JP2004096893A - 駆動装置 - Google Patents

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早川 幸彦
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Abstract

【課題】出力密度が高く、液体駆動モータの出力特性を改善可能な駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置20は、出力源に伝動軸を有する3個の液体駆動モータ1と、伝動軸の各々からの出力を一つの出力軸22に合成する出力合成機構29とを備えている。液体駆動モータ1は、数キロボルトの直流電圧が印加されると、電界共役流体に水流を生起させ、この水流によってロータを回転運動させて、該回転運動を伝動軸に出力する。各伝動軸に嵌着された伝動ギア23が同一方向に回転し、伝達ギア23に噛合した大径の出力ギア24に伝動軸の出力が伝達される。出力軸22には、各液体駆動モータ1の伝動軸の回転速度が減速され、合成された出力が回転力として付与される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は駆動装置に係り、特に、伝動軸を有する複数のモータと、伝動軸の各々からの出力を一つの出力軸に合成する出力合成機構と、を備えた駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気絶縁性の液体に電界を与えると、液体の種類によってはその液体の特性が変化することが知られている。一例として、液晶表示装置は、液晶層に電圧を印加することで液晶の配向性を制御することを利用したものである。日本機械学会論文集(C編)、66巻642号(2000−2)、627頁〜633頁には、デカン二酸ジブチル等の特定の電気絶縁性液体(電界共役流体)中に一対の電極を配設して電極に数キロボルトの直流電圧を印加することで、プラス電極(以下、正極という。)からマイナス電極(以下、負極という。)に電界共役流体の移動流(以下、水流という。)が発生する現象が発表されている。
【0003】
この現象を利用したアクチュエータとして、例えば、特開平10−146075号公報には、水流を回転体への回転力に変換する小型モータ(液体駆動モータ)が開示されている。この小型モータは、有底円筒容器内に電界共役流体を満たし、電界共役流体中に水車状翼板を有するロータを配置し、有底円筒容器の内周面に配置された電極間に数キロボルトの直流電圧を印加することで正極から負極に向かって水流が生起され、この水流を翼板で受けてロータの回転力として出力する。また、別の方式として、有底円筒容器内に電界共役流体を満たし、電界共役流体中に表面に正負極を構成したロータを配置して、電極間に直流電圧を印加して水流を生起させ、その水流の反作用によってロータを回転させるモータについても提案されている。
【0004】
このような液体駆動モータは、電気エネルギーを電界共役流体の運動エネルギーに変換した後、その運動エネルギーをロータの回転力となる機械エネルギーに変換するものであり、モータ自体を小型化することにより特性(出力密度)が向上し、また電気ノイズを発生しないという利点を有し、構造が簡単で故障が少なく低コストで製作可能なモータとして期待されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記液体駆動モータは、ロータ寸法が外径20mm程度であっても、出力トルクが20μN・m程度であり、電気エネルギーを磁界を介して機械エネルギーに変換する多くのモータ、例えば同程度の大きさのDCモータに比べても数十分の一以下であり、出力特性も低トルク高回転型である。このため、液体駆動モータの駆動(回転)対象物は、質量が小さく回転抵抗も小さいものに限定されてしまう。また、減速機構を介して出力することも考えられるが、出力トルクが十分に大きくないため、減速機構によって生じる回転抵抗分で出力を消費してしまい、適正な出力を得られない。このように、液体駆動モータは小型化することにより出力密度が向上する反面、その出力特性から用途が大きく限定される、という問題がある。
【0006】
本発明は上記事案に鑑み、出力密度が高く、液体駆動モータの出力特性を改善可能な駆動装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、伝動軸を有する複数のモータと、前記伝動軸の各々からの出力を一つの出力軸に合成する出力合成機構と、を備えた駆動装置であって、前記複数のモータは、電界によって液体に移動流を生起させ、前記移動流によってロータを回転運動させ、該回転運動を前記伝動軸に出力する液体駆動モータであることを特徴とする。本発明では、電界によって液体に移動流を生起させ、移動流によってロータを回転運動させ、該回転運動を伝動軸に出力する液体駆動モータを複数用い、出力合成機構により複数の液体駆動モータの伝動軸からの出力を合成する。本発明によれば、出力源に単位体積当たりの出力が大きい液体駆動モータを用いているので、出力密度を高めることができると共に、出力合成機構により複数の液体駆動モータの伝動軸からの出力が合成されるので、高トルクの出力を得ることができる。
【0008】
本発明において、出力合成機構を、歯車により伝動軸の回転速度を減速して出力を出力軸に合成する歯車減速機構とすれば、低トルクの液体駆動モータの出力合成時の伝達ロスが小さく駆動機構からの出力を高トルクとすることができる。また、液体駆動モータが、一つの容器内に納められ、液体が容器内に満たされているようにすれば、液体駆動モータ全体の部品構成を簡素化することができる。更に、ロータが容器内において液体に浸漬されており、出力合成機構が液体に非浸漬状態で配置されているようにすれば、ロータは液体に浸漬されているので適正な出力を伝動軸に伝達でき、出力合成機構は液体に非浸漬状態で配置されているので液体の粘性抵抗を受けずに液体駆動モータの出力を合成することができる。このとき、容器には、液体が複数のモータ間で移動可能なように、複数のスリットが形成されているようにしてもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係る駆動装置の実施の形態について説明する。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の駆動装置20は、電気絶縁性樹脂製で円筒状のケーシング21を備えている。ケーシング21内には、電圧によって電界共役流体に移動流を生起させ、この移動流によってロータを回転運動させて、該回転運動を伝動軸に出力する3個の液体駆動モータ1が収容されている。
【0011】
図2に示すように、液体駆動モータ1は、ステータ(固定子)として機能する電気絶縁性樹脂製で有底円筒状のステータ容器2を有している。ステータ容器2の内周面には、ステータ容器2の中央に向かって断面略矩形状のリブ2Aが突設されている。リブ2Aは、ステータ容器2の内周面に沿って略垂直方向に形成されており、ステータ容器2の内周面全周に亘って一定間隔かつ同一突出長さで配置されている。
【0012】
ステータ容器2内には図示を省略した電界共役流体が注液されている。この電界共役流体には、導電率が4×10−10〜5×10−6、粘度が1×10−4Pa・s〜1Pa・sの範囲にある、例えば、デカン二酸ジブチル等を用いることができる。
【0013】
ステータ容器2の上部開口は、電気絶縁性樹脂製で円盤状の上蓋11で接着材により接着、封口されており、液体駆動モータ1全体として外気から密閉されている。従って、液体駆動モータ1は、ステータ容器2と上蓋11とでケーシングが構成されている。
【0014】
ステータ容器2の中央には、回転子として機能する電気絶縁性樹脂製で中空円筒状のロータ3が配置されている。ロータ3の表面には、印刷加工により薄膜状の正極5及び負極8が形成されている。すなわち、正極5は、ロータ3の上端面中央部を中心に十字状に形成(印刷)されており、上端面周部でロータ3の外周面に沿うように略垂直方向に折れ曲がり、ロータ3のぼぼ下端面近傍まで延出されている。一方、負極8は、ロータ3の下端面中央部を中心に十字状に形成されており、下端面周部でロータ3の外周面に沿うように略垂直方向に折れ曲がり、ロータ3のぼぼ上端面近傍まで延出されている。正極5及び負極8は、直線状となるロータ3の外周面で所定間隔隔てられるように、ロータ3の上下端面の十字状形成位置がずれている(図3参照)。
【0015】
また、一対の正極5及び負極8間の間隔(最も近い異極との間隔)は、上述したリブ2A間の間隔より大きい間隔で形成されている。換言すれば、リブ2A間の間隔の方が一対の正極5及び負極8間の間隔より小さく設定されている。更に、正極5及び負極8のそれぞれの端面中央部には、円形電極部が形成されている。
【0016】
ロータ3の上端面中央及び下端面中央からは、ロッド状の正極回転軸7及び負極回転軸10が立設されている。正極回転軸7及び負極回転軸10は、円形電極部の中央を貫通してそれぞれ同軸上にロータ3の内部に圧入されている。正極回転軸7は伝動軸として機能し上蓋11の中央に形成された軸穴を貫通して上蓋11の外部まで導出されており、負極回転軸10はステータ容器2の底部中央に形成された軸穴を貫通してステータ容器2の外部まで導出されている。
【0017】
上蓋11の上面中央部及びステータ容器2の底面中央部には、それぞれ正極回転軸7及び負極回転軸10を回転可能に軸支する円筒状の軸受け6、9が配設されている。また、正極回転軸7及び負極回転軸10には、ロータ3の上下動を規制するために、上蓋11及びステータ容器2の内底面近傍に図示を省略したストッパが嵌着されている。なお、軸受け6、9は、正極回転軸7、負極回転軸10との摩擦抵抗を低減するベアリング機構や電界共役流体の浸出を防止する密閉機構等が組み込まれたユニット体とすることが好ましい。
【0018】
正負極間の電蝕を防止するために、正極5、正極回転軸7及び軸受け6にはアルミニウム又はアルミニウム合金が材質として用いられ、負極8、負極回転軸10及び軸受け9には銅又は銅合金が用いられている。軸受け6、9からは、それぞれ正極導電体25及び負極導電体27が導出されている。
【0019】
図1に示すように、ケーシング21には、所定間隔離間して正極外部端子26及び負極外部端子28が配設されている。この外部端子間に、数キロボルトの直流定電圧が印加される。このような直流電圧は、例えば、直流低電圧を昇圧する小型トライバから供給される。正極外部端子26及び負極外部端子28は、正極導電体25及び負極導電体27により、それぞれ、各液体駆動モータ1の軸受け6、9に接続されている。従って、各液体駆動モータ1の正負極間には、同一電圧が印加される。
【0020】
液体駆動モータ1の上部には、各々の液体駆動モータ1の伝達軸7の出力を一つの出力軸22に合成する出力合成機構29が配置されている。出力合成機構29は、各液体モータ1の伝達軸7の先端部に嵌着された合成樹脂製で小径の伝動ギア23と、出力軸22に嵌着され伝動ギア23と噛合する合成樹脂製で大径の出力ギア24と、を有して構成されている。出力軸22は、ケーシング21の上端面及び下端面の中央部で図示を省略したベアリング機構により軸支されており、出力軸22の両端はケーシング21の上端面及び下端面を貫通してケーシング21の外部まで導出されている。なお、出力軸22は下端面側に比べ上端面側の方が外部への突出量が長く、出力ギア24の上下動を規制するために、ケーシング21の上下端面の内底面近傍に図示しないストッパが嵌着されている。
【0021】
また、各液体駆動モータ1はケーシング21の下端面側で図示を省略した断面略L字状の複数個の固定部材を介してネジ止めされており、各液体駆動モータ1の負極回転軸10はケーシング21の下端面に形成された軸穴を貫通して外部へ突出している。
【0022】
次に、本実施形態の駆動装置20の動作について説明する。
【0023】
正極外部端子26及び負極外部端子28間に数キロボルトの直流電圧が印加されると、駆動装置20に内蔵された各液体駆動モータ1は、軸受け6、9間の直流電圧により正極8に電荷が注入され、電界共役流体中で自由電荷が発生し、自由電荷が負極8側に到る。このとき、図3の矢印に示すように、電界共役流体は正極5から負極8の方向に水流を生起する。ロータ3の回転方向に対して直交する方向に形成されたリブ2Aは、生起された水流を受ける。リブ2Aにより電界共役流体の移動が規制され移動しにくくなる分、ロータ3に回転力が生じ、電界共役流体の反作用でロータ3は図3の反時計方向に回転する。
【0024】
図1に示すように、各液体駆動モータ1の正極回転軸7(伝動軸)に嵌着された伝動ギア23は同一方向に回転し、伝達ギア23に噛合し伝達ギア23より大径の出力ギア24に正極回転軸7の出力が伝達される。このため、出力軸22には、各液体駆動モータ1の正極回転軸7の回転速度が減速され合成された出力が回転力として付与される。なお、正極外部端子26、負極外部端子27間の印加電圧を逆にすると、ロータ3が逆方向に回転するため、出力軸22の回転も逆方向の回転となる。
【0025】
次に、本実施形態の駆動装置20の作用等について説明する。
【0026】
本実施形態の駆動装置20は、出力源に3個の液体駆動モータ1を用いており、液体駆動モータ1はロータ3及びステータ容器2の径や高さを小さくすることで他の電動モータに比べて出力密度を高めることができると共に、出力合成機構29により3個の液体駆動モータ1の伝達軸7からの出力が合成されるので、高トルクの出力を得ることができる。
【0027】
また、本実施形態の駆動装置20は、電界共役流体の水流により液体駆動モータ1を出力源としている。このため、仮に各々の液体駆動モータ1の伝達軸7からの出力や回転速度が不均一となっても、液体駆動モータ1間の出力ムラ、回転ムラを補完しあって各液体駆動モータ1間の出力を平滑化することが可能となる。この点を従来の電気モータと比較すると、例えば、直流モータの場合(本実施形態で液体駆動モータ1に代えて直流モータを使用する場合)には、複数のモータ間の出力が不均一となると、高出力の直流モータに負荷が集中するので、高出力モータのブラシの摩耗等が進み、駆動装置全体の耐久性が低下してしまう。また、ACモータやパルスモータの場合には、各々のモータの回転同期をとる必要があるため、センサ、制御回路等が必要となる。本実施形態の駆動装置20は、各液体駆動モータ1の出力を出力合成機構29のみで合成するが、液体駆動モータ1の耐久性を低下させることなく、換言すれば駆動装置20の寿命を低下させることなく、回転同期をとるためのセンサ、制御回路等を必要としないで、平滑な出力を出力軸22から取り出すことができる。
【0028】
更に、本実施形態の駆動装置20は、液体駆動モータ1が低トルクのため、出力合成機構29に、歯車により伝動軸7の回転速度を減速して出力を出力軸22に合成する歯車減速機構を採用している。このため、剛性のあるベルト等と比べて合成時の伝達ロスが小さく、低トルクの液体駆動モータの出力を合成して高トルクとすることができる。また、駆動装置20は、ステータ容器2と上蓋11とで構成された一つの容器内に納められ容器内に電界共役流体が満たされた液体駆動モータ1を用いている(ユニット化された液体駆動モータ1を用いている)ので、駆動装置20の構成の簡素化が可能となる。
【0029】
また、液体駆動モータ1は、ステータ容器2の内周面に電界共役流体の移動を規制するリブ2Aが形成されており、リブ2Aとロータ3との間隔が狭められている。このため、電界共役流体の粘性抵抗が増大し、電界共役流体の反作用で回転するロータ3の回転力は増加する。従って、液体駆動モータ1は、上述した従来の液体駆動モータより大きな出力(回転力)を取り出すことができ、出力密度が向上するため、マイクロモータに適した特性を発揮することができる。更に、リブ2A間には谷間が形成されている。この谷間には電界共役流体が収容されるため、液体駆動モータ1に水流の生起に必要な電界共役流体の液量を確保することができると共に、出力密度を向上させることができる。
【0030】
更に、液体駆動モータ1は、ステータ容器2の内周面にリブ2Aがロータ3の回転方向に対して直交する方向(垂直方向)に配置されている。リブ2Aはロータ3の回転方向に対して直交しているので、電界共役流体の移動が規制されて移動しにくくなり、電界共役流体は粘性抵抗が増加する。このため、水流の反作用で回転するロータ3には大きな出力が与えられる。
【0031】
更にまた、液体駆動モータ1は、リブ2Aをステータ容器2の内周面全周に一定の間隔で配置している。リブ2Aの間隔が一定のため、水流の反作用で回転するロータ3に回転ムラが生ずることを防止することができる。このため、回転出力にムラのない液体駆動モータを得ることができる。また更に、リブ2A間の間隔は一対の正極5、負極8の間隔よりも小さくなるように配置されている。このため、正極5、負極8が360°どの回転位置にあっても、リブ2Aで水流を受けることができ回転ムラが減少すると共に、水流を受ける効率、すなわち、出力を高めることができる。
【0032】
また、液体駆動モータ1は、正極5、負極8が印刷処理でロータ3の表面に薄膜状に形成されている。このため、従来の液体駆動モータに比べロータ3の回転力に対する抵抗を小さくすることができ、結果として、液体駆動モータ1の出力を向上させることができる。
【0033】
なお、本実施形態では、液体駆動モータ1にリブ2Aをロータ3の内周面に沿って略垂直方向に配置した例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4に示すように、ロータ3に対向するようにステータ容器の内周面に沿ってV字状のリブ2Bを形成するようにしてもよい。このようにすれば、水流がリブ2BのV字の中央に向かうように生起され、その反作用でロータ3は中央位置に保持されるので、軸受け6、9にスラスト荷重を掛けずに回転させることが可能となる。また、印加電圧を逆にすると、回転方向が逆となり水流は外側に導かれるが、同様に、軸受け6、9にスラスト荷重を掛けずに回転させることが可能となる。
【0034】
また、本実施形態では、液体駆動モータ1のステータ容器2が上蓋11で封口され電界共役流体が液体駆動モータ1内に収容された例を示したが、図5に示す駆動装置30ように、電界共役流体が各液体駆動モータ1’間で移動可能に構成するようにしてもよい。すなわち、各液体駆動モータ1’は、図2に示したステータ容器2のリブ2A間の凹部にスリット2Cが形成されており、上蓋11に代えてケーシング21内を液体駆動モータ1の配置空間と出力合成機構29の配置空間とに仕切る中蓋31を有している。液体駆動モータ1の配置空間(中蓋31とケーシング21の下端面との間の空間)には上述した電界共役流体が満たされている。なお、ケーシング21の下端面には、出力軸22、各液体駆動モータ1の負極回転軸10が貫通する箇所に電界共役流体が外部へ浸出しないように密閉機構が配置されている。駆動装置30では、各液体駆動モータ1のロータ3がケーシング21内で電界共役流体に浸漬されており、出力合成機構29が液体に非浸漬状態で配置されているので、実施形態の駆動装置20と同様に、ロータ3は適正な出力を伝動軸22に伝達でき、出力合成機構29は電界共役流体に非浸漬状態で配置されているので電界共役流体の粘性抵抗を受けずに液体駆動モータ1’の出力を合成することができる。
【0035】
更に、本実施形態では、液体駆動モータ1を3個用いた駆動装置20を例示したが、本発明はこれに限定されることなく、液体駆動モータ1は2個以上であればいくつ用いてもよいことは云うまでもない。また、本実施形態では、出力合成機構29の電動ギア23、出力ギヤ24に合成樹脂を用いた例を示したが、金属製ギアを用いるようにしてもよい。更に、本実施形態では、出力軸22及び各液体駆動モータ1の負極回転軸10をケーシング21の外側まで貫通させる例を示したが、ケーシング21の下端面近傍に別の中蓋を配置し、出力軸22及び各液体駆動モータ1の負極回転軸10は、この中蓋を貫通しケーシング21の下端面を貫通しない構造とするようにしてもよい。
【0036】
また、本実施形態では、電界共役流体にデカン二酸ジブチルを例示したが、他に、ジブチルアジペート(DBA)、トリアセチン、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、フマル酸ジブチル、9,10−エポキシブチルステアレート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)、メチルアセチルリシノレート(MAR−N)、ジブチルイタコネート(DBI)、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、テトラヒドロフタル酸ジオクチルエステル、1−エトキシ−2−アセトキシプロパン、リナリルアセテート、2−エチルヘキシルベンジルフタレート等を用いることができ、またこれらの混合物を用いるようにしてもよい。
【0037】
更に、本実施形態では、ステータ容器2、上蓋11の材質に電気絶縁性樹脂を例示したが、強度を増加させるために金属を使用するようにしてもよい。金属を使用する場合には、電界共役流体に侵食されないSUS304等のステンレスやポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等で表面処理を施した金属を用いることが好ましい。また、ステータ容器2、上蓋11に金属を用いる場合には、両者の短絡を防止するために、電気絶縁性のガスケットを介してカシメにより封口するようにしてもよい。更に、ステータ容器2、上蓋11の材質としては、ポリカーボネート、アクリル、セラミクス、ガラス等を材質とすることができ、高温環境下で使用する場合には、アクリルブタジエンスチレン(ABS)等を材質とするようにしてもよい。
【0038】
また、本実施形態では、正極5及び負極8をそれぞれ十字状に4対で構成した例を示したが、電極対の数が多いほどロータ3の回転速度は大きいため(電極対の間隔自体はロータ3の回転速度に大きな影響は与えない。)、液体駆動モータ1の用途に応じて、電極対の数を多く又は少なくするようにしてもよい。このような用途に応じて仕様変更を迅速に行うには、量産を考慮すると印刷処理で薄膜電極を形成することが好ましいが、部分メッキ、蒸着、エッチング等によりロータ3に電極を形成するようにしてもよい。
【0039】
更に、本実施形態では、電界共役流体は熱による体積膨張を考慮して上蓋11の内底面の近傍まで注液されているが、電界共役流体の劣化を防止するために、電界共役流体と上蓋11の内底面との間に窒素等の不活性ガスを封入するようにしてもよい。このような封入工程は、例えば、チャンバ内でステータ容器2に所定量の電界共役流体を注液した後、真空ポンプでチャンバ内を真空とし、不活性ガスでチャンバ内を満たして、その環境下でステータ容器2の開口部を上蓋11で封口すればよい。
【0040】
また、本実施形態では、ロータ3に中空状のものを用いた例を示したが、その中空部に気体、液体、個体等を充填してロータ3の重さを調整するようにしてもよい。このような調整を行うことによって、ロータ3と電界共役流体との比重を調整することが可能となり、例えば、電界共役流体とロータ3の比重を同一に設定することで、軸受け6、9に浮力や重力による荷重が掛からない構造とすることができる。
【0041】
更に、本実施形態では、ステータ容器2に有底円筒状の容器を例示したが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、立方体状や多角形状の容器を用いるようにしてもよい。この場合に、リブ2Aの先端とロータ3との間隔は回転ムラを生じないように一定とすることが好ましい。
【0042】
そして、本実施形態では、正極部材にアルミニウム又はアルミニウム合金、負極部材に銅又は銅合金を用いた例を示したが、本発明はこれに限定されず、回転軸の剛性を確保するために、例えば、ステンレス丸棒等を使用するようにしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、出力源に単位体積当たりの出力が大きい液体駆動モータを用いているので、出力密度を高めることができると共に、出力合成機構により複数の液体駆動モータの伝動軸からの出力が合成されるので、高トルクの出力を得ることができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の駆動装置の斜視図である。
【図2】液体駆動モータの一部破断外観斜視図である。
【図3】液体駆動モータの動作を模式的に示し、上蓋を取り除いた状態での液体駆動モータの平面図である。
【図4】実施形態の駆動装置に適用可能な他の液体駆動モータの斜視図である。
【図5】本発明が適用可能な他の実施形態の駆動装置の一部破断外観斜視図である。
【符号の説明】
1 液体駆動モータ
2 ステータ容器
2C スリット(開口)
3 ロータ
7 正極回転軸(伝動軸)
20 駆動装置
22 出力軸
29 出力合成機構

Claims (5)

  1. 伝動軸を有する複数のモータと、前記伝動軸の各々からの出力を一つの出力軸に合成する出力合成機構と、を備えた駆動装置であって、前記複数のモータは、電界によって液体に移動流を生起させ、前記移動流によってロータを回転運動させ、該回転運動を前記伝動軸に出力する液体駆動モータであることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記出力合成機構は、歯車により前記伝動軸の回転速度を減速して前記出力を前記出力軸に合成する歯車減速機構であることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記液体駆動モータは、一つの容器内に納められ、前記液体は前記容器内に満たされていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  4. 前記ロータは前記容器内において前記液体に浸漬されており、前記出力合成機構は前記液体に非浸漬状態で配置されていることを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  5. 前記容器には、前記液体が前記複数のモータ間で移動可能なように、複数のスリットが形成されていることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
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