JP2004097464A - 空気浄化機能付き保管箱 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオン発生素子より発生させた正イオンと負イオンを利用して、空気中の浮遊菌やウィルスを除去することで、各種物品を清潔に保管できる保管箱を提供する。
【解決手段】箱型の本体2の側壁2Bには矩形の開口5が設けられ、ここに本体2の外側からイオン発生素子7と送風機8を備えたボックス6が取り付けられている。ボックス6内で、イオン発生素子7から発生した正負イオンは、送風機8によって送られ、開口5を通過して本体2内の空間全体に拡散される。これらの正負イオンによって保管箱1内の空気が除菌され無菌状態に維持することができるため、収納した医療器具などに菌が付かず、いつまでも清潔に保管することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】箱型の本体2の側壁2Bには矩形の開口5が設けられ、ここに本体2の外側からイオン発生素子7と送風機8を備えたボックス6が取り付けられている。ボックス6内で、イオン発生素子7から発生した正負イオンは、送風機8によって送られ、開口5を通過して本体2内の空間全体に拡散される。これらの正負イオンによって保管箱1内の空気が除菌され無菌状態に維持することができるため、収納した医療器具などに菌が付かず、いつまでも清潔に保管することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気浄化機能を備えた保管箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、紫外線照射を用いた殺菌・除菌方法は、真空にすることなく、大気圧でかつ常温で殺菌・除菌処理することができることや、装置が小さく、低コストで実施できることや、装置のメンテナンスが容易であるという点から、様々な分野で利用されている。
【0003】
また、紫外線を用いる方法は消費電力が比較的小さく、信頼性が高いという長所を有するので、紫外線を連続で照射したまま保管することも、効果的な方法である。このような紫外線を用いた殺菌・除菌装置を実際に用いる分野としては、食品分野や、医療分野や、半導体製造等の工場や、バイオテクノロジー分野や、美容院等の理容分野が挙げられる。
【0004】
例えば、食品分野を考えた場合、調理に用いる包丁や、まな板や、箸や、スプーンや、ナイフや、フォーク、コップや茶碗や、皿や、鍋やフライパン等の調理器具や食器類は、衛生管理を厳重に行なわなければ付着菌が増殖して非衛生になる。最悪の場合、これらの菌により食中毒を発生することがある。そこで、そのような問題を解決する為にこれらの調理器具や食器類に紫外線を照射することにより、表面に付着している菌が殺菌・除菌され、食中毒の発生を抑制することができる。
【0005】
また、医療分野を考えた場合、外科手術で用いるメスやハサミ、あるいはピンセットや注射器といった各種の医療器具には、患者の体液や血液や唾液が多量に付着しており、感染症を引き起こさないような細心の取り扱いが望まれる。そのため、医療器具を再利用するときは使用後に充分に洗浄と殺菌を行なう必要がある。しかし、洗浄と殺菌を実施しても、次に使用するまでの保管状態が悪いと、再び菌が付着して増殖する。そこで、これらの医療器具に紫外線を照射すると、付着した菌が殺菌・除菌され、感染症を抑制することができる。
【0006】
また、半導体製造工場においては、半導体素子やメモリー作製工程でのパタンニング配線の高精細化が進むにつれて、工場内のクリーン度は、一段と高いレベルが要求される。浮遊菌等が工程に用いる溶液等に混入すると、パタンニング配線の断線やショートを引き起こし不良品となる。そこで、半導体素子やメモリーの歩留まりを高く維持するためには、エッチングや洗浄工程で用いる溶液等に含まれる菌を殺菌・除菌する必要があり、紫外線照射法が用いられている。
【0007】
また、理容分野を考えた場合、髪のカットに用いるハサミやバリカンやカミソリやレザー等の各種理容器具は、使い捨てではなくて、何人もの客に対して用いることが多く、菌が繁殖や増殖しやすい状況にある。そのため、菌の繁殖・増殖を防ぐ目的、あるいは衛生上の観点から、殺菌・除菌をすることが求められる。このような要求に対して、紫外線照射の方法が効果的に用いられる。
【0008】
また、製薬やバイオテクノロジーの分野において、雑菌が混入することは当然避けなければならないことであり、製造装置などに紫外線を照射することにより、雑菌を殺菌・除菌することができる。
【0009】
紫外線は、蛍光灯のように、空間に照射するようにしてもよいが、ある一定の空間にだけ紫外線の効果が波及するように、仕切り板等を用いて紫外線照射装置を密閉可能な箱状とすることが多い。この箱内に紫外線を照射するようにすれば、箱内で殺菌・除菌効果が得られ、さらに外部空間の浮遊菌が箱内に入りにくくなり、より高い効果を得ることができる。これらの分野では、紫外線照射による殺菌・除菌を備える各種の保管箱が極めて有効に活用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、紫外線照射を用いた殺菌・除菌装置は、殺菌・除菌手段に光線を用いているため、殺菌・除菌するため各種の物品を紫外線照射装置に設置しても、光が当たらずに影となる領域が存在すると、この領域では殺菌・除菌の効果が得られず、新たに付着した菌が増殖する恐れがある。増殖した付着菌は、調理分野においては食中毒を引き起こし、医療分野においては、感染症を引き起こすという大きな問題がある。
【0011】
そこで、この問題を解決するためには、殺菌・除菌装置においてミラーや反射板等の反射手段を設けることにより光の影となる領域をなくし、全ての領域に紫外線が照射されるようにする方法が考えられる。しかし、たとえこの方法を用いても、紫外線を照射すべき物品の数が増加すると、物品自体が光の影となる領域を作り出すことは避けられない。あるいは、物品を整理するための仕切り板を設けると、仕切り板による光の影となる箇所が生じるという問題がある。また、物品同士を重ねて積み上げると、重なった面には紫外線の光が照射されないことになる。
【0012】
これらの問題を避けるためには、究極的には一つの紫外線照射装置には物品を一つしか入れないという方法が考えられるが、装置の占有面積が極端に大きくなり現実的ではない。
【0013】
また、殺菌・除菌装置に用いられる紫外線は人体(特に皮膚や眼)に悪い影響を与えることはよく知られている。長期間紫外線を浴び続けると、たとえば眼に対しては白内障、皮膚に照射されると皮膚ガンや腫れやタダレを引き起こす。そのためこれらの問題を避けるために、紫外線が外部に漏れないような遮光板を形成するといった工夫が必要となり、コストの増加につながるものである。
【0014】
また、紫外線が組織を破壊することがあるため、照射対象によっては使用できない場合がある。例えば、書籍や新聞等を保存する場合、紫外線の光により紙が劣化するといった問題がある。また、プラスチックを部材に用いた製品においても、紫外線照射によりプラスチックが脆くなるといった劣化現象が発生するために、紫外線照射による方法を用いることができない。
【0015】
そこで、紫外線照射以外の殺菌・除菌方法として、オゾンを用いる装置が提案されている。オゾンは紫外線照射と同様に殺菌・除菌効果が非常に高い。ところが、オゾンによる殺菌・除菌能力を充分なものにするためには、オゾン濃度を数ppm程度にまで高くする必要がある。しかし、オゾン濃度が高い場合は、呼吸器系統、眼、粘膜等への刺激が大きく、人体に悪い影響を及ぼすことがあり、併せて特有の臭いが不快感を引き起こす。そのため、殺菌・除菌装置にオゾンを用いる場合、オゾンが人体に触れないようにし、外部空間への拡散を抑制するための換気手段が必要になり、コストが高くなり、装置が大型になるという問題がある。
【0016】
また、オゾンは活性が極めて高く、ウィルスや菌だけでなく、殺菌・除菌装置を形成する樹脂や金属まで劣化させる。したがって、菌の増殖を防ぐために装置を連続運転すると、装置自体の耐久性が低下するという問題も抱えている。
【0017】
なお、殺菌・除菌効果をさらに高くする方法として、紫外線照射とオゾン処理を両方組み合わせた殺菌・除菌装置も開発されているが、この場合も上述とまったく同じ課題を抱えている。
【0018】
以上のことより、現在用いられている紫外線やオゾンを用いた殺菌・除菌装置においては、手軽に使える状況に達していないことが分かる。
【0019】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、イオン発生素子より発生させた正イオンと負イオンを利用して、空気中の浮遊菌やウィルスを除去することで、各種物品を清潔に保管できる保管箱を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の空気浄化機能付き保管箱は、閉鎖可能な物品の収納空間と、放電により正イオンと負イオンを発生するイオン発生素子と、このイオン発生素子から発生した正イオンと負イオンを前記収納空間に拡散させるための送風手段とを備えることを特徴とする。したがって、イオン発生素子と送風手段が駆動されると、イオン発生素子から発生した正負イオンが送風手段により送られ、収納空間に拡散して全体に行き渡り、空気が除菌される。
【0021】
このとき、イオン発生部から10cm離れた位置において正イオン及び負イオンの濃度がそれぞれ10000個/cc以上となるように、正負イオンを収納空間に放出すると、空気の除菌効果が高まることが知られている。
【0022】
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(1)〜式(3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(1)〜式(3)において、m、m’、n、n’は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。従って、効率的に空気中の浮遊細菌を、不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → 2・OH+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(2)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → H2O2+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(3)
【0023】
また、上記式(1)〜式(3)は、空気中の有害物質表面でも同様に作用を生じさせることができるため、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)が、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を、酸化若しくは分解して、二酸化炭素や、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、実質的に無害化することが可能である。
【0024】
その他、正負イオンには、インフルエンザウィルス、エイズなどのウィルス類も不活化する働きがあり、これらウィルスの混入による汚染が防止できる。
【0025】
また、正負イオンには、臭いの元となる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
【0026】
上記の場合、保管箱のケーシングの外側にイオン発生室を形成すると、収納空間が広く使える。
【0027】
そして、収納空間を縦方向や横方向、また縦横に仕切ることにより、空間利用が進み、物品の取り出し、整理が容易になる。
【0028】
また、枠体の内側に収納空間を区画形成し、さらに収納空間のそれぞれにイオン発生室を形成すると、集合型下駄箱のように、収納空間の使用頻度や位置がばらばらであっても、使用中の収納空間だけに正負イオンを放出して、効率よく空気を除菌することができる。
【0029】
なお、保管箱に収める物品としては、上記のように、さまざまな分野の多様な物品が考えられ、例えば、医療器具、調理器具、理容器具、食器、書籍、衣類、食品、薬品、履物、動植物、事務用品、電子部品、電子データ記録媒体などが挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態について説明する。図1、図2は、第1の実施形態に係る保管箱1の斜視図であり、図1は扉4を閉じた状態、図2は扉4を開けた状態をそれぞれ示している。本体2は前面開口の直方体型に形成され、開口3を開閉する扉4が本体2の一方の側壁2Aの内側からヒンジ機構によって取り付けられている。本体2の他方の側壁2Bには、ほぼ中央に矩形の窓5が開口しており、この窓5を外側から覆うように、ボックス6が取り付けられている。ボックス6は、その内部にイオン発生素子7が収容され、窓5と向かい合う壁6Aに送風機8が固定されている。ボックス6からは電源コード(図示せず)が引き出されており、この電源コードの先端のプラグをAC電源に接続して保管箱1を使用することができるようになっている。また、ボックス6には、保管箱1の電源を手動でオン・オフする運転スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0031】
図3は、イオン発生素子7の模式的な透視斜視図である。箱型の本体22の上面には矩形の開口部が形成され、この開口部に平板状の誘電体23が設けられている。この誘電体23の上面は本体22の上面と一致している。本体22の内部下方には、高圧パルス駆動回路26が収容されている。誘電体23の上面と下面には、板状の内部電極24と網状の外部電極25が対向配置されている。外部電極25は本体22の上面から外部に露出している。これらの内部電極24と外部電極25には、リード線27を介して高圧パルス駆動回路26が接続されている。
【0032】
そして、高圧パルス駆動回路26を駆動して内部電極24と外部電極25の間に正電圧と負電圧からなる高圧パルス電圧を印加することにより、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)とO2 −(H2O)n(nは任意の自然数)を主体としたイオンを生成し、これらをファン等により空間に放出させる。これらH+(H2O)m及びO2 −(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
【0033】
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(4)〜式(6)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(4)〜式(6)において、m、m’、n、n’は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。従って、効率的に空気中の浮遊細菌を不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(4)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → 2・OH+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(5)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → H2O2+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(6)
【0034】
一般的に、上記のような放電を利用したイオン発生方法では、殺菌や脱臭の効果のある正イオンと負イオン以外に、有害なオゾンも発生する。平均的な居住空間のオゾン濃度は0.001ppm未満であり、ごく低濃度であることから健康への影響はほとんどないが、オゾン濃度が高い場合は、呼吸器系統、眼、粘膜などへの刺激が強く、人体に悪い影響を及ぼすことがある。オゾン濃度の許容値は、各国の法令などにより異なり、例えば、日本においては大気汚染に関する環境基準として、光化学ダイオキシン(オゾンやその他の酸化性物質を主成分とする物質の総称)の濃度は1時間平均で0.06ppm以下と規定されている。
【0035】
したがって、イオン送風機構10によって安全に殺菌や脱臭の効果を得るには、イオン発生素子1から発生するオゾンを抑制する必要がある。オゾンの発生を抑制する方法として、イオン発生素子1の内部電極4と外部電極5の間に印加する高圧パルス電圧を比較的短い間隔の交流電圧とすることが知られている。例えば、図4に示すように、徐々に減衰する交流電圧をT2秒間の休止時間をあけてT1秒間印加する。イオン発生素子1の通常の駆動モードでは、交流電圧のピークが+2.7kVもしくは−2.7kV、周波数が20kHz、印加時間T1が1m秒、休止時間T2が15.7m秒である。この場合、パルスの繰り返しは、1/(T1+T2)≒60Hzとなる。
【0036】
次に、この保管箱1の使用法の一例を説明する。保管箱1内に各種物品を入れ、蓋4を閉める。そして、運転スイッチをオンすると、電源が供給され、イオン発生素子7と送風機8が駆動し、ボックス6内で発生した正負イオンが窓5を通過して本体2内に送られる。この正負イオンは数秒から数十秒の寿命を有する。そのため、保管箱1内の隅々まで正負イオンが行き渡り、空気が除菌される。したがって、各種物品に菌が付着せず、いつまでも清潔に保管できる。
【0037】
また、正負イオンによる除菌は空気が対象であるため、紫外線のような死角が存在せず、保管箱1内の空間のどの場所でも一様に浮遊菌を除去することができる。そのため、各種物品を保管箱1の中で積み重ねたり、接触させて並べたりすることも可能である。しかも、正負イオンは人体に無害であるため、保管箱1の気密性が低くて外部へ漏れたとしても問題とはならないし、オゾンを用いた殺菌装置のように、排気のための特別なダクトを設ける必要がないため、安全性とコスト面で優れた空気浄化機能付きの保管箱を提供することができる。
【0038】
また、正負イオンは、オゾンとは異なり、物質の組織を損傷させる心配がないため、保管箱1に用いる材質には制限がなく、金属、樹脂、ゴム、木材、紙等を適宜使用することができる。さらに、紫外線のような遮光を行なう必要もないことから、透明材料の使用も可能となる。
【0039】
また、保管箱1の形状や扉4の取り付け方についても、イオン発生素子7から発生した正負イオンが行き渡る形状となっていれば、特に限定はなく適宜定めることができる。例えば、図5のように、本体2の横方向の寸法を大きくとって扉4が上向きに開くようにすると、メスやハサミ等の医療器具、あるいはスプーンやナイフやフォーク等の食器類を保管しておくのに都合がよくなる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は第2の実施形態を示す保管箱1の斜視図である。この実施形態では、複数の棚9を設けて本体2内の空間を上下に仕切っている。ただし、棚9が壁となって正負イオンの通過を妨げることのないように、棚9全体に貫通穴をいくつも設けたり、網目状の棚9を用いたりすることが必要である。
【0041】
このように、棚9を設置することにより、保管箱1内部の空間利用が進み、数多くの物品を保管できるようになるとともに、必要な物品の取り出し、整理が容易になる。棚9の材質や形状に限定はなく、適宜定めることができる。また、設置する棚9の数についても特に限定はなく、必要な枚数を取り付けることができる。
【0042】
また、図7のように、仕切り板10を設けて本体2内の空間を左右に仕切ってもよい。あるいは、図8のように、棚9と仕切り板10を組み合わせ、本体2内の空間を格子状に仕切ることもできる。そして、用途や器具の種類に応じて、図6、図7あるいは図8の形態を使い分けるようにすると、保管箱1の使い勝手がさらに向上する。
【0043】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図9は、第3の実施形態の保管箱1の斜視図である。本体2内は棚9で上下に仕切られ、その仕切られた空間に引き出し11が挿入されている。引き出し11は、上面が開放した箱型に形成され、本体2の内壁と棚9をガイドとして前後にスライド可能である。この引き出し11に各種物品を収容することにより、物品の取り出しと整理が容易になるとともに、数多くの物品を収容できるようになり、場所を取らず省スペースに保管することができる。
【0044】
図10は、引き出し11だけを抜き出して示す斜視図である。引き出し11の内部には、医療分野で用いるハサミやメスやピンセット等の医療用の各種器具が並べて収められている。これら医療用の各種器具の置き方については制限が無く、重ねて置いても構わないし、並べやすいように治具を用いてもよい。いずれにしても、消毒済みのハサミ、メス、ピンセット等の医療用の各種器具を保管箱1に入れておくことで、医療器具に浮遊菌が付着せず、いつまでも清潔に維持することができる。医療分野においては、このような空気の殺菌・除菌の効果は大変有益なものであり、患者や医療関係者の安全がより高くなるものと期待できるものである。
【0045】
例として、図11に、正負イオンによるウィルスの除去実験の結果を示す。実験は、無菌状態の寒天を含むシャーレに、保管箱1の中の空気を一定量吹き付ける方法により行なった。この空気には、あらかじめMRSA(メシチレン耐性黄色ブドウ球菌)を含有させてあり、シャーレに空気を吹き付ける前に、一方の空気は正負イオンで処理し、他方は正負イオンの処理無しでそのままシャーレに吹き付ける。そして、それぞれのシャーレ中でMRSAを培養し、コロニー数を計測することにより、両者を比較する。MRSAは院内感染の原因となる脅威的なウィルスであるが、図11の結果が示すように、正負イオンで処理することにより、空中のMRSAが除去されることがわかる。
【0046】
引き出し11に収める器具は、医療器具に限らず、図12のように、包丁やフライパンやオタマ等の調理器具を収めることもできる。これにより、調理器具に浮遊菌が付着せず、いつまでも清潔に維持することができる。調理分野においては、このような空気の殺菌・除菌の効果は大変有益なものであり、調理師や食べる人の安全がより高くなるものと期待できるものである。
【0047】
例として、図13、図14に、正負イオンによる浮遊菌の除去実験の結果を示す。実験は、無菌状態の寒天を含むシャーレに、保管箱1の中の空気を一定量吹き付ける方法により行なった。この空気には、あらかじめバチルス菌(炭素菌と同種の菌)を含有させてあり、シャーレに空気を吹き付ける前に、一方の空気は正負イオンで処理し、他方は正負イオンの処理無しでそのままシャーレに吹き付ける。そして、それぞれのシャーレ中でバチルス菌を培養し、コロニー数を計測することにより、両者を比較する。バチルス菌は脅威的なウィルスであるが、図13、図14の結果が示すように、正負イオンで処理することにより、空中のバチルス菌が除去されることがわかる。
【0048】
その他、スプーンやフォークやナイフや箸等の食器類、ハサミやカミソリやバリカン等の各種理容器具、書籍、衣類、野菜類や肉類や魚介類等の食品、薬品、動植物、文房具等の事務用品、電子部品、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROMやMOやカセットテープやビデオテープやMDやCD等の電子データ記録媒体など多様な物品を収める保管箱を提供することができる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図15は、第3の実施形態を示す下駄箱12の正面断面図である。下駄箱12の内部は格子状に仕切られ、履物14を収める部屋13が縦横に複数形成されている。下駄箱12の正面には、各部屋13に扉(図示せず)が設けられており、履物14を出し入れする際に扉を開閉する以外は、扉を閉めておくことで下駄箱12の内部を機密な空間にすることができるようになっている。下駄箱12の外枠15の側壁15Bには、ほぼ中央に矩形の窓5が開口しており、この窓5を外側から覆うように、ボックス6が取り付けられている。ボックス6は、その内部にイオン発生素子7が収容され、窓5と向かい合う壁6Aに送風機8が固定されている。
【0050】
この下駄箱12の使用例について説明する。扉を開け、部屋13に履物14を入れる。扉を閉じ、ボックス6の電源スイッチをオンし、イオン発生素子7と送風機8を駆動する。これにより、正負イオンが下駄箱12内部の全体に行き届き、各部屋13の空気が除菌される。なお、履物14の表面にすでに付着してしまっている菌等に対しては、除菌効果が小さいが、付着している菌がさらに増殖しようとして、空気中に胞子を出したり、自らが他の場所に移動しようと空間に飛び出したりした場合、正負イオンの作用により殺菌される。このことにより、たとえもともと履物14に菌が付着していた場合でも、正負イオンが雰囲気に存在することにより、結果として菌の増殖が抑制されていることとなり、履物14を清潔に保管することができる。
【0051】
また、図16は、下駄箱12の他の例を示しており、履物14を収める各部屋13にはそれぞれイオン発生室16が区画形成されている。各イオン発生室16には、イオン発生素子7と送風機8が設けられており、部屋13ごとで空気の除菌運転をオン・オフできるようになっている。したがって、部屋13に履物14を入れ、扉を閉めて運転スイッチをオンすることで、履物14の入っている部屋13の空気を省電力に効率よく除菌することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、保管箱内の空気を除菌して無菌状態に保つことで、保管箱に収納した医療器具などに菌が付着せず、いつまでも清潔に保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る保管箱の斜視図であり、扉を閉めた状態を示している。
【図2】同上保管箱の斜視図であり、扉を開けた状態を示している。
【図3】イオン発生素子の透視斜視図である。
【図4】イオン発生素子に印加される電圧波形の一例を示す図である。
【図5】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図6】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図7】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図8】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る保管箱の斜視図である。
【図10】同上保管箱から抜き出した引き出しに医療器具が収納した状態を示す斜視図である。
【図11】正負イオンによる空中MRSAの除菌効果を示す実験結果である。
【図12】同上保管箱から抜き出した引き出しに調理器具が収納した状態を示す斜視図である。
【図13】正負イオンによる空中バチルス菌の除菌効果を示す実験結果である。
【図14】正負イオンによる空中バチルス菌の残存率を時間の経過とともに示す実験結果である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る下駄箱の正面断面図である。
【図16】その下駄箱の他の例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 保管箱
2 本体
4 扉
6 ボックス
7 イオン発生素子
8 送風機
9 棚
10 仕切り板
12 下駄箱
13 部屋
14 履物
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気浄化機能を備えた保管箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、紫外線照射を用いた殺菌・除菌方法は、真空にすることなく、大気圧でかつ常温で殺菌・除菌処理することができることや、装置が小さく、低コストで実施できることや、装置のメンテナンスが容易であるという点から、様々な分野で利用されている。
【0003】
また、紫外線を用いる方法は消費電力が比較的小さく、信頼性が高いという長所を有するので、紫外線を連続で照射したまま保管することも、効果的な方法である。このような紫外線を用いた殺菌・除菌装置を実際に用いる分野としては、食品分野や、医療分野や、半導体製造等の工場や、バイオテクノロジー分野や、美容院等の理容分野が挙げられる。
【0004】
例えば、食品分野を考えた場合、調理に用いる包丁や、まな板や、箸や、スプーンや、ナイフや、フォーク、コップや茶碗や、皿や、鍋やフライパン等の調理器具や食器類は、衛生管理を厳重に行なわなければ付着菌が増殖して非衛生になる。最悪の場合、これらの菌により食中毒を発生することがある。そこで、そのような問題を解決する為にこれらの調理器具や食器類に紫外線を照射することにより、表面に付着している菌が殺菌・除菌され、食中毒の発生を抑制することができる。
【0005】
また、医療分野を考えた場合、外科手術で用いるメスやハサミ、あるいはピンセットや注射器といった各種の医療器具には、患者の体液や血液や唾液が多量に付着しており、感染症を引き起こさないような細心の取り扱いが望まれる。そのため、医療器具を再利用するときは使用後に充分に洗浄と殺菌を行なう必要がある。しかし、洗浄と殺菌を実施しても、次に使用するまでの保管状態が悪いと、再び菌が付着して増殖する。そこで、これらの医療器具に紫外線を照射すると、付着した菌が殺菌・除菌され、感染症を抑制することができる。
【0006】
また、半導体製造工場においては、半導体素子やメモリー作製工程でのパタンニング配線の高精細化が進むにつれて、工場内のクリーン度は、一段と高いレベルが要求される。浮遊菌等が工程に用いる溶液等に混入すると、パタンニング配線の断線やショートを引き起こし不良品となる。そこで、半導体素子やメモリーの歩留まりを高く維持するためには、エッチングや洗浄工程で用いる溶液等に含まれる菌を殺菌・除菌する必要があり、紫外線照射法が用いられている。
【0007】
また、理容分野を考えた場合、髪のカットに用いるハサミやバリカンやカミソリやレザー等の各種理容器具は、使い捨てではなくて、何人もの客に対して用いることが多く、菌が繁殖や増殖しやすい状況にある。そのため、菌の繁殖・増殖を防ぐ目的、あるいは衛生上の観点から、殺菌・除菌をすることが求められる。このような要求に対して、紫外線照射の方法が効果的に用いられる。
【0008】
また、製薬やバイオテクノロジーの分野において、雑菌が混入することは当然避けなければならないことであり、製造装置などに紫外線を照射することにより、雑菌を殺菌・除菌することができる。
【0009】
紫外線は、蛍光灯のように、空間に照射するようにしてもよいが、ある一定の空間にだけ紫外線の効果が波及するように、仕切り板等を用いて紫外線照射装置を密閉可能な箱状とすることが多い。この箱内に紫外線を照射するようにすれば、箱内で殺菌・除菌効果が得られ、さらに外部空間の浮遊菌が箱内に入りにくくなり、より高い効果を得ることができる。これらの分野では、紫外線照射による殺菌・除菌を備える各種の保管箱が極めて有効に活用されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、紫外線照射を用いた殺菌・除菌装置は、殺菌・除菌手段に光線を用いているため、殺菌・除菌するため各種の物品を紫外線照射装置に設置しても、光が当たらずに影となる領域が存在すると、この領域では殺菌・除菌の効果が得られず、新たに付着した菌が増殖する恐れがある。増殖した付着菌は、調理分野においては食中毒を引き起こし、医療分野においては、感染症を引き起こすという大きな問題がある。
【0011】
そこで、この問題を解決するためには、殺菌・除菌装置においてミラーや反射板等の反射手段を設けることにより光の影となる領域をなくし、全ての領域に紫外線が照射されるようにする方法が考えられる。しかし、たとえこの方法を用いても、紫外線を照射すべき物品の数が増加すると、物品自体が光の影となる領域を作り出すことは避けられない。あるいは、物品を整理するための仕切り板を設けると、仕切り板による光の影となる箇所が生じるという問題がある。また、物品同士を重ねて積み上げると、重なった面には紫外線の光が照射されないことになる。
【0012】
これらの問題を避けるためには、究極的には一つの紫外線照射装置には物品を一つしか入れないという方法が考えられるが、装置の占有面積が極端に大きくなり現実的ではない。
【0013】
また、殺菌・除菌装置に用いられる紫外線は人体(特に皮膚や眼)に悪い影響を与えることはよく知られている。長期間紫外線を浴び続けると、たとえば眼に対しては白内障、皮膚に照射されると皮膚ガンや腫れやタダレを引き起こす。そのためこれらの問題を避けるために、紫外線が外部に漏れないような遮光板を形成するといった工夫が必要となり、コストの増加につながるものである。
【0014】
また、紫外線が組織を破壊することがあるため、照射対象によっては使用できない場合がある。例えば、書籍や新聞等を保存する場合、紫外線の光により紙が劣化するといった問題がある。また、プラスチックを部材に用いた製品においても、紫外線照射によりプラスチックが脆くなるといった劣化現象が発生するために、紫外線照射による方法を用いることができない。
【0015】
そこで、紫外線照射以外の殺菌・除菌方法として、オゾンを用いる装置が提案されている。オゾンは紫外線照射と同様に殺菌・除菌効果が非常に高い。ところが、オゾンによる殺菌・除菌能力を充分なものにするためには、オゾン濃度を数ppm程度にまで高くする必要がある。しかし、オゾン濃度が高い場合は、呼吸器系統、眼、粘膜等への刺激が大きく、人体に悪い影響を及ぼすことがあり、併せて特有の臭いが不快感を引き起こす。そのため、殺菌・除菌装置にオゾンを用いる場合、オゾンが人体に触れないようにし、外部空間への拡散を抑制するための換気手段が必要になり、コストが高くなり、装置が大型になるという問題がある。
【0016】
また、オゾンは活性が極めて高く、ウィルスや菌だけでなく、殺菌・除菌装置を形成する樹脂や金属まで劣化させる。したがって、菌の増殖を防ぐために装置を連続運転すると、装置自体の耐久性が低下するという問題も抱えている。
【0017】
なお、殺菌・除菌効果をさらに高くする方法として、紫外線照射とオゾン処理を両方組み合わせた殺菌・除菌装置も開発されているが、この場合も上述とまったく同じ課題を抱えている。
【0018】
以上のことより、現在用いられている紫外線やオゾンを用いた殺菌・除菌装置においては、手軽に使える状況に達していないことが分かる。
【0019】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、イオン発生素子より発生させた正イオンと負イオンを利用して、空気中の浮遊菌やウィルスを除去することで、各種物品を清潔に保管できる保管箱を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の空気浄化機能付き保管箱は、閉鎖可能な物品の収納空間と、放電により正イオンと負イオンを発生するイオン発生素子と、このイオン発生素子から発生した正イオンと負イオンを前記収納空間に拡散させるための送風手段とを備えることを特徴とする。したがって、イオン発生素子と送風手段が駆動されると、イオン発生素子から発生した正負イオンが送風手段により送られ、収納空間に拡散して全体に行き渡り、空気が除菌される。
【0021】
このとき、イオン発生部から10cm離れた位置において正イオン及び負イオンの濃度がそれぞれ10000個/cc以上となるように、正負イオンを収納空間に放出すると、空気の除菌効果が高まることが知られている。
【0022】
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(1)〜式(3)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(1)〜式(3)において、m、m’、n、n’は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。従って、効率的に空気中の浮遊細菌を、不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → 2・OH+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(2)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → H2O2+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(3)
【0023】
また、上記式(1)〜式(3)は、空気中の有害物質表面でも同様に作用を生じさせることができるため、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)が、ホルムアルデヒドやアンモニアなどの化学物質を、酸化若しくは分解して、二酸化炭素や、水、窒素などの無害な物質に変換することにより、実質的に無害化することが可能である。
【0024】
その他、正負イオンには、インフルエンザウィルス、エイズなどのウィルス類も不活化する働きがあり、これらウィルスの混入による汚染が防止できる。
【0025】
また、正負イオンには、臭いの元となる分子を分解する働きがあることも確かめられており、空間の脱臭にも利用できる。
【0026】
上記の場合、保管箱のケーシングの外側にイオン発生室を形成すると、収納空間が広く使える。
【0027】
そして、収納空間を縦方向や横方向、また縦横に仕切ることにより、空間利用が進み、物品の取り出し、整理が容易になる。
【0028】
また、枠体の内側に収納空間を区画形成し、さらに収納空間のそれぞれにイオン発生室を形成すると、集合型下駄箱のように、収納空間の使用頻度や位置がばらばらであっても、使用中の収納空間だけに正負イオンを放出して、効率よく空気を除菌することができる。
【0029】
なお、保管箱に収める物品としては、上記のように、さまざまな分野の多様な物品が考えられ、例えば、医療器具、調理器具、理容器具、食器、書籍、衣類、食品、薬品、履物、動植物、事務用品、電子部品、電子データ記録媒体などが挙げられる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施形態について説明する。図1、図2は、第1の実施形態に係る保管箱1の斜視図であり、図1は扉4を閉じた状態、図2は扉4を開けた状態をそれぞれ示している。本体2は前面開口の直方体型に形成され、開口3を開閉する扉4が本体2の一方の側壁2Aの内側からヒンジ機構によって取り付けられている。本体2の他方の側壁2Bには、ほぼ中央に矩形の窓5が開口しており、この窓5を外側から覆うように、ボックス6が取り付けられている。ボックス6は、その内部にイオン発生素子7が収容され、窓5と向かい合う壁6Aに送風機8が固定されている。ボックス6からは電源コード(図示せず)が引き出されており、この電源コードの先端のプラグをAC電源に接続して保管箱1を使用することができるようになっている。また、ボックス6には、保管箱1の電源を手動でオン・オフする運転スイッチ(図示せず)が設けられている。
【0031】
図3は、イオン発生素子7の模式的な透視斜視図である。箱型の本体22の上面には矩形の開口部が形成され、この開口部に平板状の誘電体23が設けられている。この誘電体23の上面は本体22の上面と一致している。本体22の内部下方には、高圧パルス駆動回路26が収容されている。誘電体23の上面と下面には、板状の内部電極24と網状の外部電極25が対向配置されている。外部電極25は本体22の上面から外部に露出している。これらの内部電極24と外部電極25には、リード線27を介して高圧パルス駆動回路26が接続されている。
【0032】
そして、高圧パルス駆動回路26を駆動して内部電極24と外部電極25の間に正電圧と負電圧からなる高圧パルス電圧を印加することにより、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)とO2 −(H2O)n(nは任意の自然数)を主体としたイオンを生成し、これらをファン等により空間に放出させる。これらH+(H2O)m及びO2 −(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
【0033】
正負のイオンは浮遊細菌の細胞表面で式(4)〜式(6)に示すように化学反応して、活性種である過酸化水素(H2O2)または水酸基ラジカル(・OH)を生成する。ここで、式(4)〜式(6)において、m、m’、n、n’は任意の自然数である。これにより、活性種の分解作用によって浮遊細菌が破壊される。従って、効率的に空気中の浮遊細菌を不活化、除去することができる。
H+(H2O)m+O2 −(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(4)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → 2・OH+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(5)
H+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2 −(H2O)n+O2 −(H2O)n’ → H2O2+O2+(m+m’+n+n’)H2O ・・・(6)
【0034】
一般的に、上記のような放電を利用したイオン発生方法では、殺菌や脱臭の効果のある正イオンと負イオン以外に、有害なオゾンも発生する。平均的な居住空間のオゾン濃度は0.001ppm未満であり、ごく低濃度であることから健康への影響はほとんどないが、オゾン濃度が高い場合は、呼吸器系統、眼、粘膜などへの刺激が強く、人体に悪い影響を及ぼすことがある。オゾン濃度の許容値は、各国の法令などにより異なり、例えば、日本においては大気汚染に関する環境基準として、光化学ダイオキシン(オゾンやその他の酸化性物質を主成分とする物質の総称)の濃度は1時間平均で0.06ppm以下と規定されている。
【0035】
したがって、イオン送風機構10によって安全に殺菌や脱臭の効果を得るには、イオン発生素子1から発生するオゾンを抑制する必要がある。オゾンの発生を抑制する方法として、イオン発生素子1の内部電極4と外部電極5の間に印加する高圧パルス電圧を比較的短い間隔の交流電圧とすることが知られている。例えば、図4に示すように、徐々に減衰する交流電圧をT2秒間の休止時間をあけてT1秒間印加する。イオン発生素子1の通常の駆動モードでは、交流電圧のピークが+2.7kVもしくは−2.7kV、周波数が20kHz、印加時間T1が1m秒、休止時間T2が15.7m秒である。この場合、パルスの繰り返しは、1/(T1+T2)≒60Hzとなる。
【0036】
次に、この保管箱1の使用法の一例を説明する。保管箱1内に各種物品を入れ、蓋4を閉める。そして、運転スイッチをオンすると、電源が供給され、イオン発生素子7と送風機8が駆動し、ボックス6内で発生した正負イオンが窓5を通過して本体2内に送られる。この正負イオンは数秒から数十秒の寿命を有する。そのため、保管箱1内の隅々まで正負イオンが行き渡り、空気が除菌される。したがって、各種物品に菌が付着せず、いつまでも清潔に保管できる。
【0037】
また、正負イオンによる除菌は空気が対象であるため、紫外線のような死角が存在せず、保管箱1内の空間のどの場所でも一様に浮遊菌を除去することができる。そのため、各種物品を保管箱1の中で積み重ねたり、接触させて並べたりすることも可能である。しかも、正負イオンは人体に無害であるため、保管箱1の気密性が低くて外部へ漏れたとしても問題とはならないし、オゾンを用いた殺菌装置のように、排気のための特別なダクトを設ける必要がないため、安全性とコスト面で優れた空気浄化機能付きの保管箱を提供することができる。
【0038】
また、正負イオンは、オゾンとは異なり、物質の組織を損傷させる心配がないため、保管箱1に用いる材質には制限がなく、金属、樹脂、ゴム、木材、紙等を適宜使用することができる。さらに、紫外線のような遮光を行なう必要もないことから、透明材料の使用も可能となる。
【0039】
また、保管箱1の形状や扉4の取り付け方についても、イオン発生素子7から発生した正負イオンが行き渡る形状となっていれば、特に限定はなく適宜定めることができる。例えば、図5のように、本体2の横方向の寸法を大きくとって扉4が上向きに開くようにすると、メスやハサミ等の医療器具、あるいはスプーンやナイフやフォーク等の食器類を保管しておくのに都合がよくなる。
【0040】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図6は第2の実施形態を示す保管箱1の斜視図である。この実施形態では、複数の棚9を設けて本体2内の空間を上下に仕切っている。ただし、棚9が壁となって正負イオンの通過を妨げることのないように、棚9全体に貫通穴をいくつも設けたり、網目状の棚9を用いたりすることが必要である。
【0041】
このように、棚9を設置することにより、保管箱1内部の空間利用が進み、数多くの物品を保管できるようになるとともに、必要な物品の取り出し、整理が容易になる。棚9の材質や形状に限定はなく、適宜定めることができる。また、設置する棚9の数についても特に限定はなく、必要な枚数を取り付けることができる。
【0042】
また、図7のように、仕切り板10を設けて本体2内の空間を左右に仕切ってもよい。あるいは、図8のように、棚9と仕切り板10を組み合わせ、本体2内の空間を格子状に仕切ることもできる。そして、用途や器具の種類に応じて、図6、図7あるいは図8の形態を使い分けるようにすると、保管箱1の使い勝手がさらに向上する。
【0043】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図9は、第3の実施形態の保管箱1の斜視図である。本体2内は棚9で上下に仕切られ、その仕切られた空間に引き出し11が挿入されている。引き出し11は、上面が開放した箱型に形成され、本体2の内壁と棚9をガイドとして前後にスライド可能である。この引き出し11に各種物品を収容することにより、物品の取り出しと整理が容易になるとともに、数多くの物品を収容できるようになり、場所を取らず省スペースに保管することができる。
【0044】
図10は、引き出し11だけを抜き出して示す斜視図である。引き出し11の内部には、医療分野で用いるハサミやメスやピンセット等の医療用の各種器具が並べて収められている。これら医療用の各種器具の置き方については制限が無く、重ねて置いても構わないし、並べやすいように治具を用いてもよい。いずれにしても、消毒済みのハサミ、メス、ピンセット等の医療用の各種器具を保管箱1に入れておくことで、医療器具に浮遊菌が付着せず、いつまでも清潔に維持することができる。医療分野においては、このような空気の殺菌・除菌の効果は大変有益なものであり、患者や医療関係者の安全がより高くなるものと期待できるものである。
【0045】
例として、図11に、正負イオンによるウィルスの除去実験の結果を示す。実験は、無菌状態の寒天を含むシャーレに、保管箱1の中の空気を一定量吹き付ける方法により行なった。この空気には、あらかじめMRSA(メシチレン耐性黄色ブドウ球菌)を含有させてあり、シャーレに空気を吹き付ける前に、一方の空気は正負イオンで処理し、他方は正負イオンの処理無しでそのままシャーレに吹き付ける。そして、それぞれのシャーレ中でMRSAを培養し、コロニー数を計測することにより、両者を比較する。MRSAは院内感染の原因となる脅威的なウィルスであるが、図11の結果が示すように、正負イオンで処理することにより、空中のMRSAが除去されることがわかる。
【0046】
引き出し11に収める器具は、医療器具に限らず、図12のように、包丁やフライパンやオタマ等の調理器具を収めることもできる。これにより、調理器具に浮遊菌が付着せず、いつまでも清潔に維持することができる。調理分野においては、このような空気の殺菌・除菌の効果は大変有益なものであり、調理師や食べる人の安全がより高くなるものと期待できるものである。
【0047】
例として、図13、図14に、正負イオンによる浮遊菌の除去実験の結果を示す。実験は、無菌状態の寒天を含むシャーレに、保管箱1の中の空気を一定量吹き付ける方法により行なった。この空気には、あらかじめバチルス菌(炭素菌と同種の菌)を含有させてあり、シャーレに空気を吹き付ける前に、一方の空気は正負イオンで処理し、他方は正負イオンの処理無しでそのままシャーレに吹き付ける。そして、それぞれのシャーレ中でバチルス菌を培養し、コロニー数を計測することにより、両者を比較する。バチルス菌は脅威的なウィルスであるが、図13、図14の結果が示すように、正負イオンで処理することにより、空中のバチルス菌が除去されることがわかる。
【0048】
その他、スプーンやフォークやナイフや箸等の食器類、ハサミやカミソリやバリカン等の各種理容器具、書籍、衣類、野菜類や肉類や魚介類等の食品、薬品、動植物、文房具等の事務用品、電子部品、フロッピー(登録商標)ディスクやCD−ROMやMOやカセットテープやビデオテープやMDやCD等の電子データ記録媒体など多様な物品を収める保管箱を提供することができる。
【0049】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図15は、第3の実施形態を示す下駄箱12の正面断面図である。下駄箱12の内部は格子状に仕切られ、履物14を収める部屋13が縦横に複数形成されている。下駄箱12の正面には、各部屋13に扉(図示せず)が設けられており、履物14を出し入れする際に扉を開閉する以外は、扉を閉めておくことで下駄箱12の内部を機密な空間にすることができるようになっている。下駄箱12の外枠15の側壁15Bには、ほぼ中央に矩形の窓5が開口しており、この窓5を外側から覆うように、ボックス6が取り付けられている。ボックス6は、その内部にイオン発生素子7が収容され、窓5と向かい合う壁6Aに送風機8が固定されている。
【0050】
この下駄箱12の使用例について説明する。扉を開け、部屋13に履物14を入れる。扉を閉じ、ボックス6の電源スイッチをオンし、イオン発生素子7と送風機8を駆動する。これにより、正負イオンが下駄箱12内部の全体に行き届き、各部屋13の空気が除菌される。なお、履物14の表面にすでに付着してしまっている菌等に対しては、除菌効果が小さいが、付着している菌がさらに増殖しようとして、空気中に胞子を出したり、自らが他の場所に移動しようと空間に飛び出したりした場合、正負イオンの作用により殺菌される。このことにより、たとえもともと履物14に菌が付着していた場合でも、正負イオンが雰囲気に存在することにより、結果として菌の増殖が抑制されていることとなり、履物14を清潔に保管することができる。
【0051】
また、図16は、下駄箱12の他の例を示しており、履物14を収める各部屋13にはそれぞれイオン発生室16が区画形成されている。各イオン発生室16には、イオン発生素子7と送風機8が設けられており、部屋13ごとで空気の除菌運転をオン・オフできるようになっている。したがって、部屋13に履物14を入れ、扉を閉めて運転スイッチをオンすることで、履物14の入っている部屋13の空気を省電力に効率よく除菌することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、保管箱内の空気を除菌して無菌状態に保つことで、保管箱に収納した医療器具などに菌が付着せず、いつまでも清潔に保管することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る保管箱の斜視図であり、扉を閉めた状態を示している。
【図2】同上保管箱の斜視図であり、扉を開けた状態を示している。
【図3】イオン発生素子の透視斜視図である。
【図4】イオン発生素子に印加される電圧波形の一例を示す図である。
【図5】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図6】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図7】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図8】同上保管箱の他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る保管箱の斜視図である。
【図10】同上保管箱から抜き出した引き出しに医療器具が収納した状態を示す斜視図である。
【図11】正負イオンによる空中MRSAの除菌効果を示す実験結果である。
【図12】同上保管箱から抜き出した引き出しに調理器具が収納した状態を示す斜視図である。
【図13】正負イオンによる空中バチルス菌の除菌効果を示す実験結果である。
【図14】正負イオンによる空中バチルス菌の残存率を時間の経過とともに示す実験結果である。
【図15】本発明の第3の実施形態に係る下駄箱の正面断面図である。
【図16】その下駄箱の他の例を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 保管箱
2 本体
4 扉
6 ボックス
7 イオン発生素子
8 送風機
9 棚
10 仕切り板
12 下駄箱
13 部屋
14 履物
Claims (5)
- 閉鎖可能な物品の収納空間と、放電により正イオンと負イオンを発生するイオン発生素子と、このイオン発生素子から発生した正イオンと負イオンを前記収納空間に拡散させるための送風手段とを備えることを特徴とする空気浄化機能付き保管箱。
- 閉鎖可能な物品の収納空間を内部に有する箱体と、この箱体の外側に形成したイオン発生室において放電により正イオンと負イオンを発生するイオン発生素子と、このイオン発生素子から発生した正イオンと負イオンを前記収納空間に拡散させるための送風手段とを備えることを特徴とする空気浄化機能付き保管箱。
- 前記収納空間を縦方向に仕切ったことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気浄化機能付き保管箱。
- 前記収納空間を横方向に仕切ったことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の空気浄化機能付き保管箱。
- 枠体の内側に区画形成された閉鎖可能な物品の収納空間と、これら収納空間のそれぞれに形成したイオン発生室において放電により正イオンと負イオンを発生するイオン発生素子と、これらのイオン発生素子から発生した正イオンと負イオンを前記収納空間に拡散させるための送風手段とを備えることを特徴とする空気浄化機能付き保管箱。
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