【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水系重合体微粒子分散液、それを用いた非水系ポリウレタン微粒子分散液およびこれらの分散液を含有する塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
自動車用、工業用などに用いられる塗料に要求される性能は年とともに厳しくなり、特に近年は、環境汚染の問題から、塗料中の有機溶剤量の削減を求める動きと、酸性雨などの厳しい環境の中で被塗物をより長く保護するために、塗膜の機械的物性、特に耐衝撃性の向上を求める動きが強くなってきている。
【0003】
塗料中の有機溶剤量を減らす為と塗膜の機械的強度を向上させる方法として、非水系の樹脂微粒子分散液(NAD)を溶剤型塗料に添加する方法が古くよりなされており、特開昭49−30434号公報などにNADの製造方法が開示されている。これら従来の非水系樹脂微粒子分散液は、一般に分散安定剤に12−ヒドロキシステアリン酸の自己縮合物(特開平3−126770号公報参照)や2−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルメタクリレートなどの長鎖アルキル基を有する低極性モノマーを多量に共重合したマクロモノマーを用いているため、水酸基などの官能基を多く有する極性の高い樹脂との混和性が悪いという問題がある。
【0004】
特に近年、塗料中の有機溶剤量を減らす為、塗料に用いられる基体樹脂の低分子量化が進んでおり、それにつれて塗料の硬化性を確保するため基体樹脂の含有する官能基量が増大しており、これら極性の高い樹脂との混和性のよいNADの開発が望まれている。
【0005】
また、塗膜の耐衝撃性の向上にはウレタン樹脂の添加が効果のあることが知られており、非水系のポリウレタン微粒子分散液を簡便に安定に製造することができれば、耐衝撃性に優れた高固形分の塗料を製造することが期待できるが、非水系のポリウレタン微粒子分散液を簡便な方法で製造することが難しく、また、得られたポリウレタン微粒子分散液を上記のような極性の高い樹脂を用いた塗料中に添加すると貯蔵安定性が著しく低下してしまうという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、極性の高い樹脂との混和性に優れた非水系重合体微粒子分散液を提供することであり、容易に製造でき、かつ高極性の塗料組成物中に配合しても塗料の貯蔵安定性を低下させることのない非水系のポリウレタン微粒子分散液を提供することであり、また、これら非水系重合体微粒子分散液及び/又は非水系のポリウレタン微粒子分散液を用いた塗料組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のマクロモノマーの存在下にビニル系単量体を共重合して得られる重合体微粒子分散液の重合体微粒子にポリイソシアネート化合物を含芯させて反応を行わせることにより、容易に製造でき、且つ高極性の塗料組成物中に多量に配合しても安定な非水系のポリウレタン微粒子分散液を得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
かくして本発明は、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合して得られる、分子末端に下記式(1)に示される構造を有するマクロモノマー(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)は溶解するが、ビニル系単量体(b)から形成される重合体は実質的に溶解しない有機溶媒中で共重合させてなることを特徴とする非水系重合体微粒子分散液に関する。
【0009】
【化2】
【0010】
また、本発明は、ビニル系単量体(b)中水酸基含有ビニル系単量体を5〜100重量%含有してなる上記非水系重合体微粒子分散液にポリイソシアネート化合物(c)をビニル系単量体(b)の有する水酸基に対してポリイソシアネート化合物(c)のイソシアネート基が0.2〜1.0当量の範囲内となるようにして配合し、該重合体微粒子の内部で水酸基とイソシアネート基を反応させることにより得られる非水系ポリウレタン微粒子分散液に関する。
【0011】
さらに、本発明は、上記非水系重合体微粒子分散液及び/又は非水系ポリウレタン微粒子分散液を含有することを特徴とする塗料組成物に関する。
【0012】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の非水系重合体微粒子分散液は、特定のマクロモノマー(a)の存在下に、ビニル系単量体(b)を、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)は溶解するが、ビニル系単量体(b)から形成される重合体は実質的に溶解しない有機溶媒中で共重合させることにより得られるものである。
【0014】
マクロモノマー(a)
本発明の非水系重合体微粒子分散液の製造に用いられるマクロモノマー(a)は、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの存在下でエチレン性不飽和単量体をラジカル重合して得られるものである。
【0015】
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンはα−メチルスチレンダイマーとも略称される付加開裂型連鎖移動剤であり、重合性不飽和単量体を、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン及びラジカル重合開始剤の存在下に有機溶剤中で溶液重合法などにより、連鎖移動重合させることができる。得られるマクロモノマーは、分子末端に下記式(1)に示される構造を有するものとなる。
【0016】
【化3】
【0017】
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンの配合量は、特に限定されるものではないが、重合性不飽和単量体の合計量100重量部に基いて、通常、1〜50重量部、好ましくは5〜30重量部の範囲内であることが適当である。
【0018】
上記重合性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜9のモノアルコールとのエステル化物;メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、ブレンマーDSMA、同SLMA、同PMA、同VMA−70、同SLA(以上、日本油脂社製)などの分子末端に炭素数10以上のアルキル基を有する長鎖アクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド系不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、メタクリル酸3−トリメトキシシリルプロピルなどのシリル基含有不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族系ビニルモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和単量体;イソシアナトエチルメタクリレート、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアネート基含有重合性不飽和単量体;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和単量体などを挙げることができる。
【0019】
上記した不飽和単量体は1種もしくは2種以上組み合せて使用することができる。
【0020】
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤並びに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系重合開始剤を挙げることができる。
【0021】
前記溶液重合法による重合方法としては、例えば、重合性不飽和単量体、連鎖移動剤である2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン及びラジカル重合開始剤を、有機溶媒に溶解もしくは分散せしめ、通常、0℃〜200℃程度の温度で、通常1〜24時間程度撹拌しながら加熱して重合させる方法を挙げることができる。
【0022】
上記有機溶媒としては、ヘプタン、トルエン、キシレン、オクタン、ミネラルスピリット等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、 sec−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤;n−ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル系;スワゾール310、スワゾール1000、スワゾール1500(以上、いずれもコスモ石油社製)、SHELLSOL A(シェルゾールA、シェル化学社製)等の芳香族石油系溶剤等を挙げることができる。これらの有機溶剤は1種で又は2種以上を組合せて使用することができる。
【0023】
また、マクロモノマー(a)の重量平均分子量は1,000〜40,000、特に2,000〜20,000の範囲内が、重合体微粒子分散液の製造安定性の点から好ましい。
【0024】
さらに、マクロモノマー(a)を構成する重合性不飽和単量体の70モル%以上、好ましくは80モル%以上がメタクリロイル基を有するエチレン性不飽和単量体であることが、重合体微粒子分散液製造時における凝集ブツの発生等の問題を回避するためには適している。
【0025】
ビニル系単量体(b)
上記マクロモノマー(a)の存在下にビニル系単量体(b)を、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)は溶解するが、ビニル系単量体(b)から形成される重合体は実質的に溶解しない有機溶媒中で共重合させることにより重合体微粒子分散液を得ることができる。ビニル系単量体(b)に特に制限はないが、後述の非水系ポリウレタン微粒子分散液の製造に用いる場合には水酸基含有ビニル系単量体が必要である。
【0026】
上記水酸基含有ビニル系単量体としては、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数2〜8のヒドロキシアルキルエステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルポリオールとアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸とのモノエステル、PLACCELFA−2D(ダイセル化学社製、商品名、ポリカプロラクトン変性アクリレート)、PLACCEL FM−3(ダイセル化学社製、商品名、ポリカプロラクトン変性メタクリレート)などを挙げることができる。
【0027】
上記水酸基含有ビニル系単量体以外のビニル系単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル(n−,i−,tert−)、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸と炭素数1〜9のモノアルコールとのエステル化物;メタクリル酸n−デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸セチル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸n−デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸セチル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニル、ブレンマーDSMA、同SLMA、同PMA、同VMA−70、同SLA(以上、日本油脂社製)などの分子末端に炭素数10以上のアルキル基を有する長鎖アクリル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどのアミド系不飽和化合物;ビニルトリメトキシシラン、メタクリル酸3−トリメトキシシリルプロピルなどのシリル基含有不飽和化合物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロルスチレンなどの芳香族系ビニルモノマー;アクリル酸、メタクリル酸などのカルボキシル基含有重合性不飽和単量体;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含有重合性不飽和単量体などを挙げることができる。
【0028】
上記した不飽和単量体は1種もしくは2種以上組み合せて使用することができる。
【0029】
重合体微粒子分散液を製造する際に分散媒として用いられる有機液体は、生成する分散重合体粒子は実質的に溶解しないが、マクロモノマー(a)及びビニル系単量体(b)に対しては良溶媒となる、実質的に水と混和しない有機液体が好ましい。かかる有機液体の好適具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ミネラルスピリツト、トルエン、キシレン、酢酸ブチルなどが挙げられ1種で又は2種以上混合して用いることができる。
【0030】
本発明におけるマクロモノマー(a)の存在下における上記有機液体中でのビニル系単量体(b)の共重合は、それ自体既知の方法(例えば、特開昭57−177068号公報に記載の方法)を用いて行なうことができ、ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物系重合開始剤並びに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系重合開始剤が挙げられ、重合時の反応温度としては一般に60〜160℃の範囲内の温度を用いることができ、通常4〜8時間で反応を終らせることができる。
【0031】
非水系ポリウレタン微粒子分散液の製造
上記重合体微粒子分散液にポリイソシアネート化合物(c)を添加して重合体微粒子中にポリイソシアネート化合物(c)を含芯させ、重合体微粒子中に有する水酸基とポリイソシアネート化合物(c)中のイソシアネート基とを反応させることにより非水系ポリウレタン微粒子分散液を得ることができる。
【0032】
上記ポリイソシアネート化合物(c)は、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものである。該ポリイソシアネート化合物としては、例えば、リジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート類;水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4(または2,6)−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサンなどの環状脂肪族ジイソシアネート類;トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート類;リジントリイソシアネートなどの3価以上のポリイソシアネートなどの如き有機ポリイソシアネートそれ自体、またはこれらの各有機ポリイソシアネートと多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂もしくは水等との付加物、あるいは上記した如き各有機ジイソシアネート同志の環化重合体(例えば、イソシアヌレート)、ビウレット型付加物などが挙げられる。これらは、1種で又は2種以上混合して使用することができる。
【0033】
上記ポリイソシアネート化合物(c)の使用量は、ビニル系単量体(b)の有する水酸基に対してポリイソシアネート化合物(c)のイソシアネート基が0.2〜1.0当量、特に0.3〜0.9当量となる範囲内が非水系ポリウレタン微粒子分散液の製造安定性、および物性、特に耐衝撃性の点から好ましい。
【0034】
また、上記のようにして得られるポリウレタン微粒子は、ポリウレタン微粒子の芯部分のガラス転移温度が皮部分のガラス転移温度より低いこと、特に10℃以上低く、且つ芯部分のガラス転移温度が20℃以下、特に0℃以下であることが、本ポリウレタン微粒子分散液を含有する塗料から得られる塗膜の耐衝撃性の向上に効果的である。
【0035】
なお、ポリウレタン微粒子のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量測定装置(DSC)を用いて測定したものであり、試料を固形分で約10mgになるようにサンプルパンに秤量し、24時間室温で乾燥後、更に120℃で3時間乾燥させて溶剤を完全に揮発させた後、DSCにサンプルパンをセットし、100℃まで加熱し、約10分間保持した後、−120℃にまで急冷し、その後、10℃/分の速度で昇温しながら測定したものである。
【0036】
塗料組成物
本発明の非水系重合体微粒子分散液及び/又は非水系ポリウレタン微粒子分散液を溶剤系塗料に用いることにより、貯蔵安定性に優れた塗料組成物を得ることが出来る。また、特に非水系ポリウレタン微粒子分散液を用いることにより、強靭で耐衝撃性に優れた塗膜を形成することができる。非水系重合体微粒子分散液又は非水系ポリウレタン微粒子分散液単独で用いることもできるが、連続相を形成する基体樹脂、及びアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を含有する系中に配合することが好適である。
【0037】
連続相を形成する基体樹脂としてはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などが好ましく、塗料組成物を上塗塗料として使用する場合には、このうち、アクリル系樹脂が特に好ましい。
【0038】
上記アクリル系樹脂としては、芳香族炭化水素系、エステル系、エーテル系、ケトン系、アルコール系、脂肪族炭化水素系などの有機溶媒中でアクリル酸又はメタクリル酸のエステルを主体とするエチレン性不飽和単量体を既知の方法で重合したものが挙げられる。
【0039】
基体樹脂が水酸基を含有するものであれば硬化剤としてアミノ樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。アミノ樹脂としては、代表的には、メラミン、尿素、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、スピログアナミン、ステログアナミンなどのアミノ基含有化合物成分と、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、グリオキザールなどのアルデヒド系化合物成分とをそれ自体既知の方法により反応させて得られる縮合反応生成物;あるいはこのようにして得られる縮合物をアルコールで変性せしめて得られるメラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などが挙げられ、通常塗料用として使用されているものであれば、いずれも使用することができる。ポリイソシアネート化合物としては、前記ポリウレタン微粒子分散液の製造の項で例示したポリイソシアネート化合物を使用することができる。
【0040】
架橋剤としてフリーのイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を配合する場合には、このポリイソシアネート化合物は重合体微粒子や基体樹脂中の水酸基と常温で反応する可能性があるため、通常は二液型として使用直前に混合することが好ましく、一方、焼付型塗料に使用する場合には、フリーのイソシアネート基をブロック剤でブロックしたブロツクポリイソシアネート化合物を使用するのが好ましい。
【0041】
非水系重合体微粒子分散液及び/又は非水系ポリウレタン微粒子分散液の配合割合は、基体樹脂固形分量100重量部に対して固形分として5〜100重量部、特に10〜50重量部の範囲内が塗料の貯蔵安定性、塗膜の耐衝撃性などの点から好ましい。
【0042】
また、アミノ樹脂及び/又はポリイソシアネート化合物の配合割合は、基体樹脂と非水系重合体微粒子分散液及び/又は非水系ポリウレタン微粒子分散液の合計固形分量100重量部に対して5〜60重量部、特に10〜50重量部の範囲内が好ましい。
【0043】
また、カルボキシル基(無水基を含む)含有樹脂とエポキシ基含有樹脂との組み合わせなど上記以外の従来公知の架橋系の塗料にも本発明の非水系重合体微粒子分散液及び/又は非水系ポリウレタン微粒子分散液を適用することができる。
【0044】
非水系重合体微粒子分散液及び/又は非水系ポリウレタン微粒子分散液を含有する塗料組成物は、透明塗料として利用することもできるが、顔料を分散させ、着色塗料として利用することもできる。上記顔料として代表的なものには、酸化チタン、カーボンブラックなどの無機系の顔料;キナクリドン系、アゾ系をはじめとする各種の有機系の顔料;またはアルミ粉末、銅粉末、亜鉛粉末などの金属粉末などが挙げられる。
【0045】
さらに、本発明の塗料組成物には必要に応じて、硬化触媒を配合せしめることができ、また各種樹脂類や溶剤類、あるいは流動調整剤、色別れ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカツプリング剤などのそれ自体既知の各種の添加剤を配合せしめることもできる。
【0046】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。なお、以下、「部」及び「%」はいずれも重量基準によるものとする。
【0047】
マクロモノマーの合成
合成例1
フラスコに、3−エトキシエチルプロピオネート66部及び2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(以下、「MSD」と略称することがある)9部を仕込み、160℃で窒素を吹き込みながら撹拌し、この中にイソブチルメタクリレート100部とVR110(和光純薬社製、アゾ系ラジカル重合開始剤)4部との混合液を3時間かけて滴下した。そのまま、30分間撹拌の後、30分間かけてフラスコ内の温度を115℃に冷却、保持し、この中にV59(和光純薬社製、アゾ系ラジカル重合開始剤)2.4部と酢酸ブチル200部とイソブチルメタクリレート200部の混合液を3時間かけて滴下し、そのまま、30分間撹拌の後、V59 1部と酢酸ブチル10部の混合液を30分かけて滴下し、同温度に30分間保持し、ついで冷却して酢酸ブチル33部で希釈して固形分50%のマクロモノマー溶液(A−1)を得た。得られたマクロモノマーは、重量平均分子量9,000であり、プロトンNMRでの解析によるとMSD由来のエチレン性不飽和基のうちの97%以上がポリマー鎖末端に存在し、2%は消失していた。
【0048】
なお、上記プロトンNMRでの解析方法は以下の通りである。
【0049】
溶媒として重クロロホルムを使用し、MSDの不飽和基のプロトンに基づくピーク(4.8ppm、5.1ppm)は、付加開裂型の連鎖移動重合によりポリマー鎖末端のエチレン性不飽和基のプロトンに基づくピーク(5.0ppm、5.2ppm)に変化する。MSDに由来する芳香族プロトン(7.2ppm)は、重合工程で変化しないと仮定してこれを基準に各不飽和基(未反応、ポリマー鎖末端、消失)を定量化した。
【0050】
合成例2
フラスコに、3−エトキシエチルプロピオネート70部及びMSD8部を仕込み、160℃で窒素を吹き込みながら撹拌し、この中に2−エチルヘキシルメタクリレート60部、グリシジルメタクリレート30部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル10部及びパーヘキシルD(日本油脂社製、過酸化物系ラジカル重合開始剤)5部の混合液を3時間かけて滴下した。そのまま、30分間撹拌の後、30分間かけてフラスコ内の温度を115℃に冷却、保持し、この中にV59を2.4部と酢酸ブチル200部と2−エチルヘキシルメタクリレート120部、グリシジルメタクリレート60部、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル20部の混合液を3時間かけて滴下し、そのまま、30分間撹拌の後、V59を1部と酢酸ブチル10部の混合液を30分かけて滴下し、同温度に30分間保持し、ついで冷却して酢酸ブチル30部で希釈して固形分50%のマクロモノマー溶液(A−2)を得た。得られたマクロモノマーは、重量平均分子量8,800であり、プロトンNMRでの解析によるとMSD由来のエチレン性不飽和基のうちの97%以上がポリマー鎖末端に存在し、2%は消失していた。
【0051】
合成例3(比較例用)
フラスコに、キシレン100部を仕込み、130℃で窒素を吹き込みながら攪拌し、2−エチルヘキシルメタクリレート65部、イソブチルメタクリレート33部、メタクリル酸2部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部の混合物を3時間かけて滴下し、滴下後2時間熟成を行って固形分50%のアクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
【0052】
上記で得られたアクリル樹脂溶液202部にグリシジルメタクリレート1部、4−tert−ブチルピロカテコール0.02部及びジメチルアミノエタノール0.1部を加えて130℃で5時間攪拌し、共重合性二重結合を分子中に導入し、固形分50%のマクロモノマー溶液(A−3)を得た。マクロモノマーにおける導入二重結合の数は1分子あたり平均約1.0個であった。
【0053】
合成例4(比較例用)
フラスコに、トルエン100部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら80〜85℃で攪拌し、イソブチルメタクリレート100部、メルカプト酢酸1.6部および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部の混合溶液を4時間かけて均一速度で滴下し重合した。その後、同温度で2時間熟成させた後、95℃で1時間加熱して固形分55%のプレポリマー溶液を得た。得られたプレポリマーの酸価は4.7mgKOH/gであった。ついで、この中に、グリシジルメタクリレート2.7部、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド1.2部および重合禁止剤としてハイドロキノンモノメチルエーテル0.04部を加え、95℃にて8時間反応させ、固形分50%のマクロモノマー溶液(A−4)を得た。この反応におけるグリシジルメタクリレートの反応率は99%以上であった。得られたマクロモノマーは、重合性二重結合を1分子当り平均して約1.0個有しており、末端メタクリレート型ポリイソブチルメタクリレートマクロモノマーを主体とし、重量平均分子量が約8,700であった。
【0054】
合成例5(比較例用)
12−ヒドロキシステアリン酸をトルエン還流下でメタンスルホン酸を触媒として脱水縮合して、樹脂酸価30まで縮合を行なつた。得られた数平均分子量約1,800の自己縮合ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基にジメチルアミノエタノールを触媒として用いてグリシジルメタクリレートを付加して重合性二重結合を導入し、固形分70%のマクロモノマー溶液(A−5)を得た。得られたマクロモノマーは1分子当り平均約1.0個の重合性不飽和二重結合を有していた。
【0055】
合成例6(比較例用)
フラスコに、キシレン100部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃で攪拌し、2−エチルヘキシルメタクリレート65部、イソブチルメタクリレート33部、メタクリル酸2部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部の混合物を3時間かけて滴下し、滴下後2時間熟成を行って、固形分50%のアクリル樹脂溶液を得た。得られた樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
【0056】
上記で得られたアクリル樹脂溶液202部にグリシジルメタクリレート0.5部、4−tert−ブチルピロカテコール0.02部及びジメチルアミノエタノール0.1部を加えて130℃で5時間攪拌し、共重合性二重結合を分子中に導入し、固形分50%のマクロモノマー溶液(A−6)を得た。得られたマクロモノマーにおける導入二重結合の数は1分子あたり平均約0.5個であった。
【0057】
合成例7(比較例用)
フラスコに、キシレン100部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃で攪拌し、2−エチルヘキシルメタクリレート65部、イソブチルメタクリレート33部、メタクリル酸2部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.5部の混合物を3時間かけて滴下し、滴下後2時間熟成を行って固形分50%のアクリル樹脂溶液を得た。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量は10,000であった。
上記で得られたアクリル樹脂溶液202部にグリシジルメタクリレート2.0部4−tert−ブチルピロカテコール0.02部及びジメチルアミノエタノール0.1部を加えて130℃で5時間攪拌し、共重合性二重結合を分子中に導入し、固形分50%のマクロモノマー溶液(A−7)を得た。得られたマクロモノマーにおける導入二重結合の数は1分子あたり平均約2.0個であった。
【0058】
塗料評価用アクリル樹脂溶液の合成
合成例8
フラスコに、キシレン80部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら125℃で攪拌し、この中にスチレン20部、i−ブチルメタクリレート20部、メチルメタクリレート20部、2−エチルヘキシルアクリレート21.7部、アクリル酸0.5部、2−ヒドロキシエチルアクリレート17.8部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3.3部の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて固形分55%のアクリル樹脂溶液(B)を得た。得られたアクリル樹脂の重量平均分子量は11,000であった。
【0059】
重合体微粒子分散液及び非水系ポリウレタン微粒子分散液の製造
実施例1
フラスコに、酢酸ブチル(第一成分)65部を配合して90℃に昇温した後、この中に第二成分である50%マクロモノマー溶液(A−1)50部、2−ヒドロキシエチルアクリレート25部、PLACCEL FA−2D30部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.5部の混合物を5時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成させて重合体微粒子分散液(P−1A)を得た。得られた重合体微粒子の平均粒子径をコールター社のコールターN4モデルによる準弾性光散乱法を用いて測定したところ約600nmであった。
【0060】
この重合体微粒子分散液に第三成分である酢酸ブチル60部及びコロネートR−300(日本ポリウレタン工業社製、商品名、ポリイソシアネート)20部の混合物を1時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で熟成させて滴下したイソシアネート基の99.5%以上が反応した時点で冷却し、非水系ポリウレタン微粒子分散液(P−1B)を得た。尚、イソシアネート基の定量は、反応途中の試料にジブチルアミンを過剰に加えてイソシアネート基を消費させ、残存したジブチルアミンを塩酸溶液で逆滴定する方法で行った。指示薬にはブロムフェノールブルーのエタノール溶液を用い、試料の色が青色から黄緑色に変化したときを終点とした。
【0061】
また、得られたポリウレタン微粒子の平均粒子径をコールター社のコールターN4モデルによる準弾性光散乱法を用いて測定したところ約650nmであり、ガラス転移温度をDSCを用いて測定したところ低温側−22℃及び高温側45℃であった。
【0062】
実施例2〜4及び比較例1〜7
実施例1において第一成分、第二成分及び第三成分の種類及び量を下記表1に示す配合とする以外は実施例1と同様にして合成を行い、各重合体微粒子分散液及び各非水系ポリウレタン微粒子分散液を得た。得られた重合体微粒子及びポリウレタン微粒子の平均粒子径、及びガラス転移温度を下記表1に示す。表1における(注1)〜(注3)の各原料は各々下記の内容のものである。
(注1)マクロモノマー45%AA−6:東亜合成社製、商品名、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、不飽和二重結合の数は1分子あたり平均約1.0個。
(注2)PLACCEL FA−2D:ダイセル化学工業社製、商品名、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシル基含有アクリルモノマー。
(注3)スミジュールN−3300:住友バイエルウレタン社製、商品名、ポリイソシアネート化合物。
【0063】
【表1】
【0064】
塗料組成物の製造
実施例5
実施例1で得た47%非水系重合体微粒子分散液(P−1A)42.6部、55%アクリル樹脂溶液(B)110.5部、スミジュールN−3300(住化バイエルウレタン社製、商品名、ポリイソシアネート化合物)19.2部及びジブチル錫ジラウレート0.05部を混合し、さらにキシレン/酢酸ブチル=1/1(重量比)の組成のシンナーにて粘度を13〜14秒(フォードカップ#4、25℃)になるように調整した。
【0065】
実施例6〜14及び比較例8〜18
実施例5において各成分の配合を後記表2に示すとおりとする以外は実施例5と同様にして配合し各塗料組成物を得た。なお、表2における各注の原料は各々下記の内容のものである。
(注4)サイメル303:三井サイテック社製、商品名、メチル化メラミン樹脂。
(注5)Nacure5225:米国キング・インダストリイズ社製、商品名、ドデシルベンゼンスルホン酸のアミン塩溶液(硬化触媒)。
【0066】
試験板の作成
実施例および比較例で得た各塗料組成物をダル鋼板(リン酸亜鉛処理を施した0.8mm厚)に乾燥膜厚が約40μmとなるように塗装し、次いで室温で約9分間セッティングした後、熱風式電気炉にて140℃で30分間加熱硬化させて試験板を得た。なお、塗装は水平面に置いた鋼板および垂直面に置いた鋼板の2方法について行い、各々水平、垂直をそのまま保った状態で、電気炉にて加熱硬化を行った。
【0067】
得られた各試験板について下記試験方法に従って試験を行った。得られた結果を後記表2に示す
試験方法
仕上がり外観:水平面に塗装された試験板の仕上がり外観を目視により下記基準に従って評価した。
○:艶感、平滑性が良好。
×:ブツ状異物があり、艶感、平滑性が劣る。
【0068】
垂直面垂れレベル:前記垂直面に置いた鋼板の塗装において、塗料を鋼板長手方向左端から右端へ膜厚(乾燥膜厚)が20μm〜60μmまで連続的に変化するようにスプレーガンを用いて塗装した。該塗板を垂直に保った状態で、電気炉にて加熱硬化させて得た塗板について垂れが生じない最大膜厚(硬化膜)から下記基準で評価した。
○:垂れが生じない最大膜厚が45μm以上。
△:垂れが生じない最大膜厚が35μm以上45μm未満。
×:垂れが生じない最大膜厚が35μm未満。
【0069】
貯蔵安定性:非水系微粒子分散液と55%アクリル樹脂溶液(B)の2成分のみを表2中に示す配合比で混合した溶液を密封し、20℃で10日間静置した後の溶液状態を下記基準で評価した。
○:分離、ブツ等外観上の異常がなく、粘度も初期状態と変化がなかった。
×:分離、ブツ等の外観上の異常、及び/又は初期と比較して粘度の著しい変化が認められた。
【0070】
耐衝撃性:水平面に塗装された試験板を用いてデュポン式衝撃試験を実施し(500g、1/2インチ)、塗膜に割れが発生するまでの最高落下高さ(cm)から下記基準で評価した。
×:50cm未満で割れを生じた。
○:50cmで割れを生じなかった。
【0071】
【表2】
【0072】
【表3】
【0073】
【発明の効果】
本発明の非水系重合体微粒子分散液及びそれを用いてなる非水系ポリウレタン微粒子分散液は、容易に製造でき、かつ高極性の塗料組成物中に多量に配合しても塗料の貯蔵安定性を低下させることのないものであり、塗料に配合することにより、塗膜の耐衝撃性が著しく向上するため、自動車用、工業用などに極めて有用なものである。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a non-aqueous polymer fine particle dispersion, a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion using the same, and a coating composition containing these dispersions.
[0002]
[Prior art and its problems]
The performance required for paints used for automobiles and industrial use has become severer with the years.In particular, in recent years, due to the problem of environmental pollution, there has been a movement to reduce the amount of organic solvents in paints and severe environmental conditions such as acid rain. In order to protect the object to be coated for a longer time, there has been a growing movement to improve the mechanical properties of the coating film, especially the impact resistance.
[0003]
As a method for reducing the amount of the organic solvent in the paint and improving the mechanical strength of the coating film, a method of adding a non-aqueous resin fine particle dispersion (NAD) to a solvent-type paint has been used for a long time. A method for producing NAD is disclosed in, for example, JP-A-49-30434. These conventional non-aqueous resin particle dispersions generally contain a self-condensate of 12-hydroxystearic acid (see JP-A-3-126770) or a long-chain alkyl group such as 2-ethylhexyl acrylate or lauryl methacrylate as a dispersion stabilizer. Since a macromonomer obtained by copolymerizing a large amount of the low-polarity monomer is used, there is a problem that the miscibility with a highly polar resin having many functional groups such as hydroxyl groups is poor.
[0004]
In particular, in recent years, the molecular weight of the base resin used in the coating material has been reduced in order to reduce the amount of the organic solvent in the coating material, and the amount of functional groups contained in the base resin has increased accordingly in order to secure the curability of the coating material. Therefore, development of NAD having good miscibility with these highly polar resins has been desired.
[0005]
It is known that the addition of a urethane resin is effective in improving the impact resistance of a coating film. If a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion can be easily and stably produced, the impact resistance is excellent. Can be expected to produce a high solids paint, but it is difficult to produce a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion by a simple method, and the obtained polyurethane fine particle dispersion has a high polarity as described above. There is a problem that when added to a resin-based paint, the storage stability is significantly reduced.
[0006]
An object of the present invention is to provide a non-aqueous polymer fine particle dispersion having excellent miscibility with a highly polar resin, which can be easily produced, and which can be applied to a highly polar coating composition even when incorporated into a highly polar coating composition. To provide a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion which does not lower the storage stability of the coating composition, and a coating composition using the non-aqueous polymer fine particle dispersion and / or the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion. It is to provide.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have conducted intensive studies to solve the above-mentioned problems, and as a result, it has been found that polyisocyanate is added to polymer fine particles of a polymer fine particle dispersion obtained by copolymerizing a vinyl monomer in the presence of a specific macromonomer. The present inventors have found that a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion liquid which can be easily produced by incorporating a compound into a core and allowing the reaction to be obtained and which can be stably obtained even when incorporated in a large amount in a highly polar coating composition can be obtained. The invention has been completed.
[0008]
Thus, the present invention provides a structure represented by the following formula (1) at the molecular terminal obtained by radical polymerization of an ethylenically unsaturated monomer in the presence of 2,4-diphenyl-4-methyl-1-pentene. In the presence of the macromonomer (a), the vinyl monomer (b) is formed from the vinyl monomer (b) while the macromonomer (a) and the vinyl monomer (b) dissolve. The present invention relates to a non-aqueous polymer fine particle dispersion, wherein the polymer is copolymerized in an organic solvent that does not substantially dissolve.
[0009]
Embedded image
[0010]
The present invention also relates to a non-aqueous polymer fine particle dispersion comprising 5 to 100% by weight of a hydroxyl group-containing vinyl monomer in a vinyl monomer (b), wherein a polyisocyanate compound (c) is added to the vinyl monomer. The isocyanate group of the polyisocyanate compound (c) is blended with the hydroxyl group of the monomer (b) so as to be in the range of 0.2 to 1.0 equivalent, and the hydroxyl group and the hydroxyl group are contained inside the polymer fine particles. The present invention relates to a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion obtained by reacting an isocyanate group.
[0011]
Further, the present invention relates to a coating composition comprising the non-aqueous polymer fine particle dispersion and / or the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion.
[0012]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The non-aqueous polymer fine particle dispersion of the present invention dissolves the vinyl monomer (b) and the macromonomer (a) and the vinyl monomer (b) in the presence of the specific macromonomer (a). However, the polymer formed from the vinyl monomer (b) is obtained by copolymerizing in a substantially insoluble organic solvent.
[0014]
Macromonomer (a)
The macromonomer (a) used for producing the nonaqueous polymer fine particle dispersion of the present invention is obtained by radical polymerization of an ethylenically unsaturated monomer in the presence of 2,4-diphenyl-4-methyl-1-pentene. It can be obtained by:
[0015]
2,4-Diphenyl-4-methyl-1-pentene is an addition-cleavable chain transfer agent, also abbreviated as α-methylstyrene dimer, and converts a polymerizable unsaturated monomer into 2,4-diphenyl-4-methyl. Chain transfer polymerization can be performed by a solution polymerization method or the like in an organic solvent in the presence of -1-pentene and a radical polymerization initiator. The resulting macromonomer has a structure represented by the following formula (1) at the molecular terminal.
[0016]
Embedded image
[0017]
The amount of 2,4-diphenyl-4-methyl-1-pentene is not particularly limited, but is usually 1 to 50 parts by weight based on 100 parts by weight of the total amount of the polymerizable unsaturated monomer. Suitably, it is in the range of 5 parts by weight, preferably 5 to 30 parts by weight.
[0018]
Examples of the polymerizable unsaturated monomer include methyl acrylate, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, butyl acrylate (n-, i-, tert-), and 2-ethylhexyl acrylate. N-octyl acrylate, hexyl acrylate, cyclohexyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, isopropyl methacrylate, butyl methacrylate (n-, i-, tert-), methacrylic acid 2 -Ethylhexyl, n-octyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, methoxybutyl acrylate, methoxybutyl methacrylate, methoxyethyl acrylate, methoxyethyl methacrylate, ethoxyethyl methacrylate, ethoxybutyl methacrylate Esterified product of acrylic acid or methacrylic acid such as butyl and a monoalcohol having 1 to 9 carbon atoms; n-decyl methacrylate, lauryl methacrylate, cetyl methacrylate, stearyl methacrylate, behenyl methacrylate, n-decyl acrylate; Lauryl acrylate, cetyl acrylate, stearyl acrylate, behenyl acrylate, Blemmer DSMA, SLMA, PMA, VMA-70, SLA (all of which are manufactured by NOF Corporation) Long-chain acrylic monomers having an alkyl group; vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate and vinyl versatate; vinyl cyanides such as acrylonitrile and methacrylonitrile; halogens such as vinyl chloride, vinylidene chloride and vinyl fluoride Vinyl chloride Amide-based unsaturated compounds such as acrylamide, methacrylamide, diacetone acrylamide, diacetone methacrylamide, N-methylolacrylamide, N-butoxymethylacrylamide; silyl groups such as vinyltrimethoxysilane and 3-trimethoxysilylpropyl methacrylate Unsaturated compounds; aromatic vinyl monomers such as styrene, α-methylstyrene, vinyltoluene, and α-chlorostyrene; carboxyl group-containing polymerizable unsaturated monomers such as acrylic acid and methacrylic acid; glycidyl acrylate and glycidyl methacrylate Isocyanatoethyl methacrylate, isocyanate group-containing polymerizable unsaturated monomers such as m-isopropenyl-α, α-dimethylbenzyl isocyanate 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, hydroxypropyl acrylate, and the like hydroxyl group-containing polymerizable unsaturated monomers such as 2-hydroxypropyl methacrylate.
[0019]
The above unsaturated monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0020]
Examples of the radical polymerization initiator include organic peroxide-based polymerization initiators such as benzoyl peroxide, and 2,2′-azobisisobutyronitrile, 1,1-azobis (cyclohexane-1-carbonitrile), and the like. Azo-based polymerization initiators.
[0021]
As the polymerization method by the solution polymerization method, for example, a polymerizable unsaturated monomer, 2,4-diphenyl-4-methyl-1-pentene as a chain transfer agent and a radical polymerization initiator are dissolved in an organic solvent or Dispersion is carried out, and a method in which polymerization is carried out usually by heating at a temperature of about 0 ° C. to 200 ° C. with stirring for about 1 to 24 hours can be exemplified.
[0022]
Examples of the organic solvent include hydrocarbon solvents such as heptane, toluene, xylene, octane, and mineral spirit; ester solvents such as ethyl acetate, n-butyl acetate, isobutyl acetate, ethylene glycol monomethyl ether acetate, and diethylene glycol monobutyl ether acetate; Ketone solvents such as methyl ethyl ketone, methyl isobutyl ketone, diisobutyl ketone and cyclohexanone; alcohol solvents such as methanol, ethanol, isopropanol, n-butanol, sec-butanol and isobutanol; n-butyl ether, dioxane, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene Ethers such as glycol monoethyl ether; swazol 310, swazol 1000, swazol 1500 (or more, Manufactured by Cosmo Oil Co., Ltd.), it can be exemplified SHELLSOL A (Shellsol A, aromatic such as Shell Chemical Co.) petroleum solvent or the like. These organic solvents can be used alone or in combination of two or more.
[0023]
The weight average molecular weight of the macromonomer (a) is preferably from 1,000 to 40,000, particularly preferably from 2,000 to 20,000, from the viewpoint of the production stability of the polymer fine particle dispersion.
[0024]
Further, it is preferable that 70 mol% or more, preferably 80 mol% or more of the polymerizable unsaturated monomer constituting the macromonomer (a) is an ethylenically unsaturated monomer having a methacryloyl group. It is suitable for avoiding problems such as the occurrence of cohesion during liquid production.
[0025]
Vinyl monomer (b)
The vinyl monomer (b) is dissolved in the presence of the macromonomer (a), and the macromonomer (a) and the vinyl monomer (b) are dissolved, but the vinyl monomer (b) is formed from the vinyl monomer (b). The resulting polymer is copolymerized in an organic solvent that does not substantially dissolve, whereby a polymer fine particle dispersion can be obtained. The vinyl monomer (b) is not particularly limited, but a hydroxyl group-containing vinyl monomer is required when it is used for producing a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion described below.
[0026]
Examples of the hydroxyl group-containing vinyl monomer include 2-hydroxyethyl acrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, hydroxypropyl acrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate and other acrylic acid or methacrylic acid hydroxyalkyl esters having 2 to 8 carbon atoms; Monoesters of polyether polyols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol and polybutylene glycol with unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid and methacrylic acid, PLACCELFA-2D (manufactured by Daicel Chemical Industries, trade name, polycaprolactone-modified acrylate), PLACCEL FM-3 (manufactured by Daicel Chemical Industries, trade name, polycaprolactone-modified methacrylate) and the like.
[0027]
Examples of the vinyl monomer other than the hydroxyl group-containing vinyl monomer include methyl acrylate, ethyl acrylate, n-propyl acrylate, isopropyl acrylate, butyl acrylate (n-, i-, tert- ), 2-ethylhexyl acrylate, n-octyl acrylate, hexyl acrylate, cyclohexyl acrylate, methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-propyl methacrylate, isopropyl methacrylate, butyl methacrylate (n-, i-, tert-), 2-ethylhexyl methacrylate, n-octyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, methoxybutyl acrylate, methoxybutyl methacrylate, methoxyethyl acrylate, methoxyethyl methacrylate, ethoxy acrylate Esters of acrylic acid or methacrylic acid such as tyl and ethoxybutyl methacrylate with monoalcohols having 1 to 9 carbon atoms; n-decyl methacrylate, lauryl methacrylate, cetyl methacrylate, stearyl methacrylate, behenyl methacrylate, acrylic At the molecular terminals of n-decyl acid, lauryl acrylate, cetyl acrylate, stearyl acrylate, behenyl acrylate, Blemmer DSMA, SLMA, PMA, VMA-70, and SLA (all manufactured by NOF Corporation) Long-chain acrylic monomers having an alkyl group having 10 or more carbon atoms; vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl propionate and vinyl versatate; vinyl cyanides such as acrylonitrile and methacrylonitrile; vinyl chloride, vinylidene chloride, and fluorine Plasticized vinyl Amide unsaturated compounds such as acrylamide, methacrylamide, diacetone acrylamide, diacetone methacrylamide, N-methylol acrylamide, N-butoxymethyl acrylamide; vinyl trimethoxysilane, 3-trimethoxy methacrylate Silyl group-containing unsaturated compounds such as silylpropyl; aromatic vinyl monomers such as styrene, α-methylstyrene, vinyltoluene and α-chlorostyrene; carboxyl group-containing polymerizable unsaturated monomers such as acrylic acid and methacrylic acid An epoxy group-containing polymerizable unsaturated monomer such as glycidyl acrylate and glycidyl methacrylate.
[0028]
The above unsaturated monomers can be used alone or in combination of two or more.
[0029]
The organic liquid used as a dispersion medium when producing the polymer fine particle dispersion liquid does not substantially dissolve the resulting dispersed polymer particles, but is relatively soluble in the macromonomer (a) and the vinyl monomer (b). Is preferably an organic liquid that is a good solvent and is substantially immiscible with water. Preferable specific examples of such an organic liquid include hexane, heptane, octane, mineral spirit, toluene, xylene, butyl acetate and the like, and one or a mixture of two or more thereof can be used.
[0030]
The copolymerization of the vinyl monomer (b) in the organic liquid in the presence of the macromonomer (a) in the present invention can be carried out by a method known per se (for example, as described in JP-A-57-177068). Method), and examples of the radical polymerization initiator include organic peroxide-based polymerization initiators such as benzoyl peroxide and 2,2′-azobisisobutyronitrile, 1,1-azobis An azo-based polymerization initiator such as (cyclohexane-1-carbonitrile) can be used. As the reaction temperature during polymerization, a temperature in the range of generally 60 to 160 ° C. can be used, and the reaction is usually performed in 4 to 8 hours. You can end it.
[0031]
Production of non-aqueous polyurethane fine particle dispersion
A polyisocyanate compound (c) is added to the polymer fine particle dispersion to impregnate the polyisocyanate compound (c) in the polymer fine particles, and the hydroxyl group in the polymer fine particles and the isocyanate in the polyisocyanate compound (c) are mixed. A non-aqueous polyurethane fine particle dispersion can be obtained by reacting with a group.
[0032]
The polyisocyanate compound (c) has two or more isocyanate groups in one molecule. Examples of the polyisocyanate compound include aliphatic diisocyanates such as lysine diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, and trimethylhexane diisocyanate; hydrogenated xylylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, methylcyclohexane-2,4 (or 2,6) -diisocyanate; Cycloaliphatic diisocyanates such as 4,4'-methylenebis (cyclohexyl isocyanate) and 1,3- (isocyanatomethyl) cyclohexane; aromatic diisocyanates such as tolylene diisocyanate, xylylene diisocyanate, diphenylmethane diisocyanate; lysine triisocyanate Organic polyisocyanate itself such as tri- or higher valent polyisocyanate, or each of these. Polyisocyanates with polyhydric alcohol, an adduct of low molecular weight polyester resin or water, etc., or cyclic polymer of the organic diisocyanate comrades such described above (e.g., isocyanurates), and the like biuret type adducts. These can be used alone or in combination of two or more.
[0033]
The amount of the polyisocyanate compound (c) to be used is such that the isocyanate group of the polyisocyanate compound (c) is 0.2 to 1.0 equivalent, particularly preferably 0.3 to 1.0, based on the hydroxyl group of the vinyl monomer (b). The range of 0.9 equivalent is preferable from the viewpoint of the production stability of the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion and physical properties, particularly impact resistance.
[0034]
Further, the polyurethane fine particles obtained as described above, the glass transition temperature of the core portion of the polyurethane fine particles is lower than the glass transition temperature of the skin portion, especially lower than 10 ℃, and the glass transition temperature of the core portion is 20 ℃ or less. In particular, a temperature of 0 ° C. or lower is effective for improving the impact resistance of a coating film obtained from a coating material containing the polyurethane fine particle dispersion.
[0035]
The glass transition temperature (Tg) of the polyurethane fine particles was measured using a differential scanning calorimeter (DSC). The sample was weighed in a sample pan so that the solid content was about 10 mg, and the room temperature was measured for 24 hours. After drying at 120 ° C. and further drying at 120 ° C. for 3 hours to completely evaporate the solvent, a sample pan was set on the DSC, heated to 100 ° C., held for about 10 minutes, and quenched to −120 ° C. Thereafter, the temperature was measured while increasing the temperature at a rate of 10 ° C./min.
[0036]
Paint composition
By using the non-aqueous polymer fine particle dispersion and / or the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion of the present invention for a solvent-based coating, a coating composition having excellent storage stability can be obtained. Particularly, by using a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion, a coating film having toughness and excellent impact resistance can be formed. The non-aqueous polymer fine particle dispersion or the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion can be used alone, but it may be used in a system containing a base resin that forms a continuous phase, and a cross-linking agent such as an amino resin and a polyisocyanate compound. Is preferred.
[0037]
Acrylic resin, polyester resin, alkyd resin and the like are preferable as the base resin forming the continuous phase. When the coating composition is used as a top coating, an acrylic resin is particularly preferable.
[0038]
Examples of the acrylic resin include ethylenic resins mainly containing acrylic acid or methacrylic acid esters in organic solvents such as aromatic hydrocarbons, esters, ethers, ketones, alcohols, and aliphatic hydrocarbons. Examples thereof include those obtained by polymerizing a saturated monomer by a known method.
[0039]
If the base resin contains a hydroxyl group, it is preferable to use an amino resin and / or a polyisocyanate compound as a curing agent. As the amino resin, typically, an amino group-containing compound component such as melamine, urea, acetoguanamine, benzoguanamine, spiroguanamine, and sterogamine, and an aldehyde-based compound component such as formaldehyde, paraformaldehyde, acetaldehyde, and glyoxal are used. A condensation reaction product obtained by reacting by a method known per se; or a melamine resin, a urea resin, a benzoguanamine resin, etc. obtained by modifying the condensate obtained in this way with an alcohol, and is usually used for a paint. Any of these can be used. As the polyisocyanate compound, the polyisocyanate compounds exemplified in the section of the production of the polyurethane fine particle dispersion can be used.
[0040]
When compounding a polyisocyanate compound having a free isocyanate group as a cross-linking agent, the polyisocyanate compound may react with the hydroxyl groups in the polymer fine particles and the base resin at room temperature. It is preferable to mix them immediately before use. On the other hand, when they are used for baking-type paints, it is preferable to use block polyisocyanate compounds in which free isocyanate groups are blocked with a blocking agent.
[0041]
The mixing ratio of the non-aqueous polymer fine particle dispersion and / or the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion is preferably in the range of 5 to 100 parts by weight, particularly 10 to 50 parts by weight as solids with respect to 100 parts by weight of the solid content of the base resin. It is preferable from the viewpoint of the storage stability of the paint and the impact resistance of the coating film.
[0042]
Further, the mixing ratio of the amino resin and / or the polyisocyanate compound is 5 to 60 parts by weight based on 100 parts by weight of the total solid content of the base resin and the non-aqueous polymer fine particle dispersion and / or the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion. Particularly, the amount is preferably in the range of 10 to 50 parts by weight.
[0043]
In addition, the non-aqueous polymer fine particle dispersion and / or the non-aqueous polyurethane fine particles of the present invention can be used in other known cross-linking paints such as a combination of a carboxyl group-containing resin (including an anhydride group) and an epoxy group-containing resin. A dispersion can be applied.
[0044]
The coating composition containing the non-aqueous polymer fine particle dispersion and / or the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion can be used as a transparent coating, but can also be used as a colored coating by dispersing a pigment. Representative pigments include inorganic pigments such as titanium oxide and carbon black; various organic pigments such as quinacridone and azo pigments; and metals such as aluminum powder, copper powder and zinc powder. And the like.
[0045]
Further, the coating composition of the present invention, if necessary, can be blended with a curing catalyst, and various resins and solvents, or a flow regulator, a color separation inhibitor, an antioxidant, an ultraviolet absorber, Various additives known per se, such as a silane coupling agent, may be blended.
[0046]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to Examples and Comparative Examples. Hereinafter, both “parts” and “%” are based on weight.
[0047]
Synthesis of macromonomer
Synthesis Example 1
A flask is charged with 66 parts of 3-ethoxyethyl propionate and 9 parts of 2,4-diphenyl-4-methyl-1-pentene (hereinafter may be abbreviated as “MSD”), and nitrogen is blown at 160 ° C. While stirring, a mixed solution of 100 parts of isobutyl methacrylate and 4 parts of VR110 (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd., azo radical polymerization initiator) was added dropwise over 3 hours. After stirring for 30 minutes as it is, the temperature in the flask was cooled to 115 ° C. over 30 minutes and maintained, and 2.4 parts of V59 (azo radical polymerization initiator, manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and butyl acetate were added thereto. A mixed solution of 200 parts and 200 parts of isobutyl methacrylate was added dropwise over 3 hours. After stirring for 30 minutes, a mixed solution of 1 part of V59 and 10 parts of butyl acetate was added dropwise over 30 minutes, and the mixture was kept at the same temperature for 30 minutes. Then, the mixture was cooled and diluted with 33 parts of butyl acetate to obtain a macromonomer solution (A-1) having a solid content of 50%. The obtained macromonomer has a weight average molecular weight of 9,000, and according to analysis by proton NMR, 97% or more of the ethylenically unsaturated groups derived from MSD are present at the polymer chain terminals, and 2% disappear. I was
[0048]
In addition, the analysis method by the said proton NMR is as follows.
[0049]
Using deuterated chloroform as a solvent, the peak (4.8 ppm, 5.1 ppm) based on the proton of the unsaturated group of MSD is based on the proton of the ethylenically unsaturated group at the polymer chain terminal by addition-cleavage type chain transfer polymerization. Change to peaks (5.0 ppm, 5.2 ppm). Assuming that the aromatic proton (7.2 ppm) derived from MSD does not change in the polymerization step, each unsaturated group (unreacted, polymer chain terminal, disappearance) was quantified based on this assumption.
[0050]
Synthesis Example 2
A flask was charged with 70 parts of 3-ethoxyethyl propionate and 8 parts of MSD, and stirred at 160 ° C. while blowing nitrogen thereinto, into which 60 parts of 2-ethylhexyl methacrylate, 30 parts of glycidyl methacrylate, and 2-hydroxypropyl methacrylate 10 And a mixture of 5 parts of Perhexyl D (manufactured by NOF CORPORATION, peroxide radical polymerization initiator) was added dropwise over 3 hours. After stirring for 30 minutes, the temperature in the flask was cooled and maintained at 115 ° C. over 30 minutes, and 2.4 parts of V59, 200 parts of butyl acetate, 120 parts of 2-ethylhexyl methacrylate, and 60 parts of glycidyl methacrylate 60 were added thereto. And a mixture of 20 parts of 2-hydroxypropyl methacrylate was added dropwise over 3 hours. After stirring for 30 minutes, a mixture of 1 part of V59 and 10 parts of butyl acetate was added dropwise over 30 minutes. The temperature was maintained for 30 minutes, then cooled and diluted with 30 parts of butyl acetate to obtain a macromonomer solution (A-2) having a solid content of 50%. The obtained macromonomer had a weight average molecular weight of 8,800. According to analysis by proton NMR, 97% or more of the ethylenically unsaturated groups derived from MSD were present at the polymer chain terminals, and 2% disappeared. I was
[0051]
Synthesis Example 3 (for Comparative Example)
A flask was charged with 100 parts of xylene and stirred at 130 ° C. while blowing nitrogen thereto, and 65 parts of 2-ethylhexyl methacrylate, 33 parts of isobutyl methacrylate, 2 parts of methacrylic acid, and 1.5 parts of 2,2′-azobisisobutyronitrile were used. Part of the mixture was added dropwise over 3 hours. After the addition, the mixture was aged for 2 hours to obtain an acrylic resin solution having a solid content of 50%. The weight average molecular weight of the obtained acrylic resin was 10,000.
[0052]
To 202 parts of the acrylic resin solution obtained above, 1 part of glycidyl methacrylate, 0.02 part of 4-tert-butylpyrocatechol and 0.1 part of dimethylaminoethanol were added, and the mixture was stirred at 130 ° C. for 5 hours. The heavy bond was introduced into the molecule to obtain a macromonomer solution (A-3) having a solid content of 50%. The number of introduced double bonds in the macromonomer was on average about 1.0 per molecule.
[0053]
Synthesis Example 4 (for Comparative Example)
A flask is charged with 100 parts of toluene, and the mixture is stirred at 80 to 85 ° C. while blowing nitrogen gas. A mixed solution of 100 parts of isobutyl methacrylate, 1.6 parts of mercaptoacetic acid and 2 parts of 2,2′-azobisisobutyronitrile is added. Was dropped at a uniform rate over 4 hours to carry out polymerization. Then, after aging at the same temperature for 2 hours, it was heated at 95 ° C. for 1 hour to obtain a prepolymer solution having a solid content of 55%. The acid value of the obtained prepolymer was 4.7 mgKOH / g. Then, 2.7 parts of glycidyl methacrylate, 1.2 parts of tetrabutylammonium bromide as a catalyst and 0.04 parts of hydroquinone monomethyl ether as a polymerization inhibitor were added thereto, and reacted at 95 ° C. for 8 hours to obtain a solid content of 50 parts. % Of a macromonomer solution (A-4). The conversion of glycidyl methacrylate in this reaction was 99% or more. The resulting macromonomer has an average of about 1.0 polymerizable double bonds per molecule, is mainly composed of a terminal methacrylate type polyisobutyl methacrylate macromonomer, has a weight average molecular weight of about 8,700, there were.
[0054]
Synthesis Example 5 (for Comparative Example)
12-Hydroxystearic acid was dehydrated and condensed under reflux of toluene with methanesulfonic acid as a catalyst to conduct condensation to a resin acid value of 30. Glycidyl methacrylate was added to the terminal carboxyl group of the obtained self-condensed polyester resin having a number average molecular weight of about 1,800 using dimethylaminoethanol as a catalyst to introduce a polymerizable double bond, and a macromonomer having a solid content of 70% was obtained. Solution (A-5) was obtained. The resulting macromonomer had an average of about 1.0 polymerizable unsaturated double bonds per molecule.
[0055]
Synthesis Example 6 (for Comparative Example)
A flask was charged with 100 parts of xylene, and stirred at 130 ° C. while blowing nitrogen gas into the flask. 65 parts of 2-ethylhexyl methacrylate, 33 parts of isobutyl methacrylate, 2 parts of methacrylic acid, and 2,2′-azobisisobutyronitrile. Five parts of the mixture was added dropwise over 3 hours, and aging was performed for 2 hours after the addition to obtain an acrylic resin solution having a solid content of 50%. The weight average molecular weight of the obtained resin was 10,000.
[0056]
To 202 parts of the acrylic resin solution obtained above, 0.5 part of glycidyl methacrylate, 0.02 part of 4-tert-butylpyrocatechol and 0.1 part of dimethylaminoethanol were added, and the mixture was stirred at 130 ° C. for 5 hours and copolymerized. The reactive double bond was introduced into the molecule to obtain a macromonomer solution (A-6) having a solid content of 50%. The number of introduced double bonds in the obtained macromonomer was on average about 0.5 per molecule.
[0057]
Synthesis Example 7 (for Comparative Example)
A flask is charged with 100 parts of xylene, and stirred at 130 ° C. while blowing nitrogen gas. 65 parts of 2-ethylhexyl methacrylate, 33 parts of isobutyl methacrylate, 2 parts of methacrylic acid, and 2,2′-azobisisobutyronitrile. Five parts of the mixture was added dropwise over 3 hours, and aging was performed for 2 hours after the addition to obtain an acrylic resin solution having a solid content of 50%. The weight average molecular weight of the obtained acrylic resin was 10,000.
To 202 parts of the acrylic resin solution obtained above, 2.0 parts of glycidyl methacrylate, 0.02 part of 4-tert-butylpyrocatechol and 0.1 part of dimethylaminoethanol were added, and the mixture was stirred at 130 ° C. for 5 hours to obtain a copolymerizable polymer. A double bond was introduced into the molecule to obtain a macromonomer solution (A-7) having a solid content of 50%. The number of introduced double bonds in the obtained macromonomer was about 2.0 on average per molecule.
[0058]
Synthesis of acrylic resin solution for paint evaluation
Synthesis Example 8
A flask was charged with 80 parts of xylene, and stirred at 125 ° C. while blowing nitrogen gas into the flask. 20 parts of styrene, 20 parts of i-butyl methacrylate, 20 parts of methyl methacrylate, 21.7 parts of 2-ethylhexyl acrylate, and acrylic acid were added. A mixture of 0.5 part, 17.8 parts of 2-hydroxyethyl acrylate and 3.3 parts of 2,2′-azobisisobutyronitrile was added dropwise at a uniform rate over 3 hours, and the mixture was aged at the same temperature for 2 hours. Thus, an acrylic resin solution (B) having a solid content of 55% was obtained. The weight average molecular weight of the obtained acrylic resin was 11,000.
[0059]
Production of polymer fine particle dispersion and non-aqueous polyurethane fine particle dispersion
Example 1
After mixing 65 parts of butyl acetate (first component) in a flask and raising the temperature to 90 ° C., 50 parts of a 50% macromonomer solution (A-1) as a second component, 2-hydroxyethyl acrylate, A mixture of 25 parts of PLACCEL @ FA-2D and 30 parts of 2,2'-azobisisobutyronitrile was added dropwise at a uniform rate over 5 hours, and the mixture was aged at the same temperature for 2 hours to disperse polymer fine particles. A liquid (P-1A) was obtained. The average particle size of the obtained polymer fine particles was about 600 nm as measured by a quasi-elastic light scattering method using a Coulter N4 model manufactured by Coulter Corporation.
[0060]
A mixture of 60 parts of butyl acetate, which is the third component, and 20 parts of Coronate R-300 (trade name, polyisocyanate, manufactured by Nippon Polyurethane Industry Co., Ltd.) was dropped into this polymer fine particle dispersion at a uniform rate over 1 hour. When the mixture was aged at the same temperature and 99.5% or more of the dropped isocyanate groups reacted, the mixture was cooled to obtain a non-aqueous polyurethane fine particle dispersion (P-1B). The determination of the isocyanate group was performed by a method in which dibutylamine was excessively added to the sample in the course of the reaction to consume the isocyanate group, and the remaining dibutylamine was back titrated with a hydrochloric acid solution. An ethanol solution of bromophenol blue was used as the indicator, and the time when the color of the sample changed from blue to yellow-green was determined as the end point.
[0061]
The average particle diameter of the obtained polyurethane fine particles was about 650 nm when measured by a quasi-elastic light scattering method using a Coulter Co., Ltd. Coulter N4 model, and the glass transition temperature was measured by using DSC. C. and 45 ° C. on the hot side.
[0062]
Examples 2 to 4 and Comparative Examples 1 to 7
Synthesis was performed in the same manner as in Example 1 except that the types and amounts of the first component, the second component, and the third component were set as shown in Table 1 below. An aqueous polyurethane fine particle dispersion was obtained. The average particle diameter and the glass transition temperature of the obtained polymer fine particles and polyurethane fine particles are shown in Table 1 below. Each raw material of (Note 1) to (Note 3) in Table 1 has the following contents.
(Note 1) Macromonomer 45% AA-6: manufactured by Toa Gosei Co., Ltd., trade name, polymethyl methacrylate macromonomer, the number of unsaturated double bonds is about 1.0 on average per molecule.
(Note 2) PLACCEL @ FA-2D: manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd., trade name, ε-caprolactone-modified hydroxyl group-containing acrylic monomer.
(Note 3) Sumidur N-3300: manufactured by Sumitomo Bayer Urethane, trade name, polyisocyanate compound.
[0063]
[Table 1]
[0064]
Manufacture of paint compositions
Example 5
42.6 parts of 47% non-aqueous polymer fine particle dispersion liquid (P-1A) obtained in Example 1, 110.5 parts of 55% acrylic resin solution (B), Sumidur N-3300 (manufactured by Sumika Bayer Urethane Co., Ltd.) , Trade name, polyisocyanate compound) 19.2 parts and dibutyltin dilaurate 0.05 part were mixed, and the viscosity was further reduced with a thinner having a composition of xylene / butyl acetate = 1/1 (weight ratio) for 13 to 14 seconds ( (Ford Cup # 4, 25 ° C.).
[0065]
Examples 6 to 14 and Comparative Examples 8 to 18
Each coating composition was obtained in the same manner as in Example 5 except that the components in Example 5 were mixed as shown in Table 2 below. In addition, the raw materials of each note in Table 2 have the following contents.
(Note 4) Cymel 303: manufactured by Mitsui Cytec, trade name, methylated melamine resin.
(Note 5) Nacure 5225: manufactured by King Industries, USA, trade name, amine salt solution of dodecylbenzenesulfonic acid (curing catalyst).
[0066]
Creating a test plate
Each coating composition obtained in Examples and Comparative Examples was applied to a dull steel plate (0.8 mm thick subjected to a zinc phosphate treatment) so as to have a dry film thickness of about 40 μm, and then set at room temperature for about 9 minutes. Then, it was heated and cured at 140 ° C. for 30 minutes in a hot air electric furnace to obtain a test plate. The coating was performed using two methods, a steel plate placed on a horizontal surface and a steel plate placed on a vertical surface, and heat hardening was performed in an electric furnace while maintaining the horizontal and vertical positions.
[0067]
A test was performed on each of the obtained test plates according to the following test method. The results obtained are shown in Table 2 below.
Test method
Finished appearance: The finished appearance of the test plate painted on the horizontal surface was visually evaluated according to the following criteria.
:: Good glossiness and smoothness.
X: There are lumpy foreign matters, and glossiness and smoothness are inferior.
[0068]
Vertical sag level: In the coating of a steel plate placed on the vertical surface, the paint is applied using a spray gun such that the film thickness (dry film thickness) continuously changes from the left end to the right end in the longitudinal direction of the steel plate from 20 μm to 60 μm. did. The coated plate obtained by heating and curing in an electric furnace with the coated plate kept vertical was evaluated according to the following criteria from the maximum film thickness (cured film) in which sagging did not occur.
:: The maximum thickness at which no sagging occurs is 45 μm or more.
Δ: The maximum film thickness at which no sagging occurs is 35 μm or more and less than 45 μm.
×: The maximum film thickness at which no sagging occurs is less than 35 μm.
[0069]
Storage stability: A solution in which only two components of the non-aqueous fine particle dispersion and the 55% acrylic resin solution (B) were mixed at the compounding ratio shown in Table 2, and the solution was left standing at 20 ° C. for 10 days. Was evaluated according to the following criteria.
:: No appearance abnormality such as separation or lumps, and no change in viscosity from the initial state.
X: Abnormalities in appearance such as separation and lumps, and / or a remarkable change in viscosity compared to the initial stage were observed.
[0070]
Impact resistance: A DuPont type impact test was conducted using a test plate coated on a horizontal surface (500 g, 1/2 inch), and the maximum drop height (cm) until cracks occurred in the coating film was determined according to the following criteria. evaluated.
×: Cracks occurred at less than 50 cm.
:: No crack occurred at 50 cm.
[0071]
[Table 2]
[0072]
[Table 3]
[0073]
【The invention's effect】
The non-aqueous polymer fine particle dispersion of the present invention and the non-aqueous polyurethane fine particle dispersion obtained by using the same can be easily produced, and can maintain the storage stability of the coating even when incorporated in a large amount in a highly polar coating composition. It is one that does not lower, and is extremely useful for automobiles, industrial use, etc., because it can significantly improve the impact resistance of a coating film when incorporated into a paint.