JP2004117174A - 損傷防止システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】監視現場(監視現場A,監視現場B)において、複数の振動センサ1を配置し、各監視現場付近に計測装置2を配置して、各振動センサ1からの振動情報をそれぞれ計測装置2に送信させる。ネットワーク3に接続された監視装置4と計測装置2とを通信回線5を介して接続し、監視装置4にはネットワーク3を介して管理用情報処理端末6,6,6Aを接続する。振動センサ1から計測装置2を介して監視装置4に送られた時系列波形情報によって、振動源位置の推定及び異常判定を行い、推定結果及び異常判定結果を管理用情報端末6に送信する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、監視対象物が他工事機械等で損傷を受けることを未然に防止するための損傷防止システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地下パイプライン等は、掘削工事等の他工事によって損傷を受ける可能性に常時曝されており、これに対処するために、従来より各種の損傷防止システムが提案されている。この損傷防止システムにおいては、損傷を未然に防止することが要求され、保安性の高い高圧ガス導管等を監視対象とする場合には、特にこの点が重要になる。
【0003】
このような損傷防止システムの従来例としては、例えば、以下に示す特許文献1又は特許文献2に記載されるものを挙げることができる。これらの従来例は、監視対象となる埋設管の近傍にその周りを囲うように監視用部材を配設し、この監視用部材に埋設管の長手方向に沿って複数の信号線を配備し、監視用部材の損傷に起因する信号線の断線を監視することで、監視対象となる埋設管自体の損傷を未然に防止しようとするものである。また、この従来例には、各信号線の端に接続された複数の断線検知手段から発信される検知信号を、電線を介して所定位置に設置した監視装置で受信し、複数の断線検知手段からの検知信号を一箇所の監視装置で統合して処理することが開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−264758号公報
【特許文献2】
特開平7−294233号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術によると、監視対象の近くに設置された監視部材が損傷を受けてはじめて損傷防止の検知信号が発信されることになるので、検知信号を受信してから損傷に至るまでの時間が短く、監視対象の損傷を未然に防ぐための対処が間に合わないことがある。したがって、この従来技術では、通信手段を介して監視装置を遠隔配置することは可能であるとしても、対処のための時間的な余裕が確保できないので、実質的には遠隔的な監視を行うことができないという問題がある。
【0006】
また、損傷の可能性を察知するには、監視対象の周囲に設置した監視部材が損傷を受けることが前提となっているので、一旦監視部材が損傷を受けると再利用が不可能であり、再装備のために多大なコストと時間を要するという問題もある。
【0007】
更には、このような損傷防止システムでは、監視部材が損傷した位置を正確に検知することができないので、広い領域に亘って監視をする場合に、損傷の可能性を察知したとしても現場への到達に手間取ることになり、損傷防止に対して円滑な対処を行うことができないという問題がある。したがって、特に監視の重要性が高い高圧ガス導管等に対しては、広域に亘って多数の人員を配備して、日夜、パトロール車による監視を行っているのが現状であり、これにより多大な労力と人件費を要することが問題になっている。
【0008】
本発明は、このような事情に対処するために提案されたものであって、監視対象の損傷を未然に防止するための損傷防止システムであって、特に広域に亘ったモニタリングを遠隔的に行うことが可能であると共に、監視対象に対する異常の接近状態をいち早く察知することができ、また、異常が接近する位置を正確に同定することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明の各請求項に係る発明は以下の特徴を具備するものである。
【0010】
請求項1に係る発明の損傷防止システムは、監視対象に沿って設定間隔で所定区域に配置された複数の振動センサと、該振動センサからの振動情報を受信する計測装置と、ネットワークに接続され、前記計測装置からの情報を受信して情報処理を行う監視装置と、前記ネットワークを介して前記監視装置に接続可能な管理用情報処理端末とを備え、前記監視装置は、受信した時系列波形情報から振動源の位置を推定する位置推定処理手段と、前記時系列波形情報によって異常判断を行う異常判断処理手段と、該異常判断処理手段が異常を判断した際に、警報情報を送信する警報送信手段とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明の損傷防止システムは、監視対象に沿って設定間隔で所定区域に配置された複数の振動センサと、該振動センサからの振動情報を受信する計測装置と、ネットワークに接続され、前記計測装置からの情報を受信して情報処理を行う監視装置と、前記ネットワークを介して前記監視装置に接続可能な管理用情報処理端末とを備え、前記計測装置は、前記振動情報を所定時間間隔毎に統計処理して統計量を出力する常時計測手段と、特定の前記振動センサから受信した振動情報に基づく前記統計量が設定レベルを超えた場合に、当該振動センサとその周囲の振動センサからの振動情報から設定された長さの時系列波形情報を逐次出力する異常時計測手段とを有し、前記監視装置は、前記時系列波形情報を受信して、該情報から振動源の位置を推定する位置推定処理手段と、前記時系列波形情報によって異常判断を行う異常判断処理手段と、該異常判断処理手段が異常を判断した際に、警報情報を送信する警報送信手段とを有し、前記管理用情報処理端末は、少なくとも前記位置推定処理手段の推定結果情報と前記警報情報とを受信可能な情報取得手段を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2の損傷防止システムを前提として、前記異常判断処理手段は、前記時系列波形情報から低周波数成分をカットした情報を周波数解析して周波数特性を求める周波数解析処理手段と、該周波数特性を設定されたトリガレベルと比較して異常判断を行う異常判断手段とからなることを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3の損傷防止システムを前提として、前記監視装置は、前記ネットワークに接続されたWebサーバからなり、少なくとも前記位置推定処理手段からの出力をデータベース化する手段を備え、前記管理用情報処理端末における情報取得手段は、前記監視装置に構築されたデータベースを閲覧するWebブラウザ手段を少なくとも備えることを特徴とする。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1〜4の損傷防止システムを前提として、前記ネットワークに接続可能な携帯情報端末を含むことを特徴とする。
【0015】
このような各請求項に係る発明によると以下の作用を奏することができる。
【0016】
第1の特徴としては、監視対象に沿って設定間隔で所定区域に配置された複数の振動センサからの振動情報が計測装置を介して監視装置に送信され、監視装置では、この振動情報から時系列波形情報を受信して、位置推定処理手段によって振動源の位置推定がなされ、また、異常判断処理手段によって振動源接近を察知した異常判断が行われる。そして、異常判断処理手段が異常を判定した場合には、警報送信手段によって、警報情報の送信がなされる。
【0017】
これによると、監視対象への振動源の接近状態と接近位置を、位置推定処理手段の推定結果によって正確に把握することが可能になるので、現場での対応を円滑に行うことが可能になる。また、異常判断処理手段の判定に時間的な余裕を持たせることによって、異常の接近状態を確認しながら時間的な余裕を持って損傷防止の対処を行うことが可能になる。そして、これらの特徴により、監視対象に対する異常の接近状態をいち早く察知でき且つ円滑な対処が可能になるので、監視装置或いは管理用情報処理端末をネットワークを介した遠隔地に配置し、広域に亘ったモニタリングを遠隔的に行うことが可能になる。
【0018】
第2の特徴によると、前記損傷防止システムにおける計測装置は、正常時には、常時計測手段によって振動センサから受信された振動情報を所定時間間隔毎に統計処理してその統計量を出力し、この統計量が設定レベルを超えて異常が検出された異常時には、異常時計測手段によって、特定の振動センサとその周辺の振動センサのみに限定して時系列波形情報を出力するようにしている。
【0019】
したがって、広域のモニタリングを行うに当たっても、計測装置から監視装置に送られる情報量及び監視装置で処理する情報量を少なくすることができ、情報の伝送或いは情報処理に必要となるシステム規模を比較的小さく抑えることが可能になる。
【0020】
第3の特徴としては、前記の損傷防止システムにおける異常判断処理手段では、時系列波形情報から高周波成分を抽出して求めた周波数特性によって異常判定がなされるので、低周波成分として検出される交通振動等の外部雑音を除去して、周波数特性による精度の高い異常判定を行うことが可能になる。また、異常判断手段におけるトリガレベルを適宜設定することにより、現場での振動環境或いは損傷の可能性がある他工事の種類等に対応した異常判断を行うことが可能になる。
【0021】
第4の特徴によると、前記損傷防止システムにおける監視装置をネットワークに接続したWebサーバによって構成し、計測装置から送られてくる時系列波形情報及び監視装置の位置推定処理手段において処理された出力をWebサーバ内でデータベース化しており、この監視装置にネットワークを介して接続可能な管理用情報処理端末は、情報取得手段としてWebサーバ内のデータベースを閲覧できるWebブラウザ手段を備えている。
【0022】
これによると、インターネット等の既存のインフラを利用したシステム構成が可能になり、システム構築のコストを大幅に低減することが可能になる。また、特に、監視装置及び管理用情報処理端末はネットワークに接続可能であれば何処にでも設置できるので、設置に際しての制限を受けることがない。また、Webサーバ内のデータベースを常時管理用情報処理端末から閲覧することができるので、監視対象に対して終日に亘って損傷防止の監視を行うことが可能になる。
【0023】
第5の特徴としては、管理用情報処理端末をネットワークに接続可能な携帯情報端末にすることで、現場近くで待機した監視対象物の管理者に対して直接情報伝達を行うことができ、異常判断に際して現場での円滑な対応が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る損傷防止システムのシステム構成を示す全体図である。このシステムでは、広域に亘って付設された埋設管等を監視対象としており、単一又は複数の監視現場(監視現場A,監視現場B)において、監視区域を設けて、その区域内で監視対象に沿って複数の振動センサ1を配置する。そして、各監視現場付近に計測装置2を配置して、各振動センサ1からの振動情報がそれぞれ計測装置2に送信されるように構成している。
【0025】
更には、ネットワーク3に接続された監視装置4が備えられ、この監視装置4と計測装置2とは、ネットワーク3を介するか或いは専用の通信回線5を介して情報伝達可能な構成になっており、監視装置4にはネットワーク3を介して管理用情報処理端末6,6,6Aが接続可能な構成になっている。ここで、監視装置4は中継点となる基地局内に設置することができ、管理用情報処理端末6は監視現場から離れた遠隔地における管理者センタ内に設置することができる。また、携帯情報端末による管理用情報処理端末6Aを用いて現場近くで管理する管理者に携帯させることもできる。
【0026】
この損傷防止システムを既存インフラを用いて構成する場合には、ネットワーク3としてインターネットを用いることができる。この場合には、監視装置4はインターネットに接続されたWebサーバにより構成することができ、管理用情報処理端末6は、Webブラウザ機能を備えたインターネットに接続可能なコンピュータ端末により構成することができる。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る損傷防止システムの機能を説明する説明図である。同図に従って、各構成要素の機能を説明する。
【0028】
<計測装置>
計測装置2は、振動センサ1(図1参照)からの振動情報を受信して、所定の加工を施した後、これを監視装置4に送信する機能を有する。具体的には、常時計測モード手段20、異常検知手段21、異常時計測モード手段22とを備えている。
【0029】
常時計測モード手段20は、受信した各振動センサ1からの振動情報を所定時間各毎に統計処理して統計量を出力する機能を有する。ここで、統計量としては、振動レベルの最大値、平均値、平均自乗根(RMS)等が求められる。異常検知手段21は、求めた統計量を設定レベルと比較して設定レベルを超えた場合に異常検知を出力する機能を有する。異常時計測モード手段22は、異常検知手段21の異常検知出力によって、常時計測モード手段20で求めた統計量が設定レベルを超えた振動センサ1を特定して、その振動センサ1及びそれ周辺の振動センサ1から、設定された長さの時系列波形情報を逐次出力する機能を有する。
【0030】
図3は、このような計測装置2における機能の具体例を示す説明図である。一つの振動センサ1(図1参照)からの振動情報は、(a)に示される時系列的な波形情報として計測装置2(図1又は図2参照)に入力される。この波形情報は時間間隔t(数秒)毎に計測装置2内のメモリに記録されることになる(記録1,記録2,記録3,…)。
【0031】
そして、常時計測モード(b)では、一単位の記録情報(例えば、記録1)が次の時間間隔tで統計処理され(例えば、処理1)、求められた統計量が設定レベルを超えるか否かの検知がなされる(異常検知)。これを繰り返して、時間間隔T1(数分)のバッチ毎に、各バッチ毎(例えば、処理1〜処理4)の統計量が計測装置2内の記憶手段に保存され(統計量保存)、直ちに監視装置4(図2参照)に転送される(転送1)。したがって、常時計測モード(b)では、時間間隔T毎に統計量が計測装置2から出力され、監視装置4に送信されることになる。また、この常時計測モード(b)では、所定の定時刻毎に一定時間間隔の波形情報記録(記録S)がなされ(定時波形記録)、この情報が保存されて(保存2)、監視装置4に転送される(転送2)。
【0032】
一方、異常時計測モード(c)では、ある単位の統計処理(例えば、処理3)で求められた統計量が設定レベルを超えた場合に、その振動センサからの波形情報とその周辺にある振動センサからの波形情報を設定された長さ(時間間隔T2)毎に記録収録し(波形記録収録c1〜c4)、保存して(保存3)、監視装置4に転送する(転送3)。
【0033】
<監視装置>
図2に戻って、監視装置4の機能を説明する。監視装置4は、常時振動情報データベース手段40、異常時振動情報データベース手段41、異常時振動情報処理手段42、異常判断手段43、警報送信モード手段44を各機能として有する。
【0034】
常時振動情報データベース手段40は、計測装置2の常時計測モード手段20から送られてくる情報をデータベース化するものであり、統計量データベース40Aと定時波形データベース40Bが構築されることになる。異常振動情報データベース手段41は、計測装置2の異常時計測モード手段22から送られてくる情報をデータベース化した時系列波形データベース41A、異常時振動情報処理手段42からの処理結果をデータベース化した周波数解析データベース41B及び振動源位置推定データベース41Cがそれぞれ構築されるものである。
【0035】
異常時振動情報処理手段42は、周波数解析処理手段と振動源位置推定処理手段とからなり、損傷防止システムにおける主要な処理を行う機能を有する。
【0036】
周波数解析処理手段は、計測装置2で異常検知がなされて監視装置4に送られてきた時系列波形情報に対して、周波数解析処理を施し、異常判定を行うためのパラメータとなる周波数特性を導き出す機能を有する。ここでは、時系列波形情報から高周波成分を抽出して周波数特性(例えば、パワースペクトル(PSD))を求める。これによって低周波成分として検出される交通振動等の外部雑音を除去した周波数特性を求めることができる。受信された設定長さ毎の時系列波形情報から求められた周波数特性は、周波数解析データベース41Bにてデータベース化される。
【0037】
また、振動源位置推定処理手段は、異常時測定モード手段22から受信した複数の振動センサにおける時系列波形情報から、振動源の位置を推定する機能を有する。これによると、ある時点で計測装置2から送られてきた複数振動センサ位置での時系列波形情報から振動源の推定位置を求め、この位置の時間的な変化をデータベース化して、振動源位置推定データベース41Cを構築する。
【0038】
図4によって、振動源位置推定方法の具体例を説明する。振動源の位置推定には、仮想振動源位置PO(XO,YO)に対して振動の距離減衰特性に基づいて設定した評価関数の値を複数の振動センサからの振動情報を用いて計算し、この値が最小となる位置を振動源位置とすることができる。すなわち、まず、振動センサ位置PA(XA,YA),PB(XB,YB)を含む平面上に仮想振動位置PO(XO,YO)を定める。次に、振動センサ位置PA,PBにおいて測定された振動情報から式(1)で定義した振動レベルLA,LBを求める。POとPA,PB間の距離をそれぞれrA,rBとすると、先に求めたLA,LBは振動源からの距離に反比例する関係があるため、式(2)が成立する。ここで誤差を示す評価関数Eを式(3)て定義して、この評価関数Eの最小値を与えるPOが推定振動源位置となる。更に推定の安定性を向上させるためには、複数の振動センサ位置の全ての組み合わせに対して、前述のPA,PBを選定して評価関数Eを求め、その総和の最小値を与える点を推定振動源位置とする。
【0039】
【数1】
【0040】
【数2】
【0041】
【数3】
【0042】
図2に戻って、異常判断手段43は、前述した周波数解析処理手段で求めた周波数特性を設定されたトリガレベルと比較して、このトリガレベルを超えた場合に異常判断を下す機能を有する。警報送信モード手段44は、異常判断手段43によって異常判断がなされた場合に、警報E−mail等の警報情報を管理用情報処理端末6に送信する機能を有する。
【0043】
<管理用情報処理端末>
次に、図2を参照しながら、管理用情報処理端末6の機能について説明する。この管理用情報端末6は、情報取得手段60と異常判断レベル調整手段61とからなる。情報取得手段60は監視装置4内に構築された各データベースから情報を取得する手段であり、一例としてWebブラウザ手段或いは電子メール受信手段等からなる。異常判断レベル調整手段61は、前述の異常判断手段で比較対象となるトリガレベルを状況に応じて適宜変更するための機能を有する。
【0044】
このような機能を備えた損傷防止システムのシステムフローを図5及び図6に基づいて説明する。図5は計測装置のシステムフロー、図6は監視装置のシステムフローを示している。
【0045】
計測装置2(図2参照)では、異常検知(S2)がなされるまでは、監視対象区域内の状態監視計測(S1)が行われる。この状態監視計測(S1)では、前述の常時計測モード手段20(図2参照)によって、各振動センサ1(図1参照)で測定された振動情報が統計処理されると共に定時波形記録がなされて、統計量及び定時波形情報が逐次監視装置4(図2参照)に送られることになる(▲1▼)。
【0046】
そして、統計処理によって求められた統計量(例えば、RMS)が設定されたレベルを超えた場合に異常検知(S2)が出力され、設定レベルを超えた振動センサを特定して、その振動センサ及びその周辺の振動センサから、設定された長さの時系列波形情報を逐次記録し(S3:時系列波形記録)、その情報を逐次監視装置4に転送する(S4:時系列波形情報転送)。
【0047】
一方、監視装置4では、図6に示されるように、計測装置2で状態監視計測(S1)が行われている間は(▲1▼)、統計量の受信と定時波形情報の受信がなされ(S5)、これらの情報がデータベースに登録されることになる(S6)。
【0048】
また、計測装置2で異常検知(S2)がなされると(▲2▼)、時系列波形情報を受信して(S7)、この情報を記録時間毎にデータベース登録する(S8)。更には、データベース登録された時系列波形情報から振動源位置推定処理(S9)及び周波数解析処理(S11)がなされて、それらの処理結果がデータベース登録されることになる(S10,S12)。そして、周波数解析処理(S11)によって得られた周波数特性(例えば、パワースペクトル)を設定されたトリガレベルと比較して異常判断処理がなされ(S13)、異常判断がなされると管理用情報処理端末6(図2参照)に警報情報が送信されることになる。
【0049】
これに対して、管理用情報処理端末6では、情報取得手段60(図2参照)によって、状態監視計測(S1)中には、統計量データベース40A,定時波形データベース40B(図2参照)から情報をダウンロードして、監視画面として加工された画面を表示させており、異常検知(S2)時には、時系列波形データベース41A,周波数解析データベース41B,振動源位置推定データベース41C(図2参照)のそれぞれから情報をダウンロードして、加工された監視画面を表示させている。更には、異常判断(S13)時には、監視装置4から送られてくる警報情報を受信して画面に表示させることができる。
【0050】
図7に、管理用情報処理端末6における画面表示例を示す。同図(a)は、統計量データベース41Bからダウンロードした情報を加工して表示させた例で、RMSレベルをセンサ毎に示したものである。同図(b)は、振動源位置推定データベース41Cからダウンロードした情報を加工して表示させた例で、特定されたセンサ位置(a1,a2,a3)に対して振動源推定位置bを二次元座標上に示したものである。このような表示画面を所定時間間隔毎に切り換えて表示させることで、振動源の接近状態を視覚的に確認することができる。
【0051】
このような損傷防止システムによると、監視対象区域において、監視対象を損傷させる可能性のある異常な振動源の接近状況を、ネットワークを介して遠隔地に設置した管理用情報処理端末又は管理者本人が携帯する携帯情報端末によって把握することができる。そして、振動源の位置が振動源位置推定処理手段によって正確に同定されるので、遠隔地に管理センタを設けた場合にも、時間的な余裕を持って損傷の防止に対処することができる。また、低周波の雑音成分をカットした時系列波形情報から周波数特性を求めて異常判断を行うので、正確な判断が可能であり、この判断を受けて円滑な損傷防止の対処が可能になる。また、監視装置では、常時振動情報をデータベースに蓄積しているので、その蓄積情報を測定装置における異常検知の設定レベルや監視装置における異常判断レベルのトリガレベルにフィードバックさせることができ、これによってシステム全体の信頼性を更に向上させることが可能になる。
【0052】
【発明の効果】
本発明はこのように構成されるので、監視対象の損傷を未然に防止するための損傷防止システムであって、特に広域に亘ったモニタリングを遠隔的に行うことが可能であると共に、監視対象に対する異常の接近状態をいち早く察知することができ、また、異常が接近する位置を正確に同定することができる。そして、この損傷防止システムによると、再装備の必要が無く、また、広域に亘る遠隔的自動モニタリングを可能にするものであるから、人手による監視を不要にして、労力及び人件費の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る損傷防止システムのシステム構成を示す全体図である。
【図2】本発明の実施形態に係る損傷防止システムの機能を説明する説明図である。
【図3】実施形態の計測装置における機能の具体例を示す説明図である。
【図4】振動源位置推定方法の具体例を説明する説明図である。
【図5】実施形態の損傷防止システム(計測装置)のシステムフローを示す説明図である。
【図6】実施形態の損傷防止システム(監視装置)のシステムフローを示す説明図である。
【図7】実施形態の管理用情報処理端末における画面表示例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 振動センサ
2 計測装置
20 常時計測モード手段
21 異常検知手段
22 異常時計測モード手段
3 ネットワーク
4 監視装置
40 常時振動情報データベース
40A 統計量データベース
40B 定時波形データベース
41 異常時振動情報データベース
41A 時系列波形データベース
41B 周波数解析データベース
41C 振動源位置推定データベース
42 異常振動情報処理手段
43 異動判断手段
44 警報送信モード手段
5 通信回線
6,6A 管理用情報処理端末
60 情報取得手段
61 異常判断レベル調整手段
Claims (5)
- 監視対象に沿って設定間隔で所定区域に配置された複数の振動センサと、該振動センサからの振動情報を受信する計測装置と、ネットワークに接続され、前記計測装置からの情報を受信して情報処理を行う監視装置と、前記ネットワークを介して前記監視装置に接続可能な管理用情報処理端末とを備え、
前記監視装置は、受信した時系列波形情報から振動源の位置を推定する位置推定処理手段と、前記時系列波形情報によって異常判断を行う異常判断処理手段と、該異常判断処理手段が異常を判断した際に、警報情報を送信する警報送信手段とを有することを特徴とする損傷防止システム。 - 監視対象に沿って設定間隔で所定区域に配置された複数の振動センサと、該振動センサからの振動情報を受信する計測装置と、ネットワークに接続され、前記計測装置からの情報を受信して情報処理を行う監視装置と、前記ネットワークを介して前記監視装置に接続可能な管理用情報処理端末とを備え、
前記計測装置は、前記振動情報を所定時間間隔毎に統計処理して統計量を出力する常時計測手段と、特定の前記振動センサから受信した振動情報に基づく前記統計量が設定レベルを超えた場合に、当該振動センサとその周囲の振動センサからの振動情報から設定された長さの時系列波形情報を逐次出力する異常時計測手段とを有し、
前記監視装置は、前記時系列波形情報を受信して、該情報から振動源の位置を推定する位置推定処理手段と、前記時系列波形情報によって異常判断を行う異常判断処理手段と、該異常判断処理手段が異常を判断した際に、警報情報を送信する警報送信手段とを有し、
前記管理用情報処理端末は、少なくとも前記位置推定処理手段の推定結果情報と前記警報情報とを受信可能な情報取得手段を有することを特徴とする損傷防止システム。 - 前記異常判断処理手段は、前記時系列波形情報から低周波数成分をカットした情報を周波数解析して周波数特性を求める周波数解析処理手段と、該周波数特性を設定されたトリガレベルと比較して異常判断を行う異常判断手段とからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の損傷防止システム。
- 前記監視装置は、前記ネットワークに接続されたWebサーバからなり、少なくとも前記位置推定処理手段からの出力をデータベース化する手段を備え、前記管理用情報処理端末における情報取得手段は、前記監視装置に構築されたデータベースを閲覧するWebブラウザ手段を少なくとも備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の損傷防止システム。
- 前記管理用情報処理端末は、前記ネットワークに接続可能な携帯情報端末を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の損傷防止システム。
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