JP2004112762A - 音響再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に振り分ける必要がある場合でも、第1のゾーンで十分なマルチチャンネル音響再生効果を得る。
【解決手段】第2のゾーンで音響再生を行わない第1のモードの場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2をZ1側に切り替える。第2のゾーンで音響再生を行う第2のモードの場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2をZ2側に切り替える。また、第2のモードの場合、DSP4aは第1のゾーンの音場が所望の特性となるようにメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】第2のゾーンで音響再生を行わない第1のモードの場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2をZ1側に切り替える。第2のゾーンで音響再生を行う第2のモードの場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2をZ2側に切り替える。また、第2のモードの場合、DSP4aは第1のゾーンの音場が所望の特性となるようにメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチチャンネル音響再生機能を有する音響再生装置に係り、特に第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に切り替えることができる音響再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチチャンネル音響再生システムとして、ドルビー(登録商標)デジタルやDTS(登録商標)(Digital Theater Systems )、AAC(Advanced Audio Coding )などの音声圧縮技術を使ったデジタルサラウンドシステムが普及している。
【0003】
一方、最近では、複数の部屋に音声信号を配信するマルチゾーン音響再生システムも普及し始めている。従来、マルチチャンネル音響再生機能を有する1台の音響再生装置を用いて2つのゾーンに対する音声信号の配信を独立にオン/オフ制御する場合には(以下、第1のゾーンと異なる第2のゾーンに音声信号を配信することをZone2音響再生と呼ぶ)、第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に予め確保しておく必要があった。
【0004】
図15は、マルチチャンネル音響再生機能とZone2音響再生機能を実現する従来の音響再生装置の構成を示すブロック図である。この音響再生装置は、マルチチャンネル音響再生を主たる目的とするものである。2チャンネルのアナログ音声信号ALIN,ARINが入力端子1−1,1−2に入力されると、A/D変換器2はアナログ音声信号ALIN,ARINをデジタル音声信号に変換し、変換後のデジタル音声信号はデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPとする)4に入力され、必要に応じて音場処理が施されるが、本発明が対象とするマルチチャンネル音声入力ではないため、説明を省略する。
【0005】
一方、ドルビーデジタルやDTS又はAACで圧縮符号化されたデジタル音声信号DINが入力端子1−3からセレクタ3を介して入力されると、DSP4は、デコーダ401により圧縮符号化デジタル音声信号DINを伸張復号化して、メイン信号L(左),R(右)、リア信号RL(後左),RR(後右)、センター信号C(中央)、リアセンター信号RC(後中央)、サブウーハ信号LFE(低周波)の各音声信号を生成する。
【0006】
DSP4の音場処理部402から出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRは、D/A変換器5によってアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−1,6−2,6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−1,7−2,7−3,7−4により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4から出力される。また、音場処理部402から出力されたサブウーハ信号LFEは、D/A変換器5でアナログ信号に変換された後、ボリューム6−7を通ってサブウーハ出力端子11から出力される。
【0007】
第2のゾーンで音響再生を行わない場合には、セレクタスイッチ9−1,9−2をZ1側に切り替える。この場合、DSP4から出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、D/A変換器5でアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−5,6−6、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
【0008】
一方、第2のゾーンに2チャンネルの音声信号を配信するZone2音響再生機能を使用する場合には、セレクタスイッチ9−1,9−2をZ2側に切り替える。この場合、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
【0009】
図16は、マルチチャンネル音響再生を行う第1のゾーンZone1と2チャンネル音響再生を行う第2のゾーンZone2のスピーカ配置を示す平面図である。第1のゾーンZone1でマルチチャンネル音響再生を行う場合、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4,8−5,8−6から出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれメインスピーカSP−L,SP−R、リアスピーカSP−RL,SP−RR、センタースピーカSP−C、リアセンタースピーカSP−RCに供給される。また、サブウーハ出力端子11から出力されたサブウーハ信号LFEは、アンプを内蔵したサブウーハSP−SWに供給される。図16において、Uは試聴位置を示す。
【0010】
これに対して、第2のゾーンZone2に2チャンネルの音声信号を配信する場合には、スピーカ端子8−5,8−6から出力された音声信号Z2L,Z2RがそれぞれスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rに供給される。
【0011】
図15に示した音響再生装置では、アンプ7−5,7−6とスピーカ端子8−5,8−6を共用しているため、Zone2音響再生機能を使用する可能性がある場合には、第2のゾーンZone2で実際に音響再生を行うか否かに関係なく、第2のゾーンZone2のスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rとスピーカ端子8−5,8−6とを接続し、セレクタスイッチ9−1,9−2をZ2側に切り替えておく必要がある。したがって、第1のゾーンZone1にセンタースピーカSP−C、リアセンタースピーカSP−RCが設置されていても、これらのスピーカにはセンター信号C、リアセンター信号RCは供給されない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、マルチチャンネル音響再生機能を有する従来の音響再生装置においてZone2音響再生機能を実現しようとするとき、第1のゾーンZone1に必要なチャンネル数と第2のゾーンZone2に必要なチャンネル数を足した分だけパワーアンプを用意できない場合には、第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に確保しておく必要があるので、第1のゾーンの出力チャンネル数が不足し、結果として第1のゾーンのマルチチャンネル音響再生効果が不十分になるという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、マルチチャンネル音響再生機能を有する音響再生装置において、第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に振り分ける必要がある場合でも、第1のゾーンで十分なマルチチャンネル音響再生効果を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、n(nはn≧4の整数)チャンネルのパワーアンプから第1のゾーンにnチャンネルの第1音声信号を配信するマルチチャンネル音響再生を行う第1のモードと、前記nチャンネルのうちm(mは1≦m<nの整数)チャンネルを除いた(n−m)チャンネルのパワーアンプから前記第1のゾーンに(n−m)チャンネルの第1音声信号を配信するマルチチャンネル音響再生を行うと同時に、このマルチチャンネル音響再生で使用しないmチャンネルのパワーアンプから第2のゾーンにmチャンネルの第2音声信号を配信するマルチゾーン音響再生を行う第2のモードとを有する音響再生装置であって、前記nチャンネルの第1音声信号を前記nチャンネルのパワーアンプに出力するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)と、前記第1のモードの場合は、前記DSPから出力されたnチャンネルのうち前記mチャンネルのパワーアンプに対応するmチャンネルの第1音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力し、前記第2のモードの場合は、前記mチャンネルの第2音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力する第1のセレクタスイッチと、前記第1のモードの場合は、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記第1のゾーン用のスピーカ端子に接続し、前記第2のモードの場合は、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記第2のゾーン用のスピーカ端子に接続する第2のセレクタスイッチとを備え、前記DSPは、前記第2のモードの場合、前記第1のゾーンの音場が所望の特性となるように前記(n−m)チャンネルの第1音声信号の少なくとも一部に対して音場補正を行うものである。
【0015】
また、本発明の音響再生装置の1構成例は、前記mチャンネルの第1音声信号の音量調整と前記mチャンネルの第2音声信号の音量調整でボリュームを共用するものである。
また、本発明の音響再生装置の1構成例は、前記第1のモードから前記第2のモードに切り替わる場合は、前記第1音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第1のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第2のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定し、前記第2のモードから前記第1のモードに切り替わる場合は、前記第2音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第2のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第1のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定する制御部を有するものである。
【0016】
また、本発明の音響再生装置の1構成例において、前記第1のセレクタスイッチは、複数の前記第2のゾーンのうち1つのゾーンのみ選択が可能な前記第2のモードにおいて、この選択された第2のゾーンに対応する前記mチャンネルの第2音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力し、前記第2のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続するものである。
また、本発明の音響再生装置の1構成例は、複数の前記第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンの選択が可能な前記第2のモードにおいて、前記nチャンネルのパワーアンプの中から、選択された第2のゾーンに対応する合計mチャンネルのパワーアンプをDSPプログラムに応じて決定する制御部を備え、前記第1のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記選択された第2のゾーンに対応する前記mチャンネルの第2音声信号を前記制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプに出力し、前記第2のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプの出力を前記選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の音響再生装置は、入力端子1(1−1,1−2,1−3,1−4,1−5)、A/D変換器2、セレクタ3、DSP4a、D/A変換器5a、ボリューム6(6−1,6−2,6−3,6−4,6−5,6−6,6−7,6−8,6−9)、パワーアンプ7(7−1,7−2,7−3,7−4,7−5,7−6)、スピーカ端子8(8−1,8−2,8−3,8−4,8−5,8−6,8−7,8−8)、第1のセレクタスイッチ9(9−1,9−2)、第2のセレクタスイッチ10(10−1,10−2)、サブウーハ出力端子11および制御部12を有する。
【0018】
パワーアンプ7は、n(nはn≧4の整数、本実施の形態ではn=6)チャンネル分設けられ、そのうちm(mは1≦m<nの整数、本実施の形態ではm=2)チャンネルがZone2音響再生のために使用される。ドルビーデジタルやDTSまたはAACで圧縮符号化されたデジタル音声信号DINが入力端子1−3からセレクタ3を介して入力されると、DSP4aのデコーダ401aは、圧縮符号化デジタル音声信号DINを伸張復号化して、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号(第1音声信号)を生成する。
【0019】
これらの音声信号は、各種の音場処理を行う音場処理部402aを通ってD/A変換器5aに出力され、D/A変換器5aによってアナログ信号に変換される。D/A変換器5aから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRは、それぞれボリューム6−1,6−2,6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−1,7−2,7−3,7−4により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4から出力される。また、D/A変換器5aから出力されたサブウーハ信号LFEは、ボリューム6−7を通ってサブウーハ出力端子11から出力される。なお、本実施の形態では、2チャンネルのアナログ音声信号ALIN,ARINをマルチチャンネルソースではないとして、本発明の対象から外しているが、例えばドルビープロロジックのようにアナログ信号でもマルチチャンネルソースを実現するデコード技術が存在するため、このようなマルチチャンネルソースのアナログ音声信号の場合には、第1音声信号の生成元となるので、本発明の対象となり得る。
【0020】
第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2のスピーカ配置は図16に示したとおりである。スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4,8−5,8−6は、第1のゾーンZone1のメインスピーカSP−L,SP−R、リアスピーカSP−RL,SP−RR、センタースピーカSP−C、リアセンタースピーカSP−RCと接続されている。また、サブウーハ出力端子11は、アンプを内蔵したサブウーハSP−SWと接続されている。
【0021】
図2はZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。Zone2音響再生機能を使用しない場合、ユーザは、音響再生装置のZone2音響再生スイッチ(不図示)をオフにする。Zone2音響再生スイッチがオフの場合(図2ステップS1においてOFF)、制御部12は、ゾーン切替信号Z2ONを無効にする(ステップS2)。ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2は、Z1側に切り替わる(ステップS3)。また、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、Z1側に切り替わり、後述する音場補正をオフにする(ステップS4)。
【0022】
これにより、D/A変換器5aから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−5,8−6から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で6.1チャンネル音響再生が行われる。
【0023】
次に、第2のゾーンZone2に2チャンネルの音声信号を配信するZone2音響再生機能を使用する場合、ユーザは、音響再生装置のZone2音響再生スイッチをオンにする。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合(ステップS5においてON)、制御部12は、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2は、Z2側に切り替わる(ステップS7)。これにより、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。スピーカ端子8−7,8−8は第2のゾーンZone2のスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rと接続されているので、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0024】
一方、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1のスピーカSP−C,SP−RCにセンター信号C、リアセンター信号RCが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0025】
本実施の形態では、メインスピーカSP−L,SP−RとリアスピーカSP−RL,SP−RRとサブウーハSP−SWで6.1チャンネルのマルチチャンネル音響再生を再現するために、センター信号Cおよびリアセンター信号RCをメイン信号L,R、リア信号RL,RRに振り分けて供給する。センター信号Cは、メイン信号L,Rの中間に定位すればよいので、メイン信号L,Rに振り分ければよく、リアセンター信号RCは、リア信号RL,RRの中間に定位すればよいので、リア信号RL,RRに振り分ければよい。
【0026】
ステップS8の音場補正を行う場合、デコーダ401aから出力されたセンター信号Cは、スイッチ403aを通って減衰器405aで適切なレベルに調整された後、加算器406a,407aによりメイン信号L,Rに加算される。同様に、デコーダ401aから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404aを通って減衰器408aで適切なレベルに調整された後、加算器409a,410aによりリア信号RL,RRに加算される。音場補正されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRは、音場処理部402aを通ってD/A変換器5aでアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−1,6−2,6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−1,7−2,7−3,7−4により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4から出力される。また、音場処理部402aから出力されたサブウーハ信号LFEは、D/A変換器5aでアナログ信号に変換された後、ボリューム6−7を通ってサブウーハ出力端子11から出力される。
なお、音場補正が行われる際のメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCのそれぞれの利得を、第1のゾーンZone1の音場が所望の特性となるように設定してもよい。
【0027】
以上のように、本実施の形態では、図15の音響再生装置に対して、セレクタスイッチ10−1,10−2とスピーカ端子8−7,8−8を追加し、第2のゾーンZone2で実際に音響再生を行わない場合には、セレクタスイッチ10−1,10−2をZ1側に切り替えることにより、第1のゾーンZone1のスピーカSP−C,SP−RCにセンター信号C、リアセンター信号RCを供給することができ、最大限のマルチチャンネル音響再生効果を得ることができる。
一方、第2のゾーンZone2で実際に音響再生を行う場合には、DSP4aでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
なお、図2のステップS2〜S4,S6〜S8のように、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2やDSP4a内のスイッチ403a,404aを切り替えている最中は、切り替えの時間差などで不用意な音が出ないように、例えば音場処理部402aの全出力をオフにする等の処理を行っている。
【0028】
[第2の実施の形態]
図3は本発明の第2の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。第1の実施の形態では、第1のゾーンZone1の音量調整用ボリューム6−1〜6−6とは別に、第2のゾーンZone2の音量調整用ボリューム6−8,6−9を設けていたが、本実施の形態では、第1のゾーンZone1(C,RC)と第2のゾーンZone2(Z2L,Z2R)でボリューム6−5,6−6を共用する。制御部12aは、第1の実施の形態の制御部12の機能の他に、Zone2音響再生スイッチのオン/オフ時にボリューム6−5,6−6の値を設定する機能を有する。
【0029】
図4はZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。音響再生装置のZone2音響再生スイッチがオフ(図4ステップS11においてOFF)の場合に実施されるステップS12,S13,S14の処理は、それぞれ図2のステップS2,S3,S4と同じである。
【0030】
制御部12aは、Zone2音響再生スイッチがオンからオフへ切り換えられた場合、ステップS12でゾーン切替信号Z2ONを無効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオフになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6として記憶し(ステップS15)、予め記憶している第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS16)。なお、全ボリューム値は、工場出荷時に所定値にプリセットされているが、ユーザの使用後はユーザが設定したボリューム値を制御部12aに保持しておくことも可能である。
【0031】
音響再生装置のZone2音響再生スイッチがオン(ステップS17においてON)になった場合に実施されるステップS18,S19,S20の処理は、図2のステップS6,S7,S8と同じである。制御部12aは、ステップS18でゾーン切替信号Z2ONを有効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオンになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6として記憶し(ステップS21)、予め記憶している第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS22)。
【0032】
以上のように、本実施の形態では、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2でボリューム6−5,6−6を共用することにより、第2のゾーンZone2用のボリューム6−8,6−9が不要となるので、第1の実施の形態に比べて部品点数を削減することができる。
【0033】
また、Zone2音響再生機能を使用しない場合には、第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をボリューム6−5,6−6に設定し、Zone2音響再生機能を使用する場合には、第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6をボリューム6−5,6−6に設定するようにしたので、Zone2音響再生機能のオン/オフに応じてユーザがボリューム6−5,6−6を設定し直す必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0034】
なお、図4のステップS12〜S16,S18〜S22のようにセレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2やDSP4a内のスイッチ403a,404aを切り替えて、ボリューム6−5,6−6の値を設定している最中は、切り替えの時間差などで不用意な音が出ないように、例えば音場処理部402aの全出力をオフにする等の処理を行っている。
【0035】
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=7チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものであり、ボリューム6−10,6−11とパワーアンプ7−7,7−8との間にセレクタスイッチ9−1,9−2を設け、パワーアンプ7−7,7−8とスピーカ端子8−9,8−10との間にセレクタスイッチ10−1,10−2を設けている。
【0036】
DSP4cのデコーダ401cは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号を生成して、音場処理部402cに出力する。
音場処理部402cは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、サブウーハ信号LFE、リアサラウンド信号BSL,BSRの各音声信号(第1音声信号)をD/A変換器5cに出力する。このとき、音場処理部402cは、リアセンター信号RCを基にリアサラウンド信号BSL,BSRを生成する。
D/A変換器5cは、DSP4cから出力された各音声信号をアナログ信号に変換する。D/A変換器5cから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRの処理は第1の実施の形態と同じである。D/A変換器5cから出力されたセンター信号Cは、ボリューム6−5を通ってパワーアンプ7−5により増幅され、スピーカ端子8−5から出力される。
【0037】
図6に、図5の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2のスピーカ配置を示す。本実施の形態では、図16で説明した第1のゾーンZone1のリアセンタースピーカSP−RCの代わりにリアサラウンドスピーカSP−BSL,SP−BSRを用いる。スピーカ端子8−9,8−10は、それぞれリアサラウンドスピーカSP−BSL,SP−BSRと接続されている。
【0038】
Zone2音響再生機能をオン/オフする場合の動作は、第1の実施の形態において、センター信号Cをリアサラウンド信号BSLに、リアセンター信号RCをリアサラウンド信号BSRに置き換えたものとなるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0039】
Zone2音響再生スイッチがオフの場合(ステップS1においてOFF)、ゾーン切替信号Z2ONが無効となり(ステップS2)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ1側に切り替わり(ステップS3)、DSP4c内のスイッチ404cもZ1側に切り替わる(ステップS4)。
DSP4cから出力されたリアサラウンド信号BSL,BSRは、D/A変換器5cでアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−10,6−11、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−9,8−10から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で7.1チャンネル音響再生が行われる。
【0040】
一方、Zone2音響再生スイッチがオンの場合(ステップS5においてON)、ゾーン切替信号Z2ONが有効となり(ステップS6)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ2側に切り替わる(ステップS7)。このとき、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
DSP4c内のスイッチ404cは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1のリアサラウンドスピーカSP−BSL,SP−BSRにリアサラウンド信号BSL,BSRが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するリア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0041】
前述のように、リアサラウンド信号BSL,BSRは、リアセンター信号RCに基づいて生成される。したがって、デコーダ401cで生成されたリアセンター信号RCをリア信号RL,RRに振り分けることにより、メインスピーカSP−L,SP−RとセンタースピーカSP−CとリアスピーカSP−RL,SP−RRとサブウーハSP−SWで7.1チャンネルのマルチチャンネル音響再生を再現することができる。
【0042】
ステップS8の音場補正を行う場合、デコーダ401cから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404cを通って減衰器408cで適切なレベルに調整された後、加算器409c,410cによりリア信号RL,RRに加算される。
【0043】
以上のように音場補正されたリア信号RL,RRと、メイン信号L,Rとセンター信号Cとサブウーハ信号LFEは、音場処理部402cを通ってD/A変換器5cに出力される。D/A変換器5cから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、サブウーハ信号LFEの処理は、第1の実施の形態と同様である。また、D/A変換器5cから出力されたセンター信号Cは、ボリューム6−5を通ってパワーアンプ7−5により増幅され、スピーカ端子8−5から出力される。
なお、音場補正が行われる際のリア信号RL,RR、リアセンター信号RCのそれぞれの利得は、第1のゾーンZone1の音場が所望の特性となるように設定される。
【0044】
以上により、7チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置において、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、図5において、セレクタスイッチ9−1,9−2をD/A変換器5cとボリューム6−10,6−11の間に移し、制御部12の代わりに制御部12aを使用して、第2の実施の形態と同様にZone2音響再生スイッチのオン/オフ時にボリューム6−10,6−11の値を制御部12aで制御すれば、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2でボリューム6−10,6−11を共用することができ、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
[第4の実施の形態]
図7は、本発明の第4の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=8チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものであり、ボリューム6−12,6−13とパワーアンプ7−9,7−10との間にセレクタスイッチ9−1,9−2を設け、パワーアンプ7−9,7−10とスピーカ端子8−11,8−12との間にセレクタスイッチ10−1,10−2を設けている。
【0046】
DSP4dのデコーダ401dは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号を生成して、音場処理部402dに出力する。
音場処理部402dは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、フロント信号FL(前左),FR(前右)の各アナログ音声信号(第1音声信号)をD/A変換器5dに出力する。このとき、音場処理部402dは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCに基づいてフロント信号FL,FRを生成する。
D/A変換器5dは、DSP4dから出力された各音声信号をアナログ信号に変換する。D/A変換器5dから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRの処理は第1の実施の形態と同じである。D/A変換器5dから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
【0047】
図8に、図7の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2のスピーカ配置を示す。本実施の形態では、図16で説明した第1のゾーンZone1にフロントスピーカSP−FL,SP−FRを追加している。スピーカ端子8−11,8−12は、それぞれフロントスピーカSP−FL,SP−FRと接続されている。
【0048】
Zone2音響再生機能をオン/オフする場合の動作は、第1の実施の形態において、センター信号Cをフロント信号FLに、リアセンター信号RCをフロント信号FRに置き換えたものとなるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0049】
Zone2音響再生スイッチがオフの場合(ステップS1においてOFF)、ゾーン切替信号Z2ONが無効となり(ステップS2)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ1側に切り替わり(ステップS3)、DSP4d内のスイッチ421d,422dもZ1側に切り替わる(ステップS4)。
DSP4dから出力されたフロント信号FL,FRは、D/A変換器5dでアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−12,6−13、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−11,8−12から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で8.1チャンネル音響再生が行われる。
【0050】
一方、Zone2音響再生スイッチがオンの場合(ステップS5においてON)、ゾーン切替信号Z2ONが有効となり(ステップS6)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ2側に切り替わる(ステップS7)。このとき、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
DSP4d内のスイッチ421d,422dは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1のフロントスピーカSP−FL,SP−FRにフロント信号FL,FRが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,Rに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0051】
本実施の形態では、メインスピーカSP−L,SP−RとリアスピーカSP−RL,SP−RRとセンタースピーカSP−CとリアセンタースピーカSP−RCとサブウーハSP−SWで8.1チャンネル音響再生を再現するために、フロント信号FL,FRをそれぞれメイン信号L,Rに加算する。
すなわち、音場処理部402dから出力されたフロント信号FLは、スイッチ421dを通って加算器424dによりメイン信号Lに加算される。同様に、音場処理部402dから出力されたフロント信号FRは、スイッチ422dを通って加算器426dによりメイン信号Rに加算される。
【0052】
以上のように音場補正されたメイン信号L,Rと、リア信号RL,RRとセンター信号Cとリアセンター信号RCとサブウーハ信号LFEは、D/A変換器5dに出力される。D/A変換器5dから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、サブウーハ信号LFEの処理は、第1の実施の形態と同様である。また、D/A変換器5dから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
なお、音場補正が行われる際のメイン信号L,R、フロント信号FL,FRのそれぞれの利得は、第1のゾーンZone1の音場が所望の特性となるように設定される。
【0053】
以上により、8チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置において、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、図7において、セレクタスイッチ9−1,9−2をD/A変換器5dとボリューム6−12,6−13の間に移し、制御部12の代わりに制御部12aを使用して、第2の実施の形態と同様にZone2音響再生スイッチのオン/オフ時にボリューム6−12,6−13の値を制御部12aで制御すれば、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2でボリューム6−12,6−13を共用することができ、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
[第5の実施の形態]
第1〜第4の実施の形態では、第2のゾーンが1つだけの場合を説明したが、第2のゾーンが複数あってもよい。図9は、本発明の第5の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=6チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものであり、ボリューム6−5,6−6とパワーアンプ7−5,7−6との間に第1のセレクタスイッチ9−3,9−4を設け、パワーアンプ7−5,7−6とスピーカ端子8−5,8−6,8−7,8−8,8−13,8−14との間に第2のセレクタスイッチ10−3,10−4,10−5,10−6,10−7,10−8を設けている。
【0055】
DSP4aのデコーダ401aは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号(第1音声信号)を生成する。
これらの音声信号は、音場処理部402aを通ってD/A変換器5aに出力され、D/A変換器5aによってアナログ信号に変換される。D/A変換器5aから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、サブウーハ信号LFEの処理は第1の実施の形態と同じである。
【0056】
図10に、図9の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3のスピーカ配置を示す。本実施の形態では、第2のゾーンZone3にスピーカSP−Z3L,SP−Z3Rを配置している。スピーカ端子8−13,8−14は、それぞれスピーカSP−Z3L,SP−Z3Rと接続されている。
【0057】
本実施の形態では、第2のゾーンが2つ存在するため、図9の音響再生装置には、Zone2を選択するZone2音響再生スイッチ(不図示)と、Zone3を選択するZone3音響再生スイッチ(不図示)とが設けられている。ユーザは、第2のゾーンZone2,Zone3で音響再生しない場合、Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオフにする。Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチが共にオフの場合、制御部12bは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを無効にする(図2ステップS1,S2)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8はオフとなり、セレクタスイッチ10−3,10−4はオンとなる(ステップS3)。また、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、Z1側に切り替わる(ステップS4)。
【0058】
これにより、D/A変換器5aから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−3,10−4を通ってスピーカ端子8−5,8−6から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で6.1チャンネル音響再生が行われる。
【0059】
次に、ユーザは、第2のゾーンZone2で音響再生する場合、Zone2音響再生スイッチをオンにする。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12bは、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−7,10−8はオフとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6はオンとなる(ステップS7)。
【0060】
これにより、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−5,10−6を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。スピーカ端子8−7,8−8は第2のゾーンZone2のスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rと接続されているので、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0061】
一方、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2/Z3側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。このときの音場補正は第1の実施の形態と同じなので、詳細な説明は省略する。
【0062】
次に、ユーザは、第2のゾーンZone3で音響再生する場合、Zone3音響再生スイッチをオンにする。Zone3音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12bは、ゾーン切替信号Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z3ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−5,10−6はオフとなり、セレクタスイッチ10−7,10−8はオンとなる(ステップS7)。
【0063】
これにより、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z3L,Z3Rは、それぞれボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−7,10−8を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力される。スピーカ端子8−13,8−14は第2のゾーンZone3のスピーカSP−Z3L,SP−Z3Rと接続されているので、第2のゾーンZone3で2チャンネルの音響再生が行われる。
DSP4a内のスイッチ403a,404aは、ゾーン切替信号Z3ONが有効の場合、Z2ONが有効な場合と同様にZ2/Z3側に切り替わる。
【0064】
以上のように、本実施の形態では、n=6チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置から複数の第2のゾーンのうち1つのゾーンに音声信号を配信することができ、第2のゾーンZone2またはZone3で実際に音響再生を行う場合には、DSP4aでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、複数の第2のゾーンのうち1つのゾーンのみに音声信号を配信するため、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合を考慮して、Zone2とZone3の優先度を予め決めておく必要がある。制御部12bは、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合、予め定められた優先度に応じて、ゾーン切替信号Z2ONまたはZ3ONのいずれかを有効とする。
【0066】
[第6の実施の形態]
図11は本発明の第6の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図9と同一の構成には同一の符号を付してある。第5の実施の形態では、第1のゾーンZone1の音量調整用ボリューム6−1〜6−7とは別に、第2のゾーンZone2,Zone3の音量調整用ボリューム6−8,6−9,6−14,6−15を設けていたが、本実施の形態では、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3でボリューム6−5,6−6を共用する。制御部12cは、第5の実施の形態の制御部12bの機能の他に、ボリューム6−5,6−6の値を設定する機能を有する。
【0067】
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオン/オフする場合の処理は、第2の実施の形態と同様の手順で行われるので、図4を参照して本実施の形態の動作を説明する。図4のステップS11,S12,S13,S14の処理は、第5の実施の形態のステップS1,S2,S3,S4と同じである。
制御部12cは、Zone3音響再生スイッチがオフの状態で、Zone2音響再生スイッチがオンからオフへ切り換えられた場合、ステップS12でゾーン切替信号Z2ONを無効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオフになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6として記憶し(ステップS15)、予め記憶している第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS16)。
【0068】
また、制御部12cは、Zone2音響再生スイッチがオフの状態で、Zone3音響再生スイッチがオンからオフへ切り換えられた場合、ステップS12でゾーン切替信号Z3ONを無効にすると共に、Zone3音響再生スイッチがオフになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第2のゾーンZone3用のボリューム値V3−5,V3−6として記憶し(ステップS15)、予め記憶している第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS16)。
【0069】
Zone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチがオン(ステップS17においてON)になった場合に実施されるステップS18,S19,S20の処理は、第5の実施の形態のステップS6,S7,S8と同じである。制御部12cは、Zone3音響再生スイッチがオフの状態で、Zone2音響再生スイッチがオフからオンへ切り換えられた場合、ステップS18でゾーン切替信号Z2ONを有効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオンになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6として記憶し(ステップS21)、予め記憶している第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS22)。
【0070】
また、制御部12cは、Zone2音響再生スイッチがオフの状態で、Zone3音響再生スイッチがオフからオンへ切り換えられた場合、ステップS18でゾーン切替信号Z3ONを有効にすると共に、Zone3音響再生スイッチがオンになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6として記憶し(ステップS21)、予め記憶している第2のゾーンZone3用のボリューム値V3−5,V3−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS22)。
【0071】
以上のように、本実施の形態では、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3でボリューム6−5,6−6を共用することにより、第2のゾーンZone2,Zone3用のボリューム6−8,6−9,6−14,6−15が不要となるので、第5の実施の形態に比べて部品点数を削減することができる。
【0072】
また、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオフの場合には、第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をボリューム6−5,6−6に設定し、Zone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチがオンの場合には、第2のゾーンZone2,Zone3用のボリューム値V2−5,V2−6またはV3−5,V3−6をボリューム6−5,6−6に設定するようにしたので、Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチのオン/オフに応じてユーザがボリューム6−5,6−6を設定し直す必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
なお、図4のステップS12〜S16,S18〜S22のようにセレクタスイッチ9−3,9−4,10−3〜10−8やDSP4a内のスイッチ403a,404aを切り替えて、ボリューム6−5,6−6の値を設定している最中は、切り替えの時間差などで不用意な音が出ないように、例えば音場処理部402aの全出力をオフにする等の処理を行っている。
【0074】
[第7の実施の形態]
第5の実施の形態および第6の実施の形態では、複数の第2のゾーンのうち1つのゾーンのみに音声信号を配信していたが、1つ以上の第2のゾーンに同時に音声信号を配信することも可能である。
図12は本発明の第7の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図9と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態では、図9の音響再生装置に対して、ボリューム6−3,6−4とパワーアンプ7−3,7−4との間に第1のセレクタスイッチ9−5,9−6を追加し、パワーアンプ7−3,7−4とスピーカ端子8−3,8−4との間に第2のセレクタスイッチ10−9,10−10を追加し、パワーアンプ7−3とスピーカ端子8−7,8−13との間に第2のセレクタスイッチ10−11,10−13を追加し、パワーアンプ7−4とスピーカ端子8−8,8−14との間に第2のセレクタスイッチ10−12,10−14を追加している。
【0075】
DSP4eのデコーダ401eは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号(第1音声信号)を生成する。
これらの音声信号は、各種の音場処理を行う音場処理部402eを通ってD/A変換器5eに出力され、D/A変換器5eによってアナログ信号に変換される。D/A変換器5eから出力されたメイン信号L,R、サブウーハ信号LFEの処理は第1の実施の形態と同じである。
【0076】
第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3のスピーカ配置は図10に示したとおりである。
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオン/オフする場合の処理は、第1の実施の形態と同様の手順で行われるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0077】
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチが共にオフの場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを無効にする(図2ステップS1,S2)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4,9−5,9−6はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8,10−11,10−12,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−9,10−10はオンとなる(ステップS3)。また、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404e,411e,412eは、Z1側に切り替わる(ステップS4)。
【0078】
これにより、D/A変換器5eから出力されたリア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−3,6−4,6−5,6−6、セレクタスイッチ9−5,9−6,9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−3,7−4,7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−9,10−10,10−3,10−4を通ってスピーカ端子8−3,8−4,8−5,8−6から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で6.1チャンネル音響再生が行われる。
【0079】
次に、m=2、すなわちZone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチのうちいずれか一方がオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−7,10−8,10−11,10−12,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−9,10−10はオンとなる(ステップS7)。入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z2L,Z2Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0080】
ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404eはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ411e,412eはZ1側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。この場合の音場補正は第1の実施の形態と同様である。すなわち、音場処理部402eから出力されたセンター信号Cは、スイッチ403eを通って減衰器405eで適切なレベルに調整された後、加算器406e,407eによりメイン信号L,Rに加算される。同様に、音場処理部402eから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404eを通って減衰器408eで適切なレベルに調整された後、加算器409e,410eによりリア信号RL,RRに加算される。
【0081】
音場補正されたメイン信号L,Rは、D/A変換器5eでアナログ信号に変換された後、ボリューム6−1,6−2を通ってパワーアンプ7−1,7−2により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2から出力される。また、音場補正されたリア信号RL,RRは、D/A変換器5eでアナログ信号に変換された後、ボリューム6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−3,7−4により増幅され、スイッチ10−9,10−10を通ってスピーカ端子8−3,8−4から出力される。
【0082】
次に、Zone3音響再生スイッチがオンになった場合の動作を説明する。Zone3音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−5,10−6,10−11,10−12,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−7,10−8,10−9,10−10はオンとなる(ステップS7)。入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z3L,Z3Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、第2のゾーンZone3で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0083】
ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404eはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ411e,412eはZ1側に切り替わる(ステップS8)。このときの音場補正は前述のとおりである。
【0084】
次に、m=4、すなわちZone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ2側またはZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ3側またはZ2側(スイッチ9−3,9−4がZ2側の場合はZ3側、スイッチ9−3,9−4がZ3側の場合はZ2側)に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−9,10−10はオフとなる(ステップS7)。
【0085】
セレクタスイッチ9−3,9−4がZ2側、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ3側に切り替わる場合、セレクタスイッチ10−7,10−8,10−11,10−12はオフとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−13,10−14はオンとなる。
また、セレクタスイッチ9−3,9−4がZ3側、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ2側に切り替わる場合、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−7,10−8,10−11,10−12はオンとなる。
【0086】
なお、Zone2音響再生スイッチがオンになった後にZone3音響再生スイッチがオンになった場合には、前述のとおりZone2音響再生スイッチがオンになった時点でセレクタスイッチ9−3,9−4がZ2側を既に選択しているので、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ3側を選択する。この場合、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−3,7−4により増幅され、セレクタスイッチ10−13,10−14を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力される。
【0087】
また、Zone3音響再生スイッチがオンになった後にZone2音響再生スイッチがオンになった場合には、前述のとおりZone3音響再生スイッチがオンになった時点でセレクタスイッチ9−3,9−4がZ3側を既に選択しているので、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ2側を選択する。この場合、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−3,7−4により増幅され、セレクタスイッチ10−11,10−12を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
【0088】
一方、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオフの状態から、これらのスイッチが同時にオンになった場合には、予め定められた規則により制御部12eがセレクタスイッチ9−3,9−4にZ2側またはZ3側を選択させる。
【0089】
ゾーン切替信号Z3ON,Z2ONが有効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404eはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ411e,412eはZ2/Z3側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1にリア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,Rに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0090】
メインスピーカSP−L,SP−RとサブウーハSP−SWによって6.1チャンネルのマルチチャンネル音響再生を実現するには、リア信号RL,RR、センター信号Cおよびリアセンター信号RCをメイン信号L,Rに振り分けて供給することが必要となる。音場処理部402eから出力されたセンター信号Cは、スイッチ403eを通って減衰器405eで適切なレベルに調整された後、加算器406e,407eによりメイン信号L,Rに加算される。音場処理部402eから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404eを通って減衰器408eで適切なレベルに調整された後、加算器409e,410eによりリア信号RL,RRに加算される。ここまでの処理は第1の実施の形態と同様である。
【0091】
次に、リアセンター信号RCが加算されたリア信号RL,RRは、スイッチ411e,412eを通って加算器406e,407eによりメイン信号L,Rに加算される。リアセンター信号RCが加算されたリア信号RL,RRをメインスピーカSP−L,SP−Rから出力し、その音像をリアスピーカSP−RL,SP−RRの位置に定位させようとすると、音声信号の周波数特性や遅延時間を後方から聞こえてくる音の特性に変換する必要がある。そこで、リア信号RL,RRは、例えば図示しないフィルタにより周波数特性や遅延時間が調整された後にメイン信号L,Rに加算される。こうして、いわゆるバーチャル音場処理により、メインスピーカSP−L,SP−Rのみでリア音場を再現することができる。
【0092】
以上のように、本実施の形態では、n=6チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置から複数の第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンに音声信号を配信することができ、第2のゾーンZone2またはZone3のいずれかで音響再生を行う場合には、第5の実施の形態と同様にDSP4eでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行い、第2のゾーンZone2とZone3で同時に音響再生を行う場合には、DSP4eでメイン信号L,Rに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
【0093】
[第8の実施の形態]
図13は本発明の第8の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図9と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=9チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものである。
DSP4fのデコーダ401fは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号を生成して、音場処理部402fに出力する。
【0094】
音場処理部402fは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、サブウーハ信号LFE、リアサラウンド信号BSL,BSR、フロント信号FL,FRの各音声信号(第1音声信号)をD/A変換器5fに出力する。このとき、音場処理部402fは、リアセンター信号RCを基にリアサラウンド信号BSL,BSRを生成し、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号Cおよびリアセンター信号RCに基づいてフロント信号FL,FRを生成する。D/A変換器5fは、DSP4fから出力された各音声信号をアナログ信号に変換する。D/A変換器5fから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、サブウーハ信号LFEの処理は第1の実施の形態と同じである。
【0095】
図14に、図13の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3のスピーカ配置を示す。各スピーカとスピーカ端子との接続は、第1の実施の形態および第3〜第5の実施の形態で説明したとおりである。
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオン/オフする場合の処理は、第1の実施の形態と同様の手順で行われるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0096】
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチが共にオフの場合、制御部12fは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを無効にする(図2ステップS1,S2)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS3)。
【0097】
これにより、D/A変換器5fから出力されたリアサラウンド信号BSL,BSR、フロント信号FL,FRは、それぞれボリューム6−10,6−11,6−12,6−13、セレクタスイッチ9−5,9−6,9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−7,7−8,7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−9,10−10,10−3,10−4を通ってスピーカ端子8−9,8−10,8−11,8−12から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で9.1チャンネル音響再生が行われる。
また、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、DSP4f内のスイッチ430f,431f,432f,433f,434fは、Z1側に切り替わり、後述する音場補正をオフにする(ステップS4)。
【0098】
次に、m=2、すなわちZone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチのうちいずれか一方がオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12fは、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS7)。入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−5,10−6を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力され、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0099】
ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ1側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,Rに対して音場補正が実行される(ステップS8)。この場合の音場補正は第4の実施の形態と同様である。すなわち、音場処理部402fから出力されたフロント信号FL,FRは、スイッチ433f,434fを通って加算器436f,437fによりメイン信号L,Rに加算される。
【0100】
次に、Zone3音響再生スイッチがオンになった場合の動作を説明する。Zone3音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12fは、ゾーン切替信号Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS7)。入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−7,10−8を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力され、第2のゾーンZone3で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0101】
ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ1側に切り替わる(ステップS8)。このときの音場補正は前述のとおりである。
【0102】
次に、m=4、すなわちZone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが有効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS7)。
【0103】
Zone2音響再生スイッチがオンになった後にZone3音響再生スイッチがオンになった場合には、第7の実施の形態で説明したとおり、セレクタスイッチ9−3,9−4がZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ3側に切り替わる。この場合、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ゾーン切替信号Z2ONのみが有効の場合と同様に処理され、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−13,10−14を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力される。
【0104】
Zone3音響再生スイッチがオンになった後にZone2音響再生スイッチがオンになった場合には、第7の実施の形態で説明したとおり、セレクタスイッチ9−3,9−4がZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ2側に切り替わる。この場合、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ゾーン切替信号Z3ONのみが有効の場合と同様に処理され、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−11,10−12を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
【0105】
一方、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオフの状態から、これらのスイッチが同時にオンになった場合には、予め定められた規則により制御部12fがセレクタスイッチ9−3,9−4にZ2側またはZ3側を選択させる。
【0106】
ゾーン切替信号Z3ON,Z2ONが有効の場合、DSP4f内のスイッチ431f,432f,433f,434fは、Z2/Z3側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1にリアサラウンド信号BSL,BSR、フロント信号FL,FRが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0107】
音場処理部402fから出力されたリアサラウンド信号BSL,BSRは、スイッチ431f,432fを通って加算器438f,439fによりリア信号RL,RRに加算される。この音場補正の原理は第3の実施の形態と同様である。一方、音場処理部402fから出力されたフロント信号FL,FRは、スイッチ433f,434fを通って加算器436f,437fによりメイン信号L,Rに加算される。この音場補正は第4の実施の形態と同様である。
【0108】
以上のように、本実施の形態では、n=9チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置から複数の第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンに音声信号を配信することができ、第2のゾーンZone2またはZone3のいずれかで音響再生を行う場合には、DSP4fでメイン信号L,Rに対して音場補正を行い、第2のゾーンZone2とZone3で同時に音響再生を行う場合には、DSP4fでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、第2のゾーンZone2またはZone3のうちいずれか一方に音声信号を配信する場合、フロント信号FL,FR用のパワーアンプ7−9,7−10を第2のゾーンに割り当てているが、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てるようにしてもよい。どちらを割り当てるかは、DSPプログラムに応じて制御部12fが決定する。例えば映画鑑賞用のプログラムのように音像の移動感を重視するDSPプログラムの場合、制御部12fは、フロント信号FL,FR用のパワーアンプ7−9,7−10を第2のゾーンに割り当てる。このときの動作は前述のとおりである。
【0110】
一方、例えば音楽鑑賞用のプログラムのように音場感を重視するDSPプログラムの場合、制御部12fは、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる。
Zone2音響再生スイッチのみがオンで、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる場合、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−11,10−12はオンとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8,10−9,10−10,10−13,10−14はオフとなり、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ1側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ2/Z3側に切り替わる。
【0111】
また、Zone3音響再生スイッチのみがオンで、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる場合、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−13,10−14はオンとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8,10−9,10−10,10−11,10−12はオフとなり、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ1側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ2/Z3側に切り替わる。
【0112】
つまり、Zone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチのうちいずれか一方がオンで、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる場合には、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される。
【0113】
なお、第1〜第8の実施の形態では、第2のゾーンZone2,Zone3に配信する信号として、アナログ音声信号Z2L,Z2R,Z3L,Z3Rを音響再生装置に入力しているが、これに限るものではなく、デジタル音声信号Z2L,Z2R,Z3L,Z3Rを入力して、このデジタル音声信号Z2L,Z2R,Z3L,Z3Rを音響再生装置内でアナログ音声信号に変換してもよい。
【0114】
また、各実施の形態においての第1のゾーンZone1の音場補正は、開示したものに限定することなく種々の方法を適用することができる。また、第2のゾーンZone2,Zone3にパワーアンプを割り当てたことにより、第1のゾーンZone1のリア配置スピーカからリアサラウンド成分を出力できないような場合は、いわゆるバーチャル音場処理によって、フロントスピーカのみでリア音場を再現するように音場補正すればよい。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、第2のゾーンで音響再生を行わない第1のモードの場合は、第1のセレクタスイッチでmチャンネルの第1音声信号を選択してmチャンネルのパワーアンプに入力し、第2のセレクタスイッチでmチャンネルのパワーアンプの出力を第1のゾーン用のスピーカ端子に接続することにより、第1のゾーンで最大限のマルチチャンネル音響再生効果を得ることができる。また、第2のモードの場合は、第1のゾーンの音場が所望の特性となるようにDSPで音場補正を行うことにより、mチャンネルの第1音声信号を第1のゾーンに供給しないことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができ、十分なマルチチャンネル音響再生効果を得ることができる。
【0116】
また、mチャンネルの第1音声信号の音量調整とmチャンネルの第2音声信号の音量調整でボリュームを共用することにより、部品点数を削減することができる。
【0117】
また、第1のモードから第2のモードに切り替わる場合は、第1音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第1のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第2のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定し、第2のモードから第1のモードに切り替わる場合は、第2音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第2のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第1のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定することにより、モードの切り替えに応じてユーザがボリュームを設定し直す必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0118】
また、第1のセレクタスイッチが、選択された第2のゾーンに対応するmチャンネルの第2音声信号をmチャンネルのパワーアンプに出力し、第2のセレクタスイッチが、mチャンネルのパワーアンプの出力を選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続することにより、複数の第2のゾーンのうちいずれか1つのゾーンに音声信号を配信することができる。
【0119】
また、第1のセレクタスイッチが、選択された第2のゾーンに対応するmチャンネルの第2音声信号を制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプに出力し、第2のセレクタスイッチが、制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプの出力を選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続することにより、複数の第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンに音声信号を配信することができる。また、制御部を設けることにより、第2のゾーンに割り当てるmチャンネルのパワーアンプ、すなわち第1のゾーンで音が出ないmチャンネルのスピーカをDSPプログラムに応じて適切に選択することができ、第1のゾーンがDSPプログラムに適した音場となるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態においてZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態においてZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図15】従来の音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図16】マルチチャンネル音響再生を行う第1のゾーンと2チャンネル音響再生を行う第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1…入力端子、2…A/D変換器、3…セレクタ、4a、4b、4c、4d、4e、4f…DSP、5…D/A変換器、6…ボリューム、7…パワーアンプ、8…スピーカ端子、9、10…セレクタスイッチ、11…サブウーハ出力端子、12、12a、12b、12c、12e、12f…制御部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチチャンネル音響再生機能を有する音響再生装置に係り、特に第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に切り替えることができる音響再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチチャンネル音響再生システムとして、ドルビー(登録商標)デジタルやDTS(登録商標)(Digital Theater Systems )、AAC(Advanced Audio Coding )などの音声圧縮技術を使ったデジタルサラウンドシステムが普及している。
【0003】
一方、最近では、複数の部屋に音声信号を配信するマルチゾーン音響再生システムも普及し始めている。従来、マルチチャンネル音響再生機能を有する1台の音響再生装置を用いて2つのゾーンに対する音声信号の配信を独立にオン/オフ制御する場合には(以下、第1のゾーンと異なる第2のゾーンに音声信号を配信することをZone2音響再生と呼ぶ)、第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に予め確保しておく必要があった。
【0004】
図15は、マルチチャンネル音響再生機能とZone2音響再生機能を実現する従来の音響再生装置の構成を示すブロック図である。この音響再生装置は、マルチチャンネル音響再生を主たる目的とするものである。2チャンネルのアナログ音声信号ALIN,ARINが入力端子1−1,1−2に入力されると、A/D変換器2はアナログ音声信号ALIN,ARINをデジタル音声信号に変換し、変換後のデジタル音声信号はデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSPとする)4に入力され、必要に応じて音場処理が施されるが、本発明が対象とするマルチチャンネル音声入力ではないため、説明を省略する。
【0005】
一方、ドルビーデジタルやDTS又はAACで圧縮符号化されたデジタル音声信号DINが入力端子1−3からセレクタ3を介して入力されると、DSP4は、デコーダ401により圧縮符号化デジタル音声信号DINを伸張復号化して、メイン信号L(左),R(右)、リア信号RL(後左),RR(後右)、センター信号C(中央)、リアセンター信号RC(後中央)、サブウーハ信号LFE(低周波)の各音声信号を生成する。
【0006】
DSP4の音場処理部402から出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRは、D/A変換器5によってアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−1,6−2,6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−1,7−2,7−3,7−4により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4から出力される。また、音場処理部402から出力されたサブウーハ信号LFEは、D/A変換器5でアナログ信号に変換された後、ボリューム6−7を通ってサブウーハ出力端子11から出力される。
【0007】
第2のゾーンで音響再生を行わない場合には、セレクタスイッチ9−1,9−2をZ1側に切り替える。この場合、DSP4から出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、D/A変換器5でアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−5,6−6、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
【0008】
一方、第2のゾーンに2チャンネルの音声信号を配信するZone2音響再生機能を使用する場合には、セレクタスイッチ9−1,9−2をZ2側に切り替える。この場合、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
【0009】
図16は、マルチチャンネル音響再生を行う第1のゾーンZone1と2チャンネル音響再生を行う第2のゾーンZone2のスピーカ配置を示す平面図である。第1のゾーンZone1でマルチチャンネル音響再生を行う場合、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4,8−5,8−6から出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれメインスピーカSP−L,SP−R、リアスピーカSP−RL,SP−RR、センタースピーカSP−C、リアセンタースピーカSP−RCに供給される。また、サブウーハ出力端子11から出力されたサブウーハ信号LFEは、アンプを内蔵したサブウーハSP−SWに供給される。図16において、Uは試聴位置を示す。
【0010】
これに対して、第2のゾーンZone2に2チャンネルの音声信号を配信する場合には、スピーカ端子8−5,8−6から出力された音声信号Z2L,Z2RがそれぞれスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rに供給される。
【0011】
図15に示した音響再生装置では、アンプ7−5,7−6とスピーカ端子8−5,8−6を共用しているため、Zone2音響再生機能を使用する可能性がある場合には、第2のゾーンZone2で実際に音響再生を行うか否かに関係なく、第2のゾーンZone2のスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rとスピーカ端子8−5,8−6とを接続し、セレクタスイッチ9−1,9−2をZ2側に切り替えておく必要がある。したがって、第1のゾーンZone1にセンタースピーカSP−C、リアセンタースピーカSP−RCが設置されていても、これらのスピーカにはセンター信号C、リアセンター信号RCは供給されない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、マルチチャンネル音響再生機能を有する従来の音響再生装置においてZone2音響再生機能を実現しようとするとき、第1のゾーンZone1に必要なチャンネル数と第2のゾーンZone2に必要なチャンネル数を足した分だけパワーアンプを用意できない場合には、第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に確保しておく必要があるので、第1のゾーンの出力チャンネル数が不足し、結果として第1のゾーンのマルチチャンネル音響再生効果が不十分になるという問題点があった。
【0013】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、マルチチャンネル音響再生機能を有する音響再生装置において、第1のゾーン用のマルチチャンネルパワーアンプの一部を第2のゾーン用に振り分ける必要がある場合でも、第1のゾーンで十分なマルチチャンネル音響再生効果を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、n(nはn≧4の整数)チャンネルのパワーアンプから第1のゾーンにnチャンネルの第1音声信号を配信するマルチチャンネル音響再生を行う第1のモードと、前記nチャンネルのうちm(mは1≦m<nの整数)チャンネルを除いた(n−m)チャンネルのパワーアンプから前記第1のゾーンに(n−m)チャンネルの第1音声信号を配信するマルチチャンネル音響再生を行うと同時に、このマルチチャンネル音響再生で使用しないmチャンネルのパワーアンプから第2のゾーンにmチャンネルの第2音声信号を配信するマルチゾーン音響再生を行う第2のモードとを有する音響再生装置であって、前記nチャンネルの第1音声信号を前記nチャンネルのパワーアンプに出力するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)と、前記第1のモードの場合は、前記DSPから出力されたnチャンネルのうち前記mチャンネルのパワーアンプに対応するmチャンネルの第1音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力し、前記第2のモードの場合は、前記mチャンネルの第2音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力する第1のセレクタスイッチと、前記第1のモードの場合は、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記第1のゾーン用のスピーカ端子に接続し、前記第2のモードの場合は、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記第2のゾーン用のスピーカ端子に接続する第2のセレクタスイッチとを備え、前記DSPは、前記第2のモードの場合、前記第1のゾーンの音場が所望の特性となるように前記(n−m)チャンネルの第1音声信号の少なくとも一部に対して音場補正を行うものである。
【0015】
また、本発明の音響再生装置の1構成例は、前記mチャンネルの第1音声信号の音量調整と前記mチャンネルの第2音声信号の音量調整でボリュームを共用するものである。
また、本発明の音響再生装置の1構成例は、前記第1のモードから前記第2のモードに切り替わる場合は、前記第1音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第1のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第2のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定し、前記第2のモードから前記第1のモードに切り替わる場合は、前記第2音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第2のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第1のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定する制御部を有するものである。
【0016】
また、本発明の音響再生装置の1構成例において、前記第1のセレクタスイッチは、複数の前記第2のゾーンのうち1つのゾーンのみ選択が可能な前記第2のモードにおいて、この選択された第2のゾーンに対応する前記mチャンネルの第2音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力し、前記第2のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続するものである。
また、本発明の音響再生装置の1構成例は、複数の前記第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンの選択が可能な前記第2のモードにおいて、前記nチャンネルのパワーアンプの中から、選択された第2のゾーンに対応する合計mチャンネルのパワーアンプをDSPプログラムに応じて決定する制御部を備え、前記第1のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記選択された第2のゾーンに対応する前記mチャンネルの第2音声信号を前記制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプに出力し、前記第2のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプの出力を前記選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態の音響再生装置は、入力端子1(1−1,1−2,1−3,1−4,1−5)、A/D変換器2、セレクタ3、DSP4a、D/A変換器5a、ボリューム6(6−1,6−2,6−3,6−4,6−5,6−6,6−7,6−8,6−9)、パワーアンプ7(7−1,7−2,7−3,7−4,7−5,7−6)、スピーカ端子8(8−1,8−2,8−3,8−4,8−5,8−6,8−7,8−8)、第1のセレクタスイッチ9(9−1,9−2)、第2のセレクタスイッチ10(10−1,10−2)、サブウーハ出力端子11および制御部12を有する。
【0018】
パワーアンプ7は、n(nはn≧4の整数、本実施の形態ではn=6)チャンネル分設けられ、そのうちm(mは1≦m<nの整数、本実施の形態ではm=2)チャンネルがZone2音響再生のために使用される。ドルビーデジタルやDTSまたはAACで圧縮符号化されたデジタル音声信号DINが入力端子1−3からセレクタ3を介して入力されると、DSP4aのデコーダ401aは、圧縮符号化デジタル音声信号DINを伸張復号化して、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号(第1音声信号)を生成する。
【0019】
これらの音声信号は、各種の音場処理を行う音場処理部402aを通ってD/A変換器5aに出力され、D/A変換器5aによってアナログ信号に変換される。D/A変換器5aから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRは、それぞれボリューム6−1,6−2,6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−1,7−2,7−3,7−4により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4から出力される。また、D/A変換器5aから出力されたサブウーハ信号LFEは、ボリューム6−7を通ってサブウーハ出力端子11から出力される。なお、本実施の形態では、2チャンネルのアナログ音声信号ALIN,ARINをマルチチャンネルソースではないとして、本発明の対象から外しているが、例えばドルビープロロジックのようにアナログ信号でもマルチチャンネルソースを実現するデコード技術が存在するため、このようなマルチチャンネルソースのアナログ音声信号の場合には、第1音声信号の生成元となるので、本発明の対象となり得る。
【0020】
第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2のスピーカ配置は図16に示したとおりである。スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4,8−5,8−6は、第1のゾーンZone1のメインスピーカSP−L,SP−R、リアスピーカSP−RL,SP−RR、センタースピーカSP−C、リアセンタースピーカSP−RCと接続されている。また、サブウーハ出力端子11は、アンプを内蔵したサブウーハSP−SWと接続されている。
【0021】
図2はZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。Zone2音響再生機能を使用しない場合、ユーザは、音響再生装置のZone2音響再生スイッチ(不図示)をオフにする。Zone2音響再生スイッチがオフの場合(図2ステップS1においてOFF)、制御部12は、ゾーン切替信号Z2ONを無効にする(ステップS2)。ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2は、Z1側に切り替わる(ステップS3)。また、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、Z1側に切り替わり、後述する音場補正をオフにする(ステップS4)。
【0022】
これにより、D/A変換器5aから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−5,8−6から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で6.1チャンネル音響再生が行われる。
【0023】
次に、第2のゾーンZone2に2チャンネルの音声信号を配信するZone2音響再生機能を使用する場合、ユーザは、音響再生装置のZone2音響再生スイッチをオンにする。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合(ステップS5においてON)、制御部12は、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2は、Z2側に切り替わる(ステップS7)。これにより、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。スピーカ端子8−7,8−8は第2のゾーンZone2のスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rと接続されているので、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0024】
一方、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1のスピーカSP−C,SP−RCにセンター信号C、リアセンター信号RCが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0025】
本実施の形態では、メインスピーカSP−L,SP−RとリアスピーカSP−RL,SP−RRとサブウーハSP−SWで6.1チャンネルのマルチチャンネル音響再生を再現するために、センター信号Cおよびリアセンター信号RCをメイン信号L,R、リア信号RL,RRに振り分けて供給する。センター信号Cは、メイン信号L,Rの中間に定位すればよいので、メイン信号L,Rに振り分ければよく、リアセンター信号RCは、リア信号RL,RRの中間に定位すればよいので、リア信号RL,RRに振り分ければよい。
【0026】
ステップS8の音場補正を行う場合、デコーダ401aから出力されたセンター信号Cは、スイッチ403aを通って減衰器405aで適切なレベルに調整された後、加算器406a,407aによりメイン信号L,Rに加算される。同様に、デコーダ401aから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404aを通って減衰器408aで適切なレベルに調整された後、加算器409a,410aによりリア信号RL,RRに加算される。音場補正されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRは、音場処理部402aを通ってD/A変換器5aでアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−1,6−2,6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−1,7−2,7−3,7−4により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2,8−3,8−4から出力される。また、音場処理部402aから出力されたサブウーハ信号LFEは、D/A変換器5aでアナログ信号に変換された後、ボリューム6−7を通ってサブウーハ出力端子11から出力される。
なお、音場補正が行われる際のメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCのそれぞれの利得を、第1のゾーンZone1の音場が所望の特性となるように設定してもよい。
【0027】
以上のように、本実施の形態では、図15の音響再生装置に対して、セレクタスイッチ10−1,10−2とスピーカ端子8−7,8−8を追加し、第2のゾーンZone2で実際に音響再生を行わない場合には、セレクタスイッチ10−1,10−2をZ1側に切り替えることにより、第1のゾーンZone1のスピーカSP−C,SP−RCにセンター信号C、リアセンター信号RCを供給することができ、最大限のマルチチャンネル音響再生効果を得ることができる。
一方、第2のゾーンZone2で実際に音響再生を行う場合には、DSP4aでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
なお、図2のステップS2〜S4,S6〜S8のように、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2やDSP4a内のスイッチ403a,404aを切り替えている最中は、切り替えの時間差などで不用意な音が出ないように、例えば音場処理部402aの全出力をオフにする等の処理を行っている。
【0028】
[第2の実施の形態]
図3は本発明の第2の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。第1の実施の形態では、第1のゾーンZone1の音量調整用ボリューム6−1〜6−6とは別に、第2のゾーンZone2の音量調整用ボリューム6−8,6−9を設けていたが、本実施の形態では、第1のゾーンZone1(C,RC)と第2のゾーンZone2(Z2L,Z2R)でボリューム6−5,6−6を共用する。制御部12aは、第1の実施の形態の制御部12の機能の他に、Zone2音響再生スイッチのオン/オフ時にボリューム6−5,6−6の値を設定する機能を有する。
【0029】
図4はZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。音響再生装置のZone2音響再生スイッチがオフ(図4ステップS11においてOFF)の場合に実施されるステップS12,S13,S14の処理は、それぞれ図2のステップS2,S3,S4と同じである。
【0030】
制御部12aは、Zone2音響再生スイッチがオンからオフへ切り換えられた場合、ステップS12でゾーン切替信号Z2ONを無効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオフになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6として記憶し(ステップS15)、予め記憶している第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS16)。なお、全ボリューム値は、工場出荷時に所定値にプリセットされているが、ユーザの使用後はユーザが設定したボリューム値を制御部12aに保持しておくことも可能である。
【0031】
音響再生装置のZone2音響再生スイッチがオン(ステップS17においてON)になった場合に実施されるステップS18,S19,S20の処理は、図2のステップS6,S7,S8と同じである。制御部12aは、ステップS18でゾーン切替信号Z2ONを有効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオンになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6として記憶し(ステップS21)、予め記憶している第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS22)。
【0032】
以上のように、本実施の形態では、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2でボリューム6−5,6−6を共用することにより、第2のゾーンZone2用のボリューム6−8,6−9が不要となるので、第1の実施の形態に比べて部品点数を削減することができる。
【0033】
また、Zone2音響再生機能を使用しない場合には、第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をボリューム6−5,6−6に設定し、Zone2音響再生機能を使用する場合には、第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6をボリューム6−5,6−6に設定するようにしたので、Zone2音響再生機能のオン/オフに応じてユーザがボリューム6−5,6−6を設定し直す必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0034】
なお、図4のステップS12〜S16,S18〜S22のようにセレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2やDSP4a内のスイッチ403a,404aを切り替えて、ボリューム6−5,6−6の値を設定している最中は、切り替えの時間差などで不用意な音が出ないように、例えば音場処理部402aの全出力をオフにする等の処理を行っている。
【0035】
[第3の実施の形態]
図5は、本発明の第3の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=7チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものであり、ボリューム6−10,6−11とパワーアンプ7−7,7−8との間にセレクタスイッチ9−1,9−2を設け、パワーアンプ7−7,7−8とスピーカ端子8−9,8−10との間にセレクタスイッチ10−1,10−2を設けている。
【0036】
DSP4cのデコーダ401cは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号を生成して、音場処理部402cに出力する。
音場処理部402cは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、サブウーハ信号LFE、リアサラウンド信号BSL,BSRの各音声信号(第1音声信号)をD/A変換器5cに出力する。このとき、音場処理部402cは、リアセンター信号RCを基にリアサラウンド信号BSL,BSRを生成する。
D/A変換器5cは、DSP4cから出力された各音声信号をアナログ信号に変換する。D/A変換器5cから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRの処理は第1の実施の形態と同じである。D/A変換器5cから出力されたセンター信号Cは、ボリューム6−5を通ってパワーアンプ7−5により増幅され、スピーカ端子8−5から出力される。
【0037】
図6に、図5の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2のスピーカ配置を示す。本実施の形態では、図16で説明した第1のゾーンZone1のリアセンタースピーカSP−RCの代わりにリアサラウンドスピーカSP−BSL,SP−BSRを用いる。スピーカ端子8−9,8−10は、それぞれリアサラウンドスピーカSP−BSL,SP−BSRと接続されている。
【0038】
Zone2音響再生機能をオン/オフする場合の動作は、第1の実施の形態において、センター信号Cをリアサラウンド信号BSLに、リアセンター信号RCをリアサラウンド信号BSRに置き換えたものとなるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0039】
Zone2音響再生スイッチがオフの場合(ステップS1においてOFF)、ゾーン切替信号Z2ONが無効となり(ステップS2)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ1側に切り替わり(ステップS3)、DSP4c内のスイッチ404cもZ1側に切り替わる(ステップS4)。
DSP4cから出力されたリアサラウンド信号BSL,BSRは、D/A変換器5cでアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−10,6−11、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−9,8−10から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で7.1チャンネル音響再生が行われる。
【0040】
一方、Zone2音響再生スイッチがオンの場合(ステップS5においてON)、ゾーン切替信号Z2ONが有効となり(ステップS6)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ2側に切り替わる(ステップS7)。このとき、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
DSP4c内のスイッチ404cは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1のリアサラウンドスピーカSP−BSL,SP−BSRにリアサラウンド信号BSL,BSRが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するリア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0041】
前述のように、リアサラウンド信号BSL,BSRは、リアセンター信号RCに基づいて生成される。したがって、デコーダ401cで生成されたリアセンター信号RCをリア信号RL,RRに振り分けることにより、メインスピーカSP−L,SP−RとセンタースピーカSP−CとリアスピーカSP−RL,SP−RRとサブウーハSP−SWで7.1チャンネルのマルチチャンネル音響再生を再現することができる。
【0042】
ステップS8の音場補正を行う場合、デコーダ401cから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404cを通って減衰器408cで適切なレベルに調整された後、加算器409c,410cによりリア信号RL,RRに加算される。
【0043】
以上のように音場補正されたリア信号RL,RRと、メイン信号L,Rとセンター信号Cとサブウーハ信号LFEは、音場処理部402cを通ってD/A変換器5cに出力される。D/A変換器5cから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、サブウーハ信号LFEの処理は、第1の実施の形態と同様である。また、D/A変換器5cから出力されたセンター信号Cは、ボリューム6−5を通ってパワーアンプ7−5により増幅され、スピーカ端子8−5から出力される。
なお、音場補正が行われる際のリア信号RL,RR、リアセンター信号RCのそれぞれの利得は、第1のゾーンZone1の音場が所望の特性となるように設定される。
【0044】
以上により、7チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置において、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、図5において、セレクタスイッチ9−1,9−2をD/A変換器5cとボリューム6−10,6−11の間に移し、制御部12の代わりに制御部12aを使用して、第2の実施の形態と同様にZone2音響再生スイッチのオン/オフ時にボリューム6−10,6−11の値を制御部12aで制御すれば、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2でボリューム6−10,6−11を共用することができ、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0045】
[第4の実施の形態]
図7は、本発明の第4の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=8チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものであり、ボリューム6−12,6−13とパワーアンプ7−9,7−10との間にセレクタスイッチ9−1,9−2を設け、パワーアンプ7−9,7−10とスピーカ端子8−11,8−12との間にセレクタスイッチ10−1,10−2を設けている。
【0046】
DSP4dのデコーダ401dは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号を生成して、音場処理部402dに出力する。
音場処理部402dは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、フロント信号FL(前左),FR(前右)の各アナログ音声信号(第1音声信号)をD/A変換器5dに出力する。このとき、音場処理部402dは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCに基づいてフロント信号FL,FRを生成する。
D/A変換器5dは、DSP4dから出力された各音声信号をアナログ信号に変換する。D/A変換器5dから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RRの処理は第1の実施の形態と同じである。D/A変換器5dから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
【0047】
図8に、図7の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2のスピーカ配置を示す。本実施の形態では、図16で説明した第1のゾーンZone1にフロントスピーカSP−FL,SP−FRを追加している。スピーカ端子8−11,8−12は、それぞれフロントスピーカSP−FL,SP−FRと接続されている。
【0048】
Zone2音響再生機能をオン/オフする場合の動作は、第1の実施の形態において、センター信号Cをフロント信号FLに、リアセンター信号RCをフロント信号FRに置き換えたものとなるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0049】
Zone2音響再生スイッチがオフの場合(ステップS1においてOFF)、ゾーン切替信号Z2ONが無効となり(ステップS2)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ1側に切り替わり(ステップS3)、DSP4d内のスイッチ421d,422dもZ1側に切り替わる(ステップS4)。
DSP4dから出力されたフロント信号FL,FRは、D/A変換器5dでアナログ信号に変換された後、それぞれボリューム6−12,6−13、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−11,8−12から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で8.1チャンネル音響再生が行われる。
【0050】
一方、Zone2音響再生スイッチがオンの場合(ステップS5においてON)、ゾーン切替信号Z2ONが有効となり(ステップS6)、セレクタスイッチ9−1,9−2,10−1,10−2がZ2側に切り替わる(ステップS7)。このとき、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−1,9−2を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−1,10−2を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
DSP4d内のスイッチ421d,422dは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1のフロントスピーカSP−FL,SP−FRにフロント信号FL,FRが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,Rに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0051】
本実施の形態では、メインスピーカSP−L,SP−RとリアスピーカSP−RL,SP−RRとセンタースピーカSP−CとリアセンタースピーカSP−RCとサブウーハSP−SWで8.1チャンネル音響再生を再現するために、フロント信号FL,FRをそれぞれメイン信号L,Rに加算する。
すなわち、音場処理部402dから出力されたフロント信号FLは、スイッチ421dを通って加算器424dによりメイン信号Lに加算される。同様に、音場処理部402dから出力されたフロント信号FRは、スイッチ422dを通って加算器426dによりメイン信号Rに加算される。
【0052】
以上のように音場補正されたメイン信号L,Rと、リア信号RL,RRとセンター信号Cとリアセンター信号RCとサブウーハ信号LFEは、D/A変換器5dに出力される。D/A変換器5dから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、サブウーハ信号LFEの処理は、第1の実施の形態と同様である。また、D/A変換器5dから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、スピーカ端子8−5,8−6から出力される。
なお、音場補正が行われる際のメイン信号L,R、フロント信号FL,FRのそれぞれの利得は、第1のゾーンZone1の音場が所望の特性となるように設定される。
【0053】
以上により、8チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置において、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、図7において、セレクタスイッチ9−1,9−2をD/A変換器5dとボリューム6−12,6−13の間に移し、制御部12の代わりに制御部12aを使用して、第2の実施の形態と同様にZone2音響再生スイッチのオン/オフ時にボリューム6−12,6−13の値を制御部12aで制御すれば、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2でボリューム6−12,6−13を共用することができ、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0054】
[第5の実施の形態]
第1〜第4の実施の形態では、第2のゾーンが1つだけの場合を説明したが、第2のゾーンが複数あってもよい。図9は、本発明の第5の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=6チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものであり、ボリューム6−5,6−6とパワーアンプ7−5,7−6との間に第1のセレクタスイッチ9−3,9−4を設け、パワーアンプ7−5,7−6とスピーカ端子8−5,8−6,8−7,8−8,8−13,8−14との間に第2のセレクタスイッチ10−3,10−4,10−5,10−6,10−7,10−8を設けている。
【0055】
DSP4aのデコーダ401aは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号(第1音声信号)を生成する。
これらの音声信号は、音場処理部402aを通ってD/A変換器5aに出力され、D/A変換器5aによってアナログ信号に変換される。D/A変換器5aから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、サブウーハ信号LFEの処理は第1の実施の形態と同じである。
【0056】
図10に、図9の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3のスピーカ配置を示す。本実施の形態では、第2のゾーンZone3にスピーカSP−Z3L,SP−Z3Rを配置している。スピーカ端子8−13,8−14は、それぞれスピーカSP−Z3L,SP−Z3Rと接続されている。
【0057】
本実施の形態では、第2のゾーンが2つ存在するため、図9の音響再生装置には、Zone2を選択するZone2音響再生スイッチ(不図示)と、Zone3を選択するZone3音響再生スイッチ(不図示)とが設けられている。ユーザは、第2のゾーンZone2,Zone3で音響再生しない場合、Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオフにする。Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチが共にオフの場合、制御部12bは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを無効にする(図2ステップS1,S2)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8はオフとなり、セレクタスイッチ10−3,10−4はオンとなる(ステップS3)。また、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、Z1側に切り替わる(ステップS4)。
【0058】
これにより、D/A変換器5aから出力されたセンター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−5,6−6、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−3,10−4を通ってスピーカ端子8−5,8−6から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で6.1チャンネル音響再生が行われる。
【0059】
次に、ユーザは、第2のゾーンZone2で音響再生する場合、Zone2音響再生スイッチをオンにする。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12bは、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−7,10−8はオフとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6はオンとなる(ステップS7)。
【0060】
これにより、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z2L,Z2Rは、それぞれボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−5,10−6を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。スピーカ端子8−7,8−8は第2のゾーンZone2のスピーカSP−Z2L,SP−Z2Rと接続されているので、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0061】
一方、DSP4a内のスイッチ403a,404aは、ゾーン切替信号Z2ONが有効の場合、Z2/Z3側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。このときの音場補正は第1の実施の形態と同じなので、詳細な説明は省略する。
【0062】
次に、ユーザは、第2のゾーンZone3で音響再生する場合、Zone3音響再生スイッチをオンにする。Zone3音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12bは、ゾーン切替信号Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z3ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−5,10−6はオフとなり、セレクタスイッチ10−7,10−8はオンとなる(ステップS7)。
【0063】
これにより、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z3L,Z3Rは、それぞれボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−7,10−8を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力される。スピーカ端子8−13,8−14は第2のゾーンZone3のスピーカSP−Z3L,SP−Z3Rと接続されているので、第2のゾーンZone3で2チャンネルの音響再生が行われる。
DSP4a内のスイッチ403a,404aは、ゾーン切替信号Z3ONが有効の場合、Z2ONが有効な場合と同様にZ2/Z3側に切り替わる。
【0064】
以上のように、本実施の形態では、n=6チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置から複数の第2のゾーンのうち1つのゾーンに音声信号を配信することができ、第2のゾーンZone2またはZone3で実際に音響再生を行う場合には、DSP4aでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
【0065】
なお、本実施の形態では、複数の第2のゾーンのうち1つのゾーンのみに音声信号を配信するため、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合を考慮して、Zone2とZone3の優先度を予め決めておく必要がある。制御部12bは、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合、予め定められた優先度に応じて、ゾーン切替信号Z2ONまたはZ3ONのいずれかを有効とする。
【0066】
[第6の実施の形態]
図11は本発明の第6の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図9と同一の構成には同一の符号を付してある。第5の実施の形態では、第1のゾーンZone1の音量調整用ボリューム6−1〜6−7とは別に、第2のゾーンZone2,Zone3の音量調整用ボリューム6−8,6−9,6−14,6−15を設けていたが、本実施の形態では、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3でボリューム6−5,6−6を共用する。制御部12cは、第5の実施の形態の制御部12bの機能の他に、ボリューム6−5,6−6の値を設定する機能を有する。
【0067】
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオン/オフする場合の処理は、第2の実施の形態と同様の手順で行われるので、図4を参照して本実施の形態の動作を説明する。図4のステップS11,S12,S13,S14の処理は、第5の実施の形態のステップS1,S2,S3,S4と同じである。
制御部12cは、Zone3音響再生スイッチがオフの状態で、Zone2音響再生スイッチがオンからオフへ切り換えられた場合、ステップS12でゾーン切替信号Z2ONを無効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオフになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6として記憶し(ステップS15)、予め記憶している第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS16)。
【0068】
また、制御部12cは、Zone2音響再生スイッチがオフの状態で、Zone3音響再生スイッチがオンからオフへ切り換えられた場合、ステップS12でゾーン切替信号Z3ONを無効にすると共に、Zone3音響再生スイッチがオフになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第2のゾーンZone3用のボリューム値V3−5,V3−6として記憶し(ステップS15)、予め記憶している第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS16)。
【0069】
Zone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチがオン(ステップS17においてON)になった場合に実施されるステップS18,S19,S20の処理は、第5の実施の形態のステップS6,S7,S8と同じである。制御部12cは、Zone3音響再生スイッチがオフの状態で、Zone2音響再生スイッチがオフからオンへ切り換えられた場合、ステップS18でゾーン切替信号Z2ONを有効にすると共に、Zone2音響再生スイッチがオンになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6として記憶し(ステップS21)、予め記憶している第2のゾーンZone2用のボリューム値V2−5,V2−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS22)。
【0070】
また、制御部12cは、Zone2音響再生スイッチがオフの状態で、Zone3音響再生スイッチがオフからオンへ切り換えられた場合、ステップS18でゾーン切替信号Z3ONを有効にすると共に、Zone3音響再生スイッチがオンになる直前のボリューム6−5,6−6の値を第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6として記憶し(ステップS21)、予め記憶している第2のゾーンZone3用のボリューム値V3−5,V3−6をそれぞれボリューム6−5,6−6に設定する(ステップS22)。
【0071】
以上のように、本実施の形態では、第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3でボリューム6−5,6−6を共用することにより、第2のゾーンZone2,Zone3用のボリューム6−8,6−9,6−14,6−15が不要となるので、第5の実施の形態に比べて部品点数を削減することができる。
【0072】
また、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオフの場合には、第1のゾーンZone1用のボリューム値V1−5,V1−6をボリューム6−5,6−6に設定し、Zone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチがオンの場合には、第2のゾーンZone2,Zone3用のボリューム値V2−5,V2−6またはV3−5,V3−6をボリューム6−5,6−6に設定するようにしたので、Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチのオン/オフに応じてユーザがボリューム6−5,6−6を設定し直す必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0073】
なお、図4のステップS12〜S16,S18〜S22のようにセレクタスイッチ9−3,9−4,10−3〜10−8やDSP4a内のスイッチ403a,404aを切り替えて、ボリューム6−5,6−6の値を設定している最中は、切り替えの時間差などで不用意な音が出ないように、例えば音場処理部402aの全出力をオフにする等の処理を行っている。
【0074】
[第7の実施の形態]
第5の実施の形態および第6の実施の形態では、複数の第2のゾーンのうち1つのゾーンのみに音声信号を配信していたが、1つ以上の第2のゾーンに同時に音声信号を配信することも可能である。
図12は本発明の第7の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図9と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態では、図9の音響再生装置に対して、ボリューム6−3,6−4とパワーアンプ7−3,7−4との間に第1のセレクタスイッチ9−5,9−6を追加し、パワーアンプ7−3,7−4とスピーカ端子8−3,8−4との間に第2のセレクタスイッチ10−9,10−10を追加し、パワーアンプ7−3とスピーカ端子8−7,8−13との間に第2のセレクタスイッチ10−11,10−13を追加し、パワーアンプ7−4とスピーカ端子8−8,8−14との間に第2のセレクタスイッチ10−12,10−14を追加している。
【0075】
DSP4eのデコーダ401eは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号(第1音声信号)を生成する。
これらの音声信号は、各種の音場処理を行う音場処理部402eを通ってD/A変換器5eに出力され、D/A変換器5eによってアナログ信号に変換される。D/A変換器5eから出力されたメイン信号L,R、サブウーハ信号LFEの処理は第1の実施の形態と同じである。
【0076】
第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3のスピーカ配置は図10に示したとおりである。
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオン/オフする場合の処理は、第1の実施の形態と同様の手順で行われるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0077】
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチが共にオフの場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを無効にする(図2ステップS1,S2)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4,9−5,9−6はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8,10−11,10−12,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−9,10−10はオンとなる(ステップS3)。また、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404e,411e,412eは、Z1側に切り替わる(ステップS4)。
【0078】
これにより、D/A変換器5eから出力されたリア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCは、それぞれボリューム6−3,6−4,6−5,6−6、セレクタスイッチ9−5,9−6,9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−3,7−4,7−5,7−6により増幅され、セレクタスイッチ10−9,10−10,10−3,10−4を通ってスピーカ端子8−3,8−4,8−5,8−6から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で6.1チャンネル音響再生が行われる。
【0079】
次に、m=2、すなわちZone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチのうちいずれか一方がオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−7,10−8,10−11,10−12,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−9,10−10はオンとなる(ステップS7)。入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z2L,Z2Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0080】
ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404eはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ411e,412eはZ1側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。この場合の音場補正は第1の実施の形態と同様である。すなわち、音場処理部402eから出力されたセンター信号Cは、スイッチ403eを通って減衰器405eで適切なレベルに調整された後、加算器406e,407eによりメイン信号L,Rに加算される。同様に、音場処理部402eから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404eを通って減衰器408eで適切なレベルに調整された後、加算器409e,410eによりリア信号RL,RRに加算される。
【0081】
音場補正されたメイン信号L,Rは、D/A変換器5eでアナログ信号に変換された後、ボリューム6−1,6−2を通ってパワーアンプ7−1,7−2により増幅され、スピーカ端子8−1,8−2から出力される。また、音場補正されたリア信号RL,RRは、D/A変換器5eでアナログ信号に変換された後、ボリューム6−3,6−4を通ってパワーアンプ7−3,7−4により増幅され、スイッチ10−9,10−10を通ってスピーカ端子8−3,8−4から出力される。
【0082】
次に、Zone3音響再生スイッチがオンになった場合の動作を説明する。Zone3音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−5,10−6,10−11,10−12,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−7,10−8,10−9,10−10はオンとなる(ステップS7)。入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号(第2音声信号)Z3L,Z3Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、第2のゾーンZone3で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0083】
ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404eはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ411e,412eはZ1側に切り替わる(ステップS8)。このときの音場補正は前述のとおりである。
【0084】
次に、m=4、すなわちZone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが有効の場合、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ2側またはZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ3側またはZ2側(スイッチ9−3,9−4がZ2側の場合はZ3側、スイッチ9−3,9−4がZ3側の場合はZ2側)に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−9,10−10はオフとなる(ステップS7)。
【0085】
セレクタスイッチ9−3,9−4がZ2側、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ3側に切り替わる場合、セレクタスイッチ10−7,10−8,10−11,10−12はオフとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−13,10−14はオンとなる。
また、セレクタスイッチ9−3,9−4がZ3側、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ2側に切り替わる場合、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−13,10−14はオフとなり、セレクタスイッチ10−7,10−8,10−11,10−12はオンとなる。
【0086】
なお、Zone2音響再生スイッチがオンになった後にZone3音響再生スイッチがオンになった場合には、前述のとおりZone2音響再生スイッチがオンになった時点でセレクタスイッチ9−3,9−4がZ2側を既に選択しているので、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ3側を選択する。この場合、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−3,7−4により増幅され、セレクタスイッチ10−13,10−14を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力される。
【0087】
また、Zone3音響再生スイッチがオンになった後にZone2音響再生スイッチがオンになった場合には、前述のとおりZone3音響再生スイッチがオンになった時点でセレクタスイッチ9−3,9−4がZ3側を既に選択しているので、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ2側を選択する。この場合、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、第5の実施の形態と同様に処理され、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−3,7−4により増幅され、セレクタスイッチ10−11,10−12を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
【0088】
一方、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオフの状態から、これらのスイッチが同時にオンになった場合には、予め定められた規則により制御部12eがセレクタスイッチ9−3,9−4にZ2側またはZ3側を選択させる。
【0089】
ゾーン切替信号Z3ON,Z2ONが有効の場合、DSP4e内のスイッチ403e,404eはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ411e,412eはZ2/Z3側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1にリア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RCが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,Rに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0090】
メインスピーカSP−L,SP−RとサブウーハSP−SWによって6.1チャンネルのマルチチャンネル音響再生を実現するには、リア信号RL,RR、センター信号Cおよびリアセンター信号RCをメイン信号L,Rに振り分けて供給することが必要となる。音場処理部402eから出力されたセンター信号Cは、スイッチ403eを通って減衰器405eで適切なレベルに調整された後、加算器406e,407eによりメイン信号L,Rに加算される。音場処理部402eから出力されたリアセンター信号RCは、スイッチ404eを通って減衰器408eで適切なレベルに調整された後、加算器409e,410eによりリア信号RL,RRに加算される。ここまでの処理は第1の実施の形態と同様である。
【0091】
次に、リアセンター信号RCが加算されたリア信号RL,RRは、スイッチ411e,412eを通って加算器406e,407eによりメイン信号L,Rに加算される。リアセンター信号RCが加算されたリア信号RL,RRをメインスピーカSP−L,SP−Rから出力し、その音像をリアスピーカSP−RL,SP−RRの位置に定位させようとすると、音声信号の周波数特性や遅延時間を後方から聞こえてくる音の特性に変換する必要がある。そこで、リア信号RL,RRは、例えば図示しないフィルタにより周波数特性や遅延時間が調整された後にメイン信号L,Rに加算される。こうして、いわゆるバーチャル音場処理により、メインスピーカSP−L,SP−Rのみでリア音場を再現することができる。
【0092】
以上のように、本実施の形態では、n=6チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置から複数の第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンに音声信号を配信することができ、第2のゾーンZone2またはZone3のいずれかで音響再生を行う場合には、第5の実施の形態と同様にDSP4eでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行い、第2のゾーンZone2とZone3で同時に音響再生を行う場合には、DSP4eでメイン信号L,Rに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
【0093】
[第8の実施の形態]
図13は本発明の第8の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図であり、図9と同一の構成には同一の符号を付してある。本実施の形態は、n=9チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置に本発明を適用したものである。
DSP4fのデコーダ401fは、セレクタ3から出力されたデジタル音声信号からメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、リアセンター信号RC、サブウーハ信号LFEの各音声信号を生成して、音場処理部402fに出力する。
【0094】
音場処理部402fは、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、サブウーハ信号LFE、リアサラウンド信号BSL,BSR、フロント信号FL,FRの各音声信号(第1音声信号)をD/A変換器5fに出力する。このとき、音場処理部402fは、リアセンター信号RCを基にリアサラウンド信号BSL,BSRを生成し、メイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号Cおよびリアセンター信号RCに基づいてフロント信号FL,FRを生成する。D/A変換器5fは、DSP4fから出力された各音声信号をアナログ信号に変換する。D/A変換器5fから出力されたメイン信号L,R、リア信号RL,RR、センター信号C、サブウーハ信号LFEの処理は第1の実施の形態と同じである。
【0095】
図14に、図13の音響再生装置を用いる場合の第1のゾーンZone1と第2のゾーンZone2,Zone3のスピーカ配置を示す。各スピーカとスピーカ端子との接続は、第1の実施の形態および第3〜第5の実施の形態で説明したとおりである。
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチをオン/オフする場合の処理は、第1の実施の形態と同様の手順で行われるので、図2を参照して本実施の形態の動作を説明する。
【0096】
Zone2音響再生スイッチおよびZone3音響再生スイッチが共にオフの場合、制御部12fは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを無効にする(図2ステップS1,S2)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS3)。
【0097】
これにより、D/A変換器5fから出力されたリアサラウンド信号BSL,BSR、フロント信号FL,FRは、それぞれボリューム6−10,6−11,6−12,6−13、セレクタスイッチ9−5,9−6,9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−7,7−8,7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−9,10−10,10−3,10−4を通ってスピーカ端子8−9,8−10,8−11,8−12から出力される。こうして、第1のゾーンZone1で9.1チャンネル音響再生が行われる。
また、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが無効の場合、DSP4f内のスイッチ430f,431f,432f,433f,434fは、Z1側に切り替わり、後述する音場補正をオフにする(ステップS4)。
【0098】
次に、m=2、すなわちZone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチのうちいずれか一方がオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12fは、ゾーン切替信号Z2ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS7)。入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−5,10−6を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力され、第2のゾーンZone2で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0099】
ゾーン切替信号Z2ONが有効で、ゾーン切替信号Z3ONが無効の場合、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ1側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,Rに対して音場補正が実行される(ステップS8)。この場合の音場補正は第4の実施の形態と同様である。すなわち、音場処理部402fから出力されたフロント信号FL,FRは、スイッチ433f,434fを通って加算器436f,437fによりメイン信号L,Rに加算される。
【0100】
次に、Zone3音響再生スイッチがオンになった場合の動作を説明する。Zone3音響再生スイッチがオンになった場合、制御部12fは、ゾーン切替信号Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS7)。入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−3,9−4を通ってパワーアンプ7−9,7−10により増幅され、セレクタスイッチ10−7,10−8を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力され、第2のゾーンZone3で2チャンネルの音響再生が行われる。
【0101】
ゾーン切替信号Z3ONが有効で、ゾーン切替信号Z2ONが無効の場合、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ2/Z3側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ1側に切り替わる(ステップS8)。このときの音場補正は前述のとおりである。
【0102】
次に、m=4、すなわちZone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合の動作を説明する。Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオンになった場合、制御部12eは、ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONを有効にする(ステップS5,S6)。ゾーン切替信号Z2ON,Z3ONが有効の場合のセレクタスイッチ9−3〜9−6およびセレクタスイッチ10−3〜10−14の動作は第7の実施の形態で説明したとおりである(ステップS7)。
【0103】
Zone2音響再生スイッチがオンになった後にZone3音響再生スイッチがオンになった場合には、第7の実施の形態で説明したとおり、セレクタスイッチ9−3,9−4がZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ3側に切り替わる。この場合、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ゾーン切替信号Z2ONのみが有効の場合と同様に処理され、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ボリューム6−14,6−15、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−13,10−14を通ってスピーカ端子8−13,8−14から出力される。
【0104】
Zone3音響再生スイッチがオンになった後にZone2音響再生スイッチがオンになった場合には、第7の実施の形態で説明したとおり、セレクタスイッチ9−3,9−4がZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−5,9−6がZ2側に切り替わる。この場合、入力端子1−6,1−7に入力されたアナログ音声信号Z3L,Z3Rは、ゾーン切替信号Z3ONのみが有効の場合と同様に処理され、入力端子1−4,1−5に入力されたアナログ音声信号Z2L,Z2Rは、ボリューム6−8,6−9、セレクタスイッチ9−5,9−6を通ってパワーアンプ7−7,7−8により増幅され、セレクタスイッチ10−11,10−12を通ってスピーカ端子8−7,8−8から出力される。
【0105】
一方、Zone2音響再生スイッチとZone3音響再生スイッチが共にオフの状態から、これらのスイッチが同時にオンになった場合には、予め定められた規則により制御部12fがセレクタスイッチ9−3,9−4にZ2側またはZ3側を選択させる。
【0106】
ゾーン切替信号Z3ON,Z2ONが有効の場合、DSP4f内のスイッチ431f,432f,433f,434fは、Z2/Z3側に切り替わる。これにより、第1のゾーンZone1にリアサラウンド信号BSL,BSR、フロント信号FL,FRが供給されなくなったことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うべく、第1のゾーンZone1に供給するメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される(ステップS8)。
【0107】
音場処理部402fから出力されたリアサラウンド信号BSL,BSRは、スイッチ431f,432fを通って加算器438f,439fによりリア信号RL,RRに加算される。この音場補正の原理は第3の実施の形態と同様である。一方、音場処理部402fから出力されたフロント信号FL,FRは、スイッチ433f,434fを通って加算器436f,437fによりメイン信号L,Rに加算される。この音場補正は第4の実施の形態と同様である。
【0108】
以上のように、本実施の形態では、n=9チャンネルのパワーアンプを内蔵した音響再生装置から複数の第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンに音声信号を配信することができ、第2のゾーンZone2またはZone3のいずれかで音響再生を行う場合には、DSP4fでメイン信号L,Rに対して音場補正を行い、第2のゾーンZone2とZone3で同時に音響再生を行う場合には、DSP4fでメイン信号L,R、リア信号RL,RRに対して音場補正を行うことにより、第1のゾーンZone1のマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができる。
【0109】
なお、本実施の形態では、第2のゾーンZone2またはZone3のうちいずれか一方に音声信号を配信する場合、フロント信号FL,FR用のパワーアンプ7−9,7−10を第2のゾーンに割り当てているが、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てるようにしてもよい。どちらを割り当てるかは、DSPプログラムに応じて制御部12fが決定する。例えば映画鑑賞用のプログラムのように音像の移動感を重視するDSPプログラムの場合、制御部12fは、フロント信号FL,FR用のパワーアンプ7−9,7−10を第2のゾーンに割り当てる。このときの動作は前述のとおりである。
【0110】
一方、例えば音楽鑑賞用のプログラムのように音場感を重視するDSPプログラムの場合、制御部12fは、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる。
Zone2音響再生スイッチのみがオンで、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる場合、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ2側に切り替わり、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−11,10−12はオンとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8,10−9,10−10,10−13,10−14はオフとなり、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ1側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ2/Z3側に切り替わる。
【0111】
また、Zone3音響再生スイッチのみがオンで、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる場合、セレクタスイッチ9−5,9−6はZ3側に切り替わり、セレクタスイッチ9−3,9−4はZ1側に切り替わり、セレクタスイッチ10−3,10−4,10−13,10−14はオンとなり、セレクタスイッチ10−5,10−6,10−7,10−8,10−9,10−10,10−11,10−12はオフとなり、DSP4f内のスイッチ433f,434fはZ1側に切り替わり、スイッチ431f,432fはZ2/Z3側に切り替わる。
【0112】
つまり、Zone2音響再生スイッチまたはZone3音響再生スイッチのうちいずれか一方がオンで、リアサラウンド信号BSL,BSR用のパワーアンプ7−7,7−8を第2のゾーンに割り当てる場合には、リア信号RL,RRに対して音場補正が実行される。
【0113】
なお、第1〜第8の実施の形態では、第2のゾーンZone2,Zone3に配信する信号として、アナログ音声信号Z2L,Z2R,Z3L,Z3Rを音響再生装置に入力しているが、これに限るものではなく、デジタル音声信号Z2L,Z2R,Z3L,Z3Rを入力して、このデジタル音声信号Z2L,Z2R,Z3L,Z3Rを音響再生装置内でアナログ音声信号に変換してもよい。
【0114】
また、各実施の形態においての第1のゾーンZone1の音場補正は、開示したものに限定することなく種々の方法を適用することができる。また、第2のゾーンZone2,Zone3にパワーアンプを割り当てたことにより、第1のゾーンZone1のリア配置スピーカからリアサラウンド成分を出力できないような場合は、いわゆるバーチャル音場処理によって、フロントスピーカのみでリア音場を再現するように音場補正すればよい。
【0115】
【発明の効果】
本発明によれば、第2のゾーンで音響再生を行わない第1のモードの場合は、第1のセレクタスイッチでmチャンネルの第1音声信号を選択してmチャンネルのパワーアンプに入力し、第2のセレクタスイッチでmチャンネルのパワーアンプの出力を第1のゾーン用のスピーカ端子に接続することにより、第1のゾーンで最大限のマルチチャンネル音響再生効果を得ることができる。また、第2のモードの場合は、第1のゾーンの音場が所望の特性となるようにDSPで音場補正を行うことにより、mチャンネルの第1音声信号を第1のゾーンに供給しないことによるマルチチャンネル音響再生効果の低下を補うことができ、十分なマルチチャンネル音響再生効果を得ることができる。
【0116】
また、mチャンネルの第1音声信号の音量調整とmチャンネルの第2音声信号の音量調整でボリュームを共用することにより、部品点数を削減することができる。
【0117】
また、第1のモードから第2のモードに切り替わる場合は、第1音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第1のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第2のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定し、第2のモードから第1のモードに切り替わる場合は、第2音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第2のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第1のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定することにより、モードの切り替えに応じてユーザがボリュームを設定し直す必要がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0118】
また、第1のセレクタスイッチが、選択された第2のゾーンに対応するmチャンネルの第2音声信号をmチャンネルのパワーアンプに出力し、第2のセレクタスイッチが、mチャンネルのパワーアンプの出力を選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続することにより、複数の第2のゾーンのうちいずれか1つのゾーンに音声信号を配信することができる。
【0119】
また、第1のセレクタスイッチが、選択された第2のゾーンに対応するmチャンネルの第2音声信号を制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプに出力し、第2のセレクタスイッチが、制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプの出力を選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続することにより、複数の第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンに音声信号を配信することができる。また、制御部を設けることにより、第2のゾーンに割り当てるmチャンネルのパワーアンプ、すなわち第1のゾーンで音が出ないmチャンネルのスピーカをDSPプログラムに応じて適切に選択することができ、第1のゾーンがDSPプログラムに適した音場となるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態においてZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態においてZone2音響再生機能をオン/オフする場合の音響再生装置の動作を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図11】本発明の第6の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態となる音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態における第1のゾーンと第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【図15】従来の音響再生装置の構成を示すブロック図である。
【図16】マルチチャンネル音響再生を行う第1のゾーンと2チャンネル音響再生を行う第2のゾーンのスピーカ配置を示す平面図である。
【符号の説明】
1…入力端子、2…A/D変換器、3…セレクタ、4a、4b、4c、4d、4e、4f…DSP、5…D/A変換器、6…ボリューム、7…パワーアンプ、8…スピーカ端子、9、10…セレクタスイッチ、11…サブウーハ出力端子、12、12a、12b、12c、12e、12f…制御部。
Claims (5)
- n(nはn≧4の整数)チャンネルのパワーアンプから第1のゾーンにnチャンネルの第1音声信号を配信するマルチチャンネル音響再生を行う第1のモードと、前記nチャンネルのうちm(mは1≦m<nの整数)チャンネルを除いた(n−m)チャンネルのパワーアンプから前記第1のゾーンに(n−m)チャンネルの第1音声信号を配信するマルチチャンネル音響再生を行うと同時に、このマルチチャンネル音響再生で使用しないmチャンネルのパワーアンプから第2のゾーンにmチャンネルの第2音声信号を配信するマルチゾーン音響再生を行う第2のモードとを有する音響再生装置であって、
前記nチャンネルの第1音声信号を前記nチャンネルのパワーアンプに出力するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)と、
前記第1のモードの場合は、前記DSPから出力されたnチャンネルのうち前記mチャンネルのパワーアンプに対応するmチャンネルの第1音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力し、前記第2のモードの場合は、前記mチャンネルの第2音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力する第1のセレクタスイッチと、
前記第1のモードの場合は、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記第1のゾーン用のスピーカ端子に接続し、前記第2のモードの場合は、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記第2のゾーン用のスピーカ端子に接続する第2のセレクタスイッチとを備え、
前記DSPは、前記第2のモードの場合、前記第1のゾーンの音場が所望の特性となるように前記(n−m)チャンネルの第1音声信号の少なくとも一部に対して音場補正を行うことを特徴とする音響再生装置。 - 請求項1記載の音響再生装置において、
前記mチャンネルの第1音声信号の音量調整と前記mチャンネルの第2音声信号の音量調整でボリュームを共用することを特徴とする音響再生装置。 - 請求項2記載の音響再生装置において、
前記第1のモードから前記第2のモードに切り替わる場合は、前記第1音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第1のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第2のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定し、前記第2のモードから前記第1のモードに切り替わる場合は、前記第2音声信号を音量調整していた前記mチャンネルのボリュームの値を第2のゾーン用のボリューム値として記憶して、予め記憶している第1のゾーン用のボリューム値を前記mチャンネルのボリュームに設定する制御部を有することを特徴とする音響再生装置。 - 請求項1記載の音響再生装置において、
前記第1のセレクタスイッチは、複数の前記第2のゾーンのうち1つのゾーンのみ選択が可能な前記第2のモードにおいて、この選択された第2のゾーンに対応する前記mチャンネルの第2音声信号を前記mチャンネルのパワーアンプに出力し、
前記第2のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記mチャンネルのパワーアンプの出力を前記選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続することを特徴とする音響再生装置。 - 請求項1記載の音響再生装置において、
複数の前記第2のゾーンのうち1つ以上のゾーンの選択が可能な前記第2のモードにおいて、前記nチャンネルのパワーアンプの中から、選択された第2のゾーンに対応する合計mチャンネルのパワーアンプをDSPプログラムに応じて決定する制御部を備え、
前記第1のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記選択された第2のゾーンに対応する前記mチャンネルの第2音声信号を前記制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプに出力し、
前記第2のセレクタスイッチは、前記第2のモードにおいて、前記制御部で決定されたmチャンネルのパワーアンプの出力を前記選択された第2のゾーン用のスピーカ端子に接続することを特徴とする音響再生装置。
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JP2009044257A (ja) * | 2007-08-06 | 2009-02-26 | Yamaha Corp | オーディオ信号出力装置 |
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-
2003
- 2003-07-24 JP JP2003201321A patent/JP2004112762A/ja active Pending
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