JP2004117076A - 耐光性試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光源の交換及び調光が容易で、高温及び低温の条件下での試験を効率的に実施することが可能な耐光性試験装置を提供する。
【解決手段】試料に光を照射するキセノンランプや高圧水銀ランプ等の光源1と、試料6に照射される波長スペクトルを調整する光学フィルタ5と、周囲を金属製の隔壁3で囲われて試料に照射される光を通過する窓4が設けられて、封止材や基板材を所定の形状に切り出した試料6を格納する試料設置室2とを有し、前記光源1が試料設置室2の外部に配置されている。さらに、試料6の近傍に設けられた光センサ13の検知照度に応じて光源1の出力を調光装置14により制御することで、試料6の照度を一定に保持する。
【選択図】 図1
【解決手段】試料に光を照射するキセノンランプや高圧水銀ランプ等の光源1と、試料6に照射される波長スペクトルを調整する光学フィルタ5と、周囲を金属製の隔壁3で囲われて試料に照射される光を通過する窓4が設けられて、封止材や基板材を所定の形状に切り出した試料6を格納する試料設置室2とを有し、前記光源1が試料設置室2の外部に配置されている。さらに、試料6の近傍に設けられた光センサ13の検知照度に応じて光源1の出力を調光装置14により制御することで、試料6の照度を一定に保持する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を照射して試料の光等による特性劣化の状態を評価する耐光性試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、照明装置用の光源として長寿命のLEDが実用化されている。この照明装置には、LEDを封止する封止材や回路基板を構成する基板材が組み込まれている。しかし、封止材や基板材等の材料は、照射される光、温度、又は真空若しくは活性気体中といった雰囲気等の条件下に長時間曝されると変色やひび割れ等の特性劣化を生じることがあった。これらの材料は、条件によっては、その特性劣化までの時間がLEDの輝度が所定値に劣化するまでの時間より短いものもあるために、さらなる特性改善が求められている。このような材料の特性改善あるいは材料の評価を行うために、前述の条件を考慮した耐光性試験装置が要望されている。また、LEDは、その輝度が年々向上しており、将来的には現状品よりも高輝度のLEDが開発される可能性が高い。このような高輝度のLEDに対応させる材料の特性劣化の状態を評価しようとすると、現状のLEDでは輝度が十分ではない場合がある。このような場合、高輝度で高出力の高圧水銀灯やキセノンランプを耐光性試験装置の光源として使用し、照射光の波長スペクトルをLEDと略同一とするべく、光学フィルタを用いている。
【0003】
このような耐光性試験装置として、特開平4−340441、特開平9−152398に開示される構成のものがある。これらに開示される耐光性試験装置は、その構造原理を模式的に示すと、図3の如きものである。すなわち、試料設置室2の内部に、高圧水銀灯やキセノンランプよりなる光源1と、光源1の光の波長スペクトルを調整する光学フィルタ2を配設し、波長スペクトルが調整された光が照射される位置に試料6が配置される。また、試料設置室2は、必要に応じて、ヒーター7によって加熱されたり、真空ポンプ11によって真空雰囲気とされる。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−340441号公報(第1−3頁、図1)
【0005】
【特許文献2】
特開平9−152398号公報(第1−3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高圧水銀灯やキセノンランプのような光源は、その寿命がLEDよりも約1桁短い。このため、これらの光源は、LEDの寿命時間にわたって封止材や基板材の耐光性試験を実施する場合には、例えば、5〜10回程度交換する必要がある。また、試料設置室内を真空状態にして試験をするときには、光源の交換のたびに大気圧にもどし、光源を交換した後、再度、真空状態にすることが必要となる。さらに、光源が高出力であるために、低温で耐光性試験を実施する場合には、高出力の冷却装置が必要となる。
【0007】
また、これらの光源は、出力の温度依存性が大きいので、試料設置室の温度をヒーターで上昇させた場合には、前記材料への光の照射量が大きく変化することがある。
【0008】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、光源の交換や調光が容易で、高低温の条件下での試験を効率的に実施することが可能な耐光性試験装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、光源と、光源の光の波長スペクトルを調整する光学フィルタと、を有し、調整した波長スペクトルの光を照射して試料の特性劣化の状態を評価する耐光性試験装置において、周囲を隔壁で囲み照射する光を通過する窓を設けて試料を設置する試料設置室を設け、少なくとも前記光源を試料設置室の外部に配置してなる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の耐光性試験装置において、前記光学フィルタを、前記試料設置室の外部に配置してなる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1の耐光性試験装置において、前記試料設置室の窓は、光の波長スペクトルを調整する機能を有してなる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの耐光性試験装置において、前記試料設置室に、試料の照度を検知する光センサを設けるとともに、この光センサの検知出力に応じて前記光源の出力を制御する調光装置を設けてなる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの耐光性試験装置において、前記試料設置室に、室内の温度を制御する温度制御装置又は室内の雰囲気を制御する雰囲気制御装置のうち少なくとも一方が設けられてなる。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかの耐光性試験装置において、前記光学フィルタは、前記光源の光の波長スペクトルをLEDの発する光の波長スペクトルに近似させてなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
実施形態1を図1に基づいて説明する。1は光源であり、通常はキセノンランプや高圧水銀ランプを用いる。この光源1は、電源15に接続されるとともに、後述する試料に照射する光束を大きくするために、光源の出力が100〜200Wの高ワットのものを使用する。また、本図では省略しているが、試料と反対側に反射板を取り付けて、試料への光の照射量を増加させている。この光源1は、経時変化により輝度が低下したときに交換するものであり、その配置構造等は後述する。
【0016】
2は試料設置室であり、周囲を金属製の隔壁3で囲み、その寸法を、例えば、幅約500mm、奥行約400mm、高さ約600mmとしている。4は窓であり、ガラス製であって隔壁3の前面側、すなわち、光源1に面する側に取付けられる。この窓4は、後述する光学フィルタにより調整された波長スペクトルの光を通過させる。この窓4は、その寸法を、例えば、幅約150mm、高さ約200mmとしている。
【0017】
5は光学フィルタであり、試料設置室2内部で、窓4と後述する試料の間に配置されており、直径25mm程度の円板状である。光学フィルタ5は、光源の光の波長スペクトルを所望のものに調整するものであり、本実施形態では、照射光を青色LED(中心波長470nm、半値幅30nm)とほぼ同一の(近似させた)波長スペクトルにするべく、透過特性が中心波長470nm、半値幅10nmのMCフィルタ(朝日分光株式会社製)を用いている。
【0018】
6は試料(試料片)であり、試験対象となる封止材や基板材を所定の形状に切り出したものである。試料6は、試料設置室2の内部であって、光学フィルタ5の後方に設置される。本実施形態では、試料6はエポキシ系封止樹脂材を縦横がともに20mmの板状に切り出したものを用いた。試料6は、具体的には、スタンド等により試料設置室2の略中央部であって窓4の高さの位置に固定される。前述した光学フィルタ5は、光源1と試料6のそれぞれの中心を結ぶ直線上に位置し、窓4の後方に設置される。
【0019】
7は温度制御装置であり、試料設置室2の内部の温度を制御するものである。11は真空ポンプであり、試料設置室2の内部を真空状態にするものである。13は光センサであり、試料6の照度を検知するべく試料6の近傍に設けている。14は調光装置であり、光センサ13の検知照度に応じて光源1の出力を制御する。すなわち、光源1の輝度が設定値から変化することにより光センサ13の検知照度が変化すると、光源1の輝度を設定値に戻すように、光源1への供給電力を調光装置14により制御する。また、調光装置14には、光源1が照射された時間を記録したり照射を終了させるためのタイマが内蔵されている。
【0020】
ここで、重要なことは、光源1を試料設置室2の外部に配置していることである。具体的には、試料設置室2に対し、試料6と窓4のそれぞれの中心を結ぶ直線上の位置に光源1が配置されるように、ソケット12を有する取付台を設け、光源1はソケット12に取付けられる。
【0021】
次に、本実施形態の耐光性試験装置の動作について説明する。まず、試料6を試料設置室2の略中央に設置する。この状態で必要に応じて、温度調整装置7、真空ポンプ11を用いて、試験設置室2の内部を所定の温度、雰囲気に設定する。ここで、温度調整装置7により、高温又は低温とする場合、試料6の近傍の温度を温度センサ8で検知し、その検知出力を温度制御装置9に入力し、温度調整装置7の出力を制御することで、試験設置室2の内部の温度を一定状態に保持することができる。
【0022】
この状態で、電源15のスイッチをONして、光源1を発光させ、試料6に光を照射する。このとき、タイマは照射時間の記録を開始する。そして、光センサ13で照度を検知し、その検知出力を調光装置14に入力することで、光源1の出力を制御し、試料6の照度を一定状態に保持することができる。
【0023】
上記の状態で、耐光性試験を所定の時間(通常はLEDの寿命程度)継続する。ここで、LEDの光源としての寿命は数万時間であるのに対して、キセノンランプ等の寿命は数千時間である。したがって、試料6の耐光性試験をLEDの寿命時間にわたって実施するためには、途中で光源を交換することが必要となる。前述したように、光源1は、試料6の照度を一定に保持するように調光されているが、寿命末期になると光源1への供給電力が異常に増大する。ここで、供給電力が一定値以上になれば、電源を自動的に切断し、タイマも停止させた後、光源1を交換する。再び、電源15のスイッチをONすると、光源1を発光させ、試料6に光を照射し、タイマは照射時間の記録を開始する。
【0024】
このようにして、所定時間にわたって耐光性試験を実施した後に、試料6を試料設置室2から取り出す。この状態で、試料6の変色やひび割れ等を目視によって観察する。また、必要に応じて、顕微鏡等による細部の観察や強度等の物性値を測定することで、さらに詳細な特性劣化の状態を評価する。また、光照射の通産時間は、調光装置14に内蔵したタイマによって確認することができる。
【0025】
本実施形態では、光源1が試料設置室2の外部にあって、ソケット12等により取付けられているために、光源1の交換を容易に実施できる。特に、試料設置室2を高温・低温や真空といった条件に設定している場合は、この条件を保持したままで、光源1を交換することができる。
【0026】
また、光センサ13の検知照度に応じて調光装置14を制御することにより、試料6の照度が一定に保持されている。このために、光源1の発光特性変化や光源用電圧15の変化の影響を受けることなく、耐光性試験を継続することができる。
【0027】
さらに、低温試験を実施する際には、光源1が試料設置室2の外部にあるので、光源1からの発熱の影響を受けないので、効率的に冷却できる。
【0028】
(実施形態2)
実施形態2を図2に基づいて説明する。実施形態2は実施形態1と略同一の構成となっているが、光学フィルタ5が試料設置室2の外部に設けられている。この光学フィルタ5を固定する方法としては、スタンドを用いることや、窓4の前方に冶具を用いて隔壁に直接取付けることがあげられる。また、光源1の出力や試験設置室2の形状といった他の構成は、実施形態1と同一となっている。
【0029】
本実施形態の構成は、試料設置室2を高温とする耐光性試験を実施したときでも光学フィルタ5は室温状態を保持することができる。このために、高温で光透過特性が変化するような材料からなる光学フィルタを用いる場合でも、温度の影響を受けることなく、耐光性試験を実施できる。また、光学フィルタ5の交換作業も実施形態1と比較すると容易となる。
【0030】
(実施形態3)
実施形態3は実施形態1と略同一の構成であるが、光学フィルタ5が試料設置室2の窓4を兼ねる構成となっている(図は省略)。すなわち、窓4が通常のガラス等ではなく、光学フィルタの材料からなっている。また、光源1の出力や試験設置室2の形状といった他の構成は、実施形態と同一となっている。
【0031】
本実施形態の構成は、部品点数が少なくなっている。また、このような光学フィルタを窓とした試料設置室をユニットとしてあらかじめ製造しておけは、耐光性試験のたびに、試験装置を組み立てる必要がなく便利である。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に係る耐光性試験装置は、試料に光を照射して試料の特性劣化の状態を評価するものであって、試料に光を照射する光源と、光源と試料との間に設けられて試料に照射される光の波長スペクトルを調整する光学フィルタと、周囲を隔壁で囲われて試料に照射される光を通過する窓が設けられて試料を格納する試料設置室とを有し、前記光源が試料設置室の外部に配置されているので、光源の交換が容易になり、長時間の耐光性試験に有効である。
【0033】
請求項2に係る耐光性試験装置は、請求項1記載のものにおいて、光学フィルタが前記試料設置室の外部に配置されているので、光学フィルタの交換が容易になり、光学フィルタが特性劣化しやすい場合には有効である。
【0034】
請求項3に係る耐光性試験装置は、請求項1記載の耐光性試験装置において、試料設置室の窓が前記光学フィルタを兼ねているので、試験に用いる部品点数が低減でき、試料試験室のユニット化が可能となる。
【0035】
請求項4に係る耐光性試験装置は、請求項1乃至請求項3記載のいずれかに耐光性試験装置において、試料に照射される照度を検知する光センサと、前記光源の出力を制御する調光装置を有するので、試料位置での照度を一定の状態に保持することができる。
【0036】
請求項5に係る耐光性試験装置は、請求項1乃至請求項4記載のいずれかに耐光性試験装置において、試料設置室の温度を制御する温度制御装置又は雰囲気を制御する雰囲気制御装置が設けられているので、目的とする温度や雰囲気の条件下で耐光性試験を実施することができる。
【0037】
請求項6に係る耐光性試験装置は、請求項1乃至請求項5記載のいずれかに耐光性試験装置において、光学フィルタがLEDの発する光の波長スペクトルに擬似した波長スペクトルとしているので、LEDを光源とする照明装置に同時に組み込まれる封止材や基板材の耐光性試験を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の耐光性試験装置を示す模式図である。
【図2】実施形態2の耐光性試験装置を示す模式図である。
【図3】従来例を適用した耐光性試験装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 光源
2 試料設置室
3 隔壁
4 窓
5 光学フィルタ
6 試料
7 温度調節装置(ヒーター又は冷却装置)
8 温度センサ
9 温度制御装置
10 ヒーター用電源
11 真空ポンプ
12 ソケット
13 光センサ
14 調光装置
15 光源用電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、光を照射して試料の光等による特性劣化の状態を評価する耐光性試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、照明装置用の光源として長寿命のLEDが実用化されている。この照明装置には、LEDを封止する封止材や回路基板を構成する基板材が組み込まれている。しかし、封止材や基板材等の材料は、照射される光、温度、又は真空若しくは活性気体中といった雰囲気等の条件下に長時間曝されると変色やひび割れ等の特性劣化を生じることがあった。これらの材料は、条件によっては、その特性劣化までの時間がLEDの輝度が所定値に劣化するまでの時間より短いものもあるために、さらなる特性改善が求められている。このような材料の特性改善あるいは材料の評価を行うために、前述の条件を考慮した耐光性試験装置が要望されている。また、LEDは、その輝度が年々向上しており、将来的には現状品よりも高輝度のLEDが開発される可能性が高い。このような高輝度のLEDに対応させる材料の特性劣化の状態を評価しようとすると、現状のLEDでは輝度が十分ではない場合がある。このような場合、高輝度で高出力の高圧水銀灯やキセノンランプを耐光性試験装置の光源として使用し、照射光の波長スペクトルをLEDと略同一とするべく、光学フィルタを用いている。
【0003】
このような耐光性試験装置として、特開平4−340441、特開平9−152398に開示される構成のものがある。これらに開示される耐光性試験装置は、その構造原理を模式的に示すと、図3の如きものである。すなわち、試料設置室2の内部に、高圧水銀灯やキセノンランプよりなる光源1と、光源1の光の波長スペクトルを調整する光学フィルタ2を配設し、波長スペクトルが調整された光が照射される位置に試料6が配置される。また、試料設置室2は、必要に応じて、ヒーター7によって加熱されたり、真空ポンプ11によって真空雰囲気とされる。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−340441号公報(第1−3頁、図1)
【0005】
【特許文献2】
特開平9−152398号公報(第1−3頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、高圧水銀灯やキセノンランプのような光源は、その寿命がLEDよりも約1桁短い。このため、これらの光源は、LEDの寿命時間にわたって封止材や基板材の耐光性試験を実施する場合には、例えば、5〜10回程度交換する必要がある。また、試料設置室内を真空状態にして試験をするときには、光源の交換のたびに大気圧にもどし、光源を交換した後、再度、真空状態にすることが必要となる。さらに、光源が高出力であるために、低温で耐光性試験を実施する場合には、高出力の冷却装置が必要となる。
【0007】
また、これらの光源は、出力の温度依存性が大きいので、試料設置室の温度をヒーターで上昇させた場合には、前記材料への光の照射量が大きく変化することがある。
【0008】
本発明は、かかる事由に鑑みてなしたもので、その目的とするところは、光源の交換や調光が容易で、高低温の条件下での試験を効率的に実施することが可能な耐光性試験装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、光源と、光源の光の波長スペクトルを調整する光学フィルタと、を有し、調整した波長スペクトルの光を照射して試料の特性劣化の状態を評価する耐光性試験装置において、周囲を隔壁で囲み照射する光を通過する窓を設けて試料を設置する試料設置室を設け、少なくとも前記光源を試料設置室の外部に配置してなる。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1の耐光性試験装置において、前記光学フィルタを、前記試料設置室の外部に配置してなる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1の耐光性試験装置において、前記試料設置室の窓は、光の波長スペクトルを調整する機能を有してなる。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかの耐光性試験装置において、前記試料設置室に、試料の照度を検知する光センサを設けるとともに、この光センサの検知出力に応じて前記光源の出力を制御する調光装置を設けてなる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかの耐光性試験装置において、前記試料設置室に、室内の温度を制御する温度制御装置又は室内の雰囲気を制御する雰囲気制御装置のうち少なくとも一方が設けられてなる。
【0014】
請求項6に係る発明は、請求項1乃至請求項5のいずれかの耐光性試験装置において、前記光学フィルタは、前記光源の光の波長スペクトルをLEDの発する光の波長スペクトルに近似させてなる。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
実施形態1を図1に基づいて説明する。1は光源であり、通常はキセノンランプや高圧水銀ランプを用いる。この光源1は、電源15に接続されるとともに、後述する試料に照射する光束を大きくするために、光源の出力が100〜200Wの高ワットのものを使用する。また、本図では省略しているが、試料と反対側に反射板を取り付けて、試料への光の照射量を増加させている。この光源1は、経時変化により輝度が低下したときに交換するものであり、その配置構造等は後述する。
【0016】
2は試料設置室であり、周囲を金属製の隔壁3で囲み、その寸法を、例えば、幅約500mm、奥行約400mm、高さ約600mmとしている。4は窓であり、ガラス製であって隔壁3の前面側、すなわち、光源1に面する側に取付けられる。この窓4は、後述する光学フィルタにより調整された波長スペクトルの光を通過させる。この窓4は、その寸法を、例えば、幅約150mm、高さ約200mmとしている。
【0017】
5は光学フィルタであり、試料設置室2内部で、窓4と後述する試料の間に配置されており、直径25mm程度の円板状である。光学フィルタ5は、光源の光の波長スペクトルを所望のものに調整するものであり、本実施形態では、照射光を青色LED(中心波長470nm、半値幅30nm)とほぼ同一の(近似させた)波長スペクトルにするべく、透過特性が中心波長470nm、半値幅10nmのMCフィルタ(朝日分光株式会社製)を用いている。
【0018】
6は試料(試料片)であり、試験対象となる封止材や基板材を所定の形状に切り出したものである。試料6は、試料設置室2の内部であって、光学フィルタ5の後方に設置される。本実施形態では、試料6はエポキシ系封止樹脂材を縦横がともに20mmの板状に切り出したものを用いた。試料6は、具体的には、スタンド等により試料設置室2の略中央部であって窓4の高さの位置に固定される。前述した光学フィルタ5は、光源1と試料6のそれぞれの中心を結ぶ直線上に位置し、窓4の後方に設置される。
【0019】
7は温度制御装置であり、試料設置室2の内部の温度を制御するものである。11は真空ポンプであり、試料設置室2の内部を真空状態にするものである。13は光センサであり、試料6の照度を検知するべく試料6の近傍に設けている。14は調光装置であり、光センサ13の検知照度に応じて光源1の出力を制御する。すなわち、光源1の輝度が設定値から変化することにより光センサ13の検知照度が変化すると、光源1の輝度を設定値に戻すように、光源1への供給電力を調光装置14により制御する。また、調光装置14には、光源1が照射された時間を記録したり照射を終了させるためのタイマが内蔵されている。
【0020】
ここで、重要なことは、光源1を試料設置室2の外部に配置していることである。具体的には、試料設置室2に対し、試料6と窓4のそれぞれの中心を結ぶ直線上の位置に光源1が配置されるように、ソケット12を有する取付台を設け、光源1はソケット12に取付けられる。
【0021】
次に、本実施形態の耐光性試験装置の動作について説明する。まず、試料6を試料設置室2の略中央に設置する。この状態で必要に応じて、温度調整装置7、真空ポンプ11を用いて、試験設置室2の内部を所定の温度、雰囲気に設定する。ここで、温度調整装置7により、高温又は低温とする場合、試料6の近傍の温度を温度センサ8で検知し、その検知出力を温度制御装置9に入力し、温度調整装置7の出力を制御することで、試験設置室2の内部の温度を一定状態に保持することができる。
【0022】
この状態で、電源15のスイッチをONして、光源1を発光させ、試料6に光を照射する。このとき、タイマは照射時間の記録を開始する。そして、光センサ13で照度を検知し、その検知出力を調光装置14に入力することで、光源1の出力を制御し、試料6の照度を一定状態に保持することができる。
【0023】
上記の状態で、耐光性試験を所定の時間(通常はLEDの寿命程度)継続する。ここで、LEDの光源としての寿命は数万時間であるのに対して、キセノンランプ等の寿命は数千時間である。したがって、試料6の耐光性試験をLEDの寿命時間にわたって実施するためには、途中で光源を交換することが必要となる。前述したように、光源1は、試料6の照度を一定に保持するように調光されているが、寿命末期になると光源1への供給電力が異常に増大する。ここで、供給電力が一定値以上になれば、電源を自動的に切断し、タイマも停止させた後、光源1を交換する。再び、電源15のスイッチをONすると、光源1を発光させ、試料6に光を照射し、タイマは照射時間の記録を開始する。
【0024】
このようにして、所定時間にわたって耐光性試験を実施した後に、試料6を試料設置室2から取り出す。この状態で、試料6の変色やひび割れ等を目視によって観察する。また、必要に応じて、顕微鏡等による細部の観察や強度等の物性値を測定することで、さらに詳細な特性劣化の状態を評価する。また、光照射の通産時間は、調光装置14に内蔵したタイマによって確認することができる。
【0025】
本実施形態では、光源1が試料設置室2の外部にあって、ソケット12等により取付けられているために、光源1の交換を容易に実施できる。特に、試料設置室2を高温・低温や真空といった条件に設定している場合は、この条件を保持したままで、光源1を交換することができる。
【0026】
また、光センサ13の検知照度に応じて調光装置14を制御することにより、試料6の照度が一定に保持されている。このために、光源1の発光特性変化や光源用電圧15の変化の影響を受けることなく、耐光性試験を継続することができる。
【0027】
さらに、低温試験を実施する際には、光源1が試料設置室2の外部にあるので、光源1からの発熱の影響を受けないので、効率的に冷却できる。
【0028】
(実施形態2)
実施形態2を図2に基づいて説明する。実施形態2は実施形態1と略同一の構成となっているが、光学フィルタ5が試料設置室2の外部に設けられている。この光学フィルタ5を固定する方法としては、スタンドを用いることや、窓4の前方に冶具を用いて隔壁に直接取付けることがあげられる。また、光源1の出力や試験設置室2の形状といった他の構成は、実施形態1と同一となっている。
【0029】
本実施形態の構成は、試料設置室2を高温とする耐光性試験を実施したときでも光学フィルタ5は室温状態を保持することができる。このために、高温で光透過特性が変化するような材料からなる光学フィルタを用いる場合でも、温度の影響を受けることなく、耐光性試験を実施できる。また、光学フィルタ5の交換作業も実施形態1と比較すると容易となる。
【0030】
(実施形態3)
実施形態3は実施形態1と略同一の構成であるが、光学フィルタ5が試料設置室2の窓4を兼ねる構成となっている(図は省略)。すなわち、窓4が通常のガラス等ではなく、光学フィルタの材料からなっている。また、光源1の出力や試験設置室2の形状といった他の構成は、実施形態と同一となっている。
【0031】
本実施形態の構成は、部品点数が少なくなっている。また、このような光学フィルタを窓とした試料設置室をユニットとしてあらかじめ製造しておけは、耐光性試験のたびに、試験装置を組み立てる必要がなく便利である。
【0032】
【発明の効果】
請求項1に係る耐光性試験装置は、試料に光を照射して試料の特性劣化の状態を評価するものであって、試料に光を照射する光源と、光源と試料との間に設けられて試料に照射される光の波長スペクトルを調整する光学フィルタと、周囲を隔壁で囲われて試料に照射される光を通過する窓が設けられて試料を格納する試料設置室とを有し、前記光源が試料設置室の外部に配置されているので、光源の交換が容易になり、長時間の耐光性試験に有効である。
【0033】
請求項2に係る耐光性試験装置は、請求項1記載のものにおいて、光学フィルタが前記試料設置室の外部に配置されているので、光学フィルタの交換が容易になり、光学フィルタが特性劣化しやすい場合には有効である。
【0034】
請求項3に係る耐光性試験装置は、請求項1記載の耐光性試験装置において、試料設置室の窓が前記光学フィルタを兼ねているので、試験に用いる部品点数が低減でき、試料試験室のユニット化が可能となる。
【0035】
請求項4に係る耐光性試験装置は、請求項1乃至請求項3記載のいずれかに耐光性試験装置において、試料に照射される照度を検知する光センサと、前記光源の出力を制御する調光装置を有するので、試料位置での照度を一定の状態に保持することができる。
【0036】
請求項5に係る耐光性試験装置は、請求項1乃至請求項4記載のいずれかに耐光性試験装置において、試料設置室の温度を制御する温度制御装置又は雰囲気を制御する雰囲気制御装置が設けられているので、目的とする温度や雰囲気の条件下で耐光性試験を実施することができる。
【0037】
請求項6に係る耐光性試験装置は、請求項1乃至請求項5記載のいずれかに耐光性試験装置において、光学フィルタがLEDの発する光の波長スペクトルに擬似した波長スペクトルとしているので、LEDを光源とする照明装置に同時に組み込まれる封止材や基板材の耐光性試験を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1の耐光性試験装置を示す模式図である。
【図2】実施形態2の耐光性試験装置を示す模式図である。
【図3】従来例を適用した耐光性試験装置を示す模式図である。
【符号の説明】
1 光源
2 試料設置室
3 隔壁
4 窓
5 光学フィルタ
6 試料
7 温度調節装置(ヒーター又は冷却装置)
8 温度センサ
9 温度制御装置
10 ヒーター用電源
11 真空ポンプ
12 ソケット
13 光センサ
14 調光装置
15 光源用電源
Claims (6)
- 光源と、光源の光の波長スペクトルを調整する光学フィルタと、を有し、調整した波長スペクトルの光を照射して試料の特性劣化の状態を評価する耐光性試験装置において、周囲を隔壁で囲み照射する光を通過する窓を設けて試料を設置する試料設置室を設け、少なくとも前記光源を試料設置室の外部に配置していることを特徴とする耐光性試験装置。
- 前記光学フィルタを、前記試料設置室の外部に配置していることを特徴とする請求項1記載の耐光性試験装置。
- 前記試料設置室の窓は、光の波長スペクトルを調整する機能を有することを特徴とする請求項1記載の耐光性試験装置。
- 前記試料設置室に、試料の照度を検知する光センサを設けるとともに、この光センサの検知出力に応じて前記光源の出力を制御する調光装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の耐光性試験装置。
- 前記試料設置室に、室内の温度を制御する温度制御装置又は室内の雰囲気を制御する雰囲気制御装置のうち少なくとも一方が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の耐光性試験装置。
- 前記光学フィルタは、前記光源の光の波長スペクトルをLEDの発する光の波長スペクトルに近似させるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の耐光性試験装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2002278353A JP2004117076A (ja) | 2002-09-25 | 2002-09-25 | 耐光性試験装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101331798B1 (ko) * | 2006-06-22 | 2013-11-21 | 엘지디스플레이 주식회사 | 액정표시소자 결함 검사장치 및 그 제어방법 |
CN105136296A (zh) * | 2015-09-22 | 2015-12-09 | 中国科学院上海技术物理研究所 | 一种长波成像光谱仪低温模型及其装调方法 |
CN108020497A (zh) * | 2016-11-01 | 2018-05-11 | 江苏秀强玻璃工艺股份有限公司 | 一种基于氙气光源的老化试验检测设备及其使用方法 |
CN110433875A (zh) * | 2019-09-06 | 2019-11-12 | 南京英田光学工程股份有限公司 | 高低温真空光学试验箱 |
-
2002
- 2002-09-25 JP JP2002278353A patent/JP2004117076A/ja active Pending
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