JP2004112129A - 映像配信装置及び映像配信工程を実現するプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同一の動画像を異なる同期フレームの出現頻度によって符号化した複数の映像ストリームを記録媒体2に保存する。映像ストリームにおいて同期フレームを表示すべき時刻を、該映像ストリームよりも同期フレームの出現頻度の高い他の映像ストリームにおける、連続する同期フレームのそれぞれ表示すべき時刻の中間に設定する。映像送信部1は記録媒体2から該映像ストリームを読み出しネットワークに同期して配信する。これにより受信装置において映像が再生可能になるまでの待ち時間を短縮することが可能である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワークを介して映像の配信を行う映像配信装置及び映像配信工程を実現するプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ネットワーク上で映像配信を行う装置が開発されている。例えば、インタネットに接続して映像を配信する装置が開発されており、配信される映像を受信しながら再生を行うことができる映像受信装置及びソフトウェアが開発されている。
【0003】
映像はMPEG−4(Moving Picture Expert Group Phase 4)などの符号化方式によって、各フレームごとに符号化される。符号化されたフレームはRTP(real−time transport protocol)などのプロトコルに従って、時刻情報など実時間再生に必要な情報を付加されてパケット化され、受信装置に配信される。受信装置は受信したパケットについて、映像データを復号してフレームを構成し、時刻情報に基づいて画面を更新することによって、映像を再生する。
【0004】
映像の配信には、受信装置からの要求に基づいて映像を逐次配信する方法と、常時映像を配信し受信装置が適宜受信を開始する方法の両方が採用されている。後者の場合には、映像配信装置が配信する同一の映像をすべての受信装置が同時に再生する同報配信が用いられる場合がある。
【0005】
特にインタネットプロトコル上の同報配信においては、映像を配信するために必要なネットワーク帯域を節約するためにマルチキャスト技術を用いることが可能である。マルチキャストにおいて、受信装置は配信されている映像ストリームの受信に参加および離脱することによって、映像の視聴開始および視聴中止が可能となる。
【0006】
映像配信装置は、複数のマルチキャストストリームを使用することにより、複数の映像ストリームを同期を取って配信することが可能である。この方法の用途として例えば、映像と音声を同時に再生したり、画質の異なる複数の映像を受信装置側で選択して再生したりできるようにすることがある。
【0007】
ここで、従来の技術においては、受信装置がマルチキャストによって配信されている映像の受信を開始してから、実際に映像が視聴可能になるまで画像表示に時間がかかり、視聴者が待たされる場合があるという問題がある。
【0008】
例えば、MPEG−4などの画像符号化方式においては符号化効率を上げるために、画像フレームの一定割合を、他のフレームの画像と合わせて復号しなければならないように符号化している(以下このようなフレームを非同期フレームと呼ぶ)。そのようなフレームを単独で復号しても画面を構成することができない。非同期フレームを復号するためには、復号に他のフレームを必要としないように符号化されたフレーム(以下同期フレームと呼ぶ)を必要とする。
【0009】
これにより受信装置がマルチキャストの視聴に参加した場合には、非同期フレームのみを受信しただけでは再生することができず、同期フレームを最低でも一枚受信することによって初めて再生が可能となる。
【0010】
しかし、同期フレームの出現頻度を増やすことによって同期フレームが出現するまでの待ち時間を短縮することが可能であるが、同じフレームの符号化においては、一般に同期フレームは非同期フレームよりも符号量を必要とするため、符号化効率が低下し結果として画質が低下してしまう。
【0011】
両者の利点を併用するための方法として、同一の映像ストリームを同期フレームの出現頻度だけを変えて符号化したものを複数用意して同時に配信する方法がある。受信装置はこれらの映像ストリームのうち、最初は同期フレームの出現頻度が高いストリームを受信して同期フレーム出現までの待ち時間を短縮し、後に出現頻度が低いストリームを受信するよう変更することによって画質を向上することができる。なおこのような映像ストリームの変更は、映像配信装置が配信する映像ストリームを変更することによっても可能である。
【0012】
しかし、この方法では同期フレームが出現するまでの最大待ち時間の間隔で同期フレームを出現させる必要があり、これが受信開始時の画質を低下させる原因となる。逆に画質を向上させると同期フレームが出現するまでの最大待ち時間が増加するという問題が生じる。
【0013】
【特許文献1】
特開2002−204278公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した通り、ネットワークを介してマルチキャストによって配信される映像ストリームを受信する際に、同期フレームの出現頻度を増やすことにより同期フレームが出現するまでの待ち時間を短縮することが可能であるが、同期フレームが増加すると符号化効率が低下し、結果として伝送する画像データが一定の場合には映像の画質が劣化するという問題があった。
【0015】
本発明は、受信側で映像の受信データが再生可能になるまでの待ち時間を短縮することが可能な映像配信装置及び映像配信工程を実現するプログラムを提供する。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、同一の動画像が符号化された第1の映像ストリームと前記第1の映像ストリームよりも同期フレームの出現頻度の高い第2の映像ストリームとをネットワークを介して配信する映像配信装置において、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームを配信することを特徴とする。
【0017】
また本発明においては、前記第2の映像ストリームに含まれる同期フレームの出現頻度は、前記第1の映像ストリームに含まれる同期フレームの出現頻度の2倍であることを特徴とする。
【0018】
また本発明において、前記映像配信装置は、前記第1、第2の映像ストリームを記録した記録媒体と、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の中間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームを配信する配信手段とを具備したことを特徴とする。
【0019】
また本発明において、前記映像配信装置は、前記動画像を入力する入力手段と、該入力手段から入力された動画像を符号化して前記第1、第2の映像ストリームを生成する符号化手段と、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の中間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームを配信する配信手段とを具備したことを特徴とする。
【0020】
また本発明において、前記映像配信装置は、映像受信装置からの受信参加要求を受信する受信手段を具備したことを特徴とする。
【0021】
また本発明は、同一の動画像が符号化された第1の映像ストリームと前記第1の映像ストリームよりも同期フレームの出現頻度の高い第2の映像ストリームとを取得する工程と、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の中間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームをネットワークを介して配信する工程をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0022】
本発明によれば、映像ストリームを符号化する際に、同一の動画像をそれぞれ異なる同期フレームの出現頻度において符号化することによって、同期フレームまでの待ち時間と画質を段階的に変化させることができる。この際に、ある映像ストリームにおける同期フレームの表示すべき時刻を、該映像ストリームより同期フレームの出現頻度が一段階高い他の映像ストリームの、連続する同期フレームの表示すべき時刻の中間にする。これにより受信装置において同期フレームの出現までの待ち時間を、映像ストリームで最も短い同期フレームの出現間隔の半分に近づけることが可能である。
【0023】
映像ストリームは、あらかじめ規定された同期フレームの出現時刻に基づいてあらかじめ符号化し、記録媒体に保存しておくことが可能である。またリアルタイムに入力する映像を、同じくあらかじめ規定された一種類以上の同期フレームの出現時刻に基づいて符号化し、異なる映像ストリームとして同期を取って配信することが可能である。
【0024】
前記映像配信装置は、映像の受信に参加することを受理する受信装置を備えてもよい。映像配信装置が配信するストリームが1本の場合は、映像ストリーム受信への参加を受理した際に、次に同期フレームが出現するまでの時間が最も短い映像ストリームを配信するよう変更する。これによりマルチキャストストリームが1本しか配信できないネットワーク環境においても、新たに受信に参加した受信装置における同期フレームの出現までの待ち時間を減少させることが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例の形態を図1に基づいて説明する。図1は本発明を適用した映像配信装置の構成を示したブロック図である。
【0026】
映像送信部1は記録媒体に蓄積された映像データをネットワークを介して受信側に配信する機能を有する。映像送信部1は配信する映像ストリームを記録媒体2から受信する。
【0027】
記録媒体2は映像ストリームを格納する。記録媒体2には、同一の動画像(映像情報コンテンツ)を、画面サイズが同一で同期フレームの出現頻度やデータ転送のビットレートなどが異なるパラメータで符号化した複数の映像ストリームを格納する。ここで同一の動画像を符号化した複数の映像ストリームを一つの電子ファイルにまとめて格納し、転送することも可能である。
【0028】
映像送信部1はストリーム選択部3と、パケット送出部4から構成される。ストリーム選択部3は、同一の動画像が複数のパラメータで符号化されて、複数のストリームから構成される場合に、受信側に配信すべき少なくとも1つのストリームを記録媒体2から取り出し、再生フレームごとの映像データに当該フレームを再生すべき時刻を付加して送出する機能を有する。パケット送出部4はストリーム選択部3から受信したフレームのデータに時刻情報を付加してパケット化したものをネットワーク10を介して受信側に送出する。
【0029】
受信部5は受信装置からの要求(RTSP(Real Time Streaming Protocol)のプレイ要求など)に受信するために使用する。受信部5は受信装置がマルチキャストへ参加および離脱を希望する旨の要求情報を、ネットワークを介して受信装置から受理する。
【0030】
図1に示す映像送信部1、ストリーム選択部3、パケット送出部4、受信部5は、CPUとメモリなどから構成される汎用のPC(パーソナルコンピュータ)と、その上で動作するソフトウェアとして実現することが可能である。またパケット送出部4および受信部5は、ネットワークを介して受信装置との通信のために、イーサネット(R)とのインターフェースとしてのアダプタなどの通信装置を使用する。この場合には、同一の通信装置をパケット送出部4および受信部5で共用することも可能である。記録媒体2はCD−ROM、CD−RW、DVD等の光学系メモリ装置、ハードディスク等の磁気記録再生装置やフラッシュメモリ等の半導体メモリ装置によって構成することが可能である。
【0031】
図2は、実時間に撮影する映像を入力画像として使用する場合(ライブ放送、ライブ中継すべき画像を取り込む場合等)に、映像配信装置の構成を示したブロック図である。図1で示した記録媒体を用いた場合の構成との相違は、記録媒体2の代わりに画像入力部6を備えていることと、ストリーム選択部3の代わりに符号化部7を備えていることの二点である。
【0032】
画像入力部6は、映像配信装置8の外部に接続した撮影装置9において撮影した画像を連続するフレームデータとして実時間に入力する装置であり、キャプチャーボード等によって実現可能である。符号化部7は、入力したフレームデータを映像配信で用いる所定の符号化形式に基づいて符号化する装置である。例えばMPEG−4符号化を行うソフトウェアまたはハードウェアで構成されたエンコーダ等によって実現可能である。撮影装置9はビデオカメラ等によって実現可能である。
【0033】
図2の構成において、受信部5は映像送信部1に対して受信装置に送信すべき映像ストリームの変更を指示し、映像送信部1は符号化部7の符号化パラメータを変更する。これについては後で詳細に説明する。
【0034】
ここで映像送信装置からネットワークを介して受信側に送信されるべき映像ストリームはマルチキャストを用いて配信することが可能である。図3は映像配信装置が複数にストリームをマルチキャストによって配信し、複数の映像受信装置によって受信することを示したものである。映像受信装置11は映像配信装置15から配信された映像ストリーム1、2を受信する。具体的には、各映像受信装置11はパケット化された同一の映像フレームを、伝送遅延を除いて同期して受信する。
【0035】
次に映像配信装置が配信したストリームを受信装置が受信する映像配信システムの実施例について説明する。図4は、映像配信装置が同じ映像を異なるパラメータで符号化した複数のストリームを同期して受信装置に配信する例である。この方法は特にマルチキャストと併用される。図4の構成例では、映像配信装置15の記録媒体2に蓄積された同期フレームの出現頻度が異なるストリーム1、ストリーム2、ストリーム3の計3本の映像ストリームがネットワーク10を介して映像受信装置11に配信されている。
【0036】
図4において、映像受信装置11は、パケット受信部12、復号部13、表示部14から構成される。パケット受信部12は、映像配信装置15が配信する複数のストリームのうち1本をネットワークから受信する。復号部13はパケットに含まれるフレームを復号しその結果を表示部14に出力する。表示部14は復号部13から受信したフレームデータをパケットで指示される時刻に基づいて表示する。以上の方法により映像配信装置が配信する映像ストリームを映像受信装置において再生する。
【0037】
映像受信装置11と構成部品であるパケット受信部12、復号部13、表示部14は、CPUとメモリなどから構成される汎用のPC(パーソナルコンピュータ)と、その上で動作するソフトウェアとして実現することが可能である。パケット受信部12は、映像配信装置の受信部5と同様にイーサネット(R)とのインターフェースとしてのアダプタなどの通信装置を使用する。
【0038】
図5に、同一の映像情報を異なるパラメータで符号化した複数のストリームから1本を選択して映像配信装置が配信し、映像受信装置で受信する構成例を示す。図5の例では、ストリームに含まれるフレーム画像のうち、他のフレーム画像と独立に復号できるフレーム(以下同期フレームと呼ぶ)画像の出現頻度(単位時間または単位フレーム群に含まれる同期フレーム(例えばMPEG−4動画像符号化方式におけるI−VOP)の数)が異なるストリーム1、ストリーム2、ストリーム3の計3本が記録媒体22に格納されている。映像配信装置21のストリーム選択部23は、記録媒体22から例えばストリーム3を選択して、映像受信装置24および映像受信装置26に配信する。映像受信装置24および映像受信装置26は映像送信装置から送信されたストリームの受信開始に先立ち、映像の受信を開始することを映像配信装置21に通知することが可能である。受信部25は映像受信装置からの通知を受理し、後述するアルゴリズムに従ってストリーム選択部23に受信装置に配信すべきストリームの変更を指示する。
【0039】
次に、動画像を複数のストリームに符号化する場合にストリームの構成例について説明する。図6は一連の動画像をMPEG−4符号化方式によって符号化した際に、同期フレームを表示すべき時刻に従って、ストリームに含まれる同期フレームの配置構成を模式的に示したものである。表中において横軸は映像の先頭を0とした相対的な時刻、実線の縦棒は同期フレームを表示する時刻(単位は秒)、すなわち同期フレームの表示タイミングを示す。なお動画像データは、同期フレーム(例えばMEPG−4動画像符号化方式におけるI−VOP)及び非同期フレーム(例えばMPEG−4動画像符号化方式におけるP−VOP、B−VOPなど。図6には図示されない)を含めて、必ず1秒間に2フレーム以上含むものとする。
【0040】
図6において、ストリーム1は2秒周期で同期フレームを挿入する。ストリーム2は4秒周期で、ストリーム3は8秒周期で同期フレームを挿入する。つまりストリームの番号が1増えるごとに、同期フレームの出現周期を2倍にする。
【0041】
本発明においては、動画像の符号化を行う際にストリーム2に同期フレームを挿入する時刻を、ストリーム1の連続する同期フレームの中間になるように設定する。ストリーム1は2秒周期で同期フレームを挿入しているので、ストリーム2の同期フレームの時刻は、ストリーム1の同期フレームの1秒後とする。同様にストリーム2は4秒周期で同期フレームを挿入しているので、ストリーム3の同期フレームの時刻はストリーム2の同期フレームの時刻の2秒後とする。
【0042】
このように同期フレームの表示時刻を設定すると、ストリーム1からストリーム3を通して見ると、ストリーム1、2、3のいずれかに同期フレームが出現する頻度は、8秒中に7回となり、同期フレームが連続して登場する7回は1秒周期で出現することを意味する。つまりストリーム1における同期フレームの出現周期である2秒の半分近くに減らすことが可能である。
【0043】
ここで、同期フレームの出願頻度の異なる複数のストリームがある場合に、全ストリーム中最も同期フレームの出現周期が高いストリームにおける同期フレームの出現間隔の半分をtとし、異なるストリームの数がn本であるとする。これら複数のストリームの全てに注目すれば、原則として周期tで必ずいずれかのストリームに含まれる同期フレームが出現するが、2のn乗回に1回は定期的に同期フレームが出現しない場合がある。同期フレームが出現しない割合は、ストリーム数nを増やすことに従って漸近的に0に収束するが、完全に0にはならない。このような問題を防ぐため、nが十分大きい場合にストリームに同期フレームを追加する方法を以下に示す。
【0044】
改良されたストリーム群の構成例を図7に示す。基本的にはストリーム1には2秒周期で、ストリーム2には4秒周期で、ストリーム3には8秒周期で、ストリーム4には16秒周期で同期フレームが挿入される。ここで例えばストリーム2に同期フレームを挿入する時刻を、ストリーム1に連続して挿入される同期フレームの中間の時刻になるように設定される。以上の原則によると、映像ストリームの先頭から17秒目はストリーム1からストリーム4のどの同期フレームも該当しない時刻となる。そこで、ストリーム3の17秒目に同期フレームを強制的に挿入する。同様にストリーム3の「17 + 16i(iは自然数)秒目」にも同期フレームを挿入する。このストリーム群の構成法によれば、ストリーム1から4のいずれかに、必ず1秒間隔で同期フレームが出現するようにすることが可能である。
【0045】
さて図4および図6の状況で、ストリーム1、2、3がマルチキャストによって配信されている場合について考える。映像受信装置11がストリームの受信を開始した後、同期フレームを始めて受信するまでは再生を開始することができない。なぜならばMPEG−4においては同期フレーム以外のフレームを復号するためには他の同期フレームを必要とするからである。
【0046】
ここで、ストリーム1、2、3のそれぞれについて、同期フレームが出現する間隔はそれぞれ2、4、8秒である。受信を開始してから同期フレームが出現するまでの最大待ち時間は、同期フレームの出現間隔である。従来の技術では再生を開始するまでの待ち時間を短縮するために、ストリーム1のみを受信して、遅くとも受信開始から2秒間経過するまでに映像を再生するようにするが一般的である。
【0047】
このような映像受信装置でのストリーム受信例を図8に示す。映像配信装置15がストリームの先頭から6.3秒目に相当するフレームを配信している時点で、映像受信装置11が受信を開始したとする。映像受信装置11が最も同期フレームの出現頻度の高いストリーム1を受信した場合、図8に示すように映像ストリーム1の8秒目の同期フレームを受信するまで待つことになる。これでは受信開始から1.7秒間の間、映像受信装置は映像を再生することができないこととなる。
【0048】
これに対し本発明においては映像受信装置11の待ち時間を短縮するために、ストリーム1、2、3のいずれかの同期フレームを受信した時点で再生を開始する。この原理を図9を参照して説明する。図8と同時刻に受信を開始した場合、映像送信装置はストリーム2において同期フレームを7秒目に配信するので、映像受信装置11はストリーム2に含まれる同期フレームを受信して再生を開始する。これにより図8の構成において、ストリーム1を受信することにより映像受信、再生を開始する場合よりも、再生開始までに掛かる時間を1秒間短縮することができる。この1秒とはストリーム1の同期フレームの出現周期の半分である。
【0049】
これは映像受信装置11が受信開始から再生開始までの最大待ち時間を1秒以下にするために、ストリーム1に加えて同期フレームの出現周期が1秒のストリームを配信する必要がないということを意味する。これによりストリーム1で同期フレームの出現頻度を、前述の最大待ち時間の倍にすることにより画質の向上に寄与することが可能である。別の表現をすると、マルチキャストで配信するストリームを1本減らすことができ、使用するネットワーク帯域の軽減を行うことが可能である。
【0050】
更に映像受信装置11が一度同期フレームを受信した後は、より同期フレームの出現頻度の少ないストリームを受信するように変更することによって、画質の向上を図ることが可能である。図10にストリーム受信、再生開始とストリーム変更のタイムチャートを示す。ここでは映像受信装置が6.3秒目からストリームの受信を開始し、7秒目にストリーム2に含まれる同期フレームを受信、映像再生を開始する。この場合画像のミスマッチを防ぐため、変更後のストリームが同期フレームとなるタイミングで受信するストリームを変更する必要がある。この例においてはストリーム3の同期フレームは13秒目に出現するので、この時点で受信するストリームをストリーム2からストリーム3に変更する。これにより、より同期フレームの出現頻度の少ないストリームに乗り換えることができる。
【0051】
なお映像受信装置11がストリームを選択するためには、各ストリームの同期フレームの出現時刻を把握している必要がある。そのための方法そしては、別途映像配信装置15から同期フレームの出現時刻を事前に通知する方法と、すべてのストリームを映像受信装置11で受信して各パケットが同期フレームかどうかを逐次調べる方法の両方が存在する。
【0052】
映像配信装置の記録媒体から映像ストリームを読み出してストリームを配信する場合は、図6で示す同期フレームの出現時刻に従って、あらかじめストリームを生成しておくことにより符号化および復号を行うことなくパケット化を行うことが可能である。また入力画像を実時間で符号化した映像を配信する場合には、図6で示す同期フレームの出現パターンを符号部に静的または動的に設定することにより、同様にパケット化することが可能である。以上の方法により、映像ストリームを配信し、受信装置においてストリームの受信開始から再生可能になるまでの時間を短縮することが可能である。
【0053】
最後に、図5と図11を用いて、ネットワークにおけるマルチキャストストリームが1本に限定されている場合について説明する。ストリーム1本のビットレートでネットワーク帯域を限界近くまで使用して映像を配信している状況が該当する。この場合には映像配信装置21はストリーム1、2、3から1本を選んで送信する。映像受信装置の増加がない状況においては、一般的な映像配信システムの構成では、ストリーム3を配信することにより最も高画質な映像を配信することが可能である。
【0054】
映像受信装置24に対して映像ストリームを配信中に、別の映像受信装置26が受信を開始したと想定する。ストリーム3の同期フレームの出現間隔は8秒であり、再生開始まで最大8秒待たされる可能性がある。そのため映像配信装置21は一時的に同期フレームの間隔を上げることによって、映像配信装置26が再生を開始するまでの待ち時間を短縮する。この例ではストリームの先頭から6.3秒目を配信している時点で、映像受信装置26が受信を開始したと仮定する。
【0055】
映像受信装置26は映像の受信に参加することを、映像配信装置21に通知する。受信部25は該通知を受信し、ストリーム選択部23に対して同期フレームの間隔を一時的に上げるように指示する。ストリーム開始6.3秒時点以降で最も近い同期フレームはストリーム2に存在するので、ストリーム選択部23は記録媒体22から読み出すストリームをストリーム2に変更する。これにより図11で示すように同期フレームの出現時刻は、ストリーム3であったままの場合よりも6秒短縮し、1秒以下にすることが可能になる。
【0056】
以上の方法により、マルチキャストストリームが1本に限定されている場合にも、映像受信装置が受信に参加した場合に再生開始までの待ち時間を、最も同期フレームの出現頻度が高いストリームの、同期フレームの出現周期の半分以下に抑えることが可能である。
【0057】
映像受信装置24に一旦同期フレームを配信したあとは、映像配信装置21は同期フレームの間隔を再び広げることが可能である。この方法は、マルチキャストで映像ストリームが複数配信されている場合に、図4の映像受信装置11がストリームを切り替えた方法と同じである。図11においては、映像ストリームの先頭から13秒目にストリーム3の同期フレームが存在するのでストリーム3に切り替える。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、同一の動画像を異なる同期フレームの出現頻度によって符号化した映像について、映像ストリームにおいて同期フレームを表示すべき時刻を、該映像ストリームよりも同期フレームの出現頻度の高い他の映像ストリームにおいて連続する同期フレームのそれぞれ表示すべき時刻の中間にするので、受信装置において映像が再生可能になるまでの待ち時間を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる映像配信装置の一実施の形態を示す構成図
【図2】本発明に係わる映像配信装置の一実施の形態を示す構成図
【図3】本発明に係わるマルチキャストによる映像配信の一実施の形態を示す構成図
【図4】本発明に係わる映像配信装置及び映像受信装置の一実施の形態を示す構成図
【図5】本発明に係わる映像配信装置及び映像受信装置の一実施の形態を示す構成図
【図6】本発明に係わる映像ストリームの同期フレームの設定例を示す図
【図7】本発明に係わる映像ストリームの同期フレームの設定例を示す図
【図8】本発明の実施形態における、映像ストリームの再生開始待ちを説明するための図
【図9】本発明の実施形態における、受信開始時の映像ストリームの選択方法を説明するための図
【図10】本発明の実施形態における、受信する映像ストリームの変更方法を説明するための図
【図11】本発明の実施形態における、送信する映像ストリームの変更方法を説明するための図
【符号の説明】
1…映像送信部
2…記録媒体
3…ストリーム選択部
4…パケット送出部
5…受信部
6…画像入力部
7…符号化部
8…映像配信装置
9…撮影装置
10…ネットワーク
Claims (6)
- 同一の動画像が符号化された第1の映像ストリームと前記第1の映像ストリームよりも同期フレームの出現頻度の高い第2の映像ストリームとをネットワークを介して配信する映像配信装置において、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームを配信することを特徴とする映像配信装置。
- 前記第2の映像ストリームに含まれる同期フレームの出現頻度は、前記第1の映像ストリームに含まれる同期フレームの出現頻度の2倍であることを特徴とする請求項1記載の映像配信装置。
- 前記映像配信装置は、前記第1、第2の映像ストリームを記録した記録媒体と、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の中間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームを配信する配信手段とを具備したことを特徴とする請求項2記載の映像配信装置。
- 前記映像配信装置は、前記動画像を入力する入力手段と、該入力手段から入力された動画像を符号化して前記第1、第2の映像ストリームを生成する符号化手段と、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の中間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームを配信する配信手段とを具備したことを特徴とする請求項2記載の映像配信装置。
- 前記映像配信装置は、映像受信装置からの受信参加要求を受信する受信手段を具備したことを特徴とする請求項3または4記載の映像配信装置。
- 同一の動画像が符号化された第1の映像ストリームと前記第1の映像ストリームよりも同期フレームの出現頻度の高い第2の映像ストリームとを取得する工程と、前記第1の映像ストリームの同期フレームが、前記第2の映像ストリームの連続する第1、第2の同期フレームがそれぞれ再生されるべき時刻の中間の時刻に再生されるように、前記第1、第2の映像ストリームをネットワークを介して配信する工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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JP (1) | JP2004112129A (ja) |
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2002
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