JP2004086539A - 画像分割方法および装置並びにプログラム - Google Patents

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山田 雅彦
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Abstract

【課題】画像をテクスチャ領域とこれ以外の領域とに精度よく分割する。
【解決手段】画像信号S0の輝度信号Y0を生成し、輝度信号Y0の高周波成分を表す高周波信号H0を生成する。高周波信号H0にモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施して、モフォロジー信号M0を得る。モフォロジー信号M0は、高周波成分のピークがまとめられた信号値を有する。そして、モフォロジー信号M0を平滑化して平滑化モフォロジー信号MH0を得、これに基づいて、高周波成分がまとまった領域をテクスチャ領域として抽出し、画像信号S0により表される原画像をテクスチャ領域とこれ以外の領域とに分割する。
【選択図】     図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像をテクスチャ領域とその他の領域に分割する画像分割方法および装置並びに画像分割方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像から画像の輝度情報、色情報およびテクスチャ情報を抽出し、これらの情報に基づいて画像を複数の領域に分割する種々の方法が提案されている(例えば特開2000−216979号公報)。ここで、テクスチャ情報としては、例えばJPEG圧縮を行う際に生成されるDCT係数を用いることができるが、特開2000−216979号公報に記載された方法によれば、画像信号に対してウェーブレット変換を施すことにより得られたウェーブレット変換係数をテクスチャ情報として用いている。より具体的には、画像を表す画像信号に対してウェーブレット変換を施してウェーブレット変換係数を得、このウェーブレット変換係数をテクスチャ特徴量として抽出し、このテクスチャ特徴量を用いて画像中の被写体を囲む領域のエッジを決定している。このように、DCT係数やウェーブレット変換係数を用いることにより、画像中に含まれる被写体のエッジを抽出して画像を被写体領域とそれ以外の領域とに分割することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DCT係数やウェーブレット変換係数を用いて画像を複数の領域に分割する方法では、複数の高周波成分がまとまって形成されるテクスチャ領域については、複数のエッジからなる領域としてのみしか認識することができない。このため、DCT係数やウェーブレット変換係数を用いた場合、画像中に含まれる被写体のエッジは抽出できるものの、高周波成分がまとまって形成されるテクスチャ領域を精度よく抽出することができなかった。
【0004】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、画像中に含まれるテクスチャ領域を精度よく抽出することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像分割方法は、画像信号から該画像信号により表される画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号を生成し、
該高周波信号に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号を取得し、
該モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割することを特徴とするものである。
【0006】
「モフォロジー演算処理」は、とくに乳癌における特徴的形態である微小石灰化像を検出するのに有効な手法として研究されているが、対象画像としてはこのようなマンモグラムにおける微小石灰化像に限るものではなく、検出しようとする特定の画像部分(異常陰影、ノイズ等)の大きさや形状が予めある程度分かっているものについては、いかなる画像に対しても適用することができる(特開平8−272961号公報、同9−248291号公報、同9−91421号公報等)。このモフォロジー演算処理を、濃淡画像を例にして以下に簡単に説明する。
【0007】
濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f(x,y)に相当する高さを持つ空間と見なし、この断面に相当する1次元の関数f(x)を考える。モフォロジー演算処理に用いる構造要素gは次式(1)に示すように、原点について対称な対称関数
【数1】
Figure 2004086539
であり、定義域内で値が0で、その定義域Gが下記式(2)であるとする。
【0008】
【数2】
Figure 2004086539
【0009】
このとき、モフォロジー演算の基本形は式(3)〜(6)に示すように、非常に簡単な演算となる。
【0010】
【数3】
Figure 2004086539
【0011】
すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画素を中心とした、±m(構造要素に応じて決定される値であって、図11中のマスクサイズに相当)の幅の範囲内の最大値を探索する処理であり(図11(a)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理は、注目画素を中心とした、±mの幅の範囲内の最小値を探索する処理である(図11(b)参照)。また、オープニング(opening )処理はイロージョン処理後にダイレーション処理を行う処理、すなわち最小値の探索の後に最大値を探索する処理であり、クロージング(closing )処理は、ダイレーション処理後にイロージョン処理を行う処理、すなわち最大値の探索の後に最小値を探索する処理に相当する。
【0012】
つまりオープニング処理は、低濃度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも濃度が高い部分)を抑制することに相当する(図11(c)参照)。
【0013】
一方、クロージング処理は、高濃度側から濃度曲線f(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも濃度が低い部分)を抑制することに相当する(図11(d)参照)。
【0014】
ここで、濃度の高いもの程大きな値となる高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対して大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号に対するダイレーション処理と高輝度高信号レベルに対するイロージョン処理(図11(b))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するイロージョン処理と高輝度高信号レベルに対するダイレーション処理(図11(a))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するオープニング処理と高輝度高信号レベルに対するクロージング処理(図11(d))とは一致し、高濃度高信号レベルの信号に対するクロージング処理と高輝度高信号レベルに対するオープニング処理(図11(c))とは一致する。
【0015】
なお、説明を簡単にするため1次元の濃度分布に対して1次元のマスク(構造要素)を適用した例で説明したが、2次元に広がる画像に適用するに際しては、1次元の構造要素を2次元面内で複数設定し、各構造要素をそれぞれ適用して複数回の処理を行ってもよいし、2次元の構造要素を設定し、この2次元の構造要素を適用して1回の処理で済ませるようにしてもよい。
【0016】
なお、本発明による画像分割方法においては、前記モフォロジー信号に対して平滑化処理を施して平滑化モフォロジー信号を取得し、
該平滑化モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割するようにしてもよい。
【0017】
また、本発明による画像分割方法においては、前記画像信号に対して多重解像度変換処理を施して、該画像信号を複数の周波数帯域信号に分解し、
少なくとも1つの該周波数帯域信号に基づいて前記高周波信号を生成するようにしてもよい。
【0018】
多重解像度変換の方法としてはウェーブレット変換、ラプラシアンピラミッドあるいはフーリエ変換等の方法が知られている。とくに、ウェーブレット変換は、信号の周波数解析方法の1つであるが、同じく周波数解析方法として広く用いられているフーリエ変換に比べ、信号の局所的な変化情報を検出しやすいという点で優れていることから、近年あらゆる信号処理の分野で脚光を浴びている(OLIVIER RIOUL and MARTIN VETTERLI;Wavelets and Signal Processing,IEEE SP MAGAZINE,P.14−38,OCTOBER 1991、Stephane Mallat;Zero−Crossings of a  Wavelet Transform,IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION THEORY,VOL.37,NO.4,P.1019−1033,JULY 1991 、特開平6−274614号公報、同6−350989号公報、同6−350990号公報、同7−23228号公報、同7−23229号公報、同7−79350号公報等)。
【0019】
また、本発明による画像分割方法においては、前記画像信号に対して2次元微分フィルタによるフィルタリング処理を施すことにより、前記高周波信号を生成するようにしてもよい。
【0020】
2次元微分フィルタとしては、例えば画像中の縦方向および横方向のエッジを抽出するSobelフィルタを用いることができる。
【0021】
本発明による画像分割装置は、画像信号から該画像信号により表される画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号を生成する高周波信号生成手段と、
該高周波信号に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号を取得するモフォロジー演算手段と、
該モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割する領域分割手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0022】
なお、本発明による画像分割装置においては、前記モフォロジー信号に対して平滑化処理を施して平滑化モフォロジー信号を取得する平滑化手段をさらに備え、
前記領域分割手段を、該平滑化モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割する手段としてもよい。
【0023】
また、本発明による画像分割装置においては、前記高周波信号生成手段を、前記画像信号に対して多重解像度変換処理を施して、該画像信号を複数の周波数帯域信号に分解し、
少なくとも1つの該周波数帯域信号に基づいて前記高周波信号を生成する手段としてもよい。
【0024】
また、本発明による画像分割装置においては、前記高周波信号生成手段を、前記画像信号に対して2次元微分フィルタによるフィルタリング処理を施すことにより、前記高周波信号を生成する手段としてもよい。
【0025】
なお、本発明による画像分割方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、画像信号から、画像信号により表される画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号が生成される。そして、この高周波信号に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理が施されてモフォロジー信号が取得される。ここで、モフォロジー演算処理によるクロージング処理により、高周波信号における凹状の濃度変動部分が抑制される。このため、高周波信号がまとまって存在する領域すなわちテクスチャ領域は、モフォロジー信号により表される画像上においては、一定の信号値を有するまとまった領域として表されることとなる。したがって、モフォロジー信号における一定の信号値を有するまとまった領域をテクスチャ領域として抽出することができ、これにより、画像をテクスチャ領域とその他の領域とに分割することができる。
【0027】
また、モフォロジー信号に対して平滑化処理を施して平滑化モフォロジー信号を取得し、この平滑化モフォロジー信号に基づいて画像を複数の領域に分割することにより、モフォロジー信号の細かな変動に影響されることなく、一定の信号値を有する信号がまとまったテクスチャ領域を画像から抽出することができる。また、平滑化処理により、モフォロジー信号において局所的に存在するエッジ部分に対応する信号は値が小さくなる。したがって、信号が局所的に存在するエッジ部分に対応する領域と信号がまとまって存在するテクスチャ領域とを信号値により明確に識別することができ、その結果、画像をテクスチャ領域とこれ以外の領域とに精度よく分割することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態による画像分割装置の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態による画像分割装置は、RGBの色信号からなる画像信号S0により表される画像(以下原画像とする)から、高周波の信号がまとまって存在するテクスチャ領域を抽出して、画像をテクスチャ領域およびテクスチャ領域以外の領域に分割するものである。
【0029】
図1に示すように、本実施形態による画像分割装置は、RGBの色信号からなる画像信号S0から輝度信号Y0を生成する輝度信号生成手段1と、輝度信号生成手段1において生成された輝度信号Y0に対してウェーブレット変換を施し、これにより得られるウェーブレット変換係数信号に基づいて、原画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号H0を生成する高周波信号生成手段2と、高周波信号H0に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号M0を取得するモフォロジー演算処理手段3と、モフォロジー信号M0を平滑化して平滑化モフォロジー信号MH0を取得する平滑化手段4と、平滑化モフォロジー信号MH0に基づいて原画像を分割する領域分割手段5と、領域分割手段5による領域の分割結果を出力する出力手段6とを備える。
【0030】
輝度信号生成手段1は、画像データS0を構成するRGB色データR0,G0,B0に対して下記の式(7)に示す演算を施すことにより輝度信号Y0を生成する。
Y=0.3R0+0.59G0+0.11B0   (7)
【0031】
高周波信号生成手段2は、以下のようにして高周波信号H0を生成する。まず、輝度信号Y0に対してウェーブレット変換を施す。図2はウェーブレット変換を説明するためのブロック図である。図2に示すように、画像信号S0(信号LLk)のx方向(後述する図3参照)に基本ウェーブレット関数H,Gによりフィルタリング処理を行うとともに、x方向の画素を1画素おきに間引き(図中↓2で表す)、x方向の画素数を1/2にする。ここで、関数Hはハイパスフィルタであり、関数Gはローパスフィルタである。さらに、この画素が間引かれた信号のそれぞれに対してy方向(後述する図3参照)に関数H,Gによりフィルタリング処理を行うとともに、y方向の画素を1画素おきに間引き、y方向の画素数を1/2にして、ウェーブレット変換係数信号(以下単に係数信号とすることもある)HH1,HL1,LH1,LL1(HHk+1,HLk+1,LHk+1,LLk+1)を得る。
【0032】
ここで、係数信号LL1は原画像の縦横を1/2に縮小した画像を表し、係数信号HL1,LH1,HH1はそれぞれ原画像の1/2縮小画像における縦エッジ、横エッジおよび斜めエッジ成分を表すものとなる。
【0033】
そしてこのようにして得られた係数信号LL1に対してさらにウェーブレット変換を施して、係数信号HH2,HL2,LH2,LL2を得る。ここで、係数信号LL2は原画像の縦横を1/4に縮小した画像を表し、係数信号HL2,LH2,HH2はそれぞれ原画像の1/4縮小画像における縦エッジ、横エッジおよび斜めエッジ成分を表すものとなる。
【0034】
以下、上記と同様にして、各周波数帯域において得られる係数信号LLkに対するウェーブレット変換をn回繰り返すことによりウェーブレット変換係数信号HH1〜HHn、HL1〜HLn、LH1〜LHn、LL1〜LLnを得る。ここで、n回目のウェーブレット変換により得られるウェーブレット変換係数信号HHn,HLn,LHn、LLnは、画像信号S0と比較してxy各方向の画素数が(1/2)n となっているため、各ウェーブレット変換係数信号はnが大きいほど周波数帯域が低く、画像信号S0の周波数成分のうち低周波数成分を表す信号となる。
【0035】
したがって、ウェーブレット変換係数信号HHk(k=0〜n、以下同様)は、画像信号S0のxy両方向の周波数の変化を表すものであり、kが大きいほど低周波信号となる。またウェーブレット変換係数信号HLkは画像信号S0のx方向の周波数の変化を表すものであり、kが大きいほど低周波信号となる。さらにウェーブレット変換係数信号LHkは画像信号S0のy方向の周波数の変化を表すものであり、kが大きいほど低周波信号となる。
【0036】
ここで、図3にウェーブレット変換係数信号を複数の周波数帯域毎に示す。なお、本実施形態においては、2回のウェーブレット変換を行ったものとする。なお、図3において係数信号LL2は原画像をxy両方向に1/4に縮小した画像を表す信号となっている。
【0037】
次いで、原画像のエッジ成分を表す係数信号HH1,HL1,LH1および係数信号HH2,HL2,LH2に対して逆ウェーブレット変換を施すことにより、第1および第2の高周波係数信号WH1,WH2を得る。図4は逆ウェーブレット変換を説明するための図である。図4に示すように、係数信号LH1,LH2のy方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに(図中↑2で表す)、関数Hに対応する逆ウェーブレット変換関数H′によりフィルタリング処理をy方向に施し、さらにこれにより得られた信号のx方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数Gに対応する逆ウェーブレット変換関数G′によりフィルタリング処理をx方向に施して第1の信号W11,W12を得る。
【0038】
一方、係数信号HL1,HL2のy方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数G′によりフィルタリング処理をy方向に施し、さらにこれにより得られた信号のx方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数H′によりフィルタリング処理をx方向に施して第2の信号W21,W22を得る。
【0039】
さらに、係数信号HH1,HH2のy方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数H′によりフィルタリング処理をy方向に施し、さらにこれにより得られた信号のx方向に対して画素間に1画素分の間隔をあける処理を行うとともに、関数H′によりフィルタリング処理をx方向に施して第3の信号W31,W32を得る。
【0040】
そして、下記の式(8)により第1および第2の高周波係数信号WH1,WH2を得る。
WH1=W11+W21+W31
WH2=W12+W22+W32       (8)
【0041】
さらに、下記の式(9)に示すように、第1および第2の高周波係数信号WH1,WH2を加算し、これの絶対値を求めることにより、高周波信号H0を算出する。
H0=|WH1+WH2|          (9)
【0042】
なお、第1および第2の高周波係数信号WH1,WH2のいずれか一方を、高周波信号H0として用いてもよい。
【0043】
図5は、第1および第2の高周波係数信号WH1,WH2の加算信号および高周波信号H0等の1次元プロファイルを示す図である。図5(a)に示すように、第1および第2の高周波係数信号WH1,WH2を加算して得られた加算信号は正負の両値をとるが、高周波信号H0はその絶対値を表したものとなっている。なお、図5(a)において部分B1は高周波信号が局在するエッジ領域に対応し、部分B2は高周波信号がまとまったテクスチャ領域に対応している。
【0044】
モフォロジー演算処理手段3は、高周波信号H0に対して下記の式(10)に示すモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号M0を得る。
【数4】
Figure 2004086539
【0045】
ここで、高周波信号H0は図5(b)に示すプロファイルを有し、クロージング処理により高周波信号H0により表される画像中に含まれる多重構造要素よりも周期が小さい信号が抑制されるため、モフォロジー信号M0は、図5(c)に示すように高周波信号H0における隣接するピークがまとめられたものとなる。
【0046】
平滑化手段4は、モフォロジー信号M0に対して、図6に示すようなガウシアン形状のローパスフィルタによるフィルタリング処理を施すことにより、モフォロジー信号M0を平滑化し、平滑化モフォロジー信号MH0を生成する。これにより、平滑化モフォロジー信号MH0においては、図5(d)に示すように、モフォロジー演算処理時に用いる多重構造要素に起因する細かな変動がモフォロジー信号M0から除去される。また、信号値が局在する部分B1については、平滑化により信号値が小さくなる。
【0047】
領域分割手段5は、平滑化モフォロジー信号MH0に基づいて、原画像をテクスチャ領域とそれ以外の領域とに分割する。例えば、平滑化モフォロジーMH0において、信号値を有する画素が所定値以上まとまっている部分B2に対応する原画像上の領域をテクスチャ領域として抽出し、原画像をテクスチャ領域とこれ以外の領域とに分割する。
【0048】
図7は原画像および平滑化モフォロジー信号MH0により表される画像を示す図である。原画像が図7(a)に示すように、森の中にある池を表すものである場合、平滑化モフォロジー信号MH0により表される画像においては、池に対応する領域の信号値が低く、森の木のようなテクスチャに対応する部分の信号値が高くなる。なお、図7(b)においては、信号値が低い部分を黒色、信号値が高い部分を白色にて示す。図7(b)に示すように、平滑化モフォロジー信号MH0により表される画像MHG0において、信号値が高い白色の領域がテクスチャ領域として抽出される。
【0049】
なお、抽出されたテクスチャ領域およびテクスチャ領域以外の領域は図8に示すように、テクスチャ領域を0、それ以外の領域を1としてラベリングされ、このラベリングされた画像が出力手段6から出力される。
【0050】
なお、信号値が局在する部分B1は平滑化モフォロジー信号MH0においては、信号値がまとまっている部分B2よりも平滑化により信号値が小さくなっている。したがって、領域分割手段5においては、平滑化モフォロジー信号MH0の信号値を所定のしきい値と比較し、しきい値以上の信号値を有する部分をテクスチャ領域とし、しきい値未満の信号値を有する部分をエッジに対応する部分として、原画像からテクスチャ領域を抽出するようにしてもよい。
【0051】
次いで、本実施形態の動作について説明する。図9は本実施形態において行われる処理を示すフローチャートである。まず、輝度信号生成手段1において、画像信号S0から輝度信号Y0が生成される(ステップS1)。高周波信号生成手段2においては、輝度信号Y0に対してウェーブレット変換が施され(ステップS2)、さらにウェーブレット変換係数信号に基づいて、高周波信号H0が生成される(ステップS3)。そして、モフォロジー演算処理手段3において、モフォロジー演算処理によるクロージング処理が高周波信号H0に対して施されて、モフォロジー信号M0が取得される(ステップS4)。
【0052】
次いで、平滑化手段4において、モフォロジー信号M0が平滑化されて、平滑化モフォロジー信号MH0が取得される(ステップS5)。そして、領域分割手段5において、平滑化モフォロジー信号MH0に基づいて、原画像からテクスチャ領域が抽出されて、テクスチャ領域およびこれ以外の領域に原画像が分割される(ステップS6)。そして出力手段6から分割結果が出力され(ステップS7)、処理を終了する。
【0053】
このように、本実施形態においては、画像信号S0から、画像信号S0により表される原画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号H0を生成し、この高周波信号H0に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号M0を生成するようにしたものである。ここで、モフォロジー演算処理のクロージング処理により、高周波信号H0における凹状の濃度変動部分が抑制されることから、高周波信号がまとまって存在する領域すなわちテクスチャ領域は、平滑化モフォロジー信号MH0により表される画像において、一定の信号値を有するまとまった領域として表されることとなる。したがって、モフォロジー信号における一定の信号値を有するまとまった領域をテクスチャ領域として抽出することができ、これにより、原画像をテクスチャ領域とその他の領域とに分割することができる。
【0054】
また、モフォロジー信号M0に対して平滑化処理を施して平滑化モフォロジー信号MH0を取得し、この平滑化モフォロジー信号MH0に基づいて画像を複数の領域に分割することにより、モフォロジー信号M0の細かな変動に影響されることなく、一定の信号値を有する信号がまとまったテクスチャ領域を原画像から抽出することができる。
【0055】
また、平滑化処理により、モフォロジー信号M0において局所的に存在するエッジ部分に対応する信号は値が小さくなる。したがって、信号が局所的に存在するエッジ部分に対応する領域と、信号がまとまって存在するテクスチャ領域とを明確に識別することができ、その結果、画像をテクスチャ領域とそれ以外の領域とに精度よく分割することができる。
【0056】
なお、上記実施形態においては、高周波信号生成手段2において、輝度信号Y0に対してウェーブレット変換を施すことにより、高周波信号H0を生成しているが、Sobelフィルタによるフィルタリング処理を輝度信号Y0に対して施して高周波信号H0を生成してもよい。以下、Sobelフィルタを用いたフィルタリング処理について説明する。
【0057】
図10はSobelフィルタによるフィルタリング処理を示す図である。図10に示すようにSobelフィルタF1は、縦方向のエッジを検出するためのフィルタであり、SobelフィルタF2は、横方向のエッジを検出するためのフィルタである。そして、画像信号S0に対してSobelフィルタF1,F2をそれぞれコンボリューションすることによりフィルタリング処理を施して、第1のフィルタリング信号SF1および第2のフィルタリング信号SF2を得る。
【0058】
ここで、第1のフィルタリング信号SF1は原画像中の縦方向のエッジを表し、第2のフィルタリング信号SF2は原画像中の横方向のエッジを表す。
【0059】
そして、第1および第2のフィルタリング信号SF1,SF2の絶対値|SF1|,|SF2|を求め、これらを加算することにより高周波信号H0を生成する。
【0060】
なお、上記実施形態においては、モフォロジー信号M0に対して平滑化処理を施すことにより得られた平滑化モフォロジー信号MH0に基づいて原画像を分割しているが、平滑化モフォロジー信号MH0とともに原画像の色成分や輝度成分等の原画像の特徴量にも基づいて原画像を複数の領域に分割してもよい。
【0061】
また、上記実施形態においては、モフォロジー信号M0に対して平滑化処理を施すことにより得られた平滑化モフォロジー信号MH0に基づいて領域分割しているが、平滑化前のモフォロジー信号M0に基づいて領域を分割してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による画像分割装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】ウェーブレット変換を説明するためのブロック図
【図3】ウェーブレット変換係数信号を複数の周波数帯域毎に示す図
【図4】逆ウェーブレット変換を説明するための図
【図5】第1および第2の高周波係数信号の加算信号および高周波信号のプロファイルを示す図
【図6】ガウシアン形状のローパスフィルタを示す図
【図7】平滑化モフォロジー信号により表される画像を示す図
【図8】ラベリング結果を示す図
【図9】本実施形態の動作を示すフローチャート
【図10】Sobelフィルタを用いた高周波信号の生成を説明するためのブロック図
【図11】モフォロジー演算処理を説明するための図
【符号の説明】
1  輝度信号生成手段
2  高周波信号生成手段
3  モフォロジー演算処理手段
4  平滑化手段
5  領域分割手段
6  出力手段

Claims (12)

  1. 画像信号から該画像信号により表される画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号を生成し、
    該高周波信号に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号を取得し、
    該モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割することを特徴とする画像分割方法。
  2. 前記モフォロジー信号に対して平滑化処理を施して平滑化モフォロジー信号を取得し、
    該平滑化モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割することを特徴とする請求項1記載の画像分割方法。
  3. 前記画像信号に対して多重解像度変換処理を施して、該画像信号を複数の周波数帯域信号に分解し、
    少なくとも1つの該周波数帯域信号に基づいて前記高周波信号を生成することを特徴とする請求項1または2記載の画像分割方法。
  4. 前記画像信号に対して2次元微分フィルタによるフィルタリング処理を施すことにより、前記高周波信号を生成することを特徴とする請求項1または2記載の画像分割方法。
  5. 画像信号から該画像信号により表される画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号を生成する高周波信号生成手段と、
    該高周波信号に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号を取得するモフォロジー演算手段と、
    該モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割する領域分割手段とを備えたことを特徴とする画像分割装置。
  6. 前記モフォロジー信号に対して平滑化処理を施して平滑化モフォロジー信号を取得する平滑化手段をさらに備え、
    前記領域分割手段は、該平滑化モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割する手段であることを特徴とする請求項5記載の画像分割装置。
  7. 前記高周波信号生成手段は、前記画像信号に対して多重解像度変換処理を施して、該画像信号を複数の周波数帯域信号に分解し、
    少なくとも1つの該周波数帯域信号に基づいて前記高周波信号を生成する手段であることを特徴とする請求項5または6記載の画像分割装置。
  8. 前記高周波信号生成手段は、前記画像信号に対して2次元微分フィルタによるフィルタリング処理を施すことにより、前記高周波信号を生成する手段であることを特徴とする請求項5または6記載の画像分割装置。
  9. 画像信号から該画像信号により表される画像の高周波成分の絶対値を表す高周波信号を生成する手順と、
    該高周波信号に対してモフォロジー演算処理によるクロージング処理を施してモフォロジー信号を取得する手順と、
    該モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割する手順とを有する画像分割方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  10. 前記モフォロジー信号に対して平滑化処理を施して平滑化モフォロジー信号を取得する手順をさらに有し、
    前記分割する手順は、該平滑化モフォロジー信号に基づいて前記画像を複数の領域に分割する手順である請求項9記載のプログラム。
  11. 前記高周波信号を生成する手順は、前記画像信号に対して多重解像度変換処理を施して、該画像信号を複数の周波数帯域信号に分解する手順と、
    少なくとも1つ該周波数帯域信号に基づいて前記高周波信号を生成する手順とを有する請求項9または10記載のプログラム。
  12. 前記高周波信号を生成する手順は、前記画像信号に対して2次元微分フィルタによるフィルタリング処理を施すことにより、前記高周波信号を生成する手順である請求項9または10記載のプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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