【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象物を加振してその振動モードを解析するための振動試験装置とこれを用いたモード解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば航空機用のガスタービンエンジンでは、回転運動に起因して高圧圧縮機の動翼やタービン動翼などの回転部品が高周波の繰り返し応力を受ける。例えばこうした動翼は、直上流に配される静翼によって空力的な応力(加振力)を受け、この場合、静翼の枚数に回転数を乗じたものが加振力の振動周波数となる。振動周波数が動翼の固有振動数と一致すると動翼に共振が生じて大きな応力が作用してしまうため、ガスタービンエンジンでは一般に、定常運転時における振動周波数と動翼の固有振動数とが一致しないように設計が行われている。
【0003】
こうした設計に基づいて製作された動翼の固有振動数を実際に確認したり、あるいは製作時のバラツキを調べたりすることを目的として、振動試験装置が用いられる。振動試験装置は、対象物を設置するための支持部、対象物を加振するための加振部、および対象物の応答を検出するための信号検出部を備えており、これらには対象物の特性や試験内容に応じて様々な方法のものが提案されている。
【0004】
このうち加振部には、打撃試験によるものが採用されることが多い。打撃試験は、打撃ハンマで対象物を叩くことにより加振する方法で、加振系を対象物に取り付ける必要がなく、一度に低周波からある程度の高周波までのスペクトルを得ることでき、しかも短時間で行えて汎用性が広いといった利点を有する。特に上述した動翼など、比較的小さい構造物の振動試験では広く採用されている。
【0005】
しかし打撃試験には、以下のような問題点があった。
(1)実際の打撃によって対象物に衝撃波を与えるため、打撃時間の短縮が困難であり、高周波の振動試験への対応が極めて難しい。
(2)実施者が打撃ハンマで対象物を叩くので、技能や経験に依存する度合が大きく、精度が実施者の技術や熟練度に大きく依存する。
(3)打撃試験の自動化に際して装置が複雑になる。
【0006】
上述した打撃試験の問題点を解決するために、本発明の発明者は先に図4に模式的に示す「振動試験装置」を創案し出願した(特許文献1)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−356565号公報
【0008】
(特許文献1)の振動試験装置は、支持部1に設置された対象物Tを加振部2によって加振して、対象物T(供試体)の応答を信号検出部3で検出する振動試験装置であって、加振部2は、先端を対象物Tに近づけて配される放電プローブ4と、放電プローブ4と対象物Tとの間に電位差を与えて放電を発生させる放電コントローラ5とを備えたものである。この振動試験装置により、放電プローブと対象物との間で放電を発生させることで対象物に継続時間の極めて短い衝撃波を与えて対象物を加振することが可能となった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、(特許文献1)の振動試験装置では、対象物T(供試体)にアースを取り、供試体に直接スパークさせて衝撃波で加振し、振動応答データを取得していたため、対象物のスパークされるポイントが変質して供試体の強度低下を招くおそれがあった。
またそのため、実際に使用するジェットエンジンの実機部品には品質低下のおそれがあるため適用できなかった。
【0010】
さらに、この方法では、導電性がある対象物に限られるため、セラミックス部品等の計測ができなかった。また、対象物が小型センサや小型ディスクの場合、隣接する別の部品にスパークが飛びやすく、目的とする小型部品の計測が困難であった。
【0011】
また、得られるデータは対象物の応答波形だけであるため、対象物のモード解析ができなかった。
【0012】
本発明は、上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、(1)対象物の変質又は損傷のおそれがなく、実機部品にも品質低下のおそれなく適用可能であり、(2)導電体以外の対象物にも適用でき、(3)小型センサや小型ディスクの場合でも計測が容易であり、かつ(4)加振時間の短縮が容易であり高周波の振動試験への対応ができ、(5)対象物のモード解析ができる振動試験装置とこれを用いたモード解析方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、互いに放電間隙Gを隔てた1対の電極(11)を有する放電プローブ(12)と、該電極間に高電圧パルスを印可してその間で放電させ衝撃波Sを発生させる放電加振装置(14)と、対象物Tの振動X(t)を非接触で検出する非接触式振動計測装置(16)と、前記高電圧パルスによる加振力F(t)を非接触で検出する非接触式加振力計測装置(20)とを備え、対象物Tを間隔を隔てた位置から衝撃波Sで加振し、該加振力F(t)と対象物の振動X(t)を非接触で検出する、ことを特徴とする振動試験装置が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、互いに放電間隙Gを隔てた1対の電極(11)の間に高電圧パルスを印可してその間で放電させ衝撃波Sを発生させる放電加振ステップ(A)と、対象物Tの振動X(t)を非接触で計測する非接触式振動計測ステップ(B)と、前記高電圧パルスによる加振力F(t)を非接触で計測する加振力計測ステップ(C)とを備え、対象物Tを間隔を隔てた位置から衝撃波Sで加振し、該加振力F(t)と対象物の振動X(t)を非接触で計測する、ことを特徴とするモード解析方法が提供される。
【0015】
上記本発明の方法及び装置によれば、対象物Tを間隔を隔てた位置から放電プローブ(12)の放電による衝撃波Sで加振するので、対象物は圧力波を受けるのみであり、その変質又は損傷のおそれがなく、実機部品にも品質低下のおそれなく適用可能である。
【0016】
また、対象物Tには直接放電しないので、セラミックス部品等の導電体以外の対象物にもそのまま適用できる。さらに、対象物T自体には直接放電せず、非接触式振動計測装置(16)で対象物Tの振動を非接触で計測するので、隣接する別の部品にスパークが飛ぶおそれもなく小型センサや小型ディスクの場合でも計測が容易である。
【0017】
さらに、放電プローブ(12)の放電時間は、容易に短縮できるので、加振時間の短縮が容易であり高周波の振動試験への対応ができる。また、放電の電圧と時間、電極間の放電間隙Gおよび対象物Tとの間隔を決めるだけで、常にほぼ同一の計測ができるので、技能や経験に依存する度合が少なく、かつ容易に自動化が可能である。
【0018】
また、加振力F(t)と対象物の振動X(t)を非接触で計測するので、対象物の伝達関数Hを求めることができ、これを用いて対象物のモード解析ができる。
【0019】
本発明の好ましい実施形態によれば、前記非接触式加振力計測装置(20)は、高電圧パルスによる放電時のスパーク光の強度I(t)を計測する光強度計測器である。また、前記加振力計測ステップ(C)において、高電圧パルスによる放電時のスパーク光の強度I(t)を計測し、予め求めた加振力F(t)との関係から加振力を求める。
この構成により、予め求めた更正データを基にスパーク光の強度I(t)から加振力F(t)を求めることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。なお各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0021】
図1は、モード解析の説明図である。モード解析とは、総合的な振動解析法であり、構造体の各部がその固有振動数でどのように振動するか、すなわち、構造体の振動モードを調べることによりその構造体の動的な特性を解析するものである。
モード解析の方法は、ある構造物を伝達関数のマトリックスとしてモデル化し、振動方程式がその伝達関数のマトリックスを最も適切に表せるようなモーダル・パラメータ(固有振動数、減衰比、モード・シェープ等)を決定する。
その結果、対象となる構造物は、振動方程式と実測した伝達関数の双方に基づいて得られたモーダル・パラメータに従って計算され、求められた伝達関数のマトリックスにより完全にモデル化されることになる。
なお、伝達関数Hは、H(t)=変位X(t)/外力F(t)で定義される。
【0022】
図2は、モード解析の一般的な実行手順を示すフロー図である。この図に示すように、モード解析は、形状定義、自由度の定義、伝達関数の測定、カーブ・フィット、モード・アニメーションの順で行われる。
「形状定義」は、対象となる構造物の形状を有限個の点およびそれらを結ぶ線からなるワイヤ・フレーム形状で置き換えることによって行われる。「自由度の定義」は、形状定義で定義した各点に対し、その点における応答ないしは入力の測定方向を定義する。
「伝達関数の測定」は、構造物中のある1点を加振し、その際に作用した外力F(t)と構造物の特定点における応答振動(変位)X(t)を測定する。
「カーブ・フィット」では、実際に測定した伝達関数と、固有振動数、減衰比、モード・シェープ等のモーダル・パラメータを組み合せて理論的に構成した伝達関数とを比較し、両者が最も近くなる場合のモーダル・パラメータを求める。「モード・アニメーション」では、得られたモーダル・パラメータに基づいて、各共振周波数での振動モードを時間軸に沿って動画的に表示させ、構造体各部が連成して振動するようす表す。
なお、図2に示すように、モード解析によって得られたモーダル・パラメータに基づいて、各種のシミュレーションを行うことができる。
【0023】
図3は、本発明による振動試験装置の実施形態を示す構成図である。この図に示すように、本発明の振動試験装置10は、放電プローブ12、放電加振装置14、非接触式振動計測装置16、振動分析装置18、および非接触式加振力計測装置20を備える。
【0024】
試験する対象物Tは、例えば動翼であり支持機構9で支持される。支持機構9は、例えば動翼Tが設置されるタブテイル形状の溝を有する。また、この溝に装着された動翼Tを油圧やエア圧などを利用して所定の力で保持・固定するようにするのがよい。
【0025】
また対象物Tの交換機構(図示せず)を備え、支持機構9への動翼Tの取り付け・取り外しを自動的に行うようにするのがよい。交換機構は、図示しない駆動手段を有しており、外部から供給される動翼Tを支持機構9まで自動搬送して支持機構9の溝に動翼Tを装着するとともに、試験後の動翼Tを溝から抜き出して外部へ送るように構成されている。
【0026】
放電プローブ12は、互いに放電間隙Gを隔てた1対の電極11を有する。電極11は、電極間に安定した放電ができるように導電性の高い金属(銅、銅合金、金等)又はカーボンからなる。
また、放電時間及び加振力を調整するために、放電間隙Gを変更できるように構成されている。電極11の先端は放電位置を一定にするために尖っているのが好ましいが、半球状または平面状であってもよい。また、1対の電極11の間に絶縁部材11aを設け、その部分での放電を防止するようになっている。
【0027】
放電加振装置14は、振動分析装置18からのトリガー信号13により、単一または複数の高電圧パルスを印可する高電圧直流パルス電源であり、電極11の間に高電圧パルスを印可してその間(放電間隙G)で放電させ衝撃波Sを発生させるようになっている。
【0028】
一般に、大気中で放電を発生させるにあたっては、放電間隙Gと電極形状とに応じた所定の電圧が必要とされる。例えば、平行板間での放電は、球形同士の間での放電に比べて高い電圧が必要である。本実施形態では、1対の電極11の放電間隙Gが数mm程度の所定値に予め定められており、放電加振装置14により、放電間隙G間が放電に要する電圧よりも十分高い電圧となるように、高電圧パルスを印可するようになっている。この電圧は、例えば1500V以上であるのがよい。
【0029】
なおこの電圧によって生じる放電により動翼Tを加振する衝撃波Sが発生するが、対象物Tは圧力波を受けるのみであり、その変質又は損傷のおそれは全くなく、実機部品にも品質低下のおそれなく適用可能であることが予め確認されている。
【0030】
非接触式振動計測装置16は、放電ノイズの影響を低減するためにノイズカットトランス(図示せず)を介して電源供給されたレーザドップラ振動計16aとそのセンサーヘッド16bからなり、対象物Tの振動X(t)を非接触で計測する。ここで振動X(t)とはレーザドップラ振動計より計測された応答速度を積分した変位Xと加振時からの経過時間tの関係である。
【0031】
レーザドップラ振動計16aは、対象物にレーザ光を照射して反射光のドップラーシフト周波数から速度の時間応答を求める装置である。このレーザドップラ振動計16aは、他の可動機構と干渉しない少し離れた場所から、例えば対象物の自由端側といった応答の検出に適切な箇所に向けてレーザ光を照射および反射光を受光するように配設される。
なお、非接触式振動計測装置16には、このレーザドップラ速度計のほか、渦電流やレーザ光、静電容量等を利用した変位計を用いることもできる。
【0032】
振動分析装置18は、好ましくはFFTアナライザまたは信号処理ソフトを内蔵するコンピュータであり、計測した振動X(t)から固有振動数と伝達関数を演算する。
【0033】
非接触式加振力計測装置20は、この例では光強度計測器(例えばフォトダイオード)であり、高電圧パルスによる放電時のスパーク光の強度I(t)から加振力F(t)を非接触で計測する。ここでスパーク光の強度I(t)は加振時からの経過時間tとの関係である。
光強度計測器によるスパーク光の強度I(t)と加振力F(t)との関係は、予め予備試験で求めることができる。この予備試験は、例えば、一定重量mの錘りを糸等で吊るし、所定位置からのスパーク光強度I(t)による錘りの加速度αを振れ角または加速度計で計測し、F=m・αの関係式から、スパーク光の強度I(t)と加振力F(t)の関係を予め求めることができる。
【0034】
上述した装置を用い、本発明のモード解析方法は、放電加振ステップ(A)、非接触式振動計測ステップ(B)及び加振力計測ステップ(C)を有する。
放電加振ステップ(A)では、互いに放電間隙Gを隔てた1対の電極11の間に高電圧パルスを印可してその間で放電させ衝撃波Sを発生させる。
非接触式振動計測ステップ(B)では、対象物Tの振動X(t)を非接触で検出する。
加振力計測ステップ(C)では、高電圧パルスによる放電時のスパーク光の強度I(t)を計測し、予め求めた加振力F(t)との関係から加振力F(t)を非接触で計測する。
【0035】
上述した本発明の方法及び装置によれば、対象物Tを間隔を隔てた位置から放電プローブ12の放電による衝撃波Sで加振するので、対象物は圧力波を受けるのみであり、その変質又は損傷のおそれがなく、実機部品にも品質低下のおそれなく適用可能である。
【0036】
また、対象物Tには直接放電しないので、セラミックス部品等の導電体以外の対象物にもそのまま適用できる。さらに、対象物T自体には直接放電せず、非接触式振動計測装置16で対象物Tの振動を非接触で計測するので、隣接する別の部品にスパークが飛ぶおそれもなく小型センサや小型ディスクの場合でも目的とする小型部品の計測が容易である。
【0037】
さらに、放電プローブ12の放電時間は、容易に短縮できるので、加振時間の短縮が容易であり高周波の振動試験への対応ができる。また、放電の電圧と時間、電極間の放電間隙Gおよび対象物Tとの間隔を決めるだけで、常にほぼ同一の計測ができるので、技能や経験に依存する度合が少なく、かつ容易に自動化が可能である。
【0038】
また、加振力F(t)と対象物の振動X(t)を非接触で計測するので、対象物の伝達関数Hを求めることができ、これを用いて対象物のモード解析ができる。
従って、ターボポンプのインデューサ等の小型で3次元構造部のモード計測も本発明により高周波域までモード形状を含む振動特性を把握することが可能となる。
【0039】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができる。
【0040】
【発明の効果】
上述したように、本発明の振動試験装置とこれを用いたモード解析方法は、(1)対象物の変質又は損傷のおそれがなく、実機部品にも品質低下のおそれなく適用可能であり、(2)導電体以外の対象物にも適用でき、(3)小型センサや小型ディスクの場合でも計測が容易であり、かつ(4)加振時間の短縮が容易であり高周波の振動試験への対応ができ、(5)対象物のモード解析ができる、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】モード解析の説明図である。
【図2】モード解析の一般的な実行手順を示すフロー図である。
【図3】本発明による振動試験装置の実施形態を示す構成図である。
【図4】先行出願による振動試験装置の模式図である。
【符号の説明】
T 動翼(対象物、供試体)、S 衝撃波、G 放電間隙(放電間隙)
1 支持部、2 加振部、3 信号検出部、4 放電プローブ、
5 放電コントローラ、9 支持機構、
10 振動試験装置、11 電極、
12 放電プローブ、13 トリガー信号、
14 放電加振装置、16 非接触式振動計測装置、
16a レーザドップラ振動計、16b センサーヘッド、
18 振動分析装置、20 非接触式加振力計測装置(光強度計測器)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a vibration test apparatus for vibrating an object and analyzing its vibration mode, and a mode analysis method using the same.
[0002]
[Prior art]
For example, in a gas turbine engine for an aircraft, rotating parts such as rotor blades and turbine rotor blades of a high-pressure compressor are subjected to high-frequency repetitive stress due to rotational motion. For example, such a moving blade receives aerodynamic stress (excitation force) by a stationary blade disposed immediately upstream, and in this case, the vibration frequency of the excitation force is obtained by multiplying the number of the stationary blades by the rotation speed. . If the vibration frequency matches the natural frequency of the moving blade, resonance occurs in the moving blade and a large stress is applied. Therefore, in a gas turbine engine, in general, the vibration frequency during steady operation matches the natural frequency of the moving blade. The design is not done.
[0003]
A vibration test apparatus is used for the purpose of actually confirming the natural frequency of a rotor blade manufactured based on such a design, or for examining variations at the time of manufacture. The vibration test apparatus includes a support section for installing the object, a vibration section for exciting the object, and a signal detection section for detecting a response of the object. Various methods have been proposed according to the characteristics and test contents.
[0004]
Of these, a vibration test is often used for the vibration unit. The impact test is a method in which an object is vibrated by hitting the object with a hammer.There is no need to attach an excitation system to the object, and a spectrum from low frequency to a certain high frequency can be obtained at one time, It has the advantage that it can be performed with a wide range of versatility. Particularly, it is widely used in a vibration test of a relatively small structure such as the above-mentioned moving blade.
[0005]
However, the impact test had the following problems.
(1) Since a shock wave is applied to an object by an actual impact, it is difficult to reduce the impact time, and it is extremely difficult to respond to a high-frequency vibration test.
(2) Since the practitioner hits the target with the hammer, the degree of dependence on the skill and experience is large, and the precision greatly depends on the skill and skill of the practitioner.
(3) The apparatus becomes complicated when the impact test is automated.
[0006]
In order to solve the above-described problem of the impact test, the inventor of the present invention has previously devised and applied for a “vibration test device” schematically shown in FIG. 4 (Patent Document 1).
[0007]
[Patent Document 1]
JP 2000-356565 A
The vibration test apparatus disclosed in Patent Document 1 vibrates an object T installed on a support unit 1 by an excitation unit 2 and detects a response of the object T (test sample) by a signal detection unit 3. A test apparatus, wherein a vibrating unit 2 includes a discharge probe 4 arranged with a tip close to an object T, and a discharge controller 5 for generating a discharge by applying a potential difference between the discharge probe 4 and the object T. It is provided with. By using this vibration test apparatus, it is possible to vibrate the target object by generating a discharge between the discharge probe and the target object to apply a shock wave having a very short duration to the target object.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the vibration test apparatus disclosed in Patent Document 1, the object T (specimen) is grounded, sparked directly on the specimen and vibrated by a shock wave to acquire vibration response data. There is a possibility that the sparked point may be deteriorated and the strength of the specimen may be reduced.
Therefore, it cannot be applied to the actual parts of the jet engine actually used because of the possibility of quality deterioration.
[0010]
Further, in this method, measurement of ceramic parts and the like cannot be performed because the method is limited to conductive objects. In addition, when the target object is a small sensor or a small disk, sparks are likely to fly to another adjacent component, and it has been difficult to measure a target small component.
[0011]
In addition, since the obtained data is only the response waveform of the object, the mode analysis of the object cannot be performed.
[0012]
The present invention has been made to solve the above problems. That is, the object of the present invention is (1) there is no risk of deterioration or damage of the object, and it can be applied to actual parts without fear of quality deterioration, and (2) it can be applied to objects other than conductors. (3) Measurement is easy even in the case of a small sensor or a small disk, and (4) It is easy to shorten the excitation time, and it can cope with a high frequency vibration test, and (5) It is possible to analyze the mode of an object. An object of the present invention is to provide a vibration test apparatus and a mode analysis method using the same.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, a discharge probe (12) having a pair of electrodes (11) separated from each other by a discharge gap G, and a discharge for applying a high-voltage pulse between the electrodes and causing a discharge therebetween to generate a shock wave S. A vibration device (14), a non-contact vibration measuring device (16) for detecting vibration X (t) of the object T in a non-contact manner, and a non-contact vibration force F (t) by the high voltage pulse. A non-contact type excitation force measuring device (20) for detecting an object T, which excites the object T with a shock wave S from a position apart from the object T, the excitation force F (t) and the vibration X (t) of the object ) Is detected in a non-contact manner.
[0014]
Further, according to the present invention, a discharge excitation step (A) of applying a high voltage pulse between a pair of electrodes (11) separated from each other by a discharge gap G and causing a discharge therebetween to generate a shock wave S; A non-contact vibration measurement step (B) for measuring the vibration X (t) of the object T in a non-contact manner, and an excitation force measurement step (Non-contact measurement of the excitation force F (t) by the high voltage pulse) C), the object T is excited by a shock wave S from a position spaced apart, and the exciting force F (t) and the vibration X (t) of the object are measured in a non-contact manner. Is provided.
[0015]
According to the method and apparatus of the present invention, the object T is vibrated by the shock wave S generated by the discharge of the discharge probe (12) from the spaced position, so that the object only receives the pressure wave, Or, there is no possibility of damage, and the present invention can be applied to actual machine parts without fear of quality deterioration.
[0016]
Further, since the discharge is not directly performed on the target T, the present invention can be applied to a target other than a conductor such as a ceramic part. Furthermore, since the vibration of the object T is measured in a non-contact manner by the non-contact vibration measuring device (16) without directly discharging to the object T itself, there is no possibility that a spark will fly to another adjacent part, so that a small sensor can be used. It is easy to measure even for small disks.
[0017]
Further, since the discharge time of the discharge probe (12) can be easily reduced, the vibration time can be easily reduced, and it is possible to cope with a high frequency vibration test. Also, by just determining the discharge voltage and time, the discharge gap G between the electrodes and the interval between the object T, almost the same measurement can always be performed, so that the degree of dependence on the skill and experience is small, and automation is easy. It is possible.
[0018]
Further, since the excitation force F (t) and the vibration X (t) of the object are measured in a non-contact manner, the transfer function H of the object can be obtained, and the mode analysis of the object can be performed using this.
[0019]
According to a preferred embodiment of the present invention, the non-contact excitation force measuring device (20) is a light intensity measuring device that measures the intensity I (t) of spark light at the time of discharge by a high voltage pulse. Further, in the exciting force measuring step (C), the intensity I (t) of the spark light at the time of discharge by the high voltage pulse is measured, and the exciting force is calculated from the relationship with the exciting force F (t) obtained in advance. Ask.
With this configuration, the exciting force F (t) can be obtained from the spark light intensity I (t) based on the correction data obtained in advance.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. Note that the same reference numerals are given to the common parts in the respective drawings, and the duplicate description will be omitted.
[0021]
FIG. 1 is an explanatory diagram of the mode analysis. Modal analysis is a comprehensive vibration analysis method that examines how each part of a structure vibrates at its natural frequency, that is, the dynamic characteristics of the structure by examining the vibration mode of the structure. Is to be analyzed.
The method of modal analysis is to model a structure as a matrix of transfer function, and to calculate modal parameters (natural frequency, damping ratio, mode shape, etc.) so that the vibration equation can express the transfer function matrix most appropriately. decide.
As a result, the target structure is calculated according to the modal parameters obtained based on both the vibration equation and the actually measured transfer function, and is completely modeled by the matrix of the obtained transfer function.
The transfer function H is defined by H (t) = displacement X (t) / external force F (t).
[0022]
FIG. 2 is a flowchart illustrating a general execution procedure of the mode analysis. As shown in this figure, the mode analysis is performed in the order of shape definition, degree of freedom definition, transfer function measurement, curve fitting, and mode animation.
The “shape definition” is performed by replacing the shape of the target structure with a wire frame shape composed of a finite number of points and lines connecting them. “Definition of degrees of freedom” defines a measurement direction of a response or input at each point defined in the shape definition.
In the "measurement of transfer function", a certain point in a structure is excited, and an external force F (t) applied at that time and a response vibration (displacement) X (t) at a specific point of the structure are measured.
"Curve Fit" compares the transfer function actually measured with the transfer function theoretically constructed by combining modal parameters such as natural frequency, damping ratio, mode shape, etc., and the two are closest. Find the modal parameters of the case. In the “mode animation”, a vibration mode at each resonance frequency is displayed as a moving image along the time axis based on the obtained modal parameters, so that each part of the structure vibrates in a coupled manner.
As shown in FIG. 2, various simulations can be performed based on modal parameters obtained by modal analysis.
[0023]
FIG. 3 is a configuration diagram showing an embodiment of the vibration test apparatus according to the present invention. As shown in this figure, the vibration test apparatus 10 of the present invention includes a discharge probe 12, a discharge vibration device 14, a non-contact vibration measurement device 16, a vibration analysis device 18, and a non-contact vibration force measurement device 20. Prepare.
[0024]
The test object T to be tested is, for example, a moving blade and is supported by the support mechanism 9. The support mechanism 9 has, for example, a tab-shaped groove in which the rotor blade T is installed. Further, it is preferable that the blade T mounted in the groove is held and fixed with a predetermined force by using hydraulic pressure, air pressure, or the like.
[0025]
Further, it is preferable to provide a mechanism for exchanging the object T (not shown), and to automatically attach / detach the moving blade T to / from the support mechanism 9. The exchange mechanism has driving means (not shown), automatically transports the moving blades T supplied from the outside to the supporting mechanism 9, mounts the moving blades T in the grooves of the supporting mechanism 9, and sets the moving blades after the test. T is extracted from the groove and sent to the outside.
[0026]
The discharge probe 12 has a pair of electrodes 11 separated from each other by a discharge gap G. The electrode 11 is made of a highly conductive metal (copper, copper alloy, gold, or the like) or carbon so that a stable discharge can be generated between the electrodes.
Further, the discharge gap G can be changed in order to adjust the discharge time and the exciting force. The tip of the electrode 11 is preferably sharp to keep the discharge position constant, but may be hemispherical or planar. An insulating member 11a is provided between the pair of electrodes 11 to prevent discharge at that portion.
[0027]
The discharge excitation device 14 is a high-voltage DC pulse power supply that applies a single or a plurality of high-voltage pulses in response to a trigger signal 13 from the vibration analysis device 18. (Discharge gap G) to generate a shock wave S.
[0028]
Generally, when a discharge is generated in the atmosphere, a predetermined voltage corresponding to the discharge gap G and the shape of the electrode is required. For example, a discharge between parallel plates requires a higher voltage than a discharge between spheres. In the present embodiment, the discharge gap G between the pair of electrodes 11 is predetermined to a predetermined value of about several mm, and the discharge vibrator 14 sets the gap between the discharge gaps G to a voltage sufficiently higher than the voltage required for discharge. Thus, a high voltage pulse is applied. This voltage is preferably, for example, 1500 V or more.
[0029]
The discharge generated by this voltage generates a shock wave S that excites the rotor blade T. However, the object T receives only a pressure wave, and there is no risk of deterioration or damage to the object T. It has been previously confirmed that it can be applied without fear.
[0030]
The non-contact vibration measuring device 16 includes a laser Doppler vibrometer 16a and a sensor head 16b that are supplied with power through a noise cut transformer (not shown) to reduce the influence of discharge noise. The vibration X (t) is measured in a non-contact manner. Here, the vibration X (t) is the relationship between the displacement X obtained by integrating the response speed measured by the laser Doppler vibrometer and the elapsed time t from the time of excitation.
[0031]
The laser Doppler vibrometer 16a is a device that irradiates an object with laser light and obtains a time response of speed from a Doppler shift frequency of reflected light. The laser Doppler vibrometer 16a emits laser light and receives reflected light from a slightly distant place that does not interfere with other movable mechanisms to a place appropriate for detecting a response, for example, the free end side of an object. It is arranged in.
In addition, in addition to the laser Doppler velocimeter, a displacement meter using eddy current, laser light, capacitance, or the like can be used for the non-contact vibration measuring device 16.
[0032]
The vibration analyzer 18 is preferably a computer having a built-in FFT analyzer or signal processing software, and calculates a natural frequency and a transfer function from the measured vibration X (t).
[0033]
In this example, the non-contact type excitation force measuring device 20 is a light intensity measuring device (for example, a photodiode), and calculates the excitation force F (t) from the intensity I (t) of spark light at the time of discharge by a high voltage pulse. Measure without contact. Here, the intensity I (t) of the spark light is related to the elapsed time t from the time of excitation.
The relationship between the intensity I (t) of the spark light by the light intensity measuring device and the exciting force F (t) can be obtained in advance by a preliminary test. In this preliminary test, for example, a weight having a constant weight m is suspended with a thread or the like, and the acceleration α of the weight from the predetermined position based on the spark light intensity I (t) is measured by a deflection angle or an accelerometer, and F = m · From the relational expression of α, the relationship between the intensity I (t) of the spark light and the excitation force F (t) can be obtained in advance.
[0034]
Using the apparatus described above, the mode analysis method of the present invention includes a discharge excitation step (A), a non-contact vibration measurement step (B), and an excitation force measurement step (C).
In the discharge excitation step (A), a high-voltage pulse is applied between a pair of electrodes 11 separated by a discharge gap G, and a discharge is generated between them to generate a shock wave S.
In the non-contact vibration measurement step (B), the vibration X (t) of the object T is detected in a non-contact manner.
In the exciting force measuring step (C), the intensity I (t) of the spark light at the time of discharge by the high voltage pulse is measured, and the exciting force F (t) is determined from the relationship with the exciting force F (t) obtained in advance. Is measured in a non-contact manner.
[0035]
According to the above-described method and apparatus of the present invention, the object T is vibrated by the shock wave S generated by the discharge of the discharge probe 12 from the spaced position, so that the object only receives the pressure wave, There is no risk of damage, and it can be applied to actual machine parts without fear of quality deterioration.
[0036]
Further, since the discharge is not directly performed on the target T, the present invention can be applied to a target other than a conductor such as a ceramic part. Further, since the vibration of the object T is measured in a non-contact manner by the non-contact vibration measuring device 16 without directly discharging to the object T itself, a small sensor or a small Even in the case of a disk, it is easy to measure a target small component.
[0037]
Further, the discharge time of the discharge probe 12 can be easily reduced, so that the vibration time can be easily reduced and a high-frequency vibration test can be supported. Also, by just determining the discharge voltage and time, the discharge gap G between the electrodes and the interval between the object T, almost the same measurement can always be performed, so that the degree of dependence on the skill and experience is small, and automation is easy. It is possible.
[0038]
Further, since the excitation force F (t) and the vibration X (t) of the object are measured in a non-contact manner, the transfer function H of the object can be obtained, and the mode analysis of the object can be performed using this.
Therefore, according to the present invention, it is possible to grasp the vibration characteristics including the mode shape up to a high frequency range even in the mode measurement of a small three-dimensional structure such as an inducer of a turbo pump.
[0039]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, and can be variously modified without departing from the gist of the present invention.
[0040]
【The invention's effect】
As described above, the vibration test apparatus and the mode analysis method using the vibration test apparatus of the present invention can be applied (1) without the risk of deterioration or damage of the object, and without the risk of quality deterioration on actual machine parts. 2) It can be applied to objects other than conductors. (3) It is easy to measure even small sensors and small disks. (4) It is easy to shorten the vibration time and it is suitable for high frequency vibration tests. (5) Mode analysis of the object can be performed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of a mode analysis.
FIG. 2 is a flowchart showing a general execution procedure of a mode analysis.
FIG. 3 is a configuration diagram showing an embodiment of a vibration test device according to the present invention.
FIG. 4 is a schematic view of a vibration test apparatus according to a prior application.
[Explanation of symbols]
T rotor blade (object, specimen), S shock wave, G discharge gap (discharge gap)
1 support section, 2 vibration section, 3 signal detection section, 4 discharge probe,
5 discharge controller, 9 support mechanism,
10 vibration test equipment, 11 electrodes,
12 discharge probe, 13 trigger signal,
14 discharge excitation device, 16 non-contact vibration measurement device,
16a laser Doppler vibrometer, 16b sensor head,
18 Vibration analyzer, 20 Non-contact excitation force measuring device (light intensity measuring device)