JP2004113076A - Seedling transplanter - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、甘しょ苗等のつる苗を圃場に植付ける苗移植機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、下記特許文献1〜3に示されるように、機体を自走させる走行部と、つる苗を前後方向に向く姿勢で一つづつ収容する苗収容部を複数設けて該苗収容部を複数の前後方向の軸周りに一列で周回動させて苗を搬送する苗搬送部と、該苗搬送部によって搬送されてきたつる苗を把持して圃場に植付ける苗植付け体とを備えた甘しょ苗移植機が知られている。
【0003】
従来の甘しょ苗移植機は、機体の進行方向後方へ向けて圃場内に浅く斜めに苗を植え付けるものであり、植え付けたつる苗上の圃場面に覆土した後、覆土を押さえつける一対の鎮圧輪を用いる方法が知られている。
【0004】
【特許文献1】
特開平4−36107号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平4−36108号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平4−58809号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の一対の鎮圧輪は下部ほど互いの間隔が狭くなるように斜めに取り付けられ、作業機の重みで下向きに付勢されており、機体の進行に伴って畝面を転動して苗が植え付けられた後の苗移植穴の周囲の土を崩落させて覆土した後、その後を軽く鎮圧する機能がある。
【0008】
しかし、上記鎮圧輪では、植え付けたつる苗の上の圃場面が一対の鎮圧輪の間に位置することになり、他の苗類に比べて長いつる苗の根部及びその近傍を十分鎮圧できていないおそれがある。
また、マルチフィルムを設置する場合に、苗植付け体による苗の植え付け後にマルチフィルムとその下方の土壌との間に空気がたまり易く、高温空気により苗の生育に支障を与えることがあった。
【0009】
本発明の課題は、植え付け後の甘藷苗等のつる苗の上方の土を確実に鎮圧して、つる苗を土中に植え付けることができる苗移植機を提供することである。
また、本発明の課題は、甘藷苗等のつる苗を土中に植え付けた後で、マルチフィルムを設置する場合にも苗の生育の障害にならないようにする苗移植機を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために次の構成を採用した。
請求項1記載の発明は、機体を自走させる走行装置1と、該走行装置1上に植付用のつる苗を搬送する苗搬送部3と、該苗搬送部3からつる苗を受け取り、圃場に植え付ける苗植付け体4と、圃場に植え付けられたつる苗の上面を覆土して鎮圧する覆土鎮圧体63を備えた苗移植機において、苗植付け体4は、その先端の挟持部(作用部)4aがつる苗を保持したまま圃場の土中に侵入し、機体進行方向前側から後側に向って土中を移動して所定箇所で土中につる苗を開放して、機体進行方向後側から前斜め上方に向かって上昇して土中を抜け出るように移動する構成を備え、覆土鎮圧体63は圃場面を押圧するための接地体63aを備え、該接地体63aが植付け体4のつる苗植え付け動作時に、植付けられたつる苗の後端部より後側から前側の苗茎部上方の畝上面に接地し、機体進行により地上に出ているつる苗に接触する前に圃場面から離れて上昇するように移動する構成を備えた苗移植機である。
【0011】
請求項2記載の発明は、覆土鎮圧体63の接地体63aは弾性変形可能な板体で構成した苗移植機である。
【0012】
【作用及び発明の効果】
請求項1の発明により、つる状苗が船底植えや斜め植えのように前倒れ状態で土中に植付けられ、しかも、植付け体4の挟持部4aが苗を開放した後、機体進行方向後側から前側斜め上方に向って上昇するので、苗が覆土されやすい状態となり、そして、鎮圧覆土体63の接地体63aが、植付けられたつる状苗の土中の後端部より後側から前側の苗茎部上方の畝上面に接地して鎮圧するので、上記のように前倒れ状態で土中に植付けられたつる状苗の覆土鎮圧を適確に行え、更に、鎮圧覆土体63の接地体63aが機体進行により地上に出ている苗を鎮圧する前に上昇するので、苗の地上部分を鎮圧してしまうこともない。従って、つる状苗を適確な姿勢で植付けられ、且つ、活着が良い植付けが可能となる。
【0013】
請求項2の発明により、畝上面をマルチフィルムで覆っている場合、鎮圧覆土体63の接地体63aが弾性変形可能な状態で広い範囲の面で接地するため、マルチフィルム下方の土壌が大きく沈下する状態が生じにくく、このため、マルチフィルムと土壌面との間に高温の空気が多量に溜まって苗の生育に支障を与えるというような問題が発生しにくくなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態としての苗移植機を以下に図面と共に説明する。図1は本発明の実施の形態の苗移植機の側面図、図2は図1の苗移植機の平面図、図3は図1の苗移植機の苗搬送部と苗植付け体と鎮圧体を示す一部省略した斜視図、図4は図1の苗移植機の苗搬送部と苗植付け体とを示す一部省略した苗移植機の背面方向から見た図である。
【0015】
なお、以下の図示例についての説明で前又は後というときは、操縦ハンドル2を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン5を配置した側を前という。そして、右又は左というときは、機体後部において機体前部側を前側として立つ作業者から見て右手側を右とし、左手側が左としていう。
【0016】
苗移植機は、走行装置1と操縦ハンドル2を備えた機体に、甘しょ苗を搬送する苗搬送部3と、該苗搬送部3によって搬送されてきた苗を圃場に植付ける苗植付け体4とを備えた苗移植機である。
【0017】
走行装置1は、図示例では、エンジン5と、該エンジン5の動力が伝達されて駆動回転する左右一対の後輪6、6と、該車輪6、6の前方に転動自在に支持した左右一対の前輪7、7とを備えたものとしている。
【0018】
エンジン5の後部には、ミッション(伝動)ケース8を配置し、そのミッション(伝動)ケース8は、その左側部からエンジン5の左側方に延びるケース部分を有し、これがエンジン5の左側部と連結している。このケース部分にエンジン5の出力軸が入り込んでミッション(伝動)ケース8内の伝動機構に動力が伝達される構成となっている。ミッション(伝動)ケース8の左右両側部に伝動ケース9、9を回動自在に取り付け、この伝動ケース9、9の回動中心にミッション(伝動)ケース8から左右両外側方に延出させた車輪駆動軸の先端が入り込んで伝動ケース9、9内の伝動機構に走行用の動力を伝達している。そして、走行用の動力は伝動ケース9、9内の伝動機構を介して機体後方側に延びて、その後端側側方に突出する車軸10、10に伝動し、後輪6、6が駆動回転するようになっている。
【0019】
また、伝動ケース9、9のミッション(伝動)ケース8への取付部には、上方に延びるアーム11、11を一体的に取り付けていて、これがミッション(伝動)ケース8に固定された昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端に上下軸心周りに回動自在に取り付けた天秤杆13の左右両側部と連結している。その連結部の右側はロッド14で連結し、左側は伸縮作動可能な左右水平制御用油圧シリンダ15で連結している。
【0020】
昇降用油圧シリンダ12が作動してそのピストンロッド12aが機体後方に突出すると、左右の前記アーム11、11は後方に回動し、これに伴い伝動ケース9、9が下方に回動して、機体が上昇する。反対に、昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド12aが機体前方に引っ込むと、左右の前記アーム11、11は前方に回動し、これに伴い伝動ケース9、9が上方に回動して、機体が下降する。この昇降用油圧シリンダ12は、機体に対する畝上面高さを検出するセンサー24(図1)の検出結果に基づいて機体が畝上面高さに対して設定高さになるよう作動するよう構成しており、また、操縦ハンドル2近傍に配置した操作具の人為操作によって機体を上昇或は下降させるよう作動する構成ともしている。
【0021】
また、前記左右水平制御用油圧シリンダ15が伸縮作動すると、前記天秤杆13が、その左右中央部の昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド12aの先端と連結する上下軸心周りに回動して左右の伝動ケース9、9を互い違いに上下動させ機体を左右に傾斜させる。この左右水平制御用油圧シリンダ15は、左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサー24の検出結果に基づいて機体が左右水平になるように作動するよう構成している。
【0022】
前記左右前輪7、7は、エンジン5下方の左右中央位置で前後方向の軸心周りに回動自在に取り付けた前輪支持フレーム16の左右両側部の下方に延びるアーム部分の下端部側方に固定した車軸17、17に回転自在に取り付けている。従って、左右前輪7、7は、機体の左右中央の前後方向の軸心周りにローリング動自在となっている。
【0023】
前記操縦ハンドル2は、ミッション(伝動)ケース8に前端部を固定したハンドルフレーム2bの後端部に取り付けている。ハンドルフレーム2bは、機体の左右中央から右側に偏った位置に配置されて後方に延び、また、前後中間部から斜め後上方に延びている。操縦ハンドル2は、ハンドルフレーム2bの後端部から左右に後方に延びてその各後端部を操縦ハンドル2のグリップ部2a、2aとしている。操縦ハンドル2の左右のグリップ部2a、2aは、作業者がそのグリップ部2a、2aを楽に手で握れるように適宜高さに設定する。なお、図例ではグリップ部2a、2aを左右に分かれた構成としているが、操縦ハンドル2の左右の後端部を互いに左右に連結してその連結部分をグリップ部としても良い。
【0024】
なお、上記走行装置1は、四輪構成としたものであるが、左右一対の駆動輪のみの2輪構成でもよいし、前輪の替わりに畝上面を転動する鎮圧輪としてもよい。また、クローラー式の走行装置としてもよい。
【0025】
次に、苗植付け体4及び苗搬送部3について説明する。
苗植付け体4は、その苗植付け作用部4aを昇降動させる駆動部と連結し、該苗植付け体4の苗植付け作用部4a(一対の苗植付け挟持具4a1、4a2)が、苗搬送部3により搬送されてきた苗に作用して苗を圃場に植付ける構成としたものである。
【0026】
苗植付け体4を駆動する駆動部は、ミッション(伝動)ケース8内から苗植付け体4の駆動用の動力を受けて伝動する伝動機構を内装する植付け伝動ケース18に設けている。図例のように植付け伝動ケース18は、その前部がミッション(伝動)ケース8の後部に連結し、そこから後斜め上方に延びる第一ケース部18aと、この第一ケース部18aの上部左側部に左右方向の軸心回りに回動自在に取り付けられて左側方に延びる第二ケース部18bと、その第二ケース部18bの左端部に固定され後斜め下方に延びる第三ケース部18c内に苗植付け体4を駆動するための動力を伝達する伝動機構を内装している。
【0027】
なお、第一ケース部18a内に内装した伝動機構には、苗植付け体4をその昇降動最上位の位置で、またはその近傍位置で設定時間停止させる間欠駆動機構と、苗植付け体4及び苗搬送部3を作動停止させるクラッチ機構とを備える。間欠駆動機構によって停止する時間は、該間欠駆動機構が備える変速機構によって調節され、この調節によって苗植付け体4による苗植付株間が変更調節されるようになっている。
【0028】
そして、苗植付け体4は、その駆動部としての駆動回転する駆動アーム19と連結して駆動される。駆動アーム19は、前記第三ケース部18cの後部右側部から突出して駆動回転する駆動軸20に固定されている。そして、駆動アーム19の先端部に苗植付け体4の支持リンク部21の上端部を回転自在に連結し、その支持リンク部21の下端部に揺動リンク22の前端部を回転自在に連結している。
【0029】
また、揺動リンク22の後端部は支持軸25で回転自在に支持されている。支持軸25の一端部は第三ケース部18cに前部が固定された支持フレーム23の後端部に回転自在に支持されている。
【0030】
また、図3の苗植付け体4部分の拡大斜視図に示すように、苗植付け体4は一対の支持板4b1、4b2からなる支持部4bと該支持部4bの先端部で苗を挟持する一対の苗植付け挟持具4a1、4a2と、前記支持板支持部4bの各板4b1、4b2の基部を支持する一対の開閉部材4c1、4c2と、該開閉部材4c1、4c2との基部側に設けた円筒部4d1、4d2とからなる。一対の開閉部材4c1、4c2はその中間部で回動自在に交差しており、また常時は挟持具4a1、4a2を閉じる方向にスプリング4eで付勢されている。また、円筒部4d1、4d2の一端部が係合し、他端部が後述するカム54に当接している。
【0031】
前記カム54は駆動アーム19と支持リンク部21との端部同士を連結し、かつ伝動ケース18c内の駆動機構18c1の駆動力を揺動リンク22に伝動する連結リンク55にスプライン係合されている。カム54は円盤54aの両側にわたって設けたボス部54b1、54b2と円盤54aの前記ボス部54b1、54b2の外側に設けた一対の突起54c1、54c2からなる。従って伝動ケース18cからの駆動力でカム54が一回転すると、突起54c1、54c2に苗植付け体4の円筒部4d1、4d2がそれぞれ当接し、一対の開閉部材4c1、4c2がスプリング4eの付勢力に抗して互いに開く方向に作動し、支持板4b1、4b2を介して一対の挟持具4a1、4a2が開く。
【0032】
一対の挟持具4a1、4a2が開いた後は、一対の苗植付け挟持具4a1、4a2の先端部が閉じる方向に動き、苗を挟持する。このときの支持リンク部21が苗植付け挟持具4a1、4a2に挟持された苗を畝に埋め込む方向に動く。
【0033】
また、苗搬送部3が苗を圃場に向けて搬送する方向と同じ方向に動作しながら苗植付け体4の一対の苗植付け挟持具4a1、4a2が苗を挟持しようするので、搬送部3から苗植付け体4への苗の引き継ぎに無理が無く、苗の引継に失敗することがほとんど無くなる。
【0034】
苗を圃場(畝)中に植え付けた後にカム54に連動する苗植付け挟持具4a1、4a2が苗の挟持を解放し、かつ、圃場内から上方に離れる方向に移動する。このときカム54の突起54c1、54c2の円盤54aへの取り付け位置により、一対の挟持具4a1、4a2が開くタイミングが決まる。苗を圃場(畝)中に植え付けた後に一対の挟持具4a1、4a2が開く。
【0035】
ここで多種類のカム54を用意しておき、苗の種類などに応じてカム54を取り替えて各苗に適した植え付けができ、苗を圃場(畝)中に植え付けた後に、一対の挟持具4a1、4a2が開くタイミングが決まる。
【0036】
上記構成により苗植付け体4は、駆動アーム19が駆動回転すると、支持リンク部21と一体の苗植付け体4の先端部(下端部)の苗植付け作用部4aが、図1に示すような軌跡T又は軌跡T’を描いて運動することになる。なお、図1に示すような軌跡Tは、機体に対して苗植付け作用部4aが描く運動軌跡であり、軌跡T’は、設定した作業時速度で機体が前進走行したときの圃場に対して苗植付け作用部4aが描く運動軌跡である。
【0037】
苗搬送部3は、甘しょ苗を茎部が前後方向に向く姿勢で収容する苗収容部26を苗搬送方向C(図4)に複数備えるとともに、該苗収容部26を機体上部側で左右一方向に搬送する上部横搬送部3aと、該上部搬送部3aにより搬送されてきた苗収容部26を機体下方に搬送する下降搬送部3bと、該下降搬送部3bにより搬送されてきた苗収容部26を機体上方に搬送し、前記上部横搬送部3aの搬送始端側に戻す上昇搬送部3cとを備えている。
【0038】
苗収容体26は、前後に長い樋状の形態で、上部横搬送部3aで苗を載せる受け面となる受け板部26aと、互いに隣接する苗収容体26、26とを仕切る面となる側板部26b、26bとを備え、上部横搬送部3aで上方に開放部を有する形態となっている。また、前後にも開放された形状であるが、後部側には、苗挟持体27を取り付けている。
【0039】
そして、この苗収容体26・・・をチェン28、28に複数並べて取り付け、そのチェン28、28を、機体上部側の左右に各前後一対づつ設けたスプロケット29、29;30、30と、機体下部側の左右に各前後一対づつ設けたスプロケット31、31;32、32とに巻きかけている。機体上部側の左右のスプロケット29、29;30、30は支持部材35で支持される軸36、37に取り付けている。支持部材35は植付け伝動ケース18の第三ケース部18cの後部に固定された支持パイプ33に固着している。
【0040】
更に、この苗移植機では、図6に示すように苗収容部26の底部26aの後端に、断面コ字状のアーム形状の支持体である苗挟持体27を着脱自在に取り付けた構成とする。
【0041】
苗挟持体27は左右一方側の挟持部材27a、27aから構成され、その間につる苗を挟持しながら苗植付け体4に受け渡すが、少なくとも左右一方側の挟持部材27aを他方の挟持部材27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成する。ブラシ体Bは、左右の挟持部材27a、27aの左右一方側のみにおいて構成しても良いし、左右両方側において構成しても良い。なお、このブラシ体Bは、植物性繊維、獣毛、或は合成樹脂等の合成物又はゴムによる細い繊維状体などを用いた毛b1を、適宜材質の板状等のベース部材b2に植立させたものである。ブラシ体Bの毛b1は、ブラシ体Bの毛先部分に苗を押し込むときに適宜弾力的に屈曲し、且つ、このとき毛先に苗が接触しても苗に大きな損傷を与えないような弾力であり、また、苗の基部側部分をブラシ体Bの毛先部分を上下に分け入るようにして挟んだときに苗が容易に脱落しにくいような弾力を有するよう適宜選択する。
【0042】
図6に示した苗挟持体27は、苗収容部移動方向(矢印D方向)下手側の挟持部材27aを、苗収容部移動方向D上手側の挟持部材27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成し、苗収容部移動方向D上手側に苗挟持作業時に触れる作業者の指によって弾性変形可能な発砲ウレタン樹脂などの合成物等からなる弾性部材Eで構成した例である。
【0043】
上記のように苗挟持体27を構成すると、作業者が片手でつる苗を持って苗挟持体27につる苗を挟持させる場合、苗挟持体27に挟持させるつる苗の基部側部分の上に指を添え、その添えた指を左右の挟持部材27a、27aの間に入り込ませながら、つる苗の基部側部分を左右の挟持部材27a、27a間に押し込んで挟持させることになるが、このとき、苗挟持体27の少なくとも左右一方側の挟持部材27aが他方の挟持部材27aに毛先が向う姿勢のブラシ体Bで構成されていることにより、指を左右の挟持部材27a、27a間に容易に入り込ませることができ、しかも、この際に挟持部材27a、27aから受ける指への負荷も軽いものとなる。更に、苗挟持体27に挟持されるつる苗の基部側部分は、ブラシ体Bの毛先部分が上下に分け入って挟まれるので、つる苗の基部側部分は左右に挟まれるだけでなくブラシ体Bの毛先部分によって上下にも挟まれた状態になり、よって、苗挟持体27からの苗の脱落も生じにくい。従って、これにより、苗挟持体27への苗挟持作業が片手で軽く、容易に且つ確実に行えて、作業能率の向上が図れる。
【0044】
また、図7に示す例は、苗収容部26の底部26aの後端部に取付穴26cを設け、苗挟持体27の基部にも穴27cを設け、苗収容部底部26aの取付穴26cと苗挟持体27の取付穴27cを貫通させて取付具27dを設け、その取付具27dの下部に苗挟持体27に挟持された苗の苗収容部26側部位を押し下げる(苗挟持体27から外れる方向に移動させる)作用体27eを設ける。穴26c、27cの径が取付具27dの径より大きいので、苗収容部26が植付け体4に苗を渡す位置に来ると作用体27eは、自身の自重で下方に落ちる方向(矢印A)に動き、苗の茎部を図7(b)に示すように下方に押す。下方に押された苗の茎部は植付け体4の作用部4aにより挟持され的確に苗挟持体27から取り出されて確実に圃場に植付けられる。
【0045】
また、図8(図8(a)は斜視図、図8(b)は平面図、図8(c)は側面図)に示す苗挟持体27の構成例では、図7の作用体27eの苗押し下げ作用を植付体4の動作によって動作させる構成としたものである。すなわち、コ字状のアーム形状の苗抜きアーム27eを苗挟持体27の側面に固定した支持部材27fに回動自在に支持させて、下降した植付け体4の作用部4aが当る位置に苗抜きアーム27eの一片が配置されるようしておく。苗挟持体27の側面の支持部材27fとコ字状の苗抜きアーム27eの間にはバネ体27gを巻き付けてある。
【0046】
植付け体4の作用部4aが苗抜きアーム27eに当たると、バネ体27gの付勢力に抗して該苗抜きアーム27eを図8(a)、図8(c)の(イ)位置にあったアーム27eを(ロ)位置に移動させることで苗を苗挟持体27から外れやすくする。
【0047】
以上のように、苗挟持体27に挟持された苗の苗収容部26側(前側)の挟持部位を植付体4が苗を取り出すときに、苗挟持体27から外れる方向に移動させる作用体27eを設けたので、苗収容部26に収容させた苗は、植付体4が苗を取り出す位置まで、苗挟持体27にしっかりと挟持させて搬出でき、苗搬送中の苗の乱れが少なくなお且つ、植付体4が苗を取り出すときには苗が苗挟持体27から外れやすくなって苗を確実に植え付けることができる。
【0048】
また、作用体27eは苗の苗収容部26側の部位に作用するので、植付体4が挟持する側の部位(後端側部位)の位置ずれが少なく、よって本実施例のような作用体27eを設けながらも、植付体4の苗挟持姿勢も乱れにくい。
【0049】
図9(a)の底面図と図9(b)の図9(a)の矢印A方向からの矢視図に示すように、苗挟持体27に設けるブラシ体Bは、苗植付け体4の作用部4aの外側に付いた土を取り除く機能を設けた構成とすることもできる。このとき、挟持部材27a、27aの両方にブラシ体Bを取り付け、その間隔を比較的広めにしておく。
【0050】
植付け体4の作用部4aが苗を挟んだ時に、作用部4aがブラシ体Bの内側を通過するので、苗の挟持をより確実に行え、かつ安定した苗の挟持ができ、同時に植付け体4の作用部4aの外側に付いた土を取り除くことができる。その上、ブラシ体Bは、その先端部に苗の端を合わせるように苗を苗挟持体27に供給するために目印とすることもできる。
【0051】
また支持フレーム23は苗搬送部3のスプロケット群が構成する背面視三角形の内部を貫通するように配置されていて、第三ケース18cと共に鎮圧輪69を支持する。従って苗搬送部3は第三ケース18cと圃場に接地した鎮圧輪69とにより支持されており圃場に対して図1に示すように側面視で傾斜状に配置されることになる。
【0052】
そのため図2に示すように後輪6の上方に苗搬送部3がオーバーラップし(図2の円A)、作業者が苗搬送部3に接近して歩行することが容易となる。また図4に示すように背面視で三角形である苗搬送部3の空き空間に後輪6を配置でき、前記オーバラップ部分があることで機体前後長を短くすることができ、且つ苗搬送部3が後輪6に干渉しにくいように構成できる。
【0053】
また、苗搬送部3及び植付体4は伝動ケース18cの回動支点となる第2伝動ケース18bの横軸心を中心に図1の矢印Sの範囲で上下にフローティング動作するので、苗の植え付け作業時において、苗搬送部3が後傾姿勢となって苗の茎部を常に畝面にできるだけ接近させることができ、苗の植え付け失敗がなくなり、良好な植付ができる。
【0054】
また鎮圧輪69と覆土鎮圧体63の接地体63aが苗植え付け体4の挟持具4a1、4a2が圃場から出た直後に苗植え付け位置の圃場を押さえつけるので苗の植え付けを確実にすることができる。鎮圧輪69と覆土鎮圧体63については、後で詳細に説明する。
【0055】
苗搬送部3の機体下部側の左右のスプロケット31、31;32、32は、植付け伝動ケース18の第三ケース部18cに前部を固定した支持フレーム23に固着した支持プレート38で支持した軸39、40に取り付けている。そして、上部右側のスプロケット29、29が駆動部41により駆動されて苗収容体26が設定搬送方向Cに移動するよう苗搬送部3が駆動する構成となっている。
【0056】
そして、苗搬送部3の駆動部41は、苗植付け体4に連結して動作する部材22と一体に上下揺動する連動ロッド43を介して連動連結している。また、苗植付け体4の苗植付け挟持具4a1、4a2が下降するときは苗収容部26が停止し、苗植付け体4の苗植付け挟持具4a1、4a2が上昇するときは苗収容部26が移動するよう苗搬送部3が間欠駆動するように設けている。
【0057】
苗搬送部3の駆動部41の具体的な構造は、例えば、図5に示すような構造である。まず、支持パイプ33の後端部に固着したブラケット44に支持した軸45を上部右側のスプロケット29、29と一体回転するように取り付けている軸36の後部と軸継手を介して連結し、この軸45に一体回転するよう取り付けた突起46a付きの従動ディスク46を取付ける。そして、この従動ディスク46の後側に駆動アーム47を軸45に回転自在に取付け、この駆動アーム47の先端部に前記連結ロッド43の上端部を回動自在に取付ける。
【0058】
また、駆動アーム47には、従動ディスク46の突起46aに係合する爪48を取り付けていて、この爪48は、駆動アーム47が苗搬送部3の設定搬送方向Cに作動させるようにスプロケット29、29を駆動回転させる方向に回動するとき(図5では駆動アーム47が上動するとき)には、従動ディスク46の突起46aに係合固定されて従動ディスク46を駆動アーム47と一体回転させる。駆動アーム47が反対方向に回動するとき(図5では駆動アーム47が下動するとき)には、この爪48は、従動ディスク46の突起46aに係合しても逃げて従動ディスク46を駆動アーム47と一体回転させないというように、ラチット機構を構成している。
【0059】
従って伝動ケース18cからの駆動力が駆動アーム19、支持リンク部21、揺動リンク22に順次伝動されて連結ロッド43が動くと、連結ロッド43に連動する駆動アーム47が従動ディスク46と一体回転するときに、該従動ディスク46と一体回転する軸45を介してスプロケット29、29を回転させることができる。
【0060】
そして、従動ディスク46を時計回り及び反時計回りの回り止めとして従動ディスク46の突起46aに係合する二つの爪49a、49bをブラケット44に設けている。なお、従動ディスク46を一体的に回転するように駆動アーム47が回動すると、前記ラチェット機構を構成する駆動アーム47の爪48が従動ディスク46の突起46aに係合するのに先行して、駆動アーム47と一体に設けた回り止め解除カム50が、従動ディスク46の一体回動を阻止するように回り止め作用をする爪49aの先端部を従動ディスク46の突起46aと係合しない位置に移動させるようになっている。
【0061】
そして、駆動アーム47がそのストローク上限位置まで回動して、この駆動アーム47と連動する従動ディスク46が設定角度(図5では90度)回動されると、いままで爪49a、49aを突起46a、46aと係合しない位置に移動させていた回り止め解除カム50が前記回り止め用の爪49aから外れて、該回り止め用の爪49aは再び、従動ディスク46の突起46aと係合して従動ディスク46の回転が固定される。
【0062】
こうして、苗植付け体4の一対の苗植付け挟持具4a1、4a2が下降するときは前記苗収容部26・・・が停止し、前記苗植付け体4の苗植付け挟持具4a1、4a2が上昇するときは前記苗収容部26・・・が移動するよう前記苗搬送部3を間欠駆動する。
【0063】
また、苗植付け体4の苗植付け挟持具4a1、4a2が下降して苗を土壌中に植付けるときには苗収容部26・・・が停止しているので、苗が円滑に苗収容部26から取り出されて的確に苗を圃場に植付けることができる。
【0064】
このように苗植付け体4又は該苗植付け体4に連結して動作する部材と前記苗搬送部3の駆動部41を連動連結した構成としているため、本苗移植機は、苗植付け体4と苗搬送部3の駆動タイミングを容易にとることができ、しかも、苗搬送部3の駆動構成を簡潔なものにできる利点がある。
第一ケース部18a上には補助の苗載置部60を設けている。
【0065】
以上の構成からなる本実施の形態の苗移植機では、その走行装置1により機体は自走し、その自走する機体の苗搬送部3に作業者から甘しょの苗が供給される。苗搬送部3は供給された苗を搬送し、そして、苗搬送部3によって搬送されてきた苗を苗植付け体4が圃場に植付ける。苗搬送部3は、苗収容部26・・・を苗搬送方向Cに複数備え、この苗収容部26・・・に甘しょ苗がその茎部が前後方向に向く姿勢で収容される。上部横搬送部3aにより機体上部側で左右一方向に搬送される苗収容部26・・・に作業者が苗を供給し、苗が供給された苗収容部26・・・は、上部横搬送部3aに続いて下降搬送部3bにより機体下方に搬送される。該下降搬送部3bにより搬送されてきた苗収容部26・・・は、上昇搬送部3cにより機体上方に搬送されて前記上部横搬送部3aの搬送始端側に戻る。
【0066】
苗搬送部3は、甘しょ苗を茎部が前後方向に向く姿勢で収容する苗収容部26・・・を苗搬送方向Cに複数備えるとともに、該苗収容部26・・・を機体上部側で左右一方向に搬送する上部横搬送部3aと、該上部搬送部3aにより搬送されてきた苗収容部26・・・を機体下方に搬送する下降搬送部3bと、該下降搬送部3bにより搬送されてきた苗収容部26・・・を機体上方に搬送し、前記上部横搬送部3aの搬送始端側に戻す上昇搬送部3cとを備え、前記苗植付け体4は、その苗植付け挟持具4a1、4a2を昇降動させる駆動アーム19と連結し、前記下降搬送部3bにより搬送されてきた前記苗収容部26に収容された苗の後端部に該苗収容部26の後側で作用して苗を圃場に植付ける。
【0067】
こうして、苗植付け体4が苗搬送部3の後側で植付け作動することになって、苗搬送部3の後側に立って歩きながら苗を苗搬送部3に供給する作業者から苗植付け体4の苗植付け状態が見えやすく、よって、苗搬送部3への苗供給作業が容易に行え、且つ、苗の植付け不良の発生を早期に気付くことができて作業性が良いものとなる。
【0068】
また、苗植付け体4を昇降動する駆動部(駆動アーム19、植付け伝動ケース18の第三ケース部18c)を前記苗搬送部3で周回する苗収容部26・・・の移動経路内側に配置しているので、空間の有効利用により機体の小型化が図れる。
【0069】
本実施の形態の苗移植機は、前記下降搬送部3bから前記上昇搬送部3cに移行する間に機体下部側で苗収容部26・・・を左右水平状に搬送する下部横搬送部3dを設け、該下部横搬送部3dに搬送されてきた苗収容部26に収容された苗を前記苗植付け体4が圃場に植付ける構成としている。
【0070】
従って、下降搬送部3bから上昇搬送部3cに移行する間(図示例では、下部右側スプロケット31、31と下部左側スプロケット32、32とで搬送される区間)で、下部横搬送部3dにより苗収容体26・・・が機体下部側で左右水平状に搬送され、ここで苗収容部26に収容された苗を苗植付け体が圃場に植付けることができる。
【0071】
そのため、この苗移植機は、組付け時のずれ等によって苗植付け体4の苗への植付け作用時における苗収容部26の位置がずれても、苗植付け体4は、移動経路中最下端に移動した状態で且つ同じ姿勢の状態にある苗収容部26の苗を植付けられることになり、苗植付け状態の変化を極力少なくできる。
【0072】
また、上部横搬送部3aで苗収容体26・・・が上方への開放部を有する形態なので、苗収容体26・・・に苗を上方から容易に供給でき、しかも、苗収容体26・・・が下降搬送部3bにより移動して、苗収容体26の開放部が下方に向いた姿勢のときに苗植付け体4が苗収容体26で搬送されてきた苗を圃場に植付けるので、上部横搬送部3aで苗を載せる受け面26aと、隣接する苗収容体26、26とを仕切る面26b、26bとを大きく形成しても、苗植付け体4の苗植付け挟持具4a1、4a2が下降して苗を植付けるときには邪魔になりにくく、苗収容体26を上部横搬送部3aで苗を供給しやすい形状に設定することが容易になり、作業性が良い。上記苗収容部26の後端部に苗挟持体27を取り付ける。
【0073】
また、下降搬送部3bの苗収容体26・・・の側方及び前記苗植付け体4が植付ける苗を収容した苗収容体26の下方に苗収容体の開放部を覆うカバー体52を設けたので、下降搬送部3bや苗植付け体4が作用する箇所でも適宜苗が支持されて適確に苗を搬送できるようになり、よって、苗の植付けが良好に持続できる。
【0074】
前記カバー体52は、その前部が上方に湾曲する形状に形成し、または弾性体で形成した構成としている。そのため、カバー体52が接地していても圃場面を荒らさず、また、マルチフィルムが覆われていてもそのフィルムを破ることが生じにくいものとなり、良好な作業が行える。
【0075】
苗搬送部3の下部横搬送部3dの下方に設けた苗の落下防止用のカバー体52は、図10(a)の斜視図に示すように該カバー体52の後部を機体前後方向(矢印A方向)にスライドできるように構成しても良い。カバー体52の機体前後方向のスライド片52aはカバー体52に対して機体前後方向にスライドできるように構成した要部側断面図を図10(b)に示す。また、図10(c)にはスライドできない従来技術のカバー体の要部側断面図を示す。
【0076】
植付時期、品種によって苗の長さが異なるので、図10に示す下部横搬送部3dの下方に苗の落下防止用のカバー体52を設けた構成により、下部横搬送部3dの下方での苗の抜けの条件に合わせることができるため、精度の高い植付ができ、かつ、旋回時の苗のこぼれを防止することができる。すなわち、図10(b)に示す構成ではなるべく苗の端を支持することにより、苗抜けを良くし、植え付け精度を従来より高くすることができる。これに対して図10(c)に示す構成ではカバー体52をスライドできないので、植え付け爪により苗を引く抜くときにカバー体52があるので苗抜けが悪くなり、欠株率が高くなる。
【0077】
また、図1に示すように、苗植付け体4の後方には、鎮圧輪69と覆土鎮圧体63が設けられている。
覆土鎮圧体63は図3に示すように鎮圧体支持アーム63bとその先端部に固定支持された接地体63aから構成され、鎮圧体支持アーム63bは支持フレーム23の内側部に回動自在に取付け、その回動軸まわりに鎮圧体支持アーム63bと一体で回動するアーム72の先端部に取り付けたローラーが、駆動アーム19の駆動軸に一体回転するよう取り付けたカム73にスプリング74に付勢されて圧接し、駆動アーム19の駆動回転と連動して、鎮圧体支持アーム63bが上下回動して、鎮圧体63が上下動する。
【0078】
覆土鎮圧体63の接地体63aは機体の進行に伴って苗が植え付けられた箇所の畝面を転動し、苗が植付けられた後の苗移植穴を埋め戻すと共に鎮圧するようになっている。
【0079】
また、鎮圧輪69は第一伝動ケース18aの横軸心まわりに回動自在に取り付けられた苗搬送部3と植付体4とを、該鎮圧輪69を介して畝面に支持させると共に、機体の進行に伴って植え付けられた苗の左右両側方の畝面を転動し、苗が植付けられた後の苗移植穴の周囲の土を寄せて穴を埋め戻すと共に、鎮圧するようになっている。
【0080】
なお、畝面の凹凸度に応じて鎮圧輪69が機体に対し上下動すると、支持フレーム23、第三伝動ケース18cが第二伝動ケース18bの横軸心まわりに上下回動し、よって、第三伝動ケース18cと支持フレーム23に支持された苗搬送部3と植付体4が上下動し、畝面に対する上下高さが一定になるようになっている。
【0081】
前述のように植え付け体4の挟持部4aは機体の進行に伴って、下降時に苗を左右から挟持して保持し、続いて苗を保持したまま下降して畝の土中に進入し、土中で機体進行方向の前側から後ろ側に向かって移動し、その移動後端部で苗を開放し、その後、前側斜め上方に向かって動作する(図11の軌跡T’)。そのとき、つる状苗が船底植えや斜め植えのように前倒れ状態で土中に植付けられ、しかも、植付け体4が苗を開放した後、機体進行方向後側から前側斜め上方に向って上昇するので、苗が覆土されやすい状態となる。そして、覆土鎮圧体63の接地体63aが、植付けられたつる状苗の土中の後端部より後側から前側の苗茎部上方の畝上面に接地して鎮圧するので、前倒れ状態で土中に植付けられたつる状苗の覆土鎮圧を適確に行え、更に、覆土鎮圧体63の接地体63aが機体進行により地上に出ている苗を鎮圧する前に上昇するので、苗の地上部分を鎮圧してしまうこともない。従って、つる状苗を適確な姿勢で植付けられ、且つ、活着が良い植付けが可能となる。
【0082】
また、畝上面をマルチフィルムで覆っている場合、接地体63aが弾性変形可能な状態で広い範囲の面で接地するため、マルチフィルム下方の土壌が大きく沈下する状態が生じにくく、このため、マルチフィルムと土壌面との間に高温の空気が多量に溜まってつる苗の生育に支障を与えるというような問題が発生しにくくなる。
【0083】
また、本実施の形態の苗搬送部3の上部横搬送部3aと下降搬送部3bと上昇搬送部3cとの間の空間を貫通して機体の水平制御レバー75(図2)が運転手の手元まで伸びている。該機体の水平制御レバー75は左右水平制御用の油圧シリンダ15を作動させるものであり、前述の左右水平に対する機体の左右傾斜を検出するセンサ24が設けられていない作業機に手動で機体を左右水平制御するための構成である。左右水平制御用の昇降油圧シリンダ15が伸縮作動すると、前記天秤杆13が、その左右中央部の昇降用油圧シリンダ12のピストンロッド先端と連結する上下軸心周りに回動して左右の伝動ケース9、9を互い違いに上下動させ機体を左右に傾斜させ、機体を左右水平になるように作動させる。
【0084】
前記のようにレバー75を配置したので、苗搬送部3内の空間を効率的に利用して、レバー75の操作部を作業時に操作しやすい位置、即ち苗搬送部3の後側の苗供給作業位置近傍に容易に配置できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の苗移植機の側面図。
【図2】図1の苗移植機の平面図。
【図3】図1の苗移植機の苗植付け体部分の拡大斜視図。
【図4】図1の苗移植機の苗植付け体部分の背面図。
【図5】図1の苗移植機の苗搬送部の駆動部を示す背面図。
【図6】図1の苗移植機の苗収容部の斜視図。
【図7】図1の苗移植機の苗植付け体の先端部分の苗収容部の斜視図(図7(a))、側面図(図7(b))。
【図8】図1の苗移植機の苗植付け体の先端部分の苗収容部の斜視図(図8(a))、平面図(図8(b))、側面図(図8(c))。
【図9】図1の苗移植機の苗植付け体の先端部分の底面図(図9(a))、図9(a)の矢印A方向からの矢視図(図9(b))。
【図10】図1の苗移植機の苗搬送部のアンダーカバーの斜視図(図10(a))、その要部側断面図(図10(b))、従来技術のアンダーカバーの要部側断面図(図10(c))。
【図11】図1の苗移植機の苗植付け体部分の先端部の軌跡を示す図。
【符号の説明】
1 走行装置 2 操縦ハンドル
2a グリップ部 2b ハンドルフレーム
3 苗搬送部 3a 上部横搬送部
3b 下降搬送部 3c 上昇搬送部
3d 下部横搬送部 4 苗植付け体
4a 作用部(挟持部) 4a1、4a2 挟持具
4b 支持部 4b1、4b2 支持板
4c1、4c2 開閉部材 4d1、4d2 円筒部
4e スプリング 5 エンジン(原動機)
6 後輪 7 前輪
8 ミッションケース 9 伝動ケース
10、17 車軸 11 アーム
12 昇降用油圧シリンダ 12a ピストンロッド
13 天秤杆 14 ロッド
15 左右水平制御用油圧シリンダ 16 前輪支持フレーム
17 車軸 18 植付け伝動ケース
18a 第一ケース部 18b 第二ケース部
18c 第三ケース部 18c1 駆動機構
19 駆動アーム 20 駆動軸
21 支持リンク部 22 揺動リンク
23 支持フレーム 23a 支持フレーム管部
24 センサ 25 支持軸
26 苗収容体 26a 受け板部
26b 側板部 26c 取付穴
27 苗挟持体 27a 挟持部材
27c 穴 27d 取付具
27e 作用体 27f 支持部材
27g バネ体 28 チェン
29、30、31、32 スプロケット
33 支持パイプ 34、35 支持部材
36、37、39、40、45 軸 38 支持プレート
41 駆動部 42 連動リンク
43 連動ロッド 44 ブラケット
46 従動ディスク 46a 突起
47 駆動アーム 48、49a、49b 爪
50 回り止め解除カム 52 カバー体
52a スライド片 54 カム
54a 円盤 54b1、54b2 ボス部
54c1、54c2 突起
55 連結リンク 60 補助苗載置部
63 覆土鎮圧体 63a 接地体
63b 鎮圧体支持アーム 69 鎮圧輪
70 鎮圧輪支持アーム 72 板材
72a 突起 73 カム
74 バネ 75 水平制御レバー[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a seedling transplanter for planting vine seedlings such as sweet potato seedlings in a field.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as shown in
[0003]
A conventional sweet potato seedling transplanter is to plant seedlings shallowly and diagonally in a field toward the rear of the machine in the traveling direction. Is known.
[0004]
[Patent Document 1]
JP-A-4-36107
[0005]
[Patent Document 2]
JP-A-4-36108
[0006]
[Patent Document 3]
JP-A-4-58809
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The conventional pair of compression wheels are installed diagonally so that the lower part is closer to each other, and urged downward by the weight of the work machine, and rolls on the ridge surface as the machine advances, and seedlings It has the function of collapsing the soil around the seedling transplanting hole after the seedlings have been planted and covering it, and then lightly crushing the rest.
[0008]
However, in the above-described crushing ring, the field scene above the planted vine seedling is located between the pair of crushing rings, and the root portion of the vine seedling that is longer than other seedlings and the vicinity thereof can be sufficiently crushed. May not be.
In addition, when a multi-film is installed, air tends to accumulate between the multi-film and the soil below the multi-film after planting of the seedling by the seedling plant, and high-temperature air may hinder the growth of the seedling.
[0009]
An object of the present invention is to provide a seedling transplanter that can reliably suppress the soil above a vine seedling such as a sweet potato seedling after planting and plant the vine seedling in the soil.
Another object of the present invention is to provide a seedling transplanting machine that prevents a growth of seedlings from being hindered even when a mulch film is installed after planting vine seedlings such as sweet potato seedlings in the soil. .
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following features to attain the object mentioned above.
The invention according to
[0011]
The invention described in
[0012]
[Action and effect of the invention]
According to the invention of
[0013]
According to the second aspect of the present invention, when the upper surface of the ridge is covered with the multi-film, the
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A seedling transplanter as one embodiment of the present invention will be described below with reference to the drawings. 1 is a side view of a seedling transplanter according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is a plan view of the seedling transplanter shown in FIG. 1, and FIG. 3 is a seedling transfer unit, a seedling plant, and a crusher of the seedling transplanter shown in FIG. FIG. 4 is a partially omitted perspective view showing the seedling transfer unit and the seedling plant of the seedling transplanter shown in FIG. 1 as viewed from the rear side of the partially omitted seedling transplanter.
[0015]
In the following description of the illustrated example, the front or rear will be referred to as the side on which the
[0016]
A seedling transplanter includes a
[0017]
In the illustrated example, the
[0018]
A transmission (transmission)
[0019]
Further,
[0020]
When the lifting / lowering
[0021]
When the left and right horizontal control hydraulic cylinder 15 expands and contracts, the
[0022]
The left and right
[0023]
The steering handle 2 is attached to a rear end of a
[0024]
Although the traveling
[0025]
Next, the
The seedling-planting
[0026]
The drive unit that drives the
[0027]
The transmission mechanism provided inside the first case portion 18a includes an intermittent drive mechanism for stopping the seedling-planting
[0028]
Then, the seedling-planting
[0029]
The rear end of the
[0030]
Further, as shown in an enlarged perspective view of a portion of the
[0031]
The
[0032]
A pair of clamps 4a 1 , 4a 2 After opening, a pair of seedling planting clamps 4a 1 , 4a 2 The tip moves in the closing direction and pinches the seedling. At this time, the
[0033]
A pair of seedling planting clamps 4a of the
[0034]
After planting the seedlings in the field (row), the seedling planting and holding device 4a interlocked with the
[0035]
Here, various types of
[0036]
When the
[0037]
The
[0038]
The
[0039]
A plurality of the
[0040]
Further, in this seedling transplanter, as shown in FIG. 6, a
[0041]
The
[0042]
The
[0043]
When the
[0044]
In the example shown in FIG. 7, a mounting
[0045]
8 (FIG. 8 (a) is a perspective view, FIG. 8 (b) is a plan view, and FIG. 8 (c) is a side view). In the configuration example of the
[0046]
When the action portion 4a of the planted
[0047]
As described above, when the
[0048]
In addition, since the acting
[0049]
As shown in the bottom view of FIG. 9A and the arrow view from the direction of arrow A in FIG. 9A of FIG. 9B, the brush body B provided on the
[0050]
When the action portion 4a of the planted
[0051]
The
[0052]
Therefore, as shown in FIG. 2, the
[0053]
In addition, the
[0054]
In addition, the
[0055]
The left and right sprockets 31, 31; 32, 32 on the lower side of the fuselage of the
[0056]
The drive unit 41 of the
[0057]
The specific structure of the drive unit 41 of the
[0058]
The drive arm 47 is provided with a claw 48 that engages with the
[0059]
Accordingly, when the driving force from the transmission case 18c is sequentially transmitted to the driving
[0060]
The
[0061]
Then, when the drive arm 47 is rotated to the stroke upper limit position and the driven
[0062]
In this manner, a pair of seedling planting clamps 4a of the
[0063]
In addition, the seedling planting holding tool 4a of the
[0064]
As described above, since the
An auxiliary
[0065]
In the seedling transplanter according to the present embodiment having the above-described configuration, the traveling
[0066]
The
[0067]
In this way, the
[0068]
Further, a drive unit (drive
[0069]
The seedling transplanter according to the present embodiment includes a lower horizontal transport unit 3d that horizontally transports the
[0070]
Therefore, during the transition from the descending transport unit 3b to the ascending transport unit 3c (in the illustrated example, the section transported by the lower right sprockets 31, 31 and the lower
[0071]
Therefore, even if the seedling transplanting machine shifts the position of the
[0072]
In addition, since the
[0073]
Further, a
[0074]
The
[0075]
As shown in the perspective view of FIG. 10 (a), the
[0076]
Since the length of the seedling varies depending on the planting time and the variety, the
[0077]
Further, as shown in FIG. 1, a crushing
As shown in FIG. 3, the
[0078]
The
[0079]
In addition, the crushing
[0080]
When the pressure-reducing
[0081]
As described above, the holding portion 4a of the
[0082]
In addition, when the upper surface of the ridge is covered with the multi-film, since the
[0083]
Further, the horizontal control lever 75 (FIG. 2) of the airframe penetrates through the space between the upper horizontal transport section 3a, the descending transport section 3b, and the upward transport section 3c of the
[0084]
Since the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view of a seedling transplanter according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a plan view of the seedling transplanter of FIG.
FIG. 3 is an enlarged perspective view of a seedling plant body part of the seedling transplanter of FIG. 1;
FIG. 4 is a rear view of a seedling plant body of the seedling transplanter of FIG. 1;
FIG. 5 is a rear view showing a driving unit of a seedling transfer unit of the seedling transplanter of FIG. 1;
FIG. 6 is a perspective view of a seedling storage section of the seedling transplanter of FIG. 1;
7 is a perspective view (FIG. 7 (a)) and a side view (FIG. 7 (b)) of a seedling accommodating portion at a tip portion of a seedling plant of the seedling transplanter of FIG.
8 is a perspective view (FIG. 8 (a)), a plan view (FIG. 8 (b)), and a side view (FIG. 8 (c)) of a seedling accommodating portion at a tip portion of the seedling plant of the seedling transplanter of FIG. ).
9 is a bottom view (FIG. 9 (a)) of the tip portion of the seedling plant of the seedling transplanter of FIG. 1 (FIG. 9 (a)), and an arrow view from the direction of arrow A of FIG. 9 (a) (FIG. 9 (b)).
10 is a perspective view (FIG. 10 (a)) of an undercover of a seedling transfer section of the seedling transplanter of FIG. 1, a sectional side view of a main part thereof (FIG. 10 (b)), and a main part of a conventional undercover. Side sectional view (FIG. 10 (c)).
FIG. 11 is a view showing a trajectory of a tip end portion of a seedling plant body of the seedling transplanter of FIG. 1;
[Explanation of symbols]
1 traveling
3 Seedling transport section 3a Upper horizontal transport section
3b Downward transport section 3c Upward transport section
3d Lower
4a Working part (holding part) 4a 1 , 4a 2 Clip
4c 1 , 4c 2 Opening / closing member 4d 1 , 4d 2 Cylindrical part
4e
6
8 Mission case 9 Transmission case
10, 17
12 Hydraulic cylinder for lifting and lowering 12a Piston rod
13
15 Left and right horizontal control
17
18a First case part 18b Second case part
18c Third case 18c 1 Drive mechanism
19
21
23 Support frame 23a Support frame tube
24
26
27 Seedling holding body 27a Holding member
27c hole 27d mounting fixture
27e Working body 27f Support member
29, 30, 31, 32 sprockets
33 support pipe 34, 35 support member
36, 37, 39, 40, 45
41 Drive unit 42 Interlocking link
43
46
47 Drive arm 48, 49a, 49b Claw
50
54a Disk 54b 1 , 54b 2 Boss part
54c 1 , 54c 2 Protrusion
55 connecting
63
63b
70 Squeezing
74
Claims (2)
苗植付け体4は、その先端の挟持部4aがつる苗を保持したまま圃場の土中に侵入し、機体進行方向前側から後側に向って土中を移動して所定箇所で土中につる苗を開放して、機体進行方向後側から前斜め上方に向かって上昇して土中を抜け出るように移動する構成を備え、
覆土鎮圧体63は圃場面を押圧するための接地体63aを備え、該接地体63aが植付け体4のつる苗植え付け動作時に、植付けられたつる苗の後端部より後側から前側の苗茎部上方の畝上面に接地し、機体進行により地上に出ているつる苗に接触する前に圃場面から離れて上昇するように移動する構成を備えたことを特徴とする苗移植機。A traveling device 1 for self-propelling the airframe, a seedling transporting unit 3 for transporting vine seedlings for planting on the traveling device 1, a seedling plant 4 for receiving vine seedlings from the seedling transporting unit 3 and planting them in a field. In a seedling transplanter provided with a soil cover body 63 that covers the top surface of a vine seedling planted in a field and suppresses the soil,
The seedling-planting body 4 penetrates into the soil of the field with the holding portion 4a at its tip holding the vine, and moves through the soil from the front side to the rear side in the machine body traveling direction and hangs in the soil at a predetermined location. A structure is provided in which the seedlings are opened and moved upward from the rear side of the aircraft in the forward direction and obliquely upward and out of the soil,
The cover soil suppressor 63 includes a ground contact body 63a for pressing a field scene. When the ground contact body 63a is in operation for planting the vine seedlings of the planting body 4, the seedlings from the rear end to the front side of the rear end of the planted vine seedlings. A seedling transplanter characterized in that the seedling transplanter is configured to be in contact with the ridge upper surface of the upper part of the ridge and to move away from the field scene so as to ascend before contacting the vine seedling coming out on the ground by the machine body.
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