JP2004112306A - 移動通信端末および通信システム - Google Patents
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Abstract
【課題】移動通信端末の消費電力を抑制すること。
【解決手段】判定手段(22、23、30、32、33)が、移動通信端末1が受信している信号の電力の変動にもとづいて、移動通信端末1が移動しているか否かを判定する。変更手段(30、31)が、判定手段(22、23、30、32、33)の結果にもとづいて、基地局2との間で実行される信号の送受信周期を変更する。
【選択図】 図1
【解決手段】判定手段(22、23、30、32、33)が、移動通信端末1が受信している信号の電力の変動にもとづいて、移動通信端末1が移動しているか否かを判定する。変更手段(30、31)が、判定手段(22、23、30、32、33)の結果にもとづいて、基地局2との間で実行される信号の送受信周期を変更する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
基地局との間で情報信号を送受信するための移動通信端末および通信システムに関し、特に、移動通信端末が移動しているか否かにもとづいて基地局との間で送受信される情報信号の送受信周期を変更する移動通信端末および通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信端末は、無線信号を受信することによってマルチパスの検出や近隣に存在する基地局の検出を行っている。
【0003】
これらマルチパスの検出処理や基地局の検出処理は、移動通信端末の状態、すなわち待ち受け中や通話中などの状態に応じて周期的に行われている。
【0004】
また、移動通信端末は、周期的に基地局との接続を実行して位置登録などの処理も実行している。
【0005】
従来のマルチパスの検出処理や近隣に存在する基地局の検出処理は、移動通信端末が移動することにより生じる電波の伝播環境の変動を前提として、予め定められた条件内であれば通話や待ち受けなどの移動通信端末の状態を保障している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、移動通信端末がほとんど移動しないような状況では、基地局との間の伝播環境はほぼ一定となるため、移動している状態と同じ頻度でマルチパスの検出処理や近接する基地局の検出処理などを実行することで、電池電力を無駄に消費することになる。
【0007】
そこで本発明は、これら上述した従来における問題に鑑みてなされたものであって、移動通信端末および基地局を含んでいる通信システムの過大となっている処理を削減することで、移動通信端末の消費電力を抑制することが可能な移動通信端末および通信システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動通信端末は、
移動通信端末が受信している信号の電力の変動にもとづいて、当該移動通信端末が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の結果にもとづいて、基地局との間で実行される信号の送受信周期を変更する変更手段と、
を備えたものである。
【0009】
また、本発明の通信システムは、
移動通信端末と当該移動通信端末と通信する基地局との間で周期的にシグナリングを実行する通信システムにおいて、
前記移動通信端末が受信している信号の電力の変動にもとづいて、前記移動通信端末が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の結果にもとづいて、前記移動通信端末と前記基地局との間でシグナリングの送受信周期を変更する変更手段と、
を備えたものである。
【0010】
以上の構成によれば、移動通信端末が移動状態であるか否かを検出し、移動通信端末が移動していない状態の場合の移動通信端末の処理を減少させることが可能になる。したがって、移動通信端末が無駄に電力を消費することを少なくすることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る移動通信端末および通信システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る移動通信端末の機能ブロックと基地局を示す図である。
【0012】
本発明の通信システムは、無線部10、ベースバンド処理部20、制御部30、数値変更手段31、メモリ32、判定カウンタ33、および、インターフェース部40を備えている移動通信端末1と、移動通信網に接続している基地局2と、からなる。移動通信端末1は基地局2との間で情報信号の送受信をする。
【0013】
さらに、ベースバンド処理部20は、復調部21、セルセクタ検出回路22、パス検出回路23、および、変調部24を備えている。
基地局2から受信した受信信号は、無線部10を通り、復調部21で復調された後デフレーミング回路でフレーム整形、デインタリーバ回路でデータ並び替え処理を行った後に、ビタビ復号やTURBO復号等の復号処理が施され、受信データが抽出される。
【0014】
受信信号とは別に基地局2から受信した信号が無線部10を経由してセルセクタ検出回路22、およびパス検出回路23に入力される。これらのセルセクタ検出回路22、およびパス検出回路23は制御部30からの指示にもとづき作動する。
【0015】
セルセクタ検出回路22は、既に検出済のセルまたはセクタの監視や、伝播環境等の変動により新しいセルまたはセクタを検出した場合にそのセルまたはセクタを監視しはじめる。パス検出回路23は、それらのセルまたはセクタから到来した信号の電力値を測定する。
これらのセルまたはセクタからの電力変動は、メモリ32に記憶されてゆく。また、この動作は数値変更手段31により時間が管理されて、ある周期ごとに実行される。
【0016】
パス検出回路23は、特定の基地局からの信号について複数のパス(すなわち、マルチパス)を検出し、それらパスの監視を行う。パス検出回路23は、受信対象(もしくは監視対象)のパスのマルチパスタイミングおよびそれぞれのパスの電力変動を測定する。マルチパスタイミングは、パスが到達する時刻の差分である。
これらのマルチパスタイミングおよびそれぞれのパスの電力変動は、メモリ32に記憶されてゆく。また、これらの動作は数値変更手段31により時間が管理されて、ある周期ごとに実行される。
ここで、マルチパスとは、ある基地局から発信される電波が建造物などの障害物に反射して互いに時間差を有して移動通信端末に到達する信号のことである。
【0017】
一方、たとえば、音声が信号として送信される場合には、インターフェース部40において、マイクロフォンにユーザ等の音声が入力される。その音声がマイクロフォンによって音声信号に変換される。さらに音声信号が増幅されて、A/D変換器によってディジタル信号に変換されモデムに出力され、音声信号が変調される。変調された音声信号がベースバンド処理部20に出力され、ここでD/A変換器でアナログ信号に変換される。
【0018】
上述の音声信号は、変調ベースバンド信号として無線部10に出力されシンセサイザ回路から供給される局部発振信号とベースバンド処理部20からの変調ベースバンド信号とがミキシングされて、送信される信号が生成される。また、送信される信号は、無線部10で、周波数変換、チャネル選択、直交変調および信号増幅などの処理が施される。直交変調は、シンセサイザ回路によって発振される局部発振信号にもとづいて実行される。シンセサイザ回路は、制御部30からの制御信号を受けて、送信に必要な周波数の局部発振信号を発生し、それを無線部10に供給する。
【0019】
送信無線周波数信号が送信信号へと周波数変換される。送信信号は、フィルタで送信チャネル以外の不要信号成分や雑音が除去される。不要信号成分や雑音が除去された送信信号は、送信電力増幅器において、制御部30からの制御信号により指示された増幅率で所定のレベルまで増幅される。そして、増幅された送信信号はアンテナから基地局2に送信される。
【0020】
図2は、図1に示されるパス検出回路が検出したマルチパス検出結果例を示す時系列図である。図2に示されているAからB、そしてCまたはDにゆくにしたがって後の時刻におけるマルチパスの検出結果である。すなわち、ある受信対象セルからのマルチパスに関して、Aが2回前のパス検出結果を示し、Bが1回前のパス検出結果を示し、CもしくはDが最新のパス検出結果を示している。
Aによれば、まず主波(パス1)の電力に対して2番目のパスがt1だけ左に離れたタイミングで検出され、3番目のパスが主波からt2だけ右側に離れたタイミングで検出されている。
【0021】
Bのときには、前回の検出結果(A)に対して、電力の大きい順に1番目のパス(パス1)、2番目のパス(パス2)、3番目のパス(パス3)の電力差が一致しているかどうか、パスの相対位置関係(主波に対するt1、t2の位置)が検査される。状態が同じであると判定される場合には、判定カウンタ33をカウントアップする。
このとき、比較を行う電力値や各パス間の受信タイミングは、測定誤差が含まれるため、ある程度、幅を持たせた値で判断される。すなわち、図2のA、B、CおよびDに示されている各パスの電力値は、図示したような電力値幅を持たせた上で、電力変動の比較をされる。また、通常、各パス間の受信タイミング(図2のt1およびt2)の比較幅は、各パスの電力値に比較して精度良く測定されるので、電力値に幅を持たせた程度の比較のための幅ほど必要ない。図2では、タイミングについて測定誤差による幅は図示していないが、タイミングを測定する測定器の性能によってタイミングについて測定誤差による幅を持たせる。
上述した測定値幅のもとで、各パスの電力値および各パス間の受信タイミングが前回の検出結果と比較され、状態が同じであるか否かが判定される。図2に示されている例では、Bでの電力値および各パス間の受信タイミングは、電力値および各パス間の受信タイミングの測定幅のもとでAの場合と同一であると判定される。
【0022】
Bに続けてBからの遷移であるCまたはDについてパス検出処理が行われる。このときのパス検出結果が図2に示されているCとなった場合、図2に示されている例では、Cでの電力値および各パス間の受信タイミングは、電力値の測定幅のもとでBの場合と同一であると判定される。したがって、パス変動がないと判断され、再び判定カウンタ33のカウントアップを行う。
【0023】
一方、検出結果が図2に示されているDとなった場合には、電力の大きい順に主波に対して2番目のパス(パス2′)、3番目のパス(パス3′)の電力値が変動している。さらに図2の例では、受信タイミングt1′およびt2′も変動している。したがって、BからDになる間の時刻に移動通信端末1の移動があったと判断される。移動通信端末1の移動があったと判断されて場合は、上記判定カウンタ33をリセットし、この処理以降、通常周期でのパス検出処理を繰り返えす。
【0024】
この判定カウンタ33がカウントアップされ、判定カウンタ33のカウンタ値が予め設定されたしきい値を超えた場合、移動通信端末1は移動していないと判断される。換言すれば、カウンタ値がリセット時からしきい値になるまでの期間、各パスの電力値および各パス間の受信タイミングが変動していないと判断された場合は、移動通信端末1は移動していないとみなす。
【0025】
移動通信端末1が移動していないとみなされた場合は、これ以降のパス検出処理およびセルセクタ検出処理の処理周期を通常よりも長く設定し、それらの処理を実行する。
【0026】
移動通信端末1が移動していない間は、パス検出処理およびセルセクタ検出処理を実行してもそれらの処理結果はほとんど同一である。上述した本実施形態の移動通信端末1によれば、移動通信端末1が移動していないとみなせる間はパス検出処理およびセルセクタ検出処理を実行しないので、無駄に電力を消費することを少なくすることが可能になる。
【0027】
上述の例では、判定カウンタ33を使用し随時前回の検出結果と最新の検出結果を比較して判定カウンタ33のみによって判定している。この判定方法に限定されず、より正確に判定を行うためにAの状態を保持しておき、判定カウンタ33がしきい値に達した段階でその段階でのマルチパス状態とAの状態との最終的な比較を行い判定することも可能である。
さらに、Bの状態も保持しておき、Bの状態と判定カウンタ33がしきい値に達した段階でその段階でのマルチパス状態とも比較を行い、すべての判定で各パスの電力値および各パス間の受信タイミングが変動しているとみなされた場合のみ移動通信端末1が移動したとみなすことも可能である。この場合は、より精度よく移動通信端末1が移動したか否かを決定することが可能であると期待される。
【0028】
図3は、図1に示されるパス検出回路がパス検出処理を実行する周期を示す図である。
【0029】
図3に示されているパス検出処理は通常のパス検出周期を100msとした場合である。この例では、判定カウンタ33のカウンタ値が2になったとき、次回のパス検出処理からパス検出周期を300msに変更する。すなわちこの例では、判定カウンタ33のしきい値は2である。しきい値が2である場合は、パス検出処理において移動通信端末1が移動していないと3回連続して判定された場合である。もちろん、これらの検出周期の値は移動通信端末1に合わせて自在に設定可能である。
【0030】
図4(A)は、図1に示されるセルセクタ回路が検出したセルセクタ検出結果例を示す図である。図4(B)は、図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値が小さい場合の図である。図4(C)は、図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値に変動がある場合の図である。
【0031】
この例では、セルセクタ検出処理によって、移動通信端末1が信号を受信しているすべての基地局の電力変動を監視し、移動通信端末1の移動の有無を判定する。
【0032】
図4(A)に示された例では、セル1、セル2、および、セル3のそれぞれの絶対電力値および相対的な電力関係が4回のセルセクタ検出の結果で維持されている。したがって、この場合は、移動通信端末1の移動は無かったと判定することができる。
この電力値の変動があるか否かの判定は、上述したように図2のA、B、CおよびDに示されている各パスの電力値に図示したような電力値幅を持たせた上で、電力変動の比較をされる。この測定値幅のもとで、各セルの電力値の変動が前回の検出結果と比較され、状態が同じであるか否かが判定される。
【0033】
また初めのセルの電力状態(ここでは検出結果の1回目)を保持しておき、最後の検出結果(4回目)と比較することで、より判定の精度を向上させることができる。さらに2回目の検出結果も保持しておき、最後の検出結果と比較して、すべての判定で各セルの電力値が変動しているとみなされた場合のみ移動通信端末1が移動したとみなすことも考えられる。この場合は、移動通信端末1が移動したか否かをより精度よく決定することが可能である。
【0034】
セルセクタを検出する予め設定されている指定回数(図4(A)、図4(B)、および、図4(C)の例では4回)のセルセクタ検出の間で変動が検出された場合には、移動通信端末1に移動があったとして再び初めの状態に戻し、セルセクタ検出処理を繰り返す。
【0035】
図4(B)および図4(C)に示された例は移動通信端末1の移動があったと判定する場合である。
図4(B)は4回目の検出結果でセル1、セル2、および、セル3の電力が全て小さくなっている場合であり、図4(C)は4回目の検出結果でセル2とセル3の相対的な電力関係が逆転している例である。これ以外にも、それまで検出されていなかったセルやセクタが新しく検出された場合なども伝播路の変動があった、すなわち移動通信端末1の移動があったと判定してよい。
【0036】
図5は、図1に示されるセルセクタ回路がパス検出処理を実行する周期を示す図である。
図5に示されているセルセクタ検出処理は通常のセルセクタ検出周期を0.5sとした場合である。この例では、判定カウンタ33のカウンタ値が2になったとき、次回のセルセクタ検出処理からセルセクタ検出周期を2.0sに変更する。すなわち、判定カウンタ33のしきい値は2である。しきい値が2である場合は、セルセクタ検出処理において移動通信端末1が移動していないと3回連続して判定された場合である。もちろん、これらの検出周期の値は移動通信端末1に合わせて自在に設定可能である。
【0037】
また、セルセクタ検出処理だけでなく、上述したようにパス検出処理の処理周期も長く変更することが可能になるので、これらの処理によって無駄に電力を消費することを格段に少なくすることが可能になる。
【0038】
セルセクタ検出による判定、もしくは上述のパス検出による判定とセルセクタ検出による判定の両方を使用して移動通信端末1の移動(すなわち、伝播路の変動)が無かったと判定した場合には、移動通信端末1の移動がないと判定された以降のパス検出処理、セルセクタ検出処理の両方もしくは一方の処理周期を適宜、通常の処理周期よりも長いものに変更する。その結果、移動通信端末1全体の処理量を削減することが可能になり、無駄な電力消費を抑制することが可能になる。
【0039】
また、この長い検出処理周期での移動通信端末1の動作中にも、パス、もしくはセルまたはセクタを監視し同様の判定処理を行う。ただし、この場合は判定カウンタ等のしきい判定を設けず、状態が維持される限り検出周期は長いまま処理を継続する。パス、もしくは、セルまたはセクタの、電力および各パス間の受信タイミング等の変動を検出した場合に検出処理の周期を通常のものに戻すことになる。
【0040】
図6は、図1に示される移動通信端末1と基地局との間で実行される周期的シグナリングの時系列の一例を示す図である。
図6に示されている処理はおもに待ち受け状態等のときに発生する、移動通信端末1と基地局2との間の周期的なシグナリングに関するものである。上述したパス検出処理や、セルセクタ検出処理によって移動通信端末1が移動しているか否か判定にもとついて、移動通信端末1と基地局2とのシグナリング処理を変更する。
【0041】
ステップST1では、待ち受け状態にある移動通信端末1は、通常一定周期(図6ではシグナリング周期A)ごとに基地局2と交信を行い、位置登録などの処理を行っている。
ステップST2では、移動通信端末1が移動しているか否かが検出される。この検出は、上述したパス検出処理による移動検出およびセルセクタ検出処理による移動検出のいずれかもしくは両方を組み合わせて実行される。
ステップST3では、移動通信端末1の移動がないとを判定された場合、移動通信端末1が基地局2に対してシグナリングを行い、移動通信端末1が移動なしの状態にあることを通知する。そして、基地局2は、移動通信端末1にその通知を認証した旨を通知する。この通知によって、移動通信端末1からのシグナリングの周期が長くても、不通状態になったと基地局2がみなして通信を遮断することがなくなる。
【0042】
ステップST4では、基地局2はこの通知を検出すると、以降の移動通信端末1との周期シグナリングの処理周期を通常よりも長いもの(図6ではシグナリング周期B)に変更する。可能であれば周期シグナリングを停止してしまう。
【0043】
またこのシグナリングが移動通信端末1からの自発的な処理である場合には、移動通信端末1内でその処理周期を変更することも可能である。この場合には基地局2に対して移動通信端末1が移動なしの状態にあることを通知せずにこの処理を行ってもよいこともある。
【0044】
ステップST5では、周期的シグナリングを周期Bで行っている場合に、上述したパス検出処理による移動検出およびセルセクタ検出処理による移動検出のいずれかもしくは両方を組み合わせによる判定が実行される。
【0045】
ステップST6では、ステップST5での判定結果が移動通信端末1が移動したという結果である場合には、再び移動通信端末1は基地局2に対して移動通信端末1に移動があったことを通知する。
【0046】
ステップST7では、移動通信端末1が移動したという結果を検出した基地局2はシグナリング周期を周期Aに戻すことにより通常処理の状態に戻る。
この場合もこのシグナリングが移動通信端末1からの自発的な処理である場合には、移動通信端末1内でその処理周期を変更することも可能である。この場合には基地局2に対して移動通信端末1が移動なしの状態にあることを通知せずにこの処理を行ってもよいこともある。
【0047】
シグナリング周期を変更する場合は、移動通信端末1と基地局2のそれぞれに2つのモードが予め設定されていて、そのモードが移動通信端末1の移動にもとづいて切り替えられることで実現する。
このモードは、移動モードと停止モードがあり、移動モードではシグナリング周期を通常の周期に設定し、停止モードではシグナリング周期を通常の周期よりも長く設定する。ステップST3およびステップST6において、移動通信端末1から基地局2へ、どちらのモードを選択するかが通知される。
【0048】
シグナリング周期を変更するほかの方法としては、移動通信端末1からシグナリング周期を基地局2に通知して、その通知にもとづいて基地局2もシグナリング周期を変更するものもある。この通知も上記と同様にステップST3およびステップST6において実行される。
【0049】
シグナリング周期を変更するさらにほかの方法として、移動通信端末1が移動したこと、または移動通信端末1が移動していないことが移動通信端末1から基地局2へ通知され、その通知にもとづいて基地局2がシグナリング周期を設定するものもある。この場合、設定されたシグナリング周期が基地局2から移動通信端末1に通知される。これらの通知も上記と同様にステップST3およびステップST6において実行される。
【0050】
この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の移動通信端末および通信システムによれば、移動通信端末が移動状態であるか否かを検出し、移動通信端末が移動していない状態の場合の移動通信端末の処理を減少させることにより、移動通信端末の消費電力を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信端末の機能ブロックと基地局を示す図。
【図2】図1に示されるパス検出回路が検出したマルチパス検出結果例を示す時系列図。
【図3】図1に示されるパス検出回路がパス検出処理を実行する周期を示す図。
【図4】
(A) 図1に示されるセルセクタ回路が検出したセルセクタ検出結果例を示す図。
(B) 図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値が小さい場合の図。
(C) 図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値に変動がある場合の図。
【図5】図1に示されるセルセクタ回路がパス検出処理を実行する周期を示す図。
【図6】図1に示される移動通信端末と基地局との間で実行される周期的シグナリングの時系列の一例を示す図。
【符号の説明】
1 移動通信端末
2 基地局
10 無線部
20 ベースバンド処理部
21 復調部
22 セルセクタ検出回路
23 パス検出回路
24 変調部
30 制御部
31 数値変更手段
32 メモリ
33 判定カウンタ
40 インターフェース部
【発明の属する技術分野】
基地局との間で情報信号を送受信するための移動通信端末および通信システムに関し、特に、移動通信端末が移動しているか否かにもとづいて基地局との間で送受信される情報信号の送受信周期を変更する移動通信端末および通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
移動通信端末は、無線信号を受信することによってマルチパスの検出や近隣に存在する基地局の検出を行っている。
【0003】
これらマルチパスの検出処理や基地局の検出処理は、移動通信端末の状態、すなわち待ち受け中や通話中などの状態に応じて周期的に行われている。
【0004】
また、移動通信端末は、周期的に基地局との接続を実行して位置登録などの処理も実行している。
【0005】
従来のマルチパスの検出処理や近隣に存在する基地局の検出処理は、移動通信端末が移動することにより生じる電波の伝播環境の変動を前提として、予め定められた条件内であれば通話や待ち受けなどの移動通信端末の状態を保障している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、移動通信端末がほとんど移動しないような状況では、基地局との間の伝播環境はほぼ一定となるため、移動している状態と同じ頻度でマルチパスの検出処理や近接する基地局の検出処理などを実行することで、電池電力を無駄に消費することになる。
【0007】
そこで本発明は、これら上述した従来における問題に鑑みてなされたものであって、移動通信端末および基地局を含んでいる通信システムの過大となっている処理を削減することで、移動通信端末の消費電力を抑制することが可能な移動通信端末および通信システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の移動通信端末は、
移動通信端末が受信している信号の電力の変動にもとづいて、当該移動通信端末が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の結果にもとづいて、基地局との間で実行される信号の送受信周期を変更する変更手段と、
を備えたものである。
【0009】
また、本発明の通信システムは、
移動通信端末と当該移動通信端末と通信する基地局との間で周期的にシグナリングを実行する通信システムにおいて、
前記移動通信端末が受信している信号の電力の変動にもとづいて、前記移動通信端末が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の結果にもとづいて、前記移動通信端末と前記基地局との間でシグナリングの送受信周期を変更する変更手段と、
を備えたものである。
【0010】
以上の構成によれば、移動通信端末が移動状態であるか否かを検出し、移動通信端末が移動していない状態の場合の移動通信端末の処理を減少させることが可能になる。したがって、移動通信端末が無駄に電力を消費することを少なくすることが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る移動通信端末および通信システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る移動通信端末の機能ブロックと基地局を示す図である。
【0012】
本発明の通信システムは、無線部10、ベースバンド処理部20、制御部30、数値変更手段31、メモリ32、判定カウンタ33、および、インターフェース部40を備えている移動通信端末1と、移動通信網に接続している基地局2と、からなる。移動通信端末1は基地局2との間で情報信号の送受信をする。
【0013】
さらに、ベースバンド処理部20は、復調部21、セルセクタ検出回路22、パス検出回路23、および、変調部24を備えている。
基地局2から受信した受信信号は、無線部10を通り、復調部21で復調された後デフレーミング回路でフレーム整形、デインタリーバ回路でデータ並び替え処理を行った後に、ビタビ復号やTURBO復号等の復号処理が施され、受信データが抽出される。
【0014】
受信信号とは別に基地局2から受信した信号が無線部10を経由してセルセクタ検出回路22、およびパス検出回路23に入力される。これらのセルセクタ検出回路22、およびパス検出回路23は制御部30からの指示にもとづき作動する。
【0015】
セルセクタ検出回路22は、既に検出済のセルまたはセクタの監視や、伝播環境等の変動により新しいセルまたはセクタを検出した場合にそのセルまたはセクタを監視しはじめる。パス検出回路23は、それらのセルまたはセクタから到来した信号の電力値を測定する。
これらのセルまたはセクタからの電力変動は、メモリ32に記憶されてゆく。また、この動作は数値変更手段31により時間が管理されて、ある周期ごとに実行される。
【0016】
パス検出回路23は、特定の基地局からの信号について複数のパス(すなわち、マルチパス)を検出し、それらパスの監視を行う。パス検出回路23は、受信対象(もしくは監視対象)のパスのマルチパスタイミングおよびそれぞれのパスの電力変動を測定する。マルチパスタイミングは、パスが到達する時刻の差分である。
これらのマルチパスタイミングおよびそれぞれのパスの電力変動は、メモリ32に記憶されてゆく。また、これらの動作は数値変更手段31により時間が管理されて、ある周期ごとに実行される。
ここで、マルチパスとは、ある基地局から発信される電波が建造物などの障害物に反射して互いに時間差を有して移動通信端末に到達する信号のことである。
【0017】
一方、たとえば、音声が信号として送信される場合には、インターフェース部40において、マイクロフォンにユーザ等の音声が入力される。その音声がマイクロフォンによって音声信号に変換される。さらに音声信号が増幅されて、A/D変換器によってディジタル信号に変換されモデムに出力され、音声信号が変調される。変調された音声信号がベースバンド処理部20に出力され、ここでD/A変換器でアナログ信号に変換される。
【0018】
上述の音声信号は、変調ベースバンド信号として無線部10に出力されシンセサイザ回路から供給される局部発振信号とベースバンド処理部20からの変調ベースバンド信号とがミキシングされて、送信される信号が生成される。また、送信される信号は、無線部10で、周波数変換、チャネル選択、直交変調および信号増幅などの処理が施される。直交変調は、シンセサイザ回路によって発振される局部発振信号にもとづいて実行される。シンセサイザ回路は、制御部30からの制御信号を受けて、送信に必要な周波数の局部発振信号を発生し、それを無線部10に供給する。
【0019】
送信無線周波数信号が送信信号へと周波数変換される。送信信号は、フィルタで送信チャネル以外の不要信号成分や雑音が除去される。不要信号成分や雑音が除去された送信信号は、送信電力増幅器において、制御部30からの制御信号により指示された増幅率で所定のレベルまで増幅される。そして、増幅された送信信号はアンテナから基地局2に送信される。
【0020】
図2は、図1に示されるパス検出回路が検出したマルチパス検出結果例を示す時系列図である。図2に示されているAからB、そしてCまたはDにゆくにしたがって後の時刻におけるマルチパスの検出結果である。すなわち、ある受信対象セルからのマルチパスに関して、Aが2回前のパス検出結果を示し、Bが1回前のパス検出結果を示し、CもしくはDが最新のパス検出結果を示している。
Aによれば、まず主波(パス1)の電力に対して2番目のパスがt1だけ左に離れたタイミングで検出され、3番目のパスが主波からt2だけ右側に離れたタイミングで検出されている。
【0021】
Bのときには、前回の検出結果(A)に対して、電力の大きい順に1番目のパス(パス1)、2番目のパス(パス2)、3番目のパス(パス3)の電力差が一致しているかどうか、パスの相対位置関係(主波に対するt1、t2の位置)が検査される。状態が同じであると判定される場合には、判定カウンタ33をカウントアップする。
このとき、比較を行う電力値や各パス間の受信タイミングは、測定誤差が含まれるため、ある程度、幅を持たせた値で判断される。すなわち、図2のA、B、CおよびDに示されている各パスの電力値は、図示したような電力値幅を持たせた上で、電力変動の比較をされる。また、通常、各パス間の受信タイミング(図2のt1およびt2)の比較幅は、各パスの電力値に比較して精度良く測定されるので、電力値に幅を持たせた程度の比較のための幅ほど必要ない。図2では、タイミングについて測定誤差による幅は図示していないが、タイミングを測定する測定器の性能によってタイミングについて測定誤差による幅を持たせる。
上述した測定値幅のもとで、各パスの電力値および各パス間の受信タイミングが前回の検出結果と比較され、状態が同じであるか否かが判定される。図2に示されている例では、Bでの電力値および各パス間の受信タイミングは、電力値および各パス間の受信タイミングの測定幅のもとでAの場合と同一であると判定される。
【0022】
Bに続けてBからの遷移であるCまたはDについてパス検出処理が行われる。このときのパス検出結果が図2に示されているCとなった場合、図2に示されている例では、Cでの電力値および各パス間の受信タイミングは、電力値の測定幅のもとでBの場合と同一であると判定される。したがって、パス変動がないと判断され、再び判定カウンタ33のカウントアップを行う。
【0023】
一方、検出結果が図2に示されているDとなった場合には、電力の大きい順に主波に対して2番目のパス(パス2′)、3番目のパス(パス3′)の電力値が変動している。さらに図2の例では、受信タイミングt1′およびt2′も変動している。したがって、BからDになる間の時刻に移動通信端末1の移動があったと判断される。移動通信端末1の移動があったと判断されて場合は、上記判定カウンタ33をリセットし、この処理以降、通常周期でのパス検出処理を繰り返えす。
【0024】
この判定カウンタ33がカウントアップされ、判定カウンタ33のカウンタ値が予め設定されたしきい値を超えた場合、移動通信端末1は移動していないと判断される。換言すれば、カウンタ値がリセット時からしきい値になるまでの期間、各パスの電力値および各パス間の受信タイミングが変動していないと判断された場合は、移動通信端末1は移動していないとみなす。
【0025】
移動通信端末1が移動していないとみなされた場合は、これ以降のパス検出処理およびセルセクタ検出処理の処理周期を通常よりも長く設定し、それらの処理を実行する。
【0026】
移動通信端末1が移動していない間は、パス検出処理およびセルセクタ検出処理を実行してもそれらの処理結果はほとんど同一である。上述した本実施形態の移動通信端末1によれば、移動通信端末1が移動していないとみなせる間はパス検出処理およびセルセクタ検出処理を実行しないので、無駄に電力を消費することを少なくすることが可能になる。
【0027】
上述の例では、判定カウンタ33を使用し随時前回の検出結果と最新の検出結果を比較して判定カウンタ33のみによって判定している。この判定方法に限定されず、より正確に判定を行うためにAの状態を保持しておき、判定カウンタ33がしきい値に達した段階でその段階でのマルチパス状態とAの状態との最終的な比較を行い判定することも可能である。
さらに、Bの状態も保持しておき、Bの状態と判定カウンタ33がしきい値に達した段階でその段階でのマルチパス状態とも比較を行い、すべての判定で各パスの電力値および各パス間の受信タイミングが変動しているとみなされた場合のみ移動通信端末1が移動したとみなすことも可能である。この場合は、より精度よく移動通信端末1が移動したか否かを決定することが可能であると期待される。
【0028】
図3は、図1に示されるパス検出回路がパス検出処理を実行する周期を示す図である。
【0029】
図3に示されているパス検出処理は通常のパス検出周期を100msとした場合である。この例では、判定カウンタ33のカウンタ値が2になったとき、次回のパス検出処理からパス検出周期を300msに変更する。すなわちこの例では、判定カウンタ33のしきい値は2である。しきい値が2である場合は、パス検出処理において移動通信端末1が移動していないと3回連続して判定された場合である。もちろん、これらの検出周期の値は移動通信端末1に合わせて自在に設定可能である。
【0030】
図4(A)は、図1に示されるセルセクタ回路が検出したセルセクタ検出結果例を示す図である。図4(B)は、図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値が小さい場合の図である。図4(C)は、図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値に変動がある場合の図である。
【0031】
この例では、セルセクタ検出処理によって、移動通信端末1が信号を受信しているすべての基地局の電力変動を監視し、移動通信端末1の移動の有無を判定する。
【0032】
図4(A)に示された例では、セル1、セル2、および、セル3のそれぞれの絶対電力値および相対的な電力関係が4回のセルセクタ検出の結果で維持されている。したがって、この場合は、移動通信端末1の移動は無かったと判定することができる。
この電力値の変動があるか否かの判定は、上述したように図2のA、B、CおよびDに示されている各パスの電力値に図示したような電力値幅を持たせた上で、電力変動の比較をされる。この測定値幅のもとで、各セルの電力値の変動が前回の検出結果と比較され、状態が同じであるか否かが判定される。
【0033】
また初めのセルの電力状態(ここでは検出結果の1回目)を保持しておき、最後の検出結果(4回目)と比較することで、より判定の精度を向上させることができる。さらに2回目の検出結果も保持しておき、最後の検出結果と比較して、すべての判定で各セルの電力値が変動しているとみなされた場合のみ移動通信端末1が移動したとみなすことも考えられる。この場合は、移動通信端末1が移動したか否かをより精度よく決定することが可能である。
【0034】
セルセクタを検出する予め設定されている指定回数(図4(A)、図4(B)、および、図4(C)の例では4回)のセルセクタ検出の間で変動が検出された場合には、移動通信端末1に移動があったとして再び初めの状態に戻し、セルセクタ検出処理を繰り返す。
【0035】
図4(B)および図4(C)に示された例は移動通信端末1の移動があったと判定する場合である。
図4(B)は4回目の検出結果でセル1、セル2、および、セル3の電力が全て小さくなっている場合であり、図4(C)は4回目の検出結果でセル2とセル3の相対的な電力関係が逆転している例である。これ以外にも、それまで検出されていなかったセルやセクタが新しく検出された場合なども伝播路の変動があった、すなわち移動通信端末1の移動があったと判定してよい。
【0036】
図5は、図1に示されるセルセクタ回路がパス検出処理を実行する周期を示す図である。
図5に示されているセルセクタ検出処理は通常のセルセクタ検出周期を0.5sとした場合である。この例では、判定カウンタ33のカウンタ値が2になったとき、次回のセルセクタ検出処理からセルセクタ検出周期を2.0sに変更する。すなわち、判定カウンタ33のしきい値は2である。しきい値が2である場合は、セルセクタ検出処理において移動通信端末1が移動していないと3回連続して判定された場合である。もちろん、これらの検出周期の値は移動通信端末1に合わせて自在に設定可能である。
【0037】
また、セルセクタ検出処理だけでなく、上述したようにパス検出処理の処理周期も長く変更することが可能になるので、これらの処理によって無駄に電力を消費することを格段に少なくすることが可能になる。
【0038】
セルセクタ検出による判定、もしくは上述のパス検出による判定とセルセクタ検出による判定の両方を使用して移動通信端末1の移動(すなわち、伝播路の変動)が無かったと判定した場合には、移動通信端末1の移動がないと判定された以降のパス検出処理、セルセクタ検出処理の両方もしくは一方の処理周期を適宜、通常の処理周期よりも長いものに変更する。その結果、移動通信端末1全体の処理量を削減することが可能になり、無駄な電力消費を抑制することが可能になる。
【0039】
また、この長い検出処理周期での移動通信端末1の動作中にも、パス、もしくはセルまたはセクタを監視し同様の判定処理を行う。ただし、この場合は判定カウンタ等のしきい判定を設けず、状態が維持される限り検出周期は長いまま処理を継続する。パス、もしくは、セルまたはセクタの、電力および各パス間の受信タイミング等の変動を検出した場合に検出処理の周期を通常のものに戻すことになる。
【0040】
図6は、図1に示される移動通信端末1と基地局との間で実行される周期的シグナリングの時系列の一例を示す図である。
図6に示されている処理はおもに待ち受け状態等のときに発生する、移動通信端末1と基地局2との間の周期的なシグナリングに関するものである。上述したパス検出処理や、セルセクタ検出処理によって移動通信端末1が移動しているか否か判定にもとついて、移動通信端末1と基地局2とのシグナリング処理を変更する。
【0041】
ステップST1では、待ち受け状態にある移動通信端末1は、通常一定周期(図6ではシグナリング周期A)ごとに基地局2と交信を行い、位置登録などの処理を行っている。
ステップST2では、移動通信端末1が移動しているか否かが検出される。この検出は、上述したパス検出処理による移動検出およびセルセクタ検出処理による移動検出のいずれかもしくは両方を組み合わせて実行される。
ステップST3では、移動通信端末1の移動がないとを判定された場合、移動通信端末1が基地局2に対してシグナリングを行い、移動通信端末1が移動なしの状態にあることを通知する。そして、基地局2は、移動通信端末1にその通知を認証した旨を通知する。この通知によって、移動通信端末1からのシグナリングの周期が長くても、不通状態になったと基地局2がみなして通信を遮断することがなくなる。
【0042】
ステップST4では、基地局2はこの通知を検出すると、以降の移動通信端末1との周期シグナリングの処理周期を通常よりも長いもの(図6ではシグナリング周期B)に変更する。可能であれば周期シグナリングを停止してしまう。
【0043】
またこのシグナリングが移動通信端末1からの自発的な処理である場合には、移動通信端末1内でその処理周期を変更することも可能である。この場合には基地局2に対して移動通信端末1が移動なしの状態にあることを通知せずにこの処理を行ってもよいこともある。
【0044】
ステップST5では、周期的シグナリングを周期Bで行っている場合に、上述したパス検出処理による移動検出およびセルセクタ検出処理による移動検出のいずれかもしくは両方を組み合わせによる判定が実行される。
【0045】
ステップST6では、ステップST5での判定結果が移動通信端末1が移動したという結果である場合には、再び移動通信端末1は基地局2に対して移動通信端末1に移動があったことを通知する。
【0046】
ステップST7では、移動通信端末1が移動したという結果を検出した基地局2はシグナリング周期を周期Aに戻すことにより通常処理の状態に戻る。
この場合もこのシグナリングが移動通信端末1からの自発的な処理である場合には、移動通信端末1内でその処理周期を変更することも可能である。この場合には基地局2に対して移動通信端末1が移動なしの状態にあることを通知せずにこの処理を行ってもよいこともある。
【0047】
シグナリング周期を変更する場合は、移動通信端末1と基地局2のそれぞれに2つのモードが予め設定されていて、そのモードが移動通信端末1の移動にもとづいて切り替えられることで実現する。
このモードは、移動モードと停止モードがあり、移動モードではシグナリング周期を通常の周期に設定し、停止モードではシグナリング周期を通常の周期よりも長く設定する。ステップST3およびステップST6において、移動通信端末1から基地局2へ、どちらのモードを選択するかが通知される。
【0048】
シグナリング周期を変更するほかの方法としては、移動通信端末1からシグナリング周期を基地局2に通知して、その通知にもとづいて基地局2もシグナリング周期を変更するものもある。この通知も上記と同様にステップST3およびステップST6において実行される。
【0049】
シグナリング周期を変更するさらにほかの方法として、移動通信端末1が移動したこと、または移動通信端末1が移動していないことが移動通信端末1から基地局2へ通知され、その通知にもとづいて基地局2がシグナリング周期を設定するものもある。この場合、設定されたシグナリング周期が基地局2から移動通信端末1に通知される。これらの通知も上記と同様にステップST3およびステップST6において実行される。
【0050】
この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0051】
【発明の効果】
本発明の移動通信端末および通信システムによれば、移動通信端末が移動状態であるか否かを検出し、移動通信端末が移動していない状態の場合の移動通信端末の処理を減少させることにより、移動通信端末の消費電力を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る移動通信端末の機能ブロックと基地局を示す図。
【図2】図1に示されるパス検出回路が検出したマルチパス検出結果例を示す時系列図。
【図3】図1に示されるパス検出回路がパス検出処理を実行する周期を示す図。
【図4】
(A) 図1に示されるセルセクタ回路が検出したセルセクタ検出結果例を示す図。
(B) 図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値が小さい場合の図。
(C) 図4(A)で4回目のセルセクタ検出で検出された電力値に変動がある場合の図。
【図5】図1に示されるセルセクタ回路がパス検出処理を実行する周期を示す図。
【図6】図1に示される移動通信端末と基地局との間で実行される周期的シグナリングの時系列の一例を示す図。
【符号の説明】
1 移動通信端末
2 基地局
10 無線部
20 ベースバンド処理部
21 復調部
22 セルセクタ検出回路
23 パス検出回路
24 変調部
30 制御部
31 数値変更手段
32 メモリ
33 判定カウンタ
40 インターフェース部
Claims (9)
- 移動通信端末が受信している信号の電力の変動にもとづいて、当該移動通信端末が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の結果にもとづいて、基地局との間で実行される信号の送受信周期を変更する変更手段と、
を具備することを特徴とする移動通信端末。 - 前記判定手段は、
前記基地局から受信しているパス信号を検出するパス検出手段と、
前記パス信号の検出を実行するごとにカウンタ値を加算する第1のカウンタと、
前記カウンタ値に関連して、前記受信したパス信号の電力と、パス信号を受信した時刻の差分とを記憶する第1のメモリと、
前記パス信号を検出した場合にそのパス信号の電力およびその信号を受信した時刻の差分と、1つ前のカウンタ値での対応する電力および時刻の差分と、を比較する第1の比較手段と、
前記パス信号の電力およびその信号を受信した時刻の差分の変動に関して、当該移動通信端末が移動していない場合に対応するこれら数値の変動範囲の基準を記憶している第1の基準メモリと、
を具備する第1の判定手段を含み、
前記変動範囲の基準と比較手段の処理結果にもとづいて、当該移動通信端末が移動しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。 - 前記判定手段は、
セルまたはセクタ内に所在している基地局から発信されているセルセクタ信号を検出するセルセクタ検出手段と、
前記セルセクタ信号の検出を実行するごとにカウンタ値を加算する第2のカウンタと、
前記セルセクタ信号を検出した場合にそのセルセクタ信号の電力を、セルセクタ信号が発信されているセルまたはセクタに対応して記憶する第2のメモリと、
前記検出されたセルセクタ信号の電力値と、1つ前のカウンタ値での対応するセルセクタ信号の電力値とを、セルまたはセクタごとに比較する第2の比較手段と、
前記セルセクタ信号の電力の変動に関して、当該移動通信端末が移動していない場合に対応する電力値の変動範囲の基準を記憶している第2の基準メモリと、
を具備する第2の判定手段を含み、
前記変動範囲の基準と比較手段の処理結果にもとづいて、当該移動通信端末が移動しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。 - 前記判定手段は、
前記基地局から受信しているパス信号を検出するパス検出手段と、
前記パス信号の検出を実行するごとにカウンタ値を加算する第1のカウンタと、
前記カウンタ値に関連して、前記受信したパス信号の電力と、パス信号を受信した時刻の差分とを記憶する第1のメモリと、
前記パス信号を検出した場合にそのパス信号の電力およびその信号を受信した時刻の差分と、1つ前のカウンタ値での対応する電力および時刻の差分と、を比較する第1の比較手段と、
前記パス信号の電力およびその信号を受信した時刻の差分の変動に関して、当該移動通信端末が移動していない場合に対応するこれら数値の変動範囲の基準を記憶している第1の基準メモリと、
を具備する第1の判定手段と、
セルまたはセクタ内に所在している基地局から発信されているセルセクタ信号を検出するセルセクタ検出手段と、
前記セルセクタ信号の検出を実行するごとにカウンタ値を加算する第2のカウンタと、
前記セルセクタ信号を検出した場合にそのセルセクタ信号の電力を、セルセクタ信号が発信されているセルまたはセクタに対応して記憶する第2のメモリと、
前記検出されたセルセクタ信号の電力値と、1つ前のカウンタ値での対応するセルセクタ信号の電力値とを、セルまたはセクタごとに比較する第2の比較手段と、
前記セルセクタ信号の電力の変動に関して、当該移動通信端末が移動していない場合に対応する電力値の変動範囲の基準を記憶している第2の基準メモリと、
を具備する第2の判定手段を含み、
前記第1の判定手段および前記第2の判定手段が当該移動通信端末は移動していないと判定した場合にはじめて、当該移動通信端末が移動していないと判定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末。 - 前記変更手段は、
当該移動通信端末が移動していないと判定された場合に、前記基地局に当該移動通信端末が移動していない状態であることを通知する第1の通知手段と、
前記基地局との間で実行される信号の前記送受信周期を長くする第1の時間変更手段と、
を具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の移動通信端末。 - 前記判定手段により当該移動通信端末が移動していないと判定された場合、パス信号を検出する周期を長くする第1のパス周期変更手段と、
前記判定手段により当該移動通信端末が移動していないと判定された場合、セルセクタ信号を検出する周期を長くする第1のセルセクタ周期変更手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項5に記載の移動通信端末。 - 前記変更手段は、
当該移動通信端末が移動していないと判定された後、当該移動通信端末が移動しだしたと判定された場合に、前記基地局に当該移動通信端末が移動している状態であることを通知する第2の通知手段と、
前記基地局との間で実行される信号の前記送受信周期を当該移動通信端末が移動していないと判定されるより前に実行されていた送受信周期に戻す第2の時間変更手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の移動通信端末。 - 前記判定手段により当該移動通信端末が移動していないと判定された後、当該移動通信端末が移動していると判定された場合、パス信号を検出する周期を当該移動通信端末が移動していないと判定されるより前に実行されていた周期に戻す第2のパス周期変更手段と、
前記判定手段により当該移動通信端末が移動していないと判定された後、当該移動通信端末が移動していると判定された場合、セルセクタ信号を検出する周期を当該移動通信端末が移動していないと判定されるより前に実行されていた周期に戻す第2のセルセクタ周期変更手段と、
をさらに具備することを特徴とする請求項7に記載の移動通信端末。 - 移動通信端末と当該移動通信端末と通信する基地局との間で周期的にシグナリングを実行する通信システムにおいて、
前記移動通信端末が受信している信号の電力の変動にもとづいて、前記移動通信端末が移動しているか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の結果にもとづいて、前記移動通信端末と前記基地局との間でシグナリングの送受信周期を変更する変更手段と、
を具備することを特徴とする通信システム。
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Cited By (2)
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JP2012104893A (ja) * | 2010-11-05 | 2012-05-31 | Toshiba Corp | 移動無線端末装置および基地局探索方法 |
WO2013179473A1 (ja) * | 2012-05-31 | 2013-12-05 | 富士通株式会社 | 通信装置、通信制御プログラムおよび通信制御方法 |
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2002
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