JP2004088343A - 画像表示処理方法およびシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の可視トラック間の空間的位置関係を分割された期間毎に定義することにより、複数の可視トラックが重なり合った複雑なプレゼンテーションの表示を可能にする。
【解決手段】デコーダ111側では、予めプレゼンテーションを可視トラックの数と各可視トラック間の空間的位置関係が変動しない不変期間毎に分割すると共に、位置関係情報を有する。そして、マルチメディアファイルのエンコード処理を行う際、位置関係情報を当該マルチメディアファイルのヘッダ部分に付加する。デコーダ321側では、マルチメディアファイルのヘッダ部分に付加された位置関係情報を読み出し、該読み出した位置関係情報に基づいて不変期間毎に各可視トラックの空間的位置関係を調節して当該プレゼンテーションの表示を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】デコーダ111側では、予めプレゼンテーションを可視トラックの数と各可視トラック間の空間的位置関係が変動しない不変期間毎に分割すると共に、位置関係情報を有する。そして、マルチメディアファイルのエンコード処理を行う際、位置関係情報を当該マルチメディアファイルのヘッダ部分に付加する。デコーダ321側では、マルチメディアファイルのヘッダ部分に付加された位置関係情報を読み出し、該読み出した位置関係情報に基づいて不変期間毎に各可視トラックの空間的位置関係を調節して当該プレゼンテーションの表示を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理方法およびシステムに関し、特に、複数可視トラックの空間的上下関係を分割された期間毎に定義することにより複数の可視トラックが重なり合った複雑な映像(以下、「プレゼンテーション」という。)の表示を可能にした画像表示処理方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マルチメディアファイル(以下、単に「MP4ファイル」という。)のフォーマットにおける仕様では、図7に示すように、可視トラック(ビデオトラック、テキストトラック等で視覚表示可能なトラック)をプレゼンテーション中に複数持つことが可能である。
【0003】
ところが、現在のMP4ファイルフォーマット仕様では、可視トラックがプレゼンテーション中に複数存在する場合で、これら複数の可視トラックの空間的な上下関係および数が時間と共に変動する場合の、これら可視トラックの空間的な上下関係を定義する方法が無いのが現状である。
【0004】
現MP4ファイルフォーマット仕様には、TrackHeaderBox(’tkhd’)中にlayerフィールドを持つが、このフィールドは、各トラックのプレゼンテーション全体に亘って固定した空間的上下関係を表すもので、変動可能な空間的上下関係を表すものではない。
【0005】
また、現在では、BIFS(ビフス)等により、複数の画像間での空間的位置関係を定義するものが知られているが、MP4ファイルフォーマットにおいて、テキストトラックとビデオトラックとの間で空間的位置関係を定義する方法は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来のMP4ファイルフォーマットにおける可視トラックの空間的な上下関係を扱う方法においては、プレゼンテーション全体に亘って固定した空間的上下関係を表わす方法しか無いものとなっている。
【0007】
この為、従来のMP4ファイルフォーマット仕様では、固定的な単純なプレゼンテーションを表現することしか出来ないでいる。
【0008】
また、従来BIFS等により、複数の画像間での空間的位置関係を定義するものは知られているものの、MP4ファイルフォーマットにおいて、テキストトラックとビデオトラックとの間で空間的位置関係を定義するものは知られていないのが現状である。
【0009】
そこで、本発明は、複数の可視トラック間の空間的上下関係を分割された期間毎に定義することにより、複数の可視トラックが重なり合った複雑なプレゼンテーションの表示を可能にした画像表示処理方法およびシステムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理方法において、前記画像を複数の期間に分割し、該分割した期間毎に前記複数の可視トラックの空間的上下関係を順序付けて定義し、該定義に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記期間毎に切り換えて前記画像を表示することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記複数の可視トラックの空間的上下関係は、前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義され、該ヘッダ部分に定義された空間的上下関係に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を調節して表示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記マルチメディアファイルは、MP4ファイルであり、前記複数の可視トラックの空間的上下関係は、前記MP4ファイルのヘッダボックスの予め設定された位置に前記可視トラックの識別子を示す情報を格納することにより定義されることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理システムにおいて、前記画像を複数の期間に分割する分割手段と、前記分割した期間毎に前記複数の可視トラックの空間的上下関係を順序付けて定義する定義手段と、前記定義手段による定義に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記期間毎に切り換えて前記画像を表示する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記定義手段は、前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義し、前記表示制御手段は、前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義された空間的上下関係に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を調節して表示することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記マルチメディアファイルは、MP4ファイルであり、前記定義手段は、前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記MP4ファイルのヘッダボックスの予め設定された位置に前記可視トラックの識別子を示す情報を格納することにより定義することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明を適用した場合のマルチメディアファイル処理システムの概略構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、このシステムでは、MP4ファイル形式による動画像データを送信する送信装置100と、有線或いは無線回線、交換局等から成る通信網200と、上記送信装置100から送信されてきた動画像データを受信し、表示部等に動画像を表示再生する受信装置300とを具えて構成される。
【0019】
ここで、送信装置100は、少なくともエンコーダ111を制御部110に具え、可視トラック(ビデオトラック、テキストトラック等で視覚表示可能なトラック)をプレゼンテーション中に複数持つような動画像をエンコード処理してMP4ファイル形式に変換し、所定の通信パケット[例えば、UDP(User Datagram Protocol)プロトコルを用いたパケット]に挿入して通信網200に送出する。
【0020】
尚、この送信装置100は、例えば、サーバであり、エンコーダ111は例えばハード及びソフト等から構成されるものとする。
【0021】
また、受信装置300は、少なくともデコーダ321を制御部320に具え、上記送信装置100及び通信網200を介して受信したパケットからMP4ファイルデータを抽出し、該抽出したMP4ファイルデータに基づき表示部310に動画像等のプレゼンテーションを表示する。
【0022】
尚、この受信装置300は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であり、デコーダ321は例えばハード及びソフト等から構成される。
【0023】
図2は、上記図1に示した送信装置100のエンコーダ111におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード時の処理の流れを示すフローチャートである。尚、このフローの説明にあたっては、図5に示すMP4ファイルの構成とその構成要素を示す表図、及び図6に示すSpatial Relation Box(’sprt’)の構造図を参照するものとする。
【0024】
図2に示すように、この処理を開始するにあたって、送信装置100のエンコーダ111では、まず、Spatial Relation Box(’sprt’)のファイル(図6参照)中に、Spatial Relation Box(’sprt’)のsizeをファイルに書き込む(ステップS101)。次いで、typeを’sprt’とし(ステップS102)、次いで、version(尚、このversionとは、このboxのバージョンを示す整数値である「0」または「1」である。)をファイルに書き込む(ステップS103)。次いで、flagsをファイルに書き込む(ステップS104)。次いで、entry count(尚、このentry countとは、このentry countの後にあるテーブル中のエントリを与えるものである。)をファイルに書き込む(ステップS105)。
【0025】
その後、versionが「1」であるかどうか、即ち、32ビットまたは64ビットフィールドサイズのどちらを使用するのかを識別する為のバージョンを示す整数値が「0」か「1」であるかを判定する(ステップS106)。尚、ここで、32ビットまたは64ビットフィールドサイズとあるが、これは、通常32ビットで後述の可視トラック等の位置関係情報を書き込めるが、プレゼンテーションによっては、後述のsegment duration:セグメント期間が多く存在し、それ応じて可視トラック等の情報が多くなる場合に64ビットフィールドサイズを用いる為である。
【0026】
ここで、versionが「1」であると判定されると(ステップS106YES)、iを「0」に設定し(ステップS107)、次いで、iがentry countより小さいかどうかを判定する(ステップS108)。
【0027】
ここで、iがentry countより小さく無いと判定されると(ステップS108NO)、このSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード時の処理が終了される。
【0028】
また、他方、iがentry countより小さいと判定されると(ステップS108YES)、segment durationを64ビット長でファイルに書き込む(ステップS109)。次いで、visible−tracksを64ビット長でファイルに書き込む(ステップS110)。尚、ここで、segment durationとは、セグメントの時間間隔を示す整数値である。そして、1セグメントは、可視トラックの数が変動せずに、かつ、それら空間的上下関係が変動しない期間のことであり、単位は、Movie Header Box(’mvhd’)で指定されているタイムスケールである。また、visible tracksとは、あるセグメント期間(segment duration)における可視トラックの数を示す。
【0029】
その後、jを「0」に設定し(ステップS111)、次いで、jがvisible tracksより小さいかどうかを判定する(ステップS112)。
【0030】
ここで、jがvisible tracksより小さいと判定されると(ステップS112YES)、視聴者にj番目に遠い(即ち、jは0から始まり、jの値が大きいほど視聴者に近いものとなる)可視トラックのtrack−IDを64ビット長でファイルに書き込む(ステップS113)。尚、ここで、track IDとは、あるセグメント期間における各可視トラックのIDである。そして、このトラックIDは、Track Header Box(’tkhd’)で定義されているものを使用する。また、ここでは、各可視トラックのみが対象になり、オーディオトラック等の非可視トラックは対象とならない。尚、上記フロー処理中で後に書き込まれる可視トラックほど視聴者に近いものとなる。
【0031】
その後、jを1つインクリメントし(ステップS114)、上述のステップS112に移行する。
【0032】
また、他方、上述のステップS112の判定の結果、jがvisible tracksより小さく無いと判定されると(ステップS112NO)、iを1つインクリメントし(ステップS115)、上述のステップS108の処理に移行して以下同様の処理を行う。
【0033】
また、他方、上述のステップS106の判定の結果、versionが「1」でないと判定された場合(ステップS106NO)、iを「0」に設定し(ステップS116)、次いで、iがentry countより小さいかどうかが判定される(ステップS117)。
【0034】
ここで、iがentry countより小さく無いと判定されると(ステップS117NO)、このSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード処理を終了する。
【0035】
また、他方、iがentry countより小さいと判定されると(ステップS117YES)、segment−durationを32ビット長でファイルに書き込み(ステップS118)、次いでvisible−tracksを32ビット長でファイルに書き込み(ステップS119)、次いで、jを「0」に設定する(ステップS120)。
【0036】
その後、jがvisible−tracksより小さいかどうかを判定する(ステップS121)。
【0037】
ここで、jがvisible−tracksより小さいと判定されると(ステップS121YES)、視聴者にj番目に遠い可視トラックのtrack−IDを32ビット長でファイルに書き込む(ステップS122)。
【0038】
その後、jを1つインクリメントし(ステップS123)、上述のステップS121の処理に移行する。
【0039】
また、他方、上述のステップS121の判定処理の結果、jがvisible−tracksより小さく無いと判定された場合(ステップS121NO)、iを1つ増やし(ステップS124)、上述のステップS117の処理に移行し、以下同様の処理を行う。
【0040】
図3は、上記図1に示した受信装置300のデコーダ(解読器)321におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理の流れを示すフローチャートである。尚、このフローの説明にあたっても、図5に示すMP4ファイルの構成とその構成要素を示す表図、及び図6に示すSpatial Relation Box(’sprt’)の構造図を参照するものとする。
【0041】
図3に示すように、この処理を開始するにあたって、受信装置300のデコーダ321では、まず、図5に示したファイル中からSpatial Relation Boxのsizeを読み込む(ステップS201)。次いで、typeを’sprt’とし(ステップS202)、次いで、versionをファイルから読み込む(ステップS203)。次いで、flagsをファイルから読み込む(ステップS204)。次いで、entry countをファイルから読み込む(ステップS205)。
【0042】
その後、versionが「1」であるかどうかを判定する(ステップS206)。
【0043】
ここで、versionが「1」であると判定されると(ステップS206YES)、iを「0」に設定する(ステップS207)。
【0044】
その後、iがentry countより小さいかどうかが判定される(ステップS208)。
【0045】
ここで、iがentry countより小さく無いと判定されると(ステップS208NO)、ここでのSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理が終了される。
【0046】
また,他方、iがentry countより小さいと判定されると(ステップS208YES)、次いで、segment durationを64ビット長でファイルから読み込む(ステップS209)。そして、visible tracksを64ビット長でファイルから読み込む(ステップS210)。
【0047】
その後、jを「0」に設定し(ステップS211)、次いで、jがvisible tracksより小さいかどうかが判定される(ステップS212)。
【0048】
ここで、jがvisible tracksより小さいと判定されると(ステップS212YES)、視聴者にj番目に遠い可視トラックのtracks−IDを64ビット長でファイルから読み込む(ステップS213)。次いで、jを1つインクリメントし(ステップS214)、上述のステップS212の処理に移行して以下同様の処理を行う。
【0049】
また、他方、上述のステップS212の判定の結果、jがvisible tracksより小さく無いと判定されると(ステップS212NO)、iを1つインクリメントし(ステップS215)、上述のステップS208の処理に移行し、以下同様の処理を行う。
【0050】
また、上述のステップS206の判定の結果、versionが1でないと判定されると(ステップS206NO)、iを「0」に設定し(ステップS216)、次いで、iがentry−countより小さいかどうかを判定する(ステップS217)。
【0051】
ここで、iがentry−countより小さく無いと判定されると(ステップS217NO)、ここでのSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理が終了される。
【0052】
また、他方、上述のステップS217の判定の結果、iがentry−countより小さいと判定されると(ステップS217YES)、次いで、segment−durationを32ビット長でファイルから読み込み(ステップS218)、次いで、visible−tracksを32ビット長でファイルから読み込む(ステップS219)。
【0053】
その後、jを「0」に設定し(ステップS220)、次いで、jがvisible−tracksより小さいかどうかを判定する(ステップS221)。
【0054】
ここで、jがvisible−tracksより小さいと判定されると(ステップS221)、視聴者にj番目に遠い可視トラックのtrack−IDを32ビット長でファイルから読み込む(ステップS222)。次いで、jを1つインクリメントし(ステップS223)、上述のステップS221に移行して以下同様の処理を行う。
【0055】
また、他方、上述のステップS221の判定の結果、jがvisible‐tracksより小さく無いと判定されると(ステップS221NO)、iを1つインクリメントし(ステップS224)、上述のステップS217の処理に移行して以下同様の処理を行う。
【0056】
図4は、本発明に係る可視トラックの表示順位とトラックIDの関係を示す図である。そして、図4(a)が、entry−countが3の場合のプレゼンテーションを示し、図4(b)が、segment−durationがsd0(0<=t<t1)の場合の可視トラックの位置関係を示し、図4(c)が、segment−durationがsd1(t1<=t<t2)の場合の可視トラックの位置関係を示し、図4(d)が、segment−durationがsd2(t2<=t<t3)の場合の可視トラックの位置関係を示している。また、表4−bが、segment−durationがsd0(0<=t<t1)の場合の可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係情報テーブルを示し、表4−cが、segment−durationがsd1(t1<=t<t2)の場合の可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係情報テーブルを示し、表4−dが、segment−durationがsd2(t2<=t<t3)の場合の可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係情報テーブルを示している。
【0057】
尚、上記図2に示したエンコード時の処理において、エンコーダ111は、上記表4−b、表4−c、表4−dに示した位置関係情報テーブルに格納されている情報を参照してヘッダ部分に位置関係情報の付加処理を行う。
【0058】
また、図4(a)において、この例では、entry countが3の場合のプレゼンテーションを示しており、それぞれのsegment durationが、sd0(0<=t<t1),SD1(t1<=t<t2),sd2(t2<=t<t3)から構成されている様子を示している。
【0059】
また、図4(b)において、この場合、segment−durationが、sd0(0<=<t1)の場合の可視トラックの表示位置関係を示している。ここで、この期間のプレゼンテーションでは、tr0,tr1,tr2,tr3の4つの可視トラックが存在し、それぞれの可視トラックのtrack−IDが、0,1,2,3である場合を示している。そして、これら4つの可視トラックの空間的上下関係は、視聴者から遠い方から、tr0,r2,tr3,tr1になっている。
【0060】
尚、これら可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係を[表4−b]に示しておく。
【0061】
また、図4(c)において、この場合、segment−durationが、sd1(t1<=t<t2)の場合の可視トラックの表示位置関係を示している。ここで、この期間のプレゼンテーションでは、tr0,tr1,tr3の3つの可視トラックが存在し、それぞれの可視トラックのtrack‐IDが、0,1,3である場合を示している。そして、これら3つの可視トラックの空間的上下関係は、視聴者から遠い方から、tr0,tr3,tr1になっている。
【0062】
尚、これら可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係を[表4−c]に示しておく。
【0063】
また、図4(d)において、この場合、segment durationが、sd2(t2<=t<t3)の場合の可視トラックの表示位置関係を示している。ここで、この期間のプレゼンテーションでは、tr0,tr1,tr3の3つの可視トラックが存在し、それぞれの可視トラックのtrack−IDが、0,1,3である場合を示している。そして、これら3つの可視トラックの空間的上下関係は、視聴者から遠い方から、tr0,tr1,tr3になっている。
【0064】
尚、これら可視トラックの表示位置とtrack−IDの位置関係を[表4−d]に示しておく。
【0065】
図5は、MP4ファイルの構成とその構成要素を示す表図である。
【0066】
図5において、‘sprt’ボックス:「spacial relation box」が本発明における提案ボックスであり、このボックスを拡張ボックスとして利用することにより、既存のボックスをいじらなくても済む。
【0067】
即ち、このボックスを認識できない従来のデコーダでは、このボックスをスキップ処理し、例えば、‘tkhd’ボックスに指定されるレイヤパラメータに応じて任意に各視覚トラックの空間的上下関係を定義可能である。
【0068】
尚、プレゼンテーションの動画像データ本体部分は、‘mdat’ボックス:「movie header box」に格納される。
【0069】
図6は、上記図4に示した関係を示す位置関係情報を格納した‘sprt:Spatial Relation Box’の構成を示す図である。
【0070】
図6に示すように、この‘sprt’ボックスは、プレゼンテーションを、可視トラックの数と各可視トラック間の空間的位置関係が変動しない不変期間毎に分割し、その不変期間を示す情報に対応付けて、可視トラックの数を示す情報と、各可視トラックの表示順位を示す為のトラックID(識別子)を示す情報とを格納する。
【0071】
尚、この実施例では、可視トラックIDを格納する位置に対応付けて表示順位を定義している。即ち、この場合、可視トラックIDが書き込まれる格納箇所の上方から下方の位置に応じて、プレゼンテーション上で該当する可視トラックが奥側(視聴者から遠い位置)から手前(視聴者に近い位置)に表示されるようになっている。
【0072】
具体的に、この‘sprt’ボックスの構造では、sizeフィールド、typeフィールド、versionフィールド、flagsフィールドが先行し、その後に、entry countフィールドが続き、その後にentry countフィールドで示す値と同じ個数のsegmentdurationデータが存在する。そして、各segment durationデータは、entry countフィールド、visible tracksフィールド、およびvisible tracksフィールドで示す値と同じ個数のtrack IDフィールドが存在する。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数可視トラックの空間的位置関係を分割された期間毎に定義することにより複数の可視トラックが重なり合った複雑なプレゼンテーションの表示を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のマルチメディア(MP4)ファイルにおける複数可視トラックの空間的関係の定義方法を適用した場合のシステム概略構成を示す図。
【図2】図1に示した送信装置のエンコーダ(符号器)におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード時の処理の流れを示すフローチャート。
【図3】図1に示した受信装置のデコーダ(解読器)におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理の流れを示すフローチャート。
【図4】本発明に係る可視トラックの表示順位とトラックIDの位置関係を示す図。
【図5】MPファイルの構成とその構成要素を示す表図。
【図6】図4に示した関係を示す位置関係情報を格納する‘sprt:Spatial Relation Box’の構成を示す図。
【図7】MP4ファイルフォーマットにおけるプレゼンテーションの一表示例を示す図。
【符号の説明】
100 送信装置
110 制御部
111 エンコーダ
200 通信網
300 受信装置
310 表示部
320 制御部
321 デコーダ
330 操作部
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理方法およびシステムに関し、特に、複数可視トラックの空間的上下関係を分割された期間毎に定義することにより複数の可視トラックが重なり合った複雑な映像(以下、「プレゼンテーション」という。)の表示を可能にした画像表示処理方法およびシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、マルチメディアファイル(以下、単に「MP4ファイル」という。)のフォーマットにおける仕様では、図7に示すように、可視トラック(ビデオトラック、テキストトラック等で視覚表示可能なトラック)をプレゼンテーション中に複数持つことが可能である。
【0003】
ところが、現在のMP4ファイルフォーマット仕様では、可視トラックがプレゼンテーション中に複数存在する場合で、これら複数の可視トラックの空間的な上下関係および数が時間と共に変動する場合の、これら可視トラックの空間的な上下関係を定義する方法が無いのが現状である。
【0004】
現MP4ファイルフォーマット仕様には、TrackHeaderBox(’tkhd’)中にlayerフィールドを持つが、このフィールドは、各トラックのプレゼンテーション全体に亘って固定した空間的上下関係を表すもので、変動可能な空間的上下関係を表すものではない。
【0005】
また、現在では、BIFS(ビフス)等により、複数の画像間での空間的位置関係を定義するものが知られているが、MP4ファイルフォーマットにおいて、テキストトラックとビデオトラックとの間で空間的位置関係を定義する方法は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の如く、従来のMP4ファイルフォーマットにおける可視トラックの空間的な上下関係を扱う方法においては、プレゼンテーション全体に亘って固定した空間的上下関係を表わす方法しか無いものとなっている。
【0007】
この為、従来のMP4ファイルフォーマット仕様では、固定的な単純なプレゼンテーションを表現することしか出来ないでいる。
【0008】
また、従来BIFS等により、複数の画像間での空間的位置関係を定義するものは知られているものの、MP4ファイルフォーマットにおいて、テキストトラックとビデオトラックとの間で空間的位置関係を定義するものは知られていないのが現状である。
【0009】
そこで、本発明は、複数の可視トラック間の空間的上下関係を分割された期間毎に定義することにより、複数の可視トラックが重なり合った複雑なプレゼンテーションの表示を可能にした画像表示処理方法およびシステムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理方法において、前記画像を複数の期間に分割し、該分割した期間毎に前記複数の可視トラックの空間的上下関係を順序付けて定義し、該定義に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記期間毎に切り換えて前記画像を表示することを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記複数の可視トラックの空間的上下関係は、前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義され、該ヘッダ部分に定義された空間的上下関係に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を調節して表示することを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記マルチメディアファイルは、MP4ファイルであり、前記複数の可視トラックの空間的上下関係は、前記MP4ファイルのヘッダボックスの予め設定された位置に前記可視トラックの識別子を示す情報を格納することにより定義されることを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理システムにおいて、前記画像を複数の期間に分割する分割手段と、前記分割した期間毎に前記複数の可視トラックの空間的上下関係を順序付けて定義する定義手段と、前記定義手段による定義に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記期間毎に切り換えて前記画像を表示する表示制御手段とを具備することを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記定義手段は、前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義し、前記表示制御手段は、前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義された空間的上下関係に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を調節して表示することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記マルチメディアファイルは、MP4ファイルであり、前記定義手段は、前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記MP4ファイルのヘッダボックスの予め設定された位置に前記可視トラックの識別子を示す情報を格納することにより定義することを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明を適用した場合のマルチメディアファイル処理システムの概略構成を示す図である。
【0018】
図1に示すように、このシステムでは、MP4ファイル形式による動画像データを送信する送信装置100と、有線或いは無線回線、交換局等から成る通信網200と、上記送信装置100から送信されてきた動画像データを受信し、表示部等に動画像を表示再生する受信装置300とを具えて構成される。
【0019】
ここで、送信装置100は、少なくともエンコーダ111を制御部110に具え、可視トラック(ビデオトラック、テキストトラック等で視覚表示可能なトラック)をプレゼンテーション中に複数持つような動画像をエンコード処理してMP4ファイル形式に変換し、所定の通信パケット[例えば、UDP(User Datagram Protocol)プロトコルを用いたパケット]に挿入して通信網200に送出する。
【0020】
尚、この送信装置100は、例えば、サーバであり、エンコーダ111は例えばハード及びソフト等から構成されるものとする。
【0021】
また、受信装置300は、少なくともデコーダ321を制御部320に具え、上記送信装置100及び通信網200を介して受信したパケットからMP4ファイルデータを抽出し、該抽出したMP4ファイルデータに基づき表示部310に動画像等のプレゼンテーションを表示する。
【0022】
尚、この受信装置300は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であり、デコーダ321は例えばハード及びソフト等から構成される。
【0023】
図2は、上記図1に示した送信装置100のエンコーダ111におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード時の処理の流れを示すフローチャートである。尚、このフローの説明にあたっては、図5に示すMP4ファイルの構成とその構成要素を示す表図、及び図6に示すSpatial Relation Box(’sprt’)の構造図を参照するものとする。
【0024】
図2に示すように、この処理を開始するにあたって、送信装置100のエンコーダ111では、まず、Spatial Relation Box(’sprt’)のファイル(図6参照)中に、Spatial Relation Box(’sprt’)のsizeをファイルに書き込む(ステップS101)。次いで、typeを’sprt’とし(ステップS102)、次いで、version(尚、このversionとは、このboxのバージョンを示す整数値である「0」または「1」である。)をファイルに書き込む(ステップS103)。次いで、flagsをファイルに書き込む(ステップS104)。次いで、entry count(尚、このentry countとは、このentry countの後にあるテーブル中のエントリを与えるものである。)をファイルに書き込む(ステップS105)。
【0025】
その後、versionが「1」であるかどうか、即ち、32ビットまたは64ビットフィールドサイズのどちらを使用するのかを識別する為のバージョンを示す整数値が「0」か「1」であるかを判定する(ステップS106)。尚、ここで、32ビットまたは64ビットフィールドサイズとあるが、これは、通常32ビットで後述の可視トラック等の位置関係情報を書き込めるが、プレゼンテーションによっては、後述のsegment duration:セグメント期間が多く存在し、それ応じて可視トラック等の情報が多くなる場合に64ビットフィールドサイズを用いる為である。
【0026】
ここで、versionが「1」であると判定されると(ステップS106YES)、iを「0」に設定し(ステップS107)、次いで、iがentry countより小さいかどうかを判定する(ステップS108)。
【0027】
ここで、iがentry countより小さく無いと判定されると(ステップS108NO)、このSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード時の処理が終了される。
【0028】
また、他方、iがentry countより小さいと判定されると(ステップS108YES)、segment durationを64ビット長でファイルに書き込む(ステップS109)。次いで、visible−tracksを64ビット長でファイルに書き込む(ステップS110)。尚、ここで、segment durationとは、セグメントの時間間隔を示す整数値である。そして、1セグメントは、可視トラックの数が変動せずに、かつ、それら空間的上下関係が変動しない期間のことであり、単位は、Movie Header Box(’mvhd’)で指定されているタイムスケールである。また、visible tracksとは、あるセグメント期間(segment duration)における可視トラックの数を示す。
【0029】
その後、jを「0」に設定し(ステップS111)、次いで、jがvisible tracksより小さいかどうかを判定する(ステップS112)。
【0030】
ここで、jがvisible tracksより小さいと判定されると(ステップS112YES)、視聴者にj番目に遠い(即ち、jは0から始まり、jの値が大きいほど視聴者に近いものとなる)可視トラックのtrack−IDを64ビット長でファイルに書き込む(ステップS113)。尚、ここで、track IDとは、あるセグメント期間における各可視トラックのIDである。そして、このトラックIDは、Track Header Box(’tkhd’)で定義されているものを使用する。また、ここでは、各可視トラックのみが対象になり、オーディオトラック等の非可視トラックは対象とならない。尚、上記フロー処理中で後に書き込まれる可視トラックほど視聴者に近いものとなる。
【0031】
その後、jを1つインクリメントし(ステップS114)、上述のステップS112に移行する。
【0032】
また、他方、上述のステップS112の判定の結果、jがvisible tracksより小さく無いと判定されると(ステップS112NO)、iを1つインクリメントし(ステップS115)、上述のステップS108の処理に移行して以下同様の処理を行う。
【0033】
また、他方、上述のステップS106の判定の結果、versionが「1」でないと判定された場合(ステップS106NO)、iを「0」に設定し(ステップS116)、次いで、iがentry countより小さいかどうかが判定される(ステップS117)。
【0034】
ここで、iがentry countより小さく無いと判定されると(ステップS117NO)、このSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード処理を終了する。
【0035】
また、他方、iがentry countより小さいと判定されると(ステップS117YES)、segment−durationを32ビット長でファイルに書き込み(ステップS118)、次いでvisible−tracksを32ビット長でファイルに書き込み(ステップS119)、次いで、jを「0」に設定する(ステップS120)。
【0036】
その後、jがvisible−tracksより小さいかどうかを判定する(ステップS121)。
【0037】
ここで、jがvisible−tracksより小さいと判定されると(ステップS121YES)、視聴者にj番目に遠い可視トラックのtrack−IDを32ビット長でファイルに書き込む(ステップS122)。
【0038】
その後、jを1つインクリメントし(ステップS123)、上述のステップS121の処理に移行する。
【0039】
また、他方、上述のステップS121の判定処理の結果、jがvisible−tracksより小さく無いと判定された場合(ステップS121NO)、iを1つ増やし(ステップS124)、上述のステップS117の処理に移行し、以下同様の処理を行う。
【0040】
図3は、上記図1に示した受信装置300のデコーダ(解読器)321におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理の流れを示すフローチャートである。尚、このフローの説明にあたっても、図5に示すMP4ファイルの構成とその構成要素を示す表図、及び図6に示すSpatial Relation Box(’sprt’)の構造図を参照するものとする。
【0041】
図3に示すように、この処理を開始するにあたって、受信装置300のデコーダ321では、まず、図5に示したファイル中からSpatial Relation Boxのsizeを読み込む(ステップS201)。次いで、typeを’sprt’とし(ステップS202)、次いで、versionをファイルから読み込む(ステップS203)。次いで、flagsをファイルから読み込む(ステップS204)。次いで、entry countをファイルから読み込む(ステップS205)。
【0042】
その後、versionが「1」であるかどうかを判定する(ステップS206)。
【0043】
ここで、versionが「1」であると判定されると(ステップS206YES)、iを「0」に設定する(ステップS207)。
【0044】
その後、iがentry countより小さいかどうかが判定される(ステップS208)。
【0045】
ここで、iがentry countより小さく無いと判定されると(ステップS208NO)、ここでのSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理が終了される。
【0046】
また,他方、iがentry countより小さいと判定されると(ステップS208YES)、次いで、segment durationを64ビット長でファイルから読み込む(ステップS209)。そして、visible tracksを64ビット長でファイルから読み込む(ステップS210)。
【0047】
その後、jを「0」に設定し(ステップS211)、次いで、jがvisible tracksより小さいかどうかが判定される(ステップS212)。
【0048】
ここで、jがvisible tracksより小さいと判定されると(ステップS212YES)、視聴者にj番目に遠い可視トラックのtracks−IDを64ビット長でファイルから読み込む(ステップS213)。次いで、jを1つインクリメントし(ステップS214)、上述のステップS212の処理に移行して以下同様の処理を行う。
【0049】
また、他方、上述のステップS212の判定の結果、jがvisible tracksより小さく無いと判定されると(ステップS212NO)、iを1つインクリメントし(ステップS215)、上述のステップS208の処理に移行し、以下同様の処理を行う。
【0050】
また、上述のステップS206の判定の結果、versionが1でないと判定されると(ステップS206NO)、iを「0」に設定し(ステップS216)、次いで、iがentry−countより小さいかどうかを判定する(ステップS217)。
【0051】
ここで、iがentry−countより小さく無いと判定されると(ステップS217NO)、ここでのSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理が終了される。
【0052】
また、他方、上述のステップS217の判定の結果、iがentry−countより小さいと判定されると(ステップS217YES)、次いで、segment−durationを32ビット長でファイルから読み込み(ステップS218)、次いで、visible−tracksを32ビット長でファイルから読み込む(ステップS219)。
【0053】
その後、jを「0」に設定し(ステップS220)、次いで、jがvisible−tracksより小さいかどうかを判定する(ステップS221)。
【0054】
ここで、jがvisible−tracksより小さいと判定されると(ステップS221)、視聴者にj番目に遠い可視トラックのtrack−IDを32ビット長でファイルから読み込む(ステップS222)。次いで、jを1つインクリメントし(ステップS223)、上述のステップS221に移行して以下同様の処理を行う。
【0055】
また、他方、上述のステップS221の判定の結果、jがvisible‐tracksより小さく無いと判定されると(ステップS221NO)、iを1つインクリメントし(ステップS224)、上述のステップS217の処理に移行して以下同様の処理を行う。
【0056】
図4は、本発明に係る可視トラックの表示順位とトラックIDの関係を示す図である。そして、図4(a)が、entry−countが3の場合のプレゼンテーションを示し、図4(b)が、segment−durationがsd0(0<=t<t1)の場合の可視トラックの位置関係を示し、図4(c)が、segment−durationがsd1(t1<=t<t2)の場合の可視トラックの位置関係を示し、図4(d)が、segment−durationがsd2(t2<=t<t3)の場合の可視トラックの位置関係を示している。また、表4−bが、segment−durationがsd0(0<=t<t1)の場合の可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係情報テーブルを示し、表4−cが、segment−durationがsd1(t1<=t<t2)の場合の可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係情報テーブルを示し、表4−dが、segment−durationがsd2(t2<=t<t3)の場合の可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係情報テーブルを示している。
【0057】
尚、上記図2に示したエンコード時の処理において、エンコーダ111は、上記表4−b、表4−c、表4−dに示した位置関係情報テーブルに格納されている情報を参照してヘッダ部分に位置関係情報の付加処理を行う。
【0058】
また、図4(a)において、この例では、entry countが3の場合のプレゼンテーションを示しており、それぞれのsegment durationが、sd0(0<=t<t1),SD1(t1<=t<t2),sd2(t2<=t<t3)から構成されている様子を示している。
【0059】
また、図4(b)において、この場合、segment−durationが、sd0(0<=<t1)の場合の可視トラックの表示位置関係を示している。ここで、この期間のプレゼンテーションでは、tr0,tr1,tr2,tr3の4つの可視トラックが存在し、それぞれの可視トラックのtrack−IDが、0,1,2,3である場合を示している。そして、これら4つの可視トラックの空間的上下関係は、視聴者から遠い方から、tr0,r2,tr3,tr1になっている。
【0060】
尚、これら可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係を[表4−b]に示しておく。
【0061】
また、図4(c)において、この場合、segment−durationが、sd1(t1<=t<t2)の場合の可視トラックの表示位置関係を示している。ここで、この期間のプレゼンテーションでは、tr0,tr1,tr3の3つの可視トラックが存在し、それぞれの可視トラックのtrack‐IDが、0,1,3である場合を示している。そして、これら3つの可視トラックの空間的上下関係は、視聴者から遠い方から、tr0,tr3,tr1になっている。
【0062】
尚、これら可視トラックの表示順位とtrack−IDの位置関係を[表4−c]に示しておく。
【0063】
また、図4(d)において、この場合、segment durationが、sd2(t2<=t<t3)の場合の可視トラックの表示位置関係を示している。ここで、この期間のプレゼンテーションでは、tr0,tr1,tr3の3つの可視トラックが存在し、それぞれの可視トラックのtrack−IDが、0,1,3である場合を示している。そして、これら3つの可視トラックの空間的上下関係は、視聴者から遠い方から、tr0,tr1,tr3になっている。
【0064】
尚、これら可視トラックの表示位置とtrack−IDの位置関係を[表4−d]に示しておく。
【0065】
図5は、MP4ファイルの構成とその構成要素を示す表図である。
【0066】
図5において、‘sprt’ボックス:「spacial relation box」が本発明における提案ボックスであり、このボックスを拡張ボックスとして利用することにより、既存のボックスをいじらなくても済む。
【0067】
即ち、このボックスを認識できない従来のデコーダでは、このボックスをスキップ処理し、例えば、‘tkhd’ボックスに指定されるレイヤパラメータに応じて任意に各視覚トラックの空間的上下関係を定義可能である。
【0068】
尚、プレゼンテーションの動画像データ本体部分は、‘mdat’ボックス:「movie header box」に格納される。
【0069】
図6は、上記図4に示した関係を示す位置関係情報を格納した‘sprt:Spatial Relation Box’の構成を示す図である。
【0070】
図6に示すように、この‘sprt’ボックスは、プレゼンテーションを、可視トラックの数と各可視トラック間の空間的位置関係が変動しない不変期間毎に分割し、その不変期間を示す情報に対応付けて、可視トラックの数を示す情報と、各可視トラックの表示順位を示す為のトラックID(識別子)を示す情報とを格納する。
【0071】
尚、この実施例では、可視トラックIDを格納する位置に対応付けて表示順位を定義している。即ち、この場合、可視トラックIDが書き込まれる格納箇所の上方から下方の位置に応じて、プレゼンテーション上で該当する可視トラックが奥側(視聴者から遠い位置)から手前(視聴者に近い位置)に表示されるようになっている。
【0072】
具体的に、この‘sprt’ボックスの構造では、sizeフィールド、typeフィールド、versionフィールド、flagsフィールドが先行し、その後に、entry countフィールドが続き、その後にentry countフィールドで示す値と同じ個数のsegmentdurationデータが存在する。そして、各segment durationデータは、entry countフィールド、visible tracksフィールド、およびvisible tracksフィールドで示す値と同じ個数のtrack IDフィールドが存在する。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数可視トラックの空間的位置関係を分割された期間毎に定義することにより複数の可視トラックが重なり合った複雑なプレゼンテーションの表示を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のマルチメディア(MP4)ファイルにおける複数可視トラックの空間的関係の定義方法を適用した場合のシステム概略構成を示す図。
【図2】図1に示した送信装置のエンコーダ(符号器)におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のエンコード時の処理の流れを示すフローチャート。
【図3】図1に示した受信装置のデコーダ(解読器)におけるSpatial Relation Box(’sprt’)のデコード時の処理の流れを示すフローチャート。
【図4】本発明に係る可視トラックの表示順位とトラックIDの位置関係を示す図。
【図5】MPファイルの構成とその構成要素を示す表図。
【図6】図4に示した関係を示す位置関係情報を格納する‘sprt:Spatial Relation Box’の構成を示す図。
【図7】MP4ファイルフォーマットにおけるプレゼンテーションの一表示例を示す図。
【符号の説明】
100 送信装置
110 制御部
111 エンコーダ
200 通信網
300 受信装置
310 表示部
320 制御部
321 デコーダ
330 操作部
Claims (6)
- 複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理方法において、
前記画像を複数の期間に分割し、
該分割した期間毎に前記複数の可視トラックの空間的上下関係を順序付けて定義し、
該定義に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記期間毎に切り換えて前記画像を表示する
ことを特徴とする画像表示処理方法。 - 前記複数の可視トラックの空間的上下関係は、
前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義され、
該ヘッダ部分に定義された空間的上下関係に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を調節して表示する
ことを特徴とする請求項1記載の画像表示処理方法。 - 前記マルチメディアファイルは、
MP4ファイルであり、
前記複数の可視トラックの空間的上下関係は、
前記MP4ファイルのヘッダボックスの予め設定された位置に前記可視トラックの識別子を示す情報を格納することにより定義される
ことを特徴とする請求項1記載の画像表示処理方法。 - 複数の可視トラックを有する画像をマルチメディアファイルに基づき表示する画像表示処理システムにおいて、
前記画像を複数の期間に分割する分割手段と、
前記分割した期間毎に前記複数の可視トラックの空間的上下関係を順序付けて定義する定義手段と、
前記定義手段による定義に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記期間毎に切り換えて前記画像を表示する表示制御手段と
を具備することを特徴とする画像表示処理システム。 - 前記定義手段は、
前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義し、
前記表示制御手段は、
前記マルチメディアファイルのヘッダ部分に定義された空間的上下関係に基づき前記複数の可視トラックの空間的上下関係を調節して表示する
ことを特徴とする請求項4記載の画像表示処理システム。 - 前記マルチメディアファイルは、
MP4ファイルであり、
前記定義手段は、
前記複数の可視トラックの空間的上下関係を前記MP4ファイルのヘッダボックスの予め設定された位置に前記可視トラックの識別子を示す情報を格納することにより定義する
ことを特徴とする請求項4記載の画像表示処理システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002245473A JP2004088343A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 画像表示処理方法およびシステム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002245473A JP2004088343A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 画像表示処理方法およびシステム |
Publications (1)
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JP2002245473A Pending JP2004088343A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 画像表示処理方法およびシステム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015130546A (ja) * | 2014-01-03 | 2015-07-16 | 大木 光晴 | 画像処理装置、方法、プログラム、および、データフォーマット |
-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002245473A patent/JP2004088343A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015130546A (ja) * | 2014-01-03 | 2015-07-16 | 大木 光晴 | 画像処理装置、方法、プログラム、および、データフォーマット |
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