JP2004091623A - Plasma display panel - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビなどの画像表示に用いられるプラズマディスプレイパネル、そしてその蛍光体層を構成する蛍光体およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピュータやテレビなどの画像表示に用いられているカラー表示デバイスにおいて、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)は、大型で薄型軽量を実現することのできるカラー表示デバイスとして注目されている。
【0003】
PDPは、いわゆる3原色(赤、緑、青)を加法混色することにより、フルカラー表示を行っている。このフルカラー表示を行うために、PDPには3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光する蛍光体層が備えられ、この蛍光体層を構成する蛍光体粒子はPDPの放電セル内で発生する紫外線により励起され、各色の可視光を生成している。
【0004】
上記の各色の蛍光体に用いられる化合物としては、例えば、赤色を発光し正(+)に帯電する(YGd)BO3:Eu3+、Y2O3:Eu3+や、緑色を発光し負(−)に帯電するZn2SiO4:Mn2+や、青色を発光し正(+)に帯電するBaMgAl10O17:Eu2+等が知られている。以上の各色の蛍光体は、所定の原材料を混ぜ合わせた後、1000℃以上の高温で焼成することにより固相反応されて作製される(例えば、蛍光体ハンドブック、P219、225、オーム社参照)。
【0005】
ここで蛍光体は、粒子径が小さく、均一(粒度分布がそろっている)であれば、蛍光体層における蛍光体粒子の充填密度が向上し蛍光体層としての発光表面積が大きくなるため、理論的にはPDP表示装置の輝度を上げることができると考えられ、そこで蛍光体粒子としては、軽く粉断(粒子同士が凝集している状態から、結晶が破断しない、ほぐす程度の粉砕。結晶を破断する程度に粉砕してしまうと輝度が低下してしまうため。)した後、分級(赤、緑の平均粒径:2μm〜5μm、青の平均粒径:3μm〜10μm)して蛍光体粒子に凝集がない状態で使用している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上述のような蛍光体を用いた場合、以下に述べるような課題が発生する場合がある。
【0007】
まず、PDPに用いられる蛍光体のうち、青色蛍光体と赤色蛍光体の表面の電荷は正(+)帯電になっているが、Zn2SiO4:Mnからなる緑色蛍光体の場合は、蛍光体の製造上、ZnOに対するSiO2の割合が、化学量論比(ZnO/SiO2=2)よりもSiO2が多くなっている(ZnO/SiO2=1.5)ため、Zn2SiO4:Mn結晶の表面はSiO2で覆われており(蛍光体ハンドブック、pp219−220、オーム社)、蛍光体表面は負(−)に帯電している。また、化学量論比で作製したとしても、1100℃以上で焼成すると蛍光体表面にSiO2が析出し、やはり同様に負(−)に帯電する。
【0008】
上記のような緑色蛍光体粒子で緑色蛍光体インキを作製し、このインキを用いてノズルから連続的に吐出させて塗布するインキジェット塗布法により緑色蛍光体層を形成した場合、蛍光体材料が凝集のない粒子状であるにもかかわらずノズルの目づまりや塗布むらが発生してしまうという課題が発生する場合がある。これは、インキ中にあるエチルセルロースは、溶液中では負に帯電していることから、負に帯電した緑色蛍光体Zn2SiO4:Mnの表面に吸着しにくくなり、分散不良(バインダー中で、Zn2SiO4粒子同士が凝集を起こす)を起こすためである。
【0009】
次に、PDPにおいては、緑色蛍光体のように負に帯電している蛍光体と、赤色、青色の蛍光体のように正に帯電している蛍光体とが混在していると、駆動時、特に全面点灯させた後に全面消去を行うと、負(−)帯電の蛍光体にのみマイナスの電荷が残り、表示のための電圧を印加した際、放電バラツキ、あるいは放電が発生しない放電ミスが発生するという課題がある(例えば、特開平11−86735号公報、特開2001−236893号公報)。
【0010】
さらに、蛍光体が負に帯電していると、放電中に発生するNeの+イオンやCH系の+イオンが蛍光体に引き寄せられてイオン衝突を起こしてしまうため、蛍光体の輝度を劣化させるという課題がある。
【0011】
ここで、緑色蛍光体であるZn2SiO4:Mnの表面の負帯電を正帯電にするために、正帯電の酸化物をある程度の厚み(0.1〜0.5wt%)で積層コートする方法(特開平11−86735号公報)や、正(+)帯電の緑色蛍光体を混合して見かけ上、正(+)帯電とする方法(特開2001−236893号公報)などが提案されてはいるが、正帯電の酸化物を0.1wt%以上積層コートすると輝度低下が発生し、また、帯電状態の異なる2種類の蛍光体を混合して塗布すると、目づまりや塗布むらが生じやすくなるという課題がある。
【0012】
本発明は、上述のような課題に鑑みてなされたものであり、R、G、Bの各色の蛍光体を正に帯電するものとし、蛍光体層の塗布精度の向上、輝度劣化の防止を図ることで、良好な画像表示を行うことができるPDPを実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を実現するために本発明のプラズマディスプレイパネルは、1色または複数色の放電セルが複数配列されるとともに、各放電セルに対応する色の蛍光体層を配設したプラズマディスプレイパネルであって、前記蛍光体層は緑色蛍光体層を有し、その緑色蛍光体層を構成する蛍光体が、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つであり、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12)を母体組成とするアルミン酸塩化合物に、Mn、あるいはMnとEuとの混合物を添加したものである。
【0014】
また、上記目的を実現するために本発明の蛍光体は、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つであり、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12)を母体組成とするアルミン酸塩化合物に、Mn、あるいはMnとEuとの混合物を添加したものである。
【0015】
また、上記目的を実現するために本発明の蛍光体の製造方法は、アルミン酸塩化合物を構成する元素であるBa、M(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)、Sr、Mg、Al、Mn、Euを含む金属塩や酸化物を混合して1200℃〜1500℃で焼成した後、窒素中あるいは窒素−水素中で1200℃〜1500℃で焼成し、その後、酸素あるいは酸素−窒素中で600℃〜1000℃でアニールする工程を有するものである。
【0016】
また、上記目的を実現するために本発明の蛍光体の製造方法は、アルミン酸塩化合物を構成する元素Ba、M(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)、Sr、Mg、Al、Mn、Euの硝酸化合物と水性媒体とを混合し、さらに塩基性水溶液を混合し、さらにアルカリ水を混合した後、温度が100℃〜350℃で圧力が0.2Mpa〜25Mpaの状態で水熱合成反応を行い、その後、窒素あるいは窒素−水素雰囲気で1200℃〜1500℃で焼成し、その後、酸素あるいは酸素−窒素中で600℃〜1000℃でアニールする工程を有するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、緑色の蛍光体を正に帯電するものとすることで、PDPに用いられる全ての蛍光体を正に帯電するものとし、蛍光体の凝集による輝度低下、塗布形成時での不具合、PDPでの放電発光時の不具合を解決するものである。
【0018】
具体的には、緑色蛍光体として、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つであり、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12)を母体組成とするアルミン酸塩化合物に、緑色の発光センターとなるMn、あるいはMnとEuとの混合物を添加したものを用いるというものである。
【0019】
ここで、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3において、x、y、zの範囲をそれぞれ、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12とすることにより、結晶構造として、(Ba、M)MgAl10O17、(Ba、M)Mg3Al14O25、(Ba、M)2Mg4Al8O16、(Ba、M)3Mg5Al18O35、(Ba、M)2Mg4Al24O42などを母体組成とするβ−アルミナ結晶構造や、(Ba、M)Al12O19、(Ba、M)Mg2Al16O27、(Ba、M)2Mg2Al12O22、(Ba、M)3Mg2Al24O42などを母体組成とするマグネトプラムバイト結晶構造をとり易くなり、輝度の低下や紫外線による劣化を抑制する効果が高まる。
【0020】
また、上述の結晶構造による蛍光体は、粒子径が0.1μm〜3μmと小さくなり、また、粒度分布も良好となる。したがって、蛍光体層において蛍光体粒子の充填密度が向上し発光に寄与する蛍光体粒子の発光面積が増加するので好ましい。
【0021】
ここで、蛍光体粒子の平均粒径としては、0.1μm〜2.0μmの範囲がさらには好ましい。また、粒度分布は最大粒径が平均値の4倍以下で最小値が平均値の1/4以上がさらには好ましい。これは、蛍光体粒子において紫外線が到達する領域は、粒子表面から数百nm程度と浅く、ほとんど表面しか発光しない状態であり、こうした蛍光体粒子の粒径が2.0μm以下になれば発光に寄与する粒子の表面積が増加して蛍光体層の発光効率は高い状態に保たれるからであり、蛍光体粒子の粒径が3.0μm以上であると、蛍光体の厚みが20μm以上必要となり放電空間が十分確保できず、0.1μm以下であると欠陥が生じやすく輝度が向上しない。
【0022】
また、蛍光体層の厚みを蛍光体粒子の平均粒径の8〜25倍の範囲内にすれば、蛍光体層の発光効率が高い状態を保ちつつ放電空間を十分に確保することができるので、PDP表示装置における輝度を高くすることができる。特に蛍光体の平均粒径が3μm以下であるとその効果は大きい(映像情報メディア学会 IDY2000−317、PP32)。
【0023】
ここで、緑色蛍光体を、β−アルミナ結晶構造、あるいはマグネトプラムバイト結晶構造を有するアルミン酸塩化合物とすることにより、蛍光体の表面電荷は正となり、従来の、表面電荷が負であることに起因する凝集やイオン衝撃による劣化などの課題は解決できるが、このx(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3構造を有する緑色蛍光体は、発光中心である2価のMnや2価のEuを、(Ba、M)Oサイト(Mはランタノイド元素)、あるいはMgOサイトと置換する際に、中性あるいは弱還元性の雰囲気で焼成するため、(Ba、M)OサイトやMgOサイト近傍には多くの酸素欠陥が存在した状態となっており、この酸素欠陥に、例えばPDP製造工程時に、水分や炭水化物が選択的に吸着してしまい、蛍光体を焼成する際に発光中心である2価のMnやEuが酸化され、輝度劣化を起こしてしまうという課題を有する。また、酸素欠陥に選択的に吸着した水や炭化水素に紫外線やイオンが照射されることによって、輝度劣化を起こしてしまうという課題も有する。
【0024】
そこで、これら酸素欠陥に起因する輝度劣化を回避するために、例えば緑色蛍光体を酸化雰囲気中であらかじめ焼成し、Baと置換した2価のM(Mはランタノイド元素)の一部を3価に置換することによって、(Ba、M)OサイトあるいはMgOサイト近傍の正電荷を増大させることが有効である。これは、増大した正電荷を中和するために負の電荷を持つ酸素が(Ba、M)O近傍の酸素欠陥に拡散して欠陥を埋めるように作用し、その結果、酸素欠陥を低減できるものと考えられるからである。
【0025】
また、ランタノイド元素Mは、Eu、Mnより酸化されやすい元素であるため、緑色蛍光体を酸化雰囲気中で焼成すると、ランタノイド元素であるM自身が選択的に酸化する。したがって緑色の発光元素であるMn2+、Eu2+は酸化されにくくなり(一部は酸化されるが酸化量は少なく、輝度の低下は少ない)、輝度を下げずに、耐久性を上げることが可能となる。
【0026】
すなわち、本発明の請求項1に記載の発明は、1色または複数色の放電セルが複数配列されるとともに、各放電セルに対応する色の蛍光体層を配設したプラズマディスプレイパネルであって、前記蛍光体層は緑色蛍光体層を有し、その緑色蛍光体層を構成する蛍光体が、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つであり、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12)を母体組成とするアルミン酸塩化合物に、Mn、あるいはMnとEuとの混合物を添加したプラズマディスプレイパネルである。
【0027】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、アルミン酸塩化合物がβ−アルミナ結晶構造を有し、母体組成が、(Ba、M)MgAl10O17、(Ba、M)Mg3Al14O25、(Ba、M)2Mg4Al8O16、(Ba、M)3Mg5Al18O35、(Ba、M)2Mg4Al24O42(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)の中から選ばれる少なくとも一つであるというものである。
【0028】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、アルミン酸塩化合物がマグネトプラムバイト結晶構造を有し、母体組成が、(Ba、M)Al12O19、(Ba、M)Mg2Al16O27、(Ba、M)2Mg2Al12O22、(Ba、M)3Mg2Al24O42(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)の中から選ばれる少なくとも一つであるというものである。
【0029】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発明において、2価のM(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)、2価のMn、2価のEuの一部が3価に置換され、その置換量は、Mn、Eu、Mの順に多いというものである。
【0030】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、2価のMnの1%〜10%が3価に置換され、2価のEuの10%〜20%が3価に置換され、2価のM(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)の50%から100%が3価に置換されているというものである。
【0031】
また、請求項6に記載の発明は、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つであり、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12)を母体組成とするアルミン酸塩化合物に、Mn、あるいはMnとEuとの混合物を添加した蛍光体である。
【0032】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、アルミン酸塩化合物がβ−アルミナ結晶構造を有し、母体組成が、(Ba、M)MgAl10O17、(Ba、M)Mg3Al14O25、(Ba、M)2Mg4Al8O16、(Ba、M)3Mg5Al18O35、(Ba、M)2Mg4Al24O42(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)の中から選ばれる少なくとも一つであるというものである。
【0033】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、アルミン酸塩化合物がマグネトプラムバイト結晶構造を有し、母体組成が、(Ba、M)Al12O19、(Ba、M)Mg2Al16O27、(Ba、M)2Mg2Al12O22、(Ba、M)3Mg2Al24O42(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)の中から選ばれる少なくとも一つであるというものである。
【0034】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6から8のいずれかに記載の発明において、2価のM(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)、2価のMn、2価のEuの一部が3価に置換され、その置換量は、Mn、Eu、Mの順に多いというものである。
【0035】
また、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の発明において、2価のMnの1%〜10%が3価に置換され、2価のEuの10%〜20%が3価に置換され、2価のM(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)の50%から100%が3価に置換されているものである。
【0036】
また、請求項11に記載の発明は、アルミン酸塩化合物を構成する元素であるBa、M(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)、Sr、Mg、Al、Mn、Euを含む金属塩や酸化物を混合して1200℃〜1500℃で焼成した後、窒素中あるいは窒素−水素中で1200℃〜1500℃で焼成し、その後、酸素あるいは酸素−窒素中で600℃〜1000℃でアニールする工程を有する蛍光体の製造方法である。
【0037】
また、請求項12に記載の発明は、アルミン酸塩化合物を構成する元素Ba、M(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つ)、Sr、Mg、Al、Mn、Euの硝酸化合物と水性媒体とを混合し、さらに塩基性水溶液を混合し、さらにアルカリ水を混合した後、温度が100℃〜350℃で圧力が0.2Mpa〜25Mpaの状態で水熱合成反応を行い、その後、窒素あるいは窒素−水素雰囲気で1200℃〜1500℃で焼成し、その後、酸素あるいは酸素−窒素中で600℃〜1000℃でアニールする工程を有する蛍光体の製造方法である。
【0038】
以下、本発明の一実施の形態によるPDPについて図面を参照しながら説明する。
【0039】
図1は、PDPにおける前面ガラス基板を取り除いた概略平面図であり、図2は、PDPの画像表示領域について一部を断面で示す斜視図である。なお、図1においては表示電極群、表示スキャン電極群、アドレス電極群の本数などについては分かり易くするため一部省略して図示している。
【0040】
図1に示すように、PDP100は、前面ガラス基板101(図示せず)と、背面ガラス基板102と、N本の表示電極103と、N本の表示スキャン電極104(N本目を示す場合はその数字を付す)と、M本のアドレス電極107(M本目を示す場合はその数字を付す)と、斜線で示す気密シール層121とからなり、各電極103、104、107による3電極構造の電極マトリックスを有しており、表示スキャン電極104とアドレス電極107との交点にセルが形成されている。
【0041】
このPDP100は、図2に示すように、前面ガラス基板101の1主面上に表示電極103、表示スキャン電極104、誘電体ガラス層105、MgO保護層106が配された前面パネルと、背面ガラス基板102の1主面上にアドレス電極107、誘電体ガラス層108、隔壁109、および蛍光体層110R、110G、110Bが配された背面パネルとが張り合わされて、前面パネルと背面パネルとの間に形成される放電空間122内に放電ガスが封入された構成となっており、図外のPDP駆動装置150(図3)に接続することでPDP表示装置160(図3)を構成している。
【0042】
PDP表示装置160の駆動時には、図3に示すように、PDP100に表示ドライバ回路153、表示スキャンドライバ回路154、アドレスドライバ回路155を接続して、コントローラ152の制御に従い点灯させようとするセルにおいて表示スキャン電極104とアドレス電極107に印加することによりその間でアドレス放電を行った後に、表示電極103、表示スキャン電極104間にパルス電圧を印加して維持放電を行う。この維持放電により、当該セルにおいて紫外線が発生し、この紫外線により励起された蛍光体層が発光することでセルが点灯し、各色セルの点灯、非点灯の組み合わせによって画像が表示される。
【0043】
次に、上述したPDP100について、その製造方法を図1および図2を参照しながら説明する。
【0044】
前面パネルは、前面ガラス基板101上にまず、各N本の表示電極103および表示スキャン電極104(図2においては各2本のみ表示している。)を交互かつ平行にストライプ状に形成した後、その上を誘電体ガラス層105で被覆し、さらに誘電体ガラス層105の表面にMgO保護層106を形成することによって作製される。
【0045】
表示電極103および表示スキャン電極104は、銀からなる電極であって、電極用の銀ペーストをスクリーン印刷により塗布した後、焼成することによって形成される。
【0046】
誘電体ガラス層105は、鉛系のガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷で塗布した後、所定温度、所定時間(例えば560℃で20分)焼成することによって、所定の層の厚み(約20μm)となるように形成する。上記鉛系のガラス材料を含むペーストとしては、例えば、PbO(70wt%)、B2O3(15wt%)、SiO2(10wt%)、およびAl2O3(5wt%)と有機バインダ(α−ターピネオールに10%のエチルセルローズを溶解したもの)との混合物が使用される。ここで、有機バインダとは樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、エチルセルローズ以外に樹脂としてアクリル樹脂、有機溶媒としてブチルカービトールなども使用することができる。さらに、こうした有機バインダに分散剤(例えば、グリセルトリオレエート)を混入させてもよい。
【0047】
MgO保護層106は、酸化マグネシウム(MgO)から成るものであり、例えばスパッタリング法やCVD法(化学蒸着法)によって層が所定の厚み(約0.5μm)となるように形成される。
【0048】
一方、背面パネルは、まず背面ガラス基板102上に、電極用の銀ペーストをスクリーン印刷し、その後、焼成することによってM本のアドレス電極107が列設された状態に形成される。その上に鉛系のガラス材料を含むペーストがスクリーン印刷法で塗布されて誘電体ガラス層108が形成され、同じく鉛系のガラス材料を含むペーストをスクリーン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布した後焼成することによって隔壁109が形成される。この隔壁109により、放電空間122はライン方向に一つのセル(単位発光領域)毎に区画される。
【0049】
図4は、PDP100の一部断面図である。同図に示すように、隔壁109の間隙寸法Wが一定値32インチ〜50インチのHD−TVに合わせて130μm〜240μm程度に規定される。
【0050】
そして、隔壁109と隔壁109の間の溝には、赤色(R)、青色(B)、そして、表面電荷が正に帯電している、β−アルミナ結晶構造、あるいはマグネトプラムバイト結晶構造を持つアルミン酸塩化合物である緑色(G)の各蛍光体粒子により構成される蛍光体層110R、110B、110Gが形成されている。これは、各色の蛍光体粒子と有機バインダとからなるペースト状の蛍光体インキを塗布し、これを400〜590℃の温度で焼成して有機バインダを焼失させることによって、各蛍光体粒子が結着してなる蛍光体層110R、110G、110Bとして形成される。この蛍光体層110R、110G、110Bのアドレス電極107上における積層方向の厚みLは、各色蛍光体粒子の平均粒径のおよそ8〜25倍程度に形成することが望ましい。すなわち、蛍光体層に一定の紫外線を照射したときの輝度(発光効率)を確保するために、蛍光体層は、放電空間において発生した紫外線を透過させることなく吸収するために蛍光体粒子が最低でも8層、好ましくは20層程度積層された厚みを保持することが望ましく、それ以上の厚みとなれば蛍光体層の発光効率はほとんどサチュレートしてしまうとともに、20層程度積層された厚みを超えると放電空間122の大きさを十分に確保できなくなるからである。また、水熱合成法等により得られた蛍光体粒子のように、その粒径が十分小さく、かつ球状であれば、球状でない粒子を使用する場合と比べ積層段数が同じ場合であっても蛍光体層充填度が高まるとともに蛍光体粒子の総表面積が増加するため、蛍光体層における実際の発光に寄与する蛍光体粒子表面積が増加しさらに発光効率が高まる。この蛍光体層110R、110G、110Bの合成方法、については後述する。
【0051】
このようにして作製された前面パネルと背面パネルは、前面パネルの各電極と背面パネルのアドレス電極とが直交するように重ね合わせられるとともに、パネル周縁に封着用ガラスを介挿させ、これを例えば450℃程度で10〜20分間焼成して気密シール層121(図1)を形成させることにより封着される。そして、一旦放電空間122内を高真空(例えば、1.1×10−4Pa)に排気したのち、放電ガス(例えば、He−Xe系、Ne−Xe系の不活性ガス)を所定の圧力で封入することによってPDP100が作製される。
【0052】
図5は、蛍光体層110R、110G、110Bを形成する際に用いるインキ塗布装置の概略構成図である。
【0053】
図5に示すように、インキ塗布装置200は、サーバ210、加圧ポンプ220、ヘッダ230などを備え、蛍光体インキを蓄えるサーバ210から供給される蛍光体インキは、加圧ポンプ220によりヘッダ230に加圧されて供給される。ヘッダ230にはインキ室230aおよびノズル240(内径が30μm〜120μm)が設けられており、加圧されてインキ室230aに供給された蛍光体インキは、ノズル240から連続的に吐出されるようになっている。このノズル240の口径Dは、ノズルの目づまり防止のため30μm以上、かつ塗布の際の隔壁からのはみ出し防止のため隔壁109間の間隔W(約130μm〜200μm)以下にすることが望ましく、通常30μm〜130μmに設定される。
【0054】
ヘッダ230は、図示しないヘッダ走査機構によって直線的に駆動されるように構成されており、ヘッダ230を走査させるとともにノズル240から蛍光体インキ250を連続的に吐出することにより、背面ガラス基板102上の隔壁109間の溝に蛍光体インキが均一に塗布される。ここで、使用される蛍光体インキの粘度は25℃において、1500〜50000CPの範囲に保たれている。
【0055】
なお、上記サーバ210には図示しない攪拌装置が備えられており、その攪拌により蛍光体インキ中の粒子の沈殿が防止される。またヘッダ230は、インキ室230aやノズル240の部分も含めて一体成形されたものであり、金属材料を機器加工ならびに放電加工することによって作製されたものである。
【0056】
また、蛍光体層を形成する方法としては、上記方法に限定されるものではなく、例えば、フォトリソ法、スクリーン印刷法、および蛍光体粒子を混合させたフィルムを配設する方法など、種々の方法を利用することができる。
【0057】
蛍光体インキは、各色蛍光体粒子、バインダ、溶媒とが混合され、1500〜50000センチポアズ(CP)となるように調合されたものであり、必要に応じて、界面活性剤、シリカ、分散剤(0.1〜5wt%)等を添加してもよい。
【0058】
この蛍光体インキに調合される赤色蛍光体としては、(Y、Gd)1−xBO3:Eux、またはY2−xO3:Euxで表される化合物が用いられる。これらは、その母体材料を構成するY元素の一部がEuに置換された化合物である。ここで、Y元素に対するEu元素の置換量xは、0.05≦x≦0.20の範囲となることが好ましい。これ以上の置換量とすると、輝度は高くなるものの輝度劣化が著しくなることから実用上使用できにくくなると考えられる。一方、この置換量以下である場合には、発光中心であるEuの組成比率が低下し、輝度が低下して蛍光体として使用できなくなるためである。
【0059】
緑色蛍光体としては、表面が正に帯電した、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3(Mは、ランタノイド元素の中から選ばれる少なくとも一つであり、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12)を母体組成とするアルミン酸塩化合物に、発光センターとなるMn、あるいはMnとEuとの混合物を添加したものが用いられる。
【0060】
ここで、Mg、Baに対する2価のMn元素の置換量は0.01at%〜50at%、Eu元素の置換量は0.2at%〜20at%の範囲となることが好ましい。また、M(ランタノイド元素)のBaに対する置換量は、0.01at%〜10at%であることが好ましい。
【0061】
また、M、Eu、Mnの順に酸化されやすく、2価のM(ランタノイド元素)、2価のMn、2価のEuのそれぞれの一部が3価に置換されるその置換量は、Mn、Eu、Mの順に多く、例えば、2価のMnの1%〜10%が3価に置換され、2価のEuの10%〜20%が3価に置換され、2価のM(ランタノイド元素)の50%から100%が3価に置換された状態が好ましい。
【0062】
なお、上述のような蛍光体を、以降、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3:Mn;Euと記す。
【0063】
青色蛍光体としては、Ba1−xMgAl10O17:Eux、またはBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxで表される化合物が用いられる。Ba1−xMgAl10O17:Eux、Ba1−x−ySryMgAl10O17:Euxは、その母体材料を構成するBa元素の一部がEuあるいはSrに置換された化合物である。ここで、Ba元素に対するEu元素の置換量xは、0.05≦x≦0.20であることが、また、yは、0.1≦y≦0.5であることが好ましい。以上の蛍光体の合成方法については後述する。
【0064】
蛍光体インキに調合されるバインダとしては、エチルセルローズやアクリル樹脂を用い(インキの0.1〜10wt%を混合)、溶媒としては、α−ターピネオール、ブチルカービトールを用いることができる。なお、バインダとして、PMAやPVAなどの高分子を、溶媒として、ジエチレングリコール、メチルエーテルなどの有機溶媒を用いることもできる。
【0065】
本実施の形態においては、蛍光体粒子には、固相焼成法、水溶液法、噴霧焼成法、水熱合成法により製造されたものが用いられる。
【0066】
▲1▼青色蛍光体
(水熱合成法によるBa1−xMgAl10O17:Euxについて)
まず、混合液作製工程において、原料となる、硝酸バリウムBa(NO3)2、硝酸マグネシウムMg(NO3)2、硝酸アルミニウムAl(NO3)3、硝酸ユーロピウムEu(NO3)2を、モル比が1−x:1:10:x(0.03≦x≦0.25)となるように混合し、これを水性媒体に溶解して混合液を作製する。この水性媒体にはイオン交換水、純水が不純物を含まない点で好ましいが、これらに非水溶媒(メタノール、エタノールなど)が含まれていても使用することができる。
【0067】
次に水和混合液を金あるいは白金などの耐食性、耐熱性を持つものからなる容器に入れて、例えばオートクレーブなどの加圧しながら加熱する事ができる装置を用い、高圧容器中で所定温度(100〜350℃)、所定圧力(0.2MPa〜25MPa)の下で水熱合成(12〜20時間)を行う。
【0068】
次に、この粉体を還元雰囲気下(例えば水素を5%、窒素を95%含む雰囲気)で、所定温度、所定時間(例えば、1350℃で2時間)焼成し、次にこれを分級することにより所望の青色蛍光体Ba1−xMgAl10O17:Euxを得ることができる。
【0069】
水熱合成を行うことにより得られる蛍光体粒子は、形状が球状となり、かつ粒径が従来の固相反応から作製されるものと比べて小さく(平均粒径:0.05μm〜2.0μm程度)形成される。なお、ここでいう「球状」とは、ほとんどの蛍光粒子の軸径比(短軸径/長軸径)が、例えば、0.9以上1.0以下となるように定義されるものであるが、必ずしも蛍光体粒子のすべてがこの範囲に入る必要はない。
【0070】
また、前記水和混合物を金あるいは、白金の容器に入れずに、この水和混合物をノズルから高温炉に吹き付けて蛍光体を合成する噴霧法によっても青色蛍光体を作製できる。
【0071】
(固相焼成法によるBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxについて)
この蛍光体は、上述したBa1−xMgAl10O17:Euxと原料が異なるのみで固相反応法で作製する。以下、その使用する原料について説明する。
【0072】
原料として、水酸化バリウムBa(OH)2、水酸化ストロンチウムSr(OH)2、水酸化マグネシウムMg(OH)2、水酸化アルミニウムAl(OH)3、水酸化ユーロピウムEu(OH)2を、必要に応じたモル比となるように秤量し、これらをフラックスとしてのAlF3と共に混合し、所定の温度(1200℃〜1500℃)で焼成(12〜20時間)することにより、Mg、Alを4価のイオンで置換したBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxを得ることができる。本方法で得られる蛍光体粒子の平均粒径は、0.1μm〜3.0μm程度となる。
【0073】
次にこれを還元雰囲気下、例えば水素を5%、窒素を95%の雰囲気で所定温度(1200℃から1500℃)で焼成(2時間)後、空気分級機によって分級して蛍光体粉を作製する。
【0074】
なお蛍光体の原料として、酸化物、硝酸塩、水酸化物を主に用いたが、Ba、Sr、Mg、Al、Eu等の元素を含む有機金属化合物、例えば金属アルコキシドや、アセチルアセトン等を用いて、蛍光体を作製することも出来る。
【0075】
▲2▼緑色蛍光体
(x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3:Mn;Euについて)
固相法で作製する場合、まず、原料である、炭酸バリウムBaCO3、ランタノイド元素の酸化物M2O3、炭酸マグネシウムMgCO3、酸化アルミニウムAl2O3を、必要に応じてモル比でx:y:zになるように配合し、次に発光材料である炭酸マンガンMnCO3、酸化ユーロピウムEu2O3を必要量配合し、少量のフラックス(AlF3)とこれらの配合物を混合する。次にこれを1000℃〜1400℃で空気中2時間焼成する。
【0076】
次に、これを凝集物がほぐれる程度に軽く粉砕後、これを窒素中あるいは窒素−水素中で1000℃〜1400℃で焼成し、これを再度、粉砕した後、酸素あるいは酸素−窒素中で600℃〜1000℃でアニールして正に帯電する緑色蛍光体を作製する。
【0077】
また、緑色蛍光体を水熱合成法で作製する場合は、まず、混合液作製工程において、原料である、硝酸バリウムBa(NO3)2、ランタノイド元素の硝酸塩(M(NO3)3)、硝酸マグネシウムMg(NO3)2、硝酸アルミニウムAl(NO3)3・9H2Oが、モル比でx:y:zとなるように水溶液中に配合後、発光材として硝酸マンガンMn(NO3)2、硝酸ユーロピウムEu(NO3)3・9H2Oを必要量、この水溶液中に添加して混合液を作製する。
【0078】
次に、この混合液に塩基性水溶液(たとえばアンモニア水溶液)を滴下することにより、水和物を形成させる。その後、水熱合成工程において、この水和物とイオン交換水を白金や金などの耐食性、耐熱性を持つものからなるカプセル中に入れて、例えばオートクレーブを用いて高圧容器中で所定温度、所定圧力(例えば、温度100〜350℃、圧力0.2MPa〜25MPa)の条件下、所定時間(例えば、2〜20時間)水熱合成を行う。
【0079】
その後、乾燥することにより、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3:Mn;Euの蛍光体を作製する。次に、この粉体を窒素中あるいは窒素−水素中1000℃〜1400℃で焼成して正に帯電した緑色蛍光体を作製する(この時、粒径は5μm〜15μmに成長する)。次に、これをジェットミルで平均0.1μm〜3μmになるまで粉砕後、空気中あるいは窒素−酸素中で600℃〜1000℃でアニールして、正に帯電した緑色の蛍光体とする。
【0080】
▲3▼赤色蛍光体
(Y、Gd)1−xBO3:Euxについて)
混合液作製工程において、原料である、硝酸イットリウムY2(NO3)3と水硝酸ガドリミウムGd2(NO3)3とホウ酸H3BO3と硝酸ユーロピウムEu2(NO3)3を混合し、モル比が1−x:2:x(0.05≦x≦0.20、YとGdの比は65対35)となるように混合し、次にこれを空気中で1200℃〜1350℃で2時間熱処理後、分級して赤色蛍光体を得る。
【0081】
(Y2−xO3:Euxについて)
混合液作製工程において、原料である、硝酸イットリウムY2(NO3)3と硝酸ユーロピウムEu2(NO3)2を混合し、モル比が2−x:x(0.05≦x≦0.30)となるようにイオン交換水に溶解して混合液を作製する。
【0082】
次に、水和工程において、この水溶液に対して塩基性水溶液(例えば、アンモニア水溶液)を添加し、水和物を形成させる。
【0083】
その後、水熱合成工程において、この水和物とイオン交換水を白金や金などの耐食性、耐熱性を持つものからなる容器中に入れ、例えばオートクレーブを用いて高圧容器中で温度100〜350℃、圧力0.2MPa〜25MPaの条件下、3〜12時間水熱合成を行う。その後、得られた化合物の乾燥を行い、所望のY2−xO3:Euxが得られる。次にこの蛍光体を空気中で1300℃〜1400℃、2時間アニール後、分級して赤色蛍光体とする。この水熱合成工程により、得られる蛍光体は粒径が0.1μm〜2.0μm程度となり、かつその形状が球状となる。この粒径、形状は発光特性に優れた蛍光体層を形成するのに適している。
【0084】
なお、上述したPDP100の蛍光体層110R、110Bについては、従来用いられてきた蛍光体で、110Gについては、本発明による、正に帯電する、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3:Mn;Eu(Mはランタノイド元素r)で表される蛍光体を使用した。従来の緑色蛍光体は、本発明の緑色蛍光体と比べて、負に帯電しているため蛍光体工程中ノズルの目づまりが起こりやすく、また、緑色を発光させた時の輝度は低下する傾向があったが、本発明による緑色蛍光体を使用すれば、緑色セルの蛍光体塗布工程中ノズルの目づまりがなく、また、パネルの色ずれやアドレス放電ミスも起こらない。したがって、白表示の時の輝度を上げることができる。
【0085】
以下、本発明のPDP表示装置の性能を評価するために、上記実施の形態に基づくサンプルを作製し、そのサンプルについて性能評価実験を行い、実験結果を検討する。
【0086】
作製したプラズマディスプレイ装置は、42インチの大きさを持ち(リブピッチ150μmのHD−TV仕様)、誘電体ガラス層の厚みは20μm、MgO保護層の厚みは0.5μm、表示電極と表示スキャン電極の間の距離は0.08mmとなるように作製した。また、放電空間に封入される放電ガスは、ネオンを主体にキセノンガスを5%混合したガスである。
【0087】
サンプル1〜14のプラズマディスプレイ装置に用いる緑色蛍光体粒子には、正に帯電するxMO・yMgO・zAl2O3:Mn;Eu(M=Ba、Sr)蛍光体を用いた。それぞれの合成条件を表1に示す。
【0088】
【表1】
【0089】
サンプル1〜6は、正に帯電したx(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3緑色蛍光体を、赤色蛍光体には(Y、Gd)1−xBO3:Euxを、青色蛍光体にはBa1−xMgAl10O17:Euxをそれぞれ用いた組み合わせのものであり、蛍光体の合成の方法、発光中心となるMn、Euの置換比率、すなわちBa、M、Mg元素に対するMn、Euの置換比率、及びMn、Euの3価の量を表1のように変化させたものである。
【0090】
サンプル7〜15は、赤色蛍光体にY2−xO3:Eux、緑色蛍光体には、正に帯電したxMO・yMgO・zAl2O3:Mn;Eu、青色蛍光体にはBa1−x−ySryMgAl10O17:Euxを用いた組み合わせのものであり、上記と同様、蛍光体合成方法の条件、および緑色の場合、発光イオンの添加量、およびMn、Euの3価の量を表1のように変化させたものである。
【0091】
また、サンプル16は、緑色にZn2SiO4:Mnを用い、赤色、青色はサンプル7〜15と同じである。
【0092】
また、蛍光体層の形成に使用した蛍光体インキは、表1に示す各蛍光体粒子を使用して蛍光体、樹脂、溶剤、分散剤を混合して作製した。蛍光体インキの粘度(25℃)は、いずれも1500〜50000CPの範囲に保たれている。形成された蛍光体層を観察したところ、いずれも隔壁壁面にノズルの目づまりなしで均一に蛍光体インキが塗布されていた。
【0093】
また、この時塗布に使用されたノズルの口径は100μmであり、蛍光体層に使用される蛍光体粒子については、平均粒径0.1μm〜3.0μm、最大粒径8μm以下の粒径のものが各サンプルに使用されている。
【0094】
また、サンプル10〜15は、xMO・yMgO・zAl2O3において、β−アルミナやマグネトプラムバイト単一相が生じない、つまりx、y、zの値が、1≦x≦3、0≦y≦5、4≦z≦12以外の場合である。
【0095】
そして、サンプル15は、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3:Mn;Euにおいて、MのBaに対する置換量がない場合の比較例であり、サンプル16は、表面が負に帯電したZn2SiO4:Mn緑色蛍光粒子を用いて緑色蛍光体層を形成した比較例である。
【0096】
(実験1)
作製されたサンプル1〜14および比較サンプル15〜16について、先ず作製した緑色蛍光体をグローオフ法を用いて還元鉄紛に対する帯電量を調べた(照明学会誌、第76巻第10号、平成4年 pp16〜27)。その結果、サンプル16のZn2SiO4:Mnは、負に帯電しているがそれ以外のサンプルは正に帯電していることを確認した。
【0097】
(実験2)
パネル製造工程後のパネルの緑色蛍光体層の輝度を輝度計を用いて測定した。
【0098】
(実験3)
パネルを点灯した時の緑色表示時の輝度劣化変化率の測定は、PDP表示装置に電圧200V、周波数100kHzの放電維持パルスを500時間連続して印加し、その前後におけるパネル輝度を測定し、そこから輝度劣化変化率(<〔印加後の輝度−印加前の輝度〕/印加前の輝度>×100)を求めた。
【0099】
また、アドレス放電時のアドレスミスについては画像を見てちらつきがあるかないかで判断し、1ヶ所でもあれば「あり」としている。
【0100】
(実験4)
緑色蛍光体インキをノズル口径100μmのノズルを用いて100時間連続塗布した時のノズルの目づまりの有無を調べた。
【0101】
(実験5)
パネルの紫外線(147nm)による輝度劣化率を見積もるために、モデル実験として、背面パネルに147nmの紫外光を200時間照射(エキシマランプで照射)して緑色の輝度変化率を測定した。
【0102】
これら実験1〜5の緑色の輝度および輝度劣化変化率、アドレスミスの有無についての結果及びノズルの目づまりの結果を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】
表2に示すように比較サンプル15〜16においては、まずサンプル15は、Baをランタノイド元素Mで置換していないため、酸素中でアニールを行うとMn、Euがより多く酸化されてしまうため、緑の輝度低下が大きくなる。但し、紫外線(147nm)および維持放電パルスによる輝度劣化、および、アドレスミス、ノズルの目づまりなどの課題の発生はない。
【0105】
また、サンプル16は、Zn2SiO4:Mnを使用しているため、紫外線(147nm)及び維持放電パルスによる輝度劣化が大きく、しかもアドレスミスやノズルの目づまりも発生する。これに対し、サンプル1〜14の緑色の紫外線(147nm)や維持放電パルスによる輝度変化率がすべて、−2.3%〜−0.3%の値となっており、しかもアドレスミスや蛍光体塗布時のノズルの目づまりもない。
【0106】
これは、β−アルミナあるいはマグネトプラムバイト単一結晶構造で正の帯電を有するBaの一部をランタノイド元素Mで置換した緑色蛍光体である、x(Ba、M)O・yMgO・zAl2O3:Mn;Euを酸素あるいは酸素−窒素中でアニールした蛍光体をPDPに採用したことにより、PDPの放電発光時に発生する紫外線(147nm)による蛍光体中の酸素欠陥発生の抑制や、ネオンイオン(Ne+)あるいはCHx系のイオン(CHx +)等の正イオンの衝撃の抑制効果のため、輝度劣化が少なくなったためと考えられる。また、アドレスミスがなくなったのは、緑色の帯電が、赤色、青色と同じ正の帯電になり、アドレス放電が均一化したためである。又ノズルの目づまりがなくなった理由は、バインダー中のエチルセルロースが正帯電の緑色蛍光体には吸着しやすいため蛍光体インキの分散性が向上したためと考えられる。
【0107】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、R、G、Bの各色の蛍光体は正に帯電するものとなり、その結果、蛍光体層の塗布精度の向上、輝度劣化の防止を図ることができ、良好な画像表示を行うことができるPDPを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るPDPの前面ガラス基板を除いた平面図
【図2】本発明の一実施の形態に係るPDPの画像表示領域の構造を示す部分断面斜視図
【図3】本発明の一実施の形態に係るPDP表示装置のブロック図
【図4】本発明の一実施の形態に係るPDPの画像表示領域の構造を示す部分断面図
【図5】本発明の一実施の形態に係る蛍光体層を形成する際に用いるインキ塗布装置の概略構成図
【符号の説明】
100 PDP
101 前面ガラス基板
102 背面ガラス基板
103 表示電極
104 表示スキャン電極
105 誘電体ガラス層
106 MgO保護層
107 アドレス電極
108 誘電体ガラス層
109 隔壁
110R 蛍光体層(赤)
110G 蛍光体層(緑)
110B 蛍光体層(青)
122 放電空間[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a plasma display panel used for displaying an image on a television or the like, a phosphor constituting the phosphor layer, and a method of manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art In recent years, among color display devices used for image display such as computers and televisions, a plasma display panel (hereinafter, referred to as a PDP) has attracted attention as a color display device that can be large, thin, and lightweight.
[0003]
The PDP performs full-color display by additively mixing so-called three primary colors (red, green, and blue). In order to perform this full color display, the PDP is provided with a phosphor layer that emits each of the three primary colors red (R), green (G), and blue (B), and the phosphor constituting the phosphor layer The particles are excited by ultraviolet rays generated in the discharge cells of the PDP, and generate visible light of each color.
[0004]
Examples of the compound used for the phosphor of each color include (YGd) BO 3 : Eu 3+ , Y 2 O 3 : Eu 3+ which emits red light and is positively (+), and emits green light and Known are Zn 2 SiO 4 : Mn 2+ which is charged to −), BaMgAl 10 O 17 : Eu 2+ which emits blue light and is charged positively (+). The above-mentioned phosphors of each color are produced by mixing predetermined raw materials and then baking at a high temperature of 1000 ° C. or more to perform a solid-phase reaction (for example, see Phosphor Handbook, P219, 225, Ohmsha). .
[0005]
Here, if the phosphor has a small particle size and is uniform (has a uniform particle size distribution), the packing density of the phosphor particles in the phosphor layer is improved, and the emission surface area of the phosphor layer is increased. In general, it is considered that the brightness of the PDP display device can be increased. Therefore, as the phosphor particles, the powder is lightly cut (the crystal is not broken from the state where the particles are aggregated, and the crystal is crushed to the degree of loosening. After being crushed to such an extent that the particles are broken, the luminance is reduced.) Then, the phosphor particles are classified (average particle diameter of red and green: 2 μm to 5 μm, average particle diameter of blue: 3 μm to 10 μm) and phosphor particles are obtained. Used without aggregation.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the above-described phosphor is used, the following problems may occur.
[0007]
First, among the phosphors used in PDPs, the surface charges of the blue phosphor and the red phosphor are positive (+), but in the case of a green phosphor composed of Zn 2 SiO 4 : Mn, on the body of the production, the proportion of SiO 2 to ZnO is because the stoichiometric ratio (ZnO / SiO 2 = 2) is SiO 2 becomes larger than (ZnO / SiO 2 = 1.5) ,
[0008]
When a green phosphor layer is formed by an ink jet coating method in which a green phosphor ink is prepared from the green phosphor particles as described above and the ink is continuously discharged from a nozzle using the ink to form a green phosphor layer, the phosphor material is In some cases, there is a problem that nozzle clogging and coating unevenness occur even though the particles are not aggregated. This is because ethylcellulose in the ink is negatively charged in the solution, so it is difficult to adsorb to the surface of the negatively charged green phosphor Zn 2 SiO 4 : Mn, and poor dispersion (in the binder, This is because Zn 2 SiO 4 particles aggregate.
[0009]
Next, in a PDP, if a phosphor that is negatively charged such as a green phosphor and a phosphor that is positively charged such as a red or blue phosphor are mixed, a driving time is increased. In particular, when the entire surface is erased after the entire surface is turned on, a negative charge remains only on the negatively (−) charged phosphor, and when a voltage for display is applied, discharge variations or discharge mistakes in which no discharge occurs are caused. There is a problem of occurrence (for example, JP-A-11-86735, JP-A-2001-236893).
[0010]
Further, if the phosphor is negatively charged, Ne + ions or CH-based + ions generated during discharge are attracted to the phosphor and cause ion collision, thereby deteriorating the brightness of the phosphor. There is a problem.
[0011]
Here, in order to make the surface of Zn 2 SiO 4 : Mn which is a green phosphor positively charged, a positively charged oxide is laminated and coated to a certain thickness (0.1 to 0.5 wt%). A method (Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-86735) and a method in which a positive (+)-charged green phosphor is mixed and apparently positive (+)-charged (Japanese Patent Application Laid-Open No. 2001-236893) have been proposed. However, when a positively charged oxide is coated in a thickness of 0.1% by weight or more, the brightness is reduced. When two types of phosphors having different charged states are mixed and applied, clogging and uneven application are likely to occur. There is a problem of becoming.
[0012]
The present invention has been made in view of the above-described problems, and it is assumed that phosphors of R, G, and B colors are positively charged to improve the coating accuracy of a phosphor layer and prevent luminance degradation. It is an object of the present invention to realize a PDP capable of displaying a good image by performing the above.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a plasma display panel of the present invention is a plasma display panel in which a plurality of discharge cells of one color or a plurality of colors are arranged, and a phosphor layer of a color corresponding to each discharge cell is provided. The phosphor layer has a green phosphor layer, and the phosphor constituting the green phosphor layer is x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 (M is a lanthanoid element) Mn or a mixture of Mn and Eu was added to an aluminate compound having a matrix composition of at least one selected from the group consisting of 1 ≦ x ≦ 3, 0 ≦ y ≦ 5, and 4 ≦ z ≦ 12). Things.
[0014]
In order to achieve the above object, the phosphor of the present invention comprises x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 (M is at least one selected from lanthanoid elements, and 1 ≦ x ≦ 3, 0 ≦ y ≦ 5, 4 ≦ z ≦ 12) Aluminate compound having a parent composition of Mn or a mixture of Mn and Eu.
[0015]
Further, in order to achieve the above object, the method for producing a phosphor of the present invention is characterized in that Ba, M (M is at least one selected from lanthanoid elements), Sr, After mixing metal salts and oxides containing Mg, Al, Mn, and Eu and firing at 1200 ° C to 1500 ° C, firing at 1200 ° C to 1500 ° C in nitrogen or nitrogen-hydrogen, then oxygen or oxygen -Having a step of annealing at 600 ° C. to 1000 ° C. in nitrogen.
[0016]
Further, in order to achieve the above object, the method for producing a phosphor of the present invention is characterized in that the elements Ba, M (M is at least one selected from lanthanoid elements), Sr, Mg, After mixing a nitric acid compound of Al, Mn, and Eu with an aqueous medium, further mixing a basic aqueous solution, and further mixing alkaline water, at a temperature of 100 ° C. to 350 ° C. and a pressure of 0.2 Mpa to 25 Mpa. The method has a step of performing a hydrothermal synthesis reaction, thereafter firing at 1200 ° C. to 1500 ° C. in a nitrogen or nitrogen-hydrogen atmosphere, and then annealing at 600 ° C. to 1000 ° C. in oxygen or oxygen-nitrogen.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present invention assumes that the green phosphor is positively charged, so that all the phosphors used in the PDP are positively charged, a decrease in luminance due to the aggregation of the phosphor, a problem during coating formation, This is to solve the problem at the time of discharge light emission in the PDP.
[0018]
Specifically, as the green phosphor, x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 (M is at least one selected from lanthanoid elements, and 1 ≦ x ≦ 3, 0 ≦ y ≦ 5, 4 ≦ z ≦ 12) is used, which is a mixture of an aluminate compound having a parent composition of Mn or a mixture of Mn and Eu serving as a green luminescence center.
[0019]
Here, in x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 , the ranges of x, y, and z are set to 1 ≦ x ≦ 3, 0 ≦ y ≦ 5, and 4 ≦ z ≦ 12, respectively. The crystal structure is (Ba, M) MgAl 10 O 17 , (Ba, M) Mg 3 Al 14 O 25 , (Ba, M) 2 Mg 4 Al 8 O 16 , (Ba, M) 3 Mg 5 Al 18 Β-alumina crystal structure having a base composition of O 35 , (Ba, M) 2 Mg 4 Al 24 O 42 , (Ba, M) Al 12 O 19 , (Ba, M) Mg 2 Al 16 O 27 , (Ba, M) 2 Mg 2 Al 12 O 22 , (Ba, M) 3 Mg 2 Al 24 O 42, etc., to easily form a magnetoplumbite crystal structure having a matrix composition, and to suppress a decrease in luminance and deterioration due to ultraviolet rays. Effect is increased.
[0020]
The phosphor having the above-mentioned crystal structure has a small particle size of 0.1 μm to 3 μm, and has a good particle size distribution. Therefore, the packing density of the phosphor particles in the phosphor layer is improved, and the emission area of the phosphor particles contributing to light emission is increased, which is preferable.
[0021]
Here, the average particle diameter of the phosphor particles is more preferably in the range of 0.1 μm to 2.0 μm. The particle size distribution is more preferably such that the maximum particle size is 4 times or less the average value and the minimum value is 1/4 or more the average value. This is because the region of the phosphor particles where the ultraviolet rays reach is as shallow as about several hundred nm from the particle surface and emits light on almost only the surface. When the particle size of such phosphor particles becomes 2.0 μm or less, light emission occurs. This is because the surface area of the contributing particles increases and the luminous efficiency of the phosphor layer is maintained at a high level. If the particle size of the phosphor particles is 3.0 μm or more, the phosphor thickness needs to be 20 μm or more. A sufficient discharge space cannot be secured, and if the thickness is 0.1 μm or less, defects are likely to occur, and the luminance is not improved.
[0022]
Further, when the thickness of the phosphor layer is within the range of 8 to 25 times the average particle size of the phosphor particles, a sufficient discharge space can be secured while maintaining a high luminous efficiency of the phosphor layer. , The brightness of the PDP display device can be increased. In particular, when the average particle diameter of the phosphor is 3 μm or less, the effect is large (the Institute of Image Information and Television Engineers IDY2000-317, PP32).
[0023]
Here, when the green phosphor is an aluminate compound having a β-alumina crystal structure or a magnetoplumbite crystal structure, the surface charge of the phosphor becomes positive and the conventional surface charge is negative. Can solve problems such as cohesion and deterioration due to ion bombardment. However, the green phosphor having the x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 structure has a divalent Mn or 2 (Ba, M) O site or MgO site is used for baking in a neutral or weakly reducing atmosphere when substituting Eu with a (Ba, M) O site (M is a lanthanoid element) or MgO site. Many oxygen vacancies exist in the vicinity of the site, and moisture and carbohydrates are selectively adsorbed to these oxygen vacancies, for example, during the PDP manufacturing process, and when the phosphor is baked. Divalent Mn and Eu is an emission center is oxidized has the problem that caused the luminance degradation. In addition, there is also a problem that irradiation of water or hydrocarbons selectively adsorbed on oxygen vacancies with ultraviolet rays or ions causes luminance degradation.
[0024]
Therefore, in order to avoid luminance degradation caused by these oxygen defects, for example, a green phosphor is preliminarily fired in an oxidizing atmosphere, and a part of divalent M (M is a lanthanoid element) substituted with Ba is converted to trivalent. It is effective to increase the positive charge near the (Ba, M) O site or MgO site by substitution. This means that oxygen having a negative charge acts to diffuse the oxygen vacancies near (Ba, M) O to fill the vacancies in order to neutralize the increased positive charge, thereby reducing the oxygen vacancies. It is considered that it is.
[0025]
Further, the lanthanoid element M is an element that is more easily oxidized than Eu and Mn. Therefore, when the green phosphor is fired in an oxidizing atmosphere, the lanthanoid element M itself is selectively oxidized. Therefore, the green light-emitting elements Mn 2+ and Eu 2+ are less likely to be oxidized (partially oxidized, but the amount of oxidation is small, and the luminance does not decrease much), and the durability can be increased without lowering the luminance. It becomes.
[0026]
That is, the invention according to
[0027]
Further, according to a second aspect of the present invention, in the first aspect, the aluminate compound has a β-alumina crystal structure, and the matrix composition is (Ba, M) MgAl 10 O 17 , (Ba , M) Mg 3 Al 14 O 25 , (Ba, M) 2 Mg 4 Al 8 O 16 , (Ba, M) 3 Mg 5 Al 18 O 35 , (Ba, M) 2 Mg 4 Al 24 O 42 (M Is at least one selected from at least one selected from lanthanoid elements).
[0028]
According to a third aspect of the present invention, in the first aspect of the invention, the aluminate compound has a magnetoplumbite crystal structure, and the matrix composition is (Ba, M) Al 12 O 19 , (Ba , M) Mg 2 Al 16 O 27 , (Ba, M) 2 Mg 2 Al 12 O 22 , (Ba, M) 3 Mg 2 Al 24 O 42 (M is at least one selected from lanthanoid elements) Is at least one selected from the following.
[0029]
The invention according to
[0030]
The invention according to claim 5 is the invention according to
[0031]
In the invention according to claim 6, x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 (M is at least one selected from lanthanoid elements, and 1 ≦ x ≦ 3, 0 ≦ This is a phosphor obtained by adding Mn or a mixture of Mn and Eu to an aluminate compound having a matrix composition of y ≦ 5 and 4 ≦ z ≦ 12).
[0032]
The invention according to claim 7 is the invention according to claim 6, wherein the aluminate compound has a β-alumina crystal structure, and the matrix composition is (Ba, M) MgAl 10 O 17 , (Ba , M) Mg 3 Al 14 O 25 , (Ba, M) 2 Mg 4 Al 8 O 16 , (Ba, M) 3 Mg 5 Al 18 O 35 , (Ba, M) 2 Mg 4 Al 24 O 42 (M Is at least one selected from at least one selected from lanthanoid elements).
[0033]
The invention according to claim 8 is the invention according to claim 6, wherein the aluminate compound has a magnetoplumbite crystal structure, and the matrix composition is (Ba, M) Al 12 O 19 , (Ba , M) Mg 2 Al 16 O 27 , (Ba, M) 2 Mg 2 Al 12 O 22 , (Ba, M) 3 Mg 2 Al 24 O 42 (M is at least one selected from lanthanoid elements) Is at least one selected from the following.
[0034]
The invention according to claim 9 is the invention according to any one of claims 6 to 8, wherein divalent M (M is at least one selected from lanthanoid elements), divalent Mn, Part of divalent Eu is substituted with trivalent, and the amount of substitution is larger in the order of Mn, Eu, and M.
[0035]
According to a tenth aspect of the present invention, in the ninth aspect, 1% to 10% of divalent Mn is substituted with trivalent, and 10% to 20% of divalent Eu is trivalent. And 50% to 100% of divalent M (M is at least one selected from lanthanoid elements) is substituted with trivalent M.
[0036]
Further, the invention according to claim 11 is a method for forming Ba, M (M is at least one selected from lanthanoid elements), Sr, Mg, Al, Mn, and Eu, which are elements constituting an aluminate compound. After mixing and sintering at 1200 ° C to 1500 ° C, the mixture is fired at 1200 ° C to 1500 ° C in nitrogen or nitrogen-hydrogen, and then 600 ° C to 1000 ° C in oxygen or oxygen-nitrogen. This is a method for producing a phosphor, which includes a step of annealing at a temperature of ° C.
[0037]
The invention according to claim 12 provides a nitrate compound of the elements Ba, M (M is at least one selected from lanthanoid elements), Sr, Mg, Al, Mn, and Eu constituting the aluminate compound. And an aqueous medium, further mixed with a basic aqueous solution, and further mixed with alkaline water, and then subjected to a hydrothermal synthesis reaction at a temperature of 100 ° C. to 350 ° C. and a pressure of 0.2 Mpa to 25 Mpa. This is a method for producing a phosphor, which comprises a step of firing at 1200 to 1500 ° C. in a nitrogen or nitrogen-hydrogen atmosphere, and then annealing at 600 to 1000 ° C. in oxygen or oxygen-nitrogen.
[0038]
Hereinafter, a PDP according to an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0039]
FIG. 1 is a schematic plan view of the PDP with a front glass substrate removed, and FIG. 2 is a perspective view showing a part of an image display area of the PDP in a cross section. In FIG. 1, the number of display electrode groups, display scan electrode groups, address electrode groups, and the like are partially omitted for clarity.
[0040]
As shown in FIG. 1, a
[0041]
As shown in FIG. 2, the
[0042]
When the
[0043]
Next, a method of manufacturing the above-described
[0044]
The front panel is formed by forming
[0045]
The
[0046]
The
[0047]
The MgO
[0048]
On the other hand, the rear panel is formed by screen-printing a silver paste for an electrode on the
[0049]
FIG. 4 is a partial cross-sectional view of
[0050]
The groove between the
[0051]
The front panel and the rear panel manufactured in this manner are overlapped so that each electrode of the front panel and the address electrode of the rear panel are orthogonal to each other, and a sealing glass is inserted around the panel periphery, and this is inserted, for example. It is sealed by baking at about 450 ° C. for about 10 to 20 minutes to form an airtight seal layer 121 (FIG. 1). After the inside of the
[0052]
FIG. 5 is a schematic configuration diagram of an ink application device used when forming the phosphor layers 110R, 110G, and 110B.
[0053]
As shown in FIG. 5, the
[0054]
The
[0055]
The
[0056]
Further, the method of forming the phosphor layer is not limited to the above method, for example, various methods such as a photolithography method, a screen printing method, and a method of disposing a film in which phosphor particles are mixed, and the like. Can be used.
[0057]
The phosphor ink is a mixture of phosphor particles of each color, a binder, and a solvent, and is prepared so as to have a concentration of 1500 to 50,000 centipoise (CP). If necessary, a surfactant, silica, and a dispersant ( 0.1-5 wt%) and the like.
[0058]
As the phosphor red phosphor is formulated inks, (Y, Gd) 1- x BO 3: Eu x or Y 2-x
[0059]
As the green phosphor, x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 (M is at least one selected from lanthanoid elements, and 1 ≦ x ≦ 3; An aluminate compound having a parent composition of 0 ≦ y ≦ 5 and 4 ≦ z ≦ 12) is added with Mn or a mixture of Mn and Eu serving as a light emission center.
[0060]
Here, the substitution amount of the divalent Mn element with respect to Mg and Ba is preferably in the range of 0.01 at% to 50 at%, and the substitution amount of the Eu element is preferably in the range of 0.2 at% to 20 at%. Further, the substitution amount of M (lanthanoid element) to Ba is preferably 0.01 at% to 10 at%.
[0061]
M, Eu, and Mn are easily oxidized in this order, and divalent M (lanthanoid element), divalent Mn, and a part of each of divalent Eu are trivalently substituted. Eu and M are larger in the order, for example, 1% to 10% of divalent Mn is substituted with trivalent, 10% to 20% of divalent Eu is substituted with trivalent, and divalent M (lanthanoid element) ) Is preferably a state in which 50% to 100% of the compound is substituted with trivalent.
[0062]
Incidentally, the phosphor as described above, since, x (Ba, M) O · yMgO · zAl 2 O 3: Mn; referred to as Eu.
[0063]
The blue phosphor, Ba 1-x MgAl 10 O 17: Eu x or Ba 1-x-y Sr y MgAl 10 O 17,: the compound represented by the Eu x is used. Ba 1-x MgAl 10 O 17 : Eu x, Ba 1-x-y Sr y MgAl 10 O 17: In Eu x are compounds in which a part of Ba element composing its maternal material is substituted with Eu or Sr is there. Here, the substitution amount x of the Eu element with respect to the Ba element is preferably 0.05 ≦ x ≦ 0.20, and y is preferably 0.1 ≦ y ≦ 0.5. The method for synthesizing the above phosphor will be described later.
[0064]
Ethyl cellulose or an acrylic resin is used as the binder to be prepared in the phosphor ink (0.1 to 10 wt% of the ink is mixed), and α-terpineol and butyl carbitol can be used as the solvent. Note that a polymer such as PMA or PVA can be used as a binder, and an organic solvent such as diethylene glycol or methyl ether can be used as a solvent.
[0065]
In the present embodiment, as the phosphor particles, those produced by a solid phase baking method, an aqueous solution method, a spray baking method, or a hydrothermal synthesis method are used.
[0066]
▲ 1 ▼ blue phosphor (Ba by hydrothermal synthesis method 1-x MgAl 10 O 17: For Eu x)
First, in a mixed solution preparation step, barium nitrate Ba (NO 3 ) 2 , magnesium nitrate Mg (NO 3 ) 2 , aluminum nitrate Al (NO 3 ) 3 , and europium nitrate Eu (NO 3 ) 2 as raw materials are mixed in a molar amount. Mixing is performed so that the ratio becomes 1-x: 1: 10: x (0.03 ≦ x ≦ 0.25), and this is dissolved in an aqueous medium to prepare a mixed solution. This aqueous medium is preferably ion-exchanged water or pure water in that it does not contain impurities, but may be used even if these contain a non-aqueous solvent (methanol, ethanol, etc.).
[0067]
Next, the hydrated mixture is placed in a container made of a material having corrosion resistance and heat resistance, such as gold or platinum, and is heated in a high-pressure container at a predetermined temperature (100 ° C.) using an apparatus capable of heating under pressure, such as an autoclave. To 350 ° C.) and hydrothermal synthesis (12 to 20 hours) under a predetermined pressure (0.2 MPa to 25 MPa).
[0068]
Next, the powder is fired under a reducing atmosphere (for example, an atmosphere containing 5% of hydrogen and 95% of nitrogen) at a predetermined temperature and for a predetermined time (for example, at 1350 ° C. for 2 hours), and then classified. can be obtained Eu x: desired blue phosphor Ba 1-x MgAl 10 O 17 by.
[0069]
Phosphor particles obtained by performing hydrothermal synthesis are spherical in shape and smaller in particle size than those produced by a conventional solid-phase reaction (average particle size: about 0.05 μm to 2.0 μm). )It is formed. The term “spherical” as used herein is defined such that the axis diameter ratio (short axis diameter / long axis diameter) of most fluorescent particles is, for example, 0.9 or more and 1.0 or less. However, not all of the phosphor particles need be within this range.
[0070]
Alternatively, a blue phosphor can be produced by a spraying method in which the hydrated mixture is sprayed from a nozzle into a high-temperature furnace without a gold or platinum container to synthesize a phosphor.
[0071]
(Ba 1-x-y Sr by solid-phase firing method y MgAl 10 O 17: About EuX)
This phosphor, Ba 1-x MgAl 10 O 17 described above: Eu x and the raw material is prepared by solid phase reaction method at different only. Hereinafter, the raw materials used will be described.
[0072]
Barium hydroxide Ba (OH) 2 , strontium hydroxide Sr (OH) 2 , magnesium hydroxide Mg (OH) 2 , aluminum hydroxide Al (OH) 3 , and europium hydroxide Eu (OH) 2 are required as raw materials. , And mixed with AlF 3 as a flux, and baked (12 to 20 hours) at a predetermined temperature (1200 to 1500 ° C.) to reduce Mg and Al to 4%. valent ions substituted Ba 1-x-y Sr y MgAl 10 O 17: can be obtained Eu x. The average particle size of the phosphor particles obtained by this method is about 0.1 μm to 3.0 μm.
[0073]
Next, this is fired in a reducing atmosphere, for example, in an atmosphere of 5% hydrogen and 95% nitrogen at a predetermined temperature (1200 ° C. to 1500 ° C.) (2 hours), and then classified by an air classifier to produce a phosphor powder. I do.
[0074]
In addition, as a raw material of the phosphor, an oxide, a nitrate, and a hydroxide were mainly used. And a phosphor can also be manufactured.
[0075]
{Circle around (2)} Green phosphor (x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O 3 : Mn; Eu)
In the case of manufacturing by a solid-phase method, first, barium carbonate BaCO 3 , oxide M 2 O 3 of a lanthanoid element, magnesium carbonate MgCO 3 , and aluminum oxide Al 2 O 3 which are raw materials are x in molar ratio as required. : Y: z, then manganese carbonate MnCO 3 and europium oxide Eu 2 O 3 , which are luminescent materials, are blended in required amounts, and a small amount of flux (AlF 3 ) is blended with these blends. Next, it is fired in air at 1000 ° C. to 1400 ° C. for 2 hours.
[0076]
Next, this is lightly pulverized to the extent that aggregates are loosened, and then calcined at 1000 ° C. to 1400 ° C. in nitrogen or nitrogen-hydrogen, and then pulverized again. Anneal at a temperature of from 1000C to 1000C to produce a positively charged green phosphor.
[0077]
When a green phosphor is produced by a hydrothermal synthesis method, first, in a mixed solution producing step, barium nitrate Ba (NO 3 ) 2 , nitrate of a lanthanoid element (M (NO 3 ) 3 ), magnesium nitrate Mg (NO 3) 2, aluminum nitrate Al (NO 3) 3 · 9H 2 O is, x in the molar ratio: y: after formulated in aqueous solution so is z, manganese nitrate Mn as luminescent material (NO 3 ) 2, europium nitrate Eu (NO 3) 3 · 9H required amount 2 O, to prepare a mixed solution was added to the aqueous solution.
[0078]
Next, a hydrate is formed by dropping a basic aqueous solution (for example, an aqueous ammonia solution) to the mixture. Thereafter, in a hydrothermal synthesis step, the hydrate and ion-exchanged water are put into a capsule made of a substance having corrosion resistance and heat resistance, such as platinum or gold, and are placed in a high-pressure vessel using an autoclave at a predetermined temperature and a predetermined temperature. Hydrothermal synthesis is performed for a predetermined time (for example, 2 to 20 hours) under the conditions of a pressure (for example, a temperature of 100 to 350 ° C. and a pressure of 0.2 to 25 MPa).
[0079]
Thereafter, by drying, x (Ba, M) O · yMgO · zAl 2 O 3: Mn; producing the phosphor of Eu. Next, this powder is fired in nitrogen or nitrogen-hydrogen at 1000 ° C. to 1400 ° C. to produce a positively charged green phosphor (at this time, the particle size grows to 5 μm to 15 μm). Next, this is pulverized by a jet mill to an average of 0.1 μm to 3 μm, and then annealed at 600 ° C. to 1000 ° C. in air or nitrogen-oxygen to obtain a positively charged green phosphor.
[0080]
▲ 3 ▼ red phosphor (Y, Gd) 1-x BO 3: For Eu x)
In the mixed liquid preparation process, yttrium nitrate Y 2 (NO 3 ) 3 , water gadolinium nitrate Gd 2 (NO 3 ) 3 , boric acid H 3 BO 3, and europium nitrate Eu 2 (NO 3 ) 3 are mixed as raw materials. And the molar ratio is 1-x: 2: x (0.05 ≦ x ≦ 0.20, the ratio of Y to Gd is 65:35), and then mixed in air at 1200 ° C. to 1350 ° C. After heat treatment at 2 ° C. for 2 hours, classification is performed to obtain a red phosphor.
[0081]
(Y 2-x O 3: For Eu x)
In the mixed liquid preparation step, the raw materials yttrium nitrate Y 2 (NO 3 ) 3 and europium nitrate Eu 2 (NO 3 ) 2 are mixed, and the molar ratio is 2-x: x (0.05 ≦ x ≦ 0. A mixed solution is prepared by dissolving in ion-exchanged water to satisfy 30).
[0082]
Next, in the hydration step, a basic aqueous solution (for example, an aqueous ammonia solution) is added to the aqueous solution to form a hydrate.
[0083]
Thereafter, in a hydrothermal synthesis step, the hydrate and ion-exchanged water are put into a container made of a material having corrosion resistance and heat resistance such as platinum and gold, and the temperature is set to 100 to 350 ° C. in a high-pressure container using an autoclave, for example. The hydrothermal synthesis is performed under a pressure of 0.2 MPa to 25 MPa for 3 to 12 hours. Thereafter, drying of the obtained compound, the desired Y 2-x O 3: Eu x can be obtained. Next, this phosphor is annealed in air at 1300 ° C. to 1400 ° C. for 2 hours and then classified to obtain a red phosphor. By the hydrothermal synthesis step, the phosphor obtained has a particle size of about 0.1 μm to 2.0 μm and has a spherical shape. This particle size and shape are suitable for forming a phosphor layer having excellent light emission characteristics.
[0084]
The above-described
[0085]
Hereinafter, in order to evaluate the performance of the PDP display device of the present invention, a sample based on the above embodiment is manufactured, a performance evaluation experiment is performed on the sample, and the experimental result is examined.
[0086]
The fabricated plasma display device has a size of 42 inches (HD-TV specification with a rib pitch of 150 μm), the thickness of the dielectric glass layer is 20 μm, the thickness of the MgO protective layer is 0.5 μm, and the display electrode and the display scan electrode are The distance between them was made 0.08 mm. The discharge gas sealed in the discharge space is a gas mainly containing neon and mixed with 5% of xenon gas.
[0087]
The green phosphor particles used in the plasma display device of
[0088]
[Table 1]
[0089]
Samples 1-6, positively charged x (Ba, M) and O · yMgO · zAl 2 O 3 green phosphor, the red phosphor (Y, Gd) 1-x BO 3: the Eu x, a blue phosphor is Ba 1-x MgAl 10 O 17 : are those combinations that the Eu x was used, respectively, the method of synthesis of phosphors, Mn as a luminescence center, the substitution ratio of Eu, i.e. Ba, M, Mg element And the substitution ratio of Mn and Eu and the trivalent amount of Mn and Eu were changed as shown in Table 1.
[0090]
Samples 7 to 15, red phosphor Y 2-x O 3: Eu x, the green phosphor positively charged xMO · yMgO · zAl 2 O 3 : Mn; Eu,
[0091]
Sample 16 uses Zn 2 SiO 4 : Mn for green, and red and blue are the same as samples 7 to 15.
[0092]
Further, the phosphor ink used for forming the phosphor layer was prepared by using each phosphor particle shown in Table 1 and mixing a phosphor, a resin, a solvent, and a dispersant. The viscosity (25 ° C.) of each of the phosphor inks is maintained in the range of 1500 to 50,000 CP. Observation of the formed phosphor layer revealed that the phosphor ink was uniformly applied to the partition wall without clogging of the nozzles.
[0093]
The diameter of the nozzle used for coating at this time is 100 μm, and the phosphor particles used in the phosphor layer have an average particle diameter of 0.1 μm to 3.0 μm and a maximum particle diameter of 8 μm or less. One is used for each sample.
[0094]
Further, samples 10 to 15, in xMO · yMgO · zAl 2 O 3 , β- alumina and magnetoplumbite plum byte single phase does not occur, i.e. values of x, y, z is, 1 ≦ x ≦ 3,0 ≦ This is a case other than y ≦ 5 and 4 ≦ z ≦ 12.
[0095]
Then, the sample 15, x (Ba, M) O · yMgO · zAl 2 O 3: Mn; in Eu, a comparative example of a case where there is no substitution amount for Ba of M, the sample 16 is charged surface is negatively This is a comparative example in which a green phosphor layer is formed using Zn 2 SiO 4 : Mn green phosphor particles.
[0096]
(Experiment 1)
First, with respect to the
[0097]
(Experiment 2)
The luminance of the green phosphor layer of the panel after the panel manufacturing process was measured using a luminance meter.
[0098]
(Experiment 3)
To measure the rate of change in luminance deterioration during green display when the panel is turned on, a sustaining pulse of 200 V and a frequency of 100 kHz is continuously applied to the PDP display device for 500 hours, and the panel luminance before and after that is measured. From this, the rate of change in luminance deterioration (<[luminance after application−luminance before application] / luminance before application> × 100) was determined.
[0099]
Also, regarding an address mistake at the time of address discharge, it is judged whether there is flicker by looking at the image, and if there is even one place, it is judged as “present”.
[0100]
(Experiment 4)
The presence or absence of nozzle clogging when the green phosphor ink was continuously applied for 100 hours using a nozzle having a nozzle diameter of 100 μm was examined.
[0101]
(Experiment 5)
In order to estimate the luminance degradation rate of the panel due to ultraviolet rays (147 nm), as a model experiment, the back panel was irradiated with 147 nm ultraviolet light for 200 hours (irradiation with an excimer lamp), and the green luminance change rate was measured.
[0102]
Table 2 shows the results of the
[0103]
[Table 2]
[0104]
As shown in Table 2, in Comparative Samples 15 and 16, Sample 15 does not replace Ba with the lanthanoid element M, and therefore, if annealing is performed in oxygen, Mn and Eu are oxidized more. The decrease in green luminance is large. However, there are no problems such as luminance degradation due to ultraviolet rays (147 nm) and sustain discharge pulses, address errors, and nozzle clogging.
[0105]
Further, since the sample 16 uses Zn 2 SiO 4 : Mn, the luminance is significantly deteriorated by the ultraviolet ray (147 nm) and the sustain discharge pulse, and an address error and nozzle clogging occur. On the other hand, the luminance change rates of the
[0106]
This is x (Ba, M) O.yMgO.zAl 2 O, which is a green phosphor in which a part of Ba having positive charge and having β-alumina or magnetoplumbite single crystal structure is partially substituted with a lanthanoid element M. 3 : By using a phosphor obtained by annealing Mn; Eu in oxygen or oxygen-nitrogen for the PDP, the generation of oxygen vacancies in the phosphor due to ultraviolet light (147 nm) generated during discharge emission of the PDP and the neon ion This is presumably because the effect of suppressing the impact of positive ions such as (Ne + ) or CH x -based ions (CH x + ) reduced the luminance degradation. Further, the address error was eliminated because the green charge became the same positive charge as that of red and blue, and the address discharge became uniform. The reason why nozzle clogging is eliminated is considered to be that ethyl cellulose in the binder is easily adsorbed to the positively charged green phosphor, so that the dispersibility of the phosphor ink is improved.
[0107]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the phosphor of each color of R, G, and B becomes positively charged. As a result, it is possible to improve the coating accuracy of the phosphor layer and prevent the luminance from being deteriorated. A PDP capable of displaying an excellent image can be realized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a PDP according to an embodiment of the present invention, excluding a front glass substrate. FIG. 2 is a partial cross-sectional perspective view showing a structure of an image display area of the PDP according to an embodiment of the present invention. FIG. 3 is a block diagram of a PDP display device according to one embodiment of the present invention. FIG. 4 is a partial cross-sectional view showing a structure of an image display area of the PDP according to one embodiment of the present invention. Schematic configuration diagram of an ink coating apparatus used when forming a phosphor layer according to one embodiment
100 PDP
101
110G phosphor layer (green)
110B phosphor layer (blue)
122 discharge space
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