0.05モルとする。また、フラックスとしてはB2 3 またはH3 BO3 が好適に用いられるが、ここではB2 3 を用いる。この場合、このB2 3 の組成は、0.1<B2 3 <5モル、好適には0.5<B2 3 <1モルとする。
【0039】
上述のようにして調製された混合粉13を白金るつぼ11に入れ、これをアルミナるつぼ12に入れて蓋13をする。そして、この二重るつぼを箱型の電気炉に入れて1500〜1700℃程度の温度まで昇温して混合粉13を融解し、この状態で1〜20時間保持した後、700〜1400℃の温度まで2〜30℃/h、好適には5〜15℃の冷却速度で徐冷して結晶を析出させ、室温まで冷却する。これによって、目的組成のSrAl2 4 :Eu単結晶が育成される。このSrAl2 4 :Eu単結晶のサイズとしては数十μm〜数mmのものを得ることができる。この後、必要に応じて、このSrAl2 4 :Eu単結晶を非酸化性雰囲気中において700℃以上の温度で熱処理する。
以上のようにして、十分に大きい結晶サイズの発光性SrAl2 4 :Eu単結晶を製造することができる。
【0040】
この発光性SrAl2 4 :Eu単結晶を用いて発光性複合材料を製造する場合には、有機材料または無機材料からなる弾性体にこの発光性SrAl2 4 :Eu単結晶を分散させる。有機材料または無機材料としては、すでに述べたものの中から用途などに応じて適切なものを用いることができる。この場合、発光性SrAl2 4 :Eu単結晶としては、育成された発光性SrAl2 4 :Eu単結晶をそのまま分散させてもよいし、育成された発光性SrAl2 4 :Eu単結晶を粉砕したものを分散させてもよい。また、この発光性複合材料における発光性SrAl2 4 :Eu単結晶は、好適には30重量%以上100重量%未満、より好適には30重量%以上80重量%以下とする。
以上のようにして、柔軟性に富む発光性複合材料を製造することができる。
【0041】
【実施例】
Sr原料として純度99.9%のSrCO3 が2モル、Al原料として純度99.99%のAl2 3 が1モル、賦活剤としてEu2 3 が0.005モル、フラックスとしてB2 3 が0.5モルの組成比となるように原料を調製し、これをボールミルに入れて十分に混合した。この混合粉2gを5ccの白金るつぼ11に入れ、この白金るつぼ11をアルミナるつぼ12に入れて二重るつぼ構造とし、アルミナの蓋14をする。この二重るつぼを箱型の電気炉に入れ、空気中で室温から300℃/hの昇温速度で1700℃まで昇温し、この温度で2時間保持して白金るつぼ11内の混合粉13を十分に融解し、その後10℃/hの冷却速度で1200℃まで冷却して結晶を析出させ、室温まで冷却する。このときの育成温度シーケンスを図2に示す。
【0042】
育成後の白金るつぼ11内には、透明な結晶とともに、白濁した残渣が混在していた。この残渣はホウ素やストロンチウムの化合物、例えばSr3 2 6 やSrO2 などである。この残渣は、投入したSrの一部は結晶に取り込まれないでフラックスのホウ素と反応してしまうために発生するものである。
【0043】
育成した結晶を白金るつぼ11から取り出すため、酢酸CH3 COOH:H2 O=1:4の水溶液中、または塩酸HCl:H2 O=1:4の水溶液中でボイルしてSr3 2 6 やSrO2 などの残渣を除去し、結晶を取り出した。得られた結晶は板状のSrAl2 4 単結晶であった。
【0044】
このSrAl2 4 単結晶の形状を光学顕微鏡で観察した結果を図3に示す。
図3Aおよび図3Bはそれぞれ、板状のSrAl2 4 単結晶を真上および斜めから見た写真である。図3からわかるように、このSrAl2 4 単結晶のサイズは1mm程度である。また、このSrAl2 4 単結晶のX線回折パターンの測定結果を図4に、EDXによる定性分析の結果を図5に、定量分析の結果を図6に、このSrAl2 4 単結晶を水銀ランプによる波長254nmの光で励起させたときの発光スペクトルを図7に示す。なお、図7に示す発光スペクトルに存在する405nmのピークは水銀ランプによるものである。
以上の結果、結晶サイズが1mm程度の発光性SrAl2 4 単結晶が得られた。
【0045】
上記実施例と比較するために、SrAl2 4 の組成に対応してSrCO3 :Al2 3 =1:1モルとすること以外は上記実施例と同じ条件で結晶の育成を行った結果、SrAl1219結晶とSrAl4 7 結晶とが混合したものが得られ、SrAl2 4 単結晶は得らなかった。
【0046】
以上のように、この一実施形態によれば、目的組成SrAl2 4 に対して原料の投入組成をSr1.3−3.5 Al2 4 、好適にはSr1.5−2.5 Al2 4 に設定してフラックス法により単結晶の育成を行うようにしていることにより、目的組成を有し、結晶サイズも数μm〜数mm程度と十分に大きい発光性SrAl2 4 単結晶を容易に得ることができるとともに、単結晶の育成に安価な箱型の電気炉を用いることができることにより低コストで発光性SrAl2 4 単結晶を得ることができる。
【0047】
以上、この発明の一実施形態について具体的に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0048】
例えば、上述の一実施形態において挙げた数値、材料、原料、フラックス、賦活剤などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じて、これらと異なる数値、材料、原料、フラックス、賦活剤などを用いてもよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、Aを含有する第1の原料から発生するAのモル数をa、Bを含有する第2の原料から発生するBのモル数をbとしたとき、a/b>x/yを満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により発光性酸化物単結晶を育成するようにしているので、目的組成を有し、結晶サイズも十分に大きい発光性酸化物単結晶を容易にしかも低コストで得ることができる。そして、この発光性酸化物単結晶を弾性体と複合化することにより発光性複合材料を得ることができる。この発光性複合材料は、例えば人間が手や指で軽く触れることにより柔らかい感触でそれらを大きく屈曲させ、結果として応力発光させることが可能になったりするなど、エンターテインメント用ロボットその他の各種の分野において、大きな革新をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態において発光性SrAl2 4 :Eu単結晶の育成に用いられる二重るつぼを示す略線図である。
【図2】この発明の一実施形態において発光性SrAl2 4 :Eu単結晶の育成に用いられる育成温度シーケンスを示す略線図である。
【図3】この発明の一実施形態により育成された発光性SrAl2 4 :Eu単結晶の光学顕微鏡による観察結果を示す図面代用写真である。
【図4】この発明の一実施形態により育成された発光性SrAl2 4 :Eu単結晶のX線回折スペクトルの測定結果を示す略線図である。
【図5】この発明の一実施形態により育成された発光性SrAl2 4 :Eu単結晶の定性分析の結果を示す略線図である。
【図6】この発明の一実施形態により育成された発光性SrAl2 4 :Eu単結晶の定量分析の結果を示す略線図である。
【図7】この発明の一実施形態により育成された発光性SrAl2 4 :Eu単結晶を波長254nmの光で励起させたときの発光スペクトルを示す略線図である。
【符号の説明】
11・・・白金るつぼ、12・・・アルミナるつぼ、13・・・混合粉、14・・・蓋

Claims (31)

  1. 一般式Ax y z 
    ただし、0.8≦x≦1.1
    1.8≦y≦2.2
    {(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
    A=Srk Bal Cam Mgn 
    (0≦k,l,m,n≦1,k+l+m+n=1)
    B=Al1−p p (0≦p<1)
    D=Yq Gar Int (0≦q,r,t≦1,q+r+t=1)
    で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶の製造方法であって、
    Aを含有する第1の原料から発生するAのモル数をa、Bを含有する第2の原料から発生するBのモル数をbとしたとき、
    a/b>x/y
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする発光性酸化物単結晶の製造方法。
  2. x/y<a/b≦1.75
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  3. フラックスとして酸化ホウ素またはホウ酸を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  4. るつぼに原料を投入し、このるつぼを加熱して上記原料を融解し、その状態で所定時間保持した後、2〜30℃/時の冷却速度で冷却するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  5. るつぼに原料を投入し、このるつぼを加熱して上記原料を融解し、その状態で所定時間保持した後、5〜15℃/時の冷却速度で冷却するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  6. 上記るつぼとして二重るつぼを使用するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  7. 上記フラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成した後、非酸化性雰囲気中において700℃以上の温度で上記発光性酸化物単結晶を熱処理するようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  8. 上記Ax y z の1モルに対して希土類元素を総和で0.2モル以下ドーピングするようにした
    ことを特徴とする請求項1記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  9. 上記希土類元素として少なくともEuをドーピングするようにした
    ことを特徴とする請求項8記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  10. 上記希土類元素を上記発光性酸化物単結晶のAサイトに置換固溶させるようにした
    ことを特徴とする請求項8記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  11. 一般式Ax y z 
    ただし、0.8≦x≦1.1
    1.8≦y≦2.2
    {(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
    A=Srk Bal Cam Mgn 
    (0≦k,l,m,n≦1,k+l+m+n=1)
    B=Al1−p p (0≦p<1)
    D=Yq Gar Int (0≦q,r,t≦1,q+r+t=1)
    で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶と弾性体とを複合化した発光性複合材料の製造方法であって、
    Aを含有する第1の原料から発生するAのモル数をa、Bを含有する第2の原料から発生するBのモル数をbとしたとき、
    a/b>x/y
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする発光性複合材料の製造方法。
  12. 上記弾性体が有機材料である
    ことを特徴とする請求項11記載の発光性複合材料の製造方法。
  13. 上記弾性体が無機材料である
    ことを特徴とする請求項11記載の発光性複合材料の製造方法。
  14. 一般式Srx Aly z 
    ただし、0.8≦x≦1.1
    1.8≦y≦2.2
    {(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
    で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶の製造方法であって、
    Srを含有する第1の原料から発生するSrのモル数をa、Alを含有する第2の原料から発生するAlのモル数をbとしたとき、
    a/b>x/y
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする発光性酸化物単結晶の製造方法。
  15. x/y<a/b≦1.75
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  16. x=1,y=2,z=4であるとき、
    0.65≦a/b≦1.75
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  17. x=1,y=2,z=4であるとき、
    0.75≦a/b≦1.25
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  18. フラックスとして酸化ホウ素またはホウ酸を用いる
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  19. るつぼに原料を投入し、このるつぼを加熱して上記原料を融解し、その状態で所定時間保持した後、2〜30℃/時の冷却速度で冷却するようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  20. るつぼに原料を投入し、このるつぼを加熱して上記原料を融解し、その状態で所定時間保持した後、5〜15℃/時の冷却速度で冷却するようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  21. るつぼに原料を投入し、このるつぼを1500〜1700℃の温度に加熱して上記原料を融解し、その状態で1〜20時間保持した後、700〜1400℃の温度まで2〜30℃/時の冷却速度で冷却するようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  22. 上記るつぼとして二重るつぼを使用するようにした
    ことを特徴とする請求項19記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  23. 上記二重るつぼは白金からなる内側るつぼとアルミナからなる外側るつぼとからなる
    ことを特徴とする請求項22記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  24. 上記フラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成した後、非酸化性雰囲気中において700℃以上の温度で上記発光性酸化物単結晶を熱処理するようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  25. 上記Srx Aly z の1モルに対して希土類元素を総和で0.2モル以下ドーピングするようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  26. 上記希土類元素として少なくともEuをドーピングするようにした
    ことを特徴とする請求項25記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  27. 上記希土類元素を上記発光性酸化物単結晶のSrサイトに置換固溶させるようにした
    ことを特徴とする請求項25記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  28. 上記第1の原料としてSrCO3 を用い、上記第2の原料としてAl2 3 を用いるようにした
    ことを特徴とする請求項14記載の発光性酸化物単結晶の製造方法。
  29. 一般式Srx Aly z 
    ただし、0.8≦x≦1.1
    1.8≦y≦2.2
    {(2x+3y)/2}−0.2<z<{(2x+3y)/2}+0.2
    で表記される組成を有する発光性酸化物単結晶と弾性体とを複合化した発光性複合材料の製造方法であって、
    Srを含有する第1の原料から発生するSrのモル数をa、Alを含有する第2の原料から発生するAlのモル数をbとしたとき、
    a/b>x/y
    を満たす投入組成条件で原料を投入してフラックス法により上記発光性酸化物単結晶を育成するようにした
    ことを特徴とする発光性複合材料の製造方法。
  30. 上記弾性体が有機材料である
    ことを特徴とする請求項29記載の発光性複合材料の製造方法。
  31. 上記弾性体が無機材料である
    ことを特徴とする請求項29記載の発光性複合材料の製造方法。
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JP2018090693A (ja) * 2016-12-02 2018-06-14 スズカファイン株式会社 応力発光塗料組成物及びその用途

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