JP2004118731A - 画像認識装置、画像認識方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム - Google Patents

画像認識装置、画像認識方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像集合の特徴を学習してそれらの特徴を効率良く表現した知識を利用することで、本人画像と他人画像の識別を効率的に行って認識率を高めることができる画像認識装置、画像認識方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供すること。
【解決手段】顔画像学習部53で、顔画像集合内の画像の本人差変動を除去し他人差変動を強調した特徴ベクトルの部分空間を作成して顔画像の特徴を学習し、登録画像サンプル点検出部55と入力画像サンプル点検出部56で、登録画像と入力画像の対応するサンプル点を部分空間を用いて検出し、類似度算出部57で部分空間上での入力画像と登録画像の特徴ベクトルの類似度を算出し、照合判定部58で入力画像と登録画像を照合し本人確認を行う。
【選択図】   図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、顔や掌紋など本人の身体の所定の部位を取り込んだ入力画像と前記部位に関する本人および他人の複数の登録画像の間で、サンプル点における局所的な特徴を比較することによって画像を照合し本人確認を行う画像認識装置、画像認識方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関し、特に、本人画像と他人画像の識別を効率的に行って認識率を高めることができる画像認識装置、画像認識方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、入場管理やコンピュータへのアクセス等に係るセキュリティシステムにおいて個人の身体的特徴を利用して本人と他人を識別する技術が利用されているが、顔や掌紋等をCCD(Charge Coupled Device)カメラ等で撮影して入力画像とし、その入力画像と予め登録してある顔や掌紋等の登録画像とを照合し本人確認をする方法においては、顔の表情や掌の開き加減あるいは撮影角度等の相違の影響により、単に入力画像と複数の登録画像を重ね合わせて一致の度合いを比較するだけでは高い識別能力を発揮することができない。
【0003】
入力画像と登録画像を照合して本人確認を行う画像認識法としては、画像集合中の各画像の大きさを正規化して正規化画像の各画素の濃淡値からなる特徴ベクトルの部分空間を主成分分析により生成し、入力画像と登録画像の特徴ベクトルを部分空間上に射影して類似度を計算し照合判定する固有顔(Eigenface)法が一般的に知られている。
【0004】
この従来技術によれば、入力顔画像と登録顔画像の照合は入力画像と登録画像との間での固定された各画素を基準として行われるため、顔の表情や撮影角度等の相違が存在して入力顔画像と登録顔画像の間で画像のゆがみやずれ等が生じた場合に、本人と他人の識別能力が低下するという問題がある。
【0005】
このため、顔の登録画像上の目鼻口等の顔の目印となる部分にサンプル点を指定し、それらサンプル点に対応する入力画像上のサンプル点の位置を両画像の類似度を計算することによって求め、求められたサンプル点間においてそれら両画像の局所的な特徴を比較する技術が開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
【0006】
すなわち、この従来技術では、顔の表情あるいは撮影角度等の相違によって登録画像と入力画像の間でゆがみやずれ等が生じた場合でも、類似度を計算することにより登録画像上のサンプル点に対応する入力画像上のサンプル点を検出することができるので、上記の問題点が緩和され、本人と他人との識別能力を高めることができる。
【0007】
【非特許文献1】
エル・ウィスコット(L. Wiskott),外3名,「フェイス・レコグニション・バイ・エラスティック・バンチ・グラフ・マッチング(Face Recognition by Elastic Bunch Graph Matching)」,アイトリプルイー・トランザクションズ・オン・パターン・アナリシス・アンド・マシーン・インテリジェンス(IEEE Transactions On Pattern Analysis And Machine Intelligence),1997年,第19巻,第7号,p.775−779
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来技術(例えば、非特許文献1参照。)を用いた場合、対応するサンプル点において入力画像と複数の登録画像の間での照合を行うため、予めすべての登録画像に対してサンプル点を指定しておく必要があり、登録画像の数が増加するほどサンプル点の指定作業に負担がかかり、また、各登録画像のサンプル点を記憶するための記憶容量が増加するという問題がある。
【0009】
また、照合に使用される顔や掌紋等の登録画像と入力画像には万人に共通する特徴も含まれているので、個人の特徴が明瞭に検知されにくく、識別能力の向上が困難であるという問題がある。
【0010】
更に、顔の表情や掌の開き加減、撮影角度等の相違によって生じる登録画像に対する入力画像のゆがみやずれ等にある程度対処することができるものの、同一人物の画像の変動を軽減し、他人の画像との相違を強調するような処理は行わないため、識別能力のさらなる向上は困難であるという問題がある。
【0011】
本発明は、上記問題(課題)に鑑みてなされたものであって、各登録画像上におけるサンプル点の設定作業の負担を軽減し、また、画像集合の特徴を学習してそれらの特徴を効率良く表現した知識を利用することで、本人の画像と他人の画像の識別を効率的に行って認識率を高めることができる画像認識装置、画像認識方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明に係る画像認識装置は、本人の身体の所定の部位を取り込んだ入力画像と前記部位に関する本人および他人の複数の登録画像との間で、サンプル点における局所的な特徴を比較することによって画像を照合し本人確認を行う画像認識装置において、前記部位に関する画像集合内の複数の画像から平均画像を作成する平均画像作成手段と、前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する前記画像集合内の各画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成する部分空間作成手段と、前記平均画像上のサンプル点に対応する前記登録画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する登録画像サンプル点検出手段と、前記登録画像上のサンプル点に対応する前記入力画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する入力画像サンプル点検出手段と、前記登録画像サンプル点検出手段により検出された前記登録画像上のサンプル点における特徴ベクトルと前記入力画像サンプル点検出手段により検出された前記入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルとの前記部分空間内での類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行う照合判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項2の発明に係る画像認識装置は、請求項1に係る発明において、前記部分空間作成手段は、前記画像集合内の画像における特徴ベクトルと前記平均画像における特徴ベクトルとの相関を用いて前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像集合内の画像上のサンプル点を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段により検出された前記画像集合内の画像上のサンプル点における特徴ベクトルを用いて暫定的な特徴ベクトルの部分空間を作成する暫定部分空間作成手段と、前記画像集合内の画像における特徴ベクトルの前記部分空間への距離に基づいて前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像集合内の画像上のサンプル点を検出する第2の検出手段と、前記第2の検出手段により検出された前記画像集合内の画像上のサンプル点における特徴ベクトルを用いて前記暫定部分空間作成手段により作成された前記部分空間を修正する部分空間修正手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項3の発明に係る画像認識装置は、請求項2に係る発明において、前記暫定部分空間作成手段は、前記画像集合から本人の画像ペアを用意して、前記第1の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて本人差部分空間を算出する第1の本人差部分空間算出手段と、前記画像集合から他人の画像ペアを用意して、前記第1の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて他人差部分空間を算出する第1の他人差部分空間算出手段と、前記本人差部分空間の補空間と前記他人差部分空間との交わり部を算出して該交わり部を部分空間とする第1の認識部分空間作成手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項4の発明に係る画像認識装置は、請求項2に係る発明において、前記部分空間修正手段は、前記画像集合から本人の画像ペアを用意して、前記第2の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて本人差部分空間を算出する第2の本人差部分空間算出手段と、前記画像集合から他人の画像ペアを用意して、前記第2の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて他人差部分空間を算出する第2の他人差部分空間算出手段と、前記本人差部分空間の補空間と前記他人差部分空間との交わり部を算出して該交わり部を部分空間とする第2の認識部分空間作成手段と、前記第2の認識部分空間作成手段で作成された該部分空間が収束するまで前記第2の検出手段と前記第2の本人差部分空間算出手段と前記第2の他人差部分空間算出手段と前記第2の認識部分空間作成手段とを繰り返し用いることにより前記部分空間を更新する認識部分空間更新手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項5の発明に係る画像認識装置は、請求項1〜4のいずれか一つに係る発明において、前記登録画像サンプル点検出手段は、前記平均画像上のサンプル点に対応する該登録画像上のサンプル点を該登録画像における特徴ベクトルと前記部分空間との距離に基づいて検出することを特徴とする。
【0017】
また、請求項6の発明に係る画像認識装置は、請求項1〜5のいずれか一つに係る発明において、前記入力画像サンプル点検出手段は、前記登録画像上のサンプル点に対応する該入力画像上のサンプル点を該入力画像における特徴ベクトルと前記登録画像における特徴ベクトルの前記部分空間内での相関に基づいて検出することを特徴とする。
【0018】
また、請求項7の発明に係る画像認識装置は、請求項1〜6のいずれか一つに係る発明において、前記照合判定手段は、前記登録画像上と前記入力画像上の対応する前記サンプル点における特徴ベクトルの前記部分空間内での相関に基づいて類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項8の発明に係る画像認識方法は、本人の身体の所定の部位を取り込んだ入力画像と前記部位に関する本人および他人の複数の登録画像との間で、サンプル点における局所的な特徴を比較することによって画像を照合し本人確認を行う画像認識方法において、前記部位に関する画像集合内の複数の画像から平均画像を作成する平均画像作成工程と、前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する前記画像集合内の各画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成する部分空間作成工程と、前記平均画像上のサンプル点に対応する前記登録画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する登録画像サンプル点検出工程と、前記登録画像上のサンプル点に対応する前記入力画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する入力画像サンプル点検出工程と、前記登録画像サンプル点検出工程により検出された前記登録画像上のサンプル点における特徴ベクトルと前記入力画像サンプル点検出工程により検出された前記入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルとの前記部分空間内での類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行う照合判定工程と、を含んだことを特徴とする。
【0020】
また、請求項9の発明に係るプログラムは、本人の身体の所定の部位を取り込んだ入力画像と前記部位に関する本人および他人の複数の登録画像との間で、サンプル点における局所的な特徴を比較することによって画像を照合し本人確認を行う画像認識方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記部位に関する画像集合内の複数の画像から平均画像を作成する平均画像作成工程と、前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する前記画像集合内の各画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成する部分空間作成工程と、前記平均画像上のサンプル点に対応する前記登録画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する登録画像サンプル点検出工程と、前記登録画像上のサンプル点に対応する前記入力画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する入力画像サンプル点検出工程と、前記登録画像サンプル点検出工程により検出された前記登録画像上のサンプル点における特徴ベクトルと前記入力画像サンプル点検出工程により検出された前記入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルとの前記部分空間内での類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行う照合判定工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る画像認識装置、画像認識方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。なお以下では、顔画像を用いた顔画像認識の場合について説明する。
【0022】
まず、本実施の形態に係る画像認識処理の概念について説明する。図1は、本実施の形態に係る画像認識処理の概念を説明するための説明図である。
【0023】
図1に示すように、本実施の形態に係る顔画像認識処理は、オフラインでの学習時処理と照合時処理の2つの大きな処理からなり、学習時処理で顔画像の特徴を学習した知識13を利用して照合処理を行うよう構成されている。
【0024】
まず、オフラインでの学習時処理の処理手順を説明する。最初に、顔画像集合10内の各画像に対し、両目、鼻、口の位置を指定する。ただし、ここでは最低限両目の位置を指定すればよい。そして、各顔画像の両目、鼻、口の位置が重なるように正規化し、各画素の濃淡値を平均して平均顔画像11を作成する。
【0025】
ここで、「画像集合」とは、複数の人物における身体の所定の部位に関する画像の集まりであり、またある特定の人物に関しても顔の表情や掌の開き加減、撮影角度等の相違によって異なる複数の本人画像を含むものである。この画像集合は登録画像の集合と同一である必要はない。
【0026】
次に、作成された平均顔画像11上に任意の数のサンプル点を指定する。図1では、平均顔画像11上に100個のサンプル点を指定した平均顔画像の例12が示されている。そして、平均顔画像11の特徴ベクトルと顔画像集合10内の各画像の特徴ベクトルの相関を用いて、平均顔画像11上のサンプル点に対応する顔画像集合10内の各画像上のサンプル点を検出する。そして、検出されたサンプル点上で、顔画像集合10内の各画像における特徴ベクトルの部分空間を主成分分析の手法を用いて作成する。この部分空間は暫定的なもので、後に修正される。
【0027】
ここで、「特徴ベクトル」とは、サンプル点周辺における局所的な領域での画素の濃淡値やその濃淡値の変化率等の特徴量の集まりを一つのベクトルとして表したものであり、それらの特徴量を各々有する複数の画素の集まりからなるデジタル顔画像が与えられれば容易に作成することができる。
【0028】
ここで、本実施の形態で用いられる部分空間の概念について説明する。図2は、本実施の形態に係る部分空間の概念を説明するための説明図である。特徴ベクトル空間20内において、本人の変動部分空間22は顔の表情や撮影角度等の相違によって異なる複数の本人画像ペアの特徴ベクトルの差から構成され、他人の変動部分空間21は本人と他人との画像ペアの特徴ベクトルの差から構成される。目的とする部分空間23は本人の変動部分空間22の補空間と他人の変動部分空間21の交わりより導くことができる。以降、このようにして構成された部分空間を「認識部分空間」と呼ぶ。
【0029】
図1の説明に戻ると、顔画像集合10内の画像を用いて作成された特徴ベクトルの暫定的な認識部分空間23は、顔画像集合10内の各画像における特徴ベクトルの認識部分空間23への距離に基づいて修正される。
【0030】
具体的には、顔画像集合10内の各画像における特徴ベクトルの認識部分空間23への距離を計算し、その距離が小さくなるような各画像上のサンプル点を検出する。サンプル点が検出されたらそのサンプル点の各画像における特徴ベクトルを基にして新しい認識部分空間23を作成し、作成された認識部分空間23が収束するまで、特徴ベクトルの認識部分空間23への距離に基づいたサンプル点検出処理と、顔画像集合10内の各画像のサンプル点における特徴ベクトルを基にした部分空間作成処理とを繰り返し、認識部分空間23の修正を行う。得られた認識部分空間23は、顔画像の特徴を学習した知識13として画像照合時に利用される。
【0031】
ここで、本実施の形態で用いられる、特徴ベクトルの認識部分空間23への距離を用いた画像のサンプル点の検出の概念について説明する。図3は、本実施の形態に係る特徴ベクトルの認識部分空間23への距離を用いた顔画像上のサンプル点検出の概念を説明する説明図である。
【0032】
図3において、顔画像の特徴ベクトル30の認識部分空間23への距離31は、その値が小さいほど認識部分空間23内に抽出された顔の特徴に対応する特徴がその顔画像上に良く現れていることを意味する。すなわち、この距離が小さくなるようにサンプル点を選ぶことにより、平均顔画像11上のサンプル点に対応したサンプル点をその画像上に設定することができる。
【0033】
図1の説明に戻り、次に、照合時処理の処理手順を説明する。まず、登録画像14における特徴ベクトルの認識部分空間23への距離を計算し、その距離が小さくなるような登録画像上のサンプル点を検出する。図1には、登録画像14上にサンプル点を検出した登録画像の例15が示されている。
【0034】
入力画像16と照合するための登録画像14を複数の登録画像の集合内から選択する方法には、その複数の登録画像の集合内から登録画像14を次々に選択する方法や、本人によって入力されたID番号等で関連付けられた登録画像14を特定して選択する方法等がある。
【0035】
ここで、「登録画像」とは、濃淡値を各々有する複数の画素の集まりからなるデジタル顔画像と、そのデジタル顔画像の複数の画素において、画素の周辺における局所的な領域で作成された特徴ベクトルからなる特徴ベクトル情報とを指している。但し、登録画像に特徴ベクトル情報を少なくとも含んでいれば、顔画像の照合時処理を行うことができる。
【0036】
また、入力画像16に関しては、登録画像14上の検出されたサンプル点に対応するサンプル点を、認識部分空間23内における入力画像16と登録画像14の特徴ベクトルの相関を用いて検出する。図1には、入力画像16上にサンプル点を検出した入力画像の例17が示されている。
【0037】
図4は、本実施の形態に係る入力画像16上のサンプル点検出の概念を説明する説明図である。図4に示されるように、入力画像16の特徴ベクトルと登録画像14の特徴ベクトルを認識部分空間23上へ射影し、射影された入力画像の特徴ベクトル40と射影された登録画像の特徴ベクトル41間の相関値を、射影された両特徴ベクトル間のなす角θの余弦、すなわちcos θで算出する。この値が大きいほど、そのサンプル点における両画像の特徴が類似していることを意味する。
【0038】
図1の説明に戻って、登録画像14と入力画像16上の対応するサンプル点が検出されたら、次に、そのサンプル点において認識部分空間23内へ射影された登録画像14の特徴ベクトルと入力画像16の特徴ベクトルを用いて両特徴ベクトルの相関値を認識部分空間23内で算出する。この処理をすべてのサンプル点に対して行う。そして、その入力画像16と登録画像14の画像ペアに対する相関値の平均値を算出し、類似度とする。図1において、平均顔画像11上に100個のサンプル点を設定した例12では、100個の相関値の平均値(類似度)を算出する。そして、その類似度に基づいて本人と他人の識別判定を行う。
【0039】
次に、本実施の形態に係る顔画像認識装置の構成について説明する。図5は本実施の形態に係る顔画像認識装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0040】
図5に示すように、本実施の形態に係る顔画像認識装置50は、顔画像入力受付部51と、正規化処理部52と、顔画像学習部53と、登録画像記憶部54と、登録画像サンプル点検出部55と、入力画像サンプル点検出部56と、類似度算出部57と、照合判定部58とを備えている。
【0041】
顔画像入力受付部51は、学習用の顔画像集合、入力顔画像、登録用顔画像を装置内に取り込むための受付部であり、受け付けた画像を正規化処理部52に出力する。
【0042】
正規化処理部52は、顔画像入力受付部51から画像を取得し、画像に正規化処理をして各画像の顔のサイズを整合させ、受け取った画像が学習用の顔画像集合の画像であれば顔画像学習部53へ、登録用顔画像であれば登録画像記憶部54へ、入力顔画像であれば入力画像サンプル点検出部56へ正規化した画像を出力する。
【0043】
顔画像学習部53は、正規化された顔画像集合を正規化処理部52から取得し、その顔画像集合10を用いて平均顔画像11を作成し、その平均顔画像11を用いて特徴ベクトルの認識部分空間23を作成する。
【0044】
登録画像記憶部54は、顔画像入力受付部51に登録用顔画像が受け付けられたときに、正規化処理部52によって正規化された登録用画像14を取得して記憶する。
【0045】
登録画像サンプル点検出部55は、登録画像14と入力画像16との間で照合判定が行われる際に、顔画像学習部53から認識部分空間23を読み込み、登録画像記憶部54から登録画像14を読み込んで、登録画像14における特徴ベクトルの認識部分空間23への距離を用いて登録画像14上のサンプル点を検出する。
【0046】
入力画像サンプル点検出部56は、登録画像14と入力画像16との間で照合判定が行われる際に、顔画像学習部53から認識部分空間23を読み込み、正規化処理部52から入力画像16を読み込み、登録画像サンプル点検出部55から登録画像14と登録画像14上のサンプル点情報を読み込み、登録画像14と入力画像16との特徴ベクトルの認識部分空間23内での相関を計算して入力画像16上のサンプル点を検出する。
【0047】
類似度算出部57は、登録画像14と入力画像16のサンプル点情報と、入力画像サンプル点検出部56で計算された各サンプル点における登録画像14と入力画像16の特徴ベクトルの認識部分空間23内での相関値データを読み込み、登録画像14と入力画像16の間の類似度を算出する。
【0048】
照合判定部58は、類似度算出部57で得られた登録画像14と入力画像16の類似度を読み込み、その類似度に基づいて登録画像14と入力画像16との照合判定を行い、照合結果を出力する。
【0049】
以降、図1に示された、本実施の形態に係る画像認識処理をさらに具体的に説明する。図6は、本実施の形態に係る顔画像データを正規化する正規化処理のフローチャートである。この処理は正規化処理部52によって行われる。なお、ここでは顔画像入力受付部51が受け付けた画像が学習用の顔画像集合であった場合を示してある。
【0050】
まず、平均顔画像11を仮に設けその画像上に仮の両目位置を設定する(ステップS601)。次に、顔画像受付部51を通じて顔画像集合10内の顔画像データを読み出し(ステップS602)、読み出した各顔画像データの両目、鼻、口の位置を指定する(ステップS603)。ただし、ここでは最低限両目の位置を指定すればよい。
【0051】
両目、鼻、口の位置が指定された後、各顔画像データの両目位置が平均顔画像11の両目位置に重なるようにアフィン変換を行い(ステップS604)、アフィン変換後の各顔画像データの両目、鼻、口の正規位置を算出する(ステップS605)。そして、算出された両目、鼻、口の正規位置の平均値を算出し(ステップS606)、平均顔画像11の両目、鼻、口の位置を設定する(ステップS607)。
【0052】
平均顔画像11の両目、鼻、口の位置が設定されたら、各顔画像データの両目、鼻、口の位置が平均顔画像11の両目、鼻、口の位置に重なるようにアフィン変換を行い(ステップS608)、画像集合10内の各顔画像の正規化画像を作成する(ステップS609)。
【0053】
なお、ここでは顔画像入力受付部51が受け付けた画像が学習用の顔画像集合10であった場合を示したが、学習時処理が終了して、受け付けた画像が入力顔画像あるいは登録用顔画像であった場合には、すでに平均顔画像11の両目、鼻、口の位置が学習時において設定されているので、顔画像データを読み出し(ステップS602)、読み出した顔画像データの両目、鼻、口の位置を指定し(ステップS603)、顔画像データの両目、鼻、口の位置が平均顔画像11の両目、鼻、口の位置に重なるようアフィン変換を行い(ステップS608)、読み込んだ画像の正規化画像を作成する(ステップS609)処理を行うだけでよい。
【0054】
次に、顔画像学習部53において顔画像集合10から特徴ベクトルの認識部分空間23を作成する処理について説明する。図7は、本実施の形態に係る顔画像集合10から特徴ベクトルの認識部分空間23を作成する認識部分空間作成処理のフローチャートである。
【0055】
まず、学習用の顔画像集合10からN個の顔画像データを読み込む(ステップS701)。読み込まれたN個の顔画像データの対応する各画素の濃淡値の平均を算出し(ステップS702)、平均顔画像11を作成する(ステップS703)。そして、作成された平均顔画像11上にM個のサンプル点を設定する(ステップS704)。
【0056】
同様に、N個の顔画像集合10内の各顔画像データ上にも平均顔画像11上のサンプル点に対応するM個のサンプル点を設定し(ステップS705)、対応するM個のサンプル点上で平均顔画像11とN個の各顔画像データの特徴ベクトル間の相関を計算する(ステップS706)。この特徴ベクトル間の相関がある閾値よりも大きいかどうかを調べ(ステップS707)、相関が大きい場合は、N個の各顔画像データ上に平均顔画像11のM個のサンプル点に対応するサンプル点を確定する(ステップS708)。相関が小さい場合は、N個の各顔画像データ上にM個のサンプル点を設定し直し(ステップS705)、相関が大きくなるサンプル点が見つかるまでこれらの処理(ステップS705〜ステップS707)を繰り返す。
【0057】
そして、N個の各顔画像データ上に平均顔画像11のM個のサンプル点に対応するサンプル点を確定(ステップS708)した後、N個の各顔画像データ上の各々M個のサンプル点における特徴ベクトルの認識部分空間23をM個作成する(ステップS709)。
【0058】
次に、図7の認識部分空間23を作成する処理(ステップS709)において、サンプル点での認識部分空間23を作成する具体的な作成処理について説明する。図8は、本実施の形態に係るサンプル点での認識部分空間23を作成する認識部分空間作成処理のフローチャートである。
【0059】
まず、N個の学習用の顔画像集合10内の顔画像データからNs組の本人画像のデータペアを選択する(ステップS801)。本人画像のデータペアとは、顔の表情や撮影角度等の相違によって異なる複数の本人画像からなるものである。そして、データペアの対応するサンプル点における特徴ベクトルの差分を計算し(ステップS802)、それを基にして本人差部分空間Ssを算出する(ステップS803)。
【0060】
次に、N個の学習用の顔画像集合10内の顔画像データからNо組の他人の画像のデータペアを選択し(ステップS804)、データペアの対応するサンプル点における特徴ベクトルの差分を計算し(ステップS805)、それを基にして他人差部分空間Sоを算出する(ステップS806)。
【0061】
本人差部分空間Ssと他人差部分空間Sоが算出されたら、本人差部分空間Ssの補空間Ssと他人差部分空間Sоとの交わりS、すなわち
S = So ∩ Ss
を算出し、これを認識部分空間23とする(ステップS807)。
【0062】
次に、図8の本人差部分空間Ssおよび他人差部分空間Sоを作成する処理(ステップS803、ステップS806)において、サンプル点での特徴ベクトルを基にして部分空間を作成する具体的な処理について説明する。図9は、本実施の形態に係る特徴ベクトルを基にして部分空間を作成する部分空間作成処理のフローチャートである。
【0063】
まず、R次元のN個の特徴ベクトルXi(1≦i≦N)を入力する(ステップS901)。そして、R行R列の相関行列Mを
M(k,l) = 1/N Σ Xi(k)Xi(l)
の算定式を用いて算出する(ステップS902)。ここで、1≦k,l≦Rである。
【0064】
相関行列Mが得られたらそれを用いてR個の固有値を計算し(ステップS903)、大きいほうからr個(r≦R)の固有値を抽出して(ステップS904)、r個の固有値に対応する固有ベクトルが張る空間を算出し、r次元の部分空間を求める(ステップS905)。これは数学的には主成分分析という統計的手法と同一である。
【0065】
次に、図8の本人差部分空間Ssの補空間Ssと他人差部分空間Soとの交わりを算出することによって認識部分空間23を作成する処理(ステップS807)において、本人差部分空間Ssと他人差部分空間Soから認識部分空間23を算出する具体的な処理について説明する。図10は、本実施の形態に係る認識部分空間23を算出する認識部分空間算出処理のフローチャートである。
【0066】
まず、本人差部分空間Ssの射影行列Psを算出し(ステップS1001)、次に他人差部分空間Soの射影行列Poを算出する(ステップS1002)。そして、定数α(0≦α≦1)を設定し、式
P  = α Pо + (1 − α)(I − Ps)
により、行列Pを算出する(ステップS1003)。ここで、Iは単位行列である。αは他人差部分空間と本人差部分空間の補集合との重みを調整するパラメータであり、任意に指定できる。以下、この行列Pを混合行列と呼ぶこととする。
【0067】
そして、混合行列の固有値を算出し(ステップS1004)、その固有値に対する閾値を設定する(ステップS1005)。混合行列の固有値の取りうる範囲は0以上1以下であり、閾値は1に近く、1以下の値に設定する。そして、閾値以上の固有値を抽出してその固有値に対する固有ベクトルが張る空間を算出し、認識部分空間23とする(ステップS1006)。
【0068】
次に、顔画像学習部53において、図7で示された処理により作成された認識部分空間23を、学習用の顔画像集合10を用いて修正しながら顔の特徴を学習する具体的な処理について説明する。図11は、本実施の形態に係る顔画像集合10から特徴ベクトルの認識部分空間23を修正する認識部分空間修正処理のフローチャートである。
【0069】
まず、認識部分空間23の収束計算の最大反復回数を設定し(ステップS1101)、学習用の顔画像集合10内のN個の各顔画像上に平均顔画像11上のM個のサンプル点に対応するM個のサンプル点を設定する(ステップS1102)。そして、N個の各顔画像におけるM個の特徴ベクトルの対応するM個の認識部分空間23への距離を計算する(ステップS1103)。
【0070】
そして、この認識部分空間23への距離がある閾値よりも小さいかどうかを調べ(ステップS1104)、距離が小さい場合は、N個の各顔画像データ上に平均顔画像11上のM個のサンプル点に対応するサンプル点を確定する(ステップS1105)。距離が大きい場合は、N個の各顔画像データ上にM個のサンプル点を設定し直し(ステップS1102)、距離が小さくなるサンプル点が見つかるまでこれらの処理(ステップS1102〜ステップS1104)を繰り返す。
【0071】
N個の各顔画像データ上に平均顔画像11上のM個のサンプル点に対応するサンプル点が確定(ステップS1105)されたら、N個の各顔画像データ上の各々M個のサンプル点における特徴ベクトルの認識部分空間23をM個作成する(ステップS1106)。そして、この認識部分空間23が収束したかどうかを調べ(ステップS1107)、収束した場合は学習が終了したとして認識部分空間23の修正処理を終える。収束しなかった場合には、次に、収束計算の反復回数が設定した最大反復回数より小さいかどうかを調べ(ステップS1108)、小さくない場合には認識部分空間23の修正処理を終え、小さい場合には、N個の各顔画像データ上にM個のサンプル点を設定し直して(ステップS1102)、認識部分空間23が収束するまでこれらの処理(ステップS1102〜ステップS1108)を繰り返す。
【0072】
次に、図11に示された、認識部分空間23が収束したかどうかを調べる処理(ステップS1107)の具体的な手順について説明する。図12は、本実施の形態に係る認識部分空間23の収束を判定する認識部分空間収束判定処理のフローチャートである。
【0073】
まず、修正前後の2つの認識部分空間23に対する正準角の閾値を設定し(ステップS1201)、その正準角を算出する(ステップS1202)。そして、複数の正準角の内、最小の正準角が閾値よりも小さいかどうかを調べ(ステップS1203)、小さい場合は認識部分空間23が収束したと判定し(ステップS1204)、小さくない場合は認識部分空間23が未収束と判定する(ステップS1205)。
【0074】
次に、登録画像14と入力画像16を照合して本人確認を行う照合判定処理の処理手順を説明する。図13は、本実施の形態に係る照合判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
まず、登録画像サンプル点検出部55は、登録画像記憶部54に記憶されている登録画像14と顔画像学習部53により作成された認識部分空間23のデータを読み込み、登録画像14上に平均顔画像11上のサンプル点に対応するM個のサンプル点を設定する(ステップS1301)。そして、対応する各サンプル点上で登録画像14の特徴ベクトルの認識部分空間23への距離を算出する(ステップS1302)。この距離の概念は、図3において既に説明したものである。
【0076】
その後、この認識部分空間23への距離がある閾値よりも小さいかどうかを調べ(ステップS1303)、距離が小さい場合は、N個の各顔画像データ上に平均顔画像11のM個のサンプル点に対応するサンプル点を確定する(ステップS1304)。距離が小さくない場合には、N個の各顔画像データ上にM個のサンプル点を設定し直し(ステップS1301)、距離が小さくなるサンプル点が見つかるまでこれらの処理(ステップS1301〜ステップS1303)を繰り返す。これらの処理(ステップS1301〜ステップS1304)は、登録画像サンプル点検出部55にて行われる。
【0077】
次に、入力画像サンプル点検出部56は、正規化処理部52より正規化された入力画像16と、顔画像学習部53より作成された認識部分空間データ23と、登録画像サンプル点検出部55より検出されたサンプル点データと正規化された登録画像14とをそれぞれ読み込み、入力画像16上に登録画像14上のサンプル点に対応するM個のサンプル点を設定する(ステップS1305)。そして、対応するサンプル点上で登録画像14と入力画像16の特徴ベクトルの各認識部分空間23内での相関を算出する(ステップS1306)。
【0078】
その後、この登録画像14と入力画像16の特徴ベクトルの認識部分空間23内での相関がある閾値よりも大きいかどうかを調べ(ステップS1307)、相関が大きい場合は、入力画像16上に登録画像14上のM個のサンプル点に対応するサンプル点を確定する(ステップS1308)。相関が小さい場合は、入力画像16上にM個のサンプル点を設定し直し(ステップS1305)、相関が閾値よりも大きくなるサンプル点が見つかるまでこれらの処理(ステップS1305〜ステップS1307)を繰り返す。これらの処理(ステップS1305〜ステップS1308)は、入力画像サンプル点検出部56にて行われる。
【0079】
この認識部分空間23内での相関の概念は、図4において既に説明したものであり、具体的には、認識部分空間23上に射影された登録画像14と入力画像16の両特徴ベクトル間のなす角θの余弦、すなわちcos θで表される。
【0080】
登録画像14と入力画像16の対応するサンプル点が確定されると(ステップS1308)、類似度算出部57は、その確定されたサンプル点間における登録画像14と入力画像16の相関値データを入力画像サンプル点検出部56から読み込み、登録画像14と入力画像16間の類似度を各サンプル点における相関値の平均値を求めることにより算出する(ステップS1309)。そして、照合判定部58は、この類似度の大小に基づいて登録画像14と入力画像16の照合判定を行い(ステップS1310)、登録画像14に対応する本人であるかどうかの判定結果を出力する(ステップS1311)。
【0081】
次に、本実施の形態に係る顔画像認識装置のハードウェア構成について説明する。図14は本実施の形態に係る顔画像認識装置のシステム構成を示すブロック図である。
【0082】
図14に示すように、この顔画像認識装置50は、インターフェース部64と、演算制御部65と、主記憶部66と、補助記憶部67とからなり、入力装置68と、表示装置69とが接続されている、コンピュータを利用したスタンドアローン型における構成である。
【0083】
また、この顔画像認識装置50には、入力画像を取り込むためのCCDカメラ60がインターフェース64を介して接続されており、CCDカメラ60は画像入力部61と、画像メモリ62と、インターフェース部63で構成されている。
【0084】
まず、CCDカメラ60の構成について具体的に説明する。画像入力部61は、被写体である顔からの光をレンズで集光し、CCD(Charge Coupled Device)を使用して顔画像を電気信号に変換し、ディジタルデータに変換して顔画像データを画像メモリ62に記録する。
【0085】
画像メモリ62は画像入力部61のバッファメモリとして利用され、顔画像認識装置50が顔画像の入力を受け付けることができない場合に、顔画像データを一時的に記憶する。顔画像認識装置50が入力画像の受け付け可能な状態となれば、インターフェース部63を通じて顔画像データが顔画像認識装置50に出力される。
【0086】
次に、顔画像認識装置50の構成について具体的に説明する。インターフェース部64は、演算制御部65の制御のもと、CCDカメラ60からの入力画像の受け付けを行い、また入力装置68からのデータの受け付け、表示装置69へのデータの受け渡しを行う。
【0087】
入力装置68は、キーボード、マウス、タッチパネル等で構成され、顔画像認識プログラム実行時には、顔画像に対し両目、鼻、口の位置を指定する際(ステップS603)や作成された平均顔上にサンプル点を指定する際(ステップS704)等に用いられる。
【0088】
表示装置69は、ディスプレイモニタであり、顔画像認識プログラムを実行時には、平均顔画像11上のサンプル点の表示、登録画像14上のサンプル点の表示、入力画像16上のサンプル点の表示、あるいは照合判定結果の表示(ステップS1311)等に用いられる。
【0089】
補助記憶部67は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置(FDD)、ハードディスクドライブ装置(HDD)、CD−ROM、CD−R、CD−RW等からデータを読み込むことができるCDドライブ装置、DVD−ROM、DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM等からデータを読み込むことができるDVDドライブ装置等である。
【0090】
本実施の形態の顔画像認識装置50で実行される顔画像認識プログラムは、FD、CD−ROMまたはDVD−ROM等に実行可能な形式のファイルで記録されて提供される。そして、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置、CDドライブ装置またはDVDドライブ等によって読み出されて実行される。
【0091】
また、学習用の顔画像集合10内の顔画像データおよび登録用の顔画像データもFD、CD−ROMまたはDVD−ROM等により提供され、フロッピー(登録商標)ディスクドライブ装置、CDドライブ装置またはDVDドライブによって読み出されて、学習用の顔画像データは顔画像学習部53において記憶、処理され、登録用の顔画像データは登録画像記憶部54に記憶されるようになっている。この補助記憶部67は、本発明の記憶手段を構成するものである。
【0092】
なお、この補助記憶部67は顔画像認識装置50内に直接接続されている必要はなく、補助記憶部67がネットワーク上に存在する構成であってもよい。例えば、インターネットやLAN上に顔画像サーバを設置し、学習用の顔画像データや登録用の顔画像データを記憶して、必要に応じてダウンロードする構成としてもよい。この場合には、顔画像認識装置50には、さらにモデムやLANボード等の通信部を設ける必要がある。
【0093】
また、本実施の形態の顔画像認識装置50は、システム全体を制御するCPU等の演算制御部65と、RAMとROM等の記憶媒体からなる主記憶部66が設けられている。ROMには予めブートプログラム等が記憶されており、RAMにはHDから読み出したOS(オペレーションシステム)の一部および顔画像認識プログラム等が記憶され、演算制御部65がこれらのプログラムを実行する。さらに、RAMには顔画像認識プログラムの実行時に読み出された各種の顔画像データ、サンプル点データ、演算結果等が記憶される。
【0094】
上述してきたように、本実施の形態では、まず、顔画像集合10からサンプル点を指定するのに用いる平均顔画像11を作成し、平均顔画像11上のサンプル点に対応する顔画像集合10内の各顔画像上のサンプル点を検出して特徴ベクトルの認識部分空間23を作成し、その認識部分空間23を用いて平均顔画像11上のサンプル点に対応する登録画像14上のサンプル点を検出し、認識部分空間23と登録画像14を用いて登録画像14上のサンプル点に対応する入力画像16上のサンプル点を検出し、検出された登録画像14と入力画像16の認識部分空間23内での特徴ベクトルの類似度を算出し、登録画像14と入力画像16の照合判定を行うよう構成したので、サンプル点を平均顔画像11上にだけ指定すればよくサンプル点設定に係る作業負担を低減することができる。
【0095】
また、照合判定に部分空間を用い、さらに、その部分空間を顔の表情や撮影角度等の相違による本人変動に影響されにくく、また、他人画像との特徴の差が大きく現れるように部分空間を構成して認識部分空間23としたので、本人画像と他人画像の識別能力を高めることができる。
【0096】
なお、本実施の形態では、画像認識装置の認識対象画像が顔画像である場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、何らかの目印となるものが含まれる身体の所定の部位にも適用できる。例えば、掌紋の例では、顔の場合の目鼻口に対応するものとして手筋を用いることができる。
【0097】
すなわち、顔画像の場合は平均顔画像11を作成する際に両目、鼻、口の位置を指定したが(ステップS603)、掌紋画像の場合には代わりに手筋の位置を指定すればよい。また、特徴ベクトルとしては掌紋の隆起線の方向、曲率等の特徴量を用いればよい。それ以外の処理は顔画像の場合と変わるところがないので、掌紋画像認識装置を容易に実現することができる。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、身体の所定の部位に関する複数の画像集合から平均画像を作成し、該平均画像上に設定されたサンプル点に対応する画像集合内の画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成し、設定された平均画像上のサンプル点に対応する登録画像上のサンプル点を作成された部分空間を用いて検出し、検出された登録画像上のサンプル点に対応する入力画像上のサンプル点を作成された部分空間を用いて検出し、作成された部分空間内で検出された登録画像と入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルの類似度を算出して登録画像と入力画像とを照合し本人確認を行うため、各登録画像上にサンプル点を指定する必要がなく、平均画像上にのみサンプル点を指定すればよいため、サンプル点の指定に係る作業の負担を軽減し、サンプル点を記憶する記憶容量を低減させることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0099】
また、個々人の画像の特徴を特徴ベクトルの部分空間を用いて表現するので、万人に共通する特徴を除去し個人の特徴が強調され、効率良く画像の特徴を知識として抽出することができ、本人画像と他人画像の識別能力を向上させることが可能な画像処理装置が得られるという効果を奏する。
【0100】
また、請求項2の発明によれば、画像集合内の画像における特徴ベクトルと平均画像における特徴ベクトルとの相関を用いて平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像集合内の画像上のサンプル点を検出し、検出された該画像集合内の画像上のサンプル点における特徴ベクトルを用いて暫定的な特徴ベクトルの部分空間を作成し、該画像集合内の画像における特徴ベクトルの該部分空間への距離に基づいて平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像集合内の画像上のサンプル点を検出し、検出された該画像集合内の画像上のサンプル点における特徴ベクトルを用いて暫定部分空間作成手段により作成された特徴ベクトルの部分空間を修正することとしたので、特徴ベクトルの部分空間を作成する際に、平均画像上のサンプル点に対応する画像集合内の画像上のサンプル点を効率よく検出し、部分空間を作成することが可能な画像認識装置が得られるという効果を奏する。
【0101】
また、請求項3の発明によれば、画像集合から本人の画像ペアを用意して、平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアのサンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて本人差部分空間を算出し、また画像集合から他人の画像ペアを用意して、平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアのサンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて他人差部分空間を算出し、算出された本人差部分空間の補空間と他人差部分空間の交わり部を算出して該交わり部を部分空間とすることとしたので、本人画像の変動が除外されるため、顔の表情や掌の開き加減、撮影角度等の相違による本人画像の変動によるノイズに強く、また本人と他人との変動が強調されるので該部分空間に効率良く知識を抽出することができ、本人画像と他人画像との識別能力を向上させることが可能な画像認識装置が得られるという効果を奏する。
【0102】
また、請求項4の発明によれば、画像集合から本人の画像ペアを用意して、平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアのサンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて本人差部分空間を算出し、また画像集合から他人の画像ペアを用意して、平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアのサンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて他人差部分空間を算出し、算出された本人差部分空間の補空間と他人差部分空間の交わり部を算出して該交わり部を部分空間とし、そこで作成された該部分空間が収束するまで、第2の検出手段と第2の本人差部分空間算出手段と第2の他人差部分空間算出手段と第2の認識部分空間作成手段とを繰り返し用いることにより該部分空間を更新することとしたので、暫定部分空間作成手段により作成された暫定的な部分空間よりもより精度良く画像集合の特徴を抽出した部分空間を作成することができ、その部分空間を用いて本人画像と他人画像とを識別する際に識別能力を向上させることが可能な画像認識装置が得られるという効果を奏する。
【0103】
また、請求項5の発明によれば、平均画像上のサンプル点に対応する登録画像上のサンプル点を、該登録画像における特徴ベクトルと部分空間との距離に基づいて検出することとしたので、平均画像と登録画像の間で顔の表情や掌の開き加減、撮影角度等の相違があった場合でも、平均画像のサンプル点に対応する登録画像上のサンプル点を精度良く検出することが可能な画像認識装置が得られるという効果を奏する。
【0104】
また、請求項6の発明によれば、検出された登録画像上のサンプル点に対応する入力画像上のサンプル点を、該入力画像における特徴ベクトルと該登録画像における特徴ベクトルの部分空間内での相関に基づいて検出することとしたので、入力画像と登録画像との間で顔の表情や掌の開き加減、撮影角度等の相違があった場合でも、登録画像との照合が行われる入力画像上のサンプル点を精度良く検出することが可能な画像認識装置が得られるという効果を奏する。
【0105】
また、請求項7の発明によれば、検出された登録画像と入力画像上のサンプル点間における特徴ベクトルの部分空間内での相関に基づいて類似度を算出して入力画像と登録画像とを照合し本人確認を行うこととしたので、入力画像と登録画像の間で表情や掌の開き加減、撮影角度等の相違があった場合でも、精度良く効率的に照合判定を行うことが可能な画像認識装置が得られるという効果を奏する。
【0106】
また、請求項8の発明によれば、身体の所定の部位に関する複数の画像集合から平均画像を作成し、該平均画像上に設定されたサンプル点に対応する画像集合内の画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成し、設定された平均画像上のサンプル点に対応する登録画像上のサンプル点を作成された部分空間を用いて検出し、検出された登録画像上のサンプル点に対応する入力画像上のサンプル点を作成された部分空間を用いて検出し、作成された部分空間内で検出された登録画像と入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルの類似度を算出して入力画像と登録画像とを照合し本人確認を行うため、各登録画像上にサンプル点を指定する必要がなく、平均画像上にのみサンプル点を指定すればよいため、サンプル点の指定に係る作業の負担を軽減し、サンプル点を記憶する記憶容量を低減させることが可能な画像認識方法が得られるという効果を奏する。
【0107】
また、個々人の画像の特徴を特徴ベクトルの部分空間を用いて表現するので、万人に共通する特徴を除去し個人の特徴が強調され、効率良く画像の特徴を知識として抽出することができ、本人画像と他人画像の識別能力を向上させることが可能な画像認識方法が得られるという効果を奏する。
【0108】
また、請求項9の発明によれば、身体の所定の部位に関する複数の画像集合から平均画像を作成し、該平均画像上に設定されたサンプル点に対応する画像集合内の画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成し、設定された平均画像上のサンプル点に対応する登録画像上のサンプル点を作成された部分空間を用いて検出し、検出された登録画像上のサンプル点に対応する入力画像上のサンプル点を作成された部分空間を用いて検出し、作成された部分空間内で検出された登録画像と入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルの類似度を算出して入力画像と登録画像とを照合し本人確認を行うため、各登録画像上にサンプル点を指定する必要がなく、平均画像上にのみサンプル点を指定すればよいため、サンプル点の指定に係る作業の負担を軽減し、サンプル点を記憶する記憶容量を低減させることが可能なプログラムが得られるという効果を奏する。
【0109】
また、個々人の画像の特徴を特徴ベクトルの部分空間を用いて表現するので、万人に共通する特徴を除去し個人の特徴が強調され、効率良く画像の特徴を知識として抽出することができ、本人画像と他人画像の識別能力を向上させることが可能なプログラムが得られるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る画像認識処理の概念を説明するための説明図である。
【図2】本実施の形態に係る部分空間の概念を説明するための説明図である。
【図3】本実施の形態に係る特徴ベクトルの認識部分空間への距離を用いた顔画像上のサンプル点検出の概念を説明する説明図である。
【図4】本実施の形態に係る入力画像上のサンプル点検出の概念を説明する説明図である。
【図5】本実施の形態に係る顔画像認識装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】本実施の形態に係る顔画像データを正規化する正規化処理のフローチャートである。
【図7】本実施の形態に係る顔画像集合から特徴ベクトルの認識部分空間を作成する認識部分空間作成処理のフローチャートである。
【図8】本実施の形態に係るサンプル点での認識部分空間を作成する認識部分空間作成処理のフローチャートである。
【図9】本実施の形態に係る特徴ベクトルを基にして部分空間を作成する部分空間作成処理のフローチャートである。
【図10】本実施の形態に係る認識部分空間を算出する認識部分空間算出処理のフローチャートである。
【図11】本実施の形態に係る顔画像集合から特徴ベクトルの認識部分空間を修正する認識部分空間修正処理のフローチャートである。
【図12】本実施の形態に係る認識部分空間の収束を判定する認識部分空間収束判定処理のフローチャートである。
【図13】本実施の形態に係る照合判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態に係る顔画像認識装置のシステム構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
10  顔画像集合
11  平均顔画像
12  100個のサンプル点を指定した平均顔画像の例
13  知識
14  登録画像
15  サンプル点を検出した登録画像の例
16  入力画像
17  サンプル点を検出した入力画像の例
20  特徴ベクトル空間
21  他人の変動部分空間
22  本人の変動部分空間
23  目的とする認識部分空間
30  顔画像の特徴ベクトル
31  特徴ベクトルの認識部分空間への距離
40  入力画像の特徴ベクトルの認識部分空間への射影
41  登録画像の特徴ベクトルの認識部分空間への射影
50  顔画像認識装置
51  顔画像入力受付部
52  正規化処理部
53  顔画像学習部
54  登録画像記憶部
55  登録画像サンプル点検出部
56  入力画像サンプル点検出部
57  類似度検出部
58  照合判定部
61  画像入力部
62  画像メモリ
63、64  インターフェース部
65  演算制御部(CPU)
66  主記憶部(ROM、RAM)
67  補助記憶部
68  入力装置
69  表示装置

Claims (9)

  1. 本人の身体の所定の部位を取り込んだ入力画像と前記部位に関する本人および他人の複数の登録画像との間で、サンプル点における局所的な特徴を比較することによって画像を照合し本人確認を行う画像認識装置において、
    前記部位に関する画像集合内の複数の画像から平均画像を作成する平均画像作成手段と、
    前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する前記画像集合内の各画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成する部分空間作成手段と、
    前記平均画像上のサンプル点に対応する前記登録画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する登録画像サンプル点検出手段と、
    前記登録画像上のサンプル点に対応する前記入力画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する入力画像サンプル点検出手段と、
    前記登録画像サンプル点検出手段により検出された前記登録画像上のサンプル点における特徴ベクトルと前記入力画像サンプル点検出手段により検出された前記入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルとの前記部分空間内での類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行う照合判定手段と
    を備えたことを特徴とする画像認識装置。
  2. 前記部分空間作成手段は、前記画像集合内の画像における特徴ベクトルと前記平均画像における特徴ベクトルとの相関を用いて前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像集合内の画像上のサンプル点を検出する第1の検出手段と、
    前記第1の検出手段により検出された前記画像集合内の画像上のサンプル点における特徴ベクトルを用いて暫定的な特徴ベクトルの部分空間を作成する暫定部分空間作成手段と、
    前記画像集合内の画像における特徴ベクトルの前記部分空間への距離に基づいて前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像集合内の画像上のサンプル点を検出する第2の検出手段と、
    前記第2の検出手段により検出された前記画像集合内の画像上のサンプル点における特徴ベクトルを用いて前記暫定部分空間作成手段により作成された前記部分空間を修正する部分空間修正手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1に記載の画像認識装置。
  3. 前記暫定部分空間作成手段は、前記画像集合から本人の画像ペアを用意して、前記第1の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて本人差部分空間を算出する第1の本人差部分空間算出手段と、
    前記画像集合から他人の画像ペアを用意して、前記第1の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて他人差部分空間を算出する第1の他人差部分空間算出手段と、
    前記本人差部分空間の補空間と前記他人差部分空間との交わり部を算出して該交わり部を部分空間とする第1の認識部分空間作成手段と
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像認識装置。
  4. 前記部分空間修正手段は、前記画像集合から本人の画像ペアを用意して、前記第2の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて本人差部分空間を算出する第2の本人差部分空間算出手段と、
    前記画像集合から他人の画像ペアを用意して、前記第2の検出手段により検出された前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する該画像ペアの前記サンプル点における特徴ベクトル間の差分を求めて他人差部分空間を算出する第2の他人差部分空間算出手段と、
    前記本人差部分空間の補空間と前記他人差部分空間との交わり部を算出して該交わり部を部分空間とする第2の認識部分空間作成手段と、
    前記第2の認識部分空間作成手段で作成された該部分空間が収束するまで前記第2の検出手段と前記第2の本人差部分空間算出手段と前記第2の他人差部分空間算出手段と前記第2の認識部分空間作成手段とを繰り返し用いることにより前記部分空間を更新する認識部分空間更新手段と
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の画像認識装置。
  5. 前記登録画像サンプル点検出手段は、前記平均画像上のサンプル点に対応する該登録画像上のサンプル点を該登録画像における特徴ベクトルと前記部分空間との距離に基づいて検出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像認識装置。
  6. 前記入力画像サンプル点検出手段は、前記登録画像上のサンプル点に対応する該入力画像上のサンプル点を該入力画像における特徴ベクトルと前記登録画像における特徴ベクトルの前記部分空間内での相関に基づいて検出することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の画像認識装置。
  7. 前記照合判定手段は、前記登録画像上と前記入力画像上の対応する前記サンプル点における特徴ベクトルの前記部分空間内での相関に基づいて類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の画像認識装置。
  8. 本人の身体の所定の部位を取り込んだ入力画像と前記部位に関する本人および他人の複数の登録画像との間で、サンプル点における局所的な特徴を比較することによって画像を照合し本人確認を行う画像認識方法において、
    前記部位に関する画像集合内の複数の画像から平均画像を作成する平均画像作成工程と、
    前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する前記画像集合内の各画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成する部分空間作成工程と、
    前記平均画像上のサンプル点に対応する前記登録画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する登録画像サンプル点検出工程と、
    前記登録画像上のサンプル点に対応する前記入力画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する入力画像サンプル点検出工程と、
    前記登録画像サンプル点検出工程により検出された前記登録画像上のサンプル点における特徴ベクトルと前記入力画像サンプル点検出工程により検出された前記入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルとの前記部分空間内での類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行う照合判定工程と
    を含んだことを特徴とする画像認識方法。
  9. 本人の身体の所定の部位を取り込んだ入力画像と前記部位に関する本人および他人の複数の登録画像との間で、サンプル点における局所的な特徴を比較することによって画像を照合し本人確認を行う画像認識方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記部位に関する画像集合内の複数の画像から平均画像を作成する平均画像作成工程と、
    前記平均画像上に設定されたサンプル点に対応する前記画像集合内の各画像上のサンプル点を検出して該サンプル点における特徴ベクトルの部分空間を作成する部分空間作成工程と、
    前記平均画像上のサンプル点に対応する前記登録画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する登録画像サンプル点検出工程と、
    前記登録画像上のサンプル点に対応する前記入力画像上のサンプル点を前記部分空間を用いて検出する入力画像サンプル点検出工程と、
    前記登録画像サンプル点検出工程により検出された前記登録画像上のサンプル点における特徴ベクトルと前記入力画像サンプル点検出工程により検出された前記入力画像上のサンプル点における特徴ベクトルとの前記部分空間内での類似度を算出して前記入力画像と前記登録画像とを照合し本人確認を行う照合判定工程と
    をコンピュータに実行させるプログラム。
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