JP2004118859A - 駆動力発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】  指先を通じて使用者に文字情報の伝達が可能な情報受感装置の駆動力発生装置を提供する。
【解決手段】  それぞれが互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の、Z軸方向に磁束を発生させる磁石12,13,14,15と、この磁石によって生じる磁束と巻線の一部がX軸方向に横切るように配置された第1のコイル群16,17と、上記磁石によって生じる磁束と線の一部がY軸方向に横切るように配置された第2のコイル群18,19とを備える。第1のコイル群と第2のコイル群とには、駆動電源10からそれぞれに独立して制御された電流を供給する。これにより、第1のコイル群と第2のコイル群とが固着された受感部1は、X軸方向及びY軸方向に駆動され、電流の制御によって文字をなぞるように移動する。
【選択図】 図2

Description

 本願発明は、人の手指等の触覚を通じてさまざまの情報の伝達を行う触覚による情報伝達システム又は触覚による情報受感装置において好適に用いることができる駆動力発生装置に関する。
 目、耳、鼻、手、指などの受容器官を用いて知覚する体感情報の中で、触覚は対象物を認知・判断する場合の最終的な決め手となる場合が多い。つまり、対象物に手や指で触ることによって対象物の表面の粗滑感や凹凸感あるいは重さなどの感触を理解・納得し、後にさまざまな決定を下していると考えられる。
 これに対し、直接、手指で触れることのできないテレビやパーソナル・コンピュータの画面上に表示される商品や展示物などの情報、又は、雑誌、パンフレット、カタログ等の文書で紹介される商品等の情報は、言語的・視覚的に対象を認識できても、その雰囲気や体感までを感じ取ることは困難である。そのため、人は脳の中でこれらの情報の欠落部分を推測して保管し納得している。
 従って、視覚のみの単一様式の情報による認知の深さは、触覚を伴う場合よりも浅薄になりがちであり、その結果、記憶としてのあいまいさや判断の過ちをおかすなどの問題点がある。
 しかしながら、これまでの情報通信機器の発達・普及はインターネット等主に視覚によるものが中心となっており、視覚と従来から一般的であった聴覚とによる情報伝達が普及しつつある。したがって、視覚による情報通信機器が充分に発達し普及した後には、触覚による情報伝達への要求が大きくなるものと予想される。
 触覚を通じて情報の伝達を行う手段として、視覚障害者が用いる点字が古くから知られている。また、地図等の図形的な形状情報を伝達し又は認識させる手段としては、原型となる型をもとにプレス複製した半立体的な樹脂製のドキュメントも知られている。
 さらに、このような文字情報又は形状情報を電子情報機器によって伝達しようという試みもなされており、例えば特開昭59−198483号公報(特許文献1)、特開平2−5081号公報(特許文献2)、特開平5−333765号公報(特許文献3)、実開平5−96863号公報(特許文献4)、米国特許第5625576号(特許文献5)に記載されているものがある。
 特開昭59−198483号公報、特開平2−5081号公報、特開平5−333765号公報に記載されている装置は、点字を表示するものであり、複数のピンが作動し、突出した状態又は後退した状態に制御されることによって点字コードを出力するようになっている。
 また、実開平5−96863号公報に記載の装置は、三次元ディスプレイとして機能するものであり、複数のマトリックス状に配列されたピンの各々が駆動源によって上下方向に駆動され、それぞれの高さ方向の位置が制御されるようになっている。したがって、複数のピンの集合によって文字、図形等が立体的に表示される。
米国特許第5625576号に記載の装置は、指先に触覚情報を呈示する構成となっており、リンク機構を用いたロボットマニュピレータを備え、マニュピレータの先端部分に指を挿入するサックが設けられている。そして、操作者は上記サックに指先を入れ、コンピュータの画面上に現れるポインタを参照しながら指を動作することにより、画面上の物体の形状や硬軟感を感じ取ることができるようになっている。
 一方、表示された画像と手や指に感じる振動とを対応づけて使用者に知覚させる入力装置が知られている(ソニー社製製品名DUALSHOCK)。この装置は、振動の周波数や間隔を選択することで様々な感覚を擬似的に発生させるものである。
 また、ディスプレイに表示されたポインタで画像等を選択するマウスに対し、マウスパッドから電磁気力を与えて、マウスを駆動する装置が公表されている(技術名FEELitMOUSE、イマージョン社製)。これは、マウスの移動に応じてポインタと重なる箇所の表示画像の質感や、ボタンやウィンドウといった仮想物の凹凸に対応した振動などを、触覚により使用者に情報を伝達するものである。このデバイスの構造は、触感に応じた演算を行うためのプロセッサを内蔵した専用のマウスパッド上に専用のマウスを置き、このマウスを電磁気的な機構を用いて動かすものと推測されるが、その構造の詳細は開示されていない。
 また特開平7−191798号(特許文献6)には、入力装置に設けられた球体を回転制御することで触覚情報を入力者にフィードバックする装置が開示されている。
 この装置は、球体に使用者の指又は手が接触した状態で、該球体を回転駆動し、あたかも所定の形状の上を指を滑らせている、又は所定の形状のものが動いているといった触感を与えるものである。
特開昭59−198483号公報 特開平2−5081号公報 特開平5−333765号公報 実開平5−96863号公報 米国特許第5625576号 特開平7−191798号公報
 しかしながら、上記のような従来の装置では次のような問題点がある。
特開昭59−198483号公報、特開平2−5081号公報、特開平5−333465号公報に記載の装置は、ピン等が突出した状態と後退した状態との二値的な表現能力しか持たないため、点字というコード情報で表現しなければならない。したがって、すべての情報は言語を通じて伝達することになり、アナログ的な輪郭線のような形態や感覚的に把えられる動作を表現することができない。
 また、特開平5−96863号公報に記載の装置は、多数のピンの位置を制御する構造となっているので、立体的な形状等を表現することができるものの、静止状態で利用することを前提としており、動的な表現はできない。
 また、この装置は多数のピンが独立して動作し、それぞれを制御する必要があるので、構造が複雑になるとともに、煩雑な制御を行う必要がある。
 また、米国特許第5625576号に記載の装置は、一つの指先に触力覚情報を呈示するもので、形状や硬軟感の呈示は可能であるが、操作者が手首や腕を自分で動作させ、その移動延長上に反力を感じ取るというものである。つまり、仮想空間のなかを手が情報を探し歩くというものであり、操作者が能動的な動作をしない限り情報は獲得できないものである。
 また、複数の方向の駆動力を得るために各方向毎に設けた電磁モータの回転を複数の揺動腕(アーム)のスイング回転に変換する構成となっており、複数方向への駆動機構に大きな容積を必要としている。さらに、本構成は駆動源であるモータから人が触知するアーム先端までの距離が長く、各所に連結部材を介して力を伝達しているため、細かな振動や変位を呈示することが困難である。したがって、大まかな形状・輪郭や硬軟感は表現できるものの細かな周波数の動き等を呈示することは困難である。
一方、上記のように触覚によって感受することができる情報を呈示するためには、多くの場合呈示子を電子的な情報に基づいて動作させることになる。呈示子を動作させるための駆動源としてはソレノイド等従来から知られているものを使用することができるが、装置を小型化し、自由に動的な呈示をも可能とするためには、駆動装置も小型化し、動作の制御が容易なものが望まれる。そして、呈示子を2方向に動作させることを考えると、従来の駆動装置ではそれぞれの方向に駆動装置を設け、これらの作動により、呈示子に平面内での動きを付与することになる。
 また、振動の周期や振幅を変化させることで触感を再現する装置では、その振動波が方向性のない単なる振動であるため、触感の微妙な再現には限界があり、手、腕あるいは身体全体で感じられるのと同程度の刺激を与えるのに止まっている。
 また、マウスを電磁気力によって動かす装置では、手全体および手のひら全体で感じる触感を表現するのには適するが、手のひらは微妙な触感を識別できないため、微妙な触感を与えるのにもマウスをかなり大きく移動しなければならない。また、マウスをはじめとするポインティングデバイスは、小さな入力動作でディスプレイ上の大きな距離ポインタを移動させられることが、入力作業を効率化するのに大きな利点となるが、上記方式のマウスは触感を与えるためにマウス全体を移動させる必要があり、小さな入力動作を犠牲にしなければならない。また、専用のマウスパッド上で作業しなければならず、使用上の制約が多い。
 さらに、球体を回転させて入力者に触覚をフィードバックする装置においては、球体の回動に伴って球体と接する指の腹の部分が徐々にずれていってしまうことになる。このため、入力者には球体の丸みという形状感が触覚情報に重畳して伝達されてしまい、触覚の再現性が低下してしまうという問題があった。
 本願に係る発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型であっても十分な触感を使用者に与えることができる情報受感装置の駆動に適した駆動力発生装置を提供することである。
 上記のような問題点を解決するために、本発明は、 それぞれが互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の、Z軸方向に磁束を発生させる磁界発生手段と、 前記磁界発生手段によって生じる磁束と、巻線の一部が前記X軸方向に横切るように配置された1つ以上のコイルを含む第1のコイル群と、 前記磁界発生手段によって生じる磁束と、巻線の一部が前記Y軸方向に横切るように配置された1つ以上のコイルを含む第2のコイル群と、
 前記第1のコイル群と第2のコイル群とに、独立して制御された電流を供給する駆動電源と、 前記第1のコイル群と第2のコイル群とが固着されたコイル保持部とを有し、 前記磁界発生手段と前記コイル保持部とはX軸方向及びY軸方向に相対移動が可能に支持されている駆動力発生装置を提供する。
 このような駆動力発生装置では、第1のコイル群に通電することにより、この第1のコイル群にY軸方向の駆動力が作用する。また第2のコイル群に通電することにより、X軸方向の駆動力が作用する。したがって、第1のコイル群及び第2のコイル群への通電制御を行うことにより、XY平面内の任意の方向に駆動力を作用させることが可能となる。また、上記コイルをXY平面方向に平たく巻き回したものとすることにより、Z軸方向の寸法を小さくし、安定した状態でX方向及びY方向に駆動させることができる。さらに、第1のコイル群と第2のコイル群とを重ねて配置することもでき、小さい寸法で大きな駆動力を得ることも可能となる。
 なお、本発明において、磁界発生手段は磁石を用いるのが望ましいが、上記第1及び第2のコイル群とは別のコイル又はコイル群によって磁界を発生させるものであってもよい。
 また、前記第1のコイル群又は前記第2のコイル群は、少なくとも一方が2以上のコイルを有し、前記第1のコイル群が有するコイルの少なくとも2つが、X方向にコイル中心が異なる位置に設けられるか、又は前記第2のコイル群が有するコイルの少なくとも2つが、Y方向にコイル中心が異なる位置に設けられ、前記第1のコイル群又は第2のコイル群に含まれる2以上のコイルに異なる電流が供給されるものとしてもよい。
 この場合には、第1のコイル群に含まれる2以上のコイルに、例えば異なる量の電流を供給することにより、それぞれのコイルに作用するY軸方向の駆動力に差を設けることができる。また、Y軸方向の駆動力を逆方向にすることもできる。そして、駆動力に差が設けられた2以上のコイルがX軸方向にずれた位置に設けられていることにより、偶力が作用し、コイル保持部にZ軸回りの回転駆動力を発生させることができる。
 また、第2のコイル群に含まれる2以上のコイルに供給する電流量を制御し、X軸方向の駆動力に差を設けても同様に機能させることができる。さらに、第1のコイル群と第2のコイル群との双方が2以上のコイルを含むものとし、双方のコイル群にそれぞれ回転駆動力を発生させてもよい。
 また、前記第1のコイル群に含まれるコイルと第2のコイル群に含まれるコイルとが、単一の磁界発生手段によって発生される一方向の磁束を横切るように配置してもよい。
 このような場合には、第1のコイル群に含まれるコイルと第2のコイル群に含まれるコイルとは磁束を横切る方向が異なり、これらの方向が直角となっているので共通の磁束すなわち単一の磁石等による磁束のみでもX軸方向及びY軸方向の駆動力を発生させることができる。したがって、装置を簡単な構造で小型化するとともに大きな駆動力を得ることも可能となる。
 また、前記磁界発生手段は、X軸方向又はY軸方向に配列された複数の磁界発生部材を有し、これらの互いに隣り合う磁界発生部材はZ軸の逆方向に磁束を発生するものであり、前記コイルは、巻線の中心をはさんで対向する部分が、それぞれ上記逆方向の磁束を横切るように配置されているものとしてもよい。
 このような駆動力発生装置では、コイルの巻線の中心をはさんで対向する部分に逆方向の電流が生じるが、これらの部分が横切る磁束の方向も逆となっているので、コイルの対向する部分には同方向の駆動力が作用することになる。したがって、1つのコイルに大きな駆動力が発生することになり、小型で大きな駆動力が得られる装置とすることができる。
 上記のような駆動力発生装置は、指先が載置される受感部の動作によって、情報を伝達する情報受感装置の駆動に用いることができる。受感部は、指先の接触面とほぼ平行な方向への移動が可能に支持されたものとし、この受感部の変位方向を示す情報を含む動作信号に応じてコイル群に電流が供給され、受感部が駆動される。
 この情報受感装置では、指先が載置された受感部が、動作信号に基づいて指先の接触面とほぼ平行な方向に移動するので、触感の鋭い指先が上記受感部に誘導され、触力覚が与えられる。したがって、指先の持つ高い感度の触感を有効に利用して、受感部の動きが小さくとも、豊かな触感、力感が与えられる。このとき、指先は受感部との間の摩擦力で誘導されるので、使用者は触感を感じたくないと考えたときには、受感部から指をはなせば容易に誘導から開放されるために、無理に指を動かされつづけるといった危険がなく、また誤作動が発生したときも安全である。
 また、使用者の操作に応じて位置情報を取得する位置情報入力手段を備えるものとすることができる。この場合には、本情報受感装置が接続された装置に対して位置情報を提供するポインティングデバイスとして用いることができる。使用者の動作によって位置情報を入力する方式としては、マウスのようにポインティングデバイスを動かしてその相対移動量を検出するもの(ボール+ロータリーエンコーダ)、パッド上での指の接触位置の時間変化を検出して移動方向を検出して座標と対応づける方法(感圧パット上の押圧位置の検知)、スティックの傾斜方向・傾斜時間などに基づき位置を算出する方式(感圧センサによるスティックの曲げ方向の検出)など、ポインティングデバイスとして用いられる公知の方法を用いることができる。位置情報は、直接的に座標を示す場合に限らず、所定の処理を施すことによって位置を求めることができる情報であってもよい。
 なお、この接続は有線接続であってもよいし、無線接続であってもよく、信号入力部又は信号出力部はその形態に対応したインターフェースを備える。また、ノートパソコンのように位置入力装置が本体に内蔵されている場合は、内部にインターフェースを設けて接続すればよい。
 上記有線接続で情報の入出力を行う場合は、電気的信号を導電線を介して伝達する場合の他、光ケーブルを用い、光信号によって伝達することができる。
 また、無線接続は、電磁波による情報伝達の他、光、超音波等を利用するものであってもよい。
 上記情報受感装置は、使用者の操作に基づく受感部の変位あるいは受感部の変位と連動した部位の変位を検知する変位検知手段を備え、この変位検知手段の検知情報を前記信号出力手段を介して出力するように構成すれば、使用者が触感を感じている指先で受感部を変位させる操作をすることによって、この検知情報をこのデバイスに接続された装置に伝達することができる。
 このような装置では、触覚による情報の受感と指先の動作による動作信号の出力を行うことができる。
 つまり、受感部が駆動力によって駆動されることによって受感部から触覚による情報を感知するとともに、使用者が指先を動かすことによって受感部を移動させ、これによって情報例えば指先の動作を信号として出力するものである。具体的な装置の形態としては、例えば、外力によって受感部が強制的に変位されたときに、変位に比例した復元力を作用させるような制御等が可能となる。より具体的には、マウスのクリックボタン上に情報受感装置の受感部を設けたものが考えられる。また、2ボタンマウスのボタン間に配置されたスクロール用のローラを受感部とし、ローラは回転駆動させるとともに、動作信号に基づいて回転軸方向に移動する機構を設けることもできる。このように構成することで、使用者は触感よる情報の受感と応答とを即座に行えうことができる。また、受感部の変位を検知して受感部の予定した移動量と比較することで使用者に適した変位量に設定したり、または、使用者ごとの個人情報として保持し次の使用者を特定するのにも用いることができる。
 また、受感部を、載置された指を曲げる方向とこれに直交する指を振る方向に変位させるように構成することで、使用者の指を自由度の高い指の曲げ動作と指の振り動作とをするように誘導する。このとき、変位量が大きいと指は受感部の変位に追従できなくなり、使用者は次の動作に迅速に移れない。従って、この変位量を3cm以下とすることが望ましい。
 上記のような情報受感装置は、情報処理装置とともに用い、この情報処理装置から該情報受感装置の信号入力部を介して前記動作信号が入力されるものとし、触覚による情報伝達システムとして使用することができる。
 このような情報伝達システムでは、情報受感装置の信号入力部を介して情報処理装置から動作信号が入力され、この信号に基づいて受感部を変位させる駆動力が作用し、情報受感装置が動作する。これにより受感部は情報処理装置と連動して様々な動作が可能となる。そして、受感部に人体の一部を接触させている受感者は、受感部の動きを感じ取ることができ、その動作のパターンや動作のタイミング、変位等により様々な情報を得ることができる。なお、この信号入力部と情報処理装置は、有線接続あるいは無線接続により信号の伝達をする。
 なお、前記受感部は、使用者の指先が接触しているときに、これを検知し、前記情報処理装置に接触検知信号を伝達する接触検知センサを設けてもよい。
 この装置では、接触検知センサにより人体の一部が接触しているか否かを検知することができ、この接触検知センサから出力される接触検知信号に基づいて、指先の接離に伴う負荷変動時に対応することができる。すなわち、人体の一部が離れ、負荷が急減したときに負荷に対応して駆動力を低減したり、駆動を停止する等の制御が可能となる。
 また、情報受感装置に位置情報入力手段を設け、入力された位置情報を情報処理装置に入力し、この位置情報に対応した動作信号を情報処理装置から情報受感装置に出力するものとすることができる。
 このように位置情報入力手段から入力された位置情報に対応した動作信号を使用することで、情報処理装置内に記憶されている情報によって設定されている仮想空間と触感とを対応づけることができる。したがって使用者は触感で仮想空間の構造を知覚することができる。このとき、情報伝達システムが表示装置を含む場合には、表示装置に表示される画像情報を視覚的に取得すると同時に、情報受感装置からは触覚によって情報を得ることができる。したがって、受感者は視覚からの情報と触覚からの情報とによる認識・理解を行うことが可能となり、視覚や聴覚のみによる場合とは異質の情報取得が可能となる。また、表示装置を用いない場合でも、使用者に触感により仮想空間を知覚させることが可能となり、視覚情報に相当する触覚情報を指先に提示することも可能になる。事例として、従来、点字でしか文字を認知できなかった視覚障害者が、通常の言葉・文字を連続動作で認知することも可能になる。また、視覚情報を見ながら情報処理装置上で所定の操作をすることが困難な状況において、触感による情報を得ながら操作を行うということも可能となる。
 さらに、表示装置を備えるものでは、表示装置に表示された画像内にポインタを重ねて表示する機能を有するものとし、該画像内のポインタの位置と対応した動作信号に基づいて前記受感部を駆動するものとすることができる。
 このような触覚による情報伝達システムでは、画像表示装置に表示された画像内のポインタの位置と対応した触覚を受感部から取得することができ、画像からの視覚的情報と触覚とをより密接に関連づけて認識することが可能となる。また、ポインタを画像内で移動したときに、ポインタのある位置と対応した触覚を得ることが可能となり、表示された画像と複数の触覚とに基づいた認識が可能となる。
 また、このような情報では、情報受感装置によって触覚による情報を取得しながら、画像中のポインタを移動し、このポインタの位置と対応した触覚を連続的に感じ取ることもできる。したがって、情報受感装置の受感部から、表示装置に示された画像上で連続的に変化する形態と対応した触覚を得ることが可能となる。
 さらにこのような情報伝達システムでは、ネットワークを介して遠隔地から送信されてくる情報に基づいて情報受感装置を動作させることができ、離れた場所にいる者の間で触覚による情報の伝達も可能となる。
 なお、この情報の伝達は、いわゆるリアルタイムで行うこともできるし、一旦情報を記憶させておき、後に触覚情報を感受することもできる。また、ネットワークを介して伝達される情報は触覚に関する動作信号のみであってもよいし、表示情報だけ伝達し、この表示情報を受信した情報処理装置側で、得られた表示画像に動作信号を対応づけてもよい。
 上記のような情報伝達システムにおいて、情報受感装置を駆動するための動作信号は、受感部の静止、移動量、移動時の速度、加速度等を任意に制御することができ、時間の経過とともにこれらの量を変化させることもできる。例えば、受感部を動作させる位置又は領域を示す空間座標データを含むもの、又は座標をパラメーターとする関数を含むもの等とすることができるし、移動時の速度または加速度を定める時間データを含むものであってもよい。このような動作信号に基づいて受感部が駆動されることにより、手指を受感部に載せておくだけで、受感部から所定の動作が指に伝達され、使用者は指の動きから情報を認知することができる。
 また、情報処理装置に設定された仮想空間内での触力覚の呈示位置あるいは呈示領域の範囲外にポインタが外れそうになったときに、受感部が呈示位置あるいは呈示領域の境界に近接する感覚を与える様に動作させるようにしてもよい。これにより、画面を見なくても、自身の指が情報の呈示がある領域にあるかないか判別可能となり、所定の情報呈示領域からポインタの位置が外れることなく情報を認知することが可能になる。このように視覚を使わない認知手段は、視線を外せない、そらせられない作業環境下、例えば、聴衆やカメラに対してのスピーチ中、機械作業中、ファインダを覗いてのビデオカメラ撮影等、における情報獲得法としても有効である。
 また、ディスプレイに表示されたテキスト情報あるいは図形や写真等の画像情報と触覚情報とがリンクされた箇所でポインタを重なったときに受感部を動作させたり、あるいは、リンク部分との距離に応じて受感部を変位させてもよい。これにより、文書中の着目ポイントや、インターネットホームページにおけるHyper  Textのように他のテキスト情報や画像情報あるいは別のホームページにリンクするようにしたテキストや図形領域にカーソルが重なった場合に、触刺激によって感知が可能となる。
 また、受感部の変位量、速度又は加速度等を視覚化して表示装置に表示させれば、表示装置に表示された画像内のポインタの位置と対応した触刺激を受感部から取得するとともに、画像からはこの触刺激と対応した視覚的情報を得ることができる。このように視覚的情報と触覚とを同時に感知することにより、これらの感覚をより密接に関連づけて認識することが可能となる。また、触刺激の出力状態を視覚的に表示することにより、ポインタと対象物との関係、すなわち仮想空間に設定された対象物と指とがどのように擬似的に接触しているかを視覚的に認知することが可能になる。
 以上説明したように、本願発明の駆動力発生装置では、小型及び薄型とした装置でX方向及びY方向に駆動力を発生させることができる。そして、触覚による情報受感装置の受感部の駆動機構とすることで、従来の回転型モータとアーム型の伝達機構ではサイズ的に達成不可能であった、小型、薄型の情報受感装置を実現することができ、駆動力発生装置が手や指に対しその移動方向を誘導し、同時に触覚情報を手の代表的な受容器官である指先等に呈示することができる。従って、能動的に指を移動するだけの従来技術に比べて本発明は指を載置することで受動的に情報を獲得することができる。そして、指先という敏感な箇所に触覚を与えるため、小さな動きであるにもかかわらず、使用者に豊かな触感を使用者に感じさせることができ、一方で小さな動きで済むために高い周波数の振動でも受感部を変位させることができ、多彩な表現が可能となる。
 また、本願発明の駆動力発生装置を用いた情報伝達システムでは、指先等が載置される比較的小さな面積の情報受感装置を用いて二次元的な触覚刺激を呈示することが可能になる。そして、凹凸感や粗滑感に相当する触覚情報を、指先を二次元的に自在に変位させることで、指先への反力刺激として与えることができる。このため、従来のような単純な振動だけでなく、ゆっくりした変位のなぞり運動と高周波の振動を組み合わせることにより、各種の触覚情報をより正確に再現することができる。
 以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
 図1は、本願発明の一実施形態である駆動力発生装置が用いられた情報受感装置を示す概略構成図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)中におけるA−A線での断面図である。
 この情報受感装置は、側縁部が上方に突出した板状の基部2と、この基部に固着された磁石と、複数のコイルが固着され、前記磁石上で水平方向に移動可能に支持された受感部1と、この受感部1を基部2と連結する弾性部材3とで主要部が構成されている。
 上記弾性部材3は受感部1の周囲に4か所設けられており、一端が受感部1に、もう一端が基部2の側縁部に接合されている。この受感部1は、コイルが通電されていない状態では、弾圧部材によって基準位置に保持されているが、図1の横方向をX軸、縦方向をY軸とすると、後述するようなX軸、Y軸方向の変位、あるいは回転方向の変位を許容するように支持されている。
 図2は、上記受感部1の駆動部であって、本願に係る発明の一実施形態である駆動力発生装置を示す概略構成図である。
 この駆動部は、図2(a)に示すように、磁界発生手段として基部2上に固定配置された4つの磁石12,13,14,15を備えている。これらの磁石12,13,14,15は、受感部1の中央部を原点として便宜的にXY直交座標系を考えると、第一象限から第二象限、第三象限、第四象限にそれぞれ配置されている。これらの磁石による磁界の方向は、基部2の表面に対して垂直方向に発生しており、磁石12と磁石14は、上部がS極、下部がN極に分極している。磁石13と磁石15は、その反対で上部がN極、下部がS極に分極している。
 上記磁石12,13,14,15は、図2(b)に示すように、基部2の上に固定されており、その上に受感部1が移動可能に支持されている。受感部1には4つのコイル16,17,18,19が固着されており、コイル16は第一象限と第四象限とを跨ぐ位置に配置され、磁石12と磁石15の磁界に対して電流がほぼX軸と平行に横切るように固定されている。同様にコイル17は、第二象限と第三象限とを跨ぐ位置に配置され、磁石13と磁石14の磁界に対して電流がX軸方向に交差するように置かれている。これに対し、コイル18は、第一象限と第二象限とを跨ぐ位置に配置され、磁石12と磁石13の磁界に対して電流がY軸方向に交差するように固定されている。コイル19もコイル18と同様である。このとき上記コイル16,17が第1のコイル群で、上記コイル18,19が第2のコイル群となっている。これらのコイル16,17,18,19は受感部1に一体化されており、この受感部1が弾性部材3により基部と連結され、移動可能となっている。
 そして、コイル16,17,18,19にはそれぞれ独立して電流を供給する駆動電源10と、この駆動電源10による出力電流又は電圧を制御する制御装置11とが備えられている。
 上記受感部1及び磁石12,13,14,15との間には、両者が摺動可能なように、摺動部22、23がそれぞれ設けられている。これらの摺動部22,23には低摩擦材料であるフッ素樹脂層(例えばポリテトラフルオロエチレン)を用いている。上記摺動部の材料は、上記フッ素樹脂に限定されるものではなく、これ以外にも潤滑油を含浸した樹脂や金属を用いることができる。また、潤滑油を摺動部22,23の間に塗布しても構わない。また、非磁性体を用いた球体を介在させ、この球体のころがりによって受感部を移動させてもよい。
 上記受感部1の上面は、図2(b)に示すように、人の指や手の平などの受容器官が接離可能となるように平坦に仕上げられている。本実施形態では、この受感部1の上面の中央部付近に指先を載せる構成となっている。
 この受感部1の表面層21の中央部付近には、図3に示すように、人の指先が触ったことを検知する感圧部26が設けられている。この感圧部26は指先が接触したときにその接触圧力を検知するものである。接触を検知する方法として圧力を電気抵抗の変化に変換する方法を用いている。すなわち、感圧部26は、シリコーンゴムと導電性粉末とを混合した材料を用いた感圧導電性ゴム27を備えており、その両側に導電性プラスチック層28,29を備えている。そして、これらの導電性プラスチック層28、29間に電圧が印加され、この感圧部26に指先が触ったときの接触圧によって電気抵抗が低下することで接触の有無を検知している。そして、この接触検知信号を制御装置11に伝達し、この信号に基づき駆動電源10が制御されるようになっている。
 この他に、接触を検出する方法として、図示は省略するが、受感部に所定の電荷を維持しておく電荷蓄積部を設け、人の指の接触によってその電荷を人の指に流出させることで電荷変化量を検出し、接触を検知することもできる。また、可撓性の二つの電極を相互間の距離が可変となるように支持し、電極間に存在する静電容量が接触時の圧力によって変化するのを検知するものでもよい。
 一方、図2(b)に示すように、基部2には受感部1との間の相対変位量を検知する変位検知センサ30,31が設けられている。この変位検知センサ30,31には光反射型のフォトインタラプタを用いている。これは受感部1の下側面に光学模様35を設けておき、図4に示すように、この面に対してLED32から射出された光33が光学模様35に反射するのをフォトトランジスタ34によって検知するものである。これにより、光学模様35から得られる光の濃淡による電圧変化を例えばコレクタ出力形式回路で検出し、その周波数をもとに受感部1の移動量に換算する。このような変位検知センサをX軸、Y軸方向に設置すれば平面移動する受感部1の移動量を検出できる。この変位信号は制御装置11に伝達され、駆動電源10が制御されるようになっている。なお、上記光学模様35は、等間隔の濃淡模様が一般的であるが、市松模様を細かく配置したものやラダーパターンでもよい。
 光学的なパターンを読み取り移動量を検出する別の方法として、レーザースペックルを用いた方式も採用できる。これは、受感部の表面に細かい凹凸状態を形成しておき、そこにレーザー光を当て干渉によって光の濃淡のスペックル模様を生じさせ、その模様を2次元イメージセンサで観察し、模様の移動量を計測するものである。また、上記方法とは別に、受感部自身に接触する回転体を設け、その回転量をエンコーダを用いて検出することも可能である。この方法はマウスの移動量検出方法と同様のものである。
 上記のような駆動力発生装置において、上記磁石12,13,14,15は保磁力と残留磁束密度が大きい方がよく、材質として、現在ハードディスクの駆動用などに使用されている希土類のネオジ磁石が適当であるが、他の磁石を用いることも可能である。コイル16,17,18,19は、銅線を用いるのが一般的であるが、自重を小さくするために銅クラッドアルミ線を用いてもよい。この場合、銅単体の線に比較して4割以下に軽量化することができる。
 次に、図1に示す情報受感装置の動作について説明する。
 コイル16,17,18,19は、フレミングの左手の法則(電流を中指、磁界を人差し指として、推力が親指方向となる)に基づいて作動する。コイル16について考えると、図2に示すように、基部2の垂直方向であるz軸方向の磁界中に電流がX軸方向に通過することでY軸方向への推力を生じる。このため、コイル16に時計周りの電流を流すと、コイル16は+Y軸方向に推力を発生する。電流の向きを変更すれば推力の方向は変化でき、電流値を可変とすることでその推力も変化させることができる。
 コイル16と同様に、Y軸方向に推力を発生させるコイル17は、コイル16と同方向に推力を発生させるためには反時計方向に電流を流せばよい。
 従って、コイル16とコイル17は同一方向に推力を発生するように電流を印加することができる。その方法としては、両コイルを直列にひとつの回路として結線する方法が実装上最も容易である。他の方法として、コイルを個々に結線し、各々に所定の方向に電流を印加してもよい。
 また、コイル18、19についても同様の作用でX軸方向の推力を発生させることができる。
 さらに、推力を発生させる方向が単にX軸やY軸方向ではなく、例えばZ軸をほぼ中心として回転する方向の力を生成することもできる。この場合、コイル16に時計方向の電流、コイル17にも時計方向の電流を印加すれば、両者はお互いに反対方向に移動しようとするため、結果的に回転モーメントが受感部1には作用する。この場合、同量の電流を符号を逆にして印加すれは、Z軸を中心とした回転力となるが、電流量をコイル16とコイル17とで変えると、回転中心を意図的にずらすことができる。
 このようなX軸方向とY軸方向の推力は、制御装置11により駆動電源10を制御することで任意のタイミングで発生させることができる。このような推力により受感部1がXY平面内で様々な方向に動作する。そして、この受感部1に指先を接触させている受感者は、受感部1の動きを感じ取ることができる。この作用を利用して、各種の仮想表面イメージを再生することが可能である。この例については後述する。
 図5は、上記のような情報受感装置で用いられる接触検知手段を示す概略構成図である。
 受感部41の表面層43には、外部からの光45aを受けることによって、抵抗の変化を生じる受光素子44が埋め込まれている。通常、人の手や指が接触しない状態では、外部からの光45aを受けて非接触状態であることを検知する。また基部42には、外部からの光45bをほぼ同条件で受ける位置に別の受光素子46が埋め込まれている。
 このような装置では、指先が受感部41に接触したときに受光素子44は暗くなったことを検出し、別の受光素子46は変化がないことにより、受感部41に指が触ったことがわかる。双方の受光素子44,46が暗さを検出した場合は、外部からの光が無くなったと判断して誤動作をしない。したがって、受感部41に指先が接触したことを検知したときにその信号に基づいて駆動部を駆動させ、受感部41から指先が離れたことを検知したときは、その信号に基づいて駆動を停止するように駆動電源を制御することができる。
 次に、図1に示す情報受感装置を用い、コイルと磁石による駆動力を測定した結果について説明する。
 この実験で用いた個々のコイルのサイズは、コイル線径が0.15[mm]、コイル断面積が1 ×2[mm2]、縦が16[mm]、横が8[mm] の大きさである。磁石には、厚さが2[mm] のネオジ磁石を用いている。これらのコイルと磁石による駆動力を測定した結果を図6に示す。
 この図に示すように、印加電圧の増加に対して線形性よく駆動力も増加していることがわかる。また、1 [V]につき約18[gf]の駆動力を発生し、5[V]印加で約90[gf]の駆動力を生じることがわかる。これを電流値に換算すると、コイル抵抗が約10[Ω]であるから、0.5[A]となり、電力は2.5[W]である。
 この駆動力に関しては、指先がキーボードやマウスの操作ボタンを扱うのと同等かそれ以上のある程度の強さで受感部に触れている場合、この情報受感装置によって指先に20〜40[gf]の面内(接線)方向の駆動力を与えると、指先に十分な面内変位を誘導できることが確認できている。従って、上記駆動力が得られれば情報受感装置として機能的に十分であると言える。
 図7は、上記情報受感装置における受感部の駆動状態を説明する図である。
 この情報受感装置は、コイル16,17,18,19に駆動電源10から独立して制御された種々の電流を供給し、受感部1の動作パターンや、動作タイミング、変位等により様々な情報を受感者に認識させることができる。例えば、図7(a),(b),(c),(d)に示す各種のアナログ的な波形を再生することが可能である。図7(a)は指が対象をこする動作であり、図7(b)は滑らかな表面をなぞる動作、図7(c)はザラザラ面をなぞる感じを再現するものである。図7(d)の波形は実物の触覚情報の再現というより、記号的な情報の再現として考えられる。従来の点字に変わる新しい表現手法として、これらの触覚情報波形を各種用意すれば、数値や記号、コマンドとして使うことも可能である。
 図8は、受感部1の動きによって形状感を再生する例を示す図である。
 図8(a)のような隙間53をおいて配置された板51と板52とで構成される素材情報50の上をなぞり、この隙間53の存在を触覚として再生するものである。この場合、受感部1は、図8(b)に示すリサージュ波形的ななぞり波形54の動きを指先に与える。指先は、この動きに追従して動かされるが、図中の2個所の不連続点55によって、指先に段差感を実感させることができる。その結果、画面中で表示される図8(a)の画像との密接な関連づけにより、隙間53の存在を認知できる。
 図9は、本願発明の他の実施形態である駆動力発生装置で用いられるコイルの単体を示す図である。
 このコイル70は、断面図を見て分かるように、厚さが厚く幅の狭い部分70aと、厚さは半分にして幅を倍にした部分70bとを備えている。このような形状とすることで、コイル一つ分の厚さで第一のコイル群と第二のコイル群とを重ねることが可能になる。
 図10は、図9に示すコイルの使用例であって、本願発明の他の実施形態である駆動力発生装置を用いた情報受感装置を示す概略構成図である。
 この情報受感装置は、基部62上に4つの磁石72,73,74,75を備えており、これらの磁石の上部に、4つのコイル76,77,78,79が固着された受感部61が基部62に対して移動可能に支持されている。これらのコイル76,77,78,79は、それぞれ図9に示す形状と同じものであり、図10(b)に示すように、各コイルには互いに重なる部分が生じている。
 このとき、コイルの幅や厚さが図2(b)に示すような均一な形状であると、そのままでは、Y軸方向に駆動力を発生する第一のコイル群であるコイル16,17と、X軸方向に駆動力を発生する第二のコイル群であるコイル18,19のいずれかを上下段違いに配置することになる。その結果、コイルと磁石間の空隙が異なり、同一電圧を印加してもX軸方向とY軸方向の駆動力に差が生じる。この対策として、予め駆動方向によって印加電圧に補正を加えれば両軸方向のバランスを取ることは可能であるが、基本的に差をなくすためには第一のコイル群と第二のコイル群とを同一面内に配置することが望ましい。
 図10に示す装置では、コイル76,77,78,79が重なる部分で、コイル厚が変化しているため、図10(b)に示すように、コイルの巻線数は変えずにそれぞれコイルを重ねても、全体としてコイル単体分の厚みに収めることができる。この駆動力発生装置の駆動方法については図2の場合と同様であり、受感部を任意に駆動させることができる。
 図11は、本願発明に係る駆動力発生装置の他の例を示す概略構成図である。
 この駆動力発生装置は、磁界発生手段として、S極を上部に配置した磁石82と、その周囲にN極を上部に配置した磁石83とを備えている。これらの磁石82,83の上には、4つのコイル86,87,88,89が固着された受感部84が基部に対して移動可能に支持されている。そしてコイル86,87と、コイル88,89とがそれぞれX軸方向、Y軸方向の駆動力を発生する。この装置が図2に示す装置と異なるのは、X軸方向に並べたコイルがX軸方向への推力を発生し、Y軸方向に並べたコイルがY軸方向の推力を発生させる配列の組み合わせとなっている点である。このような駆動力発生装置においても、各コイルに印加する電流を制御することにより、受感部84を任意に駆動することができる。
 図12は、駆動力発生装置で用いられる磁石及びコイルの他の配置例を示す概略構成図である。
 図12(a)は駆動力発生装置の最小単位を示すものであり、一つの磁石101と、その上部にX軸方向、Y軸方向に推力を発生する2つのコイル102とを配置したものである。図9(b)では2つの磁石103を配列し、これらの磁石の上部に、Y軸方向に推力を発生する2つのコイル104を同方向に直列状に配置するとともに、X軸方向に推力を発生するコイルを1つ配置したものである。図9(c)では2つの磁石105の上部に、3つのコイル106を直列状ではなくY軸方向にコイル中心をずらして配置したものである。このように磁石及びコイルのレイアウトはさまざまなものが適用できる。なお、各図における太い矢印は、それぞれのコイルが発生させる駆動力の方向を示したものである。
 図13は、複数のコイル及び磁石を用いた駆動力発生装置における磁石及びコイルの配置例を示す概略構成図である。
 ここでは磁石107の配列を3行3列にし、それに伴い、磁界と交差させる電流を流すコイル108の数を増やしている。機能的には、小さなコイルでも数を増やして、磁石107とコイル108とをマトリクス状に配置することで、大きなコイルと同等の駆動力を発生することができる。また、コイルが小さく薄くできる分、磁石との距離を短くすることができ、駆動力の効率を向上することができると考えられる。また図14では、図13の配列部の真ん中にも磁石109とコイル110とを配置してさらに高密度にした例である。図13及び図14における太い矢印は、それぞれのコイルが発生させる駆動力の方向を示しており、各コイルに印加する電流を制御することで任意の方向及び大きさの駆動力を発生させることができる。
 図15は、多数のコイル及び磁石を用いた駆動力発生装置の他の例を示す概略構成図である。
 この装置では、基部111上に磁界発生手段である磁石112がマトリクス状に数多く配置され、その上に4つのコイル113を備えたコイル保持部114が移動可能に支持されている。そして、磁石112をマトリクス状に配列した範囲内で、コイル保持部114がある磁石から隣の磁石へと移動するようになっている。つまり、コイル113が電磁力によって移動し、磁界が変化する位置まで移動した時点に合わせてコイル113に流す電流の向きを反転させることで、隣の磁石が発生している磁界によってさらに連続して移動できるようになる。従って、図15に示すように磁石112の配置を磁界が交互に反転するように配列することで、コイル保持部114は2次元的に複数の磁界中を連続的に移動できるようになり、変位を大きくとることができる。
 図16は、本願発明の駆動力発生装置が用いられた情報受感装置の他の例を示す概略構成図である。
 この情報受感装置は、今までに説明した受感部121を複数個備え、複数の指の触覚によって情報を受感させるものであり、各指の先がくる位置に受感部を配置し、それぞれの指に対して触覚情報を再生させるものである。このように複数の受感部121を配置し、指から指へ時間的な遅れを伴って受感部を駆動し、情報を呈示することで、対象物が指の下を通過している感触を再生することができる。また、一回の触覚情報で指先全体に受感させることができるので、より多くの情報を伝達することができる。
 図17は、本願発明に係る駆動力発生装置が用いられた情報伝達システムの概略構成を示すブロック図である。
 この情報伝達システムでは、マイクロ回路化されたCPU202と、OSなどの固定情報を格納したROMや可変情報を格納するRAMに相当する主メモリー203と、フレキシブルディスク装置やハード・ディスク装置、CD−ROM装置、MO装置などからなる外部記憶装置204と、CRTや液晶など画像を表示する画像ディスプレィ205と、入力手段であるキーボード206と、マウス、タッチパッド(フィンガーパッドとも呼ばれる)、トラックボールなどのポインターの移動を行なえるポインティング手段207と、受感部253を備えた情報受感装置208と、ネットワークで外部との通信を行う通信装置209とがバスでつながっている。そして、他の通信装置211やCPU212などを備えた情報伝達システム210と交信可能に構成されている。
 図18は、上記情報伝達システムで用いられる情報受感装置と、表示画面上でポインタを動かすためのポインティング手段とを備える受感操作部の一実施形態を示す概略断面図である。
 図18(a)は、操作前の状態を示すもので、情報受感装置208が、把持部223に取り付けられた支持部材222によって弾性撓みが可能になるように支持されている。情報受感装置208の下部には入力操作スイッチ224と、信号処理回路225とが配置されており、図18(b)に示すように、情報受感装置208を矢印229の方向に押圧することで入力操作スイッチ224をオン・オフし、CPU側にその信号を送出することができる。つまり、クリックボタンとして機能するようになっている。また、座標情報を検知するための検知手段226が机やマウスパッドなどのベース面228に対して回転可能に設けられ、その回転情報を処理回路227によってCPU側に送出する。これによって表示画面上のポインタを動かすことができる。
 したがって、入力操作スイッチ224、信号処理回路225、検知手段226、処理回路227により、図17に示すポインティング手段207が構成されている。本例では、接触回転式の座標入力機構を示したが、光学的にベース面の濃淡を検知して移動量を求める、ベース面と検知手段とが非接触式の光学式マウスでも構わない。
 図18(c)は、操作者が指に対象物に応じた触覚刺激を受感している状態を示している。指が接触している面の面内方向、すなわち、矢印230に示す方向に、対象物に応じてゆっくりした移動から高周波の振動まで、広範囲の擬似的な触覚刺激を与えることができる。また、この状態のままで、図18(b)に示す入力操作を行なうことも可能である。
 図19は、上記情報伝達システムにおける信号の流れを示したブロック図である。以下、信号の流れについてこの図を用いて説明する。
 この情報伝達システムでは、CPU202の中に表示情報処理部248が設定されている。さらに、表示情報処理部248からの表示情報と、表示領域に関する例えば図形枠、レイアウト枠、ウィンドウ境界等の境界情報と、ポインティング手段207からの座標情報とによって、所定の触覚情報を逐次生成する信号生成部247が設定されている。また、その触覚情報信号をうけて、駆動力発生装置252、受感部253等を備えた情報受感装置208に対して駆動すべき変位量や振動周波数、あるいは制御ゲインを演算して駆動信号を作る制御部246が設定されている。ここで、信号はデジタル情報からA/D コンバータ245を介してアナログの電圧情報に変換され、駆動回路243により実際に駆動力発生装置252を駆動する。このとき、触覚情報を呈示する受感部253の変位は位置センサ251によって検出され、制御部246に戻されてフィードバック制御を働かせる。
 ポインティング手段207から得た座標情報はCPU202で表示情報とされ、ポインタの形態で画像ディスプレィ205に表示される。
 このシステムで処理される表示情報は、図19で示すように、通信装置209を経由して外部のコンピュータからも入力することができる。従って、インターネット上で閲覧や入手ができる情報もこのシステムで表示する対象に含まれる。さらに、CD-ROMなどで流通するコンテンツ情報についても外部記憶装置204を利用することで入力できることは言うまでもない。
 図20は、上記触覚による情報伝達システムの使用例を示す概略構成図である。
 このシステムでは、図20(a)に示すように、情報受感装置208を備えた受感操作部242を用いてコンピュータの画像ディスプレィ205に画像出力された対象物262の触覚情報を得るものである。受感操作部242の移動量は公知のマウスの移動量検出と同様の方法で行い、その移動量をディスプレィ205中でポインタ263の移動量として表示する。そして、ポインタ263が対象情報の上を走査する、あるいはなぞる行為により、それと同期して情報受感装置208を駆動し、受感部の動きにより対象物262の粗滑感や凹凸感を再生するものである。この対象物262は特に表面状態に特徴を持つものに限定されるのではなく、文字や記号などのパターンをこの情報受感装置208により指先を誘導することで、なぞるような感覚で認知させることにも使うことができる。
 図20(b)は、画像ディスプレィ205に表示された対象物の触覚情報を再生する例を示したものであり、対象物262として表面上に細かい凸部265が多数配列されている素材を想定している。図20(c)は、その対象物262の部分断面図である。ポインタ263で対象物262の再生表面上をなぞっていくと、凸部265にポインタ263が到達する度に、そこを回避して迂回するようにポインタ263及び受感部が動こうとする。あるいは、ある程度の抵抗を伴って凸部265を乗り越すように抵抗感を受感部に付与することも可能である。この指先の微妙な迂回動作や乗り越し動作を、情報受感装置208の動きにより認識することができる。
 図21は、上記情報伝達システムを用いた操作手順について説明するフローチャート図である。
 このシステムでは、受感操作部242を使用者が掴んで画像ディスプレィ205上に表示された対象物262の上をポインタで移動する操作を例として説明する。図21中の右側は使用者の動作の流れを、左側は情報伝達システムの状態を示している。
 「操作スタート」280は、使用者が受感操作部242を持って作業を開始する段階である。「ポインタの移動」281は、使用者がポインティング手段の移動操作(282)により、画面上で位置を表示するポインタを移動させ、目的の画像部に向かう段階で、この時点では、情報伝達システムの受感部253は動作しない。
 そして「画像面に入れる」283ことによって、ポインタ位置が特定の境界領域に入ったことをコンピュータがポインタの位置座標から認識し、「ポインタの形態変化」284の状態に入る。これはCPU側が触覚刺激を呈示するエリアに入ったことを視覚的に認識できるように通常のマーク(例:矢印)であるポインタの形態を別の形態(例:指の形)に変化させるものである。
 同時に、「画像に対応して情報受感装置が複数方向に変位駆動」285する状態に入り、対象物の凹凸表現画像と対応して受感部253に駆動振動と変位を与える。この駆動状態は、該当する画像領域中をポインタが移動する間は継続する。これにより、使用者は画像情報をポインタでなぞりながら触覚情報を指に受けることができる(286)。そして、使用者がポインティング手段を移動することで画面中のポインタが画像領域外に出ると(287)、この触力覚刺激の呈示は終了する(288)。
 なお、この情報伝達システムと離れた場所にある情報処理装置と通信手段により接続し、同じ触覚情報を複数の場所で呈示させたり、遠くから情報受感装置の動きを通信手段により伝達することで、操作者がその対象物の触覚情報を遠隔地で得ることもできる。
また、受感部を駆動する電源は、接続されたコンピュータ側から供給してもよいが、無線接続する場合には情報受感装置に、例えばバッテリーなどの電源を内蔵したほうがよい。
 図22は、本願発明の駆動力発生装置を用いた情報伝達システムの他の実施例を示すもので、対象情報の粗滑感呈示や硬軟感の呈示とは用途が異なる情報伝達システムである。すなわち、情報受感装置を用いて、指先に文字情報や記号・符号情報を出力しようとするものである。
 この情報伝達システムでは、受感操作部320が情報処理装置319に接続され、情報処理装置には記憶手段として外部記憶装置であるCD-ROMドライブが組み込まれている。触力覚情報信号は、CD-ROM322から情報処理装置319の主記憶装置に読み込まれる。そして、受感操作部320の外面部に指が載置される受感部321があり、ここに指を置き呈示開始ボタン323をONさせると、この受感部321が、予め決められた位置データとその移動時間に基づいて稼動し、出力すべき情報324を動きで操作者の指に伝達する。操作者は、時系列的に指先に再現される触覚情報によって、文字や予め設定しておいた触刺激による符号の認知をすることができる。また、納得いくまで何回でもリピートできるようにすることもできる。
 この場合、特に記憶手段はCD-ROMである必要はなく、磁気ディスク、スマートメディア、磁気カード、あるいは、バーコードなど紙やカードなど各種媒体に印刷された記憶コードから読み取るものであっても構わない。
 さらに、本実施例では、ディスプレィ上の視覚情報と合わせて出力する以外に、ディスプレィが無い状態でも、受感部の稼動は可能であり、視覚に依存しないで各種情報を認知することが可能になる。
 また、触力覚情報信号は通信によって遠隔地から入手することも可能であり、その点で、操作者が別々の場所に2人存在し、お互いの発信した触力覚情報を交信することも出来る。この場合、本情報伝達システムが触覚情報を発信するための入力手段すなわち指先の移動情報を入力する手段を兼ねることが出来るため、例えば、操作者Aが自分の指で受感部を動かし、その移動情報を発信し、それを別の場所で操作者Bが指でその動きを受信することが可能になる。
 図23は、図22に示す情報伝達システムの動作を示す部分拡大図で、アルファベット文字の「A」を指先で認知する場合の動作例である。図23(a)は、受感部321がホームポジション330の時で、これから「A」を書き始める。まず、図23(b)に示すように「A」の頂点に基準点がある位置331に受感部を移動し、ここから図23(c)に示す様に、左側斜線をなぞる位置332に移動する。この様にして全部のなぞり動作が終了したあと、また、ホームポジションに戻り、次の情報についての動作を開始する。この時に、文字として存在する線をなぞる工程と、線から次の線へ移動する工程があるが、これを区別するために、線をなぞる移動速度を両者で変化させたり、文字として存在する線の時には微振動を重畳させるなど触刺激を変化させることで区別は明確となる。
 図24は、本願発明の駆動力発生装置が用いられた情報伝達システムの他の例を示したもので、この情報伝達システム300は、表示手段であるディスプレィ301と情報受感装置302がパソコン本体303に接続されている。情報受感装置302はポインティング手段であるマウス部分304と一体的に構成されている。この情報伝達システムは、触力覚刺激を情報受感装置に呈示するとともに、その触力覚刺激を視覚情報としてグラフィック・ユーザー・インターフェース画面305(以下、省略してGUIと称す)上に表示することができるものである。
 この情報伝達システムは次のように動作する。
 カーソル310がGUI画面中にあり、ある画像情報(この場合アイコン図)の上に重なる時、重なった事を触覚で認知できるように画像情報とカーソル座標の関係から、触力覚信号を駆動信号に変換して情報受感装置302が擬似触覚に相当する駆動をする。
 この場合、アイコンに高さ方向の厚みがあるように指先にはこのアイコンを乗り越えようとする擬似粗滑感を付与することができる。また、アイコンをクリックして場所を移動させようとする場合に、アイコンに慣性感を持たせることも可能で、この慣性感を、例えばファイル容量の大きさと関連つけてその値が可変としても良い。
 同時に、ディスプレィ上301で、状態表示部306を設けることによって発生している触刺激を変位量、速度、加速度又はこれらの関数等として視覚的にも表現する。
 図25は、図24の状態表示部306を拡大したものであり、仮想のアイコン高さに相当する量をバーグラフとして、経時的にバー307の長さが可変になるよう表示する。
 図26は状態表示の他の実施例であり、触覚刺激を出力する画像が仮想的に高さ情報を有しているとしているときに、バーグラフ308として仮想の凹凸量を表現するものである。
 図27も状態表示部の他の実施例である。情報受感装置が発生する駆動力を矢印の形309で表現したもので、それぞれx,y 方向の力の増減によって、矢印の色を変化させる様にした。なお、表示された画面上で触力覚の表示対象物と関係ない位置にカーソルがある時は、上記状態表示部の矢印は変化しない。
 図28は、状態表示部の他の実施例でポインタ(カーソル)の拡大図ある。これは、図24におけるカーソル310自身に状態表示部311を付加したもので、このポインタの中心が触感情報を有する対象物に接近する、重なる、あるいは交差した場合に、感じるべき反力を、周囲に設けた矢印の色の変化として表現する。
 次に、図28の矢印の表示方法を説明する。
 図29は、図28で示した矢印が変化する場合を説明する図である。この図では、表示されている対象物312に対し、右斜め上313からポインタが移動して重なる場合313を示している。この場合、画面水平方向の触刺激と、画面上下方向の触刺激を合成したものになるため、図28に示す様に水平と上下の双方の矢印が彩色される。4 本の矢印の向きは各軸のプラスマイナス方向を示している。
 図30は、情報伝達システムで、インターネットのホームページに関連づけられた触力覚呈示を説明する概略図である。インターネット上では通常ハイパーテキストを用いて、ハイパーリンク(単にリンクとも言う)が関連文書や関連URLに対し設定されている。図中のリストはHTML(Hyper Text Markup Language)ドキュメントである。
 ここで昨今のホームページを観察すると、最近のページは掲載されているテキストや画像情報量が多く、また、リンクを各所に張っているものが多い。そして、テキストが密度濃く掲載されている場合(特に英文のページは文字フォントが小さいものが多い)、視線を移動して文書を読む事は目の疲れやストレスの要因になっていた。特に、特定の言葉、あるいは画像にリンク先があるか否か判別したい場合、カーソルの形状が変化することで初めて認知できるため、特に視線を集中している必要性があった。
 上記情報伝達システムは、この様な従来技術の問題点を解消することができ、図30でリンクが張ってある語句(便宜上、アンダーラインを引いてある)の上にカーソルが来ると、情報受感装置に触刺激を与えるようになっている。。
 図31は、図30の例において触刺激を与える領域を示したものである。リンクが張ってある語句の呈示領域(400)、(401)、(402)に入ると情報受感装置が触刺激を与える。そして、語句によって、例えば、商品情報(401)の場合の触刺激の動かし方と、個人情報や連絡先アドレス(402)にリンクする場合の動かし方に予め差異を付けておく事で、指先で多様な情報判別をすることが可能になる。
 また、上記語句を囲む領域からカーソルが外れそうになる場合に、例えば領域の境界に近づく場合には、情報受感装置の受感部の移動量、あるいは移動速度を変化させることで、リンク情報の存在範囲を分かりやすくユーザーに認知させることができる。その結果、認知効率を向上させるだけでなく、視覚だけに頼らない、ストレスを軽減できる人に優しいインターフェースとして適用できる。
本願発明の一実施形態である駆動力発生装置を用いた情報受感装置を示す概略構成図である。 図1に示す情報受感装置で用いられる駆動力発生装置を示す概略構成図である。 図1に示す情報受感装置で用いられる接触検知センサを示す拡大図である。 図1に示す情報受感装置で用いられる変位検知センサを示す概略構成図である。 図1に示す情報受感装置で用いられる接触検知センサの他の例を示す概略構成図である。 図2に示す駆動力発生装置のコイルに印加する電圧と駆動力との関係を示すグラフである。 図1に示す情報受感装置の受感部で再生する動作の例を示す図である。 図1に示す情報受感装置で形状感を再生する例を示す図である。 図2に示す駆動力発生装置で用いられるコイルの他の例を示す図である。 本願発明に係る駆動力発生装置の他の例を示す概略構成図である。 本願発明に係る駆動力発生装置の他の例を示す概略構成図である。 本願発明に係る駆動力発生装置で用いられる磁石及びコイルの配置例を示す概略構成図である。 本願発明に係る駆動力発生装置で用いられる磁石及びコイルの他の配置例を示す概略図である。 図13に示す磁石及びコイルの配置の変形例を示す概略図である。 本願発明に係る駆動力発生装置の他の例を示す概略構成図である。 本願発明の駆動力発生装置が用いられた情報受感装置の他の例を示す概略構成図である。 本願発明の駆動力発生装置が用いられた情報伝達システムの概略構成を示すブロック図である。 図17に示す情報伝達システムで用いられる受感操作部を示す概略構成図である。 図17に示す情報伝達システムの詳細な構成及び信号の流れを示すブロック図である。 図17に示す情報伝達システムの使用例を示す概略図である。 図20に示す情報伝達システムの動作を示すフローチャート図である。 本願発明の駆動力発生装置が用いられた情報伝達システムの他の例を示す概略構成図である。 図22の情報伝達システムの機能を説明する概略図である。 本願発明の駆動力発生装置が用いられた情報伝達システムの他の例を示す概略構成図である。 図24に示す情報伝達システムの状態指示部を示す概略図である。 状態指示部の別の実施例を示す概略図である。 状態指示部のさらに別の実施例を示す概略図である。 ポインタ部に状態指示部を設けた実施例を示す概略図である。 状態指示部の表示方法を説明する概略構成図である。 情報伝達システムのディスプレイに表示されたインターネットホームページの例を示す概略図である。 図30に示すインターネットホームページの触覚情報呈示領域を表わした概略図である。
符号の説明
  1,41  受感部
  2,42  基部
  3  弾性部材
 10  駆動電源
 11  制御装置
 12,13,14,15,72,73,74,75,82,83  磁石
 16,17,18,19,70,76,77,78,79  コイル
 21,43  受感部の表面層
 22,23  摺動部
 26  感圧部
 27  感圧導電性ゴム
 28,29  導電性プラスチック層
 30,31  変位検知センサ
 32  LED
 33  光
 34  フォトトランジスタ
 44,46  受光素子
 51,52  板
 53  隙間
 54  なぞり波形
 55  不連続点
 86,87,88,89  コイル
101,103,105,107,109  磁石
102,104,106,108,110  コイル
111  基部
112  磁石
113  コイル
114  コイル保持部
121  受感部
222  支持部材
223  把持部
224  入力操作スイッチ
225  信号処理回路
226  検知手段
227  処理回路
228  ベース面
229  押圧方向を示す矢印
230  振動方向を示す矢印
262  対象物
263  ポインタ
265  凸部
300  情報伝達システム
301  ディスプレィ
302  情報受感装置
303  パソコン本体
304  マウス部分
305  グラフィック・ユーザー・インターフェース画面
306  状態表示部
307  バー
308  バーグラフ
309  状態表示部
310  カーソル
311  状態表示部
312  対象物
313  ポインタの移動方向
319  情報処理装置
320  受感操作部
321  受感部
322  CD−ROM
323  呈示開始ボタン
324  出力情報
330  動作部ホームポジション
331  「A」の頂点に基準点が重なる位置
332  「A」の左側斜線をなぞる位置
400  ハイパーテキストの企業情報とのリンクが設定された領域
401  ハイパーテキストの商品情報とのリンクが設定された領域
402  ハイパーテキストの個人情報とのリンクが設定された領域


Claims (6)

  1.  それぞれが互いに直交するX軸、Y軸、Z軸の、Z軸方向に磁束を発生させる磁界発生手段と、
     前記磁界発生手段によって生じる磁束と、巻線の一部が前記X軸方向に横切るように配置された1つ以上のコイルを含む第1のコイル群と、
     前記磁界発生手段によって生じる磁束と、線の一部が前記Y軸方向に横切るように配置された1つ以上のコイルを含む第2のコイル群と、
     前記第1のコイル群と第2のコイル群とに、独立して制御された電流を供給する駆動電源と、
     前記第1のコイル群と第2のコイル群とが固着されたコイル保持部とを有し、 前記磁界発生手段と前記コイル保持部とはX軸方向及びY軸方向に相対移動が可能に支持されていることを特徴とする駆動力発生装置。
  2.  前記第1のコイル群又は前記第2のコイル群は、少なくとも一方が2以上のコイルを有し、
     前記第1のコイル群が有するコイルの少なくとも2つが、X軸方向にコイル中心が異なる位置に設けられるか、又は前記第2のコイル群が有するコイルの少なくとも2つが、Y軸方向にコイル中心が異なる位置に設けられ、
     前記駆動電源は、前記第1のコイル群又は第2のコイル群に含まれる2以上のコイルに異なる電流を供給するものであることを特徴とする請求項1に記載の駆動力発生装置。
  3.  前記磁界発生手段は、磁石を3行以上又は3列以上のマトリクス状に配置し、隣り合う磁石により生成される磁界の方向が互いに逆方向となるように設定したものであり、
     前記コイル群に含まれる一のコイルは、一の磁石による磁界を横切る位置から他の磁石による磁界を横切る位置に連続して移動するものであることを特徴とする請求項1に記載の駆動力発生装置。
  4.  前記第1のコイル群に含まれるコイルと第2のコイル群に含まれるコイルとが、単一の磁界発生手段によって発生される一方向の磁束を横切るように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動力発生装置。
  5.  指先が載置され、該指先の接触面とほぼ平行な方向への移動が可能に支持された受感部に、前記磁界発生手段もしくはコイル群のいずれか一方が固定され、
     該コイル群には、前記受感部の変位方向を示す情報を含む動作信号に基づいて、電流が供給されることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の駆動力発生装置。
  6.  前記コイル群又は磁界発生手段のいずれか一方は、操作者の指先が載置される受感部に固定され、他方は、前記受感部に載置される指を含む側の手で把持され、平面上を移動可能な基部に固定されており、
     前記受感部を該基部に対して移動するものであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4に記載の駆動力発生装置。
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