JP2004122539A - Ink storing member for writing utensil - Google Patents

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an ink storing member for a writing utensil which can prevent an ink from being deteriorated caused by permeation of oxygen in air through an ink storing member for the writing utensil such as an ink storing container and an ink storing pipe for storing the ink for the writing utensil such as an aqueous or oily liquid ink and a gel-like ink, and can prevent the ink from spouting out, and is excellent in water resistance, coating film strength and adhesiveness. <P>SOLUTION: The ink storing member A for the writing utensil for storing the ink for the writing utensil is composed of an organic polymer. A coating layer consisting of a polyvinyl alcohol layer with a reactive ketone group in the molecule or an ethylene-vinyl alcohol copolymer layer is formed on the outside surface part of the ink storing member 11a for the writing utensil. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性又は油性の液状インキ、ゲル状インキなどの筆記具用インキを収容する筆記具用インキ収容容器、インキ収容管等の筆記具用インキ収容部材に関し、更に詳しくは、筆記具用インキ収容部材に空気中の酸素が透過することによるインキの劣化防止、並びに香料入りインキの保香性向上、更にはインキの吹き出しを防止することができると共に、コート層の耐水性、塗膜強度及び基材との密着性に優れる筆記具用インキ収容部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、多種多様の筆記具が知られているが、一般に、コレクター構造を有する直液筆記具、中綿式筆記具等のインキ収容容器やボールペンのインキ収容管(インキチューブ、リフィール)の役目は、水性又は油性の液状インキ、ゲル状インキなどの筆記具用インキを収容し、かつインキを構成している溶媒の揮発を防止することが主目的である。
【0003】
通常、これらの筆記具用インキ収容容器やインキ収容管は、化学的安定性、耐溶剤性、経済性、生産性等の点からポリプロピレンなどの有機高分子(合成樹脂等)から構成されているものである。
しかしながら、本発明者らの研究及び知見によれば、経時的にみると、インキ収容容器やインキ収容管に空気、中でも酸素が透過してインキ収容容器やインキ収容管の中に入ることにより、インキが酸化されインキの増粘、色材濃度の低下などのインキの劣化を促進し、更にはインキの吹き出しなどの問題が加速され、筆記具としての寿命を短くするという課題があることが判った。
また、加圧ボールペン等では、安価で成形性、透明性に優れるポリプロピレンなどをインキ収容部材に使用した場合、インキ収容容器内の窒素ガスなどの加圧気体が容器外に透過して容器内圧が低下することによる筆記不良を生じるという課題を有している。
【0004】
一方、抗菌剤入り筆記具などの文具類の包装方法に関して、包材中に脱酸素剤を内在せしめて空気中の酸素や湿気との接触を極力抑えることにより文具類の変色防止を図ることができる抗菌剤入り文具類の包装方法が開示されている(特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−133346号公報(特許請求の範囲等)
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示される技術は、長期間に亘り店頭の陳列棚等に陳列放置された場合(製造後から消費者にわたるまで)の抗菌剤入り筆記具などの文具類の酸化による変色を防止するものであり、本発明とはその目的、作用及びその構成(技術思想)が異なるものである。
【0007】
また、インキの調製や充填に際して取り込まれるインキ中に混入する空気(酸素)によるインキの酸化劣化の防止策として、インキ中にビタミンCやビタミンE、その他酸素と反応又は吸収するなどの成分を添加する技術も知られている。しかしながら、これらの技術は、インキへの添加量には自ずと制限があり、極微量の添加量となるため、比較的短期間にその機能を喪失するという課題があるものである。なお、上記技術には、インキ収容部材の酸素透過により生じるインキの酸化劣化、インキのペン先からの吹き出し性等の課題の認識はないものである。
【0008】
そこで、上記の課題を解決するものとして、本出願人は、筆記具用インキを収容する有機高分子から構成される筆記具用インキ収容部材において、インキ溶剤の揮発、大気中の酸素の透過によるインキの酸化、それに伴うインキの増粘及び色材濃度の低下、インキの吹き出しなどを防止する目的で、筆記具用インキ収容部材の外側表面部に、特定物性のポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂によるガスバリア性コート層を形成する技術を出願している(特願平2002−70291号)。
当該技術では、ポリビニルアルコールやエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂は、本来親水性樹脂であるため、筆記具用インキ収容部材表面に施したガスバリア性コート層が大気中の湿度により吸湿し、塗膜強度及び基材との密着性が低下するという課題に対して、耐水化処理、例えば、コート層を100℃以上で熱処理する、アルデヒド類による水酸基との架橋反応、メチロール化合物との架橋反応、エポキシ化合物などとの架橋反応などにより架橋し高分子化する方法などを採っている。
【0009】
しかしながら、上述の方法ではコート層単独より優れた方法であるが、夫々若干の課題があることが判明した。すなわち、熱処理では、ガスバリア性コート層を施す基材の耐熱温度以上の熱処理ができないという課題がある。また、アルデヒド類による架橋反応では、用いるアルデヒド類の安全性に問題があり、また、メチロール化合物との架橋反応は副生成物としてホルマリンが発生するなどの課題があり、更に、エポキシ化合物などとの架橋反応等では、耐水化があまり改善されず、コート層のタック性が若干発現することがあるなどの課題があることが判った。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の課題及び現状等に鑑み、これを解消しようとするものであり、水性又は油性の液状インキ、ゲル状インキなどの筆記具用インキを収容する筆記具用インキ収容容器やインキ収容管等の筆記具用インキ収容部材に、空気中の酸素が透過することによるインキの劣化防止、並びに香料入りインキの保香性向上、更にはインキの吹き出しなどを長期間防止することができ、並びに、加圧ボールペン等の窒素ガスなどの加圧気体による加圧式筆記具などは、容器内の窒素ガスなどの加圧気体が外気側へ透過して容器内圧が低下することによる筆記不良を来たすので、例えば、安価で成形性、透明性に優れるポリプロピレンなどの高分子を使用できないなどの課題も解決でき、しかも、安全かつ簡便な手法で、より高い耐水性、優れた塗膜強度、基材との密着性に優れる筆記具用インキ収容部材を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の課題等について鋭意検討を重ねた結果、筆記具用インキを収容する有機高分子から構成される筆記具用インキ収容部材の外側表面部(外周面部)に特定物性のコート層を形成することにより、上記目的の筆記具用インキ収容部材が得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の筆記具用インキ収容部材は、次の(1)〜(5)に存する。
(1) 筆記具用インキを収容する有機高分子から構成される筆記具用インキ収容部材であって、該筆記具用インキ収容部材の外側表面部に、反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層からなるコート層が形成されていることを特徴とする筆記具用インキ収容部材。
(2) 筆記具用インキ収容部材が筆記具用インキ収容容器又はインキ収容管であることを特徴とする上記(1)記載の筆記具用インキ収容部材。
(3) コート層がポリビニルアルコール又はエチレン・ビニルアルコール共重合体100重量部に対して、架橋剤及び/又は接着性改良剤が0.1〜50重量部含有されたものから形成されることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の筆記具用インキ収容部材。
(4) 架橋剤が2価若しくは多価ヒドラジド化合物、ポリアクリル酸ヒドラジド、2価若しくは多価アミン化合物及びアミノ基含有有機高分子の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする上記(3)記載の筆記具用インキ収容部材。
(5) 接着性改良剤がシリコーン系界面活性剤で、かつ、分子中にアミノ基又はヒドラジド基を有することを特徴とする上記(3)記載の筆記具用インキ収容部材。
【0012】
なお、以下において、規定する「酸素透過係数」(単位cc・cm/cm・sec・cmHg)とは、下記式(I)により算出される値をいう。
酸素透過係数=酸素透過度×試験片の厚さ    ………(I)
上記式(I)中、酸素透過度(酸素透過率、単位:cc/m・24hr・atm)は、単位分圧差で単位時間に単位面積の試験片を透過する酸素の体積をいい、ある時間に試験片を透過した酸素の量を実測することによって、下記式により求められる。
酸素透過度=酸素透過量/〔(高圧側分圧−低圧側分圧)×透過面積×時間〕
なお、本発明で規定する「酸素透過係数」は、上記で定義されるように、酸素透過度に試験片の厚さを乗じて、単位厚さ当たりの透過量に換算したものであるので、試験片の厚さと、その酸素透過度がわかれば、必要な酸素透過度を得るためにどれだけの厚さのコート層を選択すればよいかがわかるものとなる。
また、本発明で規定する「Dry」とは、各温度で湿度30%以下をいい、「25℃ Dry」とは、25℃の環境下において湿度30%以下をいい、また、「50℃ Dry」は、50℃の環境下において湿度30%以下をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳しく説明する。
本発明の筆記具用インキ収容部材は、筆記具用インキを収容する有機高分子から構成される筆記具用インキ収容部材、具体的には、筆記具用インキ収容容器又はインキ収容管の外側表面部(外側周面部)に、反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層からなるコート層が形成されていることを特徴とするものである。
【0014】
本発明の筆記具用インキ収容部材の構造としては、例えば、図1及び図2におけるボールペンにおけるインキ収容管(リフィール)、図3におけるコレクター構造を備えた直液式筆記具におけるインキを直接貯溜する軸体(インキ容器)となるインキタンク部、図4におけるバルブ機構を有する筆記具におけるインキを直接貯溜する軸体(インキ容器)となるインキタンク部、図5における中綿式筆記具におけるインキをインキ吸蔵体に吸蔵させて収容するインキ収容部などが挙げられ、筆記具用インキを収容する収容部材であれば、特に限定されるものではない。
【0015】
これらの筆記具用インキ収容部材は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、シリコーンエラストマー、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、ナイロン(ポリアミド)、ポリイミド、ポリ塩化ビニル(PVC)などの有機高分子を用いて構成されるものであり、好ましくは、熱可塑性の有機高分子、更に好ましくは、耐溶剤性、経済性、生産性等からポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、環状ポリオレフィン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系熱可塑性有機高分子から構成されるものが望ましい。
【0016】
本発明では、筆記具用インキ収容部材の外側表面部(外側周面部)に、上記特性のコート層を形成して該インキ収容部材を実質的に本体(層)+コート層の2層以上の構造とするものであるが、該インキ収容部材の本体(層)を他の異なる有機高分子層を用いて多層形成してもよいものである。
また、本発明では、筆記具用インキ収容部材(本体部)とコート層との密着性をより確実にして本発明の効果を更に向上せしめる点から、筆記具用インキ収容部材の本体部は下記▲1▼〜▲3▼に記載の構造等となるものを用いることが好ましい。
▲1▼筆記具用インキ収容部材本体部の外側表面部を粗面部から構成して平滑面がない構造となるものを用いる。
▲2▼筆記具用インキ収容部材本体部の外側表面部をオゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、高圧放電処理及び酸処理から選ばれる少なくとも1種の活性化処理を施した構造となるものを用いる。
▲3▼筆記具用インキ収容部材本体部の材料として、上述のポリオレフィン系熱可塑性有機高分子100重量部に対して、石油樹脂又はその誘導体が5〜40重量部配合されたものから成形されたものを用いる。
【0017】
上記▲1▼の本体部の外側表面部を粗面部から構成して平滑面がない構造とする方法としては、例えば、筆記具用インキ収容部材となる筆記具用インキ収容容器又はインキ収容管などの外側表面をサンドブラスト、金型表面を粗面状にすることなどにより梨地化などの粗面化処理を施すことにより行うことができる。
【0018】
また、上記▲2▼のオゾン処理としては、筆記具用インキ収容部材の外側表面をオゾン分子と接触させて、ヒドロキシペルオキシ基や水酸基やカルボニル基等の官能基を導入することを目的とし、筆記具用インキ収容部材をオゾンに暴露することにより行われる。暴露方法としては、オゾンが存在する雰囲気に所定時間保持する方法、オゾン気流中に所定時間暴露する方法等が挙げられるが、特に限定されない。
上記▲2▼のプラズマ処理としては、筆記具用インキ収容部材を空気、酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ネオンなどを含む容器内におき、グロー放電により生じるプラズマに晒すことにより行われ、筆記具用インキ収容部材の外側表面に酸素、窒素などを含むカルボン酸基、カルボニル基、アミノ基などの官能基を導入することを目的とし、プラズマ発生の放電形式は、直流放電、低周波放電、ラジオ波放電、マイクロ波放電などがあるが特に限定されない。
【0019】
上記▲2▼のコロナ処理としては、コロナ放電が生じる電界内に筆記具用インキ収容部材を通過等させることにより、筆記具用インキ収容部材の外側表面を活性化処理することができる。
上記▲2▼の紫外線照射処理としては、筆記具用インキ収容部材の外側表面に紫外線を照射する方法で、筆記具用インキ収容部材の外側表面に紫外線が照射されると、筆記具用インキ収容部材の表面領域の二重結合等の化学構造に紫外線が吸収され、吸収されたエネルギーにより化学結合が切断され、生じたラジカルに空気中の酸素が結合することによって得られるカルボニル基、カルボキシル基などを導入することを目的とし、紫外線を照射する光源としては、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等を用いることができるが特に限定されない。
【0020】
上記▲2▼の高圧放電処理としては、筆記具用インキ収容部材を多数設けた電極間に数十万ボルトの高電圧を加え、空気中で放電させて処理する方法で、放電によって空気中の酸素と筆記具用インキ収容部材の表面が活性化され、表面に酸素が取り込まれ、極性基を導入することにより筆記具インキ収容部材の外側表面を活性化処理することができる。
上記▲2▼の酸処理としては、筆記具用インキ収容部材をクロム混酸液、次亜塩素酸ソーダ/塩酸/水系、塩素酸塩−硫酸系、硫酸などに直接浸漬させることにより行うことができる。
【0021】
上記▲3▼の石油樹脂又はその誘導体としては、例えば、水酸基含有水素化石油樹脂又はその誘導体など挙げられる。具体的には、市販のハイレッツG−100(三井石油化学社製)、ペトロジン#100(三井石油化学社製)、アルコンP−100(荒川化学工業社製)などが挙げられる。
この石油樹脂の使用量が5重量部未満であると、コート層との密着性が向上せず、一方、40重量部を越えてもその効果は変わらず、また、筆記具用インキ収容部材の機械的強度が低下する問題があり、好ましくない。
上記▲1▼〜▲3▼の筆記具用インキ収容部材(本体部)を用いることにより、特に、PPに代表されるポリオレフィン系樹脂を用いて上記▲1▼〜▲3▼の処理を施した場合には、後述する反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール(PVA)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)などから構成されるコート層の密着性が更に向上できるものとなる。
上記▲1▼〜▲3▼の筆記具用インキ収容部材(本体部)は、夫々各単独のものを用いてもよいが、必要に応じて、更に、上記▲1▼及び▲2▼、▲1▼及び▲3▼、▲2▼及び▲3▼、並びに、上記▲1▼〜▲3▼を組合わせたもの(合計4種のもの)を用いてもよいものである。
【0022】
本発明では、コート層を反応性のケトン基(−CO−)を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層は、酸素透過率が小さく、酸素透過係数が25℃Dryで10−10(cc・cm/cm・sec・cmHg)以下であるので、コート層を反応性のケトン基(−CO−)を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層で構成することにより、空気中の酸素が透過することによるインキの劣化防止、並びに香料入りインキの保香性向上、更にはインキの吹き出しなどを長期間防止することができ、並びに、加圧ボールペン等の窒素ガスなどの加圧気体による加圧式筆記具などは、容器内の窒素ガスなどの加圧気体が外気側へ透過して容器内圧が低下することによる筆記不良を来たすので、例えば、安価で成形性、透明性に優れるポリプロピレンなどの高分子を使用できないなどの課題も解決でき、しかも、安全かつ簡便な手法で、より高い耐水性、優れた塗膜強度、基材との密着性に優れる筆記具用インキ収容部材が提供できることとなる。
反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコールとしては、具体的には、市販のユニチカ社製D500、D700などが挙げられる。
上記反応性のケトン基を分子中に有するPVA層、EVOH層などの樹脂のコート層の形成は、筆記具用インキ収容部材を上記PVAやEVOHなどの酸素透過率の小さい高分子を所定溶剤に溶解させディッピング法などによりコーティングする方法や、共押し出し法、更にはブロー成形方法などによりガスバリアコート層を形成することができる。
【0023】
この反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層で構成されるコート層は、好ましくは、該ポリビニルアルコール又はエチレン・ビニルアルコール共重合体100重量部に対して、架橋剤及び/又は接着性改良剤が0.05〜80重量部、好ましくは、0.1〜50重量部含有されたものから形成されることが望ましい。
用いることができる架橋剤としては、例えば、2価若しくは多価ヒドラジド化合物、ポリアクリル酸ヒドラジド、2価若しくは多価アミン化合物及びアミノ基含有有機高分子の中から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
具体的には、2価又は多価のヒドラジド化合物としては、マロンジヒドラジド、スクシンジヒドラジド、グルタルジヒドラジド、アジピンジヒドラジド、マレインジヒドラジド、フタルヒドラジド、イソフタルヒドラジド、テレフタルヒドラジド等が挙げられ、また、2価又は多価のアミノ化合物としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサエチレンジアミン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミンなどが挙げられるが、本発明の架橋剤はこれらに限るものではない。
【0024】
上記の架橋剤を用いることにより、架橋剤分子中のヒドラジド基(−NHNH−)が、ポリビニルアルコール若しくはエチレン・ビニルアルコール共重合体分子の反応性ケトン基と脱水縮合し、更に架橋剤分子の他端のヒドラジド基が他のポリビニルアルコール若しくはエチレン・ビニルアルコール共重合体分子の反応性ケトン基と結合することにより、ポリビニルアルコール若しくはエチレン・ビニルアルコール共重合体を架橋し、高分子化することでコート層の耐水性、塗膜強度が更に向上することとなる。この反応は、比較的低温で進行するため、上述の耐水化処理法に較べ、基材の耐熱温度以下で架橋させることが可能となるため、安全且つ簡便な手法で、より高い耐水性、塗膜強度、基材との密着性を付与することができるものとなる。
また、上記2価若しくは多価アミン化合物及びアミノ基含有有機高分子中のアミノ基(−NH)も上述のヒドラジド基と同様に、ポリビニルアルコール若しくはエチレン・ビニルアルコール共重合体分子の反応性ケトン基と結合することができるため、上記と同様に、コート層の耐水性、塗膜強度等を向上させることができる。
【0025】
また、接着性改良剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤で、かつ、分子中にアミノ基又はヒドラジド基を有するものが挙げられる。
具体的には、反応性アミノ基を有するシリコーン系界面活性剤、例えば、信越化学社製のKP390などが挙げられる。
この接着性改良剤を用いると、ガスバリア性コート層を施すインキ収容部である基材と接着性改良剤が密着、結合し、更に接着性改良剤分子中のアミノ基若しくはヒドラジド基がポリビニルアルコール若しくはエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂分子中の反応性ケトン基と化学結合するため、基材との密着性を改善することができることとなる。
本発明では、上述の如く、基材とコート層との密着性を改善するために、基材のプラズマ処理、コロナ処理、フレーム処理や基材に対してプライマーの塗工、基材表面の梨地化等の手法を用いたが、これらの手法と共に、または、単独で上記接着性改良剤を用いることにより、より高い密着性を付与して耐水性、塗膜強度等を向上させることができる。
【0026】
上記架橋剤及び/又は接着性改良剤の含有量が0.05重量部未満であると、本発明の更なる効果を発揮することができず、また、80重量部を越えると、本発明の更なる効果を発揮することができず、好ましくない。
【0027】
本発明において、筆記具用インキ収容部材(本体部)の肉厚とコート層とを合わせた総厚(本体部の厚さ+コート層の厚さの合計)は、収容するインキ種、用いる本体部の有機高分子種などにより変動するが、好ましくは0.5〜5.0mm、更に好ましくは、1〜3mmとすることが望ましく、また、コート層の厚さは、好ましくは0.1〜2000μm、更に好ましくは、0.5〜1500μmとすることが望ましい。
上記総厚を0.5〜5.0mmとし、かつ、コート層の厚さを0.1〜2000μmとすることにより、成形性、機械的強度等に問題を生じることなく、より確実に酸素の透過を防止して、インキの劣化防止及びインキの吹き出し等を防止することができるものとなる。
上記総厚が0.5mm未満であると、成形性、インキ収容部材の強度の面で不具合を生じることがあり、また、総厚が5.0mmを越える厚みであると、耐酸素透過性は向上するが、視認性(インキ残量を視認等)を有する部材とするためには視認性が劣ることとなり、更に、設計の自由度の低下を招くこととなる。
また、コート層の厚さが0.1μmであると、膜の機械的強度の低下を招き、耐酸素透過性の低下を生じることとなり、また、コート層の厚さが2000μmを越えると、耐酸素透過性は向上するが、視認性(インキ残量を視認等)を有する部材とするためには視認性が劣ることとなり、更に、設計の自由度の低下を招くこととなる。
【0028】
本発明の筆記具用インキ収容部材に収容されるインキは、一般に用いられている筆記具用インキであれば、特に限定されず、ボールペン用、加圧ボールペン用、サインペン用、マーキングペン用などの水性又は油性の液状インキ、ゲル状インキなどの筆記具用インキが収容されるものである。
【0029】
次に、本発明の筆記具用インキ収容部材の具体的な実施形態を図1〜図5により更に詳しく説明する。
図1(a)、(b)及び図2は、本発明の筆記具用インキ収容部材をボールペンにおけるインキ収容管(リフィール)に適用した場合である。
本実施形態の筆記具用インキ収容部材Aは、先端にボールペン型チップ10を具備したインキ収容管11を有している。なお、12はインキ収容管に充填されているボールペン用インキ、13はペン先部とインキ収容管との継ぎ手部材であり、14はインキ追従体である。
このインキ収容管11は、図1(b)に示すように、上述の各種の有機高分子、本形態ではPPからなる本体部11a(厚さ0.7mm)と、該本体部11aの外側表面部(外周面部)に、反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層のコート層(厚さ1.0μm)11bとから構成されている。
なお、本体部11aの外側表面部を上記▲1▼の粗面部から構成して平滑面がない構造とする、または、上記▲2▼のオゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、高圧放電処理及び酸処理から選ばれる少なくとも1種の活性化処理を施す、更に上記▲3▼の石油樹脂又はその誘導体を配合した材質で。構成したもの、並びに、これらの▲1▼〜▲3▼を組合わせた4種の本体部であってもよい(図3以下の実施形態も同様)。
この筆記具用インキ収容部材Aは、図2に示すように、ボールペン用軸体15に装着してボールペンとして用いられる。なお、16は尾栓、17はキャップ体、18はシールゴムである。
【0030】
図3は、本発明の筆記具用インキ収容部材をコレクター構造を備えた直液式筆記具におけるインキを直接貯溜する軸体(インキ容器)となるインキタンク部
に適用したものである。
本実施形態の筆記具用インキ収容部材Bは、インキ20を中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となるインキタンク部21から構成されるものである。
なお、インキタンク部21の前部には、インキタンク部21内の空気が温度上昇等によって膨張した場合にインキタンク21から押し出されるインキ20をペン先や空気孔からボタ落ちさせないために一時的に保溜するインキ保溜体(コレクター部材)22が内蔵され、コレクター部材22の先端部には繊維芯からなるペン先23が設けられた構成となっている。
インキタンク部21からペン先23へのインキ導出は、コレクター部材22の中心孔に付設されたインキ流路22aを設けた中継芯24を介してインキタンク部21からインキ20をペン先23に導出することにより行われる。
なお、図3中の25はホルダー部材であり、26はインキタンク部11の後部に固着される後部軸体であり、27はキャップである。また、中継芯24を介在させることなく、ペン先23の後部をインキタンク部21内に直接配置してインキの導出を行ってもよい。
このインキ収容容器となるインキタンク部21は、ポリプロピレンからなる本体部(厚さ1.0mm)と、該本体部の外側表面部(外周面部)に反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層のコート層(厚さ1.2μm)とから構成されている。
【0031】
図4は、本発明の筆記具用インキ収容部材を、撹拌ボールを内蔵したバルブ機構部を有するバルブ式筆記具におけるインキを直接貯溜する軸体(インキ容器)となるインキタンク部に適用したものである。
本実施形態の筆記具用インキ収容部材Cは、インキ30を中綿等に吸蔵させないで直接貯溜する軸体となるインキタンク部31から構成されるものである。
なお、この筆記具には、インクタンク部31内にバルブ機構部32を介在して繊維芯からなるペン先33へインキが供給される構成となっている。なお、図3中の34はホルダー部材であり、35はバルブ機構部32とホルダー部材34間に介在し、ペン先33の後部を保持する保持部材であり、36はキャップであり、37は撹拌ボールである。また、本実施形態は、中継芯を介さないでインキをペン先へ供給するものであるが、中継芯を設け、インキタンク部31からバルブ機構部32、中継芯を介在して繊維芯からなるペン先33へインキを供給する構成にしてもよい。
このインキ収容容器となるインキタンク部31は、環状ポリオレフィンからなる本体部(厚さ2.0mm)と、該本体部の外側表面部(外周面部)に反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層で構成されるコート層(厚さ1.0μm)とから構成されている。
【0032】
図5は、本発明の筆記具用インキ収容部材を、インキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させた筆記具のインキタンク部に適用したものである。
本実施形態の筆記具用インキ収容部材Dは、インキを中綿等に吸蔵させたインキ吸蔵体40を収容する軸体となるインキタンク部41から構成されるものである。
このインキ吸蔵体40の前部には繊維芯からなるペン先42の後端部42aが当接されることにより、インキ吸蔵体40のインキがペン先42へ供給される構成となっている。43は、先軸部材、44は軸本体41の後端部に固着された尾栓、45は、キャップである。
このインキ収容容器となるインキタンク部41は、ポリプロピレンからなる本体部(厚さ1.0mm)と、該本体部の外側表面部(外周面部)に反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層で構成されるコート層(厚さ1.0μm)とから構成されている。
上記図1〜図5の筆記具用インキ収容部材において、各コート層は、酸素透過係数が25℃Dryで10−10(cc・cm/cm・sec・cmHg)以下となるコート層である。また、この特性のコート層をポリビニルアルコール又はエチレン・ビニルアルコール共重合体100重量部に対して、上述の架橋剤及び/又は接着性改良剤0.1〜50重量部含有されたものから形成してもよい。
これの各実施形態では、空気中の酸素が透過することによるインキの劣化防止、並びに香料入りインキの保香性向上、更にはインキの吹き出し、インキ中の気泡の成長などを長期間防止することができ、並びに、加圧ボールペン等の窒素ガスなどの加圧気体による加圧式筆記具などは、容器内の窒素ガスなどの加圧気体が外気側へ透過して容器内圧が低下することによる筆記不良を来たすので、例えば、安価で成形性、透明性に優れるポリプロピレンなどの高分子を使用できないなどの課題も解決でき、しかも、安全かつ簡便な手法で、より高い耐水性、優れた塗膜強度、基材との密着性に優れる筆記具用インキ収容部材が得られこととなる。
【0033】
このように構成される本発明では、水性又は油性の液状インキ、ゲル状インキなどの筆記具用インキを収容するコレクター構造を有する直液筆記具、中綿式筆記具等のインキ収容容器やボールペンのインキ収容管(ボールペンリフィール)等の筆記具用インキ収容部材の外側表面部に反応性のケトン基を分子中に有する上記特性のコート層が形成されているので、空気中の酸素が透過することによるインキの劣化防止、並びに香料入りインキの保香性向上、更にはインキの吹き出しなどを長期間防止することができ、並びに、加圧ボールペン等の窒素ガスなどの加圧気体による加圧式筆記具などは、容器内の窒素ガスなどの加圧気体が外気側へ透過して容器内圧が低下することによる筆記不良を来たすので、例えば、安価で成形性、透明性に優れるポリプロピレンなどの高分子を使用できないなどの課題も解決でき、しかも、安全かつ簡便な手法で、より高い耐水性、優れた塗膜強度、基材との密着性に優れる筆記具用インキ収容部材を提供されることとなる。
また、上記特性のコート層を形成する前の筆記具用インキ収容部材の外側表面を▲1▼粗面部から構成して平滑面がない構造としたり、▲2▼オゾン処理、プラズマ処理、コロナ処理、紫外線照射処理、高圧放電処理及び酸処理から選ばれる少なくとも1種の活性化処理を施したり、▲3▼筆記具用インキ収容部材をポリオレフィン系熱可塑性有機高分子100重量部に対して、石油樹脂又はその誘導体が5〜40重量部配合されたものにより構成したもの、または、これらの▲1▼〜▲3▼を組合わせた4種の筆記具用インキ収容部材によりなるものでは、更にコート層との密着性が向上し、更に酸素が透過することがなくなり、インキの劣化防止、並びに香料入りインキの保香性向上、更にはインキの吹き出しを更に長期間防止することができるものとなる。
更に、本発明の筆記具用インキ収容部材では、上記特性のコート層で構成されるものであるが、筆記具用インキ収容部材等においては窒素ガスよりも酸素ガスの方が透過しやすいので、本発明では、窒素ガスの透過も更に抑制できるものとなる。従って、空気及び加圧筆記具に用いる窒素ガスの透過も抑制できるものとなる。よって、加圧ボールペン等の窒素ガスなどの加圧気体による加圧式筆記具用の筆記具用インキ収容部材においても、インキ収容容器内の窒素ガスなどの加圧気体が容器外に透過することが防止できるものとなるので、インキ収容容器内の内圧低下による筆記不良を長期間防止することができるものとなる。
【0034】
本発明の筆記具用インキ収容部材は、上記実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の形態に変更できることはいうまでもない。
本発明の筆記具用インキ収容部材は、筆記具用インキを収容する有機高分子から構成される筆記具用インキ収容部材の外側表面部に反応性のケトン基を分子中に有するコート層を形成することを要旨とするので、本発明を各種筆記具に用いた場合には、上記筆記具用インキ収容部材以外の構造は特に限定されるものではなく、ボールペン、サインペン、マーキングペン、加圧ボールペンなどの各種筆記具の構造が適用されるものである。
また、筆記具用インキを修正液、塗布液、化粧品等の液状化粧料等とした塗布具の塗布液の収容部材にも適用できるものである。
なお、筆記具用インキ収容部材を酸素透過係数の少ない材質、例えば、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)等により構成した場合には、酸素透過が少なくなるが、加湿雰囲気等の環境下にすると、樹脂が空気中の水蒸気で膨潤し、ガスバリア性が低下し、寸法変化等が起こることとなり、本発明の効果を発揮できるものではないものである。
【0035】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び比較例に基づき更に詳細に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0036】
〔実施例1〜12及び比較例1〜4〕
下記方法により各筆記具用インキ収容部材を備えた筆記具を作製した。
射出成形により直液式サインペン用のPP製インキ収容容器を作製した。このPP製インキ収容容器は図3の図示符号21に準拠するものであり、肉厚1.0mm、内径7.0mm、長さ50mmである。PPの酸素透過係数は、25℃Dryで約5×10−9(cc・cm/cm・sec・cmHg)であった。
このPP製インキ収容容器の外側表面部全体を金型上で成形時に梨地化処理し、次いで、該表面部全体を空気存在下グロー放電によりプラズマ処理した。この梨地化処理、プラズマ処理したPP製インキ収容容器をコーティング用インキ収容部材とした。
【0037】
(実施例1)
上記コーティング用インキ収容部材に対して、以下の配合の塗工液1をディップコーティングにて塗工し、その後95℃条件下で10分間加熱乾燥させ、ガスバリア性コート層を形成した。実施例2〜12及び比較例1〜4も同様に塗工したので、塗工液の配合のみを以下に示す。
(塗工液1、全量100重量%)
反応性ケトン基を有するポリビニルアルコール
(D700、ユニチカ社製、以下同様)            5.0
アジボイルジヒドラジド(架橋剤、和光純薬工業社製、以下同様)0.005
イオン交換水                        残部
【0038】
(実施例2、塗工液2、全量100重量%)
D700                          5.0
アジボイルジヒドラジド                   0.05
イオン交換水                        残部
(実施例3、塗工夜3、全量100重量%)
D700                          5.0
アジボイルジヒドラジド                   0.25
イオン交換水                        残部
(実施例4、塗工液4、全量100重量%)
D700                          5.0
アジボイルジヒドラジド                   0.5
イオン交換水                        残部
(実施例5、塗工液5、全量100重量%)
D700                          5.0
アジボイルジヒドラジド                   2.5
イオン交換水                        残部
(実施例6、塗工液6、全量100重量%)
反応性ケトン基を有するポリビニルアルコール
(D500、ユニチカ社製、以下同様)            5.0
アジボイルジヒドラジド                   0.5
イオン交換水                        残部
【0039】
(実施例7、塗工液7、全量100重量%)
D700                          5.0
イソフタロイルジヒドラジド
(架橋剤、和光純薬工業社製、以下同様)           0.5
イオン交換水                        残部
(実施例8、塗工液8、全量100重量%)
D500                          5.0
イソフタロイルジヒドラジド                 0.5
イオン交換水                        残部
(実施例9、塗工夜9、全量100重量%)
D700                          5.0
エチレンジアミン(架橋剤、和光純薬工業社製、以下同様)   0.5
イオン交換水                        残部
(実施例10、塗工液10、全量100重量%)
D500                          5.0
エチレンジアミン                      0.5
イオン交換水                        残部
(実施例11、塗工液11、全量100重量%)
D700                          5.0
イソフタロイルジヒドラジド                 0.5
反応性アミノ基を有するシリコーン系界面活性剤
(KP390、信越化学工業社製、以下同様)         0.5
イオン交換水                        残部
(実施例12、塗工液12、全量100重量%)
D500                          5.0
イソフタロイルジヒドラジド                 0.5
KP390                         0.5
イオン交換水                        残部
【0040】
(比較例1、塗工液13、全量100重量%)
ポリビニルアルコール
(ゴーセノールNH−26、日本合成化学工業社製、以下同様) 5.0
イオン交換水                        残部
(比較例2、塗工液14、全量100重量%)
ゴーセノールNH−26                    5.0
四ほう酸ナトリウム十水和物(耐水化剤、和光純薬工業社製)   0.5
イオン交換水                         残部
(比較例3、塗工液15、全量100重量%)
エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂
(エクセバールHR−3010、クラレ社製、以下同様)    5.0
イオン交換水                        残部
(比較例4、塗工液16、全量100重量%)
エクセバールHR−3010                 5.0
四ほう酸ナトリウム十水和物                 0.5
イオン交換水                        残部
【0041】
上記実施例1〜12及び比較例1〜4において、D700の酸素透過係数は、25℃Dryで約2×10−14(cc・cm/cm・sec・cmHg)であり、D500の酸素透過係数は、25℃Dryで約2×10−14(cc・cm/cm・sec・cmHg)、ゴーセノールNH−26の酸素透過係数は、25℃Dryで約1×10−14(cc・cm/cm・sec・cmHg)、エクセバールHR−301の酸素透過係数は、25℃Dryで約5×10−14(cc・cm/cm・sec・cmHg)であった。これらの各ガスバリアー性コート層は、平均厚約1.0μmになるように調整し、本体層とコート層の総厚1001.0μmにした。
また、この実施例1〜12及び比較例1〜4における各PP製インキ収容容器の全体の酸素透過係数Pは、下記のとおりであった。
実施例1:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例2:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例3:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例4:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例5:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例6:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例7:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例8:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例9:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例10:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例11:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
実施例12:約2×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
比較例1 :約1×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
比較例2 :約1×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
比較例3 :約5×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
比較例4 :約5×10−11(cc・cm/cm・sec・cmHg)
これらのPP製インキ収容容器を用いて図3に示す各直液式サインペンを組み立た。
【0042】
得られた実施例1〜12の各筆記具等について、下記各組成のインキを充填し、各直液式サインペンを作製した後、下記方法によりインキの吹き出し性及び保香性について評価した。これらの結果を下記表1〜3に示す。
次いで、得られた実施例1〜12及び比較例1〜4の筆記具用インキ収容部材のガスバリア性コート膜を50℃、65%RHの空気が流通した環境下に放置した後、コート膜の耐水性及び塗膜強度、密着性の変化について下記方法により評価した。
これらの結果を下記表4及び5に示す。
【0043】
上記実施例1〜12及び比較例1〜4は下記直液筆記具用インキ組成、直液筆記具用インキ組成(香料タイプ)各1gを充填した。
(直液筆記具用インキ組成、全量100重量%)
C.I.Direct Black−154                                     4.5
C.I.Direct Black−19                                      1.5
エチレングリコール                   10.0
グリセリン                       10.0
pH調整剤                        0.3
防腐剤(プロキセルGXL)                0.5
固着性樹脂(スチレンアクリル酸樹脂、アンモニア中和)   3.0
界面活性剤(インゲンP、第一製薬工業社製)        0.2
精製水                          残部
【0044】
(直液筆記具用インキ組成香料タイプ、全量100重量%)
C.I.Direct Black−154                                     4.5
C.I.Direct Black−19                                      1.5
プロピレングリコール                  10.0
グリセリン                       10.0
香料(1−メントール)                  1.3
pH調整剤                        0.3
防腐剤(プロキセルGXL)                0.5
固着性樹脂(スチレンアクリル酸樹脂、アンモニア中和)   3.0
界面活性剤(インゲンP、第一製薬工業社製)        0.2
精製水                          残部
【0045】
(インキの吹き出し性の評価法)
50℃Dry環境下、35℃・湿度30%環境下で、キャップした状態でペン先を下向き保存し、1カ月、3カ月、6カ月保存したときのペンの状態を下記評価基準にて評価した。
評価基準:
◎:インキの吹き出しが全くない。
○:インキの吹き出しがやっと肉眼で確認できるが、実用上問題ない。
△:インキの吹き出しがややある。
×:インキの吹き出しがある。
【0046】
(保香性の評価法)
50℃Dry環境下で、キャップした状態でペン先を下向き保存し、1カ月、3カ月、6カ月保存したものを筆記して描線のメントールの香りを下記評価基準にて評価した。
評価基準:
◎:初期(保存前)と全く変わらない香りがする。
○:初期(保存前)に較べやや香りが弱くなっているが実用上全く問題ない。
△:香りがやや弱っている。
×:殆ど香りがない。
【0047】
(コート層の耐水性の評価法)
コート層形成直後、及び50℃、65%RH環境下で、1ケ月、3ケ月保存したときのコート層のタック性を下記評価基準にて評価した。
評価基準
◎:コート層のタック感(べたつき)が全くない。
○:コート層のタック感がない。
△:コート層は僅かにタック感がある。
×:コート層がべたつき、コート層同士が接触することによって、ブロッキングが発生する。
【0048】
(コート層の塗膜強度、密着性の評価法)
コート層形成直後、及び50℃、65%RH環境下で、1ケ月、3ケ月保存したときのコート層を金属製の薬さじにて擦過し、塗膜強度、密着性を下記評価基準にて評価した。
評価基準
◎:強く擦過してもコート層が全く傷つかない。
○:強く擦過するとコート層に僅かに傷がつく。
△:擦過することでコート層が部分的に剥離する。
×:軽く擦過するだけで簡単にコート層が剥離する。
【0049】
【表1】

Figure 2004122539
【0050】
【表2】
Figure 2004122539
【0051】
【表3】
Figure 2004122539
【0052】
【表4】
Figure 2004122539
【0053】
【表5】
Figure 2004122539
【0054】
上記表1〜5の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜12は、本発明の範囲外となる比較例1〜4に較べ、筆記具用インキ収容部材に空気中の酸素が透過することがなくなるので、インキの吹き出しを長期間防止することができると共に、香料入りインキの保香性を向上することができる筆記具用インキ収容部材(筆記具用インキを収容するコレクター構造を有する直液筆記具、ボールペンのインキ収容管)であること、また、ガスバリア性コート層の耐水性及び塗膜強度、密着性に優れることが判明した。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、筆記具用インキ収容部材に空気中の酸素が透過することがなくなり、インキの劣化防止、並びに香料入りインキの保香性向上、更にはインキの吹き出しを長期間防止することができると共に、耐水性、塗膜強度、密着性に優れる筆記具用インキ収容部材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の筆記具用インキ収容部材をボールペン用インキ収容管に適用した一例を断面態様で示す縦断面図であり、(b)は、その要部を示す部分横断面図である。
【図2】図1のボールペン用インキ収容管を備えたボールペンの縦断面図である。
【図3】本発明の筆記具用インキ収容部材を直液式サインペンに適用した一例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の筆記具用インキ収容部材をバルブ機構を備えた筆記具に適用した一例を示す断面図である。
【図5】本発明の筆記具用インキ収容部材をインキを中綿等のインキ吸蔵体に吸蔵させた筆記具に適用した一例を示す断面図である。
【符号の説明】
11  インキ収容管
11a 本体層
11b コート層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink storage member for a writing implement such as a water-based or oil-based liquid ink, a writing ink such as a gel-like ink, and an ink storage container for a writing implement such as an ink storage tube, and more particularly to an ink storage member for a writing implement. In addition to preventing the deterioration of the ink due to the permeation of oxygen in the air, and improving the fragrance retention of the scented ink, and also preventing the ejection of the ink, the water resistance of the coating layer, the coating film strength and the substrate The present invention relates to an ink storage member for a writing instrument having excellent adhesion.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a wide variety of writing instruments have been known, but in general, the function of an ink container such as a direct liquid writing instrument having a collector structure, a batting-type writing instrument, and an ink container tube (ink tube, refill) of a ballpoint pen is aqueous or The main purpose is to accommodate writing implement inks such as oily liquid inks and gel inks, and to prevent evaporation of the solvent that constitutes the ink.
[0003]
Usually, these ink storage containers and ink storage tubes for writing implements are made of organic polymers such as polypropylene (synthetic resin, etc.) such as polypropylene in terms of chemical stability, solvent resistance, economy, and productivity. It is.
However, according to the research and knowledge of the present inventors, when viewed over time, air, particularly oxygen, penetrates into the ink container and the ink container through the ink container and the ink container, It has been found that the ink is oxidized and promotes the deterioration of the ink such as thickening of the ink and a decrease in the concentration of the coloring material, and further the problems such as the ejection of the ink are accelerated and there is a problem that the life of the writing instrument is shortened. .
In the case of a pressurized ballpoint pen or the like, when polypropylene and the like, which are inexpensive and excellent in moldability and transparency, are used for the ink storage member, the pressurized gas such as nitrogen gas in the ink storage container permeates out of the container and the pressure inside the container decreases. There is a problem that writing errors due to the decrease occur.
[0004]
On the other hand, regarding the method of packaging stationery such as writing implements containing an antibacterial agent, discoloration of stationery can be prevented by incorporating a deoxidizer in the packaging material and minimizing contact with oxygen and moisture in the air. A method for packaging stationery containing an antibacterial agent is disclosed (see Patent Document 1).
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-8-133346 (Claims, etc.)
[0006]
However, the technology disclosed in Patent Document 1 described above causes discoloration due to oxidation of stationery such as a writing implement containing an antibacterial agent when left on display shelves or the like at a store for a long time (from the time of manufacture to the time of consumption). The present invention differs from the present invention in its purpose, operation, and configuration (technical idea).
[0007]
In addition, vitamin C, vitamin E, and other components that react with or absorb oxygen are added to the ink as a measure to prevent the ink from being oxidized and degraded by air (oxygen) taken into the ink when preparing or filling the ink. Techniques for doing so are also known. However, these techniques have a problem in that the amount added to the ink is naturally limited, and the function is lost in a relatively short time because the amount is extremely small. In the above-mentioned technology, there is no recognition of problems such as oxidative deterioration of the ink caused by oxygen permeation of the ink storage member and the ability of the ink to be blown out from the pen tip.
[0008]
Therefore, as a solution to the above-described problem, the present applicant has developed a method for forming an ink storage member made of an organic polymer that stores an ink for a writing implement, wherein the ink solvent is volatilized and the ink is permeated by permeation of oxygen in the atmosphere. For the purpose of preventing oxidation, viscosity increase of ink and accompanying decrease in colorant density, and ejection of ink, the outer surface of the ink storage member for writing implements is made of polyvinyl alcohol or ethylene-vinyl alcohol copolymer resin with specific physical properties. An application for forming a gas barrier coat layer has been filed (Japanese Patent Application No. 2002-70291).
In this technology, since polyvinyl alcohol and ethylene-vinyl alcohol copolymer resin are essentially hydrophilic resins, the gas barrier coat layer applied to the surface of the ink storage member for writing implements absorbs moisture due to atmospheric humidity, and the coating strength and With respect to the problem that the adhesion to the base material is reduced, a water resistance treatment, for example, a heat treatment of the coat layer at 100 ° C. or higher, a crosslinking reaction with a hydroxyl group by an aldehyde, a crosslinking reaction with a methylol compound, an epoxy compound, etc. And a method of cross-linking into a polymer by a cross-linking reaction with a polymer.
[0009]
However, it has been found that each of the above-mentioned methods is a method superior to the coat layer alone, but each has some problems. That is, there is a problem that the heat treatment cannot be performed at a temperature higher than the heat resistance temperature of the substrate on which the gas barrier coat layer is to be applied. In addition, in the crosslinking reaction with aldehydes, there is a problem in the safety of the aldehydes used, and in the crosslinking reaction with the methylol compound, there is a problem that formalin is generated as a by-product, and further, there is a problem with the epoxy compound and the like. It has been found that the cross-linking reaction or the like has a problem that the water resistance is not so much improved and the tackiness of the coat layer may be slightly developed.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the problems and the current state of the prior art described above, and is intended to solve the problem. An ink container or ink for a writing implement that contains an ink for a writing implement such as an aqueous or oily liquid ink or a gel ink. It is possible to prevent the deterioration of the ink due to the permeation of oxygen in the air to the ink storage member for writing implements such as the storage tube, improve the fragrance retention of the scented ink, and also prevent the ejection of the ink for a long time, In addition, pressurized writing instruments such as pressurized ballpoint pens that use pressurized gas such as nitrogen gas may cause poor writing due to the permeation of pressurized gas such as nitrogen gas in the container to the outside air and a decrease in the pressure inside the container. For example, it is possible to solve problems such as the inability to use polymers such as polypropylene, which are inexpensive and excellent in moldability and transparency.In addition, with a safe and simple method, higher water resistance And to provide excellent coating strength, ink for a writing instrument accommodating member which is excellent in adhesion to the substrate.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies on the above-described problems of the prior art and the like, and as a result, the outer surface portion (outer peripheral surface portion) of the ink storage member for a writing implement composed of an organic polymer that stores the ink for a writing implement has specific physical properties. By forming the coat layer, it was found that the ink storage member for a writing instrument of the above object was obtained, and the present invention was completed.
That is, the ink storage member for a writing instrument of the present invention includes the following (1) to (5).
(1) An ink storage member for a writing implement composed of an organic polymer that stores an ink for a writing implement, wherein a polyvinyl alcohol layer having a reactive ketone group in the molecule is provided on an outer surface of the ink storage member for the writing implement. Alternatively, an ink storage member for a writing instrument, wherein a coat layer comprising an ethylene / vinyl alcohol copolymer layer is formed.
(2) The ink storage member for a writing implement according to the above (1), wherein the ink storage member for a writing implement is an ink storage container or an ink storage tube for a writing implement.
(3) that the coating layer is formed from one in which 0.1 to 50 parts by weight of a crosslinking agent and / or an adhesion improver is contained based on 100 parts by weight of polyvinyl alcohol or an ethylene / vinyl alcohol copolymer. The ink accommodating member for a writing instrument according to the above (1) or (2), which is characterized by the following.
(4) The crosslinking agent described above, wherein the crosslinking agent is at least one selected from a dihydric or polyhydric hydrazide compound, a polyacrylic hydrazide, a divalent or polyvalent amine compound, and an amino group-containing organic polymer. 3) The ink container for a writing instrument according to the above.
(5) The ink storage member for a writing instrument as described in (3) above, wherein the adhesion improving agent is a silicone-based surfactant and has an amino group or a hydrazide group in a molecule.
[0012]
In the following, the specified “oxygen permeability coefficient” (unit: cc · cm / cm 2 -Sec-cmHg) means a value calculated by the following formula (I).
Oxygen permeability coefficient = oxygen permeability x thickness of test piece ... (I)
In the above formula (I), oxygen permeability (oxygen permeability, unit: cc / m 2 (24 hr · atm) refers to the volume of oxygen permeating a test piece having a unit area per unit time per unit pressure difference per unit time, and is obtained from the following equation by actually measuring the amount of oxygen permeating a test piece at a certain time. .
Oxygen permeability = oxygen permeation amount / [(high pressure side partial pressure-low pressure side partial pressure) × permeation area × time]
The `` oxygen permeability coefficient '' defined in the present invention is, as defined above, a value obtained by multiplying the oxygen permeability by the thickness of the test piece and converting it into a permeation amount per unit thickness. By knowing the thickness of the test piece and its oxygen permeability, it becomes possible to know how thick the coating layer should be selected in order to obtain the required oxygen permeability.
Further, “Dry” defined in the present invention means a humidity of 30% or less at each temperature, “25 ° C. Dry” means a humidity of 30% or less in a 25 ° C. environment, and “50 ° C. Dry”. "Means a humidity of 30% or less in an environment of 50 ° C.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
The ink storage member for a writing implement of the present invention is an ink storage member for a writing implement composed of an organic polymer that stores the ink for a writing implement, specifically, an outer surface portion (outer peripheral portion) of an ink storage container for a writing implement or an ink storage tube. (A surface part) is characterized in that a coat layer composed of a polyvinyl alcohol layer or an ethylene / vinyl alcohol copolymer layer having a reactive ketone group in the molecule is formed.
[0014]
As the structure of the ink storage member for a writing implement of the present invention, for example, an ink storage pipe (refill) in a ballpoint pen in FIGS. 1 and 2 and a shaft body for directly storing ink in a direct liquid writing implement having a collector structure in FIG. An ink tank portion serving as an (ink container), an ink tank portion serving as a shaft (ink container) for directly storing ink in a writing instrument having a valve mechanism in FIG. 4, and an ink occluding body in a batting-type writing instrument in FIG. Examples of the ink storage section include an ink storage section that stores and stores the ink for writing implements.
[0015]
These ink storage members for writing instruments include polypropylene (PP), polyethylene (PE), cyclic polyolefin, polymethylpentene, polyethylene terephthalate (PET), polybutylene terephthalate (PBT), polystyrene (PS), polycarbonate (PC), and silicone. It is composed of an organic polymer such as an elastomer, acrylonitrile-butadiene-styrene copolymer (ABS), nylon (polyamide), polyimide, polyvinyl chloride (PVC), and is preferably a thermoplastic organic polymer. Molecules, more preferably, those composed of a polyolefin-based thermoplastic organic polymer such as polypropylene (PP), polyethylene (PE), cyclic polyolefin, polymethylpentene, etc. from the viewpoint of solvent resistance, economy, productivity, and the like.
[0016]
In the present invention, a coating layer having the above characteristics is formed on the outer surface portion (outer peripheral surface portion) of the ink storage member for writing implements, and the ink storage member is substantially composed of two or more layers of a main body (layer) + a coat layer. However, the main body (layer) of the ink containing member may be formed in multiple layers using other different organic polymer layers.
In addition, in the present invention, the main body of the ink storage member for writing implement is formed of the following (1) from the viewpoint that the adhesion between the ink storage member for writing implement (main body) and the coat layer is further ensured and the effect of the present invention is further improved. It is preferable to use one having the structure described in (1) to (3).
{Circle around (1)} A material having a structure in which the outer surface of the ink storage member main body for a writing instrument has a rough surface and has no smooth surface is used.
{Circle over (2)} A structure in which the outer surface of the ink storage member body for the writing implement is subjected to at least one activation treatment selected from ozone treatment, plasma treatment, corona treatment, ultraviolet irradiation treatment, high pressure discharge treatment and acid treatment. Use something.
{Circle over (3)} As a material for the ink storage member main body of the writing instrument, a material formed by mixing 5 to 40 parts by weight of a petroleum resin or a derivative thereof with 100 parts by weight of the above-mentioned polyolefin-based thermoplastic organic polymer. Is used.
[0017]
As a method for forming the outer surface portion of the main body portion from the rough surface portion to have no smooth surface in the above (1), for example, the outer surface portion of the ink storage container or the ink storage tube for the writing implement serving as the ink storage member for the writing implement can be used. It can be performed by subjecting the surface to sandblasting, roughening the mold surface, or performing a roughening treatment such as matting.
[0018]
Further, the ozone treatment of the above (2) is intended to introduce a functional group such as a hydroxyperoxy group, a hydroxyl group or a carbonyl group by contacting the outer surface of the ink storage member for a writing instrument with ozone molecules. This is performed by exposing the ink containing member to ozone. Examples of the exposure method include a method of maintaining the device in an atmosphere in which ozone is present for a predetermined time and a method of exposing the device to an ozone stream for a predetermined time, but are not particularly limited.
The plasma treatment of the above item (2) is performed by placing the ink storage member for a writing implement in a container containing air, oxygen, nitrogen, carbon dioxide, argon, neon, etc., and exposing it to plasma generated by glow discharge. The purpose of introducing a functional group such as a carboxylic acid group containing oxygen and nitrogen, a carbonyl group, and an amino group on the outer surface of the ink containing member is as follows. There are discharge, microwave discharge, and the like, but there is no particular limitation.
[0019]
In the corona treatment of (2), the outer surface of the ink storage member for writing implement can be activated by passing the ink storage member for writing implement in an electric field in which corona discharge occurs.
The ultraviolet irradiation treatment of the above (2) is a method of irradiating the outer surface of the ink storage member for a writing instrument with ultraviolet light. When the outer surface of the ink storage element for a writing tool is irradiated with the ultraviolet light, the surface of the ink storage member for the writing tool is irradiated. Ultraviolet light is absorbed by the chemical structure such as the double bond in the region, the chemical bond is cut by the absorbed energy, and a carbonyl group, a carboxyl group, etc. obtained by bonding oxygen in the air to the generated radical are introduced. For this purpose, a low-pressure mercury lamp, a high-pressure mercury lamp, an ultra-high-pressure mercury lamp, a xenon lamp, a metal halide lamp, or the like can be used as a light source for irradiating ultraviolet rays, but is not particularly limited.
[0020]
The high-pressure discharge treatment of (2) is a method in which a high voltage of several hundred thousand volts is applied between electrodes provided with a large number of ink storage members for writing implements, and the discharge is performed in the air. Then, the surface of the ink storage member for writing implement is activated, oxygen is taken into the surface, and the outer surface of the ink storage member for writing implement can be activated by introducing a polar group.
The acid treatment of the above item (2) can be performed by directly immersing the ink accommodating member for a writing implement in a chromium mixed acid solution, a sodium hypochlorite / hydrochloric acid / water system, a chlorate-sulfuric acid system, a sulfuric acid, or the like.
[0021]
Examples of the petroleum resin or its derivative of the above (3) include a hydroxyl group-containing hydrogenated petroleum resin or a derivative thereof. Specifically, commercially available Heylets G-100 (manufactured by Mitsui Petrochemical), Petrozine # 100 (manufactured by Mitsui Petrochemical), Alcon P-100 (manufactured by Arakawa Chemical Industries) and the like can be mentioned.
If the amount of the petroleum resin is less than 5 parts by weight, the adhesion to the coating layer will not be improved, while if it exceeds 40 parts by weight, the effect will not be changed. There is a problem that the target strength is reduced, which is not preferable.
When the above-mentioned (1) to (3) are subjected to the above treatments (1) to (3) using a polyolefin resin represented by PP, particularly by using the ink storage member (main body) for a writing instrument of (1) to (3). The adhesiveness of a coat layer composed of polyvinyl alcohol (PVA) having a reactive ketone group in the molecule, ethylene / vinyl alcohol copolymer (EVOH), or the like described below can be further improved.
Each of the ink storage members (main body) for writing implements (1) to (3) may be used alone, but if necessary, the ink storage members (1), (2), and (1) may be further used. The combination of (1) and (3), (2) and (3), and the above (1) to (3) (total of 4 types) may be used.
[0022]
In the present invention, the polyvinyl alcohol layer or the ethylene / vinyl alcohol copolymer layer having a reactive ketone group (—CO—) in the molecule of the coat layer has a low oxygen permeability and an oxygen permeability coefficient of 25 ° C. Dry. 10 -10 (Cc · cm / cm 2 .Sec.cmHg) or less, so that the coat layer is composed of a polyvinyl alcohol layer or a ethylene / vinyl alcohol copolymer layer having a reactive ketone group (—CO—) in the molecule, thereby reducing oxygen in the air. Prevents the deterioration of the ink due to the permeation of the ink, improves the fragrance retention of the scented ink, and further prevents the ejection of the ink for a long period of time, and uses a pressurized gas such as a nitrogen gas such as a pressurized ballpoint pen. Pressurized writing instruments, etc., cause poor writing due to a decrease in the internal pressure of the container as pressurized gas such as nitrogen gas in the container permeates to the outside air, for example, inexpensive moldability, excellent transparency, such as polypropylene It can also solve problems such as the inability to use polymers, and has a higher level of water resistance, excellent coating strength, and excellent adhesion to substrates with a safe and simple method. Serial device for an ink reservoir member so that the can be provided.
Specific examples of the polyvinyl alcohol having a reactive ketone group in the molecule include D500 and D700 available from Unitika Ltd., which are commercially available.
The resin coating layer such as a PVA layer or an EVOH layer having a reactive ketone group in a molecule is formed by dissolving a polymer having a low oxygen permeability such as the PVA or EVOH in a predetermined solvent by dissolving the ink storage member for a writing implement. The gas barrier coat layer can be formed by a coating method such as a dipping method, a co-extrusion method, or a blow molding method.
[0023]
The coat layer composed of a polyvinyl alcohol layer or an ethylene / vinyl alcohol copolymer layer having a reactive ketone group in the molecule is preferably based on 100 parts by weight of the polyvinyl alcohol or the ethylene / vinyl alcohol copolymer. It is desirable that the cross-linking agent and / or the adhesion improving agent are formed from those containing 0.05 to 80 parts by weight, preferably 0.1 to 50 parts by weight.
Examples of the crosslinking agent that can be used include at least one selected from a divalent or polyvalent hydrazide compound, a polyacrylic acid hydrazide, a divalent or polyvalent amine compound, and an amino group-containing organic polymer.
Specifically, examples of the divalent or polyvalent hydrazide compound include malondihydrazide, succindihydrazide, glutardihydrazide, adipine dihydrazide, malein dihydrazide, phthalhydrazide, isophthalhydrazide, terephthalhydrazide, and the like. Examples of polyvalent amino compounds include ethylenediamine, trimethylenediamine, tetraethylenediamine, pentamethylenediamine, hexaethylenediamine, 1,7-diaminoheptane, 1,8-diaminooctane, 1,9-diaminononane, and 1,10-diaminodecane. , Orthophenylenediamine, metaphenylenediamine, paraphenylenediamine and the like, but the crosslinking agent of the present invention is not limited to these.
[0024]
By using the above-mentioned cross-linking agent, the hydrazide group (-NHNH-) in the cross-linking agent molecule is dehydrated and condensed with the reactive ketone group of the polyvinyl alcohol or the ethylene-vinyl alcohol copolymer molecule, and further, the other cross-linking agent molecule The hydrazide group at the end binds to the reactive ketone group of another polyvinyl alcohol or ethylene-vinyl alcohol copolymer molecule to crosslink the polyvinyl alcohol or ethylene-vinyl alcohol copolymer and coat it by polymerizing it. The water resistance of the layer and the strength of the coating film are further improved. Since this reaction proceeds at a relatively low temperature, it is possible to crosslink at a temperature not higher than the heat resistant temperature of the base material as compared with the above-mentioned water-resistant treatment method. Film strength and adhesion to a substrate can be imparted.
The amino group (-NH) in the divalent or polyvalent amine compound and the amino group-containing organic polymer 2 ) Can also bind to the reactive ketone group of the polyvinyl alcohol or ethylene / vinyl alcohol copolymer molecule in the same manner as the above-mentioned hydrazide group. Can be improved.
[0025]
Examples of the adhesion improver include a silicone-based surfactant having an amino group or a hydrazide group in the molecule.
Specifically, a silicone-based surfactant having a reactive amino group, for example, KP390 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. or the like can be used.
When this adhesiveness improving agent is used, the adhesiveness improving agent adheres to and binds to the base material, which is the ink storage section on which the gas barrier coating layer is to be formed, and further the amino group or hydrazide group in the adhesiveness improving agent molecule is polyvinyl alcohol or Since it chemically bonds to the reactive ketone group in the ethylene / vinyl alcohol copolymer resin molecule, the adhesion to the substrate can be improved.
In the present invention, as described above, in order to improve the adhesion between the base material and the coat layer, plasma treatment of the base material, corona treatment, frame treatment and coating of the base material with a primer, However, by using the above-mentioned adhesion improver alone or together with these methods, it is possible to impart higher adhesion and improve water resistance, coating strength and the like.
[0026]
When the content of the crosslinking agent and / or the adhesion improving agent is less than 0.05 part by weight, the further effect of the present invention cannot be exerted. Further effects cannot be exhibited, which is not preferable.
[0027]
In the present invention, the total thickness (the total of the thickness of the main body portion + the thickness of the coat layer) including the thickness of the ink storage member for the writing implement (main body portion) and the coat layer is determined by the type of ink to be stored and the main body portion to be used. It is preferably 0.5 to 5.0 mm, more preferably 1 to 3 mm, and the thickness of the coating layer is preferably 0.1 to 2000 μm. More preferably, the thickness is 0.5 to 1500 μm.
By setting the total thickness to 0.5 to 5.0 mm and the thickness of the coat layer to 0.1 to 2000 μm, it is possible to more reliably reduce the oxygen content without causing problems in moldability, mechanical strength, and the like. By preventing transmission, it is possible to prevent the deterioration of the ink and the ejection of the ink.
If the total thickness is less than 0.5 mm, problems may occur in terms of moldability and the strength of the ink containing member, and if the total thickness is more than 5.0 mm, the oxygen permeation resistance becomes poor. Although it is improved, in order to obtain a member having visibility (for example, the amount of remaining ink is visually recognized), the visibility is inferior, and the degree of freedom in design is further reduced.
Further, when the thickness of the coat layer is 0.1 μm, the mechanical strength of the film is reduced, and the oxygen permeability is reduced. When the thickness of the coat layer exceeds 2000 μm, the resistance is reduced. Although oxygen permeability is improved, visibility becomes inferior in order to obtain a member having visibility (for example, the amount of remaining ink is visually recognized), and further, the degree of freedom in design is reduced.
[0028]
The ink stored in the ink storage member for a writing implement of the present invention is not particularly limited as long as it is a commonly used writing implement ink, and is used for ballpoint pens, for pressurized ballpoint pens, for sign pens, for marking pens, and the like. It contains ink for writing implements such as oily liquid ink and gel ink.
[0029]
Next, a specific embodiment of the ink storage member for a writing implement of the present invention will be described in more detail with reference to FIGS.
FIGS. 1A, 1B, and 2 show a case where the ink storage member for a writing implement of the present invention is applied to an ink storage tube (refill) of a ballpoint pen.
The ink storage member A for a writing implement of the present embodiment has an ink storage tube 11 provided with a ballpoint pen type tip 10 at the tip. Reference numeral 12 denotes ink for a ball-point pen filled in the ink storage tube, 13 denotes a joint member between the pen tip and the ink storage tube, and 14 denotes an ink follower.
As shown in FIG. 1B, the ink storage tube 11 has a main body 11a (0.7 mm thick) made of the above-mentioned various organic polymers, in this embodiment, PP, and an outer surface of the main body 11a. A portion (outer peripheral portion) is formed of a polyvinyl alcohol layer having a reactive ketone group in the molecule or a coat layer (thickness: 1.0 μm) 11b of an ethylene / vinyl alcohol copolymer layer.
The outer surface of the main body 11a is constituted by the rough surface of the above (1) and has no smooth surface, or the ozone treatment, the plasma treatment, the corona treatment, the ultraviolet irradiation treatment, the high pressure A material which is subjected to at least one activation treatment selected from a discharge treatment and an acid treatment, and is further blended with the petroleum resin or the derivative thereof of the above (3). It may be constituted as well as four types of main bodies combining (1) to (3) (the same applies to the embodiments shown in FIG. 3 and thereafter).
As shown in FIG. 2, the ink storage member A for a writing implement is mounted on a ballpoint pen shaft 15 and used as a ballpoint pen. In addition, 16 is a tail plug, 17 is a cap body, and 18 is a seal rubber.
[0030]
FIG. 3 is an ink tank portion serving as a shaft (ink container) for directly storing ink in a direct liquid type writing instrument having a collector structure in which the ink storage member for a writing instrument of the present invention is provided.
It is applied to.
The ink storage member B for a writing implement of the present embodiment includes an ink tank portion 21 serving as a shaft body for directly storing the ink 20 without absorbing the ink 20 into batting or the like.
In addition, the front of the ink tank 21 is temporarily stopped in order to prevent the ink 20 pushed out from the ink tank 21 from dropping from the pen tip or the air hole when the air in the ink tank 21 expands due to a temperature rise or the like. An ink reservoir (collector member) 22 for retaining the ink is built in, and a pen point 23 made of a fiber core is provided at the tip of the collector member 22.
The ink is drawn out from the ink tank 21 to the pen tip 23 through the relay core 24 having an ink flow passage 22a provided in the center hole of the collector member 22. It is done by doing.
In FIG. 3, reference numeral 25 denotes a holder member, reference numeral 26 denotes a rear shaft fixed to the rear portion of the ink tank 11, and reference numeral 27 denotes a cap. Further, the ink may be discharged by disposing the rear portion of the pen tip 23 directly in the ink tank 21 without the intermediary of the relay core 24.
The ink tank 21 serving as the ink container is composed of a main body (thickness: 1.0 mm) made of polypropylene, and a polyvinyl alcohol having a reactive ketone group in a molecule on an outer surface (outer peripheral surface) of the main body. And a coat layer (thickness: 1.2 μm) of an ethylene / vinyl alcohol copolymer layer.
[0031]
FIG. 4 shows a case where the ink storage member for a writing implement of the present invention is applied to an ink tank portion serving as a shaft (ink container) for directly storing ink in a valve-type writing implement having a valve mechanism section containing a stirring ball. .
The ink storage member C for a writing implement of the present embodiment is configured by an ink tank portion 31 serving as a shaft that directly stores the ink 30 without absorbing the ink 30 into batting or the like.
In addition, this writing implement is configured such that ink is supplied to a pen tip 33 composed of a fiber core via a valve mechanism section 32 in an ink tank section 31. In FIG. 3, reference numeral 34 denotes a holder member, reference numeral 35 denotes a holding member that is interposed between the valve mechanism 32 and the holder member 34 and holds the rear portion of the pen tip 33, reference numeral 36 denotes a cap, and reference numeral 37 denotes a stirring member. Ball. In the present embodiment, the ink is supplied to the pen tip without passing through the relay core. However, the relay core is provided, and the ink tank unit 31 is formed of the fiber core with the valve mechanism unit 32 and the relay core interposed therebetween. The ink may be supplied to the pen tip 33.
The ink tank 31 serving as the ink container has a main body (a thickness of 2.0 mm) made of a cyclic polyolefin and a polyvinyl having a reactive ketone group in a molecule on an outer surface (an outer peripheral surface) of the main body. And a coat layer (thickness: 1.0 μm) composed of an alcohol layer or an ethylene / vinyl alcohol copolymer layer.
[0032]
FIG. 5 shows an ink container for a writing implement according to the present invention applied to an ink tank portion of a writing implement in which ink is occluded by an ink occluding body such as batting.
The ink storage member D for a writing implement of the present embodiment includes an ink tank portion 41 serving as a shaft that stores an ink storage body 40 in which ink is stored in a batting or the like.
A rear end portion 42a of a pen tip 42 made of a fiber core is in contact with a front portion of the ink occluding body 40, so that the ink of the ink occluding body 40 is supplied to the pen tip 42. 43 is a front shaft member, 44 is a tail plug fixed to the rear end of the shaft main body 41, and 45 is a cap.
The ink tank 41 serving as the ink container includes a main body (thickness: 1.0 mm) made of polypropylene, and a polyvinyl alcohol having a reactive ketone group in a molecule on an outer surface (outer peripheral surface) of the main body. And a coat layer (thickness: 1.0 μm) composed of an ethylene / vinyl alcohol copolymer layer.
In the ink storage member for writing implements of FIGS. 1 to 5 described above, each coat layer has an oxygen permeability coefficient of 10 -10 (Cc · cm / cm 2 (Sec · cmHg) or less. Further, a coat layer having this property is formed from one containing 0.1 to 50 parts by weight of the above-mentioned crosslinking agent and / or adhesion improver based on 100 parts by weight of polyvinyl alcohol or ethylene / vinyl alcohol copolymer. You may.
In each of these embodiments, the deterioration of the ink due to the permeation of oxygen in the air is prevented, and the fragrance retention of the scented ink is improved. Further, the blowing of the ink and the growth of bubbles in the ink are prevented for a long period of time. In addition, pressurized writing instruments such as pressurized gas such as nitrogen gas, such as a pressurized ballpoint pen, have poor writing due to the fact that pressurized gas such as nitrogen gas in the container permeates to the outside air side and the pressure inside the container decreases. Therefore, for example, it is possible to solve the problem of not being able to use polymers such as polypropylene which is inexpensive and excellent in moldability and transparency, and furthermore, with a safe and simple method, higher water resistance, excellent coating strength, As a result, an ink storage member for a writing instrument having excellent adhesion to a substrate can be obtained.
[0033]
In the present invention configured as described above, an ink container such as a water-based or oil-based liquid ink, a direct liquid writing instrument having a collector structure for accommodating ink for a writing instrument such as a gel ink, a batting-type writing instrument, and an ink storage tube of a ballpoint pen. (Ball pen refill) etc. Since the coating layer having the above characteristic having a reactive ketone group in the molecule is formed on the outer surface of the ink storage member for a writing instrument such as a ballpoint pen refill, the deterioration of the ink due to the permeation of oxygen in the air is caused. Can prevent and improve the fragrance retention of the scented ink, and also prevent the ink from being blown out for a long period of time. Pressurized gas such as nitrogen gas permeates to the outside air side, resulting in poor writing due to a decrease in the internal pressure of the container. In addition, it is possible to solve problems such as the inability to use polymers such as polypropylene, and to use a safe and simple method to create an ink container for writing implements that has higher water resistance, excellent coating strength, and excellent adhesion to substrates. Will be provided.
Further, the outer surface of the ink storage member for writing implements before forming the coat layer having the above-mentioned characteristics may be constituted by (1) a structure having a rough surface portion and having no smooth surface, or (2) ozone treatment, plasma treatment, corona treatment, At least one kind of activation treatment selected from ultraviolet irradiation treatment, high pressure discharge treatment and acid treatment is applied. (3) The ink containing member for writing implement is made of petroleum resin or 100 parts by weight of a polyolefin-based thermoplastic organic polymer. In the case where the derivative is composed of 5 to 40 parts by weight, or in the case of four types of ink storage members for writing implements in which the above (1) to (3) are combined, the coating layer further includes Adhesion is improved, oxygen is no longer permeated, preventing deterioration of ink, improving fragrance retention of fragranced ink, and preventing ink blowing for a longer period of time It becomes possible.
Furthermore, the ink storage member for writing implements of the present invention is constituted by a coat layer having the above characteristics. However, in the ink storage member for writing implements and the like, oxygen gas is more easily permeated than nitrogen gas. Then, the permeation of nitrogen gas can be further suppressed. Therefore, permeation of air and nitrogen gas used for the pressurized writing instrument can be suppressed. Therefore, even in the ink storage member for a writing implement for a pressurized writing implement using a pressurized gas such as a nitrogen gas such as a pressurized ballpoint pen, the pressurized gas such as the nitrogen gas in the ink storage container can be prevented from permeating outside the container. Therefore, it is possible to prevent poor writing due to a decrease in the internal pressure in the ink container for a long period of time.
[0034]
Needless to say, the ink storage member for a writing implement of the present invention is not limited to the above embodiment, and can be changed to various forms without changing the gist of the present invention.
The ink storage member for a writing implement of the present invention includes forming a coat layer having a reactive ketone group in a molecule on an outer surface portion of the ink storage member for a writing implement composed of an organic polymer that stores the ink for a writing implement. Since the gist, when the present invention is used for various writing instruments, the structure other than the ink storage member for the writing instrument is not particularly limited, and ballpoint pens, felt-tip pens, marking pens, and various writing instruments such as a pressurized ballpoint pen. The structure applies.
In addition, the present invention can be applied to a storage member for a coating liquid of an application tool in which a writing tool ink is used as a correction liquid, a coating liquid, or a liquid cosmetic such as a cosmetic.
When the ink storage member for a writing instrument is made of a material having a low oxygen permeability coefficient, for example, ethylene / vinyl alcohol copolymer (EVOH), oxygen permeability is reduced, but when the material is placed in an environment such as a humidified atmosphere. In addition, the resin swells with water vapor in the air, the gas barrier property is reduced, and dimensional changes and the like occur, and the effect of the present invention cannot be exhibited.
[0035]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail based on examples and comparative examples, but the present invention is not limited to the following examples.
[0036]
[Examples 1 to 12 and Comparative Examples 1 to 4]
Writing implements provided with the ink accommodating members for writing implements were produced by the following methods.
An ink container made of PP for a direct liquid type felt pen was prepared by injection molding. This PP ink container conforms to the reference numeral 21 in FIG. 3 and has a thickness of 1.0 mm, an inner diameter of 7.0 mm, and a length of 50 mm. The oxygen permeability coefficient of PP is about 5 × 10 at 25 ° C. Dry. -9 (Cc · cm / cm 2 .Sec.cmHg).
The entire outer surface of the PP ink container was subjected to a matte finish during molding on a mold, and then the entire surface was subjected to plasma treatment by glow discharge in the presence of air. The PP-containing ink container having undergone the matte-finish treatment and the plasma treatment was used as a coating ink-containing member.
[0037]
(Example 1)
A coating liquid 1 having the following composition was applied by dip coating to the above-mentioned ink storage member for coating, and then heated and dried at 95 ° C. for 10 minutes to form a gas barrier coat layer. Since Examples 2 to 12 and Comparative Examples 1 to 4 were coated in the same manner, only the composition of the coating liquid is shown below.
(Coating liquid 1, total amount 100% by weight)
Polyvinyl alcohol having a reactive ketone group
(D700, manufactured by Unitika Ltd., the same applies hereinafter) 5.0
Aziboyl dihydrazide (crosslinking agent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., the same applies hereinafter) 0.005
Ion exchange water balance
[0038]
(Example 2, coating liquid 2, total amount 100% by weight)
D700 5.0
Ajiboyl dihydrazide 0.05
Ion exchange water balance
(Example 3, coating night 3, total amount 100% by weight)
D700 5.0
Ajiboyl dihydrazide 0.25
Ion exchange water balance
(Example 4, coating liquid 4, total amount 100% by weight)
D700 5.0
Ajiboyl dihydrazide 0.5
Ion exchange water balance
(Example 5, coating liquid 5, total amount 100% by weight)
D700 5.0
Ajiboyl dihydrazide 2.5
Ion exchange water balance
(Example 6, coating liquid 6, total amount 100% by weight)
Polyvinyl alcohol having a reactive ketone group
(D500, manufactured by Unitika Ltd., the same applies hereinafter) 5.0
Ajiboyl dihydrazide 0.5
Ion exchange water balance
[0039]
(Example 7, coating liquid 7, total amount 100% by weight)
D700 5.0
Isophthaloyl dihydrazide
(Cross-linking agent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., the same applies hereinafter) 0.5
Ion exchange water balance
(Example 8, coating liquid 8, total amount 100% by weight)
D500 5.0
Isophthaloyl dihydrazide 0.5
Ion exchange water balance
(Example 9, coating night 9, total amount 100% by weight)
D700 5.0
Ethylenediamine (crosslinking agent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., the same applies hereinafter) 0.5
Ion exchange water balance
(Example 10, coating liquid 10, total amount 100% by weight)
D500 5.0
Ethylenediamine 0.5
Ion exchange water balance
(Example 11, coating liquid 11, total amount 100% by weight)
D700 5.0
Isophthaloyl dihydrazide 0.5
Silicone surfactant having reactive amino group
(KP390, manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., the same applies hereinafter) 0.5
Ion exchange water balance
(Example 12, coating liquid 12, total amount 100% by weight)
D500 5.0
Isophthaloyl dihydrazide 0.5
KP390 0.5
Ion exchange water balance
[0040]
(Comparative example 1, coating liquid 13, total amount 100% by weight)
Polyvinyl alcohol
(Gohsenol NH-26, manufactured by Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd., the same applies hereinafter) 5.0
Ion exchange water balance
(Comparative Example 2, coating liquid 14, total amount 100% by weight)
Gohsenol NH-26 5.0
Sodium tetraborate decahydrate (waterproofing agent, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) 0.5
Ion exchange water balance
(Comparative Example 3, coating liquid 15, total amount 100% by weight)
Ethylene vinyl alcohol copolymer resin
(Exebar HR-3010, manufactured by Kuraray Co., Ltd., the same applies hereinafter) 5.0
Ion exchange water balance
(Comparative Example 4, coating liquid 16, total amount 100% by weight)
Exeval HR-3010 5.0
Sodium tetraborate decahydrate 0.5
Ion exchange water balance
[0041]
In Examples 1 to 12 and Comparative Examples 1 to 4, the oxygen permeability coefficient of D700 was about 2 × 10 at 25 ° C. Dry. -14 (Cc · cm / cm 2 Sec · cmHg), and the oxygen permeability coefficient of D500 is about 2 × 10 5 at 25 ° C. Dry. -14 (Cc · cm / cm 2 Sec · cmHg), the oxygen permeability coefficient of Gohsenol NH-26 is about 1 × 10 at 25 ° C. Dry. -14 (Cc · cm / cm 2 Sec · cmHg), the oxygen permeability coefficient of Exevar HR-301 is about 5 × 10 at 25 ° C. Dry. -14 (Cc · cm / cm 2 .Sec.cmHg). Each of these gas barrier coat layers was adjusted to have an average thickness of about 1.0 μm, and the total thickness of the main body layer and the coat layer was 1001.0 μm.
The oxygen permeability coefficient P of each of the PP ink containers in Examples 1 to 12 and Comparative Examples 1 to 4 was as follows.
Example 1: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 2: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 3: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 4: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 5: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 6: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 7: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 8: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 9: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 10: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 11: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Example 12: about 2 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Comparative Example 1: about 1 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Comparative Example 2: about 1 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Comparative Example 3: about 5 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Comparative Example 4: about 5 × 10 -11 (Cc · cm / cm 2 ・ Sec ・ cmHg)
Each of the direct liquid type pens shown in FIG. 3 was assembled using these PP ink containers.
[0042]
Each of the writing implements obtained in Examples 1 to 12 was filled with an ink having the following composition, and each direct liquid type felt-tip pen was prepared. Then, the blowing property and the fragrance retention of the ink were evaluated by the following methods. The results are shown in Tables 1 to 3 below.
Next, the obtained gas barrier coating films of the ink storage members for writing implements of Examples 1 to 12 and Comparative Examples 1 to 4 were left in an environment where air at 50 ° C. and 65% RH was circulated, and then the water resistance of the coating films was obtained. The properties, changes in coating strength, and changes in adhesion were evaluated by the following methods.
The results are shown in Tables 4 and 5 below.
[0043]
In Examples 1 to 12 and Comparative Examples 1 to 4, 1 g of the following ink composition for a direct liquid writing instrument and 1 g of the ink composition for a direct liquid writing instrument (perfume type) were filled.
(Ink composition for direct liquid writing implement, total amount 100% by weight)
C. I. Direct Black-154 4.5
C. I. Direct Black-19 1.5
Ethylene glycol 10.0
Glycerin 10.0
pH adjuster 0.3
Preservative (Proxel GXL) 0.5
Sticking resin (styrene acrylic acid resin, ammonia neutralized) 3.0
Surfactant (Bean P, Daiichi Pharmaceutical) 0.2
Purified water balance
[0044]
(Ink composition perfume type for direct liquid writing implements, total amount 100% by weight)
C. I. Direct Black-154 4.5
C. I. Direct Black-19 1.5
Propylene glycol 10.0
Glycerin 10.0
Perfume (1-menthol) 1.3
pH adjuster 0.3
Preservative (Proxel GXL) 0.5
Sticking resin (styrene acrylic acid resin, ammonia neutralized) 3.0
Surfactant (Bean P, Daiichi Pharmaceutical) 0.2
Purified water balance
[0045]
(Evaluation method of ink blowing property)
Under a dry environment of 50 ° C. and an environment of 35 ° C. and a humidity of 30%, the pen tip was stored in a capped state, and the state of the pen when stored for 1 month, 3 months, and 6 months was evaluated according to the following evaluation criteria. .
Evaluation criteria:
A: There is no ink jetting.
:: Ink blowing can be finally confirmed with the naked eye, but there is no practical problem.
Δ: There is a slight ejection of ink.
X: There is blowing of ink.
[0046]
(Evaluation method of fragrance retention)
In a dry environment at 50 ° C., the pen tip was stored in a downward direction with the cap capped, and the scent of menthol drawn on the pen was stored for 1 month, 3 months, and 6 months, and evaluated according to the following evaluation criteria.
Evaluation criteria:
:: The scent is the same as the initial one (before storage).
:: The fragrance was slightly weaker than in the initial stage (before storage), but there was no practical problem.
Δ: Slightly weak scent.
X: Almost no scent.
[0047]
(Evaluation method of water resistance of coat layer)
The tackiness of the coat layer was evaluated according to the following evaluation criteria immediately after the formation of the coat layer and when stored at 50 ° C. and 65% RH for one month and three months.
Evaluation criteria
A: There is no tackiness (stickiness) of the coat layer.
:: No tackiness of the coat layer.
Δ: The coat layer has a slight tackiness.
×: Blocking occurs due to stickiness of the coat layers and contact between the coat layers.
[0048]
(Evaluation method of coating film strength and adhesion of coat layer)
Immediately after forming the coat layer, and when stored for 1 month or 3 months under an environment of 50 ° C. and 65% RH, the coat layer is rubbed with a metal spoon, and the coating strength and adhesion are evaluated according to the following evaluation criteria. evaluated.
Evaluation criteria
:: The coat layer is not damaged at all even when strongly rubbed.
:: The coat layer is slightly scratched when strongly rubbed.
Δ: The coat layer is partially peeled off by rubbing.
×: The coat layer is easily peeled off only by rubbing lightly.
[0049]
[Table 1]
Figure 2004122539
[0050]
[Table 2]
Figure 2004122539
[0051]
[Table 3]
Figure 2004122539
[0052]
[Table 4]
Figure 2004122539
[0053]
[Table 5]
Figure 2004122539
[0054]
As is clear from the results of the above Tables 1 to 5, Examples 1 to 12 which are included in the scope of the present invention are compared with Comparative Examples 1 to 4 which are out of the scope of the present invention, in which oxygen in the air is contained in the ink storage member for a writing instrument. Penetrating ink is eliminated, so that the blowing of the ink can be prevented for a long time, and the ink storage member for writing implements (having a collector structure for storing ink for writing implements) can improve the scent retention of the scented ink. It was found that the gas barrier coating layer was excellent in water resistance, coating strength, and adhesion.
[0055]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, oxygen in air does not permeate to the ink accommodating member for writing implements, preventing deterioration of the ink, improving the scent retention of the scented ink, and further preventing the ejection of the ink for a long time. Provided is an ink container for a writing instrument which is capable of being excellent in water resistance, coating strength, and adhesion.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 (a) is a longitudinal sectional view showing an example in which the ink storage member for writing implement of the present invention is applied to an ink storage tube for a ballpoint pen in a sectional form, and FIG. 1 (b) is a partial cross section showing a main part thereof. FIG.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a ball-point pen provided with the ball-point pen ink storage tube of FIG. 1;
FIG. 3 is a longitudinal sectional view showing an example in which the ink storage member for a writing instrument of the present invention is applied to a direct liquid type felt-tip pen.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing an example in which the ink storage member for a writing implement of the present invention is applied to a writing implement having a valve mechanism.
FIG. 5 is a cross-sectional view showing an example in which the ink storage member for a writing implement of the present invention is applied to a writing implement in which ink is occluded in an ink occluding body such as batting.
[Explanation of symbols]
11 Ink storage tube
11a Body layer
11b Coat layer

Claims (5)

筆記具用インキを収容する有機高分子から構成される筆記具用インキ収容部材であって、該筆記具用インキ収容部材の外側表面部に、反応性のケトン基を分子中に有するポリビニルアルコール層又はエチレン・ビニルアルコール共重合体層からなるコート層が形成されていることを特徴とする筆記具用インキ収容部材。What is claimed is: 1. An ink storage member for a writing implement comprising an organic polymer for storing an ink for a writing implement, wherein a polyvinyl alcohol layer having a reactive ketone group in the molecule or an ethylene. An ink storage member for a writing implement, wherein a coating layer comprising a vinyl alcohol copolymer layer is formed. 筆記具用インキ収容部材が筆記具用インキ収容容器又はインキ収容管であることを特徴とする請求項1記載の筆記具用インキ収容部材。The ink storage member for a writing implement according to claim 1, wherein the ink storage member for a writing implement is an ink storage container or an ink storage tube for a writing implement. コート層がポリビニルアルコール又はエチレン・ビニルアルコール共重合体100重量部に対して、架橋剤及び/又は接着性改良剤が0.05〜80重量部含有されたものから形成されることを特徴とする請求項1又は2記載の筆記具用インキ収容部材。The coating layer is formed from a composition containing 0.05 to 80 parts by weight of a crosslinking agent and / or an adhesion improver based on 100 parts by weight of polyvinyl alcohol or an ethylene / vinyl alcohol copolymer. The ink storage member for a writing instrument according to claim 1. 架橋剤が2価若しくは多価ヒドラジド化合物、ポリアクリル酸ヒドラジド、2価若しくは多価アミン化合物及びアミノ基含有有機高分子の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項3記載の筆記具用インキ収容部材。4. The cross-linking agent according to claim 3, wherein the cross-linking agent is at least one selected from a dihydric or polyhydric hydrazide compound, a polyacrylic hydrazide, a divalent or polyvalent amine compound, and an amino group-containing organic polymer. Ink storage member for writing implements. 接着性改良剤がシリコーン系界面活性剤で、かつ、分子中にアミノ基又はヒドラジド基を有することを特徴とする請求項3記載の筆記具用インキ収容部材。The ink storage member for a writing instrument according to claim 3, wherein the adhesion improver is a silicone-based surfactant and has an amino group or a hydrazide group in a molecule.
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