【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はハロゲン化銀写真乳剤に関するものである。特に分光感度、特に短時間露光における感度が改良された高沃化銀からなるハロゲン化銀写真乳剤に関する。さらに、分光感度が改善された高沃化銀乳剤を用いた熱現像感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハロゲン化銀写真感光材料における、高感度、良好な保存性、現像進行性、階調、粒状や鮮鋭度などを改善する要望はますます強くなっている。ハロゲン化銀乳剤は通常、所望の光源により露光させるが、そのためには所望の光源に合致させた分光増感が施される。しかしながら、沃化銀含量が40%以下と少ない沃臭化銀乳剤、臭化銀乳剤、塩臭化銀乳剤や塩化銀乳剤では比較的容易に分光増感を施す事が出来、数多くの分光増感が報告されているのとは大きく異なり、沃化銀含量が80%以上100%以下の高沃化銀写真乳剤の有効な分光増感についての具体的な従来知見は極めて少ない。
【0003】
高沃化銀乳剤の分光増感に関しての具体的報告としては、沃化銀でもpAgを下げれば分光増感でき、pAg6では色素から見た沃化銀の伝導体の底のエネルギーレベルは臭化銀のそれと変わらないとの報告(例えば、非特許文献1参照)、シアニン色素の吸着は臭化銀よりも沃化銀に対しての方が強いとの報告(例えば、非特許文献2参照)、アニオン型シアニン、特にJバンド型アニオンシアニンによる沃化銀の分光増感の開示(例えば、特許文献2参照)、あるいは高沃化銀ではポーログラフ半波酸化電位(以下、Eoxと記述する)が1.0Vよりも貴で且つEoxとポーログラフ半波還元電位(以下、Eredと記述する)との差(Eox−Ered)が2.0Vより大きい増感色素が良く分光増感することの開示(例えば、特許文献1参照)があるに過ぎない。
しかしこれらの手段を用いても高沃化銀写真乳剤では分光増感出来ても、臭
化銀乳剤などに比べても得られた感度よりも遙かに低く、実用的に有用なレベルには遠く及ばない感度しか得られなかった。
また、強力なハロゲンアクセプターが存在しないと、沃化銀では露光により生じる沃度ラジカルの強い酸化を受け極めて感度が出にくい事が報告されており、分光増感に於いても同様に沃度ラジカルの強い酸化を受けるので分光増感もまた困難であることを示唆されている(例えば、非特許文献3参照)。
【0004】
近年、医療分野や印刷製版分野において環境保全、省スペースの観点から写真現像処理のドライ化が強く望まれている。これらの分野では、デジタル化が進展し、画像情報をコンピューターに取り込み、保存、そして必要な場合には加工し、通信によって必要な場所で、レーザー・イメージセッターまたはレーザー・イメージャーにより感光材料に出力し、現像して画像をその場で作成するシステムが急速に広がってきている。感光材料としては、高い照度のレーザー露光で記録することができ、高解像度および鮮鋭さを有する鮮明な黒色画像を形成することが必要とされている。このようなデジタル・イメージング記録材料としては、インクジェットプリンター、電子写真など顔料、染料を利用した各種ハードコピーシステムが一般画像形成システムとして流通しているが、医療用画像のように診断能力を決定する画質(鮮鋭度、粒状性、階調、色調)の点、記録スピード(感度)の点で、不満足であり、従来の湿式現像の医療用銀塩フィルムを代替できるレベルに到達していない。
【0005】
一方、有機銀塩を利用した熱画像形成システムが、例えば、米国特許3152904号、同3457075号の各明細書およびB.シェリー(Shely) による「熱によって処理される銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第8版、スタージ(Sturge)、V.ウオールワース(Walworth)、A.シェップ(Shepp) 編集、第2頁、1996年)に記載されている。特に、熱現像感光材料は、一般に、感光性ハロゲン化銀、還元剤、還元可能な銀塩(例、有機銀塩)、必要により銀の色調を制御する色調剤を、バインダーのマトリックス中に分散した感光性層を有している。
【0006】
熱現像感光材料は、画像露光後、高温(例えば80℃以上)に加熱し、ハロゲン化銀あるいは還元可能な銀塩(酸化剤として機能する)と還元剤との間の酸化還元反応により、黒色の銀画像を形成する。酸化還元反応は、露光で発生したハロゲン化銀の潜像の触媒作用により促進される。その結果、露光領域に黒色の銀画像が形成される。熱現像感光材料は、米国特許2910377号、特公昭43−4924号をはじめとする多くの文献に開示され、また、実用的には医療用画像形成システムとして富士メディカルドライイメージャーFM−DP Lが発売された。
【0007】
この様な有機銀塩を利用した画像形成システムは、定着工程がないため現像処理後の画像保存性、特に光が当たったときのプリントアウトの悪化が大きな問題であった。このプリントアウトを改良する手段として有機銀塩をコンバージョンすることによって形成した沃化銀を利用する方法がUS−6143488号、EP0922995号に開示されている。しかしながら、ここで開示されたような有機銀塩をヨードでコンバージョンする方法では十分な感度を得ることが出来ず、現実のシステムを組むことは困難であった。その他、沃化銀を利用した感材としてはWO97−48014号、WO48015号、US−6165705号、特開平8−297345号、特許第2785129号等に記載があるが、いずれも十分な感度・かぶりレベルを達成できておらず、レーザー露光感材としての実用に耐えるものではなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開昭49‐17719号公報
【特許文献2】
特開昭56‐164338号公報
【非特許文献1】
P.B.ギルマン、フォトグラフィックサイエンス アンド エンジニアリング、18巻(5)、475頁(1974年発行)
【非特許文献2】
W.L.ガードナー、フォトグラフィックサイエンス アンド エンジニアリング、18巻(5)、475頁(1974年発行)
【非特許文献3】
T.H.ジェームス著、フォトグラフィック サイエンス アンド エンジニアリング、5巻、216頁(1961年発行)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、分光感度の高い高沃化銀写真乳剤を提供することである。本発明の目的の第2は、高感度で低いDmin、高いDmaxを持ち、かつ現像処理後の光に対する画像保存性に優れた熱現像感光材料を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記の本発明のハロゲン化銀写真乳剤、および熱現像感光材料によって達成された。
(1)80モル%以上100モル%以下の沃化銀を含有し、pAgが5.0以
下1.5以上であるハロゲン化銀写真乳剤に於いて、Eredが−1.35Vより卑で且つLogPが0.8以上であるシアニン色素を含有している事を特徴とするハロゲン化銀写真乳剤。
(2)支持体の一方面上に少なくとも1種類の感光性ハロゲン化銀、非感光性
有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する熱現像感光材料に於いて、該感光性ハロゲン化銀が80モル%以上100モル%以下の沃化銀を含有し、pAgが5.0以下1.5以上で、Eredが−1.35Vより卑で且つLogPが0.8以上であるシアニン色素を含有している事を特徴とする熱現像画像記録材料。
(3)前記感光性ハロゲン化銀が90モル%以上100モル%以下の沃化銀を含有することを特徴とする(2)の熱現像画像記録材料。
(4)前記感光性ハロゲン化銀の粒子サイズが10nm〜45nmであることを特徴とする(2)、および(3)の熱現像画像記録材料。
(5)前記感光性ハロゲン化銀を非感光性有機銀塩1モルに対して1モル〜7モル含むことを特徴とする(2)〜(4)の熱現像画像記録材料。
(6)前記感光性ハロゲン化銀乳剤が予め粒子形成され、化学増感された後に前記非感光性有機銀塩と混合されることを特徴とする(2)〜(5)に記載の熱現像感光材料。
(7)pAgが5.0以下、好ましくは4.0以下、およびpAgが1.5以上、好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.5以上の条件のもと、Eredが−1.2Vより卑で且つLogPが0.7以上であるシアニン色素により分光増感を施されていることを特徴とする(1)に記載の高沃化銀写真乳剤。
(8)前記感光性ハロゲン化銀粒子が、エピタキシャル形成された部分を持ち、好ましくはそれが臭化銀、塩化銀を含む(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。(9)前記感光性ハロゲン化銀粒子が、転位線や格子欠陥を含む(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(10)前記感光性ハロゲン化銀粒子の粒子サイズが、0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下、更に好ましくは0.05μm以下であり、および0.005μm以上であり、また粒子サイズの変動係数が、30%以下、好ましくは25%以下、特に好ましくは20%以下である(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(11)pAgが5.0以下、好ましくは4.0以下、およびpAgが1.5以上、好ましくは2.0以上、更に好ましくは2.5以上の条件のもと、カルコゲン増感法、金増感法及び還元増感法の少なくとも一つの方法で化学増感されている事を特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(12)前記感光性ハロゲン化銀粒子が、8族金属、例えば、Fe、Ir、Ru、Rh、Osなどを、さらにそれらの無機や有機の4ないし6配位錯体を含む(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(13)米国特許5413905号、同5482825号、同5747235号、同5747236号、同5994051号、同6054260号に記載のFED化合物を含有する(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤。
(14)前記感光性ハロゲン化銀乳剤が(7)〜(13)に記載のハロゲン化銀写真乳剤である(2)に記載の熱現像感光材料。
(15)レーザー光で露光されることを特徴とする(1)に記載のハロゲン化銀写真乳剤、および(2)に記載の熱現像感光材料。
(16)前記レーザー光のピーク波長が600nm以上900nm以下であることを特徴とする(15)に記載の熱現像感光材料。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0012】
1.ハロゲン化銀写真乳剤
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀写真乳剤は、沃化銀含有率が80モル%以上100モル%以下と高い組成の高沃化銀乳剤である。この乳剤をpAgが5.0以下好ましくは4.0、およびpAgが1.5以上、好ましくは2.0以上、特に好ましくは2.5以上の条件のもとでEredが−1.35Vより卑で且つLogPが0.8以上であるシアニン色素で分光増感することにより本発明を達成できる。
【0013】
1−1.分光増感
分光増感は分光増感色素をハロゲン化銀粒子に吸着せしめ、所望の波長領域でハロゲン化銀粒子を増感させる技術であり、露光光源の分光特性に適した分光感度を付与する為には、分光増感色素がハロゲン化銀粒子に吸着できる事が必要であり、吸着した状態での増感色素の吸収が露光光源の分光特性に出来る限り合致している事が必要である。本発明の熱現像感光材料では、450nm以上900nm、特に600nm以上900nm以下に分光感度ピークを持つように分光増感されていることが好ましい。
本発明に用いられる好ましい分光増感色素は、そのポーラログラフ還元電位が−1.35Vより卑で、且つ、0.8以上のLogPを持つシアニン色素である。
【0014】
前述、フォトグラフィック サイエンス アンド エンジニアリング 21巻6号325頁1977年発行でのW.H.Gardnerの報告ではシアニン色素の沃化銀粒子に対する吸着は臭化銀に対するよりも強いとされ、特登2,785,129号明細書ではアニオンシアニン色素が沃化銀の分光増感に優れていると開示されているが、大概のシアニン色素ではそのような事実は観測されなかった。親水性の非常に高いものは別として、疎水性の低いアニオンシアニン色素でも臭化銀粒子や沃化銀20モル%以下の沃臭化銀粒子には良好に吸着することは関係技術者には良く知られている事実であるが、本発明の高沃化銀への吸着は、先の文献からの予測に反して、非常に悪かった。例えば、親疎水性の指標であるLogPが0.6位のアニオンシアニンの沃化銀粒子に対する吸着率は50%以下にしか過ぎなかった。かかるシアニン色素ではEredが分光増感の閾値を超える程十分に卑であっても吸着が悪いため、低い分光感度しか得られなかった。
【0015】
かかる状況下にあって、シアニン色素のLogPを大きくすることによって、高沃化銀粒子への吸着を臭化銀並に良化できる事を見出した。即ち、LogPが0.8以上になれば良いことを見出した。より好ましくはLogPが1.0以上にすれば良い。しかしながら、このような良く吸着しうる色素を用いても、高沃化銀乳剤では、高い分光感度が得られると限らなかった。例えば、臭化銀乳剤ではEredが−1.30V以上の物で良好な分光感度が得られるが、本発明の高沃臭化銀乳剤では必ずしも高い感度は得られず、Eredが−1.35Vより卑のシアニン色素を、pAg5.0以下1.5以上、より好ましくはpAg4.0以下2.0以上に該乳剤を保って分光増感を施こすことにより、初めて高い分光感度が得らることを見出した。また、シアニン色素としては、Jバンド型の吸収を与えるものがより高い光吸収率をもたらすので好ましい。
【0016】
本発明の増感色素の具体例としては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー誌(Reserch Disclosure)176巻アイテム17643(RD17643)、同187巻アイテム18716(RD18716)及び308巻アイテム308119(RD308119)に記載の特許明細書に記載されているようなシアニン色素でEredが−1.35Vより卑で且つLogPが0.8以上であるシアニン色素が挙げられる。
【0017】
増感色素のポーラログラフ半波還元電位(Ered)は、谷、大関、関 ジャーナル オブ ザ エレクトロケミカル ソサイティー(T.Tani,K.Ohzeki,K.Seki,Journal of the Electrochemical Society)138巻 1411頁及びレナード、ジャーナル オブ イメージング サイエンス(J.Lenhard,Journal of Imaging Science) 30巻 27頁に記載の位相弁別第二高調波交流ボルタンメトリー法により測定すればよい。
また、本発明に於ける増感色素のLogPは、次式に従い、液体クロマトグラフィーの保持時間により算出した。
【0018】
LogP=Log{(tR−t0)/t0}
【0019】
ここで、tRは増感色素の保持時間、t0は非保持物質(KI)の保持時間である。液体クロマトグラフィーの測定条件は次の通りである。カラムはODS−80TS(TOSO社製)、溶離液は、メタノール・水(60:40)混合液に酢酸及びトリエチルアミンをそれぞれ0.2%含有させた溶液で、25℃で測定した。尚、保持時間が遅い色素については、酢酸及びトリエチルアミンをそれぞれ0.2%づつ含有させたメタノール・水(70:30)の溶離液で測定し、検量線から前述メタノール・水(60:40)溶離液に換算した。
【0020】
該増感色素を本発明の高沃化銀乳剤に添加、含有せしめるには、関係技術者には周知である通常の方法を用いればよい。即ち、直接乳剤中に分散させても良いし、水、メタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルセルソルブ、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒の単独もしくは混合溶媒に溶解しても良い。 また、米国特許3,469,987号明細書等に記載の如き色素を揮発性の有機溶剤に溶解し、該溶液を水または親水性コロイド中に微分散した液を乳剤中に添加する方法、特公昭46−23,389号、特公昭44−27,555号、特公昭57−22,091号等に記載されている如き、色素を酸に溶解し、その溶液を乳剤中に添加したり、酸または塩基を共存させて水溶液とし、そのまま乳剤中に添加したり、親水性コロイド中に分散した分散液を乳剤中に添加する方法、米国特許3,822,135号、米国特許4,006,025号明細書等に記載の如き、界面活性剤を共存させて水溶液或いはコロイド微分散物としたものを乳剤中に添加する方法、特開昭53−102,733号、特開昭58−105,141号に記載の如き、水または親水性コロイド中に色素を直接微分散させ、その分散物を乳剤中に添加する方法等を用いることも出来る。
本発明の増感色素は単独で用いてもよく、本発明に関わる色素同士或いは本発明以外の増感色素と組合せて2種以上で用いてもよい。
【0021】
本発明に用いる増感色素を本発明の高沃化銀乳剤中に添加する時期は、沃臭化銀乳剤、塩臭化銀等の他の乳剤で此まで有用で有ることが認められている乳剤調製の如何なる工程中であってもよい。例えば、米国特許2,735,766号、米国特許3,628,960号、米国特許4,183,756号、米国特許4,225,666号、特開昭58−184,142号、特開昭60−196,749号等の明細書に開示されているように、ハロゲン化銀の粒子形成工程または/及び脱塩前の時期、脱塩工程中及び/または脱塩後から化学熟成の開始前までの時期、特開昭58−113,920号等の明細書に開示されているように、化学熟成の開始直前または工程中の時期、化学熟成後塗布迄の時期の乳剤が塗布される前なら如何なる時期、工程に於いて添加されても良い。また、米国特許4,225,666号、特開昭58−7,629号等の明細書に開示されているように同一増感色素を単独で、または異種構造の化合物と組み合わせて、例えば、同一工程中または粒子形成工程中と化学熟成工程中や化学熟成完了後とに分けたり、化学熟成の前または工程中と完了後とに分けるなどの異種工程に分割して添加しても良く、分割して添加する化合物及び化合物の組み合わせの種類を変えて添加されても良い。
また、短時間で所定量を添加しても良いし、長時間、例えば粒子形成工程中の核形成後から粒子形成完了迄や化学熟成工程の大半などに亘って任意の工程に於いて連続的または間欠的に添加しても良い。かかる場合の添加速度は等速流量でも、流量をを加速したり、減速しても良いが、所定量の少なくとも一部を添加開始時に一気に添加するのがより好ましい。
増感色素のEoxよりも0.2V以上卑のEoxを持つ化合物の添加時期は特に制限はないが、増感色素と同時か、増感色素を添加した後に添加する方がより好ましい。
添加する温度は任意で良いが、通常は20℃〜75℃が用いられる。一定温度で添加、熟成しても良いし、添加中に温度を変えても、添加時と添加後の熟成時の温度を変えても良い。所定量の少なくとも一部を45℃以下で短時間内に一気に添加しその後50℃〜65℃に上げ、熟成したり、残りを添加する方法はより好ましい。
【0022】
本発明における増感色素の添加量は、感度やカブリの性能に合わせて所望の量にすることができるが、感光性層のハロゲン化銀粒子の表面積1m2当たり1x10−7〜3.5x10−6モルが好ましく、さらに好ましくは8x10−7〜2x10−6モルである。
【0023】
本発明は分光増感効率を更に向上させる為、強色増感剤を用いることもできる。本発明に用いうる強色増感剤としては、欧州特許公開第587,338号、米国特許第3,877,943号、同第4,873,184号、特開平5−341432号、同11−109547号、同10−111543号等に記載の化合物が挙げられる。
【0024】
1−2.沃化銀含量
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀は、沃化銀含有率が80モル%以上100モル%以下と高い組成のものであることが重要である。残りは特に制限はなく、塩化銀、臭化銀またはチオシアン酸銀や燐酸銀などの有機銀塩から選ぶことができるが、特に臭化銀、塩化銀であることが好ましい。この様な沃化銀含有率が高い組成のハロゲン化銀を用いることによって、現像処理後の画像保存性、特に光照射によるカブリの増加が著しく小さい好ましい熱現像感光材料が設計できる。さらに、沃化銀含有率が85モル%以上100モル%以下であると好ましく、特に90モル%以上100モル%以下であることが処理後の光照射に対する画像保存性の観点では極めて好ましい。
【0025】
粒子内におけるハロゲン組成の分布は均一であってもよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでもよく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子も好ましく用いることができる。構造として好ましいものは2〜5重構造であり、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を用いることができる。コア部の沃化銀含有率が高いコア高沃化銀構造、またはシェル部の沃化銀含有率が高いシェル高沃化銀構造も好ましく用いることができる。また、粒子の表面にエピタキシャル部分とした塩化銀や臭化銀を局在させる技術も好ましく用いることができる。
【0026】
1−3.ハロゲン化銀粒子サイズ
本発明に用いる高沃化銀の粒子サイズは特に制限はないが、0.5μm以下、好ましくは0.2μm以下、特に好ましくは0.10μm以下が好ましい。
特に、熱現像感光材料に用いる場合には、ハロゲン化銀のサイズが大きいと、必要な最高濃度を達成するために必要なハロゲン化銀の塗布量が増加する。本発明者は、沃化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀を熱現像感光材料に用いる場合にはは、その塗布量が多いと現像が著しく抑制され低感化するとともに現像の時間に対する濃度安定性が悪化し好ましくなく、そのため一定以上の粒子サイズでは所定の現像時間で最高濃度が得られないことを見出した。一方、その添加量を制限すれば沃化銀ながら十分な現像性を有することを発見した。
この様に熱現像感光材料で、十分な最高光学濃度を達成するためにはハロゲン化銀粒子のサイズは十分に小さいことが必要である。好ましいハロゲン化銀の粒子サイズは5nm以上70nm以下であり、さらに5nm以上55nm以下であることが好ましい。特に好ましくは10nm以上45nm以下である。ここでいう粒子サイズとは、電子顕微鏡により観察した投影面積と同面積の円像に換算したときの直径の平均をいう。
【0027】
1−4.ハロゲン化銀の塗布量
この様なハロゲン化銀粒子の塗布量は、後述する非感光性有機銀塩の銀1モルに対して0.5モル%以上15モル%以下、好ましくは0.5モル%以上12モル%以下、10モル%以下であることがさらに好ましい。1モル%以上9モル%以下であることがより好ましく、特に好ましくは1モル%以上7モル%以下である。本発明者の見出した沃化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀による著しい現像抑制を押さえるためには、この添加量の選択は極めて重要である。
【0028】
1−5.ハロゲン化銀粒子形成方法
感光性ハロゲン化銀の形成方法は当業界ではよく知られており、例えば、リサーチディスクロージャー1978年6月の第17029号、および米国特許3,700,458号に記載されている方法を用いることができるが、具体的にはゼラチンあるいは他のポリマー溶液中に銀供給化合物及びハロゲン供給化合物を添加することにより感光性ハロゲン化銀を調製し、その後で有機銀塩と混合する方法を用いる。また、特開平11−119374号公報の段落番号0217〜0224に記載されている方法、特開平11−352627号、特願2000−42336号記載の方法も好ましい。
ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面体、平板状粒子、球状粒子、棒状粒子、ジャガイモ状粒子等を挙げることができる。本発明のヨウ化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀は複雑な形態を取り得るが、好ましい形態は例えば、R.L.JENKINS etal. J of Phot. Sci. Vol.28 (1980)のp164−Fig1に示されているような接合粒子が挙げられる。同Fig.1に示されているような平板上粒子も好ましく用いられる。ハロゲン化銀粒子のコーナーが丸まった粒子も好ましく用いることができる。感光性ハロゲン化銀粒子の外表面の面指数(ミラー指数)については特に制限はないが、分光増感色素が吸着した場合の分光増感効率が高い[100]面の占める割合が高いことが好ましい。その割合としては50%以上が好ましく、65%以上がより好ましく、80%以上が更に好ましい。ミラー指数[100]面の比率は増感色素の吸着における[111]面と[100]面との吸着依存性を利用したT.Tani;J.Imaging Sci.,29、165(1985年)に記載の方法により求めることができる。
【0029】
1−6.重金属イオン
本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表(第1〜18族までを示す)の第8族〜第10族の金属または金属錯体を含有することができる。周期律表の第8族〜第10族の金属または金属錯体の中心金属として好ましくは、ロジウム、ルテニウム、イリジウムである。これら金属錯体は1種類でもよいし、同種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。好ましい含有率は銀1モルに対し1×10−9モルから1×10−3モルの範囲が好ましい。これらの重金属や金属錯体及びそれらの添加法については特開平7−225449号、特開平11−65021号段落番号0018〜0024、特開平11−119374号段落番号0227〜0240に記載されている。
【0030】
本発明においては、六シアノ金属錯体を粒子最表面に存在させたハロゲン化銀粒子が好ましい。六シアノ金属錯体としては、[Fe(CN)6]4−、[Fe(CN)6]3−、[Ru(CN)6]4−、[Os(CN)6]4−、[Co(CN)6]3−、[Rh(CN)6]3−、[Ir (CN)6]3−、[Cr(CN)6]3−、[Re(CN)6]3−などが挙げられる。本発明においては六シアノFe錯体が好ましい。
六シアノ金属錯体は、水溶液中でイオンの形で存在するので対陽イオンは重要ではないが、水と混和しやすく、ハロゲン化銀乳剤の沈澱操作に適合しているナトリウムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウムイオンおよびリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン(例えばテトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラプロピルアンモニウムイオン、テトラ(n−ブチル)アンモニウムイオン)を用いることが好ましい。
六シアノ金属錯体は、水の他に水と混和しうる適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)との混合溶媒やゼラチンと混和して添加することができる。
【0031】
六シアノ金属錯体の添加量は、銀1モル当たり1×10−5モル以上1×10−2モル以下が好ましく、より好ましくは1×10−4モル以上1×10−3モル以下である。
六シアノ金属錯体をハロゲン化銀粒子最表面に存在させるには、六シアノ金属錯体を、粒子形成に使用する硝酸銀水溶液を添加終了した後、硫黄増感、セレン増感およびテルル増感のカルコゲン増感や金増感等の貴金属増感を行う化学増感工程の前までの仕込工程終了前、水洗工程中、分散工程中、または化学増感工程前に直接添加する。ハロゲン化銀微粒子を成長させないためには、粒子形成後速やかに六シアノ金属錯体を添加することが好ましく、仕込工程終了前に添加することが好ましい。
尚、六シアノ金属錯体の添加は、粒子形成をするために添加する硝酸銀の総量の96質量%を添加した後から開始してもよく、98質量%添加した後から開始するのがより好ましく、99質量%添加した後が特に好ましい。
これら六シアノ金属錯体を粒子形成の完了する直前の硝酸銀水溶液を添加した後に添加すると、ハロゲン化銀粒子最表面に吸着することができ、そのほとんどが粒子表面の銀イオンと難溶性の塩を形成する。この六シアノ鉄(II)の銀塩は、AgIよりも難溶性の塩であるため、微粒子による再溶解を防ぐことができ、粒子サイズが小さいハロゲン化銀微粒子を製造することが可能となった。
【0032】
さらに本発明に用いられるハロゲン化銀粒子に含有することのできる金属原子、ハロゲン化銀乳剤の脱塩法や化学増感法については特開平11−84574号段落番号0046〜0050、特開平11−65021号段落番号0025〜0031、特開平11−119374号段落番号0242〜0250に記載されている。
【0033】
1−7.化学増感
P.Grafkides著、Chimie et Physique Photographique(Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure誌307巻307105号などに記載されている不安定硫黄化合物を用いた硫黄増感法、特公昭43ー13489号、同44ー15748号、特開平4ー25832号、同4ー109340号、同4ー271341号、同5ー40324号、同5ー11385号、特願平4ー202415号、同4ー330495号、同4ー333030号、同5ー4203号、同5ー4204号、同5ー106977号、同5ー236538号、同5ー241642号、同5ー286916号などに記載されているセレン化合物を用いるセレン増感法、特開平4ー224595号、同4ー271341号、同4ー333043号、同5ー303157号、同6−27573号、同6−175258号、同6−180478号、同6−208186号、同6−208184号、同6−317867号、同7−140579号、同7−301879号、同7−301880号などに記載されている不安定テルル化合物を用いるテルル増感法などのカルコゲン増感法を用いる事が出来る。
特に本発明においてはセレン増感とテルル増感が好ましく、特にテルル増感が好ましい。
また、P.Grafkides著、Chimie et Physique Photographique(Paul Momtel社刊、1987年、第5版)、Research Disclosure誌307巻307105号に記載されている金増感剤、金以外の、白金、パラジュウム、イリジュウムなどの貴金属塩を用いる事も出来る。
金増感は単独で用いることもできるが、前記のカルコゲン増感と組み合わせて用いることが好ましい。具体的には金硫黄増感、金セレン増感、金テルル増感、金硫黄セレン増感、金硫黄テルル増感、金セレンテルル増感、金硫黄セレンテルル増感である。
更にまた、本発明においてカルコゲン増感や金増感に加えて、還元増感も併用することができる。とくにカルコゲン増感と併用するのが好ましい。
本発明における感光性ハロゲン化銀粒子は、金増感、およびカルコゲン増感の少なくとも1つの方法で化学増感されていることが高感度の熱現像感光材料を設計する点から必要である。
【0034】
本発明における感光性ハロゲン化銀乳剤は、1光子で2電子を発生させる化合物としてFED増感剤(Fragmentable electron donating sensitizer)を含有することが好ましい。FED増感剤としては、米国特許5413905号、同5482825号、同5747235号、同5747236、同6054260号、同5994051号、特願2001−86161号に記載の化合物が好ましい。FED増感剤の添加する工程としては結晶成長から塗布直前の調製工程までの感光乳剤製造工程のどの過程でも好ましい。添加量としては、種々の条件により異なるが、目安としてはハロゲン化銀1モル当たり10−7モルから10−1モル、より好ましくは10−6モル〜5×10−2モルである。
【0035】
1−8.ゼラチン
本発明に用いる感光性ハロゲン化銀乳剤に含有されるゼラチンとしては、種々のゼラチンが使用することができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、分子量は、500〜60,000の低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。これらの低分子量ゼラチンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用してもよいが、脱塩処理後の分散時に使用することが好ましい。
【0036】
1−9.ハロゲン化銀の併用
本発明に用いられる熱現像感光材料中の感光性ハロゲン化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるもの、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)併用してもよい。感度の異なる感光性ハロゲン化銀を複数種用いることで階調を調節することができる。これらに関する技術としては特開昭57−119341号、同53−106125号、同47−3929号、同48−55730号、同46−5187号、同50−73627号、同57−150841号などが挙げられる。感度差としてはそれぞれの乳剤で0.2logE以上の差を持たせることが好ましい。
【0037】
1−10.ハロゲン化銀と有機銀塩の混合方法
本発明の感光性ハロゲン化銀の粒子は、非感光性有機銀塩の存在しないところで形成され、化学増感されることが特に好ましい。有機銀塩に対してハロゲン化剤を添加することによってハロゲン化銀を形成する方法では十分な感度が達成できない場合があるからである。
このように非感光性有機銀塩の存在しないもとでハロゲン化銀を形成する方法としては、別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩を高速撹拌機やボールミル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中のいずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があげられる。いずれの方法でも本発明の効果を好ましく得ることができる。
本発明のハロゲン化銀の画像形成層塗布液中への好ましい添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳”液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0038】
2.熱現像感光材料
本発明の熱現像感光材料は、支持体の一方面上に少なくとも1種類の前述の感光性ハロゲン化銀、非感光性有機銀塩、還元剤及びバインダーを含有する画像形成層を有している。また、好ましくは画像形成層の上に中間層、表面保護層、あるいはその反対面にバック層やバック保護層などを有してもよい。
これらの各層の構成、およびその好ましい成分について詳しく説明する。
【0039】
2−1.画像形成層
2−1−1.有機銀塩
本発明に用いることのできる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は還元できる銀イオン源を含む任意の有機物質であってよい。
このような非感光性の有機銀塩については、特開平10−62899号の段落番号0048〜0049、欧州特許第0803764A1号の第18ページ第24行〜第19ページ第37行、欧州特許第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号等に記載されている。有機酸の銀塩が好ましく、特に(炭素数が10〜30、好ましくは15〜28の)長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩が好ましい。
有機銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カプロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、これらの混合物などを含む。本発明においては、これら有機銀塩の中でも、ベヘン酸銀含有率75モル%以上の有機酸銀を用いることが好ましい。
【0040】
本発明に用いることができる有機銀塩の形状としては特に制限はなく、針状、棒状、平板状、りん片状でよく、針状、りん片状が好ましく、特にりん片状が好ましい。
本明細書において、りん片状の有機銀塩とは、次のようにして定義する。有機酸銀塩を電子顕微鏡で観察し、有機酸銀塩粒子の形状を直方体と近似し、この直方体の辺を一番短かい方からa、b、cとした(cはbと同じであってもよい。)とき、短い方の数値a、bで計算し、次のようにしてxを求める。
【0041】
x=b/a
【0042】
このようにして200個程度の粒子についてxを求め、その平均値x(平均)としたとき、x(平均)≧1.5の関係を満たすものをりん片状とする。好ましくは30≧x(平均)≧1.5、より好ましくは15≧x(平均)≧1.5である。因みに針状とは1≦x(平均)<1.5である。
りん片状粒子において、aはbとcを辺とする面を主平面とした平板状粒子の厚さとみることができる。aの平均は0.01μm以上0.3μmが好ましく、0.1μm以上0.23μm以下がより好ましい。c/bの平均は好ましくは1以上9以下、より好ましくは1以上6以下、さらに好ましくは1以上4以下、特に好ましくは1以上3以下である。
【0043】
有機銀塩の粒子サイズ分布は単分散であることが好ましい。単分散とは短軸、長軸それぞれの長さの標準偏差を短軸、長軸それぞれで割った値の100分率が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。有機銀塩の形状の測定方法としては有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることができる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ましくは100%以下、より好ましくは80%以下、更に好ましくは50%以下である。
【0044】
測定方法としては例えば液中に分散した有機銀塩を市販で得られるレーザー光散乱型粒子サイズ測定装置で測定することができる。
【0045】
本発明に用いられる有機銀塩の製造及びその分散法は、公知の方法等を適用することができる。例えば上記の特開平10−62899号、欧州特許公開第0803763A1、欧州特許公開第0962812A1号、特開平11−349591号、特開2000−7683号、同2000−72711号、特願平11−348228〜30号、同11−203413号、特願2000−90093号、同2000−195621号、同2000−191226号、同2000−213813号、同2000−214155号、同2000−191226号等を参考にすることができる。
【0046】
なお、有機銀塩の分散時に、感光性銀塩を共存させると、カブリが上昇し、感度が著しく低下するため、分散時には感光性銀塩を実質的に含まないことがより好ましい。本発明は、分散される水分散液中での感光性銀塩量は、その液中の有機酸銀塩1モルに対し0.1モル%以下であり、積極的な感光性銀塩の添加は行わないことが望ましい。
【0047】
本発明の有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量として0.1〜5.0g/m2が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0g/m2、さらに好ましくは1.2〜2.5g/m2である。
【0048】
2−1−2.還元剤
本発明の熱現像感光材料は、有機銀塩のための還元剤を含む。該還元剤は、銀イオンを金属銀に還元できる任意の物質(好ましくは有機物)でよい。該還元剤の例は、特開平11―65021号、段落番号0043〜0045や、欧州特許0803764号、p.7、34行〜p.18、12行に記載されている。
【0049】
本発明に用いられる好ましい還元剤は、フェノール性水酸基のオルト位に置換基を有するいわゆるヒンダードフェノール系還元剤、あるいはビスフェノール系還元剤である。特に次の一般式(I)で表される化合物が好ましい。
【0050】
一般式(I)
【化1】
【0051】
一般式(I)においては、R11およびR11’は各々独立に炭素数1〜20のアルキル基を表す。R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な置換基を表す。Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表す。X1およびX1’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
【0052】
各置換基について詳細に説明する。
1)R11およびR11’
R11およびR11’は各々独立に置換または無置換の炭素数1〜20のアルキル基であり、アルキル基の置換基は特に限定されることはないが、好ましくは、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、アシル基、カルバモイル基、エステル基、ハロゲン原子等があげられる。
【0053】
2)R12およびR12’、X1およびX1’
R12およびR12’は各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。
X1およびX1’は、各々独立に水素原子またはベンゼン環に置換可能な基を表す。それぞれベンゼン環に置換可能な基としては、好ましくはアルキル基、アリール基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシルアミノ基があげられる。
【0054】
3)L
Lは−S−基または−CHR13−基を表す。R13は水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を表し、アルキル基は置換基を有していてもよい。
R13の無置換のアルキル基の具体例はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ウンデシル基、イソプロピル基、1−エチルペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基などがあげられる。
【0055】
アルキル基の置換基の例はR11の置換基と同様で、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、スルホニル基、ホスホリル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基などがあげられる。
【0056】
4)好ましい置換基
R11およびR11’として好ましくは炭素数3〜15の2級または3級のアルキル基であり、具体的にはイソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−メチルシクロプロピル基などがあげられる。R11およびR11’としてより好ましくは炭素数4〜12の3級アルキル基で、その中でもt−ブチル基、t−アミル基、1−メチルシクロヘキシル基が更に好ましく、t−ブチル基が最も好ましい。
【0057】
R12およびR12’として好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、メトキシメチル基、メトキシエチル基などがあげられる。より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基である。
【0058】
X1およびX1’は、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基で、より好ましくは水素原子である。
Lは好ましくは−CHR13−基である。
【0059】
R13として好ましくは水素原子または炭素数1〜15のアルキル基であり、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、2,4,4−トリメチルペンチル基が好ましい。R13として特に好ましいのは水素原子、メチル基、プロピル基またはイソプロピル基である。
【0060】
R13が水素原子である場合、R12およびR12’は好ましくは炭素数2〜5のアルキル基であり、エチル基、プロピル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
R13が炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基である場合、R12およびR12’はメチル基が好ましい。R13の炭素数1〜8の1級または2級のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基が更に好ましい。
【0061】
R11、R11’およびR12、R12’とがいずれもメチル基である場合、R13は2級のアルキル基であることが好ましい。この場合、R13の2級アルキル基としてはイソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基が好ましく、イソプロピル基がより好ましい。
【0062】
上記還元剤は、R11、R11’およびR12およびR12’、およびR13の組合せにより、種々の熱現像性能が異なる。2種以上の還元剤を種々の混合比率で併用することによってこれらの熱現像性能を調整することができるので、目的によっては還元剤を2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。
【0063】
以下に本発明の一般式(I)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】
【化2】
【0065】
【化3】
【0066】
【化4】
【0067】
特に(I−1)〜(I−20)に示すような化合物であることが好ましい。
【0068】
本発明において還元剤の添加量は0.01〜5.0g/m2であることが好ましく、0.1〜3.0g/m2であることがより好ましく、画像形成層を有する面の銀1モルに対しては5〜50%モル含まれることが好ましく、10〜40モル%で含まれることがさらに好ましい。
【0069】
本発明の還元剤は、有機銀塩、および感光性ハロゲン化銀を含む画像形成層、およびその隣接層に添加することができるが、画像形成層に含有させることがより好ましい。
【0070】
本発明の還元剤は溶液形態、乳化分散形態、固体微粒子分散物形態など、いかなる方法で塗布液に含有せしめ、感光材料に含有させてもよい。
【0071】
よく知られている乳化分散法としては、ジブチルフタレート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリアセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物を作製する方法が挙げられる。
【0072】
また、固体微粒子分散法としては、還元剤を水等の適当な溶媒中にボールミル、コロイドミル、振動ボールミル、サンドミル、ジェットミル、ローラーミルあるいは超音波によって分散し、固体分散物を作成する方法が挙げられる。好ましくは、サンドミルを使った分散方法である。尚、その際に保護コロイド(例えば、ポリビニルアルコール)、界面活性剤(例えばトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(3つのイソプロピル基の置換位置が異なるものの混合物)などのアニオン性界面活性剤)を用いてもよい。水分散物には防腐剤(例えばベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩)を含有させることができる。
【0073】
特に好ましいのは、還元剤の固体粒子分散法であり、平均粒子サイズ0.01μm〜10μm、好ましくは0.05μm〜5μm、より好ましくは0.1μm〜2μmの微粒子して添加するのが好ましい。本願においては他の固体分散物もこの範囲の粒子サイズに分散して用いるのが好ましい。
【0074】
2−1−3.現像促進剤
本発明の熱現像感光材料では、現像促進剤として特開2000−267222号や特開2000−330234号等に記載の一般式(A)で表されるスルホンアミドフェノール系の化合物、特開2001−92075号記載の一般式(II)で表されるヒンダードフェノール系の化合物、特開平10−62895号や特開平11−15116号等に記載の一般式(I)、特願2001−074278号に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物、特願2000−76240号に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物が好ましく用いられる。これらの現像促進剤は還元剤に対して0.1〜20モル%の範囲で使用され、好ましくは0.5〜10モル%の範囲で、より好ましくは1〜5モル%の範囲である。感材への導入方法は還元剤同様の方法があげられるが、特に固体分散物または乳化分散物として添加することが好ましい。乳化分散物として添加する場合、常温で固体である高沸点溶剤と低沸点の補助溶剤を使用して分散した乳化分散物として添加するか、もしくは高沸点溶剤を使用しない所謂オイルレス乳化分散物として添加することが好ましい。
【0075】
本発明においては上記現像促進剤の中でも、特願2001−074278号に記載の一般式(1)で表されるヒドラジン系の化合物および特願2000−76240号に記載されている一般式(2)で表されるフェノール系またはナフトール系の化合物が特に好ましい。
【0076】
以下、本発明の現像促進剤の好ましい具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0077】
【化5】
【0078】
2−1−4.水素結合性化合物
本発明では、還元剤の芳香族性の水酸基(−OH)と水素結合を形成することが可能な基を有する非還元性の化合物を併用することが好ましい。
【0079】
水素結合を形成しうる基としては、ホスホリル基、スルホキシド基、スルホニル基、カルボニル基、アミド基、エステル基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、含窒素芳香族基などが挙げられる。その中でも好ましいのはホスホリル基、スルホキシド基、アミド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレタン基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)、ウレイド基(但し、>N−H基を持たず、>N−Ra(RaはH以外の置換基)のようにブロックされている。)を有する化合物である。
【0080】
本発明で、特に好ましい水素結合性化合物は下記一般式(A)で表される化合物である。
【0081】
【化6】
【0082】
一般式(A)においてR21ないしR23は各々独立にアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基またはヘテロ環基を表し、これらの基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
【0083】
R21ないしR23が置換基を有する場合の置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシル基、アシルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホンアミド基、アシルオキシ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、ホスホリル基などがあげられ、置換基として好ましいのはアルキル基またはアリール基でたとえばメチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−オクチル基、フェニル基、4−アルコキシフェニル基、4−アシルオキシフェニル基などがあげられる。
【0084】
R21ないしR23のアルキル基としては具体的にはメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基、イソプロピル基、t−ブチル基、t−アミル基、t−オクチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、2−フェノキシプロピル基などがあげられる。
【0085】
アリール基としてはフェニル基、クレジル基、キシリル基、ナフチル基、4−t−ブチルフェニル基、4−t−オクチルフェニル基、4−アニシジル基、3,5−ジクロロフェニル基などが挙げられる。
【0086】
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、3,5,5−トリメチルヘキシルオキシ基、ドデシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、4−メチルシクロヘキシルオキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
【0087】
アリールオキシ基としてはフェノキシ基、クレジルオキシ基、イソプロピルフェノキシ基、4−t−ブチルフェノキシ基、ナフトキシ基、ビフェニルオキシ基等が挙げられる。
【0088】
アミノ基としてはジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、N−メチル−N−ヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジフェニルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基等が挙げられる。
【0089】
R21ないしR23としてはアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好ましい。本発明の効果の点ではR21ないしR23のうち少なくとも一つ以上がアルキル基またはアリール基であることが好ましく、二つ以上がアルキル基またはアリール基であることがより好ましい。また、安価に入手する事ができるという点ではR21ないしR23が同一の基である場合が好ましい。
【0090】
以下に本発明における一般式(A)の化合物をはじめとする水素結合性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0091】
【化7】
【0092】
【化8】
【0093】
水素結合性化合物の具体例は上述の他に特願2000−192191号、同2000−194811号に記載のものがあげられる。
【0094】
本発明の水素結合性化合物は、還元剤と同様に溶液形態、乳化分散形態、固体分散微粒子分散物形態で塗布液に含有せしめ、感光材料中で使用することができる。本発明の化合物は、溶液状態でフェノール性水酸基を有する化合物と水素結合による錯体を形成しており、還元剤と本発明の一般式(A)の化合物との組み合わせによっては錯体として結晶状態で単離することができる。
【0095】
このようにして単離した結晶粉体を固体分散微粒子分散物として使用することは安定した性能を得る上で特に好ましい。また、還元剤と本発明の水素結合性化合物を粉体で混合し、適当な分散剤を使って、サンドグラインダーミル等で分散時に錯形成させる方法も好ましく用いることができる。
【0096】
本発明の水素結合性化合物は還元剤に対して、1〜200モル%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10〜150モル%の範囲で、さらに好ましくは30〜100モル%の範囲である。
【0097】
2−1−5.バインダー
本発明の有機銀塩含有層のバインダーはいかなるポリマーであってもよく、好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であり、天然樹脂やポリマー及びコポリマー、合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン類、ゴム類、ポリ(ビニルアルコール)類、ヒドロキシエチルセルロース類、セルロースアセテート類、セルロースアセテートブチレート類、ポリ(ビニルピロリドン)類、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)類、ポリ(メチルメタクリル酸)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(メタクリル酸)類、スチレン−無水マレイン酸共重合体類、スチレン−アクリロニトリル共重合体類、スチレン−ブタジエン共重合体類、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(オレフィン)類、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類がある。バインダーは水又は有機溶媒またはエマルションから被覆形成してもよい。
【0098】
本発明では、有機銀塩を含有する層のバインダーのガラス転移温度は−20℃以上80℃以下であることが好ましく、0℃〜70℃であることがより好ましく、10℃以上65℃以下であることが更に好ましい。
【0099】
なお、本明細書においてTgは下記の式で計算される。
【0100】
1/Tg=Σ(Xi/Tgi)
【0101】
ここでは、ポリマーはi=1からnまでのn個のモノマー成分が共重合しているとする。Xiはi番目のモノマーの重量分率(ΣXi=1)、Tgiはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。
尚、各モノマーの単独重合体ガラスの転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用した。
【0102】
バインダーとなるポリマーは単独種で用いてもよいし、必要に応じて2種以上を併用しても良い。また、ガラス転移温度が20℃以上のものとガラス転移温度が20℃未満のものを組み合わせて用いてもよい。Tgの異なるポリマーを2種以上ブレンドして使用する場合には、その重量平均Tgが上記の範囲に入ることが好ましい。
【0103】
本発明においては、有機銀塩含有層が溶媒の30質量%以上が水である塗布液を用いて塗布し、乾燥して形成される場合に、さらに有機銀塩含有層のバインダーが水系溶媒(水溶媒)に可溶または分散可能である場合に、特に25℃60%RHでの平衡含水率が2質量%以下のポリマーのラテックスからなる場合に性能が向上する。
最も好ましい形態は、イオン伝導度が2.5mS/cm以下になるように調製されたものであり、このような調製法としてポリマー合成後分離機能膜を用いて精製処理する方法が挙げられる。
【0104】
ここでいう前記ポリマーが可溶または分散可能である水系溶媒とは、水または水に70質量%以下の水混和性の有機溶媒を混合したものである。
水混和性の有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール等のアルコール系、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ系、酢酸エチル、ジメチルホルミアミドなどを挙げることができる。
【0105】
また「25℃60%RHにおける平衡含水率」とは、25℃60%RHの雰囲気下で調湿平衡にあるポリマーの重量W1と25℃で絶乾状態にあるポリマーの重量W0を用いて以下のように表すことができる。
25℃60%RHにおける平衡含水率=[(W1−W0)/W0]×100(質量%)含水率の定義と測定法については、例えば高分子工学講座14、高分子材料試験法(高分子学会編、地人書館)を参考にすることができる。
【0106】
本発明のバインダーポリマーの25℃60%RHにおける平衡含水率は2質量%以下であることが好ましいが、より好ましくは0.01質量%以上1.5質量%以下、さらに好ましくは0.02質量%以上1質量%以下が望ましい。
【0107】
本発明のバインダーは水系溶媒に分散可能なポリマーが特に好ましい。分散状態の例としては、水不溶な疎水性ポリマーの微粒子が分散しているラテックスやポリマー分子が分子状態またはミセルを形成して分散しているものなどがあるが、いずれも好ましい。分散粒子の平均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の粒径分布を持つものでもよい。
【0108】
本発明において水系溶媒に分散可能なポリマーの好ましい態様としては、アクリル系ポリマー、ポリ(エステル)類、ゴム類(例えばSBR樹脂)、ポリ(ウレタン)類、ポリ(塩化ビニル)類、ポリ(酢酸ビニル)類、ポリ(塩化ビニリデン)類、ポリ(オレフィン)類等の疎水性ポリマーを好ましく用いることができる。これらポリマーとしては直鎖のポリマーでも枝分かれしたポリマーでもまた架橋されたポリマーでもよいし、単一のモノマーが重合したいわゆるホモポリマーでもよいし、2種類以上のモノマーが重合したコポリマーでもよい。コポリマーの場合はランダムコポリマーでも、ブロックコポリマーでもよい。
【0109】
これらポリマーの分子量は数平均分子量で5000〜1000000、好ましくは10000〜200000がよい。分子量が小さすぎるものは乳剤層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜性が悪く好ましくない。
【0110】
好ましいポリマーラテックスの具体例としては以下のものを挙げることができる。以下では原料モノマーを用いて表し、括弧内の数値は質量%、分子量は数平均分子量である。多官能モノマーを使用した場合は架橋構造を作るため分子量の概念が適用できないので架橋性と記載し、分子量の記載を省略した。Tgはガラス転移温度を表す。
【0111】
P−1;−MMA(70)−EA(27)−MAA(3)−のラテックス(分子量37000、Tg61℃)
P−2;−MMA(70)−2EHA(20)−St(5)−AA(5)−のラテックス(分子量40000、Tg59℃)
P−3;−St(50)−Bu(47)−MAA(3)−のラテックス(架橋性、Tg−17℃)
P−4;−St(68)−Bu(29)−AA(3)−のラテックス(架橋性、Tg17℃)
P−5;−St(71)−Bu(26)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg24℃)
P−6;−St(70)−Bu(27)−IA(3)−のラテックス(架橋性)
P−7;−St(75)−Bu(24)−AA(1)−のラテックス(架橋性、Tg29℃)
P−8;−St(60)−Bu(35)−DVB(3)−MAA(2)−のラテックス(架橋性)
P−9;−St(70)−Bu(25)−DVB(2)−AA(3)−のラテックス(架橋性)
P−10;−VC(50)−MMA(20)−EA(20)−AN(5)−AA(5)−のラテックス(分子量80000)
P−11;−VDC(85)−MMA(5)−EA(5)−MAA(5)−のラテックス(分子量67000)
P−12;−Et(90)−MAA(10)−のラテックス(分子量12000)
P−13;−St(70)−2EHA(27)−AA(3)のラテックス(分子量130000、Tg43℃)
P−14;−MMA(63)−EA(35)− AA(2)のラテックス(分子量33000、Tg47℃)
P−15;−St(70.5)−Bu(26.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg23℃)
P−16;−St(69.5)−Bu(27.5)−AA(3)−のラテックス(架橋性,Tg20.5℃)
【0112】
上記構造の略号は以下のモノマーを表す。MMA;メチルメタクリレート、EA;エチルアクリレート、MAA;メタクリル酸、2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート、St;スチレン、Bu;ブタジエン、AA;アクリル酸、DVB;ジビニルベンゼン、VC;塩化ビニル、AN;アクリロニトリル、VDC;塩化ビニリデン、Et;エチレン、IA;イタコン酸。
【0113】
以上に記載したポリマーラテックスは市販もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。アクリル系ポリマーの例としては、セビアンA−4635,4718,4601(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol Lx811、814、821、820、857(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(エステル)類の例としては、FINETEX ES650、611、675、850(以上大日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミカル製)など、ポリ(ウレタン)類の例としては、HYDRAN AP10、20、30、40(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム類の例としては、LACSTAR 7310K、3307B、4700H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、Nipol Lx416、410、438C、2507(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニル)類の例としては、G351、G576(以上日本ゼオン(株)製)など、ポリ(塩化ビニリデン)類の例としては、L502、L513(以上旭化成工業(株)製)など、ポリ(オレフィン)類の例としては、ケミパールS120、SA100(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることができる。
これらのポリマーラテックスは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以上ブレンドしてもよい。
【0114】
本発明に用いられるポリマーラテックスとしては、特に、スチレン−ブタジエン共重合体のラテックスが好ましい。スチレン−ブタジエン共重合体におけるスチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との重量比は40:60〜95:5であることが好ましい。また、スチレンのモノマー単位とブタジエンのモノマー単位との共重合体に占める割合は60〜99質量%であることが好ましい。好ましい分子量の範囲は前記と同様である。
【0115】
本発明に用いることが好ましいスチレン−ブタジエン共重合体のラテックスとしては、前記のP−3〜P−8,14,15、市販品であるLACSTAR−3307B、7132C、Nipol Lx416等が挙げられる。
【0116】
本発明の感光材料の有機銀塩含有層には必要に応じてゼラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加してもよい。
【0117】
これらの親水性ポリマーの添加量は有機銀塩含有層の全バインダーの30質量%以下、より好ましくは20質量%以下が好ましい。
【0118】
本発明の有機銀塩含有層(即ち、画像形成層)は、ポリマーラテックスをバインダーに用いて形成されたものが好ましい。有機銀塩含有層のバインダーの量は、全バインダー/有機銀塩の重量比が1/10〜10/1、更には1/5〜4/1の範囲が好ましい。
【0119】
また、このような有機銀塩含有層は、通常、感光性銀塩である感光性ハロゲン化銀が含有された感光性層(乳剤層)でもあり、このような場合の、全バインダー/ハロゲン化銀の重量比は400〜5、より好ましくは200〜10の範囲が好ましい。
【0120】
本発明の画像形成層の全バインダー量は0.2〜30g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好ましい。本発明の画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改良のための界面活性剤などを添加してもよい。
【0121】
本発明において感光材料の有機銀塩含有層塗布液の溶媒(ここでは簡単のため、溶媒と分散媒をあわせて溶媒と表す。)は、水を30質量%以上含む水系溶媒が好ましい。水以外の成分としてはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、酢酸エチルなど任意の水混和性有機溶媒を用いてよい。溶媒の水含有率は50質量%以上がより好ましく、さらに好ましくは70質量%以上が良い。
【0122】
好ましい溶媒組成の具体例を挙げると、水100の他、水/メチルアルコール=90/10、水/メチルアルコール=70/30、水/メチルアルコール/ジメチルホルムアミド=80/15/5、水/メチルアルコール/エチルセロソルブ=85/10/5、水/メチルアルコール/イソプロピルアルコール=85/10/5などがある(数値は質量%)。
【0123】
2−1−6.かぶり防止剤
本発明はカブリ防止剤として下記一般式(H)で表される化合物を含有するのが好ましい。
一般式(H)
【0124】
Q−(Y)n−C(Z1)(Z2)X
【0125】
一般式(H)において、Qはアルキル基、アリール基またはヘテロ環基を表し、Yは2価の連結基を表し、nは0または1を表し、Z1およびZ2はハロゲン原子を表し、Xは水素原子または電子求引性基を表す。
【0126】
Qは好ましくはハメットの置換基定数σpが正の値をとる電子求引性基で置換されたフェニル基を表す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216 等を参考にすることができる。
【0127】
このような電子求引性基としては、例えばハロゲン原子(フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18))、トリハロメチル基(トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54))、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基(例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72))、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基(例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43))、アルキニル基(例えば、C≡CH(σp値:0.23))、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44))、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、ホスホリル基等があげられる。
σp値としては好ましくは0.2〜2.0の範囲で、より好ましくは0.4から1.0の範囲である。
【0128】
電子求引性基として好ましいのは、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基、カルボキシル基、アルキルまたはアリールカルボニル基、およびアリールスルホニル基であり、特に好ましくはカルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アルキルホスホリル基であり、カルバモイル基が最も好ましい。
【0129】
Xは、好ましくは電子求引性基であり、より好ましくはハロゲン原子、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルファモイル基であり、特に好ましくはハロゲン原子である。
ハロゲン原子の中でも、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、更に好ましくは塩素原子、臭素原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
【0130】
Yは好ましくは−C(=O)−、−SO−または−SO2 −を表し、より好ましくは−C(=O)−、−SO2 −であり、特に好ましくは−SO2 −である。nは、0または1を表し、好ましくは1である。
【0131】
以下に本発明の一般式(H)の化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0132】
【化9】
【0133】
【化10】
【0134】
本発明の一般式(H)で表される化合物は画像形成層の非感光性銀塩1モル当たり、10−4〜0.8モルの範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10−3〜0.1モルの範囲で、さらに好ましくは5×10−3〜0.05モルの範囲で使用することが好ましい。
特に、本発明の沃化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀を用いた場合、十分なかぶり防止効果を得るためにはこの一般式(H)の化合物の添加量は重要であり、5×10−3〜0.03モルの範囲で使用することが最も好ましい。
【0135】
本発明において、一般式(H)で表される化合物を感光材料に含有せしめる方法としては、前記還元剤の含有方法に記載の方法が挙げられる。
【0136】
一般式(H)で表される化合物の融点は200℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは170℃以下がよい。
【0137】
本発明に用いられるその他の有機ポリハロゲン化物として、特開平11−65021号の段落番号0111〜0112に記載の特許に開示されているものが挙げられる。特に特願平11−87297号の式(P)で表される有機ハロゲン化合物、特開平10−339934号の一般式(II)で表される有機ポリハロゲン化合物、特願平11−205330号に記載の有機ポリハロゲン化合物が好ましい。
【0138】
2−1−7.その他のかぶり防止剤
その他のカブリ防止剤としては特開平11−65021号段落番号0113の水銀(II)塩、同号段落番号0114の安息香酸類、特開2000−206642号のサリチル酸誘導体、特開2000−221634号の式(S)で表されるホルマリンスカベンジャー化合物、特開平11−352624号の請求項9に係るトリアジン化合物、特開平6−11791号の一般式(III)で表される化合物、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン等が挙げられる。
【0139】
本発明に用いることのできるカブリ防止剤、安定剤および安定剤前駆体特開平10−62899号の段落番号0070、欧州特許0803764A1号の第20頁第57行〜第21頁第7行に記載の特許のもの、特開平9−281637号、同9−329864号記載の化合物が挙げられる。
【0140】
本発明における熱現像感光材料はカブリ防止を目的としてアゾリウム塩を含有しても良い。アゾリウム塩としては、特開昭59−193447号記載の一般式(XI)で表される化合物、特公昭55−12581号記載の化合物、特開昭60−153039号記載の一般式(II)で表される化合物が挙げられる。アゾリウム塩は感光材料のいかなる部位に添加しても良いが、添加層としては感光性層を有する面の層に添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加することがさらに好ましい。
【0141】
アゾリウム塩の添加時期としては塗布液調製のいかなる工程で行っても良く、有機銀塩含有層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時のいかなる工程でも良いが有機銀塩調製後から塗布直前が好ましい。アゾリウム塩の添加法としては粉末、溶液、微粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液として添加しても良い。
【0142】
本発明においてアゾリウム塩の添加量としてはいかなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10−6モル以上2モル以下が好ましく、1×10−3モル以上0.5モル以下がさらに好ましい。
【0143】
2−1−8.その他の添加剤
1)メルカプト、ジスルフィド、およびチオン類
本発明には現像を抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオン化合物を含有させることができ、特開平10−62899号の段落番号0067〜0069、特開平10−186572号の一般式(I)で表される化合物及びその具体例として段落番号0033〜0052、欧州特許公開第0803764A1号の第20ページ第36〜56行、特願平11−273670号等に記載されている。中でもメルカプト置換複素芳香族化合物が好ましい。
【0144】
2)色調剤
本発明の熱現像感光材料では色調剤の添加が好ましく、色調剤については、特開平10−62899号の段落番号0054〜0055、欧州特許0803764A1号のp.21,23行〜48行、特開2000−356317号や特願2000−187298号に記載されており、特に、フタラジノン類(フタラジノン、フタラジノン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロー1,4−フタラジンジオン);フタラジノン類とフタル酸類(例えば、フタル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸、フタル酸二アンモニウム、フタル酸ナトリウム、フタル酸カリウムおよびテトラクロロ無水フタル酸)の組み合わせ;フタラジン類(フタラジン、フタラジン誘導体もしくは金属塩;例えば4−(1−ナフチル)フタラジン、6−イソプロピルフタラジン、6−t−ブチルフタラジン、6−クロロフタラジン、5.7−ジメトキシフタラジン、および2,3−ジヒドロフタラジン)が好ましく、特に、ヨウ化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀との組み合わせにおいては、フタラジン類とフタル酸類の組み合わせが好ましい。
【0145】
好ましいフタラジン類の添加量としては、有機銀塩1モル当たり0.01モル〜0.3モルであり、さらに好ましくは0.02〜0.2モル、特に好ましくは0.02〜0.1モルである。この添加量は、本発明の沃化銀含有率の高い組成のハロゲン化銀乳剤で課題である現像促進にとって重要な要因であり、適正な添加量の選択によって十分な現像性と低いかぶりの両立が可能となる。
【0146】
3)可塑剤、潤滑剤
本発明の感光性層に用いることのできる可塑剤および潤滑剤については特開平11−65021号段落番号0117に記載されている。滑り剤については特開平11−84573号段落番号0061〜0064や特願平11−106881号段落番号0049〜0062記載されている。
【0147】
4)染料、顔料
本発明の感光性層には色調改良、レーザー露光時の干渉縞発生防止、イラジエーション防止の観点から各種染料や顔料(例えばC.I.Pigment Blue 60、C.I.Pigment Blue 64、C.I.Pigment Blue 15:6)を用いることができる。これらについてはWO98/36322号、特開平10−268465号、同11−338098号等に詳細に記載されている。
【0148】
5)超硬調化剤
印刷製版用途に適した超硬調画像形成のためには、画像形成層に超硬調化剤を添加することが好ましい。超硬調化剤やその添加方法及び添加量については、同号公報段落番号0118、特開平11−223898号公報段落番号0136〜0193、特願平11−87297号明細書の式(H)、式(1)〜(3)、式(A)、(B)の化合物、特願平11−91652号明細書記載の一般式(III)〜(V)の化合物(具体的化合物:化21〜化24)、硬調化促進剤については特開平11−65021号公報段落番号0102、特開平11−223898号公報段落番号0194〜0195に記載されている。
【0149】
蟻酸や蟻酸塩を強いかぶらせ物質として用いるには、感光性ハロゲン化銀を含有する画像形成層を有する側に銀1モル当たり5ミリモル以下、さらには1ミリモル以下で含有させることが好ましい。
本発明の熱現像感光材料で超硬調化剤を用いる場合には五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩を併用して用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などを挙げることができる。特に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩としては、オルトリン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)を挙げることができる。具体的な塩としてはオルトリン酸ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムなどが挙げられる。
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料1m2あたりの塗布量)は感度やカブリなどの性能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/m2が好ましく、0.5〜100mg/m2がより好ましい。
【0150】
2−1−9.塗布液の調製および塗布
本発明の画像形成層塗布液の調製温度は30℃以上65℃以下がよく、さらに好ましい温度は35℃以上60℃未満、より好ましい温度は35℃以上55℃以下である。また、ポリマーラテックス添加直後の画像形成層塗布液の温度が30℃以上65℃以下で維持されることが好ましい。
【0151】
2−2.その他の層、および構成成分
本発明の熱現像感光材料は、画像形成層に加えて非感光性層を有することができる。非感光性層は、その配置から(a)画像形成層の上(支持体よりも遠い側)に設けられる表面保護層、(b)複数の画像形成層の間や画像形成層と保護層の間に設けられる中間層、(c)画像形成層と支持体との間に設けられる下塗り層、(d)画像形成層の反対側に設けられるバック層に分類できる。
【0152】
また、光学フィルターとして作用する層を設けることができるが、(a)または(b)の層として設けられる。アンチハレーション層は、(c)または(d)の層として感光材料に設けられる。
【0153】
1)表面保護層
本発明における熱現像感光材料は画像形成層の付着防止などの目的で表面保護層を設けることができる。表面保護層は単層でもよいし、複数層であってもよい。表面保護層については、特開平11−65021号段落番号0119〜0120、特願2000−171936号に記載されている。
【0154】
本発明の表面保護層のバインダーとしてはゼラチンが好ましいがポリビニルアルコール(PVA)を用いる若しくは併用することも好ましい。ゼラチンとしてはイナートゼラチン(例えば新田ゼラチン750)、フタル化ゼラチン(例えば新田ゼラチン801)など使用することができる。
【0155】
PVAとしては、特開2000−171936号の段落番号0009〜0020に記載のものがあげられ、完全けん化物のPVA−105、部分けん化物のPVA−205,PVA−335、変性ポリビニルアルコールのMP−203(以上、クラレ(株)製の商品名)などが好ましく挙げられる。
【0156】
保護層(1層当たり)のポリビニルアルコール塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜4.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0157】
表面保護層(1層当たり)の全バインダー(水溶性ポリマー及びラテックスポリマーを含む)塗布量(支持体1m2当たり)としては0.3〜5.0g/m2が好ましく、0.3〜2.0g/m2がより好ましい。
【0158】
2)アンチハレーション層
本発明の熱現像感光材料においては、アンチハレーション層を感光性層に対して露光光源から遠い側に設けることができる。アンチハレーション層については特開平11−65021号段落番号0123〜0124、特開平11−223898号、同9−230531号、同10−36695号、同10−104779号、同11−231457号、同11−352625号、同11−352626号等に記載されている。
【0159】
アンチハレーション層には、露光波長に吸収を有するアンチハレーション染料を含有する。露光波長が赤外域にある場合には赤外線吸収染料を用いればよく、その場合には可視域に吸収を有しない染料が好ましい。
【0160】
可視域に吸収を有する染料を用いてハレーション防止を行う場合には、画像形成後には染料の色が実質的に残らないようにすることが好ましく、熱現像の熱により消色する手段を用いることが好ましく、特に非感光性層に熱消色染料と塩基プレカーサーとを添加してアンチハレーション層として機能させることが好ましい。これらの技術については特開平11−231457号等に記載されている。
【0161】
消色染料の添加量は、染料の用途により決定する。一般には、目的とする波長で測定したときの光学濃度(吸光度)が0.1を越える量で使用する。光学濃度は、0.2〜2であることが好ましい。このような光学濃度を得るための染料の使用量は、一般に0.001〜1g/m2程度である。
【0162】
なお、このように染料を消色すると、熱現像後の光学濃度を0.1以下に低下させることができる。二種類以上の消色染料を、熱消色型記録材料や熱現像感光材料において併用してもよい。同様に、二種類以上の塩基プレカーサーを併用してもよい。
【0163】
このような消色染料と塩基プレカーサーを用いる熱消色においては、特開平11−352626号に記載のような塩基プレカーサーと混合すると融点を3℃(deg)以上降下させる物質(例えば、ジフェニルスルホン、4−クロロフェニル(フェニル)スルホン)を併用することが熱消色性等の点で好ましい。
【0164】
3)バック層
本発明に適用することのできるバック層については特開平11−65021号段落番号0128〜0130に記載されている。
【0165】
本発明においては、銀色調、画像の経時変化を改良する目的で300〜450nmに吸収極大を有する着色剤を添加することができる。このような着色剤は、特開昭62−210458号、同63−104046号、同63−103235号、同63−208846号、同63−306436号、同63−314535号、特開平01−61745号、特願平11−276751号などに記載されている。このような着色剤は、通常、0.1mg/m2〜1g/m2の範囲で添加され、添加する層としては感光性層の反対側に設けられるバック層が好ましい。
【0166】
4)マット剤
本発明において、搬送性改良のためにマット剤を表面保護層、およびバック層に添加することが好ましい。マット剤については、特開平11−65021号段落番号0126〜0127に記載されている。
マット剤は感光材料1m2当たりの塗布量で示した場合、好ましくは1〜400mg/m2、より好ましくは5〜300mg/m2である。
【0167】
また、乳剤面のマット度は、画像部に小さな白抜けが生じ、光漏れが発生するいわゆる星屑故障が生じなければいかようでも良いが、ベック平滑度が30秒以上2000秒以下が好ましく、特に40秒以上1500秒以下が好ましい。ベック平滑度は、日本工業規格(JIS)P8119「紙および板紙のベック試験器による平滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により容易に求めることができる。
【0168】
本発明においてバック層のマット度としてはベック平滑度が1200秒以下10秒以上が好ましく、800秒以下20秒以上が好ましく、さらに好ましくは500秒以下40秒以上である。
【0169】
本発明において、マット剤は感光材料の最外表面層もしくは最外表面層として機能する層、あるいは外表面に近い層に含有されるのが好ましく、またいわゆる保護層として作用する層に含有されることが好ましい。
【0170】
5)ポリマーラテックス
本発明の表面保護層やバック層にポリマーラテックスを添加することができる。
このようなポリマーラテックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(1970))」などにも記載され、具体的にはメチルメタクリレート(33.5質量%)/エチルアクリレート(50質量%)/メタクリル酸(16.5質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(47.5質量%)/ブタジエン(47.5質量%)/イタコン酸(5質量%)コポリマーのラテックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(58.9質量%)/2−エチルヘキシルアクリレート(25.4質量%)/スチレン(8.6質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.1質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックス、メチルメタクリレート(64.0質量%)/スチレン(9.0質量%) /ブチルアクリレート(20.0質量%)/2−ヒドロキシエチルメタクリレート(5.0質量%)/アクリル酸(2.0質量%)コポリマーのラテックスなどが挙げられる。
【0171】
ポリマーラテックスは、表面保護層、あるいはバック層の全バインダー(水溶性ポリマーおよびラテックスポリマーを含む)の10質量%〜90質量%用いるのが好ましく、特に20質量%〜80質量%が好ましい。
【0172】
6)膜面pH
本発明の熱現像感光材料は、熱現像処理前の膜面pHが7.0以下であることが好ましく、さらに好ましくは6.6以下である。その下限には特に制限はないが、3程度である。最も好ましいpH範囲は4〜6.2の範囲である。
【0173】
膜面pHの調節はフタル酸誘導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニアなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できることから低膜面pHを達成する上で好ましい。
また、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、水酸化リチウム等の不揮発性の塩基とアンモニアを併用することも好ましく用いられる。なお、膜面pHの測定方法は、特願平11−87297号明細書の段落番号0123に記載されている。
【0174】
7)硬膜剤
本発明の感光性層、保護層、バック層など各層には硬膜剤を用いても良い。
硬膜剤の例としてはT.H.James著”THE THEORY OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION”(Macmillan Publishing Co., Inc.刊、1977年刊)77頁から87頁に記載の各方法があり、クロムみょうばん、2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩、N,N−エチレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド)、N,N−プロピレンビス(ビニルスルフォンアセトアミド)の他、同書78頁など記載の多価金属イオン、米国特許4,281,060号、特開平6−208193号などのポリイソシアネート類、米国特許4,791,042号などのエポキシ化合物類、特開昭62−89048号などのビニルスルホン系化合物類が好ましく用いられる。
【0175】
硬膜剤は溶液として添加され、この溶液の保護層塗布液中への添加時期は、塗布する180分前から直前、好ましくは60分前から10秒前であるが、混合方法及び混合条件については本発明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はない。
【0176】
具体的な混合方法としては添加流量とコーターへの送液量から計算した平均滞留時間を所望の時間となるようにしたタンクでの混合する方法やN.Harnby、M.F.Edwards、A.W.Nienow著、高橋幸司訳”液体混合技術”(日刊工業新聞社刊、1989年)の第8章等に記載されているスタチックミキサーなどを使用する方法がある。
【0177】
8)界面活性剤
本発明に適用できる界面活性剤については特開平11−65021号段落番号0132に記載されている。
本発明ではフッ素系界面活性剤を使用することが好ましい。フッ素系界面活性剤の好ましい具体例は特開平10−197985号、特開2000−19680号、特開2000−214554号等に記載されている化合物が挙げられる。また、特開平9−281636号記載の高分子フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。本発明においては、特願2000−206560号記載のフッ素系界面活性剤の使用が特に好ましい。
【0178】
9)帯電防止剤
また、本発明では、公知の種々の金属酸化物あるいは導電性ポリマーなどを含む帯電防止層を有しても良い。帯電防止層は前述の下塗り層、バック層表面保護層などと兼ねても良く、また別途設けてもよい。帯電防止層については、特開平11−65021号段落番号0135、特開昭56−143430号、同56−143431号、同58−62646号、同56−120519号、特開平11−84573号の段落番号0040〜0051、米国特許第5,575,957号、特開平11−223898号の段落番号0078〜0084に記載の技術を適用することができる。
【0179】
10)支持体
透明支持体は二軸延伸時にフィルム中に残存する内部歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みをなくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレートが好ましく用いられる。
【0180】
医療用の熱現像感光材料の場合、透明支持体は青色染料(例えば、特開平8−240877号実施例記載の染料−1)で着色されていてもよいし、無着色でもよい。具体的な支持体の例は、特開平11−65021同号段落番号0134に記載されている。
【0181】
支持体には、特開平11−84574号の水溶性ポリエステル、同10−186565号のスチレンブタジエン共重合体、特開2000−39684号や特願平11−106881号段落番号0063〜0080の塩化ビニリデン共重合体などの下塗り技術を適用することが好ましい。
【0182】
11)その他の添加剤
熱現像感光材料には、さらに、酸化防止剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤あるいは被覆助剤を添加してもよい。特開平11−65021号段落番号0133の記載の溶剤を添加しても良い。各種の添加剤は、感光性層あるいは非感光性層のいずれかに添加する。それらについてWO98/36322号、EP803764A1号、特開平10−186567号、同10−18568号等を参考にすることができる。
【0183】
12)塗布方式
本発明における熱現像感光材料はいかなる方法で塗布されても良い。具体的には、エクストルージョンコーティング、スライドコーティング、カーテンコーティング、浸漬コーティング、ナイフコーティング、フローコーティング、または米国特許第2,681,294号に記載の種類のホッパーを用いる押出コーティングを 含む種々のコーティング操作が用いられ、Stephen F. Kistler、Petert M. Schweizer著”LIQUID FILM COATING”(CHAPMAN & HALL社刊、1997年)399頁から536頁記載のエクストルージョンコーティング、またはスライドコーティング好ましく用いられ、特に好ましくはスライドコーティングが用いられる。
【0184】
スライドコーティングに使用されるスライドコーターの形状の例は同書427頁のFigure 11b.1に ある。また、所望により同書399頁から536頁記載の方法、米国特許第2,761,791 号および英国特許第837,095号に記載の方法により2層またはそれ以上の層を同時に被覆することができる。
【0185】
本発明における有機銀塩含有層塗布液は、いわゆるチキソトロピー流体であることが好ましい。この技術については特開平11−52509号を参考にすることができる。
本発明における有機銀塩含有層塗布液は剪断速度0.1S−1における粘度は400mPa・s以上100,000mPa・s以下が好ましく、さらに好ましくは500mPa・s以上20,000mPa・s以下である。
また、剪断速度1000S−1においては1mPa・s以上200mPa・s以下が好まく、さらに好ましくは5mPa・s以上80mPa・s以下である。
【0186】
13)包装材料
本発明の熱現像感光材料は、使用される前の保存時に写真性能の変質を防ぐため、あるいはロール状態の製品形態の場合にはカールしたり巻き癖が付くのを防ぐために、酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料で密閉包装するのが好ましい。酸素透過率は、25℃で50ml/atm/m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは10ml/atm/m2・day以下であり、さらに好ましくは1.0ml/atm/m2・day以下である。水分透過率は、10g/atm/m2・day以下であることが好ましく、より好ましくは5g/atm/m2・day以下であり、さらに好ましくは1g/atm/m2・day以下である。酸素透過率および/または水分透過率の低い包装材料の具体例としては、例えば特開平8−254793号、特開2000−206653号に記載されているものを利用することができる。
【0187】
14)その他の利用できる技術
本発明の熱現像感光材料に用いることのできる技術としては、EP803764A1号、EP883022A1号、WO98/36322号、特開昭56−62648号、同58−62644号、特開平9−43766、同9−281637、同9−297367号、同9−304869号、同9−311405号、同9−329865号、同10−10669号、同10−62899号、同10−69023号、同10−186568号、同10−90823号、同10−171063号、同10−186565号、同10−186567号、同10−186569号〜同10−186572号、同10−197974号、同10−197982号、同10−197983号、同10−197985号〜同10−197987号、同10−207001号、同10−207004号、同10−221807号、同10−282601号、同10−288823号、同10−288824号、同10−307365号、同10−312038号、同10−339934号、同11−7100号、同11−15105号、同11−24200号、同11−24201号、同11−30832号、同11−84574号、同11−65021号、同11−109547号、同11−125880号、同11−129629号、同11−133536号〜同11−133539号、同11−133542号、同11−133543号、同11−223898号、同11−352627号、同11−305377号、同11−305378号、同11−305384号、同11−305380号、同11−316435号、同11−327076号、同11−338096号、同11−338098号、同11−338099号、同11−343420号、特願2000−187298号、同2000−10229号、同2000−47345号、同2000−206642号、同2000−98530号、同2000−98531号、同2000−112059号、同2000−112060号、同2000−112104号、同2000−112064号、同2000−171936号も挙げられる。
【0188】
多色カラー熱現像感光材料の場合、各乳剤層は、一般に、米国特許第4,460,681号に記載されているように、各感光性層の間に官能性もしくは非官能性のバリアー層を使用することにより、互いに区別されて保持される。
多色カラー熱現像感光材料の場合の構成は、各色についてこれらの二層の組合せを含んでよく、また、米国特許第4,708,928号に記載されているように単一層内に全ての成分を含んでいてもよい。
【0189】
3.画像形成方法
3−1.露光
本発明の感光材料はいかなる方法で露光されても良いが、露光光源としてレーザー光が好ましい。本発明のように沃化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤は、従来はその感度が低くて問題であった。しかし、レーザー光のような高照度で書き込むことで低感度の問題も解消され、しかもより少ないエネルギーで画像記録できることがわかった。このような強い光で短時間に書き込むことによって目標の感度を達成することができる。
【0190】
特に最高濃度(Dmax)を出すような露光量を与える場合、感光材料表面の好ましい光量は0.1W/mm2〜100W/mm2である。より好ましくは0.5W/mm2〜50W/mm2であり、最も好ましくは1W/mm2〜50W/mm2である。
【0191】
本発明によるレーザー光としては、ガスレーザー(Ar+,He−Ne,He−Cd)、YAGレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなどが好ましい。また、半導体レーザーと第2高調波発生素子などを用いることもできる。好ましく用いられるレーザーは、熱現像感光材料の分光増感色素などの光吸収ピーク波長に対応して決まるが、赤〜赤外発光のHe−Neレーザー、赤色半導体レーザー、あるいは青〜緑発光のAr+,He−Ne,He−Cdレーザー、青色半導体レーザーである。好ましくは、赤色〜赤外半導体レーザーであり、レーザー光のピーク波長は、600nm〜900nm、好ましくは620nm〜850nmである。
【0192】
レーザー光は、高周波重畳などの方法によって縦マルチに発振していることも好ましく用いられる。
【0193】
3−2.熱現像
本発明の熱現像感光材料はいかなる方法で現像されても良いが、通常イメージワイズに露光した熱現像感光材料を昇温して現像される。好ましい現像温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは100〜140℃である。
現像時間としては1〜60秒が好ましく、5〜30秒がさらに好ましく、5〜20秒が特に好ましい。
【0194】
熱現像の方式としてはプレートヒーター方式が好ましい。プレートヒーター方式による熱現像方式とは特開平11−133572号に記載の方法が好ましく、潜像を形成した熱現像感光材料を熱現像部にて加熱手段に接触させることにより可視像を得る熱現像装置であって、前記加熱手段がプレートヒータからなり、かつ前記プレートヒータの一方の面に沿って複数個の押えローラが対向配設され、前記押えローラと前記プレートヒータとの間に前記熱現像感光材料を通過させて熱現像を行うことを特徴とする熱現像装置である。プレートヒータを2〜6段に分けて先端部については1〜10℃程度温度を下げることが好ましい。
【0195】
このような方法は特開昭54−30032号にも記載されており、熱現像感光材料に含有している水分や有機溶媒を系外に除外させることができ、また、急激に熱現像感光材料が加熱されることでの熱現像感光材料の支持体形状の変化を押さえることもできる。
【0196】
3−3.システム
露光部および熱現像部を備えた医療用レーザーイメージャーとして富士メディカルドライイメージャー−FM−DPLを挙げることができる。該システムは、Fuji Medical Review No.8,p.39〜55に記載されており、それらの技術を利用することができる。また、DICOM規格に適合したネットワークシステムとして富士フィルムメディカル(株)が提案した「AD network」の中のレーザーイメージャー用の熱現像感光材料としても適用することができる。
【0197】
4.本発明の用途
【0198】
本発明の高沃化銀写真乳剤を黒白およびカラー写真感光材料に用いる範囲には特に制限がなく、撮影感材、プリント感材、印刷感材、医療用感材、工業用感材、拡散転写法感材、あるいは熱現像感材にも用いることができる。中でも熱現像感材に用いるのが好ましい。
本発明の高沃化銀写真乳剤を用いた熱現像感光材料は、銀画像による黒白画像を形成し、医療診断用の熱現像感光材料、工業写真用熱現像感光材料、印刷用熱現像感光材料、COM用の熱現像感光材料として使用されることが好ましい。
【0199】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0200】
実施例1.
ゼラチン36gを含有する70℃の水1400mlを含む反応容器に、攪拌しながら硝酸銀74gを含む水溶液724mlと沃化カリウム113gを含む水溶液800mlとを銀電位が+60mVを保つように同時にコントロールドダブルジェット法にて200分間で添加した。その後限外ろ過法により脱塩と水洗を行い、ゼラチンを追加溶解した後、pHを5.9、pAgを7.5に合わせた。得られた沃化銀粒子は、平均粒子サイズが0.14μm、粒子サイズの変動係数は21%であった。
【0201】
この乳剤を3部に小分けして60℃に昇温した後、表1に示した様に各々のpAgを調製し、その後、硫黄増感剤(チオ硫酸ナトリウム)および金増感剤(塩化金酸)をそれぞれ最高感度をもたらす最適増感になるような量を添加し60分間熟成して乳剤1から3を調製した。次いで各乳剤を更に小分けして50℃で表1に示した様に増感色素を沃化銀1モル当たり2.3ミリモル添加し、30分熟成した。但し、試料番号6に使用した増感色素S−4は前記の添加量では多すぎるので、S−4が最高感度を示した沃化銀1モル当たり0.60ミリモルを添加した。次いで、4−ヒドロキシー6−メチル−1,3,3a、7−テトラザインデンと1−フェニルー5−メルカプトテトラゾール(安定剤とかぶり防止剤)を、さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(塗布助剤)、1,2−ビス(ビニルスルホニルアセチルアミノ)エタン(硬膜剤)、フェノキシエタノール(防腐剤)を加えて、ゼラチン保護層とともにトリアセチルセルロースフィルム支持体上に同時押し出し法で乳剤層と保護層を塗布し、試料1から10を得た。
【0202】
これらの塗布試料を光楔下、富士写真フィルム(株)製シャープカットフィルターSC60を通してキセノン光源を用いて露光(1/1000秒間)したあと、コダック処方D−19現像液にて35℃で20分間現像し、通常の停止、定着を行った。処理済みの試料を濃度測定し、未露光部の濃度をかぶりとし、かぶり+0.1の光学濃度を得るのに必要な露光量の逆数で感度を表し、試料2の感度を100としてそれとの相対値で示した。このようにして求めた値を表1では相対赤感度として表示した。
【0203】
【表1】
【0204】
【0205】
表1より明らかなように、本発明の要件を満たして初めて高い分光感度が得られる。特に、増感色素S−1が良好な結果を示した。また、試料番号6に用いた増感色素S−4は、Eredが卑であり、高沃化銀以外の例えば臭化銀ではシアニン色素に劣らない高い分光感度をもたらすメロシアニン色素として知られているが、この例のように高沃化銀乳剤では感度が低く、本発明では有用ではない。このように、高沃化銀以外のハロケ゛ン化銀では高い分光感度をもたらすメロシアニンやロタ゛シアニン色素等の分光増感色素では、色素のEred、LogPが本願のシアニン色素に対応する値を有し、さらにpAgに関する本発明の要件を満たしても、高沃化銀乳剤では極めて低い分光感度しか得られない。
【0206】
実施例2
実施例1と同様に、但し、反応容器の温度を33℃に、銀電位を+10mVに、硝酸銀と沃化カリウムの添加時間を60分間に変更して、沃化銀乳剤を調製した。その後、限外濾過により脱塩と水洗を行い、ゼラチンを追加溶解し、pAg5.0で実施例1と同様にして最適に化学増感を施した。
得られた沃化銀粒子は、平均粒子サイズが41nm、粒子サイズの変動係数は18%であった。
この乳剤を7部に小分けして40℃に昇温した後、表2に示した様に各々のpAgを調製し、表2に示した様に増感色素を沃化銀1モル当たり8.5ミリモル添加し、30分熟成した。次いで、4−ヒドロキシー6−メチル−1,3,3a、7−テトラザインデンと1−フェニルー5−メルカプトテトラゾール(安定剤とかぶり防止剤)、さらにドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(塗布助剤)、1,2−ビス(ビニルスルホニルアセチルアミノ)エタン(硬膜剤)、フェノキシエタノール(防腐剤)を加えて、ゼラチン保護層とともにトリアセチルセルロースフィルム支持体上に同時押し出し法で乳剤層と保護層を塗布し、、試料21から27を得た。
【0207】
これらの塗布試料を光楔下、富士写真フィルム(株)製シャープカットフィルターSC62を通してキセノン光源を用いて露光(1/1000秒間)したあと、下記処方の現像液にて38℃で30分間現像し、通常の停止、定着を行った。処理済みの試料を実施例1と同様の方法で濃度測定し、感度を求めた。このようにして求めた値を表2に相対感度として表示した。
【0208】
現像液処方
重亜硫酸ナトリウム 5g
ピロガロール 10g
亜硫酸ナトリウム 25g
炭酸ナトリウム1水塩 50g
沃化カリウム 0.1g
10%ホルマリン液 25ml
水を加えて 1リットルに
【0209】
【表2】
【0210】
【0211】
表2より明らかなように、実施例1同様に本発明の要件を満たして初めて高い分光感度が得られる。特に、増感色素S−21が優れた性能を示した。試料番号25に用いた増感色素S−23のような色素ではLogPが高く光吸収は好ましいが、ポーラログラフ半端還元電位が貴なので、増感色素が捕捉した光電子の高ヨウ化銀粒子への移動効率が低く、希望する感度を得ることができない。
【0212】
実施例3
3−1.PET支持体の作成、および下塗り
3−1−1.製膜
【0213】
テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従い固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロルエタン=6/4(重量比)中25℃で測定)のPETを得た。これをペレット化した後130℃で4時間乾燥し、300℃で溶融し下記構造の染料BBを0.04wt%含有させた。その後T型ダイから押し出して急冷し、熱固定後の膜厚が175μmになるような厚みの未延伸フィルムを作成した。
【0214】
【化11】
【0215】
これを、周速の異なるロ−ルを用い3.3倍に縦延伸、ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。この時の温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。この後、240℃で20秒間熱固定後これと同じ温度で横方向に4%緩和した。この後テンタ−のチャック部をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4kg/cm2で巻き取り、厚み175μmのロ−ルを得た。
【0216】
3−1−2.表面コロナ処理
ピラー社製ソリッドステートコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温下において20m/分で処理した。この時の電流、電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分/m2の処理がなされていることがわかった。この時の処理周波数は9.6kHz、電極と誘電体ロ−ルのギャップクリアランスは1.6mmであった。
【0217】
3−1−3.下塗り
下塗層塗布液の作成
処方▲1▼(感光層側下塗り層用)
高松油脂(株)製ペスレジンA−520(30質量%溶液) 59g
ポリエチレングリコールモノノニルフェニルエーテル
(平均エチレンオキシド数=8.5) 10質量%溶液 5.4g
綜研化学(株)製 MP−1000(ポリマー微粒子、平均粒径0.4μm) 0.91g
蒸留水 935ml
【0218】
処方▲2▼(バック面第1層用)
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス 158g
(固形分40質量%、スチレン/ブタジエン重量比=68/32)
2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−S−
トリアジンナトリウム塩 8質量%水溶液 20g
ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
蒸留水 854ml
【0219】
処方▲3▼(バック面側第2層用)
SnO2/SbO (9/1質量比、平均粒径0.038μm、17質量%分散物) 84g
ゼラチン(10質量%水溶液) 89.2g
信越化学(株)製 メトローズTC−5(2質量%水溶液) 8.6g
綜研化学(株)製 MP−1000 0.01g
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの1質量%水溶液 10ml
NaOH(1質量%) 6ml
プロキセル(ICI社製) 1ml
蒸留水 805ml
【0220】
2)下塗り
上記厚さ175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の両面それぞれに、上記コロナ放電処理を施した後、片面(感光性層面)に上記下塗り塗布液処方▲1▼をワイヤーバーでウエット塗布量が6.6ml/m2(片面当たり)になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、ついでこの裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲2▼をワイヤーバーでウエット塗布量が5.7ml/m2になるように塗布して180℃で5分間乾燥し、更に裏面(バック面)に上記下塗り塗布液処方▲3▼をワイヤーバーでウエット塗布量が7.7ml/m2になるように塗布して180℃で6分間乾燥して下塗り支持体を作製した。
【0221】
3−2.バック層
3−2−1.バック層塗布液の調製
1)塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)の調製
塩基プレカーサー化合物−1を64g、デモールN(商品名、花王(株))10g、ジフェニルスルホン28g、および蒸留水220mlを加えて混合し、混合液を1/4Gサンドグラインダーミル(アイメックス(株)製)にてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの塩基プレカーサー化合物の固体微粒子分散物(a)を得た。
【0222】
2)染料固体微粒子分散液(a)の調製
シアニン染料化合物―1を9.6g、p−ドデシルスルホン酸ナトリウム5.8g、および蒸留水305mlを混合して、混合液を1/4Gサンドグラインダーミル(アイメックス(株)製)にてビーズ分散し、平均粒子径0.2μmの占領固体微粒子分散物(a)を得た。
【0223】
3)ハレーション防止層塗布液の調製
ゼラチン17g、ポリアクリルアミド9.6g、上記の塩基プレカーサーの固体微粒子分散液(a)70g、上記の染料固体微粒子分散液(a)を56g、単分散ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒子サイズ8μm、粒径標準偏差0.4)1.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.03g、ポリエチレンスルホン酸ナトリウム2.2g、青色染料化合物−1を0.2g、黄色染料化合物−1を3.9g、および水844mlを混合して、ハレーション防止層塗布液を調製した。
【0224】
4)バック面保護層塗布液の調製
容器を40℃に保温し、ゼラチン50g、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム0.2g、N、N−エチレンビス(ビニルスルホンアセトアミド)2.4g、t−オクチルフェノキシエトキシエタンスルホン酸ナトリウム1g、ベンゾイソチアゾリノン30mg、フッ素系界面活性剤(F−1)37mg、フッ素系界面活性剤(F−2)0.15g、フッ素系界面活性剤(F−3)64mg、フッ素系界面活性剤(F−4)32mg、アクリル酸/エチルアクリレート共重合体(共重合重量比5/95)8.8g、エアロゾールOT(アメリカンサイアナミド社製)0.6g、流動パラフィン乳化物を流動パラフィンとして1.8g、水を950ml混合してバック面保護層塗布液とした。
【0225】
3−2−2.バック層の塗布
上記下塗り支持体のバック面側に、ハレーション防止層塗布液を固体微粒子染料の塗布量が0.04gとなるように、またバック面保護層塗布液をゼラチン塗布量が1.7g/m2となるように同時重層塗布し、乾燥し、バック層を作成した。
【0226】
3−3.画像形成層、中間層、および表面保護層
3−3−1.塗布用材料の準備
1)ハロゲン化銀乳剤
【0227】
(ハロゲン化銀乳剤の調製)
蒸留水1420mlに1質量%沃化カリウム溶液4.3mlを加え、さら0.5mol/L濃度の硫酸を3.5ml、フタル化ゼラチン36.7gを添加した液をステンレス製反応壺中で攪拌しながら、35℃に液温を保ち、硝酸銀22.22gに蒸留水を195.6mlに希釈した溶液Aとヨウ化カリウム21.8gを蒸留水にて容量219mlに希釈した溶液Bを一定流量で9分間かけて全量添加した。その後、3.5質量%の過酸化水素水溶液を10ml添加し、さらにベンゾイミダゾールの10質量%水溶液を10.8ml添加した。さらに、硝酸銀51.86gに蒸留水を加えて317.5mlに希釈した溶液Cと沃化カリウム60gを蒸留水にて容量600mlに希釈した溶液Dを、溶液Cは一定流量で120分間かけて全量添加し、溶液DはpAgを8.1に維持しながらコントロールドダブルジェット法で添加した。
【0228】
銀1モル当たり1×10−4モルになるよう六塩化イリジウム(III)酸カリウム塩を溶液Cおよび溶液Dを添加しはじめてから10分後に全量添加した。また、溶液Cの添加終了の5秒後に六シアン化鉄(II)カリウム水溶液を銀1モル当たり3×10−4モル全量添加した。0.5mol/L濃度の硫酸を用いてpHを3.8に調整し、攪拌を止め、沈降/脱塩/水洗工程をおこなった。1mol/L濃度の水酸化ナトリウムを用いてpH5.9に調整し、pAg8.0のハロゲン化銀分散物を作成した。調製できたハロゲン化銀乳剤中の粒子は、平均球相当径0.037μm、球相当径の変動係数17%の純沃化銀粒子であった。粒子サイズ等は、電子顕微鏡を用い1000個の粒子の平均から求めた。
【0229】
上記ハロゲン化銀分散物を38℃に維持して、pAgを5.0に調製してから0.34質量%の1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンのメタノール溶液を5ml加え、10分後に47℃に昇温した。次いで、ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウムをメタノール溶液で銀1モルに対して7.6×10−5モル加えた後、5分後にテルル増感剤(ビス(N―フェニル−N―メチルカルバモイル)テルリド)を銀1モルあたり0.5ミルモル加えて84分間熟成した。その後、乳剤を12分割し、各乳剤のpAgを表3中に示したように調製した後、表3に示した増感色素を銀1モルに対して9.5ミリモル加え、30分間熟成した。但し、試料番号35に用いた増感色素S−4の添加量は、前記量では多すぎたので、該増感色素で最大感度が得られた銀1モルに対して1.3ミリモルを加えた。
【0230】
その後、各乳剤を35℃に下げ、N,N’−ジヒドロキシ−N”−ジエチルメラミンの0.8質量%メタノール溶液1.3mlを加え、さらに4分後に、5−メチル−2−メルカプトベンヅイミダゾールをメタノール溶液で銀1モル当たり4.8×10−3モル及び1−フェニル−2−ヘプチル−5−メルカプト−1,3,4−トリアゾールをメタノール溶液で銀1モルに対して5.4×10−3モル添加して、ハロゲン化銀乳剤AからGを作成した。
【0231】
(塗布液用混合乳剤の調製)
上記のハロゲン化銀乳剤A〜Gをそれぞれ溶解し、ベンゾチアゾリウムヨーダイドを1質量%水溶液にて銀1モル当たり7×10−3モル添加した。さらに塗布液用混合乳剤1kgあたりハロゲン化銀の含有量が銀として38.2gとなるように加水した。
【0232】
2)脂肪酸銀分散物Aの調製
ヘンケル社製ベヘン酸(製品名Edenor C22−85R)87.6kg、蒸留水423L、5mol/L濃度のNaOH水溶液49.2L、t−ブチルアルコール120Lを混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナトリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4kgの水溶液206.2L(pH4.0)を用意し、10℃にて保温した。635Lの蒸留水と30Lのt−ブチルアルコールを入れた反応容器を30℃に保温し、十分に撹拌しながら先のベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を流量一定でそれぞれ93分15秒と90分かけて添加した。
このとき、硝酸銀水溶液添加開始後11分間は硝酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液の添加終了後14分15秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加されるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃とし、液温度が一定になるように外温コントロールした。
また、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、2重管の外側に温水を循環させる事により保温し、添加ノズル先端の出口の液温度が75℃になるよう調製した。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナトリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は撹拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触しないような高さに調製した。
ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そのままの温度で20分間撹拌放置し、30分かけて35℃に昇温し、その後210分熟成を行った。熟成終了後直ちに、遠心濾過で固形分を濾別し、固形分を濾過水の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうして脂肪酸銀塩を得た。得られた固形分は、乾燥させないでウエットケーキとして保管した。
【0233】
得られたベヘン酸銀粒子の形態を電子顕微鏡撮影により評価したところ、平均値でa=0.14μm、b=0.4μm、c=0.6μm、平均アスペクト比5.2であった(a、b、cは本文の規定)。レーザー光散乱型粒子サイズ測定装置で測定した結果、平均球相当径0.52μm、球相当径の変動係数15%のりん片状の結晶であった。
【0234】
乾燥固形分260kg相当のウエットケーキに対し、ポリビニルアルコール(商品名:PVA−217)19.3kgおよび水を添加し、全体量を1000kgとしてからディゾルバー羽根でスラリー化し、更にパイプラインミキサー(みづほ工業製:PM−10型)で予備分散した。
次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:マイクロフルイダイザーM−610、マイクロフルイデックス・インターナショナル・コーポレーション製、Z型インタラクションチャンバー使用)の圧力を1260kg/cm2に調節して、三回処理し、脂肪酸銀分散物Aを得た。冷却操作は蛇管式熱交換器をインタラクションチャンバーの前後に各々装着し、冷媒の温度を調節することで18℃の分散温度に設定した。
【0235】
3)還元剤分散物Aの調製
還元剤錯体―1を10kg、水素結合性化合物―1を0.12kg、および変性ポリビニルアルコール(クラレ(株)製、ポバールMP203)の10質量%水溶液16kgに、水7.2kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて4時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤錯体の濃度が25質量%になるように調製し、還元剤分散物Aを得た。
こうして得た分散物中の還元剤錯体粒子は、平均粒子径がメディアン径で0.46μm、最大粒子径は1.6μm以下であった。得られた分散物を孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0236】
4)ポリハロゲン化合物分散物の調製
(有機ポリハロゲン化合物―1分散物)
有機ポリハロゲン化合物―1を10kgと変性ポリビニルアルコールMP203の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgと、水14kgを添加して、良く混合してスラリーとした。
このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間を基本時間として分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が26質量%になるように調製し、ポリハロゲン化合物−1分散物を得た。
こうして得た分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.41μm、最大粒子径2.0μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径10.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0237】
(有機ポリハロゲン化合物―2分散物)
有機ポリハロゲン化合物―2を10kgと変性ポリビニルアルコールMP203の10質量%水溶液20kgと、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液0.4kgを添加して、良く混合してスラリーとした。 このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて有機ポリハロゲン化合物の濃度が25質量%になるように調製した。この分散物を40℃で5時間加温して、ポリハロゲン化合物−2分散物を得た。
こうして得た分散物に含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子は、平均粒子サイズがメジアン径で0.36μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた有機ポリハロゲン化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0238】
5)フタラジン化合物−1溶液の調製
8kgの変性ポリビニルアルコールMP203を水174.57kgに溶解し、次いでトリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液3.15kgとフタラジン化合物−1の70質量%水溶液14.28kgを添加し、フタラジン化合物−1の5質量%溶液を調製した。
【0239】
6)メルカプト化合物−1水溶液の調製
7gのメルカプト化合物−1を水993gに溶解し、0.7質量%の水溶液とした。
【0240】
7)顔料−1分散物の調製
C.I.Pigment Blue 60を64gとデモールNを6.4gに水250gを加えて良く混合し、スラリーとした。平均直径0.5mmのジルコニアビーズ800gをスラリーと一緒にベッセルに入れ、1/4Gサンドグラインダーミル(アイメックス(株)製)にて25時間分散した後、水を加えて顔料濃度が5質量%になるように希釈した。得られた分散物中の顔料の平均粒子サイズは0.21μmであった。
【0241】
8)SBRラテックス液の調製
Tg=23℃のSBRラテックスは以下により調整した。重合開始剤として過硫酸アンモニウム、乳化剤としてアニオン界面活性剤を使用し、スチレン70.5質量、ブタジエン26.5質量およびアクリル酸3.0質量を乳化重合させた後、80℃で8時間エージングを行った。その後40℃まで冷却し、アンモニア水によりpH7.0とし、さらに三洋化成(株)製サンデットBLを0.22%になるように添加した。次に5%水酸化ナトリウム水溶液を添加しpH8.3とし、さらにアンモニア水によりpH8.4になるように調整した。 このとき使用したNa+イオンとNH4 +イオンのモル比は1:2.3であった。さらに、この液1kg対してベンゾイソチアゾリンノンナトリウム塩7%水溶液を0.15ml添加しSBRラテックス液を調製した。
【0242】
(SBRラテックス:−St(70.0)−Bu(27.0)−AA(3.0)−のラテックス)
Tg23℃ 平均粒径0.1μm、濃度43質量%、25℃60%RHにおける平衡含水率0.6質量%、イオン伝導度4.2mS/cm(イオン伝導度の測定は東亜電波工業(株)製伝導度計CM−30S使用し、ラテックス原液(43質量%)を25℃にて測定)、pH8.4。
【0243】
3−3−2塗布液の調製
1)画像形成層塗布液−1の調製
上記で得た脂肪酸銀分散物Aを1000g、水104ml、顔料−1分散物30g、有機ポリハロゲン化合物―1分散物6.3g、有機ポリハロゲン化合物―2分散物20.7g、フタラジン化合物−1溶液173g、SBRラテックス(Tg:23℃)液1082g、還元剤分散物Aを258g、メルカプト化合物−1水溶液9mlを順次添加し、塗布直前にハロゲン化銀の塗布液用混合乳剤A〜Gをそれぞれ117g添加して良く混合した乳剤層塗布液をそのままコーティングダイへ送液し、塗布した。
上記乳剤層塗布液の粘度は東京計器のB型粘度計で測定して、40℃(No.1ローター、60rpm)で25[mPa・S]であった。
【0244】
2)中間層塗布液の調製
ポリビニルアルコールPVA−205(クラレ(株)製)の10質量%水溶液772g、顔料−1分散物5.3g、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液226gにエアロゾールOTの5質量%水溶液を2ml、フタル酸二アンモニウム塩の20質量%水溶液を10.5ml、総量880gになるように水を加え、pHが7.5になるようにNaOHで調整して中間層塗布液とし、10ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で65[mPa・S]であった。
【0245】
3)表面保護第1層塗布液の調製
イナートゼラチン64gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液80g、フタル酸の10質量%メタノール溶液を23ml、4−メチルフタル酸の10質量%水溶液23ml、0.5mol/L濃度の硫酸を28ml、エアロゾールOTの5質量%水溶液を5ml、フェノキシエタノール0.5g、ベンゾイソチアゾリノン0.1gを加え、総量750gになるように水を加えて塗布液とし、4質量%のクロムみょうばん26mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを18.6ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター、60rpm)で20[mPa・S]であった。
【0246】
4)表面保護第2層塗布液の調製
イナートゼラチン80gを水に溶解し、メチルメタクリレート/スチレン/ブチルアクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(共重合重量比64/9/20/5/2)ラテックス27.5質量%液102g、フッ素系界面活性剤F−1の5質量%溶液を3.2ml、フッ素系界面活性剤F−2の2質量%水溶液を32ml、エアロゾールOTの5質量%溶液を23ml、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径0.7μm)4g、ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径4.5μm)21g、4−メチルフタル酸1.6g、フタル酸4.8g、0.5mol/L濃度の硫酸44ml、ベンゾイソチアゾリノン10mgに総量650gとなるよう水を添加して、4質量%のクロムみょうばんと0.67質量%のフタル酸を含有する水溶液445mlを塗布直前にスタチックミキサーで混合したものを表面保護層塗布液とし、8.3ml/m2になるようにコーティングダイへ送液した。
塗布液の粘度はB型粘度計40℃(No.1ローター,60rpm)で19[mPa・s]であった。
【0247】
3−3−3.塗布サンプルの作成
バック面と反対の面に下塗り面上に、順に画像形成層、中間層、表面保護第1層、表面保護第2層の順番でスライドビード塗布方式にて同時重層塗布し、熱現像感光材料の試料を作成した。このとき、画像形成層と中間層の塗布液温度は35℃に、保護層第1層の塗布液温度は36℃に、保護層第2層は37℃に温度調整した。
乳剤層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0248】
ベヘン酸銀 6.19
C.I.Pigment Blue 60 0.036
有機ポリハロゲン化合物−1 0.04
有機ポリハロゲン化合物−2 0.12
フタラジン化合物−1 0.21
SBRラテックス 11.1
還元剤錯体−1 1.54
メルカプト化合物−1 0.002
ハロゲン化銀(Agとして) 0.10
【0249】
塗布乾燥条件は以下のとおりである。
塗布はスピード160m/minで行い、コーティングダイ先端と支持体との間隙を0.10〜0.30mmとし、減圧室の圧力を大気圧に対して196〜882Pa低く設定した。支持体は塗布前にイオン風にて除電した。
【0250】
引き続くチリングゾーンにて、乾球温度10〜20℃の風にて塗布液を冷却した後、無接触型搬送して、つるまき式無接触型乾燥装置にて、乾球温度23〜45℃、湿球温度15〜21℃の乾燥風で乾燥させた。
乾燥後、25℃で湿度40〜60%RHで調湿した後、膜面を70〜90℃になるように加熱した。加熱後、膜面を25℃まで冷却した。
【0251】
作製された熱現像感光材料のマット度はベック平滑度で画像形成層面側が550秒、バック面が130秒であった。また、画像形成層面側の膜面のpHを測定したところ6.0であった。
【0252】
以下に本発明の実施例で用いた化合物の化学構造を示す。
【0253】
【化12】
【0254】
【化13】
【0255】
【化14】
【0256】
3−4.写真性能の評価
(準備)
得られた試料は半切サイズに切断し、25℃50%の環境下で以下の包装材料に包装し、2週間常温下で保管した。
(包装材料)
PET 10μm/PE 12μm/アルミ箔9μm/Ny 15μm/カーボン3%を含むポリエチレン50μm、酸素透過率:0.02ml/atm・m2・25℃・day、水分透過率:0.10g/atm・m2・25℃・day。
【0257】
上記の感光材料を以下のように評価を行った。
(感光材料の露光)
感光材料は以下の様にして露光処理を行った。
富士メディカルドライレーザーイメージャーFM−DPLを改造して露光・現像処理を行った。露光はFM−DPL搭載の最大60mW(IIIB)出力の660nm半導体レーザーを100μm×100μmに絞って感材を照射した。レーザーの露光量を段階的に変化させて露光を行った。現像は、FM−DPLの熱現像部を用いて、112℃−119℃−121℃−121℃に設定した4枚のパネルヒーターで、合計24秒であった。
【0258】
(試料の評価) 得られた画像をMacbeth濃度計で濃度測定し露光量の対数に対する濃度の特性曲線を作成した。感度は、未露光の部分の光学濃度を被り(Dmin)とし、最高露光量で露光された部分の濃度をDmaxとした。またDmin+2.0の光学濃度が得られる露光量の逆数を感度とし、試料32の感度を100とした相対値で表した。値が大きいほど感度が高いことを示す。
【0259】
【表3】
【0260】
表3の結果より明らかなように、本発明の構成要件を満たした物は非常に高い分光感度をもたらした。
【0261】
実施例4
(還元剤−2分散物の調製)
還元剤−2を10kgと変性ポリビニルアルコールMP203の10質量%水溶液20kgに、水6kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミルUVM−2にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるように調製し、還元剤−2分散物を得た。こうして得た還元剤分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.38μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた還元剤分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0262】
(水素結合性化合物−1分散物の調製)
水素結合性化合物−1を10kgと変性ポリビニルアルコールMP203の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、よく混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミルUVM−2にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が22質量%になるように調製し、水素結合性化合物−2分散物を得た。こうして得た分散物に含まれる水素結合性化合物粒子は平均粒子サイズはメジアン径で0.35μm、最大粒子径1.5μm以下であった。得られた水素結合性化合物分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0263】
(熱現像感光材料46の作成)
実施例3の試料36と同様にして、ただし還元剤錯体―1の分散物代わりに還元剤−2の分散物と水素結合性化合物−1の分散物を用いることによって熱現像感光材料46を作製した。乳剤層の各化合物の塗布量(g/m2)は以下の通りである。
【0264】
ベヘン酸銀 6.0
還元剤−2 0.76
水素結合性化合物−1 0.59
顔料(C.I.Pigment Blue 60) 0.032
ポリハロゲン化合物−1 0.04
ポリハロゲン化合物−2 0.12
フタラジン化合物−1 0.21
SBRラテックス 11.1
メルカプト化合物−1 0.002
ハロゲン化銀(Agとして) 0.09
【0265】
実施例3と同様に評価を行った結果、実施例3と同様に好ましい結果が得られた。
【0266】
実施例5
実施例4の還元剤−2の代わりに、還元剤―3の化合物(同様に分散物を作成して添加)を用いて、さらに下記の現像促進剤−1の分散物を現像促進剤量として0.01g/m2となるように添加して現像感光材料56を作製した。
熱現像機の搬送速度を変更して熱現像時間14秒で現像処理を行った結果、実施例3と同様に好ましい結果が得られた。
【0267】
(現像促進剤−1分散物の調製)
現像促進剤−1を10kgと変性ポリビニルアルコールMP203の10質量%水溶液20kgに、水10kgを添加して、良く混合してスラリーとした。このスラリーをダイアフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビーズを充填した横型サンドミルUVM−2にて3時間30分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩0.2gと水を加えて還元剤の濃度が20質量%になるように調製し、現像促進剤−1分散物を得た。
【0268】
こうして得た現像促進剤−1粒子はメジアン径0.48μm、最大粒子径1.4μm以下であった。得られた分散物は孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルターにてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0269】
【化15】
【0270】
実施例7
実施例3の沃化銀乳剤と同様に但し臭化銀を6%を混合しかつ塩化銀を10%エピタキシャル形成させた塩臭沃化銀乳剤を調製し、実施例3の試料309及び310と同様にして塗布試料77を得た。実施例3と同様の露光現像処理をおこなったところ、実施例3と同様に好ましい結果が得られた。
【0271】
【発明の効果】
本発明によれば、所望の分光感度に合わせた高い分光感度と保存性に優れた高沃化銀のハロゲン化銀写真乳剤を提供することができ、さらに高感度で低いDmin、高いDmaxを持ち、かつ処理後の光照射に対する画像保存性に優れた熱現像感光材料を提供することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a photographic silver halide emulsion. In particular, the present invention relates to a silver halide photographic emulsion comprising high silver iodide having improved spectral sensitivity, particularly sensitivity in short-time exposure. Further, the present invention relates to a photothermographic material using a high silver iodide emulsion having improved spectral sensitivity.
[0002]
[Prior art]
In recent years, there has been an increasing demand for improving high sensitivity, good storage stability, development progress, gradation, graininess, sharpness, and the like in silver halide photographic light-sensitive materials. The silver halide emulsion is usually exposed with a desired light source, and for this purpose, spectral sensitization matched to the desired light source is performed. However, silver iodobromide emulsions, silver bromide emulsions, silver chlorobromide emulsions and silver chloride emulsions with a silver iodide content as low as 40% or less can be subjected to spectral sensitization relatively easily. In contrast to the reported sensitivity, there is very little specific prior knowledge about the effective spectral sensitization of high silver iodide photographic emulsions having a silver iodide content of 80% to 100%.
[0003]
A specific report on the spectral sensitization of high silver iodide emulsions is that silver iodide can be spectrally sensitized by lowering the pAg. In pAg6, the energy level at the bottom of the silver iodide conductor as viewed from the dye is brominated. Report that it is not different from that of silver (for example, see Non-Patent Document 1), Report that cyanine dye adsorption is stronger for silver iodide than silver bromide (for example, see Non-Patent Document 2) Disclosure of spectral sensitization of silver iodide by anionic cyanine, particularly J-band anionic cyanine (see, for example, Patent Document 2), or high-silver iodide, a polarographic half-wave oxidation potential (hereinafter referred to as Eox) Of a sensitizing dye having a difference (Eox-Ered) greater than 2.0 V and a difference between Eox and a polarographic half-wave reduction potential (hereinafter referred to as Ered) of more than 2.0 V is well spectrally sensitized. Disclosures (eg patents Document 1 reference) is not only to a certain.
However, even if these methods are used, the high silver iodide photographic emulsion can be spectrally sensitized, but the odor
Even when compared with silver halide emulsions and the like, the sensitivity was far lower than the obtained sensitivity, and the sensitivity was not far from a practically useful level.
In addition, in the absence of a strong halogen acceptor, it has been reported that silver iodide is not very sensitive due to the strong oxidation of iodine radicals caused by exposure. It has been suggested that spectral sensitization is also difficult due to the strong oxidation of radicals (see, for example, Non-Patent Document 3).
[0004]
In recent years, in the medical field and the printing plate making field, dry development of photographic development processing is strongly desired from the viewpoint of environmental protection and space saving. In these areas, digitization has progressed, and image information is captured and stored on a computer, stored, and processed if necessary, and output to photosensitive materials by laser image setter or laser imager where necessary by communication. However, systems for developing and creating images on the spot are rapidly spreading. As a photosensitive material, it is necessary to form a clear black image that can be recorded by laser exposure with high illuminance and has high resolution and sharpness. As such digital imaging recording materials, various hard copy systems using pigments and dyes such as inkjet printers and electrophotography are distributed as general image forming systems, but the diagnostic ability is determined like medical images. It is unsatisfactory in terms of image quality (sharpness, graininess, gradation, color tone) and recording speed (sensitivity), and has not yet reached a level that can replace the conventional silver salt film for wet development.
[0005]
On the other hand, thermal imaging systems using organic silver salts are disclosed in, for example, the specifications of U.S. Pat. “Thermally Processed Silver Systems” (Imaging Processes and Materials) Nebelte 8th Edition, Sturge. (Walworth), A. Shepp (2nd page, 1996). In particular, a photothermographic material generally contains a photosensitive silver halide, a reducing agent, a reducible silver salt (eg, an organic silver salt), and, if necessary, a toning agent for controlling the color tone of silver dispersed in a binder matrix. A photosensitive layer.
[0006]
The photothermographic material is heated to a high temperature (for example, 80 ° C. or higher) after image exposure, and is blackened by an oxidation-reduction reaction between silver halide or a reducible silver salt (functioning as an oxidizing agent) and a reducing agent. Form a silver image. The oxidation-reduction reaction is promoted by the catalytic action of the latent image of silver halide generated by exposure. As a result, a black silver image is formed in the exposed area. The photothermographic material is disclosed in many documents including US Pat. No. 2,910,377 and Japanese Patent Publication No. 43-4924. In addition, Fuji Medical Dry Imager FM-DP L is practically used as a medical image forming system. Released.
[0007]
In such an image forming system using an organic silver salt, since there is no fixing step, image storage stability after development processing, in particular, deterioration of printout when exposed to light has been a serious problem. US Pat. No. 6,143,488 and EP 0922995 disclose a method of utilizing silver iodide formed by converting an organic silver salt as means for improving the printout. However, sufficient sensitivity cannot be obtained by the method of converting an organic silver salt as disclosed herein with iodine, and it has been difficult to build an actual system. Other light-sensitive materials using silver iodide are described in WO97-48014, WO48015, US-6165705, JP-A-8-297345, Japanese Patent No. 2785129, etc., all of which have sufficient sensitivity and fogging. The level was not achieved, and it could not withstand practical use as a laser exposure sensitive material.
[0008]
[Patent Document 1]
JP 49-17719
[Patent Document 2]
JP 56-164338 A
[Non-Patent Document 1]
P. B. Gilman, Photographic Science and Engineering, 18 (5), 475 (issued in 1974)
[Non-Patent Document 2]
W. L. Gardner, Photographic Science and Engineering, 18 (5), 475 (issued in 1974)
[Non-Patent Document 3]
T.A. H. James, Photographic Science and Engineering, Volume 5, 216 (issued in 1961)
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a high silver iodide photographic emulsion having high spectral sensitivity. A second object of the present invention is to provide a photothermographic material having high sensitivity, low Dmin, high Dmax, and excellent image storability to light after development processing.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The above object of the present invention has been achieved by the following silver halide photographic emulsion of the present invention and a photothermographic material.
(1) Contains 80 mol% or more and 100 mol% or less of silver iodide and has a pAg of 5.0 or less
A silver halide photographic emulsion having a cyanine dye having an Ered lower than -1.35 V and a Log P of 0.8 or higher in a silver halide photographic emulsion having a lower value of 1.5 or higher emulsion.
(2) At least one type of photosensitive silver halide on one side of the support, non-photosensitive
In a photothermographic material containing an organic silver salt, a reducing agent and a binder, the photosensitive silver halide contains from 80 mol% to 100 mol% of silver iodide, and the pAg is from 5.0 to 1. A heat-developable image-recording material comprising a cyanine dye having an Ered of 5 or more, a base less than -1.35 V, and a Log P of 0.8 or more.
(3) The heat-developable image recording material according to (2), wherein the photosensitive silver halide contains 90 mol% or more and 100 mol% or less of silver iodide.
(4) The heat-developable image recording material of (2) and (3), wherein the photosensitive silver halide has a grain size of 10 nm to 45 nm.
(5) The heat-developable image recording material according to any one of (2) to (4), wherein the photosensitive silver halide is contained in an amount of 1 to 7 moles per mole of the non-photosensitive organic silver salt.
(6) The heat development according to any one of (2) to (5), wherein the photosensitive silver halide emulsion is previously grain-formed and chemically sensitized and then mixed with the non-photosensitive organic silver salt. Photosensitive material.
(7) Under the conditions that pAg is 5.0 or less, preferably 4.0 or less, and pAg is 1.5 or more, preferably 2.0 or more, more preferably 2.5 or more, Ered is -1. The high silver iodide photographic emulsion as described in (1), which is spectrally sensitized with a cyanine dye having a base of less than 2 V and a Log P of 0.7 or more.
(8) The silver halide photographic emulsion according to (1), wherein the photosensitive silver halide grains have an epitaxially formed portion, preferably containing silver bromide or silver chloride. (9) The silver halide photographic emulsion according to (1), wherein the photosensitive silver halide grains contain dislocation lines and lattice defects.
(10) The photosensitive silver halide grain has a grain size of 0.5 μm or less, preferably 0.1 μm or less, more preferably 0.05 μm or less, and 0.005 μm or more. The silver halide photographic emulsion according to (1) having a coefficient of 30% or less, preferably 25% or less, particularly preferably 20% or less.
(11) A chalcogen sensitization method under conditions where pAg is 5.0 or less, preferably 4.0 or less, and pAg is 1.5 or more, preferably 2.0 or more, more preferably 2.5 or more. The silver halide photographic emulsion as described in (1), which is chemically sensitized by at least one of a gold sensitization method and a reduction sensitization method.
(12) The photosensitive silver halide grain according to (1), wherein the photosensitive silver halide grain further contains a group 8 metal, for example, Fe, Ir, Ru, Rh, Os, and the like, and further includes an inorganic or organic 4 to 6 coordination complex thereof. Silver halide photographic emulsion.
(13) The silver halide photographic emulsion described in (1), which contains the FED compound described in US Pat. Nos. 5,413,905, 5,482,825, 5,747,235, 5,747,236, 5,994,051, and 6,054,260.
(14) The photothermographic material according to (2), wherein the photosensitive silver halide emulsion is a silver halide photographic emulsion according to (7) to (13).
(15) The silver halide photographic emulsion as described in (1), which is exposed with a laser beam, and the photothermographic material as described in (2).
(16) The photothermographic material according to (15), wherein the peak wavelength of the laser beam is from 600 nm to 900 nm.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
[0012]
1. Silver halide photographic emulsion
The photosensitive silver halide photographic emulsion used in the present invention is a high silver iodide emulsion having a high silver iodide content of 80 to 100 mol%. This emulsion has an Ered of from −1.35 V under conditions where the pAg is 5.0 or less, preferably 4.0, and the pAg is 1.5 or more, preferably 2.0 or more, particularly preferably 2.5 or more. The present invention can be achieved by spectral sensitization with a cyanine dye that is base and has a Log P of 0.8 or more.
[0013]
1-1. Spectral sensitization
Spectral sensitization is a technology that adsorbs spectral sensitizing dyes to silver halide grains and sensitizes silver halide grains in the desired wavelength region. To provide spectral sensitivity suitable for the spectral characteristics of the exposure light source. It is necessary that the spectral sensitizing dye can be adsorbed on the silver halide grains, and the absorption of the sensitizing dye in the adsorbed state needs to match the spectral characteristics of the exposure light source as much as possible. The photothermographic material of the present invention is preferably spectrally sensitized so as to have a spectral sensitivity peak at 450 nm to 900 nm, particularly 600 nm to 900 nm.
A preferred spectral sensitizing dye for use in the present invention is a cyanine dye having a LogP whose polarographic reduction potential is lower than -1.35 V and 0.8 or more.
[0014]
As described above, W. Photographic Science and Engineering, Vol. 21, No. 6, p. 325, issued in 1977. H. Gardner reports that the adsorption of cyanine dyes to silver iodide grains is stronger than that to silver bromide, and in Tokuyo 2,785,129, anionic cyanine dyes are excellent in spectral sensitization of silver iodide. However, such a fact was not observed in most cyanine dyes. Aside from those with very high hydrophilicity, even anionic cyanine dyes with low hydrophobicity adsorb well to silver bromide grains and silver iodobromide grains of 20 mol% or less of silver iodide. As is well known, the adsorption of the present invention on high silver iodide was very bad, contrary to the prediction from the previous literature. For example, the adsorption rate of silver cyanide grains with an anion cyanine having LogP of 0.6 position, which is an index of hydrophilicity / hydrophobicity, was only 50% or less. With such cyanine dyes, even if Ered is sufficiently low enough to exceed the threshold for spectral sensitization, adsorption is poor, so that only low spectral sensitivity can be obtained.
[0015]
Under such circumstances, it has been found that by increasing the LogP of the cyanine dye, the adsorption onto the high silver iodide grains can be improved as much as silver bromide. That is, it was found that LogP should be 0.8 or more. More preferably, LogP may be 1.0 or more. However, even if such a dye capable of adsorbing well is used, high spectral sensitivity is not always obtained with a high silver iodide emulsion. For example, with silver bromide emulsions, good spectral sensitivity can be obtained with Ered of -1.30 V or higher, but high sensitivity is not necessarily obtained with the high silver iodobromide emulsion of the present invention, and Ered is -1.35 V. High spectral sensitivity can be obtained for the first time by applying spectral sensitization while keeping the emulsion of a more base cyanine dye at a pAg of 5.0 or less and 1.5 or more, more preferably pAg of 4.0 or less and 2.0 or more. I found out. Moreover, as a cyanine dye, what gives J band type | mold absorption is preferable since it brings a higher light absorption rate.
[0016]
Specific examples of the sensitizing dye of the present invention include patents described in, for example, Research Disclosure 176 volume item 17643 (RD17643), 187 volume item 18716 (RD18716) and 308 volume item 308119 (RD308119). Cyanine dyes as described in the specification and having an Ered lower than -1.35 V and a Log P of 0.8 or higher are included.
[0017]
Polarographic half-wave reduction potential (Ered) of the sensitizing dye is Tani, Ozeki, Seki Journal of the Electrochemical Society (T. Tani, K. Ohzeki, K. Seki, Journal of the Electrochemical Society), Vol. 1411. Journal of Imaging Science (J. Lenhard, Journal of Imaging Science), Vol. 30, page 27, phase discrimination second harmonic AC voltammetry method may be used.
In addition, Log P of the sensitizing dye in the present invention was calculated from the retention time of liquid chromatography according to the following formula.
[0018]
LogP = Log {(tR-T0) / T0}
[0019]
Where tRIs the retention time of the sensitizing dye, t0Is the retention time of the non-retained substance (KI). The measurement conditions for liquid chromatography are as follows. The column was ODS-80TS (manufactured by TOSO), and the eluent was a solution containing 0.2% acetic acid and triethylamine in a methanol / water (60:40) mixed solution, and the measurement was performed at 25 ° C. For dyes with a long retention time, measurement was performed with an eluent of methanol / water (70:30) containing acetic acid and triethylamine in an amount of 0.2%, and the above methanol / water (60:40) was determined from the calibration curve. Converted to eluent.
[0020]
In order to add and contain the sensitizing dye in the high silver iodide emulsion of the present invention, a conventional method known to those skilled in the art may be used. That is, it may be directly dispersed in the emulsion, or a solvent such as water, methanol, ethanol, propanol, acetone, methyl cellosolve, 2,2,3,3-tetrafluoropropanol, acetonitrile, N, N-dimethylformamide. May be dissolved alone or in a mixed solvent. Further, a method of dissolving a dye as described in US Pat. No. 3,469,987 in a volatile organic solvent, and adding a solution obtained by finely dispersing the solution in water or a hydrophilic colloid to the emulsion, As described in JP-B-46-23,389, JP-B-44-27,555, JP-B-57-22,091, etc., the dye is dissolved in an acid, and the solution is added to the emulsion. A method of adding an acid or base in the form of an aqueous solution and adding it as it is to the emulsion, or adding a dispersion dispersed in a hydrophilic colloid to the emulsion, US Pat. No. 3,822,135, US Pat. No. 4,006 , 025, etc., a method of adding an aqueous solution or colloidal fine dispersion in the emulsion in the presence of a surfactant, JP-A-53-102,733, JP-A-58- As described in No. 105,141 In water or a hydrophilic colloid dye is directly finely dispersed in can also be used, or addition of the dispersion to an emulsion.
The sensitizing dyes of the present invention may be used alone or in combination of two or more dyes related to the present invention or in combination with sensitizing dyes other than the present invention.
[0021]
The time when the sensitizing dye used in the present invention is added to the high silver iodide emulsion of the present invention has been recognized as useful in other emulsions such as silver iodobromide emulsion and silver chlorobromide. It may be during any step of emulsion preparation. For example, US Patent 2,735,766, US Patent 3,628,960, US Patent 4,183,756, US Patent 4,225,666, JP 58-184142, JP As disclosed in the specification of JP-A-60-196,749, etc., chemical ripening starts at the time of silver halide grain formation or / and before desalting, during and / or after desalting. As disclosed in the specification of Japanese Patent Application Laid-Open No. 58-113,920, the emulsion at the time immediately before the start of chemical ripening or during the process, and the time until coating after chemical ripening is applied. It may be added in the process at any time before. Further, as disclosed in the specifications of US Pat. No. 4,225,666 and JP-A-58-7,629, the same sensitizing dye may be used alone or in combination with a compound having a different structure, for example, It may be added separately in different processes such as in the same process or in the particle formation process and in the chemical ripening process or after completion of chemical ripening, or in the process before or during chemical ripening or after completion of chemical ripening, The compound to be added in a divided manner and the combination of the compounds may be changed and added.
Further, a predetermined amount may be added in a short time, or for a long time, for example, after nucleation in the particle formation process until the completion of particle formation or most of the chemical ripening process in any process. Or you may add intermittently. In this case, the addition rate may be a constant flow rate, or the flow rate may be accelerated or decelerated. However, it is more preferable to add at least a predetermined amount at a time when the addition starts.
There is no particular limitation on the timing of addition of a compound having a base Eox of 0.2 V or higher than Eox of the sensitizing dye, but it is more preferable to add the compound simultaneously with the sensitizing dye or after adding the sensitizing dye.
Although the temperature to add may be arbitrary, 20 to 75 degreeC is normally used. The addition and aging may be performed at a constant temperature, or the temperature during addition may be changed, or the temperature at the time of aging after addition may be changed. It is more preferable to add at least a part of the predetermined amount at a time at 45 ° C. or less within a short time, then raise the temperature to 50 ° C. to 65 ° C., ripen, or add the rest.
[0022]
The addition amount of the sensitizing dye in the present invention can be set to a desired amount according to the sensitivity and fogging performance, but the surface area of the silver halide grains in the photosensitive layer is 1 m.21x10 per-7~ 3.5x10-6Moles are preferred, more preferably 8 × 10-7~ 2x10-6Is a mole.
[0023]
In the present invention, a supersensitizer can be used to further improve the spectral sensitization efficiency. Supersensitizers that can be used in the present invention include European Patent Publication No. 587,338, U.S. Pat. Nos. 3,877,943, 4,873,184, JP-A-5-341432, 11 -109547, 10-111543, etc. are mentioned.
[0024]
1-2. Silver iodide content
It is important that the photosensitive silver halide used in the present invention has a high silver iodide content of 80 to 100 mol%. The rest is not particularly limited and can be selected from silver chloride, silver bromide, or organic silver salts such as silver thiocyanate and silver phosphate. Silver bromide and silver chloride are particularly preferred. By using such a silver halide composition having a high silver iodide content, it is possible to design a preferable photothermographic material in which image storability after development processing, in particular, an increase in fog due to light irradiation is remarkably small. Further, the silver iodide content is preferably 85 mol% or more and 100 mol% or less, and particularly preferably 90 mol% or more and 100 mol% or less from the viewpoint of image storability against light irradiation after processing.
[0025]
The distribution of the halogen composition in the grains may be uniform, the halogen composition may be changed stepwise, or may be continuously changed. Further, silver halide grains having a core / shell structure can also be preferably used. A preferable structure is a 2- to 5-fold structure, more preferably 2- to 4-fold core / shell particles. A core high silver iodide structure having a high silver iodide content in the core portion or a shell high silver iodide structure having a high silver iodide content in the shell portion can also be preferably used. Further, a technique of localizing silver chloride or silver bromide as an epitaxial portion on the surface of the grain can be preferably used.
[0026]
1-3. Silver halide grain size
The grain size of the high silver iodide used in the present invention is not particularly limited, but is preferably 0.5 μm or less, preferably 0.2 μm or less, particularly preferably 0.10 μm or less.
In particular, when used in a photothermographic material, if the silver halide size is large, the amount of silver halide applied to achieve the required maximum density increases. In the case where a silver halide having a high silver iodide content is used in the photothermographic material, the inventor of the present invention significantly reduces development and lowers the sensitivity when the coating amount is large, and stabilizes the density with respect to development time. It has been found that the maximum density cannot be obtained within a predetermined development time when the particle size exceeds a certain level. On the other hand, it has been found that if the amount added is limited, silver iodide has sufficient developability.
Thus, in order to achieve a sufficient maximum optical density with a photothermographic material, the size of silver halide grains must be sufficiently small. The preferred silver halide grain size is 5 nm or more and 70 nm or less, and more preferably 5 nm or more and 55 nm or less. Especially preferably, it is 10 nm or more and 45 nm or less. The term “particle size” as used herein means an average diameter when converted into a circular image having the same area as the projected area observed with an electron microscope.
[0027]
1-4. Amount of silver halide applied
The coating amount of such silver halide grains is 0.5 mol% or more and 15 mol% or less, preferably 0.5 mol% or more and 12 mol% or less with respect to 1 mol of silver of the non-photosensitive organic silver salt described later. More preferably, it is 10 mol% or less. It is more preferably 1 mol% or more and 9 mol% or less, and particularly preferably 1 mol% or more and 7 mol% or less. In order to suppress the remarkable development inhibition by the silver halide having a high silver iodide content found by the present inventor, the selection of the addition amount is extremely important.
[0028]
1-5. Method for forming silver halide grains
Methods for forming photosensitive silver halide are well known in the art, for example using the methods described in Research Disclosure No. 17029 of June 1978 and US Pat. No. 3,700,458. Specifically, a method in which a photosensitive silver halide is prepared by adding a silver supply compound and a halogen supply compound to gelatin or another polymer solution and then mixed with an organic silver salt is used. Further, the method described in paragraph Nos. 0217 to 0224 of JP-A No. 11-119374, and the method described in JP-A No. 11-352627 and Japanese Patent Application No. 2000-42336 are also preferable.
Examples of the shape of silver halide grains include cubes, octahedrons, tabular grains, spherical grains, rod-shaped grains, and potato-shaped grains. The silver halide having a high silver iodide content composition of the present invention can take a complicated form. L. JENKINS et al. J of Photo. Sci. Vol. 28 (1980), p164-FIG1. FIG. Tabular grains as shown in Fig. 1 are also preferably used. Grains with rounded corners of silver halide grains can also be preferably used. The surface index (Miller index) of the outer surface of the photosensitive silver halide grain is not particularly limited, but the ratio of the [100] plane having high spectral sensitization efficiency when the spectral sensitizing dye is adsorbed is high. preferable. The ratio is preferably 50% or more, more preferably 65% or more, and still more preferably 80% or more. The ratio of the Miller index [100] plane is determined by T.T. Tani; Imaging Sci. 29, 165 (1985).
[0029]
1-6. Heavy metal ions
The photosensitive silver halide grain of the present invention can contain a metal or metal complex of Group 8 to Group 10 of the Periodic Table (showing Groups 1 to 18). As the central metal of the group 8 to group 10 metal or metal complex of the periodic table, rhodium, ruthenium and iridium are preferable. One kind of these metal complexes may be used, or two or more kinds of complexes of the same metal and different metals may be used in combination. The preferred content is 1 x 10 per mole of silver.-9From mole to 1 × 10-3A molar range is preferred. These heavy metals and metal complexes and methods for adding them are described in JP-A-7-225449, JP-A-11-65021, paragraphs 0018 to 0024, and JP-A-11-119374, paragraphs 0227 to 0240.
[0030]
In the present invention, silver halide grains in which a hexacyano metal complex is present on the outermost surface of the grains are preferred. As the hexacyano metal complex, [Fe (CN)6]4-, [Fe (CN)6]3-, [Ru (CN)6]4-, [Os (CN)6]4-, [Co (CN)6]3-, [Rh (CN)6]3-, [Ir (CN)6]3-, [Cr (CN)6]3-, [Re (CN)6]3-Etc. In the present invention, a hexacyano Fe complex is preferred.
The hexacyano metal complex is present in the form of ions in aqueous solution, so the counter cation is not important, but it is easy to mix with water and is suitable for precipitation of silver halide emulsions. Sodium ion, potassium ion, rubidium It is preferable to use alkali metal ions such as ions, cesium ions, and lithium ions, ammonium ions, and alkylammonium ions (for example, tetramethylammonium ions, tetraethylammonium ions, tetrapropylammonium ions, tetra (n-butyl) ammonium ions).
In addition to water, the hexacyano metal complex is miscible with a mixed solvent or gelatin with an appropriate organic solvent miscible with water (for example, alcohols, ethers, glycols, ketones, esters, amides, etc.). Can be added.
[0031]
The amount of hexacyano metal complex added is 1 × 10 5 per mole of silver.-51 x 10 moles or more-2Or less, more preferably 1 × 10-41 x 10 moles or more-3It is below the mole.
In order for the hexacyano metal complex to be present on the outermost surface of the silver halide grain, the chalcogen sensitization of sulfur sensitization, selenium sensitization and tellurium sensitization is completed after the addition of the aqueous silver nitrate solution used for grain formation. It is added directly before the completion of the preparation step before the chemical sensitization step for performing noble metal sensitization such as sensitization and gold sensitization, during the washing step, during the dispersion step, or before the chemical sensitization step. In order to prevent the silver halide fine grains from growing, it is preferable to add the hexacyano metal complex immediately after the grain formation, and it is preferable to add it before the completion of the preparation step.
The addition of the hexacyano metal complex may be started after adding 96% by mass of the total amount of silver nitrate to be added to form grains, more preferably starting after adding 98% by mass, The addition of 99% by mass is particularly preferable.
When these hexacyanometal complexes are added after the addition of the aqueous silver nitrate solution just before the completion of grain formation, they can be adsorbed on the outermost surface of the silver halide grains, and most of them form slightly soluble salts with silver ions on the grain surface. To do. This silver salt of hexacyanoiron (II) is a less soluble salt than AgI, so that re-dissolution by fine particles can be prevented and silver halide fine particles having a small particle size can be produced. .
[0032]
Furthermore, regarding the metal atoms that can be contained in the silver halide grains used in the present invention, and methods for desalting and chemically sensitizing silver halide emulsions, paragraph numbers 0046 to 0050 of JP-A No. 11-84574, No. 65021, paragraph numbers 0025 to 0031 and JP-A No. 11-119374, paragraph numbers 0242 to 0250.
[0033]
1-7. Chemical sensitization
P. Sulfur sensitizing method using unstable sulfur compounds described in Grafkides, Chimie et Physique Photographie (Paul Momtel, published in 1987, 5th edition), Research Disclosure 307, 307105, etc. No. 13489, No. 44-15748, JP-A-4-25832, No. 4-109340, No. 4-271341, No. 5-40324, No. 5-11385, Japanese Patent Application No. 4-202415, No. 4 -329595, 4-333030, 5-4203, 5-4204, 5-106977, 5-236538, 5-241642, 5-286916, etc. Selenium sensitization method using selenium compound No. 224595, No. 4-271341, No. 4-3333043, No. 5-303157, No. 6-27573, No. 6-175258, No. 6-180478, No. 6-208186, No. 6-208184 No. 6-317867, No. 7-140579, No. 7-301879, No. 7-301880, etc., and a chalcogen sensitizing method such as tellurium sensitization using an unstable tellurium compound. I can do it.
In the present invention, selenium sensitization and tellurium sensitization are particularly preferred, and tellurium sensitization is particularly preferred.
P.P. Gold sensitizers described in Grafkides, Chimie et Physique Photographic (published by Paul Momtel, 1987, 5th edition), Research Disclosure 307, 307105, metals other than gold, platinum, palladium, etc. Salt can also be used.
Although gold sensitization can be used alone, it is preferably used in combination with the chalcogen sensitization described above. Specifically, gold sulfur sensitization, gold selenium sensitization, gold tellurium sensitization, gold sulfur selenium sensitization, gold sulfur tellurium sensitization, gold selenium tellurium sensitization, and gold sulfur selenium tellurium sensitization.
Furthermore, reduction sensitization can be used in combination with chalcogen sensitization or gold sensitization in the present invention. In particular, it is preferably used in combination with chalcogen sensitization.
The photosensitive silver halide grains in the present invention are required to be chemically sensitized by at least one of gold sensitization and chalcogen sensitization from the viewpoint of designing a high-sensitivity photothermographic material.
[0034]
The photosensitive silver halide emulsion in the present invention preferably contains an FED sensitizer (Fragmentable electron donating sensitizer) as a compound that generates two electrons by one photon. As the FED sensitizer, compounds described in U.S. Pat. Nos. 5,413,905, 5,482,825, 5,747,235, 5,747,236, 6,052,260, 5,994051, and Japanese Patent Application No. 2001-86161 are preferable. As the step of adding the FED sensitizer, any process of the photosensitive emulsion production process from crystal growth to the preparation process immediately before coating is preferable. The amount added varies depending on various conditions, but as a guideline, it is 10 per mol of silver halide.-7From mole 10-1Mole, more preferably 10-6Mol ~ 5 × 10-2Is a mole.
[0035]
1-8. gelatin
Various gelatins can be used as the gelatin contained in the photosensitive silver halide emulsion used in the present invention. In order to satisfactorily maintain the dispersion state of the photosensitive silver halide emulsion in the organic silver salt-containing coating solution, it is preferable to use low molecular weight gelatin having a molecular weight of 500 to 60,000. These low molecular weight gelatins may be used at the time of particle formation or dispersion after desalting, but are preferably used at the time of dispersion after desalting.
[0036]
1-9. Combined use of silver halide
The photosensitive silver halide emulsion in the photothermographic material used in the present invention may be one kind or two or more kinds (for example, those having different average grain sizes, those having different halogen compositions, those having different crystal habits, Those having different chemical sensitization conditions) may be used in combination. The gradation can be adjusted by using a plurality of types of photosensitive silver halides having different sensitivities. Examples of these technologies include JP-A-57-119341, 53-106125, 47-3929, 48-55730, 46-5187, 50-73627, 57-150841 and the like. Can be mentioned. The sensitivity difference is preferably 0.2 log E or more for each emulsion.
[0037]
1-10. Method of mixing silver halide and organic silver salt
It is particularly preferred that the photosensitive silver halide grains of the present invention are formed in the absence of non-photosensitive organic silver salt and chemically sensitized. This is because sufficient sensitivity may not be achieved by the method of forming silver halide by adding a halogenating agent to the organic silver salt.
As a method for forming silver halide in the absence of non-photosensitive organic silver salt, a photosensitive silver halide and an organic silver salt prepared separately are mixed with a high-speed stirrer, ball mill, sand mill, colloid mill, Examples thereof include a method of mixing with a vibration mill, a homogenizer, or the like, or a method of preparing an organic silver salt by mixing photosensitive silver halide that has been prepared at any timing during the preparation of the organic silver salt. In any method, the effects of the present invention can be preferably obtained.
The preferred addition timing of the silver halide of the present invention to the image forming layer coating solution is from 180 minutes before coating to immediately before, preferably from 60 minutes to 10 seconds before coating. There is no particular limitation as long as the effect is sufficiently exhibited. Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid fed to the coater is a desired time, and N.I. Harnby, M.M. F. Edwards, A.D. W. There is a method using a static mixer described in Chapter 8 of Nienow's Koji Takahashi "Liquid Mixing Technology" (published by Nikkan Kogyo Shimbun, 1989).
[0038]
2. Photothermographic material
The photothermographic material of the present invention has an image forming layer containing at least one kind of the above-mentioned photosensitive silver halide, non-photosensitive organic silver salt, reducing agent and binder on one surface of the support. . Preferably, an intermediate layer and a surface protective layer may be provided on the image forming layer, or a back layer and a back protective layer may be provided on the opposite surface.
The configuration of each layer and preferred components thereof will be described in detail.
[0039]
2-1. Image forming layer
2-1-1. Organic silver salt
The organic silver salt that can be used in the present invention is relatively stable to light, but is 80 ° C. or higher in the presence of an exposed photocatalyst (such as a latent image of photosensitive silver halide) and a reducing agent. It is a silver salt that forms a silver image when heated above. The organic silver salt may be any organic material that contains a source of reducible silver ions.
With regard to such a non-photosensitive organic silver salt, paragraph Nos. 0048 to 0049 of JP-A No. 10-62899, page 18, line 24 to page 19, line 37 of European Patent No. 0803764A1, European Patent No. 09681212A1. And JP-A-11-349591, JP-A-2000-7683, JP-A-2000-72711, and the like. Silver salts of organic acids are preferable, and silver salts of long-chain aliphatic carboxylic acids (having 10 to 30 carbon atoms, preferably 15 to 28 carbon atoms) are particularly preferable.
Preferable examples of the organic silver salt include silver behenate, silver arachidate, silver stearate, silver oleate, silver laurate, silver caproate, silver myristate, silver palmitate, and a mixture thereof. In the present invention, among these organic silver salts, it is preferable to use organic acid silver having a silver behenate content of 75 mol% or more.
[0040]
The shape of the organic silver salt that can be used in the present invention is not particularly limited, and may be a needle shape, a rod shape, a flat plate shape, or a flake shape, preferably a needle shape or flake shape, and particularly preferably a flake shape.
In the present specification, the scaly organic silver salt is defined as follows. The organic acid silver salt was observed with an electron microscope, the shape of the organic acid silver salt particle was approximated to a rectangular parallelepiped, and the sides of the rectangular parallelepiped were designated as a, b, and c from the shortest side (c was the same as b). Then, the shorter numerical values a and b are calculated, and x is obtained as follows.
[0041]
x = b / a
[0042]
In this way, x is obtained for about 200 particles, and when the average value x (average) is obtained, particles satisfying the relationship of x (average) ≧ 1.5 are defined as flakes. Preferably, 30 ≧ x (average) ≧ 1.5, more preferably 15 ≧ x (average) ≧ 1.5. Incidentally, the needle shape is 1 ≦ x (average) <1.5.
In the flake shaped particle, a can be regarded as a thickness of a tabular particle having a main plane with b and c as sides. The average of a is preferably from 0.01 μm to 0.3 μm, and more preferably from 0.1 μm to 0.23 μm. The average of c / b is preferably 1 or more and 9 or less, more preferably 1 or more and 6 or less, still more preferably 1 or more and 4 or less, and particularly preferably 1 or more and 3 or less.
[0043]
The particle size distribution of the organic silver salt is preferably monodispersed. Monodispersion is preferably 100% or less, more preferably 80% or less, and even more preferably 50% of the value obtained by dividing the standard deviation of the lengths of the short and long axes by the short and long axes. It is as follows. The method for measuring the shape of the organic silver salt can be determined from a transmission electron microscope image of the organic silver salt dispersion. As another method for measuring monodispersity, there is a method for obtaining the standard deviation of the volume weighted average diameter of the organic silver salt, and the percentage (variation coefficient) of the value divided by the volume weighted average diameter is preferably 100% or less, more Preferably it is 80% or less, More preferably, it is 50% or less.
[0044]
As a measuring method, for example, an organic silver salt dispersed in a liquid can be measured with a commercially available laser light scattering particle size measuring device.
[0045]
Known methods and the like can be applied to the production and dispersion method of the organic silver salt used in the present invention. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-62899, European Patent Publication No. 0803563A1, European Patent Publication No. 0968212A1, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-349591, Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-7683, Japanese Patent Application No. 2000-72711, Japanese Patent Application No. 11-348228- No. 30, No. 11-203413, Japanese Patent Application No. 2000-90093, No. 2000-195621, No. 2000-191226, No. 2000-213813, No. 2000-214155, No. 2000-191226, etc. be able to.
[0046]
In addition, when the photosensitive silver salt is allowed to coexist at the time of dispersion of the organic silver salt, the fog is increased and the sensitivity is remarkably reduced. Therefore, it is more preferable that the photosensitive silver salt is not substantially contained at the time of dispersion. In the present invention, the amount of the photosensitive silver salt in the aqueous dispersion to be dispersed is not more than 0.1 mol% with respect to 1 mol of the organic acid silver salt in the liquid. It is desirable not to do this.
[0047]
The organic silver salt of the present invention can be used in a desired amount, but the amount of silver is 0.1 to 5.0 g / m.2Is more preferable, and 1.0 to 3.0 g / m is more preferable.2More preferably, 1.2 to 2.5 g / m2It is.
[0048]
2-1-2. Reducing agent
The photothermographic material of the present invention contains a reducing agent for organic silver salt. The reducing agent may be any substance (preferably an organic substance) that can reduce silver ions to metallic silver. Examples of the reducing agent are disclosed in JP-A No. 11-65021, paragraph numbers 0043 to 0045, European Patent No. 0803764, p. 7, lines 34-p. 18th and 12th lines.
[0049]
A preferable reducing agent used in the present invention is a so-called hindered phenol reducing agent having a substituent at the ortho position of the phenolic hydroxyl group, or a bisphenol reducing agent. Particularly preferred are compounds represented by the following general formula (I).
[0050]
Formula (I)
[Chemical 1]
[0051]
In general formula (I), R11And R11Each independently represents an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. R12And R12Each independently represents a hydrogen atom or a substituent that can be substituted on the benzene ring. L is a -S- group or -CHR.13-Represents a group. R13Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms. X1And X1Each independently represents a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring.
[0052]
Each substituent will be described in detail.
1) R11And R11’
R11And R11Each independently represents a substituted or unsubstituted alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the substituent of the alkyl group is not particularly limited, but is preferably an aryl group, a hydroxy group, an alkoxy group, an aryloxy group. Group, alkylthio group, arylthio group, acylamino group, sulfonamido group, sulfonyl group, phosphoryl group, acyl group, carbamoyl group, ester group, halogen atom and the like.
[0053]
2) R12And R12', X1And X1’
R12And R12Each independently represents a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring.
X1And X1Each independently represents a hydrogen atom or a group capable of substituting for a benzene ring. Preferred examples of each group that can be substituted on the benzene ring include an alkyl group, an aryl group, a halogen atom, an alkoxy group, and an acylamino group.
[0054]
3) L
L is a -S- group or -CHR.13-Represents a group. R13Represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, and the alkyl group may have a substituent.
R13Specific examples of the unsubstituted alkyl group include methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, heptyl group, undecyl group, isopropyl group, 1-ethylpentyl group, 2,4,4-trimethylpentyl group and the like. .
[0055]
Examples of substituents for alkyl groups are R11In the same manner as the above substituent, a halogen atom, an alkoxy group, an alkylthio group, an aryloxy group, an arylthio group, an acylamino group, a sulfonamide group, a sulfonyl group, a phosphoryl group, an oxycarbonyl group, a carbamoyl group, a sulfamoyl group and the like can be mentioned.
[0056]
4) Preferred substituents
R11And R11'Is preferably a secondary or tertiary alkyl group having 3 to 15 carbon atoms, specifically, isopropyl group, isobutyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, cyclopentyl. Group, 1-methylcyclohexyl group, 1-methylcyclopropyl group and the like. R11And R11'Is more preferably a tertiary alkyl group having 4 to 12 carbon atoms, among which a t-butyl group, a t-amyl group, and a 1-methylcyclohexyl group are more preferable, and a t-butyl group is most preferable.
[0057]
R12And R12'Is preferably an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, specifically, methyl group, ethyl group, propyl group, butyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, cyclohexyl group, 1-methyl group. Examples include cyclohexyl group, benzyl group, methoxymethyl group, methoxyethyl group and the like. More preferred are methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group and t-butyl group.
[0058]
X1And X1'Is preferably a hydrogen atom, a halogen atom or an alkyl group, more preferably a hydrogen atom.
L is preferably -CHR13-Group.
[0059]
R13Is preferably a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 15 carbon atoms, and the alkyl group is preferably a methyl group, an ethyl group, a propyl group, an isopropyl group, or a 2,4,4-trimethylpentyl group. R13Particularly preferred is a hydrogen atom, a methyl group, a propyl group or an isopropyl group.
[0060]
R13R is a hydrogen atom, R12And R12'Is preferably an alkyl group having 2 to 5 carbon atoms, more preferably an ethyl group or a propyl group, and most preferably an ethyl group.
R13Is a primary or secondary alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, R12And R12'Is preferably a methyl group. R13The primary or secondary alkyl group having 1 to 8 carbon atoms is preferably a methyl group, an ethyl group, a propyl group or an isopropyl group, more preferably a methyl group, an ethyl group or a propyl group.
[0061]
R11, R11'And R12, R12When both are methyl groups,13Is preferably a secondary alkyl group. In this case, R13As the secondary alkyl group, isopropyl group, isobutyl group, and 1-ethylpentyl group are preferable, and isopropyl group is more preferable.
[0062]
The reducing agent is R11, R11'And R12And R12'And R13Depending on the combination, various heat development performances differ. Since these heat development performances can be adjusted by using two or more reducing agents in combination at various mixing ratios, it is preferable to use two or more reducing agents in combination depending on the purpose.
[0063]
Specific examples of the compound represented by the general formula (I) of the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0064]
[Chemical 2]
[0065]
[Chemical 3]
[0066]
[Formula 4]
[0067]
Particularly preferred are compounds as shown in (I-1) to (I-20).
[0068]
In the present invention, the reducing agent is added in an amount of 0.01 to 5.0 g / m.2Is preferably 0.1 to 3.0 g / m.2More preferably, it is contained in an amount of 5 to 50% by mole, more preferably 10 to 40% by mole based on 1 mole of silver on the surface having the image forming layer.
[0069]
The reducing agent of the present invention can be added to an image forming layer containing an organic silver salt and a photosensitive silver halide and its adjacent layer, but it is more preferably contained in the image forming layer.
[0070]
The reducing agent of the present invention may be contained in the coating solution by any method such as a solution form, an emulsified dispersion form, or a solid fine particle dispersion form, and may be contained in the photosensitive material.
[0071]
Well-known emulsifying dispersion methods include dissolving oil using an oil such as dibutyl phthalate, tricresyl phosphate, glyceryl triacetate or diethyl phthalate, or an auxiliary solvent such as ethyl acetate or cyclohexanone, and mechanically emulsifying the dispersion. The method of producing is mentioned.
[0072]
The solid fine particle dispersion method includes a method in which a reducing agent is dispersed in an appropriate solvent such as water by a ball mill, a colloid mill, a vibration ball mill, a sand mill, a jet mill, a roller mill, or an ultrasonic wave to create a solid dispersion. Can be mentioned. A dispersion method using a sand mill is preferable. In this case, a protective colloid (for example, polyvinyl alcohol) or a surfactant (for example, an anionic surfactant such as sodium triisopropylnaphthalenesulfonate (a mixture of three isopropyl groups having different substitution positions)) may be used. Good. The aqueous dispersion can contain a preservative (eg, benzoisothiazolinone sodium salt).
[0073]
Particularly preferred is a solid particle dispersion method of a reducing agent, and it is preferable to add fine particles having an average particle size of 0.01 μm to 10 μm, preferably 0.05 μm to 5 μm, more preferably 0.1 μm to 2 μm. In the present application, it is preferable to use other solid dispersions dispersed in a particle size within this range.
[0074]
2-1-3. Development accelerator
In the photothermographic material of the present invention, a sulfonamide phenol compound represented by the general formula (A) described in JP-A-2000-267222, JP-A-2000-330234, or the like is used as a development accelerator. Hindered phenol compounds represented by the general formula (II) described in No. 92075, the general formula (I) described in JP-A Nos. 10-62895 and 11-15116, and Japanese Patent Application No. 2001-074278 The hydrazine compounds represented by the general formula (1) described above and the phenolic or naphthol compounds represented by the general formula (2) described in Japanese Patent Application No. 2000-76240 are preferably used. These development accelerators are used in the range of 0.1 to 20 mol% with respect to the reducing agent, preferably in the range of 0.5 to 10 mol%, more preferably in the range of 1 to 5 mol%. The introduction method to the light-sensitive material includes the same method as the reducing agent, but it is particularly preferable to add as a solid dispersion or an emulsified dispersion. When added as an emulsified dispersion, it is added as an emulsified dispersion dispersed using a high-boiling solvent that is solid at room temperature and a low-boiling auxiliary solvent, or as a so-called oilless emulsified dispersion that does not use a high-boiling solvent. It is preferable to add.
[0075]
In the present invention, among the above development accelerators, hydrazine compounds represented by the general formula (1) described in Japanese Patent Application No. 2001-074278 and the general formula (2) described in Japanese Patent Application No. 2000-76240. A phenolic or naphtholic compound represented by the formula is particularly preferred.
[0076]
Hereinafter, although the preferable specific example of the development accelerator of this invention is given, this invention is not limited to these.
[0077]
[Chemical formula 5]
[0078]
2-1-4. Hydrogen bonding compound
In the present invention, it is preferable to use a non-reducing compound having a group capable of forming a hydrogen bond with an aromatic hydroxyl group (—OH) of the reducing agent.
[0079]
Examples of the group capable of forming a hydrogen bond include a phosphoryl group, a sulfoxide group, a sulfonyl group, a carbonyl group, an amide group, an ester group, a urethane group, a ureido group, a tertiary amino group, and a nitrogen-containing aromatic group. Among them, preferred are a phosphoryl group, a sulfoxide group, an amide group (however, it has no> N—H group and is blocked like> N—Ra (Ra is a substituent other than H)), a urethane group. (However, it has no> N—H group and is blocked like> N—Ra (Ra is a substituent other than H)), a ureido group (however, it has no> N—H group,> N-Ra (Ra is a substituent other than H).)
[0080]
In the present invention, particularly preferred hydrogen bonding compounds are compounds represented by the following general formula (A).
[0081]
[Chemical 6]
[0082]
R in the general formula (A)21Or R23Each independently represents an alkyl group, an aryl group, an alkoxy group, an aryloxy group, an amino group or a heterocyclic group, and these groups may be unsubstituted or may have a substituent.
[0083]
R21Or R23In the case where has a substituent, the substituent is a halogen atom, alkyl group, aryl group, alkoxy group, amino group, acyl group, acylamino group, alkylthio group, arylthio group, sulfonamido group, acyloxy group, oxycarbonyl group, carbamoyl Group, sulfamoyl group, sulfonyl group, phosphoryl group and the like. Preferred as substituents are alkyl groups or aryl groups such as methyl group, ethyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-octyl group, phenyl group, 4-alkoxyphenyl group, 4-acyloxyphenyl group and the like can be mentioned.
[0084]
R21Or R23Specific examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, butyl group, octyl group, dodecyl group, isopropyl group, t-butyl group, t-amyl group, t-octyl group, cyclohexyl group, and 1-methylcyclohexyl group. Benzyl group, phenethyl group, 2-phenoxypropyl group, and the like.
[0085]
Examples of the aryl group include phenyl group, cresyl group, xylyl group, naphthyl group, 4-t-butylphenyl group, 4-t-octylphenyl group, 4-anisidyl group, and 3,5-dichlorophenyl group.
[0086]
Alkoxy groups include methoxy, ethoxy, butoxy, octyloxy, 2-ethylhexyloxy, 3,5,5-trimethylhexyloxy, dodecyloxy, cyclohexyloxy, 4-methylcyclohexyloxy, benzyl An oxy group etc. are mentioned.
[0087]
Examples of the aryloxy group include a phenoxy group, a cresyloxy group, an isopropylphenoxy group, a 4-t-butylphenoxy group, a naphthoxy group, and a biphenyloxy group.
[0088]
Examples of the amino group include a dimethylamino group, a diethylamino group, a dibutylamino group, a dioctylamino group, an N-methyl-N-hexylamino group, a dicyclohexylamino group, a diphenylamino group, and an N-methyl-N-phenylamino group. .
[0089]
R21Or R23Are preferably an alkyl group, an aryl group, an alkoxy group, or an aryloxy group. In terms of the effect of the present invention, R21Or R23Of these, at least one is preferably an alkyl group or an aryl group, and more preferably two or more are an alkyl group or an aryl group. In addition, R can be obtained at low cost.21Or R23Are preferably the same group.
[0090]
Specific examples of the hydrogen bonding compound including the compound of the general formula (A) in the present invention are shown below, but the present invention is not limited thereto.
[0091]
[Chemical 7]
[0092]
[Chemical 8]
[0093]
Specific examples of the hydrogen bonding compound include those described in Japanese Patent Application Nos. 2000-192191 and 2000-19481 in addition to those described above.
[0094]
The hydrogen bonding compound of the present invention can be used in a light-sensitive material after being contained in a coating solution in the form of a solution, an emulsified dispersion, or a solid dispersed fine particle dispersion in the same manner as the reducing agent. The compound of the present invention forms a complex by a hydrogen bond with a compound having a phenolic hydroxyl group in a solution state. Depending on the combination of the reducing agent and the compound of the general formula (A) of the present invention, the compound of the present invention Can be separated.
[0095]
The use of the crystal powder isolated in this way as a solid dispersed fine particle dispersion is particularly preferable for obtaining stable performance. Further, a method in which the reducing agent and the hydrogen bonding compound of the present invention are mixed as a powder and complexed at the time of dispersion with a sand grinder mill or the like using an appropriate dispersant can be preferably used.
[0096]
The hydrogen bonding compound of the present invention is preferably used in the range of 1 to 200 mol%, more preferably in the range of 10 to 150 mol%, still more preferably in the range of 30 to 100 mol% with respect to the reducing agent. It is.
[0097]
2-1-5. binder
The binder of the organic silver salt-containing layer of the present invention may be any polymer, suitable binders are transparent or translucent and generally colorless, natural resins, polymers and copolymers, synthetic resins, polymers and copolymers, other films Forming media such as gelatins, gums, poly (vinyl alcohol) s, hydroxyethyl celluloses, cellulose acetates, cellulose acetate butyrates, poly (vinyl pyrrolidone) s, casein, starch, poly (acrylic acid) , Poly (methyl methacrylic acid) s, poly (vinyl chloride) s, poly (methacrylic acid) s, styrene-maleic anhydride copolymers, styrene-acrylonitrile copolymers, styrene-butadiene copolymers, Poly (vinyl acetal) s (eg, poly (vinyl acetal) Marl) and poly (vinyl butyral)), poly (esters), poly (urethane) s, phenoxy resins, poly (vinylidene chloride) s, poly (epoxides), poly (carbonates), poly (vinyl acetate) s , Poly (olefin) s, cellulose esters, and poly (amides). The binder may be coated from water or an organic solvent or emulsion.
[0098]
In the present invention, the glass transition temperature of the binder of the layer containing the organic silver salt is preferably −20 ° C. or higher and 80 ° C. or lower, more preferably 0 ° C. to 70 ° C., and 10 ° C. or higher and 65 ° C. or lower. More preferably it is.
[0099]
In this specification, Tg is calculated by the following formula.
[0100]
1 / Tg = Σ (Xi / Tgi)
[0101]
Here, it is assumed that n monomer components from i = 1 to n are copolymerized in the polymer. Xi is the weight fraction of the i-th monomer (ΣXi = 1), and Tgi is the glass transition temperature (absolute temperature) of the homopolymer of the i-th monomer. However, Σ is the sum from i = 1 to n.
As the transition temperature value (Tgi) of the homopolymer glass of each monomer, the value of Polymer Handbook (3rd Edition) (by J. Brandrup, EH Immergut (Wiley-Interscience, 1989)) was adopted.
[0102]
The polymer used as the binder may be used alone or in combination of two or more as required. Further, a glass transition temperature of 20 ° C. or higher and a glass transition temperature of less than 20 ° C. may be used in combination. When two or more kinds of polymers having different Tg are blended and used, the weight average Tg is preferably within the above range.
[0103]
In the present invention, when the organic silver salt-containing layer is formed using a coating solution in which 30% by mass or more of the solvent is water and dried, the binder of the organic silver salt-containing layer is further an aqueous solvent ( When it is soluble or dispersible in an aqueous solvent), the performance is improved particularly when it is made of a latex of a polymer having an equilibrium moisture content of 2% by mass or less at 25 ° C. and 60% RH.
The most preferable form is one prepared so that the ionic conductivity is 2.5 mS / cm or less, and as such a preparation method, there is a method of performing purification treatment using a separation functional membrane after polymer synthesis.
[0104]
The aqueous solvent in which the polymer is soluble or dispersible here is a mixture of water or water and 70% by mass or less of a water-miscible organic solvent.
Examples of the water-miscible organic solvent include alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol and propyl alcohol, cellosolves such as methyl cellosolve, ethyl cellosolve and butyl cellosolve, ethyl acetate and dimethylformamide.
[0105]
The “equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH” is the following using the weight W1 of the polymer in the humidity-controlled equilibrium under the atmosphere of 25 ° C. and 60% RH and the weight W0 of the polymer in the absolutely dry state at 25 ° C. It can be expressed as
Equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH = [(W1−W0) / W0] × 100 (mass%) For the definition and measurement method of moisture content, see, for example, Polymer Engineering Laboratory 14, Polymer Material Testing Method (polymer (Journal of academic society, Jinjinshokan).
[0106]
The equilibrium moisture content at 25 ° C. and 60% RH of the binder polymer of the present invention is preferably 2% by mass or less, more preferably 0.01% by mass or more and 1.5% by mass or less, and further preferably 0.02% by mass. % To 1% by mass is desirable.
[0107]
The binder of the present invention is particularly preferably a polymer that can be dispersed in an aqueous solvent. Examples of the dispersed state include latex in which fine particles of water-insoluble hydrophobic polymer are dispersed and polymer molecules dispersed in a molecular state or forming micelles, and all are preferable. The average particle size of the dispersed particles is preferably 1 to 50000 nm, more preferably about 5 to 1000 nm. The particle size distribution of the dispersed particles is not particularly limited, and may have a wide particle size distribution or a monodispersed particle size distribution.
[0108]
In the present invention, preferred embodiments of the polymer that can be dispersed in an aqueous solvent include acrylic polymers, poly (esters), rubbers (eg, SBR resin), poly (urethanes), poly (vinyl chloride) s, poly (acetic acid). Hydrophobic polymers such as vinyl), poly (vinylidene chloride) and poly (olefin) can be preferably used. These polymers may be linear polymers, branched polymers, crosslinked polymers, so-called homopolymers obtained by polymerizing a single monomer, or copolymers obtained by polymerizing two or more types of monomers. In the case of a copolymer, it may be a random copolymer or a block copolymer.
[0109]
These polymers have a number average molecular weight of 5,000 to 1,000,000, preferably 10,000 to 200,000. When the molecular weight is too small, the mechanical strength of the emulsion layer is insufficient, and when the molecular weight is too large, the film formability is poor, which is not preferable.
[0110]
Specific examples of preferable polymer latex include the following. Below, it represents using a raw material monomer, the numerical value in a parenthesis is the mass%, and molecular weight is a number average molecular weight. When a polyfunctional monomer was used, the concept of molecular weight was not applicable because a crosslinked structure was formed, so it was described as crosslinkability, and the description of molecular weight was omitted. Tg represents the glass transition temperature.
[0111]
Latex of P-1; -MMA (70) -EA (27) -MAA (3)-(molecular weight 37000, Tg 61 ° C.)
Latex of P-2; -MMA (70) -2EHA (20) -St (5) -AA (5)-(molecular weight 40000, Tg 59 ° C.)
P-3; latex of -St (50) -Bu (47) -MAA (3)-(crosslinkability, Tg-17 ° C)
Latex of P-4; -St (68) -Bu (29) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 17 ° C.)
Latex of P-5; -St (71) -Bu (26) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 24 ° C.)
Latex of P-6; -St (70) -Bu (27) -IA (3)-(crosslinkability)
Latex of P-7; -St (75) -Bu (24) -AA (1)-(crosslinkability, Tg 29 ° C.)
Latex (crosslinkability) of P-8; -St (60) -Bu (35) -DVB (3) -MAA (2)-
Latex (crosslinkability) of P-9; -St (70) -Bu (25) -DVB (2) -AA (3)-
P-10; latex of VC (50) -MMA (20) -EA (20) -AN (5) -AA (5)-(molecular weight 80000)
P-11; latex of VDC (85) -MMA (5) -EA (5) -MAA (5)-(molecular weight 67000)
Latex of P-12; -Et (90) -MAA (10)-(molecular weight 12000)
P-13; Latex of -St (70) -2EHA (27) -AA (3) (molecular weight 130000, Tg 43 ° C)
P-14; latex of MMA (63) -EA (35) -AA (2) (molecular weight 33000, Tg 47 ° C.)
Latex of P-15; -St (70.5) -Bu (26.5) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 23 ° C.)
Latex of P-16; -St (69.5) -Bu (27.5) -AA (3)-(crosslinkability, Tg 20.5 ° C)
[0112]
The abbreviations for the above structures represent the following monomers. MMA; Methyl methacrylate, EA; Ethyl acrylate, MAA; Methacrylic acid, 2EHA; 2-Ethylhexyl acrylate, St; Styrene, Bu; Butadiene, AA; Acrylic acid, DVB; Divinylbenzene, VC; Vinyl chloride, AN; Acrylonitrile, VDC Vinylidene chloride, Et; ethylene, IA; itaconic acid.
[0113]
The polymer latex described above is also commercially available, and the following polymers can be used. Examples of acrylic polymers include Sebian A-4635, 4718, 4601 (manufactured by Daicel Chemical Industries, Ltd.), Nipol Lx811, 814, 821, 820, 857 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), poly ( Examples of esters) include: FINETEX ES650, 611, 675, 850 (manufactured by Dainippon Ink & Chemicals, Inc.), WD-size, WMS (manufactured by Eastman Chemical), and other examples of poly (urethanes). Examples of rubbers such as HYDRAN AP10, 20, 30, 40 (above Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.) include LACSTAR 7310K, 3307B, 4700H, 7132C (above Dainippon Ink Chemical Co., Ltd.), Nipol Lx416, 410, 438C, 2507 (above ZEON CORPORATION) Examples of poly (vinyl chloride) are G351 and G576 (manufactured by Nippon Zeon Co., Ltd.), and examples of poly (vinylidene chloride) are L502 and L513 (manufactured by Asahi Kasei Kogyo Co., Ltd.). Examples of poly (olefin) s include Chemipearl S120, SA100 (manufactured by Mitsui Petrochemical Co., Ltd.).
These polymer latexes may be used alone or in combination of two or more as required.
[0114]
As the polymer latex used in the present invention, a styrene-butadiene copolymer latex is particularly preferable. The weight ratio of the styrene monomer unit to the butadiene monomer unit in the styrene-butadiene copolymer is preferably 40:60 to 95: 5. The proportion of the styrene monomer unit and the butadiene monomer unit in the copolymer is preferably 60 to 99% by mass. The preferred molecular weight range is the same as described above.
[0115]
Examples of latexes of styrene-butadiene copolymer that are preferably used in the present invention include P-3 to P-8, 14, and 15 described above, commercially available LACSTAR-3307B and 7132C, Nipol Lx416, and the like.
[0116]
If necessary, a hydrophilic polymer such as gelatin, polyvinyl alcohol, methylcellulose, hydroxypropylcellulose, carboxymethylcellulose may be added to the organic silver salt-containing layer of the light-sensitive material of the present invention.
[0117]
The amount of these hydrophilic polymers added is preferably 30% by mass or less, more preferably 20% by mass or less, based on the total binder of the organic silver salt-containing layer.
[0118]
The organic silver salt-containing layer (that is, the image forming layer) of the present invention is preferably formed using a polymer latex as a binder. The amount of the binder in the organic silver salt-containing layer is preferably such that the weight ratio of total binder / organic silver salt is 1/10 to 10/1, more preferably 1/5 to 4/1.
[0119]
In addition, such an organic silver salt-containing layer is usually a photosensitive layer (emulsion layer) containing a photosensitive silver halide which is a photosensitive silver salt. The weight ratio of silver is preferably 400-5, more preferably 200-10.
[0120]
The total binder amount of the image forming layer of the present invention is 0.2 to 30 g / m.2, More preferably 1-15 g / m2The range of is preferable. The image forming layer of the present invention may contain a crosslinking agent for crosslinking, a surfactant for improving coating properties, and the like.
[0121]
In the present invention, the solvent of the organic silver salt-containing layer coating solution of the light-sensitive material (here, for simplicity, the solvent and the dispersion medium are collectively referred to as a solvent) is preferably an aqueous solvent containing 30% by mass or more of water. As a component other than water, any water-miscible organic solvent such as methyl alcohol, ethyl alcohol, isopropyl alcohol, methyl cellosolve, ethyl cellosolve, dimethylformamide, and ethyl acetate may be used. The water content of the solvent is more preferably 50% by mass or more, and still more preferably 70% by mass or more.
[0122]
Specific examples of the preferred solvent composition include water 100, water / methyl alcohol = 90/10, water / methyl alcohol = 70/30, water / methyl alcohol / dimethylformamide = 80/15/5, water / methyl. Alcohol / ethyl cellosolve = 85/10/5, water / methyl alcohol / isopropyl alcohol = 85/10/5, etc. (numerical values are mass%).
[0123]
2-1-6. Antifogging agent
The present invention preferably contains a compound represented by the following general formula (H) as an antifoggant.
General formula (H)
[0124]
Q- (Y) n-C (Z1) (Z2) X
[0125]
In the general formula (H), Q represents an alkyl group, an aryl group or a heterocyclic group, Y represents a divalent linking group, n represents 0 or 1, Z1And Z2Represents a halogen atom, and X represents a hydrogen atom or an electron withdrawing group.
[0126]
Q preferably represents a phenyl group substituted with an electron-withdrawing group in which Hammett's substituent constant σp takes a positive value. Regarding Hammett's substituent constants, Journal of Medicinal Chemistry, 1973, Vol. 16, no. 11, 1207-1216 etc. can be referred to.
[0127]
Examples of such an electron withdrawing group include a halogen atom (fluorine atom (σp value: 0.06), chlorine atom (σp value: 0.23), bromine atom (σp value: 0.23), iodine atom. (Σp value: 0.18)), trihalomethyl group (tribromomethyl (σp value: 0.29), trichloromethyl (σp value: 0.33), trifluoromethyl (σp value: 0.54)), Cyano group (σp value: 0.66), nitro group (σp value: 0.78), aliphatic aryl, or heterocyclic sulfonyl group (for example, methanesulfonyl (σp value: 0.72)), aliphatic aryl Or a heterocyclic acyl group (for example, acetyl (σp value: 0.50), benzoyl (σp value: 0.43)), alkynyl group (for example, C≡CH (σp value: 0.23)), aliphatic Aryl or heterocyclic oxycarbo Group (for example, methoxycarbonyl (σp value: 0.45), phenoxycarbonyl (σp value: 0.44)), carbamoyl group (σp value: 0.36), sulfamoyl group (σp value: 0.57), Examples thereof include a sulfoxide group, a heterocyclic group, and a phosphoryl group.
The σp value is preferably in the range of 0.2 to 2.0, more preferably in the range of 0.4 to 1.0.
[0128]
Preferred as the electron withdrawing group are a carbamoyl group, an alkoxycarbonyl group, an alkylsulfonyl group, an alkylphosphoryl group, a carboxyl group, an alkyl or arylcarbonyl group, and an arylsulfonyl group, and particularly preferably a carbamoyl group and an alkoxycarbonyl group. , An alkylsulfonyl group and an alkylphosphoryl group, and a carbamoyl group is most preferred.
[0129]
X is preferably an electron-withdrawing group, more preferably a halogen atom, aliphatic / aryl or heterocyclic sulfonyl group, aliphatic / aryl or heterocyclic acyl group, aliphatic / aryl or heterocyclic oxycarbonyl group, A carbamoyl group and a sulfamoyl group, particularly preferably a halogen atom.
Among the halogen atoms, a chlorine atom, a bromine atom and an iodine atom are preferable, a chlorine atom and a bromine atom are more preferable, and a bromine atom is particularly preferable.
[0130]
Y is preferably -C (= O)-, -SO- or -SO.2-, More preferably -C (= O)-, -SO2-, Particularly preferably -SO2-. n represents 0 or 1, and is preferably 1.
[0131]
Although the specific example of the compound of general formula (H) of this invention is shown below, this invention is not limited to these.
[0132]
[Chemical 9]
[0133]
Embedded image
[0134]
The compound represented by the general formula (H) of the present invention is 10 per mole of the non-photosensitive silver salt of the image forming layer.-4It is preferable to use in the range of ~ 0.8 mol, more preferably 10-3In the range of ~ 0.1 mol, more preferably 5 × 10-3It is preferable to use in the range of ˜0.05 mol.
In particular, when the silver halide having a high silver iodide content of the present invention is used, the addition amount of the compound of the general formula (H) is important in order to obtain a sufficient antifogging effect. 10-3Most preferably, it is used in the range of ˜0.03 mol.
[0135]
In the present invention, examples of the method for incorporating the compound represented by the general formula (H) into the photosensitive material include the methods described in the method for containing a reducing agent.
[0136]
The melting point of the compound represented by the general formula (H) is preferably 200 ° C. or lower, more preferably 170 ° C. or lower.
[0137]
Other organic polyhalides used in the present invention include those disclosed in the patents described in paragraph Nos. 0111 to 0112 of JP-A No. 11-65021. In particular, an organic halogen compound represented by the formula (P) of Japanese Patent Application No. 11-87297, an organic polyhalogen compound represented by the general formula (II) of Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-339934, and Japanese Patent Application No. 11-205330 The organic polyhalogen compounds described are preferred.
[0138]
2-1-7. Other antifoggants
Examples of other antifoggants include mercury (II) salts described in paragraph No. 0113 of JP-A No. 11-65021, benzoic acids of paragraph No. 0114 of the same, salicylic acid derivatives disclosed in JP-A No. 2000-206642, and formulas described in JP-A No. 2000-221634. A formalin scavenger compound represented by (S), a triazine compound according to claim 9 of JP-A-11-352624, a compound represented by formula (III) of JP-A-6-11791, 4-hydroxy-6-6 And methyl-1,3,3a, 7-tetrazaindene and the like.
[0139]
Antifoggant, stabilizer and stabilizer precursor that can be used in the present invention described in paragraph No. 0070 of JP-A-10-62899, page 20, line 57 to page 21, line 7 of European Patent No. 0803764A1 Patented compounds and compounds described in JP-A Nos. 9-281737 and 9-329864 can be mentioned.
[0140]
The photothermographic material in the invention may contain an azolium salt for the purpose of fog prevention. Examples of the azolium salt include compounds represented by general formula (XI) described in JP-A-59-193447, compounds described in JP-B-55-12581, and general formula (II) described in JP-A-60-153039. And the compounds represented. The azolium salt may be added to any part of the photosensitive material, but the addition layer is preferably added to the layer having the photosensitive layer, and more preferably to the organic silver salt-containing layer.
[0141]
The azolium salt may be added at any step in the coating solution preparation. When added to the organic silver salt-containing layer, any step from the preparation of the organic silver salt to the preparation of the coating solution may be used. To immediately before coating. The azolium salt may be added by any method such as powder, solution, fine particle dispersion. Moreover, you may add as a solution mixed with other additives, such as a sensitizing dye, a reducing agent, and a color toning agent.
[0142]
In the present invention, any amount of the azolium salt may be added, but 1 × 10 10 per silver mole.-6Preferred is 1 mol or more and 2 mol or less.-3More preferably, it is more than mol and less than 0.5 mol.
[0143]
2-1-8. Other additives
1) Mercapto, disulfide, and thiones
In the present invention, a mercapto compound, a disulfide compound, and a thione compound can be contained in order to suppress or promote development to control development, to improve spectral sensitization efficiency, and to improve storage stability before and after development. JP-A-10-62899, Paragraph Nos. 0067 to 0069, JP-A-10-186572, General Formula (I) and specific examples thereof include Paragraph Nos. 0033 to 0052, European Patent Publication No. 0803764A1 20 pages, lines 36 to 56, and Japanese Patent Application No. 11-273670. Of these, mercapto-substituted heteroaromatic compounds are preferred.
[0144]
2) Color preparation
In the photothermographic material of the present invention, it is preferable to add a color toning agent. For the color toning agent, paragraph numbers 0054 to 0055 of JP-A No. 10-62899, p. Lines 21, 23 to 48, JP-A No. 2000-356317 and Japanese Patent Application No. 2000-187298, in particular, phthalazinones (phthalazinone, phthalazinone derivatives or metal salts; for example, 4- (1-naphthyl) phthalazinone, 6-chlorophthalazinone, 5,7-dimethoxyphthalazinone and 2,3-dihydro-1,4-phthalazinedione); phthalazinones and phthalic acids (eg, phthalic acid, 4-methylphthalic acid, 4-nitrophthalic acid, A combination of diammonium phthalate, sodium phthalate, potassium phthalate and tetrachlorophthalic anhydride); phthalazines (phthalazine, phthalazine derivatives or metal salts; for example, 4- (1-naphthyl) phthalazine, 6-isopropylphthalazine, 6 -T-butylphthalazine, 6-chloro (Talazine, 5.7-dimethoxyphthalazine, and 2,3-dihydrophthalazine) are preferable. In particular, in the combination with silver halide having a high silver iodide content, the combination of phthalazine and phthalic acid is preferable.
[0145]
The amount of phthalazine added is preferably 0.01 to 0.3 mol, more preferably 0.02 to 0.2 mol, particularly preferably 0.02 to 0.1 mol, per mol of the organic silver salt. It is. This addition amount is an important factor for promoting development, which is a problem in the silver halide emulsion having a high silver iodide content composition of the present invention. By selecting an appropriate addition amount, both sufficient developability and low fogging are achieved. Is possible.
[0146]
3) Plasticizer, lubricant
The plasticizer and lubricant that can be used in the photosensitive layer of the present invention are described in paragraph No. 0117 of JP-A No. 11-65021. The slip agent is described in JP-A No. 11-84573, paragraph numbers 0061 to 0064 and Japanese Patent Application No. 11-106881, paragraph numbers 0049 to 0062.
[0147]
4) Dyes and pigments
The photosensitive layer of the present invention has various dyes and pigments (for example, CI Pigment Blue 60, CI Pigment Blue 64, C.I.) from the viewpoints of improving color tone, preventing interference fringes during laser exposure, and preventing irradiation. I. Pigment Blue 15: 6) can be used. These are described in detail in WO98 / 36322, JP-A-10-268465, JP-A-11-338098 and the like.
[0148]
5) Ultra-high contrast agent
In order to form an ultrahigh contrast image suitable for printing plate making applications, it is preferable to add an ultrahigh contrast agent to the image forming layer. As for the super-high contrast agent and its addition method and addition amount, the formula (H) and formulas of paragraph No. 0118 of the same publication, paragraph Nos. 0136 to 0193 of JP-A No. 11-223898, and Japanese Patent Application No. 11-87297 are disclosed. (1) to (3), compounds of formulas (A) and (B), compounds of general formulas (III) to (V) described in Japanese Patent Application No. 11-91652 (specific compounds: embedded image 24), the contrast enhancement accelerator is described in paragraph No. 0102 of JP-A No. 11-65021 and paragraph Nos. 0194 to 0195 of JP-A No. 11-223898.
[0149]
In order to use formic acid or formate as a strong fogging substance, it is preferably contained at 5 mmol or less, more preferably 1 mmol or less, per mol of silver on the side having the image forming layer containing photosensitive silver halide.
When the ultrahigh contrast agent is used in the photothermographic material of the present invention, it is preferable to use an acid formed by hydrating diphosphorus pentoxide or a salt thereof in combination. Acids or salts thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide include metaphosphoric acid (salt), pyrophosphoric acid (salt), orthophosphoric acid (salt), triphosphoric acid (salt), tetraphosphoric acid (salt), hexametalin An acid (salt) etc. can be mentioned. Examples of the acid or salt thereof formed by hydrating diphosphorus pentoxide particularly preferably include orthophosphoric acid (salt) and hexametaphosphoric acid (salt). Specific examples of the salt include sodium orthophosphate, sodium dihydrogen orthophosphate, sodium hexametaphosphate, ammonium hexametaphosphate and the like.
Amount of acid or salt thereof formed by hydration of diphosphorus pentoxide (1m photosensitive material)2The coating amount per unit) may be a desired amount according to the performance such as sensitivity and fog, but 0.1 to 500 mg / m2Is preferably 0.5 to 100 mg / m2Is more preferable.
[0150]
2-1-9. Preparation and application of coating solution
The preparation temperature of the image forming layer coating solution of the present invention is preferably 30 ° C. or more and 65 ° C. or less, more preferably 35 ° C. or more and less than 60 ° C., and more preferably 35 ° C. or more and 55 ° C. or less. Moreover, it is preferable that the temperature of the image forming layer coating liquid immediately after the addition of the polymer latex is maintained at 30 ° C. or higher and 65 ° C. or lower.
[0151]
2-2. Other layers and components
The photothermographic material of the present invention can have a non-photosensitive layer in addition to the image forming layer. The non-photosensitive layer includes (a) a surface protective layer provided on the image forming layer (on the side farther than the support), (b) between the plurality of image forming layers and between the image forming layer and the protective layer. It can be classified into an intermediate layer provided therebetween, (c) an undercoat layer provided between the image forming layer and the support, and (d) a back layer provided on the opposite side of the image forming layer.
[0152]
In addition, although a layer acting as an optical filter can be provided, it is provided as the layer (a) or (b). The antihalation layer is provided on the photosensitive material as the layer (c) or (d).
[0153]
1) Surface protective layer
In the photothermographic material of the invention, a surface protective layer can be provided for the purpose of preventing adhesion of the image forming layer. The surface protective layer may be a single layer or a plurality of layers. The surface protective layer is described in JP-A No. 11-65021, paragraph numbers 0119 to 0120 and Japanese Patent Application No. 2000-171936.
[0154]
As the binder for the surface protective layer of the present invention, gelatin is preferable, but it is also preferable to use polyvinyl alcohol (PVA) or a combination thereof. As gelatin, inert gelatin (for example, Nitta gelatin 750), phthalated gelatin (for example, Nitta gelatin 801), and the like can be used.
[0155]
Examples of PVA include those described in paragraph Nos. 0009 to 0020 of JP-A No. 2000-171936. Completely saponified PVA-105, partially saponified PVA-205, PVA-335, and modified polyvinyl alcohol MP- Preferred is 203 (trade name, manufactured by Kuraray Co., Ltd.).
[0156]
Polyvinyl alcohol coating amount of protective layer (per layer) (support 1m2Per unit) as 0.3 to 4.0 g / m2Is preferable, 0.3 to 2.0 g / m2Is more preferable.
[0157]
Total binder (including water-soluble polymer and latex polymer) coating amount of surface protective layer (per layer) (support 1m)2As per) 0.3 to 5.0 g / m2Is preferable, 0.3 to 2.0 g / m2Is more preferable.
[0158]
2) Antihalation layer
In the photothermographic material of the present invention, the antihalation layer can be provided on the side far from the exposure light source with respect to the photosensitive layer. As for the antihalation layer, paragraphs 0123 to 0124 of JP-A-11-65021, JP-A-11-223898, 9-230531, 10-36695, 10-104779, 11-231457, 11 -352625, 11-352626 and the like.
[0159]
The antihalation layer contains an antihalation dye having absorption at the exposure wavelength. When the exposure wavelength is in the infrared region, an infrared absorbing dye may be used, and in that case, a dye having no absorption in the visible region is preferable.
[0160]
When antihalation is performed using a dye having absorption in the visible range, it is preferable that the dye color does not substantially remain after image formation, and a means for decoloring by the heat of heat development is used. In particular, it is preferable to add a thermally decolorable dye and a base precursor to the non-photosensitive layer to function as an antihalation layer. These techniques are described in JP-A-11-231457 and the like.
[0161]
The amount of decoloring dye added is determined by the use of the dye. In general, the optical density (absorbance) measured at the target wavelength is used in an amount exceeding 0.1. The optical density is preferably 0.2-2. The amount of dye used to obtain such an optical density is generally 0.001 to 1 g / m.2Degree.
[0162]
When the dye is decolored in this way, the optical density after heat development can be reduced to 0.1 or less. Two or more kinds of decoloring dyes may be used in combination in a heat decoloring type recording material or a photothermographic material. Similarly, two or more kinds of base precursors may be used in combination.
[0163]
In the thermal decoloration using such decoloring dye and base precursor, a substance (for example, diphenylsulfone, which lowers the melting point by 3 ° C. (deg) or more when mixed with a base precursor as described in JP-A No. 11-352626). 4-Chlorophenyl (phenyl) sulfone) is preferably used in view of thermal decoloring properties.
[0164]
3) Back layer
The back layer applicable to the present invention is described in paragraph Nos. 0128 to 0130 of JP-A No. 11-65021.
[0165]
In the present invention, a colorant having an absorption maximum at 300 to 450 nm can be added for the purpose of improving the silver color tone and the temporal change of the image. Such colorants are disclosed in JP-A-62-210458, JP-A-63-104046, JP-A-63-103235, JP-A-63-208846, JP-A-63-306436, JP-A-63-314535, and JP-A-01-61745. And Japanese Patent Application No. 11-276751. Such colorants are typically 0.1 mg / m2~ 1g / m2The back layer provided on the opposite side of the photosensitive layer is preferable as the layer to be added in the range of.
[0166]
4) Matting agent
In the present invention, it is preferable to add a matting agent to the surface protective layer and the back layer in order to improve transportability. Matting agents are described in JP-A No. 11-65021, paragraph numbers 0126 to 0127.
Matting agent is photosensitive material 1m2When expressed in a coating amount per unit, preferably 1 to 400 mg / m2, More preferably 5 to 300 mg / m2It is.
[0167]
Further, the matte degree of the emulsion surface may be any as long as a so-called stardust failure in which small white spots occur in the image area and light leakage occurs, but the Beck smoothness is preferably 30 seconds or more and 2000 seconds or less. It is preferably 40 seconds or more and 1500 seconds or less. The Beck smoothness can be easily determined by Japanese Industrial Standard (JIS) P8119 "Smoothness test method using Beck tester for paper and paperboard" and TAPPI standard method T479.
[0168]
In the present invention, the matte degree of the back layer is preferably a Beck smoothness of 1200 seconds or less and 10 seconds or more, preferably 800 seconds or less and 20 seconds or more, and more preferably 500 seconds or less and 40 seconds or more.
[0169]
In the present invention, the matting agent is preferably contained in the outermost surface layer of the photosensitive material, the layer functioning as the outermost surface layer, or a layer close to the outer surface, and is contained in a layer acting as a so-called protective layer. It is preferable.
[0170]
5) Polymer latex
A polymer latex can be added to the surface protective layer or the back layer of the present invention.
For such polymer latex, “Synthetic resin emulsion (Hiraku Okuda, Hiroshi Inagaki, published by Kobunshi Publishing (1978))”, “Application of synthetic latex (Takaaki Sugimura, Ikuo Kataoka, Junichi Suzuki, Keiji Kasahara, Takashi "Molecular Publications (1993))" and "Synthetic Latex Chemistry (Muroichi Muroi, published by High Polymers Publication (1970))", specifically, methyl methacrylate (33.5% by mass) / Ethyl acrylate (50 wt%) / methacrylic acid (16.5 wt%) copolymer latex, methyl methacrylate (47.5 wt%) / butadiene (47.5 wt%) / itaconic acid (5 wt%) copolymer Latex, latex of ethyl acrylate / methacrylic acid copolymer, methyl methacrylate (58.9% by mass) / 2-ethyl A latex of xyl acrylate (25.4% by weight) / styrene (8.6% by weight) / 2-hydroxyethyl methacrylate (5.1% by weight) / acrylic acid (2.0% by weight) copolymer, methyl methacrylate (64. 0 mass%) / styrene (9.0 mass%) / butyl acrylate (20.0 mass%) / 2-hydroxyethyl methacrylate (5.0 mass%) / acrylic acid (2.0 mass%) copolymer latex, etc. Is mentioned.
[0171]
The polymer latex is preferably used in an amount of 10% by mass to 90% by mass, particularly preferably 20% by mass to 80% by mass, based on the total binder (including the water-soluble polymer and latex polymer) of the surface protective layer or the back layer.
[0172]
6) Membrane pH
The photothermographic material of the present invention preferably has a film surface pH of 7.0 or less, more preferably 6.6 or less before heat development. The lower limit is not particularly limited, but is about 3. The most preferred pH range is in the range of 4 to 6.2.
[0173]
The film surface pH is preferably adjusted using an organic acid such as a phthalic acid derivative, a non-volatile acid such as sulfuric acid, or a volatile base such as ammonia from the viewpoint of reducing the film surface pH. In particular, ammonia is volatile and is preferable for achieving a low film surface pH because it can be removed before the coating process or heat development.
In addition, it is also preferable to use ammonia in combination with a nonvolatile base such as sodium hydroxide, potassium hydroxide, or lithium hydroxide. The method for measuring the film surface pH is described in paragraph No. 0123 of Japanese Patent Application No. 11-87297.
[0174]
7) Hardener
A hardener may be used for each layer such as the photosensitive layer, protective layer, and back layer of the present invention.
Examples of hardeners include T.W. H. There are various methods described in "The THEY OF OF THE PHOTOGRAPHIC PROCESS FOURTH EDITION" by James (published by Macmillan Publishing Co., Inc., published in 1977), pages 77 to 87. -S-triazine sodium salt, N, N-ethylenebis (vinylsulfonacetamide), N, N-propylenebis (vinylsulfonacetamide), polyvalent metal ions described on page 78 thereof, U.S. Pat. No. 4,281, Polyisocyanates such as 060 and JP-A-6-208193, epoxy compounds such as US Pat. No. 4,791,042, and vinyl sulfone compounds such as JP-A 62-89048 are preferred. Used.
[0175]
The hardening agent is added as a solution, and the addition time of this solution into the protective layer coating solution is from 180 minutes before to immediately before application, preferably from 60 minutes to 10 seconds before application. As long as the effects of the present invention are sufficiently exhibited, there is no particular limitation.
[0176]
Specific mixing methods include mixing in a tank in which the average residence time calculated from the addition flow rate and the amount of liquid fed to the coater is a desired time, and N.I. Harnby, M.M. F. Edwards, A.D. W. There is a method using a static mixer described in Chapter 8 of Nienow's Koji Takahashi "Liquid Mixing Technology" (published by Nikkan Kogyo Shimbun, 1989).
[0177]
8) Surfactant
Surfactants applicable to the present invention are described in paragraph No. 0132 of JP-A No. 11-65021.
In the present invention, it is preferable to use a fluorochemical surfactant. Preferable specific examples of the fluorosurfactant include compounds described in JP-A Nos. 10-197985, 2000-19680, 2000-214554 and the like. Further, a polymeric fluorine-based surfactant described in JP-A-9-281636 is also preferably used. In the present invention, the use of a fluorosurfactant described in Japanese Patent Application No. 2000-206560 is particularly preferred.
[0178]
9) Antistatic agent
In the present invention, an antistatic layer containing various known metal oxides or conductive polymers may be provided. The antistatic layer may also serve as the above-described undercoat layer, back layer surface protective layer, or the like, or may be provided separately. Regarding the antistatic layer, paragraph No. 0135 of JP-A No. 11-65021, paragraphs of JP-A Nos. 56-143430, 56-143431, 58-62646, No. 56-120519, and paragraphs of JP-A No. 11-84573. The techniques described in Paragraph Nos. 0078 to 0084 of Nos. 0040 to 0051, US Pat. No. 5,575,957 and JP-A-11-223898 can be applied.
[0179]
10) Support
The transparent support is a polyester, particularly polyethylene, which has been heat-treated in a temperature range of 130 to 185 ° C. in order to relieve internal strain remaining in the film during biaxial stretching and to eliminate thermal shrinkage strain generated during heat development. Terephthalate is preferably used.
[0180]
In the case of a photothermographic material for medical use, the transparent support may be colored with a blue dye (for example, dye-1 described in Examples of JP-A-8-240877) or may be uncolored. Specific examples of the support are described in paragraph No. 0134 of JP-A No. 11-65021.
[0181]
Examples of the support include water-soluble polyesters disclosed in JP-A-11-84574, styrene-butadiene copolymers described in JP-A-10-186565, and vinylidene chloride described in JP-A-2000-39684 and Japanese Patent Application No. 11-106881, paragraph numbers 0063 to 0080. It is preferable to apply an undercoating technique such as a copolymer.
[0182]
11) Other additives
An antioxidant, a stabilizer, a plasticizer, an ultraviolet absorber, or a coating aid may be further added to the photothermographic material. A solvent described in paragraph No. 0133 of JP-A No. 11-65021 may be added. Various additives are added to either the photosensitive layer or the non-photosensitive layer. With respect to these, WO 98/36322, EP 803764A1, JP-A-10-186567, 10-18568 and the like can be referred to.
[0183]
12) Application method
The photothermographic material in the invention may be applied by any method. Specifically, various coating operations including extrusion coating, slide coating, curtain coating, dip coating, knife coating, flow coating, or extrusion coating using a hopper of the type described in US Pat. No. 2,681,294. Is used, and Stephen F. Kistler, Peter M. Extrusion coating or slide coating described in pages 399 to 536 of “LIQUID FILM COATING” (CHAPMAN & HALL, 1997) by Schweizer is preferably used, and slide coating is particularly preferably used.
[0184]
An example of the shape of a slide coater used for slide coating is shown in FIG. 11b. 1 If desired, two or more layers can be simultaneously coated by the method described on pages 399 to 536 of the same book, the method described in US Pat. No. 2,761,791 and British Patent No. 837,095. .
[0185]
The organic silver salt-containing layer coating solution in the present invention is preferably a so-called thixotropic fluid. Regarding this technique, JP-A-11-52509 can be referred to.
In the present invention, the organic silver salt-containing layer coating solution has a shear rate of 0.1 S.-1The viscosity is preferably 400 mPa · s or more and 100,000 mPa · s or less, and more preferably 500 mPa · s or more and 20,000 mPa · s or less.
Also, shear rate 1000S-1Is preferably 1 mPa · s or more and 200 mPa · s or less, more preferably 5 mPa · s or more and 80 mPa · s or less.
[0186]
13) Packaging materials
The photothermographic material of the present invention has an oxygen transmission rate and a photosensitivity in order to prevent deterioration of photographic performance during storage before use, or to prevent curling or wrinkling in the case of a rolled product form. It is preferable to hermetically package with a packaging material having a low moisture permeability. Oxygen permeability is 50 ml / atm / m at 25 ° C2-Day or less is preferable, more preferably 10 ml / atm / m2-Day or less, more preferably 1.0 ml / atm / m2-Day or less. Moisture permeability is 10 g / atm / m2-Day or less is preferable, more preferably 5 g / atm / m2-Day or less, more preferably 1 g / atm / m2-Day or less. As specific examples of the packaging material having low oxygen permeability and / or moisture permeability, those described in, for example, JP-A-8-254793 and JP-A-2000-206653 can be used.
[0187]
14) Other available technologies
Techniques that can be used for the photothermographic material of the present invention include EP80364A1, EP883022A1, WO98 / 36322, JP56-62648, 58-62644, JP9-43766, and 9-. 281637, 9-297367, 9-304869, 9-311405, 9-329865, 10-10669, 10-62899, 10-69023, 10-186568, 10-90823, 10-171106, 10-186565, 10-186567, 10-186567 to 10-186572, 10-197974, 10-197982, 10 -197983, 10-197985 to 10-197987, 10- 07001, 10-207004, 10-221807, 10-282601, 10-288823, 10-288824, 10-307365, 10-312038, 10-339934 11-7100, 11-15105, 11-24200, 11-24201, 11-30201, 11-30832, 11-84574, 11-65021, 11-109547, 11-125880, 11-129629, 11-133536 to 11-133539, 11-133542, 11-133543, 11-223898, 11-352627, 11- 305377, 11-305378, 11-305384, 11-30538 11-316435, 11-327076, 11-338096, 11-338098, 11-338099, 11-343420, Japanese Patent Application 2000-187298, 2000-10229 2000-47345, 2000-206642, 2000-98530, 2000-98531, 2000-112059, 2000-112060, 2000-112104, 2000-112604, No. 2000-171936 is also mentioned.
[0188]
In the case of a multicolor color photothermographic material, each emulsion layer is generally a functional or non-functional barrier layer between each photosensitive layer as described in U.S. Pat. No. 4,460,681. Are used to keep them distinguished from each other.
The construction in the case of a multicolor color photothermographic material may include a combination of these two layers for each color and all within a single layer as described in US Pat. No. 4,708,928. Ingredients may be included.
[0189]
3. Image forming method
3-1. exposure
The light-sensitive material of the present invention may be exposed by any method, but laser light is preferred as the exposure light source. A silver halide emulsion having a high silver iodide content as in the present invention has been problematic because of its low sensitivity. However, it has been found that writing with high illuminance such as laser light eliminates the problem of low sensitivity and allows image recording with less energy. The target sensitivity can be achieved by writing with such strong light in a short time.
[0190]
In particular, when an exposure amount giving the maximum density (Dmax) is given, the preferable light amount on the surface of the photosensitive material is 0.1 W / mm.2~ 100W / mm2It is. More preferably 0.5 W / mm2~ 50W / mm2And most preferably 1 W / mm2~ 50W / mm2It is.
[0191]
As the laser light according to the present invention, a gas laser (Ar+, He—Ne, He—Cd), YAG laser, dye laser, semiconductor laser and the like are preferable. A semiconductor laser and a second harmonic generation element can also be used. The laser preferably used is determined according to the light absorption peak wavelength of the photosensitizing material such as a spectral sensitizing dye, but it is a red to infrared emitting He-Ne laser, a red semiconductor laser, or a blue to green emitting Ar.+, He—Ne, He—Cd laser, blue semiconductor laser. Preferred is a red to infrared semiconductor laser, and the peak wavelength of the laser light is 600 nm to 900 nm, preferably 620 nm to 850 nm.
[0192]
It is also preferable that the laser light is oscillated in a vertical multi by a method such as high frequency superposition.
[0193]
3-2. Heat development
The photothermographic material of the present invention may be developed by any method, but is usually developed by raising the temperature of the photothermographic material exposed imagewise. The preferred development temperature is 80 to 250 ° C, more preferably 100 to 140 ° C.
The development time is preferably 1 to 60 seconds, more preferably 5 to 30 seconds, and particularly preferably 5 to 20 seconds.
[0194]
A plate heater method is preferred as the heat development method. The heat development method using the plate heater method is preferably a method described in JP-A-11-133572. The heat development photosensitive material on which a latent image is formed is brought into contact with a heating means in a heat development part, and heat for obtaining a visible image. In the developing device, the heating unit includes a plate heater, and a plurality of press rollers are disposed to face each other along one surface of the plate heater, and the heat is interposed between the press roller and the plate heater. A thermal development apparatus that performs thermal development by passing a development photosensitive material. It is preferable to divide the plate heater into 2 to 6 stages and lower the temperature about 1 to 10 ° C. at the tip.
[0195]
Such a method is also described in JP-A-54-30032, which can exclude moisture and organic solvents contained in the photothermographic material out of the system, and rapidly develop the photothermographic material. It is also possible to suppress changes in the shape of the support of the photothermographic material due to heating of the photothermographic material.
[0196]
3-3. system
As a medical laser imager provided with an exposure part and a heat development part, Fuji Medical Dry Imager-FM-DPL can be mentioned. The system is Fuji Medical Review No. 8, p. 39-55, and those techniques can be used. Further, it can also be applied as a photothermographic material for a laser imager in “AD network” proposed by Fuji Film Medical Co., Ltd. as a network system conforming to the DICOM standard.
[0197]
4). Application of the present invention
[0198]
The range in which the high silver iodide photographic emulsion of the present invention is used for black and white and color photographic light-sensitive materials is not particularly limited, and is a photographic light-sensitive material, print light-sensitive material, printing light-sensitive material, medical light-sensitive material, industrial light-sensitive material, and diffusion transfer. It can also be used for method sensitive materials or heat development sensitive materials. Among them, it is preferable to use it for a heat-developable photosensitive material.
The photothermographic material using the high silver iodide photographic emulsion of the present invention forms a black and white image by a silver image, and is used for medical diagnosis, photothermographic material for industrial photography, photothermographic material for printing. It is preferably used as a photothermographic material for COM.
[0199]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be specifically described with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0200]
Example 1.
In a reaction vessel containing 1400 ml of 70 ° C. water containing 36 g of gelatin, 724 ml of an aqueous solution containing 74 g of silver nitrate and 800 ml of an aqueous solution containing 113 g of potassium iodide are stirred at the same time so that the silver potential is kept at +60 mV. At 200 minutes. Thereafter, desalting and water washing were carried out by ultrafiltration, and gelatin was additionally dissolved, and then the pH was adjusted to 5.9 and pAg was adjusted to 7.5. The obtained silver iodide grains had an average grain size of 0.14 μm and a grain size variation coefficient of 21%.
[0201]
The emulsion was divided into 3 parts and heated to 60 ° C., and then each pAg was prepared as shown in Table 1. Thereafter, a sulfur sensitizer (sodium thiosulfate) and a gold sensitizer (gold chloride) were prepared. Emulsions 1 to 3 were prepared by adding an amount of each acid) to the optimum sensitization for maximum sensitivity and ripening for 60 minutes. Next, each emulsion was further subdivided and, at 50 ° C., 2.3 mmol of sensitizing dye per mol of silver iodide was added and ripened for 30 minutes. However, since the sensitizing dye S-4 used in Sample No. 6 was too much in the amount added, 0.60 mmol was added per 1 mol of silver iodide where S-4 showed the highest sensitivity. Next, 4-hydroxy-6-methyl-1,3,3a, 7-tetrazaindene and 1-phenyl-5-mercaptotetrazole (stabilizer and antifoggant), sodium dodecylbenzenesulfonate (coating aid), Add 1,2-bis (vinylsulfonylacetylamino) ethane (hardener), phenoxyethanol (preservative), and coat emulsion layer and protective layer by simultaneous extrusion method on triacetylcellulose film support together with gelatin protective layer Samples 1 to 10 were obtained.
[0202]
These coated samples were exposed using a xenon light source through a sharp cut filter SC60 (manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.) using a xenon light source (1/1000 second), and then at 35 ° C. for 20 minutes with a Kodak formulation D-19 developer. Development was performed, and normal stopping and fixing were performed. The density of the processed sample is measured, the density of the unexposed area is fogged, the sensitivity is represented by the reciprocal of the exposure amount necessary to obtain the optical density of fog + 0.1, and the sensitivity of sample 2 is defined as 100 and relative to it. Indicated by value. The values thus obtained are displayed as relative red sensitivity in Table 1.
[0203]
[Table 1]
[0204]
[0205]
As is apparent from Table 1, high spectral sensitivity can be obtained only when the requirements of the present invention are satisfied. In particular, sensitizing dye S-1 showed good results. Further, the sensitizing dye S-4 used for sample No. 6 is known as a merocyanine dye which has a low Ered and provides high spectral sensitivity comparable to cyanine dyes other than high silver iodide such as silver bromide. However, a high silver iodide emulsion as in this example has low sensitivity and is not useful in the present invention. Thus, in spectral sensitizing dyes such as merocyanine and rhodacyanine dyes that provide high spectral sensitivity with silver halides other than high silver iodide, the dyes Ered and LogP have values corresponding to the cyanine dyes of the present application, Even if the requirements of the present invention regarding pAg are satisfied, a very low spectral sensitivity can be obtained with a high silver iodide emulsion.
[0206]
Example 2
A silver iodide emulsion was prepared in the same manner as in Example 1, except that the temperature of the reaction vessel was changed to 33 ° C., the silver potential was changed to +10 mV, and the addition time of silver nitrate and potassium iodide was changed to 60 minutes. Thereafter, desalting and water washing were carried out by ultrafiltration, gelatin was additionally dissolved, and chemical sensitization was optimally performed in the same manner as in Example 1 with pAg5.0.
The obtained silver iodide grains had an average grain size of 41 nm and a grain size variation coefficient of 18%.
The emulsion was subdivided into 7 parts and heated to 40 ° C., and then each pAg was prepared as shown in Table 2. As shown in Table 2, the sensitizing dye was added in an amount of 8. 5 mmol was added and aged for 30 minutes. Next, 4-hydroxy-6-methyl-1,3,3a, 7-tetrazaindene and 1-phenyl-5-mercaptotetrazole (stabilizer and antifoggant), sodium dodecylbenzenesulfonate (coating aid), 1 , 2-bis (vinylsulfonylacetylamino) ethane (hardener) and phenoxyethanol (preservative) were added, and the emulsion layer and protective layer were coated on the triacetylcellulose film support together with the gelatin protective layer by the simultaneous extrusion method. Samples 21 to 27 were obtained.
[0207]
These coated samples were exposed with a xenon light source through a sharp cut filter SC62 manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. using a xenon light source (1/1000 second), and then developed at 38 ° C. for 30 minutes with a developer having the following formulation. Normal stop and fixing were performed. The concentration of the treated sample was measured by the same method as in Example 1 to determine the sensitivity. The values thus obtained are displayed as relative sensitivity in Table 2.
[0208]
Developer formulation
Sodium bisulfite 5g
Pyrogallol 10g
Sodium sulfite 25g
Sodium carbonate monohydrate 50g
Potassium iodide 0.1 g
10% formalin solution 25 ml
Add water to 1 liter
[0209]
[Table 2]
[0210]
[0211]
As is apparent from Table 2, high spectral sensitivity can be obtained only when the requirements of the present invention are satisfied as in the case of Example 1. In particular, sensitizing dye S-21 showed excellent performance. The dye such as sensitizing dye S-23 used for sample number 25 has a high LogP and preferably absorbs light. However, since the polarographic half-end reduction potential is noble, the transfer of photoelectrons captured by the sensitizing dye to high silver iodide grains The efficiency is low and the desired sensitivity cannot be obtained.
[0212]
Example 3
3-1. Preparation of PET support and undercoating
3-1-1. Film formation
[0213]
Using terephthalic acid and ethylene glycol, PET having an intrinsic viscosity of IV = 0.66 (measured at 25 ° C. in phenol / tetrachloroethane = 6/4 (weight ratio)) was obtained according to a conventional method. This was pelletized, dried at 130 ° C. for 4 hours, melted at 300 ° C., and 0.04 wt% of dye BB having the following structure was contained. Thereafter, the film was extruded from a T-die and quenched to prepare an unstretched film having a thickness such that the film thickness after heat setting was 175 μm.
[0214]
Embedded image
[0215]
This was longitudinally stretched 3.3 times using rolls with different peripheral speeds, and then stretched 4.5 times with a tenter. The temperatures at this time were 110 ° C. and 130 ° C., respectively. Thereafter, the film was heat-fixed at 240 ° C. for 20 seconds and relaxed by 4% in the lateral direction at the same temperature. After slitting the chuck part of the tenter, knurling is performed on both ends and 4 kg / cm.2And a roll having a thickness of 175 μm was obtained.
[0216]
3-1-2. Surface corona treatment
Using a solid state corona treatment machine 6KVA model manufactured by Pillar, both surfaces of the support were treated at room temperature at 20 m / min. From the current and voltage readings at this time, the support is 0.375 kV · A · min / m.2It was found that the process was done. The treatment frequency at this time was 9.6 kHz, and the gap clearance between the electrode and the dielectric roll was 1.6 mm.
[0217]
3-1-3. undercoat
Preparation of undercoat layer coating solution
Formulation (1) (for the undercoat layer on the photosensitive layer side)
Pesresin A-520 (30% by mass solution) manufactured by Takamatsu Yushi Co., Ltd. 59 g
Polyethylene glycol monononyl phenyl ether
(Average number of ethylene oxide = 8.5) 10% by mass solution 5.4 g
MP-1000 (polymer fine particles, average particle size 0.4 μm) 0.91 g manufactured by Soken Chemical Co., Ltd.
Distilled water 935 ml distilled water
[0218]
Formulation (2) (for back layer 1st layer)
Styrene-butadiene copolymer latex 158 g
(Solid content 40% by mass, styrene / butadiene weight ratio = 68/32)
2,4-dichloro-6-hydroxy-S-
Triazine sodium salt 8% by mass aqueous solution 20g
1% by weight aqueous solution of sodium laurylbenzenesulfonate 10 ml
Distilled water 854 ml of distilled water
[0219]
Formula (3) (Back side 2nd layer)
SnO2/ SbO (9/1 mass ratio, average particle size 0.038 μm, 17 mass% dispersion) 84 g
Gelatin (10% by weight aqueous solution) 89.2 g of the gas
Metroise TC-5 (2 mass% aqueous solution) manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. 8.6 g
MP-1000, Soken Chemicals Co., Ltd., 0.01g, 0.01g
1% aqueous solution of sodium dodecylbenzenesulfonate 10ml
NaOH (1% by mass), 10%, and 25%, will be provided with 6ml of NaOH.
Proxel (made by ICI) 1 ml
Distilled water 805 ml distilled water
[0220]
2) Undercoat
After both surfaces of the biaxially stretched polyethylene terephthalate support having a thickness of 175 μm are subjected to the corona discharge treatment, the undercoat coating solution formulation {circle around (1)} is applied to one surface (photosensitive layer surface) with a wire bar. .6ml / m2(Per side) and dried at 180 ° C. for 5 minutes, and then the undercoat coating liquid formulation (2) is applied to the back side (back side) with a wire bar at a wet coating amount of 5.7 ml / m.2And then dried at 180 ° C. for 5 minutes. Further, the undercoat coating liquid formulation (3) is applied to the back surface (back surface) with a wire bar so that the wet coating amount is 7.7 ml / m.2And then dried at 180 ° C. for 6 minutes to prepare an undercoat support.
[0221]
3-2. Back layer
3-2-1. Preparation of back layer coating solution
1) Preparation of solid precursor dispersion (a) of base precursor
64 g of base precursor compound-1, 10 g of Demol N (trade name, Kao Corporation), 28 g of diphenylsulfone and 220 ml of distilled water were added and mixed. ) To obtain a solid fine particle dispersion (a) of a base precursor compound having an average particle size of 0.2 μm.
[0222]
2) Preparation of dye solid fine particle dispersion (a)
9.6 g of cyanine dye compound-1, 5.8 g of sodium p-dodecyl sulfonate, and 305 ml of distilled water were mixed, and the mixture was dispersed in beads with a 1/4 G sand grinder mill (manufactured by IMEX Co., Ltd.). An occupied solid fine particle dispersion (a) having an average particle size of 0.2 μm was obtained.
[0223]
3) Preparation of antihalation layer coating solution
Gelatin 17 g, polyacrylamide 9.6 g, solid fine particle dispersion (a) 70 g of the above base precursor, 56 g of the above dye solid fine particle dispersion (a), monodisperse polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 8 μm, particle size) Standard deviation 0.4) 1.5 g, benzoisothiazolinone 0.03 g, sodium polyethylene sulfonate 2.2 g, blue dye compound-1 0.2 g, yellow dye compound-1 3.9 g, and water 844 ml. By mixing, an antihalation layer coating solution was prepared.
[0224]
4) Preparation of back surface protective layer coating solution
The container was kept at 40 ° C., 50 g of gelatin, 0.2 g of sodium polystyrenesulfonate, 2.4 g of N, N-ethylenebis (vinylsulfoneacetamide), 1 g of sodium t-octylphenoxyethoxyethanesulfonate, 30 mg of benzoisothiazolinone , 37 mg of fluorosurfactant (F-1), 0.15 g of fluorosurfactant (F-2), 64 mg of fluorosurfactant (F-3), 32 mg of fluorosurfactant (F-4) 8.8 g of acrylic acid / ethyl acrylate copolymer (copolymerization weight ratio 5/95), 0.6 g of aerosol OT (American Cyanamid Co., Ltd.), 1.8 g of liquid paraffin emulsion as liquid paraffin, water Was mixed to prepare a coating solution for the back surface protective layer.
[0225]
3-2-2. Back layer application
On the back surface side of the undercoat support, the antihalation layer coating solution is applied so that the coating amount of the solid fine particle dye is 0.04 g, and the back surface protective layer coating solution is applied with a gelatin coating amount of 1.7 g / m.2A multi-layer coating was applied and dried to form a back layer.
[0226]
3-3. Image forming layer, intermediate layer, and surface protective layer
3-3-1. Preparation of coating materials
1) Silver halide emulsion
[0227]
(Preparation of silver halide emulsion)
To a solution of 1420 ml of distilled water, 4.3 ml of a 1% by weight potassium iodide solution, 3.5 ml of 0.5 mol / L sulfuric acid and 36.7 g of phthalated gelatin were added and stirred in a stainless steel reaction vessel. While maintaining the liquid temperature at 35 ° C., a solution A in which 22.22 g of silver nitrate was diluted with distilled water to 195.6 ml and a solution B in which 21.8 g of potassium iodide was diluted with distilled water to a volume of 219 ml were added at a constant flow rate. The whole amount was added over a period of minutes. Thereafter, 10 ml of a 3.5% by mass aqueous hydrogen peroxide solution was added, and 10.8 ml of a 10% by mass aqueous solution of benzimidazole was further added. Further, a solution C obtained by adding distilled water to 51.86 g of silver nitrate and diluting to 317.5 ml and a solution D obtained by diluting 60 g of potassium iodide to a volume of 600 ml with distilled water, and the solution C is completely added over 120 minutes at a constant flow rate. Solution D was added by the controlled double jet method while maintaining pAg at 8.1.
[0228]
1 x 10 per mole of silver-4The total amount of potassium hexachloroiridate (III) was added 10 minutes after the start of the addition of Solution C and Solution D so as to have a molar ratio. In addition, 5 seconds after completion of the addition of the solution C, an aqueous solution of potassium iron (II) hexacyanide was added at 3 × 10 5 per mol of silver.-4The whole molar amount was added. The pH was adjusted to 3.8 using 0.5 mol / L sulfuric acid, stirring was stopped, and a precipitation / desalting / water washing step was performed. The pH was adjusted to 5.9 with 1 mol / L sodium hydroxide to prepare a silver halide dispersion having a pAg of 8.0. The grains in the prepared silver halide emulsion were pure silver iodide grains having an average sphere equivalent diameter of 0.037 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 17%. The particle size and the like were determined from an average of 1000 particles using an electron microscope.
[0229]
After maintaining the above silver halide dispersion at 38 ° C. and adjusting the pAg to 5.0, 5 ml of a methanol solution of 0.34% by mass of 1,2-benzisothiazolin-3-one was added and 10 minutes later. The temperature was raised to 47 ° C. Next, sodium benzenethiosulfonate was 7.6 × 10 6 in 1 mol of silver with a methanol solution.-5After adding 5 mol, tellurium sensitizer (bis (N-phenyl-N-methylcarbamoyl) telluride) was added at 0.5 milmol per mol of silver and aged for 84 minutes. Thereafter, the emulsion was divided into 12 parts, and the pAg of each emulsion was prepared as shown in Table 3. Then, 9.5 mmol of the sensitizing dye shown in Table 3 was added to 1 mol of silver and ripened for 30 minutes. . However, since the addition amount of the sensitizing dye S-4 used for the sample No. 35 was too much in the above amount, 1.3 mmol was added to 1 mol of silver from which the maximum sensitivity was obtained with the sensitizing dye. It was.
[0230]
Thereafter, each emulsion was lowered to 35 ° C., 1.3 ml of a 0.8% by weight methanol solution of N, N′-dihydroxy-N ″ -diethylmelamine was added, and after 4 minutes, 5-methyl-2-mercaptobenone was added. Imidazole in methanol solution at 4.8 x 10 per mole of silver-3Mole and 1-phenyl-2-heptyl-5-mercapto-1,3,4-triazole in a methanol solution at 5.4 × 10 5 per mole of silver-3Molar additions made silver halide emulsions A to G.
[0231]
(Preparation of mixed emulsion for coating solution)
The above silver halide emulsions A to G were dissolved, and benzothiazolium iodide was dissolved in a 1% by mass aqueous solution at 7 × 10 5 per silver mole.-3Mole was added. Further, water was added so that the content of silver halide per 1 kg of the mixed emulsion for coating solution was 38.2 g as silver.
[0232]
2) Preparation of fatty acid silver dispersion A
Henkel behenic acid (product name Edenor C22-85R) 87.6 kg, distilled water 423 L, 5 mol / L NaOH aqueous solution 49.2 L, t-butyl alcohol 120 L were mixed and stirred at 75 ° C. for 1 hour to react. To obtain a sodium behenate solution. Separately, 206.2 L (pH 4.0) of an aqueous solution containing 40.4 kg of silver nitrate was prepared and kept warm at 10 ° C. A reaction vessel containing 635 L of distilled water and 30 L of t-butyl alcohol was kept at 30 ° C., and with sufficient agitation, the total amount of the previous sodium behenate solution and the total amount of silver nitrate aqueous solution were kept at a constant flow rate of 93 minutes and 15 seconds, respectively. And added over 90 minutes.
At this time, only the silver nitrate aqueous solution is added for 11 minutes after the start of the addition of the aqueous silver nitrate solution, and then the addition of the sodium behenate solution is started. After the addition of the aqueous silver nitrate solution, only the sodium behenate solution is added for 14 minutes and 15 seconds. It was made to be. At this time, the temperature in the reaction vessel was 30 ° C., and the external temperature was controlled so that the liquid temperature was constant.
The pipe of the addition system for the sodium behenate solution was kept warm by circulating hot water outside the double pipe so that the liquid temperature at the outlet at the tip of the addition nozzle was 75 ° C. Moreover, the piping of the addition system of the silver nitrate aqueous solution was kept warm by circulating cold water outside the double pipe. The addition position of the sodium behenate solution and the addition position of the aqueous silver nitrate solution were arranged symmetrically around the stirring axis, and were adjusted so as not to contact the reaction solution.
After completion of the addition of the sodium behenate solution, the mixture was left stirring for 20 minutes at the same temperature, heated to 35 ° C. over 30 minutes, and then aged for 210 minutes. Immediately after completion of aging, the solid content was separated by centrifugal filtration, and the solid content was washed with water until the conductivity of filtered water reached 30 μS / cm. Thus, a fatty acid silver salt was obtained. The obtained solid content was stored as a wet cake without drying.
[0233]
When the morphology of the obtained silver behenate particles was evaluated by electron microscope photography, the average values were a = 0.14 μm, b = 0.4 μm, c = 0.6 μm, and the average aspect ratio 5.2 (a , B and c are defined in the text). As a result of measuring with a laser light scattering type particle size measuring device, it was a scaly crystal having an average sphere equivalent diameter of 0.52 μm and a sphere equivalent diameter variation coefficient of 15%.
[0234]
19.3 kg of polyvinyl alcohol (trade name: PVA-217) and water are added to a wet cake corresponding to a dry solid content of 260 kg to make a total amount of 1000 kg, and then slurried with a dissolver blade. : PM-10 type).
Next, the pre-dispersed stock solution is subjected to a pressure of 1260 kg / cm of a disperser (trade name: Microfluidizer M-610, manufactured by Microfluidics International Corporation, using a Z-type interaction chamber).2And processed three times to obtain fatty acid silver dispersion A. The cooling operation was carried out by installing a serpentine heat exchanger before and after the interaction chamber, and adjusting the temperature of the refrigerant to a dispersion temperature of 18 ° C.
[0235]
3) Preparation of reducing agent dispersion A
To 10 kg of reducing agent complex-1, 0.12 kg of hydrogen bonding compound-1, and 16 kg of 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol (Kuraray Co., Ltd., Poval MP203), 7.2 kg of water was added, Mix well to make a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 4 hours 30 minutes in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Corporation) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm, and then benzoisothiazolinone sodium salt 0.2 g and water were added to prepare a reducing agent complex concentration of 25% by mass to obtain a reducing agent dispersion A.
The average particle diameter of the reducing agent complex particles in the dispersion thus obtained was 0.46 μm in terms of median diameter, and the maximum particle diameter was 1.6 μm or less. The obtained dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0236]
4) Preparation of polyhalogen compound dispersion
(Organic polyhalogen compound-1 dispersion)
Add 10 kg of organic polyhalogen compound-1 and 10 kg of 20 wt% aqueous solution of modified polyvinyl alcohol MP203, 0.4 kg of 20 wt% aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate and 14 kg of water, and mix well to form a slurry. did.
This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm for 5 hours as a basic time, and then benzoisothiazolinone Sodium salt (0.2 g) and water were added so that the concentration of the organic polyhalogen compound was 26% by mass to obtain a polyhalogen compound-1 dispersion.
The organic polyhalogen compound particles contained in the dispersion thus obtained had a median diameter of 0.41 μm and a maximum particle diameter of 2.0 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 10.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0237]
(Organic polyhalogen compound-2 dispersion)
10 kg of organic polyhalogen compound-2, 20 kg of a 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol MP203 and 0.4 kg of a 20% by weight aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate were added and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump and dispersed for 5 hours in a horizontal sand mill (UVM-2: manufactured by Imex Co., Ltd.) filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm. 2 g and water were added to prepare an organic polyhalogen compound concentration of 25% by mass. This dispersion was heated at 40 ° C. for 5 hours to obtain a polyhalogen compound-2 dispersion.
The organic polyhalogen compound particles contained in the dispersion thus obtained had an average particle size of 0.36 μm in median diameter and a maximum particle size of 1.5 μm or less. The obtained organic polyhalogen compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0238]
5) Preparation of phthalazine compound-1 solution
8 kg of modified polyvinyl alcohol MP203 was dissolved in 174.57 kg of water, and then 3.15 kg of a 20% by weight aqueous solution of sodium triisopropylnaphthalenesulfonate and 14.28 kg of a 70% by weight aqueous solution of phthalazine compound-1 were added. A 5% by weight solution of 1 was prepared.
[0239]
6) Preparation of mercapto compound-1 aqueous solution
7 g of mercapto compound-1 was dissolved in 993 g of water to obtain a 0.7% by mass aqueous solution.
[0240]
7) Preparation of pigment-1 dispersion
C. I. Pigment Blue 60 (64 g) and Demol N (6.4 g) were added with 250 g of water and mixed well to obtain a slurry. 800 g of zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm are put in a vessel together with the slurry, dispersed in a 1/4 G sand grinder mill (manufactured by IMEX Co., Ltd.) for 25 hours, and then added with water to a pigment concentration of 5% by mass. Diluted to The average particle size of the pigment in the obtained dispersion was 0.21 μm.
[0241]
8) Preparation of SBR latex solution
The SBR latex with Tg = 23 ° C. was prepared as follows. Ammonium persulfate is used as a polymerization initiator and an anionic surfactant is used as an emulsifier. After 70.5 mass of styrene, 26.5 mass of butadiene and 3.0 mass of acrylic acid are emulsion-polymerized, aging is performed at 80 ° C. for 8 hours. It was. Thereafter, the mixture was cooled to 40 ° C., adjusted to pH 7.0 with aqueous ammonia, and Sandet BL manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd. was further added to 0.22%. Next, 5% aqueous sodium hydroxide solution was added to adjust the pH to 8.3, and further adjusted to pH 8.4 with aqueous ammonia. Na used at this time+Ion and NH4 +The molar ratio of ions was 1: 2.3. Further, 0.15 ml of a 7% aqueous solution of benzoisothiazoline non sodium salt was added to 1 kg of this liquid to prepare an SBR latex liquid.
[0242]
(SBR Latex: Latex of -St (70.0) -Bu (27.0) -AA (3.0)-)
Tg23 ° C. Average particle size 0.1 μm, concentration 43% by mass, equilibrium water content 0.6% by mass at 25 ° C. 60% RH, ion conductivity 4.2 mS / cm (Ion conductivity is measured by Toa Denpa Kogyo Co., Ltd.) Conductivity meter CM-30S was used, latex stock solution (43% by mass measured at 25 ° C.), pH 8.4.
[0243]
3-3-2 Preparation of coating solution
1) Preparation of image forming layer coating solution-1
1000 g of fatty acid silver dispersion A obtained above, 104 ml of water, 30 g of pigment-1 dispersion, 6.3 g of organic polyhalogen compound-1 dispersion, 20.7 g of organic polyhalogen compound-2 dispersion, phthalazine compound-1 173 g of solution, 1082 g of SBR latex (Tg: 23 ° C.) liquid, 258 g of reducing agent dispersion A, and 9 ml of mercapto compound-1 aqueous solution were sequentially added, and mixed emulsions A to G for silver halide coating liquid were added immediately before coating. The emulsion layer coating solution to which 117 g had been added and mixed well was fed to the coating die as it was and coated.
The viscosity of the emulsion layer coating solution was 25 [mPa · S] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) as measured with a B-type viscometer of Tokyo Keiki.
[0244]
2) Preparation of intermediate layer coating solution
772 g of 10% by weight aqueous solution of polyvinyl alcohol PVA-205 (manufactured by Kuraray Co., Ltd.), 5.3 g of pigment-1 dispersion, methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio) 64/9/20/5/2) 226 g of 27.5 wt% latex, 2 ml of 5 wt% aqueous solution of aerosol OT, 10.5 ml of 20 wt% aqueous solution of diammonium phthalate, total amount 880 g Water was added to the solution and adjusted with NaOH so that the pH was 7.5 to obtain an intermediate layer coating solution of 10 ml / m2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 65 [mPa · S] at 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm) B-type viscometer.
[0245]
3) Preparation of surface protection first layer coating solution
Inert gelatin (64 g) is dissolved in water, and methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 64/9/20/5/2) 27.5% by weight latex 80 g, 23 ml of 10% by weight methanol solution of phthalic acid, 23 ml of 10% by weight aqueous solution of 4-methylphthalic acid, 28 ml of sulfuric acid having a concentration of 0.5 mol / L, 5 ml of 5% by weight aqueous solution of aerosol OT, 0.5 g of phenoxyethanol, 0.1g of isothiazolinone was added, water was added so that the total amount was 750g, and 26ml of 4% by weight chromium alum was mixed with a static mixer immediately before coating to 18.6ml / m.2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 20 [mPa · S] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0246]
4) Preparation of coating solution for surface protective second layer
Inert gelatin (80 g) is dissolved in water, and methyl methacrylate / styrene / butyl acrylate / hydroxyethyl methacrylate / acrylic acid copolymer (copolymerization weight ratio 64/9/20/5/2) 27.5% by weight of latex 102 g, 3.2 ml of a 5% by weight solution of fluorinated surfactant F-1, 32 ml of a 2% by weight aqueous solution of fluorinated surfactant F-2, 23 ml of a 5% by weight solution of aerosol OT, polymethylmethacrylate fine particles ( 4 g of average particle size 0.7 μm), 21 g of polymethyl methacrylate fine particles (average particle size 4.5 μm), 1.6 g of 4-methylphthalic acid, 4.8 g of phthalic acid, 44 ml of 0.5 mol / L sulfuric acid, benzoisothiazo Water is added to 10 mg of linone so that the total amount becomes 650 g, and 4% by mass of chromium alum and 0.67% by mass The solution obtained by mixing 445 ml of an aqueous solution containing phthalic acid with a static mixer immediately before coating was used as the surface protective layer coating solution, and 8.3 ml / m2Then, the solution was fed to the coating die.
The viscosity of the coating solution was 19 [mPa · s] at a B-type viscometer of 40 ° C. (No. 1 rotor, 60 rpm).
[0247]
3-3-3. Preparation of application sample
On the surface opposite to the back surface, the image forming layer, the intermediate layer, the surface protective first layer, and the surface protective second layer are sequentially coated in the order of the image forming layer, the intermediate layer, the surface protective second layer, and the simultaneous development of the photosensitive material A sample was prepared. At this time, the coating solution temperature of the image forming layer and the intermediate layer was adjusted to 35 ° C., the coating solution temperature of the first protective layer was adjusted to 36 ° C., and the protective layer second layer was adjusted to 37 ° C.
Coating amount of each compound in the emulsion layer (g / m2) Is as follows.
[0248]
Silver behenate silver 6.19
C. I. Pigment Blue 60 0.036
Organic polyhalogen compound-1 0.04
Organic polyhalogen compound-2 0.12
Phthalazine compound-1 0.21
SBR Latex 11.1
Reducing agent complex-1 1.51.54
Mercapto compound-1 0.002
Silver halide (as Ag) 0.10
[0249]
The coating and drying conditions are as follows.
The coating was performed at a speed of 160 m / min, the gap between the coating die tip and the support was set to 0.10 to 0.30 mm, and the pressure in the decompression chamber was set to be 196 to 882 Pa lower than the atmospheric pressure. The support was neutralized with an ion wind before coating.
[0250]
In the subsequent chilling zone, after cooling the coating solution with wind at a dry bulb temperature of 10 to 20 ° C., the coating solution is transported in a non-contact manner, and dried at a dry bulb temperature of 23 to 45 ° C. It dried with the dry wind of the wet bulb temperature 15-21 degreeC.
After drying, the humidity was adjusted at 25 ° C. and humidity of 40 to 60% RH, and then the film surface was heated to 70 to 90 ° C. After heating, the film surface was cooled to 25 ° C.
[0251]
The photothermographic material thus prepared had a Beck smoothness of 550 seconds on the image forming layer surface side and 130 seconds on the back surface. Further, the pH of the film surface on the image forming layer surface side was measured and found to be 6.0.
[0252]
The chemical structures of the compounds used in the examples of the present invention are shown below.
[0253]
Embedded image
[0254]
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[0255]
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[0256]
3-4. Evaluation of photographic performance
(Preparation)
The obtained sample was cut into half-cut sizes, packaged in the following packaging materials in an environment of 25 ° C. and 50%, and stored at room temperature for 2 weeks.
(Packaging material)
PET 10 μm / PE 12 μm / aluminum foil 9 μm / Ny 15 μm / polyethylene 50% containing 3% carbon, oxygen permeability: 0.02 ml / atm · m2・ 25 ° C./day, moisture permeability: 0.10 g / atm · m2-25 degreeCday.
[0257]
The above photosensitive material was evaluated as follows.
(Exposure of photosensitive material)
The light-sensitive material was exposed as follows.
Fuji Medical Dry Laser Imager FM-DPL was modified and exposed and developed. The exposure was performed by irradiating the light-sensitive material with a 660 nm semiconductor laser having a maximum output of 60 mW (IIIB) mounted on FM-DPL, narrowed to 100 μm × 100 μm. The exposure was performed by changing the exposure amount of the laser stepwise. Development was a total of 24 seconds with four panel heaters set at 112 ° C.-119 ° C.-121 ° C.-121 ° C. using the FM-DPL thermal development section.
[0258]
(Evaluation of Sample) The obtained image was subjected to density measurement with a Macbeth densitometer, and a density characteristic curve with respect to the logarithm of the exposure amount was created. For sensitivity, the optical density of the unexposed part was covered (Dmin), and the density of the part exposed at the maximum exposure was Dmax. In addition, the reciprocal of the exposure amount at which an optical density of Dmin + 2.0 is obtained is expressed as a relative value, with the sensitivity of the sample 32 being 100. A larger value indicates higher sensitivity.
[0259]
[Table 3]
[0260]
As is apparent from the results in Table 3, those satisfying the constituent requirements of the present invention provided very high spectral sensitivity.
[0261]
Example 4
(Preparation of reducing agent-2 dispersion)
6 kg of water was added to 10 kg of reducing agent-2 and 20 kg of a 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol MP203, and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, dispersed in a horizontal sand mill UVM-2 filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm for 3 hours and 30 minutes, and then 0.2 g of benzoisothiazolinone sodium salt and water were added. The reducing agent concentration was adjusted to 25% by mass to obtain a reducing agent-2 dispersion. The reducing agent particles contained in the reducing agent dispersion thus obtained had a median diameter of 0.38 μm and a maximum particle diameter of 1.5 μm or less. The obtained reducing agent dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0262]
(Preparation of hydrogen bonding compound-1 dispersion)
10 kg of water was added to 10 kg of hydrogen bonding compound-1 and 20 kg of a 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol MP203, and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, dispersed in a horizontal sand mill UVM-2 filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm for 3 hours and 30 minutes, and then 0.2 g of benzoisothiazolinone sodium salt and water were added. The concentration of the reducing agent was adjusted to 22% by mass to obtain a hydrogen bonding compound-2 dispersion. The hydrogen bonding compound particles contained in the dispersion thus obtained had an average particle size of 0.35 μm in median diameter and a maximum particle size of 1.5 μm or less. The obtained hydrogen bonding compound dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0263]
(Preparation of photothermographic material 46)
The photothermographic material 46 was prepared in the same manner as the sample 36 of Example 3, except that a dispersion of reducing agent-2 and a dispersion of hydrogen bonding compound-1 were used instead of the dispersion of reducing agent complex-1. did. Coating amount of each compound in the emulsion layer (g / m2) Is as follows.
[0264]
Silver behenate 6.0
Reductant-2 0.76
Hydrogen bonding compound-1 0.59
Pigment (CI Pigment Blue 60) 0.032
Polyhalogen compound-1 0.04
Polyhalogen compound-2 0.12
Phthalazine Compound-1 0.21
SBR Latex 11.1
Mercapto compound-1 0.002
Silver halide (as Ag) 0.09
[0265]
As a result of evaluating in the same manner as in Example 3, a preferable result was obtained in the same manner as in Example 3.
[0266]
Example 5
In place of the reducing agent-2 of Example 4, a compound of reducing agent-3 (similarly, a dispersion was prepared and added) was used, and the following dispersion of development accelerator-1 was further used as a development accelerator amount. 0.01 g / m2Thus, a development photosensitive material 56 was produced.
As a result of changing the conveying speed of the heat developing machine and carrying out the developing process with a heat developing time of 14 seconds, a preferable result was obtained as in Example 3.
[0267]
(Preparation of Development Accelerator-1 Dispersion)
10 kg of water was added to 10 kg of the development accelerator-1 and 20 kg of a 10% by weight aqueous solution of modified polyvinyl alcohol MP203, and mixed well to obtain a slurry. This slurry was fed with a diaphragm pump, dispersed in a horizontal sand mill UVM-2 filled with zirconia beads having an average diameter of 0.5 mm for 3 hours and 30 minutes, and then 0.2 g of benzoisothiazolinone sodium salt and water were added. The concentration of the reducing agent was adjusted to 20% by mass to obtain a development accelerator-1 dispersion.
[0268]
The development accelerator-1 particles thus obtained had a median diameter of 0.48 μm and a maximum particle diameter of 1.4 μm or less. The obtained dispersion was filtered through a polypropylene filter having a pore size of 3.0 μm to remove foreign substances such as dust and stored.
[0269]
Embedded image
[0270]
Example 7
Similar to the silver iodide emulsion of Example 3, a silver chlorobromoiodide emulsion in which 6% of silver bromide was mixed and 10% of silver chloride was epitaxially formed was prepared. Samples 309 and 310 of Example 3 Similarly, a coated sample 77 was obtained. When the same exposure and development treatment as in Example 3 was performed, a preferable result was obtained as in Example 3.
[0271]
【The invention's effect】
According to the present invention, it is possible to provide a silver iodide photographic emulsion of high silver iodide excellent in high spectral sensitivity and storage stability according to desired spectral sensitivity, and having high sensitivity, low Dmin and high Dmax. In addition, it is possible to provide a photothermographic material excellent in image storability against light irradiation after processing.