JP2004108272A - Compressor - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気等の流体(主として気体)を圧縮供給する圧縮機に関し、特に、ピストンタイプの圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】
空気等の流体を圧縮供給するピストンタイプの圧縮機は、従来から知られており、例えば、特公昭63−54909号公報、特開昭63−65181号公報に冷凍装置用のピストンタイプ圧縮機が開示されている。また、空気圧縮機を内燃機関の燃料噴射装置に用いることも知られており、例えば、特許第2820782号公報には2サイクルエンジンの空気燃料噴射装置に圧縮空気を供給するピストンタイプ空気ポンプ(圧縮機)が開示されている。
【0003】
このようなピストンタイプの圧縮機は、円筒状のシリンダ空間が形成されたシリンダボディの上端面にこのシリンダ空間を覆ってシリンダヘッドが取り付けられ、シリンダ空間内に摺動自在にピストンを嵌合配設し、シリンダヘッドに吸気および排気弁が設けられて構成される。なお、吸気弁は流体供給元に繋がる流入通路に開閉可能に設けられて流体がシリンダ空間内へ流入する流れのみを許容する一方向弁からなり、排気弁は流体供給先に繋がる流出通路に開閉可能に設けられて流体がシリンダ空間から流出する流れのみを許容する一方向弁からなる。これら吸気弁および排気弁としては、薄い可撓性を有した金属板からなるリード弁タイプのものや、流入もしくは流出通路を塞ぐように弁体を付勢バネ等により付勢して着座させるポペット弁タイプのものがある。
【0004】
特開平11−22473号公報にはリード弁タイプの一方向弁を用いた圧縮機が開示されており、この圧縮機は内燃機関に用いられ、吸気弁とは別個の過給弁を介して燃焼室内に加圧空気を過給(スーパーチャージ)するように構成されている。この圧縮機においては、円筒状シリンダ空間が形成されたシリンダボディ(シリンダケース41)にシリンダ空間を覆って、吸入バルブ押えリング54、吸入リードバルブ55、リードバルブベース56、吐出リードバルブ57およびシリンダヘッド(キャップ58)が重なって取り付けられている(上記公開公報の図9および図10参照)。リードバルブベース56には、内径側に位置して複数の小孔からなる吸入孔56aが形成されるとともに外径側に位置して複数の小孔からなる吐出孔56bが形成されている。そして、吸入リードバルブ55には、外周側から片持ち状に内径方向に延びる舌片状のリード55aが形成されており、リード55aの先端が吸入孔56aを開閉自在に覆っている。なお、吸入リードバルブ55には、吐出孔56bに連通開口する長孔55bが形成されている。また、吐出リードバルブ57には円形開口が形成されて吸入孔56aをそのまま連通させるようになっており、さらに、半円形の切り欠き57aの内径側にリード57bが形成され、リード57bが吐出孔56bを開放自在に覆っている。
【0005】
この構成において、シリンダ空間内に嵌入配設されたピストン44が下動すると、吸入リードバルブ55のリード55aがシリンダ空間側に弾性変形して吸入孔56aを開放させるとともに吐出リードバルブ57のリード57bは吐出孔56bを覆い、吸入孔56aを介してシリンダ空間内に空気を吸入する。なお、このとき、吸入バルブ押えリング54はリード57bが過度に弾性変形することを防止するためのストッパーとしての役割を果たす。一方、ピストン44が上動すると、吸入リードバルブ55のリード55aが吸入孔56aを覆うとともに吐出リードバルブ57のリード57bは上方に弾性変形して吐出孔56bを開放し、吐出孔56bを介してシリンダ空間内の空気を圧縮しながら吐出する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような圧縮機において、流出孔(もしくは通路)における一方向弁からシリンダ空間内に繋がる空間部分が、ピストンの往復動による流体圧縮時のデッドスペースとなり、圧縮効率が低くなる一因となっているという問題がある。また、上述した特開平11−22473号公報に開示されているようなリード弁タイプの一方向弁を用いる場合、吸入リードバルブ55のリード55aの過度な弾性変形を押さえるストッパーとして専用のバルブ押えリング54を設ける等、複数の構成部品が必要であり、部品点数が増加するとともにバルブ構成が複雑化するという問題がある。また、吸入リードバルブ55のリード55aは、外周端から内径方向に延びる4枚の舌片状に形成されており、吐出孔56bをこれらリード55aの間に配設する必要があるため、吐出孔56bの配置スペースが制限されているという問題がある。
【0007】
本発明はこのような問題に鑑みたもので、比較的簡単な構成でリード弁タイプの流入側一方向弁を構成でき、この一方向弁(リード弁)の開閉特性を安定して設定できるような構成の圧縮機を提供することを目的とする。本発明はまた、流入もしくは流出通路によるデッドスペース発生量を小さくして圧縮効率を向上させることができるような構成の圧縮機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的達成のため、第1の本発明においては、円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディ(圧縮機シリンダボディ)と、このシリンダボディにシリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッド(圧縮機シリンダヘッド)と、シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストン(圧縮機ピストン)と、シリンダ空間に連通してシリンダヘッドに形成された流体流入孔(例えば、実施形態における吸気孔52a)を開閉可能に覆うように設けられたリード弁(例えば、実施形態における吸気リード弁64)とを備えて圧縮機が構成される。そして、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを外周側に位置する支持基部から片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工してリード弁が構成され、バルブプレートがシリンダボディとシリンダヘッドとの間に挟持されたときにリード弁が流体流入孔(例えば、実施形態における吸気孔52a)を覆い、シリンダ空間内に発生する負圧によりリード弁が支持基部を中心としてシリンダ空間内に弾性変形して流体流入孔を開放するように構成される。さらに、リード弁が支持基部を中心として所定量を超えて弾性変形することを防止するストッパ部(例えば、実施形態におけるストッパ面51b)がシリンダボディにおけるシリンダ空間の周縁部に設けられている。
【0009】
このような構成の圧縮機においては、ピストンがシリンダ空間内で上死点側から下死点に向かって下動するときにシリンダ空間内に発生する負圧によりリード弁が支持基部を中心としてシリンダ空間内に弾性変形して流体流入孔を開放するのであるが、このリード弁はシリンダボディとシリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して形成されており、非常にシンプルで部品点数の少ない構成となっている。また、シリンダボディの周縁部に形成されたストッパ部によりリード弁が支持基部を中心として所定量を超えて弾性変形することを防止するので、安定したリード弁の開閉特性を設定できる。このとき、ストッパ部がシリンダボディに形成されるため、専用の部品を必要とせず、部品点数を少なくすることができるとともに構成が簡単となる。
【0010】
第2の本発明においても、円筒状のシリンダ空間を有したシリンダボディと、このシリンダボディにシリンダ空間を覆って取り付けられたシリンダヘッドと、シリンダ空間内に摺動自在に嵌合配設されたピストンと、シリンダ空間に連通してシリンダヘッドに形成された流体流入孔を開閉可能に覆うように設けられたリード弁とを備えて圧縮機が構成され、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを外周側に位置する支持基部から片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して前記リード弁が構成され、バルブプレートがシリンダボディとシリンダヘッドとの間に挟持されたときにリード弁が流体流入孔を覆い、シリンダ空間内に発生する負圧によりリード弁が支持基部を中心としてシリンダ空間内に弾性変形して流体流入孔を開放するように構成される。この圧縮機においては、シリンダヘッドにシリンダ空間内の圧縮流体を流出させる流体流出孔(例えば、実施形態における空気連通孔52b)が形成されており、バルブプレートには流体流出孔に対向連通する貫通孔(例えば、実施形態における円形孔65)がシリンダ空間の中心位置を挟んでリード弁と反対側に位置して形成されており、ピストンが上死点近傍に移動したときに、ピストンの先端面に形成された凸部が貫通孔を通って流体流出孔内に突入するように構成されている。
【0011】
このような構成の圧縮機によれば、まず第1の発明と同様に、リード弁は金属板からなるバルブプレートを片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して形成されており、非常にシンプルで部品点数の少ない構成となる。さらに、バルブプレートには流体流出孔に対向連通する貫通孔がシリンダ空間の中心位置を挟んでリード弁と反対側に位置して形成されており、流体流入孔をリード弁の反対側に余裕を持って設けることができ、圧縮流体を流出させるときの流出抵抗が小さくなって圧縮効率が向上する。また、ピストンが上死点近傍に移動したときに、ピストンの先端面の凸部が貫通孔を通って流体流出孔内に突入するので、流体流出孔内の流体も凸部によって圧縮されることになり、いわゆる圧縮デッドスペースが小さくなって圧縮効率が一層向上する。
【0012】
なお、上記第1および第2の発明に係る圧縮機において、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向当接面部にシリンダ空間を囲んでバルブプレートを設け、バルブプレートにおける上記対向当接面部に挟持される円筒部がそれより内周側の部分に対してシリンダヘッド側に盛り上がるようにボアビードを設けるのが好ましい。このようにボアビードを設けることにより、リード弁が流体流入孔を覆うときにリード弁が流体流入孔側に押し付けられて密着してここを確実に閉止する。このため、流体圧縮時にリード弁を通って流体が漏れ出す量が小さくなり、圧縮効率が向上する。
【0013】
また、上記第1および第2の発明に係る圧縮機において、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向当接面部にシリンダ空間を囲んでバルブプレートを設け、バルブプレートがシリンダボディとシリンダヘッドとの対向当接面に挟持されてシリンダ空間を外部に対してシールするように構成するのが好ましい。すなわち、バルブプレートにより、シリンダボディとシリンダヘッドとの合わせ面をシールするガスケット構成と上述した流体流入孔に対するシール弁構成とを兼用させるのが好ましく、このように構成することにより部品点数を一層少なくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明を適用した圧縮機を備えて構成される二輪車の駆動装置を図1〜図4に示しており、この駆動装置構成についてまず説明する。なお、図1及び図2は表示スペースの都合上、破断線部分において二分割して示すもので、両図は破断線部分で繋がった一つの図面を表している。この駆動装置は、単気筒のエンジン部Eと変速機部TMとを備え、エンジン部Eのクランクシャフト16の回転駆動力を変速機部TMにより変速して出力駆動スプロケットSPに伝達するとともに、出力駆動スプロケットSPから図示しないチェーンを介して後輪に伝達し、後輪を駆動するように構成されている。
【0015】
まずエンジン部Eについて説明する。エンジン部Eは、円筒状のシリンダ内周面10aを有したエンジンシリンダボディ10と、エンジンシリンダボディ10の上面を覆って取り付けられたエンジンシリンダヘッド12と、シリンダ内周面10aに軸方向に摺動移動可能に嵌合してエンジンシリンダボディ10内に配設されたピストン13と、エンジンシリンダボディ10を支持するハウジングHSG内にシリンダ軸と直交する方向に延びるとともにベアリング17a,17b,17cにより回転自在に支持されたクランクシャフト16と、先端部14aがピストンピン13aを介してピストン13に枢結されるとともに基端部14bがクランクピン15を介してクランクシャフト16のクランク部16aに枢結されたコネクティングロッド14とを有して構成される。
【0016】
エンジンシリンダヘッド12には、点火プラグ21および燃料噴射装置22が取り付けられており、エンジンシリンダボディ10内においてエンジンシリンダヘッド12とピストン13とに囲まれた燃焼室11内に燃料噴射装置22により圧縮空気と燃料との混合気を噴射して点火プラグ12により点火燃焼させるようになっている。エンジンシリンダヘッド12には吸気バルブ23および排気バルブ24が図3に示すようにバネ23a,24aにより閉止方向に付勢されて取り付けられており、吸気バルブ23はエンジンシリンダヘッド12に形成された吸気通路12aを開閉し、排気バルブ24は排気通路12bを開閉する。なお、吸気通路12aには吸気マニホールド25が繋がり、排気通路12bの出口端12cには排気マニホールド(図示せず)が繋がる。
【0017】
エンジン部Eは4ストロークタイプエンジンからなり、ピストン13が2往復する間に、吸気、圧縮、燃焼、排気行程が行われ、これに合わせて給排気バルブ23,24が開閉作動される。この給排気バルブ23,24の開閉作動のため、クランクシャフト16の端部に第1スプロケット31が結合して設けられ、エンジンシリンダボディ10の側部に回転自在に設けられたカムシャフト34に第2スプロケット33が設けられ、第1および第2スプロケット31,33に第1チェーン32が掛け回されている。第1および第2スプロケット31,33の歯数は1:2に設定されており、クランクシャフト16の1/2の回転速度でカムシャフト34が回転駆動される。カムシャフト34には吸気用カム部34aと排気用カム部34bとが形成されており、それぞれ連結ピン35a,36aによりエンジンシリンダボディ10に枢結されたカムフォロア35,36のローラ35b,36bが各カム部34a,34bに当接している(図4参照)。
【0018】
一方、エンジンシリンダヘッド12の上面には給排気バルブ作動用のロッカーアーム39,40が枢結ピン39a,40aにより枢結されて揺動自在に取り付けられており、これらロッカーアーム39,40の一端と上記カムフォロア35,36を繋いでプッシュロッド37,38が図示のように配設されている。ロッカーアーム39,40の他端は上記給排気バルブ23,24の先端に当接しており、ロッカーアーム39,40の揺動により給排気バルブ23,24をバネ23a,24aの付勢に抗して押し下げてこれを開放させることができるようになっている。
【0019】
上記の構成の機構においては、クランクシャフト16の1/2の回転速度でカムシャフト34が回転駆動され、これに応じてカムフォロア35,36がカムシャフト34の一回転毎に一回(すなわち、クランクシャフト16の二回転毎に一回)上下に揺動される。この揺動に応じてプッシュロッド37,38が上下に往復動されてロッカーアーム39,40が枢結ピン39a,40aを介して揺動され、給排気バルブ23,24がバネ23a,24aの付勢に抗して押し下げられて開放され、吸気および排気通路12a,12bを燃焼室11と連通させる。なお、吸気バルブ23は吸気行程において開放され、排気バルブ24は排気行程において開放されるようにカム部34a,34bが設定されている。
【0020】
また、所定のタイミングで燃料噴射装置22から燃焼室11内に圧縮空気と燃料との混合気が噴射され、点火プラグ21によりこの混合気を点火燃焼させて燃焼行程が行われる。このとき、燃料噴射装置22からは点火プラグ21の先端点火部21aの周囲に高濃度の混合気が噴射されて効率の良い燃焼を行わせるとともに、全体として希薄燃焼を行わせて燃費向上を図るとともに排気ガスの清浄化を図ることができるようになっている。
【0021】
このようにエアアシスト式の燃料噴射を行うため、上記燃料噴射装置22に加えて、燃料ポンプ(図示せず)から燃料供給管路27a(図6参照)を介して供給される燃料を混合室28内に供給する燃料供給装置27と、混合室28内に圧縮空気を供給する圧縮機50とを有している。混合室28内においては、燃料供給装置27から供給される燃料と圧縮機50から供給される圧縮空気とが混合されて噴霧状の燃料を有した高濃度の混合気が作られ、この混合気がそれ自体の内部圧力を利用して燃料噴射装置22の噴射部22aから所定のタイミングで燃焼室内に噴射される。なお、エンジンシリンダヘッド12の上面を覆って取り付けられたヘッドカバー26に上下に貫通して混合室形成孔26aが形成され、この混合室形成孔26a内に、上下からそれぞれ嵌入された燃料供給装置27と燃料噴射装置22とに挟まれて混合室28が形成される。
【0022】
上記圧縮機50の構造およびこれを駆動する機構について、図5〜図7を参照して説明する。圧縮機50は、エンジンシリンダボディ10と一体に繋がって構成され、円筒状のシリンダ内周面51aを有した圧縮機シリンダボディ51と、圧縮機シリンダボディ51の上面を覆って取り付けられた圧縮機シリンダヘッド52と、シリンダ内周面51aに軸方向に摺動移動可能に嵌合して圧縮機シリンダボディ51内に配設された圧縮機ピストン53と、圧縮機ピストン53をシリンダ内周面51aに嵌合した状態で摺接往復動させるためのスコッチヨーク機構SYとを有して構成される。スコッチヨーク機構SYは、圧縮機ピストン53と一体に繋がった平板状のピストンロッド54の先端に形成された摺動孔54a内に嵌合してシリンダ軸と直角方向に摺動自在に配設されたスライダ55と、エンジンシリンダボディ10の側部に設けられた圧縮機駆動シャフト56の先端に偏心して形成された偏心シャフト57とを有して構成され、偏心シャフト57がスライダ55に回転自在に嵌合連結されている。なお、圧縮機駆動シャフト56はベアリング58a,58bを介してエンジンシリンダボディ10により回転自在に支持されている。
【0023】
このような構成において、圧縮機駆動シャフト56を回転駆動すると、スコッチヨーク機構SYの作用により圧縮機ピストン53をシリンダ内周面51aに摺接しながら往復運動させることができる。この圧縮機駆動シャフト56を回転駆動するため、カムシャフト34に結合配設された第2スプロケット33と一体に第3スプロケット60が設けられ、圧縮機駆動シャフト56には第4スプロケット61が結合配設され、第3及び第4スプロケット60,61に第2チェーン62が掛け回されている。第3及び第4スプロケット60,61は同一歯数であり、両者は第2スプロケット33と同一の回転速度で回転する。このため、第4スプロケット61はエンジンクランクシャフト16の1/2の回転速度で回転され、圧縮機駆動シャフト56もこれと同一回転速度で回転され、圧縮機ピストン53はエンジンクランクシャフト16が二回転すると一往復する。
【0024】
このようにして圧縮機ピストン53が往復動されるのに応じて、シリンダ内周面51a内における圧縮機シリンダヘッド52と圧縮機ピストン53とに囲まれたシリンダ空間50a内に空気を吸入して圧縮するために、圧縮機シリンダヘッド52には、図8に拡大して詳細に示すように、吸気リード弁64と、排気ポペット弁70とが設けられている。
【0025】
吸気リード弁64は、薄い金属板からなるバルブプレート63を図9に示す形状に打ち抜き加工して形成されている。このバルブプレート63は圧縮機シリンダボディ51と圧縮機シリンダヘッド52との間に挟持されて両者の対向当接面のシール(シリンダ空間の外部に対するシール)を行うガスケットとしての機能を果たすもので、これに吸気リード弁64が一体に形成される。すなわち、バルブプレート63はガスケットおよび吸気リード弁の役割を兼用する部材である。このバルブプレート63が圧縮機シリンダボディ51と圧縮機シリンダヘッド52とに挟持されたときにシリンダ内周面51aは図において二点鎖線で示す位置関係となる。このように圧縮機シリンダボディ51と圧縮機シリンダヘッド52とを結合するための結合ボルトを挿通させるための挿通孔63aがバルブプレート63の外周部の三カ所に図示のように形成されている。
【0026】
このバルブプレート63に、図9に示すように、外周側に位置する支持基部64aから内径方向に舌片状に打ち抜き加工が施されて二枚の吸気リード弁64が形成されており、吸気リード弁64は支持基部64aにおいてバルブプレート63と一体に繋がる。また、後述する圧縮機ピストン53に形成された凸部53を突入させるための円形孔65が図示のように吸気リード弁64の反対側に形成されている。吸気リード弁64は、バルブプレート63が圧縮機シリンダボディ51と圧縮機シリンダヘッド52とに挟持された状態で、支持基部64aを中心として図8に二点鎖線で示すようにシリンダ空間50a内に弾性変形可能である。但し、通常(外力を受けない状態)では吸気リード弁64はバルブプレート63と同一平面上に延び、圧縮機シリンダヘッド52の下面に接触し、それぞれ吸気孔52aを塞ぐ。
【0027】
ところで、図9の矢印X−Xに沿った断面図である図10に示すように、バルブプレート63におけるシリンダ内周面51aに対向する部分にボアビード63dが設けられている。これにより、ボアビード63dより外周側部分、すなわち、圧縮機シリンダボディ51と圧縮機シリンダヘッド52とに挟持される円筒部63bが、それより内周側の円形部63cに対して圧縮機シリンダヘッド52の側にわずかに盛り上がっている。
【0028】
この吸気リード弁64は、図8に矢印Aで示すように圧縮機ピストン53が下方に移動されるときに、シリンダ空間50a内に発生する負圧を受けて図において二点鎖線で示すように弾性変形して撓み、吸気孔52aを介して外部空気を吸入する。このように吸気リード弁64がシリンダ空間50a内に撓むときに、撓み変形特性(吸気リード弁の開放バネ特性)がばらつくと圧縮機の性能がばらつくという問題がある。そこで、図11に示すように、圧縮機シリンダボディ51におけるシリンダ内周面51aの上端に、吸気リード弁64の支持基部64aと対向してストッパ面51bが形成されている。このストッパ面51bは支持基部64aの幅より若干広い幅で内径側に傾いたテーパ平面からなり、圧縮機シリンダボディ51の上面側に直線状に延びる折曲線51cが形成される。
【0029】
このため、吸気リード弁64が上記のようにシリンダ空間50a内に撓むときに、吸気リード弁64は直線状折曲線51cを中心として、すなわち、図9に二点鎖線で示す直線状に延びる基部折曲線64bにおいて折れ曲がるように弾性変形する。また、図12に示すように吸気リード弁64の下面がストッパ面51bに当接する位置まで撓むとそれ以上の撓みがストッパ面51bにより抑制され、過度の撓みが抑えられる。このように直線状の基部折曲線64bにおいて折れ曲がり、且つストッパ面51bに当接するまで撓むとそれ以上の撓みが抑制されるため、吸気リード弁64の開放バネ特性のばらつきが抑えられる。
【0030】
一方、矢印Bで示すように圧縮機ピストン53が上方に移動されるときには、自身の弾性変形復帰力およびシリンダ空間50a内に発生する空気圧力を受けて吸気リード弁64は吸気孔52aに密着してこれを塞ぎ、シリンダ空間50a内の圧縮空気が吸気孔52aを介して外部に漏れ出すのを阻止する。なお、このとき、バルブプレート63にボアビード63dが形成されているため、吸気リード弁64が吸気孔52aに緊密に密着してこれを確実に塞ぐので高い圧縮効率を得ることができる。
【0031】
排気ポペット弁70は、図13に拡大して示すように、圧縮機シリンダヘッド52に形成された圧縮空気通過空間52d内における着座面52cに着座するように配設された円板状の弁体71と、この弁体71を着座面52cに着座する方向に付勢する圧縮バネ74とから構成される。圧縮空気通過空間52dにおける着座面52cからシリンダ空間50aに連通して空気連通孔52bが形成されており、弁体71が着座面52cに着座した状態で空気通過孔52bが弁体71により覆われて閉止される。
【0032】
この弁体71は、図14に示すように、円盤状の金属プレート72の下面にゴム等の薄い層からなる弾性シール層73を設けて構成される。弾性シール層73にはリング状の凹溝73aが形成されるとともに凹溝73a内の四カ所に凹部73dが形成されている。なお、凹部73dは金属プレート72の下面に弾性シール層73を設けるときに金属プレート72を支持することにより生じる凹部である。リング状の凹溝73aは、図13から分かるように、着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pに対向するように形成されている。すなわち、リング状の凹溝73aにより弾性シール層73の表面がリング状外周面73bと円形状内周面73cとに分割されるのであるが、リング状外周面73bの内周縁が着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pより外周側に位置し、円形状内周面73cの外周縁が着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pより内周側に位置するようになっている。このため、弁体71が着座面52cに着座するときには、弾性シール層73のリング状外周面73bのみが着座面52cと当接し、円形状内周面73cは空気通過孔52bと対向するだけで着座面52cと当接することがない。
【0033】
上記構成の排気ポペット弁70は、図8に矢印Aで示すように圧縮機ピストン53が下方に移動されるときに、シリンダ空間50a内に発生する負圧を受けて弁体71が着座面52cに着座した状態で保持されて空気通過孔52bを閉塞し、圧縮空気通過空間52d内の圧縮空気がシリンダ空間50a内に逆流するのを防止する。このとき、ゴム等からなる弾性シール層73(特に、リング状外周面73b)が着座面52dと密着し、この閉塞時のシール性を確保する。一方、矢印Bで示すように圧縮機ピストン53が上方に移動されるときには、シリンダ空間50a内に吸入された空気が圧縮されて発生する圧力により弁体71が圧縮バネ74の付勢力に抗して持ち上げられ、圧縮された空気が空気通過孔52bを通って圧縮空気通過空間52d内に押し出される。
【0034】
以上の説明から分かるように、クランクシャフト16が回転されるとこの回転が、第1及び第2チェーン32,62を介して伝達されて圧縮機駆動シャフト56がクランクシャフト16の1/2の回転速度で回転駆動され、圧縮機ピストン53が圧縮機駆動シャフト56の回転に対応して往復動される。この結果、クランクシャフト16の2回転毎に圧縮機ピストン53が一回往復動される。このように圧縮機ピストン53が往復動されるときに、圧縮機ピストン53の下動行程(矢印A方向に移動する行程)では吸気リード弁64が開放されて吸気孔52aからシリンダ空間50a内に外部空気を吸入し、上動行程(矢印B方向に移動する行程)では排気ポペット弁70が開放されて、圧縮機ピストン53の上動に応じて圧縮されたシリンダ空間50a内の圧縮空気が圧縮空気通過空間52d内に押し出される。なお、このように圧縮空気を押し出すタイミングは、上述のようにクランクシャフト16の回転に同期しており、燃料噴射装置22による燃料噴射に合わせて行われる。
【0035】
また、図示のように、圧縮機ピストン53の上端面に円筒状の凸部53aが形成されている。この凸部53aは空気通過孔52bより僅かに小さな径を有しており、圧縮機ピストン53が上死点近傍まで上動されると凸部53aが空気通過孔52b内に突入するように構成されている。これにより、空気通過孔52bの内部空間の空気は凸部53aにより圧縮されて圧縮空気通過空間52d内に押し出されることになり、圧縮デッドスペースが小さくなって圧縮効率が高くなる。ここで、圧縮機ピストン53が上死点に位置したときに凸部53aの先端面が弾性シール層73の円形状内周面73cに極力近接させて圧縮効率をできるかぎり高くするように構成されている。
【0036】
このようにして圧縮空気を圧縮空気通過空間52d内に押し出すために排気ポペット弁70の弁体71が上下動されるときに、弁体71と着座面52cとの密着性を向上させるとともに弁体71が着座面52cと当接するときの騒音を低減するためにリング状外周面73bにも弾性シール層73が設けられている。ここで、前述のように、リング状外周面73bの内周縁は着座面52cにおける空気通過孔52bの内周縁Pより外周側に位置するため、弁体71が着座面52cに着座したときに、リング状外周面73bの全面が着座面52cと当接し、この部分に均一な圧縮力が作用するので、弾性シール層73の耐久性が向上する。
【0037】
上記のように圧縮空気が供給される圧縮空気通過空間52dには圧縮空気供給管75が接続されており、この圧縮空気供給管75は、図6に示すように、エンジンシリンダヘッド12に形成された圧縮空気供給路76と繋がっている。圧縮空気供給路76は混合室形成孔26aに開口しており、前述のように混合室形成孔26a内に上下から嵌入された燃料供給装置27aと燃料噴射装置22とに挟まれて形成される混合室28に圧縮空気が供給される。なお、混合室形成孔26aの上側に繋がってこれより大径の燃料供給装置配設孔26bが形成されているが、ここに燃料供給装置27が配設され、燃料供給管路27aを介して供給される燃料が燃料供給装置27を介して混合室28内に供給される。また、圧縮機50から混合室28内に供給される圧縮空気の圧力を調整する調圧装置78が上記圧縮空気供給路76に繋がって設けられている(図4参照)。
【0038】
一方、図7に示すように、圧縮機駆動シャフト56における偏心シャフト57が形成された側と反対側端部に繋がってマグネットカップリング方式ウォーターポンプWPが設けられている。このウォーターポンプWPは、圧縮機駆動シャフト56に連結部材80を介して連結されたアウターマグネット81と、アウターマグネット81の内部に隔離部材84を介して対向配設されたインナーマグネット82と、インナーマグネット82と結合されたポンプシャフト83と、ポンプシャフト83の先端に取り付けられたポンプ羽根85とから構成される。隔離部材84は、圧縮機駆動シャフト56が配設された作動油が流れる空間と、ポンプ羽根85が配設された冷却水が流れる空間とを隔離する。アウターマグネット81とインナーマグネット82とは非接触型のカップリング機構を構成し、隔離部材84を挟んで離れているが、両者の間の磁力の作用により一方の回転に他方が追従して回転する。
【0039】
このウォーターポンプWPにおいて、前述のようにクランクシャフト16の回転により圧縮機駆動シャフト56が回転されてこれと一緒にアウターマグネット81が回転駆動されると、磁力カップリング作用によりインナーマグネット82が連れ回り駆動され、ポンプシャフト83を介してポンプ羽根85が回転駆動される。これにより、エンジン冷却水が水タンクから吸入され、吐出口87から吐出される。なお、吐出口87には冷却水供給パイプ(図示せず)が繋がり、この冷却水供給パイプは図4に示す冷却水入口部88に繋がり、ここからエンジンシリンダボディ10およびエンジンシリンダヘッド12内に形成された冷却水通路に冷却水が供給される。この冷却水通路を循環してエンジンシリンダボディ10およびエンジンシリンダヘッド12の冷却を行った冷却水は冷却水出口部89(図1参照)から図示しないパイプを介してラジエータに送られる。なお、ウォーターポンプWPにおいて、ポンプ羽根85から吐出口87に至る冷却水を通過させる部分にサーモスタットバルブ86が設けられている。
【0040】
以上の構成のエンジン部Eを始動させるためのスタータモータ1が、図4に示すようにハウジングHSGに取り付けられている。このスタータモータ1の駆動軸にはスタータピニオン(図示せず)が取り付けられており、このスタータピニオンはクランクシャフトの端部にワンウェイクラッチ(図示せず)を介して取り付けられたスタータギヤ2と噛合している。なお、クランクシャフト16の端部には発電機Gが取り付けられており、クランクシャフト16により駆動されて発電を行うが、この発電機G内に上記ワンウェイクラッチが位置している。
【0041】
エンジン部Eを始動するためスタータモータ1が駆動されると、スタータピニオン1を介してスタータギヤ2が回転駆動され、クランクシャフト16が回転駆動される。これにより、上述したように圧縮機50が駆動されて圧縮空気が混合室28に供給される。このとき同時にクランクシャフト16の回転により燃料ポンプ(図示せず)が駆動されて燃料供給装置27を介して混合室28に燃料も供給される。混合室28内においてはこれら圧縮空気と燃料とが混合されて高圧高濃度の混合気が作られ、これがピストン13の往復動に合わせて燃焼室11内に噴射されるとともに点火プラグ21により点火燃焼されて、エンジン部Eが始動する。このとき、上述のように圧縮機50の効率を高めているため、スムーズにエンジン部Eを始動させることができる。
【0042】
このようにしてエンジン部Eが始動された後、クランクシャフト16の回転駆動力を変速して駆動スプロケットSPに伝達する変速機部TMについて、図2に加えて、変速機部TMを拡大して示す図15を参照して説明する。変速機部TMは、クランクシャフト16の端部に設けられた遠心クラッチCL1と、クランクシャフト16と平行に配設された入力軸91および出力軸92と、入力軸91の端部に設けられた湿式多板クラッチCL2と、入出力軸91,92の間に並列に配設された第1速〜第4速変速ギヤ列110〜140とを有して構成され、出力軸92の端部に駆動スプロケットSPが取り付けられている。
【0043】
遠心クラッチCL1は、クランクシャフト16の上に回転自在に配設された伝達駆動ギヤ93とクランクシャフト16とを係脱するもので、クランクシャフト16の回転が所定回転以上となったときに遠心力により作動して伝達駆動ギヤ93をクランクシャフト16に結合させて両者を一体回転させる。伝達駆動ギヤ93は入力軸91の上に回転自在に配設された伝達従動ギヤ94に噛合しており、伝達駆動ギヤ93の回転が伝達従動ギヤ94に伝達される。伝達従動ギヤ94は湿式多板クラッチCL2により入力軸91に係脱可能となっており、湿式多板クラッチCL2を係合させて伝達従動ギヤ94と入力軸91を一体回転させることができるようになっている。
【0044】
湿式多板クラッチCL2は、伝達従動ギヤ94に結合されたクラッチドラム96と、入力軸91にスプライン結合されたクラッチハブ97と、クラッチドラム96に連結されたクラッチプレートおよびクラッチハブ97に連結された摩擦プレートを交互に重ねて配置した多板クラッチ部98と、多板クラッチ部98に対向したピストン部材99aと、ピストン部材99aを多板クラッチ部98に押し付けるバネ99bと、ピストン部材99aを多板クラッチ部98から離れる方向に移動させるボールカム機構95とから構成される。通常時にはボールカム機構95は作動されず、バネ99bがピストン部材99aを多板クラッチ部96に押し付けて湿式多板クラッチCL2が係合され、伝達従動ギヤ94と入力軸91とが一体回転する。変速時にボールカム機構95が作動され、ピストン部材99aが多板クラッチ部96から離されて湿式多板クラッチCL2が解放され、伝達従動ギヤ94と入力軸91との回転伝達が行われない状態となる。
【0045】
第1速〜第4速変速ギヤ列110〜140は、入力軸91上に設けられた第1〜第4速駆動ギヤ111〜141と、出力軸92上に設けられてそれぞれ第1〜第4速駆動ギヤ111〜141と噛合する第1〜第4速従動ギヤ112〜142とから構成される。第1速駆動ギヤ111は入力軸91と一体に形成され、第2速駆動ギヤ121は入力軸上に相対回転自在に配設されるとともに第1ダボ121aが形成されており、第3速駆動ギヤ131は入力軸91にスプライン結合されるとともに第2ダボ131a、第1ダボ係合孔131bおよび第1フォーク溝131cが形成されており、第4速駆動ギヤ141は入力軸91の上に相対回転自在に配設されるとともに第2ダボ係合孔141aが形成されている。また、第1速従動ギヤ112は出力軸上に相対回転自在に配設されるとともに第3ダボ係合孔112aが形成されており、第2速従動ギヤ122は出力軸92とスプライン結合されるとともに第3ダボ122a、第4ダボ122bおよび第2フォーク溝122cが形成されており、第3速従動ギヤ132は出力軸92の上に相対回転自在に配設されるとともに第4ダボ係合孔132aが形成されており、第4速従動ギヤ142は出力軸92にスプライン結合されている。
【0046】
これら第1速〜第4速変速ギヤ列110〜140の側方に、ロータリー式変速機構150が設けられており、これを構成する第1及び第2シフトフォーク151,152の先端フォーク部が上記第1および第2フォーク溝131c,122cに係合している。両シフトフォーク151,152はシフトドラム153の上に回転自在且つ軸方向に移動自在に取り付けられるとともにピン151a,152aがカム溝153a,153bに係合しており、シフトドラム153の回転に応じて軸方向に移動されるように構成されている。シフトドラム153はリンク機構154を介してシフトペダル(図示せず)に繋がっており、シフトペダルが操作されるとこの操作の応じてシフトドラム153が回転され、第1及び第2シフトフォーク151,152が軸方向に移動される。
【0047】
ここで、第2シフトフォーク152が図において左方向に移動されると、第2速従動ギヤ122が左方向に移動されて第3ダボ122aが第3ダボ係合孔112aに嵌入し、第1速従動ギヤ112と第2速従動ギヤ122が結合される。このため、入力軸91の回転が第1速ギヤ列110(第1速駆動ギヤ111及び第1速従動ギヤ112)から第2速従動ギヤ122を介して出力軸92に伝達され、第1速ギヤ列110のギヤ比に対応した変速がなされる。一方、第2シフトフォーク152が右方向に移動されると、第4ダボ122bが第4ダボ係合孔132aに嵌入し、第2速従動ギヤ122と第3速従動ギヤ132とが結合される。このため、入力軸91の回転が第3速ギヤ列130(第3速駆動ギヤ131および第3速従動ギヤ132)から第2速従動ギヤ122を介して出力軸92に伝達され、第3速ギヤ列130のギヤ比に対応した変速がなされる。
【0048】
また、第1シフトフォーク151が図において左方向に移動されると、第3速駆動ギヤ131が左方向に移動されて第1ダボ121aが第1ダボ係合孔1131bに嵌入し、第2速駆動ギヤ121と第3速従動ギヤ131が結合される。このため、入力軸91の回転が第3速駆動ギヤ131から第2速駆動ギヤ121にそのまま伝達され、第2速ギヤ列120(第2速駆動ギヤ121及び第2速従動ギヤ122)を介して出力軸92に伝達され、第2速ギヤ列120のギヤ比に対応した変速がなされる。一方、第1シフトフォーク151が右方向に移動されると、第2ダボ131aが第2ダボ係合孔141aに嵌入し、第3速駆動ギヤ132と第4速従動ギヤ142とが結合される。このため、入力軸91の回転が第3速駆動ギヤ131から第4速駆動ギヤ141にそのまま伝達され、第4速ギヤ列140(第4速駆動ギヤ141および第4速従動ギヤ142)を介して出力軸92に伝達され、第4速ギヤ列140のギヤ比に対応した変速がなされる。
【0049】
このようにして第1速〜第4速ギヤ列110〜140のいずれかを介して変速されて駆動される出力軸92の回転はそのまま出力駆動スプロケットSPに伝達され、前述したように、図示しないチェーンを介して後輪に伝達されて後輪が駆動される。
【0050】
以上においては、本発明を適用した圧縮機は、燃料と混合した混合気を作り出すために用いられているが、これ以外の圧縮機にも適用できることは無論である。また、圧縮対象は空気に限られるものではなく、他の気体でも良い。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように第1の本発明によれば、シリンダボディ、シリンダヘッドおよびピストンを備えて圧縮機が構成され、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを外周側に位置する支持基部から片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工してリード弁が構成され、バルブプレートがシリンダボディとシリンダヘッドとの間に挟持されたときにリード弁が流体流入孔を覆い、シリンダ空間内に発生する負圧によりリード弁が支持基部を中心としてシリンダ空間内に弾性変形して流体流入孔を開放するように構成される。さらに、リード弁が支持基部を中心として所定量を超えて弾性変形することを防止するストッパ部がシリンダボディにおけるシリンダ空間の周縁部に設けられている。
【0052】
このような構成の圧縮機においては、ピストンがシリンダ空間内で上死点側から下死点に向かって下動するときにシリンダ空間内に発生する負圧によりリード弁が支持基部を中心としてシリンダ空間内に弾性変形して流体流入孔を開放するのであるが、このリード弁はシリンダボディとシリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して形成されており、非常にシンプルで部品点数の少ない構成とすることができる。また、シリンダボディの周縁部に形成されたストッパ部によりリード弁が支持基部を中心として所定量を超えて弾性変形することを防止するので、安定したリード弁の開閉特性を設定できる。このとき、ストッパ部がシリンダボディに形成されるため、専用の部品を必要とせず、部品点数を少なくすることができるとともに構成が簡単となる。
【0053】
第2の本発明においても、シリンダボディ、シリンダヘッドおよびピストンを備えて圧縮機が構成され、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを外周側に位置する支持基部から片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して前記リード弁が構成され、バルブプレートがシリンダボディとシリンダヘッドとの間に挟持されたときにリード弁が流体流入孔を覆い、シリンダ空間内に発生する負圧によりリード弁が支持基部を中心としてシリンダ空間内に弾性変形して流体流入孔を開放するように構成される。この圧縮機においては、シリンダヘッドにシリンダ空間内の圧縮流体を流出させる流体流出孔が形成されており、バルブプレートには流体流出孔に対向連通する貫通孔がシリンダ空間の中心位置を挟んでリード弁と反対側に位置して形成されており、ピストンが上死点近傍に移動したときに、ピストンの先端面に形成された凸部が貫通孔を通って流体流出孔内に突入するように構成されている。
【0054】
このような構成の圧縮機によれば、まず第1の発明と同様に、リード弁は金属板からなるバルブプレートを片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して形成されており、非常にシンプルで部品点数の少ない構成となる。さらに、バルブプレートには流体流出孔に対向連通する貫通孔がシリンダ空間の中心位置を挟んでリード弁と反対側に位置して形成されており、流体流入孔をリード弁の反対側に余裕を持って設けることができ、圧縮流体を流出させるときの流出抵抗が小さくなって圧縮効率が向上する。また、ピストンが上死点近傍に移動したときに、ピストンの先端面の凸部が貫通孔を通って流体流出孔内に突入するので、流体流出孔内の流体も凸部によって圧縮されることになり、いわゆる圧縮デッドスペースが小さくなって圧縮効率が一層向上する。
【0055】
なお、上記第1および第2の発明に係る圧縮機において、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向当接面部にシリンダ空間を囲んでバルブプレートを設け、バルブプレートにおける上記対向当接面部に挟持される円筒部がそれより内周側の部分に対してシリンダヘッド側に盛り上がるようにボアビードを設けるのが好ましい。このようにボアビードを設けることにより、リード弁が流体流入孔を覆うときにリード弁が流体流入孔側に押し付けられて密着してここを確実に閉止する。このため、流体圧縮時にリード弁を通って流体が漏れ出す量が小さくなり、圧縮効率が向上する。
【0056】
また、上記第1および第2の発明に係る圧縮機において、シリンダボディとシリンダヘッドとの対向当接面部にシリンダ空間を囲んでバルブプレートを設け、バルブプレートがシリンダボディとシリンダヘッドとの対向当接面に挟持されてシリンダ空間を外部に対してシールするように構成するのが好ましい。すなわち、バルブプレートにより、シリンダボディとシリンダヘッドとの合わせ面をシールするガスケット構成と上述した流体流入孔に対するシール弁構成とを兼用させるのが好ましく、このように構成することにより部品点数を一層少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る圧縮機を有した二輪車の駆動装置(特にエンジン部)を、エンジンクランクシャフトおよびエンジンシリンダ軸芯を通る平面において切断して示す断面図である。
【図2】本発明に係る圧縮機を有した二輪車の駆動装置(特に変速機部)を、エンジンクランクシャフトおよびエンジンシリンダ軸芯を通る平面において切断して示す正面断面図である。
【図3】上記駆動装置のエンジン部をシリンダ軸および給排気バルブ中心を通る面において切断して示す正面断面図である。
【図4】上記エンジン部の正面前面側を示す部分断面図である。
【図5】上記エンジン部に配設される圧縮機構成を示す正面断面図である。
【図6】上記圧縮機構成を示す側面断面図である。
【図7】上記圧縮機およびウォーターポンプ構成を示す平面断面図である。
【図8】上記圧縮機のシリンダヘッド部を拡大して示す正面断面図である。
【図9】上記圧縮機に用いられて吸気リード弁を構成するバルブプレートを示す平面図である。
【図10】上記バルブプレートを矢印X−Xに沿って示す断面図である。
【図11】上記吸気リード弁の過度の撓みを抑制するため圧縮機シリンダボディに形成されたストッパ面形状を示す斜視図である。
【図12】上記バルブプレートが圧縮機シリンダボディと圧縮機シリンダヘッドに挟持された状態で吸気リード弁の基部周りを示す断面図である。
【図13】上記圧縮機の排気ポペット弁回りを拡大して示す正面断面図である。
【図14】上記圧縮機に用いられて排気ポペット弁を構成する弁体の断面図(図11(B)矢印X−Xに沿った断面を示す)および底面図である。
【図15】上記駆動装置の変速機部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
10 エンジンシリンダボディ
11 燃焼室
12 エンジンシリンダヘッド
13 ピストン
50 圧縮機
51 圧縮機シリンダボディ
51b ストッパ面
52 圧縮機シリンダヘッド
52a 吸気孔
52b 空気通過孔
52c 着座面
53 圧縮機ピストン
63 バルブプレート
64 吸気リード弁
70 排気ポペット弁
71 弁体
73 弾性シール層
73a リング状凹溝
74 圧縮バネ
SY スコッチヨーク機構
E エンジン部
TM 変速機部[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a compressor for compressing and supplying a fluid (mainly gas) such as air, and more particularly, to a piston type compressor.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art A piston type compressor for compressing and supplying a fluid such as air has been conventionally known. For example, Japanese Patent Publication No. 63-54909 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 63-65181 disclose a piston type compressor for a refrigeration system. It has been disclosed. It is also known to use an air compressor for a fuel injection device of an internal combustion engine. For example, Japanese Patent No. 2820782 discloses a piston type air pump (compression) for supplying compressed air to an air fuel injection device of a two-cycle engine. Machine) is disclosed.
[0003]
In such a piston-type compressor, a cylinder head is attached to an upper end surface of a cylinder body having a cylindrical cylinder space so as to cover the cylinder space, and a piston is slidably fitted in the cylinder space. The intake and exhaust valves are provided on the cylinder head. The intake valve is a one-way valve that is openably and closably provided in the inflow passage connected to the fluid supply source and allows only the flow of the fluid flowing into the cylinder space. The exhaust valve is opened and closed in the outflow passage connected to the fluid supply destination. It consists of a one-way valve which is provided to allow only the flow of fluid out of the cylinder space. As the intake valve and the exhaust valve, a reed valve type made of a thin and flexible metal plate or a poppet for urging and seating a valve body by an urging spring or the like so as to close an inflow or outflow passage. There is a valve type.
[0004]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-22473 discloses a compressor using a reed valve type one-way valve. This compressor is used in an internal combustion engine, and burns through a supercharging valve separate from an intake valve. It is configured to supercharge the pressurized air into the room. In this compressor, the cylinder space is covered by a cylinder body (cylinder case 41) in which a cylindrical cylinder space is formed, and a suction
[0005]
In this configuration, when the piston 44 fitted and disposed in the cylinder space moves down, the lead 55a of the
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In such a compressor as described above, the space from the one-way valve in the outflow hole (or passage) to the inside of the cylinder space becomes a dead space at the time of fluid compression due to the reciprocation of the piston, which is one of the causes of a reduction in compression efficiency. There is a problem that. When a reed valve type one-way valve as disclosed in the above-mentioned Japanese Patent Application Laid-Open No. H11-22473 is used, a dedicated valve retaining ring is used as a stopper for suppressing excessive elastic deformation of the lead 55a of the
[0007]
The present invention has been made in view of such a problem, and a reed valve type inflow one-way valve can be configured with a relatively simple configuration, and the opening and closing characteristics of the one-way valve (reed valve) can be set stably. It is an object of the present invention to provide a compressor having a simple configuration. Another object of the present invention is to provide a compressor having a configuration capable of improving the compression efficiency by reducing the amount of dead space generated by the inflow or outflow passage.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve such an object, in the first aspect of the present invention, a cylinder body (compressor cylinder body) having a cylindrical cylinder space, and a cylinder head (compressor) attached to the cylinder body so as to cover the cylinder space are provided. Machine cylinder head), a piston (compressor piston) slidably fitted in the cylinder space, and a fluid inflow hole formed in the cylinder head in communication with the cylinder space (for example, intake air in the embodiment). The compressor includes a reed valve (for example, the
[0009]
In the compressor having such a configuration, the reed valve is moved around the support base by the negative pressure generated in the cylinder space when the piston moves downward from the top dead center side to the bottom dead center in the cylinder space. The reed valve is elastically deformed in the space to open the fluid inflow hole.This reed valve is a cantilevered valve plate consisting of a metal plate that is sandwiched between the opposing surfaces of the cylinder body and the cylinder head. It is formed by processing into a tongue piece extending in the inner diameter direction, and has a very simple configuration with a small number of parts. Further, since the reed valve is prevented from being elastically deformed beyond a predetermined amount around the support base by the stopper formed on the peripheral portion of the cylinder body, stable opening / closing characteristics of the reed valve can be set. At this time, since the stopper portion is formed in the cylinder body, a dedicated component is not required, the number of components can be reduced, and the configuration is simplified.
[0010]
Also in the second aspect of the present invention, a cylinder body having a cylindrical cylinder space, a cylinder head mounted on the cylinder body so as to cover the cylinder space, are slidably fitted in the cylinder space. The compressor is provided with a piston and a reed valve provided so as to be able to open and close a fluid inflow hole formed in the cylinder head in communication with the cylinder space. The reed valve is formed by processing a valve plate made of a metal plate sandwiched and disposed in a tongue shape extending in a radial direction in a cantilever manner from a support base positioned on the outer peripheral side, and the reed valve is constituted. The reed valve covers the fluid inflow hole when sandwiched between the cylinder head and the cylinder head, and the reed valve is centered on the support base by the negative pressure generated in the cylinder space. Configured to open the fluid inlet and elastically deformed in the cylinder space Te. In this compressor, a fluid outflow hole (for example, an
[0011]
According to the compressor having such a configuration, similarly to the first aspect, the reed valve is formed by processing a valve plate made of a metal plate into a tongue shape extending in a radial direction in a cantilever manner, The configuration is very simple and requires few parts. Further, a through hole communicating with the fluid outlet hole is formed in the valve plate on the opposite side to the reed valve with respect to the center position of the cylinder space, so that the fluid inlet hole has a margin on the opposite side of the reed valve. The outflow resistance when the compressed fluid flows out is reduced, and the compression efficiency is improved. Further, when the piston moves to the vicinity of the top dead center, the convex portion on the tip end surface of the piston enters the fluid outflow hole through the through hole, so that the fluid in the fluid outflow hole is also compressed by the convex portion. The so-called compression dead space is reduced, and the compression efficiency is further improved.
[0012]
In the compressor according to the first and second aspects of the present invention, a valve plate is provided around the cylinder space on the opposing contact surface between the cylinder body and the cylinder head, and is sandwiched between the opposing contact surfaces on the valve plate. It is preferable to provide a bore bead so that the cylindrical portion rises toward the cylinder head with respect to a portion on the inner peripheral side. By providing the bore bead in this manner, when the reed valve covers the fluid inflow hole, the reed valve is pressed against the fluid inflow hole side and closely adheres to the fluid inflow hole to securely close it. Therefore, the amount of fluid leaking through the reed valve during fluid compression is reduced, and the compression efficiency is improved.
[0013]
In the compressor according to the first and second aspects of the present invention, a valve plate is provided around the cylinder space on the opposing contact surface between the cylinder body and the cylinder head, and the valve plate is provided between the cylinder body and the cylinder head. It is preferable that the cylinder space is sealed to the outside by being sandwiched between the contact surfaces. That is, it is preferable that the valve plate serves both as a gasket structure for sealing the mating surface of the cylinder body and the cylinder head and a seal valve structure for the above-described fluid inflow hole. With such a structure, the number of parts is further reduced. can do.
[0014]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIGS. 1 to 4 show a drive device for a motorcycle including a compressor to which the present invention is applied, and the structure of the drive device will be described first. Note that FIGS. 1 and 2 are divided into two portions at the break line portion for convenience of display space, and both drawings show one drawing connected by the break line portion. This driving device includes a single-cylinder engine unit E and a transmission unit TM. The rotational driving force of the
[0015]
First, the engine unit E will be described. The engine portion E includes an
[0016]
An
[0017]
The engine section E is composed of a four-stroke type engine. The intake, compression, combustion, and exhaust strokes are performed while the
[0018]
On the other hand, on the upper surface of the
[0019]
In the mechanism having the above-described configuration, the
[0020]
Further, a mixture of compressed air and fuel is injected into the
[0021]
In order to perform the air-assisted fuel injection as described above, in addition to the
[0022]
The structure of the
[0023]
In such a configuration, when the
[0024]
In response to the reciprocating movement of the
[0025]
The
[0026]
As shown in FIG. 9, two
[0027]
By the way, as shown in FIG. 10 which is a cross-sectional view along the arrow XX in FIG. 9, a
[0028]
The
[0029]
Therefore, when the
[0030]
On the other hand, when the
[0031]
As shown in an enlarged view in FIG. 13, the
[0032]
As shown in FIG. 14, the
[0033]
The
[0034]
As can be understood from the above description, when the
[0035]
Further, as shown in the drawing, a cylindrical
[0036]
In this way, when the
[0037]
The compressed
[0038]
On the other hand, as shown in FIG. 7, a magnet coupling type water pump WP is provided so as to be connected to an end of the
[0039]
In the water pump WP, as described above, when the
[0040]
The starter motor 1 for starting the engine unit E having the above configuration is attached to the housing HSG as shown in FIG. A starter pinion (not shown) is attached to a drive shaft of the starter motor 1, and the starter pinion meshes with a starter gear 2 attached to an end of a crankshaft via a one-way clutch (not shown). ing. A generator G is attached to an end of the
[0041]
When the starter motor 1 is driven to start the engine section E, the starter gear 2 is driven to rotate via the starter pinion 1 and the
[0042]
After the engine unit E is started in this manner, the transmission unit TM that changes the rotational driving force of the
[0043]
The centrifugal clutch CL1 engages and disengages the
[0044]
The wet multi-plate clutch CL2 is connected to a
[0045]
First to fourth speed
[0046]
A rotary
[0047]
Here, when the
[0048]
When the
[0049]
The rotation of the
[0050]
In the above, the compressor to which the present invention has been applied is used to create a fuel-air mixture, but it is a matter of course that the compressor can be applied to other compressors. The object to be compressed is not limited to air, but may be another gas.
[0051]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, a compressor is configured including a cylinder body, a cylinder head, and a piston, and a metal plate sandwiched and disposed between opposing surfaces of the cylinder body and the cylinder head. When a reed valve is formed by processing a valve plate consisting of a tongue extending in a radial direction in a cantilever manner from a support base located on the outer peripheral side, when a valve plate is sandwiched between a cylinder body and a cylinder head. The reed valve covers the fluid inflow hole, and the reed valve is elastically deformed around the support base into the cylinder space by the negative pressure generated in the cylinder space to open the fluid inflow hole. Further, a stopper for preventing the reed valve from being elastically deformed beyond a predetermined amount around the support base is provided at a peripheral edge of the cylinder space in the cylinder body.
[0052]
In the compressor having such a configuration, the reed valve is moved around the support base by the negative pressure generated in the cylinder space when the piston moves downward from the top dead center side to the bottom dead center in the cylinder space. The reed valve is elastically deformed in the space to open the fluid inflow hole.This reed valve is a cantilevered valve plate consisting of a metal plate that is sandwiched between the opposing surfaces of the cylinder body and the cylinder head. Since it is formed by processing into a tongue piece extending in the inner diameter direction, it is possible to obtain a very simple configuration with a small number of parts. Further, since the reed valve is prevented from being elastically deformed beyond a predetermined amount around the support base by the stopper formed on the peripheral portion of the cylinder body, stable opening / closing characteristics of the reed valve can be set. At this time, since the stopper portion is formed in the cylinder body, a dedicated component is not required, the number of components can be reduced, and the configuration is simplified.
[0053]
Also in the second aspect of the present invention, a compressor is configured including a cylinder body, a cylinder head, and a piston, and a valve plate formed of a metal plate sandwiched and disposed between opposing surfaces of the cylinder body and the cylinder head is provided on the outer periphery. The reed valve is formed by processing into a tongue shape extending in the radial direction in a cantilever manner from the support base located on the side, and when the valve plate is sandwiched between the cylinder body and the cylinder head, the reed valve is fluidized. The inflow hole is covered, and the reed valve is elastically deformed around the support base into the cylinder space by the negative pressure generated in the cylinder space to open the fluid inflow hole. In this compressor, a fluid outlet hole for allowing the compressed fluid in the cylinder space to flow out is formed in the cylinder head, and a through hole communicating with the fluid outlet hole is formed in the valve plate through a center position of the cylinder space. It is formed on the opposite side of the valve, so that when the piston moves near the top dead center, the protrusion formed on the distal end surface of the piston enters the fluid outflow hole through the through hole. It is configured.
[0054]
According to the compressor having such a configuration, similarly to the first aspect, the reed valve is formed by processing a valve plate made of a metal plate into a tongue shape extending in a radial direction in a cantilever manner, The configuration is very simple and requires few parts. Further, a through hole communicating with the fluid outlet hole is formed in the valve plate on the opposite side to the reed valve with respect to the center position of the cylinder space, so that the fluid inlet hole has a margin on the opposite side of the reed valve. The outflow resistance when the compressed fluid flows out is reduced, and the compression efficiency is improved. Further, when the piston moves to the vicinity of the top dead center, the convex portion on the tip end surface of the piston enters the fluid outflow hole through the through hole, so that the fluid in the fluid outflow hole is also compressed by the convex portion. The so-called compression dead space is reduced, and the compression efficiency is further improved.
[0055]
In the compressor according to the first and second aspects of the present invention, a valve plate is provided around the cylinder space on the opposing contact surface between the cylinder body and the cylinder head, and is sandwiched between the opposing contact surfaces on the valve plate. It is preferable to provide a bore bead so that the cylindrical portion rises toward the cylinder head with respect to a portion on the inner peripheral side. By providing the bore bead in this manner, when the reed valve covers the fluid inflow hole, the reed valve is pressed against the fluid inflow hole side and closely adheres to the fluid inflow hole to securely close it. Therefore, the amount of fluid leaking through the reed valve during fluid compression is reduced, and the compression efficiency is improved.
[0056]
In the compressor according to the first and second aspects of the present invention, a valve plate is provided around the cylinder space on the opposing contact surface between the cylinder body and the cylinder head, and the valve plate is provided between the cylinder body and the cylinder head. It is preferable that the cylinder space is sealed to the outside by being sandwiched between the contact surfaces. That is, it is preferable that the valve plate serves both as a gasket structure for sealing the mating surface of the cylinder body and the cylinder head and a seal valve structure for the above-described fluid inflow hole. With such a structure, the number of parts is further reduced. can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a drive unit (particularly, an engine unit) of a motorcycle having a compressor according to the present invention, cut along a plane passing through an engine crankshaft and an engine cylinder axis.
FIG. 2 is a front cross-sectional view showing a drive unit (particularly, a transmission unit) of a motorcycle having a compressor according to the present invention, cut along a plane passing through an engine crankshaft and an engine cylinder axis.
FIG. 3 is a front cross-sectional view showing an engine section of the driving device, cut along a plane passing through a cylinder shaft and the center of a supply / exhaust valve.
FIG. 4 is a partial sectional view showing a front front side of the engine unit.
FIG. 5 is a front sectional view showing a configuration of a compressor provided in the engine unit.
FIG. 6 is a side sectional view showing the configuration of the compressor.
FIG. 7 is a plan sectional view showing the configuration of the compressor and the water pump.
FIG. 8 is an enlarged front sectional view showing a cylinder head portion of the compressor.
FIG. 9 is a plan view showing a valve plate used in the compressor and constituting an intake reed valve.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing the valve plate along an arrow XX.
FIG. 11 is a perspective view showing a shape of a stopper surface formed on a compressor cylinder body for suppressing excessive bending of the intake reed valve.
FIG. 12 is a sectional view showing the vicinity of a base of an intake reed valve in a state where the valve plate is sandwiched between a compressor cylinder body and a compressor cylinder head.
FIG. 13 is an enlarged front sectional view showing the vicinity of an exhaust poppet valve of the compressor.
FIG. 14 is a cross-sectional view (showing a cross-section along arrow XX of FIG. 11B) and a bottom view of a valve body used in the compressor and constituting an exhaust poppet valve.
FIG. 15 is a cross-sectional view showing a configuration of a transmission unit of the drive device.
[Explanation of symbols]
Claims (4)
前記シリンダボディと前記シリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを外周側に位置する支持基部から片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して前記リード弁が構成され、
前記バルブプレートが前記シリンダボディと前記シリンダヘッドとの間に挟持されたときに前記リード弁が前記流体流入孔を覆い、前記シリンダ空間内に発生する負圧により前記リード弁が前記支持基部を中心として前記シリンダ空間内に弾性変形して前記流体流入孔を開放するように構成され、
前記リード弁が前記支持基部を中心として所定量を超えて弾性変形することを防止するストッパ部が前記シリンダボディにおける前記シリンダ空間の周縁部に設けられていることを特徴とする圧縮機。A cylinder body having a cylindrical cylinder space; a cylinder head mounted on the cylinder body so as to cover the cylinder space; a piston slidably fitted in the cylinder space; A reed valve provided so as to be able to open and close the fluid inflow hole formed in the cylinder head in communication with the
A valve plate made of a metal plate sandwiched and disposed between opposing surfaces of the cylinder body and the cylinder head is processed into a tongue shape extending in a radial direction in a cantilever manner from a support base located on the outer peripheral side. The reed valve is configured,
The reed valve covers the fluid inflow hole when the valve plate is sandwiched between the cylinder body and the cylinder head, and the reed valve is centered on the support base by a negative pressure generated in the cylinder space. It is configured to elastically deform in the cylinder space to open the fluid inflow hole,
A compressor, wherein a stopper for preventing the reed valve from being elastically deformed beyond a predetermined amount around the support base is provided at a peripheral portion of the cylinder space in the cylinder body.
前記シリンダボディと前記シリンダヘッドとの対向面間に挟持されて配設された金属板からなるバルブプレートを外周側に位置する支持基部から片持ち状に内径方向に延びる舌片状に加工して前記リード弁が構成され、
前記バルブプレートが前記シリンダボディと前記シリンダヘッドとの間に挟持されたときに前記リード弁が前記流体流入孔を覆い、前記シリンダ空間内に発生する負圧により前記リード弁が前記支持基部を中心として前記シリンダ空間内に弾性変形して前記流体流入孔を開放するように構成され、
前記シリンダヘッドに前記シリンダ空間内の圧縮流体を流出させる流体流出孔が形成されており、前記バルブプレートには前記流体流出孔に対向連通する貫通孔が前記シリンダ空間の中心位置を挟んで前記リード弁と反対側に位置して形成されており、
前記ピストンが上死点近傍に移動したときに、前記ピストンの先端面に形成された凸部が前記貫通孔を通って前記流体流出孔内に突入するように構成されていることを特徴とする圧縮機。A cylinder body having a cylindrical cylinder space; a cylinder head mounted on the cylinder body so as to cover the cylinder space; a piston slidably fitted in the cylinder space; A reed valve provided so as to be able to open and close the fluid inflow hole formed in the cylinder head in communication with the
A valve plate made of a metal plate sandwiched and disposed between opposing surfaces of the cylinder body and the cylinder head is processed into a tongue shape extending in a radial direction in a cantilever manner from a support base located on the outer peripheral side. The reed valve is configured,
The reed valve covers the fluid inflow hole when the valve plate is sandwiched between the cylinder body and the cylinder head, and the reed valve is centered on the support base by a negative pressure generated in the cylinder space. It is configured to elastically deform in the cylinder space to open the fluid inflow hole,
A fluid outlet hole for allowing the compressed fluid in the cylinder space to flow out is formed in the cylinder head, and a through-hole communicating with the fluid outlet hole is formed in the valve plate so that the lead hole interposes a center position of the cylinder space. Formed on the opposite side of the valve,
When the piston moves to the vicinity of the top dead center, a protrusion formed on the distal end surface of the piston is configured to protrude into the fluid outflow hole through the through hole. Compressor.
前記バルブプレートにおける前記対向当接面部に挟持される円筒部がそれより内周側の部分に対して前記シリンダヘッド側に盛り上がるようにボアビードが設けられていることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の圧縮機。The valve plate is provided on an opposing contact surface between the cylinder body and the cylinder head so as to surround the cylinder space,
The bore bead is provided so that a cylindrical portion sandwiched between the opposed contact surface portions of the valve plate rises toward the cylinder head with respect to a portion on an inner peripheral side thereof. A compressor according to claim 1.
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JP2008519934A (en) * | 2004-11-12 | 2008-06-12 | エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド | Discharge valve and valve assembly of reciprocating compressor provided with the same |
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Cited By (4)
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US7766036B2 (en) | 2004-11-12 | 2010-08-03 | Lg Electronics Inc. | Discharge valve and valve assembly of reciprocating compressor having the same |
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