【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低背型のインダクタと、携帯電話やノートパソコンなどを代表とする携帯用電子機器内に搭載され、前記低背型のインダクタを用いることで小型化された電源に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯用電子機器は、デジタルデータの送受信によるマルチメディアの進展、使用ソフトの拡充、充実により、急速に普及している。これらの携帯用電子機器では、各種機能を作動させるため、数多くのデバイスが内蔵されており、各電子回路やLSIで要求される電源電圧が多種に亘っている。
【0003】
この電圧変換には、通常DC−DCコンバータ及びリニアレギュレータが用いられる。DC−DCコンバータは、半導体スイッチ、整流ダイオード、制御ICなどの半導体素子、インダクタや変圧器などの磁気素子、コンデンサなどの部品で構成され、電子機器の小型化に対応するために、半導体の高集積化などによる実装面積の縮小が進展している。
【0004】
これに伴い、従来の磁心と巻線からなるトランスやインダクタにも小型化が要求され、従来これらの用途には小型化の面で有利なレギュレータが多く用いられてきたが、携帯用電子機器の省電力化や高機能化に伴うLSI電圧の低電圧化、省エネルギー化に対応するDC−DCコンバータの市場要求が高まっている。
【0005】
このような背景の元、DC−DCコンバータを構成する部品の中で、背が高く体積の大きなインダクタなどの磁性を応用した部品を低背化するため、薄膜製造技術などを用いて、磁性膜や平面コイルで構成される薄膜インダクタの製造方法が検討され、これを組み合わせた小型の電源、即ち、マイクロ電源の開発が盛んに行われている。
【0006】
ここで、従来、電源に用いられるインダクタを製造方法の観点から見ると、次のように大別される。(1)フェライト焼結体にコイルを巻線したフェライトインダクタ、(2)フェライトペーストと導体ペーストを積層した後、焼成を施した積層型のインダクタ、(3)巻線コイルをフェライトペーストに埋め込んだ含コイル焼結体インダクタ、(4)全工程薄膜工程で形成される薄膜スパイラルインダクタ、が知られている。
【0007】
フェライトインダクタは、厚み1mm程度のフェライト焼結体にコイルを巻線してインダクタを構成したものである。この特徴は、10μH以上の高いインダクタンス値と良好な重畳特性を得ることができ、これまで実用材料として使われてきている。その欠点は、その寸法が、3〜4mm×3〜4mm×1〜2mm程度と厚みと面積が大きく、マイクロ電源用のインダクタとしては大き過ぎることである。
【0008】
そして、フェライトインダクタの低背化もしくは薄型化が困難な要因として、飽和磁化が低いことが挙げられる。飽和磁化が低い材料で十分な特性を得るには、一定以上の体積を確保する必要があるからである。また、低背化が困難な他の要因として、フェライトの脆弱さがあり、これらの要因のために、フェライトインダクタの低背化には、限界がある。
【0009】
積層型のインダクタは、フェライトペーストと導体用銀ペーストを交互に積層し、乾燥が終了した後、切断、低温焼結してインダクタ構造を形成するので、ある程度までは小型化に対応可能である。しかし、導体を低温焼結するので、電源用の大電流を流すと、発熱が多く、耐電圧に問題が生じることや、低背化ができないなどの問題がある。
【0010】
含コイル焼結体インダクタは、巻線コイルをフェライトペーストの中に置いて低温焼結するもので、コイル表面を絶縁体で覆い、更にコイル導線材質には耐酸化性の高い銀を用いるのが一般的で、巻線コイルをフェライトで包んでいるため、低背化は難しい。
【0011】
薄膜インダクタは、スパッタリングなどの成膜技術を用いたもので、スパイラル構造、ヘリカル構造等、各種のインダクタが開発されているが、インダクタンス値と効率が低いという問題がある。更に、薄膜インダクタは、基板上に形成されるので、一定以上の基板厚みが必要であり、素子全体で見ると、基板厚みのため低背化には限界があるという問題がある。
【0012】
薄型もしくは低背型のインダクタを得るには、磁心に薄型の磁性体を用いる必要がある。薄型の磁性体を得る一方法として、磁性合金の溶湯を急冷することで得られる薄帯が挙げられる。しかし、これにも、薄帯全体の比抵抗が小さいこと、高透磁率のため数MHzの周波数帯域では損失が大きくなることなどの問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明したように、各種インダクタが実用化されているが、いずれのインダクタも、マイクロ電源に用いるには、必ずしも低背化への対応が十分ではなかった。従って、本発明の技術的な課題は、従来の方法では得られない薄型のインダクタを作製するとともに、これを用いた電源で、特に小型のもの、即ち、マイクロ電源を構成することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記の課題を解決するため、従来のインダクタの中で、薄膜インダクタに着目し、成膜方法、構造などを再検討した結果なされたものである。
【0015】
即ち、本発明は、磁性層を成膜した基板を1枚以上積層してなる磁心と、前記磁心の周囲に形成されたヘリカルコイルと、前記ヘリカルコイルの周囲に形成された、磁性粒子と結合材からなる磁性層からなることを特徴とするインダクタである。
【0016】
また、本発明は、前記磁気遮蔽層の厚さが、10〜50μmであることを特徴とする前記のインダクタである。
【0017】
また、本発明は、厚さが1mm以下であることを特徴とする、前記のインダクタである。
【0018】
また、本発明は、前記インダクタ、制御IC、キャパシタ、抵抗を用いた降圧または昇圧型電源回路が、薄型基板の上に形成されてなることを特徴とする電源である。
【0019】
【発明の実施の形態】
低背型のインダクタの磁心には、薄膜で得られ、透磁率の高い磁性体が適している。一般に真空中rfスパッタリングで得られる薄膜磁性体は、このような用途に適している。ここで問題となるのは、このような薄膜磁性体は、基板上に成膜するため、薄膜磁性体のみでは存在できないことである。
【0020】
従って、磁心自体を薄くするためには、薄い基板上に磁性層を成膜する必要があるが、厚さが10〜25μm程度の基板上に成膜を行うと、反りが生じてしまい、実質的に薄膜磁性体を得るのは不可能であった。本発明では、基板の両面に均等に磁性層を形成することで、この問題を解決した。具体的には、たとえばポリイミドのような耐熱性に優れた高分子材料などからなり、厚さが10〜25μmのフィルムの両面に、磁性層を成膜し、その基板を切断加工することで、平板状で薄型の磁心を得ることができる。
【0021】
そして、平角導体を用いて巻線加工を施すことにより、低背型のインダクタを構成できる。また、得られた低背型のインダクタの周囲に、磁性粒子、結合材、溶媒からなるペーストを塗布、乾燥することで磁気遮蔽層を形成し、磁束が外部に漏れるのを防ぐことができ、周辺機器への磁束の影響を抑えることができる。
【0022】
磁気遮蔽層は、一定以上の厚さがないと、その効果を十分に発現しないが、ここで、その厚さを10〜50μmに限定した理由は、10μm未満の厚さでは、磁気遮蔽の効果が不十分であり、50μmを超える厚さでは、インダクタの低背化の障害となるからである。
【0023】
このような構造とすることで、低背型のインダクタ全体の厚さを1mm以下とすることが容易である。さらには、前記低背型のインダクタや、その他の必要な部品を薄型基板に配置することで、マイクロ電源を得ることができる。
【0024】
本発明では、薄型の磁心を得るために、厚さが10〜25μm程度の基板上に数μmの厚さの磁性層を成膜する。成膜には、スパッタリングなどを用いることができる。その際、両面に磁性層を均等な厚さで成膜することで、たとえばポリイミドフィルムを基板に用いても、反りを生じることなく成膜可能である。磁性層を成膜するにあたっては、基板及び磁性層にプラズマの熱が影響しないように、冷却などの工夫が必要である。
【0025】
また、磁性層としては、たとえば高透磁率を示すアモルファス合金、及び高飽和磁化薄膜を与える磁性体を、多層膜に成膜することにより、低保磁力で高周波帯域に対応した薄型の磁心とすることも可能である。このような多層構造の薄型磁心は、磁性層が基板により、おのおの分離されて、磁性層間の相互作用がなく、低背型のインダクタの磁心としての磁気特性の最適化が容易である。
【0026】
基板材料としては、前記のポリイミドの他に各種基板材料が使用可能であり、ガラス繊維強化プラスチック基板、ポリカーボネートなど、薄い板状で得られるものであれば、特に限定されない。また、可撓性を有する材質であれば、連続成膜装置などを用いて成膜できる。前記の材料は、一般に金属よりも熱伝導率が低いが、前記の磁性材料を用いることで、磁性層がヒートシンクとして機能し、温度上昇が少ない磁心を構成できる。
【0027】
次に、この薄型の磁心に平角導体を巻線して扁平な形状のヘリカルコイルを形成する。ヘリカルコイルを形成した後、その周囲に、ヘリカルコイルからの漏洩磁束を防ぐため、磁性粉末、結合材及び溶媒からなるペーストを塗布、乾燥して磁気遮蔽層を形成する。
【0028】
マイクロ電源に用いる低背型のインダクタにおいては、小型かつ薄型で、所要のインダクタンス値と重畳特性が必要である。本発明による薄型磁心では、ヘリカルコイルから発生する磁界により、面内の磁化が誘起され、薄型磁心の磁束密度が飽和しない磁界範囲、つまりヘリカルコイルの駆動電流範囲では、本来の透磁率を発現し、インダクタンスが得られる。
【0029】
一般に、低背型のインダクタの場合、磁心の厚さを薄くすると、飽和磁化の小さい磁性材料では、磁心は低磁場領域で飽和し、重畳特性が低下する傾向がある。例えば、フェライト、急冷薄帯などからなる単層の磁心では、高周波の磁束が磁心を貫通する際、スキンデプスの関係で磁心の有効な厚さが薄くなり、インダクタンスの低下を招きやすく、必要な重畳特性が得られない。
【0030】
本発明による低背型のインダクタに用いる磁心においては、磁化困難軸方向に長く形成した長方形薄膜磁性体を薄型基板上に成膜し、積層することで複合多層構造とすることができる。また、ヘリカルコイルの周囲に、磁気遮蔽層を配置するので、磁心は外部磁界の影響が少なく、容易に飽和しない。そのため、本発明による複合多層構造の低背型のインダクタは重畳特性に優れている。またこれを用いることで、特性の優れたマイクロ電源を提供できる。
【0031】
【実施例】
次に、具体的な実施例について、図を参照しながら説明する。
【0032】
(実施例1)
厚さが25μmのポリイミドフィルムの両面に、厚さが5μmの、Co−Fe−Si−B系のアモルファス磁性膜を成膜した。これを幅3mm、長さ4mmの長方形に切断し、4枚重ねて磁心とした。ここでは、切断した後に積層したが、折曲げ加工により4層としても差し支えない。
【0033】
次に、この磁心に、幅が100μm、厚さが35μmの平角導体を用い、25ターンの巻線を施してヘリカルコイルを形成した。ここでは、磁心に直接巻線したが、押し潰した際の寸法が、本実施例に用いる磁心が挿入できるように設定したコイルを別途に調製し、これを扁平に押し潰してもよい。
【0034】
次に、磁気遮蔽層を塗布するためのペーストとして、平均粒径3μmに微粉砕したパーマロイ粉末、ポリビニルブチラール、シクロヘキサノンと乳酸エチルを50/50で混合した溶媒を、それぞれ、60重量%、7重量%、33重量%の比率で混合して調製した。このペーストを、乾燥後の厚さが30μmとなるように、ヘリカルコイルの周囲に塗布、乾燥して磁気遮蔽層を形成した。
【0035】
これを、前記のポリイミドフィルムを基板として取り付け、ペーストハンダを用いて巻線の端末に回路との接続を行うためのスルーホールを形成し、厚さが300μmの低背型のインダクタを得た。
【0036】
図1は、前記の低背型のインダクタ1の、上側の遮蔽層を除いた状態を示す図である。図1において、2は、基板(ポリイミドフィルム)、3は、磁心、4は、ヘリカルコイル、5は、スルーホールである。
【0037】
このインダクタの特性を評価した結果、1MHz〜10MHzの周波数域でのインダクタンス値が4μH、直流抵抗:RDCが1Ω以下の良好なインダクタ特性を示した。この特性は降圧型マイクロ電源の、スイッチング周波数3MHzで駆動される制御ICに使用するには、十分な値である。
【0038】
図2は、前記低背型のインダクタ1の上に、必要な部品を配置して、マイクロ電源を構成した例を示す模式図である。図2に示したように、本マイクロ電源は、制御IC6をベアチップ実装し、キャパシタ8には、0603系の積層セラミックコンデンサを用い、インダクタは本発明になる低背型のインダクタ、抵抗7には薄膜抵抗を用いた。
【0039】
これに電極その他を設け、ポリイミドを用いてパッケージングし、全体の厚さが0.9mm、長さが5mm、幅が4mmのマイクロ電源を得た。ここでは、パッケージングにポリイミドを用いたが、一定の耐熱性を具備した高分子化合物であれば、これに限定されない。
【0040】
本実施例に示したマイクロ電源は、入力電圧が4V、200mAの通電を行った際、出力電圧を1.8Vとすると、80%以上の効率が得られた。出力電圧1.5Vでは効率75%以上、出力電圧1.2Vでは効率70%以上、出力電圧0.9Vでは効率60%以上、であった。
【0041】
(実施例2)
実施例1と同様にして、厚さが25μmのポリイミドフィルムの両面に5μmの磁性膜を成膜し、幅3mm、長さ4mmの長方形に切断し、2枚重ねて磁心とした。その後、実施例1と同様にして、25ターンの巻線を施し、低背型のインダクタを得た。
【0042】
このインダクタについて、特性を評価したところ、1MHz〜10MHzの周波数帯域でのインダクタンス値が、2μH、RDCが1Ω以下という結果が得られた。降圧型マイクロ電源のスイッチング周波数は3MHzで駆動されているので、このインダクタンス値はマイクロ電源として使用するには十分な値であった。
【0043】
次に、実際にこのインダクタを用いて、実施例1と同様に、図2に示したマイクロ電源を構成した。図2に示したマイクロ電源の構成は、低背型のインダクタ以外は、実施例1とまったく同様である。
【0044】
本実施例に示したマイクロ電源は、入力電圧が4V、200mAの通電を行った際、出力電圧を1.8Vとすると、80%以上の効率が得られた。出力電圧1.5Vでは効率75%以上、出力電圧1.2Vでは効率70%以上、出力電圧0.9Vでは効率60%以上、であった。
【0045】
ここに示した実施例では、両面に磁性層を形成したポリイミドフィルムを、それぞれ、2枚、4枚重ねて磁心としたが、これ以外の枚数の場合においても、低背型のインダクタ、及びそれを用いたマイクロ電源を得ることができる。
【0046】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、ポリイミドフィルムなどからなる基板に磁性層を成膜、パターン化し、巻線によりヘリカルコイルを形成し、更に、ヘリカルコイルの周囲に結合材と磁性粒子からなる磁気遮蔽層を設けることで、磁束が外部に漏れることがない低背型のインダクタを得ることが可能である。
【0047】
従って、本発明による低背型のインダクタは、高周波帯域でも良好なインダクタンス値と重畳特性が得られ、マイクロ電源用の低背型のインダクタとして優れている。これを用いることで低背型のマイクロ電源を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】低背型のインダクタの、上側の遮蔽層を除いた状態を示す図。
【図2】マイクロ電源を構成した例を示す模式図。
【符号の説明】
1 低背型のインダクタ
2 基板
3 磁心
4 ヘリカルコイル
5 スルーホール
6 制御IC
7 抵抗
8 キャパシタ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a low-profile inductor and a power supply mounted in a portable electronic device typified by a mobile phone, a notebook computer, or the like, and reduced in size by using the low-profile inductor.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Portable electronic devices are rapidly spreading due to the progress of multimedia by transmitting and receiving digital data and the expansion and enhancement of software used. In these portable electronic devices, a large number of devices are built in to operate various functions, and the power supply voltage required for each electronic circuit and LSI is various.
[0003]
Normally, a DC-DC converter and a linear regulator are used for this voltage conversion. DC-DC converters are composed of semiconductor elements such as semiconductor switches, rectifier diodes, and control ICs, magnetic elements such as inductors and transformers, and components such as capacitors. The mounting area is being reduced due to integration and the like.
[0004]
Along with this, downsizing is required for transformers and inductors that have conventional magnetic cores and windings. Conventionally, regulators that are advantageous in terms of downsizing have been used for these applications. There is a growing market demand for DC-DC converters that are compatible with lowering the LSI voltage and saving energy due to power savings and advanced functions.
[0005]
Against this background, among the components that make up a DC-DC converter, to reduce the height of components that use magnetism, such as tall and bulky inductors, the use of thin film manufacturing technology and the like A method of manufacturing a thin-film inductor composed of a coil and a planar coil has been studied, and a small power supply, that is, a micro power supply, which combines the methods, has been actively developed.
[0006]
Here, conventionally, inductors used for power supplies are roughly classified as follows from the viewpoint of a manufacturing method. (1) A ferrite inductor in which a coil is wound around a ferrite sintered body, (2) a laminated type inductor obtained by laminating a ferrite paste and a conductor paste and then firing, and (3) a winding coil is embedded in the ferrite paste. There are known coil-containing sintered inductors and (4) thin-film spiral inductors formed in all thin-film processes.
[0007]
The ferrite inductor is formed by winding a coil around a ferrite sintered body having a thickness of about 1 mm to form an inductor. With this feature, a high inductance value of 10 μH or more and a good superimposition characteristic can be obtained, and it has been used as a practical material so far. The drawback is that the dimensions are as large as 3-4 mm × 3-4 mm × 1-2 mm, and the thickness and area are too large for a micro power supply inductor.
[0008]
A factor that makes it difficult to reduce the height or thickness of the ferrite inductor is that the saturation magnetization is low. This is because a material having a low saturation magnetization needs to secure a certain volume or more in order to obtain sufficient characteristics. Another factor that makes it difficult to reduce the height is the brittleness of ferrite, and these factors limit the reduction in the height of ferrite inductors.
[0009]
In the laminated inductor, a ferrite paste and a silver paste for a conductor are alternately laminated, and after drying is completed, the inductor is cut and sintered at a low temperature to form an inductor structure. However, since the conductor is sintered at a low temperature, when a large current for a power supply is supplied, there is a large amount of heat generation, which causes problems such as a problem in withstand voltage and a reduction in height.
[0010]
Coil-containing sintered inductors are those that place the winding coil in ferrite paste and sinter at low temperature, cover the coil surface with an insulator, and use silver with high oxidation resistance for the coil conductor material. Generally, the winding coil is wrapped in ferrite, so it is difficult to reduce the height.
[0011]
The thin film inductor uses a film forming technique such as sputtering, and various inductors such as a spiral structure and a helical structure have been developed. However, there is a problem that the inductance value and efficiency are low. Furthermore, since the thin-film inductor is formed on a substrate, the substrate needs to have a certain thickness or more, and there is a problem that the reduction in height is limited due to the thickness of the substrate as a whole.
[0012]
In order to obtain a thin or low-profile inductor, it is necessary to use a thin magnetic material for the magnetic core. As one method for obtaining a thin magnetic body, there is a ribbon obtained by rapidly cooling a molten metal of a magnetic alloy. However, this also has a problem that the specific resistance of the whole ribbon is small, and the loss is large in a frequency band of several MHz due to high magnetic permeability.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, various inductors have been put to practical use, but none of them has been sufficiently adapted to a reduction in height for use in a micro power supply. Therefore, a technical problem of the present invention is to produce a thin inductor which cannot be obtained by the conventional method, and to construct a power supply using the same, particularly a small one, that is, a micro power supply. .
[0014]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention has been made as a result of reexamining the film forming method, the structure, and the like, focusing on a thin film inductor among conventional inductors.
[0015]
That is, the present invention relates to a magnetic core formed by laminating one or more substrates on which a magnetic layer is formed, a helical coil formed around the magnetic core, and a magnetic particle formed around the helical coil. An inductor comprising a magnetic layer made of a material.
[0016]
The present invention also provides the inductor, wherein the thickness of the magnetic shielding layer is 10 to 50 μm.
[0017]
Further, the present invention is the above-mentioned inductor, wherein the thickness is 1 mm or less.
[0018]
Further, the present invention is a power supply characterized in that the step-down or step-up power supply circuit using the inductor, the control IC, the capacitor, and the resistor is formed on a thin substrate.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
A magnetic material that is obtained in a thin film and has high magnetic permeability is suitable for the magnetic core of a low-profile inductor. In general, a thin film magnetic material obtained by rf sputtering in vacuum is suitable for such an application. The problem here is that such a thin-film magnetic material cannot be present only with a thin-film magnetic material because it is formed on a substrate.
[0020]
Therefore, in order to make the magnetic core itself thin, it is necessary to form a magnetic layer on a thin substrate. However, if the film is formed on a substrate having a thickness of about 10 to 25 μm, warpage occurs, and It was impossible to obtain a thin-film magnetic material in a specific manner. In the present invention, this problem has been solved by uniformly forming the magnetic layers on both surfaces of the substrate. Specifically, for example, a magnetic layer is formed on both surfaces of a film having a thickness of 10 to 25 μm, which is made of a polymer material having excellent heat resistance such as polyimide, and the substrate is cut and processed. A flat and thin magnetic core can be obtained.
[0021]
Then, by performing winding processing using a rectangular conductor, a low-profile inductor can be formed. In addition, a magnetic shield layer is formed by applying and drying a paste made of magnetic particles, a binder, and a solvent around the obtained low-profile inductor, thereby preventing magnetic flux from leaking outside. The effect of magnetic flux on peripheral devices can be suppressed.
[0022]
If the magnetic shielding layer does not have a certain thickness or more, the effect is not sufficiently exhibited. However, the reason why the thickness is limited to 10 to 50 μm is that when the thickness is less than 10 μm, the effect of the magnetic shielding is reduced. Is inadequate, and a thickness exceeding 50 μm is an obstacle to reducing the height of the inductor.
[0023]
With such a structure, the thickness of the entire low-profile inductor can be easily reduced to 1 mm or less. Furthermore, a micro power supply can be obtained by arranging the low-profile inductor and other necessary components on a thin substrate.
[0024]
In the present invention, in order to obtain a thin magnetic core, a magnetic layer having a thickness of several μm is formed on a substrate having a thickness of about 10 to 25 μm. For film formation, sputtering or the like can be used. In this case, by forming the magnetic layers on both surfaces with a uniform thickness, even if a polyimide film is used for the substrate, the film can be formed without warping. In forming the magnetic layer, it is necessary to take measures such as cooling so that the heat of the plasma does not affect the substrate and the magnetic layer.
[0025]
As the magnetic layer, for example, an amorphous alloy exhibiting high magnetic permeability and a magnetic material providing a high saturation magnetization thin film are formed in a multilayer film to form a thin magnetic core having a low coercive force and corresponding to a high frequency band. It is also possible. In such a thin magnetic core having a multilayer structure, the magnetic layers are separated from each other by the substrate, there is no interaction between the magnetic layers, and it is easy to optimize the magnetic characteristics as the magnetic core of the low-profile inductor.
[0026]
As the substrate material, various substrate materials can be used in addition to the above-mentioned polyimide, and there is no particular limitation as long as it can be obtained in a thin plate shape, such as a glass fiber reinforced plastic substrate or polycarbonate. Further, as long as the material has flexibility, a film can be formed using a continuous film forming apparatus or the like. The above-mentioned materials generally have lower thermal conductivity than metals, but by using the above-mentioned magnetic materials, the magnetic layer functions as a heat sink and a magnetic core with a small rise in temperature can be formed.
[0027]
Next, a flat conductor is wound around the thin magnetic core to form a flat helical coil. After the helical coil is formed, a paste made of a magnetic powder, a binder and a solvent is applied around the helical coil to prevent magnetic flux leakage from the helical coil, and dried to form a magnetic shielding layer.
[0028]
A low-profile inductor used for a micro power supply is required to be small and thin, and have a required inductance value and superimposed characteristics. In the thin magnetic core according to the present invention, in-plane magnetization is induced by the magnetic field generated from the helical coil, and the original magnetic permeability is exhibited in a magnetic field range where the magnetic flux density of the thin magnetic core is not saturated, that is, in a driving current range of the helical coil. , Inductance is obtained.
[0029]
In general, in the case of a low-profile type inductor, when the thickness of the magnetic core is reduced, in a magnetic material having a small saturation magnetization, the magnetic core tends to saturate in a low magnetic field region, and the superimposition characteristics tend to deteriorate. For example, in a single-layer core made of ferrite, quenched ribbon, etc., when the high-frequency magnetic flux penetrates the core, the effective thickness of the core becomes thin due to the skin depth, which tends to cause a decrease in inductance. No superimposition characteristics can be obtained.
[0030]
In the magnetic core used in the low-profile inductor according to the present invention, a composite multilayer structure can be obtained by forming a rectangular thin-film magnetic body elongated in the direction of the hard axis on a thin substrate and laminating it. Further, since the magnetic shielding layer is arranged around the helical coil, the magnetic core is less affected by an external magnetic field and is not easily saturated. Therefore, the low-profile inductor of the composite multilayer structure according to the present invention has excellent superimposition characteristics. Further, by using this, a micro power supply having excellent characteristics can be provided.
[0031]
【Example】
Next, specific examples will be described with reference to the drawings.
[0032]
(Example 1)
A Co-Fe-Si-B amorphous magnetic film having a thickness of 5 m was formed on both surfaces of a polyimide film having a thickness of 25 m. This was cut into a rectangle having a width of 3 mm and a length of 4 mm, and four pieces were laminated to form a magnetic core. Here, the layers are cut and then laminated, but four layers may be formed by bending.
[0033]
Next, a 25-turn winding was applied to the magnetic core using a rectangular conductor having a width of 100 μm and a thickness of 35 μm to form a helical coil. Here, the coil is wound directly on the magnetic core, but a coil whose dimensions when crushed are set so that the magnetic core used in this embodiment can be inserted may be separately prepared, and this may be crushed flat.
[0034]
Next, as a paste for applying the magnetic shielding layer, permalloy powder finely pulverized to an average particle diameter of 3 μm, polyvinyl butyral, a solvent in which cyclohexanone and ethyl lactate were mixed at a ratio of 50/50, 60% by weight and 7% by weight, respectively. % And 33% by weight. This paste was applied around the helical coil so that the thickness after drying became 30 μm, and dried to form a magnetic shielding layer.
[0035]
The above-mentioned polyimide film was attached as a substrate, and a through-hole for connecting to a circuit was formed at the end of the winding using paste solder to obtain a low-profile inductor having a thickness of 300 μm.
[0036]
FIG. 1 is a view showing a state where the upper shielding layer of the low-profile inductor 1 is removed. In FIG. 1, 2 is a substrate (polyimide film), 3 is a magnetic core, 4 is a helical coil, and 5 is a through hole.
[0037]
As a result of evaluating the characteristics of this inductor, good inductor characteristics were obtained in which the inductance value in the frequency range of 1 MHz to 10 MHz was 4 μH and the DC resistance: R DC was 1Ω or less. This characteristic is a sufficient value for use in a control IC driven at a switching frequency of 3 MHz of a step-down micro power supply.
[0038]
FIG. 2 is a schematic diagram showing an example in which necessary components are arranged on the low-profile inductor 1 to constitute a micro power supply. As shown in FIG. 2, in the present micro power source, a control IC 6 is mounted on a bare chip, a capacitor 8603 is a multilayer ceramic capacitor of 0603 series, an inductor is a low-profile inductor according to the present invention, and a resistor 7 is A thin film resistor was used.
[0039]
Electrodes and the like were provided thereon, packaged using polyimide, and a micro power supply having an overall thickness of 0.9 mm, a length of 5 mm, and a width of 4 mm was obtained. Here, polyimide is used for packaging, but it is not limited to this as long as it is a polymer compound having a certain heat resistance.
[0040]
In the micro power supply shown in this example, when the input voltage was 4 V and the current was 200 mA, the efficiency was 80% or more when the output voltage was 1.8 V. The efficiency was 75% or more at an output voltage of 1.5 V, the efficiency was 70% or more at an output voltage of 1.2 V, and the efficiency was 60% or more at an output voltage of 0.9 V.
[0041]
(Example 2)
In the same manner as in Example 1, a magnetic film having a thickness of 5 μm was formed on both surfaces of a polyimide film having a thickness of 25 μm, cut into a rectangle having a width of 3 mm and a length of 4 mm, and two sheets were laminated to form a magnetic core. Thereafter, winding was performed for 25 turns in the same manner as in Example 1 to obtain a low-profile inductor.
[0042]
This inductor was evaluated for properties, the inductance value in the frequency band of 1MHz~10MHz is, 2μH, R DC is the result that less 1Ω was obtained. Since the switching frequency of the step-down micro power supply is driven at 3 MHz, this inductance value was sufficient for use as a micro power supply.
[0043]
Next, the micro power supply shown in FIG. 2 was constructed using the inductor in the same manner as in the first embodiment. The configuration of the micro power supply shown in FIG. 2 is exactly the same as that of the first embodiment except for the low-profile inductor.
[0044]
In the micro power supply shown in this example, when the input voltage was 4 V and the current was 200 mA, the efficiency was 80% or more when the output voltage was 1.8 V. The efficiency was 75% or more at an output voltage of 1.5 V, the efficiency was 70% or more at an output voltage of 1.2 V, and the efficiency was 60% or more at an output voltage of 0.9 V.
[0045]
In the embodiment shown here, two or four polyimide films each having a magnetic layer formed on both sides were used as a magnetic core, however, even in the case of other numbers, a low-profile inductor and a Can be obtained.
[0046]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a magnetic layer is formed and patterned on a substrate made of a polyimide film or the like, a helical coil is formed by winding, and a helical coil is formed of a binder and magnetic particles around the helical coil. By providing the magnetic shielding layer, it is possible to obtain a low-profile inductor that does not leak magnetic flux to the outside.
[0047]
Therefore, the low-profile inductor according to the present invention has a good inductance value and a superimposed characteristic even in a high frequency band, and is excellent as a low-profile inductor for a micro power supply. By using this, a low-profile micro power source can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing a state in which an upper shielding layer is removed from a low-profile inductor.
FIG. 2 is a schematic diagram illustrating an example in which a micro power source is configured.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Low profile inductor 2 Substrate 3 Magnetic core 4 Helical coil 5 Through hole 6 Control IC
7 resistor 8 capacitor