JP2004117858A - Antireflection coating, antireflection film, and image display apparatus - Google Patents

Antireflection coating, antireflection film, and image display apparatus Download PDF

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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an antireflection coating and antireflection film which are low in reflectivity, are excellent in scratching resistance and stainproof properties, are suitable for mass production, and have excellent durability and weatherability, and an image forming apparatus using these. <P>SOLUTION: The antireflection coating has a low-refractive index layer formed by coating and curing of a film-forming composition containing at least one of a monofunctional coupling compound of which the main chain is composed of the recurring units essentially composed of a perfluoroethylenyl component and which has a silyl group at the terminal of the main chain and a silane coupling agent. Also, the image forming apparatus uses the antireflection coating and the antireflection film formed by disposing the antireflection coating on the support. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反射防止膜ならびにそれを用いた反射防止フィルムおよび画像表示装置(特に液晶表示装置)に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射防止膜は一般に、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するように光学製品などの表面に設置され、特に良好な視認性を求められる陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイパネル(PDP)や液晶表示装置(LCD)のような画像表示装置において、その表示面の最表面に配置される。
【0003】
このような反射防止膜は、通常の多くの例では、高屈折率層の上に適切な膜厚の低屈折率層を形成することにより作製できる。低屈折率層素材としては反射防止性能の観点からできる限り屈折率の低い素材が望まれ、同時にディスプレイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性及び防汚性が要求される。また低い反射率性能を発現するために膜厚の均一性も重要であり、塗布型材料においては、塗布性、レベリング性も重要なファクターになる。
【0004】
厚さ100nm前後の薄膜において高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度、および下層への密着性を高めることが重要である。
低屈折率性を保ちながら耐擦傷性を大きく向上させる手段として表面への滑り性付与が有効で、フッ素の導入、シリコーンの導入等の手段が行なわれている。これらの手段は表面張力を下げるために、レベリング性付与の効果も期待できる。低屈折率層に滑り性の含フッ素ポリマーを用いる場合には、塗布溶剤可溶化のために炭化水素系共重合成分を50%程度導入したフッ素系材料単独では十分な滑り性が得られず、シリコーン化合物と組み合わせることが従来より行なわれてきた。中でも、膜の強度や膜表面の撥水・撥油性の保持性等から、シランカップリング剤と特定のフッ素含有炭化水素基含有のシランカップリング剤とを縮合反応で硬化するゾルゲル硬化膜が種々提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1〜3には、ポリフルオロアルキル基含有シラン化合物またはその部分加水分解縮合物と、水ガラスまたはシランカップリング剤及びコロイダルシリカとからなるガラス表面の撥水撥油膜が、また、特許文献4には、経時安定性に優れた高撥水・撥油性膜となるパーフルオロアルキル基含有シランカップリング剤とシランカップリング剤とのゾルゲル硬化のハードコート膜が開示されている。
さらに、低屈折率用硬化組成物として、フッ素含有シランカップリング剤を用いることが特許文献5〜8等に提案されている。これらの硬化膜は、フッ素含有炭化水素基が短いために長期間の使用で防汚性低下の惧れがある。
【0006】
更には、膜表面の防汚性が長期間に渡って保持可能となる、ポリ「パーフルオロアルキルエーテル」基を含有するシリル化合物から硬化される膜が、特許文献9〜11等に開示されている。然し、これらの化合物はフッ素含有長鎖基ではあるものの、親水性のエーテル結合基を含有するために撥水・撥油性の効果が損なわれ、防汚性効果に限界を生じる。
一方、近年の画像表示装置は、画像面積の大版化、携帯電話等のモバイル表示装置の多用な使われ方等が著しく普及し、反射防止膜の強度、防汚耐久性等のより一層の向上が望まれている。
【0007】
【特許文献1】特開昭58−142958号公報
【特許文献2】特開昭58−147483号公報
【特許文献3】特開昭58−147484号公報
【特許文献4】特開平9−157582号公報
【特許文献5】特開平11−64603号公報
【特許文献6】特開2000−121803号公報
【特許文献7】特開2000−329903号公報
【特許文献8】特開2002−131507号公報
【特許文献9】特開2000−117902号公報
【特許文献10】特開2001−48590号公報
【特許文献11】特開2002−53804号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、第1に、反射率が低く、耐擦傷性と防汚性に優れた反射防止膜を提供することであり、第2に大量生産に適した塗布型の反射防止膜を提供することであり、第3に耐久性、耐候性に優れた反射防止膜を提供することであり、第4に反射が防止されたフィルムまたは画像表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、以下に示す(1)〜(5)の構成により達成されることが見出された。
(1)少なくとも下記一般式(I)で示される主鎖が無置換又は含フッ素置換基を有してもよいパーフルオロエチレニル基を主成分として構成され、かつ該主鎖の末端にシリル基を結合して成るカップリング化合物と、シランカップリング剤の少なくとも1種とを含有する皮膜形成用組成物を塗設、硬化させることにより形成された低屈折率層を有することを特徴とする反射防止膜。
一般式(I)
【0010】
【化2】

Figure 2004117858
【0011】
一般式(I)において、R は、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、又は「O−R 」基を表わす。ここで、R は含フッ素脂肪族基を表わす。Xは、主鎖とSi原子を連結する2価の有機残基を表わす。Rは、脂肪族基又はCOR10基を表わす。但し、R10は、炭化水素基を表わす。Rは、炭化水素基を表わす。aは、0又は1を表わす。また、括弧はパーフルオロエチレニル基の繰り返し単位部分を表し、繰り返し単位部分の重量平均分子量は2万以下である。
【0012】
(2)前記低屈折率層が平均粒径5〜50nmのシリカ微粒子を含有することを特徴とする上記(1)項記載の反射防止膜。
(3) 上記(1)又は(2)項に記載の反射防止膜を透明基材上に配置したことを特微とする反射防止フィルム。
(4) 前記低屈折率層と透明基材との間に、無機微粒子を含有する高屈折率層を有することを特徴とする上記(3)項に記載の反射防止フィルム。
(5) 上記(1)又は(2)項に記載の反射防止膜もしくは(3)又は(4)項記載の反射防止フィルムを配置したことを特徴とする画像表示装置。
【0013】
本発明の反射防止膜は、低屈折率層のみからなる単層構成でもよく、また、中・高低屈折率層、ハードコート層などと積層した多層構成であってもよい。この反射防止膜は、前もって反射防止フィルムを形成してから画像表示装置に配置してもよく、また、画像表示装置などに直接(その場で)形成し配置してもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の反射防止膜に関して説明する。
[反射防止膜の層構成]
本発明の反射防止膜の代表的な層構成を図1を参照しながら説明する。
図1は、好ましい反射防止膜の好ましい層構成を示す断面模式図である。図1の(a)に示す態様は、透明支持体4、ハードコート層3、高屈折率層2、そして低屈折率層1の順序の層構成を有する。(a)のように、高屈折率層2と低屈折率層1とを有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、高屈折率層が下記式(i)、低屈折率層が下記式(ii)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0015】
【数1】
Figure 2004117858
【0016】
式(i)中、mは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
【0017】
【数2】
Figure 2004117858
【0018】
式(ii)中、nは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
【0019】
高屈折率層の屈折率nは、一般に透明フィルムより少なくとも0.05高く、そして、低屈折率層の屈折率nは、一般に高屈折率層の屈折率より少なくとも0.1低くかつ透明フィルムより少なくとも0.05低い。更に、高屈折率層の屈折率nは、一般に1.57〜2.40の範囲にある。
【0020】
図1の(b)に示す態様は、透明支持体(4)、ハードコート層(3)、中屈折率層(5)、高屈折率層(2)、そして低屈折率層(1)の順序の層構成を有する。(b)のように、中屈折率層(5)、高屈折率層(2)と低屈折率層(1)とを有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、中屈折率層が下記式(iii)、高屈折率層が下記式(iv)、低屈折率層が下記式(v)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0021】
【数3】
Figure 2004117858
【0022】
式(iii)中、hは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは中屈折率層の屈折率であり、そして、dは中屈折率層の層厚(nm)である。
【0023】
【数4】
Figure 2004117858
【0024】
式(iv)中、jは正の整数(一般に1、2または3)であり、nは高屈折率層の屈折率であり、そして、dは高屈折率層の層厚(nm)である。
【0025】
【数5】
Figure 2004117858
【0026】
式(v)中、kは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、そして、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
【0027】
中屈折率層の屈折率nは、一般に1.5〜1.7の範囲にあり、高屈折率層の屈折率nは、一般に1.7〜2.2の範囲にある。
【0028】
図1の(c)に示す態様は、透明支持体(4)、防眩性ハードコート層(6)、そして低屈折率層(1)の順序の層構成を有する。このような反射防止膜は、例えば、特開2001−281410号公報に記載されているように、低屈折率層が、下記式(vi)を満足することが好ましい。
【0029】
【数6】
Figure 2004117858
【0030】
式(vi)中、mは正の奇数(一般に1)であり、nは低屈折率層の屈折率であり、dは低屈折率層の層厚(nm)である。
【0031】
また、式(i)〜(vi)中のλは光線の波長であり、可視領域の反射防止層として用いる場合のλは380〜680nmの範囲の値であり、また、可視光線以外にも可視領域近傍の紫外線、赤外線に対しても有効である。ここで記載した高屈折率、中屈折率、低屈折率とは層相互の相対的な屈折率の高低をいう。例えば中屈折率層は高屈折率層に添加する高屈折率無機微粒子の含率を変えるなどの方法で作製される。
以上の層構成を有する本発明の反射防止膜において、少なくとも、本発明に従って改良された低屈折率層を用いる。
【0032】
[低屈折率層]
低屈折率層は図1の(a)、(b)及び(c)に示すごとく高屈折率層の上層に配置される。通常、低屈折率層の上側が反射防止膜の表面である。
低屈折率層の屈折率は、好ましくは1.20〜1.49であり、1.20〜1.45であることがより好ましく、1.20〜1.43であることが特に好ましい。
低屈折率層の厚さは、10〜400nmであることが好ましく、30〜200nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度試験(JIS K5400)でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0033】
本発明の低屈折率層は、前記一般式(I)で示される、主鎖が無置換又は含フッ素置換基を有してもよいパーフルオロエチレニル基を繰り返し単位として構成されており、該主鎖の末端にシリル基を結合して成るカップリング化合物(FM)と、シランカップリング剤の少なくとも1種とを含有する皮膜形成用組成物を塗設、硬化させることにより形成されたマトリックス層から成る。
【0034】
本発明に係る一般式(I)で示される主鎖が無置換又は含フッ素置換基を有してもよいパーフルオロエチレニル基を主成分として構成されており、該主鎖の末端にシリル基を結合して成る一官能性カップリング化合物(FM、以後一官能性シランカップリング化合物又は一官能性シランカップリングマクロモノマーとも呼ぶ)について説明する。
本発明に係る一官能性カップリング化合物(FM)の重量平均分子量は、2×10以下が好ましい。より好ましくは、1×10〜1.5×10であり、更に好ましくは、2×10〜8×10である。この範囲において、併用するシランカップリング剤との縮合反応が十分に進行し、得られる膜の強度が充分となる。
は、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、又は「O−R 」基を表わす。ここで、R は含フッ素の脂肪族基を表わす。
Xは、主鎖とSi原子を連結する2価の有機残基を表わす。
は、脂肪族基又はCOR10基を表わす。但し、R10は、炭化水素基を表わす。Rは、炭化水素基を表わす。
aは、0又は1を表わす。
また、括弧はパーフルオロエチレニル基の繰り返し単位部分であり、繰り返し単位部分の重量平均分子量は2万以下である。
【0035】
一般式(I)で示される一官能性カップリング化合物(FM)の繰り返し単位について説明する。
繰り返し単位中のR は、フッ素原子、炭素数1〜7のパーフルオロアルキル基又は−OR 基を表わす。
【0036】
がパーフルオロアルキル基の場合、それに相当する単量体の重合反応性の観点から、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基がより好ましい。
【0037】
は炭素数1〜22の含フッ素脂肪族基を表わし、炭素数1〜12の含フッ素脂肪族基が好ましい。具体的には、例えば、炭素数1〜8のパーフルオロアルキル基、−CHF、−CHF、−CHCF、−(CH、−CHCF CFCFH、−CH(CFH、−CH(CFCF、−CHCH(CFH等)であっても、分岐構造(例えばCH(CF、CHCF(CF 2、CH(CH)CFCF、CH(CH)(CFCFH等)を有していても良く、また脂環式構造(好ましくは5員環または6員環、例えばパーフルオロシクロヘキシル基、パーフルオロシクロペンチル基またはこれらで置換されたアルキル基等)を有していても良く、あるいは含フッ素脂肪族エーテル結合基(例えば−CHOCHCFCF、−CHCHOCHH、−CHCHOCHCH17、−CHCHOCFCFOCFCFH、−CFCHOCHCF、−(CF 2(CH 2OCH(CF 3等)であってもよい。
【0038】
本発明に係る一官能性シランカップリング化合物(FM)は、前記した一般式(I)の中に示される繰り返し単位(重合成分)の他に、これらの重合成分に相当する単量体と共重合可能な他の重合性単量体を含有してもよい。
例えば下記一般式(Ib)で示される繰り返し単位が挙げられる。
【0039】
【化3】
Figure 2004117858
【0040】
一般式(Ib)中、d、d及びdは、各々同じでも異なってもよく、水素原子、フッ素原子、アルキル基(例えばメチル基,エチル基、プロピル基、ブチル基等)を表わす。
好ましいd、d及びdとしては、CF=CF−、CF=CH−、CFH=CF−、CH=CF−、CH=CH−、CH(CH)=CH−、CH=C(CH)−等が挙げられる。
【0041】
は−(CHCOO−、−(CH dOCO−、−O−、−SO−、−CONHCOO−、−CONHCONH−、−CON(K)−、−SON(K)−、フェニレン基又は[C(d)(d)=C(d)−]と−Rを直接結合する単結合を表わす(ここで、Kは水素原子又は炭素数1〜12の脂肪族基を示し、dは0又は1〜4の整数を示す)。
としては、−O−、フェニレン基、直接結合が好ましい。
【0042】
は、炭素数1〜22の置換されてもよい直鎖状もしくは分岐状の脂肪族基、置換されてもよい炭素数6〜12のアリール基を表わす。
脂肪族基としては、置換されてもよい炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基〔例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−フロロエチル基、トリフロロメチル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル基、3−ブロモプロピル基、2−メチルカルボニルエチル基、2,3−ジメトキシプロピル基、フッ化アルキル基{例えば−(CH2i+1基(但しhは1〜6の整数、iは1〜12の整数を表す)基、−(CH−(CF−R36基(但しjは0又は1〜12の整数、R36基は炭素数1〜12のアルキル基、−CFH、−CFH、−CFを表す)、−CH(CF、−CFCl、−CFCl、−CFClH、−CF(CF)OC2i+1、−OC2i+1、−C(CFOC2i+1等}等〕、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基、デセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、ヘキサデセニル基、オクタデセニル基、リノレニル基等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロベンジル基、フロロベンジル基、パーフルオロベンジル基、メチルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよい脂環式基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロペンチルエチル基、パーフロロヘキシル基、テトラフロオロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、メトキシシクロヘキシル基等)、炭素数6〜12の置換されてもよい芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、メトキシフェニル基、フロロフェニル基、クロロフェニル基、ジフロロフェニル基、パーフルオロフェニル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェニル基等)が挙げられる。
【0043】
は、脂肪族基が好ましく、さらにフッ素原子を含有した脂肪族基がとくに好ましい。
【0044】
以下に、一般式(I)における繰り返し単位の具体例を示す。しかし、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0045】
【化4】
Figure 2004117858
【0046】
【化5】
Figure 2004117858
【0047】
一般式(I)におけるXは、Si原子と重合体主鎖部分を連結する2価の有機残基を表わす。
好ましくは総原子数2〜22の連結基を表わし、より好ましくは総原子数4〜18である(ここでいう総原子数は、炭素原子、窒素原子又はケイ素原子に結合する水素原子を除く)。一般式(I)の中にXが介在することによって、一官能性シランカップリング化合物(FM)の反応性が良好となり、又得られたゾル−ゲル硬化膜の強度、防汚性が向上して好ましい。
【0048】
Xで表される連結基としては炭素原子−炭素原子結合(一重結合又は二重結合)、炭素原子−ヘテロ原子結合(ヘテロ原子としては例えば、酸素原子、イオウ原子、窒素原子、ケイ素原子等)、ヘテロ原子−ヘテロ原子結合等から構成される原子団の任意の組合せで構成される。例えば、原子団としては下記のものが挙げられる。
【0049】
【化6】
Figure 2004117858
【0050】
上記において、r、rは同じでも異なってもよく、水素原子、ハロゲン原子(フッ素原子、ハロゲン原子、臭素原子、ヨウ素原子)又は炭素数1〜6の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフロロメチル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、クロロエチル基等)を表し、rは、水素原子又は炭素数1〜12の置換されてもよい炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、アセチルフェニル基、トリフロロフェニル基等)を表し、r、rは、同じでも異なってもよく、炭素数1〜12の置換されてもよい炭化水素基(具体的には上記rと同一の内容を表わす)を表わす。
【0051】
Xで表される連結基としては、さらに2価の脂環式基(脂環式構造の炭化水素環としては、例えばシクロへプタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、ビシクロペンタン環、トリシクロヘキサン環、ビシクロオクタン環、ビシクロノナン環、トリシクロデカン環、等)、2価のアリール環基(アリール環としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環等)で示される基等の原子団の任意の組合せで構成されるものをも含む。
連結基Xの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0052】
【化7】
Figure 2004117858
【0053】
次に、一般式(I)中のシリル基[(RO)3−a(RSi−]について説明する。(RO)基は、アルコキシ基(Rが脂肪族基の場合)又はアシルアルコキシ基(Rが−COR10の場合)を表わし、加水分解してシラノール基[典型的には(HO)3−a−Si(R−]となり縮重合反応が進行する。
【0054】
が脂肪族基の場合、炭素数1〜8の置換されてもよい直鎖もしくは分岐の脂肪族基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフロロエチル基、メトキシメチル基、ベンジル基、フェネチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基等)が挙げられる。
が−COR10の場合のR10は炭素数1〜6の置換されてもよい直鎖もしくは分岐の脂肪族基(具体的には上記Rの脂肪族基と同義であり、具体例も同じものが挙げられる)、置換されてもよいフェニル基(例えばフェニル基、メトキシフェニル基、フロロフェニル基、トリル基、キシリル基、等)が挙げられる。
【0055】
その中でも、好ましい(RO)基としては、(RO)基の加水分解反応性及び脱離して副生したアルコール類もしくはカルボン酸類の塗膜での乾燥工程での乾燥性の点から炭素数1〜4のアルコキシ基あるいは炭素数1〜3のアシルオキシ基が挙げられる。
【0056】
は炭素数1〜12の脂肪族基又は炭素数6〜12のアリール基を表わす。これらの炭化水素基は、置換されていてもよい。具体的には、前記一般式(Ib)中のRと同義のものが挙げられ、具体例も同じである。又、脂肪族基としては前記一般式(I)中のR の含フッ素脂肪族基と同一の内容のものが挙げられる。
更には、Rの炭化水素基に置換される置換基として、前記した一般式(I)の化合物(FM)と共重合可能な重合性基も挙げられる。本発明の低屈折率層用組成物中に、これら一般式(I)の化合物(FM)と共重合性を有する化合物を併用することによって、形成される低屈折率層の膜性を向上できる。
重合性基としては、ラジカル重合性基(例えば、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、クロトニルオキシ基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、スチリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、等)、カチオン重合性基(例えばエポキシ基、オキセタニル基、ビニル基、ビニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基等)が挙げられる。
【0057】
aは0又は1を表わす。
aが1の場合は、本発明に係る一般式(I)の化合物(FM)の反応性の点から(RO)基中のRの炭素数は1〜3のアルキル基が好ましい。
【0058】
本発明に係る一般式(I)の化合物(FM)は、従来公知の合成方法によって製造することができる。例えば、(i)アニオン重合によって得られるリビングポリマーの末端に種々の試薬を反応させて、一般式(I)の形のカップリング化合物にするイオン重合による方法、(ii)分子中に、カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基等の反応性基を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、ラジカル重合して得られる末端反応性基結合のオリゴマーと種々の試薬を反応させて、一般式(I)の形のシランカップリング化合物にするラジカル重合による方法等が挙げられる。
【0059】
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk, Encycl.Polym.Sci.Eng., 7, 551(1987)、P.F.Rempp & E.Franta, Adv.Polym.Sci., 58, 1(1984)、V.Percec, Appl.Polym.Sci., 285, 95(1984)、R.Asami & M.Takari, Makvamol.Chem.Suppln.12, 163(1985)、P.Rempp.et al, Makvamol.Chem.Suppln.8, 3(1984)、川上雄資、化学工業、38, 56(1987)、山下雄也、高分子、31, 988(1982)、小林四郎、高分子、30,625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌、18, 536(1982)、伊藤浩一、高分子加工、35, 262(1986)、東貫四郎、津田隆、機能材料、1987, No.10, 5等の総説及びそれに引例の文献・特許等に記載の方法に従って合成することができる。
【0060】
上記した分子中に特定の反応性基を含有した重合開始剤としては、例えば、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸クロライド)、2,2′−アゾビス(2−シアノプロパノール)、2,2′−アゾビス(2−シアノペンタノール)、2,2′−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオアミド〕、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル〕プロピオアミド}、2,2′−アゾビス{2−メチル−N−〔1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル〕プロピオアミド}、2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼビン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス〔2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラピリミジン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス{2−〔1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル〕プロパン}、2,2′−アゾビス〔N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン〕、2,2′−アゾビス〔N−(4−アミノフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン〕等のアゾビス系化合物が挙げられる。
【0061】
又、分子中に特定の反応性基を含有した連鎖移動剤として、例えば該反応性基あるいは該反応性基に誘導しうる置換基を含有するメルカプト化合物(例えばチオグリコール酸、チオリンゴ酸、チオサリチル酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、N−(2−メルカプトプロピオニル)グリシン、2−メルカプトニコチン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)カルバモイル〕プロピオン酸、3−〔N−(2−メルカプトエチル)アミノ〕プロピオン酸、N−(3−メルカプトプロピオニル)アラニン、2−メルカプトエタンスルホン酸、3−メルカプトプロパンスルホン酸、4−メルカプトブタンスルホン酸、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−2−ブタノール、メルカプトフェノール、2−メルカプトエチルアミン、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプト−3−ピリジノール等)、あるいは上記反応性基又は置換基を含有するヨード化アルキル化合物(例えばヨード酢酸、ヨードプロピオン酸、2−ヨードエタノール、2−ヨードエタンスルホン酸、3−ヨードプロパンスルホン酸等)が挙げられる。好ましくはメルカプト化合物が挙げられる。
【0062】
他の方法としては、特定の官能基(例えば、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子等)、エポキシ基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基等)を含有するジチオカルバメート基を含有する化合物および/またはザンテート基を含有する化合物を開始剤として、光照射下に重合反応を行って合成することもできる。例えば、上記の大津等の文献、特開昭64−11号公報、特開昭64−26619号公報、東信行等 ”Polymer Preprints, Japan” 36(6), 1511(1987)、M.Niwa, N.Higashi et al,”J.Macromol.Sci.Chem.”, A24(5), 567(1987)等に記載の各々の合成方法に従って合成することができる。
【0063】
これらの連鎖移動剤あるいは重合開始剤は、各々一般式(I)の繰返し単位に相当する単量体100重量部に対して0.5〜20重量部を用いることが好ましく、より好ましくは1〜10重量部である。
【0064】
このようにして製造される重合体主鎖の片末端に選択的に結合した有機残基中に含有される特定の反応性基を利用して、シランカップリング基を導入することで容易に製造することができる。
又、シランカップリング基を置換したメルカプト化合物〔例えば、3−メルカプトプロピル(トリメトキシ)シラン、3−メルカプトプロピル(トリエトキシ)シラン、3−メルカプトプロピル−(メチル)(ジメチル)シラン、4−メルカプトブチル(トリエトキシ)シラン等〕を連鎖移動剤としてラジカル重合反応により製造することもできる。
【0065】
本発明で用いられるシランカップリング剤について説明する。
本発明のシランカップリング剤は、分子内に少なくとも1つの加水分解によりシラノールを与えることのできる官能基を有するオルガノシラン化合物を表し、本発明の組成物中では、加水分解、縮合して得られる加水分解物および/または部分縮合物となり組成物中における結合剤としての働きをするものである。
本発明のシランカップリング剤は、前記の一官能性カップリング化合物(FM)と共縮合反応することが好ましい。
【0066】
具体的には、下記一般式(II)で示される化合物が挙げられる。
一般式(II)
(R114−bSi(Y) b
式(II)中、R11は、前記式(I)中のRと同一の内容を表わす。Yは、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、−OH、又はOR12を表わす。但し、OR12は、前記式(I)中のR12と同一の内容を表わす。bは、2、3又は4の整数を表わす。
bが4の場合は4官能オルガノシラン、3の場合は3官能オルガノシラン、2の場合は2官能オルガノシランとなる。
4官能オルガノシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシラン、テトラーアセトキシシランなどを挙げることができる。
2又は3官能オルガノシランとしては、R11が脂肪族基、フッ素原子含有の脂肪族基又は重合性ビニル基等の重合性基を含有するものとして、例えば特開2000−275403号公報明細書中の段落番号[0016]〜[0025]、同2000−117902号公報明細書中の段落番号[0040]、同2002−131507号公報明細書中の段落番号[0039]〜[0045]等記載の化合物、エポキシ基含有の炭化水素基を含有するものとして、特開平6−226928号公報明細書中の段落番号[0014]等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0067】
これらオルガノシラン化合物は、単独でも2種以上を併用しても良い。
上記の2または3官能性オルガノシランを用いる場合は、R11にフッ素原子を有する脂肪族基を少なくとも1個含有するオルガノシランが屈折率の観点から好ましい。2種以上の上記のオルガノシランを併用する場合、本発明に用いる組成物中における2官能オルガノシランの割合は、4官能オルガノシラン及び3官能オルガノシラン成分に対して0〜150重量%、好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜60重量%である。
【0068】
重合性基(ラジカル重合性ビニル基、カチオン重合性基(エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基等))を有する炭化水素基を含有するオルガノシランは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。2種以上の上記のビニル重合性オルガノシランを併用する場合、1重合性オルガノシランの本発明の組成物中における割合は、2重合性オルガノシラン及び3重合性オルガノシラン成分に対して0〜150重量%、好ましくは5〜100重量%、さらに好ましくは10〜60重量%である。これらの重合性基含有オルガノシランは、組成物中で加水分解、縮合して得られる加水分解物および/または部分縮合物となり組成物中における結合剤としての働きをすると同時に有機ポリマーによる網目構造を形成し、膜に柔軟性を付与する働きをするものとして好ましい。
【0069】
本発明では一般式(I)で表される含フッ素シランカップリング化合物(FM)の少なくとも一種、及び一般式(II)で表されるシラン化合物を必須成分として、加水分解・重縮合を行うことによって塗布液を作製する。
前記シラン化合物の加水分解重縮合反応は、無溶媒でも、溶媒中でも行うことができる。溶媒としては有機溶媒が好ましく、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート等)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル)、炭化水素類(トルエン、キシレン等)、エーテル類(エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)等を挙げることができ、2種類以上の溶媒を併用することもできる。
【0070】
加水分解縮合反応は、触媒存在下で行われることが好ましい。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸類、シュウ酸、酢酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸などの有機酸類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどの無機塩基類、トリエチルアミン、ピリジンなどの有機塩基類、トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブトキシチタネートなどの金属アルコキシド類、β−ジケトン類或いはβ−ケトエステル類の金属キレート化合物類等が挙げられる。具体的には、例えば特開2000−275403号公報明細書中の段落番号[0071]〜[0083]記載の化合物等が挙げられる。
【0071】
ゾルゲル触媒化合物の組成物中の割合は、ゾル液の原料であるオルガノシランに対し、0.011〜50重量%、好ましくは0.1〜50重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%である。反応条件はオルガノシランの反応性により適宜調節されることが好ましい。
【0072】
一方、カルボン酸等の有機酸を触媒に用いてゾルゲル縮合を行なう場合には、アルコキシシランとの反応により生成するアルコールあるいは溶媒として添加するアルコールとの縮合反応(エステル化反応)によって系中で水を生成するため別途水を添加しなくても加水分解反応を行うことができる。
このような水を加えない系において、硬化時間と膜強度の点で有利な結果が得られており、本発明では特に水中25℃におけるpKaが4以下のカルボン酸を触媒として水を添加せずにゾル液を調整することが好ましい。好ましいカルボン酸触媒の具体例は、特開2000−275403号公報明細書中の段落番号[0058]〜[0060]記載の化合物が挙げられる。
【0073】
本発明に用いる低屈折率層用組成物には、シランカップリング化合物が重合性基を含有する場合、これらの重合性基と共重合可能な重合性基含有モノマーを併用しても良い。これら重合性モノマーに特に制限はなく、通常のラジカル重合またはカチオン重合で共重合可能なものであれば、好ましく用いることができる。モノマー分子内に重合性基が1個の単官能モノマー、若しくは2個以上の多官能モノマーの何れでもよく、適宜選択して用いることができる。ラジカル重合性モノマーの具体例としては、例えば特開2000−275403号公報明細書中の段落番号[0052]〜[0065]記載の化合物等が挙げられる。又、カチオン重合性モノマーの具体例としては、例えば特開2000−47004号公報明細書中の段落番号[0085]〜[0087]記載の化合物等が挙げられる。
【0074】
重合開始剤
本発明に用いる組成物が、上記重合性化合物を含有する場合には、熱及び/又は光照射でラジカル又はカチオンを発生し、重合性不飽和基又はカチオン重合性基を含有する化合物の重合反応を開始、促進させる化合物を併用する。これらラジカル重合開始剤及びカチオン重合開始剤は、重合性化合物の重合性基との組み合わせで、適宜、従来公知の化合物(例えば、「最新UV硬化技術」PP.60〜62((株)技術情報協会刊、1991年等)を用いることができる。
【0075】
ラジカル重合開始剤としては、例えば、アミン化合物(特公昭44−20189号公報記載)、オニウム塩化合物(上記の「最新UV硬化技術」記載等)、有機ハロゲン化化合物(M.P.Hutt” Journal of Heterocyclic Chemistry” 1 (No3), (1970))等に記載等)、カルボニル化合物(「特開平8−134404号明細書の段落[0015]〜[0016]記載等」、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、メタロセン化合物(特開平5−83588号公報、同1−304453号公報記載等)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物(特公平6−29285号記載等)、有機ホウ酸化合物(Kunz, Martin ”Rad Tech ’98, Proceeding April 19−22, 1998, Chicago” 等に記載等)、ジスルホン化合物(特開昭61−166544号公報記載等)が挙げられる。
【0076】
カチオン重合開始剤としては、例えば、オニウム塩化合物、有機ハロゲン化化合物、ジスルホン化合物が挙げられる。これらの具体例は、前記ラジカルを発生する化合物の記載と同様のものが挙げられる。他のカチオン重合開始剤として、有機金属/有機ハロゲン化物(特開平2−161445号公報記載等)、o−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤(米国特許第4,181,531号公報、特開昭60−198538号公報記載等)、イミノスルフォネート等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物(特開平2−245756号公報記載等)等が挙げられる。
【0077】
充填剤
本発明の組成物には、得られる塗膜の硬度向上を目的としてコロイド状シリカを添加することも可能である。このコロイド状シリカとしては、水分散コロイド状シリカ、メタノールもしくはイソプロピルアルコールなどの有機溶媒分散コロイド状シリカを挙げることができる。
本発明の組成物には、得られる塗膜の着色、凹凸性の付与、下地への紫外線透過防止、防蝕性の付与、耐熱性、膜の屈折率などの諸特性を発現若しくは調整させるために、上記コロイド状シリカの他に充填材を添加・分散させることも可能である。この充填材としては、例えば有機顔料、無機顔料などの非水溶性の顔料または顔料以外の粒子状、繊維状もしくは鱗片状の金属および合金ならびにこれらのフッ化物、酸化物、水酸化物、炭化物、窒化物、硫化物などが挙げられる。この充填材の無機化合物としては、例えば特開平11−106704号公報明細書中の段落番号[0056]、特開2001−188104号公報等記載の無機粒子等が挙げられる。
樹脂粒子としては、特開平10−142403公報明細書中の段落番号[0013]〜[0018]、同11−23803号公報明細書中の段落番号[0028]〜[0037]等のフッ素原子含有樹脂等が挙げられる。
これらの充填材の平均粒径または平均長さは、通常、5〜500nm、好ましくは10〜200nmである。充填材を用いる場合の組成物中の割合は、組成物の全固形分100重量部に対し、10〜300重量部程度である。
【0078】
その他の添加物
本発明に用いる上記組成物には、各種界面活性剤、前記以外のシランカップリング剤、チタンカップリング剤、染料、分散剤、増粘剤、レベリング剤などの添加剤を添加することもできる。
【0079】
本発明に用いるゾル液を調製するに際しては、前記の各成分を含有する組成物に水を添加して加水分解する方法或いは前記のカルボン酸類を用いる方法等の如何なる方法でもよい。この時必要に応じて加水分解を促進するために前記の触媒を用いることが好ましい。例えば下記▲1▼〜▲3▼の調製方法が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
▲1▼シリル基含有成分(必要に応じて、重合性モノマー及び重合開始剤)と溶媒及び加水分解触媒からなる溶液に、所定量の水(若しくはカルボン酸)を加えて加水分解・縮合反応を行う方法。▲2▼シリル基成分と溶媒からなる溶液に、所定量の水(若しくはカルボン酸)を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで加水分解触媒と必要に応じて重合性モノマー及び重合開始剤を添加する方法。▲3▼シリル基含有成分と溶媒及び加水分解触媒からなる溶液に、所定の水(若しくはカルボン酸)を加えて加水分解・縮合反応を行い、次いで重合性モノマー及び重合開始剤を加えて混合し、さらに縮合反応を行なう方法等が挙げられる。
【0080】
本発明では、上記のようにして調整したゾル液を、カーテンフローコート、ディップコート、スピンコート、ロールコート等の塗布法によって、透明フィルムあるいは高屈折率層または中屈折率層等の上に塗布し、常温での乾燥、あるいは30〜200℃程度の温度で1分〜100時間程度加熱することにより、低屈折率層は形成される。又、本発明の組成物が光重合性化合物を併用する場合には、塗布後に光照射工程を設ける。光照射は、活性エネルギー光線であればいずれでもよいが、照射装置の簡易性から紫外線照射が好ましい。
同時重層塗布をする場合には、多段の吐出口を有するスライドギーサー上で下層塗布液と上層塗布液のそれぞれが必要な塗布量になるように吐出流量を調整し、形成した多層流を連続的に支持体に乗せ、乾燥させる方法(同時重層法)が特に好ましい。
【0081】
[高・中屈折率層]
本発明の反射防止膜が、多層膜の態様をとる場合、一般に、低屈折率層は、低屈折率層より高い屈折率を有する少なくとも一層の層(即ち、前記の高屈折率層、中屈折率層)と共に用いられる。
【0082】
上記低屈折率層より高い屈折率を有する層を形成するための有機材料としては、熱可塑性皮膜(例、ポリスチレン、ポリスチレン共重合体、ポリカーボネート、ポリスチレン以外の芳香環、複素環、脂環式環状基を有するポリマー、またはフッ素以外のハロゲン基を有するポリマー);皮膜組成物(例、メラミン皮膜、フェノール皮膜、またはエポキシ皮膜などを硬化剤とする皮膜組成物);ウレタン形成性組成物(例、脂環式または芳香族イソシアネートおよびポリオールの組み合わせ);およびラジカル重合性組成物(上記の化合物(ポリマー等)に二重結合を導入することにより、ラジカル硬化を可能にした変性皮膜またはプレポリマーを含む組成物)などを挙げることができる。これらの皮膜形成性組成物のいずれを用いてもよいが、高い皮膜形成性を有する材料が好ましい。低屈折率層より高い屈折率を有する層は、有機材料中に分散した無機系微粒子も使用することができる。この層に使用される有機材料としては、一般に無機系微粒子が高屈折率を有するため有機材料単独で用いる場合よりも低屈折率のものも用いることができる。そのような材料として、上記した有機材料の他、アクリル系を含むビニル系共重合体、ポリエステル、アルキド皮膜、繊維素系重合体、ウレタン皮膜およびこれらを硬化せしめる各種の硬化剤、硬化性官能基を有する組成物など、透明性があり無機系微粒子を安定に分散せしめる各種の有機材料を挙げることができる。
【0083】
さらに有機置換されたケイ素系化合物も高・中屈折率層に含ませることができる。これらのケイ素系化合物は下記一般式で表される化合物、あるいはその加水分解生成物である。
【0084】
SiZ(4−m−n)
上記一般式において、R及びRは、それぞれアルキル基、アルケニル基、アリル基、またはハロゲン、エポキシ、アミノ、メルカプト、メタクリロイルまたはシアノで置換された炭化水素基を表し、Zは、アルコキシル基、アルコキシアルコキシル基、ハロゲン原子及びアシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な基を表し、m+nが1または2である条件下で、m及びnはそれぞれ0、1または2である。
【0085】
これらに分散される無機系微粒子の好ましい無機化合物としては、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモンなどの金属元素の酸化物を挙げることができる。これらの化合物は、微粒子状で、即ち粉末または水および/またはその他の溶媒中へのコロイド状分散体として、市販されている。これらをさらに上記の有機材料または有機ケイ素化合物中に混合分散して使用する。
これらの具体例としては、例えば特開平11−295503号公報、同11−153703号公報などに記載の化合物が挙げられる。
【0086】
低屈折率層より高い屈折率を有する層を形成する材料として、被膜形成性で溶剤に分散し得るか、それ自身が液状である無機系材料(例、各種元素のアルコキシド、有機酸の塩、配位性化合物と結合した配位化合物(例、キレート化合物)、無機ポリマー)を挙げることができる。これらの具体的な例としては、前記のゾルゲル反応の触媒として例示した化合物と同様なものを挙げることができる。
【0087】
高屈折率層の屈折率は、−般に1.70〜2.20である。屈折率は、アッペ屈折率計を用いる測定や、層表面からの光の反射率からの見積もりにより求めることができる。高屈折率層の厚さは、5nm〜10μmであることが好ましく、10nm〜1μmであることがさらに好ましく、30nm〜0.5μmであることが最も好ましい。高屈折率層のヘイズは、5%以下であることが好ましく、3%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な高屈折率層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0088】
中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する。中屈折率層の屈折率は、1.50〜1.70であることが好ましい。
高屈折率層に無機微粒子とポリマーを用い、中屈折率層は、高屈折率層よりも屈折率を低めに調節して形成することが特に好ましい。中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
【0089】
[その他の層]
反射防止膜には、さらに、ハードコート層、防湿層、帯電防止層、下塗り層や保護層を設けてもよい。ハードコート層は、透明支持体に耐傷性を付与するために設け、透明支持体とその上の層との接着を強化する機能も有する。ハードコート層は、アクリル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、エポキシ系ポリマー、シリコン系ポリマーやシリカ系化合物を用いて形成することができる。顔料をハードコート層に添加してよい。ハードコート層の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。透明支持体の上には、ハードコート層に加えて、接着層、シールド層、滑り層や帯電防止層を設けてもよい。シールド層は、電磁波や赤外線を遮蔽するために設けられる。
【0090】
[透明支持体]
反射防止膜をCRT画像表示面やレンズ表面に直接設ける場合を除き、反射防止膜は透明支持体を有することが好ましい。透明支持体としては、ガラス板よりもプラスチックフィルムの方が好ましい。プラスチックフィルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4、4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートが好ましい。透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることがさらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4〜1.7であることが好ましい。透明支持体には、赤外線吸収剤あるいは紫外線吸収剤を添加してもよい。赤外線吸収剤の添加量は、透明支持体の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.05〜10質量%であることがさらに好ましい。滑り剤として、不活性無機化合物の粒子を透明支持体に添加してもよい。無機化合物の例には、SiO、Al,TiO、BaSO、CaCO、タルクおよびカオリンが含まれる。
透明支持体には表面処埋を施してもよい。
【0091】
表面処理の例には、薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処理、紫外線照射処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、レーザー処理、混酸処理およびオゾン酸化処理が含まれる。グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理および火焔処理が好ましく、グロー放電処理と紫外線処理がさらに好ましい。
【0092】
[反射防止膜の形成]
反射防止膜が、単層又は前記のように多層の構成をとる場合は、各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書記載)により、塗布により形成することができる。また、二層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書および原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。反射防止膜の反射率は低いほど好ましい。具体的には450〜650nmの波長領域での平均反射率が2%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.7%以下であることが最も好ましい。反射防止膜(下記のアンチグレア機能がない場合)のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることがさらに好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。反射防止膜の強度は、1kg荷重の鉛筆硬度で、H以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
【0093】
反射防止膜は、外光を散乱させるアンチグレア機能を有していてもよい。アンチグレア機能は、反射防止膜の表面に凹凸を形成することにより得られる。反射防止膜がアンチグレア機能を有する場合、反射防止膜のヘイズは、3〜30%であることが好ましく、5〜20%であることがさらに好ましく、7〜20%であることが最も好ましい。
【0094】
反射防止膜表面に凹凸を形成する方法は、これらの表面形状を充分に保持できる方法であればいずれの方法でも適用できる。例えば、低屈折率層中に微粒子を使用し、それにより膜表面に凹凸を形成する方法(例えば、特開2000−271878号等)、低屈折率層の下層(高屈折率層、中屈折率層又はハードコート層)に比較的大きな粒子(粒径0.05〜2μm)を少量(0.1〜50質量%)添加して表面凹凸膜を形成し、その上にこれらの形状を維持して低屈折率層を設ける方法(例えば特開2000−281410号、同2000−95893号等)、低屈折率層表面に物理的に凹凸形状を転写(エンボス加工方法等)する方法(例えば特開平11−268800号)が挙げられる。
【0095】
反射防止膜は、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ〈ELD〉や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に適用する。反射防止膜は、高屈折率層が画像表示装置の画像表示面側になるように配置する。
反射防止膜が透明支持体を有する場合は、透明支持体側を画像表示装置の画像表示面に接着する。反射防止膜は、さらに、ケースカバー、光学用レンズ、眼鏡用レンズ、ウインドウシールド、ライトカバーやヘルメットシールドにも利用できる。
【0096】
【実施例】
以下に実施例に基づき本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[一官能性カップリング化合物(FM)の合成例]
(一官能性カップリング化合物(FM)の合成例1:一官能性カップリング化合物(FM−1))
内容量1Lのステンレス製攪拌機付オートクレーブにトルエン75g、下記構造の単量体(F−1)20g、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン1.5g、及び2,2′−アゾビス(イソバレロニトリル)(略称:A.I.V.N.)1.0gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)30.0gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cm(529kPa)であった。このまま4時間反応後、A.I.V.N. 0.3gをトルエン5mlに溶解した液を窒素ガス圧を利用して添加した。
更に7時間反応を続けた後、加熱を止め放冷した。室温まで内温が下がった時点で、オートクレーブを開放して反応液を取り出し、n−ヘキサン200ml中に再沈した。
沈降物を捕集し、減圧乾燥して、収量43gで、質量平均分子量6×10の生成物を得た。(質量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算によるGPC法測定値)。
【0097】
【化8】
Figure 2004117858
【0098】
(一官能性カップリング化合物(FM)の合成例2:一官能性カップリング化合物(FM−2))
内容量1Lのステンレス製攪拌機付オートクレーブにテトラヒドロフラン75ml、下記構造の単量体(F−2)27.5g、2,2′−アゾビス(2−シアノヘプタノール(略称:A.B.C.H.)2.5gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにヘキサフルオロプロピレン(HFP)22.5gをオートクレーブ中に導入して65℃まで昇温した。オートクレーブ内の温度が65℃に達した時点の圧力は5.4kg/cm(529kPa)であった。このまま4時間反応後、A.B.C.H. 1.5gをテトラヒドロフラン5mlに溶解した液を窒素ガス圧を利用して添加した。
更に6時間反応を続けた後、加熱を止め放冷した。室温まで内温が下がった時点で、オートクレーブを開放して反応液を取り出し、200mlの3つ口フラスコに投入した。
これに、3−トリメトキシシクロプロパンイソシアナート4.0g及びジブチルスズジラウレート0.05gを加えて、50℃で6時間攪拌した。放冷後、石油エーテル800mLに再沈した。沈殿物を捕集し、減圧乾燥して得られた生成物の収量は、40gで、質量平均分子量は8×10であった。
【0099】
【化9】
Figure 2004117858
【0100】
(一官能性カップリング化合物(FM)の合成例3:一官能性カップリング化合物(FM−3))
400rpmで作動する攪拌器を備えた2リットル AISI 316 オートクレーブの側壁に石英の丸窓を挿入し、該石英の丸窓に合わせてHanau(商標登録)TQ−150 UVランプを配置した。このランプは高圧水銀灯であって、240〜600nmの光を発し、波長240〜330nmの光では13.2Wのエネルギーを有する。
この装置に、下記構造の単量体(F−3)45g、下記構造の光重合開始剤2.0g、及びテトラヒドロフラン100gを仕込み、系内を脱気して窒素ガスで置換した。さらにオクタフルオロブテン55gをオートクレーブ中に導入して45℃まで昇温した。10時間反応を続けた後、加熱を止め放冷した。室温まで内温が下がった時点で、オートクレーブを開放して反応液を取り出し、テトラヒドロフランを濃縮した後、トルエンの30質量%溶液とした。
得られた生成物の質量平均分子量Mwは5×10であった。
【0101】
【化10】
Figure 2004117858
【0102】
[反射防止膜構成層用塗布液の調製]
(防眩性高屈折率層用塗布液Aの調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)125g、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド(MPSMA、住友精化(株)製)125gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)5.0gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)3.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.60であった。さらにこの溶液に平均粒径3μmの不定形シリカ粒子(商品名:ミズカシルP−526、水澤化学工業(株)製)10gを添加して、高速ディスパにて5000rpmで1時間攪拌、分散した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性高屈折率層の塗布液Aを調製した。
【0103】
(ハードコート層用塗布液Hcの調製)
上記ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA)125gおよびウレタンアクリレートオリゴマー(UV−6300B(商品名、日本合成化学工業(株)製)125gを439gのエタノールに溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤イルガキュア907、7.5gおよび光増感剤カヤキュアーDETX5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。混合物を攪拌した後、1ミクロンメッシュのフィルターでろ過してハードコート層塗布液Hcを調製した。
【0104】
<高屈折率層用塗布液Hnの調製>
上記 ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)250gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン(50/50)混合溶媒に溶解した。得られた溶液に光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)を7.5g及び光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を添加して攪拌した。この溶液を塗布し、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して高屈折率層の塗布液Hnを調製した。
【0105】
[実施例1]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フィルム(株)製)上に、防眩性高屈折率層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ約1.5μmの防眩性高屈折率層を形成した。その上に、下記低屈折率層用塗布液L−1をバーコーターを用いて塗布し、100℃で3時間間乾燥し、厚さ約0.1μmの低屈折率層を形成し、本発明の試料1を作製した。
(低屈折率層用塗布液L−1の調製)
蓚酸2.4gをエタノール12g及びパーフルオロブチルエチルエーテル(HFE−7200:3M社製)3gに溶解した溶液に、テトラエトキシシラン、2.35gと本発明に係る一般式(I)の化合物(FM−1)1.6gを加え、5時間加熱還流した。得られた溶液の5gにn−ブタノールの2gを加え、全量で13gになるようにメチルエチルケトンを加えて低屈折率層用塗布液Aを調整した。
【0106】
[実施例2]
実施例1における低屈折率層塗布液L−1の替わりに、下記低屈折率層塗布液L−2を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の試料2を作製した。
(低屈折率層用塗布液L−2の調製)
蓚酸2.4gをエタノール10g及びHFE−7200 5gに溶解した溶液に、テトラエトキシシランの1.35g、メチルトリメトキシシラン1.0gと本発明に係る一般式(I)の一官能性カップリング化合物(FM−2)1.55gを加え、5時間加熱還流した。得られた溶液の5g、コロイダルシリカ溶液(MIBK−ST、固形分濃度30%、日産化学(株)製)1.33g、n−ブタノール3gを混合しさらに全量で26gになる様にテトラヒドロフランを加えて希釈し低屈折率層用塗布液(L−2)を調整した。
【0107】
[比較例1」
実施例1における低屈折率層塗布液L−1の替わりに、下記低屈折率層塗布液LR−1を用いた以外は実施例1と同様にして比較用試料R−1を作製した。
(低屈折率層比較用塗布液LR−1の調整)
メチルトリメトキシシラン(特開平10−726号等に記載の低屈折率層用オルガノシラン)8.7gに0.01N塩酸水溶液3gを加え、室温で3時間攪拌した。該溶液の1.1gとメチルエチルケトンの8.9gを混合して比較用塗布液LR−1を調整した。
【0108】
[比較例2]
実施例1における低屈折率層塗布液L−1において、一般式(I)に係る化合物FM−1の代わりに、トリデカフルオロ1,1,2,2−テトラヒドロオクチル−1−トリエトキシシランを用いた他は、実施例1と同様にして比較用試料R−2を作製した。
【0109】
[比較例3]
実施例1における低屈折率層塗布液L−1において、本発明の化合物FM−1の代わりに、特開昭8−147484号公報の合成例3に記載の下記構造のシラン化合物を用いた他は、実施例1と同様にして比較用試料R−3を作製した。
比較用シラン化合物
【0110】
【化11】
Figure 2004117858
【0111】
前記の実施例および比較例で用いた低屈折率層の屈折率はいずれも1.3〜1.43の範囲内にあった。
【0112】
<反射防止膜の評価>
こうして得られた第1〜4層を塗設した各膜(実施例1及び比較例1〜2)について、下記性能評価を実施し、その結果を表−Cに記載した。
【0113】
(1)平均反射率
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの鏡面平均反射率を用いた。
【0114】
(2)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度評価
反射防止膜を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS K5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。
【0115】
(4)防汚性
試料表面に指紋を付着させてから、それをベンコットン(旭化成(株)製)で拭き取った時の状態を観察して、以下の基準で評価した。
◎:簡単に拭き取れる。
○:しっかり擦れば拭き取れる。
△:一部が拭き取れずに残る。
×:殆んど拭き取れずに残る。
【0116】
(5)耐傷性試験
膜表面をスチールウール#0000を用いて、200gの荷重下で10回擦った後に、傷のつくレベルを確認した。判定は次の基準に従った。
全くつかない  :○
細かい傷がつく :△
傷が著しい   :×
【0117】
(6)防眩性評価
作製した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
◎:蛍光灯の輪郭が全くわからない
○:蛍光灯の輪郭がわずかにわかる
△:蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる
×:蛍光灯がほとんどぼけない
【0118】
(7)ギラツキ評価
作製した防眩性フィルムにルーバー付きの蛍光灯拡散光を映し、表面のギラツキを以下の基準で目視評価した。
殆どギラツキが見られない:○、
僅かにギラツキがある:△、
識別できるサイズのギラツキがある;×
実施例1〜2および比較例1〜2の結果を表1に示す
【0119】
【表1】
Figure 2004117858
【0120】
表1に示すように、実施例1〜2の試料は、光学特性、鉛筆硬度、耐傷性及び防汚性に優れ、防眩性、ギラツキに関しても良好な性能を示した。
一方、比較例1〜3は、いずれも耐傷性及び防汚性が悪化した。
このように本発明の試料のみが各特性要件に亘って良好な性能を示した。
【0121】
[実施例3〜10]
実施例2において用いた低屈折率層用塗布液(L−2)の代わりに、下記内容の各塗布液を用いた他は、実施例2と同様にして各反射防止膜試料3〜10を作製した。
【0122】
【表2】
Figure 2004117858
【0123】
得られた実施例3〜10の各反射防止膜試料について、実施例2と同じ内容の性能評価試験項目について評価した。その結果は実施例2と同等の性能を示し、良好であった。
【0124】
[実施例11]
実施例2における低屈折率層用塗布液L−2の替わりに、下記内容の低屈折率層用塗布液L−11を用いた以外は実施例1と同様にして本発明の試料11を作製した。
(低屈折率層用塗布液L−11の調製)
蓚酸3gをエタノール18gに溶解した溶液に、テトラエトキシシランの2.35g、本発明に係る一官能性カップリング化合物FM−2、1.55g、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの0.3g、3−アミノプロピルトリメトキシシランの0.15gを加え5時間加熱還流した。得られた溶液の5g、コロイダルシリカ溶液(MIBK−ST、固形分濃度30%、日産化学製)1.33g、n−ブタノール1.5gを混合しさらに全量で20gになる様にテトラヒドロフランを加えて希釈し低屈折率層用塗布液L−11を調製した。
得られた試料を、実施例1、2と同様の内容の性能評価を行なった。得られた結果は、実施例2と同様の良好な性能を示した。
【0125】
[実施例12]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フィルム(株)製)上に、上記ハードコート層用塗布液Hcをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量300mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ約4.0μmのハードコート層を形成した。その上に、上記高屈折率層用塗布液Hnをバーコーターを用いて塗布し、上記ハードコート層と同じ条件で乾燥し、紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ約1.5μmの高屈折率層を形成した。その上に、下記低屈折率層用塗布液L−12をバーコーターを用いて塗布し、風乾の後、さらに100℃で6時間間乾燥し、厚さ約0.096μmの低屈折率層を形成し、本発明の試料12を作製した。
【0126】
(低屈折率層用塗布液L−12の調製)
テトラエトキシシランの2.35g、本発明の化合物FM−2、1.55g及びテトラヒドロキシフラン20gを混合した溶液中にトリフルオロ酢酸(99%純度)1g及びアセチルアセテートZr塩0.1gを加え室温で6時間攪拌した。得られた溶液の3.0g、3−アクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン0.08g、トリメチロールプロパントリアクリレート0.03g、重合開始剤の2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.01g、コロイダルシリカ溶液(MIBK−ST、固形分濃度30%、日産化学製)1.28g、n−ブタノール3gを混合しさらに全量で25gになる様にメチルイソブチルケトンを加えて希釈し低屈折率層用塗布液L−12を調製した。
【0127】
(防眩性の付与)
得られた反射防止膜に、片面エンボシングカレンダー機(由利ロール(株)製)を用いて、プレス圧力1000kg/cm、プレヒートロール温度100℃、エンボスロール温度140℃、処理速度2m/分の条件下で、スチール製エンボスロールとポリアミド素材で表面を覆ったバックアップロールをセットし、算術平均粗さ(Ra)が4μmのエンボスロースを用いてエンボス処理を行なった。
【0128】
得られた試料を、実施例1、2と同様の内容の性能評価を行なった。得られた結果は、実施例2と同様の良好な性能を示した。
【0129】
実施例13
実施例1〜12で得られた各反射防止膜を用いて防眩性反射防止偏光板を作成した。
これらの各偏光板を用いて反射防止層を最表面に配置した液晶表示装置を作製した。各表示装置の何れも、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
【0130】
【発明の効果】
一般式(I)で表される一官能性カップリング化合物と、シランカップリング剤とを含有する低屈折率層を有する本発明の反射防止膜によれば、反射率が低く、耐擦傷性と防汚性に優れた反射防止膜を得ることができる。更に、本発明の反射防止膜は、耐久性、耐候性に優れている。また、本発明の反射防止膜は塗布型であり、大量生産に適しており、また、防眩性に優れて反射像が目立たず優れた視認性を有している。
本発明の反射防止膜を設けることにより、反射が有効に防止されたフィルムまたは画像表示装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜が複合膜である場合の層構成の例示する断面模式図であり、(a)は4層構成、(b)は5層構成、(c)は3層構成の例を示す。
【符号の説明】
1 低屈折率層
2 高屈折率層
3 ハードコート層
4 透明支持体
5 中屈折率層
6 防眩性ハードコート層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an antireflection film, an antireflection film using the same, and an image display device (particularly a liquid crystal display device).
[0002]
[Prior art]
In general, the antireflection film is installed on the surface of an optical product or the like so as to reduce the reflectivity by using the principle of optical interference in order to prevent contrast degradation and image reflection due to reflection of external light. In an image display device such as a cathode ray tube display (CRT), a plasma display panel (PDP), or a liquid crystal display (LCD) that requires visibility, it is disposed on the outermost surface of the display surface.
[0003]
In many usual examples, such an antireflection film can be produced by forming a low refractive index layer having an appropriate film thickness on a high refractive index layer. As the low refractive index layer material, a material having a refractive index as low as possible is desired from the viewpoint of antireflection performance, and at the same time, since it is used on the outermost surface of the display, high scratch resistance and antifouling properties are required. In addition, the uniformity of the film thickness is also important in order to exhibit low reflectance performance, and in the coating type material, the coating property and leveling property are also important factors.
[0004]
In order to realize high scratch resistance in a thin film having a thickness of around 100 nm, it is important to increase the strength of the coating itself and the adhesion to the lower layer.
As a means for greatly improving the scratch resistance while maintaining a low refractive index, it is effective to impart slipperiness to the surface, and means such as introduction of fluorine and introduction of silicone have been performed. Since these means lower the surface tension, the effect of imparting leveling properties can also be expected. When slippery fluorine-containing polymer is used for the low refractive index layer, sufficient slipperiness cannot be obtained with a fluorine-based material alone in which about 50% of a hydrocarbon-based copolymer component is introduced for solubilization of a coating solvent. Combining with silicone compounds has been performed conventionally. Among them, there are various sol-gel cured films that cure a silane coupling agent and a specific fluorine-containing hydrocarbon group-containing silane coupling agent by a condensation reaction due to the strength of the film and the water / oil repellency of the film surface. Proposed.
[0005]
For example, in Patent Documents 1 to 3, a water- and oil-repellent film on the glass surface comprising a polyfluoroalkyl group-containing silane compound or a partially hydrolyzed condensate thereof, water glass or a silane coupling agent and colloidal silica, Patent Document 4 discloses a sol-gel hard coating film of a perfluoroalkyl group-containing silane coupling agent and a silane coupling agent, which becomes a highly water- and oil-repellent film excellent in stability over time.
Furthermore, it is proposed in Patent Documents 5 to 8 that a fluorine-containing silane coupling agent is used as the low refractive index curable composition. Since these cured films have a short fluorine-containing hydrocarbon group, there is a concern that the antifouling property may be lowered after long-term use.
[0006]
Furthermore, a film cured from a silyl compound containing a poly “perfluoroalkyl ether” group, which can maintain the antifouling property of the film surface over a long period of time, is disclosed in Patent Documents 9 to 11, etc. Yes. However, although these compounds are fluorine-containing long chain groups, they contain a hydrophilic ether bond group, so that the water and oil repellency effects are impaired, and the antifouling effect is limited.
On the other hand, in recent image display devices, the enlargement of the image area, the extensive use of mobile display devices such as mobile phones, etc. have remarkably spread, and the strength of antireflection film, antifouling durability, etc. are further increased. Improvement is desired.
[0007]
[Patent Document 1] Japanese Patent Laid-Open No. 58-142958
[Patent Document 2] JP 58-147483 A
[Patent Document 3] Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-147484
[Patent Document 4] JP-A-9-157582
[Patent Document 5] Japanese Patent Laid-Open No. 11-64603
[Patent Document 6] Japanese Unexamined Patent Publication No. 2000-121803
[Patent Document 7] Japanese Unexamined Patent Publication No. 2000-329903
[Patent Document 8] Japanese Patent Application Laid-Open No. 2002-131507
[Patent Document 9] Japanese Patent Laid-Open No. 2000-117902
[Patent Document 10] JP 2001-48590 A
[Patent Document 11] Japanese Patent Laid-Open No. 2002-53804
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an antireflection film having a low reflectance and excellent scratch resistance and antifouling property, and secondly, an application type antireflection film suitable for mass production. Thirdly, it is to provide an antireflection film excellent in durability and weather resistance, and fourthly, to provide a film or an image display device in which reflection is prevented.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
It has been found that the above-described problems of the present invention can be achieved by the following configurations (1) to (5).
(1) At least the main chain represented by the following general formula (I) is composed mainly of a perfluoroethylenyl group which may be unsubstituted or have a fluorine-containing substituent, and a silyl group at the end of the main chain A reflection layer comprising a low refractive index layer formed by coating and curing a film-forming composition containing a coupling compound formed by bonding and at least one silane coupling agent Prevention film.
Formula (I)
[0010]
[Chemical 2]
Figure 2004117858
[0011]
In general formula (I), Rf 0Is a fluorine atom, a perfluoroalkyl group, or “O—Rf 1Represents a group. Where Rf 1Represents a fluorine-containing aliphatic group. X represents a divalent organic residue that connects the main chain and the Si atom. R1Is an aliphatic group or COR10Represents a group. However, R10Represents a hydrocarbon group. R2Represents a hydrocarbon group. a represents 0 or 1; The parentheses represent a repeating unit portion of the perfluoroethylenyl group, and the weight average molecular weight of the repeating unit portion is 20,000 or less.
[0012]
(2) The antireflection film as described in (1) above, wherein the low refractive index layer contains fine silica particles having an average particle diameter of 5 to 50 nm.
(3) An antireflection film characterized by disposing the antireflection film according to (1) or (2) above on a transparent substrate.
(4) The antireflection film as described in (3) above, which has a high refractive index layer containing inorganic fine particles between the low refractive index layer and the transparent substrate.
(5) An image display device comprising the antireflection film as described in (1) or (2) above or the antireflection film as described in (3) or (4).
[0013]
The antireflection film of the present invention may have a single layer structure composed of only a low refractive index layer, or may have a multilayer structure laminated with a medium / high / low refractive index layer, a hard coat layer, or the like. The antireflection film may be disposed on the image display device after forming an antireflection film in advance, or may be directly formed (on the spot) on the image display device.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The antireflection film of the present invention will be described below.
[Layer structure of antireflection film]
A typical layer structure of the antireflection film of the present invention will be described with reference to FIG.
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing a preferred layer structure of a preferred antireflection film. The embodiment shown in FIG. 1A has a layer structure in the order of a transparent support 4, a hard coat layer 3, a high refractive index layer 2, and a low refractive index layer 1. As shown in (a), in the antireflection film having the high refractive index layer 2 and the low refractive index layer 1, as described in JP-A-59-50401, the high refractive index layer has the following formula ( i) It is preferable that the low refractive index layer satisfies the following formula (ii).
[0015]
[Expression 1]
Figure 2004117858
[0016]
In formula (i), m is a positive integer (generally 1, 2 or 3), and n1Is the refractive index of the high refractive index layer and d1Is the layer thickness (nm) of the high refractive index layer.
[0017]
[Expression 2]
Figure 2004117858
[0018]
In formula (ii), n is a positive odd number (generally 1), and n2Is the refractive index of the low refractive index layer and d2Is the layer thickness (nm) of the low refractive index layer.
[0019]
Refractive index n of the high refractive index layer1Is generally at least 0.05 higher than the transparent film and the refractive index n of the low refractive index layer2Is generally at least 0.1 lower than the refractive index of the high refractive index layer and at least 0.05 lower than the transparent film. Further, the refractive index n of the high refractive index layer1Is generally in the range of 1.57 to 2.40.
[0020]
The embodiment shown in FIG. 1 (b) includes a transparent support (4), a hard coat layer (3), a medium refractive index layer (5), a high refractive index layer (2), and a low refractive index layer (1). Has an ordered layer structure. As shown in (b), an antireflection film having a medium refractive index layer (5), a high refractive index layer (2), and a low refractive index layer (1) is described in JP-A-59-50401. As described above, it is preferable that the middle refractive index layer satisfies the following formula (iii), the high refractive index layer satisfies the following formula (iv), and the low refractive index layer satisfies the following formula (v).
[0021]
[Equation 3]
Figure 2004117858
[0022]
In formula (iii), h is a positive integer (generally 1, 2 or 3), and n3Is the refractive index of the medium refractive index layer and d3Is the layer thickness (nm) of the medium refractive index layer.
[0023]
[Expression 4]
Figure 2004117858
[0024]
In formula (iv), j is a positive integer (generally 1, 2 or 3), and n4Is the refractive index of the high refractive index layer and d4Is the layer thickness (nm) of the high refractive index layer.
[0025]
[Equation 5]
Figure 2004117858
[0026]
In formula (v), k is a positive odd number (generally 1), and n5Is the refractive index of the low refractive index layer and d5Is the layer thickness (nm) of the low refractive index layer.
[0027]
Refractive index n of middle refractive index layer3Is generally in the range of 1.5 to 1.7 and the refractive index n of the high refractive index layer.4Is generally in the range of 1.7 to 2.2.
[0028]
The embodiment shown in FIG. 1C has a layer structure in the order of a transparent support (4), an antiglare hard coat layer (6), and a low refractive index layer (1). In such an antireflection film, for example, as described in JP-A-2001-281410, it is preferable that the low refractive index layer satisfies the following formula (vi).
[0029]
[Formula 6]
Figure 2004117858
[0030]
In formula (vi), m is a positive odd number (generally 1), and n6Is the refractive index of the low refractive index layer and d6Is the layer thickness (nm) of the low refractive index layer.
[0031]
In the formulas (i) to (vi), λ is the wavelength of light, and when used as an antireflection layer in the visible region, λ is a value in the range of 380 to 680 nm. It is also effective for ultraviolet and infrared rays in the vicinity of the region. The high refractive index, medium refractive index, and low refractive index described here refer to the relative refractive index between layers. For example, the medium refractive index layer is produced by a method such as changing the content of the high refractive index inorganic fine particles added to the high refractive index layer.
In the antireflection film of the present invention having the above layer structure, at least a low refractive index layer improved according to the present invention is used.
[0032]
[Low refractive index layer]
The low refractive index layer is arranged on the upper layer of the high refractive index layer as shown in FIGS. 1 (a), (b) and (c). Usually, the upper side of the low refractive index layer is the surface of the antireflection film.
The refractive index of the low refractive index layer is preferably 1.20 to 1.49, more preferably 1.20 to 1.45, and particularly preferably 1.20 to 1.43.
The thickness of the low refractive index layer is preferably 10 to 400 nm, and more preferably 30 to 200 nm. The haze of the low refractive index layer is preferably 3% or less, more preferably 2% or less, and most preferably 1% or less. The specific strength of the low refractive index layer is preferably H or more, more preferably 2H or more, and most preferably 3H or more in a 1 kg load pencil hardness test (JIS K5400).
[0033]
The low refractive index layer of the present invention is composed of a perfluoroethylenyl group represented by the general formula (I) as a repeating unit, and the main chain may have an unsubstituted or fluorine-containing substituent, Matrix layer formed by coating and curing a film-forming composition containing a coupling compound (FM) having a silyl group bonded to the end of the main chain and at least one silane coupling agent Consists of.
[0034]
The main chain represented by the general formula (I) according to the present invention is composed mainly of a perfluoroethylenyl group which may be unsubstituted or have a fluorine-containing substituent, and a silyl group at the end of the main chain A monofunctional coupling compound (FM, hereinafter also referred to as a monofunctional silane coupling compound or a monofunctional silane coupling macromonomer) will be described.
The monofunctional coupling compound (FM) according to the present invention has a weight average molecular weight of 2 × 10.4The following is preferred. More preferably, 1 × 103~ 1.5 × 104And more preferably 2 × 103~ 8x103It is. Within this range, the condensation reaction with the silane coupling agent used together proceeds sufficiently, and the strength of the resulting film is sufficient.
Rf 0Is a fluorine atom, a perfluoroalkyl group, or “O—Rf 1Represents a group. Where Rf 1Represents a fluorine-containing aliphatic group.
X represents a divalent organic residue that connects the main chain and the Si atom.
R1Is an aliphatic group or COR10Represents a group. However, R10Represents a hydrocarbon group. R2Represents a hydrocarbon group.
a represents 0 or 1;
The parentheses are a repeating unit portion of the perfluoroethylenyl group, and the weight average molecular weight of the repeating unit portion is 20,000 or less.
[0035]
The repeating unit of the monofunctional coupling compound (FM) represented by the general formula (I) will be described.
R in repeating unitf 0Is a fluorine atom, a C 1-7 perfluoroalkyl group or —ORf 1Represents a group.
[0036]
Rf 0Is a perfluoroalkyl group, a perfluoromethyl group, a perfluoroethyl group, a perfluoropropyl group, or a perfluorobutyl group is more preferred from the viewpoint of the polymerization reactivity of the corresponding monomer.
[0037]
Rf 1Represents a fluorinated aliphatic group having 1 to 22 carbon atoms, preferably a fluorinated aliphatic group having 1 to 12 carbon atoms. Specifically, for example, a C1-C8 perfluoroalkyl group, -CH2F, -CHF2, -CH2CF3,-(CH2)2C2F5, -CH2CF2CF2CFH2, -CH2(CF2)4H, -CH2(CF2)8CF3, -CH2CH2(CF2)4H or the like, but also a branched structure (for example, CH (CF3)2, CH2CF (CF3)2, CH (CH3CF2CF3, CH (CH3) (CF2)5CF2H) or an alicyclic structure (preferably a 5- or 6-membered ring such as a perfluorocyclohexyl group, a perfluorocyclopentyl group, or an alkyl group substituted with these). Or a fluorine-containing aliphatic ether linking group (for example, —CH2OCH2CF2CF3, -CH2CH2OCH2C4F8H, -CH2CH2OCH2CH2C8F17, -CH2CH2OCF2CF2OCF2CF2H, -CF2CH2OCH2CF3,-(CF2)2(CH2)2OCH (CF3)3Etc.).
[0038]
The monofunctional silane coupling compound (FM) according to the present invention is not limited to the repeating unit (polymerization component) shown in the general formula (I) described above, and is not limited to the monomer corresponding to these polymerization components. You may contain the other polymerizable monomer which can superpose | polymerize.
For example, the repeating unit shown by the following general formula (Ib) is mentioned.
[0039]
[Chemical 3]
Figure 2004117858
[0040]
In general formula (Ib), d1, D2And d3May be the same or different and each represents a hydrogen atom, a fluorine atom, or an alkyl group (for example, a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, etc.).
Preferred d1, D2And d3As CF2= CF-, CF2= CH-, CFH = CF-, CH2= CF-, CH2= CH-, CH (CH3) = CH-, CH2= C (CH3)-And the like.
[0041]
U1Is-(CH2)dCOO-,-(CH2)dOCO-, -O-, -SO2-, -CONHCOO-, -CONHCONH-, -CON (K1)-, -SO2N (K1)-, A phenylene group or [C (d1) (D2) = C (d3)-] And -R3Represents a single bond directly bonding (where K1Represents a hydrogen atom or an aliphatic group having 1 to 12 carbon atoms, and d represents 0 or an integer of 1 to 4).
U1As for, -O-, a phenylene group, and a direct bond are preferable.
[0042]
R3Represents a linear or branched aliphatic group having 1 to 22 carbon atoms which may be substituted, or an aryl group having 6 to 12 carbon atoms which may be substituted.
As the aliphatic group, a linear or branched alkyl group having 1 to 18 carbon atoms which may be substituted [for example, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, hexyl group, heptyl group, octyl group, nonyl group Decyl group, dodecyl group, tridecyl group, tetradecyl group, hexadecyl group, octadecyl group, 2-fluoroethyl group, trifluoromethyl group, 2-chloroethyl group, 2-bromoethyl group, 2-cyanoethyl group, 2-methoxycarbonylethyl group 2-methoxyethyl group, 3-bromopropyl group, 2-methylcarbonylethyl group, 2,3-dimethoxypropyl group, fluorinated alkyl group {for example,-(CH2)hCiF2i + 1A group (where h represents an integer of 1 to 6 and i represents an integer of 1 to 12),-(CH2)h-(CF2)j-R36Group (where j is 0 or an integer of 1 to 12, R36The group is an alkyl group having 1 to 12 carbon atoms, -CF2H, -CFH2, -CF3), -CH (CF3)2, -CF2Cl, -CFCl2, -CFClH, -CF (CF3OCiF2i + 1, -OCiF2i + 1, -C (CF3)2OCiF2i + 1Etc.], an alkenyl group having 4 to 18 carbon atoms which may be substituted (for example, 2-methyl-1-propenyl group, 2-butenyl group, 2-pentenyl group, 3-methyl-2-pentenyl group, 1 -Pentenyl group, 1-hexenyl group, 2-hexenyl group, 4-methyl-2-hexenyl group, decenyl group, dodecenyl group, tridecenyl group, hexadecenyl group, octadecenyl group, linolenyl group, etc.), C 7-12 substitution An aralkyl group (for example, benzyl group, phenethyl group, 3-phenylpropyl group, naphthylmethyl group, 2-naphthylethyl group, chlorobenzyl group, fluorobenzyl group, perfluorobenzyl group, methylbenzyl group, ethylbenzyl) Group, methoxybenzyl group, dimethylbenzyl group, dimethoxybenzyl group, etc.), substituted with 5 to 8 carbon atoms Good alicyclic group (for example, cyclopentyl group, cyclohexyl group, 2-cyclohexylethyl group, 2-cyclopentylethyl group, perfluorohexyl group, tetrafluorohexyl group, methylcyclohexyl group, methoxycyclohexyl group, etc.), carbon number 6-12 aromatic groups (for example, phenyl group, naphthyl group, tolyl group, xylyl group, propylphenyl group, butylphenyl group, octylphenyl group, methoxyphenyl group, fluorophenyl group, chlorophenyl group, Difluorophenyl group, perfluorophenyl group, cyanophenyl group, acetylphenyl group, methoxycarbonylphenyl group, acetamidophenyl group, etc.).
[0043]
R3Is preferably an aliphatic group, more preferably an aliphatic group containing a fluorine atom.
[0044]
Below, the specific example of the repeating unit in general formula (I) is shown. However, the present invention is not limited to these.
[0045]
[Formula 4]
Figure 2004117858
[0046]
[Chemical formula 5]
Figure 2004117858
[0047]
X in the general formula (I) represents a divalent organic residue connecting the Si atom and the polymer main chain.
Preferably, it represents a linking group having 2 to 22 atoms in total, and more preferably 4 to 18 atoms in total (here, the total number of atoms excludes hydrogen atoms bonded to carbon atoms, nitrogen atoms or silicon atoms). . By interposing X in the general formula (I), the reactivity of the monofunctional silane coupling compound (FM) is improved, and the strength and antifouling property of the obtained sol-gel cured film are improved. It is preferable.
[0048]
As the linking group represented by X, carbon atom-carbon atom bond (single bond or double bond), carbon atom-heteroatom bond (hetero atoms include, for example, oxygen atom, sulfur atom, nitrogen atom, silicon atom) Or any combination of atomic groups composed of heteroatoms-heteroatom bonds and the like. For example, the following are mentioned as atomic groups.
[0049]
[Chemical 6]
Figure 2004117858
[0050]
In the above, r1, R2May be the same or different, and may be a hydrogen atom, a halogen atom (a fluorine atom, a halogen atom, a bromine atom, an iodine atom) or an alkyl group having 1 to 6 carbon atoms (for example, a methyl group, an ethyl group, a propyl group) Butyl, pentyl, hexyl, trifluoromethyl, methoxyethyl, cyanoethyl, chloroethyl, etc.), r3Is a hydrogen atom or an optionally substituted hydrocarbon group having 1 to 12 carbon atoms (for example, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, hexyl group, cyclohexyl group, cyclohexylmethyl group, benzyl group, phenethyl group, Phenyl group, chlorophenyl group, methoxyphenyl group, acetylphenyl group, trifluorophenyl group, etc.), r4, R5May be the same or different and may be substituted hydrocarbon groups having 1 to 12 carbon atoms (specifically, the above r3Represents the same content as).
[0051]
Examples of the linking group represented by X include a divalent alicyclic group (the hydrocarbon ring having an alicyclic structure includes, for example, a cycloheptane ring, a cyclohexane ring, a cyclooctane ring, a bicyclopentane ring, and a tricyclohexane ring. , Bicyclooctane ring, bicyclononane ring, tricyclodecane ring, etc.), and any combination of atomic groups such as a group represented by a divalent aryl ring group (eg, benzene ring, naphthalene ring, etc.) Including what is done.
Specific examples of the linking group X are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0052]
[Chemical 7]
Figure 2004117858
[0053]
Next, the silyl group [(R1O)3-a(R2)aSi-] will be described. (R1O) group is an alkoxy group (R1Is an aliphatic group) or an acylalkoxy group (R1-COR10In the case of a silanol group [typically (HO)3-a-Si (R2)a−] And the condensation polymerization reaction proceeds.
[0054]
R1Is an aliphatic group, a linear or branched aliphatic group having 1 to 8 carbon atoms which may be substituted (for example, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, pentyl group, hexyl group, trifluoroethyl). Group, methoxymethyl group, benzyl group, phenethyl group, cyclohexyl group, cyclohexylmethyl group, etc.).
R1-COR10R in the case of10Is a linear or branched aliphatic group having 1 to 6 carbon atoms (specifically, R1And specific examples thereof are the same), and optionally substituted phenyl groups (for example, phenyl group, methoxyphenyl group, fluorophenyl group, tolyl group, xylyl group, etc.). .
[0055]
Among them, preferred (R1As the O) group, (R1O) Hydrolysis reactivity of the group and from the viewpoint of drying in the drying step with a coating film of alcohols or carboxylic acids by-produced by elimination, an alkoxy group having 1 to 4 carbon atoms or an acyloxy group having 1 to 3 carbon atoms Groups.
[0056]
R2Represents an aliphatic group having 1 to 12 carbon atoms or an aryl group having 6 to 12 carbon atoms. These hydrocarbon groups may be substituted. Specifically, R in the general formula (Ib)3And specific examples are the same. In addition, as the aliphatic group, R in the general formula (I)f 1And those having the same content as the fluorine-containing aliphatic group.
Furthermore, R2Examples of the substituent substituted by the hydrocarbon group include a polymerizable group copolymerizable with the compound (FM) of the general formula (I). In the composition for a low refractive index layer of the present invention, the film properties of the formed low refractive index layer can be improved by using a compound having a copolymerizability with the compound (FM) of the general formula (I). .
As the polymerizable group, a radical polymerizable group (for example, acryloyloxy group, methacryloyloxy group, crotonyloxy group, vinyloxycarbonyl group, allyloxycarbonyl group, styryl group, acrylamide group, methacrylamide group, etc.), cation Examples thereof include a polymerizable group (for example, an epoxy group, an oxetanyl group, a vinyl group, a vinyloxy group, a 2-propenyloxy group).
[0057]
a represents 0 or 1;
When a is 1, from the viewpoint of the reactivity of the compound (FM) of the general formula (I) according to the present invention (R1O) R in the group1Is preferably an alkyl group having 1 to 3 carbon atoms.
[0058]
The compound (FM) of the general formula (I) according to the present invention can be produced by a conventionally known synthesis method. For example, (i) a method by ionic polymerization in which various reagents are reacted with a terminal of a living polymer obtained by anionic polymerization to form a coupling compound of the general formula (I), (ii) a carboxyl group in the molecule Using a polymerization initiator and / or chain transfer agent containing a reactive group such as a hydroxy group or an amino group, a terminal reactive group-bonded oligomer obtained by radical polymerization is reacted with various reagents, Examples thereof include a radical polymerization method for forming a silane coupling compound of the formula (I).
[0059]
Specifically, P.I. Dryfuss & R. P. Quirk, Encycl. Polym. Sci. Eng. , 7, 551 (1987), p. F. Rempp & E. Franta, Adv. Polym. Sci. , 58, 1 (1984), V.R. Percec, Appl. Polym. Sci. , 285, 95 (1984), R.A. Asami & M. Takari, Makvamol. Chem. Suppln. 12, 163 (1985), p. Repmp. et al, Makvamol. Chem. Suppln. 8, 3 (1984), Yusuke Kawakami, Chemical Industry, 38, 56 (1987), Yuya Yamashita, Polymer, 31, 988 (1982), Shiro Kobayashi, Polymer, 30, 625 (1981), Toshinobu Higashimura , Journal of Japan Adhesion Association, 18, 536 (1982), Koichi Ito, polymer processing, 35, 262 (1986), Shiro Tonuki, Takashi Tsuda, Functional Materials, 1987, No. It can be synthesized according to the methods described in the reviews such as 10, 5 and the references and patents cited therein.
[0060]
Examples of the polymerization initiator containing a specific reactive group in the molecule include 4,4′-azobis (4-cyanovaleric acid), 4,4′-azobis (4-cyanovaleric acid chloride), 2,2'-azobis (2-cyanopropanol), 2,2'-azobis (2-cyanopentanol), 2,2'-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) -propioamide], 2,2'-azobis {2-methyl-N- [1,1-bis (hydroxymethyl) ethyl] propioamide}, 2,2'-azobis {2-methyl-N- [1,1-bis (hydroxymethyl) ) -2-Hydroxyethyl] propioamide}, 2,2′-azobis [2- (5-methyl-2-imidazolin-2-yl) propane], 2,2′-azobis [2- (4,5,6) , 7-Tetrahi Ro-1H-1,3-diazevin-2-yl) propane], 2,2'-azobis [2- (3,4,5,6-tetrahydropyrimidin-2-yl) propane], 2,2'- Azobis [2- (5-hydroxy-3,4,5,6-tetrapyrimidin-2-yl) propane], 2,2'-azobis {2- [1- (2-hydroxyethyl) -2-imidazoline- 2-yl] propane}, 2,2′-azobis [N- (2-hydroxyethyl) -2-methyl-propionamidine], 2,2′-azobis [N- (4-aminophenyl) -2-methyl And azobis compounds such as propionamidine].
[0061]
Further, as a chain transfer agent containing a specific reactive group in the molecule, for example, a mercapto compound containing a substituent that can be derived from the reactive group or the reactive group (for example, thioglycolic acid, thiomalic acid, thiosalicylic acid) 2-mercaptopropionic acid, 3-mercaptopropionic acid, 3-mercaptobutyric acid, N- (2-mercaptopropionyl) glycine, 2-mercaptonicotinic acid, 3- [N- (2-mercaptoethyl) carbamoyl] propionic acid, 3- [N- (2-mercaptoethyl) amino] propionic acid, N- (3-mercaptopropionyl) alanine, 2-mercaptoethanesulfonic acid, 3-mercaptopropanesulfonic acid, 4-mercaptobutanesulfonic acid, 2-mercapto Ethanol, 3-mercapto-1,2-propanediol, 1- Lucapto-2-propanol, 3-mercapto-2-butanol, mercaptophenol, 2-mercaptoethylamine, 2-mercaptoimidazole, 2-mercapto-3-pyridinol, etc.), or iodinated containing the above reactive groups or substituents Examples include alkyl compounds (for example, iodoacetic acid, iodopropionic acid, 2-iodoethanol, 2-iodoethanesulfonic acid, 3-iodopropanesulfonic acid, etc.). Preferably, a mercapto compound is used.
[0062]
Other methods include compounds containing dithiocarbamate groups containing specific functional groups (eg, halogen atoms (chlorine atoms, bromine atoms, etc.), epoxy groups, hydroxy groups, carboxy groups, sulfo groups, etc.) and / or A compound containing a xanthate group can also be synthesized by carrying out a polymerization reaction under light irradiation using an initiator as a compound. For example, Otsu et al., Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-11, Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-26619, Toshinyuki et al. “Polymer Preprints, Japan” 36 (6), 1511 (1987), Niwa, N.N. It can be synthesized according to each synthesis method described in Higashi et al, “J. Macromol. Sci. Chem.”, A24 (5), 567 (1987), and the like.
[0063]
These chain transfer agents or polymerization initiators are preferably used in an amount of 0.5 to 20 parts by weight, more preferably 1 to 100 parts by weight per 100 parts by weight of the monomer corresponding to the repeating unit of the general formula (I). 10 parts by weight.
[0064]
Easily produced by introducing a silane coupling group using a specific reactive group contained in an organic residue selectively bonded to one end of the polymer main chain thus produced. can do.
Further, mercapto compounds substituted with a silane coupling group [for example, 3-mercaptopropyl (trimethoxy) silane, 3-mercaptopropyl (triethoxy) silane, 3-mercaptopropyl- (methyl) (dimethyl) silane, 4-mercaptobutyl ( Triethoxy) silane and the like] can also be produced by radical polymerization reaction using a chain transfer agent.
[0065]
The silane coupling agent used in the present invention will be described.
The silane coupling agent of the present invention represents an organosilane compound having a functional group capable of giving silanol by hydrolysis in the molecule, and is obtained by hydrolysis and condensation in the composition of the present invention. It becomes a hydrolyzate and / or a partial condensate and serves as a binder in the composition.
The silane coupling agent of the present invention preferably undergoes a cocondensation reaction with the monofunctional coupling compound (FM).
[0066]
Specifically, the compound shown by the following general formula (II) is mentioned.
Formula (II)
(R11)4-bSi (Y)b
In formula (II), R11R in the formula (I)1Represents the same content as. Y is a halogen atom (fluorine atom, chlorine atom, bromine atom, iodine atom), -OH, or OR12Represents. However, OR12R in the formula (I)12Represents the same content as. b represents an integer of 2, 3 or 4.
When b is 4, tetrafunctional organosilane, when 3 is trifunctional organosilane, and when 2 is bifunctional organosilane.
Examples of the tetrafunctional organosilane include tetramethoxysilane, tetraethoxysilane, tetra n-propoxysilane, tetra-i-propoxysilane, tetra-n-butoxysilane, and tetra-acetoxysilane.
As the bi- or trifunctional organosilane, R11As those containing a polymerizable group such as an aliphatic group, a fluorine atom-containing aliphatic group or a polymerizable vinyl group, for example, paragraph numbers [0016] to [0025] in JP-A 2000-275403, The compound described in paragraph Nos. [0040] in the specification of JP-A-2000-117902, paragraphs [0039]-[0045] in the specification of JP-A-2002-131507, and a hydrocarbon group containing an epoxy group. Examples thereof include, but are not limited to, paragraph number [0014] in JP-A-6-226828.
[0067]
These organosilane compounds may be used alone or in combination of two or more.
When using the above bi- or trifunctional organosilane, R11Organosilanes containing at least one aliphatic group having a fluorine atom are preferred from the viewpoint of refractive index. When two or more kinds of the above organosilanes are used in combination, the proportion of the bifunctional organosilane in the composition used in the present invention is 0 to 150% by weight, preferably 4% to the trifunctional organosilane component. 5 to 100% by weight, more preferably 10 to 60% by weight.
[0068]
Organosilanes containing a hydrocarbon group having a polymerizable group (radically polymerizable vinyl group, cationic polymerizable group (epoxy group, oxetanyl group, vinyloxy group, etc.)) may be used alone or in combination. More than one species can be used in combination. When two or more of the above-mentioned vinyl polymerizable organosilanes are used in combination, the proportion of the monopolymerizable organosilane in the composition of the present invention is 0 to 150 with respect to the bipolymerizable organosilane and the tripolymerizable organosilane component. % By weight, preferably 5 to 100% by weight, more preferably 10 to 60% by weight. These polymerizable group-containing organosilanes become a hydrolyzate and / or a partial condensate obtained by hydrolysis and condensation in the composition and serve as a binder in the composition, while at the same time forming a network structure with an organic polymer. It is preferable that it is formed and functions to impart flexibility to the film.
[0069]
In the present invention, hydrolysis / polycondensation is performed using at least one of the fluorine-containing silane coupling compound (FM) represented by the general formula (I) and the silane compound represented by the general formula (II) as essential components. To prepare a coating solution.
The hydrolysis polycondensation reaction of the silane compound can be performed without a solvent or in a solvent. The solvent is preferably an organic solvent, such as ketones (acetone, methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, cyclohexanone, methylcyclohexanone, etc.), esters (ethyl acetate, butyl acetate, ethylene glycol monomethyl ether monoacetate, etc.), alcohols (methanol, ethanol, etc.) Isopropyl alcohol, butanol, ethylene glycol, ethylene glycol monomethyl ether), hydrocarbons (toluene, xylene, etc.), ethers (ethylene glycol dimethyl ether, tetrahydrofuran, 1,4-dioxane, etc.) and the like. The above solvents can be used in combination.
[0070]
The hydrolysis condensation reaction is preferably performed in the presence of a catalyst. Catalysts include inorganic acids such as hydrochloric acid, sulfuric acid and nitric acid, organic acids such as oxalic acid, acetic acid, formic acid, trifluoroacetic acid, methanesulfonic acid and toluenesulfonic acid, inorganic bases such as sodium hydroxide, potassium hydroxide and ammonia , Organic bases such as triethylamine and pyridine, metal alkoxides such as triisopropoxyaluminum, tetrabutoxyzirconium and tetrabutoxytitanate, metal chelate compounds of β-diketones and β-ketoesters, and the like. Specific examples include compounds described in paragraphs [0071] to [0083] in JP-A 2000-275403.
[0071]
The proportion of the sol-gel catalyst compound in the composition is 0.011 to 50% by weight, preferably 0.1 to 50% by weight, more preferably 0.5 to 10% by weight, based on the organosilane that is the raw material of the sol liquid. It is. The reaction conditions are preferably adjusted as appropriate depending on the reactivity of the organosilane.
[0072]
On the other hand, when sol-gel condensation is performed using an organic acid such as carboxylic acid as a catalyst, water is formed in the system by a condensation reaction (esterification reaction) with an alcohol generated by a reaction with alkoxysilane or an alcohol added as a solvent. Thus, the hydrolysis reaction can be carried out without adding additional water.
In such a system in which no water is added, advantageous results are obtained in terms of curing time and film strength. In the present invention, water is not added with a carboxylic acid having a pKa of 4 or less at 25 ° C. in water as a catalyst. It is preferable to adjust the sol solution. Specific examples of preferable carboxylic acid catalysts include compounds described in paragraphs [0058] to [0060] in JP-A No. 2000-275403.
[0073]
When the silane coupling compound contains a polymerizable group, the composition for a low refractive index layer used in the present invention may be used in combination with a polymerizable group-containing monomer copolymerizable with these polymerizable groups. There is no restriction | limiting in particular in these polymerizable monomers, If it can copolymerize by normal radical polymerization or cationic polymerization, it can use preferably. Either a monofunctional monomer having one polymerizable group in the monomer molecule or two or more polyfunctional monomers may be used and can be appropriately selected and used. Specific examples of the radical polymerizable monomer include compounds described in paragraph numbers [0052] to [0065] in JP-A 2000-275403. Specific examples of the cationic polymerizable monomer include compounds described in paragraphs [0085] to [0087] in JP-A 2000-47004.
[0074]
Polymerization initiator
When the composition used in the present invention contains the polymerizable compound, a polymerization reaction of a compound containing a polymerizable unsaturated group or a cationic polymerizable group is generated by generating a radical or a cation by heat and / or light irradiation. In combination with a compound that initiates and accelerates. These radical polymerization initiators and cationic polymerization initiators are appropriately combined with a polymerizable group of a polymerizable compound and appropriately known in the art (for example, “Latest UV Curing Technology” PP. 60 to 62 (Technical Information, Inc.). Association publication, 1991, etc.) can be used.
[0075]
Examples of the radical polymerization initiator include an amine compound (described in Japanese Patent Publication No. 44-20189), an onium salt compound (described in the above-mentioned “Latest UV Curing Technology”, etc.), an organic halogenated compound (MP Hutt “Journal”). of Heterocyclic Chemistry “1 (No. 3), (1970), etc.), carbonyl compounds (described in paragraphs [0015] to [0016] etc. of JP-A-8-134404, etc.], organic peroxide compounds, azo Polymerization initiators, metallocene compounds (described in JP-A-5-83588, JP-A-1-304453, etc.), hexaarylbiimidazole compounds (described in JP-B-6-29285, etc.), organic boric acid compounds (Kunz, Martin) "Rad Tech '98, Proceedin April 19-22, 1998, Chicago "and the like, wherein, etc.), and disulfone compounds (JP 61-166544 publication, etc.).
[0076]
Examples of the cationic polymerization initiator include onium salt compounds, organic halogenated compounds, and disulfone compounds. Specific examples thereof are the same as those described for the compound generating the radical. Other cationic polymerization initiators include organic metal / organic halides (described in JP-A-2-161445), photoacid generators having an o-nitrobenzyl type protecting group (US Pat. No. 4,181,531). And JP-A-60-198538), and compounds such as iminosulfonate and the like that generate a sulfonic acid upon photolysis (described in JP-A-2-245756).
[0077]
filler
Colloidal silica can be added to the composition of the present invention for the purpose of improving the hardness of the resulting coating film. Examples of the colloidal silica include water-dispersed colloidal silica and organic solvent-dispersed colloidal silica such as methanol or isopropyl alcohol.
In order to express or adjust various properties such as coloring of the obtained coating film, imparting unevenness, preventing UV transmission to the base, imparting corrosion resistance, heat resistance, and refractive index of the film to the composition of the present invention In addition to the colloidal silica, a filler can be added and dispersed. Examples of the filler include water-insoluble pigments such as organic pigments and inorganic pigments, and particulate and fibrous metals or alloys other than pigments and their fluorides, oxides, hydroxides, carbides, Examples thereof include nitrides and sulfides. Examples of the inorganic compound of the filler include inorganic particles described in paragraph No. [0056] of JP-A No. 11-106704 and JP-A No. 2001-188104.
Examples of the resin particles include fluorine atom-containing resins such as paragraph numbers [0013] to [0018] in JP-A No. 10-142403 and paragraph numbers [0028] to [0037] in JP-A No. 11-23803. Etc.
The average particle diameter or average length of these fillers is usually 5 to 500 nm, preferably 10 to 200 nm. The ratio in the composition when using the filler is about 10 to 300 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the total solid content of the composition.
[0078]
Other additives
Various surfactants, other silane coupling agents, titanium coupling agents, dyes, dispersants, thickeners, leveling agents, and other additives may be added to the composition used in the present invention.
[0079]
In preparing the sol solution used in the present invention, any method such as a method of adding water to the composition containing each of the above components to hydrolyze or a method using the above carboxylic acids may be used. At this time, it is preferable to use the above-mentioned catalyst in order to promote hydrolysis as necessary. Examples thereof include the following preparation methods (1) to (3), but are not limited thereto.
(1) A predetermined amount of water (or carboxylic acid) is added to a solution comprising a silyl group-containing component (a polymerizable monomer and a polymerization initiator as required), a solvent and a hydrolysis catalyst to carry out a hydrolysis / condensation reaction. How to do. (2) A predetermined amount of water (or carboxylic acid) is added to a solution composed of a silyl group component and a solvent to carry out a hydrolysis / condensation reaction, and then a hydrolysis catalyst, a polymerizable monomer and a polymerization initiator are added if necessary. How to add. (3) A predetermined amount of water (or carboxylic acid) is added to a solution composed of a silyl group-containing component, a solvent, and a hydrolysis catalyst to carry out a hydrolysis / condensation reaction, and then a polymerizable monomer and a polymerization initiator are added and mixed. In addition, a method of further conducting a condensation reaction and the like can be mentioned.
[0080]
In the present invention, the sol solution prepared as described above is applied onto a transparent film, a high refractive index layer, a medium refractive index layer, or the like by a coating method such as curtain flow coating, dip coating, spin coating, or roll coating. The low refractive index layer is formed by drying at room temperature or heating at a temperature of about 30 to 200 ° C. for about 1 minute to 100 hours. Moreover, when the composition of this invention uses a photopolymerizable compound together, a light irradiation process is provided after application | coating. The light irradiation may be any active energy ray, but ultraviolet irradiation is preferable from the simplicity of the irradiation apparatus.
When performing simultaneous multi-layer coating, the discharge flow rate is adjusted so that each of the lower layer coating liquid and upper layer coating liquid has the required coating volume on a slide geyser with multi-stage ejection ports, and the formed multilayer flow is continuous. In particular, a method of simultaneous placing on a support and drying (a simultaneous multi-layer method) is particularly preferable.
[0081]
[High / Medium Refractive Index Layer]
When the antireflection film of the present invention takes the form of a multilayer film, generally, the low refractive index layer has at least one layer having a higher refractive index than the low refractive index layer (that is, the high refractive index layer, the medium refractive index). Rate layer).
[0082]
As an organic material for forming a layer having a higher refractive index than the above low refractive index layer, a thermoplastic film (eg, polystyrene, polystyrene copolymer, polycarbonate, aromatic ring other than polystyrene, heterocyclic ring, alicyclic ring) A polymer having a group, or a polymer having a halogen group other than fluorine; a film composition (eg, a film composition having a melamine film, a phenol film, or an epoxy film as a curing agent); a urethane-forming composition (eg, A combination of alicyclic or aromatic isocyanate and polyol; and a radically polymerizable composition (modified film or prepolymer that enables radical curing by introducing a double bond into the above compound (polymer, etc.)) Composition). Any of these film-forming compositions may be used, but materials having high film-forming properties are preferred. The layer having a refractive index higher than that of the low refractive index layer can also use inorganic fine particles dispersed in an organic material. As the organic material used for this layer, since inorganic fine particles generally have a high refractive index, those having a refractive index lower than that used when the organic material is used alone can be used. As such materials, in addition to the above-mentioned organic materials, acrylic copolymers, vinyl copolymers, polyesters, alkyd coatings, fibrous polymers, urethane coatings, various curing agents that cure these, and curable functional groups Examples thereof include various organic materials that are transparent and stably disperse inorganic fine particles.
[0083]
Further, organic-substituted silicon compounds can also be included in the high / medium refractive index layer. These silicon-based compounds are compounds represented by the following general formula or hydrolysis products thereof.
[0084]
Ra mRb nSiZ(4-mn)
In the above general formula, RaAnd RbRepresents an alkyl group, an alkenyl group, an allyl group, or a hydrocarbon group substituted with halogen, epoxy, amino, mercapto, methacryloyl or cyano, respectively, and Z represents an alkoxyl group, an alkoxyalkoxyl group, a halogen atom and an acyloxy group. Represents a selected hydrolyzable group, and m and n are 0, 1 or 2, respectively, under the condition that m + n is 1 or 2.
[0085]
Preferable inorganic compounds of inorganic fine particles dispersed in these include oxides of metal elements such as aluminum, titanium, zirconium and antimony. These compounds are commercially available in particulate form, ie as a colloidal dispersion in powder or water and / or other solvents. These are further mixed and dispersed in the above organic material or organosilicon compound.
Specific examples thereof include compounds described in JP-A Nos. 11-295503 and 11-153703.
[0086]
As a material for forming a layer having a refractive index higher than that of the low refractive index layer, an inorganic material (eg, alkoxide of various elements, salt of organic acid, which can be dispersed in a solvent with a film forming property, or is a liquid itself) And coordination compounds (eg, chelate compounds) and inorganic polymers bonded to a coordination compound. Specific examples thereof include the same compounds as those exemplified as the catalyst for the sol-gel reaction.
[0087]
The refractive index of the high refractive index layer is generally 1.70 to 2.20. The refractive index can be obtained by measurement using an appe refractometer or estimation from the reflectance of light from the layer surface. The thickness of the high refractive index layer is preferably 5 nm to 10 μm, more preferably 10 nm to 1 μm, and most preferably 30 nm to 0.5 μm. The haze of the high refractive index layer is preferably 5% or less, more preferably 3% or less, and most preferably 1% or less. The specific strength of the high refractive index layer is preferably H or more, more preferably 2H or more, and most preferably 3H or more, with a pencil hardness of 1 kg.
[0088]
The refractive index of the middle refractive index layer is adjusted to be a value between the refractive index of the low refractive index layer and the refractive index of the high refractive index layer. The refractive index of the middle refractive index layer is preferably 1.50 to 1.70.
It is particularly preferable that inorganic fine particles and a polymer are used for the high refractive index layer, and the middle refractive index layer is formed by adjusting the refractive index to be lower than that of the high refractive index layer. The haze of the medium refractive index layer is preferably 3% or less.
[0089]
[Other layers]
The antireflection film may further be provided with a hard coat layer, a moisture proof layer, an antistatic layer, an undercoat layer or a protective layer. The hard coat layer is provided for imparting scratch resistance to the transparent support, and also has a function of reinforcing the adhesion between the transparent support and the layer thereon. The hard coat layer can be formed using an acrylic polymer, a urethane polymer, an epoxy polymer, a silicon polymer, or a silica compound. A pigment may be added to the hard coat layer. The strength of the hard coat layer is preferably a pencil hardness of 1 kg load, preferably H or higher, more preferably 2H or higher, and most preferably 3H or higher. On the transparent support, in addition to the hard coat layer, an adhesive layer, a shield layer, a sliding layer and an antistatic layer may be provided. The shield layer is provided to shield electromagnetic waves and infrared rays.
[0090]
[Transparent support]
Unless the antireflection film is directly provided on the CRT image display surface or the lens surface, the antireflection film preferably has a transparent support. As the transparent support, a plastic film is preferable to a glass plate. Examples of plastic film materials include cellulose esters (eg, triacetyl cellulose, diacetyl cellulose, propionyl cellulose, butyryl cellulose, acetyl propionyl cellulose, nitrocellulose), polyamides, polycarbonates, polyesters (eg, polyethylene terephthalate, polyethylene naphthalate). , Poly-1,4-cyclohexanedimethylene terephthalate, polyethylene-1,2-diphenoxyethane-4,4′-dicarboxylate, polybutylene terephthalate), polystyrene (eg, syndiotactic polystyrene), polyolefin (eg, Polypropylene, polyethylene, polymethylpentene), polysulfone, polyethersulfone, polyarylate, polyetherimide, polymethyl It includes methacrylate and polyether ketone. Triacetyl cellulose, polycarbonate, polyethylene terephthalate and polyethylene naphthalate are preferred. The light transmittance of the transparent support is preferably 80% or more, and more preferably 86% or more. The haze of the transparent support is preferably 2.0% or less, and more preferably 1.0% or less. The refractive index of the transparent support is preferably 1.4 to 1.7. An infrared absorber or an ultraviolet absorber may be added to the transparent support. The addition amount of the infrared absorber is preferably 0.01 to 20% by mass of the transparent support, and more preferably 0.05 to 10% by mass. As a slip agent, particles of an inert inorganic compound may be added to the transparent support. Examples of inorganic compounds include SiO2, Al2O3, TiO2, BaSO4, CaCO3, Talc and kaolin.
The transparent support may be subjected to surface treatment.
[0091]
Examples of the surface treatment include chemical treatment, mechanical treatment, corona discharge treatment, flame treatment, ultraviolet irradiation treatment, high frequency treatment, glow discharge treatment, active plasma treatment, laser treatment, mixed acid treatment and ozone oxidation treatment. Glow discharge treatment, ultraviolet irradiation treatment, corona discharge treatment and flame treatment are preferred, and glow discharge treatment and ultraviolet treatment are more preferred.
[0092]
[Formation of antireflection film]
When the antireflection film has a single layer or a multi-layer structure as described above, each layer is formed by dip coating, air knife coating, curtain coating, roller coating, wire bar coating, gravure coating or extrinsic. It can be formed by coating by a rouge coating method (described in US Pat. No. 2,681,294). Two or more layers may be applied simultaneously. The methods of simultaneous application are described in US Pat. Nos. 2,761,791, 2,941,898, 3,508,947, and 3,526,528 and Yuji Harasaki, Coating Engineering, page 253, Asakura Shoten (1973). The lower the reflectance of the antireflection film, the better. Specifically, the average reflectance in the wavelength region of 450 to 650 nm is preferably 2% or less, more preferably 1% or less, and most preferably 0.7% or less. The haze of the antireflection film (when it has no anti-glare function described below) is preferably 3% or less, more preferably 1% or less, and most preferably 0.5% or less. The strength of the antireflection film is preferably 1 H or higher, more preferably 2 H or higher, and most preferably 3 H or higher, with a pencil hardness of 1 kg.
[0093]
The antireflection film may have an antiglare function that scatters external light. The antiglare function is obtained by forming irregularities on the surface of the antireflection film. When the antireflection film has an antiglare function, the haze of the antireflection film is preferably 3 to 30%, more preferably 5 to 20%, and most preferably 7 to 20%.
[0094]
As a method for forming irregularities on the surface of the antireflection film, any method can be applied as long as these surface shapes can be sufficiently maintained. For example, fine particles are used in the low refractive index layer, thereby forming irregularities on the film surface (for example, JP-A No. 2000-271878), lower layer of the low refractive index layer (high refractive index layer, medium refractive index) A relatively large particle (particle size 0.05 to 2 μm) is added to the layer or hard coat layer) to form a surface uneven film, and these shapes are maintained on the surface A method of providing a low refractive index layer (for example, Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 2000-281410 and 2000-95893), and a method of physically transferring an uneven shape to the surface of the low refractive index layer (such as an embossing method). 11-268800).
[0095]
The antireflection film is applied to an image display device such as a liquid crystal display device (LCD), a plasma display panel (PDP), an electroluminescence display <ELD>, or a cathode ray tube display device (CRT). The antireflection film is disposed so that the high refractive index layer is on the image display surface side of the image display device.
When the antireflection film has a transparent support, the transparent support side is bonded to the image display surface of the image display device. Further, the antireflection film can be used for a case cover, an optical lens, a spectacle lens, a window shield, a light cover, and a helmet shield.
[0096]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail based on examples, but the present invention is not limited thereto.
[Synthesis Example of Monofunctional Coupling Compound (FM)]
(Synthesis Example 1 of Monofunctional Coupling Compound (FM) 1: Monofunctional Coupling Compound (FM-1))
To a 1 L stainless steel autoclave with a stirrer, 75 g of toluene, 20 g of monomer (F-1) having the following structure, 1.5 g of 3-mercaptopropyltrimethoxysilane, and 2,2′-azobis (isovaleronitrile) ( (Abbreviation: AIVN) 1.0 g was charged, the system was degassed and replaced with nitrogen gas. Further, 30.0 g of hexafluoropropylene (HFP) was introduced into the autoclave and the temperature was raised to 65 ° C. The pressure when the temperature in the autoclave reaches 65 ° C. is 5.4 kg / cm.2(529 kPa). After 4 hours of reaction, A. I. V. N. A solution obtained by dissolving 0.3 g in 5 ml of toluene was added using nitrogen gas pressure.
After continuing the reaction for another 7 hours, the heating was stopped and the mixture was allowed to cool. When the internal temperature dropped to room temperature, the autoclave was opened and the reaction solution was taken out and reprecipitated in 200 ml of n-hexane.
The sediment was collected and dried under reduced pressure. The yield was 43 g and the weight average molecular weight was 6 × 10.3Product was obtained. (Mass average molecular weight (Mw) is a GPC method measurement value in terms of polystyrene).
[0097]
[Chemical 8]
Figure 2004117858
[0098]
(Synthesis Example 2 of Monofunctional Coupling Compound (FM) 2: Monofunctional Coupling Compound (FM-2))
In a 1 L stainless steel autoclave with a stirrer, 75 ml of tetrahydrofuran, 27.5 g of monomer (F-2) having the following structure, 2,2′-azobis (2-cyanoheptanol (abbreviation: ABCH) .) 2.5 g was charged, the system was evacuated and replaced with nitrogen gas, and 22.5 g of hexafluoropropylene (HFP) was introduced into the autoclave and the temperature was raised to 65 ° C. The temperature in the autoclave was The pressure when reaching 65 ° C. is 5.4 kg / cm2(529 kPa). After 4 hours of reaction, A. B. C. H. A solution prepared by dissolving 1.5 g in 5 ml of tetrahydrofuran was added using nitrogen gas pressure.
After continuing the reaction for 6 hours, the heating was stopped and the mixture was allowed to cool. When the internal temperature dropped to room temperature, the autoclave was opened and the reaction solution was taken out and put into a 200 ml three-necked flask.
To this, 4.0 g of 3-trimethoxycyclopropane isocyanate and 0.05 g of dibutyltin dilaurate were added and stirred at 50 ° C. for 6 hours. After allowing to cool, it was reprecipitated in 800 mL of petroleum ether. The yield of the product obtained by collecting the precipitate and drying under reduced pressure is 40 g, and the mass average molecular weight is 8 × 10.3Met.
[0099]
[Chemical 9]
Figure 2004117858
[0100]
(Synthesis Example 3 of Monofunctional Coupling Compound (FM) 3: Monofunctional Coupling Compound (FM-3))
A quartz round window was inserted into the side wall of a 2 liter AISI 316 autoclave equipped with a stirrer operating at 400 rpm, and a Hanau (registered trademark) TQ-150 UV lamp was placed in accordance with the quartz round window. This lamp is a high-pressure mercury lamp, which emits light of 240 to 600 nm, and has energy of 13.2 W with light having a wavelength of 240 to 330 nm.
To this apparatus, 45 g of monomer (F-3) having the following structure, 2.0 g of a photopolymerization initiator having the following structure, and 100 g of tetrahydrofuran were charged, and the inside of the system was deaerated and replaced with nitrogen gas. Further, 55 g of octafluorobutene was introduced into the autoclave and the temperature was raised to 45 ° C. After continuing the reaction for 10 hours, heating was stopped and the mixture was allowed to cool. When the internal temperature dropped to room temperature, the autoclave was opened, the reaction solution was taken out, and the tetrahydrofuran was concentrated to obtain a 30% by mass solution of toluene.
The mass average molecular weight Mw of the obtained product is 5 × 103Met.
[0101]
Embedded image
Figure 2004117858
[0102]
[Preparation of coating solution for constituent layer of antireflection film]
(Preparation of coating solution A for anti-glare high refractive index layer)
439 g of a mixture of dipentaerythritol pentaacrylate and dipentaerythritol hexaacrylate (DPHA, Nippon Kayaku Co., Ltd.) 125 g, bis (4-methacryloylthiophenyl) sulfide (MPSMA, Sumitomo Seika Co., Ltd.) 125 g In a mixed solvent of methyl ethyl ketone / cyclohexanone = 50/50%. In the obtained solution, a solution obtained by dissolving 5.0 g of a photopolymerization initiator (Irgacure 907, manufactured by Ciba Geigy) and 3.0 g of a photosensitizer (Kayacure DETX, manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.) in 49 g of methyl ethyl ketone. added. The refractive index of the coating film obtained by applying this solution and curing with ultraviolet rays was 1.60. Further, 10 g of amorphous silica particles having an average particle size of 3 μm (trade name: Mizukasil P-526, manufactured by Mizusawa Chemical Co., Ltd.) were added to this solution, and the mixture was stirred and dispersed at 5000 rpm for 1 hour with a high-speed dispaper. It filtered with the polypropylene filter with a hole diameter of 30 micrometers, and prepared the coating liquid A of the anti-glare high refractive index layer.
[0103]
(Preparation of coating liquid Hc for hard coat layer)
125 g of the above mixture of dipentaerythritol pentaacrylate and dipentaerythritol hexaacrylate (DPHA) and 125 g of urethane acrylate oligomer (UV-6300B (trade name, manufactured by Nippon Synthetic Chemical Industry Co., Ltd.)) were dissolved in 439 g of ethanol. A solution of Igacure 907, 7.5 g of photopolymerization initiator and 5.0 g of photosensitizer Kayacure DETX in 49 g of methyl ethyl ketone was added to the solution, and the mixture was stirred and filtered through a 1 micron mesh filter. A hard coat layer coating solution Hc was prepared.
[0104]
<Preparation of coating liquid Hn for high refractive index layer>
250 g of the above mixture of dipentaerythritol pentaacrylate and dipentaerythritol hexaacrylate (DPHA, manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.) was dissolved in 439 g of a methyl ethyl ketone / cyclohexanone (50/50) mixed solvent. A solution obtained by dissolving 7.5 g of a photopolymerization initiator (Irgacure 907, manufactured by Ciba Geigy) and 5.0 g of a photosensitizer (Kayacure DETX, manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.) in 49 g of methyl ethyl ketone was obtained. Added and stirred. The refractive index of the coating film obtained by applying this solution and curing with ultraviolet rays was 1.53. A high refractive index layer coating solution Hn was prepared by filtration through a polypropylene filter having a pore size of 30 μm.
[0105]
[Example 1]
The anti-glare coating solution A for high refractive index layer was applied on a triacetyl cellulose film (TAC-TD80U, manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.) having a thickness of 80 μm using a bar coater, and dried at 120 ° C. Then, using a 160 W / cm air-cooled metal halide lamp (manufactured by Eye Graphics Co., Ltd.), the illuminance is 400 mW / cm.2, Irradiation amount 300mJ / cm2The coating layer was cured by irradiating the ultraviolet rays, and an antiglare high refractive index layer having a thickness of about 1.5 μm was formed. On top of that, the following coating solution L-1 for low refractive index layer was applied using a bar coater and dried at 100 ° C. for 3 hours to form a low refractive index layer having a thickness of about 0.1 μm. Sample 1 was prepared.
(Preparation of coating solution L-1 for low refractive index layer)
In a solution of 2.4 g of oxalic acid dissolved in 12 g of ethanol and 3 g of perfluorobutyl ethyl ether (HFE-7200: manufactured by 3M), 2.35 g of tetraethoxysilane and the compound of formula (I) according to the present invention (FM -1) 1.6g was added and it heated and refluxed for 5 hours. 2 g of n-butanol was added to 5 g of the resulting solution, and methyl ethyl ketone was added so that the total amount was 13 g to prepare a coating solution A for low refractive index layer.
[0106]
[Example 2]
Sample 2 of the present invention was produced in the same manner as in Example 1 except that the following low refractive index layer coating liquid L-2 was used instead of the low refractive index layer coating liquid L-1 in Example 1.
(Preparation of coating liquid L-2 for low refractive index layer)
In a solution of 2.4 g of oxalic acid dissolved in 10 g of ethanol and 5 g of HFE-7200, 1.35 g of tetraethoxysilane, 1.0 g of methyltrimethoxysilane and the monofunctional coupling compound of general formula (I) according to the present invention (FM-2) 1.55g was added and it heated and refluxed for 5 hours. 5 g of the obtained solution, 1.33 g of colloidal silica solution (MIBK-ST, solid concentration 30%, manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) and 3 g of n-butanol were mixed, and tetrahydrofuran was added so that the total amount was 26 g. Was diluted to prepare a coating solution for low refractive index layer (L-2).
[0107]
[Comparative Example 1]
A comparative sample R-1 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the following low refractive index layer coating liquid LR-1 was used instead of the low refractive index layer coating liquid L-1 in Example 1.
(Adjustment of coating liquid LR-1 for low refractive index layer comparison)
3 g of 0.01N hydrochloric acid aqueous solution was added to 8.7 g of methyltrimethoxysilane (organosilane for low refractive index layer described in JP-A No. 10-726) and stirred at room temperature for 3 hours. A comparative coating solution LR-1 was prepared by mixing 1.1 g of the solution and 8.9 g of methyl ethyl ketone.
[0108]
[Comparative Example 2]
In the low refractive index layer coating liquid L-1 in Example 1, tridecafluoro-1,1,2,2-tetrahydrooctyl-1-triethoxysilane was used instead of the compound FM-1 according to the general formula (I). A comparative sample R-2 was produced in the same manner as in Example 1 except that it was used.
[0109]
[Comparative Example 3]
In the low refractive index layer coating liquid L-1 in Example 1, a silane compound having the following structure described in Synthesis Example 3 of JP-A-8-147484 was used instead of the compound FM-1 of the present invention. Produced a comparative sample R-3 in the same manner as in Example 1.
Silane compound for comparison
[0110]
Embedded image
Figure 2004117858
[0111]
The refractive indexes of the low refractive index layers used in the examples and comparative examples were all in the range of 1.3 to 1.43.
[0112]
<Evaluation of antireflection film>
The following performance evaluation was performed on each film (Example 1 and Comparative Examples 1 and 2) coated with the first to fourth layers thus obtained, and the results are shown in Table C.
[0113]
(1) Average reflectance
Using a spectrophotometer (manufactured by JASCO Corporation), the spectral reflectance at an incident angle of 5 ° was measured in a wavelength region of 380 to 780 nm. The mirror surface average reflectance of 450-650 nm was used for the result.
[0114]
(2) Haze
The haze of the obtained film was measured using a haze meter MODEL 1001DP (manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd.).
(3) Pencil hardness evaluation
The antireflection film was conditioned at a temperature of 25 ° C. and a humidity of 60% RH for 2 hours, and then pencil hardness evaluation described in JIS K5400 was performed.
[0115]
(4) Antifouling property
After the fingerprint was attached to the sample surface, the state when it was wiped off with Ben cotton (Asahi Kasei Co., Ltd.) was observed and evaluated according to the following criteria.
: Easy to wipe off.
○: Can be wiped off by rubbing firmly.
Δ: A portion remains without being wiped off.
X: Almost no wiping off remains.
[0116]
(5) Scratch resistance test
The surface of the film was rubbed 10 times under a load of 200 g using steel wool # 0000, and then the level of scratching was confirmed. The determination was in accordance with the following criteria.
Not at all: ○
Small scratches: △
Scratch is remarkable: ×
[0117]
(6) Anti-glare evaluation
The produced anti-glare film was exposed to a fluorescent lamp without a louver (8000 cd / m2) And the degree of blur of the reflected image was evaluated according to the following criteria.
◎: I do not know the outline of the fluorescent lamp
○: Slightly understand the outline of the fluorescent lamp
Δ: The fluorescent lamp is blurred, but the outline can be identified
×: Fluorescent lamp is hardly blurred
[0118]
(7) Glitter evaluation
A fluorescent lamp diffused light with a louver was projected on the produced antiglare film, and surface glare was visually evaluated according to the following criteria.
Almost no glare: ○,
There is slight glare: △,
There is a discernable size glare; ×
The results of Examples 1-2 and Comparative Examples 1-2 are shown in Table 1.
[0119]
[Table 1]
Figure 2004117858
[0120]
As shown in Table 1, the samples of Examples 1 and 2 were excellent in optical properties, pencil hardness, scratch resistance, and antifouling properties, and exhibited good performance with respect to antiglare properties and glare.
On the other hand, in Comparative Examples 1 to 3, the scratch resistance and antifouling properties all deteriorated.
Thus, only the sample of the present invention showed good performance over each characteristic requirement.
[0121]
[Examples 3 to 10]
Instead of the coating solution for low refractive index layer (L-2) used in Example 2, the antireflection film samples 3 to 10 were prepared in the same manner as in Example 2 except that the coating solutions having the following contents were used. Produced.
[0122]
[Table 2]
Figure 2004117858
[0123]
About each antireflection film sample of Examples 3-10 obtained, the performance evaluation test item of the same content as Example 2 was evaluated. The result showed the same performance as Example 2 and was good.
[0124]
[Example 11]
A sample 11 of the present invention was prepared in the same manner as in Example 1 except that the low refractive index layer coating liquid L-11 having the following contents was used instead of the low refractive index layer coating liquid L-2 in Example 2. did.
(Preparation of coating liquid L-11 for low refractive index layer)
In a solution of 3 g of oxalic acid in 18 g of ethanol, 2.35 g of tetraethoxysilane, monofunctional coupling compound FM-2 according to the present invention, 1.55 g, 0.3 g of 3-glycidoxypropyltrimethoxysilane. Then, 0.15 g of 3-aminopropyltrimethoxysilane was added and heated to reflux for 5 hours. 5 g of the obtained solution, 1.33 g of colloidal silica solution (MIBK-ST, solid concentration 30%, manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) and 1.5 g of n-butanol were mixed, and tetrahydrofuran was added so that the total amount was 20 g. It diluted and the coating liquid L-11 for low refractive index layers was prepared.
The obtained samples were evaluated for performance in the same manner as in Examples 1 and 2. The obtained results showed good performance similar to that of Example 2.
[0125]
[Example 12]
The hard coat layer coating solution Hc was applied onto a 80 μm thick triacetylcellulose film (TAC-TD80U, manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.) using a bar coater, dried at 120 ° C., and 160 W Illuminance of 400 mW / cm using an air-cooled metal halide lamp (made by Eye Graphics Co., Ltd.)2, Irradiation amount 300mJ / cm2The coating layer was cured by irradiating the ultraviolet rays to form a hard coat layer having a thickness of about 4.0 μm. Further, the coating liquid Hn for the high refractive index layer is applied using a bar coater, dried under the same conditions as the hard coat layer, and the coating layer is cured by irradiating with ultraviolet rays, and has a thickness of about 1.5 μm. The high refractive index layer was formed. On top of that, the following coating solution L-12 for low refractive index layer was applied using a bar coater, air-dried, and further dried at 100 ° C. for 6 hours to form a low refractive index layer having a thickness of about 0.096 μm. The sample 12 of the present invention was produced.
[0126]
(Preparation of coating liquid L-12 for low refractive index layer)
1 g of trifluoroacetic acid (99% purity) and 0.1 g of acetyl acetate Zr salt were added to a solution prepared by mixing 2.35 g of tetraethoxysilane, 1.55 g of the compound FM-2 of the present invention and 20 g of tetrahydroxyfuran at room temperature. For 6 hours. 3.0 g of the obtained solution, 0.08 g of 3-acryloyloxypropyl-trimethoxysilane, 0.03 g of trimethylolpropane triacrylate, 0.01 g of 2,2′-azobisisobutyronitrile as a polymerization initiator, Colloidal silica solution (MIBK-ST, solid content concentration 30%, manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) 1.28 g and n-butanol 3 g are mixed and further diluted with methyl isobutyl ketone so that the total amount is 25 g. Coating liquid L-12 was prepared.
[0127]
(Give antiglare properties)
Using the single-sided embossing calender machine (manufactured by Yuri Roll Co., Ltd.) on the obtained antireflection film, press pressure 1000 kg / cm, preheat roll temperature 100 ° C., embossing roll temperature 140 ° C., processing speed 2 m / min. Below, the embossing roll made from steel and the backup roll which coat | covered the surface with the polyamide material were set, and the embossing process was performed using the arithmetic average roughness (Ra) of 4 micrometers.
[0128]
The obtained samples were evaluated for performance in the same manner as in Examples 1 and 2. The obtained results showed good performance similar to that of Example 2.
[0129]
Example 13
Antiglare antireflection polarizing plates were prepared using the antireflection films obtained in Examples 1 to 12.
A liquid crystal display device having an antireflection layer disposed on the outermost surface was produced using each of these polarizing plates. Each of the display devices had excellent contrast because there was no reflection of external light, and the reflection image was not noticeable due to anti-glare property, and had excellent visibility.
[0130]
【The invention's effect】
According to the antireflection film of the present invention having a low refractive index layer containing a monofunctional coupling compound represented by the general formula (I) and a silane coupling agent, the reflectance is low, and the scratch resistance is high. An antireflection film excellent in antifouling property can be obtained. Furthermore, the antireflection film of the present invention is excellent in durability and weather resistance. In addition, the antireflection film of the present invention is a coating type, suitable for mass production, and has excellent antiglare property, a reflected image is not noticeable, and has excellent visibility.
By providing the antireflection film of the present invention, a film or an image display device in which reflection is effectively prevented can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view illustrating a layer configuration when the antireflection film of the present invention is a composite film, where (a) is a four-layer configuration, (b) is a five-layer configuration, and (c) is a three-layer configuration. The example of a structure is shown.
[Explanation of symbols]
1 Low refractive index layer
2 High refractive index layer
3 Hard coat layer
4 Transparent support
5 Medium refractive index layer
6 Antiglare hard coat layer

Claims (3)

少なくとも下記一般式(I)で示される主鎖が無置換又は含フッ素置換基を有してもよいパーフルオロエチレニル基を主成分として構成され、かつ該主鎖の末端にシリル基を結合して成るカップリング化合物と、シランカップリング剤の少なくとも1種とを含有する皮膜形成用組成物を塗設、硬化させることにより形成された低屈折率層を有することを特徴とする反射防止膜。
一般式(I)
Figure 2004117858
(式中、R は、フッ素原子、パーフルオロアルキル基、又は「O−R 」基を表わす。ここで、R は含フッ素脂肪族基を表わす。Xは、主鎖とSi原子を連結する2価の有機残基を表わす。Rは、脂肪族基又はCOR10基を表わす。但し、R10は、炭化水素基を表わす。Rは、炭化水素基を表わす。aは、0又は1を表わす。また、括弧はパーフルオロエチレニル基の繰り返し単位部分を表し、繰り返し単位部分の重量平均分子量は2万以下である。)
At least the main chain represented by the following general formula (I) is composed mainly of a perfluoroethylenyl group which may be unsubstituted or have a fluorine-containing substituent, and a silyl group is bonded to the end of the main chain. An antireflective film comprising a low refractive index layer formed by coating and curing a film-forming composition containing a coupling compound and at least one silane coupling agent.
Formula (I)
Figure 2004117858
(Wherein R f 0 represents a fluorine atom, a perfluoroalkyl group, or an “O—R f 1 ” group. Here, R f 1 represents a fluorine-containing aliphatic group, and X represents a main chain and R 1 represents an aliphatic group or a COR 10 group, wherein R 10 represents a hydrocarbon group, and R 2 represents a hydrocarbon group. a represents 0 or 1. The parentheses represent a repeating unit portion of the perfluoroethylenyl group, and the weight average molecular weight of the repeating unit portion is 20,000 or less.)
請求項1に記載の反射防止膜を、透明支持体上に配置したことを特徴とする反射防止フィルム。An antireflection film comprising the antireflection film according to claim 1 disposed on a transparent support. 請求項1に記載の反射防止膜を配置したことを特徴とする画像表示装置。An image display device comprising the antireflection film according to claim 1.
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