JP2004097005A - VACUOLAR TRANSPORT SIGNAL PEPTIDE OF SOYBEAN beta-CONGLYCININ AND UTILIZATION THEREOF - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、目的とするタンパク質を、植物、特にダイズの種子で大量に合成する方法、および植物(特にダイズ)の種子への安定蓄積を促進するための特定のアミノ酸配列を有するペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイズ種子は、タンパク質を最も豊富に含む種子であり、かつ、植物性油の量産可能かつ安価な原料としても非常に有用であり、広範な国および地域で利用されている。ダイズ種子から油脂成分を分離した脱脂ダイズの有効な用途の開発が食品業界の注目を集めている。
【0003】
植物体で所望のタンパク質を産生させ、それを単離・精製することは、近年の遺伝子工学技術等の進展により可能となっている。そこで、ダイズ種子のタンパク質貯蔵型液胞(PSV)中に豊富に貯蔵されているダイズ主要貯蔵タンパク質(11Sグロブリン、7Sグロブリン等)のタンパク質がPSVへ輸送されるメカニズムを解明し、それを応用することにより、ダイズ種子のPSV中に所望のタンパク質を蓄積させて、油脂成分を分離した脱脂ダイズから安価かつ効率的に所望の蛋白質を精製することが可能になると考えられる。
【0004】
植物では液胞の機能は多岐にわたっている。これまでの研究より、最低2種類以上の液胞が存在することが示されており、そのうちの1つは分解型液胞(LV)で、もう1つはタンパク質貯蔵型液胞(PSV)である(Vitale and Raikhel, 1999)。オオムギやエンドウの根端細胞及びエンドウ登熟子葉細胞では、これらの液胞が共存しているという報告もある(Hoh et al., 1995; Paris et al., 1996)。子葉細胞中では種子の登熟に伴い、LVは消失し、PSVが発達する(Hoh et al.,1995)。PSVには、主な種子貯蔵タンパク質である11S、7Sグロブリンや、レクチン、各種の酵素及びプロテアーゼインヒビターなどが貯蔵されている(Herman
and Larkins, 1999)。
【0005】
LVとPSVへの可溶性タンパク質の輸送は異なる機構で行われていると考えられている。LVへの輸送はトランスゴルジネットワークより出芽するクラスリン被覆小胞(CCV)により行われており、CCVへの可溶性タンパク質の取り込みは、輸送されるタンパク質の持つシグナル(液胞輸送シグナル)が配列特異的にレセプターに結合することにより行われている(Vitale and Raikhel, 1999; Ahmed et al., 2000)。種子貯蔵タンパク質などのPSVタンパク質の輸送はゴルジ体から出芽するデンスベシクル(DV)により(Hohl et al., 1996; Neuhaus and Rogers,1998; Hillmers et al., 2001)行われている。また、カボチャの種子細胞では、小胞体において形成されるPACベシクルによるゴルジ体を経由しない輸送経路の存在が示唆されている(Hara−Nishimura et al., 1998)。しかし、DVやPACベシクルによるPSVタンパク質の輸送機構については、まだほとんどわかっていない。
【0006】
これまでの研究で調べられた植物の液胞タンパク質の液胞輸送シグナルは、配列特異的液胞輸送シグナル(ssVSD)、C末端液胞輸送シグナル(ctVSD)及び構造依存的シグナル(psVSD)の3種類に分類される(Neuhaus and Rogers, 1998)。ssVSDはその配列がレセプターに認識されると考えられるものであり、NPIRモチーフもしくはそれと類似した配列を含むものが見つかっている。ctVSDはC末端プロペプチドに存在する疎水性の強い配列であるが、長さはまちまちであり、共通する配列も見いだされていない。また、これらの輸送機構についてはほとんどわかっていない。psVSDについては、その構造的特徴は未だ見いだされていない。
【0007】
種子のPSVに存在する数々の可溶性タンパク質(タバコキチナーゼ、タバコグルカナーゼ、オオムギレクチン、インゲンマメファゼオリン、ブラジルナッツ2Sアルブミン、ヒマ種子リシン、オオムギフィテプシン)についても、液胞輸送シグナルが報告されている(Matsuoka and Neuhaus, 1999; Frigerio et al., 1998,2001, Tormakangas et al., 2001)。リシンとフィテプシンではインターナルプロペプチドにシグナルが存在する。このうち、リシンでは、様々な植物種のリシン様タンパク質間で保存されているイソロイシンが輸送に関与しておりssVSDであることが示唆されている(Frigerio et al,2001a)。キチナーゼ、グルカナーゼ、レクチン、ファゼオリン、ブラジルナッツ2Sアルブミンでは、C末端プロペプチドがシグナルとなっており、共通する配列はなく、疎水性が強いことからctVSDであると考えられている。
【0008】
しかしながら、これらのシグナルはいずれも種子以外の細胞を用いて解析されたものである。種子以外の組織の細胞において、種子細胞に特有のDVやPACベシクルによるPSVへの輸送と同様の輸送が起こっているかどうかは、DVやPSVの形成に関わる分子がまだほとんど解明されていない現段階では判断ができない。このため、種子のPSVタンパク質のシグナルについては種子を用いて解析する必要があると考えられる。
【0009】
本発明において、液胞輸送シグナルについての研究に用いた、ダイズの主要な種子貯蔵タンパク質の一つであるβ−コングリシニンは、7Sグロブリンとも呼ばれ、その主要な構成サブユニットはα、α’、βの3種類であり、ダイズ種子中ではこれらのサブユニットがランダムに組み合わさった種々の分子種が存在している(Thanh and Shibasaki, 1976, 1978)。これらの3種のサブユニットのC末端部については、いずれもプロペプチドであるかどうかはわかっていないが、インゲンマメ7SグロブリンであるファゼオリンのctVSD(AFVY)と類似した配列が存在していることがわかっている(Doyle et al., 1986; Sebastiani et al., 1990; Maruyama et al., 1998)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、植物、特にダイズ種子において目的のタンパク質を大量に蓄積させることにより、目的のタンパク質を大量生産する手段を提供する。即ち、種子中に目的のタンパク質を大量に蓄積させることが可能な液胞輸送シグナルペプチド、該ペプチドを含有するタンパク質、これをコードする核酸、およびその使用を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく、ダイズβ−コングリシニンの3種のサブユニットのうち、α’サブユニットを用いて、PSVへの輸送に関与する配列の特定を試み、C末端から数えて7〜10位に存在するアミノ酸がα’サブユニットの液胞輸送シグナルペプチドとしてPSVへの輸送に関与することを突き止め、本発明を完成させるに至った。C末端から数えて1〜10位のアミノ酸配列(配列番号1)はαサブユニットとα’サブユニットとの間では100%の相同性があり、さらにβサブユニットのC末端にも類似の配列(配列番号2)が存在することから、配列番号1に示す配列を有するペプチドと配列番号2に示す配列を有するペプチドとも、同様の機能を有していると考えられる。
【0012】
したがって、本発明は、以下の1〜25の態様:
1.目的とするタンパク質のアミノ酸配列に、配列番号1に示すアミノ酸配列または配列番号2に示すアミノ酸配列がタンパク質貯蔵液胞への液胞輸送シグナルペプチドとしてC末端またはN末端のいずれかに付加されたタンパク質、
2.目的とするタンパク質のアミノ酸配列に、配列番号1に示すアミノ酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列のうちのN末端側の少なくとも4残基以上からなる配列、またはPro Xaa Xaa Ser(Xaaは任意のアミノ酸)で表される配列がタンパク質貯蔵液胞への液胞輸送シグナルペプチドとしてC末端またはN末端のいずれかに付加されたタンパク質、
3.目的とするタンパク質のアミノ酸配列と液胞輸送シグナルペプチド配列との間に特異的プロテアーゼ認識配列が存在することを特徴とする、上記1または2記載のタンパク質、
4.目的とするタンパク質のアミノ酸配列が複数個タンデムに連結されており、かつ該アミノ酸配列同士の間に特異的プロテアーゼ認識配列が存在することをさらなる特徴とする、上記3記載のタンパク質、
5.植物の種子で発現されると、タンパク質貯蔵液胞に輸送されることを特徴とする、上記1〜4のいずれかに記載のタンパク質、
6.植物が双子葉植物であることを特徴とする、上記5記載のタンパク質、
7.植物がダイズまたはシロイヌナズナであることを特徴とする、上記6記載のタンパク質、
8.上記1〜7のいずれかに記載のタンパク質をコードする核酸、
9.上記8記載の核酸を含有する植物形質転換用ベクター、
10.上記核酸が植物細胞内で発現可能な形で含まれていることを特徴とする、上記9記載のベクター、
11.植物細胞が双子葉植物由来の細胞であることを特徴とする、上記10記載のベクター、
12.植物細胞がダイズまたはシロイヌナズナ由来の細胞であることを特徴とする、上記11記載のベクター、
13.上記8記載の核酸を外来遺伝子として含有する植物細胞、
14.上記9〜12のいずれかに記載のベクターを含有する、植物細胞、
15.双子葉植物の細胞であることを特徴とする、上記13または14記載の植物細胞、
16.ダイズまたはシロイヌナズナの細胞であることを特徴とする、上記15記載の植物細胞、
17.上記13〜16のいずれかに記載の植物細胞を含有する植物、
18.双子葉植物であることを特徴とする、上記17記載の植物、
19.ダイズまたはシロイヌナズナであることを特徴とする、上記18記載の植物、
20.目的とするタンパク質を生産する方法であって、
i) 上記8記載の核酸を得るステップ;
ii) 該核酸を、発現可能な形で植物細胞内に導入するステップ;
iii) 該核酸が発現可能な条件下で、上記植物細胞を再生させてその種子を得るステップ;
iv) 得られた種子から目的とするタンパク質を分離または単離するステップ;
を含む、上記方法、
21.植物が双子葉植物であることを特徴とする上記20記載の方法、
22.植物がダイズまたはシロイヌナズナであることを特徴とする上記21記載の方法、
23.上記ステップ(i)における核酸にコードされるタンパク質が、上記2または3記載のタンパク質であり、かつ、
v) 上記ステップ(iv)で得られたタンパク質内の特異的プロテアーゼ認識部位を切断可能なプロテアーゼで切断して、所望のアミノ酸配列からなるタンパク質を得るステップ;
をさらに含む、上記20〜22のいずれかに記載の方法、
24.配列番号1に示すアミノ酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列、または該アミノ酸配列のうちの少なくともN末端側の4残基からなる配列、またはPro Xaa Xaa Ser(Xaaは任意のアミノ酸)で表される配列をコードする核酸配列を含み、かつ、植物プロモーターの制御下に、インフレームで1つ以上の所望の目的とするタンパク質をコードする核酸を挿入可能であり、それにより、目的とするタンパク質に配列番号1に示すアミノ酸配列または該アミノ酸配列のうちの少なくともN末端側の4残基からなる配列、またはPro Xaa Xaa Ser(Xaaは任意のアミノ酸)で表される配列が付加されたタンパク質を発現することを可能とする、植物形質転換用発現ベクター、ならびに、
25.上記の配列番号1に示すアミノ酸配列もしくは配列番号2に示すアミノ酸配列、または該アミノ酸配列のうちの少なくともN末端側の、またはPro Xaa XaaSer(Xaaは任意のアミノ酸)で表される配列からなる配列をコードする核酸配列と、目的とするタンパク質をコードする核酸の挿入部との間に特異的プロテアーゼ認識部位をインフレームでコードする配列をさらに含むことを特徴とする、上記24記載のベクター、
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
ダイズ主要貯蔵タンパク質であるβ−コングリシニンのα’サブユニットのC末端の10アミノ酸残基Pro Leu Ser Ser Ile Leu Arg Ala Phe Tyrからなる配列(配列番号1)が、タンパク質のPSVへの輸送に十分な部位であることから、該配列をC末端に輸送シグナルとして有するタンパク質は、植物(特に、ダイズまたはシロイヌナズナ)の種子で発現されると、その中のPSVに輸送されて蓄積されるため、植物体において大量に生産され得る。さらに、本発明者らの研究から配列番号1の配列のC末端側6残基がなくても、タンパク質はPSVへ輸送されることがわかっており、配列番号1の配列のN末端側の少なくとも4残基Pro Leu Ser Ser からなる配列がタンパク質のPSVへの輸送を担っていると考えられる。したがって、少なくともかかる4残基を含む配列、またはα’サブユニットのC末端の10残基を含む配列を液胞輸送シグナルペプチドとしてN末端またはC末端に有するタンパク質もまた、上記と同様に大量生産することができる。また、β−コングリシニンのβサブユニットのC末端の10アミノ酸残基Pro Phe Pro Ser Ile Leu Gly Ala LeuTyrからなる配列(配列番号2)のうちのN末端側の4残基Pro Phe Pro Serを含む配列もまた液胞輸送シグナルペプチドとして機能し得ることが考えられるため、α’サブユニットの上記配列と同様に利用することが可能である。さらには、配列番号1および配列番号2のN末端側からの4残基、すなわち、Pro Leu Ser Ser およびPro Phe Pro Serのうち、共通する1残基めのPro、4残基めのSerのみが保存されているPro Xaa Xaa Ser(Xaaは任意のアミノ酸)の配列も同様に利用することが可能であろう。
【0014】
かかるタンパク質の生産に使用する植物は、限定はされないが、双子葉植物が好ましく、さらにはマメ科植物がより好ましく、ダイズが特に好ましい。
【0015】
かかるタンパク質は、慣用の遺伝子工学技術を利用することにより、任意のアミノ酸配列を有するものとすることができる。例えば、当技術分野で利用可能な種々のデータベースに、種々のタンパク質のアミノ酸配列が公開されており、目的とするタンパク質のアミノ酸配列が得られる。該アミノ酸配列を基に、それをコードする核酸を得ることは当業者には容易に達成できる。さらには、目的とするタンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸を種々の方法でクローニングすることにより入手することも当業者には容易である。
【0016】
得られた核酸を、上記液胞輸送シグナルペプチドをコードする核酸とインフレームに連結して、目的とするタンパク質のアミノ酸配列の末端に上記アミノ酸残基からなる配列が付加されたタンパク質をコードする核酸を得ることができる。さらに、目的とするタンパク質のアミノ酸配列と上記液胞輸送シグナルペプチドの間に特定のプロテアーゼ(エンドペプチダーゼともいい、例えば、Factor Xa、トロンビン等)によって認識されて切断され得るアミノ酸配列が挿入されたタンパク質をコードする核酸を作製することもできる。このようなプロテアーゼは、当技術分野でさまざまなものが知られており、目的とするタンパク質のアミノ酸配列中および上記液胞輸送シグナルペプチド中にその認識部位が存在しないものを選択するとよい。このような特異的プロテアーゼ認識部位を挿入することにより、種子中から分離したタンパク質にこのプロテアーゼを作用させることによって、付加された上記液胞輸送シグナルペプチドを目的とするタンパク質から切断することができる。
【0017】
また、目的とするタンパク質をより大量に得るためには、該タンパク質をコードする核酸をインフレームでタンデムに連結させて、その連結部位に特異的プロテアーゼ認識部位を同じくインフレームとなるように挿入することも有利である。この場合は、目的とするタンパク質のアミノ酸配列から付加された液胞輸送シグナルペプチドの末端までをコードする核酸配列中にストップコドンが含まれないように設計する必要がある。すなわち、目的とするタンパク質のアミノ酸配列が、特異的プロテアーゼ認識部位を挟んでタンデムに連結されており、その末端に配列番号1もしくは配列番号2の10残基からなるアミノ酸配列またはそのN末端側の少なくとも4残基からなる配列、またはPro Xaa Xaa Ser(Xaaは任意のアミノ酸)で表される配列が液胞輸送シグナルペプチドとして付加されたタンパク質として発現することが可能となる。このタンパク質が植物の種子で発現されると、液胞輸送シグナルペプチドによりPSVに輸送されて蓄積するため、種子から該タンパク質を分離または単離後、該タンパク質に上記プロテアーゼ認識部位を切断するプロテアーゼを反応させることにより、上記液胞輸送シグナルペプチド部分が切断により除去され、さらに、複数個が連結されていた目的とするタンパク質も、1つずつに切断されて、目的とするタンパク質を得ることができる。
【0018】
目的とするタンパク質は、所望の任意のものでよいが、例えば、生理活性ペプチド(各種増殖因子およびペプチド性ホルモン等を含む)、抗体(可変領域を含む断片を含む)および酵素などのあらゆる種類のものが挙げられる。
【0019】
上記のようにタンパク質を生産するために用いる核酸、すなわち、目的とするタンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸の下流に、インフレームで(即ち、該アミノ酸配列と同じ読み枠内で)配列番号1もしくは配列番号2に示す10残基またはそのN末端側の少なくとも4残基からなる配列、またはPro Xaa Xaa Ser(Xaaは任意のアミノ酸)で表される配列をコードする核酸配列(液胞輸送シグナルペプチドコード配列)を含む核酸が連結した核酸もまた、本発明に包含される。上記シグナルペプチドコード配列と目的とするタンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸配列との間に1個以上のアミノ酸をコードする配列がインフレームで挿入されていてもよく、また、特異的ペプチダーゼ認識部位をコードする配列を含んでいると有利な場合がある(上述参照のこと)。さらに2つ以上(同種でも異種でもよい)の目的とするタンパク質のアミノ酸配列をコードする核酸配列がタンデムに連結されて、さらにその個々の間に特異的ペプチダーゼ認識部位をコードする配列が挿入された核酸もまた、有利な場合がある(上述参照のこと)。該核酸は、植物細胞で機能するプロモーター、好ましくは植物の種子特異的プロモーターの制御下に連結されていることが好ましい。このような核酸は、種々の植物の形質転換方法(例えば、プロトプラスト法、パーティクルガン法など)に用いることができ、形質転換した細胞から植物を再生させて、形質転換植物体を得る方法は、当技術分野で公知であり、多くのプロトコル集に開示されている(例えば、「モデル植物の実験プロトコール−遺伝学的手法からゲノム解析まで−」(秀潤社、2001年発行島本功、岡田清孝監修)等)。
【0020】
また上記核酸は、植物細胞の形質転換用ベクター中に組込まれていてもよい。例えば、アグロバクテリウムによる形質転換用の種々のTiプラスミド、pBI101などのバイナリープラスミドおよびRiプラスミド等が挙げられる。かかるベクターは、植物の種子で上記核酸が発現可能な形で、すなわち、植物細胞において適切な発現プロモーターが機能し得る形で上記核酸に連結されていることが好ましい。植物細胞において適切な発現プロモーターは、種々のものが当業者に公知であるが、中でも植物の種子特異的プロモーターが好ましく、例えば、ダイズ主要貯蔵タンパク質の各サブユニットのプロモーター(βコンゴリシニンのα’サブユニットのプロモーターなど)が挙げられる。
【0021】
また、かかるベクターは選択マーカー(栄養選択性または薬剤耐性マーカー等)を含有していてもよい。
アグロバクテリウムなどによる形質転換法の技術もまた、当業者には公知である。
【0022】
したがって、これらのベクターを介して上記遺伝子により形質転換され、該遺伝子を外来遺伝子として有する細胞もまた本発明の範囲に包含される。該遺伝子を発現可能な形で(すなわち、適切なプロモーター制御下に)含む植物細胞が好ましい。本明細書でいう「外来遺伝子」とは、当該植物が天然に有しているゲノム内に存在した遺伝子以外の人為的に細胞内(ゲノム内も含む)に導入された遺伝子を指す。さらには、このような細胞から再生した植物体もまた本発明に含まれる。
【0023】
かかる植物体から、シグナルペプチドを有するタンパク質を発現させた植物の種子を収穫してそこから該タンパク質を分離または単離することができる。かかる植物には、シロイヌナズナおよびダイズなどをはじめとする双子葉植物が好ましい。また、マメ科植物も好ましい。特にダイズは、種子をダイズ油の抽出に用いた残滓から該タンパク質を分離または単離することができるため、大量かつ安価にタンパク質を得ることができる点で有利である。種子からのタンパク質の分離または単離は、当技術分野における周知技術により達成することができる。
【0024】
したがって、本発明は、上述の手法を用いる、目的とするタンパク質を生産するための方法を包含する。また、該方法により所望の任意のタンパク質を生産するために、該タンパク質をコードする遺伝子を挿入するだけで上記シグナルペプチドと連結したタンパク質が発現可能となるように、設計された発現ベクターも本発明に含まれる。
【0025】
すなわち、該ベクターは、植物細胞、特に種子細胞における発現を可能とするプロモーター(上述参照のこと)の制御下であって、かつ上記シグナルペプチドをコードする配列の上流に、所望のタンパク質をコードする配列を、該シグナルペプチドとインフレームになるように挿入するためのベクターである。したがって、挿入部位に挿入するための制限酵素認識部位を有する環状ベクター、または直鎖状ベクターであってもよい。さらに、挿入部位とシグナルペプチドコード配列との間に、配列特異的プロテアーゼ認識部位をインフレームでコードする配列を含有させると、発現後のタンパク質に連結しているシグナル配列を切断除去することができ、有利である。
【0026】
【実施例】
以下、本発明の理解を容易にするために実施例を記載するが、本発明は下記実施例に限定されない。
野生型、末端切断型および変異型α ’ 遺伝子の構築及び形質転換シロイヌナズナの作成
α’サブユニットのPSVへの輸送に関与するC末端領域を特定するために、野生型(Wild)、C末端部6残基欠損(ΔCT6)及びC末端部10残基欠損(ΔCT10)α’サブユニットの遺伝子を構築した(図 1)。各遺伝子は種子特異的発現を調節することの知られているα’プロモーターの下流に機能し得る形で連結した。α’プロモーター、シグナルペプチド、プロペプチドコード領域はダイズ(品種;ワセスズナリ)のゲノムよりPCRにより調製した。一方、エクステンション領域及びコア領域をコードする遺伝子はα’サブユニットのcDNAよりPCRにより調製した。これらの各遺伝子を同時に植物形質転換用ベクターpBI101に挿入した。これらのプラスミドの左右境界配列間をアグロバクテリウム法により、シロイヌナズナの核DNAに導入した。形質転換された植物体の選抜はカナマイシンを用いて行い、各コンストラクトにつき3〜7個体の形質転換体(T1植物)を得た。また、同様に、図1に示すようなその他のコンストラクトも構築してその形質転換体を得、以下の実験に用いた。
【0027】
形質転換シロイヌナズナ種子における野生型及び変異型α ’ の発現及び蓄積
T1植物から得られたT2種子中に野生型及び変異型α’が発現、蓄積されているかどうかを、抗α’(抗体を用いた完熟種子抽出液のウエスタンブロッティングを行い確認した。野生型はダイズから精製されたα’と同じサイズの位置にバンドが検出されたが、それよりも低分子側にも数本のバンドが検出され、コアのサイズの位置にメインのバンドが検出された(図2 レーン5)。ΔPro、ΔCT6及びΔCT10においても、ダイズα’とほぼ同じ分子量の位置と、コアのサイズの位置にバンドが検出された(図2 レーン6,8,9)。ΔGlyでは、糖鎖の付加の起こらない大腸菌で発現させた成熟型α’と同じサイズの位置にバンドが検出され、分解物も大腸菌で発現させたα’coreと同じサイズの位置にバンドが検出された(図2 レーン7)。このことからΔGlyでは糖鎖が付加されていないことが確認された。なお、このようなコアのサイズまでの段階的な分解は、α’をペチュニア種子で発現させた際にも観察されたことが既に報告されており、α’を異種植物で発現させた際に見られる特有の現象であると思われる。エクステンション領域は分子表面に突出しているので、プロテアーゼによる分解を受けやすいのかもしれない。ΔExt、Coreはどちらもエクステンション領域がないので、コアのサイズにバンドが検出された(図2 レーン10,11)。また、ΔExtのサイズはCoreと同じであったことから、ΔExtのプロ領域はプロセッシングにより取り除かれ、コア領域のみが蓄積されているといえる。CoreΔGly (図2 レーン12) については大腸菌で発現させ糖鎖の付加されていないα’coreと同じサイズの位置にバンドが検出された。野生型及びいずれの変異型α’も、コアのサイズよりも低分子側にはバンドは検出されなかったことから、これらのタンパク質がT2種子中に安定に蓄積されているということが確認された。
【0028】
野生型及び変異型α ’ の構造形成能
野生型及び変異型α’のT2完熟種子抽出液を用いてショ糖密度勾配遠心分離を行った。その結果、野生型及び、ΔPro、ΔGly、ΔCT6及びΔCT10については、3量体の大きさである7Sの位置に主に沈降し(図3)、野生型及びこれら3つの変異型α’がダイズα’と同様に3量体を形成していることが確認された。ΔExt、Core、CoreΔGlyについては、主に9Sの位置に沈降した(図3)。本発明者は、以前に、大腸菌で発現させたα’コアは9Sの位置に沈降し、それらは3量体が2個会合したものであるということを確認している。したがって、今回のΔExt、Core及びCoreΔGlyについても3量体を形成した後、それらが2個会合して9Sの大きさを示すようになったと考えられた。以上のことから、野生型及び全ての変異型α’はシロイヌナズナ種子中で正しく分子集合しているということが確認された。すなわち、今回施した変異は構造形成に不都合を来さなかったといえる。
【0029】
野生型及び変異型α ’ の PSV への輸送と細胞外への分泌(液胞輸送シグナルの存在領域の確認)
野生型及び末端切断型α’が種子細胞内でPSVへ輸送されたかどうかを完熟種子細胞の免疫電子顕微鏡観察により解析した。シロイヌナズナ完熟種子の電子顕微鏡用超薄切片に、抗α’抗体を反応させた後、金粒子をつけた二次抗体を反応させた。その結果、野生型を発現させたシロイヌナズナ種子細胞のPSVには、多くの金粒子が存在していた(図4 A)。また、金粒子は、PSV中の他の部分とは外見的に異なる区画(本明細書ではこの区画を「クリスタロイド様構造」とよぶ)に特に多く存在した(図4 A)。切片をダイズグリシニン(11Sグロブリン)に対する抗体(抗グリシニン抗体)を用いて同様に処理を行い観察した結果、シロイヌナズナ内在性の11Sグロブリンの存在を示す金粒子は、クリスタロイド様構造ではなく、その周辺に多く存在していた(図4B)。一方、クリスタロイド様構造やα’の存在を示す金粒子は非形質転換シロイヌナズナ種子では検出されなかった。このことから、野生型α’はシロイヌナズナ種子中でPSVへ輸送され、クリスタロイド様構造に蓄積していることが確認された。
【0030】
ΔPro、ΔExt、ΔGly及びCoreについても、完熟種子細胞のPSVのクリスタロイド様構造に多くの金粒子が存在しており(図4 D,E,F,G)、これらの変異型α’も、PSVへ輸送、蓄積されたということが確認された。このことから、プロ領域、エクステンション領域、糖鎖のいずれもα’のPSVへの輸送に必要ではないことが判明した。このことは、CoreΔGlyがPSVのクリスタロイド様構造に蓄積している(図4 H)ことからも確認された。すなわち、α’のPSVへの輸送には、糖鎖を除いたコア領域のみが関与するということである。
【0031】
一方、C末端部については、6残基を欠損させたΔCT6はPSVへ輸送されることが確認された(図4 I)。しかし、10残基を欠損させたΔCT10では、金粒子は細胞間隙において検出された(図4 J, K) ことから、ΔCT10はPSVへ選別輸送されずに、細胞間隙に分泌されたことが確認された。同様の結果が独立した3ラインを用いた解析においても得られた。さらに、抗グリシニン抗体を用いて同様の処理を行った結果、シロイヌナズナ内在性11Sグロブリンは細胞間隙では検出されずPSV中のみで検出された(図4 L)。この結果は、ΔCT10の細胞外への分泌が、細胞の異常によるものではなく、ΔCT10がPSVへ輸送されるための液胞輸送シグナルを欠損していることによるものであるということを示している。このことから、α’のC末端部10残基中にPSVへの輸送に必要な領域が存在することが判明した。
【0032】
PSV 輸送における C 末端部の主体的な関与の確認
次にPSVへの選別輸送におけるα’サブユニットのC末端部の関与をさらに確認するために、3種類のキメラタンパク質(図 1 A, spGFP, proGFP, GFP−CT24)を発現する形質転換シロイヌナズナを作成した。レポーターとして、緑色蛍光タンパク質GFPを用いた。GFPは細胞質タンパク質であるため、小胞体内に移行させるためにα’のシグナルペプチドをN末端側に付加した。α’の液胞輸送シグナルは、図4において、α’の輸送に必要であったC末端部10残基中の配列より長い配列である可能性も考えられるため、C末端部10残基の他に直前の配列14残基を含む、24残基を付加した。該24残基をコードするDNA配列(配列番号3)を、PCR法を用いてGFPをコードする配列に付加したDNAを作製し、これを発現させてGFP−CT24タンパク質を作製した。尚、α’のC末端部24残基は、分子表面で揺らいでいることが示唆されている。また、コントロールとして、液胞輸送に必要ではないことがわかっているプロ領域をGFPのN末端部に付加したproGFPを用いた。
【0033】
形質転換シロイヌナズナ種子中でのキメラタンパク質の蓄積を、種子抽出液のウエスタンブロッティングを行い、抗GFP抗体を用いて確認した。その結果、いずれのキメラタンパク質でも、GFPの分子量である27kDa付近にメインのバンドが検出された(図 5)。また、GFP−CT24では、約3kDa高分子側にバンドが検出された(図 5, レーン 3)。このバンドは、C末端24残基を付加したGFPの分子量とほぼ同じである。これらのことから、いずれのキメラタンパク質も形質転換シロイヌナズナ種子中に蓄積していることが確認された。
【0034】
シロイヌナズナ種子中でのキメラタンパク質の局在部位を乾燥種子の共焦点レーザー顕微鏡観察により確認した。spGFP (図 6 A)、proGFP (図 6 B)では細胞間隙で特に強い蛍光が検出され、PSVでは検出されなかった。一方、GFP−CT24では、細胞内のPSVにおいて蛍光が検出された(図 6C)。このことから、α’のC末端部24残基はGFPをPSVへ輸送するのに十分であることが確認された。
【0035】
ダイズ種子中での C 末端部の PSV 輸送への関与および液胞輸送シグナルの存在領域の確認
α’のC末端部24残基がダイズ種子細胞においてもGFPをPSVへ輸送するかどうかを確かめるために、GFP−CT24(図 1 参照)をコードする遺伝子をパーティクルガンでダイズ登熟種子に導入し、24時間後に、発現したGFP−CT24の細胞内での存在部位を共焦点レーザー顕微鏡観察により確認した。その結果、GFPの蛍光がPSVで検出され (データは示していない)、シロイヌナズナ種子中と同様にGFP−CT24はPSVへ輸送、蓄積されたことが確認された。コントロールとして、シグナルペプチドのみを連結したspGFP(図 1 参照)についても同様の方法で観察を行った。その結果、spGFPではGFPの蛍光は主に小胞体及び細胞間隙で検出された( 図 7A,B)。このことから、GFP−CT24に付加されたα’のC末端部24残基はダイズ登熟種子においてもGFPをPSVへ輸送することができるということが確認された。また、ダイズ登熟子葉で発現させたspGPFおよびGFP−CT24がどちらも形質転換シロイヌナズナを用いた観察(図 6)と同じ結果であったということは、形質転換シロイヌナズナを用いた解析(図 4)はダイズ種子細胞中で起こっている現象を再現できているということを強く示唆している。
【0036】
形質転換シロイヌナズナ種子を用いた解析 (図 4) において、α’のC末端部10残基はα’を液胞へ輸送するのに必要であることが確認された (図 4 J, K) が、このC末端部10残基のみでGFPをPSVへ輸送することができるかどうかを、GFP−CT10(図 1)をコードする遺伝子を同様の方法でダイズ登熟種子に導入して観察を行った。その結果、GFPの蛍光は主にPSVで検出され、細胞間隙においては検出されなかった(図 7 C, D)ことから、GFP−CT10はPSVへ輸送、蓄積されたことが確認された。このことから、C末端部10残基はGFPをPSVへ輸送することができることが確認された。
【0037】
以上の結果より、植物種子内でのタンパク質のPSVへの輸送には、C末端部の6残基では不十分であり、同10残基ではPSVへの輸送に必要かつ十分であることがわかった。この領域にPSVへの液胞輸送シグナルが存在するということが示唆された。
【0038】
【発明の効果】
本発明により、植物、特にダイズまたはシロイヌナズナの種子において、所望のタンパク質を大量に蓄積させることを含む、所望のタンパク質の生産が可能となる。ダイズは、全世界で大量に栽培されている作物植物であり、さらにダイズ種子からダイズ油を抽出後の残滓から所望のタンパク質を大量に分離することを可能とする。
【0039】
【配列表】
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、使用したα’サブユニットの野生型および末端切断型変異体タンパク質と、同じく使用したGFP変異体とを模式的に示す図である。
【図2】図2は、T1植物から得られたT2種子中に野生型および末端切断型((が発現、蓄積されているかどうかを確認するために、抗α’抗体を用いた完熟種子抽出液のウエスタンブロッティングを行った結果である。レーン1は、ダイズより精製した天然型α’サブユニット、レーン2は大腸菌で発現させた組換え型α’サブユニット、レーン3は大腸菌で発現させた組換え型α’サブユニットCore、レーン4は非形質転換シロイヌナズナ種子抽出液、レーン5はα’サブユニットを発現されたシロイヌナズナ種子抽出液、レーン6はΔProを発現されたシロイヌナズナ種子抽出液、レーン7はΔGlyを発現されたシロイヌナズナ種子抽出液、レーン8はΔCT6を発現されたシロイヌナズナ種子抽出液、レーン9はΔCT10を発現されたシロイヌナズナ種子抽出液、レーン10は、ΔExtを発現されたシロイヌナズナ種子抽出液、レーン11は、Coreを発現されたシロイヌナズナ種子抽出液、レーン12は、Core ΔGlyを発現されたシロイヌナズナ種子抽出液である。
【図3】図3は、野生型及び各種変異型α’のT2完熟種子抽出液を用いてショ糖密度勾配遠心分離を行い、ウエスタンブロッティングを行った結果である。
【図4】図4は、野生型及び各種変異型α’が種子細胞内でPSVへ輸送されたかどうかを完熟種子細胞の免疫電子顕微鏡観察により解析した結果を示す。Aは、野生型α’サブユニットを発現させたシロイヌナズナ種子の切片を抗α’サブユニット抗体で処理したもの、Bは、野生型α’サブユニットを発現させたシロイヌナズナ種子の切片を抗グリシニン(ダイズ11S)抗体で処理したものであり、Cは、非形質転換シロイヌナズナ種子の切片、DはΔProEはΔExt、FはΔGly、GはCore、Hは、Core ΔGly、IはΔCT6、JはΔCT10を、それぞれに発現させたシロイヌナズナ種子の切片を抗α’サブユニット抗体で処理したものである。Kは、Jの細胞間隙の部分の拡大図である。Lは、ΔCT10を発現させたシロイヌナズナ種子切片を抗グリシニン(ダイズ11S)抗体で処理した図である。
【図5】図5は、形質転換シロイヌナズナ種子中でのダイズ由来のシグナルペプチドとGFPとのキメラタンパク質の蓄積を、種子抽出液の抗GFP抗体を用いるウエスタンブロッティングによって解析した結果である。レーン1はspGFP、レーン2はproGFPおよびレーン3はGFP−CT24である。レーン4は非形質転換シロイヌナズナ種子抽出液である。
【図6】図6は、シロイヌナズナ種子中でのGFPキメラタンパク質である、spGFP (A)、proGFP (B) GFP−CT24(C)の局在部位を乾燥種子の共焦点レーザー顕微鏡観察により解析した結果を示す。
【図7】図7は、GFP−CT24をコードする遺伝子(CおよびD)またはシグナルペプチドのみを連結したspGFPをコードする遺伝子(コントロール;AおよびB)をパーティクルガンでダイズ登熟種子に導入し、24時間後に、発現したGFP−CT24の細胞内での存在部位を共焦点レーザー顕微鏡観察により確認した結果である。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for synthesizing a target protein in large amounts in plants, particularly soybean seeds, and a peptide having a specific amino acid sequence for promoting stable accumulation in plant (particularly soybean) seeds.
[0002]
[Prior art]
Soybean seeds are the most abundant protein-rich seeds, are also very useful as mass-produced and inexpensive raw materials for vegetable oils, and are used in a wide variety of countries and regions. BACKGROUND ART The development of effective uses of defatted soybeans in which oil and fat components are separated from soybean seeds has attracted attention in the food industry.
[0003]
Production of a desired protein in a plant, and isolation and purification of the protein have been made possible by recent advances in genetic engineering techniques and the like. Therefore, the mechanism by which soybean major storage proteins (11S globulin, 7S globulin, etc.), which are abundantly stored in the protein storage vacuole (PSV) of soybean seeds, are transported to PSV is elucidated and applied. Thus, it is considered that the desired protein can be accumulated in the PSV of soybean seed, and the desired protein can be inexpensively and efficiently purified from the defatted soybean from which the fat component has been separated.
[0004]
In plants, the function of vacuoles is diverse. Previous studies have shown that there are at least two types of vacuoles, one of which is degraded (LV) and the other is protein storage (PSV). (Vitale and Raikhel, 1999). It has also been reported that these vacuoles coexist in barley and pea root tip cells and in pea-ripening cotyledon cells (Hoh et al., 1995; Paris et al., 1996). In cotyledon cells, as the seeds ripen, LV disappears and PSV develops (Hoh et al., 1995). PSV stores 11S and 7S globulin, which are main seed storage proteins, lectins, various enzymes and protease inhibitors (Herman).
and @Larkins, $ 1999).
[0005]
It is believed that the transport of soluble proteins to LV and PSV is performed by different mechanisms. Transport to LV is performed by clathrin-coated vesicles (CCV) that germinate from the trans-Golgi network, and the uptake of soluble proteins into CCV depends on the signal (vacuolar transport signal) of the transported protein is sequence-specific (Vitale and Raikhel, 1999; Ahmed et al., 2000). The transport of PSV proteins such as seed storage proteins is carried out by dense vesicles (DV) that germinate from the Golgi apparatus (Hohl et al., 1996; Neuhaus and Rogers, 1998; Hillmers et al., 2001). Also, in pumpkin seed cells, it has been suggested that a PAC vesicle formed in the endoplasmic reticulum has a transport pathway that does not pass through the Golgi apparatus (Hara-Nishimura et al., 1998). However, little is known about the transport mechanism of PSV proteins by DV or PAC vesicles.
[0006]
Vacuolar transport signals of plant vacuolar proteins examined in previous studies are classified into three types: sequence-specific vacuolar transport signal (ssVSD), C-terminal vacuolar transport signal (ctVSD), and structure-dependent signal (psVSD). (Neuhaus and Rogers, 1998). The sequence of ssVSD is considered to be recognized by the receptor, and one containing an NPIR motif or a sequence similar thereto has been found. ctVSD is a strongly hydrophobic sequence present in the C-terminal propeptide, but varies in length, and no common sequence has been found. Little is known about these transport mechanisms. For psVSD, its structural features have not yet been found.
[0007]
Vacuolar transport signals have also been reported for a number of soluble proteins present in seed PSV (tobacco chitinase, tobacco glucanase, barley lectin, kidney bean phaseolin, Brazil nut 2S albumin, castor seed lysin, barley phytepsin). (Matsuoka and Neuhaus, 1999; Frigerio et al., 1998, 2001, Tormakangas et al., 2001). In lysine and phytepsin, a signal is present in the internal propeptide. Among them, in lysine, it has been suggested that isoleucine conserved among lysine-like proteins of various plant species is involved in transport and is ssVSD (Frigerio et al, 2001a). In chitinase, glucanase, lectin, phaseolin, and Brazil nut 2S albumin, the C-terminal propeptide serves as a signal, has no common sequence, and has high hydrophobicity, and is considered to be ctVSD.
[0008]
However, all of these signals were analyzed using cells other than seeds. Whether cells similar to DV or PAC vesicle-specific transport to PSV occur in cells of tissues other than seeds at present stage has not yet been elucidated about molecules involved in the formation of DV and PSV. Can not judge. For this reason, it is considered necessary to analyze the PSV protein signal of the seed using the seed.
[0009]
In the present invention, β-conglycinin, one of the major seed storage proteins of soybean, used for the study of vacuolar transport signals, is also called 7S globulin, and its main constituent subunits are α, α ′, There are three types of β, and various molecular species in which these subunits are randomly combined exist in soybean seeds (Thanh and Shibasaki, 1976, 1978). Although it is not known whether any of these three types of subunits are propeptides or not, it is known that a sequence similar to ctVSD (AFVY) of phaseolin, which is a kidney bean 7S globulin, exists. (Doyle et al., 1986; Sebastiani et al., 1990; Maruyama et al., 1998).
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention provides a means for mass-producing a target protein by accumulating the target protein in a plant, particularly soybean seed in a large amount. That is, the present invention provides a vacuolar transport signal peptide capable of accumulating a target protein in a large amount in seeds, a protein containing the peptide, a nucleic acid encoding the peptide, and use thereof.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present inventors attempted to identify a sequence involved in transport to PSV using the α ′ subunit among the three subunits of soybean β-conglycinin, The present inventors have found that the amino acids present at
[0012]
Therefore, the present invention provides the following
1. A protein in which the amino acid sequence of SEQ ID NO: 1 or the amino acid sequence of SEQ ID NO: 2 is added to the amino acid sequence of the target protein as a vacuolar transport signal peptide to a protein storage vacuole at either the C-terminus or the N-terminus ,
2. In the amino acid sequence of the target protein, a sequence consisting of at least four N-terminal residues or more of the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 1 or SEQ ID NO: 2, or Pro \ Xaa \ Xaa \ Ser (Xaa is any A protein having a sequence represented by amino acid) added to either the C-terminus or the N-terminus as a vacuolar transport signal peptide to a protein storage vacuole
3. The protein according to the above 1 or 2, wherein a specific protease recognition sequence exists between the amino acid sequence of the protein of interest and the vacuolar transport signal peptide sequence.
4. The protein according to the above 3, wherein a plurality of amino acid sequences of the target protein are linked in tandem, and a specific protease recognition sequence is present between the amino acid sequences.
5. The protein according to any one of the above 1 to 4, wherein the protein is transported to a protein storage vacuole when expressed in a plant seed.
6. The protein according to the above 5, wherein the plant is a dicotyledonous plant.
7. The plant according to the above 6, wherein the plant is soybean or Arabidopsis thaliana,
8. A nucleic acid encoding the protein according to any one of the above 1 to 7,
9. A plant transformation vector containing the nucleic acid according to the
10. The vector according to the above 9, wherein the nucleic acid is contained in a form that can be expressed in a plant cell.
11. The vector according to the above 10, wherein the plant cell is a cell derived from a dicotyledon,
12. The vector according to the above 11, wherein the plant cell is a cell derived from soybean or Arabidopsis thaliana,
13. A plant cell containing the nucleic acid according to the above 8 as a foreign gene,
14. A plant cell, comprising the vector according to any of the above 9 to 12,
15. The plant cell according to the above 13 or 14, wherein the plant cell is a dicot plant cell.
16. The plant cell according to the above 15, which is a cell of soybean or Arabidopsis thaliana,
17. A plant containing the plant cell according to any of 13 to 16,
18. The plant according to the above 17, wherein the plant is a dicotyledon,
19. The plant according to the above 18, wherein the plant is soybean or Arabidopsis thaliana,
20. A method for producing a target protein,
i) {a step of obtaining the nucleic acid according to the
ii) introducing the nucleic acid into an expressible form into a plant cell;
iii) a step of regenerating the plant cells under conditions capable of expressing the nucleic acid to obtain seeds thereof;
iv) {separating or isolating the target protein from the obtained seed;
The above method, comprising:
21. The method according to the above 20, wherein the plant is a dicotyledonous plant,
22. The method according to the above 21, wherein the plant is soybean or Arabidopsis thaliana,
23. The protein encoded by the nucleic acid in the step (i) is the protein according to the above 2 or 3, and
v) {a step of cleaving the specific protease recognition site in the protein obtained in the above step (iv) with a cleavable protease to obtain a protein having a desired amino acid sequence;
The method according to any one of the above 20 to 22, further comprising:
24. It is represented by the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 2, a sequence consisting of at least four N-terminal residues of the amino acid sequence, or Pro @ Xaa @ Xaa @ Ser (Xaa is any amino acid) And a nucleic acid encoding one or more desired proteins of interest can be inserted in-frame under the control of a plant promoter. Expression of a protein to which an amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or a sequence consisting of at least four residues on the N-terminal side of the amino acid sequence, or a sequence represented by Pro \ Xaa \ Xaa \ Ser (Xaa is an arbitrary amino acid) is expressed To enable, plant transformation expression vector, and,
25. SEQ ID NO: 1 or SEQ ID NO: 2, or at least the N-terminal side of the amino acid sequence, or a sequence consisting of a sequence represented by Pro @ Xaa @ XaaSer (Xaa is any amino acid) The vector according to the above 24, further comprising a sequence encoding a specific protease recognition site in-frame between the nucleic acid sequence encoding the protein and the insertion part of the nucleic acid encoding the protein of interest.
About.
[0013]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The sequence consisting of the 10 amino acid residues Pro Leu 末端 Ser Ser Ile Leu Arg Ala Phe Tyr (SEQ ID NO: 1) at the C-terminus of the α 'subunit of β-conglycinin, a major storage protein of soybean, is sufficient for transporting the protein to PSV Since the protein having the sequence as a transport signal at the C-terminus is expressed in the seed of a plant (especially, soybean or Arabidopsis thaliana), the protein is transported to and accumulated in PSV in the protein. Can be produced in large quantities in the body. Furthermore, our studies show that even without the C-
[0014]
Plants used for the production of such proteins are not limited, but are preferably dicotyledonous plants, more preferably legumes, and particularly preferably soybeans.
[0015]
Such a protein can have an arbitrary amino acid sequence by using a conventional genetic engineering technique. For example, the amino acid sequences of various proteins are published in various databases available in the art, and the amino acid sequences of the target proteins can be obtained. Obtaining a nucleic acid encoding it based on the amino acid sequence can be easily achieved by those skilled in the art. Further, those skilled in the art can easily obtain a nucleic acid encoding the amino acid sequence of the target protein by cloning in various ways.
[0016]
The obtained nucleic acid is linked in frame with the nucleic acid encoding the vacuolar transport signal peptide, and the nucleic acid encodes a protein in which a sequence consisting of the amino acid residue is added to the end of the amino acid sequence of the target protein. Can be obtained. Furthermore, a protein in which an amino acid sequence that can be recognized and cleaved by a specific protease (also called endopeptidase, for example, Factor Xa, thrombin, etc.) is inserted between the amino acid sequence of the target protein and the vacuolar transport signal peptide. Can be prepared. Various types of such proteases are known in the art, and those having no recognition site in the amino acid sequence of the target protein and in the vacuolar transport signal peptide may be selected. By inserting such a specific protease recognition site and allowing the protease to act on a protein separated from the seed, the added vacuolar transport signal peptide can be cleaved from the target protein.
[0017]
Further, in order to obtain a target protein in a larger amount, a nucleic acid encoding the protein is tandemly linked in-frame, and a specific protease recognition site is inserted into the link site so as to be also in-frame. It is also advantageous. In this case, it is necessary to design a nucleic acid sequence encoding from the amino acid sequence of the target protein to the terminal of the added vacuolar transport signal peptide so that a stop codon is not included. That is, the amino acid sequence of the protein of interest is tandemly linked across a specific protease recognition site, and the amino acid sequence consisting of 10 residues of SEQ ID NO: 1 or SEQ ID NO: 2 or the N-terminal It becomes possible to express as a protein to which a sequence consisting of at least 4 residues or a sequence represented by Pro @ Xaa @ Xaa @ Ser (Xaa is an arbitrary amino acid) is added as a vacuolar transport signal peptide. When this protein is expressed in plant seeds, it is transported and accumulated in PSV by the vacuolar transport signal peptide. Therefore, after separating or isolating the protein from the seed, the protein is cleaved with a protease that cleaves the protease recognition site. By the reaction, the vacuolar transport signal peptide portion is removed by cleavage, and a plurality of linked target proteins are also cut one by one to obtain a target protein. .
[0018]
The protein of interest may be any desired protein. For example, all kinds of proteins such as bioactive peptides (including various growth factors and peptidic hormones), antibodies (including fragments containing variable regions), and enzymes can be used. Things.
[0019]
As described above, downstream of the nucleic acid used to produce the protein, ie, the nucleic acid encoding the amino acid sequence of the protein of interest, in-frame (ie, in the same reading frame as the amino acid sequence) SEQ ID NO: 1 or Nucleic acid sequence encoding a sequence consisting of 10 residues shown in SEQ ID NO: 2 or at least 4 residues on the N-terminal side thereof, or a sequence represented by Pro @ Xaa @ Xaa @ Ser (Xaa is any amino acid) (vacuum transport signal peptide A nucleic acid to which a nucleic acid comprising a coding sequence) is linked is also included in the present invention. A sequence encoding one or more amino acids may be inserted in frame between the signal peptide encoding sequence and the nucleic acid sequence encoding the amino acid sequence of the target protein, and the specific peptidase recognition site may be It may be advantageous to include a coding sequence (see above). Further, two or more nucleic acid sequences encoding the amino acid sequence of the protein of interest (which may be the same or different) were linked in tandem, and a sequence encoding a specific peptidase recognition site was inserted between each of them. Nucleic acids may also be advantageous (see above). The nucleic acid is preferably ligated under the control of a promoter that functions in plant cells, preferably a plant-specific promoter. Such a nucleic acid can be used for various plant transformation methods (for example, a protoplast method, a particle gun method, etc.). A method for obtaining a transformed plant by regenerating a plant from transformed cells is as follows. It is known in the art and is disclosed in many protocol collections (for example, "Experimental protocol of model plants-from genetic techniques to genome analysis-" (Hidejunsha, published in 2001, Isao Shimamoto, Kiyotaka Okada) Supervision) etc.).
[0020]
The nucleic acid may be incorporated into a plant cell transformation vector. Examples include various Ti plasmids for transformation with Agrobacterium, binary plasmids such as pBI101, and Ri plasmids. Such a vector is preferably linked to the nucleic acid in a form that allows expression of the nucleic acid in plant seeds, that is, a form in which a suitable expression promoter can function in plant cells. Various expression promoters suitable for plant cells are known to those skilled in the art. Among them, plant seed-specific promoters are preferable. For example, promoters of each subunit of the soybean major storage protein (α ′ subunit of β-congoricinin) are preferable. Unit promoter).
[0021]
Further, such a vector may contain a selection marker (such as a nutrition selectivity or drug resistance marker).
Techniques for transformation using Agrobacterium or the like are also known to those skilled in the art.
[0022]
Therefore, cells transformed with the above-described genes via these vectors and having the genes as foreign genes are also included in the scope of the present invention. Plant cells containing the gene in an expressible form (ie, under the control of an appropriate promoter) are preferred. As used herein, the term "foreign gene" refers to a gene artificially introduced into a cell (including the genome) other than a gene naturally present in the genome of the plant. Furthermore, plants regenerated from such cells are also included in the present invention.
[0023]
From such a plant, a seed of a plant expressing a protein having a signal peptide can be harvested and the protein can be separated or isolated therefrom. Such plants are preferably dicotyledonous plants such as Arabidopsis and soybean. Also, legumes are preferred. Particularly, soybean is advantageous in that the protein can be obtained in large quantities and at low cost because the protein can be separated or isolated from the residue obtained by extracting the seed from soybean oil. Separation or isolation of the protein from the seed can be accomplished by techniques well known in the art.
[0024]
Accordingly, the present invention includes a method for producing a protein of interest using the above-described technique. In addition, the present invention also provides an expression vector designed so that a protein linked to the signal peptide can be expressed only by inserting a gene encoding the protein in order to produce a desired protein by the method. include.
[0025]
That is, the vector encodes a desired protein under the control of a promoter (see above) that enables expression in plant cells, particularly seed cells, and upstream of the signal peptide-encoding sequence. This is a vector for inserting a sequence in frame with the signal peptide. Therefore, it may be a circular vector or a linear vector having a restriction enzyme recognition site for insertion into the insertion site. Furthermore, if a sequence encoding a sequence-specific protease recognition site in frame is included between the insertion site and the signal peptide coding sequence, the signal sequence linked to the expressed protein can be cleaved off. Is advantageous.
[0026]
【Example】
Hereinafter, although an example is described in order to make an understanding of the present invention easy, the present invention is not limited to the following example.
Wild type, truncated and mutant α ' Gene construction and production of transformed Arabidopsis
To identify the C-terminal region involved in the transport of the α ′ subunit to PSV, wild-type (Wild), deletion of 6 residues at the C-terminal (ΔCT6) and deletion of 10 residues at the C-terminal (ΔCT10) The subunit gene was constructed (Fig. # 1). Each gene was operably linked downstream of the α 'promoter, which is known to regulate seed-specific expression. The α ′ promoter, signal peptide, and propeptide coding regions were prepared by PCR from the genome of soybean (variety: Wessuzunari). On the other hand, genes encoding the extension region and the core region were prepared from the cDNA of the α 'subunit by PCR. These genes were simultaneously inserted into the plant transformation vector pBI101. The space between the left and right border sequences of these plasmids was introduced into Arabidopsis nuclear DNA by the Agrobacterium method. Transformed plants were selected using kanamycin, and 3 to 7 transformants (T1Plant). Similarly, other constructs as shown in FIG. 1 were also constructed to obtain transformants thereof, which were used in the following experiments.
[0027]
Wild-type and mutant α in transgenic Arabidopsis seeds ' Expression and accumulation
T1T obtained from plants2Whether or not wild-type and mutant α ′ were expressed and accumulated in the seeds was confirmed by Western blotting of anti-α ′ (a matured seed extract using an antibody. Wild-type α ′ was purified from soybean. A band was detected at the same size position as that of, but several bands were also detected on the lower molecule side, and a main band was detected at the position of the core size (Fig. 2, lane 5). , ΔCT6 and ΔCT10, bands were detected at positions having the same molecular weight as that of soybean α ′ and at the position of the core size (FIG. 2—
[0028]
Wild type and mutant α ' Structure forming ability
T of wild-type and mutant α '2Sucrose density gradient centrifugation was performed using the ripe seed extract. As a result, the wild-type and ΔPro, ΔGly, ΔCT6 and ΔCT10 mainly precipitated at the position of 7S, which is the size of the trimer (FIG. 3), and the wild-type and these three mutant α ′ soybeans It was confirmed that a trimer was formed similarly to α '. ΔExt, Core, and CoreΔGly mainly settled at the 9S position (FIG. 3). The present inventors have previously confirmed that α 'cores expressed in E. coli sediment at the 9S position and that they are two trimers associated. Therefore, it was considered that the present ΔExt, Core and Core ΔGly also formed a trimer, and then they were associated with each other to show a size of 9S. From the above, it was confirmed that the wild type and all the mutant α's were correctly molecularly assembled in Arabidopsis seeds. In other words, it can be said that the mutation performed this time did not cause any inconvenience to the structure formation.
[0029]
Wild type and mutant α ' of PSV Transport to the cell and extracellular secretion (confirmation of the region where the vacuolar transport signal exists)
Whether the wild type and the truncated α ′ were transported to PSV in the seed cells was analyzed by immunoelectron microscopic observation of the mature seed cells. An ultra-thin section of an Arabidopsis thaliana ripe seed for electron microscopy was reacted with an anti-α ′ antibody, and then reacted with a secondary antibody with gold particles. As a result, many gold particles were present in the PSV of Arabidopsis seed cells expressing the wild type (FIG. 4A). In addition, the gold particles were particularly abundant in a section that is apparently different from other parts in the PSV (this section is referred to as “crystalloid-like structure” in this specification) (FIG. 4A). The sections were similarly treated with an antibody against soybean glycinin (11S globulin) (anti-glycinin antibody) and observed. (FIG. 4B). On the other hand, gold particles showing the presence of a crystalloid-like structure or α 'were not detected in non-transformed Arabidopsis seeds. This confirmed that wild-type α ′ was transported to PSV in Arabidopsis seeds and accumulated in a crystalloid-like structure.
[0030]
Also for ΔPro, ΔExt, ΔGly and Core, many gold particles are present in the crystalloid-like structure of PSV of the mature seed cells (FIG. 4D, D, E, F, G), and these mutant α ′ also It was confirmed that it was transported to PSV and accumulated. From this, it was found that none of the pro region, extension region, and sugar chain were necessary for transporting α ′ to PSV. This was also confirmed by CoreΔGly accumulating in the crystalloid-like structure of PSV (FIG. 4H). That is, the transport of α ′ to PSV involves only the core region excluding the sugar chain.
[0031]
On the other hand, regarding the C-terminal part, it was confirmed that ΔCT6 in which six residues were deleted was transported to PSV (FIG. 4I). However, in ΔCT10 in which 10 residues were deleted, gold particles were detected in the intercellular space (FIG. 4 {J, {K)}), confirming that ΔCT10 was secreted into the intercellular space without being selectively transported to PSV. Was done. Similar results were obtained in analysis using three independent lines. Furthermore, as a result of performing the same treatment using an anti-glycinin antibody, Arabidopsis endogenous 11S globulin was detected only in PSV but not in the intercellular space (FIG. 4L). This result indicates that the extracellular secretion of ΔCT10 is not due to cell abnormalities, but to the lack of a vacuolar transport signal for ΔCT10 to be transported to PSV. . From this, it was found that a region necessary for transport to PSV was present in 10 residues at the C-terminal portion of α '.
[0032]
PSV In transport C Confirmation of independent involvement at the end
Next, in order to further confirm the involvement of the C-terminal part of the α ′ subunit in the selective transport to PSV, transformed Arabidopsis expressing three chimeric proteins (FIG. 1A, ΔspGFP, ΔproGFP, ΔGFP-CT24) was used. Created. Green fluorescent protein GFP was used as a reporter. Since GFP is a cytoplasmic protein, an α 'signal peptide was added to the N-terminal side to transfer it into the endoplasmic reticulum. In FIG. 4, the vacuolar transport signal for α ′ may be a sequence longer than the sequence in the C-
[0033]
The accumulation of the chimeric protein in the transformed Arabidopsis seeds was confirmed by performing Western blotting of the seed extract and using an anti-GFP antibody. As a result, in each of the chimeric proteins, a main band was detected around 27 kDa, which is the molecular weight of GFP (FIG. # 5). In addition, in GFP-CT24, a band was detected on the side of about 3 kDa macromolecule (
[0034]
The localization site of the chimeric protein in Arabidopsis seeds was confirmed by confocal laser microscopic observation of the dried seeds. In spGFP で (FIG. 6A) and proGFP (FIG. 6B), particularly strong fluorescence was detected in the intercellular space, but not in PSV. On the other hand, with GFP-CT24, fluorescence was detected in intracellular PSV (FIG. 6C). This confirmed that the 24 residues at the C-terminal portion of α 'were sufficient to transport GFP to PSV.
[0035]
In soybean seed C At the end PSV Involvement in transport and confirmation of the region where the vacuolar transport signal exists
In order to confirm whether the C-terminal 24 residues of α 'transport GFP to PSV even in soybean seed cells, a gene encoding GFP-CT24 (see FIG. 1) was introduced into soybean ripening seeds using a particle gun. Then, 24 hours later, the location of the expressed GFP-CT24 in the cells was confirmed by confocal laser microscopy. As a result, GFP fluorescence was detected by PSV (data not shown), confirming that GFP-CT24 was transported to PSV and accumulated as in Arabidopsis seeds. As a control, spGFP (see FIG. 1) to which only the signal peptide was linked was observed in the same manner. As a result, in spGFP, GFP fluorescence was mainly detected in the endoplasmic reticulum and the intercellular space (FIG. 7A, B). From this, it was confirmed that the C-terminal 24 residues of α ′ added to GFP-CT24 can transport GFP to PSV even in ripened soybean seeds. In addition, the fact that both spGPF and GFP-CT24 expressed in soybean matured cotyledons showed the same results as those observed using the transformed Arabidopsis thaliana (Fig. # 6) means that the analysis using the transformed Arabidopsis thaliana (Fig. # 4) Strongly suggests that the phenomena occurring in soybean seed cells can be reproduced.
[0036]
Analysis using transgenic Arabidopsis thaliana seeds (Fig. 4) confirmed that 10 residues at the C-terminal part of α 'were required to transport α' to the vacuole (Fig. 4 J, K). Whether or not GFP can be transported to PSV with only the 10 residues at the C-terminal part was observed by introducing a gene encoding GFP-CT10 (FIG. 1) into soybean ripening seeds in the same manner. Was. As a result, GFP fluorescence was mainly detected by PSV and was not detected in the intercellular space (
[0037]
From the above results, it was found that six residues at the C-terminal were insufficient for transporting protein to PSV in plant seeds, and that ten residues were necessary and sufficient for transport to PSV. Was. It was suggested that a vacuolar transport signal to PSV was present in this region.
[0038]
【The invention's effect】
The present invention enables the production of a desired protein, including the accumulation of a large amount of the desired protein, in a plant, particularly in the seeds of soybean or Arabidopsis thaliana. Soybean is a crop plant that is cultivated in large quantities worldwide, and also enables large amounts of desired proteins to be separated from the residue obtained after extracting soybean oil from soybean seeds.
[0039]
[Sequence list]
[0040]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram schematically showing the wild type and truncated mutant proteins of the α ′ subunit used and the GFP mutant used.
FIG. 2 shows T1T obtained from plants2Lane 1 shows the results of Western blotting of a mature seed extract using an anti-α ′ antibody in order to confirm whether wild-type and truncated forms ((are expressed and accumulated in the seeds.
FIG. 3 shows T of wild-type and various mutant α ′.2It is the result of performing sucrose density gradient centrifugation using the ripe seed extract and performing Western blotting.
FIG. 4 shows the results of analysis of whether or not wild-type and various types of mutant α ′ were transported to PSV in seed cells by immunoelectron microscopic observation of mature seed cells. A shows a section of an Arabidopsis thaliana seed section expressing a wild-type α ′ subunit treated with an anti-α ′ subunit antibody, and FIG. Soybean 11S) antibody, C is a section of a non-transformed Arabidopsis seed, D is ΔProE is ΔExt, F is ΔGly, G is Core, H is Core ΔGly, I is ΔCT6, and J is ΔCT10. And Arabidopsis seeds expressed in each of the sections were treated with an anti-α ′ subunit antibody. K is an enlarged view of the portion of the cell gap of J. L is a diagram obtained by treating an Arabidopsis thaliana seed section expressing ΔCT10 with an anti-glycinin (soybean 11S) antibody.
FIG. 5 shows the results of analyzing the accumulation of a chimeric protein between soybean-derived signal peptide and GFP in transformed Arabidopsis seeds by Western blotting of a seed extract using an anti-GFP antibody.
FIG. 6 shows the localization sites of spGFP 部位 (A) and proGFP (B) GFP-CT24 (C), which are GFP chimeric proteins in Arabidopsis seeds, were analyzed by confocal laser microscopic observation of dried seeds. The results are shown.
FIG. 7 shows that genes encoding GFP-CT24 (C and D) or genes encoding spGFP linked only with a signal peptide (controls; A and B) were introduced into soybean ripening seeds using a particle gun. 24 shows the results of confirming the location of the expressed GFP-CT24 in cells 24 hours later by confocal laser microscopy.
Claims (25)
i) 請求項8記載の核酸を得るステップ;
ii) 該核酸を、発現可能な形で植物細胞内に導入するステップ;
iii) 該核酸が発現可能な条件下で、上記植物細胞を再生させてその種子を得るステップ;
iv) 得られた種子から目的とするタンパク質を分離または単離するステップ;
を含む、上記方法。A method for producing a target protein,
i) obtaining the nucleic acid according to claim 8;
ii) introducing the nucleic acid into an expressible form into a plant cell;
iii) a step of regenerating the plant cell under conditions capable of expressing the nucleic acid to obtain a seed thereof;
iv) separating or isolating the target protein from the obtained seed;
The above method, comprising:
v) 上記ステップ(iv)で得られたタンパク質内の特異的プロテアーゼ認識部位を切断可能なプロテアーゼで切断して、所望のアミノ酸配列からなるタンパク質を得るステップ;
をさらに含む、請求項20〜22のいずれか1項に記載の方法。The protein encoded by the nucleic acid in the step (i) is the protein according to claim 2 or 3, and
v) cleaving a specific protease recognition site in the protein obtained in the above step (iv) with a cleavable protease to obtain a protein having a desired amino acid sequence;
23. The method according to any one of claims 20 to 22, further comprising:
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