【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、風力のような自然エネルギーの有効活用を図りながら、湖沼や池などの静水面に酸素含有濃度の高い水の循環流を生み出す、環境保全に適した循環ポンプに関するもので、本年6月に出願した特願2002−197916号の改良技術である。加えて本発明は、単藻類の異常繁殖による淡水および海水中の酸素欠乏から養殖魚類を守るための、エアレーション装置としても機動的に利用可能な自然エネルギー活用型循環ポンプにも関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水に対する浄化設備としては、上水道向けの飲み水確保を目的とした浄水場施設や、人間の利用した水の後始末のための下水処理施設、工業用水の後処理施設等が稼動しているが、これらは全て大掛かりな巨大投資を必要とするシステムであり、飲料水浄水器以外では自然エネルギーを活用できる小型装置は実現されていない。別けても湖沼の浄化を目指すような、受益者が特定できない公的色彩の強い事業は、殆ど実現の見通しが着けられない現状である。環境の改善に寄与することを目的とするならば、地球温暖化ガスの排出を伴わず、可能な限り自然エネルギーを活用するシステムが望ましいが、自然エネルギー活用型の水処理技術は殆ど実用化されていない。従来の自然エネルギー利用上の課題は、コスト高の克服でもあったので、スケールメリット効果を狙う傾向があり、例えば風力発電でも単機容量の増大に向かっている。然し乍ら、地球規模での水環境改善を目指そうとすれば、著しいコスト削減を実現しなければならず、その要求に応えることのできるシステムは殆ど皆無に近い。低コスト小容量機の分散配置というような新しい観点からの問題解決が望まれる。
【0003】
養殖業では小規模な装置が実用化されているが、それは鰻養殖池での小型電動機利用方式で、自然エネルギーの利用は行われていない。他方、海面を利用するハマチのような養殖業では、赤潮の被害に悩まされてきたが、狭い生け簀内での高密度な養殖方式は改善されつつあるものの、本質的な赤潮対策は殆ど実用化されていない現状である。
【0004】
上記のような現状に鑑みて、本発明者の一人は本年6月にケースレス循環ポンプを考案して特願2002−197916号の特許出願を行ってきた。しかし、このケースレス循環ポンプでは、水面が上下変動する場合をあまり想定していなかったが、比較的大容量の型式の実用化を図ろうとすると、可能な限りポンプの高効率維持が望ましく、水面変動によるポンプ効率低下が懸念されるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする第一の課題は、小容量であって極端に簡素化されたケースレス構造でありながらも、高循環効率のポンプを実現することであり、これによって従来とは比較にならぬ低コストでのポンプ製造を可能とし、優れたコストパホーマンスによって湖沼浄化に向けた環境対策事業にも対応可能とすることである。第二の課題は、風車のような自然エネルギー利用が可能な循環ポンプを実現することであり、運転コストと温暖化ガスの排出とを零に抑制した循環ポンプシステムを提供することである。第三の課題は、水面の上下変動があってもポンプの循環水量があまり変化せず、高効率を維持できるような改良をこのケースレスポンプに施すことである。第四の課題は、風力が何日も続いて利用できず高温の穏やかな気象条件の長期化で赤潮被害が想定される場合であっても、船に積んだ発電機の電力を利用して、機動的に養殖場の水面のエアレーションを可能とするケースレス循環ポンプシステムを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、前記特願2002−197916号の発明者は、ケースを省いた回転するロータだけの単純なポンプ形式を新たに提案している。この新形式のポンプは、回転軸中心線の延長上にあって、中心線が同一である水中下向きに開口した垂直通路から水を取り入れ、水面下の途中で中心軸とある角度を持つ斜め通路に連なり、斜め通路は更に上方に延びて水面上に開口した撒水口に通ずるという基本構造で、ポンプ回転軸は水面上に保持されながら回転駆動されるので、水中のベアリングとケースとを不要にしている。更に、この回転軸を保持している垂直柱の周りを旋回できる水平回転軸を設け、この水平回転軸先端に風車を固定すると共に、水平回転軸と垂直柱内部のポンプ回転軸とを歯車機構により連結すれば、風車で回転駆動できるケースレス循環ポンプが構成できる。本発明ではこの上に更に、ポンプ本体にフロートを設けると共に、軸方向に十分な距離を浮動可能な軸構造を有し、ポンプを上方に持ち上げる方向に力を加えるばねを内蔵した連結軸を介してポンプロータと垂直回転軸とを連結している。
【0007】
このようなケースレス循環ポンプの駆動源として、先の特許出願では直径60cm余り、風速毎秒4mで出力数ワット程度の風車を最低限の規模と想定している。もう少し大きなモデルでは、直径110cmの風車仕用例も例示しているが、本発明ではもっと出力の大きなモデルの要求が産業界からもあり、直径3m程度の風車駆動を想定している。この風車による回転軸駆動を考えるには、風向きが変化する自然エネルギーに備えて、回転軸を軸支して支えている垂直柱の周りを旋回可能な水平軸を設け、この水平軸先端に風車を固定すると共に、これら両軸を歯車機構で連結する。
【0008】
ケースレス循環ポンプにおいて、水を吐出す撒水口が水面よりも相当上方にあったとすると、ポンプ圧力の一部は水を撒水口まで押し上げるための位置エネルギー(水頭)に使われるので、ポンプ流量は減少する。そこで水を吐出す位置を水面に一致させると、撒水口は斜め上向きなのでポンプ流量減少を抑えて水は水面上に散布されることが期待できる。このためにポンプのロータにはフロートを固定すると共に、水位変動相当の距離を浮動できる回転軸と、ポンプに上向きの圧力を加えるばねとを内蔵した連結軸を設け、ポンプ回転軸とポンプとをこの連結軸を介して連結する構成とした。
【0009】
風力が期待できず、養殖場で緊急に赤潮対策が必要となる場合に備え、本発明では、風車を水平軸に連結する基本機構にワンウェイクラッチを取り入れ、非導通時には被駆動軸側から容易に回転できる小型減速機付き電動機を設けて、この出力軸と水平軸とを常時連結しておく機構も選択的に採用可能な構成とした。
【0010】
【作用】
本発明のケースレス循環ポンプは、水中で垂直下向きに開口した垂直通路と、水中の途中で斜め上向きに向かう斜め通路と、水面付近でこの斜め通路の出口を構成する撒水口とからポンプロータを構成し、水面上に軸支された回転軸でポンプロータが回転駆動される基本構造であった。このポンプの回転軸が回転されると、斜め通路内部の水には遠心力が作用することになり、斜め通路方向の分力が発生する。この遠心力と斜め通路方向の分力は、撒水口に近い上方の位置ほどより大きな力となり、撒水口から水を勢い良く吐出すことになる。撒水口が水面と同じ位置であっても、ある速度をもって吐出される水は慣性の法則から最初は斜め通路の軸方向に向かい、放物線を描いて水面に落下する。この時、細かく分化した水滴は周囲の空気を巻き込みながら、水面下に泡の発生を伴いつつ落下する。この際に極めて能率良く、空気中の酸素を水中に溶解させることができる。
【0011】
一般に水分子は、酸素と水素の原子が結合した手が、酸素原子を中心として二個の水素原子が一直線状に並んでいるのではなく、或る角度を有することから、+と−とに分極した構造であり、自然力の中では強力な作用力を有するクーロン力が作用している。この結果、水分子は相互作用力が働き、水の沸点を100℃まで引き上げているばかりでなく、多数の分子が凝集したクラスターを形成したり、強力な表面張力を発生させたりしている。その結果、水と空気の接触面である水面では、酸素分子の自由運動による水中への溶け込みがブロックされてしまい、静水面での酸素溶解速度は極めて遅い。この結果しばしば湖沼のような内水面は、単藻類の異常繁殖を切っ掛けとして酸素欠乏状態に陥る場合がある。所が、泡の発生を伴うような無数の水滴の自然落下があると、これらの泡の表面では超音波の発生も考えられ、表面張力やクラスターの壁を破って泡内部の酸素分子が、格段の溶け込み速度で水中に溶解していくと考えられる。空中を飛散する無数の水滴も、その飛散速度で直接空気とぶつかっているので、最初の大きな塊から微小な水滴にまで分化する過程も含め、無数の水滴自身も空気中の酸素を取り込んでいると考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のような、風車の自然エネルギーを利用する水面の浄化用循環水システムは、大別すると二つの実施形態が考えられる。その一つは主として人工の構築物に垂直柱を固定する実施形態であり、もう一つは広い湖沼での岸から離れた水面での利用や、湾内の海水面での利用のために大きな浮体に垂直柱を支持させる実施形態である。本発明では先の人工の構築物に垂直柱を固定する形態を図示しているが、当然ながら浮体支持形態も必要に応じて採用される。これに加えて、内水面の環境対策としての実施形態と、赤潮対策を兼ねた養殖場用の実施形態がある。後者の実施形態では、小型電動機と風車のワンウェイクラッチを介した連結機構が付け加えられている。
【0013】
【実施例】
図1に示した実施例は、コンクリート製の構築物にフロート付きケースレス循環ポンプを設置した例であり、このポンプは風車によって回転駆動される。先の特願2002−197916号の実施例との相違は、ケースレスポンプ自体にフロートが設けられると共に、ポンプ駆動軸とポンプのロータ回転軸との間に水位変動に対応する連結軸が設けられていることである。図1において、コンクリート製の構築物15には、装置全体を支持する脚部5が固定されており、この脚部5は垂直柱4を水面に向かう先端部で固定し強固に支えている。垂直柱4の上端には旋回軸13が旋回自在に取り付けられており、更に上方に設けられる水平軸30が風向きに合わせて旋回可能としている。水平軸30はギアケース3に回転自在に支持されており、その先端には風車の羽根1を固定している。ギアケース3の後端部にはパイプ37が固定され、更にその先端は風向きで水平軸30の方向を変えるための方向舵2が取り付けられている。ギアケース3の内部には、ピニオンとフェースギアとの組み合わせからなる歯車機構が内蔵されており、風車の回転力を垂直柱4内部のポンプ駆動軸6に伝えている。更に駆動軸6の回転力は浮動軸構造を有する連結軸7に伝えられ、浮動軸構造を経てポンプ軸8に伝わる。ポンプ軸8はフロート9を有するケースレスポンプのロータを回転駆動することになるが、その結果水中に延びて開口した垂直管10から水を吸入して、水面16と殆ど同じ高さに開口する撒水口12より水を吹出し、回転しつつ撒水する。垂直管10の先端には、メッシュ等のフィルター11が取り付けられており、有害な水中浮遊物がポンプ内部に入り込むのを防いでいる。
【0014】
図2に示すのは、本発明装置の心臓部たるフロート付きケースレス循環ポンプの断面図であり、図3にはその平面図を示している。図2において、上部にあるのはフロート9であり、その中心をポンプ回転駆動のためのポンプ軸8が貫いている構造である。ポンプ軸8は先端部でポンプのロータ18に強固に固定されており、ロータ18は水中に開口した垂直管10に接続し、これを固定している。ロータ18は垂直軸に対して20°の傾きを持った8本の小さな口径の管路に分岐しており、夫々に斜め通路としての傾斜管19に接続しこれを固定している。傾斜管19は先端が撒水口12を構成しており、フロート9と後述の連結管7内部のばねにより、撒水口12の位置はほぼ水面と同一に保たれている。ポンプ軸8が回転されると、撒水口12より水が撒かれるのであるが、この実施例では図3の平面図に示すように傾斜管19と撒水口12の数は8本であり、ロータ18の回転によって水面付近でのロータ回転抵抗と損失の増大を抑えるために、8本の傾斜管19の外面を薄い板で囲んでいる。
【0015】
本発明では、できるだけポンプ性能を高め、処理水量が多くできるように目論んでいる。心臓部たるケースレス循環ポンプ本体の設計事項である材質の選択や処理方法にも、かかる観点から若干触れておく。一般に水処理装置において多用されている材質は、錆に強いステンレス材料であるが、本発明ではフロートを取り付けたりこれを補助する機能を持ったばねを使用している。軽量化を図ることが重要であるが、大量生産には程遠い実用化初期段階の本発明分野では、莫大な金型製造費投資が必要な樹脂類の採用も非現実的である。そこで好ましい選択は、A−5056材を切削加工して、硬質酸化皮膜処理を行いPTFE表面処理を併用することである。テフロン樹脂の化学的な性質を利用すれば、水分子に対する親和力が無く撥水性を利用でき、表面摩擦係数も最低値であるので、ポンプ内部の水の流動抵抗を最低レベルに抑制できるだけでなく、極めて安定な物質なので金属表面を保護する作用も強く、鉄系材料のおよそ1/3の重さであるから肝心のフロートとばねの負担を大幅に低減できる。加えて、難削材の代表でもあるステンレス材と比較すれば、著しい加工能率向上が期待でき、部品加工費低減に大きく寄与できる。この他にも本発明ではロータ18の下方に設けられる長さ2m程度の垂直管10の材質選択も影響が大きいと考えられるが、水道工事等で利用されている硬質塩ビ管が最も適している。既製品利用であり、錆とは無縁で水より若干比重が大きいだけで、フロートやばねの負担を最低にできる。
【0016】
図2に示したケースレス循環ポンプの性能に関する説明を行う。図2においてポンプ回転中の傾斜管19内部の水は、遠心力場に置かれるから、遠心力の管路方向成分により、水が撒水口12に向けて押出される。この時の圧力P1はポンプ回転速度nと、撒水口12の中心半径R積の自乗に比例し、
【数1】で表される。
【0017】
【数1】
【0018】
【数1】におけるcは比例定数である。この式のnRが一定である場合に、静水面を基準としてポンプ取付位置を変化させた時の流量Qを検討する。この場合には
【数2】が成立する。
【0019】
【数2】
【0020】
【数2】においてNは傾斜管19の本数であり、Aは傾斜管19の流路断面積であり、Vは傾斜管19内部の流速である。
【0021】
次いで
【数2】における流速Vが大きくなる場合を考えてみる。流速Vが大きくなると、動圧および流路抵抗損失の増大による圧力低下P2も増大する。また、撒水口12が水面上に浮き上がっている時は、水面からの高さ相当の圧力P3が必要になってくる。従って次の
【数3】の平衡式が成立する条件の下で、傾斜管19の流速Vの値、延いては流量Qの値が決まる。
【0022】
【数3】
【0023】
よって、流速Vおよび撒水口12の水面からの高さが小さい場合(即ちP2+P3が小さい場合)には、ポンプ圧力P1の小さな領域でも十分な流量が得られる。水質浄化の目的のためには、処理水の流量ができるだけ大きいことと、水を水面上に撒き散らし、空気との接触をできるだけ大きくすることが重要である。この条件を満足するには、流速Vを適切な値に選定したポンプを、撒水口12が静水面に一致する位置に設定して運転することである。この時はP3=0の流量最大値であり、しかも水が水面に散布される。
【0024】
図4に示すのは、水位変動に備えるための連結軸の一実施例の断面図である。連結軸7は主要部の外筒をシリンダ24によって構成しており、その内面を摺動するピストン25と、ピストン25に固定された浮動軸29、軸カバー28等が主要な構成要素である。ピストン25と軸カバー28との間には、ピストン25を上方向に押し上げるばね26が配置されており、フロート9の役割を助けている。図4の上部に一部を示すポンプ駆動軸6は、風車の回転力をポンプに伝える役割を担うが、駆動軸6と連結軸7とはゴム継手23で連結されている。シリンダ24のヘッドカバー29はゴム継手23に固定されているが、反対側の軸カバー28は浮動軸29を浮動させるために、軸29よりも僅かに大きな径の穴であると共に、軸29にビス止めされた滑りキー27の外径に合わせた切り込み形状を有するが、これらの隙間は、ゆっくりとした摺動を許容するものの、水分のシリンダ24内部への侵入を殆ど阻止する精密な形状に仕上げられている。軸29と軸カバー28との好ましい摩擦条件を長期に亘って維持するには、潤滑油を使用せずに環境に配慮することも必要なので、異種金属の組み合わせを基本としている。例えば、好ましい実施例として、軸カバー28は黄銅合金や青銅合金、滑りキー27を含む浮動軸29はクロム鍍金付きの鋼製材との組み合わせが妥当であろう。キーとの嵌合強度が許す限り、銅合金には黒鉛のような固体潤滑材が混和されているタイプであってもよい。また、多くの黒鉛を含んでいる鋳鉄も水に強い材料なので、十分な強度があればこれを軸カバーに採用することもできよう。この浮動軸29はその下端で更にもう一つのゴム継手22にしっかり固定されており、回転力をポンプロータ18に直結しているポンプ軸8に伝えている。
【0025】
図4におけるばね26のばね常数と、図2で示したフロート17の関係を詳述する。図2に示す平衡状態では、撒水口12は基準となる水面の高さに一致している。ポンプも平衡状態にあり、水没した撒水口12を水面まで引き上げる上向きの力が作用している。この状態から水位がH1低下した場合、この水位低下後の平衡状態におけるポンプと水位の関係位置を求めてみる。H1の水位低下による水面と撒水口12との垂直距離をZで表す。この時のばねの圧力の増加分FsとFbとは等しいから、次の
【数4】、
【数5】、
【数6】、
【数7】が夫々成り立つ。
【0026】
【数4】
【0027】
【数5】
【0028】
【数6】
【0029】
【数7】
【0030】
ここにおいて、kはばね26のばね常数であり、γは水の比重量であり、Ab
はフロート17の喫水面における断面積である。
【数7】からは次のことが判る。即ち、ばね常数とフロート断面積の値を適当に選択し、例えば、γAb/k=5にした場合、水位変化のポンプに対する影響は1/(5+1)=1/6に縮小される。このようにして、本発明のポンプは水位変化の影響を殆ど受けること無く、最適関係位置を保ちながら運転することが可能である。ばね26によってポンプを吊り上げている理由は、必要なフロートが小さくできることと、ポンプに張力を作用させることで運転中の安定性を高めること等である。
【0031】
最後の図5に示すのは、赤潮対策が機動的にできるように改善するために、風力が期待できない高温の穏やかな気象条件が続いた場合でも、緊急時の補助動力駆動を可能とした養殖場向けのケースレス循環ポンプシステムの改良に関し、補助動力の搭載を容易としたギアケース部分の断面図である。図5において、特に補助動力となる小型電動機は一般的な汎用機を想定しているので、図示を省いているが、この改良型に特有な、風車と電動機の動力伝達経路の自動切り換えが行われる水平軸30の構造を示している。図5において、風車からの回転動力をポンプに伝える最初の駆動軸である水平軸30は、上面が平らなギアケース3に回転自在に保持されている。先の図1で本発明装置全体を水上で支えている垂直柱4として説明した支持体は、図5において、固定スリーブ34に相当し、固定スリーブ34はその下部に長い円柱形状の垂直柱4に嵌合するPTねじ部分が設けられている。この固定スリーブ34の周囲を旋回自在に設けられているのは、長いボルトでギアケース3に上方から固定される旋回軸13と、この旋回軸13の下部で固くねじ結合された旋回スリーブ35である。これによってギアケース3自体が、固定スリーブ34の周囲を自在に旋回できる構造である。固定スリーブ34の内部には、更に水平軸30より伝達された回転力をポンプ側に伝える垂直軸31が回転自在に保持されている。軸31には長いパイプ形状の回転軸36が溶接され、前記のポンプ駆動軸6を形成している。これら水平、垂直の両軸30、31は、水平軸30に設けられたピニオン32と軸31に固定されたフェースギア33とが噛み合う歯車機構を介して、動力の伝達を容易に行う機構である。この他、風車を常に風の吹いてくる正面に向かわせるための、方向舵2をギアケース3に固定するために、パイプ37がギアケース3にしっかりと固定されると共に、その先端に方向舵2が取り付けられる。風力が殆ど無い場合の、補助動力によるポンプ駆動を可能とするために、水平軸30にはワンウェイクラッチ40を介して風車(図示せず)がスリーブ39に取り付けられるようになっており、風車を停止したままで水平軸を回転可能としている。一方で90W程度の減速機付き小型電動機(図示せず)は平らなギアケース3の上面に取り付けられるが、この小型電動機と水平軸30とはこれに固定された歯車38を介し常時連結されている。ただし、本発明で採用可能な減速機の種類は、ウォーム減速機ではない、平行軸型減速機である。ウォーム減速機では風車がポンプ軸を回転させる運動を著しく阻害し、循環ポンプシステム自体が成り立たなくなるためである。その理由は、ウォーム軸からウォームホイールへの動力伝達は可能であるが、逆のウォームホイールからウォーム軸への動力伝達は出来ないという、動力伝達方向の非対称性があるためである。本発明の図示実施例では、1/5〜1/10程度の減速比の減速機を使用し、風力が豊富な自然力が十分に利用可能な場合は電動機をアイドリングすることになるが、この程度の減速比では電動機容量が小さいことでもあり、風車に与える影響も少ないと考えられる。
【0032】
補助動力の搭載を可能とする図5の機構を採用したケースレス循環ポンプでは、最大の特徴は、風車が停止していても補助動力で水平軸30を回転駆動できることである。そのためにワンウェイクラッチ40を介して風車と水平軸30とを連結している。このワンウェイクラッチは一方向の回転駆動には、スプラグ(駒)を介してスプラグと軸とが噛み合う摩擦力で動力を伝えるが、逆方向ではスプラグと軸とがスリップし、動力の伝達はできない。図5に示した単純機構で、風力が無くなり風車が停止すると、他の動力で中心の水平軸をこれ迄同様の方向に回転させるのは、この水平軸に足場を固定して外周側の停止した風車を観察すれば、恰も外周のスリーブを逆回転させたかのように見えることになる。それはとりも直さずワンウェイクラッチを逆回転させているのと同じこととなり、スプラグはスリップを生じて、補助動力によるポンプシステム駆動を容易に可能とする。
【0033】
最後に図示実施例の具体的な仕様について記載する。
風車直径:3m、風速:4m/sec における回転数:150rpm、出力:81w
ポンプ直径:0.4m、回転数:60rpm、流量:2000トン/日、理論動力:37w
ピニオン歯数:12z,フェースギア歯数:30z、
連結軸:γAb/k=1000×0.12/24=5、Z/H1=1/6
γ=1000kgf/m3、Ab:0.12m2、k:24kgf/m
【0034】
【発明の効果】
上記の本発明によれば、自然エネルギーを有効に利用して、比較的大規模な水質改善事業にも安価な装置で実現できるシステムを容易に提供することができる。大きな浮体に取り付けられる場合であっても、水面の波の発生などで局所的にケースレス循環ポンプの撒水口水位が変化する恐れがある時にも、フロートやばねを内蔵した連結軸を有しているので、水位変化に追従でき、無駄なエネルギーを極力防ぐことにより、最大の処理水量を確保することが容易である。人工の構築物に取り付けられる場合には、より大きな水位変化が顕在化するが、十分な距離を浮動できる連結軸機構を有するので、撒水口を水面近くに保持でき、処理水量の低下が未然に防げる。養殖場における赤潮対策においても、普段の風力が豊富な時に養殖魚のための水質改善を積極的に進めておくことができるだけでなく、風力が期待できない高温の気象条件が続いて赤潮発生が懸念される時には、船に積んだ発電機からの補助動力を利用して、機動的に水質改善を図り、水中酸素の不足による養殖魚の全滅という甚大な被害を確実に防げる、唯一の解決手段を提供できる。而して本発明による水環境改善事業および水産物養殖業における経済的価値は著しく高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の一実施例のフロート付きケースレス循環ポンプの全体システムの側面図である。
【図2】は図1で示したフロート付きケースレス循環ポンプの本体部分の縦断面図である。
【図3】は図2のフロート付きケースレス循環ポンプの平面図である。
【図4】は、図1に示す連結軸部分の縦断面図である。
【図5】は、風力が期待できない場合に備え補助動力利用を行なえるようにしたフロート付きケースレス循環ポンプのギアケース付近の縦断面図である。
【符号の説明】
1 風車の羽根
2 方向舵
3 ギアケース
4 垂直柱
5 脚部
6 ポンプ駆動軸
7 連結軸
8 ポンプ軸
9 フロート
10 垂直管
11 フィルター
12 撒水口
13 旋回軸
15 構築物
16 水面
18 ロータ
19 傾斜管
22、23 ゴム継手
24 シリンダ
25 ピストン
26 ばね
27 滑りキー
28 軸カバー
29 ヘッドカバー
30 水平軸
31 垂直軸
32 ピニオン
33 フェースギア
34 固定スリーブ
35 旋回スリーブ
36 回転軸
37 パイプ
38 歯車
39 スリーブ
40 ワンウェイクラッチTECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
[0001]
The present invention relates to a circulation pump suitable for environmental conservation, which creates a circulation flow of water having a high oxygen content on a still water surface such as a lake or a pond while effectively utilizing natural energy such as wind power. This is an improved technique of Japanese Patent Application No. 2002-197916 filed in June. In addition, the present invention relates to a natural energy utilization type circulation pump which can be used as an aeration device for protecting cultured fish from oxygen deficiency in freshwater and seawater due to abnormal reproduction of monoalgae.
[0002]
[Prior art]
Conventional water purification facilities include a water treatment plant for securing drinking water for water supply, a sewage treatment facility for cleaning up water used by humans, and a post-treatment facility for industrial water. However, these are all systems that require a huge and huge investment, and no small devices that can utilize natural energy have been realized except for drinking water purifiers. There is little prospect of realizing projects with strong public colors in which beneficiaries cannot be identified, such as purifying lakes and marshes. For the purpose of contributing to the improvement of the environment, it is desirable to use a system that uses natural energy as much as possible without emitting greenhouse gases. Not. The conventional problem in the use of natural energy has been to overcome the high cost, and thus there is a tendency to aim for a scale merit effect. For example, even in wind power generation, the capacity of a single unit is increasing. However, if the aim is to improve the water environment on a global scale, significant cost reductions must be realized, and almost no systems can meet the demand. It is desired to solve problems from a new point of view such as distributed arrangement of low-cost small-capacity machines.
[0003]
Small-scale equipment has been put into practical use in the aquaculture industry, but it uses a small electric motor in eel culture ponds and does not use natural energy. On the other hand, aquaculture such as hamachi using the sea surface has suffered from the damage of red tide, but although high-density aquaculture methods in narrow cages are improving, essential red tide countermeasures are practically practical. It has not been done.
[0004]
In view of the above situation, one of the present inventors has devised a caseless circulating pump in June of this year and filed a patent application of Japanese Patent Application No. 2002-197916. However, in this caseless circulating pump, the case where the water level fluctuates up and down was not much anticipated.However, in order to put a relatively large capacity model into practical use, it is desirable to maintain the pump as highly efficient as possible. There has been a concern that the pump efficiency will decrease due to fluctuations.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
A first problem to be solved by the present invention is to realize a pump with high circulation efficiency while having a small capacity and an extremely simplified caseless structure. The aim is to make pump production at extremely low cost, and to be able to respond to environmental measures business for lake purification through excellent cost performance. A second problem is to realize a circulating pump capable of utilizing natural energy such as a windmill, and to provide a circulating pump system in which operation costs and emission of greenhouse gases are suppressed to zero. A third problem is to provide an improvement to the caseless pump such that the amount of circulating water in the pump does not change much even if the water surface fluctuates up and down and high efficiency can be maintained. The fourth challenge is to use the power of the generator on board even if the wind is not available for many days and red tide is expected due to prolonged high temperature and mild weather conditions. Another object of the present invention is to provide a caseless circulating pump system capable of aerating the water surface of a farm in a flexible manner.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve such a problem, the inventor of Japanese Patent Application No. 2002-197916 has newly proposed a simple pump type having only a rotating rotor without a case. This new type of pump takes in water from a vertical passage that opens in the water and extends downward, which is on the extension of the center line of the rotating shaft, and has an oblique passage that has a certain angle with the center axis on the way below the water surface. The diagonal passage extends further upward and leads to a water spout opening on the water surface.The pump rotation shaft is driven to rotate while being held on the water surface, eliminating the need for underwater bearings and cases. ing. Further, a horizontal rotating shaft capable of rotating around a vertical column holding the rotating shaft is provided, a windmill is fixed to the end of the horizontal rotating shaft, and a gear mechanism is connected to the horizontal rotating shaft and the pump rotating shaft inside the vertical column. , A caseless circulation pump that can be rotationally driven by a windmill can be configured. In the present invention, a float is further provided on the pump main body, the shaft structure has a shaft structure capable of floating a sufficient distance in the axial direction, and a connecting shaft having a built-in spring for applying a force in a direction to lift the pump upward is provided. To connect the pump rotor and the vertical rotation shaft.
[0007]
As a drive source of such a caseless circulation pump, the earlier patent application assumes that a windmill with a diameter of more than 60 cm, a wind speed of 4 m / s and an output of about several watts is the minimum size. In a slightly larger model, an example of a windmill having a diameter of 110 cm is also illustrated, but in the present invention, there is a demand from the industry for a model having a larger output, and it is assumed that a windmill having a diameter of about 3 m is driven. In order to consider the rotation axis drive by this windmill, a horizontal axis that can turn around a vertical column that supports and supports the rotation axis is provided for natural energy whose wind direction changes, and the windmill And these two shafts are connected by a gear mechanism.
[0008]
In a caseless circulation pump, if the spout port for discharging water is considerably higher than the water surface, part of the pump pressure is used for potential energy (water head) to push water up to the spout port. Decrease. Therefore, if the position where the water is discharged coincides with the water surface, the water spouting port is obliquely upward, so that it is expected that the water is sprayed on the water surface while suppressing a decrease in the pump flow rate. To this end, a float is fixed to the rotor of the pump, and a connecting shaft having a built-in rotating shaft capable of floating a distance equivalent to the water level fluctuation and a spring for applying an upward pressure to the pump is provided. The connection is made via this connection shaft.
[0009]
In preparation for cases where wind power cannot be expected and red tide countermeasures are urgently required at the farm, the present invention incorporates a one-way clutch in the basic mechanism that connects the windmill to the horizontal axis, and when the non-conduction is performed, the driven shaft can easily be driven from the driven shaft side. A structure in which a rotatable electric motor with a speed reducer is provided and a mechanism for constantly connecting the output shaft and the horizontal shaft can be selectively employed.
[0010]
[Action]
The caseless circulation pump of the present invention comprises a vertical passage that opens vertically downward in water, an oblique passage that extends obliquely upward in the middle of the water, and a water spout that constitutes an outlet of the oblique passage near the water surface. This was a basic structure in which the pump rotor was driven to rotate by a rotating shaft supported on the water surface. When the rotation shaft of the pump is rotated, centrifugal force acts on water in the oblique passage, and a component force is generated in the oblique passage direction. The centrifugal force and the component force in the oblique passage direction become larger as the position is closer to the water spout, and the water is spouted from the water spout vigorously. Even if the spouting port is at the same position as the water surface, the water discharged at a certain speed initially goes in the axial direction of the oblique passage from the law of inertia, and falls on the water surface in a parabola. At this time, the finely divided water droplets fall under the surface of the water while generating bubbles while entraining the surrounding air. At this time, oxygen in the air can be dissolved in water very efficiently.
[0011]
In general, a water molecule has a certain angle between the hand at which the oxygen and hydrogen atoms are bonded, instead of having two hydrogen atoms aligned in a straight line around the oxygen atom. It has a polarized structure, and a Coulomb force having a strong acting force acts among natural forces. As a result, the water molecules exert an interaction force, not only raising the boiling point of water to 100 ° C., but also forming clusters in which many molecules are aggregated and generating strong surface tension. As a result, on the water surface, which is the contact surface between water and air, the dissolution into the water due to free movement of oxygen molecules is blocked, and the oxygen dissolution rate on the still water surface is extremely slow. As a result, inland waters such as lakes and marshes often fall into an oxygen-deficient state due to the abnormal reproduction of monoalgae. However, if there are countless drops of water droplets that naturally cause bubbles to form, ultrasonic waves can be generated on the surface of these bubbles, breaking the surface tension and the walls of the clusters, and oxygen molecules inside the bubbles, It is thought that it dissolves in water at a remarkable dissolution rate. Countless water droplets flying in the air also hit the air directly at that speed, so the countless water droplets themselves take in oxygen in the air, including the process of differentiation from the first large lump to small water droplets. it is conceivable that.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The circulating water system for purifying the water surface using the natural energy of the wind turbine as in the present invention can be roughly classified into two embodiments. One is mainly for fixing vertical pillars to man-made structures, and the other is to use large floating bodies for use on the water surface off the shore in wide lakes and marshes and on the sea surface in the bay. It is an embodiment to support a vertical column. In the present invention, the form in which the vertical pillar is fixed to the above-mentioned artificial structure is illustrated, but a floating body supporting form is naturally adopted as needed. In addition to this, there are embodiments for environmental measures on the inland water surface and embodiments for aquaculture farms that also serve as red tide measures. In the latter embodiment, a coupling mechanism via a one-way clutch between the small electric motor and the windmill is added.
[0013]
【Example】
The embodiment shown in FIG. 1 is an example in which a caseless circulating pump with a float is installed on a concrete structure, and this pump is driven to rotate by a windmill. The difference from the embodiment of Japanese Patent Application No. 2002-197916 is that a float is provided in the caseless pump itself, and a connecting shaft corresponding to water level fluctuation is provided between the pump driving shaft and the rotor rotating shaft of the pump. That is. In FIG. 1, a leg 5 for supporting the entire apparatus is fixed to a concrete structure 15, and the leg 5 fixes and strongly supports a vertical column 4 at a front end toward a water surface. A swivel shaft 13 is attached to the upper end of the vertical pillar 4 so as to be swivelable, and a horizontal shaft 30 provided further above can be swiveled according to the wind direction. The horizontal shaft 30 is rotatably supported by the gear case 3, and the tip of the horizontal shaft 30 is fixed to the wind turbine blade 1. A pipe 37 is fixed to a rear end of the gear case 3, and a rudder 2 for changing a direction of the horizontal axis 30 in a wind direction is attached to a tip of the pipe 37. A gear mechanism including a combination of a pinion and a face gear is built in the gear case 3, and transmits the rotational force of the windmill to the pump drive shaft 6 inside the vertical column 4. Further, the rotational force of the drive shaft 6 is transmitted to the connecting shaft 7 having a floating shaft structure, and is transmitted to the pump shaft 8 via the floating shaft structure. The pump shaft 8 rotationally drives the rotor of the caseless pump having the float 9, so that it draws water from the vertical pipe 10 that extends and opens in the water and opens at almost the same height as the water surface 16. Water is blown out from the water spout 12 and sprinkled while rotating. A filter 11 such as a mesh is attached to the end of the vertical pipe 10 to prevent harmful suspended matters from entering the pump.
[0014]
FIG. 2 is a sectional view of a caseless circulating pump with a float, which is the heart of the apparatus of the present invention, and FIG. 3 is a plan view thereof. In FIG. 2, the upper part is a float 9, which has a structure in which a pump shaft 8 for pump rotation drive passes through the center. The pump shaft 8 is firmly fixed at its distal end to a rotor 18 of the pump, and the rotor 18 is connected to and fixed to a vertical pipe 10 open to the water. The rotor 18 is branched into eight small-diameter pipes having an inclination of 20 ° with respect to the vertical axis, each of which is connected to and fixed to an inclined pipe 19 as an oblique passage. The tip of the inclined pipe 19 constitutes the water spout 12, and the position of the water spout 12 is kept substantially the same as the water surface by the float 9 and a spring inside the connecting pipe 7 described later. When the pump shaft 8 is rotated, water is sprinkled from the water spouting port 12. In this embodiment, as shown in the plan view of FIG. In order to suppress an increase in rotor rotation resistance and loss near the water surface due to the rotation of 18, the outer surfaces of the eight inclined tubes 19 are surrounded by a thin plate.
[0015]
In the present invention, the aim is to increase the pump performance as much as possible and to increase the amount of treated water. The selection of materials and the processing method, which are design items of the caseless circulating pump main body, which is the heart, will be described a little from this viewpoint. In general, a material frequently used in a water treatment apparatus is a stainless steel material that is resistant to rust. In the present invention, a spring having a function of attaching a float or assisting the float is used. Although it is important to reduce the weight, in the field of the present invention in the early stage of practical use, which is far from mass production, it is impractical to employ resins that require enormous investment in mold manufacturing costs. Therefore, a preferable choice is to cut the A-5056 material, perform a hard oxide film treatment, and use a PTFE surface treatment together. If the chemical properties of Teflon resin are used, there is no affinity for water molecules and water repellency can be used, and the coefficient of surface friction is the lowest, so not only can the flow resistance of the water inside the pump be suppressed to the lowest level, Since it is an extremely stable substance, it has a strong effect of protecting the metal surface, and since it weighs about 1/3 of the iron-based material, the burden on the float and the spring can be greatly reduced. In addition, when compared with stainless steel, which is a representative of difficult-to-cut materials, remarkable improvement in machining efficiency can be expected, which can greatly contribute to reduction in parts machining cost. In addition to this, in the present invention, it is considered that the selection of the material of the vertical pipe 10 having a length of about 2 m provided below the rotor 18 has a great influence, but a rigid PVC pipe used in water supply works or the like is most suitable. . Since it is a ready-made product, it is free from rust and has a slightly higher specific gravity than water, so that the burden on floats and springs can be minimized.
[0016]
The performance of the caseless circulating pump shown in FIG. 2 will be described. In FIG. 2, the water inside the inclined pipe 19 during the rotation of the pump is placed in the centrifugal force field. Pressure P at this time1Is proportional to the pump rotation speed n and the square of the product of the center radius R of the water spout 12,
## EQU1 ##
[0017]
(Equation 1)
[0018]
C in Equation 1 is a proportionality constant. When nR in this equation is constant, the flow rate Q when the pump mounting position is changed with reference to the still water surface will be examined. In this case
Equation 2 holds.
[0019]
(Equation 2)
[0020]
In the equation (2), N is the number of the inclined pipes 19, A is the flow path cross-sectional area of the inclined pipes 19, and V is the flow velocity inside the inclined pipes 19.
[0021]
Then
Let us consider a case where the flow velocity V in Eq. As the flow velocity V increases, the pressure drop P due to the increase in dynamic pressure and flow path resistance loss2Also increase. When the spout 12 is floating above the surface of the water, the pressure P corresponding to the height from the surface of the water is applied.3Is needed. So the next
The value of the flow velocity V of the inclined tube 19, and consequently, the value of the flow rate Q, are determined under the condition that the equilibrium equation of Equation 3 is satisfied.
[0022]
(Equation 3)
[0023]
Therefore, when the flow velocity V and the height of the water spout 12 from the water surface are small (that is, P2+ P3Is small), the pump pressure P1Sufficient flow rate can be obtained even in a small area. For the purpose of water purification, it is important that the flow rate of the treated water is as large as possible, and that the water is scattered on the water surface to make the contact with the air as large as possible. In order to satisfy this condition, it is necessary to operate a pump in which the flow velocity V is set to an appropriate value with the water spout 12 set at a position corresponding to the still water level. At this time, P3= 0, the maximum value of the flow rate, and water is sprayed on the water surface.
[0024]
FIG. 4 is a cross-sectional view of one embodiment of a connecting shaft for preparing for water level fluctuation. The connecting shaft 7 has an outer cylinder of a main part constituted by a cylinder 24, and a piston 25 sliding on the inner surface thereof, a floating shaft 29 fixed to the piston 25, a shaft cover 28, and the like are main components. A spring 26 that pushes up the piston 25 upward is disposed between the piston 25 and the shaft cover 28, and assists the role of the float 9. The pump drive shaft 6, part of which is shown in the upper part of FIG. 4, has a role of transmitting the rotational force of the windmill to the pump, and the drive shaft 6 and the connection shaft 7 are connected by a rubber joint 23. The head cover 29 of the cylinder 24 is fixed to the rubber joint 23, but the shaft cover 28 on the opposite side is a hole having a slightly larger diameter than the shaft 29 so that the floating shaft 29 can be floated. It has a cut-out shape corresponding to the outer diameter of the stopped slide key 27, but these gaps are finished to a precise shape that allows slow sliding but almost prevents moisture from entering the inside of the cylinder 24. Have been. In order to maintain the preferable frictional condition between the shaft 29 and the shaft cover 28 for a long period of time, it is also necessary to consider the environment without using a lubricating oil. For example, in a preferred embodiment, the shaft cover 28 may be brass alloy or bronze alloy, and the floating shaft 29 including the sliding key 27 may be appropriately combined with a chrome-plated steel material. As long as the fitting strength with the key permits, a type in which a solid lubricant such as graphite is mixed in the copper alloy may be used. Cast iron containing a large amount of graphite is also a water-resistant material, so if it has sufficient strength, it may be used for the shaft cover. The floating shaft 29 is firmly fixed at its lower end to another rubber joint 22, and transmits the rotational force to the pump shaft 8 directly connected to the pump rotor 18.
[0025]
The relationship between the spring constant of the spring 26 in FIG. 4 and the float 17 shown in FIG. 2 will be described in detail. In the equilibrium state shown in FIG. 2, the water spouting port 12 matches the height of the reference water surface. The pump is also in an equilibrium state, and an upward force is acting to lift the submerged spout 12 to the water surface. From this state, the water level becomes H1If the water level drops, the relative position between the pump and the water level in the equilibrium state after the water level has been lowered will be obtained. H1The vertical distance between the water surface and the spout 12 due to the drop in the water level is represented by Z. The increase F of the spring pressure at this timesAnd FbIs equal to
[Equation 4],
[Equation 5],
[Equation 6],
Equation (7) holds.
[0026]
(Equation 4)
[0027]
(Equation 5)
[0028]
(Equation 6)
[0029]
(Equation 7)
[0030]
Here, k is the spring constant of the spring 26, γ is the specific weight of water, and Ab
Is the cross-sectional area of the float 17 at the draft surface.
The following can be understood from Equation (7). That is, the values of the spring constant and the float cross-sectional area are appropriately selected, for example, γAbWhen / k = 5, the effect of the water level change on the pump is reduced to 1 / (5 + 1) = 1/6. In this way, the pump of the present invention can be operated while maintaining the optimum relational position with almost no influence of the water level change. The reason why the pump is lifted by the spring 26 is that the necessary float can be reduced and that the stability during operation is increased by applying tension to the pump.
[0031]
Finally, Fig. 5 shows that aquaculture that can be driven by an auxiliary power in an emergency to improve the red tide countermeasures so that it can be agile, even in the case of high temperature and mild weather conditions where wind cannot be expected. It is sectional drawing of the gear case part which made it easy to mount auxiliary power regarding improvement of the caseless circulation pump system for fields. In FIG. 5, in particular, a small-sized electric motor serving as an auxiliary power is assumed to be a general-purpose electric motor, and is not shown. However, automatic switching of the power transmission path between the windmill and the electric motor, which is unique to this improved type, is performed. 2 shows the structure of a horizontal axis 30 that is shown. In FIG. 5, a horizontal shaft 30, which is the first drive shaft for transmitting rotational power from a windmill to a pump, is rotatably held by a gear case 3 having a flat upper surface. The support described as the vertical column 4 supporting the entire apparatus of the present invention on the water in FIG. 1 corresponds to the fixed sleeve 34 in FIG. 5, and the fixed sleeve 34 has a long cylindrical vertical column 4 at the lower portion thereof. Is provided with a PT screw portion. The swivel shaft 13 fixed to the gear case 3 from above by a long bolt and a swivel sleeve 35 tightly screwed below the swivel shaft 13 are provided so as to be swivelable around the fixed sleeve 34. is there. Thus, the gear case 3 itself can freely pivot around the fixed sleeve 34. Inside the fixed sleeve 34, a vertical shaft 31 for transmitting the rotational force transmitted from the horizontal shaft 30 to the pump side is rotatably held. A long pipe-shaped rotary shaft 36 is welded to the shaft 31 to form the pump drive shaft 6 described above. These horizontal and vertical shafts 30 and 31 are mechanisms for easily transmitting power via a gear mechanism in which a pinion 32 provided on the horizontal shaft 30 and a face gear 33 fixed to the shaft 31 mesh with each other. . In addition, in order to fix the rudder 2 to the gear case 3 so that the windmill always faces the front where the wind blows, the pipe 37 is firmly fixed to the gear case 3 and the rudder 2 is attached to the tip thereof. It is attached. A windmill (not shown) is attached to a sleeve 39 via a one-way clutch 40 on the horizontal shaft 30 to enable the pump to be driven by auxiliary power when there is almost no wind. The horizontal axis can be rotated while stopped. On the other hand, a small electric motor (not shown) with a speed reducer of about 90 W is mounted on the upper surface of the flat gear case 3, and the small electric motor and the horizontal shaft 30 are always connected via a gear 38 fixed thereto. I have. However, the type of speed reducer that can be employed in the present invention is not a worm speed reducer, but a parallel shaft type speed reducer. This is because in a worm speed reducer, the movement of the wind turbine rotating the pump shaft is significantly impaired, and the circulating pump system itself cannot be established. The reason is that there is an asymmetry in the power transmission direction that power can be transmitted from the worm shaft to the worm wheel, but power cannot be transmitted from the opposite worm wheel to the worm shaft. In the illustrated embodiment of the present invention, a speed reducer having a speed reduction ratio of about 1/5 to 1/10 is used, and when the natural force with abundant wind power is sufficiently available, the electric motor is idled. At the reduction ratio of, the capacity of the motor is small, and it is considered that the influence on the windmill is small.
[0032]
The greatest feature of the caseless circulating pump employing the mechanism shown in FIG. 5 that enables the installation of the auxiliary power is that the horizontal shaft 30 can be rotationally driven by the auxiliary power even when the windmill is stopped. For this purpose, the windmill and the horizontal shaft 30 are connected via a one-way clutch 40. In this one-way clutch, power is transmitted by a frictional force between the sprag and the shaft via a sprag (piece) for one-way rotation, but in the reverse direction, the sprag and the shaft slip and the power cannot be transmitted. With the simple mechanism shown in FIG. 5, when the wind power is lost and the windmill stops, the other way to rotate the central horizontal axis in the same direction so far is to fix the scaffold to this horizontal axis and stop on the outer peripheral side If you look at the windmill, you will see as if the outer sleeve had been rotated in the reverse direction. This is the same as reversing the one-way clutch without any correction, and the sprags cause slippage, which makes it easier to drive the pump system with auxiliary power.
[0033]
Finally, specific specifications of the illustrated embodiment will be described.
Windmill diameter: 3 m, wind speed: rotation speed at 4 m / sec: 150 rpm, output: 81 w
Pump diameter: 0.4 m, rotation speed: 60 rpm, flow rate: 2000 tons / day, theoretical power: 37 w
Number of pinion teeth: 12z, number of face gear teeth: 30z,
Connection axis: γAb / k = 1000 × 0.12 / 24 = 5, Z / H1= 1/6
γ = 1000 kgf / m3, Ab: 0.12m2, K: 24 kgf / m
[0034]
【The invention's effect】
According to the present invention described above, it is possible to easily provide a system that can be realized by using inexpensive equipment even in a relatively large-scale water quality improvement project by effectively utilizing natural energy. Even if it is attached to a large floating body, even if there is a possibility that the water level of the spout of the caseless circulating pump may change locally due to the generation of waves on the water surface, it has a connecting shaft with a built-in float and spring. Therefore, it is possible to follow the water level change, and it is easy to secure the maximum treated water amount by minimizing wasteful energy. When attached to an artificial structure, a larger change in water level will become apparent, but with a connecting shaft mechanism that can float a sufficient distance, the spout can be held close to the water surface, and a decrease in treated water volume can be prevented beforehand. . Regarding measures against red tide at farms, it is not only possible to actively promote the improvement of water quality for farmed fish when the wind power is abundant, but there is concern about the occurrence of red tide due to high temperature weather conditions where wind power cannot be expected. Can provide the only solution that can use the auxiliary power from the generator onboard the ship to improve water quality in a flexible manner and prevent the devastating damage of farmed fish due to lack of oxygen in the water. . Thus, the economic value of the water environment improvement project and the marine aquaculture business according to the present invention is extremely high.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view of an entire system of a caseless circulation pump with a float according to one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a main body of the caseless circulating pump with a float shown in FIG.
FIG. 3 is a plan view of the caseless circulating pump with a float of FIG. 2;
FIG. 4 is a longitudinal sectional view of a connecting shaft portion shown in FIG.
FIG. 5 is a vertical cross-sectional view showing the vicinity of a gear case of a caseless circulating pump with a float capable of utilizing auxiliary power in case wind power cannot be expected.
[Explanation of symbols]
1 windmill blades
2 rudder
3 gear case
4 vertical pillar
5 legs
6 pump drive shaft
7 connecting shaft
8mm pump shaft
9 float
10mm vertical tube
11 filter
12 spout
13 ° swivel axis
15 structure
16 water surface
18 rotor
19 ° inclined tube
22, 23 rubber joint
24 cylinder
25 piston
26mm spring
27 sliding key
28 ° shaft cover
29mm head cover
30 ° horizontal axis
31 ° vertical axis
32 pinion
33 face gear
34 fixed sleeve
35 ° swivel sleeve
36 ° rotating shaft
37mm pipe
38 gear
39 sleeve
40 one-way clutch