【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋式トイレに好適に用いられる使い捨て便座カバーに関する。
【０００２】
【従来の技術】
洋式トイレの便座（以下、単に「便座」という。）は、硬質プラスチックや金属等によって作製されるため、直に腰掛けると硬さや冷たさを感じる。このため多くの家庭では、便座にカバー（便座カバー）を掛けて、座り心地を改善している。この便座カバーは、一般に毛糸等を用いた編み物や織物によって作製され、また、汚れても洗濯して繰り返し使用される（以下において、このように洗濯などにより繰り返して使用される便座カバーを「繰り返し使用便座カバー」という。）。
【０００３】
一方、ホテル、デパート、オフィス等の公共施設に設置される洋式トイレでは、便座にカバーが掛けられないか、掛けられたとしても、繰り返し使用タイプのものではなく、一回ごとに使い捨てるタイプのものが利用されることが多い。
【０００４】
このような一回ごとに使い捨てるタイプの便座カバー（以下、「使用毎使い捨て便座カバー」という。）では、座り心地よりも衛生面や維持管理費用の削減が重要視され、一般に、使用後にトイレに流すことが可能な水解性の紙、あるいは水解性の紙と水解性のプラスチックとの複合材料によって作製される。使用毎使い捨て便座カバーは、常に新品を使用することを前提としたものであることから、トイレの利用者に清潔感を与えることができる。
【０００５】
このような使用毎使い捨て便座カバーは、便座上に単に置かれて使用されるか（特許文献１参照）、または、所定箇所を便座の内側の縁に沿って垂れ下げた状態、もしくは予め塗布された粘着剤によって便座に固定された状態（特許文献２〜特許文献４参照）で使用される。
【０００６】
【特許文献１】
特開２０００−２８７８８６号公報（例えば第００１７段）
【特許文献２】
特開２０００−３１６７５１号公報（図２）
【特許文献３】
実開平１−１５９７９５号公報（第２図）
【特許文献４】
特開平７−２３１８６２号公報（図１）
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、繰り返し使用便座カバーは座り心地に優れるが、特にＯ型便座用のものは、便座への固定が比較的複雑である。また、例えば尿や便によって生じたシミが洗濯によっては落としきれずに僅かに残ったからといって使い捨てるには高価である。さらに、繰り返し使用便座カバーに付いたシミは、トイレの利用者に不快感を与えることがある。
【０００８】
一方、使用毎使い捨て便座カバーは、腰掛けたときに使用者に硬い感触を与えてしまうという問題があった。また、寒冷期には、使用者が腰掛けたときに冷たい感触を与えてしまうという問題もあった。さらに、便座に固定されないタイプのものでは、注意して使用しないと、便座からずれたり、便座から落ちたりするという問題があった。
【０００９】
そこで、本発明は、便座に比較的容易に固定することができ、座り心地がよいものを安価に提供することも可能な使い捨て便座カバーを提供することを課題とする。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、中央部を複数の片に区分したシートに特定の構造を付与して使い捨て便座カバーを構成することによって、便座への固定に係る上記の課題を解決した。
【００１１】
本発明による使い捨て便座カバーは、シート材料の選択に工夫を凝らすことによって、座り心地がよいものを安価に提供することが可能である。
【００１２】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それによって本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【００１３】
本発明の一態様では、便座（２０）よりも平面視上大形で、中央部が複数の片（１Ｐ）に区分されるシート（１）と、前記複数の片それぞれに１つずつ固着され、該片を前記シートの他の箇所に止着することができる止着部（３）と、前記シートの縁部に沿って該シートの一面に固着されてギャザー（Ｇ）を形成する伸縮性部材（５）と、を有する使い捨て便座カバーを提供して、前記課題を解決する。
【００１４】
便座カバーの平面視上の中央部には、尿や便が便器内に排出されるように開口部を形成することが必要であるので、上記の使い捨て便座カバーでは、シートの中央部が複数の片に区分される。
【００１５】
また、便座への固定を容易にするために、上記の片それぞれに止着部を固着させると共に、シートの縁部に沿って上記の伸縮性部材を固着させる。
【００１６】
各片に固着されている止着部をシートの他の箇所に止着することによって、シートの中央部に所定の開口部を形成することができる。当該開口部の形成は、上記の伸縮性部材によってシートを便座に仮固定した状態で行うことができるので、使い捨て便座カバーを便座に容易に固定することができる。簡単な構造であるので、初めて使う場合でも便座への固定方法の理解が容易である。
【００１７】
上述の止着部および伸縮性部材は、種々の素材のシートに固着させることが可能であるので、上記のシートとして例えばエアレイド乾式パルプシート若しくは不織布、又は少なくとも一部に熱収縮性材料を含む不織布を用いることにより、座り心地のよいものを安価に提供することが可能である。
【００１８】
このような効果を奏する上述の使い捨て便座カバーは、家庭用として例えば常時あるいは来客時に使用する他に、ホテル、デパート、オフィス、病院等の公共施設において使用することができる。特に、同一又は異なる使用者が１回〜複数回使用するための使い捨て便座カバーとして好適である。また、携帯することもできる。
【００１９】
本発明のこのような作用及び効果は、次に説明する実施の形態から明らかにされる。
【００２０】
【発明の実施の形態】
本発明の一態様による使い捨て便座カバーにおける上述のシートは、中央部が複数の片に区分され、縁部にギャザーを形成することが可能なものであれば基本的によいが、座り心地をよくするうえからは、良好な柔軟性を有していることが好ましい。また、シートの熱伝導率が低ければ、寒冷期においても腰掛けたときに冷たく感じることが少なくなるので、熱伝導率の低いものが好ましい。
【００２１】
便座は、一般に、ポリプロピレン、ＡＢＳ樹脂、ステンレス鋼、陶器等によって作製され、これらの素材の熱伝導率は、ポリプロピレンが０．１２５Ｗ／ｍ・Ｋ、ＡＢＳ樹脂が０．１４０Ｗ／ｍ・Ｋ、ステンレス鋼が１６〜２７Ｗ／ｍ・Ｋである。
【００２２】
これらの素材よりも熱伝導率の低い材料によって上記のシートを作製すれば、腰掛けたときに冷たく感じることが少ない便座カバーを得ることが容易になる。また、空気の熱伝導率が０．０２４Ｗ／ｍ・Ｋと低いことから、上記のシートが空気を多く含み、対流が少ない構造を有していれば、その材質に拘わらず、熱伝導性が低く、断熱性、保温性に優れた便座カバーを得ることが容易になる。
【００２３】
シートの含気率を示す指標として、重量当たりの容積（比容積）がある。比容積が大きいほど、熱伝導率が低いと考えられる。
【００２４】
シートの比容積（ｃｍ３／ｇ）は、その坪量（ｇ／ｍ２）と厚さ（ｍｍ）とを測定し、下式により算出することができる。
【００２５】
【数１】
【００２６】
なお、本明細書中に記載する比容積の値は、全て、シートにかかる荷重が０．３ｋＰａであるときの当該シートの厚さを用いて求めた値である。
【００２７】
柔軟性、熱伝導率、および製造コストを勘案すると、上述したシートとしては、例えば下記（１）〜（５）の不織布又は乾式パルプシートを用いることが好ましく、中でも、その比容積が概ね１５〜５０ｃｍ３／ｇの範囲内であるもの、特に、概ね２５〜５０ｃｍ３／ｇの範囲内であるものが好ましい。
【００２８】
（１）（ｉ）熱処理によって螺旋状の自然捲縮が発現する第１の合成繊維（以下、「潜在螺旋状捲縮繊維」という。）のみによって、または、当該潜在螺旋状捲縮繊維と他の繊維との混綿によって形成された第１繊維層と、（ｉｉ）潜在螺旋状捲縮繊維の熱収縮温度以下の温度では実質的に熱収縮しない熱接着性繊維のみによって、または、当該熱接着性繊維と他の繊維との混綿によって形成された第２繊維層と、を局所的な熱接着によって一体化した後、熱処理によって潜在螺旋状捲縮繊維の各々に自然捲縮を発現させて得た不織布。
【００２９】
（２）（ｉ）熱収縮性フィルムまたは熱収縮性ネットと、（ｉｉ）当該熱収縮性フィルムまたは熱収縮性ネットの熱収縮温度以下の温度では実質的に熱収縮しない熱接着性繊維のみによって、または、当該熱接着性繊維と他の繊維との混綿によって形成された繊維層と、を局所的な熱接着によって一体化した後、熱処理によって熱収縮性フィルムまたは熱収縮性ネットを収縮させて得た不織布。
【００３０】
（３）熱接着性を有する潜在螺旋状捲縮繊維のみによって、または、当該潜在螺旋状捲縮繊維と他の繊維との混綿によって不織布を一旦形成し、その後、熱処理によって潜在螺旋状捲縮繊維の各々に自然捲縮を発現させて得た不織布。
【００３１】
（４）機械捲縮を付与した熱接着性繊維のみによって、または、当該熱接着性繊維と他の繊維との混綿によって作製された不織布。
【００３２】
（５）繊維長２〜１０ｍｍ程度の繊維を用いたエアレイド不織布又は、パルプを原料としたエアレイド乾式パルプシート。
【００３３】
上記の潜在螺旋状捲縮繊維は、例えば、複数種の熱可塑性ポリマー材料の組み合わせからなる偏心芯鞘型またはサイド・バイ・サイド型の複合繊維である。上記の熱可塑性ポリマー材料の具体例としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド等が挙げられる。
【００３４】
上記の熱接着性繊維は、例えば、上記の熱可塑性ポリマー材料の１種からなる繊維、または、上記の熱可塑性ポリマー材料の複数種からなる芯鞘型もしくはサイド・バイ・サイド型の複合繊維である。
【００３５】
上記の熱収縮性フィルムおよび熱収縮性ネットの素材は、例えば、天然ゴムや合成ゴムである。合成ゴムの具体例としては、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、１，２−ポリブタジエン、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ウレタンゴム、および熱可塑性エラストマーとして知られる各種ゴム、例えばウレタン系、スチレン系、エステル系、オレフィン系、アミド系のハードセグメントを有するゴムや、メタロセンを触媒として重合されたエチレン−α−オレフィン共重合体が挙げられる。
【００３６】
なお、熱収縮性フィルムおよび熱収縮性ネットの素材として例示したポリマー材料を用いて潜在螺旋状捲縮繊維を得ることも可能である。
【００３７】
上述した潜在螺旋状捲縮繊維または熱接着性繊維に必要に応じて混綿される繊維の具体例としては、例えば、レーヨン、コットン、アクリル系繊維等が挙げられる。
【００３８】
エアレイド乾式パルプシート又はエアレイド不織布の材料として利用することができる繊維の具体例としては、パルプ等の天然繊維、および、レーヨン、ポリエチレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系繊維、ポリアミド繊維等の合成繊維が挙げられ、その繊維長は例えば２〜１０ｍｍ程度とすることができる。非熱融着性繊維はバインダーを用いることによってシートにすることができ、熱融着性繊維はバインダーを用いることによって、または繊維同士を熱融着させることによってシートにすることができる。
【００３９】
エアレイド乾式パルプシートは、（ｉ）製造コストが比較的低い、（ｉｉ）水溶性のバインダーを併用することによって、使用後にそのままトイレに流せる使い捨て便座カバーを得ることが可能になる、という観点から特に好適である。
【００４０】
例えば、抗菌性物質を練り込んだ合成繊維を用いて上述のシートを作製することにより、あるいは、上述のシートに抗菌性物質の溶液ないし分散液を含浸させた後に乾燥することにより、抗菌性物質を含んだシートを得ることができる。
【００４１】
上記の抗菌性物質としては、無機系および有機系のいずれの物質も用いることができる。無機系抗菌性物質としてはゼオライト系、シリカゲル系、ガラス系、リン酸カルシウム系、リン酸ジルコニウム系、ケイ酸塩系、酸化チタン系、セラミック系、ウィスカー系等のものを用いることができる。有機系抗菌性物質としては、アルデヒド系、第４アンモニウム塩系等のものを用いることができる。
【００４２】
上述のシートは、後工程において、印刷により任意のデザインを付与することができる。また、着色された合成繊維を用いてシートを作製することによって、あるいは、シートの作製に使用するバインダー溶液に色素、顔料を添加することによって、着色されたシートを得ることができる。
【００４３】
シートの中央部に形成する複数の片の数は、２以上の所望数とすることができる。ただし、この数が多すぎると、使い捨て便座カバーを便座に固定するのに手間がかかるようになる。片の数は、３〜８つ程度とすることが好ましい。
【００４４】
これらの片は、例えば、シートの中央部に複数のスリットや切れ込みを設けることによって容易に形成することができる。
【００４５】
片に固着させる止着部は、当該片を上述のシートの他の箇所に止着し得るものであればよく、例えば、オス材として機能する微小なフックが片面に多数形成されたフック材を用いることができる。
【００４６】
このようなフック材を用いれば、当該フック材と上述のシートの他の箇所とによって面状ファスナを構成することが可能になる。片へのフック材の固着は、例えばホットメルト型接着剤を用いて、あるいはヒートシールによって、行うことができる。
【００４７】
また、互いに嵌合する１対の部材の一方を上記の止着部材として用い、他方をシートの他の箇所に固着させ、使い捨て便座カバーを便座に固定する際にこれら１対の部材を互いに嵌合させることによっても、上記の片を上述のシートの他の箇所に止着させることができる。
【００４８】
なお、止着部については、使い捨て便座カバーの使用時に使用者が自ら所定の箇所に固着するように構成することも可能である。例えば、両面テープの片面に止着部を固着させ、当該両面テープの他の面は着脱可能な保護フィルムによって覆っておき、使い捨て便座カバーの使用時に使用者が上記の保護フィルムを剥がして所定の箇所に止着部を固着するように構成することも可能である。
【００４９】
上述のシートの縁部に沿って当該シートの一面に固着させる伸縮性部材は、例えば天然ゴムまたは合成ゴムからなる糸ゴムもしくは平ゴムによって構成される。これらの糸ゴムおよび平ゴムは１本のみ使用してもよいし、複数本使用してもよい。複数本使用する場合には、各々を互いに独立に配置してもよいし、束ねて使用してもよい。
【００５０】
この伸縮性部材は、例えばホットメルト型等の接着剤を用いて、伸張させた状態でシートに固着される。その結果として、使い捨て便座カバーの非使用時においては、伸縮性部材の収縮によってシートの縁部にギャザーが形成される。
【００５１】
シート、止着部、および伸縮性部材が水解性を有していれば、使用後の使い捨て便座カバーを水洗トイレに流すことが可能になる。また、シート、止着部、および伸縮性部材が生分解性を有していれば、使い捨て便座カバーの廃棄によって周囲の環境に及ぼされる悪影響を緩和することが容易になる。
【００５２】
【実施例】
（実施例１）
図１（Ａ）は、本実施例による使い捨て便座カバーの上面図であり、図１（Ｂ）は、本実施例による使い捨て便座カバーの底面図である。
【００５３】
図示の使い捨て便座カバー１０は、シート１として前述した（１）の不織布を用い、止着部３として前述のフック材を用い、伸縮性部材５として環状の平ゴムを用いて作製したＯ型便座用のものである。伸縮性部材５は、便宜上、二点鎖線で表してある。
【００５４】
シート１は、図２（Ａ）〜図２（Ｃ）に示すように、潜在螺旋状捲縮繊維（大和紡績株式会社製のＣＰＰ（「ＣＰＰ」は大和紡績株式会社の登録商標。）； 繊度２．２ｄｔｅｘ、平均繊維長５１ｍｍ）１ａを原料として用いて作製した坪量３５ｇ／ｍ２のカードウェブ１Ａと、芯鞘型の熱接着性複合繊維（大和紡績株式会社製のＮＢＦ（ＳＨ）（「ＮＢＦ」は大和紡績株式会社の登録商標。）；芯成分＝ポリエチレンテレフタレート、鞘成分＝ポリエチレン；繊度２．２ｄｔｅｘ、平均繊維長５１ｍｍ）１ｂを原料として作製した坪量３０ｇ／ｍ２のカードウェブ１Ｂとを重ね合わせ（図２（Ａ）参照）、超音波エンボス法によって両者を互いに接合（図２（Ｂ）参照）した後、１３０〜１３５℃の熱風を５〜１０秒間吹き付けて潜在螺旋状捲縮繊維１ａに螺旋状の自然捲縮Ｃ（図２（Ｃ）参照）を発現させて得たものであり、その坪量は１００ｇ／ｍ２、厚さは４．０ｍｍ、比容積は４０ｃｍ３／ｇである。
【００５５】
このシート１におけるカードウェブ１Ａとカードウェブ１Ｂとの接合箇所は、平面視上、菱形格子状のパターンを形成している。図３に示すように、個々の菱形パターンＤＰ内においては、自然捲縮の発現に伴う潜在螺旋状捲縮繊維１ａの収縮によって、熱接着性複合繊維１ｂが凸状に突出している。使い捨て便座カバー１０は、熱接着性複合繊維１ｂが凸状に突出している側が表面（使用者が腰掛ける面）となるようにして使用される。
【００５６】
再び図１に戻り説明する。シート１は略円形を呈し、元々は便座よりも平面視上大形であるが、縁部に沿って伸縮性部材５が固着されていることから、当該縁部にギャザーＧが形成されてキャップ状になり、元々の大きさよりも小さくなっている。
【００５７】
このシート１の中央部には、複数のスリットが放射状に形成され、その結果として、当該中央部が８つの片１Ｐに区分されている。止着部３は、１つの片１Ｐに１つずつ固着されている。
【００５８】
図４（Ａ）〜図４（Ｃ）は、使い捨て便座カバー１０をＯ型便座２０に固定する際の手順の一例を示す。
【００５９】
まず、使い捨て便座カバー１０における伸縮性部材５を伸張させ、図４（Ａ）に示すように便座カバー１０を便座２０に被せる。便座２０に便座カバー１０が仮固定される。
【００６０】
次いで、図４（Ｂ）および図４（Ｃ）に示すように片１Ｐを便座２０の内側面から裏面へ廻し、止着部３によってシート１の他の箇所に止着させる。このとき、片１Ｐができるだけ弛まないようにして、止着部３をシート１の他の箇所に止着させることが好ましい。この動作を全ての片１Ｐについて行うことにより、使い捨て便座カバー１０を便座２０に固定することができる。
【００６１】
固定時とは逆の動作を行うことにより、使い捨て便座カバー１０を便座２０から取り外すことができる。
【００６２】
（実施例２）
シート１として、エアレイド乾式パルプシートを用いた以外は実施例１と同様にして、使い捨て便座カバーを作成した。
【００６３】
上記のエアレイド乾式パルプシートは、坪量が４０ｇ／ｍ２のパルプウェブを形成し、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムのエマルジョンを塗布した後に乾燥機によって乾燥させて得た最終坪量５０ｇ／ｍ２のものであり、その厚さは１．３ｍｍ、比容積は２６ｃｍ３／ｇである。
【００６４】
（実施例３）
実施例１で用いたシート１に代えて、その中間製品、すなわち、カードウェブ１Ａとカードウェブ１Ｂとを重ね合わせ、超音波エンボス法によって両者を互いに部分的に接合させただけの不織布を用いた以外は実施例１と同様にして、使い捨て便座カバーを作製した。上記の中間製品（不織布）の坪量は６５ｇ／ｍ２、厚さは１．５ｍｍ、比容積は２３．１ｃｍ３／ｇである。
【００６５】
（実施例４）
実施例１で用いたシート１に代えて、湿式パルプシートを用いた以外は実施例１と同様にして、使い捨て便座カバーを作製した。
【００６６】
上記の湿式パルプシートは、パルプを湿式抄紙法によって坪量４０ｇ／ｍ２のシートに成形し、バインダーとしてスチレンブタジエンゴムのエマルジョンを塗布した後に乾燥機によって乾燥して得た最終坪量５０ｇ／ｍ２のものであり、その厚さは０．８ｍｍ、比容積は１６ｃｍ３／ｇである。
【００６７】
（評価）
実施例１〜実施例４の各使い捨て便座カバーを実際に家庭のトイレで使用し、その性能を評価した。
【００６８】
いずれの使い捨て便座カバーも、便座への取り付けおよび便座からの取り外しを比較的簡単に行うことができ、また、腰掛けても殆どズレない程度に便座に固定することができた。
【００６９】
実施例１および実施例２の各使い捨て便座カバーは、座ったときに柔らかく感じられ、座り心地がよかったが、実施例３および実施例４の各使い捨て便座カバーは、座り心地の点で、実施例１および実施例２の各使い捨て便座カバーよりも劣っていた。
【００７０】
また、実施例１および実施例２の各使い捨て便座カバーでは、冬季の夜中や明け方に腰掛けた場合でも、実施例３および実施例４の各使い捨て便座カバーに比べて便座からの冷え感が緩和されていた。座り続けた場合にも、臀部からの便座への熱の逃げはそれ程感じられず、比較的快適に座り続けることができた。
【００７１】
（実施例５）
図５（Ａ）は、本実施例による使い捨て便座カバーの上面図であり、図５（Ｂ）は、本実施例による使い捨て便座カバーの底面図である。
【００７２】
図示の使い捨て便座カバー３０はＵ型便座用のものであり、（ｉ）シート３１がＵ型便座に形成されている切り欠き部に対応する箇所に切り欠き部Ｄを有する点、および（ｉｉ）伸縮性部材３５が環状ではなく紐状を呈し、切り欠き部Ｄに面した縁部の一部を除いて、シートの縁部に沿って当該伸縮性部材３５が固着されている点を除けば、実施例１の使い捨て便座カバー１０と同様の材料によって同様に構成されている。図中の参照符号３１Ｐはシート３１中央部に形成されている片を示し、参照符号３３は止着部を示す。伸縮性部材３５は、便宜上、二点鎖線で表してある。
【００７３】
図６（Ａ）及び、図６（Ｂ）は、使い捨て便座カバー３０をＵ型便座４０に固定する際の手順の一例を示す。
【００７４】
まず、図６（Ａ）に示すように、使い捨て便座カバー３０における伸縮性部材５５を伸張させて、便座カバー３０の縁部が便座４０の側面または裏面に位置するようにして、当該便座カバー３０を便座４０に被せる。便座４０に便座カバー３０が仮固定される。
【００７５】
次いで、図６（Ｂ）に示すように、片３１Ｐを便座４０の内側面から裏面へ廻し、止着部３３によってシート３１の他の箇所に止着させる。このとき、片３１Ｐができるだけ弛まないようにして、止着部３３をシート３１の他の箇所に止着させることが好ましい。この動作を全ての片３１Ｐについて行うことにより、使い捨て便座カバー３０を便座４０に固定することができる。
【００７６】
固定時とは逆の動作を行うことにより、使い捨て便座カバー３０を便座４０から取り外すことができる。
【００７７】
この使い捨て便座カバー３０も、実施例１の使い捨て便座カバー１０と同様に、便座４０への取り付けおよび便座４０からの取り外しを比較的簡単に行うことができると共に、腰掛けても殆どズレない程度に便座に固定することができる。また、座り心地も比較的よい。
【００７８】
以上、現時点において最も実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う使い捨て便座カバーもまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
【００７９】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、便座に比較的容易に固定することができ、座り心地がよいものを安価に提供することも可能な使い捨て便座カバーが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１（Ａ）は、本発明の使い捨て便座カバーの一実施例を概略的に示す上面図であり、図１（Ｂ）は、図１（Ａ）に示した使い捨て便座カバーを概略的に示す底面図である。
【図２】図１に示した使い捨て便座カバーを構成しているシートの製造工程を示す概略図である。
【図３】図１に示した使い捨て便座カバーを構成しているシートを概略的に示す斜視図である。
【図４】図１に示した使い捨て便座カバーをＯ型便座に固定する際の手順の一例を示す概略図である。
【図５】図５（Ａ）は、本発明の使い捨て便座カバーの他の実施例を概略的に示す上面図であり、図５（Ｂ）は、図５（Ａ）に示した使い捨て便座カバーを概略的に示す底面図である。
【図６】図５に示した使い捨て便座カバーをＵ型便座に固定する際の手順の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
１、３１ シート
１Ｐ、３１Ｐ 片
３、３３ 止着部
５、３５ 伸縮性部材
Ｇ ギャザー
２０ Ｏ型便座
４０ Ｕ型便座[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a disposable toilet seat cover suitably used for a Western-style toilet.
[0002]
[Prior art]
The toilet seat of a Western-style toilet (hereinafter, simply referred to as a "toilet seat") is made of hard plastic, metal, or the like. For this reason, in many homes, a cover (toilet seat cover) is hung on the toilet seat to improve sitting comfort. This toilet seat cover is generally made of a knitted or woven fabric using wool or the like, and is washed and repeatedly used even if it becomes dirty (hereinafter, the toilet seat cover repeatedly used by washing etc. is referred to as "repeatedly". Used toilet seat cover ”).
[0003]
On the other hand, in Western-style toilets installed in public facilities such as hotels, department stores, offices, etc., the toilet seats are not covered, or even if they are hung, they are not reusable, but disposable once. Things are often used.
[0004]
In such toilet seat covers that are disposable each time (hereinafter, referred to as "disposable toilet seat covers"), emphasis is placed on reducing hygiene and maintenance costs over sitting comfort. It is made of a water-disintegrable paper that can be flowed through, or a composite material of water-disintegrable paper and water-disintegrable plastic. Since the disposable toilet seat cover for each use is based on the premise that a new product is always used, a toilet user can be given a feeling of cleanliness.
[0005]
Such a disposable toilet seat cover for each use is simply placed on the toilet seat and used (see Patent Literature 1), or a predetermined position is hung down along the inner edge of the toilet seat, or is applied in advance. It is used in a state where it is fixed to a toilet seat with an adhesive (see Patent Documents 2 to 4).
[0006]
[Patent Document 1]
JP-A-2000-287886 (for example, stage 0017)
[Patent Document 2]
JP 2000-316751 A (FIG. 2)
[Patent Document 3]
Japanese Utility Model Laid-Open No. 1-159795 (FIG. 2)
[Patent Document 4]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-231962 (FIG. 1)
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the repeated-use toilet seat cover is excellent in sitting comfort, but especially for the O-type toilet seat, fixing to the toilet seat is relatively complicated. Further, it is expensive to dispose, for example, because the stains generated by urine or stool remain slightly without being completely removed by washing. Further, spots on the repeatedly used toilet seat cover may cause discomfort to the toilet user.
[0008]
On the other hand, there is a problem that the disposable toilet seat cover for each use gives the user a hard feel when sitting down. In addition, in a cold season, there is a problem that a cold feeling is given when a user sits down. Further, in the case of the type which is not fixed to the toilet seat, there is a problem that if not used with care, the toilet seat may be displaced or fall off.
[0009]
Therefore, an object of the present invention is to provide a disposable toilet seat cover that can be relatively easily fixed to a toilet seat and can provide a comfortable seat at low cost.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors have solved the above-mentioned problem relating to fixing to a toilet seat by providing a disposable toilet seat cover by giving a specific structure to a sheet in which a central portion is divided into a plurality of pieces.
[0011]
The disposable toilet seat cover according to the present invention can provide a comfortable seat at low cost by devising the selection of the sheet material.
[0012]
Hereinafter, the present invention will be described. In addition, in order to facilitate understanding of the present invention, reference numerals in the accompanying drawings are added in parentheses, but the present invention is not limited to the illustrated embodiment.
[0013]
In one aspect of the present invention, a sheet (1), which is larger in plan view than the toilet seat (20) and whose central portion is divided into a plurality of pieces (1P), is fixed to each of the plurality of pieces. A fastening portion (3) capable of fastening the piece to another portion of the sheet; and a stretchable portion fixed to one surface of the sheet along an edge of the sheet to form a gather (G). The above object is achieved by providing a disposable toilet seat cover having a member (5).
[0014]
In the central part of the toilet seat cover in plan view, it is necessary to form an opening so that urine and stool are discharged into the toilet bowl. Divided into pieces.
[0015]
In addition, in order to facilitate fixing to the toilet seat, a fastening portion is fixed to each of the pieces, and the elastic member is fixed along the edge of the sheet.
[0016]
A predetermined opening can be formed at the center of the sheet by fixing the fixing portion fixed to each piece to another portion of the sheet. Since the opening can be formed in a state where the sheet is temporarily fixed to the toilet seat by the elastic member, the disposable toilet seat cover can be easily fixed to the toilet seat. Since it has a simple structure, it is easy to understand how to fix it to the toilet seat even when using it for the first time.
[0017]
Since the above-mentioned fastening portion and the elastic member can be fixed to sheets of various materials, the above-mentioned sheet is, for example, an air-laid dry pulp sheet or a nonwoven fabric, or a nonwoven fabric containing a heat-shrinkable material at least in part. By using, it is possible to provide a comfortable seat at low cost.
[0018]
The above-mentioned disposable toilet seat cover exhibiting such effects can be used for public use, such as hotels, department stores, offices, hospitals, etc., besides being always used for home use or when visiting customers. In particular, it is suitable as a disposable toilet seat cover for the same or different users to use one or more times. It can also be carried.
[0019]
Such actions and effects of the present invention will be apparent from the embodiments described below.
[0020]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The above-mentioned seat in the disposable toilet seat cover according to one embodiment of the present invention is basically good as long as the center portion is divided into a plurality of pieces and a gather can be formed at the edge portion, but the sitting comfort is good. In order to achieve this, it is preferable to have good flexibility. Further, if the thermal conductivity of the sheet is low, the user does not feel cold when sitting down even in the cold season, so that the sheet having a low thermal conductivity is preferable.
[0021]
The toilet seat is generally made of polypropylene, ABS resin, stainless steel, pottery, and the like. The thermal conductivity of these materials is 0.125 W / m · K for polypropylene, 0.140 W / m · K for ABS resin, and stainless steel. Steel is 16 to 27 W / mK.
[0022]
If the above-mentioned sheet is made of a material having a lower thermal conductivity than these materials, it becomes easy to obtain a toilet seat cover that does not feel cold when sitting down. Further, since the thermal conductivity of air is as low as 0.024 W / m · K, if the above-mentioned sheet has a structure including a large amount of air and a small convection, the thermal conductivity is low regardless of the material. It is easy to obtain a toilet seat cover that is low and has excellent heat insulation and heat retention.
[0023]
As an index indicating the air content of the sheet, there is a volume per weight (specific volume). It is considered that the larger the specific volume, the lower the thermal conductivity.
[0024]
The specific volume (cm 3 / g) of the sheet can be calculated by the following formula by measuring the basis weight (g / m 2 ) and the thickness (mm).
[0025]
(Equation 1)
[0026]
In addition, all the values of the specific volume described in this specification are values obtained using the thickness of the sheet when the load applied to the sheet is 0.3 kPa.
[0027]
In consideration of flexibility, thermal conductivity, and production cost, it is preferable to use, for example, the following non-woven fabrics or dry pulp sheets (1) to (5), among which the specific volume is approximately 15 to intended to be within the scope of 50 cm 3 / g, in particular, generally it is preferable in the range of 25~50cm 3 / g.
[0028]
(1) (i) Only the first synthetic fiber (hereinafter, referred to as “latent helical crimped fiber”) in which helical spontaneous crimp develops by heat treatment, or the latent helical crimped fiber and another And (ii) only a heat-adhesive fiber that does not substantially heat-shrink at a temperature equal to or lower than the heat-shrink temperature of the latent spirally crimped fiber, or After integrating the second fiber layer formed by blending the conductive fibers with other fibers by local thermal bonding, each of the latent helical crimped fibers is developed by natural heat crimping by heat treatment. Nonwoven.
[0029]
(2) Only by (i) the heat-shrinkable film or the heat-shrinkable net and (ii) the heat-adhesive fiber which does not substantially heat-shrink at a temperature equal to or lower than the heat-shrinkage temperature of the heat-shrinkable film or the heat-shrinkable net. Or, after integrating the heat-bondable fiber and a fiber layer formed by blending with other fibers by local heat bonding, shrink the heat-shrinkable film or heat-shrinkable net by heat treatment. The obtained nonwoven fabric.
[0030]
(3) A nonwoven fabric is once formed by using only the latent spirally crimped fiber having thermal adhesiveness or by blending the latently spirally crimped fiber with another fiber, and thereafter, by performing a heat treatment on the nonwoven fabric. Nonwoven fabric obtained by expressing natural crimp in each of the above.
[0031]
(4) A nonwoven fabric made of only heat-bondable fibers provided with mechanical crimp, or a blend of the heat-bondable fibers and other fibers.
[0032]
(5) An air-laid nonwoven fabric using fibers having a fiber length of about 2 to 10 mm or an air-laid dry pulp sheet using pulp as a raw material.
[0033]
The above-mentioned latent spiral crimped fiber is, for example, an eccentric core-sheath type or side-by-side type composite fiber made of a combination of a plurality of types of thermoplastic polymer materials. Specific examples of the above thermoplastic polymer materials include, for example, polyolefins such as polyethylene and polypropylene, polyesters such as polyethylene terephthalate, and polyamides.
[0034]
The above-mentioned thermoadhesive fiber is, for example, a fiber composed of one kind of the above-mentioned thermoplastic polymer material, or a core-sheath type or side-by-side type composite fiber composed of plural kinds of the above-mentioned thermoplastic polymer material. is there.
[0035]
The material of the above-mentioned heat-shrinkable film and heat-shrinkable net is, for example, natural rubber or synthetic rubber. Specific examples of the synthetic rubber include isoprene rubber, butadiene rubber, 1,2-polybutadiene, styrene-butadiene rubber, chloroprene rubber, nitrile rubber, butyl rubber, ethylene-propylene rubber, urethane rubber, and various rubbers known as thermoplastic elastomers Examples thereof include a rubber having a urethane-based, styrene-based, ester-based, olefin-based, or amide-based hard segment, and an ethylene-α-olefin copolymer polymerized using a metallocene as a catalyst.
[0036]
In addition, it is also possible to obtain a latent spiral crimped fiber using the polymer materials exemplified as the material of the heat-shrinkable film and the heat-shrinkable net.
[0037]
Specific examples of the fibers mixed as necessary with the above-described latent spiral crimped fibers or heat-adhesive fibers include, for example, rayon, cotton, and acrylic fibers.
[0038]
Specific examples of fibers that can be used as a material of the air-laid dry pulp sheet or the air-laid non-woven fabric include natural fibers such as pulp, and rayon, polyolefin-based fibers such as polyethylene, polyester-based fibers such as polyethylene terephthalate, and polyamide fibers. And the fiber length can be, for example, about 2 to 10 mm. The non-heat fusible fibers can be made into a sheet by using a binder, and the heat fusible fibers can be made into a sheet by using a binder, or by heat fusing the fibers to each other.
[0039]
The airlaid dry pulp sheet is particularly preferred from the viewpoint that (i) the production cost is relatively low, and (ii) the use of a water-soluble binder in combination makes it possible to obtain a disposable toilet seat cover that can be poured directly into a toilet after use. It is suitable.
[0040]
For example, by preparing the above-mentioned sheet using synthetic fibers into which the antibacterial substance has been kneaded, or by impregnating the above-mentioned sheet with a solution or dispersion of the antibacterial substance and then drying it, Can be obtained.
[0041]
As the antibacterial substance, any of inorganic and organic substances can be used. As the inorganic antibacterial substance, zeolite, silica gel, glass, calcium phosphate, zirconium phosphate, silicate, titanium oxide, ceramic, whisker and the like can be used. As the organic antibacterial substance, an aldehyde type, a quaternary ammonium salt type or the like can be used.
[0042]
The above-mentioned sheet can be given an arbitrary design by printing in a later step. Further, a colored sheet can be obtained by producing a sheet using colored synthetic fibers, or by adding a dye or a pigment to a binder solution used for producing the sheet.
[0043]
The number of the plurality of pieces formed at the center of the sheet can be a desired number of 2 or more. However, if the number is too large, it takes time to fix the disposable toilet seat cover to the toilet seat. The number of pieces is preferably about 3 to 8.
[0044]
These pieces can be easily formed, for example, by providing a plurality of slits or cuts in the center of the sheet.
[0045]
The fastening portion to be fixed to the piece may be any as long as it can fasten the piece to another portion of the above-described sheet.For example, a hook material having a large number of minute hooks functioning as a male material formed on one surface may be used. Can be used.
[0046]
If such a hook material is used, it becomes possible to form a planar fastener by the hook material and another portion of the above-mentioned sheet. The hook member can be fixed to the piece by using, for example, a hot-melt type adhesive or by heat sealing.
[0047]
Further, one of the pair of members fitted to each other is used as the fastening member, and the other is fixed to another portion of the seat, and the pair of members is fitted to each other when the disposable toilet seat cover is fixed to the toilet seat. The above-mentioned pieces can also be fixed to other parts of the above-mentioned sheet by combining.
[0048]
In addition, about a fastening part, when using a disposable toilet seat cover, it is also possible to comprise so that a user may fix himself to a predetermined place. For example, a fastening portion is fixed to one side of the double-sided tape, the other side of the double-sided tape is covered with a removable protective film, and when the disposable toilet seat cover is used, the user peels off the above-mentioned protective film to obtain a predetermined surface. It is also possible to constitute so that a fastening part may be fixed to a place.
[0049]
The elastic member fixed to one surface of the sheet along the edge of the sheet is made of, for example, thread rubber or flat rubber made of natural rubber or synthetic rubber. One of these thread rubber and flat rubber may be used, or a plurality thereof may be used. In the case of using a plurality of them, they may be arranged independently of each other or may be used in a bundle.
[0050]
This elastic member is fixed to the sheet in an expanded state using an adhesive such as a hot melt type. As a result, when the disposable toilet seat cover is not used, gathers are formed at the edges of the sheet due to the contraction of the elastic member.
[0051]
If the seat, the fastening part, and the elastic member have water dissolvability, it becomes possible to flow the disposable toilet seat cover after use into the flush toilet. In addition, if the sheet, the fastening portion, and the elastic member have biodegradability, it is easy to mitigate the adverse effects on the surrounding environment due to disposal of the disposable toilet seat cover.
[0052]
【Example】
(Example 1)
FIG. 1A is a top view of the disposable toilet seat cover according to the present embodiment, and FIG. 1B is a bottom view of the disposable toilet seat cover according to the present embodiment.
[0053]
The illustrated disposable toilet seat cover 10 is an O-type toilet seat manufactured using the nonwoven fabric of (1) described above as the sheet 1, using the above-described hook material as the fastening portion 3, and using an annular flat rubber as the elastic member 5. It is for. The elastic member 5 is indicated by a two-dot chain line for convenience.
[0054]
As shown in FIGS. 2 (A) to 2 (C), the sheet 1 is a latent spirally crimped fiber (CPP manufactured by Daiwa Spinning Co., Ltd. (“CPP” is a registered trademark of Daiwa Spinning Co., Ltd.)); A card web 1A having a basis weight of 35 g / m 2 prepared using 2.2 dtex, average fiber length 51 mm) 1a as a raw material, and a core-sheath type heat-adhesive conjugate fiber (NBF (SH) manufactured by Daiwa Boseki Co., Ltd.) "NBF is a registered trademark of Daiwa Spinning Co., Ltd.); core component: polyethylene terephthalate, sheath component: polyethylene; fineness: 2.2 dtex, average fiber length: 51 mm) A card web having a basis weight of 30 g / m 2 prepared from 1b as a raw material. 1B is superimposed (see FIG. 2A), the two are joined to each other by ultrasonic embossing (see FIG. 2B), and a hot spiral at 130 to 135 ° C. is blown for 5 to 10 seconds to form a latent spiral. Crimped fibers 1a helically natural crimp C (see FIG. 2 (C)) are those obtained by expressing its basis weight 100 g / m 2, a thickness of 4.0 mm, specific volume 40cm 3 / g.
[0055]
The joining portion between the card web 1A and the card web 1B in the sheet 1 forms a rhombic lattice pattern in plan view. As shown in FIG. 3, in each rhombic pattern DP, the heat-bondable conjugate fiber 1b protrudes in a convex shape due to the contraction of the latent helical crimped fiber 1a due to the development of natural crimp. The disposable toilet seat cover 10 is used such that the side on which the heat-adhesive conjugate fiber 1b protrudes in a convex shape is the surface (the surface on which the user sits).
[0056]
Returning to FIG. The seat 1 has a substantially circular shape and is originally larger in plan view than the toilet seat. However, since the elastic member 5 is fixed along the edge, a gather G is formed on the edge and the cap G is formed. And smaller than the original size.
[0057]
A plurality of slits are radially formed in the center of the sheet 1, and as a result, the center is divided into eight pieces 1P. The fastening portions 3 are fixed to one piece 1P one by one.
[0058]
FIGS. 4A to 4C show an example of a procedure for fixing the disposable toilet seat cover 10 to the O-type toilet seat 20.
[0059]
First, the elastic member 5 of the disposable toilet seat cover 10 is extended, and the toilet seat cover 10 is put on the toilet seat 20 as shown in FIG. The toilet seat cover 10 is temporarily fixed to the toilet seat 20.
[0060]
Next, as shown in FIGS. 4B and 4C, the piece 1 </ b> P is turned from the inner surface of the toilet seat 20 to the back surface, and is fixed to another portion of the sheet 1 by the fixing portion 3. At this time, it is preferable that the fixing portion 3 is fixed to another portion of the sheet 1 so that the piece 1P is not loosened as much as possible. By performing this operation on all the pieces 1P, the disposable toilet seat cover 10 can be fixed to the toilet seat 20.
[0061]
The disposable toilet seat cover 10 can be removed from the toilet seat 20 by performing the operation opposite to the fixing operation.
[0062]
(Example 2)
A disposable toilet seat cover was prepared in the same manner as in Example 1 except that an airlaid dry pulp sheet was used as the sheet 1.
[0063]
The above air-laid dry pulp sheet has a final basis weight of 50 g / m 2 obtained by forming a pulp web having a basis weight of 40 g / m 2 , applying an emulsion of styrene-butadiene rubber as a binder, and then drying the emulsion with a dryer. The thickness is 1.3 mm and the specific volume is 26 cm 3 / g.
[0064]
(Example 3)
Instead of the sheet 1 used in Example 1, an intermediate product thereof, that is, a nonwoven fabric in which the card web 1A and the card web 1B were overlapped and both were partially joined to each other by an ultrasonic embossing method was used. Except for the above, a disposable toilet seat cover was produced in the same manner as in Example 1. The intermediate product (nonwoven fabric) has a basis weight of 65 g / m 2 , a thickness of 1.5 mm, and a specific volume of 23.1 cm 3 / g.
[0065]
(Example 4)
A disposable toilet seat cover was produced in the same manner as in Example 1 except that a wet pulp sheet was used instead of the sheet 1 used in Example 1.
[0066]
The above-mentioned wet pulp sheet is obtained by forming pulp into a sheet having a basis weight of 40 g / m 2 by a wet papermaking method, applying an emulsion of styrene-butadiene rubber as a binder, and then drying the resultant with a dryer to obtain a final basis weight of 50 g / m 2. 2 having a thickness of 0.8 mm and a specific volume of 16 cm 3 / g.
[0067]
(Evaluation)
Each of the disposable toilet seat covers of Examples 1 to 4 was actually used in a household toilet, and the performance was evaluated.
[0068]
Each disposable toilet seat cover could be relatively easily attached to and detached from the toilet seat, and could be fixed to the toilet seat to such an extent that there was almost no displacement when sitting down.
[0069]
Each of the disposable toilet seat covers of Example 1 and Example 2 felt soft when sitting, and had a good sitting comfort. However, each of the disposable toilet seat covers of Example 3 and Example 4 had an advantage in terms of sitting comfort. It was inferior to each disposable toilet seat cover of Example 1 and Example 2.
[0070]
Further, in each of the disposable toilet seat covers of Example 1 and Example 2, even when sitting in the middle of the winter or at dawn, the feeling of cooling from the toilet seat is alleviated as compared with the disposable toilet seat covers of Example 3 and Example 4. I was Even when the user continued to sit, the escape of heat from the buttocks to the toilet seat was not so much felt, and the user could continue to sit comfortably.
[0071]
(Example 5)
FIG. 5A is a top view of the disposable toilet seat cover according to the present embodiment, and FIG. 5B is a bottom view of the disposable toilet seat cover according to the present embodiment.
[0072]
The illustrated disposable toilet seat cover 30 is for a U-shaped toilet seat, and (i) the sheet 31 has a notch D at a position corresponding to the notch formed in the U-shaped toilet seat; and (ii) Except for the point that the elastic member 35 has a string shape rather than an annular shape and that the elastic member 35 is fixed along the edge of the sheet except for a part of the edge facing the notch D. The disposable toilet seat cover 10 according to the first embodiment is made of the same material as the disposable toilet seat cover 10. Reference numeral 31P in the figure indicates a piece formed at the center of the sheet 31, and reference numeral 33 indicates a fastening portion. The elastic member 35 is indicated by a two-dot chain line for convenience.
[0073]
FIGS. 6A and 6B show an example of a procedure for fixing the disposable toilet seat cover 30 to the U-shaped toilet seat 40.
[0074]
First, as shown in FIG. 6A, the elastic member 55 in the disposable toilet seat cover 30 is extended so that the edge of the toilet seat cover 30 is located on the side surface or the back surface of the toilet seat 40, and To the toilet seat 40. The toilet seat cover 30 is temporarily fixed to the toilet seat 40.
[0075]
Next, as shown in FIG. 6B, the piece 31 </ b> P is turned from the inner side surface of the toilet seat 40 to the back surface, and is fixed to another portion of the sheet 31 by the fixing portion 33. At this time, it is preferable that the fastening portion 33 is fastened to another portion of the sheet 31 so that the piece 31P is not loosened as much as possible. By performing this operation for all the pieces 31P, the disposable toilet seat cover 30 can be fixed to the toilet seat 40.
[0076]
The disposable toilet seat cover 30 can be removed from the toilet seat 40 by performing an operation opposite to that at the time of fixing.
[0077]
Like the disposable toilet seat cover 10 of the first embodiment, the disposable toilet seat cover 30 can be relatively easily attached to and detached from the toilet seat 40, and the toilet seat is hardly displaced even when seated. Can be fixed to The sitting comfort is also relatively good.
[0078]
Although the present invention has been described in connection with the most practical and preferred embodiments at this time, the invention is not limited to the embodiments disclosed herein. The disposable toilet seat cover with such a change can be appropriately changed without departing from the gist or idea of the invention, which can be read from the claims and the entire specification, and is understood to be included in the technical scope of the present invention. It must be.
[0079]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, there is provided a disposable toilet seat cover that can be relatively easily fixed to a toilet seat and can provide a comfortable seat at low cost.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 (A) is a top view schematically showing one embodiment of a disposable toilet seat cover of the present invention, and FIG. 1 (B) shows the disposable toilet seat cover shown in FIG. 1 (A). It is a bottom view shown schematically.
FIG. 2 is a schematic view showing a manufacturing process of a sheet constituting the disposable toilet seat cover shown in FIG.
FIG. 3 is a perspective view schematically showing a seat constituting the disposable toilet seat cover shown in FIG. 1;
FIG. 4 is a schematic view showing an example of a procedure for fixing the disposable toilet seat cover shown in FIG. 1 to an O-type toilet seat.
FIG. 5 (A) is a top view schematically showing another embodiment of the disposable toilet seat cover of the present invention, and FIG. 5 (B) is a disposable toilet seat cover shown in FIG. 5 (A). It is a bottom view which shows schematically.
6 is a schematic view showing an example of a procedure for fixing the disposable toilet seat cover shown in FIG. 5 to a U-shaped toilet seat.
[Explanation of symbols]
1, 31 Seat 1P, 31P Piece 3, 33 Fastening part 5, 35 Elastic member G Gather 20 O-type toilet seat 40 U-type toilet seat
