JP2004083504A - 骨芽細胞分化誘導促進剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、骨芽細胞分化誘導促進剤および骨芽細胞分化誘導促進活性を評価する方法を提供することにある。
【解決手段】HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有してしてなる骨芽細胞分化誘導促進剤、及び、骨芽細胞分化誘導促進活性の評価方法であって、
(1)被験化合物の存在下にHDAC活性を測定する工程、
(2)(1)により測定されたHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価する工程、
を含むことを特徴とする骨芽細胞分化誘導促進活性の評価方法。
【選択図】 なし。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤を有効成分として含有する骨芽細胞分化誘導促進剤、および、ヒストン脱アセチル化酵素阻害活性を指標として骨芽細胞分化誘導促進剤を選別する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
骨は、体の支持機能を持つ組織であると同時に、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収が絶えず繰り返されている動的組織であり、骨形成と骨吸収のバランスが保たれている。しかし、骨芽細胞と破骨細胞の機能バランスに異常が生じると、この動的平衡状態が破綻し、様々な骨疾患を引き起こす。該骨疾患としては、例えば、閉経後骨粗鬆症、老人性骨粗鬆症、ステロイド治療による骨粗鬆症、関節リウマチ、変形関節炎、関節炎、変形性腰椎症、全身性エリテマトーデス、糖尿病における骨減少症、慢性腎不全における骨密度低下、骨大理石病等を挙げることができる。
骨粗鬆症、関節リウマチ、変形関節炎、関節炎、変形性腰椎症、全身性エリテマトーデス、糖尿病における骨減少症、慢性腎不全における骨密度低下、骨疾患はその進行に伴って身体活動活性が低下し、ひいては腰痛・関節痛等の痛みを伴い、日常生活に支障をきたす場合も多い。近年、高齢化に伴って骨粗鬆症等の骨疾患が注目されつつあり、QOL(Quality of life)向上のためにも、患者の症状に合わせた治療を行うべく、多様な治療薬が求められている。
【0003】
破骨細胞は造血系細胞に由来する多核で骨吸収能をもつ巨大細胞であり、骨を吸収することで体内におけるカルシウムの恒常性を維持する重要な役割を担っている。
関節リウマチ患者の関節においては、破骨細胞への分化誘導が亢進していることが知られており、これが関節破壊の原因であると考えられている。すなわち、破骨細胞分化誘導抑制剤は、関節リウマチの治療剤もしくは予防剤に成り得ると考えられており、研究が進みつつある。しかし、破骨細胞への分化のメカニズムについては、いまだ解明されるにはいたっていない。従って、破骨細胞分化のメカニズムの解析、成熟破骨細胞の機能解析、及び破骨細胞分化を制御する医薬品の開発が求められている。
【0004】
ところで、染色体において、核内DNAは塩基性蛋白質であるヒストンと複合体(ヌクレオソーム)を形成しており、該ヌクレオソームの繰り返し構造がらせん状につながって、クロマチンを形成している。近年、前記ヌクレオソームの構築に関与するヒストン関連酵素が単離・解析されつつある。
例えば、ヒストンのアセチル化と遺伝子の転写活性化が関連していることは知られていたが、最近になって、核内レセプターのコアクチベーターがヒストンのアセチル化酵素であり、核内レセプターによる転写レベルを上昇させることが報告された(Microbiol Mol Biol Rev 64:435−59, 2000)。例えば、ヒストンのN末端にある特定のリジン残基がこれらの酵素により修飾され、その荷電が変化することにより、ヒストンと負に荷電しているDNAとの相互作用が変化し、ヌクレオソームの再構築、そして転写の促進が起こると言われている。
【0005】
一方、ヒストン脱アセチル化酵素(以下、HDACと略する。)は、ヒストンを脱アセチル化する酵素として単離され、転写を抑制するコリプレッサーと相互作用する因子であることが報告された(Trends Biochem Sci 25:121−6, 2000)。
HDAC阻害剤としては、トリコスタチンA(J Biol Chem265:17174−9, 1990)、およびバルプロ酸ナトリウム(EMBO J 20:6969−78, 2001)等が知られており、未分化細胞の分化を誘導する作用を有することが知られている。これらの薬剤は、クロマチンのアセチル化を亢進し、ある種の遺伝子群の転写を活性化することが知られている。また、癌細胞においては、再分化を誘導したり、アポトーシスを誘導することによって抗癌作用を示したりすることが知られており、現在、HDAC阻害剤を抗癌剤として応用すべく創薬研究が行われている。
【0006】
しかしながら、HDAC阻害剤と骨芽細胞の分化との関係は全く知られていなかった。また、HDAC阻害剤と、骨代謝の異常を伴う疾患や、関節、及び/又は骨破壊を伴う疾患との関係も全く知られていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、破骨細胞分化誘導のメカニズムを解明し、新しい作用機序を有する、骨代謝の異常を伴う疾患や、関節及び/又は骨破壊を伴う疾患の治療又は予防剤を提供すること、および該治療又は予防剤の選別方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、HDAC阻害剤が上記破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系に及ぼす影響を調べた結果、驚くべきことに、これらの化合物が、骨芽細胞への分化を促進することがわかった。さらに、これらの化合物は、破骨細胞への分化に対しては抑制作用を示すことがわかった。
本発明は上記の知見を元に完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は、
[1] HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有してなる骨芽細胞分化誘導促進剤、
[2] 前記化合物が更に破骨細胞分化誘導抑制活性を有する[1]記載の骨芽細胞分化誘導促進剤、
[3] 前記化合物がトリコスタチンAまたはバルプロ酸である[1]又は[2]記載の骨芽細胞分化誘導促進剤、
[4] HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有してなる関節および/または骨破壊抑制剤、
[5] HDAC阻害活性を有する化合物がトリコスタチンA又はバルプロ酸である[4]記載の関節および/または骨破壊抑制剤、
[6] HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する関節および/または骨破壊を伴う疾患の予防又は治療剤、
[7] HDAC阻害活性を有する化合物がトリコスタチンA又はバルプロ酸である請[6]記載の関節および/または骨破壊を伴う疾患の予防又は治療剤、
[8]  以下の(1)及び(2):
(1)被験化合物の存在下にHDAC活性を測定する工程、
(2)(1)により測定されたHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価する工程、
を含む骨芽細胞分化誘導促進活性の評価方法、
[9] 更に以下の工程:
(3)(1)により測定された被験化合物のHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物の破骨細胞分化抑制活性を評価する工程、
を含む[8]記載の評価方法、
[10] [8]記載の評価方法により評価された骨芽細胞分化誘導促進活性に基づき、骨芽細胞分化誘導促進活性を有する化合物を選別する方法、
[11] [9]記載の評価方法により評価された、骨芽細胞分化誘導促進活性および破骨細胞分化誘導抑制活性に基づき、骨芽細胞分化誘導促進活性と破骨細胞分化誘導抑制活性を併せ持つ化合物を選別する方法、
[12] [10]記載の方法により選別された化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、骨芽細胞分化誘導促進剤、
[13] [11]記載の方法により選別された化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、破骨細胞分化誘導抑制活性を併せ持つ骨芽細胞分化誘導促進剤、
[14] [10]又は[11]記載の方法により選別された化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする、関節、および/または骨破壊抑制剤、
[15] [10]又は[11]記載の方法により選別された化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有することを特徴とする関節、及び/又は骨破壊を伴う疾患の予防又は治療剤、
[16] HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有してなるsRANKL産生抑制剤、
[17] HDAC阻害活性を有する化合物がトリコスタチンAまたはバルプロ酸である[16]記載の産生抑制剤、
[18] 以下の(1)及び(2):
(1)被験化合物のHDAC活性を測定する工程、
(2)(1)により測定された被験化合物のHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物のsRANKL産生抑制活性を評価する工程、
を含むことをsRANKL産生抑制活性の評価方法、
[19] HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有してなるOPG産生促進剤、
[20] HDAC阻害活性を有する化合物がトリコスタチンAまたはバルプロ酸である[19]記載の産生促進剤、
[21] 以下の(1)及び(2):
(1)被験化合物のHDAC活性を測定する工程、
(2)(1)により測定された被験化合物のHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物のOPG産生促進活性を評価する工程、
を含むことを特徴とするOPG産生促進活性の評価方法、
[22] 被験化合物非存在下におけるHDAC活性が、トリコスタチンAまたはバルプロ酸存在下におけるHDAC活性であり、被験化合物のHDAC阻害活性が、トリコスタチンAまたはバルプロ酸のHDAC阻害活性と同等以上であるか否かを評価することを特徴とする、[8]、[9]、[18]、または[21]記載の評価方法、
に関する。
【0010】
【本発明の実施の形態】
以下に本発明の態様について、詳細に述べる。
本明細書において、「ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)」とは、ヒストンの脱アセチル化反応を触媒する酵素である。具体的には、ヒストンアセチル化酵素によってアセチル化されたヒストンのN末端側領域に含まれるNε−アセチルリジンにおけるアセチルアミノ基を、アミノ基に変換する脱アセチル化反応を触媒する酵素である。本明細書におけるHDACは、ヒストン脱アセチル化酵素活性を保持している限りそのホモログや改変体を含む。例えば、ヒトHDACについては、実験医学 19:2158−64, 2001、または、Nature 401:188−93, 1999等に開示されている。また、酵母のRPD3に類似したクラスI HDACであるHDAC1(Genbank Accession No: gi:2498443)、酵母のHDA1に類似したクラスII HDACであるHDAC6(Genbank Accession No: gi:13128864)、酵母のSir2に類似したクラスIII HDACであるSIRT1(GenbankAccession No: gi:9884660)などが知られている。本明細書におけるHDACは、骨芽細胞又は破骨細胞への分化に関与する遺伝子の発現制御に関わるアイソザイムであることが好ましい。
【0011】
「破骨細胞」は、ヒトおよび哺乳動物の破骨細胞であれば特に限定されない。すなわち、骨の表面に密着し、活性化に伴い骨吸収能を示す細胞であり、多核巨細胞等の形態的な特徴が挙げられる。その前駆細胞として、マクロファージ前駆細胞や骨髄球系前駆細胞などが挙げられる。
破骨細胞への分化とは、前駆細胞から、破骨細胞の性質を示す細胞への分化を言う。
「骨芽細胞」は、ヒトおよび哺乳動物の骨芽細胞であれば特に限定されない。すなわち、骨基質の形成に関与する細胞であり、リボ核蛋白質を含むため強い好塩基性を示す。また、強いアルカリ性フォスファターゼ反応を示すことを特徴とする。その前駆細胞としては、骨幹細胞、間葉系幹細胞等が挙げられる。
sRANKLは、破骨細胞分化誘導因子であり、骨芽細胞等において産生される。sRNAKLの配列は、J Biol Chem  272:25190−4(1997)に記載されている。ここでsRANKLは、破骨細胞分化誘導因子としての活性を有している限り、そのアイソフォームやオルソログといった、ホモログも含む概念である。
また、OPGは、破骨細胞形成抑制因子であり、骨芽細胞等において産生される。OPGの配列は、Endocrinology  139:1329−37(1998)に記載されている。ここでOPGは、破骨細胞形成抑制因子としての活性を有している限り、そのアイソフォームやオルソログといった、ホモログも含む概念である。
【0012】
本明細書において「被験化合物」とは、本発明の選別方法へ供することのできる物質であれば何ら限定されるものではなく、低分子化合物、天然物、蛋白質、ペプチド、多糖類等いかなるものであってもよい。低分子化合物としては、分子量約1500以下のものが挙げられ、好ましくは分子量1000以下の化合物が挙げられる。
【0013】
本発明の第1の態様は、HDAC阻害活性を有する化合物を有効成分として含有する骨芽細胞分化誘導促進剤に関する。該骨芽細胞分化誘導促進剤は、破骨細胞分化誘導抑制活性を併せ持つことが好ましい。
HDAC阻害活性を有する化合物としては、特に限定されず、蛋白質、DNA、天然物、合成有機化合物等が含まれる。該合成有機化合物、および天然物は、好ましくは、分子量2000以下、更に好ましくは分子量1000以下である。また蛋白質としてはHDAC抗体(ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体)が挙げられる。また、DNAとしては該HDACのアンチセンスポリヌクレオチドが挙げられる。
本発明におけるHDAC阻害活性を有する化合物は、好ましくは、濃度100μMにおいて、20%、より好ましくは50%、更に好ましくは80%以上のHDAC阻害活性を示す化合物である。
【0014】
HDAC阻害活性を有する化合物として具体的には、トリコスタチンA:
【化1】
Figure 2004083504
、バルプロ酸ナトリウム:
【化2】
Figure 2004083504
、FK−228:
【化3】
Figure 2004083504
(US4977138;J. Antibiot.,47(3),311 (1994))、
Suberanilohydroxamic acid(SAHA):
【化4】
Figure 2004083504
(J. Med. Chem., 38, (8), 1411 (1995))、
MS−275:
【化5】
Figure 2004083504
(J. Med. Chem., 42, (15), 3001 (1999);国際公開公報:WO01/16106;国際公開公報:WO01/12193)及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、Pyroxamide(NSC−696085):
【化6】
Figure 2004083504
(Clin. Cancer Res., 7, (4), 962(2001))、
M−232:
【化7】
Figure 2004083504
(Bioorg. Med. Chem. Lett., 7, (13), 1655(1997))、
4−(3,4−ジメトキシスルホニルアミノ)桂皮酸N−ヒドロキシアミド:
【化8】
Figure 2004083504
(Bioorg. Med. Chem. Lett., 11, (21), 2847−2850 (2001)) 及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、
Scriptaid:
【化9】
Figure 2004083504
(Cancer Res 2000, 60(12): 3137) 及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、
Spiruchostatin A:
【化10】
Figure 2004083504
Spiruchostatin B:
【化11】
Figure 2004083504
(Tetrahedron Lett., 42(1), 41−44, (2001);国際公開公報WO00/42062)、
CHAP−1:
【化12】
Figure 2004083504
(Proc Natl Acad Sci USA 2001, 98(1): 87)及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、
Apicidin:
【化13】
Figure 2004083504
(国際公開公報:WO96/03428、Proc Natl Acad Sci USA 1996, 93(21): 13143)及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、
TrapoxinA:
【化14】
Figure 2004083504
、TrapoxinB:
【化15】
Figure 2004083504
(J. Antibiot. 43, (12), 1524, (1990);US5112944;J. Biol. Chem., 268, (30), 22429, (1993)) 及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、WF−27082B:
【化16】
Figure 2004083504
(国際公開公報:WO00/21979)及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、
Oxamflatin:
【化17】
Figure 2004083504
(J. Med. Chem., 39, 2871 (1996))及び前記文献に記載されたHDAC阻害活性を有する化合物、
CBHA:
【化18】
Figure 2004083504
(Cancer Res 2001, 61(9): 3591)、
Depudecin:
【化19】
Figure 2004083504
(Biochem. Biophys. Res. Commun., 1992, 182(1): 379)、
ブタン酸ナトリウム、4−フェニルブタン酸ナトリウム、VX−563等が挙げられる。また、J. Med., Chem. 45(9):1778−1784 (2002)、J. Med. Chem., 45: 3296 (2002)、J. Med. Chem., 2001, 44(13): 2069、国際公開公報:WO01/70675、国際公開公報:WO02/46144、国際公開公報:WO02/46129、国際公開公報:WO00/8048、国際公開公報:WO00/21979、国際公開公報:WO02/6307、日本特許公開公報2001−354694、国際公開公報:WO01/7042、J. Med. Chem., 2000, 43(25): 4919、Org.Lett., 2001, 3(18): 2815、Tetrahedron Lett., 2000, 41(41): 7837、Tetrahedron Lett. 2000, 41(41): 7831、J. Med. Chem., 2000, 43(25): 4919、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001, 11(2): 113、国際公開公報:WO02/22577、J. Med.Chem., 1999, 42(22): 4669、J. Med. Chem., 2002, 45(4): 753、国際公開公報:WO01/38322、国際公開公報:WO99/11659、国際公開公報:WO00/52033、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 2001, 98(1): 87、Cancer Res. 61, 4459−4466 (2001)、Bioorg. Med. Chem. Lett., 2001, 11(6): 773、日本特許公開公報:特開2001−354694、日本特許公開公報:特開平11−335375、日本特許公開公報:特開平11−302173、Cancer Chemother Pharmacol 48 Suppl 1:S20−6, 2001等に記載された、HDAC阻害活性を有する化合物等を挙げることができる。
また、以下の式:
【化20】
Figure 2004083504
[式中、mは0又は1を表し、
およびRは、独立して、アルキル基又はアリール基で置換されていてもよいアルキル基を表し、
は、水素原子、又はアルキル基を表し、
は、水酸基で置換されていてもよいアルキル基、オキシラン−1−イル基、又はヒドロキシアミノ基を表す。また、RおよびRは、隣接する炭素原子とともに結合して、以下の式:
【化21】
Figure 2004083504
(式中、nは0〜2の整数を表す。)
から選択されるいずれかの環を形成していてもよい。]
で表される化合物もHDAC阻害活性を有する化合物として例示できる。
上記において、アルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、又は、インドリル基等が挙げられる。また、該アリール基は、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基等で置換されていてもよい。
としては、具体的には、(S)−1−メチルプロピル基、1−メチルエチル基、2−メチルプロピル基、ベンジル基、又は1−メトキシ−3−インドリルメチル基等が挙げられる。
としては、メチル基、ベンジル基、4−メトキシベンジル基、3−インドリルメチル基、1−メトキシ−3−インドリルメチル基、もしくは2−フェノキシエチル基等が挙げられる。
は、水素原子、又はメチル基等が挙げられる。
としては、エチル基、(S)−オキシラン−1−イル基、1−ヒドロキシエチル基、又はヒドロキシアミノ基等が挙げられる。
また、RおよびRが隣接する炭素原子と一緒になって、式:
【化22】
Figure 2004083504
で表される環を形成していてもよい。
更に、上記化合物の薬学上許容される塩、及びその誘導体もまた、本発明のHDAC阻害活性を有する化合物に含まれる。
【0015】
また、本発明におけるHDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩は、骨芽細胞分化促進活性と共に、破骨細胞分化誘導抑制活性を併せ持つことが好ましい。
本発明のHDAC阻害活性を有する化合物が、実際に骨芽細胞分化誘導促進活性、又は、破骨細胞分化誘導抑制活性を有するかどうかは、後述する実施例の方法などを用いて確認することができる。具体的には、破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系において、破骨細胞の特徴である多核細胞の形成を観察することにより検出することができる。例えば、被験化合物の存在下および非存在下における酒石酸耐性酸フォスファターゼ活性を測定(TRAP染色法)することにより、破骨細胞の分化誘導を観測することができる。
一方、アルカリフォスファターゼ活性を測定することにより、骨芽細胞の分化誘導を観測することができる。
in vitroにおける、破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系としては、前記のCIAマウスの罹患組織を用いる方法の他、例えば、副甲状腺ホルモン(PTH)、デキサメタゾンやビタミンD3などの骨吸収促進因子の存在下で、破骨細胞前駆細胞を含む脾細胞や血球系細胞を骨芽細胞/ストローマ細胞と共培養する方法等が知られている。
【0016】
本明細書における、HDCA阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩は、前記文献に基づき、あるいは当業者の常識の範囲で、Organic Transformation(Lalock著、V CH パブリッシャーズ、Inc.、1989)、Organic Reactions(DAUBEN,W.G著、JOHN WILEY & SONS,INC.)、またはComprehensive Organic Synthesis (BARRY M TROST,IAN FL著、PERGAMON)等を参考にして合成することができる。また、HDCA阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩は、前記の文献等に記載された公知の方法で製造することができる。
【0017】
本発明におけるHDCA阻害活性を有する化合物が、酸性基もしくは塩基性基を有している場合、これらは薬学上許容される塩を形成していてもよく、該薬学上許容される塩としては、薬学上許容される塩としては、酸付加塩および塩基付加塩が挙げられる。酸付加塩としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、塩基付加塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等の無機塩基塩、トリエチルアンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、ピリジニウム塩、ジイソプロピルアンモニウム塩等の有機塩基塩等が挙げられ、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸などの塩基性あるいは酸性アミノ酸といったアミノ酸塩が挙げられる。
【0018】
HDAC阻害活性を有する化合物、又はその薬学上許容される塩は、sRANKL産生抑制剤、OPG産生促進剤、又は、関節及び/又は骨破壊抑制剤の有効成分として用いることができる。
また、本発明のHDAC阻害活性を有する化合物、又はその薬学上許容される塩は、関節、および/または骨の異常を伴う疾患の治療剤の有効成分として用いることができる。ここで、関節、および/または骨の異常を伴う疾患としては、関節リウマチ、骨粗鬆症、変形性関節症、歯周病等が挙げられる。更に、本発明の骨破壊抑制剤は、骨芽細胞分化誘導促進活性を有するため、関節、および/または骨の破壊を抑制すると同時に骨形成を促進すると考えられ、従来の破骨細胞分化誘導抑制剤よりも優れている。
【0019】
すなわち、本発明の第2の態様は、HDAC阻害活性を有する化合物もしくはその薬学上許容される塩を有効成分とする、関節、および/または骨の異常を伴う疾患の治療剤、または予防剤に関する。
本発明のHDAC阻害活性を有する化合物、およびその薬学上許容される塩は、これを医薬として用いるにあたり、経口的、非経口的に投与することができる。例えば、経口的に投与する場合には、本発明骨芽細胞分化誘導促進剤は錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の通常の形態で使用することができる。また、非経口的に投与する場合には、本発明骨芽細胞分化誘導促進剤を溶液、乳剤、懸濁液等の通常の液剤の形態で使用することができる。前記形態の本発明骨芽細胞分化誘導促進剤を非経口的に投与する方法としては、例えば注射する方法、坐剤の形で直腸に投与する方法、吸入により投与する方法、経皮吸収により投与する方法等を挙げることができる。
前記の適当な投与剤型は許容される通常の担体、賦型剤、結合剤、安定剤、希釈剤等にHDAC阻害活性を有する物質またはその薬学的に許容される塩を配合することにより製造することができる。また注射剤型で用いる場合には、許容される緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもできる。
投与量や投与回数は、投与される哺乳動物の年令、性別、体重、症状、疾患の程度、破骨細胞分化誘導抑制剤の種類、投与形態等によって異なるが、通常は経口の場合には成人で1日あたり有効成分量として約1mg〜約2g、好ましくは有効成分量として約5mg〜約1gを投与すればよく、注射の場合には成人で有効成分量として約0.1mg〜約500mgを投与すればよい。また、前記の1日の投与量を1回または数回に分けて投与することができる。
【0020】
本発明の第3の態様は、HDAC阻害活性を指標とする、骨芽細胞分化誘導促進活性の評価方法に関する。すなわち、以下の(1)〜(2)の工程を含むことを特徴とする骨芽細胞分化誘導促進活性の評価方法に関する。
(1)被験化合物の存在下にHDAC活性を測定する工程。
(2)(1)により測定されたHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価する工程。
本発明の評価方法の特徴は、骨芽細胞への分化による骨芽細胞の出現を直接観測することなく、被験化合物のHDAC阻害活性(詳細は後述する)を測定するだけで、該物質の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価することができる点にある。
また、本発明の評価方法では、破骨細胞への分化による破骨細胞の出現を直接観測することなく、被験化合物のHDAC阻害活性を測定するだけで被験化合物の破骨細胞分化誘導抑制活性をも評価することができるため、簡便であり、1次選別等に最適である。
以下それぞれの工程について詳細に説明する。
【0021】
(1)被験化合物の存在下におけるHDAC活性を測定する工程
本明細書において、該脱アセチル化反応の基質は、ヒストンアセチル化酵素によってアセチル化されたヒストンのN末端側領域に限定されず、HDACによってNε−アセチルリジンにおけるアセチルアミノ基を脱アセチル化してアミノ基へ変換する反応が進行する限り、基質として用いることができる。具体的には、ヒストンペプチド断片、又は標識官能基で修飾されたヒストンペプチド断片等が挙げられる。
また、HDAC活性を測定する方法としては、基質およびHDACを接触させて、一定時間酵素反応を行い、基質の減少量を分析する方法、あるいは該酵素反応における生成物の増加量を分析する方法、あるいは、該酵素活性に起因して生じる生理活性を測定する方法が挙げられる。
具体的には、▲1▼H(トリチウム)を含むアセチル基でラベルしたヒストンペプチド断片を基質にし、HDACによって切り出されたH−酢酸を定量する方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93: 13143−13147, 1996);▲2▼H(トリチウム)を含むアセチル基でラベルすると同時に、N末をビオチン化したペプチドをアビジンビーズにつけ、SPA法にて測定する方法(Anal Biochem 267:390−6, 1999);▲3▼蛍光標識したヒストンペプチド断片を基質とし、HDACによって切り出された蛍光標識断片を定量する方法(Cytoblot assay; Chem Biol 6:71−83, 1999)等が挙げられる。
【0022】
具体的には、HDACを含有する水溶液(通常緩衝液が用いられる。)に、10−3〜10−10Mの適当な濃度に調製した被験化合物溶液(通常溶媒には水もしくは緩衝液が用いられるが、溶解度に応じてエタノールやDMSOを添加することもできる。)、及び基質を加え、室温で一定時間反応させる。反応の前後で、それぞれ基質の量、もしくは生成物の量を測定する。すなわち、反応開始直前もしくは反応開始直後の、基質または生成物の量(Vini)、および、反応開始後一定時間後に減少した基質または増加した生成物の量(Vfin)を測定する。
【0023】
本工程において、HDACに被験化合物及び基質を接触させる順序は、(i)HDACと被験化合物とを先ず接触させ、一定時間保温した後、基質を添加するような形態、(ii)HDAC、被験化合物、および基質を同時に接触させるような形態、(iii)HDACと基質とを先ず接触させ、一定時間保温した後、被験化合物を添加するような形態、のいずれの形態であってもよい。
更に、上記(i)の場合には、HDACと被験化合物との接触時間として、通常1分間〜60分間を挙げることができる。保温温度としては、通常4℃〜40℃を挙げることができる。
また、上記(iii)の場合には、HDACと基質との接触時間として、通常1分間〜60分間を挙げることができる。保温温度として、通常4℃〜40℃を挙げることができる。
【0024】
また、本工程において、被験化合物の濃度は、例えば、0.01nM〜10mMで、好ましくは0.1nM〜5mMである。基質の濃度は、例えば、0.01μM〜10mMで、好ましくは0.1μM〜5mMである。
本工程において、HDACの形態は、単離された酵素蛋白質の精製品、粗精製品等であってもよいし、HDACを発現し得る細胞であってもよい。
単離された酵素蛋白質を用いる場合、HDACの濃度は、例えば、5ng/ml以上で、好ましくは1μg/ml以上である。
HDACを発現し得る細胞としては、例えばHDACのアミノ酸配列をコードする塩基配列からなる遺伝子が導入された形質転換細胞等が挙げられる。また、HDACを発現し得る細胞として、生体組織から分離された細胞、あるいは必要に応じてこれを培養した細胞を用いることもできる。
HDACとしてHDACを発現し得る細胞を用いる場合、該細胞の濃度は、例えば、1×10細胞/ml以上で、好ましくは1×10細胞/ml以上である。また、この場合、反応終了後に、遠心分離等により上清を単離して分析に供することができる。
【0025】
前記HDACは、DNAクローニング、各プラスミドの構築、宿主へのトランスフェクション、形質転換体の培養および培養物からのタンパク質の回収の操作により得ることができる。これらの操作は、当業者に既知の方法、あるいは文献記載の方法(Molecular Cloning, T.Maniatis et al., CSH Laboratory (1983), DNA Cloning, DM. Glover, IRL PRESS (1985))などに準じて行うことができる。具体的にはヒストン脱アセチル化酵素をコードする遺伝子が所望の宿主細胞中で発現できる組み換えDNA(発現ベクター)を作成し、これを宿主細胞に導入して形質転換し、該形質転換体を培養して、得られる培養物から、目的タンパク質を回収することによって実施することができる。
例えば、本発明蛋白質のcDNAをpCAGGS(Gene 108, 193−199(1991))、pcDNA1.1、pcDNA3.1誘導体(インビトロジェン社)などの公知の発現ベクターに挿入する。その後、適当な宿主に導入し、培養することにより、導入した本発明蛋白質のDNAに対応する蛋白質を発現させた形質転換細胞を作製することができる。宿主としては、一般的に広く普及している、CHO細胞、C127細胞、BHK21細胞、COS細胞などを用いることができるが、これに限定されることなく、酵母、細菌、昆虫細胞などを用いることもできる。本発明蛋白質の発現ベクターの宿主細胞への導入方法としては、公知の発現ベクターの宿主細胞への導入方法であれば、どのような方法でもよく、例えばリン酸カルシウム法(J. Virol., 52, 456−467(1973))、LT−1(Panvera社製)を用いる方法、遺伝子導入用リピッド(Lipofectamine、Lipofectin;Gibco−BRL社製)を用いる方法などが挙げられる。
ヒストン脱アセチル化酵素は、前記形質転換体の培養物をそのまま用いることもできる。また、該培養物を破砕し、培養上清画分を遠心分離等の操作により分離して用いることもできる。また、抗体等を用いたアフィニティーカラム、イオン交換樹脂カラム等で精製し、単離された蛋白質として用いることもできる。
【0026】
本工程におけるHDAC活性測定時の反応温度は、例えば、20℃〜70℃であればよく、好ましくは30℃〜40℃である。反応時間は、例えば、1分間以上で、好ましくは15分間〜1日間である。反応pHは、例えば、6.0〜9.5で、好ましくはpH7.5〜9.0である。
【0027】
本工程の酵素反応における基質もしくは生成物の検出、又はその量の測定には、反応液を、例えば、高速液体クロマトグラフィー(以下、HPLCと記す。)、薄層クロマトグラフィー、ペーパークロマトグラフィー等で分離した後、当該基質もしくは生成物を、個々の化合物に適した方法で分析すればよい。例えば、紫外線吸収、可視光吸収、蛍光活性、または放射活性等を検出・測定すればよい。尚、上記分析の際に反応液から蛋白質を除去しておく必要がある場合には、例えば、Methods Enzymol. 280, 211−221等に記載される方法により反応液から蛋白質を除去すればよい。
具体的には、H(トリチウム)を含むアセチル基でラベルしたヒストンペプチド断片を基質にし、生成物であるH−酢酸を定量する方法等が挙げられる。
【0028】
(2)(1)により測定されたHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価する工程。
上記(1)のようにして測定された活性と被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することにより得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価することができる。
本明細書において、「被験化合物非存在下におけるHDAC活性」とは、対照におけるHDAC活性であり、(a)ブランクにおけるHDAC活性、または(b)基準物質存在下におけるHDAC活性を表す。
前記(a)における「ブランクにおけるHDAC活性」とは、上記(1)のHDAC活性測定系において、被験化合物非存在下に、(1)と同一条件でHDAC活性を測定したものである。すなわち、通常は、被験化合物を添加するかわりに、該測定系で用いられる溶媒等の、HDAC阻害活性を有さない物質を添加して測定を行う。
前記(b)における「基準物質存在下におけるHDAC活性」とは、上記(1)のHDAC活性測定系において、被験化合物のかわりに、基準物質を用い、(1)と同一条件でHDAC活性を測定したものである。該基準物質とは、HDAC阻害活性を有するポジティブコントロールや、HDAC阻害活性を示さないネガティブコントロールを表す。
前記(a)および(b)は、両者を組み合わせて用いることもできる。すなわち、ブランクと基準物質を共に用いることにより、基準物質のHDAC阻害活性を測定し、被験化合物のHDAC阻害活性と比較することにより、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価することもできる。
【0029】
より具体的には、例えば、前記(1)の、基質と被験化合物がHDACと接触する形態において、対照としてブランク、もしくは基準物質(ネガティブコントロール)を用いる場合には、HDAC活性測定値を用いて、下記の式に従ってHDAC阻害活性、すなわちHDAC阻害率を求めるとよい。
例えば、上記のとおり、反応開始直前もしくは反応開始直後の、基質または生成物の量(Vini)、および、反応開始後一定時間後に減少した基質または増加した生成物の量(Vfin)を測定することにより、HDAC活性測定値は、|Vfin−Vini|で表される。対照となる被験化合物非存在下でのヒストン脱アセチル化酵素活性は、例えば被験化合物のかわりに、溶媒のみを用いるか、基準物質(ポジティブコントロールもしくはネガティブコントロール)の溶液を用いて測定することができる。また、基準物質を被験化合物として用い、対照として溶媒のみのブランクを用い、基準物質のHDAC阻害活性と、被験化合物の阻害活性を比較することもできる。
HDAC阻害率は、以下のように表される。
[対照がブランクの場合]
阻害率(%)={1−測定(被験化合物)値/対照(ブランク)値}×100
[対照がネガティブコントロールの場合]
阻害率(%)={1−測定(被験化合物)値/対照(ネガティブコントロール)値}×100
そして算出された阻害率により骨芽細胞分化誘導促進活性を評価すればよい。
また、被験化合物の複数の濃度について、阻害活性を測定し、当業者に公知の方法を用いて、被験化合物のIC50値を算出したり、Ki値を算出したりすることも可能である。
【0030】
一方、前記(1)が、基質と被験化合物がHDACと接触する形態において、対照として基準物質(ポジティブコントロール)を用いる場合には、対照値と被験化合物のHDAC活性測定値を比較することにより骨芽細胞分化誘導促進活性を評価すればよい。この場合、測定(被験化合物)値が対照(基準物質、すなわちポジティブコントロール)値と同等以上の値を示す場合、被験化合物は基準物質と同等以上の骨芽細胞分化誘導促進活性を有すると評価する。
【0031】
同様に、上記(1)のようにして測定された活性と対照における活性とを比較することにより得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物の破骨細胞分化誘導抑制活性を評価することができる。すなわち、HDAC阻害活性が高い化合物を、破骨細胞分化誘導抑制活性が高い化合物と評価することができる。
骨芽細胞分化誘導促進活性を有する物質、すなわち骨芽細胞分化誘導促進剤、又は、破骨細胞分化誘導抑制活性を有する物質、すなわち破骨細胞分化誘導抑制剤を探索するには、本発明の評価方法により評価された骨芽細胞分化誘導促進活性や、破骨細胞分化誘導抑制活性に基づき、化合物を選抜すればよい(本発明選別方法)。すなわち、本発明の評価方法の特徴は、骨芽細胞分化誘導促進活性と破骨細胞分化誘導抑制活性を併せ持つ化合物を選別可能な点にある。
例えば、上記(1)の工程において、対照としてブランク、もしくはネガティブコントロールを用いた場合には、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性、及び/又は、破骨細胞分化誘導抑制活性を評価するための指標となるHDAC阻害率が、統計学的に有意な値を示す物質、具体的に好ましくは、例えば、被験化合物の濃度1μMにおいて、上記の式における阻害率が30%以上を示す物質、より好ましくは50%以上を示す物質、更に好ましくは80%以上を示す物質を、骨芽細胞分化誘導促進活性、及び破骨細胞分化誘導抑制活性を有する物質の候補化合物として選抜することができる。一方、上記(1)の工程において、対照として、HDAC阻害活性を有する物質(ポジティブコントロール)を用いた場合には、例えば測定(被験化合物)値が対照(基準物質)値と同等以上の値を示す場合、被験化合物は基準物質と同等以上の骨芽細胞分化誘導促進活性、及び破骨細胞分化誘導抑制活性を有する物質の候補化合物として選抜することができる。
また、例えば、上記(1)の工程において、対照として、HDAC阻害活性が小さく、骨芽細胞分化誘導促進活性及び破骨細胞分化誘導抑制活性を示さない物質をネガティブコントロールとして用いた場合には、測定(被験化合物)値が対照(基準物質)値よりも高い値を示す物質を、骨芽細胞分化誘導促進活性、及び破骨細胞分化誘導抑制活性を有する物質として選抜する。
尚、基準物質は、低分子化合物、蛋白質又はペプチド等のいかなる物質であってもよい。具体的なポジティブコントロールとしては、バルプロ酸、トリコスタチンA等を例示することができる。
【0032】
本発明選別方法によって選抜された物質は骨芽細胞分化誘導促進活性を有しており、更に、破骨細胞分化誘導抑制活性を併せ持つことを特徴とする骨芽細胞分化誘導促進剤として使用することができる。
【0033】
本発明を具体的に説明するために、以下に実施例を示すが、本発明はもとよりこれに限定されるものではない。
【実施例】
本実施例で用いられる略号は以下のとおりである。
TRAP:酒石酸耐性酸フォスファターゼ
AP   :アルカリフォスファターゼ
sRANKL:可溶性RANKリガンド (破骨細胞分化因子)
OPG    :オステオプロテジェリン (破骨細胞分化抑制因子)
【0034】
実施例1:
関節リウマチの動物モデルとして公知である、コラーゲン関節炎(CIA)マウスの羅患足根組織をdispaseとcollagenase S1で処理して単分散細胞とし、8日間培養することにより、in vitroで、特に刺激を加えなくても自然に破骨細胞が分化してくることが知られている(J Rheumatol 1998;25:1154−1160)。該破骨細胞分化誘導系の特徴は、破骨細胞や骨芽細胞の前駆細胞など骨髄由来の細胞や、炎症に関与するリンパ系細胞など様々な細胞種を含んでいる点と、炎症性サイトカイン類、増殖因子、分化因子などが多々産生されている点にある。該破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系においては、破骨細胞の分化と同時に、骨芽細胞の分化についても検出することができる。以下、該細胞を用いて、HDAC阻害活性を有する化合物が、細胞分化に及ぼす影響を調べた。
【0035】
CIA 由来破骨細胞様細胞の調製と培養
培養液; 10% FCS (Hyclone) 、100U/mlペニシリン、100 μg/mlストレプトマイシンを含むフェノールレッド不含のα−MEM (GIBCO)
培養条件; 37℃,5% CO
操作; 抗原追加免疫から2週間後に発症してくるコラーゲン関節炎マウス(J Rheumatol 1998;25:1154−1160.)の羅患足根組織を回収し、ミンス後10%FCSα−MEM中でdispaseおよびcollagenase S1により5〜6時間処理し、単分散細胞浮遊液を回収した。これを遠心、再懸濁により洗浄し2.0×10 cells/wellになるように96 穴プレートにまきこんだ。さらに被験化合物溶液を添加し、最終液量200μl/wellから1 ml/wellで2〜4週間培養した。培養9日目に培養上清を取り除き、これを以下のTRAP アッセイ, AP アッセイ に供した。
【0036】
TRAP  アッセイ)
培養後の細胞の上清を吸引除去後、PBS(−)で2回洗浄した。調製した発色液(55mM p−nitrophenyl phosphate/0.05M sodium citrate/0.01M sodium tartrate)を100μl/well添加し、遮光して室温で1時間反応させた(SIGMA社のAcid Phosphatase, Leukocyte Kit)。0.2N水酸化ナトリウム溶液を50μl/well添加し、軽く攪拌後、マイクロプレートリーダー(Molecular devices Vmax、Wako)にて405nmの吸光度を測定した。結果を図1に示した。
AP  アッセイ)
培養後の細胞の上清を吸引除去後、PBS(−)で2回洗浄した。調製した発色液(2 mg/ml p−nitrophenyl phosphate/0.75M 2−amino−2−methyl−1−propanol/pH10.3)を100μl/well添加し、遮光して室温で10 min反応させた(SIGMA社のBCIP/NBT Alkaline Phosphatase Substrate)。0.2N水酸化ナトリウム溶液を50μl/well添加し、軽く攪拌後、マイクロプレートリーダー(Molecular devices Vmax、Wako)にて405nmの吸光度を測定した。図2に結果を示した。
以上の結果から、トリコスタチンA、およびバロプロ酸ナトリウムは、破骨細胞への分化をコントロールと比較して有意に抑制した。一方、これらの化合物は骨芽細胞への分化を促進した。
【0037】
実施例2
(培養上清中のサイトカインの定量( sRANKL/OPG ))
培養後の細胞の上清を回収し、その中に含まれる各サイトカインの定量をTECHNECorporationのELISA キットを用いて行った。方法は添付のマニュアルに準じた。
その結果、トリコスタチンA及びバルプロ酸により、破骨細胞分化誘導因子であり、破骨細胞前駆細胞から骨細胞を誘導する作用を示すsRNAKLの産生が有意に抑制された(図3)。
また、トリコスタチンA及びバルプロ酸により、破骨細胞分化抑制因子であり、破骨前駆細胞のsRANKLによる分化を阻害する作用を有するOPGの産生が有意に促進された(図4)。
従って、HDAC阻害剤は、骨芽細胞に作用し、破骨前駆細胞から破骨細胞への分化を抑制していることがわかった。
【0038】
実施例3:HDAC阻害活性の測定方法
ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)の調製は、Yoshidaら(J. Biol. Chem.265, 17174−17179, 1990)の方法に従って行うことができる。すなわち、B16/BL6細胞から部分精製したものを使用する。該細胞をHDA buffer(15 mM リン酸カリウム、5%グリセロール、0.2 mM EDTA、10% 2−mercaptoethanol 、pH 7.5)に懸濁し、ホモジナイズした後、遠心で核を集め(2500×g, 10 min)、1 M (NH4)2SO4を含む同buffer中で再びホモジナイズすることができる。超音波破砕し遠心して、採取した上清中の(NHSO濃度を3.5 Mまで上昇させ、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)を沈殿させる。この沈殿物をHDAbufferに再溶解し、ゲル濾過でHDA bufferに溶媒交換し、粗histone deacetylase酵素液として用いる。
基質としては、合成基質ペプチド;[3H]acetylated histone H4 peptideを用いる。この[3H]acetylated histone H4 peptideは、ヒストンH4のN末ペプチド;SGRGKGGKGLGKGGAKRHRKVC(C末にはシステインをつけてある)を合成し、3H−無水酢酸で放射アセチル化したものである。
アッセイは被験化合物の存在下、合成基質液と酵素液を37℃で3時間インキュベートすることにより行う(反応容積100μl)。反応を25μlの1M HCl, 0.2 M酢酸を添加で止め、酵素反応で切り出される[3H]acetateを酢酸エチルで抽出して放射活性を測定する。なお、参照群として、被験化合物を反応系添加せず、同じ操作を行う。また、陽性対照としてトリコスタチンAを被験化合物として使用し、上記の操作を行うことができる。阻害活性は、参照群におけるhistone deacetylase酵素活性を50%阻害する濃度で表す(50%阻害濃度)。IC50値が小さい(低濃度)である被験化合物を、骨芽細胞分化誘導抑制活性を有する化合物として選択することができる。具体的には、被験化合物のIC50値がトリコスタチンAのIC50値と同等以下の数値を示す場合、該被験化合物を、骨芽細胞分化誘導抑制剤として選択することができる。
【0039】
比較例1
現在抗炎症剤として臨床で用いられている、COX阻害剤である、フルルビプロフェン並びにインドメタシン、および、ステロイド剤であるデキサメタゾンについて、実施例1と同様に、破骨細胞・骨芽細胞への分化誘導を観測した。
その結果、破骨細胞への分化に対する抑制作用を示す濃度域で、同時に骨芽細胞への分化をも抑制することがわかった。
上記のことから、HDAC阻害剤は、既存のCOX阻害剤やステロイド剤と異なり、骨吸収作用(破骨細胞の分化により促進される。)と、骨形成作用(骨芽細胞の分化により促進される。)を、ともに骨の増加の方向へ導く作用を有するという極めて有用な活性を示すことがわかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、関節リウマチ、関節症、骨粗鬆症、および歯周病等の、骨代謝の異常を伴う疾患および関節・骨の破壊を伴う疾患の治療剤又は予防剤としてHDAC阻害剤が有用であることがわかった。また、前記疾患の優れた選別方法を提供することが可能になった。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】トリコスタチンA、およびバルプロ酸をそれぞれ添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系における破骨細胞の量を示す図である。
【図2】トリコスタチンA、およびバルプロ酸をそれぞれ添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系における骨芽細胞の量を示す図である。
【図3】トリコスタチンA、およびバルプロ酸をそれぞれ添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系におけるsRANKL産生量を示す図である。
【図4】トリコスタチンA、およびバルプロ酸をそれぞれ添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系におけるOPG産生量を示す図である。
【図5】S−フルルビプロフェン、およびインドメタシンを添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系における破骨細胞の量を示す図である。
【図6】S−フルルビプロフェン、およびインドメタシンを添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系における骨芽細胞の量を示す図である。
【図7】デキサメタゾンを添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系における破骨細胞の量を示す図である。
【図8】デキサメタゾンを添加した破骨細胞・骨芽細胞分化誘導系における骨芽細胞の量を示す図である。

Claims (11)

  1. HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有してなる骨芽細胞分化誘導促進剤。
  2. 前記化合物が更に破骨細胞分化誘導抑制活性を有する請求項1記載の骨芽細胞分化誘導促進剤。
  3. 前記化合物がトリコスタチンAまたはバルプロ酸である請求項1又は2記載の骨芽細胞分化誘導促進剤。
  4. HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有してなる関節および/または骨破壊抑制剤。
  5. HDAC阻害活性を有する化合物がトリコスタチンA又はバルプロ酸である請求項4記載の関節および/または骨破壊抑制剤。
  6. HDAC阻害活性を有する化合物またはその薬学上許容される塩を有効成分として含有する関節および/または骨破壊を伴う疾患の予防又は治療剤。
  7. HDAC阻害活性を有する化合物がトリコスタチンA又はバルプロ酸である請求項6記載の関節および/または骨破壊を伴う疾患の予防又は治療剤。
  8. 以下の工程(1)及び(2):
    (1)被験化合物の存在下にHDAC活性を測定する工程、
    (2)(1)により測定されたHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物の骨芽細胞分化誘導促進活性を評価する工程、
    を含む骨芽細胞分化誘導促進活性の評価方法。
  9. 更に以下の工程:
    (3)(1)により測定された被験化合物のHDAC活性と、被験化合物非存在下におけるHDAC活性とを比較することによって得られる被験化合物のHDAC阻害活性に基づき、被験化合物の破骨細胞分化抑制活性を評価する工程、
    を含む請求項8記載の評価方法。
  10. 請求項8記載の評価方法により評価された骨芽細胞分化誘導促進活性に基づき、骨芽細胞分化誘導促進活性を有する化合物を選別する方法。
  11. 請求項9記載の評価方法により評価された、骨芽細胞分化誘導促進活性および破骨細胞分化誘導抑制活性に基づき、骨芽細胞分化誘導促進活性と破骨細胞分化誘導抑制活性を併せ持つ化合物を選別する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100844061B1 (ko) * 2005-02-05 2008-07-04 재단법인서울대학교산학협력재단 히스톤 탈아세틸라제에 대한 저해제 및 이를 이용한 골다공증의 치료 방법
KR101401718B1 (ko) 2012-08-08 2014-06-02 서울대학교산학협력단 히스톤 탈아세틸화효소 억제제를 포함하는 상아질 재생 촉진용 조성물 및 방법
JP2014524922A (ja) * 2011-07-20 2014-09-25 ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション 骨疾患の処置のためのヒストン脱アセチル化酵素6選択的阻害剤

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