JP2004117267A - 蛍光顕微鏡用解像度評価チャート、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】蛍光顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に精度良く評価できる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを提供する。
【解決手段】蛍光顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートであって、基板1上に形成された発光中心を持つ蛍光材料を含有する発光薄膜2と、この発光薄膜2に発光中心を破壊して形成された非発光部分3とを有する。
【選択図】 図1
【解決手段】蛍光顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートであって、基板1上に形成された発光中心を持つ蛍光材料を含有する発光薄膜2と、この発光薄膜2に発光中心を破壊して形成された非発光部分3とを有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光顕微鏡、特に染色した試料を機能性の高いレーザ光源からの複数の波長の光により照明して、高い空間分解能を得る高性能かつ高機能の蛍光顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる蛍光顕微鏡用解像度評価チャート、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学顕微鏡の技術は古く、種々のタイプの顕微鏡が開発されてきた。また、近年では、レーザ技術および電子画像技術をはじめとする周辺技術の進歩により、更に高機能の顕微鏡システムが開発されている。
【0003】
このような背景の中、複数波長の光で試料を照明することにより発する二重共鳴吸収過程を用いて、得られる画像のコントラストの制御のみならず化学分析も可能にした高機能な顕微鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この顕微鏡は、二重共鳴吸収を用いて特定の分子を選択し、特定の光学遷移に起因する吸収および蛍光を観測するものである。この原理について、図5〜図8を参照して説明する。図5は、試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示すもので、先ず、図5に示す基底状態(S0状態)の分子がもつ価電子軌道の電子を波長λ1の光により励起して、図6に示す第1電子励起状態(S1状態)とする。次に、別の波長λ2の光により同様に励起して図7に示す第2電子励起状態(S2状態)とする。この励起状態により、分子は蛍光あるいは燐光を発光して、図8に示すように基底状態に戻る。
【0005】
二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、図6の吸収過程や図8の蛍光や燐光の発光を用いて、吸収像や発光像を観察する。この顕微鏡法では、最初にレーザ光等により共鳴波長λ1の光で図6のように試料を構成する分子をS1状態に励起させるが、この際、単位体積内でのS1状態の分子数は、照射する光の強度が増加するに従って増加する。
【0006】
ここで、線吸収係数は、分子一個当りの吸収断面積と単位体積当たりの分子数との積で与えられるので、図7のような励起過程においては、続いて照射する共鳴波長λ2に対する線吸収係数は、最初に照射した波長λ1の光の強度に依存することになる。すなわち、波長λ2に対する線吸収係数は、波長λ1の光の強度で制御できることになる。このことは、波長λ1および波長λ2の2波長の光で試料を照射し、波長λ2による透過像を撮影すれば、透過像のコントラストは波長λ1の光で完全に制御できることを示している。
【0007】
また、図7の励起状態での蛍光または燐光による脱励起過程が可能である場合には、その発光強度はS1状態にある分子数に比例する。したがって、蛍光顕微鏡として利用する場合には画像コントラストの制御が可能となる。
【0008】
さらに、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、上記の画像コントラストの制御のみならず、化学分析も可能にする。すなわち、図5に示される最外殻価電子軌道は、各々の分子に固有なエネルギー準位を持つので、波長λ1は分子によって異なることになり、同時に波長λ2も分子固有のものとなる。
【0009】
ここで、従来の単一波長で照明する場合でも、ある程度特定の分子の吸収像あるいは蛍光像を観察することが可能であるが、一般にはいくつかの分子における吸収帯の波長領域は重複するので、試料の化学組成の正確な同定までは不可能である。
【0010】
これに対し、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、波長λ1および波長λ2の2波長により吸収あるいは発光する分子を限定するので、従来法よりも正確な試料の化学組成の同定が可能となる。また、価電子を励起する場合、分子軸に対して特定の電場ベクトルをもつ光のみが強く吸収されるので、波長λ1および波長λ2の偏光方向を決めて吸収または蛍光像を撮影すれば、同じ分子でも配向方向の同定まで可能となる。
【0011】
また、最近では、二重共鳴吸収過程を用いて回折限界を越える高い空間分解能をもつ蛍光顕微鏡も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
図9は、分子における二重共鳴吸収過程の概念図で、基底状態S0の分子が、波長λ1の光で第1電子励起状態であるS1に励起され、更に波長λ2の光で第2電子励起状態であるS2に励起されている様子を示している。なお、図9はある種の分子のS2からの蛍光が極めて弱いことを示している。
【0013】
図9に示すような光学的性質を持つ分子の場合には、極めて興味深い現象が起きる。図10は、図9と同じく二重共鳴吸収過程の概念図で、横軸のX軸は空間的距離の広がりを表わし、波長λ2の光を照射した空間領域A1と波長λ2の光が照射されない空間領域A0とを示している。
【0014】
図10において、空間領域A0では波長λ1の光の励起によりS1状態の分子が多数生成され、その際に空間領域A0からは波長λ3で発光する蛍光が見られる。しかし、空間領域A1では、波長λ2の光を照射したため、S1状態の分子のほとんどが即座に高位のS2状態に励起されて、S1状態の分子は存在しなくなる。このような現象は、幾つかの分子により確認されている。これにより、空間領域A1では、波長λ3の蛍光は完全になくなり、しかもS2状態からの蛍光はもともとないので、空間領域A1では蛍光自体が完全に抑制され(蛍光抑制効果)、空間領域A0からのみ蛍光が発することになる。
【0015】
このことは、顕微鏡の応用分野から考察すると、極めて重要な意味を持っている。すなわち、従来の走査型レーザ顕微鏡等では、レーザ光を集光レンズによりマイクロビームに集光して観察試料上を走査するが、その際のマイクロビームのサイズは、集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界となり、原理的にそれ以上の空間分解能は期待できない。
【0016】
ところが、図10の場合には、波長λ1と波長λ2との2種類の光を空間的に上手く重ね合わせて、波長λ2の光の照射により蛍光領域を抑制することで、例えば波長λ1の光の照射領域に着目すると、蛍光領域を集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界よりも狭くでき、実質的に空間分解能を向上させることが可能となる。したがって、この原理を利用することで、回折限界を越える二重共鳴吸収過程を用いた超解像顕微鏡、例えば蛍光顕微鏡を実現することが可能となる。
【0017】
【特許文献1】
特開平8−184552号公報
【特許文献2】
特開2001−100102号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来提案されている明視野方式の透過型顕微鏡に関しては、図11に示すような解像度評価用標準チャート51が提案されており、この解像度評価用標準チャート51の透過像を顕微鏡観察することにより、顕微鏡の基本的な結像性能である2点分解能、線像分布関数、視野等を客観的かつ定量的に評価することができる。
【0019】
この標準チャート51は、ガラス基板上にCr等の金属薄膜の蒸着により形成された所定の細線パターンを有しており、その細線パターンの線間隔等は、可視光の場合の回折限界を上回る100nmをしのぐ精度となっている。
【0020】
したがって、この標準チャート51を顕微鏡観察することにより、その細線パターンの回折ボケから顕微鏡システムトータルとしての線像分布関数を測定することができ、また、隣接する特定の2本線の像コントラストを測定することにより、2点分解能を評価することができる。
【0021】
しかしながら、暗視野顕微鏡である蛍光顕微鏡に関しては、従来、上述したような解像度評価用の標準チャートが全く提案されていない。これは、発光中心をもつ蛍光材料を、基板上に精度良くパターン化する技術が存在しなかったことによる。
【0022】
そこで、従来は、蛍光顕微鏡に関しては、基板上にサイズが既知の蛍光ビーズを散布した観察試料を作製し、その蛍光ビーズの点像分布関数を測定することにより、蛍光顕微鏡の結像性能を評価するようにしている。
【0023】
しかし、この場合には、観察試料の作製状況によって蛍光ビーズの散布状況が大きく左右され、しかも実際の蛍光ビーズの散布状況は不明であるため、結像性能を客観的かつ定量的に評価することはできない。特に、顕微鏡の空間分解能の客観的な目安である2点分解能については、その評価が全く不可能である。このため、蛍光顕微鏡の組み立てにおいては、生産ラインでの熟練者の経験に頼ることが多かった。
【0024】
このように、従来は、蛍光顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に評価することができない。また、最近では、上述したようにナノスケールの空間分解能を有する超解像蛍光顕微鏡も提案されている。このような背景から、超解像蛍光顕微鏡を含む蛍光顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に評価できる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの開発が望まれている。
【0025】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、蛍光顕微鏡の結像性能を、客観的かつ定量的に精度良く評価できる蛍光顕微鏡用解像度評価チャート、およびその製造方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に係る発明は、蛍光顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートであって、
基板上に形成された発光中心を持つ蛍光材料を含有する発光薄膜と、この発光薄膜に発光中心を破壊して形成された非発光部分とを有することを特徴とするものである。
【0027】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートにおいて、上記発光中心が蛍光色素分子であることを特徴とするものである。
【0028】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートにおいて、上記蛍光色素分子がローダミン6Gであることを特徴とするものである。
【0029】
さらに、上記目的を達成する請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを製造するにあたり、
発光中心を持つ蛍光材料を含有した溶液を基板上に展開する第1の工程と、
上記基板上に展開された上記溶液を乾燥させて発光薄膜を形成する第2の工程と、
上記発光薄膜に粒子線を照射して上記発光中心を破壊することにより非発光部分を形成する第3の工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0030】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記第1の工程では、上記溶液をキャスティングまたはスピンコートにより展開させることを特徴とするものである。
【0031】
請求項6に係る発明は、請求項4または5に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記第3の工程では、上記粒子線として電子ビームを用いることを特徴とするものである。
【0032】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記電子ビームの加速電圧を、形成する上記非発光部分の領域に応じて調整することを特徴とするものである。
【0033】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記電子ビームによる電子注入量を、形成する上記非発光部分の領域に応じて調整することを特徴とするものである。
【0034】
請求項9に係る発明は、請求項4〜8のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記溶液は、溶媒としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含有することを特徴とするものである。
【0035】
本発明者らによる種々の実験検討によると、発光中心を持つ蛍光材料に粒子線を照射すると、その発光中心が壊されて非発光部分が形成されることが判明した。例えば、溶媒に溶かしたPMMA(ポリメタクリル酸メチル)にローダミン6Gのような発光中心を持つ蛍光色素を混合させて発光材料を形成し、この発光材料を、図1に示すように、適当な基板1上にキャスティングあるいはスピンコートして乾燥させて発光薄膜2を形成した後、この発光薄膜2に電子ビームを照射すると、発光中心が電子ビームのエネルギーによって破壊されて発光しない非発光部分3が形成される。しかも、電子ビームは、そのビーム径が10nm程度と非常に細いので、例えば幅200nm〜300nmの極細線や微小面積の非発光部分3を1μm以下の間隔で容易に描画することが可能となる。
【0036】
このような非発光部分3を有する発光薄膜2に、蛍光を起こさせる励起光を照射すると、明るい蛍光の中に電子ビームで描画した非発光部分3が黒色となって明瞭に観測することができる。したがって、この技術を応用すれば、蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを作製することが可能となる。
【0037】
しかも、電子エネルギー(ビームの加速電圧)や電子の注入量(ドーズ量)を変化させれば、非発光中心の量や範囲をコントロールできるので、図2に示すように、非発光部分3に濃淡(階調の変化)を付けることもできる。
【0038】
なお、加速電圧を高くしたり、ドーズ量を増やしたりすれば、非発光部分3を増やしてコントラストを高めることができるが、図3に加速電圧による入射電子の拡散状態を示すように、加速電圧を高くすると線幅は広がる。しかも、この現象は、発光薄膜2の色素濃度や膜厚とのかねあいによっても変化するものと考えられるので、高コントラストを得ることと、微小寸法の非発光部分3を描画(分解能)することとは相反することになる。しかしながら、加速電圧、ドーズ量を最適化すれば、ナノスケールオーダの線幅を有する非発光部分3の描画が可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明の一実施の形態における蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの平面図である。この蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11は、例えばガラス基板上に、発光中心を持つ蛍光材料を含む発光薄膜12を形成し、この発光薄膜12に粒子線の照射によって線幅2μm〜10nm、長さ500μmの直線状の非発光部分13を、10μmの間隔で複数本形成したものである。
【0040】
かかる蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11は、例えば以下に説明するようにして作製することができる。先ず、発光中心を持つ蛍光材料、例えばローダミン6Gを、PMMAとともにクロロホルムに溶解して均一に分散させた発光材料を作成し、この発光材料を洗浄したガラス基板上にスピンキャストする(第1の工程)。次に、オーブンにてベーク処理を施して発光薄膜12を形成する(第2の工程)。その後、発光薄膜12上に導電性コート剤を散布して電子ビーム描画を実施し、非発光部分13を形成する(第3の工程)。なお、描画条件は、加速電圧20kV、ビーム電流200pA、一点当たりの描画時間1μsとする。
【0041】
このようにすれば、平坦で均一な発光薄膜12を形成できると共に、この発光薄膜12上に電子ビーム描画によって非発光部分13を形成することにより、充分な明るさとコントラストを持つ蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11を作製することができる。
【0042】
したがって、本実施の形態による蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11を蛍光顕微鏡により観察すれば、線幅10nmの描画ラインを確認でき、分解能も線間隔200nmが識別可能であるので、超解像蛍光顕微鏡を含む蛍光顕微鏡の結像性能を、客観的かつ定量的に高精度で評価することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、電子ビームを用いて非発光部分を描画するようにしたが、レーザービームやX線ビームのような光子ビームや、イオンビームを用いて描画することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発光中心を持つ蛍光材料を含有する発光薄膜を基板上に形成し、この発光薄膜に発光中心を破壊した非発光部分を形成して蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを構成したので、この蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを用いることにより、蛍光顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に精度良く評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】図1に示す非発光部分の濃淡状態を示す図である。
【図3】電子ビームの加速電圧による入射電子の拡散状態を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態における蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの平面図である。
【図5】試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示す概念図である。
【図6】図5の分子の第1電子励起状態を示す概念図である。
【図7】同じく、第2電子励起状態を示す概念図である。
【図8】同じく、第2電子励起状態から基底状態に戻る状態を示す概念図である。
【図9】分子における二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。
【図10】同じく、二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。
【図11】透過型顕微鏡で使用される解像度評価用標準チャートを示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 発光薄膜
3 非発光部分
11 蛍光顕微鏡用解像度評価チャート
12 発光薄膜
13 非発光部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、蛍光顕微鏡、特に染色した試料を機能性の高いレーザ光源からの複数の波長の光により照明して、高い空間分解能を得る高性能かつ高機能の蛍光顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる蛍光顕微鏡用解像度評価チャート、およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光学顕微鏡の技術は古く、種々のタイプの顕微鏡が開発されてきた。また、近年では、レーザ技術および電子画像技術をはじめとする周辺技術の進歩により、更に高機能の顕微鏡システムが開発されている。
【0003】
このような背景の中、複数波長の光で試料を照明することにより発する二重共鳴吸収過程を用いて、得られる画像のコントラストの制御のみならず化学分析も可能にした高機能な顕微鏡が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この顕微鏡は、二重共鳴吸収を用いて特定の分子を選択し、特定の光学遷移に起因する吸収および蛍光を観測するものである。この原理について、図5〜図8を参照して説明する。図5は、試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示すもので、先ず、図5に示す基底状態(S0状態)の分子がもつ価電子軌道の電子を波長λ1の光により励起して、図6に示す第1電子励起状態(S1状態)とする。次に、別の波長λ2の光により同様に励起して図7に示す第2電子励起状態(S2状態)とする。この励起状態により、分子は蛍光あるいは燐光を発光して、図8に示すように基底状態に戻る。
【0005】
二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、図6の吸収過程や図8の蛍光や燐光の発光を用いて、吸収像や発光像を観察する。この顕微鏡法では、最初にレーザ光等により共鳴波長λ1の光で図6のように試料を構成する分子をS1状態に励起させるが、この際、単位体積内でのS1状態の分子数は、照射する光の強度が増加するに従って増加する。
【0006】
ここで、線吸収係数は、分子一個当りの吸収断面積と単位体積当たりの分子数との積で与えられるので、図7のような励起過程においては、続いて照射する共鳴波長λ2に対する線吸収係数は、最初に照射した波長λ1の光の強度に依存することになる。すなわち、波長λ2に対する線吸収係数は、波長λ1の光の強度で制御できることになる。このことは、波長λ1および波長λ2の2波長の光で試料を照射し、波長λ2による透過像を撮影すれば、透過像のコントラストは波長λ1の光で完全に制御できることを示している。
【0007】
また、図7の励起状態での蛍光または燐光による脱励起過程が可能である場合には、その発光強度はS1状態にある分子数に比例する。したがって、蛍光顕微鏡として利用する場合には画像コントラストの制御が可能となる。
【0008】
さらに、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、上記の画像コントラストの制御のみならず、化学分析も可能にする。すなわち、図5に示される最外殻価電子軌道は、各々の分子に固有なエネルギー準位を持つので、波長λ1は分子によって異なることになり、同時に波長λ2も分子固有のものとなる。
【0009】
ここで、従来の単一波長で照明する場合でも、ある程度特定の分子の吸収像あるいは蛍光像を観察することが可能であるが、一般にはいくつかの分子における吸収帯の波長領域は重複するので、試料の化学組成の正確な同定までは不可能である。
【0010】
これに対し、二重共鳴吸収過程を用いた顕微鏡法では、波長λ1および波長λ2の2波長により吸収あるいは発光する分子を限定するので、従来法よりも正確な試料の化学組成の同定が可能となる。また、価電子を励起する場合、分子軸に対して特定の電場ベクトルをもつ光のみが強く吸収されるので、波長λ1および波長λ2の偏光方向を決めて吸収または蛍光像を撮影すれば、同じ分子でも配向方向の同定まで可能となる。
【0011】
また、最近では、二重共鳴吸収過程を用いて回折限界を越える高い空間分解能をもつ蛍光顕微鏡も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0012】
図9は、分子における二重共鳴吸収過程の概念図で、基底状態S0の分子が、波長λ1の光で第1電子励起状態であるS1に励起され、更に波長λ2の光で第2電子励起状態であるS2に励起されている様子を示している。なお、図9はある種の分子のS2からの蛍光が極めて弱いことを示している。
【0013】
図9に示すような光学的性質を持つ分子の場合には、極めて興味深い現象が起きる。図10は、図9と同じく二重共鳴吸収過程の概念図で、横軸のX軸は空間的距離の広がりを表わし、波長λ2の光を照射した空間領域A1と波長λ2の光が照射されない空間領域A0とを示している。
【0014】
図10において、空間領域A0では波長λ1の光の励起によりS1状態の分子が多数生成され、その際に空間領域A0からは波長λ3で発光する蛍光が見られる。しかし、空間領域A1では、波長λ2の光を照射したため、S1状態の分子のほとんどが即座に高位のS2状態に励起されて、S1状態の分子は存在しなくなる。このような現象は、幾つかの分子により確認されている。これにより、空間領域A1では、波長λ3の蛍光は完全になくなり、しかもS2状態からの蛍光はもともとないので、空間領域A1では蛍光自体が完全に抑制され(蛍光抑制効果)、空間領域A0からのみ蛍光が発することになる。
【0015】
このことは、顕微鏡の応用分野から考察すると、極めて重要な意味を持っている。すなわち、従来の走査型レーザ顕微鏡等では、レーザ光を集光レンズによりマイクロビームに集光して観察試料上を走査するが、その際のマイクロビームのサイズは、集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界となり、原理的にそれ以上の空間分解能は期待できない。
【0016】
ところが、図10の場合には、波長λ1と波長λ2との2種類の光を空間的に上手く重ね合わせて、波長λ2の光の照射により蛍光領域を抑制することで、例えば波長λ1の光の照射領域に着目すると、蛍光領域を集光レンズの開口数と波長とで決まる回折限界よりも狭くでき、実質的に空間分解能を向上させることが可能となる。したがって、この原理を利用することで、回折限界を越える二重共鳴吸収過程を用いた超解像顕微鏡、例えば蛍光顕微鏡を実現することが可能となる。
【0017】
【特許文献1】
特開平8−184552号公報
【特許文献2】
特開2001−100102号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来提案されている明視野方式の透過型顕微鏡に関しては、図11に示すような解像度評価用標準チャート51が提案されており、この解像度評価用標準チャート51の透過像を顕微鏡観察することにより、顕微鏡の基本的な結像性能である2点分解能、線像分布関数、視野等を客観的かつ定量的に評価することができる。
【0019】
この標準チャート51は、ガラス基板上にCr等の金属薄膜の蒸着により形成された所定の細線パターンを有しており、その細線パターンの線間隔等は、可視光の場合の回折限界を上回る100nmをしのぐ精度となっている。
【0020】
したがって、この標準チャート51を顕微鏡観察することにより、その細線パターンの回折ボケから顕微鏡システムトータルとしての線像分布関数を測定することができ、また、隣接する特定の2本線の像コントラストを測定することにより、2点分解能を評価することができる。
【0021】
しかしながら、暗視野顕微鏡である蛍光顕微鏡に関しては、従来、上述したような解像度評価用の標準チャートが全く提案されていない。これは、発光中心をもつ蛍光材料を、基板上に精度良くパターン化する技術が存在しなかったことによる。
【0022】
そこで、従来は、蛍光顕微鏡に関しては、基板上にサイズが既知の蛍光ビーズを散布した観察試料を作製し、その蛍光ビーズの点像分布関数を測定することにより、蛍光顕微鏡の結像性能を評価するようにしている。
【0023】
しかし、この場合には、観察試料の作製状況によって蛍光ビーズの散布状況が大きく左右され、しかも実際の蛍光ビーズの散布状況は不明であるため、結像性能を客観的かつ定量的に評価することはできない。特に、顕微鏡の空間分解能の客観的な目安である2点分解能については、その評価が全く不可能である。このため、蛍光顕微鏡の組み立てにおいては、生産ラインでの熟練者の経験に頼ることが多かった。
【0024】
このように、従来は、蛍光顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に評価することができない。また、最近では、上述したようにナノスケールの空間分解能を有する超解像蛍光顕微鏡も提案されている。このような背景から、超解像蛍光顕微鏡を含む蛍光顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に評価できる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの開発が望まれている。
【0025】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、蛍光顕微鏡の結像性能を、客観的かつ定量的に精度良く評価できる蛍光顕微鏡用解像度評価チャート、およびその製造方法を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に係る発明は、蛍光顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートであって、
基板上に形成された発光中心を持つ蛍光材料を含有する発光薄膜と、この発光薄膜に発光中心を破壊して形成された非発光部分とを有することを特徴とするものである。
【0027】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートにおいて、上記発光中心が蛍光色素分子であることを特徴とするものである。
【0028】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートにおいて、上記蛍光色素分子がローダミン6Gであることを特徴とするものである。
【0029】
さらに、上記目的を達成する請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを製造するにあたり、
発光中心を持つ蛍光材料を含有した溶液を基板上に展開する第1の工程と、
上記基板上に展開された上記溶液を乾燥させて発光薄膜を形成する第2の工程と、
上記発光薄膜に粒子線を照射して上記発光中心を破壊することにより非発光部分を形成する第3の工程と、
を含むことを特徴とするものである。
【0030】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記第1の工程では、上記溶液をキャスティングまたはスピンコートにより展開させることを特徴とするものである。
【0031】
請求項6に係る発明は、請求項4または5に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記第3の工程では、上記粒子線として電子ビームを用いることを特徴とするものである。
【0032】
請求項7に係る発明は、請求項6に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記電子ビームの加速電圧を、形成する上記非発光部分の領域に応じて調整することを特徴とするものである。
【0033】
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記電子ビームによる電子注入量を、形成する上記非発光部分の領域に応じて調整することを特徴とするものである。
【0034】
請求項9に係る発明は、請求項4〜8のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法において、上記溶液は、溶媒としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含有することを特徴とするものである。
【0035】
本発明者らによる種々の実験検討によると、発光中心を持つ蛍光材料に粒子線を照射すると、その発光中心が壊されて非発光部分が形成されることが判明した。例えば、溶媒に溶かしたPMMA(ポリメタクリル酸メチル)にローダミン6Gのような発光中心を持つ蛍光色素を混合させて発光材料を形成し、この発光材料を、図1に示すように、適当な基板1上にキャスティングあるいはスピンコートして乾燥させて発光薄膜2を形成した後、この発光薄膜2に電子ビームを照射すると、発光中心が電子ビームのエネルギーによって破壊されて発光しない非発光部分3が形成される。しかも、電子ビームは、そのビーム径が10nm程度と非常に細いので、例えば幅200nm〜300nmの極細線や微小面積の非発光部分3を1μm以下の間隔で容易に描画することが可能となる。
【0036】
このような非発光部分3を有する発光薄膜2に、蛍光を起こさせる励起光を照射すると、明るい蛍光の中に電子ビームで描画した非発光部分3が黒色となって明瞭に観測することができる。したがって、この技術を応用すれば、蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを作製することが可能となる。
【0037】
しかも、電子エネルギー(ビームの加速電圧)や電子の注入量(ドーズ量)を変化させれば、非発光中心の量や範囲をコントロールできるので、図2に示すように、非発光部分3に濃淡(階調の変化)を付けることもできる。
【0038】
なお、加速電圧を高くしたり、ドーズ量を増やしたりすれば、非発光部分3を増やしてコントラストを高めることができるが、図3に加速電圧による入射電子の拡散状態を示すように、加速電圧を高くすると線幅は広がる。しかも、この現象は、発光薄膜2の色素濃度や膜厚とのかねあいによっても変化するものと考えられるので、高コントラストを得ることと、微小寸法の非発光部分3を描画(分解能)することとは相反することになる。しかしながら、加速電圧、ドーズ量を最適化すれば、ナノスケールオーダの線幅を有する非発光部分3の描画が可能である。
【0039】
【発明の実施の形態】
図4は、本発明の一実施の形態における蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの平面図である。この蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11は、例えばガラス基板上に、発光中心を持つ蛍光材料を含む発光薄膜12を形成し、この発光薄膜12に粒子線の照射によって線幅2μm〜10nm、長さ500μmの直線状の非発光部分13を、10μmの間隔で複数本形成したものである。
【0040】
かかる蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11は、例えば以下に説明するようにして作製することができる。先ず、発光中心を持つ蛍光材料、例えばローダミン6Gを、PMMAとともにクロロホルムに溶解して均一に分散させた発光材料を作成し、この発光材料を洗浄したガラス基板上にスピンキャストする(第1の工程)。次に、オーブンにてベーク処理を施して発光薄膜12を形成する(第2の工程)。その後、発光薄膜12上に導電性コート剤を散布して電子ビーム描画を実施し、非発光部分13を形成する(第3の工程)。なお、描画条件は、加速電圧20kV、ビーム電流200pA、一点当たりの描画時間1μsとする。
【0041】
このようにすれば、平坦で均一な発光薄膜12を形成できると共に、この発光薄膜12上に電子ビーム描画によって非発光部分13を形成することにより、充分な明るさとコントラストを持つ蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11を作製することができる。
【0042】
したがって、本実施の形態による蛍光顕微鏡用解像度評価チャート11を蛍光顕微鏡により観察すれば、線幅10nmの描画ラインを確認でき、分解能も線間隔200nmが識別可能であるので、超解像蛍光顕微鏡を含む蛍光顕微鏡の結像性能を、客観的かつ定量的に高精度で評価することができる。
【0043】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、電子ビームを用いて非発光部分を描画するようにしたが、レーザービームやX線ビームのような光子ビームや、イオンビームを用いて描画することもできる。
【0044】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、発光中心を持つ蛍光材料を含有する発光薄膜を基板上に形成し、この発光薄膜に発光中心を破壊した非発光部分を形成して蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを構成したので、この蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを用いることにより、蛍光顕微鏡の結像性能を客観的かつ定量的に精度良く評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明するための図である。
【図2】図1に示す非発光部分の濃淡状態を示す図である。
【図3】電子ビームの加速電圧による入射電子の拡散状態を示す図である。
【図4】本発明の一実施の形態における蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの平面図である。
【図5】試料を構成する分子の価電子軌道の電子構造を示す概念図である。
【図6】図5の分子の第1電子励起状態を示す概念図である。
【図7】同じく、第2電子励起状態を示す概念図である。
【図8】同じく、第2電子励起状態から基底状態に戻る状態を示す概念図である。
【図9】分子における二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。
【図10】同じく、二重共鳴吸収過程を説明するための概念図である。
【図11】透過型顕微鏡で使用される解像度評価用標準チャートを示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 発光薄膜
3 非発光部分
11 蛍光顕微鏡用解像度評価チャート
12 発光薄膜
13 非発光部分
Claims (9)
- 蛍光顕微鏡の結像性能を評価するのに用いる蛍光顕微鏡用解像度評価チャートであって、
基板上に形成された発光中心を持つ蛍光材料を含有する発光薄膜と、この発光薄膜に発光中心を破壊して形成された非発光部分とを有することを特徴とする蛍光顕微鏡用解像度評価チャート。 - 上記発光中心が蛍光色素分子であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャート。
- 上記蛍光色素分子がローダミン6Gであることを特徴とする請求項2に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャート。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートを製造するにあたり、
発光中心を持つ蛍光材料を含有した溶液を基板上に展開する第1の工程と、
上記基板上に展開された上記溶液を乾燥させて発光薄膜を形成する第2の工程と、
上記発光薄膜に粒子線を照射して上記発光中心を破壊することにより非発光部分を形成する第3の工程と、
を含むことを特徴とする蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法。 - 上記第1の工程では、上記溶液をキャスティングまたはスピンコートにより展開させることを特徴とする請求項4に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法。
- 上記第3の工程では、上記粒子線として電子ビームを用いることを特徴とする請求項4または5に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法。
- 上記電子ビームの加速電圧を、形成する上記非発光部分の領域に応じて調整することを特徴とする請求項6に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法。
- 上記電子ビームによる電子注入量を、形成する上記非発光部分の領域に応じて調整することを特徴とする請求項6に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法。
- 上記溶液は、溶媒としてポリメタクリル酸メチル(PMMA)を含有することを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載の蛍光顕微鏡用解像度評価チャートの製造方法。
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2002
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