JP2004101783A - マイクロレンズ、マイクロレンズアレーおよびその製造方法 - Google Patents

マイクロレンズ、マイクロレンズアレーおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】公知技術に比して、集光性能をより一層向上させたマイクロレンズおよびマイクロレンズアレーを提供することを主な目的とする。
【解決手段】基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御した透明ガラスからなるマイクロレンズ;および基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御してなり且つ基板よりも軟化点の低い透明ガラス膜を形成した後、当該ガラス膜を基板に対して垂直な方向に所望の直径の円柱状に微細加工し、さらに引き続いてガラス膜の軟化点以上に加熱することを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光情報通信デバイス、光情報家電デバイスなどに用いられるマイクロレンズおよびマイクロレンズアレーに関する。
【0002】
【従来の技術】
光情報通信用、光情報家電用などのデバイスにはレンズが多用されている。最近、面発光レーザーアレイとファイバーとのインターコネクション、液晶プロジェクター、光メモリピックアップなどの分野において、マイクロレンズ(微小で高開口数の凸レンズ)およびそのアレーが求められている。従来、マイクロレンズおよびそのアレーの製造方法としては、
(1)ガラスを溶融塩中に保持してイオン交換を行うことによって形成される屈折率分布を利用する方法(特許文献1)、
(2)フォトレジストを熱処理することにより、その表面張力を利用して球面状に成形されたマスクを介してガラスをドライエッチングして、マイクロレンズを形成する方法(特許文献2)、
(3)石英基板上にシリコンの円盤をパターニングし、シリコンの融点まで加熱して表面張力によって球面を形成し、その後熱酸化によってシリカガラスマイクロレンズとする方法(特許文献3)、
(4)低融点ガラスのパターンを耐熱性の高い基板の上に形成し、熱処理によって表面張力を利用して球面状マイクロレンズに成形する方法(特許文献4、特許文献5)
などが報告されている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−248905号公報
【0004】
【特許文献2】特開平8−166502号公報
【0005】
【特許文献3】特開平6−160607号公報
【0006】
【特許文献4】特開平10−123305号公報、
【0007】
【特許文献5】特開2001−242303号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のマイクロレンズ形成技術は、
(1)レンズ内の屈折率分布を利用する手法、
(2)ドライエッチングによって球面状のマスク形状をそのままガラスに転写する手法、および
(3)高温に熱することによってレンズ材料を溶かし、その表面張力のみによって球面形状を形成する手法
の3通りに大別される。
【0009】
マイクロレンズの集光性能を上げるためには、屈折率分布および/または曲面形状を制御することが、極めて有効であると予測されるが、その具体的な手法は、未だ報告されていない。
【0010】
従って、本発明は、公知技術に比して、集光性能をより一層向上させたマイクロレンズおよびマイクロレンズアレーを提供することを主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の様な従来技術の現状を考慮しつつ研究を進めた結果、マイクロレンズを形成するガラス部分の垂直方向の組成を傾斜的に制御することにより、高さ方向での粘性に分布をもたせ、軟化点以上に加熱した際の粘性流動を制御する場合には、レンズの曲面形状を自在に制御することができることを見出し、レンズの開口数や収差が制御されたマイクロレンズを得ることに成功した。
【0012】
さらに、マイクロレンズを形成するガラス部分の垂直方向の組成を傾斜的に制御することにより、高さ方向での粘性と屈折率の両方に分布をもたせる場合には、レンズの開口数や収差がより高度に制御されたマイクロレンズが得られることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明は、下記のマイクロレンズとその製造方法を提供するものであり、さらにその様なマイクロレンズを備えたアレーとその製造方法を提供する。
1.基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御した透明ガラスからなるマイクロレンズ。
2.透明ガラスが、SiOを主成分とし、B、P、GeO、SnO、フッ素および窒素から選ばれた少なくとも1種を併せて含有するガラスであるか、或いはSiOを主成分とし、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とともに、さらにSnO、AlおよびTiOから選ばれた少なくとも1種を併せて含有するガラスである上記項1に記載のマイクロレンズ。
3.SiOに対してB、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種を添加する場合の添加量(モル%)が、
0.01<B<25
0.01<P<15
0.01<GeO<50
0.01<F<10
0.01<N<15
(但し、FおよびNについては、実際にはガラス中にSi−F、Si−Nとして取り込まれるが、ここでは仮想的にF分子およびN分子としてモル換算して示している)の範囲内にあり、これら添加物の全濃度が0.01〜50モル%の範囲内にある上記項2に記載のマイクロレンズ。
4.SiOに対して、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とともに、さらにSnO、AlおよびTiOの少なくとも1種を添加する場合の添加量(モル%)が、
0.01<SnO<5
0.01<Al<15
0.01<TiO<10
の範囲内にあり、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とSnO、AlおよびTiOの少なくとも1種との全濃度が0.02〜50モル%の範囲内にある上記項2に記載のマイクロレンズ。
5.基板が、シリカガラス、光学ガラス、透明結晶化ガラスまたは熱酸化シリコンからなる上記項1〜4のいずれかに記載のマイクロレンズ。
6.基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御してなり且つ基板よりも軟化点の低い透明ガラス膜を形成した後、当該ガラス膜を基板に対して垂直な方向に所望の直径の円柱状に微細加工し、さらに引き続いてガラス膜の軟化点以上に加熱することを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
7.基板上に透明ガラスを成膜するに際し、まず当該基板表面層と同等な屈折率を有する酸化物ガラス膜を形成した後、膜厚の増大とともに透明ガラスの組成を徐々に変化させることにより、所望の組成で所望の膜厚まで成膜する上記項6に記載のマイクロレンズの製造方法。
8.熱処理後のマイクロレンズの表面に耐水性ガラス薄膜を成膜する上記項6または7に記載のマイクロレンズの製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しつつ、本発明を詳細に説明する。
【0015】
本発明においては、先ず、基板上に、膜厚の増大とともに徐々に組成を変化させながら所望の膜厚まで透明ガラス膜を形成する。
【0016】
基板としては、特に制限はなく、シリカガラス、光学ガラス、透明結晶化ガラス、熱酸化シリコンなどの公知の材料からなる基板を使用することができる。基材材料としては、シリカガラス、光学ガラスおよび透明結晶化ガラスがより好ましい。結晶化ガラスは、結晶化度により、基板の熱膨張率を正、負或いはゼロにも制御できるので、特に有用である。例えば、ゼロ膨張基板を使用する場合には、温度変化によって焦点ピッチが変化しないマイクロレンズおよびマイクロレンズアレーを作製することができる。また、制御された適切な膨張係数を有する基板を使用する場合には、温度変化に対応して所望のピッチに変化するマイクロレンズおよびマイクロレンズアレーを作製することができる。
【0017】
また、必要ならば、基板上には、後述の透明ガラス薄膜の形成に先立って、基板表面層と同等な屈折率を有する酸化物ガラス薄膜を形成しておくことができる。ここに、「同等な屈折率」とは、基板と酸化物ガラス薄膜との屈折率の差が、±1.0%程度以内、より好ましくは0.1%程度以内であることを意味する。基板表面層と透明ガラスとの間にこの様な酸化物ガラス膜を形成しておくことにより、レンズ形成のために所望の組成のガラスを成膜した場合に、レンズ部分と基板との屈折率差によるフレネル反射損失を抑えることができる。また、後述する熱処理中にレンズの裾径が必要以上に基板上に広がることを防止する効果も発揮される。薄膜形成用の酸化物ガラスとしては、基板と膨張率が大きく変わらないガラスであれば、特に限定されない。例えば、基板がシリカガラスである場合には、シリカガラスが好適である。酸化物ガラス薄膜の形成は、特に限定されず、例えば、レンズ用薄膜プロセスにおいて採用されているプラズマCVD法などの公知の手法を用いて行うことができる。
【0018】
次いで、基板上または基板上に設けられた酸化物ガラス薄膜上に、透明ガラス膜を形成する。透明ガラス膜の形成手段は、特に限定されず、プラズマCVD法、火炎堆積法(FHD)、スパッタ法、蒸着法などの公知の成膜手法を適宜選択して用いることができる。
【0019】
例えば、プラズマCVD法による場合には、代表的な原料は、透明ガラス膜の組成に応じて、Si(OC、或いはSi(OCと第1添加成分源としてのGe(OCH、 B(OC、P(OCH、CF、NHなどの少なくとも1種である。透明ガラス膜の組成に応じて、これらの原料を単独(SiO源としてSi(OCを使用する場合)で、或いはSiO源と第1添加成分源の少なくとも1種とをマスフローメーターで厳密に制御・混合して、酸素プラズマ中で分解させることによって、基板上に目的とする組成で厚さ数十μmオーダーの透明ガラスを成膜することができる。この原料の分解による透明ガラス膜の形成過程において、SiO源と第1添加成分源の少なくとも1種との混合比を連続的或いは適宜段階的に変化させることにより、粘性と屈折率が、それぞれ傾斜性を有する透明ガラス膜を形成させることができる。
【0020】
或いは、SiO源と第1添加成分源の少なくとも1種とともに、第2添加成分源としてのSn(CH、Al(OC、(CHSiN、Ti(OCなどの少なくとも1種を混合して、SiO−第1添加成分−第2添加成分からなる傾斜機能性透明ガラス膜を形成させることもできる。
【0021】
本発明において、基板上または基板上に設けられた酸化物ガラス薄膜上に形成される透明ガラス膜は、(a) SiOを主成分とし、B、P、GeO、SnO、フッ素および窒素から選ばれた第1添加成分の少なくとも1種を含有するガラス、或いは(b)SiOを主成分とし、第1添加成分の少なくとも1種とともに、さらにSnO、AlおよびTiOから選ばれた第2添加成分の少なくとも1種を含有するガラスである。
【0022】
上記のガラス(a)としては、第1添加成分が0.01<B<25、0.01<P<15、0.01<GeO<50、0.01<F<10、0.01<N<15(添加成分についての数値は、全ガラス成分中の添加成分含有量(モル%)を示す。また、FおよびNについては、実際にはガラス中にSi−F、Si−Nとして取り込まれるが、ここでは仮想的にF分子およびN分子としてモル換算して示している)の範囲内にあり、かつ2種以上を併用する場合には、全添加成分の合計濃度が0.01〜50モル%の範囲内にあるガラスが好ましい。主成分であるSiOに対し、適量の第1添加成分を配合することにより、ガラスの屈折率および粘性を調整することがより容易となる。ガラス(a)中の各第1添加成分の濃度(モル%)は、0.1<B<10、0.1<P<10、0.1<GeO<30、0.1<F<8、0.1<N<10とすることがより好ましく、2種以上を併用する場合には、全添加成分の合計濃度が2〜35モル%の範囲内とすることがより好ましい。
【0023】
また、上記のガラス(b)としては、第1添加成分と併せて使用される第2添加成分が、0.01<SnO<5、0.01<Al<15、0.01<TiO<10の範囲内にあり、かつ第1添加成分と第2添加成分との合計濃度が0.02〜50モル%の範囲内にある内にあるガラスが好ましい。第2添加成分を配合することにより、ガラスの屈折率および粘性を調整することがさらに一層容易となる。ガラス(b)中の各第2添加成分の濃度(モル%)は、0.05<SnO<2、0.05<Al<5、0.05<TiO<5の範囲内にあり、かつ第1添加成分と第2添加成分との合計濃度が0.25〜40モル%の範囲内にある内にあることがより好ましい。
【0024】
次いで、図1に示す様に、基板上に設けられた透明ガラス膜を所望の直径の円柱状に微細加工する。その手法としては、特に限定されないが、例えば、リソグラフィーとドライエッチングが有望な手法である。すなわち、フォトレジストや金属マスクによって所望の直径の円パターンを形成した後、CHF、CF、C、C、Arなどのプラズマ中でガラス部分をエッチングする。
【0025】
ドライエッチング後に形成された円柱状の突起部分を加熱によって軟化させ、表面張力によって丸く凸レンズ状(球面状および非球面状)に成形する。その際、円柱の厚さ方向に軟化点を制御できる様に、ガラス組成を調節しておく(添加成分の含有量を基板側から円柱上層部に向けて、次第に増大させるか或いは次第に減少させる)ことにより、開口数を大きくし、且つ収差を小さくすることができる。また、開口数や収差は、成膜時の組成制御によって予め屈折率分布を付けておくことによっても、制御できる。
【0026】
なお、本発明において、ドライエッチングによって形成する突起部分を所定のパターンに配列すれば、マイクロレンズアレーを作製することができる。
【0027】
さらに、レンズ形成部分のガラスの耐湿性が十分でなく、使用環境によって表面が劣化する恐れがある場合は、熱処理後に得られたマイクロレンズおよびそのアレーの表面層に、劣化防止のために、耐水性に優れた薄膜、例えば、シリカガラス薄膜を10nm以上の厚みで成膜することが、好ましい。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明にする。
【0029】
なお、実施例1、2、3、5、7および8は、屈折率を一定として、粘性のみを変化させた例を示し、実施例4および6は、屈折率と粘性とを変化させた例を示す。
実施例1
主原料としてSi(OCを用いるプラズマCVD法により、シリカガラス基板上にSiOを1μm堆積した後、BとGeOの添加比率がモル%で常に4.7:1になるように第1添加成分源としてのGe(OCHおよび B(OCの供給量を制御しつつ、プラズマCVD法を継続して、SiO−B−GeOガラス薄膜中の添加成分量が0〜10モル%まで直線的に増加する様に成膜した。成膜した透明ガラス薄膜の厚さは25μmであった。
【0030】
得られたガラス薄膜に直径100μmの円形ホールが空いたポジ型フォトレジストパターンを形成し、その上にCr金属膜をCDスパッタ法で成膜した後、フォトレジストパターンを除去し、ガラス薄膜上に直径100μmの円形金属パターンを形成した。
【0031】
次いで、ガラス薄膜をICPエッチング装置内に設置し、Cガスを用いて、プラズマパワー800W、バイアスパワー380Wにて50分間エッチングした後、残存していたCrマスクを湿式エッチングによって除去して、円柱状の突起を得た。
【0032】
次いで、円柱状の突起が形成された基板を950℃の雰囲気下で30分間加熱したところ、基板の熱変形などを生じることなく、円柱状突起の上面が半球状に丸く滑らかな曲面になった。
【0033】
得られた半球状突起を用いて、波長633nmのHe−Neレーザー光を集光したところ、レンズ機能を発現していることが確認された。
実施例2
実施例1と同様な手法により、シリカガラス基板上に直径100μmの円柱状突起を125μm間隔で縦120個、横120個作製し、同様の手法で熱処理したところ、全ての突起においてレンズが形成され、アレーレンズとして機能した。
実施例3
ゼロ膨張結晶化ガラス基板上に、主原料としてのSi(OCを用いるプラズマCVD法により、SiOを1μm堆積した後、FとPの添加比率がモル%で常に1:3.6になるように第1添加成分源としてのCFおよびP(OCHの供給量を制御しつつ、プラズマCVD法を継続して、SiO−F−Pガラス薄膜中の添加成分量が0〜7.5モル%まで直線的に増加する様に成膜した。成膜した透明ガラス薄膜の厚さは20μmであった。
【0034】
得られたガラス薄膜に直径100μmの円形ホールが空いたポジ型フォトレジストパターンを形成し、その上にCr金属膜をCDスパッタ法で成膜した後、フォトレジストパターンを除去し、ガラス薄膜上に直径100μmの円形金属パターンを形成した。
【0035】
次いで、ガラス薄膜をICPエッチング装置内に設置し、Cガスを用いて、プラズマパワー800W、バイアスパワー380Wにて40分間エッチングした後、残存していたCrマスクを湿式エッチングによって除去して、円柱状の突起を得た。
【0036】
次いで、円柱状の突起が形成された基板を950℃の雰囲気下で30分間加熱したところ、基板の熱変形などを生じることなく、円柱状突起の上面が半球状に丸く滑らかな曲面になった。
【0037】
得られた半球状突起を用いて、波長633nmのHe−Neレーザー光を集光したところ、レンズ機能を発現していることが確認された。
実施例4
主原料としてSi(OCを用いるプラズマCVD法により、シリカガラス基板上にSiOを1μm堆積した後、第1添加成分源としてのGe(OCH供給量を制御しつつ、プラズマCVD法を継続して、SiO− GeOガラス薄膜中のGe添加量が0〜30モル%まで直線的に増加する様に成膜した。成膜した透明ガラス薄膜の厚さは20μmであった。
【0038】
得られたガラス薄膜に直径100μmの円形ホール(120個×120個)が空いたポジ型フォトレジストパターンを形成し、その上にCr金属膜をCDスパッタ法で成膜した後、フォトレジストパターンを除去し、ガラス薄膜上に直径100μmの円形金属パターンアレーを形成した。
【0039】
次いで、ガラス薄膜をICPエッチング装置内に設置し、Cガスを用いて、プラズマパワー800W、バイアスパワー380Wにて40分間エッチングした後、残存していたCrマスクを湿式エッチングによって除去して、円柱状の突起(120個×120個)を得た。
【0040】
次いで、円柱状の突起が形成された基板を1250℃の雰囲気下で60分間加熱したところ、円柱状突起の上面が半球状に丸く滑らかな曲面になった。
【0041】
得られた半球状突起を用いて、波長633nmのHe−Neレーザー光を集光したところ、レンズ機能を発現していることが確認された。
実施例5
実施例1と同様な手法により、熱酸化シリコン基板上に、厚さ20μmのSiO−B−Nガラス(モル比で、B:N=5:1)の薄膜を形成した。ガラス薄膜中の添加成分量は、基板側から表面側に向けて、0〜10モル%まで直線的に増加させた。
【0042】
円形金属パターンの形成、Crマスクの除去による円柱状突起の形成、基板の熱処理による半球状突起の形成は、実施例1と同様の手法により、行った。
【0043】
得られた半球状突起を用いて、波長633nmのHe−Neレーザー光を集光したところ、レンズ機能を発現していることが確認された。
実施例6
実施例1の手法に準じて、SiO基板上に、厚さ20μmのSiO−B−Pガラスの薄膜を形成した。ガラス薄膜中の添加成分量は、基板側から表面側に向けて、0〜10モル%まで直線的に増加させた。但し、B:Pのモル比は、薄膜の中央部までは4.7:1に固定し、中央部から表面までは、表面で1:1となる様に調整した。
【0044】
円形金属パターンの形成、Crマスクの除去による円柱状突起の形成、基板の熱処理による半球状突起の形成は、実施例1と同様の手法により、行った。
【0045】
得られた半球状突起を用いて、波長633nmのHe−Neレーザー光を集光したところ、レンズ機能を発現していることが確認された。
比較例1
実施例1と同様の組成比のガラス薄膜を、基板側から表面に向けて、添加成分量を0モル%から55モル%まで一様に増加させつつ、25μm厚まで堆積した。得られたガラス薄膜の表面は、光学的均質性を失い、その後のドライエッチングなどの加工もできず、レンズ機能は確認できなかった。
比較例2
実施例1と同様な手法により、石英基板上に70mol%SiO−30mol%GeOのガラスを成膜し、直径100μm、高さ20μmの円柱状突起をクロムマスクを介したドライエッチングによって形成し、マスク除去後に1250℃で熱処理した。円柱状突起の上部は、疑似球面に変形したが、同時に円柱状突起の基板接触部が直径150μm程度に増大した。これの様な製品を実施例4のレンズと比較すると、開口数が小さく、且つ、基板とGeO−SiO部分の屈折率差によるフレネル反射損失も見られ、レンズとしての機能は不十分であった。
実施例7
シリカガラス基板上に、第1添加成分と第2添加成分とを含むSiO系ガラス薄膜を形成した。すなわち、シリカガラス基板上に、主原料としてのSi(OCを用いるプラズマCVD法により、SiOを1μm堆積した後、FとPとTiOの添加比率がモル%で常に6:1:5になるように第1添加成分源としてのCFとP(OCHおよび第2添加成分としてのTi(OC供給量を制御しつつ、プラズマCVD法を継続して、SiO−F−P−TiOガラス薄膜中の添加成分量が0〜10モル%まで直線的に増加する様に成膜した。成膜した透明ガラス薄膜の厚さは15μmであった。
【0046】
次いで、実施例1と同様にして、上記で得られたガラス薄膜上に直径100μmのCr金属パターンを形成し、ドライエッチングを行い、湿式エッチングにより残存するCrマスクを除去した後、円柱状の突起が形成されている基板を950℃で30分間加熱した。その結果、実施例1と同様のレンズ機能を発揮する製品が得られた。
実施例8
シリカガラス基板上に、第1添加成分と第2添加成分とを含むSiO系ガラス薄膜を形成した。すなわち、シリカガラス基板上に、主原料としてのSi(OCを用いるプラズマCVD法により、SiOを1μm堆積した後、FとPとSnOの添加比率がモル%で常に1:1:0.1になるように第1添加成分源としてのCFとP(OCHおよび第2添加成分としてのSn(CH供給量を制御しつつ、プラズマCVD法を継続して、SiO−F−P−SnOガラス薄膜中の添加成分量が0〜10モル%まで直線的に増加する様に成膜した。成膜した透明ガラス薄膜の厚さは10μmであった。
【0047】
次いで、実施例1と同様にして、上記で得られたガラス薄膜上に直径100μmのCr金属パターンを形成し、ドライエッチングを行い、湿式エッチングにより残存するCrマスクを除去した後、円柱状の突起が形成されている基板を950℃で30分間加熱した。その結果、実施例1と同様のレンズ機能を発揮する製品が得られた。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、曲面形状を自在に制御でき、且つ屈折率も制御できるため、様々な大きさ、開口数、収差のマイクロレンズを単一であるいはアレー状に様々な基板上に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマイクロレンズの作製過程を示す概念図である。

Claims (16)

  1. 基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御した透明ガラスからなるマイクロレンズ。
  2. 透明ガラスが、SiOを主成分とし、B、P、GeO、SnO、フッ素および窒素から選ばれた少なくとも1種を併せて含有するガラスであるか、或いはSiOを主成分とし、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とともに、さらにSnO、AlおよびTiOから選ばれた少なくとも1種を併せて含有するガラスである請求項1に記載のマイクロレンズ。
  3. SiOに対してB、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種を添加する場合の添加量(モル%)が、
    0.01<B<25
    0.01<P<15
    0.01<GeO<50
    0.01<F<10
    0.01<N<15
    (但し、FおよびNについては、実際にはガラス中にSi−F、Si−Nとして取り込まれるが、ここでは仮想的にF分子およびN分子としてモル換算して示している)の範囲内にあり、これら添加物の全濃度が0.01〜50モル%の範囲内にある請求項2に記載のマイクロレンズ。
  4. SiOに対して、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とともに、さらにSnO、AlおよびTiOの少なくとも1種を添加する場合の添加量(モル%)が、
    0.01<SnO<5
    0.01<Al<15
    0.01<TiO<10
    の範囲内にあり、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とSnO、AlおよびTiOの少なくとも1種との全濃度が0.02〜50モル%の範囲内にある請求項2に記載のマイクロレンズ。
  5. 基板が、シリカガラス、光学ガラス、透明結晶化ガラスまたは熱酸化シリコンからなる請求項1〜4のいずれかに記載のマイクロレンズ。
  6. 基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御してなり且つ基板よりも軟化点の低い透明ガラス膜を形成した後、当該ガラス膜を基板に対して垂直な方向に所望の直径の円柱状に微細加工し、さらに引き続いてガラス膜の軟化点以上に加熱することを特徴とするマイクロレンズの製造方法。
  7. 基板上に透明ガラスを成膜するに際し、まず当該基板表面層と同等な屈折率を有する酸化物ガラス膜を形成した後、膜厚の増大とともに透明ガラスの組成を徐々に変化させることにより、所望の組成で所望の膜厚まで成膜する請求項6に記載のマイクロレンズの製造方法。
  8. 熱処理後のマイクロレンズの表面に耐水性ガラス薄膜を成膜する請求項6または7に記載のマイクロレンズの製造方法。
  9. 基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御した透明ガラスからなる複数のマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレー。
  10. 透明ガラスが、SiOを主成分とし、B、P、GeO、SnO、フッ素および窒素から選ばれた少なくとも1種を併せて含有するガラスであるか、或いはSiOを主成分とし、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とともに、さらにSnO、AlおよびTiOから選ばれた少なくとも1種を併せて含有するガラスである請求項9に記載のマイクロレンズアレー。
  11. SiOに対してB、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種を添加する場合の添加量(モル%)が、
    0.01<B<25
    0.01<P<15
    0.01<GeO<50
    0.01<F<10
    0.01<N<15
    (但し、FおよびNについては、実際にはガラス中にSi−F、Si−Nとして取り込まれるが、ここでは仮想的にF分子およびN分子としてモル換算して示している)の範囲内にあり、これら添加物の全濃度が0.01〜50モル%の範囲内にある請求項10に記載のマイクロレンズアレー。
  12. SiOに対して、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とともに、さらにSnO、AlおよびTiOの少なくとも1種を添加する場合の添加量(モル%)が、
    0.01<SnO<5
    0.01<Al<15
    0.01<TiO<10
    の範囲内にあり、B、P、GeO、フッ素および窒素の少なくとも1種とSnO、AlおよびTiOの少なくとも1種との全濃度が0.02〜50モル%の範囲内にある請求項9に記載のマイクロレンズアレー。
  13. 基板が、シリカガラス、光学ガラス、透明結晶化ガラスまたは熱酸化シリコンからなる請求項9〜12のいずれかに記載のマイクロレンズアレー。
  14. 基板上に、厚み方向に組成を変化させることにより粘性と屈折率のそれぞれを任意の値に制御してなり且つ基板よりも軟化点の低い透明ガラス膜を形成した後、当該ガラス膜を基板に対して垂直な方向に所望の直径を有する複数の円柱形状に微細加工し、さらに引き続いてガラス膜の軟化点以上に加熱することを特徴とするマイクロレンズアレーの製造方法。
  15. 基板上に透明ガラスを成膜するに際し、まず当該基板表面層と同等な屈折率を有する酸化物ガラス膜を形成した後、膜厚の増大とともに透明ガラスの組成を徐々に変化させることにより、所望の組成で所望の膜厚まで成膜する請求項14に記載のマイクロレンズアレーの製造方法。
  16. 熱処理後のマイクロレンズの表面に耐水性ガラス薄膜を成膜する請求項14または15に記載のマイクロレンズアレーの製造方法。
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