JP2004114986A - 車両用シートの着座判別方法および着座判別装置 - Google Patents

車両用シートの着座判別方法および着座判別装置 Download PDF

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Abstract

【目的】高い判別精度、および高い信頼性を得ることによって、より高い安全保護性能を確保可能とする。
【構成】着座判別装置10が、荷重検出部14−#1〜14−#4をシートの平面略四隅付近にそれぞれ配してなる歪み検出式荷重センサ16と、アンテナ電極18−#1〜18−#6を負荷検出部としてシートクッション着座面に等間隔おきに内設してなる電界検出式着座センサ20と、各センサの信号処理部、および制御部を兼ねる情報処理手段22とを備えている。そして、これら荷重センサ16、および着座センサ20からの各種情報に基づいて、その入力荷重の重心位置、およびその負荷の作用位置をそれぞれ特定化し、この特定化された各位置をもとに選択した補正係数により、そのときの入力荷重から着座乗員の体重を推定するとともに、この推定体重から、子供であるか大人であるかの種別を行う。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、特に、シートに着座した乗員の種別を判別する車両用シートの着座判別方法、およびその着座判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の乗員保護装置であるエアバッグは、その高い保護性能から、今や運転席のみならず助手席やリヤシート等にも標準的に装備されつつある。
【0003】
ここで、従来の一般的なエアバッグは、特定以上の衝撃を検出したときに一定の展開形状(最大膨張形状)まで瞬時に展開(膨出)されるものであったため、たとえば、助手席等への子供(一般には、1〜6歳の幼児を子供と称する。)の着座時やエアバッグ展開エリア内への乗員人体の侵入時等においては、エアバッグの膨出力が過度の衝撃として着座乗員に付勢されることに起因する、その加害性も指摘されていた。
【0004】
そこで、着座乗員の種別、つまり大人の着座か子供の着座かを判別し、その判別結果に応じてエアバッグの展開/非展開を切り換える制御手法や、エアバッグの展開時、膨張内圧を調整することでその膨張速度を制御したりその膨張展開を2段階等の多段階としたりする制御手法等による加害性対策が、近年のエアバッグに対してなされつつある。
【0005】
なお、着座乗員の種別判別は、通常、シートへの入力荷重をもとに行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、車両用シートへの子供の着座にあたっては、チャイルドシートの使用が義務付けられているものの、チャイルドシートを用いることなくシートに直接座る、あるいは別体のクッション等を介して座る等の、チャイルドシートを利用しない着座態様も十分にあり得ることから、これらの不確定要素による荷重の増減を考慮した上での子供判別が、種別判別を正確に行う上で必要となってくる。
【0007】
また、大人の着座の場合、シートクッション上の尻部位置が同じであっても、そのときの着座態様、つまり通常通りに座る、足を床体から離す、前のめりに座る、あるいはアームレストやドア等にもたれ掛かる等によって、シートに作用する荷重は大きく変動する。特に、シートクッションの前端部に座り、足元に多くの体重を掛けるような座り方であれば、足元から床体に逃げる荷重、いわゆる逃避荷重が多くなり、シートヘの入力荷重が大きく減少することが起り得る。
【0008】
つまり、大人か子供かを判別する場合、大人着座時の減少荷重や子供着座時の増加荷重等を考慮した上での種別判別が必要となるが、これら不確定要素による荷重増減をシートへの入力荷重のみで単純に判別することは容易でない。
【0009】
そこで、たとえば、特開2001−180354号公報に開示のような、シートクッションの着座面に配した複数のセルからの圧力信号を検出し、その圧力信号に基づいて入力荷重、および着座位置等を識別判断することにより、その着座乗員が大人であるか子供であるか等を判別する構成が知られている。
【0010】
この種の構成においては、セルの総圧力によって入力荷重が検出されるとともに、そのセルのオン数によって、着座乗員の種別判別が行われる。そして、オンセルの位置をテンプレートと照合することによって、その乗員の着座位置、あるいはチャイルドシートの有無等が検出可能となっている。
【0011】
しかしながら、このようなセルは、通常、所定間隔を空けて等間隔に配置されるものであるため、着座位置の特定精度に劣ることは避けられない。そして、このようなセルにおいては、シートに作用する全荷重を受動することは困難であり、ましてや床体等への逃避荷重を検出することも困難であるため、その検出精度も低下しやすい。
【0012】
また、この前出の特開2001−180354号公報においては、オンセルのパターンによってチャイルドシートの有無や大人の前座り等を検出、識別するものとして具体化されている。しかし、チャイルドシートを後ろ向きに装着させた場合、その荷重分布は大人の前座りに似たものとなることから、この公知の構成における判別精度は、この点においても低下しやすい。
【0013】
さらに、この構成におけるチャイルドシートの検出は、チャイルドシートの底面形状による特有パターンを読むことによって行われる。つまり、チャイルドシートの有無の識別は、チャイルドシートの底面形状に依存することになるため、その信頼性の低下も伴いやすい。
【0014】
この発明は、高い判別精度、および高い信頼性を得ることによって、より高い安全保護性能を確保可能とした車両用シートの着座判別方法および着座判別装置の提供を目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、この発明の請求項1に係る車両用シートの着座判別方法においては、荷重閾値群の、少なくとも子供の規格体重に所定の増加想定分を加えた子供荷重増加分の上限値である子供確定上限値と、大人の規格体重の下限値として設定された大人確定下限値との間が、不確定ゾーンとして予め規定されるとともに、この子供確定上限値と、大人の規格体重からの逃避荷重を考慮した大人荷重減少分の下限値との間の値として、大人の着座を判別する大人判別ゾーン、および子供の着座を判別する子供判別ゾーンの区分点となる基準閾値が設定されている。
【0016】
そして、荷重センサによるシートの平面略四隅付近での各検出荷重の総和を、シート上の負荷による入力荷重として荷重閾値群と比較し、この入力荷重が不確定ゾーンに属するものと判断されたとき、各検出荷重に基づいて特定化されたその負荷の重心位置と、着座センサをなす、シートクッション着座面に内設された複数のアンテナ電極毎の負荷検出値に基づいて特定化された、着座面上におけるその負荷の作用位置とをもとにして、対応する補正係数を選択し、この補正係数を入力荷重に加味することにより、シート上の負荷となるその着座乗員の体重を推定するとともに、この推定体重を荷重閾値群の基準閾値と比較することによって、子供であるか大人であるかの、その着座乗員の種別を判別するものとなっている。
【0017】
また、この発明の請求項2においては、入力荷重の重心位置、およびその負荷の作用位置を所定のエリアとして特定化し、所定の補正係数表に対するこの各特定エリアとの照合により、この補正係数表から対応する補正係数を選択するものとしている。
【0018】
さらに、この発明の請求項3においては、シートの左右方向に延びる略帯状のアンテナ電極を、シートクッション着座面に等間隔おきに内設し、アンテナ電極のある部分負荷検出値を、アンテナ電極毎の負荷検出値として検出、認識するとともに、前後アンテナ電極間の空隙部の負荷検出値を、その前後のアンテナ電極での負荷検出値の平均値として捉えるものとしている。
【0019】
また、この発明の請求項4に係る車両用シートの着座判別装置においては、長手形状の起歪部材、および歪みゲージの組み合わせを、荷重検出部としてシートの平面略四隅付近にそれぞれ配してなる歪み検出式荷重センサと、シートクッションの左右方向に延びる略帯状の複数のアンテナ電極を、負荷検出部としてシートクッション着座面に等間隔おきに内設してなる電界検出式着座センサとを備えるとともに、各荷重検出部からの検出変動値を適宜処理して荷重検出部毎の検出荷重を算出する歪み検出式荷重センサの信号処理部、および各アンテナ電極からの検出変動値を適宜処理してアンテナ電極毎の負荷検出値を算出する電界検出式着座センサの信号処理部、ならびにこれら各センサでの検出動作を適宜制御する各センサの制御部を、いずれも兼ね、その処理結果としての対応出力を、さらなる処理を経た上で所定の出力端末に適宜出力可能とする情報処理手段を、この着座判別装置はさらに備えている。
【0020】
この着座判別装置においては、荷重センサの各荷重検出部での検出荷重の総和が、シート上に作用した負荷の入力荷重として認識され、各荷重検出部での検出荷重をもとにしたその荷重分布に基づいて、その負荷の重心位置が特定化されるとともに、着座センサの各アンテナ電極での負荷検出値をもとにしたその負荷作用分布に基づいて、その負荷の作用位置が特定化される。
【0021】
そして、入力荷重が、情報処理手段に予め設定された荷重閾値群の、少なくとも子供の規格体重に所定の増加想定分を加えた子供荷重増加分の上限値である子供確定上限値と、大人の規格体重の下限値として設定された大人確定下限値との間に規定した不確定ゾーンに属するものと判断されたとき、特定化された重心位置、および作用位置をもとに選択した補正係数により、そのときの入力荷重から、シート上の負荷であるその着座乗員の体重を推定し、この推定体重を、大人の着座を判別する大人判別ゾーン、および子供の着座を判別する子供判別ゾーンの区分点となる基準閾値と比較することによって、子供であるか大人であるかの、その着座乗員の種別を判別するものとして、この着座判別装置は構成されている。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0023】
図1、図2に示すように、この発明に係る車両用シートの着座判別装置10は、シート12の平面略四隅付近に荷重検出部14−#1〜14−#4をそれぞれ配してなる歪み検出式荷重センサ16と、複数のアンテナ電極18−#1〜18−#6をシートクッション17の着座面に負荷検出部として等間隔おきに配してなる電界検出式着座センサ20と、この歪み検出式荷重センサ、および電界検出式着座センサの各信号処理部、ならびにこれら各センサの制御部をいずれも兼ねる情報処理手段22とを備えている。
【0024】
そして、荷重センサ(歪み検出式荷重センサ)16からの荷重情報、および着座センサ(電界検出式着座センサ)20からの着座情報に基づく情報処理手段22での処理のもとで、少なくとも着座乗員の種別判別、つまり大人であるか子供であるかの判別を行うとともに、その判別結果に基づいて、たとえばエアバッグ24に対する展開制御、つまりは展開、非展開の切換制御を行うものとして、この発明の着座判別装置10は構成されている。
【0025】
図2を見るとわかるように、エアバッグ24は、通常、その収縮状態で小さく折り畳まれ、助手席としてなるシート12の前方配置部材、たとえば助手席前方のインパネ26に、起動装置となるガス発生/点火手段28との組み合わせによりなるエアバッグユニット30として内設されている。そして、このガス発生/点火手段28が、車体への衝撃の入力を検出する衝撃センサ(図示しない)を有した、たとえばSRSユニット32に接続され、このSRSユニットによるガス発生/点火手段の起動制御のもとでその膨張展開(膨出)をはかるものとして、このエアバッグ24は構成されている。
【0026】
なお、このようなエアバッグ24、およびエアバッグユニット30の基本構成は公知であり、この基本構成自体、およびエアバッグの動作自体はこの発明の趣旨でないため、これらに対する詳細な説明はここでは省略する。
【0027】
ここで、この実施の形態におけるシート12は、たとえば、シートスライド装置をシート、つまりはシートクッション17の下部に備えた、いわゆるスライドシートとして形成されている。
【0028】
なお、この種のシートスライド装置の基本構成は公知であり、それ自体はこの発明の趣旨でないため、この基本構成、およびその動作に対する詳細な説明はここでは省略するが、図3に示すように、このスライドシートに用いられるシートスライド装置36においては、床体38に固定的に連結、支持されるロアレール40に対し、シート側のアッパレール42が、スチールボール44、およびローラ46等の転動子を介してその長手方向にスライド可能に組み付けられている。
【0029】
そして、図4を見るとわかるように、この発明においては、荷重センサの荷重検出部14−#1〜14−#4が、シート12、ひいてはシートクッション17の平面略四隅付近にそれぞれ配置されるとともに、この実施の形態においては、その各荷重検出部が、図3に示すような、起歪部材48と歪みゲージ50との組み合わせとしていずれも形成されている。
【0030】
なお、この発明においては、シートクッション17に伴った荷重検出部14−#1〜14−#4の一体移動が要求されることから、各荷重検出部は、シートクッションに一体的に設けられる部材、たとえばシートスライド装置のアッパレール42に対し、その一体移動を可能に取り付けられている(図3参照)。
【0031】
図3は、荷重センサの荷重検出部14−#1を例示したものである。この図3を見るとわかるように、起歪部材48は、入力荷重に応じた歪曲を繰り返し可能とする、たとえばばね鋼材等のような、復元力を持った可歪性素材からなる長手形状体として概略形成されており、図3(B)に示すように、その長手方向での中間領域に、肉薄部としてなる易歪部48aが規定、形成されている。
【0032】
そして、この易歪部48aを挟んだ、起歪部材48の一方の端部(図中左端部)48bは、シート側部材、たとえばシートクッション17の載置、固定される固定部として規定され、たとえば、所定厚のスペーサプレート52をその上面に一体的に介在させることにより、他方の端部48cに対する固定部の高段化がはかられている。
【0033】
なお、図3(A)に示す参照符号54は、シートクッション17のベース部材となるシートクッションフレーム(パンフレーム)であり、このパンフレーム上にシートパッドを配し、これら全体をトリムカバーで被装することによって、図2に示すようなシートクッションは形成される。そして、図3を見るとわかるように、パンフレーム(シートクッションフレーム)54の左右端部に一体的に設けられたブラケット56を介して、シートクッション17を起歪部材の固定部(一端部)48bのスペーサプレート52上に載置し、これらを前後2組の固定ピン、たとえばカシメピン58で締結、共締めすることによって、これらは一体的に固定される。
【0034】
また、この起歪部材の他端部48cは、床体側部材、たとえばシートスライド装置36に対して枢支される枢支部として規定され、たとえば、その短手方向での枢軸60の貫通により、アッパレール上の取付ブラケット62に回動自在に連結、支持されている。
【0035】
図3(A)に示すように、この実施の形態においては、シートスライド装置のアッパレール42が、取付ブラケット62のための載置片42aをその上端に有して形成され、上面の開口された略コ字形状の正面形状を持ったレール状体としてなるこの取付ブラケットが、この載置片に載置されて前後複数組の固定ピン、たとえばカシメピン64により一体的に締結、固定されている。
【0036】
そして、この取付ブラケット62に対し、起歪部材48は、その開口内に内在され、取付ブラケットの対向側壁62a間に離脱不能に架設された枢軸60、たとえばボルトによって、起歪部材の枢支部(他端部)48cの枢支はなされている。
【0037】
なお、図3(A)に示す参照符号66は、対向縦壁62aの挿通孔(図示しない)に嵌着した一対のブッシュであり、このブッシュ内への挿通を経て、ボルト(枢軸)60は対向側壁間に架設、支持される。また、このブッシュ66はスペーサを兼ねており、このブッシュによる左右端支持により、取付ブラケット62に対する起歪部材48の左右位置が規定されている。
【0038】
このような構成においては、シート12が、起歪部材48を介して取付ブラケット62に連結、支持されることになる。そして、シート12からの荷重がこの起歪部材48に入力すると、固定部48bがその荷重のもとでほぼ平行に下降(昇降)しようとするのに対し、枢支部48cは枢軸60を支点として上下方向に回動しようとするため、その移動軌跡のずれが歪みとなってその間の肉薄部、つまりは易歪部48aに現われる。そこで、この荷重センサの荷重検出部14−#1においては、この易歪部48aでの起歪部材48の歪み量を検出するものとして、歪みゲージ50がこの易歪部に配設されている。
【0039】
歪みゲージ50として、たとえば可撓性のある電気絶縁薄板内に金属抵抗線を内設、固定してなる、いわゆる抵抗線ゲージが利用でき、この歪みゲージは、易歪部46aの歪み量を検出可能に、その易歪部の上下面のいずれか、たとえば下面にその貼着等のもとで固着されている。
【0040】
なお、荷重センサの荷重検出部14−#1〜14−#4の構成はいずれも同一であるため、荷重検出部14−#1に対する上記説明を他の荷重検出部14−#2〜14−#4にも援用するものとして、この荷重検出部14−#2〜14−#4に対する詳細な説明は省略する。
【0041】
そして、図1、および図2に示すように、この構成の荷重検出部14−#1〜14−#4においては、各荷重検出部の歪みゲージ50が、荷重センサ16の信号処理部として機能する情報処理手段22に、それぞれ電気的に接続されている。
【0042】
荷重検出部14−#1〜14−#4の各歪みゲージ50の接続される情報処理手段22は、図1に示すように、その中枢となるCPU68を備えた、いわゆるECU(電子制御装置)の一種としてなり、荷重検出部毎の歪みゲージからの出力信号が、このCPUにおいて、その検出値として監視される。そして、この各歪みゲージ50からの検出値をもとにした各種演算処理によって、荷重検出部14−#1〜14−#4毎の検出荷重を算出し、これを荷重情報の一つとして認識するとともに、それに対応した出力信号を適宜発生させるものとして、このCPU68、つまりECU(情報処理手段)22は構成されている。
【0043】
なお、図1に示すように、荷重検出部14−#1〜14−#4からの出力信号は、増幅器70を経てチャンネル切換回路72に入力され、このチャンネル切換回路によるチャンネル切換えのもとで、その出力信号、つまり検出荷重は、A/D変換回路73を経てCPU68に入力される。そして、CPU68に入力された検出荷重は、チャンネル切換回路72により切り換えられた順に、このCPUにおいて順次監視されることから、ECU22は、荷重センサ16の検出動作を適宜制御する、その制御部を兼ねるものとしても構成されている。
【0044】
この荷重検出部14−#1〜14−#4は、いずれも、シート12に入力した荷重を直接的に受動するものであり、また、このシートへの入力荷重は、各荷重検出部に適宜分散されるものであるため、シートクッション17の平面略四隅付近に荷重検出部をそれぞれ配したこの構成においては、この各荷重検出部での検出荷重の合計(総和)が、荷重センサ16により検出したシート12への入力荷重としてみなされ、この入力荷重は、その荷重情報の一つとしてECU22において認識される。
【0045】
また、荷重検出部14−#1〜14−#4毎の検出荷重を比較すれば、シートクッション17での荷重分布を検出し認識することも可能となる。そして、上述したように、この発明においては、荷重検出部14−#1〜14−#4がシートクッション17と一体的に移動するアッパレール42に設けられることから、シートスライド装置36の作動のもとでシート12が前後方向に移動(スライド)しても、シートのスライド位置にとらわれることのない荷重分布が容易に検出、認識可能となる。
【0046】
なお、図3に示す参照符号73は、左右に配設されたシートスライド装置のアッパレール42間に架設、固定された連結ロッドであり、この連結ロッドをアッパレールの前端部、後端部の双方に、その固定のもとで設けることにより、荷重検出部14−#1〜14−#4に付与される荷重の、いわゆる垂直荷重成分化が十分にはかられる。
【0047】
また、図1、図2に示すように、この荷重センサ16と共にシート12に設けられる着座センサ20は、負荷検出部となる複数、たとえば6体のアンテナ電極18−#1〜18−#6を、シートクッション17の着座面に内設したものとしてなっている。
【0048】
この着座センサ20は、高周波電界の発生端末として配設されたアンテナ電極に対する、誘電体の近接距離に応じた静電容量変化のもとでON/OFF等の指令信号を出力可能とした、いわゆる静電容量型近接スイッチの原理を利用したものであり、図2、および図4に示すように、この実施の形態においては、その、高周波電界の発生端末となるアンテナ電極(負荷検出部)18−#1〜18−#6が、シートクッション17のクッション面に内設されている。
【0049】
なお、アンテナ電極18−#1〜18−#6としては、シートクッション17の左右方向に延びる略帯状体が例示でき、この各アンテナ電極は、シートクッションの前後方向に離反した等間隔おき、詳細にいえば各アンテナ電極幅とほぼ同一の間隔を経て、離間並置されている。
【0050】
このアンテナ電極18−#1〜18−#6は、たとえば図5(A)に示すように、所定形状の打ち抜き部18aを等間隔毎に有して形成され、図5(B)に示すように、通常のシートクッション17が弾性体としてなるシートパッド74を表皮76、ワディング78、およびナイロンハーフ80の貼り合わせとしてなるトリムカバー82で被装することによって形成されることから、図示のような、トリムカバーのナイロンハーフとシートパッドとの間への介在が、シートクッションへのアンテナ電極の内設として具体化できる。
【0051】
なお、アンテナ電極18−#1〜18−#6としては、導電性、および可撓性を持つ、たとえば導電性フィルム、導電性繊維、あるいは銅箔等が利用できる。そして、このようなアンテナ電極18−#1〜18−#6を略帯状とした場合においては、この実施の形態のように打ち抜き部18aを等間隔毎等に設けることで、このアンテナ電極自体に十分な可撓性が得られるため、トリムカバー82、およびシートパッド74の可撓性、および弾性に追従した撓み、つまりシートクッション17のクッション性を損なわない程度の撓みが、アンテナ電極において容易に確保可能となる。
【0052】
そして、このアンテナ電極18−#1〜18−#6は、図5(A)に示すような接続ケーブル84を介して、ECU22に対し、電気的に、かつ個別に接続されている(図1、図2参照)。
【0053】
図1に示すように、ECU22の内部においては、高周波発振器86が、アンテナ電極18−#1〜18−#6に検出抵抗Rを介してそれぞれ接続され、このアンテナ電極毎の周波数信号を増幅器88、およびチャンネル切換回路90、さらにはA/D変換回路92を介してCPU68に順次入力させることにより、アンテナ電極毎の検出変動値をこのCPUにおいて監視する。そして、このアンテナ電極18−#1〜18−#6毎の検出変動値をもとにした各種演算処理のもとで、アンテナ電極毎の負荷検出値をそれぞれ算出し、これを着座情報の一つとして認識するとともに、それに対応した出力信号を適宜発生させるもの、つまりはこの着座センサの信号処理部を兼ねるものとして、この発明のECU22は構成されている。
【0054】
なお、図1に示すように、ECUのチャンネル切換回路90は、CPU68からの信号のもとで切換えられるものであるため、このECU22は、着座センサ20での検出動作を適宜制御する、その制御部をも兼ねるものとなっている。
【0055】
このアンテナ電極18−#1〜18−#6において検出された負荷検出値は、アンテナ電極に対する誘電体、つまり人体の近接距離、およびその面積等に応じて変動するものであるため、シートクッション17の着座面にアンテナ電極を内設したこの構成においては、この各アンテナ電極での負荷検出値の合計(総和)が、着座センサ20により検出した着座検出値としてみなされ、この着座検出値は、着座情報として各負荷検出値と共にECU22に認識される。
【0056】
また、アンテナ電極18−#1〜18−#6毎の負荷検出値を比較すれば、シートクッション17の着座面における負荷の作用位置、つまりその負荷が着座乗員からのものであれば、シートクッション上における尻部の位置、つまりは着座位置を推定することも容易に可能となる。
【0057】
なお、この着座センサ20においては、アンテナ電極18−#1〜18−#6と対をなす、いわゆる共通電極が、検出対象となるシートクッション17の近傍位置に設けられるが、図2に示すように、この実施の形態においては、車両の車体フレーム94が共通電極として利用される。
【0058】
また、アンテナ電極18−#1〜18−#6の接続ケーブル84は、図5(A)のように、そのアンテナ電極の一側端にそれぞれ連結され、たとえば、図5(B)のようにこの連結端を下方に折曲することによって、各アンテナ電極の接続ケーブルがシートパッド74の配置溝96に内挿されるとともに、シートパッドに埋設された吊りワイヤ98への吊り込みのもとで、各接続ケーブルの固定的支持が可能となる。
【0059】
そして、この発明の着座判別装置10は、上述したような荷重センサ16、および着座センサ20による検出結果をもとにした着座判別により、エアバッグ24の展開制御を行うものとなっており、このエアバッグの展開制御をはかるべく、図1、図2に示すように、SRSユニット32が、この着座判別装置のECU22に、その内部の通信回線100を介して接続されている。
【0060】
さらに、この着座判別装置のECU22は、その通信回線100を介してテルテール手段102、たとえばインパネに配したテルテールランプ(警告ランプ)等にも接続されている。このテルテールランプ(テルテール手段)102は、その点灯によって、エアバッグ展開不許可時等における警告、あるいは告知を乗員に対してなすものとして具体化されている。
【0061】
上述したこの発明の車両用シートの着座判別装置10による着座判別方法を、図6ないし図13のフローチャートをもとにして、以下に説明する。
【0062】
メインルーチンの概略を図6に示す。このメインルーチンを見るとわかるように、この発明の着座判別方法においては、まず、イニシャライズ、つまりCPU68内部の初期化が行われ(202)、次に、荷重センサ16、および着座センサ20による検出対象物がシート12上にあるか否かを、所定の対象物検出ルーチンにおいて検出し認識する(204)。
【0063】
この場合における検出対象物は、チャイルドシート(CRSと略称される)、および乗員であることから、図14(A)を見るとわかるように、荷重センサ16での荷重検出のもとでは、チャイルドシートの一般的な重量(規格荷重)を基準とした荷重値WEMPが、検出対象物の有無を判別する荷重検出上での対象物検出閾値となっている。また、図14(B)を見るとわかるように、着座センサ16での負荷検出のもとでは、チャイルドシートの底面形状、および重量等に基づく一般的な着座検出値をもとにした検出値EFthが、検出対象物の有無を判別する電界検出上での対象物検出閾値となっており、チャイルドシート以上の荷重、あるいはチャイルドシートの存在を断定し得る着座検出値があった場合において、シート12上での検出対象物の存在が検出、認識される。
【0064】
図6に示すように、(204)における対象物検出後においては、まず、シート12上に付与された負荷の重心位置の特定化が、荷重センサ16による検出荷重に基づいてなされる(206)。
【0065】
図7を見るとわかるように、この重心位置特定化ルーチンにおいては、まず、荷重センサ16の、荷重検出部14−#1〜14−#4毎の検出荷重Wtiがそれぞれ読み込まれて認識される(302)。そして、(304)に示すように、この発明の実施の形態においては、たとえば、この荷重検出部14−#1〜14−#4を頂点とする、たとえば図15のような四角形を想定し、この四角形の各頂点にそれぞれの検出荷重Wtiが作用しているものと仮定することで、その荷重分布から重心位置(CG)を求めるものとしている。
【0066】
なお、この重心位置の算出方法自体はこの発明の趣旨でないため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0067】
この算出された重心位置(CG)は、たとえば図4に示す、シートクッション17の概略の平面形状をもとに想定されたエリアマップと照合される。そして、図7に示すように、この重心位置(CG)の属するエリアをこのエリアマップから抽出することによる、重心位置エリアAijとしての重心位置の特定化を経て(306)、この重心位置特定化ルーチンは終了する。
【0068】
なお、この特定化された重心位置エリアAijは、荷重検出部14−#1〜14−#4での検出荷重と共に、荷重情報としてECU22、ひいてはそのCPU68に格納される。
【0069】
図6のメインルーチンに示すように、(206)における、重心位置特定化ルーチンでの重心位置エリアAijの特定化後においては、着座センサ20による着座情報をもとにした、その負荷の作用位置の特定化が行われる(208)。
【0070】
ここで、図4のエリアマップを見るとわかるように、この実施の形態においては、シートクッション17の着座面に相当する範囲の前後方向エリア、つまり前後方向エリアのうちのA1〜A4エリアが、アンテナ電極18−#1〜18−#6毎の電極部エリアA1f,A1r,A20,A3f,A3r,A40と、アンテナ電極幅にほぼ等しい、アンテナ電極間の空隙部エリアA10,A2f,A2r,A30,A4fとに区分規定され、このエリア毎に、負荷検出値は算出されるものとなっている。
【0071】
なお、図4に示すように、この実施の形態においては、最後列のアンテナ電極18−6の後部に位置する空隙部エリアA4rが着座面エリアから外されている。これは、シート形状から見て、特に着座時においてはこのエリア空隙部エリアA4rに負荷が作用することはないと想定できることによるものである。
【0072】
図8に示すように、この作用位置特定化ルーチンにおいては、まず、アンテナ電極18−#1〜18−#6毎の負荷検出値が、荷重情報としてECU22、ひいてはCPU68に読み込まれ、CPUにおける、この各負荷検出値をもとにした算出処理のもとで、電極部エリアA1f,A1r,A20,A3f,A3r,A40、および空隙部エリアA10,A2f,A2r,A30,A4fの負荷検出値EAiがそれぞれ導出、認識される(402)(図4のエリアマップ参照)。
【0073】
なお、電極部エリアA1f,A1r,A20,A3f,A3r,A40の負荷検出値EAiは、アンテナ電極18−#1〜18−#6での検出変動値に基づく算出処理のもとでそれぞれ直接的に導き出せるが、直接の検出変動値を持たない空隙部エリアA10,A2f,A2r,A30,A4fの負荷検出値EAiは、たとえば、その前後に位置するアンテナ電極18−#1〜18−#6(電極部エリアA1f,A1r,A20,A3f,A3r,A40)での負荷検出値EAiの平均値として、それぞれ算出、導出される。
【0074】
図8を見るとわかるように、この算出により得られた各エリアの負荷検出値EAiは、次に、負荷閾値群の空席閾値EFthと比較され、その中から、空席閾値EFth以上の負荷検出値EAiを持つエリアを抽出して、これを抽出エリアEFiとして認識する(404)。そして、この抽出エリアEFiの総和ΣEFiを、着座センサ20による着座検出値として認識し、この着座検出値ΣEFiに対する検出比率EFaiを、抽出エリアEFi毎にそれぞれ算出する(406)。
【0075】
更に、この検出比率EFaiの最大値を持つエリア(最大値エリア)EFmaxを、抽出エリアEFiの中から抽出するとともに(408)、その最大値の、たとえば90%以上の検出比率EFaiを持つエリア( ピークエリア)EFnを抽出エリアEFiの中からさらに抽出して、その合計数nを算出する(410)。
【0076】
なお、ここでは、着座検出値の動的変動分を考慮して、最大出力値の90%以上をそのピークゾーンとみなすものとし、このピークゾーンに到達したエリア( ピークエリア)を、負荷の主作用エリアとして認識するものとしている。
【0077】
そして、図9に示すように、次にその合計数nが1であるか否かの判断がなされ(412)、最大値エリアEFmaxへの負荷の集中作用に伴ったn=1の関係の成立によりこの(412)においてYesと判断されれば、その最大値エリアEFmaxのみを該当エリアとして認識して(414)、この最大値エリアEFmaxを負荷作用位置Aiとして特定化する(416)。
【0078】
また、検出比率最大値の90%以上の出力値を持つピークエリアEFnが2以上あった場合においては、n=1の関係不成立により(412)でNoと判断されて、次に、その合計数nが2であるか否か(n=2)が判断される(418)。
【0079】
たとえば、ピークエリアEFnが2ヵ所あり、これによってn=2の関係が成立した場合においては、この(418)でYesと判断され、その対応する2ヶ所のピークエリアEFn,EFn+1を認識して(420)、その2ヶ所のピークエリアの中間エリアを負荷作用位置Aiとして特定化する(422)。
【0080】
さらに、検出比率最大値の90%以上の出力値を持つピークエリアEFnが3以上あった場合(n>2)においては、(412),(418)でNoと判断され、n>2の認識のもとで(424)、その該当ピークエリアEFnが前出の重心位置特定化ルーチンにおいて特定化された重心位置エリアAij、および検出比率の最大値エリアEFmaxと比較される(426)。そして、最大値エリアEFmaxを除く他のピークエリアEFnのうち、重心位置エリアAijに最も近いピークエリアEFnを負荷作用位置Aiとして特定化する(428)。
【0081】
このように、この作用位置特定化ルーチンにおいては、着座面エリアのうちのいずれか1エリアが、シート12上に作用した負荷の作用位置Aiとして特定化される。
【0082】
そして、図6の(206)、および(208)において、シート上12に作用した負荷の重心位置、および作用位置がそれぞれ特定化されると、次に、作用負荷の粗判別が行われる(210)。
【0083】
ここで、この発明における作用負荷の粗判別の概略を説明する。
【0084】
シート12上に作用した負荷の荷重、つまりシートに対する入力荷重は、荷重センサの荷重検出部14−#1〜14−#4によって検出した各検出荷重Wtiの総和ΣWtiとして算出され、図14(A)に示すように、この、入力荷重Wttとなる入力荷重ΣWtiが、荷重閾値群の各閾値と比較されて、荷重閾値群のどのゾーンに属するかが判断される。
【0085】
この図14(A)を見るとわかるように、この発明においては、その荷重のみで子供の着座と断定できる子供確定ゾーン、およびその荷重のみで大人の着座と断定できる大人確定ゾーンが、規格上での体重(規格体重)をもとにしてそれぞれ規定されている。
【0086】
この発明においては、チャイルドシートの規格上限値WCRSから子供の規格体重の上限値WCHILDまでを子供の規格体重幅として捉え、この子供の規格体重幅にチャイルドシート、および荷物等の付加荷重による増加想定分を加えた子供荷重増加分αの上限値WC+α以下を、子供確定ゾーンとして規定している。
【0087】
この、子供の着座時における荷物は、たとえば、子供のおもちゃ、飲食物、およびブランケット等を総体的に指すものであり、この発明においては、これら荷物やチャイルドシートの付加による子供荷重増加分αを、子供の着座に伴う必然的な増加荷重として捉えるものとし、この子供荷重増加分αを含めて、子供確定ゾーンとしている。
【0088】
なお、子供荷重増加分αの上限値WC+αは、子供確定ゾーンの上限値でもあることから、この発明の実施の形態においては、この閾値WC+αを、子供確定上限値として以下説明する。
【0089】
ところで、大人の着座の場合においては、床面に足の着いた状態での着座となることから、着座乗員の荷重がこの足元から床体に逃げることは避けられず、また、アームレストやドア等に寄り掛かって着座した場合においても、これら各部材に対する荷重の逃避は容易に予測できる。つまり、大人の場合、シート12に対する入力荷重の検出だけでは、その着座乗員の全体重を検出することが容易でないことから、シートから床面、あるいはアームレスト等に逃げるこれら逃避荷重による荷重の減少分を考慮した荷重判別が、その判別精度を高める上で必要となる。
【0090】
そこで、図14(A)に示すように、この発明においては、逃避荷重等による大人荷重減少分βを、大人の着座に伴う必然的な減少荷重として捉えるものとし、この大人荷重減少分βを除く大人の規格体重の下限値WADULT以上を、大人確定ゾーンとして規定するとともに、上述の子供確定ゾーンとこの大人確定ゾーンとの間の、大人荷重減少分βを含む範囲を、大人と子供との明確な判別の容易でない、いわゆる不確定ゾーンとして規定している。
【0091】
つまり、この発明においては、荷重閾値群の粗判別区分として空席ゾーン、子供確定ゾーン、不確定ゾーン、および大人確定ゾーンがそれぞれ規定され、入力荷重Wttがこのいずれの荷重ゾーンに属するかによって、作用負荷の粗判別が行われる。
【0092】
なお、上述したように、大人の規格体重の下限値WADULTは大人確定ゾーンの下限値でもあることから、この発明の実施の形態においては、この閾値W DULTを大人確定下限値として以下説明する。
【0093】
また、この発明においては、大人の着座時のみにその荷重の減少を考慮している。これは、着座時に床面に足の着かない子供であれば、着座に伴う荷重減少は生じないと想定できることによるものであるため、子供の荷重判断に荷重減少分を考慮する必要なないと考えられる。
【0094】
図10に示すように、この粗判別ルーチンにおいては、まず、粗判別の対象荷重となる荷重検出部14−#1〜14−#4での検出荷重Wtiの総和ΣWtiが、入力荷重Wttとして算出、認識される(502)。そして、次に、図6で示すメインルーチンの(208)、つまり重心位置特定化ルーチンにおいて特定化した重心位置エリアAijの位置が、図10の(504)において判断される。
【0095】
この発明の実施の形態においては、図4で示すエリアマップの左右方向エリア(B0列〜B6列)のうちのB0列、およびB6列を除くB1列〜B5列の間を、通常の着座姿勢と認められる着座認定エリアと規定している。つまり、特定化された重心位置エリアAijがこの着座認定エリア(B1列〜B5列)に位置していれば、このときの作用負荷を着座姿勢によるものとしてみなすものとし、たとえば、乗降時等の横座りや、隣接するシートに着座した乗員がシート左右端部等に手を掛けとき等の作用負荷によって、この重心位置エリアAijがエリアマップのB0列、あるいはB6列に位置していれば、いわゆる特殊姿勢との判断により、図10の(504)におけるYesとの判断のもとで、この着座判別は終了する。
【0096】
そして、特定化した重心位置エリアAijが着座認定エリア(B1列〜B5列)内にあり、図10の(504)においてNoと判断されれば、次に、入力荷重Wttが荷重閾値群の各閾値と比較されるが、ここではまず、入力荷重Wttが空席閾値WEMP未満であるかが判断される(506)。
【0097】
図14(A)を見るとわかるように、この空席閾値WEMPは、空席であるか否か、つまりチャイルドシート以上の荷重を荷重センサ16が検出したか否かを判別する閾値であるから、入力荷重Wttが空席閾値WEMPに満たなければ、図10の(506)においてYesと判断されて、この時点でのシート12の空席が判別される(508)。そして、その後、通信回線100に対するエアバッグ展開不許可信号の送出(510)、およびテルテールランプオフ信号の送出(512)を行い、通信制御ルーチンにおける各信号の処理により(514)、対応する制御信号をSRSユニット32、およびテルテールランプ102にそれぞれ出力して、それに伴ったエアバッグ24の展開制御、およびテルテールランプの点灯制御の後に着座判別は終了する(図1参照)。
【0098】
また、そのときの入力荷重Wttが空席閾値WEMP以上であれば、図10の(506)においてNoと判断され、図11に示すように、次に、この入力荷重Wttが子供の規格体重幅にチャイルドシート、および荷物等の付加荷重を加えた子供荷重増加分αの上限値、つまり子供確定上限値WC+α未満であるか否かが判断される(516)。
【0099】
たとえば、入力荷重Wttが空席閾値WEMP以上、かつ子供確定上限値WC+α未満であれば、子供確定ゾーン内(図14(A)参照)に属しているとの判断に伴う、図11の(516)におけるYesとの判断のもとで、このときの子供の着座が判別される(518)。そして、その後、通信回線100に対するエアバッグ展開不許可信号の送出(520)、およびテルテールランプオフ信号の送出(522)を順次行い、図10の(514)における各信号の処理、およびそれに対応する制御信号の出力に伴ったエアバッグ24の展開制御、ならびにテルテールランプ102の点灯制御の後(図1参照)、その着座判別は終了する。
【0100】
なお、この実施の形態においては、エアバッグ24に対する同じ展開不許可制御であっても、空席時と子供着座時とではテルテールランプ102に対する点灯制御、つまりオンかオフかが異なり、ここでは、子供着座時にテルテールランプをオンとするのに対し、空席時には、テルテールランプをあえてオフとしている(図10の(512)、および図11の(522)参照)。これは、空席時にテルテールランプ102を不用意に点灯させておくことに起因する、誤解や錯覚等を懸念してのことであり、その統一性が必要であれば、空席時にテルテールランプをオンとすることも可能である。
【0101】
また、入力荷重Wttが子供確定上限値WC+α以上であった場合においては、図11の(516)においてNoと判断される。そして、次に、この入力荷重Wttが子供確定上限値WC+α以上、かつ大人確定ゾーンの下限値となる大人の規格体重の下限値( 大人確定下限値)WADULT以下であるか否か、つまり入力荷重Wttが不確定ゾーンに属しているか否か(図14(A)参照)が判断される(524)。
【0102】
この発明においては、入力荷重Wttがこの不確定ゾーンに属していると判断されたときに、この粗判別とは別の詳細判別を行うものとなっていることから、この図11の(524)においてYesと判断されると、この粗判別ルーチンを終了して図6のメインルーチンに戻される。
【0103】
そして、入力荷重Wttが大人確定下限値WADULTを超えていれば、この図11の(524)においてNoと判断されて、次の(526)においてYesと判断される。
【0104】
(526)においてYesと判断されると、このときの大人の着座が判別される(528)。そして、その後、通信回線100に対するエアバッグ展開許可信号の送出(530)、およびテルテールランプオン信号の送出(532)を順次行い、図10の(514)における各信号の処理、およびそれに対応する制御信号の出力に伴ったエアバッグ24の展開制御、ならびにテルテールランプ102の点灯制御の後(図1参照)、その着座判別は終了する。
【0105】
なお、着座姿勢の急変等によって入力荷重Wttが急激に減少すれば、図11の(526)におけるNoとの判断のもとで、図10の(502)からの再処理が行われる。
【0106】
このように、この発明においては、入力荷重Wttをもとにして、そのときの着座乗員の種別を大まかに判別している。そして、種別の確定困難な範囲として予め規定した不確定ゾーン以外のゾーンにおいては、各ゾーンに応じた種別判別、および空席判別を行っているため、判別工程の煩雑化が確実に防止でき、その作業速度の向上が確実にはかられる。
【0107】
なお、入力荷重Wttが子供確定上限値WC+α以上で大人確定下限値WADULT以下、つまり不確定ゾーンに属していると判断されれば、上述したように、図11の(524)におけるYesとの判断によってその着座判別は続行され、図6を見るとわかるように、粗判別の後には着座姿勢判断(212)、荷重補正(214)、および着座判別(216)が順次行われる。
【0108】
この発明の実施の形態においては、着座姿勢判断(212)、荷重補正(214)、および着座判別(216)の各制御ルーチンを、たとえば着座判別ルーチンとしてまとめて、以下に説明するものとする。
【0109】
図12に示すように、この着座判別ルーチンにおいては、重心位置の特定化を終了しているか否かが、まず判断される(602)。
【0110】
重心位置の特定化が正常に終了していれば、この(602)においてはYesと判断される。しかし、着座姿勢の急激な変動等のもとで重心位置の特定化に失敗していれば、この(602)においてNoと判断されて、この着座判別は終了する。
【0111】
そして、この(602)においてYesと判断されると、次に、特定化した重心位置が着座認定エリア内、つまり左右方向アリアのB1列〜B5列内にあるか否かが再度判断される(604)。この(604)においては、通常、Yesと判断されるが、重心位置の特定化に失敗していた場合等においては、この(604)においてNoと判断されて、この着座判別は終了する。
【0112】
この(604)においてYesと判断されると、次に、入力荷重Wttを子供確定上限値WC+αと比較することによる、入力荷重Wttの属するゾーンの再確認が行われる(606)。
【0113】
この着座判別ルーチンは、粗判別ルーチンである図11の(524)においてYesと判断された場合にのみ実行される工程であるため、この(606)においても通常はYesと判断されるが、入力荷重Wttの急激な変動等によってこの入力荷重Wttが子供確定上限値WC+αを下回った場合においては、この(606)におけるNoとの判断により、次に、着座センサ20からの着座情報を判断材料に加えた判断が行われる。
【0114】
図13の(608)を見るとわかるように、ここでは、まず、入力荷重Wttが空席閾値WCRS未満であるか、および抽出エリアEFiの総和である着座検出値ΣEFiが、着座閾値群の、人体の検出基準となる人体閾値EFhum未満であるかがそれぞれ判断され( 図14(B)参照)、入力荷重Wttが空席閾値WCRS未満であり、なおかつ着座検出値ΣEFiが人体閾値EFhum未満であれば、図13の(608)でのYesとの判断によってそのときの空席が判別され(610)、通信回線100に対するエアバッグ展開不許可信号の送出(612)、およびテルテールランプオフ信号の送出(614)の後、図6の(218)に示す通信制御ルーチンでのエアバッグ24の展開制御、およびテルテールランプ102の点灯制御を伴って(図1参照)、ここでの着座判別は終了する。
【0115】
また、Wtt<WCRSの関係、およびΣEFi<EFhumの関係のいずれかが不成立であった場合は、図13の(608)におけるNoとの判断により、次に、入力荷重Wttが子供確定上限値WC+α未満であるか、および着座検出値ΣEFiが人体閾値EFhum以上であるかが判断される(616)。この(616)においてYesと判断されれば、子供の着座ありとの判断に伴う子供判別の後(618)、通信回線100に対するエアバッグ展開不許可信号の送出(620)、およびテルテールランプオフ信号の送出(622)がそれぞれなされ、図6の(218)に示す通信制御ルーチンでのエアバッグ24の展開制御、およびテルテールランプ102の点灯制御を伴って(図1参照)、ここでの着座判別は終了する。
【0116】
なお、WCRS≦Wtt<WC+αの関係、およびEFhum≦ΣEFiの関係のいずれかが不成立であった場合は、図13の(616)におけるNoとの判断に伴う再処理指令のもとで(624)、ここでの着座判別は終了する。
【0117】
ところで、この発明においては、重心位置が正常に特定化され、その重心位置が着座認定エリア内にあるとともに、入力荷重Wttが子供確定上限値WC+α以上と判断されれば、大人の着座の可能性ありと判断されることになる。そして、これらの判断の後に、負荷作用位置の特定化を終了しているか否かが判断され(626)、この負荷作用位置の特定化が正常に終了していなければ、ここでのNoとの判断により、この着座判別はここでも終了する。
【0118】
負荷作用位置の特定化が正常に終了し、大人の着座の可能性のある負荷の検出が確定されれば、(626)でYesとの判断により、次に、所定の補正係数表からの補正係数kの読み込みが行われる(628)。
【0119】
補正係数kとは、荷重センサ16では検出できない荷重成分、つまり足元から床面に逃げる足元荷重や、ドア、あるいはアームレスト等への寄掛りにより人体からこれら各部材に逃げる寄掛り荷重等の割合として想定した数値であり、図4、および図16に示すように、重心位置エリアと負荷作用位置エリアとに合わせて、その数値は細分化されて、特定した重心位置エリアと着座位置エリアとに基づいたエリアから、この補正係数kは選択される。
【0120】
次に、この選択した補正係数kを用いて、図12に示すように、WT=Wtt/(1−k)の数式に対する各数値の代入によりその体重の推定が行われ(630)、次に、図13の(632)に示すように、この推定体重WTが荷重閾値群の基準閾値WTHと比較される。
【0121】
図14(A)に示すように、この推定体重WTの比較される基準閾値WTHは、子供の着座を判別する子供判別ゾーンと、大人の着座を判別する大人判別ゾーンとを区分する区分点であり、子供確定ゾーンの上限値となる子供確定上限値WC+αと、大人確定下限値WADULTに大人荷重減少分βを加味して想定した、想定大人荷重の下限値W βとの間の値として設定され、この実施の形態においては、その中間点として基準閾値WTHが設定されている。
【0122】
そして、この推定体重WTが基準閾値WTHより小さければ、子供の着座ありとの判断により、この図13の(632)でのYesとの判断に伴う子供判別により(618)、通信回線100に対するエアバッグ展開不許可信号の送出(620)、およびテルテールランプオフ信号の送出(622)、ならびに図6の(218)に示す通信制御ルーチンでの処理を経て、ここでの着座判別は終了するとともに、推定体重WTが基準閾値WTHより大きければ、図13の(632)でのNoとの判断に伴う大人判別により(634)、通信回線100に対するエアバッグ展開不許可信号の送出(636)、およびテルテールランプオフ信号の送出(638)、ならびに図6の(218)に示す通信制御ルーチンでの処理を経て、ここでの着座判別は終了する。
【0123】
上記のように、この発明の車両用シートの着座判別方法においては、不確定要素による荷重の増減を受けやすい荷重ゾーンを不確定ゾーンとして規定し、この不確定ゾーン内に入力荷重の属する場合にのみ、推定着座姿勢、および推定体重をもとにした着座種別の詳細判別を行っている。
【0124】
つまり、不確定ゾーン内に入力荷重が属する場合においては、実測値のみでの単純な比較判断ではなく、推定した着座姿勢に基づく推定体重を、実測の入力荷重に代えて基準閾値と比較するため、チャイルドシート等を含む付加荷重や荷重センサ16では検出できない逃避荷重等を考慮した種別判別が可能となる。従って、種別判別の正確性が確実に向上される。
【0125】
そして、この発明においては、荷重による判断に加えて、人体を誘電体として捉える着座センサ20による判断を行っているため、人体の有無が明確に判別できる。さらに、この着座センサ20による着座検出値に基づいて、荷物による負荷荷重か、あるいは人体を含む、ならびに人体のみの負荷荷重かを推定することも容易であるため、チャイルドシートの底面構造や装着向き等による影響を受けることのない判別が十分に可能となる。
【0126】
従って、種別判別の信頼性の向上が確実にはかられる。
【0127】
さらに、シートクッション17の着座面に等間隔おきに並置したアンテナ電極18−#1〜18−#6での負荷検出値をもとにして、その負荷作用分布を検出するものであり、各アンテナ電極間の負荷検出値をその前後のアンテナ電極における負荷検出値の平均として捉えることで、着座エリアの全域における負荷検出値の検出、算出が可能となるため、この発明によれば、着座位置の検出時におけるデッドポイントの発生は確実に防止される。
【0128】
従って、高い精度での着座位置の特定化が、これによれば容易に可能となる。
【0129】
また、不確定ゾーン以外の子供確定ゾーン、および大人確定ゾーンにおいては、推定着座姿勢、および推定体重に基づいた詳細判別を行うことなく、その前段工程の粗判別によって子供か大人かの種別判別を行うため、その判別工程の煩雑化は確実に防止される。従って、この点においても、種別判別の信頼性、および正確性が確実に向上される。
【0130】
そして、この発明の着座判別装置10によれば、上記着座判別方法が構成の複雑化を伴うことなく適切に遂行可能となるため、高い信頼性、および高い正確性を持つ種別判別が確実にはかられる。
【0131】
また、この着座判別装置10における荷重センサ16は、長手形状の起歪部材48と歪みゲージ50との組み合わせとしてなる荷重検出部14−#1〜14−#4を、シート12の平面略四隅付近にそれぞれ配してなる歪み検出式荷重センサであるため、シート上に作用した負荷荷重であれば、各荷重検出部での検出荷重の総和を算出することで、その負荷の作用位置、つまり着座位置に影響を受けることなくその入力荷重を検出、認識することが可能となる。
【0132】
従って、入力荷重の検出、認識に、着座位置等による影響がないことから、この点においても、その判別精度の向上が確実にはかられる。
【0133】
ここで、この発明の実施の形態においては、シート12に作用した負荷の重心位置、およびその負荷作用位置をいずれもエリアとして捉えているが、これに限定されず、たとえば点として捉えてもよい。しかし、走行時の振動等によってその検出値の変動しやすい車両用のシート12においては、その変動分を考慮する必要があるが、重心位置、およびその負荷作用位置をエリアとして捉えることで、その変動分が吸収可能となる。
【0134】
従って、シート12に作用した負荷の重心位置、およびその負荷作用位置をエリアとして捉えれば、振動等に起因する変動分を考慮した補正係数の選択が可能となり、その選択工程の煩雑化も十分に抑制されることから、判別工程の簡素化が十分にはかられる。
【0135】
また、この実施の形態においては、重心位置、負荷作用位置の順に特定化しているが、これとは逆の順で順次特定化するものとしてもよい。
【0136】
なお、この実施の形態でいうシート12としては、自動車等のドライバーシート、あるいはアシスタントシート等のフロントシートを具体的に例示できるが、シートスライド装置を備えた前後移動の可能なシートであれば足りるため、自動車等のフロントシートに限定されず、そのリヤシートやバス、トラック等の他の自動車用シートに、この発明を応用してもよい。更に、自動車等に限定されず、電車、飛行機、船舶等の他の乗り物用シートに、この発明を応用してもよい。
【0137】
上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、この発明を何等限定するものでなく、この発明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこの発明に包含されることはいうまでもない。
【0138】
【発明の効果】
上記のように、この発明の車両用シートの着座判別方法によれば、不確定要素による荷重の増減を受けやすい荷重ゾーンを不確定ゾーンとして規定し、この不確定ゾーン内に入力荷重の属する場合にのみ、推定着座姿勢、および推定体重をもとにした着座種別の詳細判別を行うため、チャイルドシート等を含む付加荷重や荷重センサでは検出できない逃避荷重等を考慮した種別判別が可能となる。従って、種別判別の正確性が確実に向上される。
【0139】
そして、この発明においては、荷重による判断に加えて、人体を誘電体として捉える着座センサによる判断を行っているため、人体の有無が明確に判別できる。さらに、この着座センサによる着座検出値に基づいて、荷物による負荷荷重か、あるいは人体を含む、ならびに人体のみの負荷荷重かを推定することも容易であるため、チャイルドシートの底面構造等による影響を受けることのない判別が十分に可能となる。従って、種別判別の信頼性の向上が確実にはかられる。
【0140】
さらに、不確定ゾーン以外の子供確定ゾーン、および大人確定ゾーンにおいては、推定着座姿勢、および推定体重に基づいた詳細判別を行うことなく、その前段工程の粗判別によって子供か大人かの種別判別を行うため、その判別工程の煩雑化は確実に防止される。従って、この点においても、種別判別の信頼性、および正確性が確実に向上される。
【0141】
また、シートに作用した負荷の重心位置、およびその負荷作用位置をエリアとして特定化することで、走行時の振動等によってその検出値の変動分が吸収可能となる。従って、振動等に起因する変動分を考慮した補正係数の選択が可能となり、その選択工程の煩雑化も十分に抑制されることから、判別工程の簡素化が十分にはかられる。
【0142】
さらに、シートクッション着座面に等間隔おきに内設、並置したアンテナ電極での負荷検出値をもとにして、その負荷作用分布を検出するものとすれば、各アンテナ電極間の負荷検出値をその前後のアンテナ電極における負荷検出値の平均として捉えることで、着座エリアの全域における負荷検出値の検出、算出が可能となるため、着座位置の検出時におけるデッドポイントの発生は確実に防止される。従って、高い精度での着座位置の特定化が、これによれば容易に可能となる。
【0143】
そして、この発明の着座判別装置によれば、上記着座判別方法が構成の複雑化を伴うことなく適切に遂行可能となるため、高い信頼性、および高い正確性を持つ種別判別が確実にはかられる。
【0144】
また、この着座判別装置における荷重センサは、長手形状の起歪部材と歪みゲージとの組み合わせとしてなる荷重検出部を、シートの平面略四隅付近にそれぞれ配してなる歪み検出式荷重センサであるため、シート上に作用した負荷荷重であれば、各荷重検出部での検出荷重の総和を算出することで、その負荷の作用位置、つまり着座位置に影響を受けることなくその入力荷重を検出、認識することが可能となる。
【0145】
従って、入力荷重の検出、認識に、着座位置等による影響がないことから、この点においても、その判別精度の向上が確実にはかられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る車両用シートの着座判別装置の概略ブロック図である。
【図2】車両用シートの装備された車両内部の概略斜視図である。
【図3】歪み検出式荷重センサを示す、シートスライド装置(マニュアルスライド)の概略正面図、およびその部分縦断面図である。
【図4】シートクッションの概略平面形状をもとにしたエリアマップである。
【図5】電界検出式着座センサをなすアンテナ電極の概略部分平面図、および概略部分縦断面図である。
【図6】この発明に係る車両用シートの着座判別方法でのフローチャートにおける概略のメインルーチンである。
【図7】この発明の着座判別方法での、重心位置特定化ルーチンである。
【図8】この発明の着座判別方法での、作用位置特定化ルーチンである。
【図9】この発明の着座判別方法での、作用位置特定化ルーチンである。
【図10】この発明の着座判別方法での、粗判別ルーチンである。
【図11】この発明の着座判別方法での、粗判別ルーチンである。
【図12】この発明の着座判別方法での、着座判別ルーチンである。
【図13】この発明の着座判別方法での、着座判別ルーチンである。
【図14】荷重センサによる入力荷重と荷重閾値群との関係図、および着座センサによる着座検出値と着座閾値群との関係図である。
【図15】この発明の着座判別方法での、重心位置の算出例を示す模式図である。
【図16】エリアマップに基づく補正係数表の一例である。
【符号の説明】
10 車両用シートの着座判別装置
12 シート
14−#1〜14−#4 荷重検出部
16 歪み検出式荷重センサ
18−#1〜18−#6 アンテナ電極(負荷検出部)
20 電界検出式着座センサ
22 情報処理手段(ECU)
48 起歪部材
50 歪みゲージ

Claims (4)

  1. 荷重センサにより検出した、シート上の負荷による入力荷重を、荷重閾値群の各閾値と適宜比較し、この入力荷重が各閾値によって区分された判別ゾーンのいずれに属するかの判断によって、少なくとも、子供であるか大人であるかの、その着座乗員の種別判別を行う車両用シートの着座判別方法であり、
    荷重閾値群の、少なくとも子供の規格体重に所定の増加想定分を加えた子供荷重増加分の上限値である子供確定上限値と;大人の規格体重の下限値として設定された大人確定下限値と;の間が、不確定ゾーンとして予め規定されるとともに、この子供確定上限値と;大人の規格体重からの逃避荷重を考慮した大人荷重減少分の下限値と;の間の値として、大人の着座を判別する大人判別ゾーン、および子供の着座を判別する子供判別ゾーンの区分点となる基準閾値が設定され、
    荷重センサによるシートの平面略四隅付近での各検出荷重の総和を、シート上の負荷による入力荷重として荷重閾値群と比較し、この入力荷重が前記不確定ゾーンに属するものと判断されたとき、各検出荷重に基づいて特定化されたその負荷の重心位置と;着座センサをなす、シートクッション着座面に内設された複数のアンテナ電極毎の負荷検出値に基づいて特定化された、着座面上におけるその負荷の作用位置と;をもとにして、対応する補正係数を選択し、この補正係数を入力荷重に加味することにより、シート上の負荷となるその着座乗員の体重を推定するとともに、この推定体重を荷重閾値群の前記基準閾値と比較することによって、子供であるか大人であるかの、その着座乗員の種別を判別する車両用シートの着座判別方法。
  2. 入力荷重の重心位置、およびその負荷の作用位置を所定のエリアとして特定化し、所定の補正係数表に対するこの各特定エリアとの照合により、この補正係数表から対応する補正係数を選択する請求項1記載の車両用シートの着座判別方法。
  3. シートの左右方向に延びる略帯状のアンテナ電極を、シートクッション着座面に等間隔おきに内設し、アンテナ電極のある部分負荷検出値を、アンテナ電極毎の負荷検出値として検出、認識するとともに、前後アンテナ電極間の空隙部の負荷検出値を、その前後のアンテナ電極での負荷検出値の平均値として捉える請求項1または2記載の車両用シートの着座判別方法。
  4. 長手形状の起歪部材、および歪みゲージの組み合わせを、荷重検出部としてシートの平面略四隅付近にそれぞれ配してなる歪み検出式荷重センサと;
    シートクッションの左右方向に延びる略帯状の複数のアンテナ電極を、負荷検出部としてシートクッション着座面に等間隔おきに内設してなる電界検出式着座センサと;
    各荷重検出部からの検出変動値を適宜処理して荷重検出部毎の検出荷重を算出する歪み検出式荷重センサの信号処理部、および各アンテナ電極からの検出変動値を適宜処理してアンテナ電極毎の負荷検出値を算出する電界検出式着座センサの信号処理部、ならびにこれら各センサでの検出動作を適宜制御する各センサの制御部を、いずれも兼ね、その処理結果としての対応出力を、さらなる処理を経た上で所定の出力端末に適宜出力可能とする情報処理手段と;
    を備え、
    荷重センサの各荷重検出部での検出荷重の総和を、シート上に作用した負荷の入力荷重として認識し、各荷重検出部での検出荷重をもとにしたその荷重分布に基づいて、その負荷の重心位置を特定化するとともに、着座センサの各アンテナ電極での負荷検出値をもとにしたその負荷作用分布に基づいて、その負荷の作用位置を特定化し、
    入力荷重が、情報処理手段に予め設定された荷重閾値群の、少なくとも子供の規格体重に所定の増加想定分を加えた子供荷重増加分の上限値である子供確定上限値と、大人の規格体重の下限値として設定された大人確定下限値との間に規定した不確定ゾーンに属するものと判断されたとき、特定化された重心位置、および作用位置をもとに選択した補正係数により、そのときの入力荷重から、シート上の負荷であるその着座乗員の体重を推定し、この推定体重を、大人の着座を判別する大人判別ゾーン、および子供の着座を判別する子供判別ゾーンの区分点となる基準閾値と比較することによって、子供であるか大人であるかの、その着座乗員の種別を判別可能とした車両用シートの着座判別装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010036751A (ja) * 2008-08-06 2010-02-18 Denso Corp 車両用シート空調システム
JP2017039475A (ja) * 2015-08-21 2017-02-23 アイシン精機株式会社 乗員検知方法及び乗員検知装置

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