JP2004120591A - アレーアンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望のビーム走査範囲と利得を与えた場合に、従来装置より放射素子数を削減し、製造コストを低減したアレーアンテナ装置を得たい。
【解決手段】放射素子10は、各同心円12に均等間隔で配置される。各々の放射素子10には移相器等の位相制御手段が接続しており、各放射素子10に所定の励振位相を与えることで所望方向にビームを形成する。放射素子10として、ビーム走査域α°においてピーク利得から概ね4.3[dB]レベルが低下するような2次関数形状の放射特性を有する放射素子を用いれば、ビーム走査領域14における所定の利得を達成できる、最小素子数のアレーアンテナ装置を実現できる。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、通信やレーダにおいて複数の放射素子を配置してビーム走査を行うアンテナ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
以下、従来の技術について説明する。
図8は、第1の従来例であり、例えば、特開平5−308223号に掲載されているアレーアンテナ装置である。
図中、1は高い周波数で動作する放射素子、2は低い周波数で動作する放射素子、3は高い周波数で動作する放射素子1の配置間隔d1とd2、4は低い周波数で動作する放射素子2の配置間隔D1とD2である。
【0003】
次に、このアレーアンテナ装置の動作について説明する。
放射素子1それぞれには、その励振位相を変化させる位相制御手段が接続しており、それぞれの放射素子1に所定の励振位相を与えることで、所望の方向にビームを形成する。放射素子2にも、放射素子1とは異なる位相制御手段が接続しており、同様にビーム形成を行う。
なお、位相制御手段の他に振幅制御手段が接続することもある。この従来例は、動作周波数の異なるアレーアンテナ装置を、同一共平面上に構成したことを特徴としている。
【0004】
このように規則的に放射素子を配置したアレーアンテナ装置では、放射素子の配置間隔を広くすると、所望方向とは別の方向に、完全な共相条件が発生し、大きな不要放射、すなわちグレーティングローブが発生することが知られている。通常は、このグレーティングローブを避けるために配置間隔を狭くする。アレーアンテナ装置の鉛直方向からより離れた方向にビームを走査するほど、この配置間隔は狭くする必要があり、その間隔は0.5〜1.0波長以下となる。
【0005】
また、このように放射素子を間隔1.0波長以下で配置したアレーアンテナでは、ビームの利得は、放射素子が配置されている総面積(以下アンテナ面積)の波長比に概ね比例する。従って、所望の利得を実現するに当っては、動作帯域中の最大波長となる最低周波数において、必要なアンテナ面積が定まる。一方、グレーティングローブを抑圧できる放射素子配置間隔は、動作帯域中の最小波長となる最高周波数により定まる。
【0006】
次に、他の従来技術について説明する。
図9は、第2の従来例であり、例えば特表平1−503669号に掲載されているアレーアンテナ装置の部分図である。
図中、5は放射素子、6は放射素子が配列される同心円を表している。
【0007】
次に、このアレーアンテナ装置の動作について説明する。
本例においても、前記の第1の従来例同様、各放射素子5にその励振位相を変化させる位相制御手段が接続しており、それぞれの放射素子5に所定の励振位相を与えることで、所望の方向にビームを形成する。
【0008】
本第2の従来例では、放射素子として数波長の開口径を有するホーンアンテナ等を想定しており、そのため放射素子の配置間隔は1.0波長以上となる。そのため、グレーティングローブ、またはそれに準じる大きなサイドローブ等の不要放射を発生する。本例では、放射素子を同心円上に配置することで、完全なグレーティングローブが出現することを防止している。これは、同心円配列が一種の不等間隔配列であり、所望のビーム方向以外では、完全な共相条件が発生しないためである。ただし、これでもグレーティングローブに準じる大きな不要放射が発生する。本例では、各同心円6ごとの放射素子5の大きさを変えて、素子パターンを異ならせることで、さらにこの不要放射の低減を図っている。
なお、このように放射素子が大きな間隔で配置された場合、アレーアンテナ装置の利得はアンテナ面積ではなく、全放射素子の利得の加算に概ね等しくなる。例えば、全てが同じ放射素子であれば、アレーアンテナ装置の利得は放射素子数に比例する。
【0009】
【特許文献1】
特表平1−503669号公報
【特許文献2】
特開平5−308223号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来のアレーアンテナ装置は以上のように構成されていたが、次のような課題があった。まず、第1の従来例では、放射素子の間隔が1.0波長以下となるため、放射素子数が増加する。特に動作帯域が広い場合、所望の利得を得るアンテナ面積は動作帯域中の最大波長から定まるのに対し、放射素子間隔は最小波長から定まるため、放射素子数の増加の割合はおびただしいものとなる。アレーアンテナ装置において、放射素子数の増加は、それに接続する位相制御手段や振幅制御手段の増加を伴い、アレーアンテナ装置の製造コスト増加という課題を発生する。
【0011】
所望の利得を得、かつ放射素子数を低減する方法としては、アンテナ面積は大きくなるが、従来例2のように放射素子の間隔を大きくする方法がある。従来例1より不要放射が大きくなるが、アレーアンテナ装置の利得が全放射素子の利得の加算に等しくなるため、利得の高い放射素子を用いれば、素子数を低減することが可能である。しかしながら、放射素子の利得にも上限があるため放射素子数の低減にも限界がある。また、この関係が明らかになっていない。特に所望のビーム走査範囲を指定したときに、最も適した放射素子の放射特性や、その配置間隔については明らかにされておらず、最小放射素子数を実現するのが困難であった。
【0012】
上記のような理由により、従来の技術では、最小放射素子数、すなわち最も製造コストが安価なアレーアンテナ装置を実現するのが困難であった。
【0013】
この発明は、所望のビーム走査範囲と利得を与えた場合に、従来装置より放射素子数を削減し、製造コストを低減したアレーアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0014】
また、より薄型のアレーアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0015】
また、不要放射を低減し、かつ全周方向で一様な放射特性を実現するアレーアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0016】
また、複数の素子アンテナからなる放射素子を用いることで、より厚みの薄いアレーアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0017】
また、1個の給電された素子アンテナと、上記給電された素子アンテナに近接して設置された複数の非給電素子により放射素子を構成することで、より損失の少ないアレーアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明は、平面上に複数の放射素子を配置したアレーアンテナ装置において、上記平面の鉛直方向を概ね放射パターンのピークとし、上記鉛直方向から所定の離角α°で放射パターンの振幅レベルが上記鉛直方向の振幅レベルから概ね4.3デシベル[dB]低下する、2次関数形状の放射特性を有する放射素子を用いたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1におけるアレーアンテナ装置の放射素子の配置を示したアンテナ平面(xy平面)を示す図である。
また、図2は、アレーアンテナ装置のビーム走査領域を示す図である。
図3は、理想的な放射素子の放射特性を示す図である。
図4は、本実施の形態における1放射素子の放射特性を示す図である。
図3,図4において、横軸はビーム幅を示す角度(角度幅)であり、縦軸は放射素子の放射レベルであり、太い実線は放射特性を示している。ちなみに、図3,図4の太い実線で示す放射特性は、図1,図2に示すz軸を含む全ての面で成立しているものであり、すなわち、z軸に対して回転対称な放射特性であるものとする。
これらの図中、10は配置された同一径の円形の複数の放射素子(又は開口)、11は放射素子10の直径または等価的な直径dであり波長単位で表現されている。12は放射素子10を配置する同心円、13は座標、14はビーム走査領域である。
【0020】
次に、本装置の動作について説明する。
放射素子10は、各同心円12に均等間隔で配置されているが、不均等間隔でもよい。各同心円の半径は、規則的に変化してもよいし、不規則に変化してもよい。各々の放射素子10には移相器等の位相制御手段が接続しており、各放射素子10に所定の励振位相を与えることで所望方向にビームを形成する。本装置では、放射素子10の配置間隔が離れており(どの程度離すかは実施の形態3で述べる)、アレーアンテナ装置全体の利得は、「素子利得×素子数」に概ね等しい。
【0021】
このアレーアンテナ装置で、図2に示すように鉛直方向であるz方向から、離角α°の円錐領域(ビーム走査領域14)において、ビーム走査する場合を考える。このビーム走査領域14において所定値以上の利得を得ようとする場合、放射素子数をなるべく少なくするには、放射素子10の放射特性がビーム走査領域14においてなるべく高い利得を持つ必要がある。
【0022】
放射素子10の最も理想的な放射特性は、図3に示したように、ビーム走査領域14において一様な放射レベルを有し、その他の領域には放射しないものである。このとき、ビーム走査領域14における放射素子10の最小利得は理論上最大になる。しかしながら、図3のような放射特性を実現するには、放射素子10の大きさが無限で、かつ、放射素子10の開口における振幅・位相分布が複雑なものになる。また、図3の放射特性に近いものも、放射素子10の大きさが極めて大きくなり、開口振幅・位相分布が複雑になる。従って、図3の理想的な放射特性もしくはこれに近い放射特性を有する放射素子10の実現は、困難であり現実的ではない。
【0023】
通常実現できる放射素子10の放射特性は、図4に示すような2次関数形状(z軸に対象な放射線をz軸を中心に回転させた回転体形状、吊り鐘形状、半卵形形状、半カプセル形状、回転半楕円形状)のものである。このような放射特性は、素子アンテナ1個もしくは複数個の簡単な合成で実現できる。このような2次関数形状の放射特性において、ビーム走査領域14における最小利得を最大にする条件は以下のように求まる。
【0024】
放射素子10は、z軸に対称な放射特性を有するので、その等価的な開口は同じくz軸に対称な円形と想定できる(ただし、実際の放射素子10が円形開口であると限定するものではない)。この等価的な円形開口の直径を波長単位で表現し、d11とした場合、その放射特性のビーム幅Θ°(ピーク利得からレベルが3dB低減する角度幅)は、次式で表される。
【0025】
【数1】
Figure 2004120591
【0026】
ここで、k=58.44である。また、ピーク利得をG[dB]とすると、等価開口直径d11とは、以下の関係式で表される。
【0027】
【数2】
Figure 2004120591
【0028】
また、ビーム走査領域14の端であるz軸からの離角α°(以後ビーム走査域α°)における利得、すなわちビーム走査領域における最小利得をG[dB]とすると、図4の放射特性は、2次関数形状であることから次式で表される。
【0029】
【数3】
Figure 2004120591
【0030】
式(1)〜(3)よりビーム走査域α°は、次式で表される。
【0031】
【数4】
Figure 2004120591
【0032】
αが実数になる条件は、当然であるがG<Gである。ビーム走査領域最小利得Gを与えたときにビーム走査領域14が最大になる条件、すなわちビーム走査域α°が最大になる条件は、式(4)をd11で微分し、以下のようになる。
【0033】
【数5】
Figure 2004120591
【0034】
【数6】
Figure 2004120591
【0035】
すなわち、式(6)の等価開口直径d11を与えたとき、ビーム走査領域最小利得がGとなる、最大のビーム走査域α°が実現される。一方、このビーム走査域α°において、ビーム走査領域最小利得が上述のGを超えることはない。Gを越えるビーム走査領域最小利得が存在するなら、Gを与えたときに、より大きなビーム走査域α°が存在することになるからである。従って、式(6)は、ビーム走査域α°において最大のビーム走査領域最小利得Gを与える条件でもある。式(6)の対数を取ったものと、式(2)より次式を得る。
【0036】
【数7】
Figure 2004120591
【0037】
すなわち、ビーム走査域α°において、ピーク利得から概ね4.3[dB]レベルが低下するような2次関数形状の放射特性を与えたとき、ビーム走査域α°(ビーム走査領域14)におけるビーム走査領域最小利得が最大になる。例えば、式(3)に示す2次関数を用いることが望ましいが、式(3)の定数等は変更してもよい。
【0038】
従って、ビーム走査域α°においてピーク利得から概ね4.3[dB]レベルが低下するような2次関数形状の放射特性を有する放射素子を用いれば、ビーム走査領域14における所定の利得を達成できる、最小素子数のアレーアンテナ装置を実現できる。すなわち、アンテナ平面の鉛直方向を概ね放射パターンのピークとし、上記鉛直方向から所定の離角α°で放射パターンの振幅レベルが上記鉛直方向の振幅レベルから概ね4.3デシベル[dB]低下する、2次関数形状の放射特性を有する放射素子を用いることにより、最も製造コストが安価なアレーアンテナ装置を実現するという効果を有する。
【0039】
実施の形態2.
ここでは、アレーアンテナ装置の具体的な実施例を示し、上記実施の形態1の効果を明らかにする。まずは従来技術による例を示す。
図5は、第1の従来例に示されるような、グレーティングローブを完全に抑圧する狭い素子間隔で放射素子10を配列したアレーアンテナ装置である。
図中、15は放射素子10の配列格子の高さh、16は放射素子10を配置する開口である。他の番号は前述のものと同じである。
【0040】
図5のアレーアンテナ装置では放射素子10を正三角形格子上に配置している。図2のように、z軸に対して回転対称な領域をビーム走査する場合、グレーティングローブを完全に抑圧する配置としては、正三角形格子が最も素子間隔が広くなることが知られている。
【0041】
比帯域4%、ビーム走査域α°=25°において、22[dBi]の利得を得るアレーアンテナ装置を考える。比帯域4%なので最低周波数の波長をλとすると、最高周波数の波長λは、λ=0.96λになる。ビーム走査したときに利得が最小になるのはα°=25°であるので、この方向からアレーアンテナ装置を見たときに、最低周波数で所望利得を達成できるだけの開口面積Sが必要である。その面積Sは、最低周波数波長λを用いて次の式で表されることが知られている。
【0042】
【数8】
Figure 2004120591
【0043】
ここで、gは所望利得を真数で表したものである。α°=25°、g=1022/10より、
【0044】
【数9】
Figure 2004120591
【0045】
になる。
【0046】
一方、グレーティングローブを抑圧する放射素子間隔は、最高周波数の波長λから求まり、正三角形の高さhは次式で指定されることが知られている。
【0047】
【数10】
Figure 2004120591
【0048】
βは係数で、1未満にすることでグレーティングローブを抑圧できる。β=0.9とすると、λ=0.96λ、α°=25°より、h=0.607λとなる。正三角形の底辺は概ね1.15hであるから放射素子10一個の占有面積は、h・1.15h=0.424λ となる。従って、開口16に配置される放射素子10の数は、
【0049】
【数11】
Figure 2004120591
【0050】
個になる。
【0051】
次に、本実施の形態を示す。
ビーム走査域α°内の最小利得Gが最大になる放射素子10において、実施の形態1の式(4),(6)から以下の関係が導かれる。
【0052】
【数12】
Figure 2004120591
【0053】
α°=25°より、本実施の形態で用いる放射素子10のビーム走査領域最小利得は、
【0054】
【数13】
Figure 2004120591
【0055】
になる。本実施の形態では、アレーアンテナ装置全体の利得は、「素子利得×素子数」になるから、22−8.6=13.4[dB]を放射素子数で稼ぐことになる。すなわち、
【0056】
【数14】
Figure 2004120591
【0057】
個(101.34個=21.877個、即ち、約22個)が必要な放射素子数である。
【0058】
以上より、従来の実施例では放射素子数が33個になるのに対し、本実施の形態によればこれが22個となり、放射素子数を2/3に低減できることが明らかになった。すなわち、アレーアンテナ装置の製造コストをより安価にする効果が示された。動作周波数帯域が広がれば、この効果はさらに顕著になる。
【0059】
実施の形態3.
本実施の形態3も図1を使用して説明する。
ここでは、放射素子10の望ましい配置間隔について明らかにする。
【0060】
前述の式(3),(7)より、ビーム走査域α°とビーム幅Θの関係は、次式で表される。
【0061】
【数15】
Figure 2004120591
【0062】
さらに、式(1)と(11)より、
【0063】
【数16】
Figure 2004120591
【0064】
である。すなわち、ビーム走査領域最小利得を最大にする放射素子10の等価開口直径d11は波長単位で式(12)で表される。例えば、ビーム走査域α°=17.5°であれば、等価開口直径d11は概ね2波長となる。ここで、放射素子10の等価開口直径dが概ね35/αであるということは、隣り合う放射素子の中央(中心)が概ね35/α波長以上の間隔になるように、複数の放射素子を配置することを意味する。
【0065】
放射素子10の物理的な開口直径が式(12)で表される値より小さい場合でも、式(12)の等価開口直径と同等な放射特性を得ることは可能である。上記の等価直径2波長の放射特性なら八木アンテナやショートバックファイアアンテナで実現可能であり、これらの開口直径は2波長より小さくなる。これらのアンテナは高さがあり、立体的な構成により、上記特性を得ている。従って、このようなアンテナを放射素子10として用いれば、物理的には、式(12)の間隔以下で放射素子10を配置することも可能である。
【0066】
しかしながら、そのように狭い間隔で放射素子10を配置した場合、放射素子間の相互結合により、アレー状態における放射素子10の利得は、単体時のそれより劣化する。これは次のように、受信時の状況を考えることで定性的に概ね説明できる。単体時には、式(12)の開口直径に相当する面積に到来する電波を吸収できるが、式(12)より狭い間隔で配置すると、放射素子の担当面積が互いに重なり、隣の放射素子に本来自分が吸収できるはずの電波を奪われる。このため、単体時より利得が劣化する。ちなみにアンテナの放射特性は送受とも同じであるから、受信時のみならず送信時も利得は同様に劣化する。
【0067】
従って、式(12)以上の間隔で放射素子10を配置すれば、上記のような利得劣化を回避でき、最小素子数、すなわち最も製造コストが安価なアレーアンテナ装置を実現することができる。
【0068】
さらに、前述の八木アンテナやショートバックファイアアンテナのように、高さで利得を稼ぐ放射素子を使用しなくてすむ。すなわち、式(12)の開口面積を有する平面状の放射素子を採用できるので、より薄型のアレーアンテナ装置を得るという効果を有する。
【0069】
実施の形態4.
本実施の形態4も図1を使用して説明する。
ここでは、不要放射を抑圧できる、放射素子10の望ましい配置について明らかにする。
【0070】
前述の実施の形態1〜3では、放射素子10の利得がビーム走査域α°内で最大化され、所定の間隔以上で配置されていれば、アレーアンテナ装置における所望の利得が、最小放射素子数で達成できることを明らかにした。これらにおいて、所望の利得を達成するという点では放射素子の配置形状については制限がない。例えば、図5のような正三角配列にしても、素子間隔が広いことによりグレーティングローブは発生するが、所望の利得は維持される。
【0071】
しかしながら、不要放射をなるべく抑圧することが望ましい場合も多々存在する。そこで、本実施の形態では図1のように、放射素子を同心円上に配置する。グレーティングローブは、所望方向とは別の方向で、全ての放射素子の位相が完全に同相となる現象であり、図2のような規則的な配置においてのみ生じるものである。図1の同心円配列は、一種の不規則配列であり、所望方向以外では、完全な同相関係(=グレーティングローブ)が発生しない。従って、不要放射レベルのより低いアレーアンテナ装置を得るという効果を得る。
【0072】
さらに、同心円状の配置であることから、アレーアンテナ装置全体は概ねz軸に対して対称な形状となる。このため、全周どの方向にビーム走査しても概ね一様な放射特性を得る。例えばビーム走査角α°において、いかなる周方向でも概ね同一のビーム幅を有するビームを形成することができるという効果を有する。
【0073】
実施の形態5.
図6は、実施の形態5における、放射素子10の構成図である。
図中、17はマイクロストリップアンテナなどの平面状の素子アンテナ、18は複数の素子アンテナ17を接続する給電線、19は給電点である。他の番号は前述のものと同じである。
【0074】
実施の形態3では、式(12)により、ビーム走査域α°内の最小利得を最大化した放射素子10の等価開口直径dを明らかにした。ビーム走査域α°が小さいと、等価開口直径dは大きくなり、1波長以上になることもある。このような等価開口の放射特性を実現する放射素子としては、実施の形態3で上げた八木アンテナやショートバックファイアアンテナ、その他にホーンアンテナ等が上げられる。しかしながらこれらのアンテナは、高さ、厚みが大きく、薄型のアレーアンテナ装置を実現するのが困難であるという課題があった。
【0075】
一方、薄型アンテナとしてはマイクロストリップアンテナ等が上げられるが、これらのアンテナ寸法は一般に1波長以下であり、所望の放射特性を得ることができない場合もある。そこで、本実施の形態では、図6のようにマイクロストリップアンテナのような小さな素子アンテナ17を給電線18で接続し、サブアレーを形成してこれを放射素子10とする。サブアレーでは給電点19より供給された電力を、給電線18により複数の素子アンテナ17に分配し、複数の素子アンテナ17全体で放射を行うことにより素子アンテナ17単体より大きな放射開口を形成し、放射素子10の所望の特性を実現する。これにより、所望の放射特性を有して、かつ、薄型の放射素子10を実現することができる。すなわち、より厚みの薄いアレーアンテナ装置を得るという効果を有する。
【0076】
実施の形態6.
図7は、実施の形態6における、放射素子10の構成図である。
図7(a)は正面図、(b)は断面図である。
図中、20は素子アンテナ17の近傍に配置され、直接給電されていない非給電素子であり、21は素子アンテナ17や非給電素子20を支える誘電体基板、22はグランド導体である。他の番号は、前述のものと同じである。
なお、図7(a)正面図では、誘電体基板21やグランド導体22は省略している。
【0077】
実施の形態5(図6)のサブアレー形式の放射素子10では、給電線18において伝送損失が生じるため、利得が低下する場合がある。そこで、本実施の形態では、1個の素子アンテナ17のみを給電し、給電線を廃するもしくは短縮することで上記伝送損失を防いでいる。
【0078】
素子アンテナ17から放射された電波は、近接する複数の非給電素子20に結合し、そこから再放射される。複数の非給電素子は素子アンテナ17より広い面積に展開しているため、全体として、素子アンテナ17単体より広い開口を有する放射素子10を実現できる。これにより、所望の放射特性を有して、かつ、より損失の少ないアレーアンテナ装置を得ることができる。
【0079】
また、本実施の形態6の構成においても、八木アンテナやショートバックファイアアンテナ、ホーンアンテナ等に比べて、より薄型のアレーアンテナ装置を得ることができることは言うまでもない。
【0080】
また、以上の実施の形態1〜6では、必要に応じて送信時や受信時の説明を使い分けたが、アンテナは送受可逆であり、送信、受信のいずれでも同じ効果を得ることは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、所望のビーム走査範囲と利得を与えた場合に、従来装置より放射素子数を削減し、製造コストを低減したアレーアンテナ装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるアレーアンテナ装置の放射素子の配置を示したアンテナ平面(xy平面)を示す図である。
【図2】アレーアンテナ装置のビーム走査領域を示す図である。
【図3】理想的な放射素子の放射特性を示す図である。
【図4】実施の形態1における1放射素子の放射特性を示す図である。
【図5】第1の従来例に示されるような、グレーティングローブを完全に抑圧する狭い素子間隔で放射素子10を配列したアレーアンテナ装置である。
【図6】実施の形態5における、放射素子10の構成図である。
【図7】実施の形態6における、放射素子10の構成図である。
【図8】第1の従来例であり、例えば特開平5−308223号に掲載されているアレーアンテナ装置である。
【図9】第2の従来例であり、例えば特表平1−503669号に掲載されているアレーアンテナ装置の部分図である。
【符号の説明】
10 放射素子、11 直径d、12 同心円、13 座標、14 ビーム走査領域、15 高さh、16 開口、17 素子アンテナ、18 給電線、19給電点。

Claims (5)

  1. 平面上に複数の放射素子を配置したアレーアンテナ装置において、上記平面の鉛直方向を概ね放射パターンのピークとし、上記鉛直方向から所定の離角α°で放射パターンの振幅レベルが上記鉛直方向の振幅レベルから概ね4.3デシベル[dB]低下する、2次関数形状の放射特性を有する放射素子を用いたことを特徴とするアレーアンテナ装置。
  2. 上記請求項1に記載のアレーアンテナ装置において、上記複数の放射素子を概ね35/α波長以上の間隔で配置したことを特徴とするアレーアンテナ装置。
  3. 上記請求項1,2いずれかに記載のアレーアンテナ装置において、上記複数の放射素子を同心円状に配置したことを特徴とするアレーアンテナ装置。
  4. 上記請求項1,2,3いずれかに記載のアレーアンテナ装置において、上記放射素子を、複数の素子アンテナを配置したサブアレーで構成したことを特徴とするアレーアンテナ装置。
  5. 上記請求項1,2,3いずれかに記載のアレーアンテナ装置において、上記放射素子を、1個の給電された素子アンテナと、上記給電された素子アンテナに近接して設置された複数の非給電素子から構成したことを特徴とするアレーアンテナ装置。
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