JP2004120828A - 電力変換装置 - Google Patents

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Kotaro Azuma
東 耕太郎
Toshiaki Yoshizumi
吉積 敏昭
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Abstract

【課題】片方の電力変換器と直流エネルギー蓄積要素間、直流エネルギー蓄積要素と別の電力変換器間で個別に電力融通することができる電力変換装置を得る。
【解決手段】交流電源1に接続されて交流電力・直流電力変換を行う交流・直流変換器61、この交流・直流変換器61の直流側に接続される直流エネルギー蓄積要素7、この直流エネルギー蓄積要素7と交流負荷との間にあって直流電力を交流電力に変換する逆変換器8を備え、交流・直流変換器61の融通し得る有効電力容量が逆変換器8の融通し得る有効電力容量よりも大きい構成とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、交流電力を直流電力にまたは直流電力を交流電力に変換する電力変換器の変換器容量に係わる電力変換装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般プラントへの適用従来例.
一般に、プラント設備には、各処理工程の円滑化を図るために使用される電子計算機、冷却水や冷却風を循環させるためのファンやポンプ、製品搬送に使用される各種回転機器、エレベータやエスカレータに使用されるモータなど、様々な負荷装置が存在する。
【0003】
一般に、電子計算機などに使用する電力は、プラント全体で必要となる電力に比べれば、数十kWから数MW程度と小さいが、一旦電子計算機が機能を停止すると、データが紛失してしまうなどプラントに大きな被害を与える可能性があるため、その重要度は極めて高い。しかも、非特許文献1によれば、電源電圧が1/4サイクル以上の間停電すると、電子計算機は機能が停止するとされており、許容される停電時間は極めて短い。このようなことから、電子計算機の電源入力側には無停電電源装置を備え、仮に停電が発生した場合でも完全無瞬断で電源供給ができるようにする場合が多い。
【0004】
一方、ファンや回転機器は、仮に停電により停止したとしても停電時間が、例えば数秒程度であれば、プラントは深刻な被害を受けることはない。非特許文献1よれば、瞬時電圧低下の発生回数のうち80%以上は、0.2秒(50Hzで10サイクル)間以内、20%以上の電圧低下が発生する頻度は年平均5回程度とのことである。従って、プラントに深刻な被害を与える頻度は比較的小さいと言えるが、一旦長時間の停電が生じた場合には、電子計算機と異なり数百kWないし数十MWもの電力が不足する事態に陥り、プラントは深刻な被害を受けることになる。
【0005】
このため、プラント設備では、万が一長時間の停電が生じた場合に備えて、非常電源設備を設ける場合が多い。非常電源設備の一例としては、ディーゼル発電機が挙げられる。なお、ディーゼル発電機は、発電機のロータをディーゼルエンジンにより回転させることで、発電機のステータに電圧を発生させる仕組になっている。回転部が存在するため定期的に保守を実施することが必要である。このように、プラント設備では、負荷の容量と重要度に応じて電圧低下対策を行っており、対策機器に応じて保守を実施しているのが実情である。
【0006】
ここで、従来の無停電電源装置について簡単に説明する。従来の無停電電源装置は、交流系統の停電・瞬停や電圧低下などに対し、電子計算機などの負荷に安定に電力を供給するために使用されている。図9は、従来の無停電電源装置を示す構成図である。図には、交流電源1、系統連携遮断器2、無停電電源装置3、電子計算機などの負荷10を備えている。無停電電源装置3の主要構成部品は、遮断器4、インピーダンス要素5、交流電力を直流電力に変換する順変換器6、鉛蓄電池などの直流エネルギー蓄積要素7、直流電力を交流電力に変換する逆変換器8、インピーダンス要素9である。
【0007】
交流電源1が正常である時は、交流電源1の位相に順変換器6を同期させ、順変換器6の出力電圧を調整して交流電源1から直流エネルギー蓄積要素7に対して電力を供給する。逆変換器8は直流エネルギー蓄積要素7に現れる直流電圧を使って一定周波数で定電圧の交流電圧を出力し、負荷10から見ると理想的な交流電圧源として動作する。交流電源1の電圧が低下するとこれを検出して順変換器6の運転を停止するが、蓄電池7には負荷10の電力需要に対して十分なエネルギーが蓄積されているため、逆変換器8は交流電源1の電圧低下に対して無瞬断で負荷10に対して電力を供給し続けることができる。
【0008】
このように、交流電源1の電圧が正常であるときには、順変換器6は直流エネルギー蓄積要素7を充電するとともに、逆変換器8に接続された交流負荷10に対して有効電力を供給する動作を行っている。従って、順変換器6が交流側から直流側に融通すべき有効電力は、逆変換器8が出力する有効電力と、順変換器6と直流エネルギー蓄積要素7と逆変換器8の間で消費されたエネルギー損失の総和分だけあればよく、その値に従って順変換器6の変換器容量を定めればよい。なお、無停電電源装置の詳細動作は、例えば、非特許文献2に記載されているので、詳細な説明を省略する。
【0009】
また、先に説明した従来の一般プラントの運用従来例を図10のシステム構成図で説明する。ここでは、無停電電源装置に加えてディーゼル発電機を使用した非常用電源設備のシステム構成図を示す。図では、ディーゼル発電機11、遮断器12、遮断器13、ポンプやファンなどの負荷14を備えている。交流電源1が正常である時は、遮断器12は開放され、ディーゼル発電機11は停止しており、負荷14へは遮断器13を介して交流電源1から電力が供給される。交流電源1の電圧が低下すると、これを検出して系統連系遮断器2を開放してディーゼル発電機11を起動し、遮断器11,12を介して負荷14に電力を供給する。無停電電源装置3の動作は、ディーゼル発電機11を使用しない場合でも上記と同様である。
【0010】
電力系統への適用従来例.
近年の電力系統においては、立地条件の観点から発電設備が電力消費地から離れたところに設けられる場合が多い。しかも、原子力発電設備などの大容量発電設備は偏在化して設置される場合が多い。その一方で、電力消費地はますます都市部に集中する傾向がある。このように、電力系統が大規模化・複雑化しており、電力会社をまたいだ大規模な電力融通が実施されている。これらの状況は、例えば非特許文献3などに示されている。
【0011】
さて、発電設備と電力消費地の距離が長くなると、当然その間の距離が長くなるので、送電線のインピーダンスが増加することになる。送電線のインピーダンスが増加すると、電力系統の安定度が低下する。このため、送電線のインピーダンスを小さくする他に、電力系統の安定度を向上する方法の検討がなされている。
【0012】
ここで、安定度について簡単に説明する。非特許文献3に電力系統の安定度に関する説明が記載されているので詳細説明は省略するが、送電端電圧をEs、受電端電圧をEr、送受電端間のインピーダンスをX、送電端電圧Esと受電端電圧Erの位相差をθとすると、送電電力Ps(受電電力Pr)は次の式で表すことができる。
【0013】
【数1】
Figure 2004120828
【0014】
この式は、電力が送電端電圧Esと受電端電圧Erの間の位相差θが存在することで融通されることを示している。また、送電端電圧Esと受電端電圧Erの間のインピーダンスXの大きさにも依存することを示しており、Xが小さい時にはθが小さくても必要な電力を送電できるが、Xが大きくなるとθを大きくしなければ必要な電力を送電できないことを示している。しかも、θの上限値は90度である。
【0015】
次に、電力系統において系統事故が生じた時の挙動について説明する。図11は、式1を図に示して説明を行ったものである。通常の電力系統は曲線Aの特性を有しているものとする。しかし、系統事故が生じたことによって電力系統の一部が除去されると、インピーダンスが大きくなるので、図11の曲線Bに示すように特性が変化する。この時、系統事故が生じる前の送電電力を保つためには、送電端電圧Esと受電端電圧Erの位相差をθ1からθ2に大きくする必要がある。過渡的には、系統事故が生じて電力系統の特性が曲線Aから曲線Bに変化することにより、運転点が▲1▼から▲2▼に移行する。次に運転点は▲2▼から最終収束点である▲3▼に向かって移動するが、▲3▼を通り越して▲4▼に至る。その後、▲2▼と▲4▼の間を振動しながら▲3▼に移行することになる。なお、この過程で、送電端電圧Esと受電端電圧Erの位相差θが90度を越えると、必要な電力を供給できないこととなり、発電機が脱調してしまう。このように、電力系統において、発電機が脱調することなく運転し得る度合を安定度と呼んでいる。以上のことから分かるように、安定度を高めるためには、送電端電圧Esと受電端電圧Erの間のインピーダンスXを十分に小さくする必要がある。
【0016】
さて、このような大規模化・複雑化した電力系統の安定度向上のために電力変換装置を導入することが考えられている。その一例として、BTB(Back To Back)電力変換装置と呼ばれるシステムを挙げることができる。BTB電力変換装置の構成図を図12に示す。この図は、交流電源1、インピーダンス要素5、電力変換器20、直流エネルギー蓄積要素7、電力変換器21、インピーダンス要素9、交流電源15から構成されている。直流エネルギー蓄積要素7は、直流コンデンサで構成される場合が多い。
【0017】
BTB電力変換装置では、例えば、電力変換器20が直流エネルギー蓄積要素7の直流電圧を一定にするように運転し、他方の電力変換器21は、例えば与えられた有効電力指令に従って運転するものである。エネルギーのフローの観点から見れば、電力変換器21は直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを交流電源15に対して出力し、これによって減少する直流エネルギー蓄積要素7の蓄積エネルギーを電力変換器20によって補充している。従って、電力変換器20が交流側から直流側に融通すべき有効電力は、電力変換器21が出力する有効電力と、電力変換器20と直流エネルギー蓄積要素7と電力変換器21の間で消費されたエネルギー損失の総和分だけあればよい。
【0018】
このように、単にエネルギーフローの観点からは交流電力→直流電力変換と直流電力→交流電力変換とを行っているBTB電力変換装置ではあるが、電力系統全体から見れば非常に大きな意味を持っている。先に述べたように、BTB電力変換装置は有効電力を指令値通りに融通することができる装置である。従って、ある電力系統に存在する電力供給地から別の電力系統に存在する電力消費地との間にBTB電力変換装置を備えることにより、図12の下段に示すように、あたかもこの点に発電機が存在するのと同じ状況を作ることができるのである。これは、等価的に式1における送電端電圧Esと受電端電圧Erの間のインピーダンスXが小さくなることを意味している。このため、安定度が向上するという効果がある。
【0019】
また、BTB電力変換装置の電力変換器は半導体電力変換装置が適用される。万が一、系統事故が発生した場合には、系統事故を高速に除去し事故の波及を抑制する必要がある。通常使用される遮断器は事故検出後遮断器が開極するまで商用周波の3サイクルから5サイクル程度必要であるが、BTB電力変換装置の半導体素子のスイッチングは事故の検出で瞬時に停止することができるので、系統事故による被害の波及を最小限度に抑制することができる。
【0020】
さて、このような電力変換装置を適用した図13に示すようなシステム構成を考える。このシステム構成は、交流電源1、遮断器2aおよび2b、インピーダンス要素5、電力変換器20、直流エネルギー蓄積要素7、電力変換器21、インピーダンス要素9、交流電源15、遮断器13、負荷14とから構成されている。このシステムにおいて、遮断器2aと遮断器2bの中間地点で系統事故が発生した場合、即座に電力変換器20、電力変換器21は運転を停止するとともに、遮断器2aと2bを開放して事故点を切り離す。この時、電力変換器20と電力変換器21が運転を停止するため、交流電源15側への電力融通ができなくなる。また、負荷14には電力供給が停止してしまう。負荷14への電力供給を行おうとすれば、遮断器2aと2bが再び投入されるか、電力変換器20と電力変換器21の運転を再開するとともに、電力融通を行うべき方向とは逆向きの方向に電力を融通する必要がある。
【0021】
【非特許文献1】
「パワーエレクトロニクスのすべて(連載17)」、OHM、1992年9月号、p.121−124
【非特許文献2】
R&Dプランニング発行「パワーエレクトロニクスハンドブック」、2002年2月20日、p.908−917
【非特許文献3】
電気学会発行「送配電工学」、1995年1月20日、p.1−6、p.130−134
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
さて、これまでに説明してきたように、従来の交流電力→直流電力変換、直流電力→交流電力変換を行う電力変換装置には、その融通する有効電力の考え方に共通していることがある。これを図14を使って説明する。この図は、これまでに説明してきた電力変換装置の本質部分を抽出したもので、2台の電力変換器20,21とその間の直流エネルギー蓄積要素7から成り立っている。
【0023】
P1からP5は、電力変換器20から電力変換器21にエネルギーが流れるときの有効電力の流れを示しており、電力変換器21の出力電力をP5、電力変換器20の損失をP2、電力変換器21の損失をP4、直流エネルギー蓄積要素7への充電エネルギーおよび損失をP3とすると、電力変換器20の入力電力P1について次の関係が成立する。
P1=P2+P3+P4+P5   −−−−−−  式2
(P1〜P5の符号は正)
【0024】
従って、エネルギーが流れる方向が常に電力変換器20から電力変換器21に流れる電力変換装置の場合には、電力変換器21の変換器容量はその出力電力P5を融通することを考慮して決定すればよい。一方、電力変換器20の変換器容量はその入力電力P1を融通することを考慮して決定すればよい。一般に、電力変換器20の損失P2、電力変換器21の損失P4は、それぞれ当該電力変換器容量の数%程度である他、電力変換器20や21が運転中の直流エネルギー蓄積要素7への充電電力は小さいので、電力変換器20の入力電力P1は電力変換器21の出力電力P5よりわずかに大きくなる程度であり、電力変換器20と電力変換器21の変換器容量はほぼ等しくなる。
【0025】
また、P11からP15は、電力変換器21から電力変換器20にエネルギーが流れるときの有効電力の流れを示しており、電力変換器20の出力電力をP11、電力変換器20の損失をP12、電力変換器21の損失をP14、直流エネルギー蓄積要素7への充電エネルギーおよび損失をP13とすると、電力変換器21の入力電力P15について次の関係が成立する。
P15=P11+P12+P13+P14 −−−−−−  式3
(P11〜P15の符号は正)
【0026】
従って、エネルギーが流れる方向が電力変換器20から電力変換器21へ、あるいは電力変換器21から電力変換器20へ両方流すような電力変換装置の場合には、電力変換器20の変換器容量は入力電力P1と出力電力P11の大きい方を考慮して決定すればよい。また、電力変換器21の変換器容量は出力電力P5と入力電力P15の大きい方を考慮して決定すればよい。先に示したように、電力変換器20の入力電力P1は電力変換器21の出力電力P5よりわずかに大きければよく、同様に、電力変換器21の入力電力P15は電力変換器20の出力電力P11よりわずかに大きければよいので、一般に電力変換器20と電力変換器21の変換器容量はほぼ等しくなる。
【0027】
なお、ここでいう変換器容量は有効電力のみを考慮して述べている。実際には、モータなどの負荷を接続すると有効電力以外に無効電力をも供給する必要があるので、電力変換器20と電力変換器21の変換器容量は、無効電力を含む厳密な意味では必ずしも等しくならない。しかし、一例として、電力変換器20は力率1運転を行って有効電力のみを融通し、電力変換器21にモータ接続したシステムを考えると、電力変換器21の無効電力を含む厳密な意味での変換器容量は、電力変換器20の変換器容量のせいぜい2倍程度以下である。
本明細書では、発明の本質を明確化するため、有効電力の融通のみを考慮して以降の説明を行う。
【0028】
このように、従来の2つの電力変換器から成る電力変換装置は、交流電力→直流電力変換を行う電力変換器に入ってくる有効電力が直流電力→交流電力変換を行う電力変換器にそのまま流れるという本質的な考え方に基づいて設計されているのである。そして、直流エネルギー蓄積要素は、電力変換器に使用される半導体素子のスイッチングに伴う電圧リプルを低減したり、図9に示したように順変換器6が停止した場合でも逆変換器8が引き続き負荷10に対して給電を行うために使用されているのである。ここでは、電力変換器2台が1つの直流エネルギー蓄積要素を共有している場合について説明したが、この考え方は、例えば3台以上の電力変換器の直流側が1つの直流エネルギー蓄積要素を共有している場合でも同様である。
【0029】
このように、電力変換器の融通電力をある単一用途に限定して変換器構成を考えているために、例えば先に述べたような一般プラントの例では、無停電電源装置の順変換器を非常電源として使用することができず、ゆえに別途非常電源設備を必要とする問題があった。
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、2台(または2群)の電力変換器から成る電力変換装置において、片方の電力変換器から他方の電力変換器に電力を融通するだけの従来の電力変換装置ではなく、直流エネルギー蓄積要素には、実施方法によっては莫大な直流エネルギーが蓄積できることに着目し、片方の電力変換器と直流エネルギー蓄積要素間、直流エネルギー蓄積要素と別の電力変換器間で個別に電力融通することができるように、電力変換器の変換器容量を異なるように設定したものである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる電力変換装置は、交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う交流・直流変換器、この交流・直流変換器の直流側に接続される直流エネルギー蓄積要素、この直流エネルギー蓄積要素と交流負荷との間にあって直流電力を交流電力に変換する逆変換器を備え、上記交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量が上記逆変換器の融通し得る有効電力容量よりも大きい構成である。
【0031】
また、第1の交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う第1の交流・直流変換器、第2の交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う第2の交流・直流変換器、上記交流・直流変換器の直流側のそれぞれと接続される直流エネルギー蓄積要素を備え、一方の上記交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量が、他方の上記交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量よりも大きい構成である。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態を説明する。なお、従来と同じ構成の部分には従来と同じ符号をつけるとともに、従来と同じ構成の部分のもつ機能が従来と同じである場合はその説明を省略する。図1は、この発明の実施の形態1の電力変換装置を示すシステム構成図である。構成要素1,7,8,10はいずれも従来の内容と同一であるので説明を省略する。交流・直流変換器61は、交流電源1と直流エネルギー蓄積要素7間に接続されて、交流電源1からの交流電力を直流電力に変換し直流エネルギー蓄積要素7に供給するが、その逆で、直流エネルギー蓄積要素7からの直流電力を交流電力に変換して交流電源1側に供給することもできる。交流・直流変換器61は、逆変換器8よりも融通し得る有効電力容量が十分大きな構成になっている。通常、交流・直流変換器61は負荷10に必要な電力P1にほぼ等しい電力を供給すればよい。ここで、交流・直流変換器61を逆変換器動作させると、交流・直流変換器61は直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを、交流・直流変換器61の大容量変換器を使って交流電源1に向かって電力P2を供給することができる。一方、逆変換器8は、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを使って負荷10に必要な電力P3を供給し続けることができる。
【0033】
このように、交流電力から直流電力に変換を行う電力変換器(交流・直流変換器61)を、交流電源から直流エネルギー蓄積要素への充電として使用するか、直流電力から交流電力に変換を行う電力変換器として電力供給に使用するのみならず、その大容量構成であることを有効に使って、交流電力を直流電力に変換する機能を有する交流・直流変換器61を、直流電力を交流電力に変換する電力変換器として動作させることで、交流電源側の故障時に直流エネルギー蓄積要素に蓄積されたエネルギーを用いて、交流電源側に接続されている大負荷(交流・直流変換器61が融通し得る有効電力容量以内の負荷)に対して電力を供給することができ、大負荷に対しても非常電源設備とすることができる。
【0034】
実施の形態2.
図2は、実施の形態2の電力変換装置を示すシステム構成図である。構成要素1,61,7はいずれも実施の形態1の場合と同様である。8aおよび8bは逆変換器、10aおよび10bは負荷を示す。実施の形態1との相違点は、直流エネルギー蓄積要素7に接続される逆変換器およびその交流側に接続される負荷が複数存在することである。交流・直流変換器61は、逆変換器8aおよび8bが融通し得る有効電力の和よりも融通し得る有効電力容量が十分大きな構成になっている。
【0035】
通常、交流・直流変換器61は、負荷10aおよび10bに必要な電力P1aおよびP1bの和にほぼ等しい電力を供給すればよい。ここで、交流電源1側が故障のとき、交流・直流変換器61を逆変換器動作させると、交流・直流変換器61は直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを、交流・直流変換器61の大容量変換器を使って交流電源1に向かって電力P2を供給することができる。一方、逆変換器8aおよび8bは、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを使って負荷10aおよび10bに必要な電力P3aおよびP3bを供給し続けることができる。このように、直流電力から交流電力に変換する電力変換器(逆変換器)が複数台接続されていても、交流・直流変換器61の大容量構成であることを有効に使って、交流電源1側が故障のとき、交流・直流変換器61を逆変換器動作させて、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを、交流電源1側に向かって供給することができ、比較的大負荷(交流・直流変換器61が融通し得る有効電力容量以内の負荷)に対しても非常電源設備とすることができる。
【0036】
実施の形態3.
図3は、実施の形態3の電力変換装置を示すシステム構成図である。構成要素7,8,10はいずれも実施の形態1と同様である。1aおよび1bは交流電源、61aおよび61bは交流・直流変換器を示す。実施の形態1との相違点は、直流エネルギー蓄積要素7に接続される交流・直流変換器61およびその交流側に接続される交流電源1が複数存在することである。
【0037】
通常、交流・直流変換器61aおよび61bは、その供給電力の合計が負荷10に必要な電力P1a+P1bにほぼ等しければよい。しかし、この実施の形態の場合、交流電源1aまたは交流電源1bのうちどちらかが使用できない場合に備えて、交流・直流変換器61aと交流・直流変換器61bの変換器容量はともにP1a+P1bの電力が供給できるように、逆変換器8の融通し得る有効電力容量より大きくする。ここで、交流電源1aと1bの片方または両方が故障で、交流・直流変換器61aと交流・直流変換器61bの片方または両方を逆変換器動作させると、その片方または両方は直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを使ってそれぞれが接続される交流電源1aおよび1bに向かって、それぞれP1a+P1bよりも大きな電力P2aおよびP2bを供給することができる。一方、逆変換器8は、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを使って負荷10に必要な電力P3を供給し続けることができる。
【0038】
このように、交流・直流変換器61aと61bが複数台接続されているとき、各交流・直流変換器が大容量構成であることを有効に使って、交流電源1aと1bの片方または両方が故障のとき、交流・直流変換器の片方または両方を逆変換器動作させて、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを、交流電源側に向かって供給することができ、比較的大負荷(交流・直流変換器61a又は61bが融通し得る有効電力容量以内の負荷)に対しても非常電源設備とすることができる。
【0039】
実施の形態4.
図4は、実施の形態4の電力変換装置を示すシステム構成図である。第1の交流電源1、第1の交流電源1に接続されて交流電力・直流電力変換(交流電力から直流電力へ、または直流電力から交流電力へ変換)を行う第1の交流・直流変換器201、直流エネルギー蓄積要素7、第2の交流電源15、第2の交流電源15に接続されて交流電力・直流電力変換(直流電力から交流電力へ、または交流電力から直流電力へ変換)を行う第2の交流・直流変換器21で構成されている。第1の交流・直流変換器201の融通し得る有効電力容量は、第2の交流・直流変換器21のそれより大きい構成としている。
【0040】
通常、第1の交流・直流変換器201は第2の交流・直流変換器21が出力する電力P1にほぼ等しい電力を供給すればよい。ここで、第1の交流・直流変換器201が出力する電力を第2の交流・直流変換器21が出力する電力とは異なる値に変更すると、第1の交流・直流変換器201は直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを、第1の交流・直流変換器201の大容量変換器を使って第1の交流電源1に向かって電力P2を供給することができる。一方、第2の交流・直流変換器21は、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを使って第2の交流電源15に必要な電力P3(=P1)を継続して供給することができる。
【0041】
このように、第1の交流・直流変換器201を、第2の交流・直流変換器21への電力供給に使用するのみではなく、その大容量構成であることを有効に使って第1の交流・直流変換器201を直流エネルギー蓄積要素7と電力融通を行う電力変換器として動作させることで、第1の交流電源1側の故障時に直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを用いて、第1の交流電源1側に接続されている大負荷(第1の交流・直流変換器201が融通し得る有効電力容量以内の負荷)に対して電力を供給することができ、大負荷に対しても非常電源設備とすることができる。
【0042】
実施の形態5.
図5は実施の形態5の電力変換装置を示すシステム構成図である。実施の形態4の構成要素と同一または相当部分には同一符号を付している。第3の交流電源23に接続されて交流電力・直流電力変換(交流電力から直流電力へ、または直流電力から交流電力へ変換)を行う第3の交流・直流変換器22を備えている。通常、第2の交流・直流変換器21は第1の交流・直流変換器201および第3の交流・直流変換器22が出力する電力P1aとP1bの和にほぼ等しい電力を供給すればよい。しかし、この実施の形態の場合、第1の交流電源1または第3の交流電源23のうちどちらかが使用できない場合に備えて、第1の交流・直流変換器201と第3の交流・直流変換器22の変換器容量はともにP1a+P1bの電力が供給できるように、第2の交流・直流変換器21の融通し得る有効電力容量より大きくする。ここで、第1の交流電源1と第3の交流電源23の片方または両方が故障で、第1の交流・直流変換器201と第3の交流・直流変換器22の片方または両方を逆変換器動作させると、その片方または両方は直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを使ってそれぞれが接続される第1の交流電源1および第3の交流電源23に向かって、それぞれP1a+P1bよりも大きな電力P2aおよびP2bを供給することができる。一方、第2の交流・直流変換器21は、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを使って第3の交流電源15に必要な電力P3を供給し続けることができる。
【0043】
このように、交流・直流変換器(201と22)が複数台接続されているとき、各交流・直流変換器が大容量構成であることを有効に使って、第1の交流電源1と第2の交流電源23の片方または両方が故障のとき、交流・直流変換器の片方または両方を逆変換器動作させて、直流エネルギー蓄積要素7に蓄積されたエネルギーを、交流電源側に向かって供給することができ、比較的大負荷(交流・直流変換器201又は22が融通し得る有効電力容量以内の負荷)に対しても非常電源設備とすることができる。
【0044】
実施の形態6.
電力変換装置の直流エネルギー蓄積要素7としては、一般的に直流コンデンサや鉛蓄電池などが適用されていた。実施の形態6では、直流エネルギー蓄積要素7とし、NaS電池を適用した。NaS電池は、直流コンデンサや鉛蓄電池に比べて、エネルギー密度が高く(鉛蓄電池の3倍以上)、充放電効率に優れ、自己放電がないという優れた特徴を備えており、NaS電池を電力変換装置の直流エネルギー蓄積要素に適用することで、よりコンパクトで安価な電力変換装置を提供することができる。
【0045】
実施の形態7.
図6は、実施の形態7の電力変換装置を示すシステム構成図である。この図では、無停電電源装置を例として示しているが、複数の電力変換器が直流エネルギー蓄積要素に接続されている構成であれば、以下記載のことは同様に言うことができる。なお、図中、上述した従来例と実施の形態とで、同一符号は、同一または相当部分を示す。なお、交流・直流変換器61は、逆変換器8よりも融通し得る有効電力容量が十分大きな構成になっている。
【0046】
101は交流電源の電圧を検出する電圧検出器、102は無停電電源装置の交流・直流変換器61側交流電圧を検出する電圧検出器、103は電圧検出器101と電圧検出器102の信号を使って同期を判定する同期検出器、104は電圧検出器101の信号を使って交流電源1の不足電圧を検出する不足電圧検出器、105は不足電圧検出器104の信号と同期検出器103の信号とを使って交流・直流変換器61の運転モードを選択する運転モード選択回路、106は電圧検出器101の信号を使って交流電源1の位相を検出する位相検出器、107は交流・直流変換器61が直流回路に設けられた充電器7を充電するときに使用する順変換制御器、108は交流・直流変換器61が直流回路に設けられた充電器7に現れる直流電圧を使って逆変換器8と同様に逆変換動作をするときに使用する逆変換制御器、109は運転モード選択回路105によって順変換制御器107の出力と逆変換制御器108の出力とを切り替える運転モード切替スイッチ、110は交流・直流変換器の電流を検出する電流検出器、111は電流検出器110の信号を有効電流期間値(Id−)と無効電流期間値(Iq−)の2軸量に変換する3相2相変換器、112は運転モード切替スイッチで選択された電流指令値と3相2相変換器111で得られた電流帰還値を比較して電流指令値通りに電流を流す電圧指令を出力する電流制御器、113は電流制御器112で得られた電圧指令値の2軸量を3相量に変換する2相3相変換器、114は交流・直流変換器61に対して2相3相変換器113で得られた電圧指令に相当する点弧信号を出力する変調回路、115は運転モード選択回路の出力が切替わる度に設定時間だけ論理出力を零にするタイマである。
【0047】
次に動作について説明する。交流電源1が正常の時は、交流・直流変換器61は順変換器動作を行い蓄電池(直流エネルギー蓄積要素)7にエネルギーを充電する。しかし、交流電源1の電圧が低下すると、電圧検出器101を経て不足電圧検出器104で交流電圧低下が検出され、運転モード選択回路105を経て運転モード切替スイッチ109により交流・直流変換器61の電流指令を順変換制御器107の出力から逆変換制御器108の出力に切り替えるとともに、系統連系遮断器2が開放される。この時、不足電圧検出器104の出力に応じて位相検出器106は内部に備えた基準周波数に相当する位相を出力する。
【0048】
次に、交流電源1の電圧が復帰した場合、不足電圧検出器104の出力に応じて位相検出器106は交流電源1の位相に応じて位相を出力する。この結果、交流・直流変換器61の出力電圧位相が交流電源1の位相と同期する。同期検出器103で交流電源1と交流・直流変換器61の出力電圧が同期していることを検出すると、運転モード選択回路105を経て運転モード切替スイッチ109により交流・直流変換器61の電流指令値を逆変換制御器108の出力から順変換制御器107の出力に切り替えるとともに、系統連系遮断器2が投入され、通常運転状態に復帰する。
【0049】
交流電源が正常である時も異常であるときも、順変換制御器107あるいは逆変換制御器108の出力である交流電流指令値と、電流検出器110と3相2相変換器111と介して得られる交流電流帰還値とが電流制御器112に入力され、交流電流指令値と交流電流帰還値の差が零になるように調整された電圧指令値が出力され、これが変調回路114を経て点弧信号が交流・直流変換器61を構成する半導体素子に与えられる。
【0050】
系統連系遮断器2の投入、開放には交流電源の周期に対し数サイクル程度が必要となる。従って、この過渡的な期間に交流・直流変換器61の運転モードを切り替えると、交流電源1がまだ交流・直流変換器61と電気的に繋がっている状態であるにも関わらず、交流・直流変換器61が逆変換器動作を行ったりするなど、適切な運転切替えができない。タイマ115は、このような場合を防ぐために備える装置で、運転モード選択回路105で順変換器制御または逆変換器制御が選択された場合に、設定期間だけ零論理信号を出力する装置である。タイマ115の出力信号が変調回路114に零信号を入力している期間は、変調回路114から交流・直流変換器61に対して点弧信号を与えない。タイマの設定期間は系統連系遮断器2の投入、開放時間に合わせて適切に設定する。これにより、系統連系遮断器2の投入、開放期間は交流・直流変換器61の運転は一時的に停止することとなり、運転モードの切替えを確実に実施することができる。
【0051】
この一連の動作により、負荷14は、交流電源1が正常である時には遮断器13を介して交流電源1より、交流電源1が、異常である時には遮断器13を介して無停電電源装置3より電力が供給される。このような無停電電源装置は、交流・直流変換器61が逆変換器8よりも融通し得る有効電力容量が十分大きな構成になっているので、図7に示したディーゼル発電機などの非常用電源を兼ねることができる。なお、逆変換器8の運転は、一般の無停電電源装置におけるそれと同じなので、ここでは詳細説明を省略する。また、順変換制御器107と逆変換器制御108の動作は、一般の無停電電源装置におけるそれと同じなので、ここでは詳細説明を省略する。
【0052】
実施の形態8.
図7は、実施の形態8の電力変換装置示すシステム構成図である。図6に示した構成に、電流検出器116、3相2相変換器117、フィルタ回路118、乗算器119、加算器120を備えたものである。
【0053】
次に、詳細な説明を行う。電流検出器116により、負荷14の電流を検出する。この電流は3相2相変換器117で有効電流成分(Id)と無効電流成分(Iq)の2軸量に変換される。さらに、フィルタ回路118に入力されて高調波電流成分のみが抽出される。この有効電流成分は加算器120によって、順変換器制御時の電流指令値に加算される。また、図6の構成では、無停電電源装置3の交流・直流変換器61は有効電力を融通するのみで、無効電流指令(Iq*)は零になっているが、ここにフィルタ回路118の出力のうち無効電流成分を入力する。
【0054】
この回路を備えることにより、負荷14で発生した高調波電流を無停電電源装置3により補償することが可能となり、交流電源1に高調波電流が流出するのを抑制することができる。なお、交流・直流変換器61が逆変換器制御モードで運転する場合は、交流電源1と負荷14は切り離されているので高調波電流が交流電源1に流れていくことはない。従って、交流・直流変換器61は、負荷14が発生する高調波電流を補償する必要がない。乗算器119は、このようなことを考慮して備えられているもので、運転モード選択回路105が順変換器制御を選択している場合に限って、上記高調波電流補償機能を有効にするものである。
【0055】
実施の形態9.
図8は、実施の形態9の電力変換装置を示すシステム構成図である。図6に示した構成に、電流検出器121、無効電力演算器122、無効電力制御器123、乗算器124を備えたものである。
【0056】
次に動作について説明する。電流検出器121と電圧検出器101の信号を用いて無効電力演算器122にてシステムの無効電力を演算して計測する。無効電力指令値と無効電力計測値を無効電力制御器123に入力して、システムの無効電力が無効電力指令値と一致するような無効電流指令(Iq*)を出力する。図6の構成では、無停電電源装置3の交流・直流変換器61は有効電力を融通するのみで、無効電流指令(Iq*)は零になっているが、ここに無効電力制御器123で得られた無効電流指令を入力する。
【0057】
この回路を備えることにより、システムの無効電力指令を与えると、これを無停電電源装置3により補償することが可能となる。なお、交流・直流変換器61が逆変換器制御モードで運転する場合は、交流電源1と負荷14は切り離されているので無停電電源装置3の交流・直流変換器61は無効電力を出力する必要はない。乗算器124は、このようなことを考慮して備えられているもので、運転モード選択回路105が順変換器制御を選択している場合に限って、上記無効電力発生機能を有効にするものである。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明の電力変換装置によれば、交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う交流・直流変換器、この交流・直流変換器の直流側に接続される直流エネルギー蓄積要素、この直流エネルギー蓄積要素と交流負荷との間にあって直流電力を交流電力に変換する逆変換器を備え、上記交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量が上記逆変換器の融通し得る有効電力容量よりも大きい構成であるので、その交流・直流変換器の比較的大容量構成であることを有効に使って、交流電力を直流電力に変換する機能を有する交流・直流変換器を、直流電力を交流電力に変換する電力変換器として動作させることで、直流エネルギー蓄積要素に蓄積されたエネルギーを用いて、交流電源側の故障時に交流電源側に接続されている比較的大負荷(交流・直流変換器が融通し得る有効電力容量以内の負荷)に対して電力を供給することができ、比較的大負荷に対しても非常電源設備とすることができる。
【0059】
また、第1の交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う第1の交流・直流変換器、第2の交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う第2の交流・直流変換器、上記交流・直流変換器の直流側のそれぞれと接続される直流エネルギー蓄積要素を備え、上記第1の交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量が、上記第2の交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量よりも大きい構成であるので、その第1の交流・直流変換器の比較的大容量構成であることを有効に使って、第1の交流・直流変換器を直流エネルギー蓄積要素と電力融通を行う電力変換器として動作させることで、第1の交流電源側の故障時に直流エネルギー蓄積要素に蓄積されたエネルギーを用いて、第1の交流電源側に接続されている比較的大負荷(第1の交流・直流変換器が融通し得る有効電力容量以内の負荷)に対して電力を供給することができ、比較的大負荷に対しても非常電源設備とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図2】実施の形態2の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図3】実施の形態3の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図4】実施の形態4の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図5】実施の形態5の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図6】実施の形態7の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図7】実施の形態8の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図8】実施の形態9の電力変換装置を示すシステム構成図である。
【図9】従来の無停電電源装置を示す構成図である。
【図10】無停電電源装置と非常電源設備を組み合わせた従来のシステム構成図である。
【図11】電力系統の安定度の説明を行う説明図である。
【図12】BTB電力変換装置を示す構成図である。
【図13】BTB電力変換装置の系統事故時の挙動を示す説明図である。
【図14】2台の電力変換器から成る電力変換装置の有効電力の流れを示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b  交流電源      2 系統連系遮断器
3 無停電電源装置         4 遮断器
5 インピーダンス要素       6 順変換器
7 直流エネルギー蓄積要素     8,8a,8b 逆変換器
9 インピーダンス要素      10,10a,10b 負荷
13 遮断器            14 負荷
15 交流電源           21 交流・直流変換器
23 交流電源
61,61a,61b 交流・直流変換器
104 不足電圧検出器       105 運転モード選択回路
116 電流検出器         117 3相2相変換器
118 フィルタ回路        119 乗算器
120 加算器           121 電流検出器
122 無効電力演算器       123 無効電力制御器
124 乗算器           201 交流・直流変換器。

Claims (8)

  1. 交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う交流・直流変換器、この交流・直流変換器の直流側に接続される直流エネルギー蓄積要素、この直流エネルギー蓄積要素と交流負荷との間にあって直流電力を交流電力に変換する逆変換器を備え、上記交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量が上記逆変換器の融通し得る有効電力容量よりも大きい構成であることを特徴とする電力変換装置。
  2. 上記交流・直流変換器と上記逆変換器の少なくともいずれか一方が複数台で構成されていることを特徴とする請求項1記載の電力変換装置。
  3. 第1の交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う第1の交流・直流変換器、第2の交流電源に接続されて交流電力・直流電力変換を行う第2の交流・直流変換器、上記交流・直流変換器の直流側のそれぞれと接続される直流エネルギー蓄積要素を備え、一方の上記交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量が、他方の上記交流・直流変換器の融通し得る有効電力容量よりも大きい構成であることを特徴とする電力変換装置。
  4. 上記交流・直流変換器が3台以上接続されていることを特徴とする請求項3記載の電力変換装置。
  5. 上記直流エネルギー蓄積要素は、NaS電池であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  6. 交流電源電圧が低下したことを検出する手段、この検出出力により上記交流電源を切り離す手段を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  7. 通常運転中は、負荷が発生する高調波電流を検出してこれを補償する機能を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の電力変換装置。
  8. 通常運転中は、上記交流・直流変換器の無効電力を検出し、所定の無効電力指令値に従って無効電力を出力する機能を備えた請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電力変換装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008141887A (ja) * 2006-12-04 2008-06-19 Kyosan Electric Mfg Co Ltd 瞬時電圧低下補償回路、電力変換装置、瞬時電圧低下補償方法及び瞬時電圧低下補償プログラム
JP2010193646A (ja) * 2009-02-19 2010-09-02 Mitsubishi Electric Corp インバーター装置及びこのインバーター装置を搭載した冷凍サイクル装置
JP2012253916A (ja) * 2011-06-03 2012-12-20 Toshiba Mitsubishi-Electric Industrial System Corp 電力変換装置

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