JP2004105033A - 喫煙用具 - Google Patents
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Abstract
【課題】禁煙場所でも喫煙が可能であると共に、副流煙および喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができ、他人に火傷等を負わせることのない喫煙用具を提供する。
【解決手段】この喫煙用具1は、中空状の筐体の背面に設けられた鼻孔および口を覆うことができるマスク部5と、マスク部5の近傍に設けられた煙草支持部3と、筐体の天面の一部に設けられ、フィルタ61およびこのフィルタ61によって浄化された煙が排出される排出口63を有する排煙部6と、マスク部5および煙草支持部3から排出される煙草の煙を外部に漏れないようにして排煙部6に導く案内空間部9と、を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】この喫煙用具1は、中空状の筐体の背面に設けられた鼻孔および口を覆うことができるマスク部5と、マスク部5の近傍に設けられた煙草支持部3と、筐体の天面の一部に設けられ、フィルタ61およびこのフィルタ61によって浄化された煙が排出される排出口63を有する排煙部6と、マスク部5および煙草支持部3から排出される煙草の煙を外部に漏れないようにして排煙部6に導く案内空間部9と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、喫煙用具に関する。特に、喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができると共に、他人に火傷を負わせることのない喫煙用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日の企業または鉄道等の公共機関においては、非喫煙者の健康面等を考慮して、一定の時間帯または一部の区画を除き、喫煙を禁止しているところが殆どである。さらに、一部の行政区では、条例にて罰則を設けて、歩きながらの喫煙を規制することも審議されている。このような社会事情に鑑み、喫煙時に煙草から発生する煙を除去する発煙除去具も発明されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−276147号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、喫煙時に発生する煙は、煙草自体から発せられる煙だけでなく、喫煙者から吐出される煙もある。上述の特開平11−276147号公報に記載の発明は、煙草の先端をフィルタ材で覆うのみの構成であるため、喫煙者から吐出される煙の周囲への拡散を防止することができない。このため、禁煙場所において、この発明の装置を利用しての喫煙は許可されない。
【0005】
また、歩きながらの喫煙に対する規制もまだ実施されておらず、歩きながら喫煙する者が依然として多いため、火傷の事故も頻発している。さらには、フィルタ材から煙草の火の熱が外部に放出されるため、喫煙者自体による火傷を完全に防止することはできない。
【0006】
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、禁煙場所でも喫煙を可能にできると共に、喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができ、他人に火傷を負わせることのない喫煙用具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の喫煙用具は、中空状の筐体の背面に設けられ、開口面積を拡げたり縮めたりすることで鼻孔および口を覆うことができるマスク部と、マスク部の近傍に設けられた紙巻き煙草を支持する煙草支持部と、筐体の天面の一部に設けられ、煙を浄化するフィルタおよびこのフィルタを通過した煙を排出する切欠からなる排出口を有する排煙部と、マスク部および煙草支持部から排出される煙草の煙を外部に漏れないようにして排煙部に導く案内空間部とを備えて構成されている。
【0008】
この喫煙用具を使用しても煙草を吸っている痕跡、煙草の悪影響が発生しない。このため、喫煙者は、禁煙場所でも喫煙することができる。また、副流煙および喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができると共に、他人に火傷を負わせることがない。
【0009】
さらに、他の発明は、上述の発明の加え、マスク部は、筐体の左右側面にそれぞれ連設された一対の第1板状体と、筐体の天面に連設された第2板状体と、第1板状体の上端部および第2板状体の両端部を接続する2つの伸縮部材から構成されている。
【0010】
これにより、喫煙者の鼻や口の輪郭に沿ってマスク部がそれらの部位を覆うため、喫煙中の煙が、外部に漏れることがない。しかも、簡単な構成であるため、マスク部の製作が容易となる。
【0011】
また、他の発明は、上述の各発明に加え、一対の第1板状体の一方の側面に左右に可動な棒材を設け、他方の側面に棒材を挿入するための枠材を設けている。
【0012】
これにより、喫煙者は、喫煙用具を使用しない場合に、マスク部を閉じることができるため、常に清潔な状態で喫煙用具を使用することができる。
【0013】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加え、着脱自在の点火部材を備えている。
【0014】
これにより、喫煙者は、点火部材を任意に交換することができるため、喫煙用具を永く使用することができる。また、点火部材を喫煙用具とは別個に持ち歩く必要がなくなり、喫煙用具が使い易いものとなる。
【0015】
また、他の発明は、上述の各発明の加え、フィルタの上方に内部の煙を吸収し、外部に放出するためのファンが設けられている。
【0016】
これにより、フィルタで浄化された煙が効率よく外部に排出されるため、周囲の他人に迷惑をかけることがない。
【0017】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加え、筐体内部の底面に煙草の灰や吸殻を受ける灰受部が設けられている。
【0018】
これにより、喫煙者は、周囲を汚すことなく、喫煙することができる。また、喫煙者は、煙草の灰や吸殻の捨先を憂慮することなく喫煙できるため、喫煙しやすいものとなる。
【0019】
また、他の発明は、上述の各発明に加え、灰受部の底面に消火効果を有する液体を含ませた吸収体が設けられている。
【0020】
これにより、喫煙者は、煙草および灰が確実に消火されることになるため、火災等の事故の心配がない。また、液体としては、水またはゼラチン状の物体等が採用され、吸収体としては、スポンジ、脱脂綿等が採用される。
【0021】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加え、外底面に折りたたみ可能な支持脚部材が設けられている。
【0022】
これにより、喫煙を中断する場合、喫煙者は、喫煙用具を立てた状態で、保管することができる。このため、火が点けられたままの煙草が安全な状態で保持されることとなる。
【0023】
また、他の発明は、上述の各発明に加え、消火効果を有する液体が注入されたスポイトを保持するスポイト収納部を設けている。
【0024】
これにより、喫煙者は、より確実に煙草および灰を消火することができるため、火災等の事故の心配がない。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の喫煙用具の実施の形態について、図1から図7に基づいて説明する。
【0026】
本実施の形態の喫煙用具1は、図1に示すように、煙草に火をつけるための点火部2と、煙草を固定するための煙草支持部3と、点火部2で発生した火および熱を煙草の先端に導くための筒状体4と、喫煙者が鼻および口を収めるためのマスク部5と、煙草から出る煙(副流煙)および喫煙者の吐出する煙を外部に放出するための排煙部6と、煙草の灰および吸殻を落とすための灰受部7と、喫煙用具1を机等の上に載置するための支持脚部8と、マスク部5および煙草支持部3で排出される煙を外部に漏れないようにして排煙部6に導く案内空間部9と、から構成されている。
【0027】
点火部2は、図1および図2に示すように、火を起こすためのライター21と、ライター21を収納するためのライター載置部22と、ライター21をライター載置部22から出し入れするための扉23と、扉23の正面に設けられ、煙草の吸殻の火を消すためのスポイト24を収納するスポイト収納部25から構成されている。
【0028】
また、扉23は、図2に示すように、向かって正面に開く構造を採用している。さらに、ライター載置部22は、ライター21の着火口が、筒状体4の下穴部分4aの直下に位置するように設計されている。これにより、ライター21にて発生した火および熱は、筒状体4の下穴部分4aから案内空間部9に入り込み、煙草の先端に無駄なく供給される。
【0029】
また、スポイト24は、常時、内部に消火効果を有する水を含ませ、その先端にキャップ(図示省略)を着けることにより、何時でも使用し得る状態にしておく。さらに、スポイト収納部25の位置は、喫煙者の利便性を阻害するものでなければ、喫煙用具1の任意の位置に設けることができる。また、消火効果を有する液体としては、水ではなく、液状の消化剤やお茶等の飲料を採用しても良い。
【0030】
なお、本実施の形態では、ライター21として、交換可能な市販のライター(燃料は、ガスまたはオイルのどちらでも良い)を採用している。しかし、点火機能を有するものであれば、市販のライター21を採用することなく、喫煙用具1自体に点火機能を設け、点火部材としてもよい。この場合の点火部材は、点火部分に継続的に燃料の供給をすることができるものが好ましい。
【0031】
煙草支持部3は、図1および図3に示すように、喫煙用具1本体内部、すなわち案内空間部9内であってマスク部5に面して配置されている。また、煙草支持部3は、図3に示すように、筒状体4の上穴部分4bと対向する位置に設けられている。
【0032】
また、本実施の形態では、図4に示すように、高さ方向位置W(上方に広げた状態の第2板状体52の裏面から煙草支持部3の円筒の中心までの距離)は、約5.5cmに設計されている。これは、日本人の顔の形を基にした種々の実験により求めたものであり、高さ方向位置Wは、4.5〜6.5cmであることが好ましい。これにより、喫煙者が日本人である場合、その鼻および口を完全に覆うことができるため、喫煙者が吐出する煙を外部に排出することがない。また、喫煙者がアングロサクソン系の人の場合、高さ方向位置は、上述の値より大きくなる。
【0033】
なお、本実施の形態の喫煙用具1では、好適な例として円筒状の煙草支持部3を示したが、煙草を支持することができれば、形状等は、特に限定されない。他の形状として、断面半円形状のものの開口部を上側にして設置したもの、またはY字形状のものを採用し、半円形の開口部やY字形状の上方に煙草を置いたり、煙草を挟み込んだりするようにしても良い。また、特に形状に拘ることなく、煙草を挟持することができる機能を有するものでもよい。
【0034】
筒状体4は、断面直角形状の筒状体であり、上述のように上穴部分4bは、煙草支持部3と対向する位置に設計されている。また、筒状体4の下穴部分4aは、外部に露出し、ライター21の着火口の真上に位置するように設計されている(図1および図2参照)。さらに、図3に示した煙草支持部3の先端から筒状体4の上穴部分4bの端面までの距離Lは、4.5cmに設計されている。これにより、通常の紙巻き煙草の先端からフィルタまでの長さ(5.0〜5.5cm)に十分に対応することができる。
【0035】
なお、本実施の形態の喫煙用具1では、ライター21として交換可能なライターを使用しているため、直角形状の筒状体を採用した。しかし、筒状体4の形状は、本実施の形態の喫煙用具1にて採用した形状に限定されるものではない。ライター21等の点火部材にて発生した火および熱を紙巻き煙草の先端に無駄なく供給することができると共に、煙草のフィルタ近傍まで吸うことができる構造であれば、点火部材の大きさ、または点火部材を設ける位置によって、筒状体4の形状や設置位置を変更することができる。また、筒状体4の上穴部分4bの位置は、煙草に点火し易いという条件を満足することができれば、煙草支持部3に対して、下方でもよい。
【0036】
マスク部5は、喫煙者の頬の部分と接する可動な2つの第1板状体部51a,51bからなる第1板状体51と、喫煙者の鼻筋の中程近傍の部分と接する可動な第2板状体52と、第1板状体部51a,51bの上端部分と第2板状体52の両端部分を連結する伸縮部材53a,53bからなる伸縮部53と、喫煙用具1を使用しない場合に、マスク部5の開口部分(第1板状体51、第2板状体52、および伸縮部材53から構成される)を閉鎖するための閉止部材54a,54bからなる閉止部54から構成されている。
【0037】
伸縮部材53a,53bは、喫煙者各々の鼻の形状や、鼻下から口元までの距離に対応させるため、拡げたり、縮めたりすることができる蛇腹形状に加工されている。図6に示すように、この蛇腹形状は、根元側を支点として、開口側が大きく拡がるようなものとされている。すなわち、扇子状に拡がるような構造が採用されている。これにより、喫煙者の鼻孔および口を完全に覆うことができるため、喫煙者から吐出される煙が、周囲に漏れない。
【0038】
なお、本実施の形態の伸縮部53は、好適な形状として、蛇腹形状の加工を施したが、伸縮可能な素材を採用してもよい。この場合、材質としては、ゴム等の弾性部材、もしくは屈折自在な形状記憶材、可塑性を有する樹脂材等を採用することができる。また、拡げたり、縮んだりするための構造としてバネ、形状記憶金属材、または鎖状の連結部材を採用することができる。
【0039】
また、マスク部5から外部に煙草の煙が漏れない構造であれば、他の構造を採用しても良い。他の構造としては、防塵マスク、または酸素吸入マスク等に使用されている椀形状のものを採用しても良い。
【0040】
なお、喫煙用具1を喫煙中に机の上等に載置する場合、または喫煙用具を使用しない場合、喫煙者は、図5に示すように、第2板状体52を内側に折込み、第1板状体部51a,51bを各々閉じた後に、閉止部材54aを第1板状体部51bの閉止部材54bの空隙に差し込むことにより、マスク部5を閉じる。これにより煙草に火を点けたまま喫煙用具1を机等に載置しても煙草等の煙がマスク部5から外部に漏れることがない。また、喫煙者は、常に清潔な状態で、喫煙用具1を使用することができる。
【0041】
排煙部6は、副流煙および喫煙者の吐出する煙の中の有害物質を付着させるためのフィルタ61と、副流煙および喫煙者の吐出する煙を吸収すると共に、清浄化された煙を外部に排出するためのファン62と、清浄化された煙を排出するための排出口63と、ファン62を稼動する電力を供給するための乾電池64と、ファン62を稼動するためのモータ65と、乾電池64を出し入れするための蓋66と、モータ65を制御するためのスイッチ(図示省略)から構成される。
【0042】
また、本実施の形態のフィルタ61は、活性炭フィルタを採用しているが、煙草の種類や、喫煙者の嗜好に合せて、他のフィルタを採用することができる。この場合、ファイバーフィルタ、またはセラミックフィルタ等の各種フィルタを採用することができる。
【0043】
さらに、本実施の形態において、フィルタ61は、喫煙用具1本体に固定されているが、本体正面(図1の右方)に出し入れ用のスリットを設けることにより、交換可能な構造を採用することもできる。
【0044】
また、本実施の形態の喫煙用具1では、電力供給源として、乾電池64を採用しているが、蓄電池またはシリコン光電池等を採用しても良い。
【0045】
さらに、本実施の形態の喫煙用具1では、ファン62をフィルタ61の上方に設けているが、排出前の煙を清浄化した後に、外部に排出することができるものであれば、他の構造を採用しても良い。この場合、フィルタ61の下方(本体内部)に設ける構造を採用することもできる。
【0046】
灰受部7は、煙草支持部3と筒状体4の間の空隙の下方に設けられ、通常の机の引出しと同様な形状とされている。図1においては、理解を容易にするため、灰受部7の一部を背面側に引出した状態を示しているが、全ての部分を収納した場合、灰受部7の奥側は、図1の一点鎖線の位置に収納される。
【0047】
また、灰受部7を形成する筐体の底部に消火のための吸収体となるスポンジ71が設けられている。スポンジ71の素材は、水等の消火効果のある消火剤を含むことができる多孔性で吸水性に富む素材であることが好ましい。この場合の素材としては、ズポンジ等の海綿状のもの、脱脂綿状のもの、またはポリウレタン等の繊維状のものが好適である。スポンジ71の吸収体に消化剤を含ませることで、上述のスポイト24の中の水による消火と相俟って、確実に吸殻および灰の消火をすることができる。
【0048】
なお、本実施の形態の灰受部7は、喫煙者側に引出す構造のものを採用したが、他の構造であってもよい。他の構造としては、左右の一方、または左右どちらからでも引出し可能な構造を採用することができる。
【0049】
支持脚部8は、喫煙中で、かつ喫煙のあいまに喫煙用具1を立てておくためのものであり、2つの支持脚部材8a,8bを有して構成されている。また、支持脚部材8a,8bの上端を回動自在に軸支する構造を採用している。これにより、喫煙者が喫煙用具1を把持しながら喫煙をする場合や、支持脚部材8a,8bが邪魔になる場合に、図1に示すように支持脚部材8a,8bを折りたたむことができるため、持ち運びや喫煙に支障をきたすことがない。なお、会議等で喫煙する場合は、支持脚部材8a,8bを引き出し、図4または図5の状態にして使用することが好ましい。
【0050】
案内空間部9は、マスク部5からフィルタ61の下方に通じる空間である。この案内空間部9は、マスク部5へ排出される喫煙者からの煙や煙草支持部3に保持されている煙草から排出される煙をフィルタ61側へ移動させるための空間でもある。さらに、この案内空間部9は、排煙部6および灰受部7によって、上下が囲まれ、筐体によって左右両側面が囲まれ、点火部2によって前方が塞がれた空間である。そして、この案内空間部9内に煙草支持部3が配置されている。
【0051】
次に、本実施の形態の喫煙用具1の喫煙方法について、図7を基に説明する。図7は、本発明の喫煙用具1を使用する状態を示す図である。
【0052】
最初に、喫煙者は、マスク部5を開く。このとき、支持脚部8は、折りたたまれた状態でも、取り出された状態(立てることが可能な状態)でも良い。その後、喫煙者は、煙草支持部3に紙巻き煙草を挿入することにより、煙草を固定する。次に、喫煙者は、第1板状体51、第2板状体52および伸縮部53が、喫煙者の顔面と隙間無く接するように喫煙用具1を保持する。具体的には、第1板状体51が喫煙者の鼻梁近傍から口元にかけての頬の部分に、第2板状体52が鼻筋の中程に、伸縮部53が鼻梁または鼻孔近傍に、隙間無く接するように喫煙用具1を把持する。最後に、ライター21にて点火を行い、煙草に着火後に喫煙を楽しむこととなる。
【0053】
なお、喫煙者は、副流煙等を外部に放出しないようにするため、第1板状体51、第2板状体52および伸縮部53を喫煙者の顔面と隙間無く接するように喫煙用具1を把持した状態で喫煙をする必要がある。
【0054】
また、煙草に火がついた状態で喫煙を中断したい場合、まず最初に、マスク部5を閉じる。その後、喫煙者は、支持脚部材8a,8bが取り出されていない場合は、支持脚部材8a,8bを前方向に回動させ、垂直状態とした後に、喫煙用具1を机等の上に載置する。これにより、喫煙者は、煙草の煙が外部に漏れる心配、火災の心配、または他人に火傷を負わせる心配をすることなく、喫煙を中断することができる。
【0055】
喫煙を終了したい場合、喫煙者は、マスク部5の第1板状体51、第2板状体52、および伸縮部53からなる空間から案内空間部9に向けて、スポイト24の先端を挿入し、案内空間部9内の煙草の火を消す。そして、煙草を正面側に押し出すことにより、灰受部7に吸殻を落とすこととなる。なお、吸殻は、灰受部7の吸収体に含ませた消火効果を有する液体によって、完全に消火される。これにより、喫煙者は、喫煙を終了する。このようにして、喫煙者は、安全に喫煙を繰り返すことができる。
【0056】
また、歩行中に喫煙用具1を使用する場合、喫煙者は、上述のように顔面に第1板状体51、第2板状体52および伸縮部53を密接させた状態で、ライター載置部22、または本体下方の左右側面近傍を把持して喫煙を行う。さらに、煙草に火を点けた状態で喫煙を中断する場合、マスク部5を閉じても良いが、歩行場所が禁煙場所でない場合は、マスク部5は開いたままとする。なお、煙草の火は、喫煙用具1内、すなわち案内空間部9に保持され、外部と遮断されているため、他の歩行者に煙草の火が接触する危険性はない。これにより、喫煙者は、他人に火傷を負わせる心配をすることなく、喫煙を楽しむことができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態では、発明の好適な例を示したが、本発明の要旨を逸脱するものでなければ、種々の変更も可能である。たとえば、図8に示すように、排煙部6の駆動部分を着脱自在な構造に変更しても良い。なお、上述の実施の形態にて示した構成と同様な部材等は、理解を容易にするため、同じ番号を付すこととする。
【0058】
図8に示した喫煙用具1は、ファン62、乾電池64およびモータ65を一体のものとし、これらを本体から着脱自在な構造を採用している。具体的には、蓋66およびスイッチ(図示省略)を有する筐体67内に乾電池64およびモータ65を配置すると共に、筐体67の正面にファン62を突出させて設ける。そして、筐体67を本体天面に設けられた枠に嵌め込むことにより使用する。これにより、喫煙者は、駆動部分に不具合が発生した場合、または駆動部分に寿命がきた(耐用年数が尽きた)場合、この駆動部分を交換するのみで、喫煙用具1を継続使用することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、禁煙場所でも他人に迷惑をかけることなく喫煙することができる。また、副流煙および喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができる。さらに、他人に火傷を負わせることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の喫煙用具の点火部を示す部分拡大斜視図である。
【図3】図1の上方部分を上下方向平面で切断した図で、図4のA−A線に切った状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す背面図であり、マスク部の板状体をわずかに開いた状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す背面図であり、マスク部の板状体を閉じた状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す背面図であり、マスク部の板状体を喫煙することができる状態に開いた状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の喫煙用具を使用する状態を示す図である。
【図8】本発明の排煙部の駆動部分を着脱自在な構造に変更した例を示す図である。
【符号の説明】
1 喫煙用具
2 点火部
3 煙草支持部
4 筒状体
5 マスク部
6 排煙部
7 灰受部
8 支持脚部
9 案内空間部
21 ライター
22 ライター載置部
23 扉
24 スポイト
25 スポイト収納部
51 第1板状体
52 第2板状体
53 伸縮部
54 閉止部
61 フィルタ
62 ファン
63 排出口(切欠)
64 乾電池
65 モータ
66 蓋
67 筐体
71 スポンジ(吸収体)
【発明の属する技術分野】
本発明は、喫煙用具に関する。特に、喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができると共に、他人に火傷を負わせることのない喫煙用具に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日の企業または鉄道等の公共機関においては、非喫煙者の健康面等を考慮して、一定の時間帯または一部の区画を除き、喫煙を禁止しているところが殆どである。さらに、一部の行政区では、条例にて罰則を設けて、歩きながらの喫煙を規制することも審議されている。このような社会事情に鑑み、喫煙時に煙草から発生する煙を除去する発煙除去具も発明されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−276147号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、喫煙時に発生する煙は、煙草自体から発せられる煙だけでなく、喫煙者から吐出される煙もある。上述の特開平11−276147号公報に記載の発明は、煙草の先端をフィルタ材で覆うのみの構成であるため、喫煙者から吐出される煙の周囲への拡散を防止することができない。このため、禁煙場所において、この発明の装置を利用しての喫煙は許可されない。
【0005】
また、歩きながらの喫煙に対する規制もまだ実施されておらず、歩きながら喫煙する者が依然として多いため、火傷の事故も頻発している。さらには、フィルタ材から煙草の火の熱が外部に放出されるため、喫煙者自体による火傷を完全に防止することはできない。
【0006】
本発明は、上記の事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、禁煙場所でも喫煙を可能にできると共に、喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができ、他人に火傷を負わせることのない喫煙用具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明の喫煙用具は、中空状の筐体の背面に設けられ、開口面積を拡げたり縮めたりすることで鼻孔および口を覆うことができるマスク部と、マスク部の近傍に設けられた紙巻き煙草を支持する煙草支持部と、筐体の天面の一部に設けられ、煙を浄化するフィルタおよびこのフィルタを通過した煙を排出する切欠からなる排出口を有する排煙部と、マスク部および煙草支持部から排出される煙草の煙を外部に漏れないようにして排煙部に導く案内空間部とを備えて構成されている。
【0008】
この喫煙用具を使用しても煙草を吸っている痕跡、煙草の悪影響が発生しない。このため、喫煙者は、禁煙場所でも喫煙することができる。また、副流煙および喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができると共に、他人に火傷を負わせることがない。
【0009】
さらに、他の発明は、上述の発明の加え、マスク部は、筐体の左右側面にそれぞれ連設された一対の第1板状体と、筐体の天面に連設された第2板状体と、第1板状体の上端部および第2板状体の両端部を接続する2つの伸縮部材から構成されている。
【0010】
これにより、喫煙者の鼻や口の輪郭に沿ってマスク部がそれらの部位を覆うため、喫煙中の煙が、外部に漏れることがない。しかも、簡単な構成であるため、マスク部の製作が容易となる。
【0011】
また、他の発明は、上述の各発明に加え、一対の第1板状体の一方の側面に左右に可動な棒材を設け、他方の側面に棒材を挿入するための枠材を設けている。
【0012】
これにより、喫煙者は、喫煙用具を使用しない場合に、マスク部を閉じることができるため、常に清潔な状態で喫煙用具を使用することができる。
【0013】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加え、着脱自在の点火部材を備えている。
【0014】
これにより、喫煙者は、点火部材を任意に交換することができるため、喫煙用具を永く使用することができる。また、点火部材を喫煙用具とは別個に持ち歩く必要がなくなり、喫煙用具が使い易いものとなる。
【0015】
また、他の発明は、上述の各発明の加え、フィルタの上方に内部の煙を吸収し、外部に放出するためのファンが設けられている。
【0016】
これにより、フィルタで浄化された煙が効率よく外部に排出されるため、周囲の他人に迷惑をかけることがない。
【0017】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加え、筐体内部の底面に煙草の灰や吸殻を受ける灰受部が設けられている。
【0018】
これにより、喫煙者は、周囲を汚すことなく、喫煙することができる。また、喫煙者は、煙草の灰や吸殻の捨先を憂慮することなく喫煙できるため、喫煙しやすいものとなる。
【0019】
また、他の発明は、上述の各発明に加え、灰受部の底面に消火効果を有する液体を含ませた吸収体が設けられている。
【0020】
これにより、喫煙者は、煙草および灰が確実に消火されることになるため、火災等の事故の心配がない。また、液体としては、水またはゼラチン状の物体等が採用され、吸収体としては、スポンジ、脱脂綿等が採用される。
【0021】
さらに、他の発明は、上述の各発明に加え、外底面に折りたたみ可能な支持脚部材が設けられている。
【0022】
これにより、喫煙を中断する場合、喫煙者は、喫煙用具を立てた状態で、保管することができる。このため、火が点けられたままの煙草が安全な状態で保持されることとなる。
【0023】
また、他の発明は、上述の各発明に加え、消火効果を有する液体が注入されたスポイトを保持するスポイト収納部を設けている。
【0024】
これにより、喫煙者は、より確実に煙草および灰を消火することができるため、火災等の事故の心配がない。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の喫煙用具の実施の形態について、図1から図7に基づいて説明する。
【0026】
本実施の形態の喫煙用具1は、図1に示すように、煙草に火をつけるための点火部2と、煙草を固定するための煙草支持部3と、点火部2で発生した火および熱を煙草の先端に導くための筒状体4と、喫煙者が鼻および口を収めるためのマスク部5と、煙草から出る煙(副流煙)および喫煙者の吐出する煙を外部に放出するための排煙部6と、煙草の灰および吸殻を落とすための灰受部7と、喫煙用具1を机等の上に載置するための支持脚部8と、マスク部5および煙草支持部3で排出される煙を外部に漏れないようにして排煙部6に導く案内空間部9と、から構成されている。
【0027】
点火部2は、図1および図2に示すように、火を起こすためのライター21と、ライター21を収納するためのライター載置部22と、ライター21をライター載置部22から出し入れするための扉23と、扉23の正面に設けられ、煙草の吸殻の火を消すためのスポイト24を収納するスポイト収納部25から構成されている。
【0028】
また、扉23は、図2に示すように、向かって正面に開く構造を採用している。さらに、ライター載置部22は、ライター21の着火口が、筒状体4の下穴部分4aの直下に位置するように設計されている。これにより、ライター21にて発生した火および熱は、筒状体4の下穴部分4aから案内空間部9に入り込み、煙草の先端に無駄なく供給される。
【0029】
また、スポイト24は、常時、内部に消火効果を有する水を含ませ、その先端にキャップ(図示省略)を着けることにより、何時でも使用し得る状態にしておく。さらに、スポイト収納部25の位置は、喫煙者の利便性を阻害するものでなければ、喫煙用具1の任意の位置に設けることができる。また、消火効果を有する液体としては、水ではなく、液状の消化剤やお茶等の飲料を採用しても良い。
【0030】
なお、本実施の形態では、ライター21として、交換可能な市販のライター(燃料は、ガスまたはオイルのどちらでも良い)を採用している。しかし、点火機能を有するものであれば、市販のライター21を採用することなく、喫煙用具1自体に点火機能を設け、点火部材としてもよい。この場合の点火部材は、点火部分に継続的に燃料の供給をすることができるものが好ましい。
【0031】
煙草支持部3は、図1および図3に示すように、喫煙用具1本体内部、すなわち案内空間部9内であってマスク部5に面して配置されている。また、煙草支持部3は、図3に示すように、筒状体4の上穴部分4bと対向する位置に設けられている。
【0032】
また、本実施の形態では、図4に示すように、高さ方向位置W(上方に広げた状態の第2板状体52の裏面から煙草支持部3の円筒の中心までの距離)は、約5.5cmに設計されている。これは、日本人の顔の形を基にした種々の実験により求めたものであり、高さ方向位置Wは、4.5〜6.5cmであることが好ましい。これにより、喫煙者が日本人である場合、その鼻および口を完全に覆うことができるため、喫煙者が吐出する煙を外部に排出することがない。また、喫煙者がアングロサクソン系の人の場合、高さ方向位置は、上述の値より大きくなる。
【0033】
なお、本実施の形態の喫煙用具1では、好適な例として円筒状の煙草支持部3を示したが、煙草を支持することができれば、形状等は、特に限定されない。他の形状として、断面半円形状のものの開口部を上側にして設置したもの、またはY字形状のものを採用し、半円形の開口部やY字形状の上方に煙草を置いたり、煙草を挟み込んだりするようにしても良い。また、特に形状に拘ることなく、煙草を挟持することができる機能を有するものでもよい。
【0034】
筒状体4は、断面直角形状の筒状体であり、上述のように上穴部分4bは、煙草支持部3と対向する位置に設計されている。また、筒状体4の下穴部分4aは、外部に露出し、ライター21の着火口の真上に位置するように設計されている(図1および図2参照)。さらに、図3に示した煙草支持部3の先端から筒状体4の上穴部分4bの端面までの距離Lは、4.5cmに設計されている。これにより、通常の紙巻き煙草の先端からフィルタまでの長さ(5.0〜5.5cm)に十分に対応することができる。
【0035】
なお、本実施の形態の喫煙用具1では、ライター21として交換可能なライターを使用しているため、直角形状の筒状体を採用した。しかし、筒状体4の形状は、本実施の形態の喫煙用具1にて採用した形状に限定されるものではない。ライター21等の点火部材にて発生した火および熱を紙巻き煙草の先端に無駄なく供給することができると共に、煙草のフィルタ近傍まで吸うことができる構造であれば、点火部材の大きさ、または点火部材を設ける位置によって、筒状体4の形状や設置位置を変更することができる。また、筒状体4の上穴部分4bの位置は、煙草に点火し易いという条件を満足することができれば、煙草支持部3に対して、下方でもよい。
【0036】
マスク部5は、喫煙者の頬の部分と接する可動な2つの第1板状体部51a,51bからなる第1板状体51と、喫煙者の鼻筋の中程近傍の部分と接する可動な第2板状体52と、第1板状体部51a,51bの上端部分と第2板状体52の両端部分を連結する伸縮部材53a,53bからなる伸縮部53と、喫煙用具1を使用しない場合に、マスク部5の開口部分(第1板状体51、第2板状体52、および伸縮部材53から構成される)を閉鎖するための閉止部材54a,54bからなる閉止部54から構成されている。
【0037】
伸縮部材53a,53bは、喫煙者各々の鼻の形状や、鼻下から口元までの距離に対応させるため、拡げたり、縮めたりすることができる蛇腹形状に加工されている。図6に示すように、この蛇腹形状は、根元側を支点として、開口側が大きく拡がるようなものとされている。すなわち、扇子状に拡がるような構造が採用されている。これにより、喫煙者の鼻孔および口を完全に覆うことができるため、喫煙者から吐出される煙が、周囲に漏れない。
【0038】
なお、本実施の形態の伸縮部53は、好適な形状として、蛇腹形状の加工を施したが、伸縮可能な素材を採用してもよい。この場合、材質としては、ゴム等の弾性部材、もしくは屈折自在な形状記憶材、可塑性を有する樹脂材等を採用することができる。また、拡げたり、縮んだりするための構造としてバネ、形状記憶金属材、または鎖状の連結部材を採用することができる。
【0039】
また、マスク部5から外部に煙草の煙が漏れない構造であれば、他の構造を採用しても良い。他の構造としては、防塵マスク、または酸素吸入マスク等に使用されている椀形状のものを採用しても良い。
【0040】
なお、喫煙用具1を喫煙中に机の上等に載置する場合、または喫煙用具を使用しない場合、喫煙者は、図5に示すように、第2板状体52を内側に折込み、第1板状体部51a,51bを各々閉じた後に、閉止部材54aを第1板状体部51bの閉止部材54bの空隙に差し込むことにより、マスク部5を閉じる。これにより煙草に火を点けたまま喫煙用具1を机等に載置しても煙草等の煙がマスク部5から外部に漏れることがない。また、喫煙者は、常に清潔な状態で、喫煙用具1を使用することができる。
【0041】
排煙部6は、副流煙および喫煙者の吐出する煙の中の有害物質を付着させるためのフィルタ61と、副流煙および喫煙者の吐出する煙を吸収すると共に、清浄化された煙を外部に排出するためのファン62と、清浄化された煙を排出するための排出口63と、ファン62を稼動する電力を供給するための乾電池64と、ファン62を稼動するためのモータ65と、乾電池64を出し入れするための蓋66と、モータ65を制御するためのスイッチ(図示省略)から構成される。
【0042】
また、本実施の形態のフィルタ61は、活性炭フィルタを採用しているが、煙草の種類や、喫煙者の嗜好に合せて、他のフィルタを採用することができる。この場合、ファイバーフィルタ、またはセラミックフィルタ等の各種フィルタを採用することができる。
【0043】
さらに、本実施の形態において、フィルタ61は、喫煙用具1本体に固定されているが、本体正面(図1の右方)に出し入れ用のスリットを設けることにより、交換可能な構造を採用することもできる。
【0044】
また、本実施の形態の喫煙用具1では、電力供給源として、乾電池64を採用しているが、蓄電池またはシリコン光電池等を採用しても良い。
【0045】
さらに、本実施の形態の喫煙用具1では、ファン62をフィルタ61の上方に設けているが、排出前の煙を清浄化した後に、外部に排出することができるものであれば、他の構造を採用しても良い。この場合、フィルタ61の下方(本体内部)に設ける構造を採用することもできる。
【0046】
灰受部7は、煙草支持部3と筒状体4の間の空隙の下方に設けられ、通常の机の引出しと同様な形状とされている。図1においては、理解を容易にするため、灰受部7の一部を背面側に引出した状態を示しているが、全ての部分を収納した場合、灰受部7の奥側は、図1の一点鎖線の位置に収納される。
【0047】
また、灰受部7を形成する筐体の底部に消火のための吸収体となるスポンジ71が設けられている。スポンジ71の素材は、水等の消火効果のある消火剤を含むことができる多孔性で吸水性に富む素材であることが好ましい。この場合の素材としては、ズポンジ等の海綿状のもの、脱脂綿状のもの、またはポリウレタン等の繊維状のものが好適である。スポンジ71の吸収体に消化剤を含ませることで、上述のスポイト24の中の水による消火と相俟って、確実に吸殻および灰の消火をすることができる。
【0048】
なお、本実施の形態の灰受部7は、喫煙者側に引出す構造のものを採用したが、他の構造であってもよい。他の構造としては、左右の一方、または左右どちらからでも引出し可能な構造を採用することができる。
【0049】
支持脚部8は、喫煙中で、かつ喫煙のあいまに喫煙用具1を立てておくためのものであり、2つの支持脚部材8a,8bを有して構成されている。また、支持脚部材8a,8bの上端を回動自在に軸支する構造を採用している。これにより、喫煙者が喫煙用具1を把持しながら喫煙をする場合や、支持脚部材8a,8bが邪魔になる場合に、図1に示すように支持脚部材8a,8bを折りたたむことができるため、持ち運びや喫煙に支障をきたすことがない。なお、会議等で喫煙する場合は、支持脚部材8a,8bを引き出し、図4または図5の状態にして使用することが好ましい。
【0050】
案内空間部9は、マスク部5からフィルタ61の下方に通じる空間である。この案内空間部9は、マスク部5へ排出される喫煙者からの煙や煙草支持部3に保持されている煙草から排出される煙をフィルタ61側へ移動させるための空間でもある。さらに、この案内空間部9は、排煙部6および灰受部7によって、上下が囲まれ、筐体によって左右両側面が囲まれ、点火部2によって前方が塞がれた空間である。そして、この案内空間部9内に煙草支持部3が配置されている。
【0051】
次に、本実施の形態の喫煙用具1の喫煙方法について、図7を基に説明する。図7は、本発明の喫煙用具1を使用する状態を示す図である。
【0052】
最初に、喫煙者は、マスク部5を開く。このとき、支持脚部8は、折りたたまれた状態でも、取り出された状態(立てることが可能な状態)でも良い。その後、喫煙者は、煙草支持部3に紙巻き煙草を挿入することにより、煙草を固定する。次に、喫煙者は、第1板状体51、第2板状体52および伸縮部53が、喫煙者の顔面と隙間無く接するように喫煙用具1を保持する。具体的には、第1板状体51が喫煙者の鼻梁近傍から口元にかけての頬の部分に、第2板状体52が鼻筋の中程に、伸縮部53が鼻梁または鼻孔近傍に、隙間無く接するように喫煙用具1を把持する。最後に、ライター21にて点火を行い、煙草に着火後に喫煙を楽しむこととなる。
【0053】
なお、喫煙者は、副流煙等を外部に放出しないようにするため、第1板状体51、第2板状体52および伸縮部53を喫煙者の顔面と隙間無く接するように喫煙用具1を把持した状態で喫煙をする必要がある。
【0054】
また、煙草に火がついた状態で喫煙を中断したい場合、まず最初に、マスク部5を閉じる。その後、喫煙者は、支持脚部材8a,8bが取り出されていない場合は、支持脚部材8a,8bを前方向に回動させ、垂直状態とした後に、喫煙用具1を机等の上に載置する。これにより、喫煙者は、煙草の煙が外部に漏れる心配、火災の心配、または他人に火傷を負わせる心配をすることなく、喫煙を中断することができる。
【0055】
喫煙を終了したい場合、喫煙者は、マスク部5の第1板状体51、第2板状体52、および伸縮部53からなる空間から案内空間部9に向けて、スポイト24の先端を挿入し、案内空間部9内の煙草の火を消す。そして、煙草を正面側に押し出すことにより、灰受部7に吸殻を落とすこととなる。なお、吸殻は、灰受部7の吸収体に含ませた消火効果を有する液体によって、完全に消火される。これにより、喫煙者は、喫煙を終了する。このようにして、喫煙者は、安全に喫煙を繰り返すことができる。
【0056】
また、歩行中に喫煙用具1を使用する場合、喫煙者は、上述のように顔面に第1板状体51、第2板状体52および伸縮部53を密接させた状態で、ライター載置部22、または本体下方の左右側面近傍を把持して喫煙を行う。さらに、煙草に火を点けた状態で喫煙を中断する場合、マスク部5を閉じても良いが、歩行場所が禁煙場所でない場合は、マスク部5は開いたままとする。なお、煙草の火は、喫煙用具1内、すなわち案内空間部9に保持され、外部と遮断されているため、他の歩行者に煙草の火が接触する危険性はない。これにより、喫煙者は、他人に火傷を負わせる心配をすることなく、喫煙を楽しむことができる。
【0057】
なお、上述した実施の形態では、発明の好適な例を示したが、本発明の要旨を逸脱するものでなければ、種々の変更も可能である。たとえば、図8に示すように、排煙部6の駆動部分を着脱自在な構造に変更しても良い。なお、上述の実施の形態にて示した構成と同様な部材等は、理解を容易にするため、同じ番号を付すこととする。
【0058】
図8に示した喫煙用具1は、ファン62、乾電池64およびモータ65を一体のものとし、これらを本体から着脱自在な構造を採用している。具体的には、蓋66およびスイッチ(図示省略)を有する筐体67内に乾電池64およびモータ65を配置すると共に、筐体67の正面にファン62を突出させて設ける。そして、筐体67を本体天面に設けられた枠に嵌め込むことにより使用する。これにより、喫煙者は、駆動部分に不具合が発生した場合、または駆動部分に寿命がきた(耐用年数が尽きた)場合、この駆動部分を交換するのみで、喫煙用具1を継続使用することができる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、禁煙場所でも他人に迷惑をかけることなく喫煙することができる。また、副流煙および喫煙者から吐出される煙を清浄化して外部に放出することができる。さらに、他人に火傷を負わせることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す側面図である。
【図2】本発明の実施の形態の喫煙用具の点火部を示す部分拡大斜視図である。
【図3】図1の上方部分を上下方向平面で切断した図で、図4のA−A線に切った状態を示す断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す背面図であり、マスク部の板状体をわずかに開いた状態を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す背面図であり、マスク部の板状体を閉じた状態を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態の喫煙用具を示す背面図であり、マスク部の板状体を喫煙することができる状態に開いた状態を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態の喫煙用具を使用する状態を示す図である。
【図8】本発明の排煙部の駆動部分を着脱自在な構造に変更した例を示す図である。
【符号の説明】
1 喫煙用具
2 点火部
3 煙草支持部
4 筒状体
5 マスク部
6 排煙部
7 灰受部
8 支持脚部
9 案内空間部
21 ライター
22 ライター載置部
23 扉
24 スポイト
25 スポイト収納部
51 第1板状体
52 第2板状体
53 伸縮部
54 閉止部
61 フィルタ
62 ファン
63 排出口(切欠)
64 乾電池
65 モータ
66 蓋
67 筐体
71 スポンジ(吸収体)
Claims (9)
- 中空状の筐体の背面に設けられ、開口面積を拡げたり縮めたりすることで鼻孔および口を覆うことができるマスク部と、
上記マスク部の近傍に設けられた紙巻き煙草を支持する煙草支持部と、
上記筐体の天面の一部に設けられ、煙を浄化するフィルタおよびこのフィルタを通過した煙を排出する切欠からなる排出口を有する排煙部と、
上記マスク部および上記煙草支持部から排出される煙草の煙を外部に漏れないようにして上記排煙部に導く案内空間部と、を備えることを特徴とする喫煙用具。 - 前記マスク部は、前記筐体の左右側面にそれぞれ連設された一対の第1板状体と、前記筐体の天面に連設された第2板状体と、上記第1板状体の上端部および上記第2板状体の両端部を接続する2つの伸縮部材からなることを特徴とする請求項1記載の喫煙用具。
- 前記一対の第1板状体の一方の側面に左右に可動な棒材を設け、他方の側面に上記棒材を挿入するための枠材を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の喫煙用具。
- 着脱自在な点火部材を設置したことを特徴とする請求項1、2または3記載の喫煙用具。
- 前記フィルタの上方に内部の煙を吸収し、外部に放出するためのファンが設けられていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の喫煙用具。
- 前記筐体内部の底面に煙草の灰や吸殻を受ける灰受部を設けたことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の喫煙用具。
- 前記灰受部の底面に消火効果を有する液体を含ませた吸収体を設けたことを特徴とする請求項6記載の喫煙用具。
- 外底面に折りたたみ可能な支持脚部材を設けたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の喫煙用具。
- 消火効果を有する液体が注入されたスポイトを保持するスポイト収納部を設けたことを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載の喫煙用具。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014504506A (ja) * | 2011-02-03 | 2014-02-24 | アイ キャメルガード ジョセフ | キヌア系飲料およびキヌア系飲料の製造方法 |
CN107048477A (zh) * | 2017-05-09 | 2017-08-18 | 马根昌 | 无公害抽烟面具 |
CN113739334A (zh) * | 2021-09-13 | 2021-12-03 | 南京大学 | 一手烟与二手烟纯化净化设备及方法 |
-
2002
- 2002-09-17 JP JP2002269452A patent/JP2004105033A/ja active Pending
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