JP2004115624A - Sliding member for automobile - Google Patents

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JP2004115624A
JP2004115624A JP2002279498A JP2002279498A JP2004115624A JP 2004115624 A JP2004115624 A JP 2004115624A JP 2002279498 A JP2002279498 A JP 2002279498A JP 2002279498 A JP2002279498 A JP 2002279498A JP 2004115624 A JP2004115624 A JP 2004115624A
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sliding member
matrix material
filler
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Application number
JP2002279498A
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Japanese (ja)
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Takaaki Saigo
西 郷 ▲隆▼晄
Yasuko Kaneko
金 子 康 子
Shinya Kikutani
菊 谷 慎 哉
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KUROSAWA SOKEN KK
Starlite Co Ltd
Original Assignee
KUROSAWA SOKEN KK
Starlite Co Ltd
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Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a sliding member for an automobile, which has characteristics of excellent balance between mechanical properties and thermophysical properties and more excellent sliding properties (abrasion resistance, slipperiness, etc.) than those of a polyacetal sliding member and comprises a composite composed of a crystalline polypropylene as a matrix material. <P>SOLUTION: The sliding member for an automobile comprises the composite composed of a dispersed phase consisting of a fibrous and a powdery fillers as main materials and a continuous phase of the crystalline polypropylene as the matrix material, which is formed to have controlled physical properties with basic physical properties (density, flexural strength, modulus in flexure and amount of wear). Consequently, the composite is made into the sliding member having the balance between the mechanical properties and the thermophysical properties and sliding properties (abrasion resistance, slipperiness, etc.) equal to or more excellent than those of the polyacetal sliding member. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、結晶性ポリプロピレンがマトリックス材の複合体からなる自動車用
摺動部材に関する。
本発明は、具体的には、機械的物性と熱的物性のバランスが優れて、摺動特性
(耐摩耗性、滑り性等)がポリアセタ−ル摺動部材よりも向上する等の特性を有する自動車用摺動部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のプラスチック成形品は、汎用性樹脂(フエノ−ル樹脂、ポリウレタ
ン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等)及びエンジニアリング樹脂(ポリアミド、ポリカ−ボネ−ト、ポリアセタ−ル、ポリブチレンテレフタレ−ト等)から樹脂特性を利用する製品(代表的には、外装部品、内装部品、摺動部品、機構部品、構造部品等)に形成されて、軽量性、コスト低減性、成形性、リサイクルに際しての解体性・分離性・再利用性等のプラスチック由来の特徴も活用されている。
【0003】
自動車のプラスチック摺動部品は、エンジニアリング樹脂のポリアセタ−ル(
以下において、POMと略称することがある)が衝撃強度と熱変形温度とのバランスが良好で剛性が大きいところから、その成形品が使用されている。ただし、POMは、摺動部品に使用するには自己潤滑性が低いので、ポリ四フッ化エチレン等の添加・長鎖アルキル基の導入・ブロック共重合体化等により自己潤滑性が付与されて摺動部品にされている。
【0004】
一方、汎用性樹脂のポリプロピレンは、低密度(代表的には、0.89〜0.
93g/cm3 )、高成形加工性、高軟化温度及び高耐薬品性等の特性を有するので、自動車用外装品(バンパ−、サイドプロテクタ−、サイドシルガ−ニッシュ等)及び自動車用内装品(インストルメンメントパネル、ドアトリム、グロ−ブボックス、コンソ−ルボックス等)等に用いられて、摺動部品への使用が大きくないのが実情である。
ポリプロピレンは、POMよりも自己潤滑性が高く、高剛性化(高結晶度)に
よってPOM摺動部品と近似の物性にし得る可能性があるところから、結晶核存在の重合により高結晶度にする技術について多くの提案が行われている(例えば、特開2001−284、特開2001−126841、特開2000−86838、特開2000−212348、特開平12−316808、特開平12−2128366等を参照)。しかし、従来にあっては、ポリプロピレンの摺動部品
化について工業的に有効な提案が行われていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のPOM成形品及びポリプロピレン成形品の自動車摺動部品化については
、次の(i)〜(viii)等の基本的な問題点が存在していた。
(i)POM成形品への更なる潤滑性の向上は、製造コストの上昇を伴うところから、工業的製品としての価値を低下させる。
(ii)POM成形品は、摺動によって音が発生するので無音性が要求される箇所には使用できない。
(iii)POM成形品の摺動動作時の音発生抑制及び摺動動作時の無音化に関する提案が行われていない。
(iv)POM成形品は、ポリプロピレン成形品よりも比重が大きく、軽量化が困難である。
(v)ポリプロピレン成形品は、機械的物性及び物理的物性のバランスをPOM成形品と等価にする有効な提案が行われていない。
(vi)ポリプロピレンは、多量の無機質フィラ−添加(例えば、タルクでは10〜45重量%)で高剛性になって成形加工性が低下して剛性増大と成形加工性低下とが生ずるので、無機質フィラ−添加のポリプロピレンにより高剛性で複雑・精密な形状の射出成形品にするのが困難である。
(vii)ポリプロピレン複合体の成形に際して、その機械的物性と表面物性とを同時的な制御手段が未知である。従って、ポリプロピレン複合体の成形品を機械的物性と表面物性とを制御して両物性を自動車摺動部品に適する条件にするのが困難である。
(viii)ポリプロピレンは、添加する無機質フィラ−の相違によって効果が大きく相違し、例えば、タルクと炭酸カルシウムとの併用では、効果が相反する機械的物性が共存する。
【0006】
そこで、ポリプロピレンのマトリックス材とする複合体からの高性能の自動車
摺動部品化が本発明者により詳細に検討されて本発明が創案された。
(1)本発明は、ポリプロピレンをマトリックス材とする複合体をして、軽量で、自動車摺動部材として物理的・機械的な物性を備えて、摺動部材としての特性を高水準で備える自動車摺動部材を提供すること、を目的とする。
(2)本発明は、自動車摺動部材としての各種物性をPOM製部品と等価若しくはそれ以上のレベルで備える自動車摺動部材を提供すること、をも目的とする。
(3)本発明は、多様な形態の摺動動作を無音化若しくは低音化すること可能にする自動車摺動部材を提供すること、をも目的とする。
(4)本発明は、リサイクル・車体の軽量化・低燃費化・コスト低減化をより推進させる自動車摺動部材を提供すること、をも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による自動車用摺動部材は、繊維状と粉体状のフィラ−及び親和性とマ
トリックス材への相溶性を有する材料を有してなる分散相と結晶性ポリプロピレンのマトリックス材の連続相とからなる複合体が、その複合体材料から射出成形によって下記の基準物性(A)〜(D)を有する複合体に形成されて摺動部材化されていること、を特徴とする。
基準物性
(A)密度がマトリックス材の結晶性ポリプロピレンよりも3〜30%大きい範囲である。
(B)曲げ強度が90〜140MPaである。
(C)曲げ弾性率が3.0〜6.0GPaである。
(D)摩耗試験の摩耗量(ピンオンディスク試験法)が0.02〜0.50mmである。
【0008】
【発明の具体的説明】
本発明の自動車用摺動部材(以下において、摺動部材と略称することがある)
は、マトリックス材の結晶性ポリプロピレンを連続相とする複合体であって、その複合体材料及び射出成形の特性を複合体に基準物性を与え得るるものにして、それによって、複合体をして物理的・機械的・熱的な物性をバンランスして高水準で備えて、しかも、摺動特性をも高水準で備えるものにしている。
【0009】
複合体のマトリックス材〕:
マトリックス材は、高水準の物理的物性及び機械的物性を有して、複雑・精密
な形状に射出成形可能なメルトフロ−レ−ト(JISK7212に準拠)を有する結晶性ポリプロピレンから構成されている。
結晶性ポリプロピレンのメルトフロ−レ−ト(成形加工性)は、0.1〜20
0g/10分程度のメルトフロ−レ−トの範囲であれば、摺動部材(例えば、歯車、軸受・機構部品等)への射出成形が可能であって、15g/10分以下(好ましくは、12g/10分以下)であると、剛性及び耐衝撃性を備える複合体に成形可能である。ただし、メルトフロ−レ−トが、例えば、0.1g/10分以下であると、歯車等の精密形状への射出成形が困難になるので、0.1g/10分を越える範囲が好ましい。
【0010】
本発明の複合体は、ポリプロピレン由来の低密度・高成形加工性・高軟化温度
・高耐薬品性等の特性を有して、剛性・耐衝撃性を複合体に与える結晶性ポリプロピレンを連続相にして、複雑・微細な形状の摺動部材への成形を可能にして、基準物性を有する複合体を与える複合体材料の調整を容易にしている。
ポリプロピレンの結晶化度は、特に制約がなく、例えば、結晶化度が約50重
量%(密度法による)以上の高結晶性である場合には、フィラ−添加による補強効果が有効に働いて、複合体への基準物性の付与が容易である。
【0011】
高結晶性ポリプロピレンは、結晶核剤存在下での重合によるのが一般的であっ
て、結晶核剤としては、例えば、無機性の結晶核剤(例えば、シリカ、タルク、ゼオライト等)、有機性の結晶核剤(例えば、有機リン化合物(代表的には、ホスフェ−トのアルカリ金属塩等)、ジベンジリデンソルビト−ル化合物、安息香酸金属塩化合物等)及び高分子性の結晶核剤(例えば、ポリ−3−メチル−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン、ポリシクロペンテン、ポリビニルシクロヘキセン等)等が使用される。
結晶核剤は、無機性の結晶核剤、有機性の結晶核剤及び高分子性の結晶核剤の
一種若しくは二種以上が使用可能で、いずれの場合も機械的性質及びハイリサイ一ル化の向上に有効である。なお、結晶核剤が二種以上である場合は、同一種若一くは異種の結晶核剤のいずれの二種以上であることが可能である。結晶核剤は、少量(例えば、0.01〜2.6重量%(部材重量基準))の含有量であっても、本発明の部材の機械的性質及びハイリサイクル化を向上させる。
【0012】
結晶性ポリプロピレンは、高立体規則性、例えば、アイソタクチックペンダン
ト分率(ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位におけるアイソタクチック分率)が0.97以上の高立体規則性であれば、本発明の複合体の機械的部物性を容易に向上させることができる。
結晶性ポリプロピレンは、単独重合体及び共重合体のいずれでもよく、任意の
重合法によることが可能であって、共重合体は、ランダム共重合及びブロック共重合のいずれでもよく、共単量体としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、ペンテン、1−オクテン、1−ドデセン、1−ヘキサデセン、1−テトラデセン等が挙げられる。
【0013】
結晶性ポリプロピレンは、他のオレフィン(特に、直鎖状のアルファ−オレフ
ィン、分岐状のアルファ−オレフィン)とのブロック共重合体である場合には、複合体の低温耐衝撃性と耐摩耗性とを向上させて、本発明の効果を最大に享受するこが容易になる。
結晶性ポリプロピレンの単独重合体は、少量(例えば、約0.50〜7.0モ
ル%)の共重合成分(例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の直鎖状オレフィン等)を含んでいてもよい。複合体中の結晶性ポリプロピレン(マトリックス材)の量は、50〜80重量%(複合体の全体重量基準)の範囲である場合には、複合体に基準物性を付与するのが容易である。
【0014】
複合体の分散相〕:
分散相は、繊維状及び粉体状のフィラ−(以下において、フィラ−と略称する
ことがある)と親和性とマトリックス材への相溶性とを有する材料(以下において、親和性・相溶性のある材料ということがある)を必須成分として構成されている。分散相は、その必須成分からなることも可能であるが、分散相の必須成分が量的主体を占めて、第三成分を含めて構成されてもよい。
分散相の必須成分が量的主体を占めるというのは、例えば、分散相の必須成分
が、75重量%(分散相の構成成分の合計重量基準)以上で100重量%未満を占めている場合である。分散相の必須成分が75重量%以上であれば、必須成分の特性を活用して、必須成分と第三成分との相乗的効果を複合体に与え得る。
【0015】
分散相を構成するフィラ−は、繊維状及び粉体状のフィラ−の共存によって繊
維状フィラ−を低配向若しくは無配向でマトリックス材に均一分散させて、両フィラ−の相乗作用により複合体への基準物性の付与を容易にして、物理的及び機械的な物性の点から複合体を摺動部材に適するものにされている。
粉体状及び繊維状のフィラ−の量的比率は、例えば、3〜55重量部(粉体状
フィラ−量)/100重量部(繊維状フィラ−量)であることによって、両フィラ−間に相乗的補強作用を働かせて複合体への基準物性の付与を容易かつ高水準で行い得る。
親和性・相溶性のある材料とフィラ−との量的比率は、例えば、5〜60重量
部(親和性・相溶性のある材料の量)/100重量部(繊維状及び粉体状のフィラ−の合計量)であることによって、フィラ−とマトリックス材との界面の結合力増大によって複合体への基準物性付与効果が大きくなる。
親和性・相溶性のある材料が、5重量部未満では、摺動部材の強度が低く、し
かも、摺動部材の摩耗が大きくなる傾向があり、60重量部を越えると、材料コストが大きくなって技術的価値を工業的製品としての摺動部材に生かすのが困難になる。フィラ−及び親和性・相溶性のある材料は、例えば、その合計量が20〜45重量%(複合体全体重量基準)で複合体を占めることによって、複合体への基準物性付与が容易であって、本発明の効果を複合体について享受するのが容易となる。なお、20重量%以下であると摺動部材の力学特性が低くなる傾向が生じ、45重量%以上であると摺動部材が高剛性であって脆くなる傾向が生じる。
【0016】
フィラ−とマトリックス材との量的比率は、10〜55重量部(繊維状及び粉
体状のフィラ−の合計量)/100重量部(マトリックス材)であることによって、複合体の密度がマトリックス材の結晶性ポリプロピレンよりも3〜30%大きい範囲である場合には、複合体への基準物性付与が容易になって、複合体への高機械的物性と高耐摩耗性の付与が容易となる。
繊維状及び粉体状のフィラ−の合計量が、10重量部未満では、摺動部材の力
学的特性が低く、55重量部を越えると摺動部材が脆くなって、射出成形に際しての流動性が低下する。
なお、繊維状及び粉体状のフィラ−の種類・形状・大きさ・量・組み合わせは
、複合体に基準物性が付与可能な範囲であれば任意である。
【0017】
繊維状フィラ−〉:
繊維状フィラ−は、無機質若しくは金属質のいずれの繊維状フィラ−であって
、両方の併用であってもよい。無機質繊維状フィラ−としては、例えば、ガラス繊維、セラミックス繊維、岩石繊維、無機質ホイスカ−等の使用が可能であって、ガラス繊維は、短繊維、長繊維若しくは微細繊維(マイクロファイバ−とも称される)の使用が可能である。
【0018】
ガラス繊維は、ケイ酸塩以外の成分による制約がなく、アルカリ含有及びアル
カリ無含有のいずれのガラス繊維であってもよい。ただし、ガラス繊維が、短繊維若しくは微細ガラス繊維である場合には、複合体への基準物性が容易で、かつ、複合体への高水準の機械的物性を付与するのが容易である。
【0019】
セラミックス繊維は、例えば、炭素繊維、ボロン繊維、炭化ホウ素繊維、炭化
ケイ素繊維、チタン酸カ−バイト繊維、シリカアルミナ繊維、窒化ケイ素繊維、マグネシア繊維、シリカ繊維、ボロンナイトライド繊維、アルミナ繊維、酸化ベリリウム繊維、タングステン繊維、タングステンカ−バイト繊維、酸化ジルコニウム繊維等である。セラミックス繊維は、短繊維若しくは微細ガラス繊維が好ましい。
【0020】
ホイスカ−は、ウィスカ−とも称される単結晶繊維であって、本発明にあって
は、無機質ホイスカ−の使用が可能である。無機質ホイスカ−は、例えば、炭素ホイスカ−、ホウ素ホイスカ−、炭化ホウ素ホイスカ−、アルミナホイスカ−、炭化ケイ素ホイスカ−、窒化ケイ素ホイスカ−等である。金属質の繊維状フィラ−は、例えば、アルミナホイスカ−等の金属質ホイスカ−である。
繊維状フィラ−は、複合体をして基準物性を含む物性にすることが可能であれ
ば、種類及び大きさ等において任意であって、短繊維または/及び微細繊維のガラス繊維である場合に本発明の効果を最大に享受するのが容易になる。
【0021】
粉体状のフィラ−〉:
粉体状フィラ−は、代表的には、無機化合物の粉体状フィラ−ではあるが、複
合体への基準物性の付与が可能であれば、無機化合物以外の粉体状フィラ−であってもよい。粉体状フィラ−は、単一種若しくは複数種のいずれであってもよく、複数種からなる場合には、複合体の物性を多様に制御可能になる。
粉体状フィラ−は、例えば、(1)クレ−、タルク、カオリン、長石、石英等
の天然鉱物の粉体状フィラ−、(2)炭酸カルシウム、カルシウムとマグネシウムとの複合炭酸塩、ケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム化合物の粉体状フィラ−、(3)炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物の粉体状フィラ−、(4)ケイ酸アルミニウム化合物の粉体状フィラ−、(5)雲母化合物の粉体状フィラ−、(6)炭化ケイ素、アルファ型炭化ケイ素等の炭化ケイ素化合物の粉体状フィラ−、(7)窒化ケイ素化合物の粉体状フィラ−、(8)ジルコニア、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウムの粉体状フィラ−、(9)タングステン化合物の粉体状フィラ−、(10)チタン酸バリウム、チタン酸カリウム等のチタン酸化合物の粉体状フィラ−、(11)チタン酸バリウム、チタン酸カリウム等のチタン酸化合物の粉体状フィラ−、(11)窒化ホウ素、炭化ホウ素等のホウ素化合物の粉体状フィラ−、(12)炭酸バリウム化合物の粉体状フィラ−、(13)アルミナ、窒化アルミナ等のアルミナ化合物の粉体状フィラ−、(14)チタン化合物粉体状フィラ−、(15)ジルコン、ジルコンナイト等のジルコン化合物の粉体状フィラ−、(16)ニオブ化合物の粉体状フィラ−、(17)タンタルナイトライド等のタンタル化合物の粉体状フィラ−等である。
【0022】
粉体状フィラ−は、微細な大きさ(例えば、平均粒径が、0.01〜10ミク
ロン、好ましくは、0.1〜1.0ミクロン )である場合には、繊維状フィラ−に対する補強効果と相乗効果が大きくなって、複合体への基準物性付与効果が増大し、高水準の機械的物性を複合体に付与する。
【0023】
親和性・相溶性のある材料〉:
親和性・相溶性のある材料は、マトリックス材とフィラ−との界面の親和性(
ねれ)を改善してフィラ−をマトリックス材に強固に接着・結合させる材料である。
親和性・相溶性のある材料は、親和性として、例えば、HO−、O2 N−、H
 N−、HOOC−等の極性基が、分子構造とし本来的に備える材料若しくは付加された材料であって、複合化に際して結晶性ポリプロピレンと熱溶融混練により一体化する性能を有するものである。本発明の「相溶性」は、熱溶融混練・冷却によって一体化した状態が目視により観察可能な状態であればたりる。
【0024】
親和性・相溶性のある材料は、代表的には、結晶性ポリプロピレンと相溶性の
ある高分子材料であって、相溶性があれば、高分子以外の材料(例えば、化合物)であってもよい。親和性・相溶性のある材料は、例えば、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリエチレン−アクリル共重合体等に極性基が付加されたエチレン系樹脂、ポリプロピレン、ポリプロピレン共重合体等に極性基が付加されたプロピレン系樹脂等の一種若しくは複数種からなる。エチレン系樹脂及びプロピレン系樹脂等への極性基の付与は、任意の方法によることが可能であって、工業的には、例えば、無水マレイン酸の共重合による極性基の導入がある。
【0025】
他の複合体材料〉:
複合体は、必要に応じて、補強用プラスチック材料、潤滑材及び一般的なプラ
スチック配合剤等の一種若しくは二種以上を含む構造にされる。
補強用プラスチック材料は、例えば、摩耗性低下と耐衝撃性向上のために配合
される、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ−(例えば、エチレンプロピレンゴム)等がある。エチレン−プロピレンゴムは、マトリックス材の結晶性ポリプロピレンが単独重合体である場合には、複合体に対する補強効果と基準物性の付与が容易になる。補強用プラスチック材料は、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ−以外の熱可塑性エラストマ−の配合が可能である。ポリオレフィン系熱可塑性エラストマ−は、例えば、3〜13重量%(複合体重量基準)である場合には、複合体の摩耗性を低下させて耐衝撃性を向上させる効果が増大する。
【0026】
潤滑材は、複合体表面構造の摩擦係数低減が摺動部材の用途によって必要とさ
れる場合等に配合されて、基準物性が維持される種類及び量が配合される。潤滑材の配合量は、例えば、0.01〜5.00重量%(複合体重量基準)である。潤潤剤は、公知若しくは新たに合成するものであってもよく、一種若しくは複
数種以上(ただし、同一種若しくは異種のいずれの複数種であってもよい)を使用することも可能である。潤潤剤は、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪族アルコ−ル、金属石けん、高級脂酸エステル等の化合物が一般的であって、配合可能であれば、固体潤潤剤を使用することが可能である。
【0027】
潤潤剤は、例えば、脂肪族炭化水素(パラフィン類、ワックス類等)、高級脂
肪酸(炭素数16以上の高級脂肪酸)、高級脂肪酸エステル(ステアリン酸アミド、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセイリド、ペンタエリスリト−ルテトラステアレ−ト等)、高級脂肪族アルコ−ル(モンタンワックス等に代表される動植物油の分離精製品等)、金属石けん(ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム等)等がある。固体潤潤剤は、例えば、エチレン系潤滑性樹脂(例えば、ポリ四フッ化エチレン等)、ポリアミド及びポリイミド等が挙げられる。層状構造無機物としては、例えば、グラファイト及び二硫化モリブデン等がある。
プラスチック配合剤は、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、熱安
定剤、難燃剤、帯電防止剤、防菌及び防かび剤等が一般的である。
【0028】
複合体の形成〕:
複合体への基準物性付与を可能に調製の複合体材料が、射出成形による加圧下
で熱溶融混練・流動・形状化・冷却等の過程をえて複合体からなる摺動部材に形成にされる。
複合体材料は、混合物にして射出成形手段に供給するのが一般的であって、混
合物の形式については任意である。結晶性ポリプロピレンは、例えば、親和性・相溶性のある材料あるいはゴム弾性を有する材料、若しくはそれらの両方とポリマ−ブレンドにして射出成形手段に供給すると便宜である。射出成形での加圧は、例えば、400〜1200kg/cm ある場合には、複合体への基準物性付与と、複合体へのバランス性に優れる物理的物性・機械的物性・熱的物性の付与が容易である。射出成形手段は、複合体への基準物性付与が可能な手段であれば、装置の方式及び操作等において任意である。
【0029】
基準物性と複合体〕:
本発明では、基準物性(密度、曲げ強度、曲げ弾性率、摩耗試験の摩耗量)を
有する複合体の形成を可能にする複合体材料と射出成形条件によって複合体(摺動部材)に形成して、それによって、複合体の構造・物性に関係する多数の因子を制御して、複合体(摺動部材)が、物理的物性・機械的物性・熱的物性をバランスして備えて、しかも、高水準の摺動特性(耐摩耗性、滑り性等)と機械的物性とを備えるものにされている。
基礎物性は、密度(g/cm3 )がマトリックス材の結晶性ポリプロピレンよ
りも3〜30%大きい範囲で、曲げ強度(MPa、N/mm :JISK7171)が90〜140MPaで、曲げ弾性率(MPa、N−mm :JISK7203)が3.0〜6.0GPaで、摩耗試験の摩耗量(mm:ピンオンディスク試験法)が0.02〜0.50mmである。
なお、複合体が、基準物性の具体的数値範囲を外れると、物理的物性・機械的
物性・熱的物性のバランス性及び摺動特性が低下することは、本発明で見いだされた事実である。
【0030】
密度がマトリックス材の結晶性ポリプロピレンよりも大きい範囲が3未満であ
るとフィラ−量が過小であり、大きい範囲が30%を越えるとフィラ−量が過剰である。曲げ強度が90MPa未満では、低強度であり、140MPaを越えるとフィラ−量過剰による流動性の低下若しくは高コストとなる。曲げ弾性率が3.0MPa未満では、クリ−プの問題が生じて耐熱性が低くなり、6.0GPaを越えると脆性が高くなって、相手材への攻撃性が高くなる。また、摩耗試験の摩耗量)が0.50mmを越えると摺動部材としての適性が低下して、0.02mm未満では、相手方材を摩滅し易くなる。
【0031】
そして、複合体が基準物性を有することによって、摺動部材に関連する以下の
物性が摺動部材に適する傾向になる。(1)密度、比重及び硬さ(ひっかき硬さ、反発硬さ、押し込み硬さ、デュロメ−タ硬さ、ロックウェル硬さ、パ−コル硬さ等)等の物理的物性、(2)引張強さ及び引張ひずみ(引張荷重に対する応力とひずみ:JISK7113)、引張弾性率(JISK7161)、剛性率、曲げ強度(JISK7171)、曲げ弾性率(JISK7203)、衝撃試験(アイゾット衝撃試験、シャルピ−衝撃試験、ティンスタット衝撃試験等)、クリ−プ破壊(JISK7115)及び応力緩和等の機械的物性(3)静的摩耗、動的摩耗等の摩耗特性、(4)熱伝導率、耐熱変形(荷重たわみ温度、ビ−カット軟化温度等)、荷重たわみ温度(JISK7203)、ビ−カット軟化温度(JISK7206)等の熱的物性等である。
【0032】
なお、摩耗試験は、ピンオンディスク試験法によるもので、摩耗測定用のプラ
スチック棒(直径5mm、長さ12mm)を金属円盤(材質:ステンレススチ−ル)に垂直に立てて金属円盤面と3MPaの面圧で接触させて金属円盤をプラスチック棒に対して0.50m/secで回転させて20時間経過後に測定した摩耗量(mm)である。
【0033】
摺動部材〕:
本発明の対象となる摺動部材は、その動作に際して他の部材(摺動部材を含む
)との摺動を伴う部材であって、代表例としては、歯車、軸受、機構部品等であって、摺動部材の種類及び形態等において特に制約がない。摺動部材は、それ自体が独立して機能するものであってもよく、部品として機能するするものであってもよい。
歯車は、例えば、小歯車、大歯車、小歯車、駆動歯車、被動歯車、中間歯車、
太陽歯車、内歯車、遊星歯車、平歯車、外歯車、すばかさ歯車、右ねじれ歯車、左ねじれ歯車、やまば歯車、まがりばかさ歯車、はすばかさ歯車、平行軸歯車、平行軸はすば歯車、フェ−スギア、円筒歯車、円筒ピン歯車、円筒ピン歯車、円筒ピン小歯車、円筒ピン大歯車、かさ歯車、ウオ−ムギア、鼓形ウオ−ムギア、ウオ−ムホイ−ル、鼓形ウオ−ムホイ−ル、ハイポイドギア、ラック、はすばラック、サイクロイド歯車、円筒ピン小歯車、円筒ピン大歯車、インボリュ−トかさ歯車、インボリュ−ト平歯車、インボリュ−ト円筒歯車、インボリュ−ト円筒平歯車、ねじ歯車、オクトイドギア、増速歯車、減速歯車、部分歯車及びねじ歯車等であることが可能である。
【0034】
軸受は、相対運動する部品を滑り運動・転がり運動等する機能と荷重を支える
機能を有するものであって、例えば、ころがり軸受、単軸軸受、福軸軸受、多列軸受、総転動体軸受、アンギュラコンタクト軸受、調心軸受、非調心軸受、分離形軸受、非分離形軸受、二つ割り軸受、解放軸受、シ−ル軸受、シ−ルド軸受、ギャップ軸受、ミニアチュア軸受、互換性軸受、非互換性軸受、ラジアル軸受、スラスト軸受及びリニア軸受等であることが可能である。
【0035】
機構部品は、例えば、キャリ−ヤプレ−ト、ブッシュ、ワイヤガイド、ワイヤ
ドラム、シ−トベルトアンカ−、サンバイザ−、パイピッグクリップ類、戸車、ドアロックアクチュエ−タギア、ワイパ−モ−タギア及びそれ以外の機構部品であることが可能である。
【0036】
なお、本発明においては、本発明の目的に沿うものであって、本発明の効果を
特に害さない限りにおいては、改変あるいは部分的な変更及び付加は任意であって、いずれも本発明の範囲である。
次に本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、実施例は例示であって本
発明を拘束するものではない。
【0037】
【実施例】
実施例1
射出成形用の高結晶性ポリプロピレンの単独重合体(メルトフロ−レ−ト10
〜13g/10分)、ガラス短繊維、炭酸カルシウム微粉末、タルク微粉末、無水マレイン酸変性ポリプロピレン及びエチレン−プロピレンゴムを複合体材料としてその組成比を変えて射出成形による複合化実験を予め行って、複合体への基準物性付与に有効な複合体材料の組成比の範囲についてのデ−タを得た。
次に、そのデ−タに基づいて、複合体への基準物性付与に有効な複合体材料と
して表1の組成の複合体材料を調製した。表1の複合体材料から射出成形により複合体を成形した。射出成形は、シリンダ−温度210℃、金型温度80℃、射出圧力600kg/cmで行った。表2は、成形した複合体の物性の測定結果を示している。
【0038】
【表1】

Figure 2004115624
【0039】
【表2】
Figure 2004115624
【0040】
歯車の破壊負荷試験は歯車が10 回転で破壊する負荷を測定している。歯車
の摩耗高さ試験は歯車に15MPaの負荷をかけて10 回転で摩耗する高さを測定している。歯車の鳴き発生負荷試験は歯車を200rpmで回転させて50MPaまで負荷をかけて鳴き発生の有無を測定している。軸受の摩擦係数はピンオンディスク試験法による。
【0041】
実施例2
表1の高結晶性ポリプロピレンの単独重合体を高結晶性ポリプロピレンブロッ
ク共重合体に代えた組成の複合体材料を調製した。表3は、マトリックス材が高結晶性ポリプロピレンブロック共重合体である複合体材料の組成を示している。次に、表3の組成の複合体材料を用いて実施例1と同様にして射出成形して複
合体を形成した。表4は成形した複合体の物性の測定結果を示している。
【0042】
【表3】
Figure 2004115624
【0043】
【表4】
Figure 2004115624
【0044】
実施例3
表1の組成を変えて表5の組成の複合体材料を調製した。次に、表5の組成の
複合体材料を用いて実施例1と同様にして射出成形して複合体を形成した。表6は成形した複合体の物性の測定結果を示している。
【0045】
【表5】
Figure 2004115624
【0046】
【表6】
Figure 2004115624
【0047】
実施例4
表1の組成を変えて表7の組成の複合体材料を調製した。次に、表7の組成の
複合体材料を用いて実施例1と同様にして射出成形して複合体を形成した。表8は成形した複合体の物性の測定結果を示している。
【0048】
【表7】
Figure 2004115624
【0049】
【表8】
Figure 2004115624
【0050】
比較例1
POMを樹脂原料とする摺動部品用の成形品の物性を表9に示す。
【0051】
【表9】
Figure 2004115624
【0052】
表9によれば、歯車及び軸受での破壊・摩耗・鳴き発生条件に関する特性が実
施例1〜3の結果よりも低くなっている。
【0053】
比較例2
ガラス短繊維を30重量%含むPOMから形成の摺動部品用の成形品の物性を
表10に示す。表10によれば、歯車及び軸受での破壊・摩耗・鳴き発生条件に関する特性が実施例1〜3の結果よりも低くなっている。
【0054】
【表10】
Figure 2004115624
【0055】
比較例3
30重量%のガラス短繊維を含むナイロン6,6から成形の摺動部品用の形品
の物性を表11に示す。表11によれば、歯車及び軸受での破壊・摩耗・鳴き発生条件に関する特性が実施例1〜3の結果よりも相当に低くなっている。
【0056】
【表11】
Figure 2004115624
【0057】
【発明の効果】
本発明の自動車用摺動部材によれば、下記(a)〜(d)に代表される様々な
効果が得られる。
(a)摺動部材に必要な各種物性を高水準でバランスして備える結晶性ポリプロピレンをマトリックス材とする複合体からなる自動車摺動部材が得られる。
(b)自動車摺動部材に必要な各種物性をPOM製部品と等価若しくはそれ以上のレベルで備える結晶性ポリプロピレンをマトリックス材とする複合体からなる自動車摺動部材が得られる。
(c)自動車の摺動部材が多様な形態の摺動動作を無音化若しくは低音化すること可能にする結晶性ポリプロピレンをマトリックス材とする複合体からなる自動車摺動部材が得られる。
(d)リサイクル・車体の軽量化・低燃費化・コスト低減化をより推進させる結晶性ポリプロピレンをマトリックス材とする複合体からなる自動車摺動部材が得られる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an automotive vehicle comprising a composite of crystalline polypropylene and a matrix material.
It relates to a sliding member.
Specifically, the present invention has an excellent balance between mechanical and thermal physical properties,
The present invention relates to a sliding member for an automobile having characteristics such as improved abrasion resistance and sliding property as compared with a polyacetal sliding member.
[0002]
[Prior art]
Plastic molded products for automobiles are made of general-purpose resins (phenol resin, polyurethane
Products that utilize resin properties from resins, vinyl chloride resins, polyethylene, polypropylene, ABS resins, unsaturated polyester resins, etc.) and engineering resins (polyamides, polycarbonates, polyacetals, polybutylene terephthalates, etc.). (Typically, exterior parts, interior parts, sliding parts, mechanical parts, structural parts, etc.), which are lightweight, cost-reducing, moldable, disassembly / separability / reusability for recycling And other plastic-derived features.
[0003]
Plastic sliding parts of automobiles are made of engineering resin polyacetal (
In the following, POM) is used because of its good balance between impact strength and heat deformation temperature and high rigidity. However, since POM has low self-lubricating property for use in sliding parts, self-lubricating property is imparted by addition of polytetrafluoroethylene, introduction of long-chain alkyl group, block copolymerization, etc. Sliding parts have been.
[0004]
On the other hand, polypropylene, which is a general-purpose resin, has a low density (typically, 0.89 to 0.8%).
93g / cm3), High moldability, high softening temperature, high chemical resistance, etc., so that exterior parts for automobiles (bumpers, side protectors, side sill garnishes, etc.) and interior parts for automobiles (instrument panels, It is used in door trims, glove boxes, console boxes, etc.), and is not widely used for sliding parts.
Polypropylene has higher self-lubricating properties than POM, and has higher rigidity (high crystallinity).
Therefore, since there is a possibility that physical properties similar to those of a POM sliding part can be obtained, many proposals have been made for a technique for increasing the degree of crystallinity by polymerization of the presence of crystal nuclei (for example, JP-A-2001-284, JP-A-2001-284). 2001-126841, JP-A-2000-86838, JP-A-2000-212348, JP-A-12-316808, JP-A-12-2128366 and the like). However, conventionally, polypropylene sliding parts
No industrially effective proposal has been made for the conversion.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Regarding the conversion of conventional POM molded products and polypropylene molded products to automotive sliding parts
And the following basic problems (i) to (viii).
(I) Further improvement in lubricity of a POM molded product is accompanied by an increase in manufacturing cost, and therefore lowers its value as an industrial product.
(Ii) A POM molded product cannot be used in a place where silence is required because noise is generated by sliding.
(Iii) No proposal has been made regarding suppression of sound generation during sliding operation of the POM molded product and silence during sliding operation.
(Iv) The POM molded product has a higher specific gravity than the polypropylene molded product, and it is difficult to reduce the weight.
(V) With respect to polypropylene molded products, no effective proposal has been made to make the balance between mechanical and physical properties equivalent to that of POM molded products.
(Vi) Polypropylene becomes highly rigid when a large amount of an inorganic filler is added (for example, 10 to 45% by weight in talc), and the molding processability is reduced, so that the rigidity is increased and the molding processability is reduced. -It is difficult to make injection molded products of high rigidity, complicated and precise shapes due to the added polypropylene.
(Vii) In molding a polypropylene composite, it is not known how to simultaneously control the mechanical properties and the surface properties. Therefore, it is difficult to control the mechanical properties and the surface properties of the molded article of the polypropylene composite to make the properties suitable for the sliding parts for automobiles.
(Viii) The effect of polypropylene greatly differs depending on the inorganic filler to be added. For example, when talc and calcium carbonate are used in combination, mechanical properties having opposite effects coexist.
[0006]
Therefore, high-performance automobiles from composites using polypropylene matrix material
The present invention was conceived by studying the sliding component in detail by the present inventors.
(1) The present invention relates to an automobile having a composite made of polypropylene as a matrix material, which is lightweight, has physical and mechanical properties as an automobile sliding member, and has a high level of characteristics as a sliding member. It is an object to provide a sliding member.
(2) Another object of the present invention is to provide an automobile sliding member having various physical properties as an automobile sliding member at a level equivalent to or higher than that of a POM component.
(3) It is another object of the present invention to provide an automobile sliding member that can mute or reduce various forms of sliding operation.
(4) Another object of the present invention is to provide an automobile sliding member that promotes recycling, weight reduction of a vehicle body, fuel economy, and cost reduction.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The sliding member for an automobile according to the present invention has a fibrous or powdery filler, an affinity and a matrix.
A composite comprising a dispersed phase having a material having compatibility with a matrix material and a continuous phase of a matrix material of crystalline polypropylene is obtained by injection molding from the composite material by the following reference physical properties (A) to (A). D) is formed into a composite having a sliding member.
Reference physical properties
(A) The density is in the range of 3 to 30% higher than the crystalline polypropylene of the matrix material.
(B) The bending strength is 90 to 140 MPa.
(C) The flexural modulus is 3.0 to 6.0 GPa.
(D) The wear amount (pin-on-disk test method) in the wear test is 0.02 to 0.50 mm.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The sliding member for an automobile of the present invention (hereinafter, may be abbreviated as a sliding member).
Is a composite having a matrix material of crystalline polypropylene as a continuous phase, and the properties of the composite material and injection molding are such that the composite can be provided with reference physical properties, thereby forming the composite. It provides a high level of physical, mechanical, and thermal physical properties and balances the sliding properties.
[0009]
[Composite matrix material]:
Matrix materials have a high level of physical and mechanical properties and are complex and precise.
It is made of crystalline polypropylene having a melt flow rate (according to JIS K7212) that can be injection-molded into various shapes.
The melt flow rate (moldability) of the crystalline polypropylene is 0.1 to 20.
If the melt flow rate is in the range of about 0 g / 10 minutes, injection molding to sliding members (for example, gears, bearings, mechanical parts, etc.) is possible, and 15 g / 10 minutes or less (preferably, (12 g / 10 min or less), a composite having rigidity and impact resistance can be formed. However, if the melt flow rate is, for example, 0.1 g / 10 min or less, it becomes difficult to perform injection molding into a precision shape such as a gear, so that the range exceeding 0.1 g / 10 min is preferable.
[0010]
The composite of the present invention has low density, high moldability and high softening temperature derived from polypropylene.
・ Compatible with a complex and finely shaped sliding member by using crystalline polypropylene, which has properties such as high chemical resistance and gives rigidity and impact resistance to the composite, as a continuous phase. It facilitates preparation of a composite material that gives a composite having physical properties.
The crystallinity of polypropylene is not particularly limited. For example, the crystallinity is about 50 times.
When the crystallinity is higher than the amount (by the density method), the reinforcing effect by the addition of the filler works effectively, and it is easy to provide the composite with the standard physical properties.
[0011]
Generally, highly crystalline polypropylene is polymerized in the presence of a nucleating agent.
Examples of the nucleating agent include inorganic nucleating agents (eg, silica, talc, zeolite, etc.) and organic nucleating agents (eg, organic phosphorus compounds (typically, alkali Metal salts, etc.), dibenzylidene sorbitol compounds, metal benzoate compounds, etc.) and polymeric nucleating agents (for example, poly-3-methyl-1-butene, poly-4-methyl-1-pentene) , Polycyclopentene, polyvinylcyclohexene, etc.).
Crystal nucleating agents include inorganic nucleating agents, organic nucleating agents, and polymer nucleating agents.
One or more of them can be used, and any of them is effective for improving mechanical properties and high resealability. When two or more crystal nucleating agents are used, any two or more of the same or different types of nucleating agents can be used. Even if the content of the nucleating agent is small (for example, 0.01 to 2.6% by weight (based on the weight of the member)), the crystal nucleating agent improves the mechanical properties and high recycling of the member of the present invention.
[0012]
Crystalline polypropylene has high stereoregularity, for example, isotactic pendants.
If the tertiary fraction (isotactic fraction in the pentad unit in the polypropylene molecular chain) is 0.97 or higher, the mechanical properties of the composite of the present invention can be easily improved. .
Crystalline polypropylene may be any of a homopolymer and a copolymer,
It is possible to use a polymerization method, and the copolymer may be any of random copolymerization and block copolymerization. Examples of the comonomer include ethylene, 1-butene, 1-pentene, and 4-methyl- Examples thereof include 1-pentene, 1-hexene, 4-methyl-1,4-hexadiene, pentene, 1-octene, 1-dodecene, 1-hexadecene, and 1-tetradecene.
[0013]
Crystalline polypropylene is compatible with other olefins, especially linear alpha-olefins.
And a block copolymer with a branched alpha-olefin), it is possible to improve the low-temperature impact resistance and abrasion resistance of the composite so as to maximize the effects of the present invention. Become easy.
The crystalline polypropylene homopolymer is used in a small amount (for example, about 0.50 to 7.0
% Of a copolymer component (for example, a linear olefin such as ethylene, 1-butene, 1-pentene, and 1-hexene). When the amount of the crystalline polypropylene (matrix material) in the composite is in the range of 50 to 80% by weight (based on the total weight of the composite), it is easy to impart standard physical properties to the composite.
[0014]
[Complex dispersed phase]:
The dispersed phase is a fibrous or powdery filler (hereinafter referred to as a filler).
) And a material having affinity and compatibility with the matrix material (hereinafter sometimes referred to as a material having affinity and compatibility) as essential components. The disperse phase may be composed of its essential components, but may be constituted so that the essential components of the disperse phase occupy the main quantity and include the third component.
The fact that the essential components of the dispersed phase occupy the quantitative main component means that the essential components of the dispersed phase
Occupies more than 75% by weight (based on the total weight of the components of the dispersed phase) and less than 100% by weight. When the essential component of the dispersed phase is 75% by weight or more, a synergistic effect of the essential component and the third component can be given to the composite by utilizing the characteristics of the essential component.
[0015]
The filler constituting the dispersed phase is formed by the coexistence of the fibrous and powdery fillers.
The fibrous filler is uniformly dispersed in a matrix material with low orientation or non-orientation to facilitate the application of reference physical properties to the composite by synergistic action of both fillers. The body is adapted for a sliding member.
The quantitative ratio of the powdery and fibrous fillers is, for example, 3 to 55 parts by weight (powder-like filler).
By providing (filler amount) / 100 parts by weight (fibrous filler amount), synergistic reinforcing action is exerted between the two fillers, thereby making it possible to easily and at a high level impart reference physical properties to the composite.
The quantitative ratio between the material having affinity and compatibility and the filler is, for example, 5 to 60% by weight.
Parts (amount of compatible and compatible materials) / 100 parts by weight (total amount of fibrous and powdery fillers), thereby increasing the bonding strength at the interface between the fillers and the matrix material. The effect of imparting reference physical properties to the body increases.
If the amount of the material having affinity and compatibility is less than 5 parts by weight, the strength of the sliding member is low.
If the sliding member has a tendency to become worn, and if it exceeds 60 parts by weight, the material cost increases, and it becomes difficult to utilize the technical value to the sliding member as an industrial product. The filler and the affinity / compatible material, for example, occupy the composite in a total amount of 20 to 45% by weight (based on the total weight of the composite), so that the reference physical properties can be easily imparted to the composite. Thus, it is easy to enjoy the effects of the present invention for the composite. When the content is 20% by weight or less, the mechanical properties of the sliding member tend to be low, and when the content is 45% by weight or more, the sliding member tends to have high rigidity and become brittle.
[0016]
The quantitative ratio of the filler to the matrix material is 10 to 55 parts by weight (fibrous and powdery).
When the density of the composite is in the range of 3 to 30% higher than the crystalline polypropylene of the matrix material, the total amount of the body-shaped filler) / 100 parts by weight (matrix material) , And it is easy to impart high mechanical properties and high wear resistance to the composite.
If the total amount of the fibrous and powder fillers is less than 10 parts by weight, the force of the sliding member
If the mechanical properties are low, and if it exceeds 55 parts by weight, the sliding member becomes brittle and the fluidity during injection molding decreases.
The types, shapes, sizes, amounts and combinations of fibrous and powdery fillers are
Any value can be used as long as the reference physical properties can be imparted to the composite.
[0017]
<Fibrous filler〉 :
The fibrous filler is an inorganic or metallic fibrous filler.
, May be used in combination. As the inorganic fibrous filler, for example, glass fiber, ceramic fiber, rock fiber, inorganic whisker and the like can be used, and the glass fiber is a short fiber, a long fiber or a fine fiber (also referred to as a micro fiber). Can be used.
[0018]
Glass fibers are not restricted by components other than silicates,
Any glass fiber containing no potassium may be used. However, when the glass fiber is a short fiber or a fine glass fiber, the reference physical properties to the composite are easy, and it is easy to impart a high level of mechanical properties to the composite.
[0019]
Ceramic fibers include, for example, carbon fibers, boron fibers, boron carbide fibers, and carbonized fibers.
Silicon fiber, titanium oxide fiber, silica alumina fiber, silicon nitride fiber, magnesia fiber, silica fiber, boron nitride fiber, alumina fiber, beryllium oxide fiber, tungsten fiber, tungsten carbide fiber, zirconium oxide fiber, etc. is there. The ceramic fibers are preferably short fibers or fine glass fibers.
[0020]
A whisker is a single crystal fiber also called a whisker.
Can use inorganic whiskers. Examples of the inorganic whiskers include carbon whiskers, boron whiskers, boron carbide whiskers, alumina whiskers, silicon carbide whiskers, and silicon nitride whiskers. The metallic fibrous filler is, for example, a metallic whisker such as an alumina whisker.
The fibrous filler is capable of forming a composite into physical properties including reference physical properties.
For example, the type and size are arbitrary, and it is easy to maximize the effects of the present invention when glass fibers are short fibers and / or fine fibers.
[0021]
<Powder filler〉 :
The powdery filler is typically a powdery filler of an inorganic compound.
Powdered fillers other than inorganic compounds may be used as long as the reference physical properties can be imparted to the union. The powdery filler may be of a single type or a plurality of types, and in the case of a plurality of types, the physical properties of the composite can be variously controlled.
Powdery fillers include, for example, (1) clay, talc, kaolin, feldspar, quartz, etc.
Powder filler of natural minerals, (2) powder filler of calcium compounds such as calcium carbonate, complex carbonate of calcium and magnesium, calcium silicate, calcium sulfate, etc., (3) magnesium carbonate, magnesium oxide , A powdery filler of a magnesium compound such as magnesium hydroxide, (4) a powdery filler of an aluminum silicate compound, (5) a powdery filler of a mica compound, (6) silicon carbide, alpha type carbonization. Powder filler of a silicon carbide compound such as silicon, (7) powder filler of a silicon nitride compound, (8) powder filler of zirconia, zirconium silicate, zirconium oxide, (9) tungsten compound. Powdery filler, (10) powdery filler of titanate compound such as barium titanate, potassium titanate, etc., (11) titanic acid Powdery filler of a titanate compound such as lium or potassium titanate; (11) powdery filler of a boron compound such as boron nitride or boron carbide; (12) powdery filler of a barium carbonate compound; 13) Powder filler of an alumina compound such as alumina and nitrided alumina, (14) powder filler of a titanium compound, (15) powder filler of a zircon compound such as zircon and zirconite, and (16) niobium A powdery filler of a compound; and (17) a powdery filler of a tantalum compound such as tantalum nitride.
[0022]
The powdery filler has a fine size (for example, an average particle size of 0.01 to 10 micron).
, Preferably 0.1 to 1.0 micron), the reinforcing effect and the synergistic effect on the fibrous filler are increased, the effect of imparting the reference physical properties to the composite is increased, and the Imparts mechanical properties to the composite.
[0023]
<Materials with affinity and compatibility〉 :
The material having affinity and compatibility is the affinity of the interface between the matrix material and the filler (
This is a material that improves adhesion and firmly bonds and bonds the filler to the matrix material.
Materials having affinity and compatibility include, for example, HO-, O2N-, H
2極性 A polar group such as N- or HOOC- is a material originally provided or added as a molecular structure, and has a function of being integrated with crystalline polypropylene by hot-melt kneading during compounding. The “compatibility” of the present invention means that the integrated state by hot-melt kneading and cooling can be visually observed.
[0024]
Materials with affinity and compatibility are typically compatible with crystalline polypropylene.
A certain polymer material may be a material (eg, a compound) other than the polymer as long as it is compatible. Materials having affinity and compatibility include, for example, polyethylene, ethylene-vinyl acetate copolymer, ethylene-propylene copolymer, polyethylene-acrylic copolymer and the like, ethylene-based resin having a polar group added thereto, polypropylene, polypropylene It is composed of one or more kinds of propylene-based resins in which a polar group is added to a copolymer or the like. The polar group can be imparted to the ethylene-based resin and the propylene-based resin by any method, and industrially, for example, there is introduction of a polar group by copolymerization of maleic anhydride.
[0025]
<Other composite materials〉 :
The composite may be provided, if necessary, with reinforcing plastic materials, lubricants and general plastics.
It is structured to contain one or more kinds of stick compounding agents.
Reinforcement plastic materials are compounded, for example, to reduce wear and improve impact resistance
And polyolefin-based thermoplastic elastomers (eg, ethylene propylene rubber). When the crystalline polypropylene of the matrix material is a homopolymer, the ethylene-propylene rubber facilitates the reinforcement of the composite and the provision of the standard physical properties. The reinforcing plastic material may contain a thermoplastic elastomer other than the polyolefin-based thermoplastic elastomer. When the polyolefin-based thermoplastic elastomer is, for example, 3 to 13% by weight (based on the weight of the composite), the effect of reducing the abrasion of the composite and improving the impact resistance increases.
[0026]
Lubricants require a reduction in the coefficient of friction of the composite surface structure depending on the application of the sliding member.
And the kind and amount that maintain the reference physical properties are blended. The compounding amount of the lubricant is, for example, 0.01 to 5.00% by weight (based on the weight of the composite). The lubricating agent may be a known or newly synthesized one.
It is also possible to use several or more types (however, the same type or different types of plural types may be used). As the wetting agent, compounds such as aliphatic hydrocarbons, higher fatty acids, higher aliphatic alcohols, metal soaps, higher fatty acid esters, etc. are generally used, and if they can be blended, a solid wetting agent is used. It is possible.
[0027]
Lubricants include, for example, aliphatic hydrocarbons (paraffins, waxes, etc.),
Fatty acids (higher fatty acids having 16 or more carbon atoms), higher fatty acid esters (such as stearamide, butyl stearate, monoglyceride stearate, and pentaerythritol tetrastearate), and higher fatty alcohols (such as montan wax) And metal soaps (barium stearate, calcium stearate, zinc stearate, aluminum stearate, magnesium stearate, etc.). Examples of the solid lubricant include an ethylene-based lubricating resin (eg, polytetrafluoroethylene), polyamide, and polyimide. Examples of the layered inorganic material include graphite and molybdenum disulfide.
Plastic compounding agents include, for example, antioxidants, light stabilizers, ultraviolet absorbers, heat stabilizers.
A fixing agent, a flame retardant, an antistatic agent, a bactericidal and fungicide and the like are generally used.
[0028]
[Complex formation]:
The composite material prepared to give the standard physical properties to the composite is pressurized by injection molding.
In the process, a process such as hot-melt kneading, flow, shaping, cooling, etc., is performed to form a composite sliding member.
Generally, the composite material is supplied as a mixture to injection molding means.
The form of the compound is arbitrary. The crystalline polypropylene is conveniently supplied to the injection molding means in the form of a polymer blend with, for example, a material having affinity and compatibility, a material having rubber elasticity, or both. The pressure in the injection molding is, for example, 400 to 1200 kg / cm.2In some cases, it is easy to impart the standard physical properties to the composite and to impart the physical, mechanical, and thermal properties with excellent balance to the composite. The injection molding means is arbitrary in terms of the type and operation of the apparatus, as long as it can impart reference physical properties to the composite.
[0029]
[Reference physical properties and composites]:
In the present invention, the reference physical properties (density, flexural strength, flexural modulus, wear amount in abrasion test)
A composite (sliding member) is formed by a composite material and an injection molding condition that enable the formation of a composite having the composite, thereby controlling a number of factors related to the structure and physical properties of the composite to form a composite. The body (sliding member) has a balance of physical, mechanical, and thermal properties, and also has high-level sliding properties (abrasion resistance, sliding properties, etc.) and mechanical properties. Have been stuffed.
The basic physical properties are that the density (g / cm3) is higher than that of crystalline polypropylene as the matrix material.
The flexural strength (MPa, N / mm2: 90 to 140 MPa according to JIS K7171 and flexural modulus (MPa, N-mm)2: JISK7203) is 3.0 to 6.0 GPa, and the wear amount (mm: pin-on-disk test method) of the wear test is 0.02 to 0.50 mm.
If the composite is out of the specific numerical range of the reference physical properties, physical properties and mechanical properties
The fact that the balance between physical and thermal properties and the sliding properties are reduced is a fact found in the present invention.
[0030]
The range where the density is larger than the crystalline polypropylene of the matrix material is less than 3.
Then, the amount of the filler is too small, and if the large range exceeds 30%, the amount of the filler is excessive. If the bending strength is less than 90 MPa, the strength is low, and if it exceeds 140 MPa, the flowability is reduced or the cost is increased due to an excessive amount of filler. If the flexural modulus is less than 3.0 MPa, a problem of creep occurs and the heat resistance becomes low. If it exceeds 6.0 GPa, the brittleness becomes high and the aggressiveness to the counterpart material becomes high. On the other hand, if the wear amount in the abrasion test exceeds 0.50 mm, the suitability as a sliding member decreases, and if it is less than 0.02 mm, the mating material is easily worn.
[0031]
And, by the composite having the reference physical properties, the following related to the sliding member
Physical properties tend to be suitable for sliding members. (1) Physical properties such as density, specific gravity and hardness (scratch hardness, rebound hardness, indentation hardness, durometer hardness, Rockwell hardness, Parker hardness, etc.), (2) tensile Strength and tensile strain (stress and strain with respect to tensile load: JIS K7113), tensile modulus (JIS K7161), rigidity, bending strength (JIS K7171), flexural modulus (JIS K7203), impact test (Izod impact test, Charpy impact test) , Tinstat impact test, etc.), mechanical properties such as creep destruction (JISK7115) and stress relaxation (3) Wear characteristics such as static wear and dynamic wear, (4) Thermal conductivity, heat deformation (load deflection) Temperature, bee-cut softening temperature, etc.), thermal deflection temperature under load (JIS K7203), thermal properties such as bee-cut softening temperature (JIS K7206).
[0032]
The wear test is based on the pin-on-disk test method.
A stick bar (diameter 5 mm, length 12 mm) is set upright on a metal disk (material: stainless steel) and brought into contact with the metal disk surface at a surface pressure of 3 MPa. It is the amount of wear (mm) measured after 20 hours of rotation at sec.
[0033]
[Sliding member]:
The sliding member which is the object of the present invention, when operated, includes other members (including the sliding member).
), Which are gears, bearings, mechanical parts, and the like, and there are no particular restrictions on the type and form of the sliding member. The sliding member may function independently, or may function as a component.
Gears include, for example, small gears, large gears, small gears, drive gears, driven gears, intermediate gears,
Sun gear, internal gear, planetary gear, spur gear, external gear, bevel gear, right helix gear, left helix gear, helical gear, spiral bevel gear, helical gear, parallel shaft gear, parallel shaft Helical gear, face gear, cylindrical gear, cylindrical pin gear, cylindrical pin gear, cylindrical pin small gear, cylindrical pin large gear, bevel gear, worm gear, hourglass worm gear, worm wheel, hourglass Worm wheels, hypoid gears, racks, helical racks, cycloid gears, cylindrical pin small gears, cylindrical pin large gears, involute bevel gears, involute spur gears, involute cylindrical gears, involute cylinders It can be a spur gear, screw gear, octoid gear, speed increasing gear, reduction gear, partial gear, screw gear, and the like.
[0034]
Bearings support the function and load of sliding motion and rolling motion of parts that move relative to each other
It has a function, for example, rolling bearings, single shaft bearings, free shaft bearings, multi-row bearings, full rolling element bearings, angular contact bearings, centering bearings, non-centering bearings, separate bearings, non-separable types It can be a bearing, split bearing, open bearing, seal bearing, shield bearing, gap bearing, miniature bearing, compatible bearing, incompatible bearing, radial bearing, thrust bearing, linear bearing, etc.
[0035]
Mechanical parts include, for example, a carrier plate, a bush, a wire guide, and a wire.
It can be a drum, a seat belt anchor, a sun visor, a pig pig clip, a door wheel, a door lock actuator gear, a wiper motor gear and other mechanical parts.
[0036]
In the present invention, the purpose of the present invention is met, and the effects of the present invention are
Unless otherwise hindered, modifications or partial changes and additions are optional and all fall within the scope of the present invention.
Next, the present invention will be described specifically based on examples.
It is not binding on the invention.
[0037]
【Example】
<Example 1
Homopolymer of high crystalline polypropylene for injection molding (Melt Flowrate 10)
1313 g / 10 min), short glass fiber, fine calcium carbonate powder, fine talc powder, maleic anhydride-modified polypropylene and ethylene-propylene rubber were used as composite materials, and a composite experiment by injection molding was carried out in advance by changing the composition ratio. Thus, data on the range of the composition ratio of the composite material effective for imparting the standard physical properties to the composite was obtained.
Next, based on the data, a composite material effective for imparting the reference physical properties to the composite is provided.
Thus, a composite material having the composition shown in Table 1 was prepared. A composite was molded from the composite material of Table 1 by injection molding. Injection molding, cylinder temperature 210 ° C, mold temperature 80 ° C, injection pressure 600kg / cm2I went in. Table 2 shows the measurement results of the physical properties of the formed composite.
[0038]
[Table 1]
Figure 2004115624
[0039]
[Table 2]
Figure 2004115624
[0040]
The fracture load test of the gear6負荷 Measure the load that breaks due to rotation. gear
The wear height test was performed by applying a load of 15 MPa to the gears.6Measures the height of wear due to rotation. In the gear squeal load test, the gear was rotated at 200 rpm and a load was applied up to 50 MPa to determine the presence or absence of squeal. The friction coefficient of the bearing is determined by the pin-on-disk test method.
[0041]
<Example 2
The homopolymer of the highly crystalline polypropylene in Table 1 was converted to a highly crystalline polypropylene block.
A composite material having a composition replacing the copolymer was prepared. Table 3 shows the composition of the composite material where the matrix material is a highly crystalline polypropylene block copolymer. Next, injection molding was performed in the same manner as in Example 1 using the composite material having the composition shown in Table 3 to obtain a composite.
A coalescence was formed. Table 4 shows the measurement results of the physical properties of the formed composite.
[0042]
[Table 3]
Figure 2004115624
[0043]
[Table 4]
Figure 2004115624
[0044]
<Example 3
A composite material having the composition shown in Table 5 was prepared by changing the composition shown in Table 1. Next, the composition of Table 5
Injection molding was performed using the composite material in the same manner as in Example 1 to form a composite. Table 6 shows the measurement results of the physical properties of the formed composite.
[0045]
[Table 5]
Figure 2004115624
[0046]
[Table 6]
Figure 2004115624
[0047]
<Example 4
A composite material having the composition shown in Table 7 was prepared by changing the composition shown in Table 1. Next, the composition of Table 7
Using the composite material, injection molding was performed in the same manner as in Example 1 to form a composite. Table 8 shows the measurement results of the physical properties of the formed composite.
[0048]
[Table 7]
Figure 2004115624
[0049]
[Table 8]
Figure 2004115624
[0050]
<Comparative Example 1
Table 9 shows the physical properties of molded products for sliding parts using POM as a resin raw material.
[0051]
[Table 9]
Figure 2004115624
[0052]
According to Table 9, the characteristics of the gears and bearings in terms of fracture, wear,
It is lower than the results of Examples 1 to 3.
[0053]
<Comparative Example 2
Physical properties of molded parts for sliding parts made from POM containing 30% by weight of short glass fiber
It is shown in Table 10. According to Table 10, the characteristics relating to the conditions of occurrence of breakage, wear, and squeal in the gears and the bearings are lower than the results of Examples 1 to 3.
[0054]
[Table 10]
Figure 2004115624
[0055]
<Comparative Example 3
Shaped parts for sliding parts molded from nylon 6,6 containing 30% by weight of glass short fibers
Table 11 shows the physical properties of the product. According to Table 11, the characteristics of the gears and bearings relating to the conditions of occurrence of breakage, wear, and squeal are considerably lower than the results of Examples 1 to 3.
[0056]
[Table 11]
Figure 2004115624
[0057]
【The invention's effect】
According to the sliding member for an automobile of the present invention, various types represented by the following (a) to (d) are provided.
The effect is obtained.
(A) It is possible to obtain an automobile sliding member made of a composite using a crystalline polypropylene as a matrix material and having various physical properties required for the sliding member in a high-level balance.
(B) It is possible to obtain an automobile sliding member made of a composite using a crystalline polypropylene as a matrix material and having various physical properties required for the automobile sliding member at a level equivalent to or higher than that of a POM component.
(C) An automobile sliding member made of a composite containing a crystalline polypropylene as a matrix material, which enables the sliding member of the automobile to silence or reduce various forms of sliding operation.
(D) It is possible to obtain a sliding member of an automobile made of a composite using a crystalline polypropylene as a matrix material, which further promotes recycling, weight reduction, fuel economy, and cost reduction of a vehicle body.

Claims (3)

繊維状と粉体状のフィラ−及び親和性とマトリックス材への相溶性を有する材
料を有してなる分散相と結晶性ポリプロピレンのマトリックス材の連続相とからなる複合体が、その複合体材料から射出成形によって下記の基準物性(A)〜(D)を有する複合体に形成されて摺動部材化されていること、を特徴とする自動車用摺動部材。
基準物性
(A)密度がマトリックス材の結晶性ポリプロピレンよりも3〜30%大きい範囲である。
(B)曲げ強度が90〜140MPaである。
(C)曲げ弾性率が3.0〜6.0GPaである。
(D)摩耗試験の摩耗量(ピンオンディスク試験法による)が0.02〜0.50mmである。
A composite material comprising a fibrous and powdery filler and a dispersed phase having a material having affinity and compatibility with a matrix material and a continuous phase of a matrix material of crystalline polypropylene is the composite material. , Formed into a composite having the following reference physical properties (A) to (D) by injection molding to form a sliding member.
The reference physical property (A) density is in a range of 3 to 30% larger than the crystalline polypropylene of the matrix material.
(B) The bending strength is 90 to 140 MPa.
(C) The flexural modulus is 3.0 to 6.0 GPa.
(D) The wear amount of the wear test (based on the pin-on-disk test method) is 0.02 to 0.50 mm.
繊維状と粉体状のフィラ−及び親和性とマトリックス材への相溶性を有する材
料を有してなる分散相と結晶性ポリプロピレンのマトリックス材の連続相とからなる複合体が、下記の量的比率(a)及び(b)の複合体材料から射出成形によって下記の基準物性(A)〜(D)を有する複合体に形成されて摺動部材化されていること、を特徴とする自動車用摺動部材。
量的比率
(a)繊維状と粉体状のフィラ−と該マトリックス材とが、10〜55重量部(フィラ−合計量)/100重量部(マトリックス材量)の比率からなる。
(b)親和性とマトリックス材への相溶性とを有する材料とフィラ−とが、5〜60重量部(親和性を有してマトリックス材に相溶性のある材料の量)/100重量部(繊維状及び粉体状のフィラ−の合計量)の比率からなる。
基準物性
(A)密度がマトリックス材の結晶性ポリプロピレンよりも3〜30%大きい範囲である。
(B)曲げ強度が90〜140MPaである。
(C)曲げ弾性率が3.0〜6.0GPaである。
(D)摩耗試験の摩耗量(ピンオンディスク試験法)が0.02〜0.50mmである。
A composite comprising a fibrous and powdery filler and a dispersed phase having a material having affinity and compatibility with a matrix material and a continuous phase of a crystalline polypropylene matrix material is formed by the following quantitative method. A composite material having the following reference physical properties (A) to (D) formed by injection molding from the composite material having the ratios (a) and (b), and formed into a sliding member. Sliding member.
Quantitative ratio (a) The fibrous / powder filler and the matrix material have a ratio of 10 to 55 parts by weight (total amount of filler) / 100 parts by weight (matrix material amount).
(B) 5 to 60 parts by weight of the material having affinity and compatibility with the matrix material and the filler (amount of the material having affinity and compatibility with the matrix material) / 100 parts by weight ( (Total amount of fibrous and powdery fillers).
The reference physical property (A) density is in a range of 3 to 30% larger than the crystalline polypropylene of the matrix material.
(B) The bending strength is 90 to 140 MPa.
(C) The flexural modulus is 3.0 to 6.0 GPa.
(D) The wear amount (pin-on-disk test method) in the wear test is 0.02 to 0.50 mm.
下記(1)〜(3)の特徴の一つ若しくは複数を有する請求項1若しくは2の
いずれかに記載の自動車用摺動部材。
(1)前記分散相は、潤滑材を含んで構成されている。
(2)前記分散相は、エチレン系潤滑剤を含んで構成されている。
(3)前記自動車用摺動部材は、歯車、軸受及び機構部品からなる。
3. The sliding member for an automobile according to claim 1, which has one or more of the following features (1) to (3).
(1) The dispersed phase includes a lubricant.
(2) The dispersed phase includes an ethylene-based lubricant.
(3) The sliding member for an automobile includes gears, bearings, and mechanical parts.
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