JP2004117219A - 液体試料の沈降速度測定方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定に必要な血液量を採取できない病気や怪我で重篤な状態の被験者でも、適切な治療判断が可能となる赤沈測定技術を提供する。
【解決手段】血液が収容された複数の試験容器1,1,・・・を傾斜状に静置し、投光手段3により光をこれら試験容器1,1,・・・に投射して、このときこれら試験容器1,1,・・・内を透過した光を単一のCCDエリアセンサカメラ4で受光し、このCCDエリアセンサカメラ4から送出される画像データに基づいて、各試験容器1内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さを測定するとともに、赤沈を算出する際、各試験容器1内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さの測定結果に基づき、標準の演算処理または補正演算処理を行って、赤沈が算出される。
【選択図】 図1
【解決手段】血液が収容された複数の試験容器1,1,・・・を傾斜状に静置し、投光手段3により光をこれら試験容器1,1,・・・に投射して、このときこれら試験容器1,1,・・・内を透過した光を単一のCCDエリアセンサカメラ4で受光し、このCCDエリアセンサカメラ4から送出される画像データに基づいて、各試験容器1内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さを測定するとともに、赤沈を算出する際、各試験容器1内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さの測定結果に基づき、標準の演算処理または補正演算処理を行って、赤沈が算出される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体試料中の沈降物の沈降速度測定方法および沈降速度測定装置に関し、さらに詳細には、試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体試料中の沈降物の沈降速度測定の代表例として、日常臨床で最もよく用いられる検査法の一つである赤沈(赤血球沈降速度)の測定が上げられる。この赤沈測定方法としては、垂直に保持された一定規格の試験容器に非凝固化した血液を満たして静置し、血球の沈降によって生ずる血漿と血球層の境界より上方の距離(血漿の沈降深さ)を静置から1時間後に検査者が目視にて記録して、沈降の遅速を判断する方式のウェスターグレン法が標準的に用いられている。しかし、このような測定方法では測定開始から終了まで1時間以上を要し、緊急の処置を要するような場合には適さなかった。
【0003】
このような問題を解決するため、従来、赤沈の測定時間を短縮する技術が提案されている。たとえば、特開2000−329779号公報に、赤沈測定液が収容され、所定の傾斜角度をもって傾斜状態に置かれた試験容器に光を投射し、この試験容器内を透過した光を光学センサにて検出し、血漿液面位置と血漿と血球層との境界位置を算出して血漿の深さ寸法を得、この値と測定時間とから赤沈を測定する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、同一血液の血球の沈降は、同じ液面高さでも試験容器の内径寸法が異なったり、同じ内径寸法の試験容器でも液面高さが異なると、その沈降パターンが変わる傾向がある。
【0005】
すなわち、同じ液面高さでも試験容器の内径寸法が異なり、たとえば、図7に示すように、標準(一定規格)の試験容器の内径寸法よりも小さい内径寸法(D<D0)の試験容器を用いた場合、標準の試験容器(D=D0)を用いた場合よりも全般的に血球の沈降が遅くなる。言い換えれば、同じ液面高さでも試験容器の内径寸法が大きい程(つまり液量が多い程)、血球の沈降が早くなる。このことは、赤沈が亢進の場合の被験者でも、あるいは遅延の場合の被験者でも同じ傾向を示す。
【0006】
また、同じ内径寸法の試験容器でも液面高さが異なり、たとえば、図8に示すように標準の試験容器を用いて標準の液面高さより低い液面高さ(L<L0)で測定する場合、同じ標準の試験容器を用いて標準の液面高さ(L=L0)で測定する場合よりも全般的に血球の沈降が遅くなる。言い換えれば、同じ内径寸法の試験容器でも液面高さが高い程(つまり液量が多い程)、血球の沈降が早くなる。このことは、上述したと同様に、赤沈が亢進の場合の被験者でも、あるいは遅延の場合の被験者でも同じ傾向を示す。
【0007】
一方、病気や怪我で重篤な状態の被験者は、赤沈測定のために必要な血液量を採取できない場合が多く、上述したように正しい赤沈値が得られないため、適切な治療判断をできないことがある。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、光学的手段を用いて赤沈を測定する際、たとえ赤沈測定液の液量が測定に必要な標準の液量と異なる場合であっても、標準の液量で測定する場合と同様の赤沈結果が得られる沈降速度測定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の沈降速度測定方法は、試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する沈降速度測定方法であって、液体試料が収容された複数の試験容器に光を投射して、このときこれら複数の試験容器内を透過した光を単一の二次元センサ手段で受光し、この二次元センサ手段から送出される画像データに基づいて、前記液体試料中の沈降物の沈降速度を求める際、前記試験容器内の液体試料の投影寸法を算出し、前記液体試料の投影寸法が、標準の試験容器を用いた場合に得られる標準の液体試料の投影寸法と比較して異なる場合には、補正演算機能を働かせて液体試料中の沈降物の沈降速度を算出するようにしたことを特徴とする。
【0010】
好適な実施態様として、前記液体試料の投影寸法を算出する際、前記液体試料の投影寸法として、投影外径寸法または投影液面高さ、あるいは投影外径寸法と投影液面高さの双方を用いる。
【0011】
また、本発明の沈降速度測定装置は、上記沈降速度測定方法を好適に実施するためのものであって、試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する沈降速度測定装置であって、液体試料が収容された複数の試験容器を所定の間隔をもって保持する容器保持手段と、前記複数の試験容器に光を投射する投光手段と、前記複数の試験容器を挟んで前記投光手段に対向して設けられ、前記投光手段から前記複数の試験容器内を透過した光を受光する単一の二次元センサ手段と、前記二次元センサ手段から送出される画像データに基づいて、液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する演算手段とを備えてなり、前記演算手段は、前期試験容器毎に、前記試験容器内の液体試料の投影外形を判定するとともに、前記試験容器の軸方向と直角方向に配列された複数の画素の各明暗レベルの軸方向への経時的変化を積算することにより、液体試料中の上澄み液と沈降物との境界位置を判定する画像処理部と、この画像処理部の判定結果に基づいて、前記試験容器内の液体試料の投影寸法を算出する投影寸法算出手段と、前記試験容器内の上澄み液の高さ寸法を算出し、これと設定された測定時間とから、前記境界位置の単位時間あたりの変化量を求めて、液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する沈降速度算出手段と、標準の試験容器を用いた場合に得られる標準の液体試料の投影寸法を記憶しておく記憶手段と、前記液体試料の投影寸法と標準の液体試料の投影寸法とを比較する比較手段と、前記液体試料の投影寸法が、前記標準の液体試料の投影寸法と比較して異なる場合に、前記沈降速度を補正する補正演算手段とを備えてなることを特徴とする。
【0012】
好適な実施態様として、上記演算手段において液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する際、上記試験容器内の液体試料の投影外径寸法または投影液面高さが、あるいは前記投影外径寸法と投影液面高さの双方が、予め設定された(記憶された)標準値と比較して異なる場合には、上記沈降物の沈降速度を標準値(標準の内径寸法の試験容器を使用して、標準の液面高さで沈降物の沈降速度を算出する場合に得られる値)に置き換えるための補正演算を実施する。
【0013】
すなわち、試験容器内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さを算出し、そのいずれもが標準値と同様な場合には、通常の演算処理を実施して沈降物の沈降速度を算出し、逆にそのいずれかが、あるいはその双方が標準値と異なる場合には、補正演算を実施して標準値に準じた沈降物の沈降速度を算出する。
【0014】
このように、補正演算を実施して標準値に準じた沈降物の沈降速度を算出することにより、採取血液が多くても少なくても正しい赤沈値が得られ、特に採取血液が十分に得られない病気や怪我で重篤な状態の被験者の場合に有効となる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る沈降速度測定装置が図1に示されている。この装置は、具体的には図3に示すような試験容器1内に収容された血液の赤沈を光学的に測定するものであって、容器保持手段2、投光手段3、二次元センサ手段4、演算手段6、表示部7および操作部8を主要部として構成されている。
【0016】
容器保持手段2は、複数本(本実施形態においては5本)の試験容器1、1、…を等間隔で傾斜状に保持するものであって、具体的には図2および図3に示すように、2枚の垂直板2aと、3枚の水平状の上板2b、下板2cおよび底板2dからなり、前記上板2bと下板2cとの間に各試験容器1に対応した5枚の傾斜板2eを備えるとともに、前記上板2bと下板2cには、試験容器1の外径寸法とほぼ同じ内径の丸穴h1,h2がそれぞれ形成されている。
【0017】
そして、上記傾斜保持構造において、上記底板2dにより試験容器1の底が支えられるとともに、試験容器1の上部と下部が、上記上板2bおよび下板2cの丸穴h1およびh2に挿通して傾斜保持される構造とされている。なお、傾斜板2eは試験容器1を上側から挿入する際の案内手段として機能する。
【0018】
また、これら傾斜保持構造2a〜2dにおける傾斜は、試験容器1内の血液に自然対流を生じさせて、沈降物である血球層の沈降を促進させるためのもので、好適には、上記丸穴h1およびh2に保持される試験容器1が15°〜25°の角度をもって傾斜するように設定されており、図示の実施形態においては15°の傾斜角度に設定されている。
【0019】
投光手段3は、血液が収容された試験容器1に対して光を投射するためのもので、好適には赤外LED(発光ダイオード)アレイ等が用いられる。
【0020】
二次元センサ手段4は、上記投光手段3から上記複数の試験容器1、1、…内の各測定範囲を透過した光を受光して撮像するもので、上記試験容器1、1、…を挟んで上記投光手段3に対向して設けられ、上記試験容器1、1、…の傾斜角度と同一の傾斜角度でもって傾斜状に設置されている。
【0021】
この二次元センサ手段4としては、センサ部としてCCDエリアセンサ等のエリアセンサを備えるエリアセンサカメラが使用され、図示の実施形態においては、センサ部としてCCDエリアセンサを備えるCCDエリアセンサカメラが用いられており、試験容器1内の血漿と血球層との境界等の画像を撮像する。
【0022】
演算手段6は、上記CCDエリアセンサカメラ4から送出される画像データに基づいて、試験容器内の赤沈測定液(たとえば、クエン酸ナトリウム溶液1に対し血液4の混合液)の投影外径寸法と投影液面高さと血液中の血球層の沈降速度を算出するもので、具体的には画像処理部6aと、投影寸法算出手段6bと、記憶手段6cと、比較手段6dと、沈降速度算出手段6eと補正演算手段6fとからなる。
【0023】
画像処理部6aは、CCDエリアセンサカメラ4から送出される画像データから、試験容器1毎に、前記赤沈測定液(液体試料)の投影外径(試験容器1の内径)エッジと投影液面を判定するとともに、前記試験容器1の軸方向と直角方向に配列された複数の画素の各明暗レベルの軸方向への経時的変化を積算し、そのデータから血液の上澄み液である血漿S1と沈殿物である血球層S2との境界位置(以後血沈位置と称する)を判定し、沈降速度算出手段6eに送出する。
【0024】
画像処理の方法を図4を用いてさらに詳細に説明する。図4は、CCDエリアセンサカメラ4で撮像した試験容器1内の赤沈測定液の画像である。このCCDエリアセンサカメラ4で撮像した像は、たとえば480x512の2次元配列の画素に分割され、さらに各画素毎に0〜255の256段階の階調(明暗レベル)に分けられる。
【0025】
本実施形態において、CCDエリアセンサカメラ4の撮像画素の2次元配列のうちの一つの配列方向(図示のものでは矢符Y方向)が、前記試験容器1の軸方向と平行するように構成されるとともに、画像処理部6aにおいて、各試験容器1に対応して測定範囲を規定する複数(本実施形態では5個)の検出ウインドウ(測定範囲規定手段)MaおよびMbが設定されている。
【0026】
検出ウインドウMaは、各試験容器1の軸線に沿って延びるスリット状の細長い矩形状とされている。そして、この検出ウインドウMaの形状寸法は、その縦方向寸法が試験容器1の長さ寸法よりも小さく、かつその横方向寸法が試験容器1の外径寸法よりも小さく設定されて、試験容器1内の血液の血沈挙動が確実に捉えられるように設計されている。
【0027】
検出ウインドウMbは、図示のごとく、試験容器1の下端近傍(血球層圏内)に、水平状に設けられたスリット状の窓で、その横方向寸法が試験容器1の直径寸法よりも大きく設定されて、赤沈測定液の投影外径(試験容器1の内径)エッジを検出できるように設計されている。
【0028】
これにより、上記投光手段3から上記複数の試験容器1、1、…内を透過してCCDエリアセンサカメラ4の撮像画素に到達した光のうち、上記検出ウインドウMa,Ma,…およびMb,Mb,…により規定された測定範囲のみが測定に供されることとなる。
【0029】
検出ウィンドウMaを利用して、投影液面(血漿液面)高さが測定される。すなわち、液面(a)と底面(c)とを検出して、投影寸法算出手段6bに送出する。
【0030】
投影寸法算出手段6bでは、上記画像処理部6aの判定結果に基づいて、投影液面高さを算出する。
【0031】
また、検出ウィンドウMaを利用して、血沈位置が測定される。すなわち、図中(a)は血球がまだ沈降せず、血漿S1と血球層S2との境界が出現していない初期状態を示し、(b)は単位時間経過後の血沈位置を示す。また、各(a),(b)における右側の図は、画像処理にて前記試験容器1の軸方向(図中の矢符Y方向)と直角方向(図中の矢符X方向)に配列された1画素(たとえば試験容器1の軸線上にある画素)の明暗レベルの軸方向への経時的変化を積算した波形図であり、そのデータを所定の閾値(Vth)と比較して、その閾値より高いレベル(血漿部分)と低いレベル(血球層)との境界位置を求めることにより、上記血沈位置と判定し、そのデータを沈降速度算出手段6eに送出する。
【0032】
沈降速度算出手段6eでは、上記画像処理部6aの判定結果に基づいて、試験容器1内の血漿S1の高さ寸法を演算し、これと設定された測定時間(好適には15分〜20分)とから、単位時間あたりの血沈位置の変化量(ΔY)を求めて、赤沈を算出する。
【0033】
また、検出ウィンドウMbを利用して、検出された画像データに基づいて、試験容器1内の赤沈測定液の投影外径を判定する。なお、検出ウインドウMbは、上述したように、試験容器1の下端近傍(血球層圏内)に形成されているから、血球層の最も外側同志のエッジを検出することで、赤沈測定液の投影外径を判定することができ、そのデータを投影寸法算出手段6bに送出する。
【0034】
投影寸法算出手段6bでは、上記画像処理部6aの判定結果に基づいて、投影液面高さを算出する場合と同様に、赤沈測定液の投影外径寸法を算出する。
【0035】
上述のように沈降速度算出手段6eで赤沈を算出する際、記憶手段6cから標準の赤沈測定液の投影外径寸法(試験容器1の内径寸法)D0および標準の投影液面高さL0を読み出し、比較手段6dにより、測定された赤沈測定液の投影外径寸法Dあるいは投影液面高さLと比較する。
【0036】
そして、赤沈測定液の投影外径寸法Dが標準の投影外径寸法D0と同様で、なおかつ投影液面高さLが標準の投影液面高さL0と同様で有る場合には、通常(標準)の演算処理により赤沈を算出する。一方、赤沈測定液の投影外径寸法Dが標準の投影外径寸法D0と異なっている場合とか、赤沈測定液の投影液面高さLが標準の投影液面高さL0と異なっている場合とか、あるいはその双方が標準のものと異なっている場合には、赤沈値が、あたかも投影外径寸法(試験容器1の内径寸法)Dが標準の試験容器を用いた場合(D=D0)と同様の値になるように、あるいは、あたかも標準の投影液面高さで測定した時(L=L0)と同様の値になるように、補正演算手段6fを働かせて補正演算を実施する。
【0037】
なお、以上の説明においては、1本の試験容器1に対する赤沈測定工程を述べたが、他の4本の試験容器1、1、…に対しても時系列的に同様の工程にて赤沈測定が行われる。この場合、試験容器1の特定は、具体的には図示しないが、試験容器1の上部に細帯状のIDラベルが貼付されており、このIDラベルに印刷された被採血者のID情報を、図示しないID読取装置で読み取ることにより行われる。このID読取装置としては、ID情報が文字の場合は文字読取装置が用いられ、ID情報がバーコードの場合はバーコードリーダが用いられる。
【0038】
次に、以上のように構成された沈降速度測定装置を用いて赤沈を測定する方法について、図5および図6に示すフロー図も参照して説明する。
【0039】
1)試験容器1に被採血者から血液を採取するとともに、これに抗凝固剤であるクエン酸ナトリウム溶液を加えてから、この試験容器1を振って、上記血液とクエン酸ナトリウム溶液を混ぜる。この後、試験容器1を、容器保持手段2の上板2bと下板2cに設けられた丸穴h1,h2内に上側から挿入して、傾斜状に静止保持させる。複数人(図示のものにおいては最大5人)の被採血者の血液について赤沈測定を行う場合には、以上の要領で、容器保持手段2に適宜保持させる。なお、試験容器1の内径寸法が標準のものより細い場合には、図示しない適当なホルダを用いて容器保持手段2に保持させる。
【0040】
2)タッチパネル等からなる操作部8のスタートキーを押すことにより、投光手段3により、上記試験容器1、1、…に光を投射して、CCDエリアセンサカメラ4により、各試験容器1を通過した赤外光を受光して撮像し、まず最初に、検出ウインドウMbで検出された画像データに基づいて各試験容器1内の赤沈測定液(液体試料)の投影外径寸法を算出するとともに、検出ウインドウMaで検出された画像データに基づいて各試験容器1内の投影液面高さ寸法を算出する。なお、ID読取装置が有る場合は、上記測定に先立ち、まずこのID読取装置により各試験容器1のIDラベルが読み取られて、試験容器1の特定(採血者の氏名等の読み込み)が行われる。
【0041】
3)次に、検出ウインドウMaで検出された試験容器1,1,…の各画像データを演算手段6の画像処理部6aに送って血沈位置が判定され、沈降速度算出手段6eにて各試験容器1毎に赤沈が算出される。
【0042】
具体的には、前述したように、赤沈測定液を満たした試験容器1を静止保持すると、血液中の血球層の沈降にともなって、試験容器1内に血漿S1と血球層S2との境界が現れ、この境界は経時的に下降していき、一定時間を経過するとこの境界の下降が停止(血球層の沈降が停止)する。
【0043】
投光手段3から投射されて、上記血液中を透過する光の光量は、試験容器1の透明度に従って変化し、特に、血漿S1より上の空間つまり血漿S1の存在しない空間、血漿S1および血球層S2をそれぞれ透過した光の光量は大きく変化して互いに明確に区別でき、この透過した光を検出することにより、血漿S1 の液面とこの血漿S1および血球層S2の境界とを確実に捉えることができる。
【0044】
したがって、上述したように、試験容器1内を透過した光の光量変化を、単一のCCDエリアセンサカメラ4を用いて電気的に検出することにより、これら検出値の経時的変化から、演算手段6により、血漿S1の深さ(高さ)寸法を算出でき、さらに、この算出値と測定時間から血球層S2の沈降速度を算出できる。
【0045】
4)赤沈を算出する際、上述した各試験容器1内の赤沈測定液の投影外径寸法と投影液面高さの算出結果に基づき、各々に対応した演算処理を行って、赤沈が算出される。すなわち、投影外径寸法が標準(D=D0)で、なおかつ投影液面高さが標準(L=L0)の場合には標準演算のルーチンを実行し、投影外径寸法が標準(D=D0)で、なおかつ投影液面高さが低い場合(L<L0)には補正演算ルーチン(1)を実行し、投影外径寸法が標準より細く(D<D0)て、なおかつ投影液面高さが標準(L=L0)の場合には補正演算ルーチン(2)を実行し、投影外径寸法が標準より細く(D<D0)て、なおかつ投影液面高さが標準より低い場合(L<L0)には補正演算ルーチン(3)を実行する(図5参照)。
【0046】
5)さらに、投影外径寸法が標準(D=D0)でなおかつ投影液面高さが低い場合(L<L0)には、その投影液面高さのランクに基づく補正演算が行われる。たとえば図6(a)に示すように、液面高さが、標準高さ位置(L0)から1ランク下がった位置(例えば、標準高さから5mm下がった位置L1)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、1ランク下がった位置から2ランク下がった位置(例えば、標準高さから10mm下がった位置L2)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、2ランク下がった位置から3ランク下がった位置(例えば、標準高さから15mm下がった位置L3)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行される。
【0047】
6)また、投影外径寸法が標準より細く(D<D0)てなおかつ投影液面高さが低い場合(L<L0)には、その液面高さのランクに基づく補正演算が行われる。たとえば図6(b)に示すように、液面高さが、標準高さ位置(L0)から1ランク下がった位置(L1)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、1ランク下がった位置から2ランク下がった位置(L2)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、2ランク下がった位置から3ランク下がった位置(L3)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行される。
【0048】
この赤沈測定結果は、国際標準法に基づく表示方式により、液晶モニタ等からなる表示装置7に電光表示されるとともに、図示しないプリンタ等により印刷表示される。
【0049】
なお上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0050】
例えば、図示の実施形態においては、試験容器1を傾斜状に静置したが、垂直状に静置しても良い。
【0051】
また、上記実施形態においては投影外径寸法(試験容器の内径寸法)が細い場合(D<D0)および投影液面高さが標準より低い場合(L<L0)に補正演算を実行するように設定したが、逆に投影外径寸法(試験容器の内径寸法)が太い場合および投影液面高さが標準より高い場合にも補正演算を実行するように設定しても良い。
【0052】
さらに、本発明は、上述した血液の沈降速度測定つまり赤沈測定に限らず、同様な沈降挙動をする他の液体試料中の沈降物の沈降速度の測定にも適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、液体試料中の沈降物の沈降速度を求める際、試験容器内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さとを算出し、前記投影外径寸法または投影液面高さが、あるいは投影外径寸法と投影液面高さの双方が、予め設定された標準の投影外径寸法(試験容器の内径寸法)および標準の投影液面高さと比較して異なる(一定値を越えた)場合には、補正演算機能を働かせて液体試料中の沈降物の沈降速度を算出するようにしたことにより、試験容器や液面を標準に設定しなくても、標準値に準じた値が得られる。
【0054】
たとえば、血液の赤沈測定にあっては、必要な血液量を採取できない病気や怪我で重篤な状態の被験者でも、内径が標準より細い試験容器を使用したり、あるいは液面高さが低い状態で赤沈を測定しても、上述したように補正演算を実行することにより標準に準じた赤沈値が得られ、適切な治療判断が可能となり、緊急の医療措置が必要な場合においても非常に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態である液体試料の沈降速度測定装置の概略を示す構成ブロック図である。
【図2】同沈降速度測定装置における投光手段、容器保持手段、およびCCDエリアセンサカメラの相対位置関係を示す平面図である。
【図3】同沈降速度測定装置におけるCCDエリアセンサカメラにて複数の試験容器を測定する場合の配置例を示す図2のA−A線に沿った正面図である。
【図4】同沈降速度測定装置における画像処理方式の一例を示す説明図である。
【図5】同沈降速度測定装置における沈降速度測定時の動作フロー図である。
【図6】同沈降速度測定時の補正演算動作フロー図で、(a)は試験容器の内径寸法が標準で、液面高さが低い場合、(b)は試験容器の内径寸法が標準より細く、液面高さが低い場合を示している。
【図7】(a)は、同沈降速度測定装置に用いられる標準の試験容器と、内径寸法が標準より細い試験容器を示す説明図、(b)は、この各々の試験容器を用いて、同じ被験者の血液の赤沈を測定した例を示すグラフである。
【図8】(a)は、同沈降速度測定装置に用いられる標準の試験容器で、液面高さが標準の場合と標準より低い場合を示す説明図、(b)は、この状態で同じ被験者の血液の赤沈を測定した例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 試験容器
2 容器保持手段
3 投光手段
4 CCDエリアセンサカメラ(二次元センサ手段)
6 演算手段
6a 画像処理部
6b 投影寸法算出手段
6c 記憶手段
6d 比較手段
6d 補正演算手段
6e 沈降速度算出手段
7 表示部
8 操作部
S1 血漿(上澄み液)
S2 血球層(沈降物)
(a),(b) 血漿と血球層との境界
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体試料中の沈降物の沈降速度測定方法および沈降速度測定装置に関し、さらに詳細には、試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体試料中の沈降物の沈降速度測定の代表例として、日常臨床で最もよく用いられる検査法の一つである赤沈(赤血球沈降速度)の測定が上げられる。この赤沈測定方法としては、垂直に保持された一定規格の試験容器に非凝固化した血液を満たして静置し、血球の沈降によって生ずる血漿と血球層の境界より上方の距離(血漿の沈降深さ)を静置から1時間後に検査者が目視にて記録して、沈降の遅速を判断する方式のウェスターグレン法が標準的に用いられている。しかし、このような測定方法では測定開始から終了まで1時間以上を要し、緊急の処置を要するような場合には適さなかった。
【0003】
このような問題を解決するため、従来、赤沈の測定時間を短縮する技術が提案されている。たとえば、特開2000−329779号公報に、赤沈測定液が収容され、所定の傾斜角度をもって傾斜状態に置かれた試験容器に光を投射し、この試験容器内を透過した光を光学センサにて検出し、血漿液面位置と血漿と血球層との境界位置を算出して血漿の深さ寸法を得、この値と測定時間とから赤沈を測定する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、同一血液の血球の沈降は、同じ液面高さでも試験容器の内径寸法が異なったり、同じ内径寸法の試験容器でも液面高さが異なると、その沈降パターンが変わる傾向がある。
【0005】
すなわち、同じ液面高さでも試験容器の内径寸法が異なり、たとえば、図7に示すように、標準(一定規格)の試験容器の内径寸法よりも小さい内径寸法(D<D0)の試験容器を用いた場合、標準の試験容器(D=D0)を用いた場合よりも全般的に血球の沈降が遅くなる。言い換えれば、同じ液面高さでも試験容器の内径寸法が大きい程(つまり液量が多い程)、血球の沈降が早くなる。このことは、赤沈が亢進の場合の被験者でも、あるいは遅延の場合の被験者でも同じ傾向を示す。
【0006】
また、同じ内径寸法の試験容器でも液面高さが異なり、たとえば、図8に示すように標準の試験容器を用いて標準の液面高さより低い液面高さ(L<L0)で測定する場合、同じ標準の試験容器を用いて標準の液面高さ(L=L0)で測定する場合よりも全般的に血球の沈降が遅くなる。言い換えれば、同じ内径寸法の試験容器でも液面高さが高い程(つまり液量が多い程)、血球の沈降が早くなる。このことは、上述したと同様に、赤沈が亢進の場合の被験者でも、あるいは遅延の場合の被験者でも同じ傾向を示す。
【0007】
一方、病気や怪我で重篤な状態の被験者は、赤沈測定のために必要な血液量を採取できない場合が多く、上述したように正しい赤沈値が得られないため、適切な治療判断をできないことがある。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、光学的手段を用いて赤沈を測定する際、たとえ赤沈測定液の液量が測定に必要な標準の液量と異なる場合であっても、標準の液量で測定する場合と同様の赤沈結果が得られる沈降速度測定方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の沈降速度測定方法は、試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する沈降速度測定方法であって、液体試料が収容された複数の試験容器に光を投射して、このときこれら複数の試験容器内を透過した光を単一の二次元センサ手段で受光し、この二次元センサ手段から送出される画像データに基づいて、前記液体試料中の沈降物の沈降速度を求める際、前記試験容器内の液体試料の投影寸法を算出し、前記液体試料の投影寸法が、標準の試験容器を用いた場合に得られる標準の液体試料の投影寸法と比較して異なる場合には、補正演算機能を働かせて液体試料中の沈降物の沈降速度を算出するようにしたことを特徴とする。
【0010】
好適な実施態様として、前記液体試料の投影寸法を算出する際、前記液体試料の投影寸法として、投影外径寸法または投影液面高さ、あるいは投影外径寸法と投影液面高さの双方を用いる。
【0011】
また、本発明の沈降速度測定装置は、上記沈降速度測定方法を好適に実施するためのものであって、試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する沈降速度測定装置であって、液体試料が収容された複数の試験容器を所定の間隔をもって保持する容器保持手段と、前記複数の試験容器に光を投射する投光手段と、前記複数の試験容器を挟んで前記投光手段に対向して設けられ、前記投光手段から前記複数の試験容器内を透過した光を受光する単一の二次元センサ手段と、前記二次元センサ手段から送出される画像データに基づいて、液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する演算手段とを備えてなり、前記演算手段は、前期試験容器毎に、前記試験容器内の液体試料の投影外形を判定するとともに、前記試験容器の軸方向と直角方向に配列された複数の画素の各明暗レベルの軸方向への経時的変化を積算することにより、液体試料中の上澄み液と沈降物との境界位置を判定する画像処理部と、この画像処理部の判定結果に基づいて、前記試験容器内の液体試料の投影寸法を算出する投影寸法算出手段と、前記試験容器内の上澄み液の高さ寸法を算出し、これと設定された測定時間とから、前記境界位置の単位時間あたりの変化量を求めて、液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する沈降速度算出手段と、標準の試験容器を用いた場合に得られる標準の液体試料の投影寸法を記憶しておく記憶手段と、前記液体試料の投影寸法と標準の液体試料の投影寸法とを比較する比較手段と、前記液体試料の投影寸法が、前記標準の液体試料の投影寸法と比較して異なる場合に、前記沈降速度を補正する補正演算手段とを備えてなることを特徴とする。
【0012】
好適な実施態様として、上記演算手段において液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する際、上記試験容器内の液体試料の投影外径寸法または投影液面高さが、あるいは前記投影外径寸法と投影液面高さの双方が、予め設定された(記憶された)標準値と比較して異なる場合には、上記沈降物の沈降速度を標準値(標準の内径寸法の試験容器を使用して、標準の液面高さで沈降物の沈降速度を算出する場合に得られる値)に置き換えるための補正演算を実施する。
【0013】
すなわち、試験容器内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さを算出し、そのいずれもが標準値と同様な場合には、通常の演算処理を実施して沈降物の沈降速度を算出し、逆にそのいずれかが、あるいはその双方が標準値と異なる場合には、補正演算を実施して標準値に準じた沈降物の沈降速度を算出する。
【0014】
このように、補正演算を実施して標準値に準じた沈降物の沈降速度を算出することにより、採取血液が多くても少なくても正しい赤沈値が得られ、特に採取血液が十分に得られない病気や怪我で重篤な状態の被験者の場合に有効となる。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0015】
本発明に係る沈降速度測定装置が図1に示されている。この装置は、具体的には図3に示すような試験容器1内に収容された血液の赤沈を光学的に測定するものであって、容器保持手段2、投光手段3、二次元センサ手段4、演算手段6、表示部7および操作部8を主要部として構成されている。
【0016】
容器保持手段2は、複数本(本実施形態においては5本)の試験容器1、1、…を等間隔で傾斜状に保持するものであって、具体的には図2および図3に示すように、2枚の垂直板2aと、3枚の水平状の上板2b、下板2cおよび底板2dからなり、前記上板2bと下板2cとの間に各試験容器1に対応した5枚の傾斜板2eを備えるとともに、前記上板2bと下板2cには、試験容器1の外径寸法とほぼ同じ内径の丸穴h1,h2がそれぞれ形成されている。
【0017】
そして、上記傾斜保持構造において、上記底板2dにより試験容器1の底が支えられるとともに、試験容器1の上部と下部が、上記上板2bおよび下板2cの丸穴h1およびh2に挿通して傾斜保持される構造とされている。なお、傾斜板2eは試験容器1を上側から挿入する際の案内手段として機能する。
【0018】
また、これら傾斜保持構造2a〜2dにおける傾斜は、試験容器1内の血液に自然対流を生じさせて、沈降物である血球層の沈降を促進させるためのもので、好適には、上記丸穴h1およびh2に保持される試験容器1が15°〜25°の角度をもって傾斜するように設定されており、図示の実施形態においては15°の傾斜角度に設定されている。
【0019】
投光手段3は、血液が収容された試験容器1に対して光を投射するためのもので、好適には赤外LED(発光ダイオード)アレイ等が用いられる。
【0020】
二次元センサ手段4は、上記投光手段3から上記複数の試験容器1、1、…内の各測定範囲を透過した光を受光して撮像するもので、上記試験容器1、1、…を挟んで上記投光手段3に対向して設けられ、上記試験容器1、1、…の傾斜角度と同一の傾斜角度でもって傾斜状に設置されている。
【0021】
この二次元センサ手段4としては、センサ部としてCCDエリアセンサ等のエリアセンサを備えるエリアセンサカメラが使用され、図示の実施形態においては、センサ部としてCCDエリアセンサを備えるCCDエリアセンサカメラが用いられており、試験容器1内の血漿と血球層との境界等の画像を撮像する。
【0022】
演算手段6は、上記CCDエリアセンサカメラ4から送出される画像データに基づいて、試験容器内の赤沈測定液(たとえば、クエン酸ナトリウム溶液1に対し血液4の混合液)の投影外径寸法と投影液面高さと血液中の血球層の沈降速度を算出するもので、具体的には画像処理部6aと、投影寸法算出手段6bと、記憶手段6cと、比較手段6dと、沈降速度算出手段6eと補正演算手段6fとからなる。
【0023】
画像処理部6aは、CCDエリアセンサカメラ4から送出される画像データから、試験容器1毎に、前記赤沈測定液(液体試料)の投影外径(試験容器1の内径)エッジと投影液面を判定するとともに、前記試験容器1の軸方向と直角方向に配列された複数の画素の各明暗レベルの軸方向への経時的変化を積算し、そのデータから血液の上澄み液である血漿S1と沈殿物である血球層S2との境界位置(以後血沈位置と称する)を判定し、沈降速度算出手段6eに送出する。
【0024】
画像処理の方法を図4を用いてさらに詳細に説明する。図4は、CCDエリアセンサカメラ4で撮像した試験容器1内の赤沈測定液の画像である。このCCDエリアセンサカメラ4で撮像した像は、たとえば480x512の2次元配列の画素に分割され、さらに各画素毎に0〜255の256段階の階調(明暗レベル)に分けられる。
【0025】
本実施形態において、CCDエリアセンサカメラ4の撮像画素の2次元配列のうちの一つの配列方向(図示のものでは矢符Y方向)が、前記試験容器1の軸方向と平行するように構成されるとともに、画像処理部6aにおいて、各試験容器1に対応して測定範囲を規定する複数(本実施形態では5個)の検出ウインドウ(測定範囲規定手段)MaおよびMbが設定されている。
【0026】
検出ウインドウMaは、各試験容器1の軸線に沿って延びるスリット状の細長い矩形状とされている。そして、この検出ウインドウMaの形状寸法は、その縦方向寸法が試験容器1の長さ寸法よりも小さく、かつその横方向寸法が試験容器1の外径寸法よりも小さく設定されて、試験容器1内の血液の血沈挙動が確実に捉えられるように設計されている。
【0027】
検出ウインドウMbは、図示のごとく、試験容器1の下端近傍(血球層圏内)に、水平状に設けられたスリット状の窓で、その横方向寸法が試験容器1の直径寸法よりも大きく設定されて、赤沈測定液の投影外径(試験容器1の内径)エッジを検出できるように設計されている。
【0028】
これにより、上記投光手段3から上記複数の試験容器1、1、…内を透過してCCDエリアセンサカメラ4の撮像画素に到達した光のうち、上記検出ウインドウMa,Ma,…およびMb,Mb,…により規定された測定範囲のみが測定に供されることとなる。
【0029】
検出ウィンドウMaを利用して、投影液面(血漿液面)高さが測定される。すなわち、液面(a)と底面(c)とを検出して、投影寸法算出手段6bに送出する。
【0030】
投影寸法算出手段6bでは、上記画像処理部6aの判定結果に基づいて、投影液面高さを算出する。
【0031】
また、検出ウィンドウMaを利用して、血沈位置が測定される。すなわち、図中(a)は血球がまだ沈降せず、血漿S1と血球層S2との境界が出現していない初期状態を示し、(b)は単位時間経過後の血沈位置を示す。また、各(a),(b)における右側の図は、画像処理にて前記試験容器1の軸方向(図中の矢符Y方向)と直角方向(図中の矢符X方向)に配列された1画素(たとえば試験容器1の軸線上にある画素)の明暗レベルの軸方向への経時的変化を積算した波形図であり、そのデータを所定の閾値(Vth)と比較して、その閾値より高いレベル(血漿部分)と低いレベル(血球層)との境界位置を求めることにより、上記血沈位置と判定し、そのデータを沈降速度算出手段6eに送出する。
【0032】
沈降速度算出手段6eでは、上記画像処理部6aの判定結果に基づいて、試験容器1内の血漿S1の高さ寸法を演算し、これと設定された測定時間(好適には15分〜20分)とから、単位時間あたりの血沈位置の変化量(ΔY)を求めて、赤沈を算出する。
【0033】
また、検出ウィンドウMbを利用して、検出された画像データに基づいて、試験容器1内の赤沈測定液の投影外径を判定する。なお、検出ウインドウMbは、上述したように、試験容器1の下端近傍(血球層圏内)に形成されているから、血球層の最も外側同志のエッジを検出することで、赤沈測定液の投影外径を判定することができ、そのデータを投影寸法算出手段6bに送出する。
【0034】
投影寸法算出手段6bでは、上記画像処理部6aの判定結果に基づいて、投影液面高さを算出する場合と同様に、赤沈測定液の投影外径寸法を算出する。
【0035】
上述のように沈降速度算出手段6eで赤沈を算出する際、記憶手段6cから標準の赤沈測定液の投影外径寸法(試験容器1の内径寸法)D0および標準の投影液面高さL0を読み出し、比較手段6dにより、測定された赤沈測定液の投影外径寸法Dあるいは投影液面高さLと比較する。
【0036】
そして、赤沈測定液の投影外径寸法Dが標準の投影外径寸法D0と同様で、なおかつ投影液面高さLが標準の投影液面高さL0と同様で有る場合には、通常(標準)の演算処理により赤沈を算出する。一方、赤沈測定液の投影外径寸法Dが標準の投影外径寸法D0と異なっている場合とか、赤沈測定液の投影液面高さLが標準の投影液面高さL0と異なっている場合とか、あるいはその双方が標準のものと異なっている場合には、赤沈値が、あたかも投影外径寸法(試験容器1の内径寸法)Dが標準の試験容器を用いた場合(D=D0)と同様の値になるように、あるいは、あたかも標準の投影液面高さで測定した時(L=L0)と同様の値になるように、補正演算手段6fを働かせて補正演算を実施する。
【0037】
なお、以上の説明においては、1本の試験容器1に対する赤沈測定工程を述べたが、他の4本の試験容器1、1、…に対しても時系列的に同様の工程にて赤沈測定が行われる。この場合、試験容器1の特定は、具体的には図示しないが、試験容器1の上部に細帯状のIDラベルが貼付されており、このIDラベルに印刷された被採血者のID情報を、図示しないID読取装置で読み取ることにより行われる。このID読取装置としては、ID情報が文字の場合は文字読取装置が用いられ、ID情報がバーコードの場合はバーコードリーダが用いられる。
【0038】
次に、以上のように構成された沈降速度測定装置を用いて赤沈を測定する方法について、図5および図6に示すフロー図も参照して説明する。
【0039】
1)試験容器1に被採血者から血液を採取するとともに、これに抗凝固剤であるクエン酸ナトリウム溶液を加えてから、この試験容器1を振って、上記血液とクエン酸ナトリウム溶液を混ぜる。この後、試験容器1を、容器保持手段2の上板2bと下板2cに設けられた丸穴h1,h2内に上側から挿入して、傾斜状に静止保持させる。複数人(図示のものにおいては最大5人)の被採血者の血液について赤沈測定を行う場合には、以上の要領で、容器保持手段2に適宜保持させる。なお、試験容器1の内径寸法が標準のものより細い場合には、図示しない適当なホルダを用いて容器保持手段2に保持させる。
【0040】
2)タッチパネル等からなる操作部8のスタートキーを押すことにより、投光手段3により、上記試験容器1、1、…に光を投射して、CCDエリアセンサカメラ4により、各試験容器1を通過した赤外光を受光して撮像し、まず最初に、検出ウインドウMbで検出された画像データに基づいて各試験容器1内の赤沈測定液(液体試料)の投影外径寸法を算出するとともに、検出ウインドウMaで検出された画像データに基づいて各試験容器1内の投影液面高さ寸法を算出する。なお、ID読取装置が有る場合は、上記測定に先立ち、まずこのID読取装置により各試験容器1のIDラベルが読み取られて、試験容器1の特定(採血者の氏名等の読み込み)が行われる。
【0041】
3)次に、検出ウインドウMaで検出された試験容器1,1,…の各画像データを演算手段6の画像処理部6aに送って血沈位置が判定され、沈降速度算出手段6eにて各試験容器1毎に赤沈が算出される。
【0042】
具体的には、前述したように、赤沈測定液を満たした試験容器1を静止保持すると、血液中の血球層の沈降にともなって、試験容器1内に血漿S1と血球層S2との境界が現れ、この境界は経時的に下降していき、一定時間を経過するとこの境界の下降が停止(血球層の沈降が停止)する。
【0043】
投光手段3から投射されて、上記血液中を透過する光の光量は、試験容器1の透明度に従って変化し、特に、血漿S1より上の空間つまり血漿S1の存在しない空間、血漿S1および血球層S2をそれぞれ透過した光の光量は大きく変化して互いに明確に区別でき、この透過した光を検出することにより、血漿S1 の液面とこの血漿S1および血球層S2の境界とを確実に捉えることができる。
【0044】
したがって、上述したように、試験容器1内を透過した光の光量変化を、単一のCCDエリアセンサカメラ4を用いて電気的に検出することにより、これら検出値の経時的変化から、演算手段6により、血漿S1の深さ(高さ)寸法を算出でき、さらに、この算出値と測定時間から血球層S2の沈降速度を算出できる。
【0045】
4)赤沈を算出する際、上述した各試験容器1内の赤沈測定液の投影外径寸法と投影液面高さの算出結果に基づき、各々に対応した演算処理を行って、赤沈が算出される。すなわち、投影外径寸法が標準(D=D0)で、なおかつ投影液面高さが標準(L=L0)の場合には標準演算のルーチンを実行し、投影外径寸法が標準(D=D0)で、なおかつ投影液面高さが低い場合(L<L0)には補正演算ルーチン(1)を実行し、投影外径寸法が標準より細く(D<D0)て、なおかつ投影液面高さが標準(L=L0)の場合には補正演算ルーチン(2)を実行し、投影外径寸法が標準より細く(D<D0)て、なおかつ投影液面高さが標準より低い場合(L<L0)には補正演算ルーチン(3)を実行する(図5参照)。
【0046】
5)さらに、投影外径寸法が標準(D=D0)でなおかつ投影液面高さが低い場合(L<L0)には、その投影液面高さのランクに基づく補正演算が行われる。たとえば図6(a)に示すように、液面高さが、標準高さ位置(L0)から1ランク下がった位置(例えば、標準高さから5mm下がった位置L1)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、1ランク下がった位置から2ランク下がった位置(例えば、標準高さから10mm下がった位置L2)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、2ランク下がった位置から3ランク下がった位置(例えば、標準高さから15mm下がった位置L3)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行される。
【0047】
6)また、投影外径寸法が標準より細く(D<D0)てなおかつ投影液面高さが低い場合(L<L0)には、その液面高さのランクに基づく補正演算が行われる。たとえば図6(b)に示すように、液面高さが、標準高さ位置(L0)から1ランク下がった位置(L1)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、1ランク下がった位置から2ランク下がった位置(L2)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行され、液面高さが、2ランク下がった位置から3ランク下がった位置(L3)までに存在する場合には、それに対応した補正演算が実行される。
【0048】
この赤沈測定結果は、国際標準法に基づく表示方式により、液晶モニタ等からなる表示装置7に電光表示されるとともに、図示しないプリンタ等により印刷表示される。
【0049】
なお上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0050】
例えば、図示の実施形態においては、試験容器1を傾斜状に静置したが、垂直状に静置しても良い。
【0051】
また、上記実施形態においては投影外径寸法(試験容器の内径寸法)が細い場合(D<D0)および投影液面高さが標準より低い場合(L<L0)に補正演算を実行するように設定したが、逆に投影外径寸法(試験容器の内径寸法)が太い場合および投影液面高さが標準より高い場合にも補正演算を実行するように設定しても良い。
【0052】
さらに、本発明は、上述した血液の沈降速度測定つまり赤沈測定に限らず、同様な沈降挙動をする他の液体試料中の沈降物の沈降速度の測定にも適用可能である。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、液体試料中の沈降物の沈降速度を求める際、試験容器内の液体試料の投影外径寸法と投影液面高さとを算出し、前記投影外径寸法または投影液面高さが、あるいは投影外径寸法と投影液面高さの双方が、予め設定された標準の投影外径寸法(試験容器の内径寸法)および標準の投影液面高さと比較して異なる(一定値を越えた)場合には、補正演算機能を働かせて液体試料中の沈降物の沈降速度を算出するようにしたことにより、試験容器や液面を標準に設定しなくても、標準値に準じた値が得られる。
【0054】
たとえば、血液の赤沈測定にあっては、必要な血液量を採取できない病気や怪我で重篤な状態の被験者でも、内径が標準より細い試験容器を使用したり、あるいは液面高さが低い状態で赤沈を測定しても、上述したように補正演算を実行することにより標準に準じた赤沈値が得られ、適切な治療判断が可能となり、緊急の医療措置が必要な場合においても非常に有効となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態である液体試料の沈降速度測定装置の概略を示す構成ブロック図である。
【図2】同沈降速度測定装置における投光手段、容器保持手段、およびCCDエリアセンサカメラの相対位置関係を示す平面図である。
【図3】同沈降速度測定装置におけるCCDエリアセンサカメラにて複数の試験容器を測定する場合の配置例を示す図2のA−A線に沿った正面図である。
【図4】同沈降速度測定装置における画像処理方式の一例を示す説明図である。
【図5】同沈降速度測定装置における沈降速度測定時の動作フロー図である。
【図6】同沈降速度測定時の補正演算動作フロー図で、(a)は試験容器の内径寸法が標準で、液面高さが低い場合、(b)は試験容器の内径寸法が標準より細く、液面高さが低い場合を示している。
【図7】(a)は、同沈降速度測定装置に用いられる標準の試験容器と、内径寸法が標準より細い試験容器を示す説明図、(b)は、この各々の試験容器を用いて、同じ被験者の血液の赤沈を測定した例を示すグラフである。
【図8】(a)は、同沈降速度測定装置に用いられる標準の試験容器で、液面高さが標準の場合と標準より低い場合を示す説明図、(b)は、この状態で同じ被験者の血液の赤沈を測定した例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 試験容器
2 容器保持手段
3 投光手段
4 CCDエリアセンサカメラ(二次元センサ手段)
6 演算手段
6a 画像処理部
6b 投影寸法算出手段
6c 記憶手段
6d 比較手段
6d 補正演算手段
6e 沈降速度算出手段
7 表示部
8 操作部
S1 血漿(上澄み液)
S2 血球層(沈降物)
(a),(b) 血漿と血球層との境界
Claims (6)
- 試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する沈降速度測定方法であって、
液体試料が収容された複数の試験容器に光を投射して、このときこれら複数の試験容器内を透過した光を単一の二次元センサ手段で受光し、この二次元センサ手段から送出される画像データに基づいて、前記液体試料中の沈降物の沈降速度を求める際、
前記試験容器内の液体試料の投影寸法を算出し、前記液体試料の投影寸法が、標準の試験容器を用いた場合に得られる標準の液体試料の投影寸法と比較して異なる場合には、補正演算機能を働かせて液体試料中の沈降物の沈降速度を算出するようにした
ことを特徴とする液体試料の沈降速度測定方法。 - 前記液体試料の投影寸法として、投影外径寸法または投影液面高さ、あるいは投影外径寸法と投影液面高さの双方を用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の液体試料の沈降速度測定方法。 - 沈降物を含む液体試料が収容された前記複数の試験容器を傾斜状に配置して、自然対流により前記沈降物の沈降を促進させるようにした
ことを特徴とする請求項1および2に記載の液体試料の沈降速度測定方法。 - 試験管等の透明な試験容器内に収容された液体試料中の沈降物の沈降速度を光学的に測定する沈降速度測定装置であって、
液体試料が収容された複数の試験容器を所定の間隔をもって保持する容器保持手段と、
前記複数の試験容器に光を投射する投光手段と、
前記複数の試験容器を挟んで前記投光手段に対向して設けられ、前記投光手段から前記複数の試験容器内を透過した光を受光する単一の二次元センサ手段と、
前記二次元センサ手段から送出される画像データに基づいて、液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する演算手段とを備えてなり、
前記演算手段は、前期試験容器毎に、前記試験容器内の液体試料の投影外形を判定するとともに、前記試験容器の軸方向と直角方向に配列された複数の画素の各明暗レベルの軸方向への経時的変化を積算することにより、液体試料中の上澄み液と沈降物との境界位置を判定する画像処理部と、
この画像処理部の判定結果に基づいて、前記試験容器内の液体試料の投影寸法を算出する投影寸法算出手段と、
前記試験容器内の上澄み液の高さ寸法を算出し、これと設定された測定時間とから、前記境界位置の単位時間あたりの変化量を求めて、液体試料中の沈降物の沈降速度を算出する沈降速度算出手段と、
標準の試験容器を用いた場合に得られる標準の液体試料の投影寸法を記憶しておく記憶手段と、
前記液体試料の投影寸法と標準の液体試料の投影寸法とを比較する比較手段と、
前記液体試料の投影寸法が、前記標準の液体試料の投影寸法と比較して異なる場合に、前記沈降速度を補正する補正演算手段とを備えてなる
ことを特徴とする液体試料の沈降速度測定装置。 - 前記液体試料の投影寸法として、投影外径寸法または投影液面高さ、あるいは投影外径寸法と投影液面高さの双方を用いる
ことを特徴とする請求項4に記載の液体試料の沈降速度測定装置。 - 前記容器保持手段は、前期試験容器を所定の傾斜角度をもって傾斜状にそれぞれ保持する構造を備え、これにより、前期試験容器内の液体試料に自然対流が生じて、前記沈降物の沈降が促進されるように構成されている
ことを特徴とする請求項4および5に記載の液体試料の沈降速度測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002281866A JP2004117219A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 液体試料の沈降速度測定方法およびその装置 |
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JP (1) | JP2004117219A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010038657A (ja) * | 2008-08-01 | 2010-02-18 | Sysmex Corp | 血液試料凝固判定システム、血液試料凝固判定方法、及びコンピュータプログラム |
KR101731938B1 (ko) | 2015-12-02 | 2017-05-02 | 전윤석 | 수직방향으로 이동하는 이온의 이동속도 측정방법 |
CN109163698A (zh) * | 2018-08-06 | 2019-01-08 | 百度在线网络技术(北京)有限公司 | 建筑物沉降测量方法、装置及存储介质 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281866A patent/JP2004117219A/ja active Pending
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