JP2004113793A

JP2004113793A - パウチ

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Publication number: JP2004113793A
Application number: JP2003329916A
Authority: JP
Inventors: Lawrence M Tsai; ローレンス・エム・ツァイ; Sam Meytus; サム・メイタス; Eligio Corchado; エリジオ・コルチャド
Original assignee: Bristol Myers Squibb Co
Current assignee: Bristol Myers Squibb Co
Priority date: 2002-09-23
Filing date: 2003-09-22
Publication date: 2004-04-15
Anticipated expiration: 2023-09-22
Also published as: ES2278096T3; NZ527618A; EP1400222A1; US20040059306A1; CA2441844A1; AU2003248275A1; ATE349988T1; JP4454997B2; MXPA03008447A; DK1400222T3; DE60310831T2; EP1400222B1; DE60310831D1

Abstract

【課題】
　使用の利便性、処分の容易性、人間工学に基づくデザイン、漏れに対する安全性及び信頼性、のいずれをも兼ね備えることができる、医療用パウチを提供すること。
【解決手段】
　パウチ１０は、分離可能な内側パウチ１２及び外側パウチ１４を備えており、オストミーパウチのような収集パウチである。内側パウチ１２は、交換でき、水洗トイレで処分できるようになっている。内側パウチ１２は、水分散性又は水分解性の材料でできており、適切な添加剤を加えることによって活性化できるものである。内側パウチ１２は、分離可能な接着結合によって、外側パウチ１４の所定の位置に固定できる。外側パウチ１４は、内側パウチ１２の交換を容易にするために固定可能で開可能な部分３４を備えている。固定可能で開可能な部分３４はジッパー３６で閉じることができる。曲線状ジッパースライダーは、パウチ継ぎ目と一体となっている。
【選択図】図１

Description

　本発明は、医療用のパウチに関するものである。「医療用」という言葉は、個人衛生を含んでいる。ある形態では、パウチは体液を収集するための（オストミーパウチのような）収集パウチである。本発明の１つの態様は、分離可能な内側パウチ及び外側パウチを含む医療用パウチに関するものである。本発明の他の態様は、再密閉可能な医療用パウチに関するものである。

　シングルパウチオストミーシステムに代わるものとして、（内側パウチ及び外側パウチを含む）ツーパウチシステムが提案されている。
特開平７−２８９５７３号公報

　しかしながら、良好なユーザ支持を得るためには、使用の利便性、処分の容易性、人間工学に基づくデザイン、漏れに対する安全性及び信頼性、のいずれをも兼ね備えることができるパウチデザインの必要性が残っている。また、使用の利便性、使用の容易性、人間工学に基づくデザイン、漏れに対する安全性及び信頼性、を兼ね備えることができる医療用の再密閉可能なパウチシステムの必要性も残っている。

　本発明は、上記のような必要性を満たすことができる医療用のパウチを提供することを目的とする。

　本願の第１の発明は、医療用のパウチであって、内側パウチ及び外側パウチを備えており、外側パウチが、内側パウチを交換するために、外側パウチに再密閉可能な開口を可能とすべく構成されたファスナーを備えていることを特徴としている。

　上記第１の発明においては、次の構成を採用できる。
（１）ファスナーがスライディングジッパーファスナーである。
（２）パウチが、人体排泄物を収集するための収集パウチである。更に、収集パウチが、オストミーパウチである。
（３）外側パウチが、第１開口を備えており、内側パウチが、第２開口を備えており、外側パウチ内での内側パウチの少なくとも作動位置において、第１及び第２開口が連絡のために少なくとも部分的に並んでいる。

　本願の第２の発明は、医療用のパウチであって、内側パウチ及び外側パウチを備えており、内側パウチが、分離可能な結合によって外側パウチに直接的に又は間接的に取り外し可能に確保できるようになっており、分離可能な結合が、交換用内側パウチによって内側パウチの交換を可能としていることを特徴としている。

　上記第２の発明においては、次の構成を採用できる。
（１）パウチを装着者に固定するための身体取付部を更に備えており、分離可能な結合が、内側パウチを、外側パウチに又は身体取付部に、取り外し可能に固定している。
（２）パウチが、人体排泄物を収集するための収集パウチである。更に、収集パウチが、オストミーパウチである。
（３）外側パウチが、第１開口を備えており、内側パウチが、第２開口を備えており、内側パウチが解放可能な結合によって固定される時、第１及び第２開口が連絡のために少なくとも部分的に並んでいる。
（４）分離可能な結合が、接着結合である。

　本願の第３の発明は、医療用のパウチであって、内側パウチ及び外側パウチを備えており、内側パウチが、（ｉ）外側パウチから除去するために、及び、（ii）水洗トイレの水で流して処分するために、構成されていることを特徴としている。

　上記第３の発明においては、次の構成を採用できる。
（１）外側パウチが、交換用内側パウチを用いて再使用するために構成されている。
（２）パウチが、人体排泄物を収集するための収集パウチである。更に、収集パウチが、オストミーパウチである。
（３）外側パウチが、第１開口を備えており、内側パウチが、第２開口を備えており、外側パウチ内での内側パウチの少なくとも作動位置において、第１及び第２開口が連絡のために少なくとも部分的に並んでいる。
（４）内側パウチが、水分解性の又は水分散性の材料でできている。

　本願の第４の発明は、人体排泄物を収集するための収集パウチであって、開口と、開口を解放可能に閉じるためのスライディングジッパーとを備えていることを特徴としている。

　上記第４の発明においては、次の構成を採用できる。
（１）開口が、パウチの周囲に又はその近くにある。
（２）ジッパーが、パウチに開閉可能な継ぎ目を提供している。
（３）ジッパーが、曲線部分を有する通路に沿って延びている。更に、通路の大部分が曲線状である。更に、スライディングジッパーが、少なくとも１つのジッパートラックと可動スライダーとを備えており、スライダーが、トラックに沿ったスライダーの通路の曲率に対応するための特性を有する表面に係合する、１つ以上のトラックを、備えている。

　本願の第５の発明は、医療用のパウチであって、開口と、開口を選択的に開いたり閉じたりするためのスライディングジッパーとを備えており、スライディングジッパーが、ジッパースライダーと、少なくとも１つの歯のないジッパートラックとを備えており、トラックが、スライダーがそれに沿ってスライドする少なくとも部分的に曲がった通路、を構成するための曲線形状を有しており、スライダーが、歯のないトラックに沿ったスライダーの曲線通路に適用するための特性を有する表面に係合する、１つ以上のトラックを、備えていることを特徴とするパウチ。

　なお、上記第１〜第５の発明は、任意に組み合わせて兼ね備えることができる。

　広い態様においては、本発明は、医療用のパウチを提供する。

　パウチは、分離可能な内側パウチ及び外側パウチを含んでいる。

　本発明は、更に、以下の非限定的な特徴を１つ以上備えることができるが、付加的な又は択一的な特徴は、好ましい実施形態の説明を読めば、当業者にとって明らかである。

　（ａ−ｉ）　内側パウチは、外側パウチ又は身体取付部に固定できる。そのような身体取付部は外側パウチを支持できる。

　（ａ−ii）　内側パウチは、接着結合によって固定できる。接着結合は、接着部材及び非接着部材を有する。接着部材は、内側パウチに、及び／又は、外側パウチ／身体取付部に、取り付ける。接着剤は、剥がして解放できる接着剤である。

　（ａ−iii）　内側パウチ及び外側パウチは、開口を有している。該開口は、内側パウチの内部と外側パウチの開口との間の連絡を少なくとも可能とするために、内側パウチが外側パウチ内での作動位置にある時に、概ね並んでいる。

　（ｂ−ｉ）　内側パウチは、例えば水洗トイレで内側パウチの処分を容易にするために、分解できる又は分散できる材料でできている。

　（ｂ−ii）　材料は、活性剤を添加することによって、分解又は分散を活性化できるものでもよい。活性剤は、内側パウチの表面に直接に塗布してもよく、又は、トイレの水に加えてもよい。活性剤は、ｐＨ調整剤及び／又は溶媒でもよい。

　（ｂ−iii）　パウチ材料は、内部直面の耐水性層と、外部直面の水分解性／水分散性の層とを備えている。

　（ｃ−ｉ）　パウチ（又は１つ以上のパウチが存在する場合は少なくとも１つのパウチ）が再密閉可能な開口を有している。

　（ｃ−ii）　パウチ（又は１つ以上のパウチが存在する場合は少なくとも１つのパウチ）が開口と、該開口を閉じるためのスライディングジッパーとを備えている。開口は、パウチの継ぎ目にある。スライディングジッパーは、パウチの曲率（又はスライダーが沿って動く通路）に適合し又は適応するための特性を有するスライダーを備えてもよい。その特性は、１つ以上のガイド表面又はスライダーのトラック係合表面の、ある程度の曲率である。そのような特性は、スライダーが非線形通路に沿ってスムーズに移動するのを可能にできる。

　（ｃ−iii）　分離可能な内側パウチ及び外側パウチを備えたパウチの場合には、外側パウチは、内側パウチを取り外したり及び／又は取り付けたりするためのアクセスを提供する時に、開くことができるものである。

　（ｃ−iv）　パウチの壁（又は１つ以上のパウチが存在する場合は少なくとも１つのパウチ）が全体的に又は部分的に開くことができるものである。開くことのできる窓部分は壁中に構成してもよく、又は、開口が壁中で開くことができるものでもよく、又は、壁がその継ぎ目にて開くことができるものでもよい。

　（ｄ−ｉ）　医療パウチは、人体排泄物を収集するための収集パウチでもよい。収集パウチは、オストミーパウチでもよい。オストミーという言葉は、コロストミー、イレオストミー、ウロストミーのいずれか又は全てを含んでいる。

　本発明の他の非限定的な特徴及び利点は、以下の一般的に競合する要求事項の１つ以上を満たすことができるパウチデザインを提供することであり、その要求事項は、使用の容易性、排泄物含有内側パウチの処分の容易性、パウチ漏れに対する安全性及び信頼性、及び／又は、製造の容易性である。

　更に、本発明の非限定的な特徴は、好ましい実施形態の下記の説明から明らかになるであろう。

　本願の第１の発明によれば、主として、外側パウチのファスナーを解いて開口を開いて、外側パウチから内側パウチを取り出すことができる。

　本願の第２の発明によれば、主として、内側パウチを交換して再使用できる。

　本願の第３の発明によれば、主として、外側パウチから取り出した内側パウチをトイレで処分できる。

　本願の第４の発明によれば、主として、交換可能な収集パウチを得ることができる。

　本願の第５の発明によれば、主として、開口の開閉操作をスムーズに行うことができる。

　本発明の限定されない好ましい実施形態を、添付図面を参照して、ここに説明する。

　好ましい実施形態として、医療用パウチの種々の例を示す。ある形態では、パウチは、オストミーパウチの形式の収集パウチである。好ましい実施形態として、マルチパウチシステムを例示する。しかしながら、本発明の原理が医療用のシングルパウチに等しく適用できることは予期されることである。必要に応じて、対応する引用符号は対応する特徴を示している。

　図１及び図２は第１実施形態のパウチを示す。図１に示すように、オストミーパウチ１０は、一般に、内側パウチ１２及び外側パウチ１４を備えている。内側パウチ１２は、互いの周辺で共に固定された前壁１６及び後壁１８を備えている。外側パウチ１４は、互いの周辺で共に固定された前壁２０及び後壁２２を備えている。各パウチ１２、１４にとって、前壁及び後壁は、共に固定された別々のシートで作ることができ、又は、周辺で折畳まれた共通のシートで作ることができる。

　外側パウチ１４は、その後壁２２において、排泄物の第１入口開口２４を備えている。接着性の身体取付部２６は、第１入口開口（ストーマ開口）２４回りの外側パウチ１４に、固定し又は着脱可能に結合している。身体取付部２６は、装着者のストーマ周辺領域にオストミーパウチ１０を固定するための、皮膚にやさしい接着剤からなる薄板又はパッドを、備えている。例えば、接着剤は、親水コロイド接着剤である。この実施形態では、身体取付部２６は、外側パウチ１４と一体とするために、例えば、溶着、ヒートシール、接着によって、外側パウチ１４の後壁２２にしっかりと固定されている。

　内側パウチ１２は、その後壁１８において、排泄物の第２入口開口２８を備えている。第２入口開口２８は、第１入口開口２４より少し大きいものである。第１ファスナー３０、３２が、内側パウチ１２を外側パウチ１４に又は身体取付部２６に固定するために、設けられている。その固定状態（図示せず）では、第１及び第２入口開口２４、２８は、内側パウチ１２の内部と第１入口開口２４との間の連絡を得るために、少なくとも部分的に又は実質的に並んでいる。パウチ１０に入る人体排泄物は、直接、内側パウチ１２に入る。第１ファスナー３０、３２は、排泄物が外側パウチ１４中へ漏れるのを防止するために、十分な液密シール及び／又は気密シールを提供している。

　第１ファスナー３０、３２は、内側パウチ１２を外側パウチ１４／身体取付部２６から分離できるようにするために、解放可能な又は分離可能なファスナーである。第１ファスナー３０、３２は、機械的ファスナー又は接着ファスナーでもよい。一般に、第１ファスナー３０、３２は、外側パウチ１４又は身体取付部２６によって支持される第２結合部材３２と（機械的に又は接着的に）協同するために、第２入口開口２８を囲む又は第２入口開口２８に隣接する第１結合部材３０を備えている。第１及び第２結合部材３０、３２は、平坦な又は板状のものでよく、或いは、機械的に係合する外形を有してもよい。

　この実施形態では、第１ファスナーとして接着ファスナーが好ましい。例えば、第１結合部材３０は、第２入口開口２８に隣接する又は第２入口開口２８を取り囲む、面板の接着部材である。第２結合部材３２は、該接着部材を取り付けることができる非接着の受取面（又はランディング面）である。接着剤は、粘着性又は非粘着性のタイプのものである。上記接着部材に適した材料は、ミネソタ州ミネアポリスの３Ｍ社よって製造され、「9776 Foam Medical Tape on Liner」と指定されるタイプのような、再シール可能なフォームテープである。該フォームテープは、ランディング面（第２結合部材３２）に面した低アレルギー誘発性のアクリレート粘着剤を備えた、約０．８ｍｍ厚さの独立気泡ポリエチレンフォームバッキングを、備えている。他の適した材料は、フォームの代わりに粘着剤を備えたシート基材である。どちらの場合でも、接着剤は、最初は、パウチの最初の使用前には、シリコンリリースペーパー（図示せず）によって保護できる。上記ランディング面は、プラスチックの、例えば、熱可塑性プラスチックの、可撓性フィルムによって提供できる。

　図１及び図２に示すように、外側パウチ１４の壁、例えば前壁２０は、内側パウチ１２を取りつけたり取り外したりするためのアクセスを提供するために、部分的に又は概ね全体的に開くことができるようになっている。この実施形態では、前壁２０の開くことのできる部分（開可能部分）３４が、前壁２０におけるアクセス窓３５を構成するために、ドア、フラップ、又はハッチ部の形態で、提供されている。アクセス窓３５は、内側パウチ１２とおおよそ同じサイズのものであり、又は、内側パウチより大きくても小さくてもよい。一般に、アクセス窓３５が内側パウチ１２より大きいと、内側パウチ１２を挿入したり取り外したりするのが容易となる。しかしながら、内側パウチ１２は、可撓性であるので、小さなサイズのアクセス窓３５を通して全く容易に挿入したり取り除いたりできる。アクセス窓３５は、内側パウチ１２の第１結合部材３０の外側周辺より大きくてもよい。

　第２ファスナー３６は、開可能部分３４を閉じて固定するために設けられている。第２ファスナー３６は、好ましくは、液密シール及び／又は気密シールを提供するものである。第２ファスナー３６は、前壁２０の開可能部分３４の周囲に、及び／又は、アクセス窓３５の対応した直面エッジの回りに、沿って延びており又は隣接している。第２ファスナー３６は、例えば、ジッパー、スライディングジッパー、フックループファスナー（例えば登録商標「Velcro」）、フックフック（例えば雄−雄インターロック）ファスナー、再配置可能な接着ファスナー（第１ファスナー３０、３２として記載したのと同様）、又は磁気ファスナーでもよい。

　脱臭フィルター３８を、放散された腸内ガスを脱臭するために、内側パウチ１２及び外側パウチ１４の一方又は両方に取り付けてもよい。脱臭フィルター３８は、（図で示すように）各パウチ１２、１４の内部対向面に又は各パウチ１２、１４の外部対向面に、取り付けることができる。脱臭フィルター３８は、各パウチの壁においてガス放出開口（図示せず）と連通するよう取り付けてもよい。

　図２に示すように、使用において、内側パウチ１２を外側パウチ１４内に挿入するために、第２ファスナー３６は、前壁２０の開可能部分３４を解放できるよう解かれている。そして、内側パウチ１２は、前壁２０の開いたアクセス窓３５を通して挿入でき、例えば、身体取付部２６と固定係合するよう圧入できる。上述した接着部材（第１結合部材３０）の場合には、該接着部材が、身体取付部２６のランディング面（第２結合部材３２）と接着係合するよう圧入されている。その後、開可能部分３４は閉じられ、第２ファスナー３６は再び締められる（図１）。

　図２に示すように、例えば内側パウチ１２が排泄物で一杯になった時に、内側パウチ１２を取り除くため、第２ファスナー３６は、前壁２０の開可能部分３４を取り外すために解かれる。そして、オストメートは、第１ファスナー３０、３２へのアクセスを得るために、内側パウチ１２の一部（図示せず）を折り返すことができる。例えば、内側パウチ１２の上部部分を折り曲げることによって、オストメートは、第１ファスナー３０、３２の上部エッジへのアクセスを得ることができる。そして、内側パウチ１２は、例えば第２結合部材３２から第１結合部材３０を剥がすことによって、身体取付部２６から分離できる。図１及び図２の両方に示されているように、第２結合部材３２は、第１結合部材３０より大きいものであり、把持面又は把持部４０を提供している（又は１つ以上の延長タブを備えてもよい）。把持面又は把持部４０は、剥がし力に対抗するために、及び、少なくとも部分的に剥がし力を身体取付部２６から隔離するために、オストメートが握ることができるものである。内側パウチ１２が一旦分離されると、内側パウチ１２はアクセス窓３５を通して外側パウチ１４から撤去できる。

　内側パウチ１２は、外側パウチ１４が身体に装着され続けている間は、挿入したり取り外したりできる。或いは、内側パウチ１２は、外側パウチ１４が装着されていない間も、挿入したり取り外したりできる。

　内側パウチ１２は、水洗トイレで処分されることを意図している。内側パウチ１２は、通常使用中の人体排泄物及び／又は他の湿潤物に耐えることができるが水洗トイレでの処分を容易にするために分解でき又は少なくとも柔らかくできる、材料で、できている。その材料は、トイレの水に又は内側パウチ１２の内部又は外部に活性化剤を添加することによって「活性化可能」にできる。例えば、添加剤は、トイレの水に加えることができるタブレット、又は粉末、又は液体の形でもよい。或いは、添加剤は、スプレーや他のアプリケータを用いて内側パウチ１２の表面にスプレーしたり分配させたりすることのできる、液体、エアゾール、又はクリームの形でもよい。

　上記の例として、内側パウチ１２が、部分的に又は全体的に、ｐＨ感受性ポリマーでできている。それは、酸又はアルカリの一方又は両方の条件下（例えば約４以下のｐＨ及び／又は約１０以上のｐＨ）で溶解可能又は分散可能となるものである。活性化剤は、酸添加物又はアルカリ添加物である。例えば、アルカリ化合物としては、炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、リン酸三ナトリウム、金属混合化合物などのような通常の塩基性薬品を用いることができる。

　内側パウチ１２を作るポリマー材料を、柔らかくするための他の手段は、有機溶媒を活性化剤として用いることである。例えば、ポリマー材料は、ｐＨ感受性ポリマーである。少なくとも、幾つかのｐＨ感受性ポリマーは、アクリル酸又はアクリレートを基礎にしており、アセトン、イソプロピルアルコール、アミノプロパウチのール、エタノールアミンなどのようなある種の溶媒に比較的速やかに溶解できる。

　他の可能性としては、内側パウチ１２が、部分的に又は全体的に、（湿潤物に耐えるために）耐水性である生物分解性ポリマーで作られることである。そのパウチ材料は、パウチの分解を活性化してトイレで水に流したり分散したりできるようにするために、例えば内側パウチ１２に化学物質をスプレーすることによって、「活性化」できる。

　他の可能性としては、内側パウチ１２が、部分的に又は全体的に、ラミネートで作られることである。ラミネートは、バルク層としての水溶性ポリマー又は水分散性ポリマーと、表面に塗布された耐水性コーティングの薄層と、を含んでいる。例えば、耐水性コーティングは、収集された排泄物からの水分によって材料の完全性が損なわれるのを回避し又は少なくとも妨害するために、内側パウチ１２の内部対向面に塗布される。内側パウチ１２の外面は、内側パウチ１２の通常使用においては、外側パウチ１４によって保護される。しかしながら、内側パウチ１２が外側パウチ１４から取り除かれてトイレ内に置かれた時、ラミネートのバルク層はトイレの水に晒されて比較的速やかに分解され又は分散される。内側パウチ１２の残された耐水性コーティングは、層が人体排泄物の重量を支持するには、或いは、水で流す際の水流に抵抗するには、あまりに薄いので、物理的に破壊される。この技術は、材料を活性化させるための活性化剤を少しも含まない。

　他の可能性としては、キャリアスリーブを用いる又は用いない、Ｖ型パウチである。それは、パウチが、トイレの流路及びトイレに連結した下水管や汚水管を、流線形の状態で流れることができるようなものである。

　内側パウチ１２は、臭いがパウチ壁の材料を通して漏れるのを防止するために、バリア材料で作ることができ、又は、バリア材料を備えることができる。脱臭フィルター３８を内側パウチ１２に設けると、脱臭フィルター３８は、閉塞を生じさせることなくトイレシステムで容易に水に流すことができるほどに、十分に小さくできる。脱臭フィルター３８は、内側パウチ１２がバリア材料で作られておらず又はバリア材料を含んでいない場合でも、内側パウチ１２に使用できる。内側パウチ１２の壁材料を通して漏れる腸内ガスを脱臭するために、脱臭剤を、又は脱臭剤も、内側パウチ１２の壁にコートしてよい。

　第１結合部材３０は、処分する前に内側パウチ１２から取り除くことができるようにしたり、又は、トイレ内で分解し又は分散する材料で作ったり、又は、水で流すことを殆ど邪魔しなかったり及び／又は容易に水に流すことができたりするような形（例えば十分に小さい）にしたりするのがよい。

　外側パウチ１４は、交換用内側パウチ１２を用いて何度も使用することを目的にできる。内側パウチ１２を交換する間、外側パウチ１４は、身体に装着したままでもよく、或いは、身体から取り除いて再び身体に取り付けるようにしてもよい。外側パウチ１４は、内側パウチ１２を保護するよう形作ることができる。内側パウチ１２は、トイレ内で内側パウチ１２の少なくとも部分的な分解を容易にするために、外側パウチ１４より、より壊れやすいものがよい。外側パウチ１４は、また、内側パウチ１２から誤って逸脱した或いは漏れた排泄物を収集するために、更なる安全性を提供している。

　外側パウチ１４は、水洗トイレで処分するのに適していない１つ以上の従来のパウチ材料で作られてもよい。外側パウチ１４は、外皮としてのヒートシール可能材料を含む同時押出成形フィルムと、中間の臭いバリア材料とで、作ることができる。例えば、ヒートシール可能材料としては、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリプロピレン（ＰＰ）、ポリブテン（ＰＢ）、エチレンビニルアセテート（ＥＶＡ）、エチレンメチルアクリレートアセテート（ＥＭＡ）、エチレンアクリル酸（ＥＡＡ）などを用いることができる。臭いバリア材料としては、例えば、ポリビニリデンクロライド（ＰＶＤＣ）、エチレンビニルアルコール（ＥＶＯＨ）、ナイロンなどを用いることができる。外側パウチ１４のフィルムの例としては、Sealed Air Cryovac製の登録商標「MF Film」又はDow Chemicals製の登録商標「Saranex Film」を用いることができる。

　外側パウチ１４の前壁２０及び／又は後壁２２は、また、柔らかで快適な布様表面を提供するために、外面にコンフォート層を備えてもよい。コンフォート層は、例えば、不織布材料で作られる。

　図３は第１実施形態に非常によく似た第２実施形態を示している。第２実施形態における主な違いは、第１及び第２結合部材３０、３２の位置が交換されていることである。第１結合部材（例えば接着部材）３０は、身体取付部２６に取り付けられている。第２結合部材（例えばランディング面）３２は、内側パウチ１２に取り付けられている。第１及び第２結合部材３０、３２をこのように配置することは、トイレにおける接着部材（第１結合部材３０）の処分を避けることができる。その代わりに、ランディング面（第２結合部材３２）は、内側パウチ１２の一部としてトイレで処分できるものとする。ランディング面は、内側パウチ１２と同じ、活性化できる及び／又は分解できる及び／又は分散できる材料で、作ることができる。第１実施形態で述べた再シール可能な接着剤の例は、同じ接着部材（第１結合部材３０）の繰返し接着を可能にでき、それによって、多数の交換用内側パウチ１２が次々に同じ外側パウチ１４及び身体取付部２６に付着することを可能にできる。

　図４〜１０は、第１実施形態に非常によく似た第３実施形態を示している。第３実施形態における主な違いは、第２ファスナー３６が外側パウチ１４の前壁２０及び後壁２２を結合する継ぎ目に融合されていることである。前壁２０の開可能部分３４は、従って、外側パウチ１４の全幅を有しており、広いアクセス窓３５を提供する。従って、外側パウチ１４の固定継ぎ目は、外側パウチ１４の全周辺に延びてはいない。その代わりに、第２ファスナー３６は、部分的に又は全体的に周辺に延びている。第２ファスナー３６は、第１実施形態で述べたどのようなファスナータイプでもよいが、スライディングジッパーが好ましく、以下に更に述べる。

　図５〜７に示すように、第１ジッパートラック５０は、図４の外側パウチ１４の前後壁２０、２２の一方に取り付けることができる（或いは、図１〜３の実施形態では、第１ジッパートラック５０は、フラップ開口が継ぎ目の代わりに面の上にあるので、前壁２０や開可能部分３４に取り付けられる）。第２ジッパートラック５２は、図４の外側パウチ１４の前後壁２０、２２の他方に取り付けることができる。第１及び第２ジッパートラック５０、５２は、それぞれ雄−雌トラックでもよい。トラック５０、５２は外側パウチ１４の曲がった周辺形状に合うように概ね曲がっている（例えば図８〜１０に示されるように）。ジッパースライダー５４は、トラック５０、５２を留めたり外したりするために、トラック５０、５２上に係留されている。スライダー５４は、一般には、チャネル形状のものであり、チャネル領域６０を構成する１つのブリッジ５６及び２つのぶら下がった側壁５８を備えている。スライダー５４の側壁５８は、トラックに係留されているスライダー５４を保持するために、トラック５０、５２の後に係合するガイド６２を支持している。チャネル領域６０は、スライダー５４の一端部５４ａ（例えば図５に示されるように右）にて他端部５４ｂよりも狭くなっている。スライダー５４の例えば左方向への移動は、雄−雌トラック５０、５２をそれぞれ相互係合に圧入することによって、ジッパーを留める。スライダー５４の端部５４ａ近くに位置するプレス突起６４は、トラック５０、５２を共に付勢するための加圧を助長できる。スライダー５４の例えば右方向への移動は、雄−雌トラック５０、５２を分離させることによって、ジッパーを外す。分離は、ブリッジ５６からぶら下がっている分離突起（ブレード）６６によって、及び／又は、スライダー５４の端部５４ｂでのガイド６２の高さの違いによって、助長されて、一方のトラックを他方のトラックに対して持上げることを促進できる。

　図５に最も良く示されるように、スライダー５４は、トラック５０、５２の曲線形状に適合し及び／又は適応する曲線特性を有してもよい。曲線特性は、ジッパーが延びている外側パウチ１４の周辺の最大曲率（例えば最小曲率半径）よりも余り小さくない（例えば曲率半径があまり大きくない）曲率を規定できる。例えば、曲線特性は、ブリッジ５６の内面５６ａであり、それは、パウチの上部周辺の最大曲率よりもあまり小さくない曲率を有している。（ブリッジ面５６ａはパウチの上部周辺の最大曲率半径よりもあまり大きくない曲率半径を有する形状を有している）。ブリッジ５６は、トラック５０、５２に対するスライダー５４の移動をガイドするためにガイドとして作動できる。更に、又は、或いは、曲線特性は、トラック５０、５２に直面するガイド６２の表面６２ａによって規定できる。ガイド面６２ａは、パウチの上部周辺の最大曲率よりもあまり小さくない曲率を有する円弧６８に沿って傾斜し又は曲がっている。（円弧６８は、パウチの上部周辺の最小曲率半径よりもあまり大きくない曲率半径を有してもよい）。

　そのような曲線特性は、スライダー５４が外側パウチ１４の曲線形状に沿ってスムーズにスライドできるようにする。これは、年配の人や不器用な人にとって、或いは、スライダー５４を操作する時の不快感を避けたいという神経性ストーマのオストメートにとって、とりわけ便利なことである。

　図８〜１０に示されるように、第２ファスナー（ジッパー）３６は、外側パウチ１４の周辺の半分以上に延びている。図示されている形態では、ジッパー３６の長さは周辺の約２／３以上である。そのようなジッパー３６の長さは、内側パウチ１２が外側パウチ１４に容易に挿入されたり外側パウチ１４から容易に取り外されたりすることを、可能にする。また、それは、内側パウチ１２を所定の位置に取り外し可能に固定するための第１ファスナー（第１結合部材３０及び第２結合部材３２）への実質的に妨害されないアクセスを提供する。

　ジッパー３６は、外側パウチ１４の上部部分を開くために配置してもよい。上部部分を開くことは、ストーマ開口へのアクセスを提供する際に便利である。外側パウチ１４の低部部分は、永久的にシールされた継ぎ目７０を有してもよい。永久的にシールされた継ぎ目７０は、内側パウチ１２が外側パウチ１４の外側へ不意に落ちることができないことを保証するための、安全装備として機能できる。

　ジッパーは、金属、プラスチック、繊維のような、どんな適した材料で作ってもよい。

　本発明、特に、好ましい実施形態で述べた本発明は、使用の容易性、排泄物含有内側パウチの処分の容易性、パウチ漏れに対する装着者の安全性及び信頼性、製造の容易性に関して、多数の概ね競合する要求事項を満たすことができる、パウチデザインを、提供できる。

　上述した説明は、本発明の好ましい形態を単に示しているものであり、本発明を限定するものではない。当業者ならば、本発明の原理及び／又は範囲の中で多くの代案を使用できることを認識できる。

　本発明は、使用の容易性、排泄物含有内側パウチの処分の容易性、パウチ漏れに対する装着者の安全性及び信頼性、製造の容易性に関して、多数の概ね競合する要求事項を満たすことができる、医療用パウチを、提供できるので、産業上の利用価値は大である。

第１実施形態のパウチの概略断面図である。図１と同じ概略断面図であるが、開いた状態の外側パウチを示す。第２実施形態のパウチの概略断面図である。第３実施形態のパウチの概略断面図である。第３実施形態のジッパーの概略断面図である。図５のVI−VI概略断面図である。図５のVII−VII概略断面図である。開いた外側パウチと、外側パウチに挿入される直前の／外側パウチから除かれた直後の、内側パウチと、を示す概略図である。開いた外側パウチを有する図８と同様の概略図であるが、外側パウチに固定された内側パウチを示す。図９と同様の概略図であるが、閉じた外側パウチを示す。

符号の説明

　１０　パウチ
　１２　内側パウチ
　１４　外側パウチ
　２４　第１入口開口
　２６　身体取付部
　２８　第２入口開口
　３０　第１結合部材
　３２　第２結合部材
　３６　第２ファスナー
　５０　第１ジッパートラック
　５２　第２ジッパートラック
　５４　ジッパースライダー

Claims

　医療用のパウチであって、
　内側パウチ及び外側パウチを備えており、
　外側パウチが、内側パウチを交換するために、外側パウチに再密閉可能な開口を可能とすべく構成されたファスナーを備えていることを特徴とするパウチ。
　ファスナーがスライディングジッパーファスナーである、請求項１記載のパウチ。
　パウチが、人体排泄物を収集するための収集パウチである、請求項１記載のパウチ。
　収集パウチが、オストミーパウチである、請求項３記載のパウチ。
　外側パウチが、第１開口を備えており、
　内側パウチが、第２開口を備えており、
　外側パウチ内での内側パウチの少なくとも作動位置において、第１及び第２開口が連絡のために少なくとも部分的に並んでいる、請求項１記載のパウチ。
　医療用のパウチであって、
　内側パウチ及び外側パウチを備えており、
　内側パウチが、分離可能な結合によって外側パウチに直接的に又は間接的に取り外し可能に確保できるようになっており、
　分離可能な結合が、交換用内側パウチによって内側パウチの交換を可能としていることを特徴とするパウチ。
　パウチを装着者に固定するための身体取付部を更に備えており、
　分離可能な結合が、内側パウチを、外側パウチに又は身体取付部に、取り外し可能に固定している、請求項６記載のパウチ。
　パウチが、人体排泄物を収集するための収集パウチである、請求項６記載のパウチ。
　収集パウチが、オストミーパウチである、請求項８記載のパウチ。
　外側パウチが、第１開口を備えており、
　内側パウチが、第２開口を備えており、
　内側パウチが解放可能な結合によって固定される時、第１及び第２開口が連絡のために少なくとも部分的に並んでいる、請求項６記載のパウチ。
　分離可能な結合が、接着結合である、請求項６記載のパウチ。
　医療用のパウチであって、
　内側パウチ及び外側パウチを備えており、
　内側パウチが、（ｉ）外側パウチから除去するために、及び、（ii）水洗トイレの水で流して処分するために、構成されていることを特徴とするパウチ。
　外側パウチが、交換用内側パウチを用いて再使用するために構成されている、請求項１２記載のパウチ。
　パウチが、人体排泄物を収集するための収集パウチである、請求項１２記載のパウチ。
　収集パウチが、オストミーパウチである、請求項１４記載のパウチ。
　外側パウチが、第１開口を備えており、
　内側パウチが、第２開口を備えており、
　外側パウチ内での内側パウチの少なくとも作動位置において、第１及び第２開口が連絡のために少なくとも部分的に並んでいる、請求項１２記載のパウチ。
　内側パウチが、水分解性の又は水分散性の材料でできている、請求項１２記載のパウチ。
　人体排泄物を収集するための収集パウチであって、
　開口と、開口を解放可能に閉じるためのスライディングジッパーとを備えていることを特徴とするパウチ。
　開口が、パウチの周囲に又はその近くにある、請求項１８記載のパウチ。
　ジッパーが、パウチに開閉可能な継ぎ目を提供している、請求項１８記載のパウチ。
　ジッパーが、曲線部分を有する通路に沿って延びている、請求項１８記載のパウチ。
　通路の大部分が曲線状である、請求項１９記載のパウチ。
　スライディングジッパーが、少なくとも１つのジッパートラックと可動スライダーとを備えており、
　スライダーが、トラックに沿ったスライダーの通路の曲率に対応するための特性を有する表面に係合する、１つ以上のトラックを、備えている、請求項２２記載のパウチ。
　医療用のパウチであって、
　開口と、開口を選択的に開いたり閉じたりするためのスライディングジッパーとを備えており、
　スライディングジッパーが、ジッパースライダーと、少なくとも１つの歯のないジッパートラックとを備えており、
　トラックが、スライダーがそれに沿ってスライドする少なくとも部分的に曲がった通路、を構成するための曲線形状を有しており、
　スライダーが、歯のないトラックに沿ったスライダーの曲線通路に適用するための特性を有する表面に係合する、１つ以上のトラックを、備えていることを特徴とするパウチ。