JP2004107183A - 結晶化物およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、粘土またはけい砂の精製残査を原料とする、光沢感があり優れた機械的性質を有する結晶化物を提供する。
【解決手段】本発明の結晶化物の製造方法は、以下の工程を含む。粘土またはけい砂の精製残査と組成調整物を混合し、これを溶融する工程。溶融物を冷却し、冷却物を粉砕する工程。粉砕物単独のもの、または粉砕物に着色材、充填材、気孔形成材を混合したものを、集積またはプレス成形する工程。集積体または成形体を熱処理して、結晶化物とする工程。ここで、精製残査は、SiO2 を60〜85質量%、Al2 3 を10〜30質量%含むことが好ましい。結晶化物は、5〜35質量%の組成調整物を含むことが好ましい。組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含むことが好ましい。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘土またはけい砂の精製残査を原料とする、光沢感があり優れた機械的性質を有する結晶化物に関する。また、その結晶化物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ガラス固化物またはガラス粉末を集積した成形体を熱処理して焼結、結晶化させた結晶化ガラスの製造には、板ガラスなどの製造の場合と同じ原料が使われてきた。これらの原料は、けい砂鉱山から採掘される天然資源を主に物理的な方法で精製して製造されている。
【0003】
したがって、この精製過程で原料として使用できない廃棄物が発生するが、そのほとんどは有効に利用されることなく埋め戻されている。つまり、採掘、運搬、分離と多くのエネルギーを使って原料がつくられていることになるが、その過程で排出されたキラの処理には、廃棄のためにもう一度、運搬、埋め戻し、とエネルギーを浪費していることになる。
【0004】
一方、同じ地域のけい砂鉱山の地層にはけい砂よりも粘土を多く含んでいるものが有り、その場合にはそこから粘土を精製し粘土原料を製造している。この過程でもけい砂分や粒子の粗い粘土分を含んだ廃棄物が発生している。これらもキラと呼ばれ、そのほとんどは廃棄されている。
【0005】
平成5年の愛知県瀬戸窯業技術センターによる調査(「微粒珪砂等の実態調査報告」愛知県瀬戸窯業技術センター,愛知県珪砂鉱業協同組合発行(平成5年9月))では、瀬戸地区でけい砂または粘土原料用として年間51万トンの採掘があり、そのうちけい砂原料となるのは約11質量%、粘土原料となるのは約7質量%にすぎず、キラに相当する残り(80質量%強)は未利用のまま埋め戻されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
粘土またはけい砂原料を製造する過程で発生するキラを含めた、粘土またはけい砂の精製残査に対しては、あまり有効な再利用の方法が開発されていないのが現状である。現在、様々な環境問題に対する対応から、各種工場、事業所でのゼロエミッション化が必要になっていることからも、その有効利用策の開発が求められている。
【0007】
そのため、粘土またはけい砂の精製残査を原料として、有用な特性を有する物の製造が求められている。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、粘土またはけい砂の精製残査を原料とする、光沢感があり優れた機械的性質を有する結晶化物を提供すると共に、その結晶化物の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の結晶化物は、粘土またはけい砂の精製残査を原料とするものである。本発明によれば、光沢があり機械的強度が大きな結晶化物を得ることができる。
【0010】
ここで、精製残査は、SiO2 を60〜85質量%、Al2 3 を10〜30質量%含むことが好ましい。結晶化物は、5〜35質量%の組成調整物を含むことが好ましい。組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含むことが好ましい。組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含み、石灰石、ドロマイト、マグネサイト、長石、さば、スポデューメン、またはホウ砂の天然原料、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、または酸化ホウ素の試薬の他、石炭灰、製鉄スラグ、焼却灰、または石材加工屑の廃棄物の、群から選ばれる単独または混合物を含むことが好ましい。組成調整物は、結晶化物に色や模様を付けるための遷移金属成分を含むことが好ましい。結晶化物は、充填材または気孔形成材としての粉末を原料の一部とすることが好ましい。
【0011】
本発明の結晶化物の製造方法は、以下の工程を含む。粘土またはけい砂の精製残査と組成調整物を混合し、これを溶融する工程。溶融物を冷却し、冷却物を粉砕する工程。粉砕物単独のもの、または粉砕物に着色材、充填材、気孔形成材を混合したものを、集積またはプレス成形する工程。集積体または成形体を熱処理して、結晶化物とする工程。本発明によれば、光沢があり機械的強度が大きな結晶化物を得る方法を提供できる。
【0012】
ここで、精製残査は、SiO2 を60〜85質量%、Al2 3 を10〜30質量%含むことが好ましい。結晶化物は、5〜35質量%の組成調整物を含むことが好ましい。組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含むことが好ましい。組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含み、石灰石、ドロマイト、マグネサイト、長石、さば、スポデューメン、またはホウ砂の天然原料、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、または酸化ホウ素の試薬の他、石炭灰、製鉄スラグ、焼却灰、または石材加工屑の廃棄物の、群から選ばれる単独または混合物を含むことが好ましい。組成調整物は、結晶化物に色や模様を付けるための遷移金属成分を含むことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、結晶化物およびその製造方法にかかる発明の実施の形態について説明する。
【0014】
まず、結晶化物の製造方法について説明する。結晶化物の製造方法は、以下の工程を含んでいる。
【0015】
最初は、粘土またはけい砂の精製残査と組成調整物を混合する工程である。
【0016】
粘土またはけい砂の精製残査は、代表的なものとして、粘土またはけい砂を精製する過程で排出される産業廃棄物であるキラを挙げることができる。
【0017】
粘土またはけい砂の精製残査は、上述のキラに限定されない。このほか、カオリン,ハロイサイト,セリサイトの精製残査等を挙げることができる。
【0018】
粘土またはけい砂の精製残査は、SiO2 を60〜85質量%、Al2 3 を10〜30質量%含むことが好ましい。
【0019】
組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含み、石灰石、ドロマイト、マグネサイト、長石、さば、スポデューメン、またはホウ砂の天然原料、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、または酸化ホウ素の試薬の他、石炭灰、製鉄スラグ、焼却灰、または石材加工屑の廃棄物の、群から選ばれる単独または混合物を含むことが好ましい。組成調整物を混合することにより、粘土またはけい砂の精製残査の溶融温度を下げることができる。
【0020】
組成調整物は、結晶化物に色や模様を付けるための遷移金属成分を含めることができる。遷移金属としては、ニッケル,コバルト,鉄,亜鉛,銅,マンガン等を採用することができる。
【0021】
組成調整物は、8.6〜49質量%の範囲内で混合することが好ましい。8.6質量%以上であれば、溶融が容易になるという利点がある。49質量%以下であれば、ガラス化が容易になるという利点がある。
【0022】
つぎは、上の工程で得られた混合物を溶融する工程である。
【0023】
熱処理温度は、1500℃以下であることが好ましい。熱処理温度が1500℃以下であれば、溶融が容易になるという利点がある。
【0024】
熱処理時間は、30分〜2時間の範囲内にあることが好ましい。熱処理時間が30分以上であれば、溶融体が均一になりやすいという利点がある。熱処理時間が2時間以下であれば、消費エネルギーが少なくてすむという利点がある。
【0025】
つぎは、上の工程で得られた溶融物を冷却する工程である。
【0026】
冷却としては、例えば溶融物を水中に投入して急冷する方法を採用することができる。溶融物を急冷することにより、熱ひずみを利用して溶融物をガラス粉末とすることができる。これにより、後の粉砕の工程を容易にすることができる。
【0027】
冷却方法としては、溶融物の水中への投入のほか、炉内での自然放冷,炉外に取り出した自然放冷,乾燥空気による冷却等を採用することができる。
【0028】
つぎは、上の工程で得られた冷却物を粉砕する工程である。ただし、この工程を省略してつぎの工程に進むことができる。
【0029】
冷却物を粉砕する理由はつぎの通りである。冷却物の溶融により結晶化する領域は、冷却物の表面に集中する。そこで、冷却物を粉砕して表面を増加させることにより、冷却物全体の結晶化を促進させる。
【0030】
つぎは、上の工程で得られた粉砕物に着色材、充填材、気孔形成材の粉末を混合する工程である。ただし、この工程を省略してつぎの工程に進むことができる。
【0031】
着色材は顔料であり、その他に色ガラス粉末,石材粉末,陶磁器片等を採用することができる。
【0032】
充填材は、高強度化,高硬度化,加飾性付与の目的に混合するものである。充填材としては、ジルコニア,アルミナ,ガラスビーズ,石材,陶磁器片等を採用することができる。
【0033】
気孔形成材は、最終製品である結晶化物の中に気孔を形成することにより、結晶化物の軽量化を図ったり、断熱性を向上させるために混合するものである。気孔形成材としては、シラスバルーンなどの無機質の中空粒子,プラスティックなどの有機物でできた球状粒子等を採用することができる。
【0034】
つぎは、上の工程で得られた粉体を集積またはプレス成形する工程である。
【0035】
集積は、粉体を容器に充填することである。集積する理由は、結晶化物をボード状などの形につくるためである。
【0036】
プレス成形は、粉体に圧力をかけて成形することである。プレス成形するのは、最終製品である結晶化物が緻密になるようにするためである。プレス成形の圧力は10〜200MPaの範囲内にあることが好ましい。圧力が10MPa以上であると、粉体の充填率を高め,熱処理後に変形の少ない結晶化物とすることができるという利点がある。圧力が200MPa以下であると、成形時にはく離による割れが発生しにくく,成形が容易になるという利点がある。
【0037】
最後は、上の工程で得られた集積体または成形体を熱処理して、結晶化物とする工程である。
【0038】
熱処理温度は、1000〜1200℃の範囲内にあることが好ましい。熱処理温度が1000℃以上であると、主結晶相であるワラストナイトが結晶化しやすいという利点がある。熱処理温度が1200℃以下であると、一旦生成した結晶相がガラス化しにくいという利点がある。
【0039】
熱処理時間は2〜240分の範囲内にあることが好ましい。熱処理時間が2分以上であると、十分な結晶化が起きるという利点がある。熱処理時間が240分以下であると、作製に要する時間を短縮でき,また,消費エネルギーが少なくなるという利点がある。
【0040】
上述の製造方法では、原料を溶融した後に、これを粉砕し、この粉砕物を再度溶融することにより結晶化した。結晶化の方法はこの方法に限定されるわけではない。
このほか、つぎのような方法を採用することができる。原料を溶融した後、ゆっくり冷却する過程において結晶化する方法である。また、原料を溶融し冷却した後、ゆっくり加熱する過程において結晶化する方法である。
【0041】
つぎに、上述の方法により製造された結晶化物について説明する。
【0042】
結晶化物は、5〜35質量%の組成調整物を含むことが好ましい。
結晶化物は美しい形態と光沢感のある外観から、装飾品としての用途が好ましい。
【0043】
結晶化物は、4点曲げ強度、ビッカース硬さの機械的強度に優れている。
この結晶化物は、美しい光沢感と優れた機械的強度から、壁材、床材、屋根材等の建材としての用途が好ましい。
【0044】
以上のことから、本実施の形態によれば、粘土またはけい砂の精製残査を原料とする結晶化物とすることにより、または、粘土またはけい砂の精製残査と組成調整物を混合し、これを溶融する工程、溶融物を冷却し、冷却物を粉砕する工程、粉砕物単独のもの、または粉砕物に着色材、充填材、気孔形成材を混合したものを、集積またはプレス成形する工程、集積体または成形体を熱処理して、結晶化物とする工程を含む、結晶化物の製造方法を採用することにより、光沢感があり優れた機械的性質を有する結晶化物を得ることができる。この結晶化物の建材や装飾品への用途を提供することができる。
【0045】
なお、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0046】
【実施例】
つぎに、本発明にかかる実施例について具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではないことはもちろんである。
【0047】
本発明は、けい砂または粘土を精製する過程で発生する廃棄物であるキラを有効利用するための方策として、これに組成調整物を加えた混合物を用いて、建材や装飾品用途のための結晶化物を作製するものである。
【0048】
本発明の結晶化物の主な原料であるキラについて説明する。
キラを構成する鉱物の大部分は石英で、その他に、カオリン鉱物、カリ長石と雲母が含まれている。蛍光X線法により求めたキラの化学組成(dry base)例を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 2004107183
【0050】
粘土を精製した最終過程で発生するキラは含水率が高いため、セメントを少量混合して回収する方法がとられている。そこで、このようにして発生したキラについても検討した。これをキラEとするが、化学組成はキラDとほとんど変わらず、CaOが1質量%多くなった程度の違いである。
【0051】
つぎに、ガラスの作製について説明する。
組成調整物として、炭酸カルシウム(CaCO3 、試薬特級 和光純薬工業株式会社製)を用いた。キラを62.7質量%、炭酸カルシウムを37.3質量%となるように秤量し、ボールミルを用いて24時間湿式混合した。これを110℃で乾燥させた後、900℃で1時間仮焼した。この仮焼試料10gをムライトまたは白金るつぼに入れ、10℃/分の速度で加熱し、1300〜1500℃の所定の温度で2時間保持した後、1300℃まで10℃/分で降温した上で、るつぼを水中に投下して急速に冷却した。
【0052】
上記方法で作製した試料の外観を表2に示す。キラA以外は1350℃以上の温度で溶融し、ガラス化できることが分かる。
【0053】
【表2】
Figure 2004107183
【0054】
つぎに、ガラスを熱処理して得られた結晶化物のキャラクタリゼーションについて説明する。試料中の結晶相について調べるため、粉末X線回折法(XRD)を用いた。XRD測定に使用した装置は、島津製作所株式会社製XRD−6100であり、測定条件は以下に示した。
ターゲット      Cu(monochromated withgraphite)
スリット       1°−1°−0.30mm
管電圧        40kV
管電流        30mA
測定範囲       2θ=5〜70°
ステップ幅      0.02°
時定数        0.5sec
【0055】
ガラス固化体を熱処理して作製したバルク状の結晶化物について説明する。上記の方法でキラB、C、D、Eを溶融し、その後、各試料を水中に投下しないで、炉外に取り出して急速冷却し、ガラス固化体を作製した。これを10℃/分の速度で1150℃まで加熱し、ただちに炉外に取り出して放冷した。
【0056】
いずれの試料もこの熱処理により結晶化し、ガラス試料での透明で薄い緑色から白色不透明に変化した。これらの結晶化物中の構成相をXRDにより調べたところ、ワラストナイト(β−CaSiO3 )とアノーサイト(CaAl2 Si2 8 )が生成していた。キラ中のAl2 3 成分が多いものほどアノーサイトの割合が増え、ワラストナイトの割合が減少する傾向を示した。
【0057】
[実施例1]
ガラスを粉砕して得たガラス粉末を圧力成形した成形体から作製した結晶化物について説明する。上記の方法でキラCを1400℃で溶融後、白金るつぼごと水中に投下し急速冷却して、ガラスを得た。これを乳鉢で解砕して、100メッシュアンダーの分をガラス粉末とした。このガラス粉末約1gを直径10mmの金型に入れ、98MPaの圧力で一軸プレス成形した。この成形体を所定の温度にセットされた電気炉中に入れて、所定の時間熱処理した後、炉から取り出して冷却した。
結晶化物中のCaOの含有量は、25質量%である。
【0058】
各熱処理試料に対してXRDで生成結晶相について調べた結果を表3に示す。950℃以上の広い温度、時間の範囲にわたってワラストナイトが結晶化することが分かる。一方、熱処理温度を1150℃以上にすると、ワラストナイトは徐々にシュードワラストナイトに相転移する。また、熱処理時間を長くするとアノーサイトが結晶化することも分かる。
【0059】
【表3】
Figure 2004107183
【0060】
ここで得られた結晶化物は、白色で非常になめらかな表面をしており、きれいな光沢感がある。また、熱処理温度を高くするか熱処理時間を長くすると、残留するガラスの粘性流動により、試料形状は半球状に変形する。表3のうち太線で囲まれた範囲の条件で作製した結晶化物は、美しい形態と光沢感のある外観から、装飾品としての用途に好ましいものであった。
【0061】
熱処理温度は、1000〜1200℃の範囲内にあることが好ましい。熱処理時間は2〜240分の範囲内にあることが好ましい。
【0062】
[実施例2]
機械的性質を測定するために、実施例1と同様の条件でガラス粉末を作製した。これを粉砕、整粒して48メッシュ以下の粒径のガラス粉末とし。金型成形して成形体を作製した。これを熱処理温度1000℃、熱処理時間2、4時間処理してそれぞれの結晶化物を作製した。
【0063】
実施例2で作製した結晶化物の機械的性質について説明する。
4点曲げ強度の測定に使用した装置は、島津製作所株式会社製万能試験機AUTOGRAPH DCS−RIOTSであり、測定条件はJIS規格R1601(ファインセラミックスの曲げ強さ試験方法)に準拠して行った。なお、測定には熱処理して作製した結晶化物試料の表面を研磨することなくそのまま用いた。
試料サイズ         40mm×5mm×4mm
上部スパン距離       10mm
下部スパン距離       30mm
クロスヘッド速度      0.5mm/分
【0064】
つぎに、試料のビッカース硬さの測定法について説明する。
ビッカース硬さの測定に使用した装置は、松沢精機株式会社製MHT2であり、測定条件はJIS規格R1610(ファインセラミックスのビッカース硬さ試験方法)に準拠して行った。
試験荷重        9.8N
負荷時間        15秒
【0065】
実施例2により調製した各試料の4点曲げ強度とビッカース硬さは表4の通りとなった。
【0066】
【表4】
Figure 2004107183
【0067】
4点曲げ強度は、80.0〜86.2MPaの範囲にあった。市販の建材が52MPa、大理石が17MPa、花崗岩が15MPaであるのに対して、本発明の結晶化物は高い値を示している。この結晶化物は建材への用途を提供することができる。
【0068】
本発明の、粘土またはけい砂の精製残査を主な原料とする結晶化物は、上述の実施例1〜2で作製したものに限定されるものではないことはもちろんである。
【0069】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
粘土またはけい砂の精製残査を原料とする結晶化物とすることにより、または、粘土またはけい砂の精製残査と組成調整物を混合し、これを溶融する工程、溶融物を冷却し、冷却物を粉砕する工程、粉砕物単独のもの、または粉砕物に着色材、充填材、気孔形成材を混合したものを、集積またはプレス成形する工程、集積体または成形体を熱処理して、結晶化物とする工程を含む、結晶化物の製造方法を採用することにより、光沢感があり優れた機械的性質を有する結晶化物を得ることができる。

Claims (13)

  1. 粘土またはけい砂の精製残査を原料とする結晶化物。
  2. 請求項1の精製残査は、SiO2 を60〜85質量%、Al2 3 を10〜30質量%含む。
  3. 請求項1の結晶化物は、5〜35質量%の組成調整物を含む。
  4. 請求項3の組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含む。
  5. 請求項3の組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含み、石灰石、ドロマイト、マグネサイト、長石、さば、スポデューメン、またはホウ砂の天然原料、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、または酸化ホウ素の試薬の他、石炭灰、製鉄スラグ、焼却灰、または石材加工屑の廃棄物の、群から選ばれる単独または混合物を含む。
  6. 請求項3の組成調整物は、結晶化物に色や模様を付けるための遷移金属成分を含む。
  7. 請求項1の結晶化物は、充填材または気孔形成材としての粉末を原料の一部とする。
  8. 以下の工程を含む、結晶化物の製造方法。
    (イ)粘土またはけい砂の精製残査と組成調整物を混合し、これを溶融する工程(ロ)溶融物を冷却し、冷却物を粉砕する工程
    (ハ)粉砕物単独のもの、または粉砕物に着色材、充填材、気孔形成材を混合したものを、集積またはプレス成形する工程
    (ニ)集積体または成形体を熱処理して、結晶化物とする工程
  9. 請求項8の精製残査は、SiO2 を60〜85質量%、Al2 3 を10〜30質量%含む。
  10. 請求項8の結晶化物は、5〜35質量%の組成調整物を含む。
  11. 請求項8の組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含む。
  12. 請求項8の組成調整物は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはホウ素を成分として含み、石灰石、ドロマイト、マグネサイト、長石、さば、スポデューメン、またはホウ砂の天然原料、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、または酸化ホウ素の試薬の他、石炭灰、製鉄スラグ、焼却灰、または石材加工屑の廃棄物の、群から選ばれる単独または混合物を含む。
  13. 請求項8の組成調整物は、結晶化物に色や模様を付けるための遷移金属成分を含む。
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