JP2004112229A - フレーム補間システム及びフレーム補間方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の標本化及び揺らぎに対しても安定してフレーム補間が可能であり、且つ、ブロック内の任意の動きに対応可能なフレーム補間システム及びフレーム補間方法を提供する。
【解決手段】第1及び第2のフレームからエッジ画像を検出するエッジ検出手段11a、エッジ画像に基づき、対象画素がエッジか否かにより異なった差分処理を施し、動きベクトル及び不一致フィルタをグループ化するフレーム情報生成手段71a、グループ化された動きベクトル及び不一致フィルタにより、第1及び第2のフレームの動きを補償する動き補償手段17aを備える。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像処理技術に関し、特に、動画像信号におけるフレーム間を補間するフレーム補間システム及びフレーム補間方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレーム補間方法とは、図17に示すように、複数フレームからなる画像信号に対して、フレーム(参照フレーム)201aと201b間に補間フレーム200a、200bを、フレーム201b、201c間に補間フレーム200c、200dを効率的に補間して時間当たりの表示フレーム数を増大させる方法である。これにより動画像、特に圧縮画像の高画質化を実現することが出来る。また、フレーム補間方法としては、動き推定の基本的技術であるブロックマッチング法が基本となる。ここで、ブロックマッチング法とは、フレーム201a、201b、201cを小ブロックに分割し、それら小ブロックに対して、フレームの画像領域から最も相関度の高いブロックを探索して動きベクトルを求める方法である。このブロックマッチング法により得られた動きベクトルに基づき、補間フレーム200a、200b、200c、200d・・・・・が生成される(以下において「第1の従来技術」という。)。
【0003】
また、特許文献1には、補間フレームの対象ブロックを中心として、幾何対照的に前後のフレームの相関を求めてフレーム補間を行う方法が開示されている(以下において「第2の従来技術」という。)。この方法は、第1の従来技術のように動きベクトルを求めた後の処理が不要な為、直接的に補間フレーム200を求めることが出来る。
【0004】
特許文献2には、ブロックマッチング法をベースにしながら、ブロック内で更に領域を分割することによって、より精度の高いフレーム補間を行う技術が開示されている(以下において「第3の従来技術」という。)。
【0005】
【特許文献1】
特許2528103号公報
【特許文献2】
特開2000−224593公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
第1の従来技術においては、動き補償を行って補間フレームを生成する際に、動きベクトルの終点を固定し、終点が指す画像データを始点に対して動き補償を行う。しかし、補間を行うために動きベクトルの操作が行われているので、始点の位置が本来の位置と異なる。この為に、第1の従来技術においては、図18に示すように、生成される補間フレームに隙間及び重なりが生じる問題があった。
【0007】
第2の従来技術においては、補間フレーム上に一様格子を考えるため、重なりや隙間が生じないが、ブロックと他のブロックとの間にブロック歪みが生じる問題があった。第3の従来技術においては、ブロック内の3以上の複数の動きに対応できないという問題があった。このように、単純なブロックベースの手法ではブロックの境界においてブロック歪みが発生する問題があった。ブロック歪みを無くす為には、ブロック内を分割し、反復的に一致領域と不一致領域を分けていけばよいが、画像の標本化及び揺らぎによってエッジにノイズが残ってしまう。
【0008】
上記問題点を鑑み、本発明は、隙間や重なりが発生せず、ブロック歪みを抑え、エッジにノイズの発生しないフレーム補間システム及びフレーム補間方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の特徴は、第1のフレームと第1のフレームの次のフレームである第2のフレームとからそれぞれエッジ画像を検出するエッジ検出手段と、エッジ画像に基づいて動きベクトルを生成し、動きベクトルにより定まる対象画素がエッジか否かにより異なった差分処理を施して不一致フィルタを生成するフレーム情報生成手段と、動きベクトルと不一致フィルタとにより、第1のフレームと第2のフレームとの間に補間フレームを内挿する動き補償手段とを備えるフレーム補間システムであることを要旨とする。
【0010】
本発明の第1の特徴に係るフレーム補間システムによれば、エッジ部分における微少な画素変動に対しても安定してフレームを補間することが可能となる。よって、エッジの微細変動によってもノイズが発生しないフレーム補間を行うことができる。
【0011】
本発明の第2の特徴は、第1のフレームと第1のフレームの次のフレームである第2のフレームとからそれぞれエッジ画像を検出するステップと、エッジ画像に基づいて動きベクトルを生成し、動きベクトルにより定まる対象画素がエッジか否かにより異なった差分処理を施して不一致フィルタを生成するステップと、動きベクトルと不一致フィルタとにより、第1のフレームと第2のフレームとの間に補間フレームを内挿するステップとを備えるフレーム補間方法であることを要旨とする。
【0012】
本発明の第2の特徴に係るフレーム補間方法によれば、エッジの微細変動によるノイズの発生を予防することが出来る。よって、動画像の高画質化を実現出来る。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係るフレーム補間システムは、図1に示すように、画像信号を入力するエッジ検出手段11a、エッジ検出手段11aの出力を受け取るフレーム情報生成手段71a、フレーム情報生成手段71aの出力を受け取るベクトルスケール変換手段16、ベクトルスケール変換手段16の出力を受け取り、補間画像を出力する動き補償手段17aを備える。更に、第1の実施の形態に係るフレーム補間システムは、入力された画像信号を一旦記憶するフレームメモリ12aを備える。入力された動画像信号を構成するフレームのうち、現フレームを「第1のフレーム」と呼ぶ。現フレームの次のフレームであり、フレームメモリ12aに一旦蓄えられるフレームを「第2のフレーム」と呼ぶ。エッジ検出手段11aは、画像信号として、図5に示す第1のフレーム21及び第2のフレーム22からエッジ画像を検出する。フレーム情報生成手段71aは、エッジ画像に基づいて動きベクトルを生成する。そして、動きベクトルにより定まる対象画素がエッジか否かにより異なった差分処理を施して不一致フィルタを生成する。ベクトルスケール変換手段16は、動きベクトルのスケールを変換する。動き補償手段17aは、動きベクトルと不一致フィルタとにより、第1のフレームと第2のフレームとの間に補間フレームを内挿する。
【0015】
フレーム情報生成手段71aは、図1に示すように、エッジ画像を入力するエッジ判定手段13a、エッジ判定手段13aの出力を受け取る動き推定手段14a、動き推定手段14aの出力を受け取る一致判定手段15aを備える。エッジ判定手段13aは、エッジ画像から対象画素がエッジか否かを判定し、エッジ情報を出力する。一致判定手段15aは、動きベクトルに基づいて不一致フィルタを生成する。動き推定手段14aは、エッジ情報に基づき、グループ化された動きベクトル及び不一致フィルタを出力する。一致判定手段15aは、エッジ部分の対象画素に差分処理を施す第1の差分処理手段18a、非エッジ部分の対象画素に差分処理を施す第2の差分処理手段19aを備える。
【0016】
エッジ検出手段11aは、図2(a)に示すようなフレーム情報に基づいて、図2(b)に示すエッジ画像を出力する。図2(a)に示す画像ブロック3a、3bの境界部分がエッジとなる。図3においては、画素の輝度(強度)である画素値が100の画素と画素値が5の画素との境界がエッジとなる。つまり、差分が大きいために、人の目にはエッジと認識される。尚、第1のフレーム21及び第2のフレーム22内の各画素は、0〜255の256段階の画素値を有している。また、第1の小ブロック31と第2の小ブロック32は、それぞれ第1のフレーム21及び第2のフレーム22の同じ画像位置を表しているとする。図1に示すエッジ判定手段13aは、エッジ検出手段11aが出力するエッジ画像におけるエッジの有無を判定する。エッジ判定手段13aには第1の閾値Tが設定されている。第1の閾値Tは、例えば、30〜50程度に設定されている。第1の閾値Tよりも大きな値の画素値の画素をエッジ部分として1を、第1の閾値Tよりも小さな値の画素値の画素を非エッジ部分として0をそれぞれエッジフィルタに格納する。尚、エッジフィルタは、例えば、第1のフレームと等しい大きさを有する論理フィルタで構成される。
【0017】
第1の差分処理手段18a及び第2の差分処理手段19aは、第1の小ブロック31と第2の小ブロック32の対象画素に差分処理を施し、対象画素の一致・不一致を判定する。第1の差分処理手段18a及び第2の差分処理手段19aは、差分処理により得られる差分値が閾値よりも大きい対象画素を不一致と判定する。一方、差分値が閾値よりも小さい対象画素を一致と判定する。画像の量子化、揺らぎ等によって、画像内のエッジにノイズが発生した場合、画像ブロック3aと画像ブロック3bとの境界部分の画素の画素値が微妙に変化することがある。このように、画像内のエッジにノイズが発生した場合、第1の小ブロック31と第2の小ブロック32との差分処理を行うと、図3に示すように、一致判定手段15aは差分値の大きい画素を不一致と判定してしまう。この結果、補間フレーム23のエッジ部分に”虫食い”というノイズが発生する。このような微小な画素変動に対応すべく、第1の差分処理手段18aの閾値は、第2の差分処理手段19aの閾値と比して高く設定されている。
【0018】
次に、図1〜図9を用いて、第1の実施の形態に係るフレーム補間方法について説明する。但し、60Hzのノンインタレースの画像信号を120Hzのノンインタレースの画像信号にアップコンバートする場合の一例を説明する。
【0019】
(イ)先ず、図4に示すステップS111において、図1に示すエッジ検出手段11aは、第1のフレーム21のエッジを検出する。検出されたエッジは、エッジの強度を画像にしたエッジ画像に変換される。ステップS112において、エッジ画像に基づいてエッジの有無が判定される。エッジの有無を表す1、0のエッジ情報は、エッジフィルタに格納されて動き推定手段14aに入力される。次に、ステップS113において、図5に示すように、動き推定手段14aは、第1のフレーム21を一様格子の小ブロックに分割する。その後、ステップS114において、第1のフレーム21内の小ブロックの走査が開始され、図5に示す第1の小ブロック31aが選択されたとする。次に、ステップS115の動き推定サブルーチンに進む。
【0020】
(ロ)図6に示すステップS121において、図7に示す不一致フィルタ41にすべて1が代入される。ステップS122において、図5に示す第1の小ブロック31aと最も相関度の高い第2のフレーム22中の第2の小ブロック32aを検索する。相関度の尺度としては、一致画素数和を用いることが出来る。「一致画素数和」とは、第1の小ブロック31a及び第2の小ブロック32aの画素について、ブロック内相対位置が等しい画素同士の差分処理を行い、差分値が閾値以下の画素を一致画素、閾値より大きいものを不一致画素とし、一致画素数の和が大きいものほど相関が高いと判断する方法である。そして、第1の小ブロック31a及び第2の小ブロック32aに基づいて、第1の動きベクトル35aを求める。ステップS122で第1の動きベクトル35aを求めた後は、ステップS301に進む。
【0021】
(ハ)ステップS123において、図1に示す一致判定手段15aは、図7の第1の小ブロック31a及び第2の小ブロック32a内の画素の走査を開始する。次に、ステップS124において、第1の小ブロック31a及び第2の小ブロック32aのそれぞれの画素に差分処理が施される。ステップS124における差分処理は、第1の小ブロック31a及び第2の小ブロック32aのそれぞれのブロック内の相対位置が等しい画素同士に対して行われる。即ち、図7に示すように、第1の小ブロック31aの画素5aは第2の小ブロック32aの画素6aと差分処理が施される。同様に、画素5b〜5iは画素6b〜6iとそれぞれ差分処理が施される。次に、ステップS125において、対象画素位置がエッジであるか否かの判断が行われる。図1に示す第1の差分処理手段18a及び第2の差分処理手段19aは、エッジフィルタに格納された0、1の値に基づき、対象画素位置がエッジであるか否か判断する。対象画素位置のエッジフィルタの値が0の場合、その画素はエッジではないと判断される。一方、対象画素位置のエッジフィルタの値が1の場合、その画素はエッジであると判断される。ステップS125において、対象画素位置がエッジでないと判断された場合はステップS127に進む。一方、対象画素位置がエッジであると判断された場合はステップS126に進む。
【0022】
(ニ)ステップS127においては、第2の差分処理手段19aは、ステップS124で得られた差分値が、第2の閾値Tよりも小さいか否か判定する。第2の閾値Tは、例えば5程度に設定されている。差分値が第2の閾値T以下の画素を一致画素とする。一方、第2の閾値Tより大きい画素を不一致画素とする。差分値が第2の閾値Tよりも小さいと判定された場合、ステップS128に進む。差分値が第2の閾値T以上であると判定された場合、ステップS129に進む。ステップS129においては、図7に示す不一致フィルタ41内の対応するカラムに1が代入される。次に、ステップS130に進む。
【0023】
(ホ)ステップS126においては、ステップS124で得られた差分値が、第3の閾値Tよりも小さいか否か判定される。第3の閾値Tは、例えば、第2の閾値Tを実数倍(整数倍)することにより算出される。よって、第2の閾値Tの4〜5倍であれば、第3の閾値Tは20〜25程度に設定されることとなる。ステップS124で得られた差分値が第3の閾値Tの値よりも小さいと判定された場合、ステップS128に進む。一方、差分値が第3の閾値T以上であると判定された場合、ステップS129に進む。ステップS128においては、図7に示す不一致フィルタ41内の対応するカラムに0が代入される。次にステップS130に進む。ステップS130においては、ブロック内を全部走査したか否かの判断が行われる。ブロック内を全部走査したと判断された場合、ステップS131に進む。ブロック内を全部走査していないと判断された場合、ステップS124に処理が戻る。ステップS124に処理が戻った場合、第1の小ブロック31aに対して最も相関度の高い第2の小ブロック32aを第2のフレーム22から再帰的に探索する。探索の際には、不一致フィルタ41内で値が0のカラムの位置では相関度演算は行わず、不一致フィルタ内で値が1のカラムの位置で相関度演算を行うようにする。即ち、不一致画素についてのみ再度、相関度演算を行う。ステップS130でブロック内の画素をすべて走査したと判断された場合は、一致判定処理を終了する。
【0024】
(ヘ)ステップS131においては、1つ前のイテレーションの不一致フィルタ41と、現在のイテレーションの不一致フィルタ41との論理積を取り、それを現在のイテレーションの不一致フィルタ41とする。ステップS131における演算により、相関度の近いもの同士の分割が行えるようになる。ステップS132においては、第1のカウンタiteに1が加算される。ステップS133においては、第1のカウンタiteがnを超えたか否かの判定が行われる。このような(ハ)〜(ヘ)の処理を、所望の反復回数nまで、再帰的に行うことによって、第1の動きベクトルグループ(第1の動きベクトル35a[ite m](m=1〜nの整数))及び不一致フィルタグループ(不一致フィルタ41[ite m](m=1〜nの整数))を求める。ステップS133において、動き推定サブルーチンの繰り返し回数がn回を超えたと判断された場合、図4に示すステップS116に進む。
【0025】
(ト)ステップS116においては、図1に示すベクトルスケール変換手段16は、第1の動きベクトルグループを第2のベクトルグループに変換する。具体的には、図9に示すように第1の動きベクトル35aの始点を第1の画像ブロック51と同位置の補間ブロック53に同定し、長さを1/2にして第2の動きベクトル35bを求めることが出来る。これにより、補間フレーム23の時間的な位置を60Hz信号の中央に生成することができる。
【0026】
(チ)次に、図4に示すステップS117において、図1に示す動き補償手段17aは、不一致フィルタグループと第2の動きベクトルグループとを用いて、補間フレーム23を作成する。ステップS117は、具体的には図8に示すような処理を備える。先ず、図8に示すステップS141において第2のカウンタlteが1に設定される。次に、図9に示すように、ステップS143において、第2の動きベクトル35bによって定まる第2のフレーム22上の第2の画像ブロック52を求める。ステップS145においては、第2の動きベクトル35の始点によって定まる補間フレーム23上の補間ブロック53の位置が求められる。ステップS146においては、ブロック内の走査が開始される。ステップS147においては、不一致フィルタ41の値が0であるか否かの判定が行われる。このように、コピーするのは、図7に示すように、画素位置が不一致フィルタ41内で値が0のカラムの位置に対応する画素のみである。ステップS148においては、補間ブロック53の画素が補間フレーム23上にコピーされる。ステップS149においては、ブロック内の全画素を走査したか否かの判断が行われる。ブロック内の全画素を走査したと判断された場合は、ステップS150に進む。一方、ブロック内の全画素を走査していないと判断された場合は、ステップS147に処理が戻る。ステップS150においては、第2のカウンタlteに1が加算される。そして、ステップS151において第2のカウンタlteがnを超えたか否かの判定が行われる。以上の処理を、m=1〜nまで繰り返す。この(ロ)から(チ)の処理を、(イ)で分割した小ブロック全体について行うことで、補間フレーム23を作成する。
【0027】
(リ)動き補償処理が終了すると図4のステップS118に進み、全ブロックを走査したか否かの判断が行われる。全ブロックを走査したと判断された場合は、フレーム補間処理を終了する。一方、未だ全ブロックを走査していないと判断された場合は、ステップS115に処理が戻る。
【0028】
このように、第1の実施の形態によれば、複雑な装置を用いることなく隙間や重なりのできないような補間フレーム23を作成する方法を実現することが出来る。また、ブロック歪みを抑え、エッジ部におけるノイズを除去することが出来るので、画像の高画質化を実現することが出来る。
【0029】
更に、第1の実施の形態においては、補間する時間の間隔を2等分とする一例を示したが、特に2等分に限るわけではない。したがって、n等分してフレーム数がn−1の補間フレーム23を内挿する動き補償を行うことも可能である。このように補間する時間の間隔を短くすることで、更にフレーム間の補間の効率を上げることが出来る。この結果、表示される動画像を、動きが滑らかでより鮮明にすることが出来る。
【0030】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係るフレーム補間システムは、図10に示すように、フレーム情報生成手段71bのエッジ判定手段13bが、一致判定手段15bが出力する第1のエッジ画像ブロック及び第2のエッジ画像ブロックを入力し、エッジ情報を一致判定手段15bに出力する点が図1と異なる。また、ベクトルスケール変換手段16を備えていない点が図1と異なる。その他の構成については、図1と同様である。
【0031】
次に、図10〜図16を用いて、本発明の第2の実施の形態に係るフレーム補間方法について説明する。但し、第1の実施の形態に係るフレーム補間方法と同一の処理については、重複する説明を省略する。
【0032】
(イ)先ず、図11に示すステップ211において、図10に示すエッジ検出手段11bは、図12に示す第1のフレーム21及び第2のフレーム22のエッジを検出し、エッジの強度を画像にした第1のエッジ画像及び第2のエッジ画像をそれぞれ出力する。その後、ステップS400の動き推定処理に進む。ステップS212において、動き推定手段14bは、図12に示すように補間フレーム23を一様格子の小ブロックに分割する。次に、ステップS213において、動き推定手段15bは、補間フレーム23上の小ブロックの走査を開始する。その後、ステップS214に示す動き推定サブルーチンに進む。
【0033】
(ロ)図13に示すステップS221においては、第1のカウンタiteが1に設定される。また、図14に示す不一致フィルタ41のすべてのカラムに1が代入される。ステップS222においては、不一致フィルタ41のカラムの値が1の画素のみを用いて、補間ブロック33を中心として、第1のフレーム21及び第2のフレーム22上を点対象に探索する。そして、図14に示すように、最も相関の高い第1の小ブロック31b及び第2の小ブロック32bを得る。次に、第1の小ブロック31b及び第2の小ブロック32bに基づいて動きベクトル36aを求める。ステップS223においては、第1のエッジ画像から、第1の小ブロック31bの位置に当たるブロックを第1のエッジ画像ブロックとして求める。ステップS224においては、第2のエッジ画像から、第2の小ブロック32bの位置に当たるブロックを第2のエッジ画像ブロックとして求める。次に、ステップS225において、第1のエッジ画像ブロックと第2のエッジ画像ブロックとの平均を求める。ステップS225において平均を求めた後は、ステップS401の一致判定処理に進む。
【0034】
(ハ)一致判定処理においては、ステップS226で、図14に示す第1の小ブロック31bと第2の小ブロック32b内の画素の走査を開始する。次に、ステップS227において、図10に示す第1の差分処理手段18b及び第2の差分処理手段19bは、第1の小ブロック31b中の画素と第2の小ブロック32b中の画素とに差分処理を施し、差分値を求める。次に、ステップS228において、第1のエッジ画像ブロック及び第2のエッジ画像ブロックをエッジ判定手段13bに入力する。エッジ判定手段13bは、第1のエッジ画像ブロック及び第2のエッジ画像ブロック中のエッジの有無をそれぞれ判定する。具体的には、第1の閾値Tを設けて、第1のエッジ画像ブロックと第2のエッジ画像ブロックの画素値の平均を求め、第1の閾値Tより大きな画素をエッジ画素として1を、第1の閾値Tより小さな画素を非エッジ画素として0を出力する。エッジ判定手段13bが出力する1、0のエッジ情報は、一致判定手段15bに入力される。一致判定手段15bは、エッジ判定手段13bが出力するエッジ情報が1の場合、エッジ画素であると判断する。一方、エッジ判定手段13bが出力するエッジ情報が0の場合、非エッジ画素であると判断する。エッジ画素であると判断された場合、ステップS229に進む。非エッジ画素であると判断された場合、ステップS230に進む。
【0035】
(ニ)ステップS230においては、ステップS227で求めた差分値と第2の閾値Tとに基づいて、対象画素の一致及び不一致を判定する。差分値が第2の閾値T以上の場合、ステップS232に進む。差分値が第2の閾値Tよりも小さい場合、ステップS231に進む。また、ステップS229においては、ステップS227で求めた差分値と第3の閾値Tとに基づいて、対象画素の一致及び不一致を判定する。差分値が第3の閾値T以上の場合、ステップS232に進む。差分値が第3の閾値Tよりも小さい場合、ステップS231に進む。ステップS231においては、不一致フィルタ41のカラムに1が格納され、その後ステップS233に進む。ステップS231においては、不一致フィルタ41のカラムに0が格納され、その後ステップS233に進む。ステップS233においては、ブロック内をすべて走査したか否か判定される。
【0036】
(ホ)次に、対象の補間ブロックを再帰的に探索する。探索の際には、不一致フィルタ41の対応するカラムの位置の値が0の位置では相関度演算は行わず、値が1の位置で相関度演算を行うようにする。更に、ステップS234においては、1つ前のイテレーションの不一致フィルタ41と、現在のイテレーションの不一致フィルタ41との論理積を取り、それを現在のイテレーションの不一致フィルタ41とする。ステップS222〜ステップS235の処理を反復回数nまで、再帰的に行うことによって、動きベクトルグループ(動きベクトル36a[ite m](m=1〜nの整数))と不一致フィルタグループ(不一致フィルタ41[ite m](m=1〜nの整数))とを求める。図11のステップS215は、具体的には以下のようになる。
【0037】
(へ)図15に示すステップS241において、第2のカウンタlteが1に設定される。ステップS242においては、動きベクトル36a×(−1)によって定まる第1のフレーム21上の第1の画像ブロック51が求められる。ステップS243においては、動きベクトル36aによって定まる第2のフレーム22上の第2の画像ブロック52が求められる。ステップS244においては、第1の画像ブロック51と第2の画像ブロック52の平均が求められる。ステップS245においては、ブロック内の画素の走査が開始される。ステップS246においては、不一致フィルタ41のカラムの値が0か否か判定される。不一致フィルタ41のカラムの値が0であると判定された場合、ステップS247に進む。一方、不一致フィルタ41のカラムの値が1であると判定された場合、ステップS248に進む。ステップS247においては、平均画像ブロックの画素を補間フレーム23上にコピーする。ステップS248においては、ブロック内の画素をすべて走査したか否か判定される。ブロック内の画素をすべて走査したと判定された場合、ステップS249に進む。ブロック内の画素をすべて走査していないと判定された場合、ステップS246に処理が戻る。ステップS249においては、第2のカウンタlteに1が加算される。ステップS250においては、第2のカウンタlteがnを超えたか否か判定される。第2のカウンタlteがnを超えたと判定された場合、動き補償処理を終了する。一方、第2のカウンタlteがnを超えていないと判定された場合、ステップS242に処理が戻る。
【0038】
(ト)動きベクトル36a[ite m]の終点によって定まる第2の画像ブロック52と、動きベクトル36a[ite m]の終点位置の点対称位置によって定まる第1の画像ブロック51の平均を取り、その平均画像ブロックを、補間フレーム23上にコピーする。実際にコピーするのは、図16のように、画素位置が不一致フィルタ41[ite m]において0の画素のみである。以上の処理を、m=1〜nまで繰り返す。このような処理をブロック全体について行うことで、補間フレーム23を作成する。
【0039】
このように、第2の実施の形態によれば、動きベクトル36aをスケール変換することなく動き補償処理を行うことが出来る。また、ブロック歪みの無い画像が得られ、エッジのノイズが減少する為、画像の高画質化を実現することが出来る。
【0040】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は第1及び第2の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0041】
第1及び第2の実施の形態においては、相関度の尺度として、一致画素数和を用いるとして説明した。しかし、相関度の尺度として、絶対値差分和(Sum of Absolute Difference;SAD)を用いることが出来る。また、第1の実施の形態及び第2の実施の形態においては、ノンインタレース画像にフレーム補間を行う場合の一例を説明した。しかし、インターレス画像にフレーム補間を行う場合においても第1及び第2の実施の形態に係るフレーム補間方法を応用出来ることは言うまでもない。
【0042】
第1及び第2の実施の形態においては、フレームメモリ12a、12bは1つとして説明した。しかし、必ずしも1つに限定されるものではなく、フレームが表示されるまでの処理時間とフレームメモリ12a、12bに蓄積する時間との関係が最適になるようにフレームメモリ12a、12bの個数は調整してかまわない。更に、第1の実施の形態では、時間的に前のフレームから時間的に後のフレームに対する第1の動きベクトル35aを推定する前方動き推定について述べた。しかし、時間的に後のフレームから時間的に前のフレームに対する第1の動きベクトル35aを推定する後方動き推定でも、前方動き推定、後方動き推定におけるより信頼度の高い方を選択する双方向動き推定を用いてもかまわない。或いは、更に動き推定方式選択手段を設けて、入力されるフレーム画像がフレームインしようとしているのか、逆にフレームアウトしようとしているのか等の画像の移動性や移動速度から、”前方動き推定”、”前方動き推定”、”双方向動き推定”のいずれの推定方式を採用し、どれだけの間隔に分割して補間すれば最も最適な画像が得られるかを決定し、それに従って他の手段を制御する。こうすることで、種々の動画像に対して、自動で最適な動き補償をすることができるようになる。
【0043】
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、隙間や重なりが発生せず、ブロック歪みを抑え、エッジにノイズの発生しないフレーム補間システム及びフレーム補間方法を提供出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るフレーム補間システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る一致判定手段の機能を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る一致判定手段の機能を説明する図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るフレーム補間方法の全体を示すフローチャート図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るフレーム補間方法の原理を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係る動き推定処理を示すフローチャート図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係る動き推定処理を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態に係る動き補償処理を示すフローチャート図である。
【図9】本発明の第1の実施の形態に係る動き補償処理を説明する図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るフレーム補間システムの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るフレーム補間方法の全体のフローチャート図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るフレーム補間方法の原理を示す図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係る動き推定処理のフローチャート図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態に係る動き補償処理を説明する図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態に係る動き補償処理のフローチャート図である。
【図16】本発明の第2の実施の形態に係る動き補償処理を説明する図である。
【図17】従来のフレーム補間方法を説明する図である。
【図18】従来のフレーム補間方法を説明する図である。
【符号の説明】
1、2…動きベクトルイテレーション
3a、3b…画像ブロック
5a〜5i、6a〜6i…画素
11a、11b…エッジ検出手段
12a、12b…フレームメモリ
13a、13b…エッジ判定手段
15a、15b…一致判定手段
16…ベクトルスケール変換手段
17a、17b…動き補償手段
18a、18b…第1の差分処理手段
19a、19b…第2の差分処理手段
21…第1のフレーム
22…第2のフレーム
23…補間フレーム
31、31a、31b…第1の小ブロック
32、32a、32b…第2の小ブロック
33、53…補間ブロック
35a…第1の動きベクトル
36a…動きベクトル
41…不一致フィルタ
51…第1の画像ブロック
52…第2の画像ブロック
71a、71b…フレーム情報生成手段
200a〜200d…補間フレーム
201a〜201c…フレーム

Claims (10)

  1. 第1のフレームと該第1のフレームの次のフレームである第2のフレームとからそれぞれエッジ画像を検出するエッジ検出手段と、
    前記エッジ画像に基づいて動きベクトルを生成し、該動きベクトルにより定まる対象画素がエッジか否かにより異なった差分処理を施して不一致フィルタを生成するフレーム情報生成手段と、
    前記動きベクトルと前記不一致フィルタとにより、前記第1のフレームと前記第2のフレームとの間に補間フレームを内挿する動き補償手段
    とを備えることを特徴とするフレーム補間システム。
  2. 前記フレーム情報生成手段は、
    前記エッジ画像に基づいてエッジ情報を出力するエッジ判定手段と、
    前記エッジ情報に基づいて前記動きベクトルを生成する動き推定手段と、
    前記動きベクトルに基づいて前記不一致フィルタを生成する一致判定手段
    とを備えることを特徴とする請求項1に記載のフレーム補間システム。
  3. 前記動きベクトルのスケールを変換するベクトルスケール変換手段を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のフレーム補間システム。
  4. 前記フレーム情報生成手段は、
    前記動きベクトルに基づいて第1及び第2のエッジ画像ブロック及び前記不一致フィルタを生成する一致判定手段と、
    前記第1及び第2のエッジ画像ブロックに基づき、前記対象画素がエッジか否かを判定し、エッジ情報を出力するエッジ判定手段と、
    前記エッジ画像に基づいて前記動きベクトルを生成する動き推定手段
    とを備えることを特徴とする請求項1に記載のフレーム補間システム。
  5. 前記一致判定手段は、
    エッジ部分の前記対象画素に差分処理を施す第1の差分処理手段と、
    非エッジ部分の前記対象画素に差分処理を施す第2の差分処理手段
    とを備え、前記第1の差分処理手段に設定される閾値は、前記第2の差分処理手段に設定される閾値と比して高く設定されることを特徴とする請求項1に記載のフレーム補間システム。
  6. 第1のフレームと該第1のフレームの次のフレームである第2のフレームとからそれぞれエッジ画像を検出するステップと、
    前記エッジ画像に基づいて動きベクトルを生成し、該動きベクトルにより定まる対象画素がエッジか否かにより異なった差分処理を施して不一致フィルタを生成するステップと、
    前記動きベクトルと前記不一致フィルタとにより、前記第1のフレームと前記第2のフレームとの間に補間フレームを内挿するステップ
    とを備えることを特徴とするフレーム補間方法。
  7. 前記動きベクトル及び不一致フィルタを生成するステップは、
    前記エッジ画像からエッジ情報を生成するステップと、
    前記エッジ情報に基づいて動きベクトルを生成するステップと、
    前記動きベクトルに基づいて不一致フィルタを生成するステップ
    とを備えることを特徴とする請求項6に記載のフレーム補間方法。
  8. 前記動きベクトルにスケール変換処理を施すステップを更に備えることを特徴とする請求項6又は7に記載のフレーム補間方法。
  9. 前記動きベクトル及び不一致フィルタを生成するステップは、
    前記動きベクトルに基づいて第1及び第2のエッジ画像ブロック及び前記不一致フィルタを生成するステップと、
    前記第1及び第2のエッジ画像ブロックに基づき、前記対象画素がエッジか否かを判定し、エッジ情報を出力するステップと、
    前記エッジ画像に基づいて動きベクトルを生成するステップ
    とを備えることを特徴とする請求項6に記載のフレーム補間方法。
  10. 前記不一致フィルタを生成するステップは、
    エッジ部分の前記対象画素に差分処理を施すステップと、
    非エッジ部分の前記対象画素に差分処理を施すステップ
    とを備え、前記エッジ部分の前記対象画素に差分処理を施すステップに使用される閾値は、前記非エッジ部分の前記対象画素に差分処理を施すステップに使用される閾値と比して高く設定されることを特徴とする請求項6に記載のフレーム補間方法。
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